JP2005307113A - 極性基含有共重合体及びその製造方法 - Google Patents

極性基含有共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 炭素数が3以上のα‐オレフィンと2種類以上の極性基含有ビニルモノマーとの共重合体であり、該ビニルモノマーの少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ2種類以上の極性基含有化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在するところの新規な共重合体、及び該共重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 炭素数が3以上のα‐オレフィンと、式(I):CH2=CHX1(式中、X1は極性基を有する炭素数1〜20のアルキル基を示す)で表される化合物との共重合体であって、5,000〜500,000の数平均分子量を有する共重合体において、式(I)で表される化合物を2種類以上含み、該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ該化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在することを特徴とする共重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭素数が3以上のα‐オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとの共重合体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、炭素数が3以上のα‐オレフィンと2種類以上の極性基含有ビニルモノマーとの共重合体及びその製造方法に関する。
ポリオレフィンは、安価であると共に、優れた耐薬品性及びバランスの取れた機械的強度を有することから種々の分野で使用されている。しかし、ポリオレフィンは無極性である故、極性を有する物質(例えば、ポリエステル樹脂等)との親和性に乏しく、塗装性、接着性等に劣ると言う欠点があった。従って、ポリオレフィン製品の表面を修飾する手段は限られていた。
上記問題を解決する方法として、ポリオレフィンに極性基を付与する方法が検討されている。ポリオレフィン自体に極性基を付与する方法としては、主として1) ポリオレフィンに化学的後処理を施す方法、2)リビング重合を利用してポリオレフィン末端に極性基を導入する方法、及び3)共重合を利用してポリオレフィンに極性基を導入する方法が挙げられる。
共重合を利用してポリオレフィンに極性基を導入する方法としては、メタロセン系触媒を使用して、オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン等と極性基含有モノマーとを共重合する方法が検討されている(特許文献1〜7及び非特許文献1〜12参照)。ここで、極性基含有モノマーとしては、例えば、10‐ウンデセン‐1‐オール、5‐ヘキセン‐1‐オール等の水酸基を含むモノマー、シルセスキオキサン等のケイ素を含むモノマー、ホウ素を含むモノマー、アミノ基を含むモノマー等が使用されている。また、極性基含有モノマーが、ポリマー鎖に導入される位置についての検討も行われており、連鎖移動剤として、水素、アルキルアルミニウムを使用することにより、ポリマー鎖末端に極性基を導入し得ることが知られている(特許文献1〜7及び非特許文献10〜12参照)。
所定の架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物を含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとを共重合させる方法が開示されている(特許文献3)。また、周期表第3〜10族から選ばれる遷移金属の化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物、前記遷移金属の化合物と反応してイオン対を形成する化合物、及び有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物とからなる触媒の存在下に、炭素原子数2〜20のα‐オレフィンと、所定の極性基含有モノマーとを共重合する方法が開示されている(特許文献4)。
上記いずれの報告も、α‐オレフィンと、2種類以上の極性基含有ビニルモノマーを同時に共重合する旨の記載はなく、かつこれら2種類以上の極性基含有ビニルモノマー中の1種類を、得られる共重合体のポリマー鎖末端に選択的に結合するものでもない。
特開2000‐319332号公報 特開2001‐329023号公報 特開2002‐201225号公報 特開2002‐155109号公報 特開2003‐212929号公報 特開2003‐252921号公報 特開2003‐252930号公報 Boffa, L. S.; Novak, B. M. Chem. Rev. 2000, 100, 1479 Aaltonen, P.; Lofgren, B. Macromolecules 1995, 28, 5353 Marques, M. M.; Correia, S. G; Ascenso, J. R.; Ribeiro, A. F. G; Gomes, P. T.; Dias, A. R.; Foster P.; Rausch, M. D.; Chien, J. C. W. J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 1999, 37, 2457 Hagihara, H.; Murata, M.; Uozumi, T. Macromol. Rapid. Commun. 2001, 22, 353 Imuta, J.; Kashiwa, N.; Toda, Y. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1176 Hagihara, H.; Tsuchihara, K.; Takeuchi, K.; Murata, M.; Ozaki, H.; Shiono, T. J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2004, 42, 52 Ramakrishnan, S.: Berluche, E.; Chung, T.C. Macromolecules 1990, 23, 378 Kesti, M. R.; Coates, G. W.; Waymouth, R. M. J. Am. Chem. Soc. 1992, 114, 9679 Tsuchida, A.; Bollen, C.; Semetz, F. G.; Frey, H.; Mulhaupt, R. Macromolecules 1997, 30, 2818 Dong. J. Y.; Wang, Z. M.; Hong, H.: Chung, T. C. Macromolecules 2002, 35, 9352 Hagihara, H.; Tsuchihara, K.; Takeuchi, K.; Ishihara, T.; Okabayashi, N.; Hoang, T. B.; Shiono, T. Polym. Prepr. Jpn., 2003, 52, 198 Imuta, J.; Matsugi, T.; Kaneko, H,; Matsuo, S.; Kawahara, N.; Kashiwa, N.; Toda, Y. Polym. Prepr. Jpn. 2003, 52, 1644
