JP2006001884A - 固形化粧料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実質的なファニキュラー領域の固形化粧料の製造方法を提供する。
【解決手段】 1)粉体40〜75質量%と2)1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分20〜50質量%とを含有する化粧料の製造方法であって、粉体と油性成分とを押出し混合装置を用いて混合する工程を有することを特徴とする、製造方法を提供する。前記化粧料に於いて、化粧料を構成する、1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分と、該油性成分に可溶な成分との混合物の20℃における粘度は、400〜1000ミリパスカル・秒であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧料の製造方法に関し、更に詳細には粉体を含有する固形化粧料の製造方法に関する。
粉体を含有する、固形化粧料は、例えば、ファンデーション或いはアイカラーのようにメークアップ化粧料等に応用されている。この様な固形化粧料は粉体と親油性成分から構成されているが、粘動力学的な挙動特性から、粉体と親油性成分は任意の割合で混合できるものではなく、粉体40〜75質量%と親油性成分20〜50質量%とを含む領域は、所謂「ファニキュラー」と言う粘動力学的な挙動を示し、これまでの製造技術では均一には混合、成型が極めて行いにくい領域であると言われている。この為、この様な領域を避けて、成型後の硬度の調整に固形脂を使用し、製造時には、加熱してかかる固形脂を液状に変化させて、製造作業を行い、成型後にかかる固形脂を固化させ、擬似的にファニキュラー領域の固形化粧料とする技術が行われている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)しかしながら、粉体表面に析出した固形脂の微細結晶は、粉体の有している化粧仕上がり効果に影響を与え、損なうことがままとして存した。即ち、実質的なファニキュラー領域の固形化粧料の開発が望まれていたと言える。この様な化粧料が実現しない背景には、従来の製造方法での扱える粘弾特性の限界が一つの原因ともなっている。
一方、粉体含有固形化粧料の混合装置としては、粉体が多い粉流体特性を有するものに対しては、ヘンシェルミキサー、パルベライザーなどが存し、親油性成分が多いオイルゲル形態に於いては、ボールミル、ロール等が使用されていた。他方、押出混合機としては、陶芸用の粘土の練り混み、脱気用の機械である、土練機(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8を参照)や、医薬などの顆粒を作成するための押出造粒機などが存するが、これらをファニキュラー領域の粘動力学特性を有する化粧料の製造に応用した例は存しない。
1)粉体40〜75質量%と2)1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分20〜50質量%とを含有する化粧料は全く知られていないし、その製造方法も全く知られていない。
特開2001−213706号公報 特開平11−230316号公報 特開平11−147809号公報 特開2001−212818号公報 特開平10−100131号公報 特開平07−214537号公報 特開2002−273777号公報 特表2002−519217号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、実質的なファニキュラー領域の固形化粧料の製造方法を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、実質的なファニキュラー領域の固形化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、ファニキュラー領域に属する、1)粉体40〜75質量%と2)1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分20〜50質量%とを含有する化粧料を製造するにあたり、粉体と油性成分とを押出し混合装置を用いて混合する工程を経て処理することにより、製造することが出来、且つ、この様にして得られた化粧料が顕著な化粧効果を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)1)粉体40〜75質量%と2)1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分20〜50質量%とを含有する化粧料の製造方法であって、粉体と油性成分とを押出し混合装置を用いて混合する工程を有することを特徴とする、製造方法。
(2)前記化粧料に於いて、化粧料を構成する、1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分と、該油性成分に可溶な成分との混合物の20℃における粘度が、400〜1000ミリパスカル・秒であることを特徴とする、(1)に記載の製造方法。
(3)前記化粧料が固形化粧料であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)前記化粧料の、カードテンションメーターを用いて測定した硬度が、1.5mmφのアタッチメントを用いて、荷重を100gとした場合、30〜60であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の製造方法。
(5)前記化粧料が、メークアップ化粧料であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の製造方法。
本発明によれば、実質的なファニキュラー領域の固形化粧料を容易に製造することができる。
(1)本発明の製造法の対象となる化粧料の必須成分である粉体
