JP2005532344A5 - - Google Patents

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ハロゲン化ベンゾニトリルの製造方法
発明の分野
第一の態様で、本発明は、気相アンモ酸化によってハロゲン化ベンゾニトリルを製造する方法に関する。より具体的には、本発明の方法は、気相アンモ酸化によって2,6−ジクロロトルエン(2,6−DCT)から2,6−ジクロロベンゾニトリル(2,6−DCBN)を製造する方法に関する。第二の態様で、本発明は、三成分触媒及び本発明の気相アンモ酸化反応におけるその使用に関する。第三の態様で、本発明は、三成分触媒を製造する方法に関する。
発明の背景
気相アンモ酸化は重要な技術となった。気相アンモ酸化技術は、単一工程でニトリルを製造する非常に有利かつ非常に簡単な方法であり、多くの優れた特質、たとえば生成物の高い純度、高い収率、低いコスト、連続的な工程及びほぼ皆無の環境汚染を有している。気相アンモ酸化技術は、触媒を使用して1工程で活性メチル基をシアノ基に転換するためのアンモニア及び空気の使用を含む。この種の技術は、たとえば、メチル基がシアノ基に転換されている、ベンゼン誘導体から誘導される化合物であるベンゾニトリルを製造するために使用することができる。
ハロゲン化ベンゾニトリルは、1個以上のハロゲン原子、たとえばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を有するベンゾニトリルからなる。具体的な例は2,6−ジクロロベンゾニトリル(2,6−DCBN)である。近年、化学工業におけるその広範な使用のため、2,6−ジクロロベンゾニトリル(2,6−DCBN)がますます求められている。そのものが効果的な除草剤である。ひとたび殺草剤として使用されると、2,6−DCBNは、長期間効果を発揮し、何年にもわたって雑草の生育を阻止すると予想される。加えて、哺乳動物に対する2,6−DCBNの毒性効果は非常に低いと報告されている。2,6−DCBNはまた、農薬及び医薬のための重要な中間体である。多くの農薬、たとえばフルフェノクロン、フルシクロクロン、ヘキサフルムロン、クロルフルアズリン、ジフルベンズロン、テフルベンズロンなどを2,6−DCBNから製造することができる。2,6−DCBNはまた、殺虫剤を製造するための出発原料である。加えて、2,6−DCBNは、今日の世界でもっとも傑出した特質を有する最高種の特殊エンジニアリングプラスチックの1種であるポリフェニルエーテルシアン化水素酸エステルを製造するために使用される。
一般に、ハロゲン化ベンゾニトリルの製造は、非常に挑戦的な課題である。ハロゲン原子の存在下のせいで、立体障害の結果として、N挿入のためのメチル基へのアクセス可能性が制限される。特に、2,6−ジクロロトルエン(DCT)からの2,6−ジクロロベンゾニトリル(2,6−DCBN)の製造は、2,6−DCTのメチル基の両オルト位置にある2個の大きな塩素原子の存在下によって生じる立体障害が原因で困難である。
触媒を介する2,6−DCTの気相アンモ酸化によって2,6−DCBNを製造する方法が、いずれも流動床反応器を使用して実施される、2,6−DCTのアンモ酸化のためのFe−Sb−V−Cr−O/SiO2を含む多元触媒系の使用を開示する欧州特許出願第0273317号及びVPO/SiO2を触媒として使用する2,6−DCTのアンモ酸化の方法を記載する米国特許第4530797号から公知である。この種の反応器は、摩擦に対する触媒の機械的安定性に対する多大な要求をはじめとする欠点を抱えている。加えて、これらの文献は、99%を超える高い2,6−DCT転換率を得ることができる方法を記載していない。これは、これらの方法がさらなる分離又は再循環コストを被るということを暗示している。さらには、記載された方法は、工業生産的観点から、低い空時収率、非常に高い滞留時間及び使用される触媒の単位重量あたり低い2,6−DCT投入量のような多くの欠点を見せる。
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を解消する、改善された気相アンモ酸化方法を提供することである。より具体的には、本発明は、固定床反応器で実施される方法により、2,6−DCTの気相アンモ酸化によって2,6−DCBNを得るための改良された方法を提供する。気相アンモ酸化による公知の2,6−DCBN製造方法と比較して、本発明は、いくつかの反応パラメータの改善を提供する。本発明のもう一つの目的は、より高いモル収率を提供することからなる。本発明のさらに別の目的は、より高い空時収率を得ることである。また、本発明は、より高い2,6−DCT転換率を提供することを狙う。
さらには、本発明の目的は、気相アンモ酸化法を実施するのに適した触媒を提供することである。本発明はまた、気相アンモ酸化法で使用するための触媒を製造するための容易な方法を提供することを狙う。
発明の概要
第一の実施態様で、本発明は、固定床反応器中、300〜500℃の範囲に含まれる反応温度で三成分触媒を使用するハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンの気相アンモ酸化によってハロゲン化ベンゾニトリルを製造する方法であって、前記触媒が、担体上に設けられた助触媒付加VPO活性相からなるものである方法に関する。特に、本発明は、固定床反応器中、300〜500℃の範囲に含まれる反応温度で三成分触媒を使用する2,6−ジクロロトルエンの気相アンモ酸化によって2,6−ジクロロベンゾベンゾニトリルを製造する方法であって、前記触媒が、担体上に設けられた助触媒付加VPO活性相からなるものである方法に関する。2,6−ジクロロベンゾニトリルを製造するためのこの方法は、結果的に、これまで公知の気相アンモ酸化法と比較して、より高い2,6−DCT転換率に加え、2,6−DCBNのより高いモル収率及びより高い空時収率をはじめとする、いくつかの反応パラメータの改善をもたらす。
第二の実施態様で、本発明は、担体上に設けられたVPO活性相を含む、上記方法における使用に適した触媒、より具体的にはV1abAlcx又はV1abTicx触媒(Mは、Cr、Fe、Co及びMoからなる群より選択され、aは0.1〜2.0であり、bは0.002〜1.0であり、cは2.0〜10.0であり、xは、他の構成元素の原子価によって決まる)に関する。
第三の実施態様で、本発明は、三成分触媒を製造する方法であって、
バルクVPO前駆体を調製する工程、
前記バルクVPO前駆体を助触媒元素で含浸して、バルク助触媒付加VPO前駆体を得る工程、及び
