JP2005527576A - エポチロン化合物の経口投与 - Google Patents
エポチロン化合物の経口投与Info
- Publication number
- JP2005527576A JP2005527576A JP2003581776A JP2003581776A JP2005527576A JP 2005527576 A JP2005527576 A JP 2005527576A JP 2003581776 A JP2003581776 A JP 2003581776A JP 2003581776 A JP2003581776 A JP 2003581776A JP 2005527576 A JP2005527576 A JP 2005527576A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alkyl
- substituted
- group
- aryl
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 0 CCC(C(C1*C(C)CC1)C12C3C1CCC23)N1CCC1 Chemical compound CCC(C(C1*C(C)CC1)C12C3C1CCC23)N1CCC1 0.000 description 3
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0087—Galenical forms not covered by A61K9/02 - A61K9/7023
- A61K9/0095—Drinks; Beverages; Syrups; Compositions for reconstitution thereof, e.g. powders or tablets to be dispersed in a glass of water; Veterinary drenches
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/41—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
- A61K31/425—Thiazoles
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/41—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
- A61K31/425—Thiazoles
- A61K31/427—Thiazoles not condensed and containing further heterocyclic rings
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Oncology (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
Abstract
本発明は、経口投与されるエポチロン化合物の生物学的利用能を増大する方法に関し、ここで、投与されるエポチロン化合物は、薬理学的効果を有し十分薬理学的に利用しうる。
さらに本発明は、上記増大法で用いる医薬組成物、医薬投与剤形、およびキットにも関係する。
さらに本発明は、上記増大法で用いる医薬組成物、医薬投与剤形、およびキットにも関係する。
Description
本発明は、エポチロン化合物(epothilones)を患者に対し生物学的利用能を増大するように経口投与する方法に関する。さらに本発明は、該本発明の方法に用いる医薬組成物、医薬投与剤形およびキットに関する。特に本発明は、エポチロンの固体経口投与剤形に関する。
エポチロン化合物は、医薬分野で有用性が認められている16員環式のマクロライド分子である。たとえば、エポチロンAおよびBは、天然産出化合物であって、一定の微生物から単離することができ;これらの2つの化合物は、下記の構造を有する。
エポチロン化合物の技術導入以来、多くのグループが有用な医薬の開発の試みとして、天然産出エポチロン化合物の類縁体を構想し、合成しおよび試験しつつある[たとえばD.Schinzerらの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(36、No.3、523−524、1997年);K.C.Nicolaouらの「J.Amer.Chem.Soc.」(119、7974−7991、1997年);K.C.Nicoloauらの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(35、No.20、2399−2401、1996年);A.Balogらの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(35、No.23/24、2801−2803、1996年)参照]。
公知のエポチロン化合物は、タキソール(Taxol,登録商標)に類する微小管−安定化効果を発揮し、このため、急速に増殖する細胞に対し、たとえば癌の発生や他の過増殖細胞疾患に対して細胞毒活性を示す[「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(Vol.35、No.13/14、1996年)およびD.M.Bollagの「Exp.Opin.Invest.Drugs」(6(7)、867−873、1997年)参照]。
しかしながら、エポチロン化合物を患者の疾患処置に使用できるに当り、予めそれらを患者に投与できる医薬組成物、たとえば経口投与、粘膜投与(たとえば鼻腔内、舌下、膣内、頬内または直腸内)、非経口投与(たとえば皮下、静脈内、ボーラス注入、筋肉内または動脈内)、または経皮投与に好適な投与剤形に配合しなければならない。経口投与用の配合物が特に好ましく、それは他の配合物よりも投与が便利でかつ容易であるからである。また経口ルートの投与は、非経口投与の苦痛や不快を回避する。従って、経口投与の配合物は患者によって選ばれ、かつ投薬スケジュールに合せた患者の良好なコンプライアンスをもたらす。
しかしながら、経口投与の有用性には、活性物質は生物学的利用能を有することが必要である。経口投与される薬物の生物学的利用能は、たとえば胃腸管を通じての薬物吸収、胃腸管における薬物の安定性、およびファーストパス(first pass)効果を含む種々の要因によって影響される。すなわち、活性物質の有効な経口輸送(放出)(delivery)には、活性物質は腸壁を通過するのに十分な胃および腸管腔内での安定性を有することが必要である。しかし、多くの薬物は腸管内で素早く分解する傾向にあり、あるいは腸管内での吸収が乏しく、この結果経口投与は、薬物を投与する有効な方法ではない。
経口投与用として意図される医薬組成物は、典型例として固体投与剤形(たとえば錠剤)または液体製剤(たとえば溶液、懸濁液、あるいはエリキシル剤)である。しかしながら、固体投与剤形は活性物質の医薬用途に制限を加える可能性があり、それは幾つかの患者母集団が固体経口投与剤形をのみ込むときに、身体的もしくは心理的な困難を有するからである。液体投与剤形が利用できるならば、これらの患者は活性成分を経口液体製剤の形状で投与することにより、該活性成分の必要用量をより容易に摂取することができ、すなわち、患者は経口液体製剤を飲んだり、あるいはたとえば経鼻胃のチューブで投与させることができる。
液体経口医薬組成物は、活性物質を溶解または分散させて該医薬組成物の患者への投与を可能ならしめる適当な溶剤(溶媒)または担体系を要する。溶剤系は、活性物質と相溶し、かつ患者に対して非毒性でなければならない。一般に、液体経口配合物用の溶剤は、水をベースとする溶剤である。
ある一定のエポチロン化合物の配合物は、典型的な障害以外に、該エポチロン化合物が酸に不安定であるかおよび/または経口溶液の第1選択の媒体である水性媒体において溶解性が乏しいのいずれかあるいは両方であるという難点を示す。しかして、本発明は、これらの難点を解消し、かつエポチロン化合物が薬理学的効果を有するのに十分な生物学的利用能を有する、エポチロン化合物の経口投与のための方法および医薬配合物を提供する。
(発明の概要)
本発明は、エポチロン化合物を哺乳類に経口放出し、かつ胃腸系、特に胃中の胃液によるエポチロン化合物の分解(degradation)、変質(decomposition)もしくは非活性化(deactivation)を縮小または回避する方法を包含する。1つの具体例において、該方法は、エポチロン化合物を医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤中で、または該酸中和緩衝剤と共に投与することを包含する。好ましい具体例において、該投与は2つの溶液を使用することから成り、1つは活性なエポチロン化合物を単独、または医薬的に許容しうる担体中で含有し、他の1つは医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する。
本発明は、エポチロン化合物を哺乳類に経口放出し、かつ胃腸系、特に胃中の胃液によるエポチロン化合物の分解(degradation)、変質(decomposition)もしくは非活性化(deactivation)を縮小または回避する方法を包含する。1つの具体例において、該方法は、エポチロン化合物を医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤中で、または該酸中和緩衝剤と共に投与することを包含する。好ましい具体例において、該投与は2つの溶液を使用することから成り、1つは活性なエポチロン化合物を単独、または医薬的に許容しうる担体中で含有し、他の1つは医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する。
従って、本発明は、医薬的に許容しうる溶液へのもしくは予備調製溶液としての組成化(constitution)、または凍結乾燥した場合の再組成(reconstitution)に好適な固体形状でエポチロン化合物を含有する医薬組成物を包含する。また本発明は、水性医薬組成物も包含する。さらに本発明は、医薬的に許容しうる溶液へのもしくは予備調製溶液としての組成化、または凍結乾燥した場合の再組成に好適な固体形状で医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する医薬組成物を包含する。
より明確な具体例において、本発明は、経口投与されるエポチロン化合物の生物学的利用能を増大する方法に指向される。かかる方法は、下記式Iのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を経口投与し;および必要に応じて医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤の1種以上を経口投与することを必然的に伴う。
R2は
G1はH、ハロゲン、CN、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G2はH、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G3はO、SおよびNZ1の群から選ばれ;
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2および必要に応じて置換されるグリコシルの群から選ばれ;
G5はハロゲン、N3、NCS、SH、CN、NC、N(Z1)3 +およびヘテロアリールの群から選ばれ;
G6はH、アルキル、置換アルキル、CF3、OZ5、SZ5およびNZ5Z6の群から選ばれる。
G2はH、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G3はO、SおよびNZ1の群から選ばれ;
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2および必要に応じて置換されるグリコシルの群から選ばれ;
G5はハロゲン、N3、NCS、SH、CN、NC、N(Z1)3 +およびヘテロアリールの群から選ばれ;
G6はH、アルキル、置換アルキル、CF3、OZ5、SZ5およびNZ5Z6の群から選ばれる。
G7はCZ7またはN;
G8はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、OZ10、SZ10およびNZ10Z11の群から選ばれ;
G9はO、S、−NH−NH−および−N=N−の群から選ばれ;
G10はNまたはCZ12;
G11はH2N、置換H2N、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z1,Z6,Z9およびZ11はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシルおよび置換アシルの群から選ばれる。
G8はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、OZ10、SZ10およびNZ10Z11の群から選ばれ;
G9はO、S、−NH−NH−および−N=N−の群から選ばれ;
G10はNまたはCZ12;
G11はH2N、置換H2N、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z1,Z6,Z9およびZ11はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシルおよび置換アシルの群から選ばれる。
Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z3,Z5,Z8およびZ10はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z7はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、OZ8、SZ8およびNZ8Z9の群から選ばれ;および
Z12はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれる。
Z3,Z5,Z8およびZ10はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z7はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、OZ8、SZ8およびNZ8Z9の群から選ばれ;および
Z12はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれる。
但し、R1が
のとき、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル基)を同時に有することはできず;またR1が
のとき、G1,G2またはG5は以下の定義、すなわち、G1およびG2=HおよびG5=Fを同時に有することはできない。
式Ia中、各種記号は以下の定義を有する。
P−QはC−C二重結合またはエポキシド;
RはHまたはメチル;
G1はH、アルキル、置換アルキルまたはハロゲン;
G2はH、アルキルまたは置換アルキル;
G3はO、SまたはNZ1(ここで、Z1はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル);および
P−QはC−C二重結合またはエポキシド;
RはHまたはメチル;
G1はH、アルキル、置換アルキルまたはハロゲン;
G2はH、アルキルまたは置換アルキル;
G3はO、SまたはNZ1(ここで、Z1はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル);および
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2または必要に応じて置換されるグリコシル(ここで、Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環、Z3はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル、およびZ4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環)
であり、但し、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル)を同時に有することはできない。
であり、但し、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル)を同時に有することはできない。
医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、興味のあるエポチロン化合物の1種以上の投与と同時、該投与の前、後または前と後の両方に投与されてよい。活性なエポチロン化合物の前に投与するとき、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、エポチロン化合物の投与の約1時間を超えない前に投与される。後に投与するときは、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、エポチロン化合物の投与の約1時間を超えない後に投与される。
医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤溶液は、液体配合物であってよく、また投与の直前に組成化(構成)されてよいが、これは一定の期間にわたり酸性溶液、特に胃液を中和しうる1種以上の成分から成る。緩衝剤成分としては、これらに限定されるものでないが、医薬的に許容しうる弱酸、弱塩基、またはこれらの混合物が包含される。好ましくは、緩衝剤成分は水溶性の物質、たとえばリン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、塩酸、硫酸、グルタミン酸、およびこれらの塩である。
医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、胃中の胃液を中和するのに十分な量で投与され、胃腸系によって吸収されるエポチロン化合物の量を増大する。医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、pH約5〜9の水溶液で中和されてよい。医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、無水リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム・ジ水和物、および無水クエン酸の水溶液で投与されてよい。
本発明は、経口投与されるエポチロン化合物の生物学的利用能を増大するものであるが、それは、中和緩衝剤を用いずに経口投与されるエポチロン化合物のそれを上回り、重要である。1つの具体例において、エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の生物学的利用能は、少なくとも20%である。エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上は、プロピレングリコールおよびエタノール中の溶液で経口投与されてよく、その場合のプロピレングリコールとエタノールの比は、たとえば約80:20である。
好ましいエポチロン化合物は、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン(式Icのエポチロン,化合物A)である。
また本発明は、所望のエポチロン化合物と溶解性緩衝剤組成物から成るキットを包含する。本発明は、(a)経口投与に好適なエポチロン化合物を含有する医薬組成物と、(b)経口投与に好適な酸中和緩衝剤を含有する医薬組成物から成るキットを包含する。
また本発明は、所望のエポチロン化合物と溶解性緩衝剤組成物から成るキットを包含する。本発明は、(a)経口投与に好適なエポチロン化合物を含有する医薬組成物と、(b)経口投与に好適な酸中和緩衝剤を含有する医薬組成物から成るキットを包含する。
(ii)医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する第2部品
から成る。
ここで、第1部品と第2部品は、液体経口投与剤形で、または組成化もしくは溶剤で再組成されて液体経口投与剤形を付与しうる固体医薬組成物で供給される。
溶剤で再組成されるべき医薬組成物は、錠剤で供給されてよい。第1部品または第2部品は、無水であってよい。キットは必要に応じて、第1または第2部品を再組成する溶剤を包含してもよい。第1部品を再組成する溶剤は、プロピレングリコールとエタノールの混合物であってよく、ここで、プロピレングリコールとエタノールの比は約80:20である。
(ii)エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の分解を縮小するのに十分な量の固体の医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤
から成る医薬組成物に指向され、該医薬組成物は溶剤で再組成されて、液体経口投与剤形を付与する。
図1は、8つの腫瘍細胞系のパネルにおける式Icのエポチロン(BMS−310705)の細胞毒性スペクトルを示す。右手の棒グラフは、左手欄に記載した細胞系のIC50値(上から下まで)を示す。
図2:図2(A)は、Pat−7ヒト卵巣癌モデルにおける静脈内(IV)の式IcおよびIdのエポチロン(BMS−310705およびBMS−247550)の比較抗腫瘍活性を示す。かかる化合物は、腫瘍移植の10日後から開始しトータル3回の投与で、4日毎に表示用量で投与した(Q4D×3;10)。各基準点は、マウス8匹の中央腫瘍重量を表わす。図2(B)は、Pat−7腫瘍モデルにおける式Icのエポチロン(BMS−310705)の場合の用量−応答関係を示す。
図2:図2(A)は、Pat−7ヒト卵巣癌モデルにおける静脈内(IV)の式IcおよびIdのエポチロン(BMS−310705およびBMS−247550)の比較抗腫瘍活性を示す。かかる化合物は、腫瘍移植の10日後から開始しトータル3回の投与で、4日毎に表示用量で投与した(Q4D×3;10)。各基準点は、マウス8匹の中央腫瘍重量を表わす。図2(B)は、Pat−7腫瘍モデルにおける式Icのエポチロン(BMS−310705)の場合の用量−応答関係を示す。
図3は、A2780Taxヒト卵巣癌モデルにおける経口の式Icのエポチロン(BMS−310705)およびIVの式Idのエポチロン(BMS−247550)の比較抗腫瘍活性を示す。かかる化合物は、腫瘍移植の13日後から開始しトータル3回の投与で、4日毎に表示用量で投与した(Q4D×3;13)。各基準線は、マウス8匹の中央腫瘍重量を表わす。
図4は、Pat−7ヒト卵巣癌モデルにおける経口の式Icのエポチロン(BMS−310705)およびIVの式Idのエポチロン(BMS−247550)の比較抗腫瘍活性を示す。かかる化合物は、腫瘍移植の10日後から開始しトータル3回の投与で、4日毎に表示用量で投与した(Q4D×3;10)。各基準点は、マウス8匹の中央腫瘍重量を表わす。
図4は、Pat−7ヒト卵巣癌モデルにおける経口の式Icのエポチロン(BMS−310705)およびIVの式Idのエポチロン(BMS−247550)の比較抗腫瘍活性を示す。かかる化合物は、腫瘍移植の10日後から開始しトータル3回の投与で、4日毎に表示用量で投与した(Q4D×3;10)。各基準点は、マウス8匹の中央腫瘍重量を表わす。
図5:図5(A)は、sc Pat−7腫瘍成長に関する式Icのエポチロン(BMS−310705)の各種注入用量の効果を示す。式Icのエポチロン(BMS−310705)は、10−hr(時間)周期にわたる注入で投与し、用量の5%は負荷用量とした。図5(B)は、各種用量の式Icのエポチロン(BMS−310705)で注入処置した後の、該エポチロン(BMS−310705)のプラスマ濃度を示す。誤差バー(error bars)は、1S.D.を示す。
図6:図6(A)および6(B)は、前臨床試験における化合物Aの平均薬物動力学パラメータを示す。
該図中、
a:IAおよびIVはそれぞれ、動脈内および静脈内投与ルートを示す。
b:m=雄およびf=雌
c:全ての配合物は溶液配合物で、リン酸塩緩衝剤は、配合物に使用するときpH7.4〜8.0を有する。
d:複合プロフィール(composite profile)の場合の時間ポイントごとに3匹の動物を表わし;各グループの動物の総数は15匹である。
e:n.a.=適用不可
f:AUC=TAUC(0−10);10hは最後のプラスマ収集時間である。
g:n.d.=測定せず
h:プロピレングリコール:エタノール:水配合物に関して測定したF(%)
i:AUC=TAUC(0−48);48hは最後のプラスマ収集時間である。
j:エタノール:リン酸塩緩衝剤配合物に関して測定したF(%)
k:パラメータは、性別による限定サンプルサイズに基づき、全性にわたり(across gender)コンバインした。
さらに図中の原語の和訳は、以下の通りである:
ethanol(エタノール)、water(水)、phosphate(リン酸塩)、buffer(緩衝剤)、propylene glycol(プロピレングリコール)、citrate(クエン酸塩)。
図6:図6(A)および6(B)は、前臨床試験における化合物Aの平均薬物動力学パラメータを示す。
該図中、
a:IAおよびIVはそれぞれ、動脈内および静脈内投与ルートを示す。
b:m=雄およびf=雌
c:全ての配合物は溶液配合物で、リン酸塩緩衝剤は、配合物に使用するときpH7.4〜8.0を有する。
d:複合プロフィール(composite profile)の場合の時間ポイントごとに3匹の動物を表わし;各グループの動物の総数は15匹である。
e:n.a.=適用不可
f:AUC=TAUC(0−10);10hは最後のプラスマ収集時間である。
g:n.d.=測定せず
h:プロピレングリコール:エタノール:水配合物に関して測定したF(%)
i:AUC=TAUC(0−48);48hは最後のプラスマ収集時間である。
j:エタノール:リン酸塩緩衝剤配合物に関して測定したF(%)
k:パラメータは、性別による限定サンプルサイズに基づき、全性にわたり(across gender)コンバインした。
さらに図中の原語の和訳は、以下の通りである:
ethanol(エタノール)、water(水)、phosphate(リン酸塩)、buffer(緩衝剤)、propylene glycol(プロピレングリコール)、citrate(クエン酸塩)。
(発明の詳細)
エポチロン化合物の薬理学利益に基づき、これらの化合物が薬理学的効果を有するのに十分な生物学的利用能を有するため、該化合物の投与剤形および投与方法が必要となる。特に、疾患の処置に十分なエポチロン化合物量を放出することができる経口投与剤形、より詳しくは液体経口投与剤形が必要となる。
エポチロン化合物の薬理学利益に基づき、これらの化合物が薬理学的効果を有するのに十分な生物学的利用能を有するため、該化合物の投与剤形および投与方法が必要となる。特に、疾患の処置に十分なエポチロン化合物量を放出することができる経口投与剤形、より詳しくは液体経口投与剤形が必要となる。
本発明は一部、下記式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、水和物、包接化合物もしくはプロドラッグが、医薬的に許容しうる酸中和剤と組合せて経口投与したときに、薬理学的効果を有するのに十分な生物学的利用能を有するという知見に基づく。
従って、本発明は、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を経口投与し、およびこの投与と組合せて、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を経口投与することにより、経口投与される式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの生物学的利用能を増大する方法に指向される。また本発明は、かかる本発明の方法で用いる医薬組成物、医薬投与剤形およびキットにも関係する。
本発明の方法、組成物および投与剤形で用いる好ましいエポチロン化合物は、下記式Icの[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン(式Icのエポチロン、化合物A、BMS−310705)である。
定義
本発明の説明に用いる各種語句の定義を、以下に列挙する。これらの定義は、他の特別な場合で特に指示がない限り、本明細書を通じて使用される語句に適用される。
本明細書で用いる語句“アルキル”とは、炭素数1〜20、好ましくは1〜7の直鎖または分枝鎖非置換炭化水素基を指称する。
本発明の説明に用いる各種語句の定義を、以下に列挙する。これらの定義は、他の特別な場合で特に指示がない限り、本明細書を通じて使用される語句に適用される。
