JP4439323B2 - 極性基含有共重合体及びその製造方法 - Google Patents
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(1) 炭素数が3以上のα‐オレフィンと下記式(I)で表される化合物との共重合体であって、5,000〜500,000の数平均分子量を有する共重合体において、式(I)で表される化合物を2種類以上含み、該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ該化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在することを特徴とする共重合体
(ここで、X1は極性基を有する炭素数1〜20のアルキル基を示す)
である。
(2)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、ホルミル基、エポキシ基及びニトリル基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(1)記載の共重合体、
(3)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基及びアミノ基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(1)記載の共重合体、
(4)式(I)のX1における炭素数が、1〜8であるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の共重合体、
(5)式(I)で表される化合物が、5‐ヘキセン‐1‐オール、アリルアルコール、アリルアミン、アリルメルカプタン、3‐ブテン‐1‐オール、3‐ブテン酸、5‐ヘキセン酸、5‐ヘキセン酸メチル、9‐デセン‐1‐オール、9‐デセン酸メチル、10‐ウンデセン‐1‐オール及び10‐ウンデセン酸から選ばれる上記(1)記載の共重合体、
(6)式(I)で表される化合物が、2〜3種類含まれるところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の共重合体、
(7)式(I)で表される化合物が、2種類含まれるところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の共重合体、
(8)互いに異なる極性基が、水酸基とアミノ基、水酸基とカルボキシル基、アミノ基とカルボキシル基である上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の共重合体、
(9)炭素数が3以上のα‐オレフィンがプロピレンであるところの上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の共重合体
を挙げることができる。
(10)架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと下記式(I)で表される化合物とを反応させて共重合体を製造する方法において、式(I)で表される化合物を2種類以上使用し、かつ該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、更に、水素並びに下記式(II)、(III)及び(IV)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質を存在させることを特徴とする方法
(ここで、X1は極性基を有する炭素数1〜20のアルキル基を示す)。
(ここで、X2及びX3は夫々独立して、炭素数1〜10のアルキル基を示し、X4は夫々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、nは2〜4の整数を示す)
である。
(11)式(II)で表される物質が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムであり、式(III) で表される物質が、ジメチル亜鉛又はジエチル亜鉛であり、かつ式(IV)で表される物質が、シラン、ヘキシルシラン又はフェニルシランであるところの上記(10)記載の方法、
(12)水素並びに式(II)、(III)及び(IV)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質として、トリメチルアルミニウムが使用されるところの上記(10)記載の方法、
(13)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、ホルミル基、エポキシ基及びニトリル基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(10)〜(12)のいずれか一つに記載の方法、
(14)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基及びアミノ基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(10)〜(12)のいずれか一つに記載の方法、
(15)式(I)のX1における炭素数が、1〜8であるところの上記(10)〜(14)のいずれか一つに記載の共重合体、
(16)式(I)で表される化合物が、5‐ヘキセン‐1‐オール、アリルアルコール、アリルアミン、アリルメルカプタン、3‐ブテン‐1‐オール、3‐ブテン酸、5‐ヘキセン酸、5‐ヘキセン酸メチル、9‐デセン‐1‐オール、9‐デセン酸メチル、10‐ウンデセン‐1‐オール及び10‐ウンデセン酸から選ばれる上記(10)〜(15)のいずれか一つに記載の方法、
(17)式(I)で表される化合物が、2〜3種類使用されるところの上記(10)〜(17)のいずれか一つに記載の方法、
(18)式(I)で表される化合物が、2種類使用されるところの上記(10)〜(17)のいずれか一つに記載の方法、
(19)互いに異なる極性基が、水酸基とアミノ基、水酸基とカルボキシル基、アミノ基とカルボキシル基である上記(10)〜(18)のいずれか一つに記載の方法、
(20)式(I)で表される化合物の極性基をルイス酸と錯化又は反応させて極性基を保護し、次いで、該化合物を炭素数が3以上のα‐オレフィンと共重合させ、次いで、得られた共重合体中の保護された極性基を脱保護する上記(10)〜(19)のいずれか一つに記載の方法、
