JP2005537976A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、少なくとも一つの車両前面に非常出口が配設されるとともに、非常出口に面して位置する鉄道車両の最前側領域に運転士卓及び運転士席が配設された鉄道車両に関する。
前面の非常出口を具備する鉄道車両においては、この非常出口が、通常、鉄道車両の側壁に限定して配設されている。すなわち、非常出口は、通常、鉄道車両の長手中央面の側方に配設されている。運転士席と運転士卓とが固定して配設されることに限定されるので、非常出口に面した退避用空間を遮断しないようにするためには、通常、非常口に隣接して、側方にのみ、対応するとりつけ空間を自由に使用することができる。既知の実施形態の欠点としては、とりわけ、運転士の視界範囲が強い限定を伴い得るので、そのことにより、安全性のリスクが高くなる。
したがって、技術の現状の上記の欠点を克服しようとすることが、本発明の課題である。
上記課題は、冒頭で述べたタイプであって本発明に係る鉄道車両によって解決されるものであり、その鉄道車両は、非常出口が、軌道面に対して垂直に延びる鉄道車両の長手中央面の両側方に拡がり、かつ、運転士席及び運転士卓の少なくとも中央部が、少なくとも部分ごとに、非常出口に面して位置する運転位置であって運転士席及び運転士卓の中央部が長手中央面(λ)と交差する位置から、非常位置であって運転士卓の少なくとも中央部及び運転士席が長手中央面の側方に離隔する位置へと、側面壁の方向に可動自在に配置されており、その結果、最前側領域における非常位置に、非常出口の幅に実質的に対応し鉄道車両の長手方向に対して平行に延びる退避用空間が形成されることを特徴とする。
本発明が成し遂げたのは、本発明の鉄道車両において、非常口に面して位置する退避用空間が、わずかな操作で簡単に開放され得るという効果である。さらに、運転士席を中心に配置することによって、運転士にとって、走行路程への適正な視界が達成される。これにより、既知の解決手段よりも、構造的により大きな非常口を創り出される。これは非常口が運転士室によって側方に限定されないからである。
好ましくは、運転士席は、車両長手方向に対して略垂直に延びる少なくとも一つのガイドレール上に配置されることができる。
本発明のもう一つの変形は、運転士席が、鉄道車両の長手方向に対して略平行に延びる軸線の回りを回転自在に軸支されていることである。
さらに、非常出口が、視界窓付きの摺動扉を備えることができる。この場合、摺動扉は、車両前面に沿って、閉じた位置から開いた位置に向って摺動自在である。
本発明のもう一つの変形は、運転士席が、鉄道車両の長手方向に対して略平行に延びる軸線の回りを回転自在に軸支されていることである。
さらに、非常出口が、視界窓付きの摺動扉を備えることができる。この場合、摺動扉は、車両前面に沿って、閉じた位置から開いた位置に向って摺動自在である。
本発明は、さらなる利点とともに、以下に添付の図面に示す、限定的ではない実施例によって詳しく説明される。
図1によれば、本発明による鉄道車両SCHは、前方の最前側領域ENDにおいて、車両前面FROの中央に非常出口NOTを有する。この非常出口NOTは、軌道面に対して垂直に延びる長手中央面λの両側方に拡がるように車両前面FROに配設されており、実質的に一つの車両前面FROの開口部と一つの扉を備える。よって、非常出口NOTは、例えば、摺動扉STRを備え、この摺動扉STRは車両前面FROに沿って摺動されることができる。好ましくは、摺動扉STRは、少なくとも運転士卓FAPよりも高い位置で透過材料、例えば、合わせガラスや透明合成樹脂で調製される。それを介して、広い面積の視界窓FENが運転士のために形成される。非常出口NOTに面する運転位置すなわち平常作業位置において、運転士席FASと運転士卓FAPとが配設されており、この場合、運転士卓FAP及び運転士席FASの中央部MASの各位置が、長手中央面λと交差することとなる。