本明細書で用いる語句“アルキル”とは、炭素数1〜20、好ましくは1〜7の直鎖または分枝鎖非置換炭化水素基を指称する。
本明細書で用いる語句“置換アルキル”とは、たとえば1〜4の置換基、たとえばハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、オキソ、アルカノイル、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ジ置換アミノ(ここで、2のアミノ置換基はアルキル、アリールまたはアラルキルから選ばれる)、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換アルカノイルアミノ、置換アリールアミノ、置換アラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アラルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、スルホンアミド(たとえばSO2NH2)、置換スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル(たとえばCONH2)、置換カルバミル(たとえばCONHアルキル、CONHアリール、CONHアラルキル、またはアルキル,アリールもしくはアラルキルから選ばれる窒素上の2の置換基が存在する場合)、アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、グアニジノおよびヘテロシクロ、たとえばインドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジルおよびピリミジルで置換されたアルキル基を指称する。ここで、上記置換基がさらに置換される場合は、それはハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールまたはアラルキルによるだろう。
本明細書で用いる語句“アリール”とは、環部に6〜12個の炭素原子を有するモノ環式またはジ環式芳香族炭化水素基を指称し、たとえばフェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基が挙げられ、これらはそれぞれ置換されてもよい。
本明細書で用いる語句“アラルキル”とは、アルキル基に直接アリール基が結合したものを指称し、たとえばベンジルが挙げられる。
本明細書で用いる語句“アラルキル”とは、アルキル基に直接アリール基が結合したものを指称し、たとえばベンジルが挙げられる。
本明細書で用いる語句“置換アリール”とは、たとえば1〜4の置換基、たとえばアルキル、置換アルキル、フェニル、置換フェニル、ヘテロシクロ、ハロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、およびアリールオキシで置換されたアリール基を指称する。ここで、置換基はさらに、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、置換アルキルまたはアラルキルで置換されてもよい。
本明細書で用いる語句“シクロアルキル”とは、好ましくは1〜3の環および1環当り3〜7個の炭素を含有する、必要に応じて置換される飽和環式炭化水素環基を指称し、さらに不飽和のC3−C7炭素環式環と縮合してもよい。かかる基の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシルおよびアダマンチルが挙げられる。置換基の具体例としては、上記アルキル基の1以上、またはアルキル置換基として上記した基の1以上が挙げられる。
本明細書で用いる語句“複素環”、“複素環式”および“ヘテロシクロ”とは、必要に応じて置換される完全飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族環式基、たとえば4〜15員環系もしくは4〜7員モノ環式環系、7〜11員ジ環式環系、または10〜15員トリ環式環系を指称し、少なくとも1つの、炭素原子含有環に少なくとも1個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含有する複素環式基の各環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を有してよく、この場合、窒素および硫黄ヘテロ原子は必要に応じて酸化されてもよく、また窒素ヘテロ原子は必要に応じて4級化されてもよい。複素環式基は、ヘテロ原子または炭素原子のいずれで結合してもよい。
モノ環式複素環式基の具体例としては、これらに限定されるものでないが、ピロリジニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキサゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル・スルホン、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル・スルホキシド、チオモルホリニル・スルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、ジオキサニル、イソチアゾリジニル、チエタニル、チイラニル、トリアジニル、およびトリアゾリルが挙げられる。
ジ環式複素環式基の具体例としては、これらに限定されるものでないが、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(たとえばフロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,1−b]ピリジニルまたはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(たとえば3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズピラゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニル・スルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、およびチエノチエニルが挙げられる。
置換基の具体例としては、これらに限定されるものでないが、上記アルキル基の1以上またはアルキル置換基として上記の基の1以上が挙げられる。より小さいヘテロシクロ、たとえばエポキシドやアジリジンも含まれる。
本明細書で用いる語句“ヘテロ原子”には、酸素、硫黄および窒素が含まれる。
本明細書で用いる接頭辞“低級”は、炭素数7以下、好ましくは4以下の成分(基)を表わす。
本明細書で用いる語句“生物学的利用能を有する”とは、薬物が生体系に吸収され、かつ生体系の循環血液にて有効利用できる程度を意味する。薬物の生物学的利用能を測定する方法は、当業者にとって周知である。
本明細書で用いる語句“ヘテロ原子”には、酸素、硫黄および窒素が含まれる。
本明細書で用いる接頭辞“低級”は、炭素数7以下、好ましくは4以下の成分(基)を表わす。
本明細書で用いる語句“生物学的利用能を有する”とは、薬物が生体系に吸収され、かつ生体系の循環血液にて有効利用できる程度を意味する。薬物の生物学的利用能を測定する方法は、当業者にとって周知である。
本明細書で用いる語句“薬理学的効果を有するのに十分生物学的利用能を有する”とは、エポチロン化合物が20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上の生物学的利用能を有することを意味する。
本明細書で用いる語句“医薬的に許容しうる塩”とは、塩基性官能基、たとえばアミンを有する式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンから、医薬的に許容しうる非毒性の無機または有機酸によって製造される塩を指称する。適当な非毒性の酸としては、これらに限定されるものでないが、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸(pamoic acid)、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸が挙げられる。酸により形成される塩は、たとえば以下の手順で得ることができる。すなわち、塩基性官能基を有する式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンと、当量の非毒性酸を用いて、酸付加塩を得る。反応は典型例として、酸付加塩が析出する媒体あるいは水性媒体中で実施した後、蒸発を行う。
また語句“医薬的に許容しうる塩”とは、酸性官能基、たとえばカルボン酸官能基を有する式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンと、医薬的に許容しうる非毒性の無機または有機塩基から製造される塩も指称する。適当な非毒性の塩基としては、ナトリウム、カリウムおよびリチウムなどのアルカル金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;他の金属、たとえばアルミニウムや亜鉛の水酸化物;アンモニア、および有機アミン、たとえば非置換またはヒドロキシ−置換のモノ、ジまたはトリアルキルアミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル,N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ、ビスまたはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、たとえばモノ、ビスまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−t−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン;N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、たとえばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸が挙げられる。
塩基により形成される塩はたとえば、酸性官能基を有する式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンと、当量の非毒性塩基を用いて得ることができる。反応は典型例として、該塩が析出する媒体あるいは水性媒体中で実施した後、蒸発を行う。
本発明はまた、両性イオンも包含する。
本発明はまた、両性イオンも包含する。
本明細書で用いる語句“医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤”とは、医薬的に許容しうる非毒性の酸と医薬的に許容しうる酸の塩の組合せを指称し、これらはある溶液に加えた場合、該溶液に酸またはアルカリを加えると、該緩衝剤を有さない溶液と比較して、pH変化に対しより耐性を有する溶液を付与するものである。また語句“医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤”は、酸性溶液に加えた場合該酸を中和し、溶液のpHを上げる塩基性化合物のような化合物も包含する。
本明細書で用いる語句“包接(クラスレート)化合物”とは、“ホスト(host)化合物”の幾つかの分子の組合せによって形成されるかご状中空空間に、“ゲスト(guest)化合物”の1分子を閉じ込めることによって形成される包接化合物を意味する。
本明細書で用いる語句“プロドラッグ”とは、生物学的条件下(インビトロまたはインビボ)で加水分解、酸化または別の方法で反応を行って、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物を付与しうる化合物の誘導体を意味する。たとえば、カルボン酸エステルは便宜上、カルボン酸官能基のエステル化によって形成され;式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンが酸官能基を有する場合、該酸官能基をエステル化してプロドラッグを得ることができる。
種々のプロドラッグが、当該分野でよく知られている[プロドラッグの具体例として、H.Bundgaard編「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年);K.Widderら編「Methods in Enzymology」(Vol.42、309−396頁、Academic Press、1985年);Krosgaard−LarsenおよびH.Bundgaard編「A Textbook of Drug Design and Development」(チャプター5、113−191頁、1991年),“プロドラッグの設計および適用”;H.Bundgaardの「Advanced Drug Delivery Reviews」(8、1−38、1992年);H.Bundgaardらの「Journal of Pharmaceutical Sciences」(77、285、1988年);およびN.Kakeyaらの「Chem.Phar.Bull.」(32、692、1984年)参照]。
本明細書で用いる語句“酸中和量”とは、U.S.薬局方301に規定の、pH3.5に調整することができる1N−HClの量(ミリ当量で表示)を意味する。
本明細書で用いる語句“溶液”とは、1種以上の可溶性活性成分を溶媒に溶解して含有する液体調製物を意味する。
本明細書で用いる語句“懸濁”とは、微細な不溶活性成分が溶媒に懸濁(浮遊)していることを意味する。
本明細書で用いる語句“溶液”とは、1種以上の可溶性活性成分を溶媒に溶解して含有する液体調製物を意味する。
本明細書で用いる語句“懸濁”とは、微細な不溶活性成分が溶媒に懸濁(浮遊)していることを意味する。
本明細書で用いる語句“エリキシル剤”とは、水およびアルコール含有の溶媒中の活性成分の溶液を意味する。
本明細書で用いる語句“シロップ”とは、必要に応じてグリセリンあるいはソルビトールなどのポリオールを含有する、水または他の水性液体中のスクロースなどの糖の濃厚溶液を意味し、上記ポリオールは糖の結晶化を阻止したりあるいは添加成分の溶解性を高める。
本明細書で用いる語句“シロップ”とは、必要に応じてグリセリンあるいはソルビトールなどのポリオールを含有する、水または他の水性液体中のスクロースなどの糖の濃厚溶液を意味し、上記ポリオールは糖の結晶化を阻止したりあるいは添加成分の溶解性を高める。
本発明の方法、組成物および投与剤形で有用なエポチロン化合物:
本発明の方法、組成物および投与剤形において、いずれのエポチロンも使用できる。好ましいエポチロン化合物は、酸に不安定でかつ水中の溶解性が乏しく、経口ルートによって容易には生物学的利用能を有しないものである。特定の具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物が本発明の方法、組成物および投与剤形で使用される。式Iのエポチロン化合物は、U.S.特許No.6262094(2001年7月17日特許)に開示の方法で製造することができる。
本発明の方法、組成物および投与剤形において、いずれのエポチロンも使用できる。好ましいエポチロン化合物は、酸に不安定でかつ水中の溶解性が乏しく、経口ルートによって容易には生物学的利用能を有しないものである。特定の具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物が本発明の方法、組成物および投与剤形で使用される。式Iのエポチロン化合物は、U.S.特許No.6262094(2001年7月17日特許)に開示の方法で製造することができる。
また当業者であれば、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、たとえば以下の文献に開示の方法の適切な改変によっても製造しうることを認識するだろう:K.C.Nicolauらの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(35(20)、2399−2401、1996年),“オレフィン複分解に基づくエポチロン化合物へのアプローチ”;K.C.Nicolauらの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(36(5)、525−527、1997年),“エポチロンAの総合成:マクロラクトン化アプローチ”;K.C.Nicolauらの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(36(19)、2097−2103、1997年),“エポチロン化合物の設計:組合せ合成、チューブリン・アセンブリー特性、およびタキソール耐性腫瘍細胞に対する細胞毒作用”;K.C.Nicolaouらの「J.Am.Chem.Soc.」(119(34)、7960−7973、1997年),“エポチロンAおよびその類縁体へのオレフィン複分解アプローチ”;K.C.Nicolaouらの「J.Am.Chem.Soc.」(119(34)、7974−7991、1997年),“マクロラクトン化ベース戦法によるエポチロンAおよびBの総合成”;K.C.Nicolaouらの「Nature」(387:268−272、1997年),“固相および液相におけるエポチロンAおよびBの合成”;およびD.Mengらの「J.Am.Chem.Soc.」(Vol.119、No.11、2733−2734、1997年),“環形成オレフィン複分解によるマクロライド形成における間接的効果:完全活性エポチロン・コンジナーの合成への適用”。
エポチロン化合物は、結晶性で無水が好ましい。必要に応じて、エポチロン化合物は殺菌してから、本発明の組成物に使用される。
エポチロン化合物は、結晶性で無水が好ましい。必要に応じて、エポチロン化合物は殺菌してから、本発明の組成物に使用される。
エポチロン化合物またはその組成物の有用性および用途:
本発明のエポチロン化合物は、微小管−安定化剤であって、このため、種々の癌または異常細胞増殖の他の疾患の処置に使用することができる。本発明の方法は特に、癌または他の高増殖性細胞疾患に苦しむ患者に対し、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を投与するのに有用である。本明細書で用いる語句“癌”としては、これらに限定されるものでないが、固体腫瘍および血統由来腫瘍が挙げられる。語句“癌”とは、皮膚、組織、器官、骨、軟骨、血液および脈管の疾患を指称する。さらに語句“癌”は、一期および転移癌も包含する。
本発明のエポチロン化合物は、微小管−安定化剤であって、このため、種々の癌または異常細胞増殖の他の疾患の処置に使用することができる。本発明の方法は特に、癌または他の高増殖性細胞疾患に苦しむ患者に対し、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を投与するのに有用である。本明細書で用いる語句“癌”としては、これらに限定されるものでないが、固体腫瘍および血統由来腫瘍が挙げられる。語句“癌”とは、皮膚、組織、器官、骨、軟骨、血液および脈管の疾患を指称する。さらに語句“癌”は、一期および転移癌も包含する。
本発明の方法で処置できる癌の具体例としては、これらに限定されるものでないが、膀胱、乳房、結腸、腎臓、肺、卵巣、膵臓、胃、頸、甲状腺および皮膚のそれらを含む癌腫(扁平上皮細胞癌腫を包含);白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B−細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛細胞リンパ種およびバーキットリンパ種を含む、リンパ様血統の造血腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病および前骨髄球白血病を含む、骨髄様血統の造血腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫および骨肉腫を含む、間葉起点の腫瘍;黒色腫、セミノーム、奇形癌腫、神経芽腫およびグリオームを含む他の腫瘍;星状細胞腫、神経芽腫、グリオームおよび神経線維腫を含む、中枢および末梢神経系の腫瘍;および色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状小胞癌および奇形癌腫を含む他の腫瘍が挙げられる。
本発明の方法は、癌のため予め処置している患者、並びに癌のため予め処置していない患者を処置するのに有用である。実際に、本発明の方法および組成物は、第一線および第二線の癌処置に使用できる。
また本発明の方法は、照射を含む公知の抗癌処置と組合せて使用することもできる。本発明の方法は特に、G2−M相で効果を発揮する式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物とは異なる細胞サイクルの相、たとえばS相で作用する第2の薬の投与を必要とする抗癌処置との組合せに有用である。
また本発明の方法は、照射を含む公知の抗癌処置と組合せて使用することもできる。本発明の方法は特に、G2−M相で効果を発揮する式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物とは異なる細胞サイクルの相、たとえばS相で作用する第2の薬の投与を必要とする抗癌処置との組合せに有用である。
また式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、腫瘍脈管形成も抑制し、これにより、異常細胞増殖に作用しうる。従って、本発明の方法は、網膜血管新生に関連する特定形態の失明、関節炎、特に炎症性関節炎、多発性硬化症、再狭窄および乾癬の処置にも有用である。
また式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、アポプトシス、正常な発育やホメオスタシスに重大な生理的細胞死プロセスを誘発または抑制しうる。アポプトシス経路の変更は、種々のヒト疾病の病因に寄与する。従って、本発明の方法はアポプトシスに収差を持つ種々のヒト疾病の処置に有用であり、かかるヒト疾病としては、癌(特に、これらに限定されないが、小胞リンパ腫、p53変異を持つ癌腫、乳房、前立腺および卵巣のホルモン依存腫瘍、および家族性腺腫ポリポーシスなどの前癌病変)、ウイルス感染(これらに限定されないが、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、エプスタイン−バ−ウイルス、シンドビス(Sindbis)ウイルスおよびアデノウイルスを包含)、自己免疫疾患(これらに限定されないが、全身性紅斑性痕瘡、免疫仲介糸球体腎炎、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患および自己免疫発症糖尿病を包含)、神経変性障害(これらに限定されないが、アルツハイマー病、AIDS−関連痴呆、パーキンソン病、筋萎縮側索硬化症、色素性網膜炎、脊髄筋萎縮および小脳変性を含む)、AIDS、脊髄形成異常症候群、無形成貧血、虚血性傷害関連心筋梗塞、発作および再灌流傷害、不整脈、アテローム性硬化症、トキシン誘発またはアルコール誘発肝臓病、血液病学疾患(これらに限定されないが、慢性貧血および無形成貧血を包含)、筋骨格系の変性疾患(これらに限定されないが、骨粗しょう症および関節炎を包含)、アスピリン−感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎疾患、および癌痛が挙げられる。
また式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、上述の病態に関連する投与療法でその個々の有用性が選択される他の治療剤と共に、配合または投与することもできる。たとえば、式I、Ia、IbまたはIcの化合物はそれぞれ、吐気、過敏症および胃刺激を防止する作用物質、たとえば制吐薬やH1およびH2抗ヒスタミン薬と共に配合しうる。上記治療剤は、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物と組合せて用いるとき、ザ・フィジシャンズ・デスク・リファレンス(the Physicians’ Desk Reference,PDR)に記載の、または他の方法として当業者が決定する量で使用されてよい。
本発明の方法、組成物および投与剤形で有用な緩衝剤:
本発明の方法における緩衝剤の使用目的は、胃液を一時的に中和することにより、患者の胃中のエポチロンの分解を縮小することである。加えて、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を含有する水性および一部水性液体経口配合物において、緩衝剤は式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンの変質を縮小する。本発明者らは意外にも、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と緩衝剤を含有する液体経口投与剤形が、緩衝剤を有さない液体経口投与剤形よりも安定であることを知見した。
本発明の方法における緩衝剤の使用目的は、胃液を一時的に中和することにより、患者の胃中のエポチロンの分解を縮小することである。加えて、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を含有する水性および一部水性液体経口配合物において、緩衝剤は式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンの変質を縮小する。本発明者らは意外にも、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と緩衝剤を含有する液体経口投与剤形が、緩衝剤を有さない液体経口投与剤形よりも安定であることを知見した。
本発明の方法、組成物および投与剤形で有用な緩衝剤は、1種以上の酸と1種以上の酸の塩をコンバインすることにより、容易に調製することができ、この場合、両成分の比は組合せを水溶液に溶解したとき、pH約5〜9の溶液を付与するように設定する。典型例として、1種以上の酸は約4〜10のpKaを有する。当業者であれば、所望のpH値を有する溶液を付与する緩衝剤をどのように調製するかを容易に認識するだろう。加えて、本発明は緩衝剤化合物、たとえば酸性水溶液に加えたときに該溶液のpHを上げる塩基性化合物の使用用途も企図する。
当業者であれば、本発明の方法、組成物および投与剤形で使用できる種々の緩衝剤を容易に認識するだろう。典型的な緩衝剤としては、これらに限定されるものでないが、医薬的に許容しうる弱酸、弱塩またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、緩衝剤成分は水溶性物質、たとえばリン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびこれらの塩である。好ましくは、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、二塩基性リン酸塩−モノ塩基性リン酸塩緩衝剤または二塩基性リン酸塩緩衝剤−クエン酸−クエン酸塩緩衝剤である。これらの緩衝剤は、商業上入手可能か、あるいは上述の商業上入手しうる緩衝作用物質を用い当業者によって容易に調製することができる。
酸に不安定な式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物の経口投与法:
本発明は、経口投与されるエポチロン化合物の生物学的利用能を増大する方法であって、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンまたはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグを経口投与し;および医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を経口投与することによる上記増大法を包含する。本発明は特に、酸に不安定であるが、アルカリ性条件下で加水分解に感応するエポチロン化合物と共に使用しうるエポチロン化合物に、および加水分解に感応しないエポチロン化合物に適する。さらに本発明は、水性媒体での溶解性に乏しいエポチロン化合物と共に使用しうる。
本発明は、経口投与されるエポチロン化合物の生物学的利用能を増大する方法であって、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンまたはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグを経口投与し;および医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を経口投与することによる上記増大法を包含する。本発明は特に、酸に不安定であるが、アルカリ性条件下で加水分解に感応するエポチロン化合物と共に使用しうるエポチロン化合物に、および加水分解に感応しないエポチロン化合物に適する。さらに本発明は、水性媒体での溶解性に乏しいエポチロン化合物と共に使用しうる。
