以下、本発明に係る遊技機の好適な一実施形態としてスロットマシンを例に図面を参照して説明する。なお、図1は、スロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2は、前扉3を開放した状態におけるスロットマシン1の内部構造を表した図である。
図1において、スロットマシン1は、略矩形状の箱体である筐体2と、当該筐体2と蝶番機構により開閉可能に取り付けられた前扉3とを備えている。前扉3の前面側は、上部パネル部4と下部パネル部5に略区分けされ、これらは視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。更に、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダル(遊技媒体)を貯留する受皿部6aが一体的に形成された受皿ユニット6が設けられている。
また、上部パネル部4と下部パネル部5との間に、遊技者側に突出し、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作卓7が一体的に形成されている。なお、上部パネル部4、操作卓7、下部パネル部5、及び受皿ユニット6は、遊技者側に面し、これらによって「前面パネル部」が構成されている。
上部パネル部4の中央には、硬質プラスチック等で形成されたパネル板41が設けられている。パネル板41のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓42が形成され、表示窓42を通して筐体2内に設けられているリールユニット100の3個のリール101a、101b、101cが目視される。
ここで、筐体2内に設置されているリールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられ、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄が描かれている。遊技者は、表示窓42を通して3列のリールに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄を目視できるようになっている。
また、パネル板41には、裏面側に設けられている図示しないランプを点灯させることで例えば入賞役への内部当選など遊技状態に関する情報を演出表示する遊技状態表示部43と、複数の発光ダイオードを点灯させてドット画像を演出表示するドットマトリクス表示部44、スロットマシン1にクレジット(貯留)されているメダル数や、入賞によって獲得したメダル数、又は入賞役への当選回数等の情報を数値表示する数値情報表示部45が、それぞれ表示窓42の周辺に設けられている。
上部パネル部4の上部には、高輝度発光ダイオード等のランプ類を内蔵する演出用照明部46と、ゲームに係る効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部47a、47bがそれぞれ配置されている。また、演出用放音部47a、47bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された表示窓に面して液晶表示ユニット48が配置されている。なお、液晶表示ユニット48は、ゲームの演出に係る映像を主に表示する。
上部パネル部4の側部には、蛍光灯や高輝度発光ダイオードで形成された演出用照明部49a、49bが設けられている。ゲームの進行に応じて上述した複数の演出用照明部46、49a、49b等が点灯又は点滅することで、ゲームにおける視覚的な演出効果を高めるように形成されている。
操作卓7の上面右側には、メダルを投入するための投入口を有するメダル投入部71が設けられている。また、当該上面の左側には、押しボタンスイッチである3個のベットボタン72、73、74が設けられている。ベットボタン72、73、74はスロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン72が押圧操作されることで、貯留されているメダルから1枚のメダルがゲームに対して賭けられる。同様に、ベットボタン73が押圧操作されることで2枚のメダルが賭けられ、ベットボタン74が押圧操作されることで3枚のメダルが当該ゲームに賭けられる。なお、ベットボタン74は、当該ゲームに対し最大枚数のメダルを賭けることから、特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
操作卓7の前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー75が設けられている。スタートレバー75は、先端に球形の操作ノブを有する上下左右に揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。また、操作卓7の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン76a、76b、76cがリールの配列に対応して並設されている。
操作卓7の前面右側には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴77が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴77に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体2に取り付けられている前扉3を前方へ開くことができ、また前扉3を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの絵などを表示するパネル51が設けられている。下部パネル部5の下側に配置された受皿ユニット6には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、払い出されたメダルを貯留する受皿部6aと、演出効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部62がそれぞれ配置されている。