図1によれば、本発明による鉄道車両SCHは、前方の最前側領域ENDにおいて、車両前面FROの中央に非常出口NOTを有する。この非常出口NOTは、軌道面に対して垂直に延びる長手中央面λの両側方に拡がるように車両前面FROに配設されており、実質的に一つの車両前面FROの開口部と一つの扉を備える。よって、非常出口NOTは、例えば、摺動扉STRを備え、この摺動扉STRは車両前面FROに沿って摺動されることができる。好ましくは、摺動扉STRは、少なくとも運転士卓FAPよりも高い位置で透過材料、例えば、合わせガラスや透明合成樹脂で調製される。それを介して、広い面積の視界窓FENが運転士のために形成される。非常出口NOTに面する運転位置すなわち平常作業位置において、運転士席FASと運転士卓FAPとが配設されており、この場合、運転士卓FAP及び運転士席FASの中央部MASの各位置が、長手中央面λと交差することとなる。
運転士席FAS及び運転士卓FAPの中央部MASは、それぞれ、非常出口NOTに面して位置する中央の運転位置(図1)から、側面壁SEIの方向に、非常位置(図2及び図3)へ向って可動自在に配置されることができる。非常位置には、運転士席FAS及び運転士卓FAPの少なくとも中央部MASは長手中央面の側方に離隔しており、その結果、前方最前側領域ENDにおける非常位置に、少なくとも非常出口NOTの幅に対応し鉄道車両SCHの長手方向すなわち長手中央面λに対して平行に延びる退避用空間FLRが形成される。
ここに示した本発明の変形によると、中央部MASは、側方部SABの上方に車両長手方向λに対して平行に延びる軸線bの回りを回転自在に軸支されている。
運転士席FASは、図1及び図2に示すように、一つまたは複数の、車両長手方向λに対して略垂直に延びるガイドレールFS1、FS2に配置されている。上述の構成において、運転士席FASは運転士室KABの床面に固定された二つのガイドレールの上に配置されている。運転士室KABは、一つの少なくとも内側に開く運転士室扉KATを介して鉄道車両SCHの乗客室から分離されることができる。このようにして、退避用空間FLRは、内側に向かって開かれた運転士室扉KATを介して側方に画定される。
鉄道車両SCHが、方向転換が全く許容されないような行程に用いられる車両に関わる場合には、鉄道車両の各前面端FROにおいて、あるいは連結列車の場合には、各列車端部において、本発明による非常出口の配設を有する運転士室KABは、運転士席FASと運転士卓FAPをそれぞれ想定することができる。
運転位置(図1)においては、運転士席FASがガイドレールFS1、FS2上で側方へ滑りださないように固定される。ガイドレールFS1、FS2は、例えば、T型の断面形状をとることができ、その場合に、運転士席FASの下側部にはガイドレールFS1、FS2のそれぞれに対して互いに切り離しで包み込む形状の結合要素(ここでは説明されていない)を想定することができ、その結合要素はそれに適合配設されたガイドレールFS1、FS2に沿って摺動自在となる。運転士席FASは、例えば自動車構造から既知のように、両方のガイドレールFS1、FS2上を摺動自在に配設されかつ固定されている。これについては、例えば、独国特許出願第69704957T2号明細書を参照されたい。この自動車構造から既知の解決手段とは異なり、本発明による解決手段の運転士席FASは、しかるに、ガイドレールFS1、FS2に対して90°回転自在に配設されている。
本発明のもう一つの実施形態においては、運転士席FASは、その側方端部において、鉄道車両SCHの長手方向λに対して略平行に延びる軸線aの回りを側面壁の方向に回転自在に軸支され得る。この実施形態においては、運転士席FASは、側面壁SEIの方向に退避用空間FLRから倒され得る。
運転士卓FAPの中央部MASは、運転士卓FAPの側方部SABの上方に、鉄道車両の長手方向に対して略平行に延びる軸線bの回りを回転自在に軸支され得る。したがって、必要な場合には、運転士席FASはガイドレールFS1、FS2に沿って側方に摺動され得るか、あるいは、軸線aを周回して退避用空間FLRから離隔に倒され得て、運転士卓FAPは側方に離隔に開かれ得る。
上記の実施形態により、運転士卓FAPと運転士席FASとを、速やかにかつ簡単に退避用空間FLRから離隔に遠ざけることができる。