認識すべき点は、本発明のエポチロン化合物が、胃腸系を回避して生物学的利用能の懸念を解消する非経口投与に付すことができることである。しかしながら、かかる投与は患者にとって不便で不快であり、かつ他の潜在的な悪影響を及ぼす。本発明の組成物および方法は、経口ルートの投与の使用を可能ならしめ、これは特にヒト患者にとって重要な利点である。
式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤と組合せて投与することにより、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物の1種以上の生物学的利用能が増大する。理論によって制限されることなく、生物学的利用能の増大は、少なくとも部分的にも重要であるが、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの、胃の酸性環境での変質の速度を下げる緩衝剤に基づく。好ましい式Icのエポチロンを含む特定のエポチロン化合物は、酸性水性環境で不安定であり、たぶんエポキシド環の酸触媒化加水分解開環によって変質する。たとえば、化合物Aの水溶液の場合37℃の5%薬物損失の時間は、pH7で約14hであるが、pH2.5では<0.2時間である。
すなわち、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグを経口投与すると、それらは患者の胃の中で変質して、胃腸管により最小限度の吸収しかあるいは吸収されないことになる。
しかしながら、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤と組合せて患者に投与すると、該緩衝剤は患者の胃の中の酸を中和し、この結果、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の変質速度が十分に低下するため、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上は、吸収されるのに十分な時間にわたって胃腸管に残存する。
本発明の他の具体例において、エポチロン投与の前、途中または後に胃の中の酸を中和するため、制酸薬、たとえばアルミニウムやマグネシウムの水酸化物;炭酸塩、たとえば炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウム;珪酸塩;およびリン酸塩を使用することができる。
本発明の方法に従って経口投与すると、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグは、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%の生物学的利用能を有する。
本発明の方法に従って経口投与すると、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグは、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%の生物学的利用能を有する。
本発明の1つの具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、単一の経口投与剤形に供給され、同時に投与される。式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を併用してなる単一組成物は、固体経口投与剤形(たとえば錠剤、カプセル剤または粉剤)または液体経口投与剤形(たとえば溶液、懸濁液またはエリキシル剤)で投与しうる。溶液または懸濁液は、エポチロン化合物および緩衝剤成分を溶解する適切な溶剤あるいは補助溶剤を用い、投与の直前に組成化することができる。
たとえば、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、プロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤(それぞれの比率は約58:12:30)からなる液体(たとえば1M、pH約8)に、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物を溶解した溶液として、同時に投与しうる。
本発明の別の具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物と医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、それぞれ別個の医薬組成物として供給され、別々に投与される。各医薬組成物は、固体経口投与剤形または液体経口投与剤形で投与される。
式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を別々に投与するとき、式I、Ia、IbまたはIcの所定のエポチロンの投与の前、後または前と後の両方に、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を経口投与しうる。好ましくは、式I、Ia、IbまたはIcの所定のエポチロンの投与の前と後の両方に、胃酸の中和に十分な量で医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を投与する。
医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の前に投与するとき、式I、Ia、IbまたはIcの所定のエポチロンを投与する前の、約5時間以内、好ましくは約3時間以内、より好ましくは約1時間以内、最も好ましくは約10分以内に投与される。医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、式I、Ia、IbまたはIcの所定のエポチロンまたはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの後に投与するとき、式I、Ia、IbまたはIcの所定のエポチロンを投与する後の、約5時間以内、好ましくは約3時間以内、より好ましくは約1時間以内、最も好ましくは約10分以内に投与される。
別の具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグは、医薬的に有効な酸中和緩衝剤が投与されてしまうまでの間、該エポチロンの放出を遅らせるために、腸溶性コーテッド丸剤またはカプセル剤で投与される。腸溶性コーテッド錠剤およびカプセル剤は、胃液中の溶液に耐えるが、腸内で分解(崩壊)する物質をコーティングしたカプセル剤である。
1つの具体例において、緩衝剤は分散性錠剤で投与される。
式I、Ia、IbまたはIcの所定エポチロンまたはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの治療用量は、典型例として特定の疾患や処置されている疾患のきびしさによって変化するだろう。また用量やことによると投与回数も、患者の年令、体重、応答および過去の病歴に従って変化しうる。適切な投薬養生は、かかる要因を考慮して当業者が容易に選択することができる。典型例として、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグは、約0.05〜200mg/kg/日、好ましくは約5〜100mg/kg/日、より好ましくは約100mg/kg/日以下のトータル量にて、1回用量または約2〜4回の分割用量で経口投与される。
式I、Ia、IbまたはIcの所定エポチロンまたはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの治療用量は、典型例として特定の疾患や処置されている疾患のきびしさによって変化するだろう。また用量やことによると投与回数も、患者の年令、体重、応答および過去の病歴に従って変化しうる。適切な投薬養生は、かかる要因を考慮して当業者が容易に選択することができる。典型例として、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグは、約0.05〜200mg/kg/日、好ましくは約5〜100mg/kg/日、より好ましくは約100mg/kg/日以下のトータル量にて、1回用量または約2〜4回の分割用量で経口投与される。
本発明は、所定エポチロンを5mg/単位、10mg/単位、15mg/単位、20mg/単位、25mg/単位、50mg/単位および100mg/単位で含有する医薬単位投与剤形を包含する。同様に、本発明包含の液体単位用量は、これらに限定されるものでないが、2.5mg/mLおよび10mg/mLである。
本明細書で用いる語句“トータル量”とは、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの2種以上が、単位投与剤形に存在するかまたは患者に投与される場合、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容し得る塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグのコンバインした量を意味する。
本明細書で用いる語句“トータル量”とは、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの2種以上が、単位投与剤形に存在するかまたは患者に投与される場合、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容し得る塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグのコンバインした量を意味する。
さらに、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、少なくとも約20ミリ当量、好ましくは少なくとも約30ミリ当量、より好ましくは少なくとも約40ミリ当量、最も好ましくは少なくとも約50ミリ当量の酸中和量を放出するのに十分な量で投与される。
また本発明は、所定緩衝剤を約5〜100mg/単位、好ましくは約22.5mg/単位、より好ましくは約22.5mg/単位で含有する医薬単位投与剤形も包含する。同様に、本発明包含の緩衝剤の液体単位用量は、約50〜300mL、好ましくは約100〜200mL、より好ましくは約150mLの溶剤に溶解する約5〜100mg/単位、好ましくは約22.5mg/単位、より好ましくは約22.5mg/単位である。
典型例として、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、pH約5〜9、好ましくは約6〜8.5、より好ましくは約7〜8の水溶液で投与される。本発明の方法にあって、所望範囲のpHを有する溶液を付与する、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤であればいずれも使用しうる。好ましくは、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、二塩基性リン酸塩−モノ塩基性リン酸塩緩衝剤または二塩基性リン酸塩緩衝剤−クエン酸−クエン酸塩緩衝剤である。
本発明の1つの具体例において、患者は先ず、無水二塩基性リン酸ナトリウム(約0.2M)、クエン酸ナトリウム・ジ水和物(約0.07M)、および無水クエン酸(約0.008M)を含有するpH約7.4の約150mLの水溶液で医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤が投与された後、プロピレングリコール:エタノール(約80:20比)系中の液体投与剤形で式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上が経口投与され;次いで無水二塩基性リン酸ナトリウム(約0.2M)、クエン酸ナトリウム・ジ水和物(約0.07M)および無水クエン酸(約0.008M)を含有するpH約7.4の別途約150mLの水溶液が経口投与される。
式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物を使用する本発明の方法は、1〜10週毎、好ましくは1〜5週毎に1〜7日間、好ましくは3〜7日間の1日1回などの投薬プロトコルを有し、1〜3週間、好ましくは1週間にわたり処置をせず。好ましい具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンを3週間毎1週間に1回投与して、処置サイクルとして1週間に1回のエポチロン投与の後、3週間は処置しないようにする。
また式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物を使用する本発明の方法は、2〜10日間、好ましくは3〜9日間、より好ましくは4〜8日間、最も好ましくは5日間の1日1回などの投薬プロトコルを有する。1つの具体例において、3日〜5週、好ましくは4日〜4週、より好ましくは5日〜3週、最も好ましくは1〜2週の期間があり、サイクルとサイクル間に処置はない。
別の具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、3日間を1日1回で経口投与することができ、サイクルとサイクル間の好ましくは1〜3週の期間は処置せず。さらに別の具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、5日間を1日1回で経口投与することができ、サイクルとサイクル間の好ましい1〜3週の期間は処置せず。
1つの好ましい具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物の投与の処置サイクルは、3日続けて1日1回であり、処置サイクルと処置サイクル間の期間は、2日〜3週間、好ましくは1週間である。
別の好ましい具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物の投与の処置サイクルは、5日続けて1日1回であり、処置サイクルと処置サイクル間の期間は、2日〜3週間、好ましくは1週間である。
別の好ましい具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物の投与の処置サイクルは、5日続けて1日1回であり、処置サイクルと処置サイクル間の期間は、2日〜3週間、好ましくは1週間である。
さらに別の好ましい具体例において、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物の投与の処置サイクルは、7日続けて1日1回であり、処置サイクルと処置サイクル間の期間は、2日〜3週間、好ましくは1週間である。
また式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、1〜10週毎に、好ましくは2〜8週毎に、より好ましくは3〜6週毎に、さらにより好ましくは3週毎に1回経口投与することもできる。
また式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、1〜10週毎に、好ましくは2〜8週毎に、より好ましくは3〜6週毎に、さらにより好ましくは3週毎に1回経口投与することもできる。
組成物、単位投与剤形、およびキット:
また本発明は、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を含有する第1部品と、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する第2部品から成るキットにも指向される。第1部品および第2部品は、それぞれ別個の医薬組成物で供給され、別々に投与されるように意図されている。第1および第2部品は、経口投与に適当な医薬投与剤形で、または組成化もしくは液体で再組成することにより液体経口投与剤形を付与できる固体医薬組成物で供給される。好ましくは、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、光−防護バイアルに包装される。
また本発明は、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を含有する第1部品と、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する第2部品から成るキットにも指向される。第1部品および第2部品は、それぞれ別個の医薬組成物で供給され、別々に投与されるように意図されている。第1および第2部品は、経口投与に適当な医薬投与剤形で、または組成化もしくは液体で再組成することにより液体経口投与剤形を付与できる固体医薬組成物で供給される。好ましくは、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、光−防護バイアルに包装される。
経口投与に適当な医薬組成物および投与剤形は、別々の投与剤形、たとえばこれらに限定されるものでないが、錠剤(たとえば咀しゃくできる錠剤)、キャプレット(caplets)、カプセル剤、サッシュに入った粉剤、腸溶性コーテッド錠剤、腸溶性コーテッドビーズ、腸溶性コーテッドソフトゲルカプセル剤、および液体(たとえばフレーバーシロツプ)で供給することができる。かかる投与剤形は、所定量の活性成分を含有し、当業者にとって周知の製薬法で製造することができる[「Remington's Pharmaceutical Sciences」(18版、PAイーストンのMack Publishing、1990年)参照]。
典型的な経口投与剤形は、通常の医薬調合技法に従い、少なくとも1種の賦形剤を持つ均質混合物中に活性成分をコンバインすることによって製造される。賦形剤は、投与に望まれる製剤の形状に応じて、広範囲の種々の形状に選ぶことができる。たとえば、固体経口投与剤形(たとえば粉剤、錠剤、カプセル剤およびキャプレット)での使用に好適な賦形剤としては、これらに限定されるものでないが、スターチ、糖、微結晶セルロース、希釈剤、粗砕剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤が挙げられる。液体経口投与剤形での使用に好適な賦形剤の具体例としては、これらに限定されるものでないが、水、グリコール、オイル、アルコール、フレーバー、保存剤、および着色剤が挙げられる。
錠剤およびカプセル剤が、便利な医薬組成物および経口投与剤形を示し、この場合、固体の賦形剤を用いる。必要あれば、錠剤に水性または非水性の標準技法によりコーティングすることができる。かかる投与剤形は、いずれの製薬法によっても製造することができる。一般に、医薬組成物および投与剤形は、活性成分を液体担体、微細固体担体または両方と均一かつ均質に混合し、次いで必要に応じて生成物を所望の表示に造形することによって製造される。
たとえば、錠剤は圧縮または成形で製造することができる。圧縮錠剤は、活性成分を適当な機械にてさらさらした形状、たとえば粉剤または粒剤に圧縮し、必要に応じて賦形剤と混合することによって製造することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化配合混合物を、適当な機械にて成形することにより製造することができる。
本発明の経口投与剤形に使用できる賦形剤の具体例としては、これらに限定されるものでないが、結合剤、充填剤、崩壊剤および潤滑剤が挙げられる。医薬組成物および投与剤形での使用に好適な結合剤としては、これらに限定されるものでないが、コーンスターチ、ポテトスターチまたは他のスターチ、ゼラチン、天然および合成ゴム、たとえばアカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガカントゴム、グアーゴム、セルロースおよびその誘導体(たとえばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース・カルシウム、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、予備ゼラチン化スターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(たとえばNo.2208、2906、2910)、微結晶セルロース、およびこれらの混合物が挙げられる。
適当な形状の微結晶セルロースとしては、これらに限定されるものでないが、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(PAマーカス・フックのFMC Corporation,American Viscose Division,Avicel Sales より入手可能)で販売されている物質、およびこれらの混合物が挙げられる。特定の結合剤は、AVICEL RC−581で販売されている、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロース・ナトリウムの混合物である。適当な無水または低湿賦形剤または添加成分としては、AVICEL−PH−103(登録商標)やStarch 1500LMが挙げられる。
本明細書開示の医薬組成物および投与剤形での使用に好適な充填剤の具体例としては、これらに限定されるものでないが、タルク、炭酸カルシウム(たとえば顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末化セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、珪酸、ソルビトール、スターチ、予備ゼラチン化スターチ、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明の医薬組成物および投与剤形における結合剤または充填剤は典型例として、医薬組成物または投与剤形の約50〜90重量%で存在する。
本発明の医薬組成物および投与剤形において、水性環境にさらされたときに崩壊する錠剤を付与するため、崩壊剤が使用される。あまり多くの崩壊剤を包含する錠剤は、貯蔵中に崩壊するかもしれず、一方、あまりにも少ない含有の錠剤では、所望の速度または所望の条件下で崩壊しないかもしれない。すなわち、本発明の医薬組成物および固体経口投与剤形の形成には、あまりに多すぎてあるいはあまりに少なすぎて活性成分の放出を不利に変えてしまうような量の崩壊剤を使用すべきでない。
崩壊剤の使用量は、配合物のタイプに基づいて変化し、かつ当業者にとって容易に認識できる。典型的な医薬組成物および投与剤形は、約0.5〜15重量%、好ましくは約1〜5重量%の崩壊剤を含有する。
本発明の医薬組成物および投与剤形で使用できる崩壊剤としては、これらに限定されるものでないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロース(croscarmellose)・ナトリウム、クロスポビドン(crospovidone)、ポラクリリン(polacrilin)・カリウム、スターチ・グリコール酸ナトリウム、ポテトまたはタピオカ・スターチ、他のスターチ、予備ゼラチン化スターチ、他のスターチ、クレー、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の医薬組成物および投与剤形で使用できる潤滑剤としては、これらに限定されるものでないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(たとえばピーナッツ油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、およびこれらの混合物が挙げられる。
追加の潤滑剤としては、たとえばシリカゲル(AEROSIL200、MDバルチモアのW.R.Grace Co.により製造)、合成シリカの凝結エアゾール(TXプラノのDegussa Co.により販売)、CAB−O−SIL(MAボストンのCabot Co.より販売の発熱性二酸化珪素)、およびこれらの混合物が挙げられる。いやしくも使用する場合、潤滑剤は典型例として、それらを組込む医薬組成物または投与剤形の約1重量%以下の量で用いられる。
医薬組成物および投与剤形はさらに、活性成分が変質する速度を下げる1種以上の化合物を含有しうる。かかる化合物は、本明細書で“安定化剤”と称せられるが、たとえばこれらに限定されるものでないが、アスコルビン酸などの酸化防止剤や塩緩衝剤が挙げられる。
経口投与用の溶液は、別の便利な経口投与剤形を示すが、この場合、溶剤を用いる。液体経口投与剤形は、活性成分を適当な溶剤中でコンバインして、活性成分/液体の溶液、懸濁液、シロップまたはエリキシル剤を形成することによって製造される。
溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤は必要に応じて、これらに限定されないが、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、糖、フレーバーおよび安定化剤を含む他の添加成分を含有しうる。
溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤は必要に応じて、これらに限定されないが、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、糖、フレーバーおよび安定化剤を含む他の添加成分を含有しうる。
本発明のキットは、投与に備え既に製造して液体経口投与剤形の第1および/または第2部品を有するか、または別法として、溶剤で再組成して液体経口投与剤形を付与できる固体医薬組成物の第1および/または第2部品を有しうる。キットが、溶剤で再組成して液体経口投与剤形を付与できる固体医薬組成物の第1および/または第2部品を有するとき、キットは必要に応じて再組成する溶剤を包含しうる。
組成化または再組成する溶剤を活性成分とコンバインすることにより、活性成分の液体経口投与剤形を付与する。好ましくは、活性成分は溶剤に溶解し、溶液を形成する。溶剤は、水、非水性液体、または非水性成分と水性成分の併用であってよい。適当な非水性成分としては、これらに限定されるものでないが、オイル;エタノールなどのアルコール;グリセリン;およびポリエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコールが挙げられる。
本発明の医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、水溶性が好ましい。従って、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤用の好ましい溶剤は、水または食塩水もしくはデキストロース溶液を含む水ベース系である。
式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの幾つかは、水に比較的に不溶であるかもしれない。従って、このような式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの場合、非水性液体または混和性水性成分と非水性成分を併用した液体が好ましく、非水性液体が最も好ましい。
式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグ用の好ましい非水性液体は、好ましくは約80:20比のプロピレングリコールおよびエタノールなどの界面活性剤である。適当な非水性液体もしくは界面活性剤としては、これらに限定されるものでないが、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、プロピレングリコール、グリセリルエステル、Cremophor、脂肪酸エステルおよびアルコール、ポリオキシエチレン、および脂肪アルコールエステルおよびエーテルが挙げられる。
式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグ用の溶剤が水性成分を有するとき、水性成分を緩衝して、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンの変質を縮小することが好ましい。式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、水性または一部水性溶剤中に含有する液体経口投与剤形は、緩衝剤を有さない液体経口投与剤形よりも安定な液体経口投与剤形を付与する。