次に、図2を参照して筐体2の内部構造と前扉3の裏面構造とを説明する。同図において、筐体2内の上部にはスロットマシン1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備え硬質プラスチックのケースに収納された主制御基板20が取り付けられている。
筐体2内の中央には、リール101a、101b、101cを備えるリールユニット100が設けられている。リールユニット100は前扉3が筐体2側に閉じられると前扉3の表示窓42にリール101a、101b、101cが対向するように、所定フレームに位置決めされて取り付けられている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれの軸に連結されたステッピングモータによって回転駆動される。
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する上記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板が取り付けられており、主制御基板20が回胴装置基板に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、各リールの回転と制動及び停止の制御を行っている。
リールユニット100の下方には、ホッパ装置21と、ホッパ装置21から溢れたメダルを収容するための補助貯留部22と、主電源装置23が設けられている。主電源装置23の側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板24が設けられている。更に、筐体2の上部右側の内壁に、遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板25が取り付けられている。
次に、前扉3の裏面側上部には、演出用照明部46の光源である高輝度の発光ダイオード31が複数配列されると共に、上述の演出用放音部47a、47bに対向してスピーカ32a、32bが取り付けられている。また、図2には示していないが、スピーカ32a、32bの間に、液晶表示ユニット48が取り付けられている。更に、液晶表示ユニット48の裏面側に、電気回路基板で形成されたサブ制御基板30が取り付けられている。
なお、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板20によって統括制御されており、サブ制御基板30は、液晶表示ユニット48による演出映像の表示制御、演出用照明部46、49a、49bを使った照明制御、及び演出用放音部47a、47b、62を使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
サブ制御基板30の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明な表示窓42が形成されたパネル板が配置され、表示窓42の下方には、前面側のスタートレバー75及びストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板として機能する中央表示基板33が設けられている。
中央表示基板33の下方には、メダル選別装置34が取り付けられている。メダル選別装置34は、メダル投入部71に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置34はメダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入されメダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示す信号を主制御基板20へ送出する。
メダル選別装置34の下方には、メダル選別装置34によって振り分けられた正規のメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置21へ案内するガイド部材35と、メダル選別装置34により排除されたメダル(又は異物)をメダル排出口61へ案内するガイド部材36が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置21から排出されたメダルをメダル排出口61へ案内するガイド部材37が設けられている。更に、メダル排出口61に隣接して、上述した演出用放音部62に対向するスピーカ38が取り付けられている。
次に、リールユニット100の構造を図3を参照して説明する。なお、図3(a)は、リールユニット100に備えられた一のリール101aを分解して表した平面図、図3(b)は、リール101aの側面図である。リールユニット100は、3個のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられて組み立てられるが、ここでは、一のリール101aについてその構造を代表して説明する。
リール101aは、ステッピングモータ110aの回転軸が挿入される軸穴を有するボス部102と、ボス部102を中心に放射状に延在する複数本のアーム部103と、アーム部103の先端部分に接続されボス部102の中心から同心円状に形成された第1リング部104と、第1リング部104と同一径を有し、これと所定の間隔をおいて平行に位置する第2リング部105と、第1リング部104と第2リング部105を複数カ所で連結する棒状の連結部106から構成され、これらを骨組み体とするプラスチックによって一体的に形成されている。また、一つのアーム部103には、内側に向けて延びる舌片状の遮光片107が形成されている。なお、円筒状のリール101aの外周面には、後述する複数種類の図柄が印刷された長尺状のプラスチックシートであるリールテープ108が捲装される。
