以下、本発明のスロットマシンの実施の形態を添付図面を参照して説明するが、まず本実施形態に係るスロットマシンの構成について図1から図3を参照して説明する。
なお、図1は本スロットマシン100の外部構造を表した正面図、図2は本スロットマシン100の内部構造を表した正面図、図3は本スロットマシン100に設けられている制御システムの構成を表したブロック図である。
<構成>
まず、図1を参照して本スロットマシン100の外部構造を概説すると、本スロットマシン100は、遊技者に面するフロントドア101と、フロントドア101が開閉可能に取り付けられた後述の筐体102とを備えて構成されている。
フロントドア101は、機械的に強固な硬質プラスチックで成形された上部パネル部103と中部パネル部104及び下部パネル部105とを備えて構成されている。
上部パネル部103には、上部ランプと呼ばれるランプ103aと、スピーカが取り付けられた放音部103b、103cと、放音部103b、103cの間に位置する長方形の画像表示手段103dが設けられている。
ランプ103aは、遊技中に特定条件を満たしたときに点灯し、役の当選可能性の告知演出等を行うものである。
画像表示手段103dは、カラー画像を表示する液晶ディスプレイやドット画像表示装置等からなるものであり、遊技者に対して視認可能に設けられている。そして画像表示手段103dは、遊技中の演出を行うときに、各種の画像表示を行う。
中部パネル部104には、硬質プラスチック板で形成された略長方形の表示手段WDと、ランプ104a、104bが設けられ、筐体102内に設けられているリールR1、R2、R3を、遊技者が表示手段WDを介して見ることが可能となっている。尚、表示手段WDの前面にさらに保護用の硬質のプラスチックを設ける構成を採っても良い。
ランプ104a、104bは、遊技中に特定条件を満たしたときに点灯し、役の当選可能性の告知演出等を行うものであり、ランプ103aと同等の機能を有する。
リールR1、R2、R3は、リング状のものであり、その外周面には複数種類の図柄(入賞役を構成する図柄等)を印刷したリールテープを貼付したものである。リールR1、R2、R3は、並列に3つ設けられている。また、各リールは、スロットマシン100のフロントパネルに設けられた表示手段WDから、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。そして、リールR1、R2、R3がモータMT1、MT2、MT3(図示略)によって回転されることで、リール上の図柄は、所定の速度で表示手段WD内で上下方向に移動表示される。
更に中部パネル104の下端には、遊技者が操作するための操作部104cが設けられ、当該操作部104cには、スロットマシンゲームを行うのに必要な遊技メダルを投入するためのメダル投入口MDと、1ゲーム当たりのメダル数を提示するためのベットスイッチB1、B2、B3と、1ゲームの開始を指示し、リールR1、R2、R3回転を開始するためのスタートレバーSTと、各リールごとに独立して3つ並設され、回転中のリールR1、R2、R3を個別に停止させるためのストップスイッチSP1、SP2、SP3が設けられている。
更に、メダル投入口MDの近傍に、フロントドア101を解錠するための鍵穴KYが設けられている。そして、遊技場側の事業者や管理者が、鍵穴KYに正規の鍵を挿入して開錠操作すると施錠機構(図示略)を解除し、フロントドア101を筐体102から開くことが可能となっている。
下部パネル105には、本スロットマシン100のゲーム内容を紹介等するためのイラスト(図示略)が描かれており、更に遊技者の獲得した枚数の遊技メダルを払い出すための排出口105a及び受皿105bと、スピーカが取り付けられた放音部105cが設けられている。
次に、図2を参照して、フロントドア101の裏面構造と、筐体102の内部構造を概説する。なお、図2はフロントドア101を開錠して筐体102から開いた状態を表している。
同図において、フロントドア101の裏面上部に上述の放音部103b、103cを構成するスピーカSR、SLが設けられ、スピーカSR、SLの間に画像表示手段103dが設けられている。スピーカSR、SLは、遊技中に各種の演出等を行うべく、所定のサウンドを出力するものである。
更に画像表示手段103dの裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板300が取り付けられている。すなわち、サブ制御基板300は、導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成され、画像表示手段103dの裏面側に重なるようにして取り付けられている。
画像表示手段103dとサブ制御基板300のすぐ下方には3つの蛍光灯FL1、FL2、FL3と2つの遮蔽板CO1、CO2が取り付けられており、さらにその下方には上述の表示手段WDと中部パネル部104のパネル面とが形成された略長方形の枠体104dが取り付けられている。