特に、緩衝した液体経口配合物中の式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の変質速度は、未緩衝の液体経口配合物の変質速度に比し低いということがわかった。理論で縛ることは望まないが、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物は、たぶんエポキシド環の酸または塩基触媒化加水分解開環の結果として、酸性および塩基性媒体中で不安定であると思われる。
しかしながら、液体経口配合物を緩衝することにより、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンが患者に投与できる前に変質しない程度に、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロンの変質速度が十分に遅くなるpH値でその液体経口配合物のpHを維持することは可能である。水性または一部水性液体経口投与剤形は、約5〜9、好ましくは約6〜8.5、より好ましくは約7〜8のpHに緩衝することが好ましい。
活性成分が、組成比または溶剤で再組成されて液体経口投与剤形を付与する固体医薬組成物で供給されるとき、それは典型例として、粉末形状で供給されかつ液体で組成化されてから、すぐに患者に投与される。粉末化医薬組成物は、たとえば、溶剤を加えたバイアルに包装してもよい。別法として、バイアルの内容物を、別の容器に入った溶剤に加えてもよい。
また本発明の粉末化活性成分は、ホイルパッケージなどのサッシェに包装してもよく、かかる包装を開封して、内容物を溶剤に加えることができる。また本発明の粉末化活性成分は、溶剤に加えると溶解する錠剤で配合してもよい。錠剤はたびたび、錠剤の溶解を容易にする崩壊剤を含有する。
また本発明は、固体形状の式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の変質を縮小するのに十分な量の固体の医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有し、液体で再組成されると、液体経口投与剤形を付与する医薬組成物にも指向される。
また本発明の医薬組成物は、より安定な液体経口投与剤形を付与する以外に、エポチロンが患者への経口投与のときにより生物学的利用能を発揮する液体経口投与剤形も付与する。従って、本発明は、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と、溶剤に溶解または分散する固体の医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する液体経口投与剤形にも指向される。好ましくは、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上、および固体の医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を液体に溶解して、溶液を得る。
好ましくは、緩衝剤は医薬組成物において、pH約5〜9、好ましくは約6〜8.5、より好ましくは約7〜8の液体経口配合物が得られる量で存在する。典型例として、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、少なくとも約20ミリ当量、好ましくは少なくとも約30ミリ当量、より好ましくは少なくとも約40ミリ当量、最も好ましくは少なくとも約50ミリ当量の酸中和量を放出するのに十分な量で存在し、液体で再組成されると、液体経口投与剤形を付与する。
この範囲内のpHを付与できる医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤であればいずれも、本発明の組成物に使用しうる。好ましくは、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は、二塩基性リン酸塩−モノ塩基性リン酸塩緩衝剤または二塩基性リン酸塩緩衝剤−クエン酸−クエン酸塩緩衝剤である。
典型例として、本発明の医薬組成物は、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、トータル量約0.05〜200mg、好ましくは約5〜100mg、より好ましくは約10〜50mgで含有する。
典型例として、本発明の医薬組成物は、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、トータル量約0.05〜200mg、好ましくは約5〜100mg、より好ましくは約10〜50mgで含有する。
さらに本発明は、(i)式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上と、固体の医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤の組合せ、および(ii)溶剤を含有する医薬組成物から成るキットであって、上記溶剤は該医薬組成物を再組成して液体経口投与剤形を付与し、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤は式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の変質を縮小するのに十分な量で存在し、上記(ii)の組合せを溶剤で再組成すると、液体経口投与剤形が得られるようになっているキットに関係する。
再組成する溶剤を活性成分とコンバインして、活性成分の液体経口投与剤形を得る。液体経口投与剤形は、溶液または懸濁液であってよい。好ましくは、活性成分は溶剤に溶解して、溶液を形成する。溶剤は、水、非水性液体、または非水性成分と水性成分の組合せである液体であってよい。適当な非水性成分としては、これらに限定されるものでないが、オイル;アルコール、たとえばエタノール;グリセリン;およびグリコール、たとえばポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。本発明のキットへの使用に好適な溶剤は、プロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤(0.1〜1M、pH7〜8)(三者の比約58:12:30)である。
溶剤はさらに、1種以上の添加成分、たとえばこれらに限定されないが、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、フレーバー、および液体経口投与剤形の嗜好性を改善する保存剤を含有してもよい。
さらに本発明は、活性成分、すなわち、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上および/または医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する、無水の医薬組成物および投与剤形を包含する。無水の医薬組成物および投与剤形は、水が幾つかの化合物の分解を容易にしうることから、有利である。
さらに本発明は、活性成分、すなわち、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上および/または医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を含有する、無水の医薬組成物および投与剤形を包含する。無水の医薬組成物および投与剤形は、水が幾つかの化合物の分解を容易にしうることから、有利である。
たとえば、保存寿命の特性や配合物の時間経過の安定性を決定するため、医薬分野において長期貯蔵のシミュレーションの手段として、水の添加(たとえば5%)が広く認められている[たとえばJens T.Carstensen の「Drug Stability:Principles & Practice」(2版、NYニューヨークのMarcel Dekker、379−380頁、1995年)参照]。実際に、水と熱は幾つかの化合物の変質を促進する。すなわち、配合物に対する水の影響は、極めて重大であり、何故なら、水分および/または湿気は、一般に配合物の製造、取扱い、包装、貯蔵、船積みおよび使用中に出くわす。無水の医薬組成物および投与剤形は特に、式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を含有する医薬組成物および投与剤形の場合に有利であり、それはこれらの化合物が水分に対し不安定であるからである。
無水の医薬組成物および投与剤形は、その無水性が維持されるように、製造および貯蔵すべきである。本発明の無水医薬組成物および投与剤形は、無水または低水分含有成分や低水分もしくは低湿気条件の採用で製造することができる。無水の医薬組成物および投与剤形は好ましくは、水にさらされるのを防止し、適当な規定のキットに含ませることができる材料を用いて包装される。適当な包装の具体例としては、これらに限定されるものでないが、気密封止ホイル、プラスチック、単位用量容器(たとえばバイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックが挙げられる。
次に非制限的実施例を挙げて、本発明の特定の具体例、並びに本発明の特定の利点について説明する。
実施例1(薬理学:薬物投与)
化合物Aをげっ歯動物に投与するため、2種の賦形剤:(1)エタノール/水(1:9、v/v)および(2)Cremophor(登録商標)/エタノール/水(1:1:8、v/v)を用いた。化合物Aを先ず、エタノールまたはCremophor(登録商標)/エタノール(50:50)混合物に溶解する。薬物投与前の1hr以内に、要求される投薬効果への最終希釈を行なう。非経口投与(IV)の場合、希釈は水で行ない、この結果、投与溶液が上記の特定賦形剤組成物を含有する。
実施例1(薬理学:薬物投与)
化合物Aをげっ歯動物に投与するため、2種の賦形剤:(1)エタノール/水(1:9、v/v)および(2)Cremophor(登録商標)/エタノール/水(1:1:8、v/v)を用いた。化合物Aを先ず、エタノールまたはCremophor(登録商標)/エタノール(50:50)混合物に溶解する。薬物投与前の1hr以内に、要求される投薬効果への最終希釈を行なう。非経口投与(IV)の場合、希釈は水で行ない、この結果、投与溶液が上記の特定賦形剤組成物を含有する。
経口投与(PO)の場合、希釈は0.25Mリン酸ナトリウム緩衝剤(pH=8.0)(30:70,v/vの比)で行なう。パクリタキセル(Paclitaxel、登録商標)をエタノール/Cremophor(登録商標)(50:50)混合物に溶解し、4℃で貯蔵し;薬物投与の直前に、NaCl0.9%でパクリタキセルの最終希釈を行なう。パクリタキセルの新しい調製には沈澱が必要である。全化合物の容量は、マウスの場合0.01mL/g、ラットの場合0.005mL/gである。
実施例2(薬理学:薬品および供給)
特に明記しない限り、細胞培養のメインテナンスに用いる薬品および溶液は、GIBCO/BRから入手した。殺菌組織培養は、NYのCorningから入手した。他の全ての試薬は、最高級品でSigmaまたはFisherから入手可能。
特に明記しない限り、細胞培養のメインテナンスに用いる薬品および溶液は、GIBCO/BRから入手した。殺菌組織培養は、NYのCorningから入手した。他の全ての試薬は、最高級品でSigmaまたはFisherから入手可能。
実施例3(薬理学:腫瘍細胞系)
HCT116ヒト癌腫細胞系およびHCT116/VM46細胞,MDR変異体1を、McCoy's5A培地(GIBCO)および10%加熱不活性化ウシ胎児血清(GIBCO)で保守する。Dr.Antonio Fojoから入手したA2780ヒト卵巣癌腫細胞およびA2780Tax細胞(MDベテスダのNCI)を、IMEM(GIBCO)および10%ウシ胎児血清(GIBCO)で保守する。このパクリタキセル耐性細胞系は、P−グリコプロティンを過度発現しないが、ベータ−チューブリン2のM40アイソタイプにおいて点変異を有する。これらの耐性細胞から単離した精製チューブリンは、パクリタキセルによる重合作用に対し抵抗力があり、この薬物に対する耐性と、微小管解重合剤、たとえばビンブラスチンに対する副行感受性の理由であると思われる。
HCT116ヒト癌腫細胞系およびHCT116/VM46細胞,MDR変異体1を、McCoy's5A培地(GIBCO)および10%加熱不活性化ウシ胎児血清(GIBCO)で保守する。Dr.Antonio Fojoから入手したA2780ヒト卵巣癌腫細胞およびA2780Tax細胞(MDベテスダのNCI)を、IMEM(GIBCO)および10%ウシ胎児血清(GIBCO)で保守する。このパクリタキセル耐性細胞系は、P−グリコプロティンを過度発現しないが、ベータ−チューブリン2のM40アイソタイプにおいて点変異を有する。これらの耐性細胞から単離した精製チューブリンは、パクリタキセルによる重合作用に対し抵抗力があり、この薬物に対する耐性と、微小管解重合剤、たとえばビンブラスチンに対する副行感受性の理由であると思われる。
実施例4(薬理学:細胞毒性アッセイ)
腫瘍細胞におけるインビトロ細胞毒性を、MTS[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルフェニル)−2H−テトラゾリウム、内部塩]の492nmで光を吸収する還元形状への代謝変換を利用する、テトラゾリウム−ベースの比色定量アッセイで検定する。薬物添加の24hr前に、細胞を接種する。連続希釈化合物と共に37℃での72hr培養の後に、MTSを電子カップリング剤,フェナジンメトスルフェートと組合せて細胞に加える。培養を3時間続け、次いで492nmにおける培地の吸光度を分光光度計で測定して、対照母集団に対する生存細胞の数を得る。結果を中央細胞毒濃度(IC50値)で表示する。
腫瘍細胞におけるインビトロ細胞毒性を、MTS[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルフェニル)−2H−テトラゾリウム、内部塩]の492nmで光を吸収する還元形状への代謝変換を利用する、テトラゾリウム−ベースの比色定量アッセイで検定する。薬物添加の24hr前に、細胞を接種する。連続希釈化合物と共に37℃での72hr培養の後に、MTSを電子カップリング剤,フェナジンメトスルフェートと組合せて細胞に加える。培養を3時間続け、次いで492nmにおける培地の吸光度を分光光度計で測定して、対照母集団に対する生存細胞の数を得る。結果を中央細胞毒濃度(IC50値)で表示する。
実施例5(薬理学:チューブリン重合アッセイ)
化合物Aおよびパクリタキセルが、子ウシの脳から単離したチューブリンを重合する潜在力を、公表技法で評価する[Long B.H.およびFairchild C.R.の「Cancer Res.」(54、4355−4361、1994年);およびWilliams R.C.およびLee J.C.の「Methods in Enzymology」(85、376−385、1982年)]。
化合物Aおよびパクリタキセルが、子ウシの脳から単離したチューブリンを重合する潜在力を、公表技法で評価する[Long B.H.およびFairchild C.R.の「Cancer Res.」(54、4355−4361、1994年);およびWilliams R.C.およびLee J.C.の「Methods in Enzymology」(85、376−385、1982年)]。
実施例6(薬理学:動物)
全てのげっ歯動物は、Harlan Sprague Dawley Co.(インディアナ州インディアナポリス)から入手し、区画した無病原体コロニーの無アンモニア環境で保守する。ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマシュウティカル・リサーチ・インスチチュートの動物治療プログラムは、ザ・アメリカン・アソシエーション・フォア・アクレジテーション・オブ・ラボラトリー・アニマル・ケア(the American Association for Accreditation of Laboratory Animal Care,AAALAC)によって十分に認可されている。
全てのげっ歯動物は、Harlan Sprague Dawley Co.(インディアナ州インディアナポリス)から入手し、区画した無病原体コロニーの無アンモニア環境で保守する。ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマシュウティカル・リサーチ・インスチチュートの動物治療プログラムは、ザ・アメリカン・アソシエーション・フォア・アクレジテーション・オブ・ラボラトリー・アニマル・ケア(the American Association for Accreditation of Laboratory Animal Care,AAALAC)によって十分に認可されている。
実施例7(薬理学:インビボ抗腫瘍テスト)
以下に示すヒト腫瘍を用いる:A2780卵巣,A2780Tax卵巣(MDベテスダのNCI,Medicine Branch、Dr.Antonio Fojoから入手した細胞より確立)、HCT116/VM46結腸、Pat−7卵巣(TAXOL(登録商標)への耐性が現われた患者より、PAフィラデルフィアのFox Chase Cancer Center、Dr.Thomas Hamilton提供の腫瘍バイオプシーより確立)およびPat−26膵臓癌腫(PAフィラデルフィアのFox Chase Cancer Center、Dr.John Hoffman提供の肝臓転移バイオプシーより)。
以下に示すヒト腫瘍を用いる:A2780卵巣,A2780Tax卵巣(MDベテスダのNCI,Medicine Branch、Dr.Antonio Fojoから入手した細胞より確立)、HCT116/VM46結腸、Pat−7卵巣(TAXOL(登録商標)への耐性が現われた患者より、PAフィラデルフィアのFox Chase Cancer Center、Dr.Thomas Hamilton提供の腫瘍バイオプシーより確立)およびPat−26膵臓癌腫(PAフィラデルフィアのFox Chase Cancer Center、Dr.John Hoffman提供の肝臓転移バイオプシーより)。
ヒト腫瘍を、Balb/c nu/nuヌードマウスで保守する。ドナーマウスから得た腫瘍フラグメントを用い、適当なマウス菌株にて腫瘍を皮下移植片(transplants)で生殖させる。効きめテスト用の腫瘍埋没物(implants)は全て、皮下(sc)である。
意義のある応答(レスポンス)を検出するのに必要な、要求数の動物を実験の開始にプールし、それぞれに、13ゲージのトロカールを用い腫瘍フラグメントの皮下埋没物(〜50mg)を与える。初期腫瘍の処置の場合、動物を再度プールしてから、各種の処置および対照グループに分配する。病期が進展した動物の処置の場合、腫瘍を所定大きさの窓まで生長せしめ(範囲外の腫瘍は除く)、動物を各種の処置および対照グループに均等に分配する。
意義のある応答(レスポンス)を検出するのに必要な、要求数の動物を実験の開始にプールし、それぞれに、13ゲージのトロカールを用い腫瘍フラグメントの皮下埋没物(〜50mg)を与える。初期腫瘍の処置の場合、動物を再度プールしてから、各種の処置および対照グループに分配する。病期が進展した動物の処置の場合、腫瘍を所定大きさの窓まで生長せしめ(範囲外の腫瘍は除く)、動物を各種の処置および対照グループに均等に分配する。
各動物の処置は、個々の体重に基づく。処置した動物は、処置に関連する毒性/死亡率を毎日チェックする。各グループの動物を計量してから、処置を開始し(Wt1)、次いで再度最後の処置投与を行なう(Wt2)。体重の差(Wt2−Wt1)が、処置−関連毒性の程度を規定する。
腫瘍応答は、腫瘍が所定の“目標”大きさ1gに到達するまで、カリパスを用い1週間に2回腫瘍の測定によって決定した。腫瘍の重さ(mg)を、下記式から概算する。
腫瘍重さ=(長さ×幅2)÷2
腫瘍応答は、腫瘍が所定の“目標”大きさ1gに到達するまで、カリパスを用い1週間に2回腫瘍の測定によって決定した。腫瘍の重さ(mg)を、下記式から概算する。
腫瘍重さ=(長さ×幅2)÷2
抗腫瘍活性は、過度の毒性(すなわち、1つの死より大)が生じるレベルより直ぐ下の用量レベルで規定される、最大許容用量(MTD)で評価した。MTDはしばしば、ODに相当する。死が生じると、死の日付を記録する。腫瘍が目標大きさに達する前に死んだ処置マウスは、薬物毒性によって死んだものと思われる。薬物毒性によって起る1つの死より大の処置グループは、過度に毒性の処置を有していると思われ、これらのデータは、化合物の抗腫瘍効きめの評価には入れなかった。
腫瘍応答エンドポイントは、対照グループ(C)と比較して所定の目標大きさに到達するのに処置腫瘍(T)の場合に要する時間差(日数)で規定される、腫瘍生長遅れ(T−C値)で表示する。
腫瘍細胞キル(cell kill)を概算するため、先ず腫瘍容量を2倍にする時間(TVDT)を下記式で算出する:
TVDT=対照腫瘍の目標大きさに到達する中央時間(日数)−対照腫瘍の目標大きさの半分に到達する中央時間(日数)
次に、
Log細胞キル=T−C÷(3.32×TVDT)
データの統計的評価は、Gehanの一般化Wilcoxonテスト6を用いて行った。
腫瘍細胞キル(cell kill)を概算するため、先ず腫瘍容量を2倍にする時間(TVDT)を下記式で算出する:
TVDT=対照腫瘍の目標大きさに到達する中央時間(日数)−対照腫瘍の目標大きさの半分に到達する中央時間(日数)
次に、
Log細胞キル=T−C÷(3.32×TVDT)
データの統計的評価は、Gehanの一般化Wilcoxonテスト6を用いて行った。
実施例8(薬理学:静脈内注入)
一定速度の注入薬物放出(デリバリー)は、尾部静脈を介し、L−CATH(登録商標)ネオナタール・カテーテル・システム(Neonatal Catheter System)(CAタスチンのLuther Medical Products Inc.)を用いて行った。28Ga(0.4mmO.D.)のカテーテルを尾部の静脈に、基部から約5cmに挿入し、静脈の中へ4cm進める。カテーテルをNexaband Liquid(Henry Schein Inc.)で安定化し、次いでTegaderm(Henry Schein Inc.)でしっかりと固定する。次に尾部全体とカテーテルを保護シースに入れ、次いでスイベルにつなぐ。マウスは、注入の全期間中自由に移動している。
一定速度の注入薬物放出(デリバリー)は、尾部静脈を介し、L−CATH(登録商標)ネオナタール・カテーテル・システム(Neonatal Catheter System)(CAタスチンのLuther Medical Products Inc.)を用いて行った。28Ga(0.4mmO.D.)のカテーテルを尾部の静脈に、基部から約5cmに挿入し、静脈の中へ4cm進める。カテーテルをNexaband Liquid(Henry Schein Inc.)で安定化し、次いでTegaderm(Henry Schein Inc.)でしっかりと固定する。次に尾部全体とカテーテルを保護シースに入れ、次いでスイベルにつなぐ。マウスは、注入の全期間中自由に移動している。
実施例9(薬理学:化合物AのHPLC/MS/MSによる計量)
プラスマ試料(25μL)を、内部標準(IS)として5μg/mLのBMS−263966を含有する三容量のアセトニトリルで脱プロティン化する。遠心分離で沈澱プロティンを除去後、10μL部の上澄み液を、HPLC/MS/MSで分析する。HPLCシステムは、HPオートサンプラー・モデルG1313Aを持つHewlett Packard モデル1100HPLCから成る。使用カラムは、Phenomenex Luna C18−ODS(3)、2mm×50mm、3μM粒子で、60℃、流速0.5mL/分に維持する。移動相は、(A)水90%/アセトニトリル10%中の5mM酢酸アンモニウムおよび(B)水10%/アセトニトリル90%中の5mM酢酸アンモニウムから成る(pH=5.0)。初期移動相の組成は、A100%/B0%である。
プラスマ試料(25μL)を、内部標準(IS)として5μg/mLのBMS−263966を含有する三容量のアセトニトリルで脱プロティン化する。遠心分離で沈澱プロティンを除去後、10μL部の上澄み液を、HPLC/MS/MSで分析する。HPLCシステムは、HPオートサンプラー・モデルG1313Aを持つHewlett Packard モデル1100HPLCから成る。使用カラムは、Phenomenex Luna C18−ODS(3)、2mm×50mm、3μM粒子で、60℃、流速0.5mL/分に維持する。移動相は、(A)水90%/アセトニトリル10%中の5mM酢酸アンモニウムおよび(B)水10%/アセトニトリル90%中の5mM酢酸アンモニウムから成る(pH=5.0)。初期移動相の組成は、A100%/B0%である。
試料の注入後、移動相を1分にわたってA30%/B70%に変え、この組成でさらに4分間保持する。次いで移動相を、初期条件に戻し、カラムを再度平衡状態にする。陽電気スプレー、全MS/MSモードで作動するFinnigan LCQイオン−トラップ質量分析計に、HPLCを接続する。化合物Aの場合、m/z523の破砕で、m/z335、417および435の計量のための娘イオンを得る。内部標準の場合、m/z594を破砕して、m/z406の計算のための娘イオンを得る。ヘリウムは衝突ガスである。化合物AおよびISの保持時間は、それぞれ3.2および5.0である。標準曲線は10nMから40μMの範囲にわたり、逆濃度(1/x)で加重した二次回帰と一致する。このアッセイ目的のLOQは、25nMである。標準曲線の範囲の2つのレベルのQC試料を用いて、個々の分析セットを受け入れる。
実施例10(薬理学:インビトロの安全性薬理学)
ヒトのエーテル−アゴーゴー(ether−a−go−go)関連遺伝子(HERG)cDNAで安定してトランスフェクションしたヒト胚腎(HEK293)細胞を、HERGアッセイに利用する。プルキンエ線維活動電位アッセイ7に、ラビットのプルキンエ線維を用いる。
ヒトのエーテル−アゴーゴー(ether−a−go−go)関連遺伝子(HERG)cDNAで安定してトランスフェクションしたヒト胚腎(HEK293)細胞を、HERGアッセイに利用する。プルキンエ線維活動電位アッセイ7に、ラビットのプルキンエ線維を用いる。
実施例11(薬理学結果:インビトロ癌細胞に対する細胞毒性)
化合物Aは、インビトロ腫瘍細胞系のパネルに対し広域スペクトルの活性を有する。試験した8つの細胞系の中で(図1)、7つはIC50値0.9−3.5nMを有する。高い多薬物耐性(MDR)の結腸腫瘍系HCT116/VM46は、11.9nMのIC50を有する。注目すべき点は、化合物AがHCT/VM46細胞において固有の多薬物耐性に実質的に“打ち勝った”ことである。すなわち、パクリタキセルの場合、この耐性系で細胞生長を50%抑制するのに要する濃度対感受性HCT116系に要する濃度の比(R/S、または耐性比)は、155倍である。これに比し、化合物Aの場合のR/S比は、わずか12.8であった。
化合物Aは、インビトロ腫瘍細胞系のパネルに対し広域スペクトルの活性を有する。試験した8つの細胞系の中で(図1)、7つはIC50値0.9−3.5nMを有する。高い多薬物耐性(MDR)の結腸腫瘍系HCT116/VM46は、11.9nMのIC50を有する。注目すべき点は、化合物AがHCT/VM46細胞において固有の多薬物耐性に実質的に“打ち勝った”ことである。すなわち、パクリタキセルの場合、この耐性系で細胞生長を50%抑制するのに要する濃度対感受性HCT116系に要する濃度の比(R/S、または耐性比)は、155倍である。これに比し、化合物Aの場合のR/S比は、わずか12.8であった。
実施例12(薬理学結果:チューブリン重合)
エポチロン化合物の細胞毒活性は、タキサン化合物(taxanes)のそれと同様、G2/M遷移8で有糸分裂停止をもたらす微小管の安定化に関連する。これに関して、化合物Aの効力は、その2つの天然類縁体のエポチロンAおよびBのそれに、並びに現在、臨床発展中のエポチロン類縁体の式Idのエポチロン(化合物B)のそれに類似する(下記表1)。
表1:パクリタキセルに対する4種エポチロンのチューブリン重合効力
エポチロン化合物の細胞毒活性は、タキサン化合物(taxanes)のそれと同様、G2/M遷移8で有糸分裂停止をもたらす微小管の安定化に関連する。これに関して、化合物Aの効力は、その2つの天然類縁体のエポチロンAおよびBのそれに、並びに現在、臨床発展中のエポチロン類縁体の式Idのエポチロン(化合物B)のそれに類似する(下記表1)。
表1:パクリタキセルに対する4種エポチロンのチューブリン重合効力
化合物Bは、下記式で示される、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル−17−オキサ−4−アザビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン(BMS−247550)である。
実施例13(薬理学結果:マウスへの非経口投与による抗腫瘍活性)