ステッピングモータ110aの駆動軸にリール101aのボス部102が固着されることで、ステッピングモータ110aによるリール101aの回転駆動が可能となっている。なお、ステッピングモータ110aは、板状の基枠体111にボルト112で固定される。
基枠体111に取り付けられるバックランプユニット113には、上下方向に3個のバックランプ114、115、116が設けられている。バックランプユニット113はリール101aの内部に収容され、ランプ114、115、116がリールテープ108の裏面を照射することにより、リールテープ108に描かれた3個の図柄を明るく表示するようになっている。
また、バックランプユニット113を介して基準位置センサ120aが基枠体111に取り付けられており、リール101aが一回転する毎にリール101aのアーム部103に形成された遮光片107が基準位置センサ120aを遮光してオン動作させる。なお詳細は後述するが、本実施形態では、各リールの外周面を形成するリールテープに図柄番号がそれぞれ割り当てられた21個の図柄が描かれ、先頭の図柄(図柄番号[0])と最後尾の図柄(図柄番号[20])との境界を基準としている。つまり、先頭と最後尾との図柄の境界が表示窓42の中央のラインに重なる回転位置を当該リールの基準位置として設定し、当該リールが基準位置を通過した時、基準位置センサの出力信号が立ち上がるように形成されている。
次に、図4のブロック図を参照して、スロットマシン1に設けられている制御システムについて説明する。主制御基板20は、CPU201の他にROM203a、RAM203b等の半導体メモリからなる記憶部が備えられ、ROM203aに予め記憶されているスロットマシンゲーム用のシステムプログラム204に従ってCPU201が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を制御している。主制御基板20には、ベットボタン72、73、74、スタートレバー75、ストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類、メダル選別装置34のメダルセンサ34a等の検出スイッチ類が配線ケーブルで接続され、これらのスイッチ類からの出力信号によりゲームに係る操作が検出される。
また、主制御基板20は、各リール101a、101b、101cに設けられる基準位置センサ120a、120b、120cの検出信号を入力し、各リールの基準位置を把握しながら、回胴装置基板130に所定の回胴駆動パルスデータを送出する。回胴装置基板130は、主制御基板20からの回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ110a、110b、110cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作を行っている。なお、主制御基板20による各リール101a、101b、101cの回転及び停止制御の詳細については後述する。
また、主制御基板20には、ホッパ装置21等のメダル払出装置、及びサブ制御基板30がそれぞれ配線ケーブルによって接続されている。入賞が確定した際、主制御基板20はホッパ装置21を制御することで、所定数のメダルを受皿部6aに払い出す。
サブ制御基板30は、主制御基板20からの制御信号に基づいて、演出用放音部47a、47b、62を構成するスピーカ32a、32b、38と、液晶表示ユニット48と、演出用照明部46、49a、49b等からなる演出装置を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行っている。
なお、主制御基板20には、乱数抽選部202が設けられるとともに、ROM203aに入賞抽選テーブル205が記憶されている。入賞抽選テーブル205には、各入賞役またはハズレに数値(参照値)が割り当てられている。CPU201は、スタートレバー75が操作された時点で乱数抽選部202から乱数値を取得し、得られた乱数値に基づいて入賞抽選テーブル205を参照することで、入賞役またはハズレを抽選する。すなわち乱数値に対応する入賞役が存在すると、それを当該ゲームの入賞役として当選し、RAM203bの内部抽選フラグ206に記憶する。ここでは、かかる入賞役の抽選方法を「内部抽選」と呼んでいる。
ROM203aには、上述のシステムプログラム204、入賞抽選テーブル205、リール停止位置検索テーブル208等の書き換え不可の参照テーブルデータが記憶され、またRAM203bには、内部抽選フラグ206、リール停止コマフラグ210、リール制御フラグ211等の随時書き換えられるフラグが所定の記憶領域に確保されている。これら参照テーブルデータ及びフラグは、リール101a、101b、101cの回転及び停止制御の際に用いられ、詳細については後述する。
更に、主制御基板20には、後述する自動停止手段を起動するまでの時間を計測するタイマ212、及び各リール101a、101b、101cのステッピングモータ110a、110b、110cを制御するパルス信号(回胴駆動パルスデータ)の同期を取るためのクロック信号生成部213が設けられている。