蛍光灯FL1、FL2、FL3は3つ並んで配置されており個別に点灯するように制御されている。蛍光灯FL1、FL2、FL3はリールR1、R2、R3の表側を各々照射することにより遊技者に対しリールに描かれている図柄を見やすくする機能と、表示手段WDのうちの上部を照射することによりその箇所に描かれているキャラクターなどを見やすくする機能を併せ持つ。
遮蔽板CO1は蛍光灯FL1とF2の間に介在し、遮蔽板CO2は蛍光灯FL2とFL3の間に介在している。このような遮蔽板CO1、CO2は照射の対象となるリール以外のリールを照射しないように蛍光灯FL1、FL2、FL3による照射を遮蔽する機能を有する。従って、蛍光灯FL1はリールR1だけを、蛍光灯FL2はリールR2だけを、蛍光灯FL3はリールR3だけをより良く照射することが可能になる。
枠体104dの下方には、メダル投入口MDより投入される投入物を正規の遊技メダルか異物か判別して振り分けるセレクト機構G0と、セレクト機構G0で振り分けられた遊技メダルを筐体102側に設けられているホッパ装置HPへ案内するガイド部材G1と、セレクト機構G0で振り分けられた異物を排出口105aへ案内するガイド部材G2と、ホッパ装置HPから出力される払い出し用の遊技メダルを排出口105aへ案内するガイド部材G3が設けられ、更に排出口105aの近傍に、放音部105cを構成するスピーカSWが取り付けられている。スピーカSWは、遊技中に各種の演出等を行うべく、所定のサウンドを出力し、スピーカSR、SLと同等の機能を有するものである。
上述の枠体104dとセレクト機構G0との間には、長尺状の電気回路基板で形成された中央表示基板400が取り付けられており、当該中央表示基板400の一端に、発光ダイオードで形成されたセグメント表示を行う設定表示素子CTと、設定ボタンCSとが設けられている。
すなわち、中央表示基板400もサブ制御基板300と同様に、導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成され、更に設定表示素子CTと設定ボタンCSとが搭載されて配線接続されている。
次に、筐体102内には、主電源装置PWUと、メダルの貯蔵、払い出しをするホッパ装置HPと、ホッパ装置HPから溢れた遊技メダルを収容するための補助貯留部SHPが設けられる他、上述の表示手段WDに対向するリールR1、R2、R3及び回胴回転装置200が設けられている。回胴回転装置200はリールR1、R2、R3の回転を制御する装置の総称であり、各リールの回転を個別に制御するためにリールと同数個分搭載されている。そこで各々の回胴回転装置200を回胴回転装置200(1)、200(2)、200(3)と呼ぶことにする。回胴回転装置200(1)はリールR1を、回胴回転装置200(2)はリールR2を、回胴回転装置200(3)はリールR3を制御する。各回胴回転装置200(1)、200(2)、200(3)はリールR1、R2、R3を回転駆動するモータMT1、MT2、MT3と回胴センサS1、S2、S3(図示略)と回胴装置基板600(1)、600(2)、600(3)により構成される。
回胴装置基板600(1)、600(2)、600(3)は導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品を搭載し、モータMT1、MT2、MT3および回胴センサS1、S2、S3と電気的に接続されている。回胴センサS1、S2、S3は各リールに備えられている回胴用のイニシャライズ(図示略)を検出する。回胴用のイニシャライズはリールが1回転するときの初期位置を示す部品である。従って、回胴センサと回胴用のイニシャライズの位置関係は、リールの回転度合いを表している。
さらに各々のリールR1、R2、R3の内周面側(リング状体の中側)にそれぞれ固定配置されたバックランプBL1、BL2、BL3がある。バックランプBL1、BL2、BL3は、ランプ(又はLED等)を点灯することにより、リールR1、R2、R3の図柄を裏側から照光するものである。このバックランプBL1、BL2、BL3による図柄の照光は、図柄を見やすくするための他、遊技中に特定条件を満たしたときに所定のパターンで図柄を照光することにより、役の当選可能性の告知演出等を行うものである。
主電源装置PWUの側面(図では正面)には、制御システム電源供給用のシステム電源スイッチBQと、出玉率設定変更用の設定スイッチBOが取り付けられており、それらが搭載された電源装置基板500が内蔵されている(図3参照)。又回胴回転装置200の上方には主制御基板700が取り付けられている。
次に、図3のブロック図を参照して制御システムの構成を説明する。
上述の主制御基板700は、本スロットマシン100の動作を統括管理するために設けられ、主制御基板700を中心としてサブ制御基板300、中央表示基板400、電源装置基板500、回胴装置基板600(1)、600(2)、600(3)が接続されている。