パクリタキセルに対するそれらの耐性故に選んだ5つのヒト腫瘍異種移植片のパネルで、化合物Aを評価する(下記表2)。化合物Aの抗腫瘍効きめを、記載モデルのそれぞれで、付随してIV試験した化合物Bと頭−頭の比較を行なう。以下に示される化合物Bは、現在臨床I期試行中の関連エポチロンB類縁体である。
表2:腫瘍モデル特性
注1)TAXOLに対する臨床耐性
2)MRP=多薬物耐性関連プロティン
パクリタキセルに対するそれらの耐性故に選んだ5つのヒト腫瘍異種移植片のパネルで、化合物Aを評価する(下記表2)。化合物Aの抗腫瘍効きめを、記載モデルのそれぞれで、付随してIV試験した化合物Bと頭−頭の比較を行なう。以下に示される化合物Bは、現在臨床I期試行中の関連エポチロンB類縁体である。
表2:腫瘍モデル特性
2)MRP=多薬物耐性関連プロティン
1.Pat−7臨床誘導TAXOL耐性の卵巣癌腫モデル
この腫瘍モデルは、卵巣癌患者の腫瘍バイオプシーより確立し(Pat−7)、該患者は最初TAXOL処置に対し応答するが、TAXOLによる単療法の9コースの後、最終的にそれに対し耐性が現われる。TAXOLによる処置の前に、Pat−7はカルボプラチン(carboplatin)、サイトキサン(cytoxan)、VP−16、イフオスファミド(ifosfamide)およびアルトレタミン(altretamine)を含む多くの他の化学療法剤も受容する。腫瘍バイオプシーは、TAXOL耐性の発現の後に取る。
この腫瘍モデルは、卵巣癌患者の腫瘍バイオプシーより確立し(Pat−7)、該患者は最初TAXOL処置に対し応答するが、TAXOLによる単療法の9コースの後、最終的にそれに対し耐性が現われる。TAXOLによる処置の前に、Pat−7はカルボプラチン(carboplatin)、サイトキサン(cytoxan)、VP−16、イフオスファミド(ifosfamide)およびアルトレタミン(altretamine)を含む多くの他の化学療法剤も受容する。腫瘍バイオプシーは、TAXOL耐性の発現の後に取る。
4日毎に3回(Q4D×3)のスケジュールを用い、病期腫瘍(staged tumors)を持つヌードマウスに、化合物Aを投与する。最適用量(8mg/kg/inj(注射))で、それは非常に活性で2.4を導き出す(eliciting)(下記表3および図2A)。付随してIV評価した化合物Bは、個々に1.8LCKをもたらす。注目すべき点は、化合物Aがこのパクリタキセル耐性モデルにおいて強い活性を証明し、MTDよりかなり低い用量レベルでも活性な結果(すなわち、>1LCK)をもたらしたことである(図2B)。
2.A2780Taxヒト卵巣癌腫異種移植片(変異チューブリン)
A2780Taxは、パクリタキセル耐性のヒト卵巣癌腫モデルである。これは感受性親A2780系から、MDR−逆転剤のパクリタキセルおよびベラパミルとの細胞培養によって誘導される。その耐性メカニズムは、非MDR関連であることが認められており、かつベータ−チューブリンプロティン2をコード化する遺伝子の変異に帰する。
病期腫瘍を持つマウスにQ4D×3スケジユールで投与する化合物Aによって、そのMTD(10mg/kg/inj)で3.6LCKが得られる。これに比し、IV化合物BではそのMTDで3.5LCKを得る(下記表3および図3)。
A2780Taxは、パクリタキセル耐性のヒト卵巣癌腫モデルである。これは感受性親A2780系から、MDR−逆転剤のパクリタキセルおよびベラパミルとの細胞培養によって誘導される。その耐性メカニズムは、非MDR関連であることが認められており、かつベータ−チューブリンプロティン2をコード化する遺伝子の変異に帰する。
病期腫瘍を持つマウスにQ4D×3スケジユールで投与する化合物Aによって、そのMTD(10mg/kg/inj)で3.6LCKが得られる。これに比し、IV化合物BではそのMTDで3.5LCKを得る(下記表3および図3)。
3.HCT116/VM46ヒト結腸癌腫異種移植片(多薬物耐性の)
HCT116/VM46は、感受性HCT116親系から発現したMDR−耐性の結腸癌腫である。インビボのヌードマウスで生長したHCT116/VM46は、パクリタキセル9に対する高耐性を一貫して証明した。
病期HCT116/VM46腫瘍を持つマウスのQ4D×3スケジュール使用の化合物A処置は、重要な抗腫瘍効果をもたらす。化合物Aの最適用量で、1.5LCKが得られる。付随して試験したIV化合物Bは、そのMTDで1.3LCKをもたらす(表3)。
HCT116/VM46は、感受性HCT116親系から発現したMDR−耐性の結腸癌腫である。インビボのヌードマウスで生長したHCT116/VM46は、パクリタキセル9に対する高耐性を一貫して証明した。
病期HCT116/VM46腫瘍を持つマウスのQ4D×3スケジュール使用の化合物A処置は、重要な抗腫瘍効果をもたらす。化合物Aの最適用量で、1.5LCKが得られる。付随して試験したIV化合物Bは、そのMTDで1.3LCKをもたらす(表3)。
4.Pat−21,臨床誘導パクリタキセル耐性の乳房癌モデル
Pat−21は、5サイクルのTAXOL(登録商標)と多薬物耐性逆転剤のデキスベラパミルを組合せてなる実験的療法を受けたが、これに応答しなかった、転移性病態の乳房癌患者の腫瘍バイオプシーから確立した、早期接種(early passage)パクリタキセル耐性の腫瘍モデルである。TAXOL療法の前に、アドリアマイシン、サイトキサン、メトトレキサートおよび5−FUからなる化学療法も受容する。腫瘍バイオプシーは、TAXOL療法の停止の後に得た。
Pat−21は、5サイクルのTAXOL(登録商標)と多薬物耐性逆転剤のデキスベラパミルを組合せてなる実験的療法を受けたが、これに応答しなかった、転移性病態の乳房癌患者の腫瘍バイオプシーから確立した、早期接種(early passage)パクリタキセル耐性の腫瘍モデルである。TAXOL療法の前に、アドリアマイシン、サイトキサン、メトトレキサートおよび5−FUからなる化学療法も受容する。腫瘍バイオプシーは、TAXOL療法の停止の後に得た。
Pat−21は、ヌードマウスで比較的遅い速度で生長し、ほぼ3週毎に容量が2倍になる。抗腫瘍効きめの評価のため、約100mgになったPat−21腫瘍を持つマウスに、2コースの化合物Aまたは化合物Bを投与する。2コースは、3週間隔で分ける。各コースは、4日毎に投与する3用量からなる。化合物Aはこのモデルに対し非常に活性で、そのMTD9mg/kg/injで>4.1LCKをもたらす。これに比し、化合物Bも非常に活性であり、その最適用量で3.9LCKのLCK値をもたらす(表3)。
5.Pat−26ヒト膵臓癌腫モデル
Pat−26は、転移膵臓癌を持つ患者の肝臓転移から確立した、ヒト膵臓癌腫異種移植片モデルである。バイオプシーは診断時に得、患者には事前の療法はせず。化合物Aと化合物Bは活性が同等で、そのMTD(10mg/kg/inj、4日毎×3)で1.2LCKをもたらす(表3)。
Pat−26は、転移膵臓癌を持つ患者の肝臓転移から確立した、ヒト膵臓癌腫異種移植片モデルである。バイオプシーは診断時に得、患者には事前の療法はせず。化合物Aと化合物Bは活性が同等で、そのMTD(10mg/kg/inj、4日毎×3)で1.2LCKをもたらす(表3)。
表3:パクリタキセル耐性腫瘍に対する化合物Aおよびパクリタキセルの前臨床抗腫瘍活性
注1)OD=最適用量または最大許容用量(MTD)
2)LCK=グロスlog細胞キルはMTDの場合、または不活性のときは試験の最高 用量である。
3)結果は、化合物Aの場合に報告のものから、別々の実験で得る。
2)LCK=グロスlog細胞キルはMTDの場合、または不活性のときは試験の最高 用量である。
3)結果は、化合物Aの場合に報告のものから、別々の実験で得る。
実施例14(薬理学結果:配合物の効果)
化合物Aは、化学的に安定なエポチロン類縁体であって、これも水溶性が高い。これらの理由から、化合物Aは非経口投与用の完全水性賦形剤系にて配合されてよい。投与ビヒクルの違いが化合物Aの抗腫瘍活性に影響を及ぼしうるかを決定するため、Cremophor/エタノール/水(10:10:80、v/v/v)または酢酸ナトリウム緩衝剤(30mM、pH5.0)中で配合した化合物Aの抗腫瘍効きめの率直な頭−頭の比較を行った。配合に関係する影響は見られない。いずれのビヒクルで配合した化合物Aも、活性は同等で、それぞれ3.3および3.4LCKをもたらす。
化合物Aは、化学的に安定なエポチロン類縁体であって、これも水溶性が高い。これらの理由から、化合物Aは非経口投与用の完全水性賦形剤系にて配合されてよい。投与ビヒクルの違いが化合物Aの抗腫瘍活性に影響を及ぼしうるかを決定するため、Cremophor/エタノール/水(10:10:80、v/v/v)または酢酸ナトリウム緩衝剤(30mM、pH5.0)中で配合した化合物Aの抗腫瘍効きめの率直な頭−頭の比較を行った。配合に関係する影響は見られない。いずれのビヒクルで配合した化合物Aも、活性は同等で、それぞれ3.3および3.4LCKをもたらす。
実施例15(薬理学結果:経口ルートの投与による抗腫瘍活性)
化合物Aが低pHより中性pHの方が有意義に安定であるという事実は、pH緩衝ビヒクル(0.25Mリン酸カリウム、pH8.0)中の経口投与(PO)による化合物Aの評価にはずみを付与する。Q4D×3スケジュールにより、化合物AはPat−7ヒト卵巣癌腫モデルに対する経口活性が高く、そのMTDで2.4LCKをもたらす(図4および下記表4)。これに比し、付随して試験したIV化合物Bは、その最適用量およびスケジュールで1.9LCKをもたらす。
化合物Aが低pHより中性pHの方が有意義に安定であるという事実は、pH緩衝ビヒクル(0.25Mリン酸カリウム、pH8.0)中の経口投与(PO)による化合物Aの評価にはずみを付与する。Q4D×3スケジュールにより、化合物AはPat−7ヒト卵巣癌腫モデルに対する経口活性が高く、そのMTDで2.4LCKをもたらす(図4および下記表4)。これに比し、付随して試験したIV化合物Bは、その最適用量およびスケジュールで1.9LCKをもたらす。
実施例16(薬理学結果:ラットへの非経口投与による抗腫瘍活性)
ヌードラットで生長したヒト卵巣癌腫異種移植片A2780に対して、化合物Aを評価する。化合物Aのみが、そのMTD(3mg/kg/inj、IV、8日毎×2)での試験方法で適度の活性(0.7LCK)を証明した。これに比し、化合物BはそのMTD(2.4mg/kg/inj、IV、8日毎×2)で3.3LCKをもたらした。
ヌードラットで生長したヒト卵巣癌腫異種移植片A2780に対して、化合物Aを評価する。化合物Aのみが、そのMTD(3mg/kg/inj、IV、8日毎×2)での試験方法で適度の活性(0.7LCK)を証明した。これに比し、化合物BはそのMTD(2.4mg/kg/inj、IV、8日毎×2)で3.3LCKをもたらした。
実施例17(薬理学結果:sc Pat−7ヒト卵巣癌腫に対する化合物Aの最小限有効注入用量養生)
抗腫瘍活性を達するのに要する化合物Aの最小限有効注入用量を決定するため、scPat−7モデルで実験を行った。この実験で、Pat−7腫瘍を持つマウスに、化合物Aを4種の用量レベル(2、4、8、16mg/kg)で、一定速度の注入にて10hrにわたって投与する。これらの用量レベルにて、明らかに用量に依存する、一定範囲の抗腫瘍活性が見られ;2、4、8および16mg/kgの場合それぞれ、0.1(P=0.79、有意なし)、0.7(P=0.019、有意)、1.1(P=0.004、有意)および1.7(P=0.001、有意)のLCK値に相当する腫瘍生長の遅れが見られる(図5A)。
抗腫瘍活性を達するのに要する化合物Aの最小限有効注入用量を決定するため、scPat−7モデルで実験を行った。この実験で、Pat−7腫瘍を持つマウスに、化合物Aを4種の用量レベル(2、4、8、16mg/kg)で、一定速度の注入にて10hrにわたって投与する。これらの用量レベルにて、明らかに用量に依存する、一定範囲の抗腫瘍活性が見られ;2、4、8および16mg/kgの場合それぞれ、0.1(P=0.79、有意なし)、0.7(P=0.019、有意)、1.1(P=0.004、有意)および1.7(P=0.001、有意)のLCK値に相当する腫瘍生長の遅れが見られる(図5A)。
これらのデータから、化合物Aの最小限有効用量(MED)(0.5LCKを得るのに)は、2〜4mg/kgであるとの結論が下される。
同時に、各用量レベルでの対応するプラスマ見掛定常状態濃度(Css)を測定した(図5B)。これらのデータから、化合物AのMECは、35〜60nMの範囲にあることが推定される。
同時に、各用量レベルでの対応するプラスマ見掛定常状態濃度(Css)を測定した(図5B)。これらのデータから、化合物AのMECは、35〜60nMの範囲にあることが推定される。
実施例18(薬理学結果:インビトロの安全性薬理学)
1.HERG(IKr流動)アッセイ
非GLP実験7において、10および30μM濃度でのカリウムチャネル流動に関する化合物Aの効果を評価する。ヒトのエーテル−アゴーゴー関連遺伝子(HERG)は、心臓の急速に活動する遅延整流器カリウムチャネル(IKr)をコード化する。化合物Aは、用量に依存してIKr流動を弱くブロックし、30μM濃度での最大抑制率は13.5%であった。これらの知見に基づき、化合物Aが予測される治療上プラスマ濃度でQT間隔のIKr−仲介増加を起こすことはありえない。
1.HERG(IKr流動)アッセイ
非GLP実験7において、10および30μM濃度でのカリウムチャネル流動に関する化合物Aの効果を評価する。ヒトのエーテル−アゴーゴー関連遺伝子(HERG)は、心臓の急速に活動する遅延整流器カリウムチャネル(IKr)をコード化する。化合物Aは、用量に依存してIKr流動を弱くブロックし、30μM濃度での最大抑制率は13.5%であった。これらの知見に基づき、化合物Aが予測される治療上プラスマ濃度でQT間隔のIKr−仲介増加を起こすことはありえない。
2.ラビットのプルキンエ線維モデル
非GLP実験7において、インビトロラビットのプルキンエ線維モデルで、3、10および30μM濃度の化合物Aを評価した。このモデルを発育させて、化合物がプルキンエ線維の活動電位持続あるいは他の活動電位パラメータに影響を及ぼすかどうかを決定する。化合物Aは、30μMの濃度でプルキンエ線維APD90を最小限に縮小する(10%以下)。これらの知見に基づき、化合物Aはインビボの臨床関連心電図影響をひき起こすとは思えない。
非GLP実験7において、インビトロラビットのプルキンエ線維モデルで、3、10および30μM濃度の化合物Aを評価した。このモデルを発育させて、化合物がプルキンエ線維の活動電位持続あるいは他の活動電位パラメータに影響を及ぼすかどうかを決定する。化合物Aは、30μMの濃度でプルキンエ線維APD90を最小限に縮小する(10%以下)。これらの知見に基づき、化合物Aはインビボの臨床関連心電図影響をひき起こすとは思えない。
参照文献(実施例1〜18に関して)
1.Long B.H.Wang L.、Lorico A.らの「Cancer Res.」(51:5275−5284、1991年),“後天的耐性のヒト結腸および肺癌腫細胞系におけるエトポシドおよびテニポシド(teniposide)に対する耐性のメカニズム”
2.Giannakakon P.、Sackett D.L.、Kang Y.K.らの「J.Biol.Chem.」(272:17118−17125、1997年),“パクリタキセル耐性のヒト卵巣癌細胞は、パクリタキセル−衝動重合の欠陥を示す変異体ベータ−チューブリンを有する”
3.Riss T.L.およびMoravec R.A.の「Mol.Biol.Cell.」(3(suppl.):184a、1992年),“インビトロ増殖に関するMTT、XTT、および新規テトラゾリウム化合物MTSの比較および化学的感受性アッセイ”
4.Long B.H.およびFairchild C.R.の「Cancer Res.」(54:4355−4361、1994年),“パクリタキセルは、紡錘体形成による干渉によって有糸分裂細胞のG(1)相への進行を抑制する”
1.Long B.H.Wang L.、Lorico A.らの「Cancer Res.」(51:5275−5284、1991年),“後天的耐性のヒト結腸および肺癌腫細胞系におけるエトポシドおよびテニポシド(teniposide)に対する耐性のメカニズム”
2.Giannakakon P.、Sackett D.L.、Kang Y.K.らの「J.Biol.Chem.」(272:17118−17125、1997年),“パクリタキセル耐性のヒト卵巣癌細胞は、パクリタキセル−衝動重合の欠陥を示す変異体ベータ−チューブリンを有する”
3.Riss T.L.およびMoravec R.A.の「Mol.Biol.Cell.」(3(suppl.):184a、1992年),“インビトロ増殖に関するMTT、XTT、および新規テトラゾリウム化合物MTSの比較および化学的感受性アッセイ”
4.Long B.H.およびFairchild C.R.の「Cancer Res.」(54:4355−4361、1994年),“パクリタキセルは、紡錘体形成による干渉によって有糸分裂細胞のG(1)相への進行を抑制する”
5.Williams R.C.およびLee J.C.の「Methods in Enzymology」(85:376−385、1982年),“脳からチューブリンの製造”
6.Gehan G.A.の「Biometrika」(52:203−233、1985年),“単独検閲サンプルを任意に比較する一般的Wilcoxonテスト”
7.Levesque P.C.、“BMS−310705:HERG/IKr流動およびラビットのプルキンエ線維活動電位に関する効果”、ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマシュウティカル・リサーチ・インスチチュート、2000年11月7日、記録管理No.920009044VD−v1.0
8.Bollag D.M.、McQueney P.A.、Zhu J.らの「Cancer Res.」(55:2325−2333、1995年),“Taxol様作用メカニズムを持つエポチロン化合物,新しい部類の微小管−安定化剤”
9.Lee F.Y.F.、“エポチロン類縁体,BMS−310705の前臨床薬理学”、ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマシュウティカル・リサーチ・インスチチュート、2000年12月4日、記録管理No.920009170VD−v1.0
6.Gehan G.A.の「Biometrika」(52:203−233、1985年),“単独検閲サンプルを任意に比較する一般的Wilcoxonテスト”
7.Levesque P.C.、“BMS−310705:HERG/IKr流動およびラビットのプルキンエ線維活動電位に関する効果”、ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマシュウティカル・リサーチ・インスチチュート、2000年11月7日、記録管理No.920009044VD−v1.0
8.Bollag D.M.、McQueney P.A.、Zhu J.らの「Cancer Res.」(55:2325−2333、1995年),“Taxol様作用メカニズムを持つエポチロン化合物,新しい部類の微小管−安定化剤”
9.Lee F.Y.F.、“エポチロン類縁体,BMS−310705の前臨床薬理学”、ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマシュウティカル・リサーチ・インスチチュート、2000年12月4日、記録管理No.920009170VD−v1.0
実施例19(薬物動力学:分析法)
前臨床実験における化合物Aのヒト薬物動力学パラメータを、図6(A)および6(B)に示す。
診査薬物動力学実験からのプラスマ試料について、3.9〜2000ng/mLの標準曲線範囲のLC/MS/MSアッセイを用い、化合物A濃度を分析する。薬力学的実験において、マウスプラスマで10〜40000nM(5.23〜20920ng/mL)の標準曲線範囲のLC/MS/MSアッセイを用い、化合物A濃度を測定する。毒物学実験の場合、確証LC/MS/MSアッセイを用いて、ラットおよびイヌプラスマにおける化合物Aの濃度を測定する。確証アッセイの分析データ管理は、Watson(登録商標)を用いて行なう。
前臨床実験における化合物Aのヒト薬物動力学パラメータを、図6(A)および6(B)に示す。
診査薬物動力学実験からのプラスマ試料について、3.9〜2000ng/mLの標準曲線範囲のLC/MS/MSアッセイを用い、化合物A濃度を分析する。薬力学的実験において、マウスプラスマで10〜40000nM(5.23〜20920ng/mL)の標準曲線範囲のLC/MS/MSアッセイを用い、化合物A濃度を測定する。毒物学実験の場合、確証LC/MS/MSアッセイを用いて、ラットおよびイヌプラスマにおける化合物Aの濃度を測定する。確証アッセイの分析データ管理は、Watson(登録商標)を用いて行なう。
両マトリックスの確証アッセイの標準曲線範囲は、2〜500ng/mLの化合物Aである。ラットおよびイヌプラスマにおけるアッセイ間および内精度の変化率は、9%以内で、精度は92%より大である。化合物Aは、分析作業プロセスの前ではラットEDTAプラスマにおいて室温にて少なくとも4hおよびイヌEDTAプラスマにおいて4ECにて少なくとも4h安定であり、かつ分析作業プロセスの後ではオートサンプラー(autosampler)中4ECにて少なくとも5日間安定であることが認められる。化合物Aは、ラットおよびイヌEDTAプラスマにおいて!20ECにて少なくとも4ケ月間および少なくとも3回の凍結−解凍サイクルを通じて安定である。加えて、化合物Aは新しいラットおよびイヌEDTA全血において、4ECにて少なくとも1h安定である。
実施例20(薬物動力学:マウスにて)
化合物Aの薬物動力学をヌードマウスにて、IV(5mg/kg)および経口(15mg/kg)投与後に評価する(n=15マウス/グループ)。IVおよび経口用量の製剤として、それぞれ、cremophor:エタノール:水(10:10:80)およびcremophor:エタノール:リン酸塩緩衝剤(pH8)(10:10:80)の混合物に化合物Aを溶解する。3マウス/タイムポイント/グループから、投与後10および45分、および2、4および6時間で化合物Aのプラスマ濃度を測定する。薬物動力学分析のため、複合プラスマ濃度−時間プロフィールを構成する。ヌードマウスにおける化合物AのCLTは、152mL/min(分)/kgで、これは伝えられている約54mL/min/kgの肝臓プラスマ流よりも大きい。VSS値は38L/kgで、これは約0.7L/kgの全体内水よりも大きく、重要な脈管外分布を示す。IVおよび経口の両投与後のT−HALF値は、3.3hである。マウスにおける化合物Aの絶対経口生物学的利用能は、21%である。
化合物Aの薬物動力学をヌードマウスにて、IV(5mg/kg)および経口(15mg/kg)投与後に評価する(n=15マウス/グループ)。IVおよび経口用量の製剤として、それぞれ、cremophor:エタノール:水(10:10:80)およびcremophor:エタノール:リン酸塩緩衝剤(pH8)(10:10:80)の混合物に化合物Aを溶解する。3マウス/タイムポイント/グループから、投与後10および45分、および2、4および6時間で化合物Aのプラスマ濃度を測定する。薬物動力学分析のため、複合プラスマ濃度−時間プロフィールを構成する。ヌードマウスにおける化合物AのCLTは、152mL/min(分)/kgで、これは伝えられている約54mL/min/kgの肝臓プラスマ流よりも大きい。VSS値は38L/kgで、これは約0.7L/kgの全体内水よりも大きく、重要な脈管外分布を示す。IVおよび経口の両投与後のT−HALF値は、3.3hである。マウスにおける化合物Aの絶対経口生物学的利用能は、21%である。
実施例21(薬物動力学:ラットにて)
1.単一用量の薬物動力学実験
絶食した雄スプラーグ−ダウレイ(Sprague−Dawley)ラットにおいて、単一動脈内(IA)(2mg/kg;10分注入)および経口(8mg/kg)投与の後に化合物Aの薬物動力学を調べる。トータル8匹のラットを4グループに分け(IAグループ3つと経口グループ1つ)、各グループを2匹とする。3つのIAグループの場合、化合物Aを3種の投与溶液に準備し;ここで、ビヒクル1はエタノール:水(10:90)、ビヒクル2はcremophor:エタノール:水(10:10:80)、およびビヒクル3はプロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤(0.05M、pH7.4)(40:5:55)である。
1.単一用量の薬物動力学実験
絶食した雄スプラーグ−ダウレイ(Sprague−Dawley)ラットにおいて、単一動脈内(IA)(2mg/kg;10分注入)および経口(8mg/kg)投与の後に化合物Aの薬物動力学を調べる。トータル8匹のラットを4グループに分け(IAグループ3つと経口グループ1つ)、各グループを2匹とする。3つのIAグループの場合、化合物Aを3種の投与溶液に準備し;ここで、ビヒクル1はエタノール:水(10:90)、ビヒクル2はcremophor:エタノール:水(10:10:80)、およびビヒクル3はプロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤(0.05M、pH7.4)(40:5:55)である。
経口投与に用いるビヒクルは、プロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤(1M、pH8)(58:12:30)である。投与後10、15、30および45分、および1、2、4、6、8および10時間で化合物Aのプラスマ濃度を測定する。ビヒクル1、2および3と共に、IA用量を投与した場合の平均AUC値はそれぞれ、133、708および210h.ng/mLであり、これは、配合におけるcremophorの存在が全身性暴露(systemic exposure)で顕著な増加(ビヒクル1および3と比較して、それぞれ約3.4倍および5.3倍)をもたらすことを示唆する。cremophorベース配合による全身性暴露の増加はたぶん、cremophor含有のパクリタキセル配合物によって明らかなものと同様、化合物Aを閉じ込めることができるcremophorによるミセルの形成に基づく。ラットにおける化合物Aの絶対経口生物学的利用能は、28%である(対照としてビヒクル3を用い所定の用量を使用)。
別の薬物動力学実験において、2つのIAグループ(2mg/kg)および1つの経口グループ(8mg/kg)に割り当てた、絶食した雄スプラーグ−ダウレイラット(n=3/グループ)に、単一用量の化合物Aを投与する。IA投与の場合、化合物Aを2つの別個ビヒクルに準備し;ここで、ビヒクル1はcremophor:エタノール:水(10:10:80)、およびビヒクル2はエタノール:リン酸塩緩衝剤(0.05M、pH7.4)(6:94)である。経口投与用のビヒクルは、エタノール:リン酸塩緩衝剤(0.3M、pH8)(18:82)である。投与後10、15、30および45分、および1、2、4、6、8、10、24および48時間で試料を集める。ビヒクル1および2と共に、IA用量を投与した場合の平均AUC値は、それぞれ2889および717h.ng/mLであり、これによって、IA配合におけるcremophorの存在は、たぶん化合物Aを閉じ込めるミセルの形成に基づき、全身性暴露の増加(約4倍)をもたらすことが確認される。この実験でラットにおける化合物Aの絶対経口生物学的利用能は、34%である(対照としてビヒクル2を用い所定の用量を使用)。
2.単一用量の毒性実験
ラットにおける化合物Aの単一用量IV毒物動力学を、毒性実験の一部として評価する。化合物Aを50mMのクエン酸塩緩衝剤(pH5)に準備し、これを3ラット/性別/用量に対し、1、5および7mg/kgの用量で静脈内に投与する(約1〜2分にわたって)。投与の後3、15および30分、および1、3、6、12および24hで血液試料を集める。2〜500ng/mLの標準曲線範囲の確証LC/MS/MSアッセイを用い、化合物Aのプラスマ濃度を測定する。
ラットにおける化合物Aの単一用量IV毒物動力学を、毒性実験の一部として評価する。化合物Aを50mMのクエン酸塩緩衝剤(pH5)に準備し、これを3ラット/性別/用量に対し、1、5および7mg/kgの用量で静脈内に投与する(約1〜2分にわたって)。投与の後3、15および30分、および1、3、6、12および24hで血液試料を集める。2〜500ng/mLの標準曲線範囲の確証LC/MS/MSアッセイを用い、化合物Aのプラスマ濃度を測定する。
用量や性別に関係して、CMAX値は183〜3914ng/mLの範囲に及び、AUC値は159〜1938h.ng/mLの範囲に及ぶ。1:5:7の比の用量の場合、雄および雌における化合物Aの平均CMAX値はそれぞれ、1:10:19および1:11:19の比にあり、またAUC値はそれぞれ、1:4.2:7.8および1:8.0:12の比にある。雄および雌ラット間の全身性暴露は、合理的に似ている。結論として、化合物Aに対する全身性暴露の用量−関連増加が見られ、増加は用量増分よりも大である。さらに、雄および雌ラット間で化合物Aの毒物動力学に差はないように思われる。