かかる構成のスロットマシン1によるゲーム動作の概要を図5(a)及び同図(b)のフローチャートに基づいて説明する。先ず図5(a)に示されるスロットマシンゲームのメインの処理において、スロットマシン1は、先のゲームで入賞しメダルの配当が完了した時、又は先のゲームでハズレが確定すると待機状態となる。この待機状態においては、当該状態を遊技者に示唆するとともにゲーム操作を促す待機モードの演出が行われる(ステップS101)。遊技者がメダル投入部71にメダルを投入し何れかのベットボタン72、73、74を押圧操作することで、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームに所定枚数のメダルが賭けられゲームが準備される(ステップS102:YES)。
ゲーム準備の状態でスタートレバー75が傾倒操作されゲームが開始されると(ステップS103:YES)、主制御基板20は、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始める(ステップS104)とともにタイマ212を起動する(ステップS105)。また、上述した内部抽選を実行する(ステップS106)。内部抽選の結果は、内部抽選フラグ206に記憶される。
ここで、リールの回転速度が一定速度に達したと検出すると(ステップS107:YES)、ストップボタンの操作を契機とするリール停止の割込処理(以下「ストップ操作割込処理」という)を許可する(ステップS108)。
この状態で、遊技者により何れかのストップボタン76a、76b、76cが押圧操作(ストップ操作)され、主制御基板20がリール停止の操作を検出すると、図5(b)に示されるストップ操作割込処理が起動される。このとき、押圧操作されたストップボタンに対応するリールに対し引き込み制御をして停止させる(ステップS152)。
また、主制御基板20は、ステップS105において起動したタイマ212が例えば40秒の既定時間の経過を示した時に、少なくとも何れかのリールが回転中である場合(ステップS109:YES)、当該リールを自動的に停止させる(ステップS111)。このとき、主制御基板20はサブ制御基板30に指令信号を送出し例えばスピーカ32a、32b及び液晶表示ユニット48を駆動することで、自動停止が行われたことを遊技者に音及びメッセージ画像で報知する。
また、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると(ステップS110:YES)、ストップ操作割込処理を禁止し(ステップS112)、各リールが表示する図柄と上述の内部抽選フラグ206に対応する入賞役に係る図柄の組み合せとが一致しているかどうか判定する(ステップS113)。
ステップS113の入賞の判定においては、例えば、ベットボタン74が押圧操作されることで当該ゲームに3枚のメダルが賭けられた場合、図6に示されるように、表示窓42を通して目視される9個の図柄のうち、上中下段のラインL1、L2、L3に沿って横3列に並んだ3組の図柄と、斜めのラインL4、L5に沿って対角線上に並んだ2組の図柄を調べ、何れか1つの組の図柄が内部抽選フラグ206に対応する入賞役に係る図柄の組み合せとが一致しているかどうか判定する。また、ベットボタン73が押圧操作され2枚のメダルが賭けられた場合には、入賞役に係る図柄の組み合せが判定される有効なラインは上中下段のラインL1、L2、L3のみとなる。更に、ベットボタン72が押圧操作され1枚のメダルが当該ゲームに賭けられた場合には、中央(中段)のラインL1のみを有効なラインとして、入賞図柄の組み合せが判定される。
役への入賞が確定すると(ステップS113:YES)、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダルを受皿部6aへ払い出す(ステップS114)。または配当数分のメダルを内部貯留しているクレジット数に加算してもよい。
次に、スロットマシン1における入賞形態の一例を図7及び図8を参照し説明する。図7は、各リール101a、101b、101cの外周に捲装されるリールテープ108に描かれた図柄及びその配列の具体的な例を表し、説明のため各図柄の名称及び符号等を付記している。また、図8には、スロットマシン1における入賞形態の例を、図7に表示した図柄の組み合せを用いて示す表である。
図7において、各リール101a、101b、101cのリールテープには、7種類21個の図柄が適宜の順序でほぼ等間隔に描かれ、それぞれの図柄には、[0]〜[20]の図柄番号が順次割り当てられている。なお、本実施形態によるスロットマシン1においては、各リールは、表示窓42を通して表示される図柄が上から下へ移動する方向に回転するものとしている。このため、リールが回転すると図7に示される図柄番号順に各図柄が変動表示される。また、本実施形態では、リールの回転駆動源として1回転400ステップのステッピングモータを使用するとしている。リールの外周を上述の1ステップに相当する最少可動単位で刻むとすれば、各図柄に所定のステップ数が割り当てられる。ここでは、図7に示すように、図柄番号[0]の図柄には20ステップを割り当て、他の図柄番号[1]から[20]の図柄には19ステップを割り当てている。
図7に示した図柄の配列及び名称を有するスロットマシン1の入賞形態について、その具体的な一例を図8に基づいて説明する。なお、図8(a)は、一般遊技における入賞形態を表している。一般遊技における入賞役物は、入賞した時に所定枚数のメダルを払い出す小役と、ボーナス遊技(レギュラーボーナス:RB)またはRB遊技を連続させる特別ボーナス遊技(ビッグボーナス:BB)等の大当たり役に概ね分けられる。また、再遊技(リプレイ)役は、先のゲームで投入したメダルの枚数を維持しつつ再ゲームの権利を遊技者に与える役物である。
図8(b)は、ボーナス遊技(RB)が作動した場合における入賞形態を表し、このRB遊技が作動すると遊技者は高確率で高配当の遊技状態を所定の条件(ゲーム回数又は入賞回数)に達するまで行うことができる。