本発明の製造方法の対象となる化粧料は、粉体を含有することを特徴とする。本発明に言う粉体とは、水、油脂、界面活性剤、アルコール類、シリコーン類などの化粧料原料には溶解も透明な性状で分散もしない、有機或いは無機の固形物の総称を意味し、具体的には、カオリン、タルク、マイカ、セリサイト、チタンマイカ、積層樹脂小片(グリッター)、チタンセリサイト、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、群青、紺青、赤色102号、赤色226号、黄色4号アルミニウムレーキ、シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、メチルシロキサン網状重合体、架橋型メチルポリシロキサン樹脂、アクリル酸アルキル樹脂類、ナイロン、シルク、セルロース或いはこれらの複合材料などが例示でき、その形状は、球状、不定形、多孔質状、中空状、繊維状、板状或いは塊状であっても良い。更に、その表面は、シリコーン被覆処理、金属石けん被覆処理、アシルアミノ酸塩被覆処理など、通常知られている表面処理が為されていても良い。本発明の製造方法の対象となる化粧料に於いて、かかる粉体類は、その配合目的にかなった役割を担うことが出来る。例えば、隠蔽、演色などのメークアップ効果や紫外線カット効果などが例示できるが、本発明の製造方法の対象となる化粧料の剤形の特徴から、チタンマイカなどの真珠様光沢を有する粉体類による演色効果を目的とする化粧料に適用することが好ましい。従って、本発明の製造方法の対象となる化粧料に於いては、この様な真珠様光沢を有する粉体を含有することが好ましい。この様な真珠様光沢を有する粉体としては、表面を表面処理剤で処理されていても、色素で着色されていても良い、チタンマイカや積層樹脂小片(グリッター)、ホウケイ酸Ca/Alが例示できる。本発明の製造方法の対象となる化粧料に於いては、かかる粉体類は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の製造方法の対象となる化粧料に於ける、粉体の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、40〜75質量%が好ましく、より好ましくは45〜65質量%である。又、かかる粉体の内の70〜99質量%、より好ましくは80〜98質量%が前記真珠様光沢を有する粉体であることが好ましい。
(2)本発明の製造方法の対象となる化粧料の必須成分である油性成分
本発明の製造方法の対象となる化粧料は、1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分を20〜50質量%、必須成分として含有することを特徴とする。この様な油性成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン等の動植物油、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン等の炭化水素油、オレイン酸、イソステアリン酸等の液状脂肪酸、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の液状高級アルコール、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット、グリセリルトリイソステアレート、グリセリルトリイソオクタネート等の合成エステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等が好適に例示できる。かかる油性成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。特に好ましくはジメチコンとグリセリルトリイソステアレートを組み合わせて用いることであり、ジメチコンとグリセリルトリイソステアレートの質量比は、1:2〜2:1が好ましい。この様な油性成分は、処方中の該油性成分に可溶な成分との混合物の20℃における粘度が、400〜1000ミリパスカル・秒であることが好ましく、より好ましくは、450〜950ミリパスカル・秒であることが好ましい。本発明の製造方法の対象となる化粧料に於ける、かかる油性成分の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して20〜50質量%であり、より好ましくは25〜45質量%である。
(3)本発明の製造方法の対象となる化粧料
本発明の製造方法の対象となる化粧料は、前記必須成分を含有することを特徴とする。本発明の製造方法の対象となる化粧料の特徴として、ファニキュラー領域に属することで、顕著な優れた演色性を有する。本発明の製造方法の対象となる化粧料に於いては、本発明の効果を損なわない範囲に於いて、通常化粧料が含有する任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のワックス類、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。本発明の固形化粧料としては、その演色性を生かしたメークアップ化粧料に適用することが好ましく、中でもアイカラー乃至はチークカラーに適用することが好ましい。又、本発明の固形化粧料としては、カードテンションメーターを用いて測定した硬度が、1.5mmφのアタッチメントを用いて、荷重を100gとした場合、30〜60のものが好ましく、40〜50のものがより好ましい。これは固くなり過ぎると化粧料ののりが損なわれる場合が存し、柔らかすぎると、仕上がりの均一性が損なわれる場合が存するためである。
(4)本発明の化粧料の製造方法