実施例22(薬物動力学:イヌにて)
1.単一用量の薬物動力学実験
絶食した雄ビーグル犬(n=3)において、クロスオーバーデザイン(cross−over design)で化合物AのIV(0.5mg/kg、10分注入)および経口(1mg/kg)投与後に、化合物Aの薬物動力学を調べる。両IVおよび経口投与に用いるビヒクルは、プロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤(pH7.4〜8.0)(40:5:55)である。投与後10、15、30および45分で、および1、2、4、6、8、12および24時間で、プラスマ試料を集め、化合物Aの濃度を測定する。IV投与後、イヌの化合物AのCLTは、約25.7mL/分/kgで、これは伝えられているイヌの肝臓プラスマ流約19mL/分/kgより大である。IV投与後のVSS値は4.7L/kgであり、これは伝えられているイヌの全体内水0.6L/kgより大きく、化合物Aの重要な脈管外分布を示す。IVおよび経口投与後の化合物AのT−HALFはそれぞれ、3.9および3.1hである。イヌにおける化合物Aの平均絶対経口生物学的利用能は、40%である。
1.単一用量の薬物動力学実験
絶食した雄ビーグル犬(n=3)において、クロスオーバーデザイン(cross−over design)で化合物AのIV(0.5mg/kg、10分注入)および経口(1mg/kg)投与後に、化合物Aの薬物動力学を調べる。両IVおよび経口投与に用いるビヒクルは、プロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤(pH7.4〜8.0)(40:5:55)である。投与後10、15、30および45分で、および1、2、4、6、8、12および24時間で、プラスマ試料を集め、化合物Aの濃度を測定する。IV投与後、イヌの化合物AのCLTは、約25.7mL/分/kgで、これは伝えられているイヌの肝臓プラスマ流約19mL/分/kgより大である。IV投与後のVSS値は4.7L/kgであり、これは伝えられているイヌの全体内水0.6L/kgより大きく、化合物Aの重要な脈管外分布を示す。IVおよび経口投与後の化合物AのT−HALFはそれぞれ、3.9および3.1hである。イヌにおける化合物Aの平均絶対経口生物学的利用能は、40%である。
2.単一用量の毒物動力学実験
イヌにおいて化合物Aの単一用量IV毒物動力学を、毒物学実験の一部として評価する。化合物Aを50mMのクエン酸塩緩衝剤(pH5)に準備し、これを2イヌ/性別/用量に対し、IV注入により(約2〜3分間にわたり)、0.07および0.35mg/kgの呼称用量(実際の用量はそれぞれ、0.055および0.27mg/kg)で投与する。投与後5および30分で、および1、3、6、12および24hで血液試料を集める。2〜500ng/mLの標準曲線範囲の確証LC/MS/MSアッセイを用い、化合物Aのプラスマ濃度を測定する。0.055および0.27mg/kg用量の場合、性別による(制限された試料大きさに基づく)平均CMAX値はそれぞれ、104および664ng/mLで、AUC値はそれぞれ、48.3および362h.ng/mLである。
イヌにおいて化合物Aの単一用量IV毒物動力学を、毒物学実験の一部として評価する。化合物Aを50mMのクエン酸塩緩衝剤(pH5)に準備し、これを2イヌ/性別/用量に対し、IV注入により(約2〜3分間にわたり)、0.07および0.35mg/kgの呼称用量(実際の用量はそれぞれ、0.055および0.27mg/kg)で投与する。投与後5および30分で、および1、3、6、12および24hで血液試料を集める。2〜500ng/mLの標準曲線範囲の確証LC/MS/MSアッセイを用い、化合物Aのプラスマ濃度を測定する。0.055および0.27mg/kg用量の場合、性別による(制限された試料大きさに基づく)平均CMAX値はそれぞれ、104および664ng/mLで、AUC値はそれぞれ、48.3および362h.ng/mLである。
1:4:9比の実際用量の場合、化合物Aの平均CMAX値およびAUC値はそれぞれ、1:6.4および1:7.5の比にある。性別間の明確な比較は、性別による制限された試料大きさに基づきなされないが、雄および雌イヌ間で、化合物Aに対する全身性暴露に顕著な差はないと思われる。結論として、化合物Aに対する全身性暴露に用量関連の増加が見られ、増加は容量増分よりも大である。
実施例23(ヒトにおける経口生物学的利用能)
ヒト患者(n=10)に対しIVおよび経口ルートにより、化合物Aを40mg/m2の用量で投与し、経口生物学的利用能を測定する。化合物Aは十分に経口吸収され、臨床前癌モデルでの効きめのある暴露に一致する好都合な薬物暴露プロフィールを示す。
表:ヒトにおける化合物Aの経口薬物動力学
*)中央値(最小,最大)
**)n=9、静脈内用量を受容しなかった1患者については、生物学的利用能を評価 せず
ヒト患者(n=10)に対しIVおよび経口ルートにより、化合物Aを40mg/m2の用量で投与し、経口生物学的利用能を測定する。化合物Aは十分に経口吸収され、臨床前癌モデルでの効きめのある暴露に一致する好都合な薬物暴露プロフィールを示す。
表:ヒトにおける化合物Aの経口薬物動力学
**)n=9、静脈内用量を受容しなかった1患者については、生物学的利用能を評価 せず
実施例24(薬物動力学:インビトロ実験)
1.Caco−2透過性
Caco−2単層を用い、化合物Aによる透過性実験を行なう。化合物Aの透過係数(Pc)は、105000ng/mL(200μM)で60nm/秒である。Pc値〜50nm/秒を有する化合物は、ヒトにおいて15〜95%の範囲に及ぶ、幅広く変化する吸収の程度を持つ(マンニトール、Pc=32nm/秒、15%吸収;アセブトロール,Pc=48nm/秒、40%吸収;シメチジン,Pc=49nm/秒、95%吸収)。このため、ヒトにおける化合物Aの経口吸収に関して、信頼性のある予測はできない。
1.Caco−2透過性
Caco−2単層を用い、化合物Aによる透過性実験を行なう。化合物Aの透過係数(Pc)は、105000ng/mL(200μM)で60nm/秒である。Pc値〜50nm/秒を有する化合物は、ヒトにおいて15〜95%の範囲に及ぶ、幅広く変化する吸収の程度を持つ(マンニトール、Pc=32nm/秒、15%吸収;アセブトロール,Pc=48nm/秒、40%吸収;シメチジン,Pc=49nm/秒、95%吸収)。このため、ヒトにおける化合物Aの経口吸収に関して、信頼性のある予測はできない。
2.インビトロ代謝
(a)ミクロソーム培養
NADPHで強化した、マウス、ラット、イヌおよびヒトの肝臓ミクロソームを用い、化合物A(10500ng/mL、20μM)の培養を行ったところ、化合物Aの酸化代謝の速度はそれぞれ、0.3、0.05、0.07および0.21nモル/分/mgプロテインである。マウス、ラットおよびイヌミクロソームの主な代謝産物は、親化合物より大きい分子量16(M+16)および18(M+18)ユニットを有した。ヒトミクロソームでは、主な代謝産物は親(M+16)より大きい分子量16ユニットを有した。
(a)ミクロソーム培養
NADPHで強化した、マウス、ラット、イヌおよびヒトの肝臓ミクロソームを用い、化合物A(10500ng/mL、20μM)の培養を行ったところ、化合物Aの酸化代謝の速度はそれぞれ、0.3、0.05、0.07および0.21nモル/分/mgプロテインである。マウス、ラットおよびイヌミクロソームの主な代謝産物は、親化合物より大きい分子量16(M+16)および18(M+18)ユニットを有した。ヒトミクロソームでは、主な代謝産物は親(M+16)より大きい分子量16ユニットを有した。
(b)肝臓S9培養
マウス、ラット、イヌおよびヒトの肝臓S9画分を用いる、化合物A(10500ng/mL、20μM)の培養後、化合物Aの酸化代謝の速度はそれぞれ、0.06、0.04、0.03および0.06nモル/分/mgプロテインである。全種とも同じ代謝プロフィールを示し、主な代謝産物はM+16およびM+18である。
マウス、ラット、イヌおよびヒトの肝臓S9画分を用いる、化合物A(10500ng/mL、20μM)の培養後、化合物Aの酸化代謝の速度はそれぞれ、0.06、0.04、0.03および0.06nモル/分/mgプロテインである。全種とも同じ代謝プロフィールを示し、主な代謝産物はM+16およびM+18である。
(c)ヒトCYP酵素の抑制
組換えヒトCYPイソフォーム(isoforms)を用い、薬物代謝の原因である、主なヒトチトクロームP450s(CYPs)を抑制する化合物Aの能力を、インビトロで評価する。化合物Aは、適度に効力あるヒトCYP2C19(IC50=2.4μM)、CYP3A4(IC50=7.1μM)およびCYP2C9(IC50=10.6μM)のインヒビターであることが認められる。それは、CYP1A2およびCYP2D6との弱い相互作用を示す(IC50>70μM)。CYP2C19、CYP3A4およびCYP2C9のインビトロIC50値は、この化合物が、CYP2C19、CYP3A4およびCYP2C9によって大いに代謝される薬物の代謝クリアランスを変化させる潜在力を有しうるものであり、かつCYP1A2およびCYP2D6によって代謝される薬物の代謝クリアランスを有意義に変化させる見込みのないことを示唆する。
組換えヒトCYPイソフォーム(isoforms)を用い、薬物代謝の原因である、主なヒトチトクロームP450s(CYPs)を抑制する化合物Aの能力を、インビトロで評価する。化合物Aは、適度に効力あるヒトCYP2C19(IC50=2.4μM)、CYP3A4(IC50=7.1μM)およびCYP2C9(IC50=10.6μM)のインヒビターであることが認められる。それは、CYP1A2およびCYP2D6との弱い相互作用を示す(IC50>70μM)。CYP2C19、CYP3A4およびCYP2C9のインビトロIC50値は、この化合物が、CYP2C19、CYP3A4およびCYP2C9によって大いに代謝される薬物の代謝クリアランスを変化させる潜在力を有しうるものであり、かつCYP1A2およびCYP2D6によって代謝される薬物の代謝クリアランスを有意義に変化させる見込みのないことを示唆する。
(d)特定のCYP酵素による代謝
化合物Aにヒト肝臓ミクロソームを加え、一般に薬物代謝で必然的に伴なう個々のチトクロームP450sの抑制に対し特異的な化合物といっしょに培養する。下記のインヒビターを用いる:フラフィルリン(furafylline)(CYP1A2)、スルファフェナゾール(CYP2C9)、トラニルシプロミン(CYP2C19)、キニジン(CYP2D6)、トロレアンドマイシン(CYP3A4)およびケトコナゾール(CYP3A4)。上記2つのCYP3A4インヒビターのみに重要な抑制が見られ、両インヒビターは化合物Aの生体内変化を完全に抑制する。すなわち、ヒトにおいて、化合物AはCYP3A4の基質となりうる。
化合物Aにヒト肝臓ミクロソームを加え、一般に薬物代謝で必然的に伴なう個々のチトクロームP450sの抑制に対し特異的な化合物といっしょに培養する。下記のインヒビターを用いる:フラフィルリン(furafylline)(CYP1A2)、スルファフェナゾール(CYP2C9)、トラニルシプロミン(CYP2C19)、キニジン(CYP2D6)、トロレアンドマイシン(CYP3A4)およびケトコナゾール(CYP3A4)。上記2つのCYP3A4インヒビターのみに重要な抑制が見られ、両インヒビターは化合物Aの生体内変化を完全に抑制する。すなわち、ヒトにおいて、化合物AはCYP3A4の基質となりうる。
実施例25(薬物動力学:インビボ代謝実験)
ラットにおいて、IV(2mg/kg)および経口(8mg/kg)投与後の化合物Aの代謝を調べる。24時間にわたって尿を集める。胆管にカニューレを挿入した(BDC)ラットにおいて、化合物AのIV(2mg/kg)および経口(8mg/kg)投与後に9時間にわたって胆汁を集める別の実験を行う。LC/MS/MSアッセイによる親化合物および診査の代謝産物解明について試料分析を行なう。投与後9−hにわたり胆汁において薬物関連物質は検出されなかった。IVおよび経口投与後の、24h以内に尿における化合物Aとしての回収量の割合はそれぞれ、約18%および2.4%であった。尿において、他の薬物関連ピークも検出されなかった。化合物Aの低回収はたぶん、投与後の24hという制限された期間での尿収集に関係すると思われる。さらに、注目すべき点は、ラットの尿における化合物Aの安定性は知られていないことである。
ラットにおいて、IV(2mg/kg)および経口(8mg/kg)投与後の化合物Aの代謝を調べる。24時間にわたって尿を集める。胆管にカニューレを挿入した(BDC)ラットにおいて、化合物AのIV(2mg/kg)および経口(8mg/kg)投与後に9時間にわたって胆汁を集める別の実験を行う。LC/MS/MSアッセイによる親化合物および診査の代謝産物解明について試料分析を行なう。投与後9−hにわたり胆汁において薬物関連物質は検出されなかった。IVおよび経口投与後の、24h以内に尿における化合物Aとしての回収量の割合はそれぞれ、約18%および2.4%であった。尿において、他の薬物関連ピークも検出されなかった。化合物Aの低回収はたぶん、投与後の24hという制限された期間での尿収集に関係すると思われる。さらに、注目すべき点は、ラットの尿における化合物Aの安定性は知られていないことである。
実施例26(薬力学実験)
皮下Pat−7腫瘍を持つマウスにおいて、一定速度10−hIV注入で投与される、化合物Aの最小限有効な用量を測定する。単一用量の化合物A(2、4、8および16mg/kg)を、IV注入で投与する。2、4、8および16mg/kg用量の場合に、腫瘍の生長遅れが見られ、それぞれ0.1(P=0.79、有意なし)、0.7(P=0.019、有意)、1.1(P=0.004、有意)および1.7(P=0.001、有意)のlog細胞キル値に相当する。このため、10−hIV注入で投与される。化合物Aの最小限有効用量は、2〜4mg/kgであると思われる。用量2および4mg/kgにおける化合物Aの見掛け定常状態濃度はほぼ、18〜31ng/mL(35〜60nM)の範囲内である。
皮下Pat−7腫瘍を持つマウスにおいて、一定速度10−hIV注入で投与される、化合物Aの最小限有効な用量を測定する。単一用量の化合物A(2、4、8および16mg/kg)を、IV注入で投与する。2、4、8および16mg/kg用量の場合に、腫瘍の生長遅れが見られ、それぞれ0.1(P=0.79、有意なし)、0.7(P=0.019、有意)、1.1(P=0.004、有意)および1.7(P=0.001、有意)のlog細胞キル値に相当する。このため、10−hIV注入で投与される。化合物Aの最小限有効用量は、2〜4mg/kgであると思われる。用量2および4mg/kgにおける化合物Aの見掛け定常状態濃度はほぼ、18〜31ng/mL(35〜60nM)の範囲内である。
(i)1.98g(3.90ミリモル)のエポチロンBをアルゴン下に置き、60mLの乾燥CH2Cl2に溶解する。この溶液に、0.720gのmCPBA(4.17ミリモル、1.07当量)を加える。混合物を25℃で5.5時間攪拌せしめる。反応混合物に60mLのNaHCO3を加えて反応を抑え、CHCl3(75mL×3)で抽出する。有機相を100mLの水で洗った後、70mLの5%Na2SO3水溶液、次いで70mLの塩水で洗う。次に有機相をNa2SO4上で乾燥する。粗反応生成物をシリカゲルにて、2%MeOH/CHCl3で溶離するクロマトグラフィーに付して、0.976gのN−オキシド(48%)を白色毛羽状固体で得る。
(ii)アルゴン下再密封可能なチューブに、35mLの乾燥CH2Cl2に溶解した0.976gのN−オキシド(1.86ミリモル)、2,6−ルチジン(1.73mL、14.88ミリモル、8当量)および(CF3CO)2O(1.84mL、13.02ミリモル、7当量)を加える。チューブを密封し、70℃で25分間加熱する。混合物を冷却せしめ、アルゴン流下で溶媒を除去した後、減圧濃縮して数mLの暗黄色溶液とする。反応液を25mLのMeOHで希釈し、2.9mLの28%NH4OH水溶液を加える。混合物を45℃に20分間加熱し、次いで室温まで冷却する。粗生成物を回転エバポレータにて濃縮し、シリカゲルにて4%MeOH/CHCl3で溶離するクロマトグラフィーに付して、0.815gのエポチロンF(84%)を得る。
21−アジド−エポチロン化合物の合成
例:下記式の[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アジドメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
例:下記式の[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アジドメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
20.0mLのテトラヒドロフラン中の上記実施例1のエポチロンF(957mg、1.83ミリモル)の攪拌溶液にアルゴン下0℃にて、0.47mLのジフェニルホスホリルアジド(604mg、2.19ミリモル、1.2当量)を加える。混合物を約3分間攪拌する。次いで1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.27mL、278mg、1.83ミリモル、1当量)を加え、混合物を0℃で攪拌する。2時間後、混合物を25℃に加温し、20時間攪拌する。反応混合物を150mLの酢酸エチルで希釈し、50mLのH2Oで洗う。水性層を35mLの酢酸エチルで抽出する。
コンバインした有機層をNa2SO4上で乾燥し、減圧濃縮する。粗物質をシリカゲルにて、50%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するクロマトグラフィーに付して、913mg(91%)の21−アジド−エポチロンBを透明無色油状物で得る。
MS(ESI+):549.3(M+H)+
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=6.59(bs、17−H)、7.04(s、19−H)、4.63(s、21−H2)
HRMS(DCI):C27H40N4O6Sとして、[M+]計算値549.2747、実測値549.2768
MS(ESI+):549.3(M+H)+
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=6.59(bs、17−H)、7.04(s、19−H)、4.63(s、21−H2)
HRMS(DCI):C27H40N4O6Sとして、[M+]計算値549.2747、実測値549.2768
21−アミノ−エポチロン化合物の合成
例:[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
リンドラー(Lindlar)触媒18.0mgを、H2雰囲気中500μLのエタノールに懸濁し、飽和にする。次に、エタノール/メタノール混合物に溶解した上記実施例2の15.9mg(29.0μモル)の21−アジド−エポチロンBを加える。室温で30分間攪拌後、懸濁液をセライト(Celite)で濾過し、酢酸エチルで洗う。
例:[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
リンドラー(Lindlar)触媒18.0mgを、H2雰囲気中500μLのエタノールに懸濁し、飽和にする。次に、エタノール/メタノール混合物に溶解した上記実施例2の15.9mg(29.0μモル)の21−アジド−エポチロンBを加える。室温で30分間攪拌後、懸濁液をセライト(Celite)で濾過し、酢酸エチルで洗う。
有機相から溶媒を除去し、高減圧下で乾燥する。粗生成物の精製をPSC(溶剤:CH2Cl2/メタノール=90:10)で行なうと、12.3mg(81%)の21−アミノ−エポチロンBおよび1mg(6%)の抽出物(遊離体)が得られる。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=6.58(bs、17−H)、7.05(s、19−H)、4.15(s、21−H2)
HRMS(DCI):C27H42N2O6Sとして、[M+H+]計算値522.2764、実測値522.2772
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=6.58(bs、17−H)、7.05(s、19−H)、4.15(s、21−H2)
HRMS(DCI):C27H42N2O6Sとして、[M+H+]計算値522.2764、実測値522.2772
21−アミノ−エポチロン化合物の合成(別法)
下記式の[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
下記式の[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
30.0mLのテトラヒドロフラン中の21−アジド−エポチロンB(実施例2)(1.070g、1.950ミリモル)の攪拌溶液にアルゴン下、0.22mLのトリメチルホスフィン(0.163g、2.145ミリモル、1.1当量)を加える。次いでH2O(5.5mL)を加え、混合物を25℃で攪拌せしめる。3時間後、アジドは完全に消費し、3mLの28%水性NH4OHを加えて、ホスホリルイミンのアミンへの変換を完了する。25℃で1時間の攪拌後、溶媒を減圧除去する。粗物質をシリカゲルにて、1%Et3N,2.5%MeOH/CHCl3で溶離するクロマトグラフィーに付して、924mg(91%)の21−アミノ−エポチロンBを白色固体で得る。MS(ESI+):523.3(M+H)+。
実施例28(化合物A配合)
予め5℃に冷却した、クエン酸塩緩衝剤およびデキストラン40の水溶液1280mLに、化合物Aを溶解する。薬物粉が完全に溶解するようになれば、溶液pHを調整し、注射用水178mLを加えて、バッチ製造を完了する。
上記形成した溶液を直ちに、光防護条件下−15℃のVirtis Genesis凍結乾燥機にて、34時間にわたり凍結乾燥する。
予め5℃に冷却した、クエン酸塩緩衝剤およびデキストラン40の水溶液1280mLに、化合物Aを溶解する。薬物粉が完全に溶解するようになれば、溶液pHを調整し、注射用水178mLを加えて、バッチ製造を完了する。
上記形成した溶液を直ちに、光防護条件下−15℃のVirtis Genesis凍結乾燥機にて、34時間にわたり凍結乾燥する。
次いで、得られる凍結乾燥物をさらに高減圧下25℃で24時間乾燥する。これらの操作中に、薬物の検出しうる分解は見られなかった。凍結乾燥物を無菌条件下、15mLバイアルに包装し、各バイアルは10mgの薬物プラスバイアル/針/注射器ロスを見込み過剰の標準液(standard)を含有する。
凍結乾燥物を5.4mLのSterile Water for Injection(注射用殺菌水、USP)で再組成することにより、最終薬物濃度2mg/mLを得る。バイアルを穏やかに渦攪拌することにより、いったん溶解が起これば、得られる溶液に、組成化した薬物製品1mL当り20mLの0.9%塩化ナトリウム注射を加えて希釈し、0.1mg/mLの濃度を得る。
凍結乾燥物を5.4mLのSterile Water for Injection(注射用殺菌水、USP)で再組成することにより、最終薬物濃度2mg/mLを得る。バイアルを穏やかに渦攪拌することにより、いったん溶解が起これば、得られる溶液に、組成化した薬物製品1mL当り20mLの0.9%塩化ナトリウム注射を加えて希釈し、0.1mg/mLの濃度を得る。
実施例29(化合物Aの凍結乾燥配合物)
1.安定性
最初に、化合物A配合の溶液および凍結乾燥物安定性に対する各種の緩衝剤や増量剤の効果の決定を行う。凍結乾燥物の場合、その目標は化合物Aに有効な遊離水を最小限にすることであるが、それは、凍結乾燥物からの水の拡散損失を促進する賦形剤を選定して、ケーキを多孔性とするか、あるいは活性物質からの残留水を吸収するのに十分に吸湿性を有する賦形剤を使用することによる。
1.安定性
最初に、化合物A配合の溶液および凍結乾燥物安定性に対する各種の緩衝剤や増量剤の効果の決定を行う。凍結乾燥物の場合、その目標は化合物Aに有効な遊離水を最小限にすることであるが、それは、凍結乾燥物からの水の拡散損失を促進する賦形剤を選定して、ケーキを多孔性とするか、あるいは活性物質からの残留水を吸収するのに十分に吸湿性を有する賦形剤を使用することによる。
緩衝剤を用いて、pH約6に維持する。評価される緩衝剤としては、重炭酸塩、クエン酸塩およびコハク酸塩が挙げられ、また評価される増量剤としては、マンニトール、デキストラン40、ヒスチジン、リシンおよび塩化ナトリウムが挙げられる。これら凍結乾燥した基本型配合物の幾つかの安定性データを、下記表5に示す。これら安定性実験の結果に基づき、デキストン40含有のクエン酸塩緩衝配合物が好ましい。
2.配合物の組成
化合物A配合物(10mg/バイアル)は、無菌の非発熱性凍結乾燥物であって、外観は白色〜オフホワイトの全体もしくはフラグメントケーキ状である。活性成分以外に、凍結乾燥薬物生成物は、1バイアル当り13.9mgのクエン酸および110mgのデキストラン40を含有する。バルク溶液のpHを、水酸化ナトリウムおよび/または塩化水素酸でpH6.0に調整してから、凍結乾燥する。配合物の定量組成を、下記表6に示す。各バイアルには十分過剰な薬物を供給して、ロスしないようにする。薬物生成物をタイプ1ガラスバイアルに包装し、20mmのクロージャーで栓をし、アルミニウムシールで密封する。
化合物A配合物(10mg/バイアル)は、無菌の非発熱性凍結乾燥物であって、外観は白色〜オフホワイトの全体もしくはフラグメントケーキ状である。活性成分以外に、凍結乾燥薬物生成物は、1バイアル当り13.9mgのクエン酸および110mgのデキストラン40を含有する。バルク溶液のpHを、水酸化ナトリウムおよび/または塩化水素酸でpH6.0に調整してから、凍結乾燥する。配合物の定量組成を、下記表6に示す。各バイアルには十分過剰な薬物を供給して、ロスしないようにする。薬物生成物をタイプ1ガラスバイアルに包装し、20mmのクロージャーで栓をし、アルミニウムシールで密封する。
3.化合物A配合物の長期安定性
化合物A配合物(10mg/バイアル)を製造し、5℃、25℃および40℃で設置して安定状態を見る。このバッチで用いる包装部材は、15mLタイプIガラスバイアルと20−mmのブロモブチルOmniflex(登録商標)を塗布した栓で、これらは臨床材料の包装にも使用される。各種温度条件にて6ケ月間貯蔵した薬物生成物の試料の安定性データを、下記表7に示す。6ケ月の貯蔵中に、いずれの試料の場合にも凍結乾燥物の外観に変化はなく、また組成化した凍結乾燥物試料からの溶液の外観あるいはpHにも何の変化もなかった。
化合物A配合物(10mg/バイアル)を製造し、5℃、25℃および40℃で設置して安定状態を見る。このバッチで用いる包装部材は、15mLタイプIガラスバイアルと20−mmのブロモブチルOmniflex(登録商標)を塗布した栓で、これらは臨床材料の包装にも使用される。各種温度条件にて6ケ月間貯蔵した薬物生成物の試料の安定性データを、下記表7に示す。6ケ月の貯蔵中に、いずれの試料の場合にも凍結乾燥物の外観に変化はなく、また組成化した凍結乾燥物試料からの溶液の外観あるいはpHにも何の変化もなかった。
表7のデータから、5℃で貯蔵した試料の化合物A効能あるいは全不純物に変化のないことが認められる。しかしながら、25℃および40℃では、それぞれ3%および10%の効能ロスが見られ、これらのロスに伴って全不純物の増加が付随した。また安定性データから、薬物生成物は露光に対し敏感であることがわかった。これらの安定性結果に基づき、化合物A配合物は、光から防護して2〜8℃で貯蔵すべきである。
表7:化合物A配合物の長期安定性
注1)凍結乾燥物の外観は、白色乃至オフホワイトで、全体もしくはフラグメントケー キである。
注2)組成化した溶液の外観は、透明無色の溶液で、目視検査により粒状物質が実質的に無い。
注2)組成化した溶液の外観は、透明無色の溶液で、目視検査により粒状物質が実質的に無い。
4.再組成
化合物A配合物(10mg/バイアル)は、殺菌注射用水,USP(SWFI)で組成化してから、使用に供する。注射用のBMS−310750−01のバイアル(10mg/バイアル)に、5.4mLのSWFIをゆっくり注射することによって、薬物生成物が組成化される。凍結乾燥物が完全に溶けるまで、バイアルを穏やかに渦攪拌する。凍結乾燥物が完全に溶けると、バイアルは化合物A濃度2mg/mLの溶液5.5mLを含有する。この凍結乾燥物の組成化から得られる溶液は、患者への投与に先立ち、さらに0.9%塩化ナトリウム注射(USP)で希釈して、0.05〜0.5mg/mL範囲の最終化合物A濃度にしなければならない。注入は、5ミクロンのインライン・フィルター延長セット(B.Braun Medical Inc.、製品コードFE−5010Y)を介して投与すべきであり、かつ凍結乾燥物組成化の24時間に完了しなければならない。