更に図8(c)は、特別ボーナス遊技(BB)が作動した場合における入賞形態を表している。このBB遊技は、上記RB遊技を更に所定の回数連続して遊技者に与える。
次に、スロットマシン1の遊技動作を実行する主制御基板20に備えられる制御手段について図9に基づき以下詳細に分説する。
まず、主制御基板20には内部抽選手段250が備えられている。内部抽選手段250は、上述したように、スタートレバー75の操作を契機に乱数抽選部202を起動して乱数値を取得し、入賞抽選テーブル205を参照することで、得られた乱数値に対応する入賞役またはハズレを抽選する。そして、内部抽選の結果を内部抽選フラグ206に記憶する。
リール定速駆動手段251は、スタートレバー75の操作を契機に全てのリール101a、101b、101cの回転を開始して、各リールを一定の速度で回転させる制御を行う。ここで、図10は、リール定速駆動手段251とその他のリールの回転制御に係る手段が共有して使用するリール制御フラグ211の構成を表す図である。なお、リール制御フラグ211は、各リール101a、101b、101cについて、それぞれに設けられる。
リール制御フラグ211は、リール状態フラグRF1、センサ通過フラグRF2、図柄ステップフラグRF3、通過図柄番号フラグRF4、停止図柄番号フラグRF5、ステップカウンタフラグRF6を備え、それぞれに所定のバイト数が割り当てられている。
リール状態フラグRF1には、当該リールの状態が記憶され、例えば、リールが停止中の時は[0]、回転加速中では[1]、定速動作中は[2]等の値が設定される。センサ通過フラグRF2には、リールが定速動作中に基準位置を通過して基準位置センサが検出信号を送出した時、[FFh](h符号は16進数表示とする)が設定される。
図柄ステップフラグRF3には、表示窓42の中央のラインL1を通過中の図柄の位置を、各図柄に割り当てられた上述のステップ数で表して設定される。例えば、図7に示した図柄番号[1]の図柄がラインL1にさしかかると、その図柄に割り当てられたステップ数[19]が設定される。そしてリールが回転するに従いステッピングモータの単位ステップが過ぎる毎に図柄ステップフラグRF3も減少し、図柄の中心がラインL1上に来たときには、図柄ステップフラグRF3は、ほぼ[10]のステップ数を示すこととなる。
通過図柄番号フラグRF4には、現在ラインL1上を通過している図柄の図柄番号が設定される。停止図柄番号フラグRF5には、当該リールにおいて停止させるべき図柄の図柄番号が設定される。なお、停止図柄番号フラグRF5は、後述する入賞図柄または入賞を形成しない図柄(ハズレ図柄)の引き込み制御が行われる際に、所定の停止位置決定手順に従って設定される。かかる引き込み制御等が行われない場合には、[FFh]がデフォルトとして設定されている。
ステップカウンタフラグRF6は、リールが定速動作中においては、主制御基板20がステッピングモータを単位ステップだけ動作させる毎にインクリメントされる。なお、主制御基板20は、クロック信号生成部213からのクロック信号による割込(例えば1.87msec)毎にリール制御フラグ211を更新するとともに、リールを駆動するステッピングモータに対しては、当該割込信号すなわちリール制御フラグ211の更新に同期して単位ステップだけ回転動作を進めるパルス信号(励磁データ)を回胴装置基板130に送出している。
図11は、リールの定速動作中におけるリール制御フラグ211の推移例を表すタイムチャートである。同図によれば、リールが単位ステップだけ回転するに同期して、図柄ステップフラグRF3が減算(デクリメント)され、この値が[1]以下になると、次の図柄番号が通過図柄番号フラグRF4に設定される。また、定速動作中に基準位置センサがオン動作し出力信号の立ち上がりが検出された時、センサ通過フラグRF2に[FFh]が設定され、通過図柄番号フラグRF4に図柄番号[0]が設定され、図柄ステップフラグRF3に、図柄番号[0]の図柄に割り当てられたステップ数である20が設定される。
かかるリール制御フラグ211を主制御基板20のリール定速駆動手段251が逐一更新することで、中央のラインL1上に表示する図柄の種類(図柄番号)及びリールの回転位置を正確に把握し、当該リールを定速で回転制御することが可能となっている。
なお、スロットマシン1のゲームにおいては、全てのリール101a、101b、101cが一定の回転速度に達した状態のとき、ストップボタン76a、76b、76cによるリールの停止操作を有効としている。リールが一定の回転速度に達したか否かの検出は、リールが1回転毎にオン動作する基準位置センサの出力の間隔時間を測定することで行う。すなわち、リールの一定速度を判定する手段は、基準位置センサの出力が所定の周期(クロック信号の割込周期×ステッピングモータが1回転するのに要するステップ数、例えば75msec)に達したことを検出したとき、リールが一定速度で回転していると判定する。また、この方法以外にも、スタートレバー75が操作されることによるリールの回転開始から予め設定される一定時間(すなわちリールの加速時間)の経過をもってリールの回転速度が一定と判定してもよい。この方法によれば、上述のタイマ212の出力を監視することでリールが一定の回転速度に達したか否かの判定を行うことができる。
次に、リールが回転中にストップボタン76a、76b、76cが押圧操作されたときに対応するリールを停止させるストップ操作停止手段260について説明する。上述したように、スロットマシン1のゲームにおいてリールの回転が一定の速度に達したときから全てのリールが停止する間、以下説明するストップ操作停止手段260の割込が許可される。なお、以下説明するストップ操作停止手段260によるリールの停止処理は、図5(b)に示されるステップS152に相当する。