前記バルク助触媒付加VPO前駆体に担体を加えて、VPO触媒を得る工程
を含む方法に関する。
この製造方法は、予想される非晶質相が無視しうる量でしか形成しないような高い活性及び選択性の触媒を提供することを可能にする。この新規で簡単な製造方法は、改善された触媒活性につながる、担体上での触媒活性相の高度な分散を得ることを可能にする。
発明の詳細な説明
本発明の主題は、固定床反応器中、300〜500℃の範囲に含まれる反応温度で三成分触媒を使用するハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンの気相アンモ酸化によってハロゲン化ベンゾニトリルを製造する方法に関する。
「ベンゾニトリル」とは、ベンゼン誘導体から誘導される、メチル基がシアノ基に転換されている化合物をいう。「ハロゲン化ベンゾニトリル」とは、1個以上のハロゲン基、たとえばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を有するベンゾニトリルをいう。具体的な例は2,6−ジクロロベンゾニトリル(2,6−DCBN)である。
「気相アンモ酸化」とは、触媒を使用し、アンモニア及び空気のようなガスを使用して通常は蒸気の存在下で活性メチル基を1工程でシアノ基に転換するプロセスをいう。
本発明の方法によると、出発化合物は「ハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼン」である。「ハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼン」とは、1個以上のハロゲン原子、たとえばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素及び1個以上のメチル基を有するベンゼン誘導体をいう。本明細書で使用する「アルキル」基は、炭素原子1〜6個を含有する直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基をいう。適当なアルキル基の例としては、メチル、エチル、ジエチル、n−プロピル、イソプロピル、ジイソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
特に、ジ−又はトリ−ハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンが好ましい。たとえば、ジ−又はトリ−ハロゲン化トルエンを使用してハロゲン化ベンゾニトリルを製造することができる。本発明の方法によると、2,6−位置に塩素原子を有するトルエン誘導体、たとえば2,6−ジクロロトルエン、2,3,6−トリクロロトルエン及び2,4,6−トリクロロトルエンを使用して、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,3,6−トリクロロベンゾニトリル及び2,4,6−トリクロロベンゾニトリルをそれぞれ製造することができる。同様に、2,4−位置又は3,4−位置に塩素原子を有するトルエン誘導体、たとえば2,4−ジクロロトルエン及び3,4−ジクロロトルエンを本発明の方法にしたがって使用して、2,4−ジクロロベンゾニトリル及び3,4−ジクロロベンゾニトリルをそれぞれ製造することができる。
好ましい実施態様では、本発明は、前記ハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンがジハロゲン化トルエンである方法に関する。本明細書で使用する「ジハロゲン化トルエン」とは、2個のハロゲン原子、たとえばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を有する、好ましくは2個の同じハロゲン原子を有するメチルベンゼンをいい、より好ましくは、ジハロゲン化トルエンは二塩素化トルエンである。
さらに好ましい実施態様では、前記ジハロゲン化トルエンは2,6−ジクロロトルエンである。したがって、本発明は、固定床反応器中、三成分触媒を使用する2,6−ジクロロトルエンの気相アンモ酸化によって2,6−ジクロロベンゾニトリルを製造する方法に関する。
「固定床反応器」とは、固体触媒が供給される固定床を備えた反応器と定義される。触媒とは、反応で消費されることなく化学反応の速度を高める物質である。本明細書で使用する「VPO触媒」とは、3種の成分、すなわちバナジウム(V)、リン(P)及び酸化物(O)からなる触媒をいう。本明細書で使用するVPO触媒を「三成分触媒」という。
本発明の方法は、特定の反応条件で実施される。好ましい実施態様では、本発明の方法は、350〜450℃の範囲に含まれる反応温度で実施される。最適な温度は、いくつかの要因、たとえば有機材料の濃度、触媒使用量、供給ガス組成及び接触時間に依存する。
本方法の目的は、過剰酸化を避けるため、接触時間を減らすことを含む。もう一つの実施態様では、本発明は、滞留時間が10秒未満、好ましくは8秒未満である方法を提供する。「滞留時間」又は「接触時間」は、本明細書では同義語として使用され、前記反応器中で反応物が触媒と接触する時間をいう。本発明では、接触時間はSTP、すなわち標準温度及び圧力で計算される。滞留時間は、空間速度の逆数と定義され、単位は秒である。
本発明にしたがって、空気、NH3及びN2を、三成分触媒を含む固定床反応器に供給する。有機材料、特に2,6−DCT及び水を前記反応器に注入し、触媒床の一番上に設けられた予熱ゾーンで気化させる。さらに、本発明は、2,6−DCTのモル濃度が0.6〜5%の範囲であり、O/NH3の比が0.5〜4.0モルである方法を提供する。2,6−DCTに対するNH3のモル比は、1〜15、好ましくは2〜10の範囲である。2,6−DCTに対する空気のモル比は、80モル未満、好ましくは50モル未満である。
アンモ酸化は、対応する炭化水素からニトリルを製造するためのもっとも有望で潜在能力の高い技術と考えられる。2,6−DCTの2,6−DCBNへのアンモ酸化は、実に挑戦的な課題であり、より高い2,6−DCBN収率で高い転換率を得るためには非常に際立った努力を要する。理由は、2,6−DCT中のアンモ酸化されるメチル基が、他の従来のアルキル芳香族炭化水素及びヘテロ芳香族炭化水素におけるメチル基よりも活性が低いからである。N挿入のためのメチル基へのアクセス可能性は、2,6−DCT中のメチル基の両オルト位置にある2個の大きな塩素原子の存在下のため、立体障害のせいで、より大きな程度に制限される。本発明は、2,6−DCBNの製造のためのモル収率及び空時収率の両方を経済的な工業生産のために最大限の程度まで改善する方法を提供する。本発明は、適当な反応条件下、立体障害の強い2,6−DCT分子から、2,6−DCTに加えて廉価に利用可能な反応体、たとえば空気、NH3及びH2Oを使用する気相アンモ酸化によって2,6−DCBNを製造する方法を提供する。