ここで、主制御基板700には、半導体メモリROMと、マイクロプロセッサMPUが搭載されており、当該マイクロプロセッサMPUが、半導体メモリROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムを実行し、各基板300、400、500、600(1)、600(2)、600(3)を制御することによって、本スロットマシン100の動作状況とゲームの進行を統括管理している。
すなわち、遊技者がスタートレバーSTとストップボタンSP1、SP2、SP3等を操作してゲームを行い、スロットマシンゲーム用のプログラムで予め決められている複数種類の役の何れかを取得すると、マイクロプロセッサMPUは、その遊技者の取得した役に対応した制御モードでゲームの進行を制御する。別言すれば、マイクロプロセッサMPUは、遊技者のゲーム操作に応じてスロットマシンゲーム用のプログラムを実行することによって、遊技の種類を設定し且つ進行すべき遊技の状態を制御する。
更に、サブ制御基板300には、半導体メモリROMと、マイクロプロセッサMPUが搭載され、スピーカSR、SL、SWとランプ103a、104a、104bと画像表示手段103dと蛍光灯FL1、FL2、FL3とバックランプBL1、BL2、BL3が接続されており、サブ制御基板300に設けられている電気回路が、主制御基板700からの指示に従ってこれらスピーカSR、SL、SWとランプ103a、104a、104bと画像表示手段103dと、蛍光灯FL1、FL2、FL3とバックランプBL1、BL2、BL3を稼働させることにより、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出等を行うようになっている。
回胴装置基板600(1)、600(2)、600(3)は、回胴回転装置200(1)、200(2)、200(3)に各々搭載されており、主制御基板700からの指令に従ってモータMT1、MT2、MT3への駆動電力と駆動タイミングを制御することにより、リールR1、R2、R3の回転と制動及び停止の制御を行う。具体的には、リールR1、R2、R3の回転後、回胴センサS1、S2、S3が各リールに備えられている回胴用のイニシャライズを検出する。このとき検出される回胴回転用の信号が回胴装置基板600(1)、600(2)、600(3)を中継し、主制御基板700に送信される。主制御基板700はこの回胴回転用の信号により各リール上の図柄の位置をプログラム上管理する。その後ストップスイッチSP1、SP2、SP3の操作があると、回胴停止用の信号が主制御基板700に送信される。主制御基板700は回胴装置基板600(1)、600(2)、600(3)を中継してモータMT1、MT2、MT3の停止制御を行う。回胴回転装置200を、回胴回転装置200(1)、200(2)、200(3)と各リール毎に備えた構成とすることは、各リールを個別に照射する機能を備えた照射装置を設計するときには好都合であり、前記回胴回転基板が故障したとしてもその故障した基板だけを交換すれば良く、コスト削減を図ることができる。
中央表示基板400には、上述の設定表示素子CTと設定ボタンCSが接続され、更にセレクト機構G0と、ベットボタンB1、B2、B3、スタートレバーST、ストップボタンSP1、SP2、SP3が接続されている。
そして、中央表示基板400は、ベットボタンB1、B2、B3とスタートレバーSTとストップボタンSP1、SP2、SP3が夫々オン又はオフ操作されたことを示す操作信号(符号略)を主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUに転送し、ゲームの進行を制御させる。
また、セレクト機構G0には、メダル投入口MDから投入された投入物を遊技メダルか異物かを検知する光学センサ又は機械センサもしくは磁気センサが設けられており、これらのセンサから出力される投入物検出信号(符号略)を中央表示基板400が主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUへ転送する。
そして、主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUが遊技メダルの投入されたことを示す投入物検出信号を入力すると、メダルの投入枚数を集計する。一方、主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUが異物の投入されたことを示す投入物検出信号を入力すると異常が発生したと判断し、上述のサブ制御基板300に指令して、スピーカSR、SL、SWによる警報音の発生、ランプ103a、104a、104bにて警報表示、または画像表示手段103dによる警報画面の表示を行わせる。
また、設定ボタンCSは、事業者や管理者が出玉率を設定変更するために設けられており、設定ボタンCSがオン操作される度に予め6段階に決められている出玉率を順繰りに変化される。