(21)架橋メタロセン化合物が、下記式(V)で表されるところの上記(10)〜(20)のいずれか一つに記載の方法
(22)架橋メタロセン化合物において、一般式(V)のMがZr、Ti又はHfである上記(21)記載の方法、
(23)架橋メタロセン化合物が、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリドである上記(21)記載の方法
を挙げることができる。
ここで、X2及びX3は夫々独立して、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、X4は夫々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、nは2〜4の整数を示す。
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(1)1H‐NMR:日本電子社製GSX‐270、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、270MHz、パルス角45゜、パルス間隔8秒、120℃、積算回数64回の条件で測定した。試料は、共重合体10ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
(2)13C‐NMR:日本電子社製GSX‐270、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、67.8MHz、パルス角45゜、パルス間隔3秒、120℃、積算回数20000回の条件で測定した。試料は、共重合体60ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
GPC:ポリマーラボラトリー社製PL‐GPC220を用い、トリクロロベンゼンを溶媒として140℃で測定した。試料は0.05〜0.1重量%濃度に調製し、ポリスチレン標準試料を使用して解析した。
500ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、乾燥ヘキサン150ミリリットル及びトリイソブチルアルミニウム100ミリリットル(393ミリモル)を導入した。反応系を−78℃に冷却し、5-ヘキセン-1-オール43.5ミリリットル(369ミリモル)をヘキサン50ミリリットルに溶解させた溶液を温度上昇に気をつけながら、ゆっくりと滴下した。攪拌しながら反応系を室温まで自然上昇させた。次いで、溶媒のヘキサンを減圧留去して、透明かつ粘稠な液体として、i-Bu2Al(OC4H8CH=CH2)90グラムを得た(収率96%)。
乾燥ヘキサン200ミリリットル及びトリメチルアルミニウム39ミリリットル(400ミリモル)を導入し、5-ヘキセン-1-オールに代えてアリルアルコール26ミリリットル(400ミリモル)をヘキサン70ミリリットルに溶解させた溶液を滴下したことを除いて、5-ヘキセン-1-オールの水酸基の保護と同一に実施した。透明かつ粘稠な液体として、Me2Al(OCH2CH=CH2)36グラムを得た(収率80%)。
アリルアルコールに代えてアリルアミン30ミリリットル(400ミリモル)を使用し、攪拌しながら反応系を室温まで自然上昇させた後、60℃で3日間攪拌したことを除いて、アリルアルコールの水酸基の保護と同一に実施した。透明かつ粘稠な液体として、Me2Al(HNCH2CH=CH2)44グラムを得た(収率96%)。
200ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、トルエン42ミリリットル、及びトリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)3ミリリットルを導入した。次いで、上記のようにして極性基を保護して得られたi-Bu2Al(OC4H8CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)及びMe2Al(HNCH2CH=CH2)6.1ミリリットル(48ミリモル)を導入した。室温で攪拌しながら系内を減圧脱気した後、プロピレンで溶液を飽和させて全体を1気圧とした。次いで、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/リットル)4ミリリットルを導入して重合を開始し、そのまま室温で継続的にプロピレンを導入しながら30分間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した。次いで、内容物を大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより、極性基からの脱アルミニウム及び共重合体の沈殿を行った。該沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体0.54グラムを得た(活性:54kg/mol・Zr・h)。
100ミリリットルのガラス製反応容器を使用し、かつトルエン15ミリリットル、i-Bu2Al(OC4H8CH=CH2)2.5ミリリットル及びトリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)1ミリリットルを使用したこと以外は、実施例1と同一に実施した。共重合体0.29グラムを得た(活性:15kg/mol・Zr・h)。
トルエン15ミリリットルを使用し、かつi-Bu2Al(OC4H8CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)に代えてMe2Al(OCH2CH=CH2)6.2ミリリットル(48ミリモル)を使用し、かつ触媒としてジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用したこと以外は、実施例1と同一に実施した。共重合体0.03グラムを得た(活性:3kg/mol・Zr・h)。