ストップボタンが押圧操作されると、対応するリールの停止位置を決定するリール停止位置決定手段261は、リール停止位置検索テーブル208を使ってストップ操作された状況(他のリールの回転または停止位置、及び内部抽選の結果等)に応じて定められる、当該リールに係る停止図柄配列データ209を特定し、これに基づいて上述のリール制御フラグ211の停止図柄番号フラグRF5をセットする。これにより、停止させようとする当該リールの停止位置を決定する。
例えば、図12は各リール及び内部当選役に応じてその一部(セクション)が選択されるリール停止位置検索テーブル208を示す図であり、説明の都合上、各セクションには符号(例えばLO_A、BB_A等)を付してある。リール停止位置検索テーブル208は、停止操作されたリール及び当該ゲームの内部当選役に応じて使用するセクションが選択され得るように、かかる諸条件と対応付けてROM203aに記憶されている。
そして、リール停止位置検索テーブル208には、他のリールの状態(回転中かまたは停止状態か)毎に予め定められた停止図柄配列データ209が例えば図13及び図14に示すようにそれぞれ対応付けられて記憶されている。ここで、図13は当該ゲームにおいて何れの入賞役にも内部当選しなかった(ハズレた)場合に使用する左リール101a用のリール停止位置検索テーブル(セクションLO_A)を例示する図であり、図14はBB遊技役に内部当選したゲームにおいて使用する左リール101a用のリール停止位置検索テーブル(セクションBB_A)を例示する図である。
かかるリール停止位置検索テーブル208を使用してリール停止位置決定手段261がリールの停止位置を決定する具体的な動作例を以下説明する。定速回転しているリール101aに対しストップボタン76aによる停止操作を主制御基板20が検知すると、リール停止位置決定手段261は、先ず左リール101a用のリール制御フラグ211の通過図柄番号フラグRF4を参照することで、ストップ操作時点において表示窓42の中央のラインL1を通過中の図柄番号を取得する。また、他のリール(中央リール101b、右リール101c)の状態(回転中か、または停止していればその停止位置)をそれぞれのリール制御フラグ211を参照して取得する。更に、内部抽選フラグ206を参照することで当該ゲームにおける内部抽選の結果を取得する。
例えば、リール停止位置決定手段261は、当該ゲームにおける内部抽選の結果がハズレであると判定し、左のリール101aを停止させるストップボタン76aの押圧操作を検知すると、図12に示されるリール停止位置検索テーブル208のセクションLO_Aを参照するとともに、他のリール(中央リール101b、右リール101c)の表示状態に応じて、使用する停止図柄配列データを特定する。図13の例によれば、左のリール101aがストップ操作される際、中央及び右のリール101b、101cが回転中であれば停止図柄配列データLOA_B0C0を特定する。また中央のリール101bが図柄SB2、SB3、SB4を表示して停止し、右のリール101cが図柄SB3、SB4、SB5を表示していれば停止図柄配列データLOA_B2C3を特定する。なお、停止図柄配列データの各ビットは当該リールの図柄番号([0]〜[20])にそれぞれ対応する21ビット長のビット配列から構成される。
図15を参照し、リール停止位置決定手段261が上述の停止図柄配列データLOA_B2C3を特定した場合の動作例について更に説明すると、リール停止位置決定手段261は、ストップ操作時点において表示窓42の中央のラインL1を通過中の図柄が、例えば図柄番号[10](「リンゴ」図柄SA12)であると判定すると、上述の停止図柄配列データLOA_B2C3の10ビット目から15ビット目までの値を当該リール101aのリール停止コマフラグ210へ転送する。ここで、停止図柄配列データ209は、各ビットがその配列順に当該リールの図柄番号と対応している。そして、それぞれの図柄について他のリールが表示する図柄との関係上、中央のラインL1に停止させる図柄であればその対応するビット目に[1](停止ビット)、停止させない図柄であれば対応するビット目に[0](蹴飛ばしビット)が予め設定されている。すなわち、ハズレに係る停止図柄配列データには、他のリールが表示する図柄と組み合わされた場合に入賞を形成しない図柄を停止させるべく停止ビット[1]が設定され、またいずれかの入賞役に係る停止図柄配列データには、その入賞役に係る図柄を形成する図柄番号に対応するビット目のみに停止ビット[1]がセットされている。
また、リール停止コマフラグ210は6ビット長のビット配列で構成され、中央のラインL1を通過中の図柄がゼロビット目に対応し、当該図柄から1コマずつ滑らせて表示されるそれぞれの図柄が、1ビット目から5ビット目までのビット配列に従って順次対応している。すなわち、リール停止位置決定手段261は、セットされたリール停止コマフラグ210に基づいて、停止させるべき図柄のうち最少の滑りコマ数で停止制御可能な図柄(直近の図柄)の図柄番号をリール制御フラグ211の停止図柄番号フラグRF5にセットする。
図15の例では、リール停止コマフラグ210の0ビット目と2ビット目に停止ビット[1]が立っており、ストップ操作時に中央のラインL1通過中の図柄(図柄番号[10])から0コマまたは2コマ滑らせた図柄、すなわち図柄番号[10]または[12]を停止図柄番号フラグRF5にセットする。ストップ操作時に中央のラインL1通過中の図柄(この例では図柄番号[10]の図柄)を停止させることが可能か否かは、その操作時点におけるリール制御フラグ211の図柄ステップフラグRF3が[17(ステップ)]以上の値を示す場合に当該図柄を停止可能とし、それよりも小さな値であれば停止不可と判定している。