設定表示素子CTは、1から6までの何れかの数字をセグメント表示することにより、設定ボタンCSによって設定変更された出玉率を段階表示する。そして、事業者や管理者に設定変更された出玉率の情報を知らせる。
次に、電源装置基板500には、図2にも示されているように、システム電源スイッチBQと設定スイッチBO等が搭載されている。更に、電源装置基板500には、電源装置PWUで発生される各種電源電圧をホッパ装置HPその他の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン100の動作に必要なシステム電源が供給されている。
システム電源スイッチBQは、本制御システムをパワーオンリセットするために設けられており、システム電源スイッチBQをオンすると、リールR1、R2、R3を駆動するモータMT1、MT2、MT3等及びリールR1、R2、R3を照射する蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3等に電源を供給する。
設定スイッチBOは、事業者や管理者が手操作によって出玉率を設定変更するために設けられている。
ホッパ装置HPには、払い出し用の遊技メダルがホッパ装置HP内に貯蔵されているか否かを検知するセンサが設けられている。該センサから出力される遊技メダル検出信号(図示略)を電源装置基板500が主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUへ転送する。このようにして遊技メダルの貯蔵状況が管理される。
<動作>
次に、図4のブロック図を用いてスロットマシン100内部で制御される動作の概略を説明する。図4は、スロットマシン100に対し遊技者の遊技操作等に関する入力が行われ、所定のプログラム処理がなされて処理結果を出力し、その処理結果に応じた動作が実行されるまでの概略を説明するブロック図である。前記プログラム処理は、コンピュータが制御手段50を機能させることにより実行される。
スロットマシン100の制御手段50は、スロットマシン100の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン100全体を統括制御する手段である。制御手段50は、演算等を行うCPUと、遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと、CPUが各種の制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等とを備える。
制御手段50の出力側(図中、右側)には、リールR1、R2、R3、モータMT1、MT2、MT3、ランプ103a、104a、104b、バックランプBL1、BL2、BL3、スピーカSR、SL、SW、画像表示手段103d、蛍光灯FL1、FL2、FL3といった周辺機器が電気的に接続されている。
さらに、制御手段50の入力側(図中、左側)には、セレクト機構G0、ベットスイッチB1、B2、B3、スタートレバーST、ストップスイッチSP1、SP2、SP3、回胴センサS1、S2、S3といった周辺機器が電気的に接続されている。
通常遊技においては、遊技者は、メダル投入口MDからメダルを投入するか、又はベットスイッチB1、B2、B3を操作して有効ラインを有効化し、スタートレバーSTをオンする。これにより、各リールR1、R2、R3が始動される。このとき、回胴センサS1、S2、S3が検出する回胴回転用の信号により各リール上の図柄の位置が管理される。そして、遊技者はストップスイッチSP1、SP2、SP3を押すことでリールR1、R2、R3の回転を停止させると、有効ライン上のリールR1、R2、R3の図柄が決定される。そして、有効ライン上に停止したリールR1、R2、R3の図柄の組合せが予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときは入賞となり、成立役に応じてメダルの払出し等が行われる。
また、各遊技中には、種々の演出、例えばランプ103a、104a、104b又はバックランプBL1、BL2、BL3、蛍光灯FL1、FL2、FL3の点灯若しくはスピーカSR、SL、SWからのサウンドの出力、画像表示手段103dによる画像表示等が行われる。これらの演出の中には、役の当選可能性があることを告知する演出を含む。
制御手段50は、遊技用制御手段60と、演出用制御手段70とを備える。遊技用制御手段60は、遊技の進行に関する制御を行うものであり、本実施形態では図3において主制御基板700に備えられており、以下の手段を備える。なお、遊技用制御手段60は、以下に示す手段に限定されるものではない。
(役抽選手段)役抽選手段61は、役(ビックボーナス等の特別役、小役又はリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハード乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