本発明は、炭素数3以上のα‐オレフィンと2種類以上の極性基含有化合物との共重合体であり、該極性基含有化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ2種類以上の極性基含有化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在するところの新規な共重合体、及び該共重合体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと下記式(I)で表される化合物とを反応させて共重合体を製造するに際して、下記所定の物質を存在せしめて、式(I)で表される化合物の2種類以上を共重合させると、驚くべきことに、使用した式(I)で表される化合物の1種類のみを選択的にポリマー鎖末端に導入し得ることを見出した。
即ち、本発明は、
(1) 炭素数が3以上のα‐オレフィンと下記式(I)で表される化合物との共重合体であって、5,000〜500,000の数平均分子量を有する共重合体において、式(I)で表される化合物を2種類以上含み、該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ該化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在することを特徴とする共重合体
Figure 2005307113

(ここで、X1は極性基を有する炭素数1〜20のアルキル基を示す)
である。
好ましい態様として、
(2)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、ホルミル基、エポキシ基及びニトリル基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(1)記載の共重合体、
(3)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基及びアミノ基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(1)記載の共重合体、
(4)式(I)のX1における炭素数が、1〜8であるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の共重合体、
(5)式(I)で表される化合物が、5‐ヘキセン‐1‐オール、アリルアルコール、アリルアミン、アリルメルカプタン、3‐ブテン‐1‐オール、3‐ブテン酸、5‐ヘキセン酸、5‐ヘキセン酸メチル、9‐デセン‐1‐オール、9‐デセン酸メチル、10‐ウンデセン‐1‐オール及び10‐ウンデセン酸から選ばれる上記(1)記載の共重合体、
(6)式(I)で表される化合物が、2〜3種類含まれるところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の共重合体、
(7)式(I)で表される化合物が、2種類含まれるところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の共重合体、
(8)互いに異なる極性基が、水酸基とアミノ基、水酸基とカルボキシル基、アミノ基とカルボキシル基である上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の共重合体、
(9)炭素数が3以上のα‐オレフィンがプロピレンであるところの上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の共重合体
を挙げることができる。
また、本発明は、
(10)架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと下記式(I)で表される化合物とを反応させて共重合体を製造する方法において、式(I)で表される化合物を2種類以上使用し、かつ該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、更に、水素並びに下記式(II)、(III)及び(IV)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質を存在させることを特徴とする方法
Figure 2005307113

(ここで、X1は極性基を有する炭素数1〜20のアルキル基を示す)。
Figure 2005307113

(ここで、X2及びX3は夫々独立して、炭素数1〜10のアルキル基を示し、X4は夫々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、nは2〜4の整数を示す)
である。
好ましい態様として、
(11)式(II)で表される物質が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムであり、式(III) で表される物質が、ジメチル亜鉛又はジエチル亜鉛であり、かつ式(IV)で表される物質が、シラン、ヘキシルシラン又はフェニルシランであるところの上記(10)記載の方法、
(12)水素並びに式(II)、(III)及び(IV)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質として、トリメチルアルミニウムが使用されるところの上記(10)記載の方法、
(13)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、ホルミル基、エポキシ基及びニトリル基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(10)〜(12)のいずれか一つに記載の方法、