次に、リール停止位置決定手段261の他の動作例として、何れかの入賞役に内部当選している場合における例を説明する。リール停止位置決定手段261は、当該ゲームにおいて例えば上述の特別ボーナス遊技(BB遊技)役に内部当選していると判定し、左のリール101aを停止させるストップボタン76aの押圧操作を検知すると、図12に示されるリール停止位置検索テーブル208のセクションBB_Aを参照し、他のリール(中央リール101b、右リール101c)の表示状態に応じて、使用する停止図柄配列データを特定する。図14の例によれば、左のリール101aがストップ操作される際、例えば中央及び右のリール101b、101cが回転中であれば停止図柄配列データBBA_B0C0を特定する。また中央のリール101bが図柄SB2、SB3、SB4を表示して停止し、右のリール101cが図柄SB3、SB4、SB5を表示していれば停止図柄配列データBBA_B2C3を特定する。なお、BB遊技役等の内部当選したゲームにおいて使用する停止図柄配列データには、他のリールが表示する図柄との関係上、当選した当該入賞役に係る図柄の組み合せを形成する図柄に対応するビット目のみに停止ビット[1]が設定され、その他のビット目には蹴飛ばしビット[0]がセットされている。
図16を参照し、停止図柄配列データBBA_B2C3が特定された場合の動作例(2−1)について更に説明すると、リール停止位置決定手段261は、ストップ操作時点において表示窓42の中央のラインL1を通過中の図柄が、例えば図柄番号[10](「リンゴ」図柄SA12)であると判定すると、停止図柄配列データBBA_B2C3の10ビット目から15ビット目までの値を当該リール101aのリール停止コマフラグ210へそのまま転送する。そして、リール停止コマフラグ210に基づき停止させるべき直近の図柄の図柄番号を停止図柄番号フラグRF5へセットする。図16の動作例(2−1)では、リール停止コマフラグ210の1ビット目に停止ビットが立っているので、リール停止位置決定手段261は、図柄番号[10]から1コマ滑らせた図柄番号[11]を停止図柄番号フラグRF5へセットしている。
また、図16に示される動作例(2−2)では、リール停止位置決定手段261は、ストップ操作時点において表示窓42の中央のラインL1を通過中の図柄が、図柄番号[5](「リンゴ」図柄SA17)であると判定したので、停止図柄配列データBBA_B2C3の5ビット目から10ビット目までの値を当該リール101aのリール停止コマフラグ210へ移している。この動作例(2−2)のように、何れかの役に内部当選している場合に停止図柄配列データ209から転送された値が全て[0](蹴飛ばしビット)である場合には、目押しに失敗した(すなわちハズレ)こととして扱う。すなわち、この場合においてはハズレ時の停止図柄配列データ(この場合、LOA_B2C3)を準用し、当該データの5ビット目から10ビット目までの値をリール停止コマフラグ210へ転送するようにしている。
そして、リール停止位置決定手段261は、リール停止コマフラグ210に基づいて、図柄番号[5]の図柄を本例の最少の滑りコマ数である3コマ滑らせた図柄の図柄番号[8]を停止図柄番号フラグRF5へセットする。
このようにして、リール停止位置決定手段261は、ストップ操作されたリールの停止位置を決定する。引き続きストップ操作停止手段260は、リール制動手段262を起動して、停止図柄番号フラグRF5に図柄番号がセットされた図柄を表示窓42の中央のラインL1に表示させる「引き込み制御」と呼ばれるリールの制動制御を行う。
図17は、引き込み制御の際のリール制御フラグ211の推移例を表すタイムチャートである。同図の例は、図柄番号[12]の図柄が中央のラインL1を通過中にストップボタンが押圧操作され、リール位置決定手段261によりラインL1上に停止させるべき図柄の図柄番号[8]が停止図柄番号フラグRF5にセットされた場合を示している。
リール制動手段262は、当該図柄番号[8]の図柄がラインL1に到達するまで、リールの制動を行わず、その間の図柄を滑らせる。そして、当該図柄の図柄番号[8]が通過図柄番号フラグRF4にセットされ、ステップフラグRF3が[16]になった時点で当該リールを駆動するステッピングモータへの4相の駆動パルス信号を全てオン(電力供給状態)させて当該ステッピングモータを制動する。かかるタイミングで回転中のリールを制動することで、当該図柄(図柄番号[8])の中心がラインL1上に来て停止する。
ストップ操作停止手段260がこのように動作することで、内部抽選にハズレた場合には何れの入賞も形成しない図柄を有効なライン上に表示させ、他方、何れかの入賞役に内部当選した場合には、その役に係る図柄を引き込み制御可能な範囲内(本実施形態では最大の滑りコマ数を5図柄としている)で有効なライン上に表示させている。
図9に戻り、主制御基板20に備えられる入賞判定手段252は各リールのリール制御フラグ211をそれぞれ調べ、全てのリールが停止したと判定すると、各リールが有効なラインに沿って表示する図柄の何れかの組み合せと内部抽選フラグ206に設定される当選役に係る図柄の組み合せとが一致しているかどうか判定する。
メダル配当手段253は、入賞判定手段252によりある入賞役が成立したと判定された場合、ホッパ装置21を駆動してその入賞役に予め定められた配当数のメダルを受皿部6aへ払い出す。または配当数分のメダルを内部貯留しているクレジット数に加算する。
次に、スタートの操作をしてから所定時間経過後にリールを自動的に停止させる自動停止手段270について図18及び図19のフローチャートを参照し説明する。なお、自動停止手段270は、上述したように、スタートレバー75が操作されてから所定の時間(例えば40秒)経過後、ストップボタンによる停止操作がされていない回転中のリールを自動的に停止させる。ここで、図18は図5(a)におけるステップS111の処理を詳細に表すフローチャートであり、図19は図18のフローチャートにおける自動処理ルーチン(ステップS202、S204、S206)の処理を詳細に表すフローチャートである。