本発明の化粧料の製造方法は、前記化粧料をその対象として、粉体と油性成分とを押出し混合装置を用いて混合する工程を有することを特徴とする。この場合、粉体類は予め、ヘンシェルミサーなどで攪拌混合し、丸穴スクリーン乃至はヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーなどのハンマーミルで予め粉砕、混合しておくことも出来る。前記丸穴スクリーンとしては0.5〜2mmφのものが好ましく例示できるし、ヘリングボーンスクリーンのスクリーンの目の間隔は0.1〜10mmが好ましく例示できる。かくして予備混合された粉体は、ニーダーなどの機械を用いて、一様に混合した油性成分とともに予備混合した上で、押出混合装置を用いて均一に混合させることが出来る。この様な押出混合装置による混合工程を、製造工程に含むことが、本発明の製造方法の特徴である。前記押出混合装置としては、円筒中にスクリュー型の移送機構を備え、円筒の片側の噴出口にスクリーンを配し、他方に被混合物の供給機構を備えるものが好ましく例示でき、医薬の分野で加湿してパスタ化した医薬組成物を押出し、ペレット状の顆粒に成形する、押出造粒装置、同様の機構を有し、陶芸の分野に於いて、粘土を押出混合しながら、所望により減圧状態を作り、粘土中の気泡を除去するために使用される土練機などを、かかる混合に転用して用いることが出来る。この様な工程を経て、前記化粧料は油性成分と粉体成分が均一に混合した、ファニキュラー領域の粘弾力学的挙動を示す、塑性塊へと加工することが出来る。これを一定量秤量し、金皿などに充填し、加圧成型を行うことにより、商品としての化粧料へと加工することが出来る。かかる加圧成型に際しては、所望により加温しながら加圧成型することも可能である。この様な、押出混合を行う押出混合装置としては市販のものが存し、それらを購入して利用することが出来る。市販の押出混合機としては、株式会社石川時鐵工所の「真空土練成形機」が好適に例示できる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
下記に示す処方に従って、本発明の製造方法の対象となる化粧料を作成した。即ち、処方1の成分をヘンシェルミキサーで混合し、0.9mmφ丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、粉体組成物1を得た。又、処方2の成分を室温で混合し、可溶化して油性組成物1も得た。尚、油性組成物の20℃における粘度を測定したしたところ、520ミリパスカル・秒であった。これらを混合し、粗混合物を作り、これを真空土練成形機(株式会社石川時鐵工所製)に2回通して均一な混合物とし、これを金皿に秤取り、加圧成型して、本発明の固形化粧料1を得た。このものの標準白色板に対する色差を部位を変えて3回測定し、分散を求めたところ、0.23であった。このものは、従来の粉体固形化粧料やオイルゲル化粧料に比して、チタンマイカのパール感が極めて鮮やかに出るものであった。又、このパール感は3時間後で全くくすみもなく、演色性の化粧持ちに優れる特質を有していた。
(処方1)
着色チタンマイカ 18 質量部
チタンマイカ 38 質量部
シリカ 4 質量部
(処方2)
「シリコーンKSG−16」 20 質量部
(ジメチコン 75質量部
架橋型メチルポリシロキサン 25質量部)
グリセリルトリイソステアレート 20 質量部
<比較例1>
実施例1の処方で、粉体組成物1と油性組成物1とを、従来の製造で使用される、ニーダーを用いて4時間混合し、これを金皿に秤取り、加圧成型して、本発明の固形化粧料2を得た。このものの標準白色板に対する色差を部位を変えて3回測定し、分散を求めたところ、1.06であった。このもののも従来の粉体固形化粧料やオイルゲル化粧料に比して、チタンマイカのパール感が鮮やかで、演色性の化粧持ち物向上も認められたが、固形化粧料1ほどではなく、土練機による混合が化粧料の品質に好ましい影響を与えていることが観察された。
<比較例2>
実施例1の処方で、粉体組成物1と油性組成物1とを、従来の製造で使用される、ニーダーを用いて4時間混合し、これを更に2回3本ロールにかけて、これを金皿に秤取り、加圧成型して、本発明の固形化粧料3を得た。このものの標準白色板に対する色差を部位を変えて3回測定し、分散を求めたところ、0.72であった。このもののも従来の粉体固形化粧料やオイルゲル化粧料、固形化粧料2に比して、チタンマイカのパール感が鮮やかで、演色性の化粧持ち物向上も認められたが、固形化粧料1ほどではなく、土練機による混合が化粧料の品質に好ましい影響を与えていることが観察された。
<実施例2>
実施例1と同様に下記処方に従って、固形化粧料4を作成した。このもの標準白色板に対する色差を部位を変えて3回測定し、分散を求めたところ、0.31であった。このもののも従来の粉体固形化粧料やオイルゲル化粧料、固形化粧料2、固形化粧料3に比して、チタンマイカのパール感が鮮やかで、演色性の化粧持ち物向上も認められたが、固形化粧料1ほどではなく、油相の粘度が化粧料の品質に好ましい影響を与えていることが観察された。
(処方1)
着色チタンマイカ 18 質量部
チタンマイカ 38 質量部
シリカ 4 質量部
(処方3)
グリセリルトリイソステアレート 40 質量部
(*粘度は8000mPascal・秒)
本発明は、ファニキュラー領域などの、これまでにない粘弾力学的挙動を示す領域の化粧料の製造に応用できる。

Claims (5)

  1. 1)粉体40〜75質量%と2)1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分20〜50質量%とを含有する化粧料の製造方法であって、粉体と油性成分とを押出し混合装置を用いて混合する工程を有することを特徴とする、製造方法。
  2. 前記化粧料に於いて、化粧料を構成する、1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油性成分と、該油性成分に可溶な成分との混合物の20℃における粘度が、400〜1000ミリパスカル・秒であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記化粧料が固形化粧料であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記化粧料の、カードテンションメーターを用いて測定した硬度が、1.5mmφのアタッチメントを用いて、荷重を100gとした場合、30〜60であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記化粧料が、メークアップ化粧料であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の製造方法。
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