(14)式(I)のX1における極性基が、カルボキシル基、エステル基、水酸基及びアミノ基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基であるところの上記(10)〜(12)のいずれか一つに記載の方法、
(15)式(I)のX1における炭素数が、1〜8であるところの上記(10)〜(14)のいずれか一つに記載の共重合体、
(16)式(I)で表される化合物が、5‐ヘキセン‐1‐オール、アリルアルコール、アリルアミン、アリルメルカプタン、3‐ブテン‐1‐オール、3‐ブテン酸、5‐ヘキセン酸、5‐ヘキセン酸メチル、9‐デセン‐1‐オール、9‐デセン酸メチル、10‐ウンデセン‐1‐オール及び10‐ウンデセン酸から選ばれる上記(10)〜(15)のいずれか一つに記載の方法、
(17)式(I)で表される化合物が、2〜3種類使用されるところの上記(10)〜(17)のいずれか一つに記載の方法、
(18)式(I)で表される化合物が、2種類使用されるところの上記(10)〜(17)のいずれか一つに記載の方法、
(19)互いに異なる極性基が、水酸基とアミノ基、水酸基とカルボキシル基、アミノ基とカルボキシル基である上記(10)〜(18)のいずれか一つに記載の方法、
(20)式(I)で表される化合物の極性基をルイス酸と錯化又は反応させて極性基を保護し、次いで、該化合物を炭素数が3以上のα‐オレフィンと共重合させ、次いで、得られた共重合体中の保護された極性基を脱保護する上記(10)〜(19)のいずれか一つに記載の方法、
(21)架橋メタロセン化合物が、下記式(V)で表されるところの上記(10)〜(20)のいずれか一つに記載の方法
Figure 2005307113
(ここで、R1及びR4は、夫々独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R2及びR3は、夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、かつQは架橋結合基を表す。)。
(22)架橋メタロセン化合物において、一般式(V)のMがZr、Ti又はHfである上記(21)記載の方法、
(23)架橋メタロセン化合物が、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリドである上記(21)記載の方法
を挙げることができる。
本発明は、炭素数が3以上のα‐オレフィンと2種類以上の極性基含有化合物との共重合体であり、該極性基含有化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ2種類以上の極性基含有化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在するところの新規な共重合体、及び該共重合体を製造する方法を提供する。得られた共重合体がポリマー鎖に2種類以上の極性基を有し、かつそのうちの1種類のみをポリマー鎖末端に有することから、共重合体のポリマー鎖末端とポリマー鎖内部に別々の機能性基又は高分子鎖を導入することができ、ブロック共重合体又はグラフト共重合体の合成及び高分子反応による複合材料の合成に有用である。
本発明においてα‐オレフィンは、炭素数が3以上、好ましくは3〜22、より好ましくは3〜8であり、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。該α‐オレフィンとして、例えば、プロピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン、1‐ヘキセン、3‐メチル‐1‐ブテン、3‐メチル‐1‐ペンテン、3‐エチル‐1‐ペンテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、4‐メチル‐1‐ヘキセン、4,4‐ジメチル‐1‐ヘキセン、4,4‐ジメチル‐1‐ペンテン、4‐エチル‐1‐ヘキセン、3‐エチル‐1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐デセン、1‐ドデセン、1‐テトラデセン、1‐ヘキサデセン、1‐オクタデセン、1‐エイコサン、1−ドコセン等が挙げられる。好ましくは、プロピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン、1‐ヘキセン、4−メチル‐1‐ペンテン、3‐メチル‐1‐ペンテン、1‐オクテン、3‐メチル‐1‐ブテンが挙げられる。特に好ましくは、プロピレンが使用される。これらは単独で用いてもよいし、又は複数混合して用いてもよい。
本発明の式(I):CH2=CHX1で表される化合物において、X1は極性基を有する炭素数1〜20、好ましくは1〜8のアルキル基を示す。極性基としては、好ましくは、カルボキシル基、エステル基、水酸基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、ホルミル基、エポキシ基及びニトリル基が挙げられる。より好ましくは、カルボキシル基、エステル基、水酸基及びアミノ基が挙げられる。式(I)で表される化合物としては、例えば、5‐ヘキセン‐1‐オール、2‐メチル‐3‐ブテン‐1‐オール、10‐ウンデセン‐1‐オール、12‐トリデセン‐2‐オール、10‐ウンデセン酸、メチル‐9‐デセネート、t‐ブチル‐10‐ウンデセネート、1,1‐ジメチル‐2‐プロペン‐1‐オール、9‐デセン‐1‐オール、3‐ブテン酸、3‐ブテン‐1‐オール、N−(3‐ブテン‐1‐イル)フタルイミド、5‐ヘキセン酸、5‐ヘキセン酸メチル、5‐ヘキセン‐2‐オン、アリルアルコール、アリルアミン、アリルメルカプタン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等が挙げられる。好ましくは、5‐ヘキセン‐1‐オール、アリルアルコール、アリルアミン、5‐ヘキセン酸、10‐ウンデセン‐1‐オール、10‐ウンデセン酸が使用される。
本発明の共重合体において、上記式(I)で表される化合物は、2種類以上、好ましくは2〜3種類、特に好ましくは2種類含まれる。また、2種類以上の該極性基含有化合物のうち、少なくとも2種類、好ましくは2〜3種類、特に好ましくは2種類が、互いに異なる極性基を有する。そして、2種類以上の該極性基含有化合物のうちの1種類のみが、共重合体のポリマー鎖末端に存在する。ここで互いに異なる極性基に、特に制限はなく上記の極性基から任意に選ぶことができる。例えば、式(I)で表される化合物を2種類含み、該2種類の化合物が互いに異なる極性基を有するとき、極性基の組み合わせとして、好ましくは水酸基とアミノ基、水酸基とカルボキシル基、アミノ基とカルボキシル基等が挙げられる。ここで、水酸基とアミノ基との組み合わせに際して、式(I)で表される化合物として、好ましくは5‐ヘキセン‐1‐オールとアリルアミン、アリルアルコールとアリルアミンとが使用され、水酸基とカルボキシル基との組み合わせに際して、好ましくはアリルアルコールと5‐ヘキセン酸、アリルアルコールと9‐デセン酸とが使用され、アミノ基とカルボキシル基との組み合わせに際して、好ましくはアリルアミンと5‐ヘキセン酸、アリルアミンと9‐デセン酸とが使用される。