図18によれば、自動停止手段270は、左リール101a、中央リール101b、右リール101cの優先順で回転中のリールに対し自動停止の処理を行う。すなわち、スタートレバー75が操作された時点から所定の時間が経過したと判定し(図5(a)におけるステップS111:YES)、左リール101aが回転中であれば(ステップS201:YES)、当該リールに対する自動停止ルーチンを起動する(ステップS202)。また、左リール101aが停止した状態で中央リール101bが回転中であれば(ステップS203:YES)、中央リール101bに対し上述した自動停止ルーチンを起動する(ステップS204)。同じく、左リール101aと中央リール101bとが停止した状態で右リール101cが回転中であれば(ステップS205:YES)、右リール101cに対し上述した自動停止ルーチンを起動する(ステップS206)。
図19を参照し、自動停止ルーチンの処理を説明する。まず、リール停止位置決定手段271は、自動停止の対象としているリールのリール制御フラグ211の通過図柄番号フラグRF4を参照することで、現在(当該ルーチンが起動された時)中央のラインL1上を通過中の図柄番号を取得しその図柄を特定する(ステップS301)。また、他の2個のリール制御に使用するリール制御フラグ211を参照することで、それぞれのリールの状態(回転中かまたは停止していればラインL1上における表示図柄)を取得する(ステップS302)。
そしてリール停止位置決定手段271は、取得した他のリールの状態に基づいて、リール停止位置検索テーブル208のうち内部抽選にハズレた際に使用するセクション(LO_A、LO_B、LO_C)から当該リールの停止図柄配列データを選択する。そして、選択した停止図柄配列データの停止ビットが設定される図柄のうち、ラインL1上に現在表示する図柄から最少の滑りコマ数で停止制御可能な図柄を特定しその図柄番号を停止図柄番号フラグRF5にセットする。すなわち、リール停止位置決定手段271は、他のリールが表示する図柄との組み合せにおいて入賞を形成しない直近の図柄をラインL1上に停止させるべき図柄として決定する(ステップS303)。
リール停止位置決定手段271が上述のステップで自動停止させるリールの回転位置を決定した後は当該リールに対するストップ操作割込を禁止し、ストップボタンによる停止操作を無効にする(ステップS304)。つまり逆を言えば、リールのスタート操作から一定時間経過して回転中のリールを自動停止させる自動停止手段270が起動されたとしても、仮にリール停止位置決定手段271による停止位置の検索中にストップボタンが操作されればこのタイミングでストップ操作割込処理が起動され、対応する回転中のリールが停止制御(引き込み制御)されることになる。
リール停止位置決定手段271により自動停止位置が決定されると、リール制動手段262は、停止図柄番号フラグRF5にセットされた図柄が中央のラインL1に到達するまで他の図柄を滑らせ当該リールを引き込み制御する(ステップS305)。これにより、当該図柄がラインL1上に停止して表示される。
このとき、自動停止報知手段252は、自動停止が行われた旨の報知をさせる自動停止報知コマンドをサブ制御基板30に送出する(ステップS306)。サブ制御基板30が当該報知コマンドを受信すると、サブ制御基板30に搭載される音響制御部301はスピーカ32a、32b、38を駆動して報知音を発生させる。また、同時にサブ制御基板30の表示装置制御部302は、例えば図20に例示するような自動停止のメッセージ画像を液晶表示ユニット48に表示させる。このように、報知音及び報知画像を生成して、自動停止が行われたことを遊技者に報知する。
なお、上述の自動停止のメッセージ画像は、他の演出等の表示よりも優先して表示される。すなわち、自動停止が行われると、次回のゲームにおいてスタートレバー75が傾倒操作されるまで、またはスロットマシン1の保守・点検等の作業に伴う主電源の電断若しくはRAMクリア(設定変更)がされるまで当該メッセージ画像が継続して表示される。
また、自動停止の際の報知音は、ストップ操作によるリールの停止音とは異なる音調(例えば周波数の高低、連続音の時間の差、間欠音のテンポの違い等)で設定される。これにより、自動停止間際に遊技者がストップ操作した場合であっても、リールの停止がストップ操作によるものか自動停止によるものか遊技者は識別することができる。
本実施形態によるスロットマシン1によれば、リールのスタート操作から一定時間経過して回転中のリールを自動停止する処理において、自動停止位置の検索中にストップボタンが押圧操作されれば、このタイミングでストップ操作割込処理を起動して対応する回転中のリールを引き込み制御する。これにより、例えば自動停止の間際に遊技者がストップボタンを押圧操作した場合でも、自動停止の制動前であれば当該ストップボタンによる停止操作が優先され、遊技者は意図する図柄を狙ってリールを停止させることができる。したがって、リールの停止動作において違和感を生じさせることなく良好な操作性を提供する。
また、自動停止においては、1図柄(例えば「チェリー」図柄)が表示されることで入賞が確定してしまう左リール101aを優先的に停止させ、続いて中央リール101b、右リール101cの順でこれらのリールに対し自動停止制御を施している。これにより、リール停止位置決定手段271が参照するリール停止位置検索テーブルの208のセクション領域を少なく限定することができるので、自動停止手段270を構成するプログラムのステップ数、及びCPU201の演算負荷を小さくすることができる。