役抽選手段61の乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートレバーSTがオンされた時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、メダルの投入枚数に対応する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がビックボーナス当選領域に属する場合は、ビックボーナスの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
(特定役当選判別手段)特定役当選判別手段62は、役抽選手段61の抽選の結果、特定役、例えば所定の小役や特別役が当選したか否かを判別するものである。ここで、このような特定役の当選を判別するのは、特定役の当選時に、その当選した特定役を遊技者が入賞させやすくするための画像表示、リールの照射制御等を行うためである。従って、何らかの役が当選したときは、演出用制御手段70を通じて画像表示手段103d、蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3等に所定の演出を行わせる。
(停止操作順番検知手段)停止操作順番検知手段63は、ストップスイッチSP1、SP2、SP3の操作順番を検知するものである。各ストップスイッチSP1、SP2、SP3はそれぞれ、停止操作がなされたときに生成される回胴停止用の信号が停止操作順番検知手段63に送信されるように構成されている。停止操作順番検知手段63はそれらの回胴停止用の信号に基づいて1番目、2番目、3番目に操作されたストップスイッチSP1、SP2、SP3の操作順番を検知する。
(リール停止制御手段)リール停止制御手段64は、遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態等)と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチSP1、SP2、SP3がオンされたときのタイミング等とから、リールR1、R2、R3の停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリールR1、R2、R3を停止制御するものである。遊技用制御手段60には停止位置決定用テーブルが設けられている。この停止位置決定用テーブルは、役抽選手段61の抽選結果、及び遊技状態等に対応して設けられており、ストップスイッチSP1、SP2、SP3の操作タイミングに基づいたリールR1、R2、R3の停止位置を定めたものである。
リール停止制御手段64は、役抽選手段61の抽選結果等に対応する所定の停止位置決定用テーブルを選択し、ストップスイッチSP1、SP2、SP3がオンされたときに、そのタイミングに基づいて停止位置決定用テーブルを参照してリールR1、R2、R3の停止位置を決定する。なお、停止位置決定用テーブルを使用せずにリールR1、R2、R3の停止位置を決定しても良い。例えば、ストップスイッチSP1、SP2、SP3がオンされたときに、停止可能位置を判断し、その停止可能位置の中で、適切な停止位置を決定することも可能である。
そして、リール停止制御手段64は、モータMT1、MT2、MT3を駆動制御して、リールR1、R2、R3が所定位置に停止するように制御する。また、役抽選手段61で何らかの役が当選したときは、その当選役に対応するリールR1、R2、R3の図柄の組合せができる限り有効ラインに停止するように制御される。また、役抽選手段61の抽選で非当選のときは、何らかの役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないようにリールR1、R2、R3が停止制御される。
(役入賞判別手段)役入賞判別手段65は、リール停止制御手段64の停止制御に基づき全てのリールR1、R2、R3の停止時に、役を構成する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否か、すなわち役が入賞したか否かを判別するものである。この場合において、有効ライン上の図柄の組合せを判別することで、役を構成する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判別する。入賞が果たされたときは、演出用制御手段70を通じて画像表示手段103d、蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3等に所定の演出を行わせる。
演出用制御手段70は、スロットマシン100の制御のうち、特に演出に関する制御を行うものであり、本実施形態では図3においてサブ制御基板300に備えられており、以下の手段を備える。なお、演出用制御手段70は、以下に示す手段に限定されるものではない。