気相アンモ酸化によって2,6−DCTから2,6−DCBNを製造するための本発明の方法は、固定床管型石英反応器中、300〜500℃の高温で、通常の大気圧下、VPO系触媒を使用して実施することができる。
希釈ガスとしての窒素ガスの供給は、プロセスパラメータの最適化の間に一定の空間速度を維持し、また、ガス毎時空間速度(GHSV)を高める、換言するならば滞留時間を減らすことを狙う。ガスの「空間速度」とは、特定の温度及び圧力で計測される、単位時間中に触媒床を通過するガスの量をいう。「ガス毎時空間速度(GHSV)」は、特定の温度及び圧力で計測される、単位時間(1時間)あたり触媒床を通過するガスの総量と定義される。H2Oは通常、室温で液体の形態で加えられ、それが、触媒床の一番上に設けられた予熱ゾーンで水蒸気又は蒸気の形態に転換され、それが一定の割合で供給ガスに加えられる。
本発明の方法は、これまで文献で報告されている方法と比較していくつか重要な利点を提供する。一つの利点は、2,6−DCBNをより高い収率、すなわち少なくとも85.8モル%の収率で、2,6−DCTをほぼ完全に転換して、すなわち99%を超える収率で製造する可能性を含む。本方法は、より高いガス毎時空間速度(GHSV)及びより低い滞留時間を提供する。GHSVは、好ましくは、600〜2400h-1の範囲に含まれ、滞留時間は1.5〜6.0秒の範囲を含む。さらに、本方法は、2,6−DCBNを、100〜150g/kg.cat/hの範囲に含まれるより良好でより高い空時収率(STY)で製造することを可能にする。空時収率(STY)は、本明細書では、単位時間(1時間)あたり触媒1kgあたり得られる生成物(2,6−DCBN)の量と定義される。知られているところでは、本発明でクレームされるSTYは、使用する触媒系にかかわらず、これまで文献で報告された他すべての方法と比較しても最高である。加えて、本発明の方法の主要な最終生成物は2,6−DCBNである。完全酸化生成物、すなわちCO及びCO2はごく少量しか製造されない。また、副生成物として特定の量のNH4Clの形成が認められるが、無視しうる程度である。したがって、本方法は、DCBNの最終生成物をより高い収率でより高純度に提供する。
もう一つの実施態様で、本発明は、前記触媒が、担体上に設けられたVPO活性相を含む方法に関する。「担体」又は「支持体」は、本明細書では同義語として使用される。担体へのVPO相の添加量は、5〜50重量%の範囲、より好ましくは10〜30重量%の範囲で異なることができる。担体の使用は、VPO触媒濃度の低下、触媒強度の増大、活性相の高い分散の提供、良好な熱安定性の提供、反応温度の低下及び触媒寿命の増大、ひいては方法の経済性の増大をはじめとする多くの利点を提供する。適当な担体としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ベリリア、ジルコニア、マグネシア、炭化ケイ素、アスベスト又はケイ藻土がある。好ましい実施態様では、触媒の前記VPO活性層は、Al23担体、より好ましくはγ−Al23担体上に設けられる。あるいはまた、VPO活性層はTiO2担体上に設けられる。より好ましくは、前記TiO2担体はアナターゼ相からなる。
触媒は助触媒元素を含む。「助触媒元素」とは、触媒活性及び選択性を改善するために触媒に加えられる物質である。適当な助触媒元素としては、カルシウム、ナトリウム、バリウム、マンガン、ニッケル、クロム、スズ、マグネシウム、鉄、コバルト又はモリブデンがある。より好ましくは、VPO触媒に使用される助触媒元素は、Cr、Fe、Co及びMoからなる群より選択される。さらに好ましい実施態様では、本発明は、前記触媒がV1abAlcx又はV1abTicx触媒(Mは、Cr、Fe、Co及びMoからなる群より選択され、aは0.1〜2.0であり、bは0.002〜1.0であり、cは2.0〜10.0であり、xは、他の構成元素の原子価によって決まる)を含む方法を提供する。
本発明の方法で使用される活性触媒は、実施条件下、主に2種の相、すなわち(VO)227相及び(NH42(VO)3(P272相を含有する。この操作条件中の2相への触媒の分解は、触媒活性及び選択性の低下を招くのではなく、逆に触媒活性を改善するため、重要な特徴である。これら2相の間の相乗活性が、触媒のより高い活性及び選択性の原因であることができる。これらの相の他に、V+5相、すなわち非晶質分のミクロドメインが触媒表面に存在下してもよい。
本発明のもう一つの実施態様は、アンモ酸化反応中の前記反応器へのハロゲン化アルカンの添加に関する。「ハロゲン化アルカン」とは、1個以上のハロゲン原子、たとえばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素によって置換されている脂肪族又は芳香族不飽和炭化水素と定義される。前記反応器に添加することができるハロゲン化アルカンの好ましい群は、臭化物含有アルカン、たとえば臭化メチル、臭化エチル、ジブロモメタン、四臭化炭素、臭化n−プロピル、臭化イソプロピル、臭化n−ブチル、臭化イソブチル、臭化sec−ブチル、臭化イソアミル、臭化sec−アミル、臭化tert−アミル、臭化シクロペンチル、臭化シクロヘキシルなどを含む。本発明の方法の好ましい実施態様は、臭化エチルを前記反応器に供給する工程を含む。より具体的には、本発明の方法にしたがって、臭化エチルは、2,6−DCT材料の0.5〜5容量%の範囲、好ましくは1〜3容量%の範囲で加えることができる。
上述したように、臭化エチル及び水蒸気を供給ガスに加えることができる。2,6−DCT材料の0.5〜5容量%の範囲、好ましくは1〜3容量%の範囲の臭化エチルの添加が、本発明のほぼすべての触媒の触媒性能に対して促進効果を及ぼす。さらには、例6及び12で示すように、供給ガス中の水蒸気と臭化エチルとの組み合わせが特定の触媒の効率に影響することもある。たとえば、供給ガスへの一定の割合の蒸気の添加は、VPCrO/TiO2触媒の触媒性能に対して有益な影響を及ぼす(表3及び4を参照)が、反応体供給ガス中の臭化エチルの存在下では、水蒸気の添加は、このCr助触媒付加触媒の触媒性能に対して有意な影響を及ぼさない。反応体供給ガスへの水蒸気及び臭化エチル混合物の添加は、特に、Co及びFe助触媒付加触媒、すなわちVPCoO/γ−Al23及びVPFeO/γ−Al23触媒の触媒性能に対して有害な影響を及ぼす。水蒸気の非存在下で臭化エチルを加えると、いずれの触媒も、より良好な触媒性能を顕著に示し、それぞれ89.5%及び86.6%のDCBN収率を示した(表4をも参照)。