非常時においては、本発明による解決手段によって、乗客らは鉄道車両SCHから速やかに退避できるようになる。したがって、例えば同構造の鉄道車両一台がその車両前面を退避すべき鉄道車両SCHの車両前面FROにドッキング結合して乗客らを収容する。さらに、非常出口NOTを閉止する摺動扉STRを、鉄道車両内部からだけでなく鉄道車両外部からも作動させるようにすることが想定される。
非常時においては、本発明による解決手段によって、乗客らは鉄道車両SCHから速やかに退避できるようになる。したがって、例えば同構造の鉄道車両一台がその車両前面を退避すべき鉄道車両SCHの車両前面FROにドッキング結合して乗客らを収容する。さらに、非常出口NOTを閉止する摺動扉STRを、鉄道車両内部からだけでなく鉄道車両外部からも作動させるようにすることが想定される。
END 最前側領域
FRO 車両前面
FAP 運転士卓
FAS 運転士席
FEN 窓ガラス
FLR 退避用空間
FS1 ガイドレール
FS2 ガイドレール
KAB 運転士室
KAT 運転士室扉
MAS 中央部
NOT 非常出口
SCH 鉄道車両
SEI 側面壁
STR 摺動扉
λ 長手中央面
FRO 車両前面
FAP 運転士卓
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FLR 退避用空間
FS1 ガイドレール
FS2 ガイドレール
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λ 長手中央面
Claims (6)
- 少なくとも一つの車両前面(FRO)に非常出口(NOT)が配設されるとともに、該非常出口(NOT)に面して位置する鉄道車両(SCH)の最前側領域(END)に運転士卓(FAP)及び運転士席(FAS)が配設された鉄道車両(SCH)において、
前記非常出口(NOT)が、軌道面に対して垂直に延びる鉄道車両(SCH)の長手中央面(λ)の両側方に拡がり、かつ、
前記運転士席(FAS)及び前記運転士卓(FAP)の少なくとも中央部(MAS)が、少なくとも部分ごとに、前記非常出口(NOT)に面して位置する運転位置(図1)であって前記運転士席(FAS)及び前記運転士卓(FAP)の前記中央部(MAS)が前記長手中央面(λ)と交差する位置から、非常位置(図2)であって前記運転士卓(FAP)の少なくとも前記中央部(MAS)及び前記運転士席(FAS)が前記長手中央面(λ)の側方に離隔する位置へと、側面壁(SEI)の方向に可動自在に配置されており、
その結果、前記最前側領域(END)における非常位置に、前記非常出口(NOT)の幅に実質的に対応し鉄道車両の長手方向に対して平行に延びる退避用空間(FLR)が形成されることを特徴とする鉄道車両。 - 前記運転士席(FAS)は、前記長手中央面(λ)に対して略垂直に延びる少なくとも一つのガイドレール上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
- 前記運転士卓(FAP)の前記中央部(MAS)は、前記運転士卓(FAP)の側方部(SAB)の上方に、鉄道車両の前記長手中央面(λ)に対して略平行に延びる軸線(b)の回りを回転自在に軸支されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鉄道車両。
- 前記運転士席(FAS)は、鉄道車両(SCH)の前記長手方向(λ)に対して略平行に延びる軸線(a)の回りを回転自在に軸支されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の鉄道車両。
- 前記非常出口(NOT)は、視界窓(FEN)付きの摺動扉(STR)を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の鉄道車両。
- 前記摺動扉(STR)は、前記車両前面(FRO)に沿って閉じた位置から開いた位置に向って摺動自在であることを特徴とする請求項5に記載の鉄道車両。
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