(演出データ記憶手段)演出データ記憶手段71は、画像表示手段103d、蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3等に代表される演出を実行する手段から出力する通常の演出、または特別役の当選可能性の告知演出に係る演出データ等を記憶したものである。とは言えこれ以外の演出データ、例えばリールR1、R2、R3に表示された遊技進行の態様に応じて蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3によるリール照射等の演出データを記憶していてもよい。
(画像表示制御手段)画像表示制御手段72は、役抽選手段61による役抽選、特定役当選判別手段62による特定役の当選の判別又は役入賞判別手段65の入賞判別の結果、演出データ記憶手段71に記憶された演出データ等に基づいて、遊技中における遊技進行の態様を、画像表示手段103dによって画像表示するように制御するものである。その制御のなかには演出としての画像表示も含まれる。
ここで、演出を行うか否かの判断において、画像表示制御手段72は、例えばリールR1、R2、R3の停止時に、特定の図柄の組合せが出現したときは、予め定められた演出を一律に画像表示するように制御しても良い。また、役抽選手段61による抽選によって画像表示に用いるべき演出データを選択したりしても良い。
(照射制御手段)照射制御手段73は、役抽選手段61による役抽選、特定役当選判別手段62による特定役の当選の判別又は役入賞判別手段65の入賞判別の結果、演出データ記憶手段71に記憶された演出データ等に基づいて、遊技中における遊技進行の態様に応じて、蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3によってリールR1、R2、R3を照射するように制御するものである。その制御のなかには演出としてのリールの照射も含まれる。又停止操作順番検知手段63が検知した、ストップスイッチSP1、SP2、SP3の操作順番に応じて蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3を消灯するように制御する。
<リールの照射に基づく演出の演出態様>
本実施形態のスロットマシンはリールを個別に照射する照射の明度、色又はそれらの組合せを演出として使用する。個別に照射を行うのは、明度等を演出として使用するために照射すべきリール以外のリールを照射すると演出として成り立たなくなるためである。従って照射制御手段73によるリールの照射制御の下、蛍光灯FL1、FL2、FL3、バックランプBL1、BL2、BL3に代表されるリール照射手段は照射したいリールだけを個別に照射するように設計する。このため本実施形態のスロットマシンは蛍光灯を3つに並べ、各蛍光灯間に遮蔽板CO1、CO2を配置することにより、照射対象となるリールだけを照射し、照射対象外のリールを照射しないようにする。
又、リールに照射におけるリールの照射の明度又は色は、蛍光灯及びバックランプそれぞれを点灯するか消灯するかという簡略化した選択形式でも十分調節することが可能である。その選択形式を図5に示す。図5はリールR1、R2、R3と蛍光灯FL1、FL2、FL3と遮蔽板CO1、CO2を模式的に図示し、リールの照射状態を(A)〜(D)に亘り4種類図示したものである。ここでバックランプBL1、BL2、BL3はそれぞれリールR1、R2、R3の背後にあるため図示を省略しているが、リールR1、R2、R3の裏側を照射している。図5を参照してリールの照射の調節における前記選択形式を説明するが、説明を簡単にするためリールの照射の明度だけについて説明し、リールの照射の色に関する説明を省略する。しかしリールの照射の色に関しても同様の調節を行うことが可能である。
図5において、(A)は蛍光灯FL1、FL2、FL3及びバックランプBL1、BL2、BL3が何れも点灯しているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。(B)は蛍光灯FL1、FL2、FL3が点灯しており、バックランプBL1、BL2、BL3は消灯しているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。(C)は蛍光灯FL1、FL2、FL3が消灯しており、バックランプBL1、BL2、BL3は点灯しているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。(D)は蛍光灯FL1、FL2、FL3及びバックランプBL1、BL2、BL3が何れも消灯しているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。(B)と(C)においてリール照射の明度がどちらが大きいかという問題は蛍光灯FL1、FL2、FL3とバックランプBL1、BL2、BL3それぞれの照射においてどちらの明度が大きいかという問題に関わり、あまり意味を持たないが、リールの照射の明度の差が遊技者にとって視認可能であればどちらの明度が大きくても良い。又、図5では全てのリールに照射しているが、もちろん個別にリールの照射を行うことは可能である。消灯演出を含んだリールの照射に基づく演出は基本的にこの(A)〜(D)の状態の何れかを採る。