特に、VPCoO/γ−Al23触媒は、顕著な潜在能力の高さを示し、臭化エチル混合物の非存在下では、約100%の高さの2,6−DCT転換率を2,6−DCBNの85.8モル%の収率及び130〜140g/kg cat/hの空時収率とともに示したが、臭化エチル混合物の存在下でも、このVPCoO/γ−Al23触媒に対して、ほぼ完全な転換率で、89.5モル%である最高DCBN収率、141g/kg cat/hの空時収率を達成した。したがって、特に好ましい実施態様は、本発明は、前記触媒が、γ−Al23担体上に設けられたVPCoO触媒である方法に関する。
本発明は、有機基質(2,6−DCT)の水による希釈度が、供給2,6−DCT1モルあたり40モル未満、好ましくは25モル未満である方法を提供する。H2Oは一般に、室温で液体の状態で加えられるが、予熱ゾーンで蒸気に転換され、その蒸気が一定の割合で供給ガスと混合される。水蒸気の存在下は、表面金属酸化物構造を制御する際に重要な役割を演じる。水分は、表面バナジア種の酸素官能基と水素結合を介して相互作用することができる。水蒸気の存在下が、酸化バナジウム構造のもっとも活性なサイトをブロックすることにより、完全酸化生成物の形成を抑止すると予想される。水蒸気の添加はまた、熱バラストを提供する反応器中の温度変化を緩和する。水蒸気の存在下はまた、生成物の容易な脱着を助け、また、競合的吸着による反応体の吸着を抑制すると考えられる。蒸気の存在下で、活性中心の配位特性及び表面酸塩基性が変化すると考えられる。一般に、蒸気の分圧は、i)ルイス酸サイトに対するブレンステッド酸サイトの割合、ii)V−O−P及びP−O−P結合の加水分解切断、iii)表面ヒドロキシル化の程度などに影響すると予想される。また、蒸気と有機材料との混合は、所望の生成物の選択性を有意に高めることができる。しかし、過度な希釈は、より高い2,6−DCBN収率を得るためには適さないということもわかった。
もう一つの実施態様で、本発明は、触媒を、反応器の添加前に、不活性媒体によって、前記触媒の重量に対し0.5〜2.0の重量比で希釈する方法を提供する。アンモ酸化反応は発熱性であるため、不活性媒体、たとえば磁器ビーズ、コランダム(Al23)粒子、石英ビーズ、ガラスビーズなどによって触媒を1:2、好ましくは1:1の比で希釈することが推奨される。
本発明の方法は、たとえば内径16mm、長さ25mmの、電気炉で加熱される固定床管型石英反応器で実施することができる。供給される空気、NH3及びN2は、圧縮ガスシリンダからの市販のガスである。有機材料、すなわち2,6−DCT及び水は、高精度HPLCポンプによって注入し、触媒床の一番上に設けられた予熱ゾーンで気化させる。コランダム結晶と重量希釈比1:1で混合した触媒粒子5グラムを反応器に装填することができ、反応を実施する。得られる生成物流を半時間ごとに収集し、ガスクロマトグラフィーによって分析することができる。生成物混合物は、氷冷溶媒、たとえばエタノール、アセトン、エーテル、クロロホルム、ジクロロメタン又は他の適当な溶媒中での凝縮によって容易に捕集することができる。有機蒸気が逃げないことを保証するため、上述した溶媒のいずれか1種を用いて2〜3連の氷冷トラップで生成物流を収集することが推奨される。第一トラップは−15℃(氷+塩)に維持され、第二トラップは−10℃に維持されるなどである。非分散赤外分析装置を使用すると、完全酸化生成物をオンラインで連続的にモニタすることができる。
もう一つの実施態様で、本発明は、本発明のアンモ酸化法における使用に適した、担体上に設けられたVPO活性相からなる触媒に関する。VPO活性相は、主に3種の元素バナジウム、リン及び酸素からなる。触媒活性及び選択性を改善する適当な助触媒元素としては、カルシウム、ナトリウム、バリウム、マンガン、ニッケル、クロム、スズ、マグネシウム、鉄、コバルト又はモリブデンなどがある。より好ましくは、VPO触媒の助触媒元素は、Cr、Fe、Co及びMoからなる群より選択される。適当な担体としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ベリリア、ジルコニア、マグネシア、炭化ケイ素、アスベスト又はケイ藻土がある。本発明の触媒は、V1abAlcx又はV1abTicx触媒(Mは、Cr、Fe、Co及びMoからなる群より選択され、aは0.1〜2.0であり、bは0.002〜1.0であり、cは2.0〜10.0であり、xは、他の構成元素の原子価によって決まる)を含む。好ましい実施態様では、触媒の前記VPO活性相は、Al23担体、より好ましくはγ−Al23担体上に設けられる。あるいはまた、VPO活性層はTiO2担体上に設けられる。より好ましくは、前記TiO2担体はアナターゼ相からなる。担体は、バルク触媒に比較して高い表面積、助触媒付加活性VPOの場合の高い分散及び良好な熱安定性を触媒に提供する。加えて、良好なペレット強度及び長い寿命を触媒に提供する。
2種以上の助触媒からなる、多成分かつより複雑な触媒組成物を含む他の公知の触媒の大部分とは対照的に、本発明の触媒は、3種の成分を含み、より良好な性能を示す非常に簡単な系を表す。3種の成分は、バナジウム(V)、リン(P)及び酸化物(O)からなる。加えて、担体上の触媒の活性相の高い分散のおかげで、高い活性及び選択性を有する触媒が得られる。したがって、本発明は、2,6−DCTのアンモニア酸化による単一工程での2,6−DCBNの製造を触媒する、高い反応性及び選択性ならびに長く続く有効時間を有する三成分触媒を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、触媒を製造する方法であって、
バルクVPO前駆体を調製する工程、
前記バルクVPO前駆体を助触媒元素で含浸して、バルク助触媒付加VPO前駆体を得る工程、及び
担体を前記バルク助触媒付加VPO前駆体に加えて、VPO触媒を得る工程
を含む方法を提供する。
本発明は、活性及び選択性の高い担持されたVPO触媒を製造する非常に簡単な方法を提供する。本明細書で使用する「バルクVPO触媒」、「バルクVPO前駆体」などは、担体上に設けられていない、3種の成分バナジウム、リン及び酸素からなる活性相をいう。「バルク助触媒付加VPO触媒」、「バルク助触媒付加VPO前駆体」などは、担体に付着してはいないが、助触媒元素を付与されているVPO活性相をいう。「担持された助触媒付加VPO触媒」又は「VPO触媒」などは、助触媒元素を付与され、かつ担体に付着しているVPO活性相をいう。