また、本発明の共重合体において式(I)で表される化合物単位の含有量は、下限が0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上であり、上限が好ましくは95モル% 、より好ましくは90モル% である。該含有量が上記下限未満では、本発明の共重合体に優れた化学修飾性を付与することができず、接着性、印刷性、相溶性等の性能を向上させることができない。ここで、式(I)で表される化合物単位の含有量とは、共重合体中の全モノマー単位数に対する該化合物単位数の割合をパーセントで示したものである。本発明の共重合体は、数平均分子量の上限が好ましくは500,000であり、より好ましくは200,000であり、更に好ましくは70,000であり、下限が好ましくは5,000であり、より好ましくは7,000であり、更に好ましくは8,000である。上記下限未満では、機械的強度が劣り、上記上限を超えては接着性、相溶性が劣る。
本発明の方法においては、架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと上記の極性基含有化合物の2種類以上とを反応させて共重合体を製造するに際して、更に、水素並びに下記式(II)、(III)及び(IV)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上を存在させる。これにより上記本発明の共重合体を製造することができる。
Figure 2005307113

ここで、X2及びX3は夫々独立して、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、X4は夫々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、nは2〜4の整数を示す。
式(II)で表される物質としては、好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2‐エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムが挙げられる。より好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが使用される。
式(III)で表される物質としては、好ましくはジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジn-デシル亜鉛等のジアルキル亜鉛が挙げられる。より好ましくはジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛が使用される。
式(IV)で表される物質としては、好ましくはフェニルシラン、ジフェニルシラン、フェニルメチルシラン、ペンタメチルジシロキサン、メチルシラン、ジメチルシラン、ヘキシルシラン等の有機ケイ素化合物が挙げられる。
本発明で用いる架橋メタロセン化合物は、好ましくは下記一般式(V)で表される2個のインデニル基配位子を有する化合物である。高立体的なインデニル基を有することにより、炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有化合物とのランダム共重合反応において、極性基含有化合物の反応性をコントロールすることができる。
Figure 2005307113
上記の式中、R1及びR4は、夫々独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、好ましくは炭素数6〜14のアリール基を表す。より好ましくは、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基又はアントリル基から選ばれる。R2及びR3は、夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Mは周期表の第4族の遷移金属を表し、好ましくはZr、Ti又はHfであり、特に好ましくはZrである。2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ハロゲン原子としては、好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。これらのうち、Xとして特に塩素が好ましい。Qは架橋結合基を表す。架橋結合基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、シクロヘキシレン基等の(シクロ)アルキレン基類、又はシリレン基、ジメチルシリレン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基等のシリレン基類が挙げられる。このうち、メチレン基、エチレン基及びジメチルシリレン基が好ましい。
上記の架橋メタロセン化合物としては、例えば、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビスインデニルジルコニウムジクロリド、メチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、メチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(インデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(インデニル)チタニウムジメチル、メチレンビス(インデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロリド、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジメチル、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(8‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,8‐ジメチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、エチレン(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレン(8‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレン(2,8‐ジメチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチルインデニル)チタニウムジクロリド、メチレンビス(ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、メチレンビス(ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、メチレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチルインデニル)チタニウムジメチル、メチレンビス(ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチルインデニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、メチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐ベンゾインデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐インデニル) ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビスインデニルジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)チタニウムジクロリド等が挙げられる。
また、特開平2‐41303号公報、特開平2‐274703号公報、特開平2‐274704号公報、特開平4‐69394号公報、特開2000‐319332号公報及び特開2002‐155109号公報等に記載されている架橋メタロセン化合物を使用することもできる。該メタロセン化合物としては、例えば、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9‐フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(9‐フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9‐フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9‐フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7‐ジターシャリー‐ブチル‐9‐フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル) (2,7‐ジターシャリー‐ブチル‐9‐フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル) (2,7‐ジターシャリー‐ブチル‐9‐フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチリデンシクロペンタジエニル9‐フルオレニルジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
これらの中で、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルインデニル) ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド及びジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリドが好ましい。これらは単独で使用してもよいし、又は複数種併用して使用することもできる。
本発明で上記架橋メタロセン化合物と共に用いられるアルモキサンとしては、例えば、下記一般式(VI)又は(VII)で表されるメチルアルモキサンが挙げられる。
Figure 2005307113
Figure 2005307113
(式(VI)及び(VII)中、nは0〜40、好ましくは2〜30の整数である。)
一般式(VI)及び(VII)の化合物は、トリメチルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。メチルアルモキサンは、他のトリアルキルアルミニウムと水から得られるアルモキサン、例えば、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等と複数種併用して用いることもできる。
メチルアルモキサンは、公知の方法で調製することができる。例えば、 (イ)トリメチルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ロ)トリメチルアルミニウムを、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応させる方法、(ハ)トリメチルアルミニウムをシリカゲル等に含浸させた水分と反応させる方法、(ニ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と加熱反応させる方法、(ヘ)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、これをトリメチルアルミニウムで追加処理する方法、(ト)メチルアルモキサン及びイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら2成分を所定量混合し、加熱反応させる方法、(チ)ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅5水塩等の結晶水を有する塩を入れ、マイナス40〜40℃位の温度条件下にてトリメチルアルミニウムと反応させる方法(この場合、使用する水の量は、トリメチルアルミニウムに対して、モル比で通常0.5〜1.5である)が挙げられる。このようにして得られたメチルアルモキサンは、上記一般式(VI)及び(VII)に示すような、線状又は環状の有機アルミニウムの重合体である。
本発明で用いるホウ素化合物としては、例えば、Ph3CB(C6F5)4、PhNMeHB(C6F5)4、B(C6F5)3等の化合物が挙げられる。