図6はリールR1、R2、R3と蛍光灯FLを模式的に図示し、遊技進行中の本実施形態の消灯演出の一態様を(a)〜(e)に亘り段階的に図示したものである。バックランプBL1、BL2、BL3はリールR1、R2、R3の背後にあるため図5と同様に図示を省略している。以下、消灯演出の具体的な態様を説明する。
(a)にて遊技者が必要枚数分のメダルを投入すると、蛍光灯FL1、FL2、FL3とバックランプBL1、BL2、BL3を点灯しリールR1、R2、R3を照射することによりリール上の図柄が見やすくなる。次に(b)にて遊技者がスタートレバーSTをオンすると、リールR1、R2、R3が回転し始める。ここで、従来とは異なり蛍光灯FL1、FL2、FL3を全て消灯する必要はない。遮蔽板CO1、CO2による遮蔽機能もあって、蛍光灯FL1、FL2、FL3がそれぞれリールR1、R2、R3を個別に照射しているので、回転中のリールに対してリール照射における明度は変化することがないからである。実際(c)〜(e)にてリールを順次停止する際、停止したリールに対応する蛍光灯は消灯するが、まだ回転しているリールに対しては蛍光灯によるリールの照射を維持しているため明度が変化していない。従って、遊技者が回転しているリール上の図柄を視認するための十分な明度を保つことができる。
その後(c)にて遊技者がストップスイッチSP1を操作すると、リール停止制御手段64の停止制御によりリールR1が停止する。また停止操作順番検知手段63は1番目の停止操作を検知し、照射制御手段73のその操作順番に応じて蛍光灯FL1、バックランプBL1を消灯する。リールR1は最も暗くなり消灯演出が効果的になる。以下同様に(d)、(e)にてストップスイッチSP1→SP2の順番に停止操作され、リールR2、リールR3が暗くなり消灯演出が完成することで遊技者の期待感を高めることができる。このとき役抽選手段61の抽選結果に応じて特定役当選判別手段62の判別により所定の役が当選したり、役入賞判別手段65の判別により所定の役が入賞したときは、照射制御手段73によるリールの照射に基づく演出を行うようにしても良い。
なお、上記形態は本発明を実施するための一例であって、これに限定するものではない。従って、本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形することが可能である。
例えば、上述したリールの照射を行う照射装置とは別の構成で設計された照射装置をスロットマシン100に搭載しても本実施形態で採り上げるリールの照射に基づく演出の演出態様を実現することが可能である。その説明を図7から図11を参照しながら説明する。
図7は、スロットマシン100の他の内部構造を表した正面図であるが、フロントドア101を開錠して筐体102から開いた状態を表している。図2と異なる点は中部パネル部104において、蛍光灯FLを1本だけ搭載し、遮蔽板CO1、CO2の代わりにシャッターSHを蛍光灯FLの下方に設けたことである。シャッターSHはフロントドア101を閉めたときに蛍光灯FLとリールR1、R2、R3の間に介在するように位置している。そしてシャッターSHに各リールR1、R2、R3に対して開口部<1>、<2>、<3>を設けることにより、1本の蛍光灯FLでも個別にリールを照射できるように設計されている。
図8は、スロットマシン100に設けられている制御システムの他の構成を表したブロック図である。図3と異なる点は、サブ制御基板300に対して蛍光灯FLが1本だけ接続されており、シャッターSHがさらに接続されていることである。サブ制御基板300に設けられている電気回路が、主制御基板700からの指示に従ってシャッターSHを稼働させる。具体的には、シャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>を稼働させることにより、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出等を行うようになっている。
図9は、スロットマシン100内部で制御される動作の概略を説明するブロック図である。図4と異なる点は、制御手段50の出力側(図中、右側)に、蛍光灯FLが1本だけ電気的に接続されており、さらにシャッターSHが電気的に接続されていることである。具体的にはシャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>が電気的に接続されており、照射制御手段73は、さらにシャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>の開閉も制御する。