本発明は、多元触媒系を伴う従来の面倒な方法とは対照的に、三成分触媒を製造するための簡単な方法を提供する。本発明の触媒製造方法は三つの工程を含む。第一の工程は、有機媒体を用いるリン酸水素バナジル半水和物(VOHPO4*0.5H2O)前駆体の製造を含む。第二の工程は、リン酸水素バナジル半水和物(VOHPO4*0.5H2O)前駆体を規定量の助触媒のアルコール溶液又は水溶液で含浸することによる、バルク助触媒付加VPO前駆体の製造を扱う。第三の工程で、この前駆体をさらに使用して、非常に簡単な固−固湿潤法によって担持された助触媒付加VPO触媒を製造する。担持されたVPO触媒を製造するための固−固湿潤法は、この触媒のより高い活性及び選択性の原因であり、それにとって決定的である活性相の高い分散を得るための非常に簡単で効果的な方法である。
より具体的には、本発明の触媒を製造する方法は、
アルコールの存在下でバナジウム源を環流させて、還元バナジウム種を含有する溶液を得る工程、
リン源を加え、前記溶液を環流させて、バルクVPO前駆体を得る工程、
前記バルクVPO前駆体を助触媒元素のアルコール溶液又は水溶液で含浸して、バルク助触媒付加VPO前駆体を得る工程、
前記バルク助触媒付加VPO前駆体を担体粉末と混合する工程、及び
得られた混合物を成形及び焼成して、担持された助触媒付加VPO触媒を得る工程
を含む。
VOHPO4*0.5H2O前駆体の調製は、バナジウムに富む化合物の環流を含む。これらのバナジウムに富む化合物としては、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸バナジル、アセチルアセトナトバナジル、シュウ酸バナジル、リン酸バナジル、バナジウム含有ヘテロポリ酸、同酸の塩などがある。また、酸化バナジウム又はバナジン酸(バナデート)の過酸化水素水溶液を使用してもよい。好ましくは、バナジウムの酸化物、たとえばV25を、脂肪アルコール、たとえばエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなど及び芳香族アルコール、たとえばベンジルアルコールの混合物中で使用する。その後、リン含有分子、たとえばホスフェート、リン酸アンモニウム、たとえばリン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム又はヘキサフルオロリン酸アンモニウム、P25、メタリン酸、オルトリン酸、ピロリン酸などを加え、再び数時間さらに環流させる。得られるスラリーを真空ろ過し、洗浄し、120℃で24時間乾燥させる。0.1〜2.0、好ましくは0.5〜1.5の広い範囲の多様なP/V比(原子比)でこの手順を使用して、いくつかのバルクVPO前駆体を調製することができる。好ましい実施態様では、前記バナジウム源はV25であり、前記リン源はo−H3PO4である。有機経路を介する前記触媒前駆体の調製はさらに、触媒前駆体の平面層堆積に無秩序性を誘発させ、それが、触媒の触媒活性のようないくつかの要因を高める。
本発明の触媒の製造はさらに、粉末形態のVOHPO4 *0.5H2O前駆体を適当な助触媒のアルコール溶液又は水溶液で含浸する、バルク助触媒付加VPO触媒の製造を含む。適当な助触媒元素としては、カルシウム、ナトリウム、バリウム、マンガン、ニッケル、クロム、スズ、マグネシウム、鉄、コバルト又はモリブデンがある。より好ましい実施態様では、前記助触媒元素はCr、Fe、Co及びMoを含む。
その後、バルク助触媒付加VPO前駆体を、粉末形態で存在下する担体と、1:2〜1:10の範囲、好ましくは1:6の範囲のV/担体比で徹底的に混合する。適当な担体としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ベリリア、マグネシア、炭化ケイ素、アスベスト又はケイ藻土がある。好ましい実施態様では、バルク助触媒付加VPO前駆体を、Al23担体、より好ましくはγ−Al23担体又はTiO2担体と徹底的に混合する。使用されるTiO2担体は、150m2/gを超えない、好ましくは100m2/gを超えないBET表面積を有するアナターゼ又はルチル又は両相の混合物であることができる。
そして、得られた混合物を、焼成雰囲気中、300℃〜900℃の範囲、好ましくは350℃〜700℃の範囲の温度で2〜6時間加熱する。0.5%O2/N2の雰囲気を含むことができる弱い酸化力の焼成雰囲気が好ましい。バナジウム酸化状態が最終触媒の触媒性能で決定的な役割を演じるため、弱酸化性雰囲気(0.5%O2/N2)下での焼成が、得られる最終触媒でバナジウムの適当な酸化状態を得ることを可能にする。
本発明の触媒を製造する方法は、特に安定な触媒活性を示す非常に選択性で効率的な触媒を提供することを可能にするため、特に適当である。たとえば、(VO)227相を排他的に含有する新鮮な触媒は、厳しい反応条件下で数時間の作業後にその一部が(NH42(VO)3(P272相への相転換を受けるとしても、触媒活性及び選択性の低下を示さない。いずれの相も、実施の間ずっと安定であり、良好な活性及び選択性を示すことがわかった。加えて、100時間の経時実験(time-on-stream study)の後でさえリン及びバナジウムの損失は認められず、V及びPの総含有量は、ICP−OES分析によって証明されるように、新鮮な触媒と使用済み触媒とで同程度であることがわかった。
本発明の方法は、異なるP/V比を有するバルク及び担持VPO触媒に比較してはるかに優れた触媒性能を示す助触媒付加VPO触媒の製造を提供する。
もう一つの実施態様で、本発明は、本発明にしたがって製造される本発明の触媒の、気相アンモ酸化反応における使用に関する。より具体的には、本発明の触媒は、本発明の気相アンモ酸化反応を実施するために使用することができる。したがって、本発明の触媒は、固定床反応器中、300〜500℃の範囲に含まれる反応温度でのハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンの気相アンモ酸化によるハロゲン化ベンゾニトリルの製造に使用することができる。特に、本発明の触媒は、本発明の気相アンモ酸化反応で2,6−ジクロロトルエンから2,6−ジクロロベンゾニトリルを製造するために使用される。
加えて、本発明の触媒は、アルキル芳香族炭化水素、たとえばアルキルベンゼンのアンモ酸化に活性であるだけでなく、ヘテロ芳香族炭化水素のアンモ酸化にも特に適し、同等に活性かつ選択性である。「ヘテロ芳香族炭化水素」とは、環中の1個以上の原子が炭素以外の元素、たとえば硫黄、窒素などである芳香族化合物をいう。このようなヘテロ芳香族炭化水素の例としては、α−、β−及びγ−メチルピリジンならびにメチルピラジン、特に2−メチルピラジンがあるが、これらに限定されない。