上記の架橋メタロセン化合物とアルモキサン又はホウ素化合物を含有する触媒を用い、炭素数が3以上のα‐オレフィンと、式(I)で表される化合物とを共重合する共重合反応は、気相又は液相のいずれでも実施することができる。重合温度は、−100℃〜100℃、好ましくは0〜50℃である。重合圧力は、好ましくは0.1〜60気圧である。炭素数が3以上のα‐オレフィン及び式(I)で表される化合物の量は、重合温度、重合圧力、重合方法等に依存して変化し、通常当業者に公知の量で使用され得る。得られる重合体の分子量の調節は、水素又は他の公知の分子量調節剤を存在せしめることにより行われる。液相で実施する場合には、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素又は炭素数が3以上のα‐オレフィンモノマー中で行うことができる。また、本発明の共重合反応は、反応容器内のモノマー組成比が実質的に変わらないよう制御し得る方法で実施することが好ましく、例えば、連続式、半回分式又はバッチ式で実施することができる。該重合反応は一段でも二段以上で行ってもよい。
溶液重合の場合、架橋メタロセン化合物の濃度は、1×10-4〜1×10-2モル/リットルが好ましい。アルモキサンの使用量は、架橋メタロセン化合物1モル当たり好ましくは50〜1000モル、より好ましくは100〜500モルである。また、ホウ素化合物の使用量は、架橋メタロセン化合物1モル当たり好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.8〜1.2モルである。
本発明の方法において水素は、好ましくは0.1〜60気圧、より好ましくは1〜20気圧で使用される。式(II)、(III)及び(IV)で表される物質は、架橋メタロセン化合物1モル当り、好ましくは10〜1,000モル、より好ましくは50〜500モルで使用される。
本発明の方法において、式(I)で表される極性基含有化合物を用いて、共重合体を製造するに際しては、該極性基含有化合物の極性基をルイス酸と錯化又は反応させて極性基を保護し、次いで、該極性基含有化合物を炭素数が3以上のα‐オレフィンと共重合させ、次いで、該共重合体から極性基に結合された保護原子団をはずして、最初の極性基基に戻す方法を用いることが好ましい。極性基の保護に用いるルイス酸としては、例えば、アルミニウム化合物、ホウ素化合物、アルキル亜鉛化合物、アルキルマグネシウム化合物、アルキルリチウム化合物、シラン化合物等が挙げられる。特に極性基が水酸基である場合は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物を用いることが好ましい。
例えば、末端水酸基含有化合物モノマーである5‐ヘキセン‐1‐オールの末端水酸基を、トリメチルアルミニウムとを反応させ、メチルアルミニウムジ(5‐ヘキセノキサイド)又はジメチルアルミニウム(5‐ヘキセノキサイド)を合成し、次いで、炭素数が3以上のα‐オレフィンと該メチルアルミニウムジ(5‐ヘキセノキサイド) 又はジメチルアルミニウム(5‐ヘキセノキサイド)を共重合させ、次いで、得られた共重合体を酸性アルコール溶液で加水分解することにより、脱アルミニウム反応を行い、水酸基を生成させる方法がある。また、5‐ヘキセン‐1‐オールとトリイソブチルアルミニウムとを反応させ、ジイソブチルアルミニウム(5‐ヘキセノキサイド)を合成して、上記と同様にして実施することもできる。
上記本発明の方法により、炭素数が3以上のα‐オレフィンと式(I)で表される化合物との共重合体において、式(I)で表される化合物を2種類以上含み、該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ該化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在すること共重合体を製造することができる。架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の種類と、式(I)で表される化合物の種類との関係により、所定の式(I)で表される化合物を共重合体ポリマー鎖の末端又は側鎖のいずれかに選択的に導入することができる。例えば、触媒として、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドとメチルアルモキサンを使用して、炭素数が3以上のα‐オレフィンとアリルアミン及び他の式(I)で表される化合物とを共重合すると、ポリマー鎖末端にアリルアミンを選択的に導入することができ、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドに代えて、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用すると、ポリマー鎖側鎖にアリルアミンを選択的に導入することができる。触媒として、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドを使用して、炭素数が3以上のα‐オレフィンと5-ヘキセン-1-オール及び他の式(I)で表される化合物とを共重合すると、ポリマー鎖側鎖に5-ヘキセン-1-オールを選択的に導入することができ、この傾向は、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドに代えてジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用しても同様である。また、触媒として、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用して、炭素数が3以上のα‐オレフィンとアリルアルコール及び他の式(I)で表される化合物とを共重合すると、ポリマー鎖末端にアリルアルコールを選択的に導入することができる。
(実施例)
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
得られた共重合体の構造解析は、1H‐NMRと13C‐NMRを使用して行った。
(1)1H‐NMR:日本電子社製GSX‐270、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、270MHz、パルス角45゜、パルス間隔8秒、120℃、積算回数64回の条件で測定した。試料は、共重合体10ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
(2)13C‐NMR:日本電子社製GSX‐270、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、67.8MHz、パルス角45゜、パルス間隔3秒、120℃、積算回数20000回の条件で測定した。試料は、共重合体60ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