以上のような照明に係る装置を使用しても、本実施形態のスロットマシンはリールを個別に照射でき、そのときの照射の明度、色又はそれらの組合せを演出として使用することができる。照射制御手段73によるリールの照射制御の下、蛍光灯FL、バックランプBL1、BL2、BL3に代表されるリール照射手段は照射したいリールだけを個別に照射するように設計する。このため本実施形態のスロットマシンはシャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>の開閉を制御することにより、照射対象となるリールだけを照射し、照射対象外のリールを照射しないようにする。
又、蛍光灯及びバックランプそれぞれを点灯するか消灯するかという簡略化した選択形式もこの実施形態に適用できる。その選択形式を図10に示す。図10はリールR1、R2、R3と蛍光灯FLとシャッターSHを模式的に図示し、リールの照射状態を(A)〜(D)に亘り4種類図示したものである。ここでバックランプBL1、BL2、BL3はその図示を省略している。この選択形式において、蛍光灯の点灯の有無の選択はシャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>の開閉の選択に置き換えることができる。つまり、蛍光灯FLが点灯していても開口部が閉じていれば、蛍光灯が消灯しているものとみなすことができる。そこで蛍光灯FLは常に点灯しているものとし、図10を参照してリールの照射の調節における前記選択形式を説明する。
図10において、(A)は蛍光灯FL及びバックランプBL1、BL2、BL3が何れも点灯し、シャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>が開いているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。(B)は蛍光灯FLが点灯し、シャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>が開いており、バックランプBL1、BL2、BL3は消灯しているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。(C)は蛍光灯FLが点灯し、シャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>が閉じており、バックランプBL1、BL2、BL3は点灯しているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。(D)は蛍光灯FLが点灯し、シャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>が閉じており、バックランプBL1、BL2、BL3が消灯しているときのリールR1、R2、R3の照射状態である。図10では全てのリールに照射しているが、もちろん個別にリールの照射を行うことは可能である。消灯演出を含んだリールの照射に基づく演出は基本的にこの(A)〜(D)の状態の何れかを採る。
図11はリールR1、R2、R3と蛍光灯FL及びシャッターSHを模式的に図示し、遊技進行中の本実施形態の他の消灯演出の一態様を(a)〜(e)に亘り段階的に図示したものである。バックランプBL1、BL2、BL3はリールR1、R2、R3の背後にあるため図10と同様に図示を省略している。以下、消灯演出の具体的な態様を説明する。
(a)にて遊技者が必要枚数分のメダルを投入すると、シャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>を開き、蛍光灯FL1、FL2、FL3とバックランプBL1、BL2、BL3を点灯しリールR1、R2、R3を照射することによりリール上の図柄が見やすくなる。次に(b)にて遊技者がスタートレバーSTをオンすると、リールR1、R2、R3が回転し始める。ここで、シャッターSHの開口部<1>、<2>、<3>を全て閉じる必要はない。蛍光灯FLはそれぞれリールR1、R2、R3を個別に照射しているので、回転中のリールに対してリール照射における明度は変化することがないからである。実際(c)〜(e)にてリールを順次停止する際、停止したリールに対応する開口部は閉じるが、まだ回転しているリールに対しては開口部が開いているため明度が変化していない。従って、遊技者が回転しているリール上の図柄を視認するための十分な明度を保つことができる。
その後(c)にて遊技者がストップスイッチSP1を操作すると、リール停止制御手段64の停止制御によりリールR1が停止する。また停止操作順番検知手段63は1番目の停止操作を検知し、照射制御手段73の照射制御によりその操作順番に応じて開口部<1>を閉じ、バックランプBL1を消灯する。リールR1は最も暗くなり消灯演出が効果的になる。以下同様に(d)、(e)にてストップスイッチSP1→SP2の順番に停止操作され、開口部<2>、<3>を閉じ、リールR2、リールR3が暗くなり消灯演出が完成することで遊技者の期待感を高めることができる。このとき役抽選手段61の抽選結果に応じて特定役当選判別手段62の判別により所定の役が当選したり、役入賞判別手段65の判別により所定の役が入賞したときは、照射制御手段73によるリールの照射に基づく演出を行うようにしても良い。