以下の例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がそれに限定されないということが理解されよう。例1、2及び3は、本発明のVPO触媒の調製を例示する。例4及び5は、本発明にしたがって実施されるアンモ酸化反応中に使用される種々のVPO触媒の活性及び選択性を記載する。例6は、触媒の触媒性能に対する供給ガス中の水蒸気の影響に関するものである。例7〜11は、本発明の特定の反応条件にしたがって実施されるアンモ酸化反応及び使用される触媒の触媒性能を記載する。例12は、アンモ酸化反応中、水蒸気の存在下又は非存在下における臭化エチル添加の影響を例示する。以下の例では、2,6−DCTに基づく転換率、収率及び選択性を次のように定義する。
転換率(%)=A/B×100
Aは、反応した2,6−DCTのモル数であり、
Bは、反応ゾーンに供給された2,6−DCTのモル数である。
収率(%)=C/D×100
Cは、得られた2,6−DCBNのモル数であり、
Dは、反応ゾーンに供給された2,6−DCTのモル数である。
選択率(%)=E/F×100
Eは、得られた2,6−DCBNのモル数であり、
Fは、反応した2,6−DCTのモル数である
空時収率(g/kg/h)=G/H×h-1
Gは、1時間で得られた2,6−DCBNのグラム単位の量であり、
Hは、1時間で使用された触媒のキログラム単位の量である。

例1
例1は、バルクVPO触媒の製造を例示する。以下に記載するように、有機媒体により、アルコールを還元剤として使用してVPO前駆体を製造した。
25粉末52.5gを、1リットルの三つ口丸底フラスコに入れた2−ブタノール315mlとベンジルアルコール210mlとの混合物中に懸濁させ、懸濁液を環流させながら3時間連続的に攪拌した。そして、混合物を室温まで冷まし、室温で夜通し(約20時間)攪拌を継続したのち、o−H3PO4を添加した。そして、適量の85%o−H3PO4(o−H3PO4の量は前駆体のP/V比に依存する)をゆっくりと加え、得られた混合物を再び加熱し、絶えず攪拌しながらさらに2時間環流状態に維持したのち、得られたスラリーを室温に冷まし、ろ過し、エタノールで数回洗浄した。得られた前駆体を120℃で24時間オーブン乾燥させた。同様な手順を使用して、P/V比が広い範囲で異なるいくつかのバルクVPO前駆体を製造した。すべてのオーブン乾燥させた前駆体の相組成はVOHPO4 *0.5H2Oであることがわかった。前駆体をN2雰囲気中450℃で3時間焼成して、(VO)227相を排他的に含有する所望のバルク触媒を得た。
例2
例2は、助触媒付加VPO触媒の製造を例示する。
規定量の添加物(M/Vが0.002〜1.0の範囲、好ましくは0.01〜0.4の範囲でCr、Fe、Co及びMo塩)を含有する溶液(溶媒としてエタノール又は水を使用)でバルク前駆体(P/V比=0.95)を含浸し(過剰溶媒法)、ホットプレート上で蒸発乾固させることによって過剰な溶媒を除去したのち、120℃で16時間オーブン乾燥させることにより、バルク助触媒付加VPO触媒を製造した。この前駆体をさらに使用して、固−固湿潤法により、2種の異なる酸化物担体、たとえばγ−Al23及びTiO2(アナターゼ)を使用して、担持された助触媒付加VPO触媒を製造した。
例3
例3は、担持された助触媒付加VPO触媒の製造を例示する。
固−固湿潤法により、例1及び2に記載した方法によって製造したバルク助触媒付加VOHPO4 *0.5H2O前駆体(P/V比0.95)を使用して、担持された助触媒付加VPO触媒を製造した。使用した担体は、約100m2/gのBET表面積を有するγ−Al23又はTiO2であった。適量のバルク助触媒付加VPO前駆体及び担体の粉末をめのう乳ばち中で徹底的に混合し、磨砕したのち粉砕機に移し、そこで、2種の粉末を約5〜10分間、徹底的に電気混合した。得られた固体混合物を造粒し、破砕し、必要な粒度にふるい分けしたのち、0.5%O2/N2雰囲気中、450℃で3時間焼成した。焼成ののち得られた触媒はVPOを5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%含有し、残りは担体材料であった。新鮮な焼成触媒の相組成は、担体相の他に、(VO)227であることがわかった。また、助触媒源との相互作用の結果としての一定量の非晶質相/固溶体の形成が本実験のすべての触媒で予想された。
例4
例4は、本発明にしたがって実施されるアンモ酸化反応の間に使用されるγ−Al23担体上のVPO触媒の活性及び選択性を記載する。
例1〜3に記載の方法によって製造され、同じサイズのコランダム粒子と重量比1:1で混合した触媒粒子5gを充填した固定床管型石英反応器中、アンモ酸化実験を実施した。予熱ゾーンを触媒床の一番上に設けた。触媒を、空気とNH3との混合物中、400℃で4時間活性化したのち、触媒実験を実施した。2,6−DCT及びH2Oを1:15〜20のモル比でポンピングした。半時間ごとに生成物流を収集し、ガスクロマトグラフィーによって分析した。
以下の反応条件下で反応を実施した。350〜400℃の反応温度を使用し、GHSVは650〜750h-1の範囲であった。接触時間は4.8〜5.5秒であった。2,6−DCT:H2O:NH3:空気のモル比は1:15:3〜4:21であり、2,6−DCTのモル濃度は2.4%であり、O/NH3の比は1.1%であった。結果を表1に示す。
表1
アルミナ担持VPO触媒の活性及び選択性に対する助触媒の影響
Figure 2005532344
上述の反応条件にしたがうと、他の助触媒元素に比べ、Coが、アルミナ担持VPO触媒の活性及び選択性に対して最高の影響を及ぼした。
例5
例5は、本発明にしたがって実施されるアンモ酸化反応中に使用されるTiO2担体上のVPO触媒の活性及び選択性を記載する。
例3及び4に記載のようにして、触媒粒子5gを希釈剤コランダム粒子とともに(重量比1:1)反応器に装填し、以下の反応条件下で反応を実施した。350〜400℃の反応温度を使用し、GHSVは650〜750h-1の範囲であった。接触時間は4.8〜5.5秒であった。2,6−DCT:H2O:NH3:空気:N2のモル比は1:15:3〜4:21であり、2,6−DCTのモル濃度は2.4%であり、O/NH3の比は1.1%であった。結果を表2に示す。
表2
TiO2担持VPO触媒の活性及び選択性に対する助触媒の影響