極性基含有ビニルモノマー単位の含有量は、1H‐NMRスペクトルにおいて、極性基に隣接するメチレンプロトン積分値とそれ以外のプロトン積分値の和に対する、極性基に隣接するメチレンプロトン積分値の割合から算出した。また、共重合体の末端に存在する極性基含有ビニルモノマー単位の量は、13C‐NMRにおいて、末端に存在する極性基に隣接するメチレン炭素の積分値とそれ以外の極性基に隣接するメチレン炭素の積分値の割合から算出した。
得られた共重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)はGPCにより測定した。
GPC:ポリマーラボラトリー社製PL‐GPC220を用い、トリクロロベンゼンを溶媒として140℃で測定した。試料は0.05〜0.1重量%濃度に調製し、ポリスチレン標準試料を使用して解析した。
実施例及び比較例において使用した極性基含有ビニルモノマーは5-ヘキセン-1-オール、アリルアルコール及びアリルアミンである。これらのビニルモノマーの極性基を下記のようにして保護した。
5-ヘキセン-1-オールの水酸基の保護
500ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、乾燥ヘキサン150ミリリットル及びトリイソブチルアルミニウム100ミリリットル(393ミリモル)を導入した。反応系を−78℃に冷却し、5-ヘキセン-1-オール43.5ミリリットル(369ミリモル)をヘキサン50ミリリットルに溶解させた溶液を温度上昇に気をつけながら、ゆっくりと滴下した。攪拌しながら反応系を室温まで自然上昇させた。次いで、溶媒のヘキサンを減圧留去して、透明かつ粘稠な液体として、i-Bu2Al(OC48CH=CH2)90グラムを得た(収率96%)。
アリルアルコールの水酸基の保護
乾燥ヘキサン200ミリリットル及びトリメチルアルミニウム39ミリリットル(400ミリモル)を導入し、5-ヘキセン-1-オールに代えてアリルアルコール26ミリリットル(400ミリモル)をヘキサン70ミリリットルに溶解させた溶液を滴下したことを除いて、5-ヘキセン-1-オールの水酸基の保護と同一に実施した。透明かつ粘稠な液体として、Me2Al(OCH2CH=CH2)36グラムを得た(収率80%)。
アリルアミンのアミノ基の保護
アリルアルコールに代えてアリルアミン30ミリリットル(400ミリモル)を使用し、攪拌しながら反応系を室温まで自然上昇させた後、60℃で3日間攪拌したことを除いて、アリルアルコールの水酸基の保護と同一に実施した。透明かつ粘稠な液体として、Me2Al(HNCH2CH=CH2)44グラムを得た(収率96%)。
(実施例1)
200ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、トルエン42ミリリットル、及びトリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)3ミリリットルを導入した。次いで、上記のようにして極性基を保護して得られたi-Bu2Al(OC48CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)及びMe2Al(HNCH2CH=CH2)6.1ミリリットル(48ミリモル)を導入した。室温で攪拌しながら系内を減圧脱気した後、プロピレンで溶液を飽和させて全体を1気圧とした。次いで、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/リットル)4ミリリットルを導入して重合を開始し、そのまま室温で継続的にプロピレンを導入しながら30分間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した。次いで、内容物を大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより、極性基からの脱アルミニウム及び共重合体の沈殿を行った。該沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体0.54グラムを得た(活性:54kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が12,800、分子量分布(Mw/Mn)が1.70であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより得られた各スペクトル(夫々、図1及び2)を解析したところ、共重合体中の5-ヘキセン-1-オールの含有量は3.18モル%であり、かつアリルアミンの含有量は0.12モル%であった。また、13C‐NMRスペクトルにおけるメチレン炭素の各ピークの積分値比より算出したところ、該アリルアミンの77%が得られた共重合体の末端に存在していた。5-ヘキセン-1-オールは共重合体の末端には存在していなかった。
(実施例2)
100ミリリットルのガラス製反応容器を使用し、かつトルエン15ミリリットル、i-Bu2Al(OC48CH=CH2)2.5ミリリットル及びトリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)1ミリリットルを使用したこと以外は、実施例1と同一に実施した。共重合体0.29グラムを得た(活性:15kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が8,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.84であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより得られた各スペクトル(夫々、図3及び4)を解析したところ、共重合体中の5-ヘキセン-1-オールの含有量は3.41モル%であり、かつアリルアミンの含有量は0.48モル%であった。また、13C‐NMRスペクトルにおけるメチレン炭素の各ピークの積分値比より算出したところ、該アリルアミンのほぼ全てが得られた共重合体の末端に存在していた。5-ヘキセン-1-オールは共重合体の末端には存在していなかった。
(実施例3)
トルエン15ミリリットルを使用し、かつi-Bu2Al(OC48CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)に代えてMe2Al(OCH2CH=CH2)6.2ミリリットル(48ミリモル)を使用し、かつ触媒としてジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用したこと以外は、実施例1と同一に実施した。共重合体0.03グラムを得た(活性:3kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が3,400、分子量分布(Mw/Mn)が2.00であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより得られた各スペクトル(図示せず)を解析したところ、共重合体中のアリルアルコールの含有量は0.12モル%であり、かつアリルアミンの含有量は0.70モル%であった。また、該アリルアルコールの70%が得られた共重合体の末端に存在していた。アリルアミンは共重合体の末端には存在していなかった。