化合物A配合物(10mg/バイアル)は、殺菌注射用水,USP(SWFI)で組成化してから、使用に供する。注射用のBMS−310750−01のバイアル(10mg/バイアル)に、5.4mLのSWFIをゆっくり注射することによって、薬物生成物が組成化される。凍結乾燥物が完全に溶けるまで、バイアルを穏やかに渦攪拌する。凍結乾燥物が完全に溶けると、バイアルは化合物A濃度2mg/mLの溶液5.5mLを含有する。この凍結乾燥物の組成化から得られる溶液は、患者への投与に先立ち、さらに0.9%塩化ナトリウム注射(USP)で希釈して、0.05〜0.5mg/mL範囲の最終化合物A濃度にしなければならない。注入は、5ミクロンのインライン・フィルター延長セット(B.Braun Medical Inc.、製品コードFE−5010Y)を介して投与すべきであり、かつ凍結乾燥物組成化の24時間に完了しなければならない。
5.化合物A配合物の貯蔵
化合物A配合物は、使用に先立ち、冷蔵貯蔵し(2〜8℃)、光から防護すべきである。殺菌注射用水(USP)による最初の組成化後、組成化生成物を5℃または室温および室光でバイアルにて、最大限24時間にわたって貯蔵されてよい。加えて、0.9%塩化ナトリウム注射(USP)による最終希釈後、化合物Aの溶液は、5℃または室温および室光で最大限24時間にわたって貯蔵するが、安定である。凍結乾燥した薬物生成物の組成化の後、組成化したおよび/または希釈した溶液は全て、24時間以内に使用しなければならない。
化合物A配合物は、使用に先立ち、冷蔵貯蔵し(2〜8℃)、光から防護すべきである。殺菌注射用水(USP)による最初の組成化後、組成化生成物を5℃または室温および室光でバイアルにて、最大限24時間にわたって貯蔵されてよい。加えて、0.9%塩化ナトリウム注射(USP)による最終希釈後、化合物Aの溶液は、5℃または室温および室光で最大限24時間にわたって貯蔵するが、安定である。凍結乾燥した薬物生成物の組成化の後、組成化したおよび/または希釈した溶液は全て、24時間以内に使用しなければならない。
以上説明した本発明の具体例は、単に例示のものにすぎず、当業者であれば、単なる日常実験、特定化合物、材料および手順の多くの等価物の使用を認識あるいは確かめることができよう。かかる等価物の全ては、本発明の技術的範囲に属すると考えられ、かつ特許請求の範囲によって包囲される。
Claims (60)
- 経口投与されるエポチロン化合物の生物学的利用能を増大する方法であって、ヒトに下記式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を経口投与し、および医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤の1種以上を経口投与することを特徴とする増大法。
Gは
R1は
R2は
G2はH、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G3はO、SおよびNZ1の群から選ばれ;
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2および必要に応じて置換されるグリコシルの群から選ばれ;
G5はハロゲン、N3、NCS、SH、CN、NC、N(Z1)3 +およびヘテロアリールの群から選ばれ;
G6はH、アルキル、置換アルキル、CF3、OZ5、SZ5およびNZ5Z6の群から選ばれ;
G7はCZ7またはN;
G8はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、OZ10、SZ10およびNZ10Z11の群から選ばれ;
G9はO、S、−NH−NH−および−N=N−の群から選ばれ;
G10はNまたはCZ12;
G11はH2N、置換H2N、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z1,Z6,Z9およびZ11はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシルおよび置換アシルの群から選ばれ;
Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z3,Z5,Z8およびZ10はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z7はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、OZ8、SZ8およびNZ8Z9の群から選ばれ;および
Z12はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ、但し、R1が
RはHまたはメチル;
G1はH、アルキル、置換アルキルまたはハロゲン;
G2はH、アルキルまたは置換アルキル;
G3はO、SまたはNZ1(ここで、Z1はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル);および
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2または必要に応じて置換されるグリコシル(ここで、Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環、Z3はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル、およびZ4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環)
であり、但し、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル)を同時に有することはできない]
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、エポチロン化合物と同時に投与する請求項1に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、エポチロン化合物の前に投与する請求項1に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、エポチロン化合物の約1時間を超えない前に投与する請求項3に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、エポチロン化合物の後に投与する請求項1に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、エポチロン化合物の約1時間を超えない後に投与する請求項5に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、エポチロン化合物の前と後に投与する請求項1に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、エポチロン化合物の約1時間を超えない前と約1時間を超えない後に投与する請求項7に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、少なくとも約20ミリ当量の酸中和量を放出するのに十分な量で投与する請求項1に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、pH約5〜9の水溶液で投与する請求項1に記載の増大法。
- エポチロン化合物を3〜7日毎に投与した後、1〜3週間の期間は全く処置しない請求項1に記載の増大法。
- エポチロン化合物を3日毎に投与した後、1週間の期間は全く処置しない請求項11に記載の増大法。
- エポチロン化合物を5日毎に投与した後、1週間の期間は全く処置しない請求項11に記載の増大法。
- エポチロン化合物を7日毎に投与した後、1週間の期間は全く処置しない請求項11に記載の増大法。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、無水二塩基性リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム・ジ水和物および無水クエン酸を含有する水溶液で投与する請求項1に記載の増大法。
- 水溶液のpHが約7である請求項11に記載の増大法。
- エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の生物学的利用能が、少なくとも約20%である請求項1に記載の増大法。
- エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、プロピレングリコールおよびエタノールの溶液で経口投与し、該プロピレングリコールとエタノールの比が約80:20である請求項1に記載の増大法。
- エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、約0.05〜200mg/kg/日のトータル量で投与する請求項1に記載の増大法。
- エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、約2〜4回の分割用量で投与する請求項19に記載の増大法。
- エポチロン化合物が、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンである請求項1に記載の増大法。
- (a)無水二塩基性リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム・ジ水和物および無水クエン酸からなる医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤の水溶液を経口投与し;
(b)エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を、プロピレングリコールの溶液で経口投与し;次いで
(c)無水二塩基性リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム・ジ水和物および無水クエン酸からなる医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤の水溶液を経口投与する
ことから成る請求項1に記載の増大法。 - エポチロン化合物が、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンである請求項22に記載の増大法。
- エポチロン化合物を3〜7日毎に投与した後、1〜3週間の期間は全く処置しない請求項22に記載の増大法。
- エポチロン化合物を3日毎に投与した後、1週間の期間は全く処置しない請求項24に記載の増大法。
- エポチロン化合物を5日毎に投与した後、1週間の期間は全く処置しない請求項24に記載の増大法。
- エポチロン化合物を7日毎に投与した後、1週間の期間は全く処置しない請求項24に記載の増大法。
- 経口投与されるエポチロン化合物の生物学的利用能を増大する方法に用いるキットであって、
(i)下記式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上を含有する第1部品;および
Gは
R1は
R2は
G2はH、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G3はO、SおよびNZ1の群から選ばれ;
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2および必要に応じて置換されるグリコシルの群から選ばれ;
G5はハロゲン、N3、NCS、SH、CN、NC、N(Z1)3 +およびヘテロアリールの群から選ばれ;
G6はH、アルキル、置換アルキル、CF3、OZ5、SZ5およびNZ5Z6の群から選ばれ;
G7はCZ7またはN;
G8はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、OZ10、SZ10およびNZ10Z11の群から選ばれ;
G9はO、S、−NH−NH−および−N=N−の群から選ばれ;
G10はNまたはCZ12;
G11はH2N、置換H2N、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z1,Z6,Z9およびZ11はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシルおよび置換アシルの群から選ばれ;
Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z3,Z5,Z8およびZ10はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z7はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、OZ8、SZ8およびNZ8Z9の群から選ばれ;および
Z12はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ、但し、R1が
RはHまたはメチル;
G1はH、アルキル、置換アルキルまたはハロゲン;
G2はH、アルキルまたは置換アルキル;
G3はO、SまたはNZ1(ここで、Z1はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル);および
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2または必要に応じて置換されるグリコシル(ここで、Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環、Z3はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル、およびZ4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環)
であり、但し、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル)を同時に有することはできない]
から成り、第1部品と第2部品は経口投与剤形で、または溶剤で再組成されて液体経口投与剤形を付与しうる医薬組成物で供給されることを特徴とするキット。 - 第1部品または第2部品の少なくとも一方が、固体経口投与剤形で供給される請求項28に記載のキット。
- 第1部品または第2部品の少なくとも一方が無水である請求項29に記載のキット。
- 第1部品または第2部品の少なくとも一方が、溶剤で再組成されて液体経口投与剤形を付与しうる医薬組成物で供給される請求項28に記載のキット。
- 第1部品または第2部品の少なくとも一方が、錠剤で供給される請求項28に記載のキット。
- 第1部品または第2部品の少なくとも一方が無水である請求項32に記載のキット。
- 第1部品または第2部品を再組成する溶剤をさらに包含する請求項28に記載のキット。
- 第1部品を再組成する溶剤が、プロピレングリコールとエタノールの混合物である請求項34に記載のキット。
- 哺乳類への経口投与に適する医薬組成物であって、
(i)固体形状の下記式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上;および
Gは
R1は
R2は
G2はH、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G3はO、SおよびNZ1の群から選ばれ;
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2および必要に応じて置換されるグリコシルの群から選ばれ;
G5はハロゲン、N3、NCS、SH、CN、NC、N(Z1)3 +およびヘテロアリールの群から選ばれ;
G6はH、アルキル、置換アルキル、CF3、OZ5、SZ5およびNZ5Z6の群から選ばれ;
G7はCZ7またはN;
G8はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、OZ10、SZ10およびNZ10Z11の群から選ばれ;
G9はO、S、−NH−NH−および−N=N−の群から選ばれ;
G10はNまたはCZ12;
G11はH2N、置換H2N、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z1,Z6,Z9およびZ11はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシルおよび置換アシルの群から選ばれ;
Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z3,Z5,Z8およびZ10はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z7はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、OZ8、SZ8およびNZ8Z9の群から選ばれ;および
Z12はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ、但し、R1が
RはHまたはメチル;
G1はH、アルキル、置換アルキルまたはハロゲン;
G2はH、アルキルまたは置換アルキル;
G3はO、SまたはNZ1(ここで、Z1はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル);および
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2または必要に応じて置換されるグリコシル(ここで、Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環、Z3はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル、およびZ4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環)
であり、但し、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル)を同時に有することはできない]
から成ることを特徴とする医薬組成物。 - 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤が、pH約5〜9の液体経口投与剤形を付与する請求項36に記載の医薬組成物。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤を、少なくとも約20ミリ当量の酸中和量を付与するのに十分な量で存在する請求項36に記載の医薬組成物。
- 医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤が、二塩基性リン酸塩−クエン酸−クエン酸塩緩衝剤である請求項36に記載の医薬組成物。
- エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上が、約0.05〜200mgの量で存在する請求項36に記載の医薬組成物。
- エポチロン化合物が、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンである請求項36に記載の医薬組成物。
- 請求項36に記載の医薬組成物および該医薬組成物を再組成して経口投与剤形を付与する溶剤から成るキット。
- 溶剤がプロピレングリコール、エタノールおよびリン酸塩緩衝剤(1M、pH8)からなる請求項42に記載のキット。
- プロピレングリコール:エタノール:リン酸塩緩衝剤の比が、約58:12:30である請求項43に記載のキット。
- 哺乳類への経口投与に適する液体経口投与剤形であって、
(i)下記式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上;および
Gは
R1は
R2は
G2はH、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G3はO、SおよびNZ1の群から選ばれ;
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2および必要に応じて置換されるグリコシルの群から選ばれ;
G5はハロゲン、N3、NCS、SH、CN、NC、N(Z1)3 +およびヘテロアリールの群から選ばれ;
G6はH、アルキル、置換アルキル、CF3、OZ5、SZ5およびNZ5Z6の群から選ばれ;
G7はCZ7またはN;
G8はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、OZ10、SZ10およびNZ10Z11の群から選ばれ;
G9はO、S、−NH−NH−および−N=N−の群から選ばれ;
G10はNまたはCZ12;
G11はH2N、置換H2N、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z1,Z6,Z9およびZ11はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシルおよび置換アシルの群から選ばれ;
Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z3,Z5,Z8およびZ10はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z7はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、OZ8、SZ8およびNZ8Z9の群から選ばれ;および
Z12はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ、但し、R1が
RはHまたはメチル;
G1はH、アルキル、置換アルキルまたはハロゲン;
G2はH、アルキルまたは置換アルキル;
G3はO、SまたはNZ1(ここで、Z1はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル);および
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2または必要に応じて置換されるグリコシル(ここで、Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環、Z3はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル、およびZ4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環)
であり、但し、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル)を同時に有することはできない]
から成ることを特徴とする液体経口投与剤形。 - エポチロン化合物が、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンである請求項45に記載の液体経口投与剤形。
- 緩衝剤を含有しない医薬組成物と比較して、エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上の分解を縮小するのに十分な量の、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤をさらに含有する請求項45に記載の液体経口投与剤形。
- 液体経口投与剤形のpHが約5〜9である請求項45に記載の液体経口投与剤形。
- 酸中和緩衝剤が、少なくとも約20ミリ当量の酸中和量を付与するのに十分な量で存在する請求項45に記載の液体経口投与剤形。
- 液体担体が、プロピレングリコール、エタノール、およびpH約8のリン酸塩緩衝剤で緩衝した水からなる請求項45に記載の液体経口投与剤形。
- プロピレングリコールとエタノールとリン酸緩衝剤で緩衝した水が、約58:12:30の比で存在する請求項50に記載の液体経口投与剤形。
- エポチロン化合物が、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンである請求項50に記載の液体経口投与剤形。
- エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上が、約0.05〜200mgの量で存在する請求項45に記載の液体経口投与剤形。
- 酸中和緩衝剤が二塩基性リン酸塩−クエン酸−クエン酸塩緩衝剤である請求項47に記載の液体経口投与剤形。
- (a)液体または固体医薬を収容するのに適する密封可能な容器;
(b)エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上;および
(c)エポチロン化合物を経口放出するのに適する医薬的に許容しうる担体
から成る製品。 - (i)下記式I、Ia、IbまたはIcのエポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上;および
Gは
R1は
R2は
G2はH、アルキルおよび置換アルキルの群から選ばれ;
G3はO、SおよびNZ1の群から選ばれ;
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2および必要に応じて置換されるグリコシルの群から選ばれ;
G5はハロゲン、N3、NCS、SH、CN、NC、N(Z1)3 +およびヘテロアリールの群から選ばれ;
G6はH、アルキル、置換アルキル、CF3、OZ5、SZ5およびNZ5Z6の群から選ばれ;
G7はCZ7またはN;
G8はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、OZ10、SZ10およびNZ10Z11の群から選ばれ;
G9はO、S、−NH−NH−および−N=N−の群から選ばれ;
G10はNまたはCZ12;
G11はH2N、置換H2N、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z1,Z6,Z9およびZ11はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシルおよび置換アシルの群から選ばれ;
Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z3,Z5,Z8およびZ10はそれぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ;
Z4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールおよび複素環の群から選ばれ;
Z7はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、OZ8、SZ8およびNZ8Z9の群から選ばれ;および
Z12はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールの群から選ばれ、但し、R1が
RはHまたはメチル;
G1はH、アルキル、置換アルキルまたはハロゲン;
G2はH、アルキルまたは置換アルキル;
G3はO、SまたはNZ1(ここで、Z1はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル);および
G4はH、アルキル、置換アルキル、OZ2、NZ2Z3、Z2C=O、Z4SO2または必要に応じて置換されるグリコシル(ここで、Z2はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環、Z3はH、アルキル、置換アルキル、アシルまたは置換アシル、およびZ4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたは複素環)
であり、但し、G1,G2,G3およびG4は以下の定義、すなわち、G1およびG2=H、G3=OおよびG4=HまたはZ2C=O(ここで、Z2=アルキル)を同時に有することはできない]
を含有することを特徴とする分散性緩衝錠剤。 - 第1および第2部品が、液体経口投与剤形で供給される請求項28に記載のキット。
- エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上が、約0.05〜200mgの量で存在し;医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤が、少なくとも約20ミリ当量の酸中和量を付与するのに十分な量で存在する請求項28に記載のキット。