Figure 2005532344
上述の反応条件にしたがうと、他の助触媒元素に比べ、Crが、TiO2に担持されたVPO触媒の活性及び選択性に対して最高の影響を及ぼした。
例6
例6は、VPCrO/TiO2(アナターゼ)触媒の触媒性能に対する供給ガス中の水蒸気の影響に関する。
例3及び4に記載のようにして、VPCrO/TiO2(アナターゼ)触媒5gを希釈剤コランダム粒子とともに(重量比1:1)反応器に装填し、触媒の触媒性能に対する供給ガス中の水蒸気の影響を試験した。以下の反応条件下で反応を実施した。350〜400℃の反応温度を使用した。2,6−DCT:NH3:空気のモル比は1:4:21であり、2,6−DCTのモル濃度は2.1〜3.8%であり、O/NH3の比は1.1%であった。結果を表3に示す。
表3
VPCrO/TiO2(アナターゼ)触媒の活性及び選択性に対するH2O/2,6−DCTモル比の影響
Figure 2005532344
結論として、供給ガスへの水蒸気の添加は、供給された2,6−DCT1モルあたり水25モルまでの比で、VPCrO/TiO2触媒の触媒性能に対して有利な影響を及ぼす。
例7
例7は、本発明の特定の反応条件にしたがって実施されるアンモ酸化反応及び使用される触媒の触媒性能を記載する。
例3及び4に記載のようにして、VPO/TiO2(アナターゼ)触媒5gを希釈剤コランダム粒子とともに(重量比1:1)反応器に装填し、以下の反応条件下で触媒の触媒性能を試験した。350〜400℃の反応温度を使用し、GHSVは1495h-1であった。接触時間は2.4秒であった。2,6−DCT:H2O:NH3:空気:N2のモル比は1:20:3.0〜4.5:23:30であった。触媒は、一定の条件下、連続100時間の経時実験期間中、圧倒的な性能を示すことが認められた。充填2,6−DCTに基づく2,6−DCBNの収率は、ほぼ完全な2,6−DCT転換率(100%)で81.0%であることがわかり、2,6−DCBNの空時収率(STY)は130g/kg cat/hであった。
例8
例8は、本発明の特定の反応条件にしたがって実施されるアンモ酸化反応及びP/V比が0.7であるバルクVPO触媒の触媒性能を記載する。
例1及び4に記載のようにして、P/V比0.7(原子比)のバルクPVO触媒5gを希釈剤粒子とともに(重量比1:1、コランダム粒子)反応器に装填し、以下の条件下で反応を実施した。400〜440℃の反応温度を使用し、GHSVは1295h-1であった。接触時間は2.86秒であった。2,6−DCT:H2O:NH3:空気のモル比は1:15:6:50であった。2,6−DCTのモル濃度は1.4%であった。充填2,6−DCTに基づく2,6−DCBNの収率は、95.0%の2,6−DCT転換率で75.6%であることがわかった。2,6−DCBNの空時収率(STY)は121g/kg cat/hであった。
例9
例9は、本発明の特定の反応条件にしたがって実施されるアンモ酸化反応及びP/V比が0.5であるバルクVPO触媒の触媒性能を記載する。
例1及び4に記載のようにして、P/V比0.5(原子比)のバルクPVO触媒5gを希釈剤粒子とともに(重量比1:1、コランダム粒子)反応器に装填し、以下の条件下で反応を実施した。400〜440℃の反応温度を使用し、GHSVは1199h-1であった。接触時間は3.0秒であった。2,6−DCT:H2O:NH3:空気のモル比は1:15:6:50であった。2,6−DCTのモル濃度は1.4%であった。充填2,6−DCTに基づく2,6−DCBNの収率は、98.0%の2,6−DCT転換率で68%であることがわかった。2,6−DCBNの空時収率(STY)は109g/kg cat/hであった。
例10
例10は、本発明の特定の反応条件にしたがって実施されるアンモ酸化反応及びP/V比が0.95であるバルクVPO触媒の触媒性能を記載する。
例1及び4に記載のようにして、P/V比0.95(原子比)のバルクPVO触媒5gを希釈剤粒子とともに(重量比1:1、コランダム粒子)反応器に装填し、以下の条件下で反応を実施した。400〜440℃の反応温度を使用し、GHSVは1180h-1であった。接触時間は3.05秒であった。2,6−DCT:H2O:NH3:空気のモル比は1:15:6:50であった。2,6−DCTのモル濃度は1.4%であった。充填2,6−DCTに基づく2,6−DCBNの収率は、93.0%の2,6−DCT転換率で72.0%であることがわかった。2,6−DCBNの空時収率(STY)は115g/kg cat/hであった。
例11
例11は、本発明にしたがって実施されるアンモ酸化反応を記載する。
例4に記載の方法により、PVO/TiO2(アナターゼ)触媒5gを希釈剤粒子とともに(重量比1:1、コランダム粒子)使用して、以下の条件下、より高い空気/2,6−DCTモル比で反応を実施した。380〜400℃の反応温度を使用し、GHSVは1056h-1であった。接触時間は3.4秒であった。2,6−DCT:H2O:NH3:空気のモル比は1:15:4.6:35であった。2,6−DCTのモル濃度は1.8%であった。充填2,6−DCTに基づく2,6−DCBNの収率は、99.7%の2,6−DCT転換率で76.2%であることがわかった。2,6−DCBNの空時収率(STY)は122g/kg cat/hであった。
例12
例12は、本発明のアンモ酸化反応中、加えられる水蒸気の存在下又は非存在下における臭化エチルの影響を例示する。
例3及び4に記載のようにして、以下の触媒5gを希釈剤コランダム粒子とともに(重量比1:1)反応器に装填し、水蒸気の存在下及び非存在下における臭化エチル添加(2容量%)の影響を試験した。以下の条件下で反応を実施した。350〜400℃の反応温度を使用した。2,6−DCT:H2O:NH3:空気:N2のモル比は1:15:3〜4:21:0〜29であった。2,6−DCTのモル濃度は1.4〜3.8%であった。結果を表4にまとめる。
表4
種々のVPO触媒に対する水蒸気の存在下又は非存在下における臭化エチルの影響
Figure 2005532344
反応体供給ガスへの水蒸気及び臭化エチル混合物の添加は、特にCo及びFe助触媒付加触媒の触媒性能に対して有害な影響を及ぼした。水蒸気の非存在下で臭化エチルを加えると、両触媒は、より良好な触媒性能を顕著に示し、それぞれ89.5%及び86.6%のDCBN収率を示した。水蒸気の添加は、反応体供給ガス中の臭化エチルの存在下では、Cr助触媒付加触媒の触媒性能に対して有意な影響を及ぼさなかったが、水蒸気と臭化エチルとの添加は、Mo助触媒付加触媒の触媒性能に対してプラスの影響を及ぼした。