(実施例4)
十分に窒素置換した内容積100ミリリットルのステンレス鋼製オートクレーブに、トルエン15ミリリットル、及びトリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)1ミリリットルを導入した。次いで、上記のようにして極性基を保護して得られたMe2Al(OC48CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)及びMe2Al(HNCH2CH=CH2)6.1ミリリットル(48ミリモル)を導入した。−78℃で、気体プロピレン3.5リットル、及びジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/リットル)4ミリリットルを導入した後、水素を10気圧まで容器内を充填し密閉した。温度を室温まで上昇させ重合を開始し、そのまま室温で3時間重合を行った。その他は、実施例1と同一に実施した。共重合体1.14グラムを得た(活性:19kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が8,800、分子量分布(Mw/Mn)が1.60であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより得られた各スペクトル(図示せず)を解析したところ、共重合体中の5-ヘキセン-1-オールの含有量は1.07モル%であり、かつアリルアミンの含有量は0.22モル%であった。また、該アリルアミンのほぼ全てが得られた共重合体の末端に存在していた。5-ヘキセン-1-オールは共重合体の末端には存在していなかった。
(比較例1)
トリメチルアルミニウム(約30重量%)を含むメチルアルモキサンのトルエン溶液(8.5重量%)3ミリリットルに代えて、減圧乾燥によりトリメチルアルミニウムを除いたメチルアルモキサンのトルエン溶液(5.7重量%)3ミリリットルを使用した以外は、実施例1と同一に実施した。その結果、共重合体は得られなかった。
(比較例2)
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドに代えてジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用し、60分間共重合を行ったこと以外は、実施例1と同一に実施した。共重合体0.36グラムを得た(活性:37kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が4,100、分子量分布(Mw/Mn)が1.89であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより得られた各スペクトル(図示せず)を解析したところ、共重合体中の5-ヘキセン-1-オールの含有量は4.65モル%であり、かつアリルアミンの含有量は0.89モル%であった。また、13C‐NMRスペクトルにおけるメチレン炭素の各ピークの積分値より算出したところ、5-ヘキセン-1-オール及びアリルアミンのほぼ全てが得られた共重合体の内部に存在しており、末端には存在していなかった。
本発明は、炭素数が3以上のα‐オレフィンと2種類以上の極性基含有化合物との共重合体であり、該極性基含有化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ2種類以上の極性基含有化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在するところの新規な共重合体、及び該共重合体を製造する方法を提供する。得られた共重合体がポリマー鎖に2種類以上の極性基を有し、かつそのうちの1種類のみをポリマー鎖末端に有することから、共重合体のポリマー鎖末端とポリマー鎖内部に別々の機能性基又は高分子鎖を導入することができ、ブロック共重合体又はグラフト共重合体の合成及び高分子反応による複合材料の合成に有用である。例えば、接着剤、塗料、建材、自動車用部材等に有用である。
図1は、実施例1で得られた共重合体についての1H‐NMR測定結果を示す。 図2は、実施例1で得られた共重合体についての13C‐NMR 測定結果を示す。 図3は、実施例2で得られた共重合体についての1H‐NMR測定結果を示す。 図4は、実施例2で得られた共重合体についての13C‐NMR 測定結果を示す。

Claims (3)

  1. 炭素数が3以上のα‐オレフィンと下記式(I)で表される化合物との共重合体であって、5,000〜500,000の数平均分子量を有する共重合体において、式(I)で表される化合物を2種類以上含み、該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、かつ該化合物の1種類のみがポリマー鎖末端に存在することを特徴とする共重合体
    Figure 2005307113

    (ここで、X1は極性基を有する炭素数1〜20のアルキル基を示す)。
  2. 架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと下記式(I)で表される化合物とを反応させて共重合体を製造する方法において、式(I)で表される化合物を2種類以上使用し、かつ該化合物の少なくとも2種類が互いに異なる極性基を有し、更に、水素並びに下記式(II)、(III)及び(IV)で表される物質より成る群から選ばれる一つ以上の物質を存在させることを特徴とする方法
    Figure 2005307113

    (ここで、X1は極性基を有する炭素数1〜20のアルキル基を示す)
    Figure 2005307113

    (ここで、X2及びX3は夫々独立して、炭素数1〜10のアルキル基を示し、X4は夫々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、nは2〜4の整数を示す)。
  3. 水素並びに式(II)、(III)及び(IV)で表される物質より成る群から選ばれる物質として、トリメチルアルミニウムが使用されるところの請求項2記載の方法。
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