十分に窒素置換した内容積100ミリリットルのステンレス鋼製オートクレーブに、トルエン15ミリリットル、及びトリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)1ミリリットルを導入した。次いで、上記のようにして極性基を保護して得られたMe2Al(OC4H8CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)及びMe2Al(HNCH2CH=CH2)6.1ミリリットル(48ミリモル)を導入した。−78℃で、気体プロピレン3.5リットル、及びジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/リットル)4ミリリットルを導入した後、水素を10気圧まで容器内を充填し密閉した。温度を室温まで上昇させ重合を開始し、そのまま室温で3時間重合を行った。その他は、実施例1と同一に実施した。共重合体1.14グラムを得た(活性:19kg/mol・Zr・h)。
トリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)3ミリリットルに代えて、減圧乾燥によりトリメチルアルミニウムを除いたメチルアルモキサンのトルエン溶液(5.7重量%)3ミリリットルを使用した以外は、実施例1と同一に実施した。その結果、共重合体は得られなかった。
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドに代えてジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用し、60分間共重合を行ったこと以外は、実施例1と同一に実施した。共重合体0.36グラムを得た(活性:37kg/mol・Zr・h)。
Claims (8)
- (i)炭素数が3以上のα‐オレフィンと5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンとの5,000〜500,000の数平均分子量を有する共重合体であって、5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンのうちアリルアミンのみがポリマー鎖末端に存在する、又は(ii)炭素数が3以上のα‐オレフィンとアリルアルコールとアリルアミンとの5,000〜500,000の数平均分子量を有する共重合体であって、アリルアルコールとアリルアミンのうちアリルアルコールのみがポリマー鎖末端に存在することを特徴とする共重合体。
- プロピレンと5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンとの共重合体であって、5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンのうちアリルアミンのみがポリマー鎖末端に存在する、請求項1に記載の共重合体。
- プロピレンとアリルアルコールとアリルアミンとの共重合体であって、アリルアルコールとアリルアミンのうちアリルアルコールのみがポリマー鎖末端に存在する、請求項1に記載の共重合体。
- ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドと、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンとを反応させて共重合体を製造する方法において、炭素数が3以上のα‐オレフィンとの反応を行う前に、5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンの極性基を予めアルキルアルミニウムにより保護すること、また、当該α‐オレフィンとの反応を行う際に下記式(II)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質を存在させることを特徴とする、5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンのうちアリルアミンのみがポリマー鎖末端に存在する共重合体を製造する方法。
- ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドと、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下、式(II)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質を存在させて、プロピレンと、予めアルキルアルミニウムにより極性基が保護された5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンとを反応させ、5−ヘキセン−1−オールとアリルアミンのうちアリルアミンのみがポリマー鎖末端に存在する共重合体を製造する、請求項4記載の方法。
- ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドと、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンとアリルアルコールとアリルアミンとを反応させて共重合体を製造する方法において、炭素数が3以上のα‐オレフィンとの反応を行う前に、アリルアルコールとアリルアミンの極性基を予めアルキルアルミニウムにより保護すること、また、当該α‐オレフィンとの反応を行う際に下記式(II)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質を存在させることを特徴とする、アリルアルコールとアリルアミンのうちアリルアルコールのみがポリマー鎖末端に存在する共重合体を製造する方法。
- ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドと、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下、式(II)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質を存在させて、プロピレンと、予めアルキルアルミニウムにより極性基が保護されたアリルアルコールとアリルアミンとを反応させ、アリルアルコールとアリルアミンのうちアリルアルコールのみがポリマー鎖末端に存在する共重合体を製造する、請求項6記載の方法。
- 式(II)で表される物質より成る群から選ばれる物質として、トリメチルアルミニウムが使用される、請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
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