Claims (29)

  1. 固定床反応器中、水蒸気の存在下で、300〜500℃の範囲に含まれる反応温度で三成分触媒を使用するハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンの気相アンモ酸化によってハロゲン化ベンゾニトリルを製造する方法であって、前記触媒が、担体上に設けられた助触媒付加VPO活性相からなるものである方法。
  2. 前記反応温度が350〜450℃の範囲に含まれる、請求項1記載の方法。
  3. 前記反応器中でのハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンの滞留時間が10秒未満、好ましくは8秒未満である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記ハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンがジ−又はトリ−ハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記ジ−又はトリ−ハロゲン化C1〜C6アルキルベンゼンがジハロゲン化トルエンである、請求項4項記載の方法。
  6. 前記ジハロゲン化トルエンが2,6−ジクロロトルエンである、請求項5項記載の方法。
  7. 前記触媒がAl23担体上に設けられている、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記触媒がTiO2担体上に設けられている、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記TiO2担体がアナターゼ相からなる、請求項8記載の方法。
  10. 前記触媒がV1abAlcx又はV1abTicx触媒(Mは、Cr、Fe、Co及びMoからなる群より選択され、aは0.1〜2.0であり、bは0.002〜1.0であり、cは2.0〜10.0であり、xは、他の構成元素の原子価によって決まる)を含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. MがCo又はCrである、請求項10記載の方法。
  12. 触媒が、反応器に添加される前に、不活性媒体によって前記触媒の重量に対し0.5〜2.0の重量比で希釈される、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 前記不活性媒体が、コランダム粒子、磁器ビーズ、石英ビーズ、ガラスビーズなどを含む、請求項12記載の方法。
  14. ハロゲン化アルカンを前記反応器に供給する工程を含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
  15. バルクVPO前駆体を製造する工程、
    前記バルクVPO前駆体を助触媒元素で含浸して、バルク助触媒付加VPO前駆体を得る工程、
    担体を前記バルク助触媒付加VPO前駆体に加える工程、及び
    得られた混合物をO2/N2の弱酸化性雰囲気下で焼成して、担持された助触媒付加VPO触媒を得る工程
    を含む方法によって得ることができる、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法で使用するのに適したVPO触媒であって、
    1abAlcx又はV1abTicx触媒(Mは、Cr、Fe、Co及びMoからなる群より選択され、aは0.1〜2.0であり、bは0.002〜1.0であり、cは2.0〜10.0であり、xは、他の構成元素の原子価によって決まる)であり、(VO)227相及び(NH42(VO)3(P272相の2つの相を実施条件下に主として含有することを特徴とする触媒。
  16. 前記担体がAl23担体である、請求項15記載の触媒。
  17. 前記担体がTiO2担体である、請求項15記載の触媒。
  18. 前記TiO2担体がアナターゼ相からなる、請求項17記載の触媒。
  19. 請求項15〜18のいずれか1項記載の触媒を製造する方法であって、
    バルクVPO前駆体を製造する工程、
    前記バルクVPO前駆体を助触媒元素で含浸して、バルク助触媒付加VPO前駆体を得る工程、及び
    担体を前記バルク助触媒付加VPO前駆体に加える工程、及び
    得られた混合物をO2/N2の弱酸化性雰囲気下で焼成して、担持された助触媒付加VPO触媒を得る工程
    を含む方法。
  20. アルコールの存在下でバナジウム源を環流させて、還元バナジウム種を含有する溶液を得る工程、
    リン源を加え、前記溶液を環流させて、バルクVPO前駆体を得る工程、
    前記バルクVPO前駆体を助触媒元素のアルコール溶液又は水溶液で含浸して、バルク助触媒付加VPO前駆体を得る工程、
    前記バルク助触媒付加VPO前駆体をγ−Al23又はTiO2担体粉末と混合する工程、及び
    得られた混合物を成形及び焼成して、担持された助触媒付加VPO触媒を得る工程
    を含む、請求項19記載の方法。
  21. 前記バナジウム源がV25であり、前記リン源がo−H3PO4である、請求項19又は20記載の方法。
  22. 前記助触媒元素がCr、Fe、Co又はMoを含む、請求項19〜21のいずれか1項記載の方法。
  23. 前記バルク助触媒付加VPO前駆体と前記γ−Al23又はTiO2担体粉末との比が1:2〜1:10の範囲に含まれ、好ましくは1:6である、請求項19〜22のいずれか1項記載の方法。
  24. 焼成工程を、焼成雰囲気下、300〜900℃の範囲に含まれる温度で1〜10時間実施する、請求項19〜23のいずれか1項記載の方法。
  25. 焼成工程を、弱い酸化力の焼成雰囲気下、350〜700℃の範囲に含まれる温度で2〜6時間実施する、請求項19〜23のいずれか1項記載の方法。
  26. 請求項20〜26のいずれか1項にしたがって製造された請求項15〜18のいずれか1項記載のVPO触媒の、気相アンモ酸化反応における使用。
  27. 請求項1〜15のいずれか1項記載の気相アンモ酸化反応における、請求項26記載のVPO触媒の使用。
  28. 気相アンモ酸化反応で2,6−ジクロロトルエンから2,6−ジクロロベンゾニトリルを製造するための、請求項27記載のVPO触媒の使用。
  29. ヘテロ芳香族炭化水素の気相アンモ酸化反応における、請求項28記載のVPO触媒の使用。
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