- 第1部品および第2部品が、溶剤で再組成されて液体経口投与剤形を付与しうる医薬組成物で供給され;エポチロン化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物、包接化合物、水和物もしくはプロドラッグの1種以上が、約0.05〜200mgの量で存在し;および医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤が、少なくとも約20ミリ当量の酸中和量を付与するのに十分な量で存在する請求項28に記載のキット。
- エポチロン化合物が、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンであり、医薬的に許容しうる酸中和緩衝剤が、二塩基性リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよび無水クエン酸からなる請求項28に記載のキット。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US37010402P | 2002-04-04 | 2002-04-04 | |
PCT/US2003/009984 WO2003084536A1 (en) | 2002-04-04 | 2003-04-01 | Oral administration of epothilones |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005527576A true JP2005527576A (ja) | 2005-09-15 |
JP2005527576A5 JP2005527576A5 (ja) | 2006-05-25 |
Family
ID=28792029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003581776A Withdrawn JP2005527576A (ja) | 2002-04-04 | 2003-04-01 | エポチロン化合物の経口投与 |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6936628B2 (ja) |
EP (1) | EP1492529A1 (ja) |
JP (1) | JP2005527576A (ja) |
AU (1) | AU2003226189A1 (ja) |
IS (1) | IS7481A (ja) |
NO (1) | NO20044452L (ja) |
PL (1) | PL372773A1 (ja) |
TW (1) | TW200403994A (ja) |
WO (1) | WO2003084536A1 (ja) |
Families Citing this family (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6780620B1 (en) * | 1998-12-23 | 2004-08-24 | Bristol-Myers Squibb Company | Microbial transformation method for the preparation of an epothilone |
US8618085B2 (en) * | 2000-04-28 | 2013-12-31 | Koasn Biosciences Incorporated | Therapeutic formulations of desoxyepothilones |
US7462232B2 (en) | 2002-05-14 | 2008-12-09 | Fmc Corporation | Microcrystalline cellulose compositions |
TW200400191A (en) * | 2002-05-15 | 2004-01-01 | Bristol Myers Squibb Co | Pharmaceutical compositions and methods of using C-21 modified epothilone derivatives |
US20050171167A1 (en) * | 2003-11-04 | 2005-08-04 | Haby Thomas A. | Process and formulation containing epothilones and analogs thereof |
FR2878443B1 (fr) * | 2004-08-03 | 2009-01-16 | Promindus Actions Promotionnel | Composition pharmaceutique, destinee a l'administration par voie orale de principe(s) actif(s) fortement gastro-labile(s et sa preparation |
PL1817013T3 (pl) * | 2004-11-18 | 2009-01-30 | Bristol Myers Squibb Co | Dojelitowa powlekana peletka zawierająca Ixabepilone |
EP1824458A1 (en) * | 2004-11-18 | 2007-08-29 | Bristol-Myers Squibb Company | Enteric coated bead comprising epothilone or an epothilone analog, and preparation and administration thereof |
EP1674098A1 (en) * | 2004-12-23 | 2006-06-28 | Schering Aktiengesellschaft | Stable and tolerable parental formulations of highly reactive organic drug substances with low or no solubility in water |
US20060255258A1 (en) * | 2005-04-11 | 2006-11-16 | Yongdong Wang | Chromatographic and mass spectral date analysis |
US7879382B2 (en) * | 2005-09-30 | 2011-02-01 | Fmc Corporation | Stabilizers and compositions and products comprising same |
US8932629B2 (en) * | 2006-10-27 | 2015-01-13 | Fmc Corporation | Co-processed microcrystalline cellulose and sugar alcohol as an excipient for tablet formulations |
EP2009114A1 (en) * | 2007-06-29 | 2008-12-31 | Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft | Methods, kits, and compounds for determining responsiveness to treatment of a pathological disorder by epothilones |
TW201129386A (en) * | 2009-11-05 | 2011-09-01 | Fmc Corp | Microcrystalline cellulose and calcium phosphate compositions useful as pharmaceutical excipients |
TWI461213B (zh) | 2009-11-05 | 2014-11-21 | Fmc Corp | 作為藥物賦形劑之微晶纖維素及磷酸鈣之組合物 |
CN102665764A (zh) * | 2009-12-22 | 2012-09-12 | Fmc有限公司 | 可用作可再压实药物赋形剂的微晶纤维素和碳酸钙组合物 |
EP2571525A4 (en) | 2010-05-18 | 2016-04-27 | Cerulean Pharma Inc | Compositions and methods for treating autoimmune and other diseases |
WO2013052118A1 (en) | 2011-10-05 | 2013-04-11 | Fmc Corporation | Stabilizer composition of co-attrited microcrystalline cellulose and carboxymethylcellulose, method for making, and uses |
JP6188030B2 (ja) | 2011-10-05 | 2017-08-30 | エフ エム シー コーポレーションFmc Corporation | 微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースの安定化剤組成物、該組成物の製造方法並びに食品製品 |
PL2787837T3 (pl) | 2011-12-09 | 2017-09-29 | Fmc Corporation | Współścierana kompozycja stabilizatora |
GB2595203A (en) | 2020-03-03 | 2021-11-24 | Alkaloid Ad Skopje | Formulation |
CZ2020287A3 (cs) | 2020-05-20 | 2021-12-01 | Mendelova Univerzita V Brně | Způsob přípravy nanokompozitního materiálu na bázi redukovaného grafen oxidu, dusičnanu stříbrného a octanu měďnatého, nanokompozitní materiál, přípravek jej obsahující a jeho použití |
JP2023508090A (ja) * | 2020-09-02 | 2023-02-28 | 北京華昊中天生物医薬股▲ふん▼有限公司 | ウチデロンの経口固形製剤 |
Family Cites Families (45)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4138042C2 (de) | 1991-11-19 | 1993-10-14 | Biotechnolog Forschung Gmbh | Epothilone, deren Herstellungsverfahren sowie diese Verbindungen enthaltende Mittel |
US5671397A (en) * | 1993-12-27 | 1997-09-23 | At&T Global Information Solutions Company | Sea-of-cells array of transistors |
DE19542986A1 (de) | 1995-11-17 | 1997-05-22 | Biotechnolog Forschung Gmbh | Epothilon-Derivate und deren Verwendung |
DE19639456A1 (de) | 1996-09-25 | 1998-03-26 | Biotechnolog Forschung Gmbh | Epothilon-Derivate, Herstellung und Mittel |
ATE261961T1 (de) | 1995-11-17 | 2004-04-15 | Biotechnolog Forschung Gmbh | Epothilon-derivate, ihre herstellung und verwendung |
DE19645361A1 (de) | 1996-08-30 | 1998-04-30 | Ciba Geigy Ag | Zwischenprodukte innerhalb der Totalsynthese von Epothilon A und B, Teil II |
EP0923583A1 (de) | 1996-08-30 | 1999-06-23 | Novartis AG | Verfahren zur herstellung von epothilonen und zwischenprodukte innerhalb des verfahrens |
DE19645362A1 (de) | 1996-10-28 | 1998-04-30 | Ciba Geigy Ag | Verfahren zur Herstellung von Epothilon A und B und Derivaten |
DE59712968D1 (de) | 1996-11-18 | 2008-10-30 | Biotechnolog Forschung Gmbh | Epothilone E und F |
US6515016B2 (en) | 1996-12-02 | 2003-02-04 | Angiotech Pharmaceuticals, Inc. | Composition and methods of paclitaxel for treating psoriasis |
US6242469B1 (en) * | 1996-12-03 | 2001-06-05 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Synthesis of epothilones, intermediates thereto, analogues and uses thereof |
US6204388B1 (en) * | 1996-12-03 | 2001-03-20 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Synthesis of epothilones, intermediates thereto and analogues thereof |
US6441186B1 (en) | 1996-12-13 | 2002-08-27 | The Scripps Research Institute | Epothilone analogs |
US6380394B1 (en) | 1996-12-13 | 2002-04-30 | The Scripps Research Institute | Epothilone analogs |
DE19701758A1 (de) | 1997-01-20 | 1998-07-23 | Wessjohann Ludgar A Dr | Epothilone-Synthesebausteine |
WO1998038192A1 (de) | 1997-02-25 | 1998-09-03 | GESELLSCHAFT FüR BIOTECHNOLOGISCHE FORSCHUNG MBH (GBF) | Seitenkettenmodifizierte epothilone |
DE19713970B4 (de) | 1997-04-04 | 2006-08-31 | R&D-Biopharmaceuticals Gmbh | Epothilone-Synthesebausteine II - Prenylderivate |
WO1998047891A1 (de) | 1997-04-18 | 1998-10-29 | Studiengesellschaft Kohle Mbh | Selektive olefinmetathese von bi- oder polyfunktionellen substraten in komprimiertem kohlendioxid als reaktionsmedium |
DE19821954A1 (de) | 1997-05-15 | 1998-11-19 | Biotechnolog Forschung Gmbh | Verfahren zur Herstellung eines Epothilon-Derivats |
DE19720312A1 (de) | 1997-05-15 | 1998-11-19 | Hoechst Ag | Zubereitung mit erhöhter in vivo Verträglichkeit |
DE19726627A1 (de) | 1997-06-17 | 1998-12-24 | Schering Ag | Zwischenprodukte, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung zur Herstellung von Epothilon |
US6605599B1 (en) * | 1997-07-08 | 2003-08-12 | Bristol-Myers Squibb Company | Epothilone derivatives |
ATE224882T1 (de) | 1997-07-16 | 2002-10-15 | Schering Ag | Thiazolderivate, verfahren zur herstellung und verwendung |
AU9340998A (en) | 1997-08-09 | 1999-03-01 | Schering Aktiengesellschaft | New epothilone derivatives, method for producing same and their pharmaceutical use |
US6365749B1 (en) * | 1997-12-04 | 2002-04-02 | Bristol-Myers Squibb Company | Process for the preparation of ring-opened epothilone intermediates which are useful for the preparation of epothilone analogs |
AU753519B2 (en) | 1998-02-05 | 2002-10-17 | Novartis Ag | Compositions containing organic compounds |
US6194181B1 (en) * | 1998-02-19 | 2001-02-27 | Novartis Ag | Fermentative preparation process for and crystal forms of cytostatics |
DE69927790T2 (de) | 1998-02-25 | 2006-07-20 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Synthese von epothilonen, ihren zwischenprodukten und analogen verbindungen |
FR2775187B1 (fr) | 1998-02-25 | 2003-02-21 | Novartis Ag | Utilisation de l'epothilone b pour la fabrication d'une preparation pharmaceutique antiproliferative et d'une composition comprenant l'epothilone b comme agent antiproliferatif in vivo |
US6380395B1 (en) | 1998-04-21 | 2002-04-30 | Bristol-Myers Squibb Company | 12, 13-cyclopropane epothilone derivatives |
AU5036999A (en) | 1998-06-30 | 2000-01-17 | Schering Aktiengesellschaft | Epothilon derivatives, their preparation process, intermediate products and their pharmaceutical use |
AU768220B2 (en) | 1998-11-20 | 2003-12-04 | Kosan Biosciences, Inc. | Recombinant methods and materials for producing epothilone and epothilone derivatives |
CN1122668C (zh) | 1998-12-22 | 2003-10-01 | 诺瓦提斯公司 | 环氧噻酮衍生物,其制备方法及其药物组合物 |
JP2002533114A (ja) | 1998-12-23 | 2002-10-08 | ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー | エポチロン製造のための微生物形質転換法 |
US6780620B1 (en) | 1998-12-23 | 2004-08-24 | Bristol-Myers Squibb Company | Microbial transformation method for the preparation of an epothilone |
HUP0105478A3 (en) | 1999-02-18 | 2002-08-28 | Schering Ag | 16-halogen-epothilone derivatives, method for producing them and their pharmaceutical use |
AU771089B2 (en) * | 1999-02-22 | 2004-03-11 | Bristol-Myers Squibb Company | C-21 modified epothilones |
US6211412B1 (en) * | 1999-03-29 | 2001-04-03 | The University Of Kansas | Synthesis of epothilones |
PE20010116A1 (es) | 1999-04-30 | 2001-02-15 | Schering Ag | Derivados de 6-alquenil-, 6-alquinil- y 6-epoxi-epotilona, procedimientos para su preparacion |
US6518421B1 (en) * | 2000-03-20 | 2003-02-11 | Bristol-Myers Squibb Company | Process for the preparation of epothilone analogs |
WO2002058699A1 (en) * | 2001-01-25 | 2002-08-01 | Bristol-Myers Squibb Company | Pharmaceutical forms of epothilones for oral administration |
IL157128A0 (en) * | 2001-02-20 | 2004-02-08 | Bristol Myers Squibb Co | Pharmaceutical compositions containing epothilone derivatives |
PL363362A1 (en) * | 2001-02-20 | 2004-11-15 | Bristol-Myers Squibb Company | Treatment of refractory tumors using epothilone derivatives |
JP2004529904A (ja) * | 2001-03-14 | 2004-09-30 | ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー | 増殖性疾患の治療のためのエポシロン類似体および化学療法剤の組み合わせ |
TW200303202A (en) * | 2002-02-15 | 2003-09-01 | Bristol Myers Squibb Co | Method of preparation of 21-amino epothilone derivatives |
-
2003
- 2003-03-28 TW TW092107147A patent/TW200403994A/zh unknown
- 2003-04-01 WO PCT/US2003/009984 patent/WO2003084536A1/en active Application Filing
- 2003-04-01 PL PL03372773A patent/PL372773A1/xx not_active Application Discontinuation
- 2003-04-01 AU AU2003226189A patent/AU2003226189A1/en not_active Abandoned
- 2003-04-01 EP EP03746097A patent/EP1492529A1/en not_active Withdrawn
- 2003-04-01 JP JP2003581776A patent/JP2005527576A/ja not_active Withdrawn
- 2003-04-01 US US10/404,324 patent/US6936628B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-09-30 IS IS7481A patent/IS7481A/is unknown
- 2004-10-19 NO NO20044452A patent/NO20044452L/no not_active Application Discontinuation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6936628B2 (en) | 2005-08-30 |
AU2003226189A1 (en) | 2003-10-20 |
WO2003084536A1 (en) | 2003-10-16 |
NO20044452L (no) | 2004-12-07 |
IS7481A (is) | 2004-09-30 |
US20030220378A1 (en) | 2003-11-27 |
PL372773A1 (en) | 2005-08-08 |
EP1492529A1 (en) | 2005-01-05 |
TW200403994A (en) | 2004-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005527576A (ja) | エポチロン化合物の経口投与 | |
RU2291695C2 (ru) | Фармацевтические дозированные формы эпотилона для перорального введения | |
USRE41393E1 (en) | Treatment of refractory tumors using epothilone derivatives | |
KR100851719B1 (ko) | 암 치료용 에포틸론 유사체의 투여 방법 | |
ZA200305536B (en) | Pharmaceutical compositions, dosage forms and methods for oral administration of epothilones. | |
US6727276B2 (en) | Epothilone derivatives for the treatment of refractory tumors | |
KR20040025904A (ko) | 증식성 질환의 치료를 위한 에포틸론 유사체 및화학치료제의 병용 | |
PT1483251E (pt) | Derivados de c3-ciano-epotilona | |
US7053069B2 (en) | Pharmaceutical compositions and methods of using C-21 modified epothilone derivatives | |
AU2003227702B2 (en) | Epothilone derivative for the treatment of hepatoma and other cancer diseases | |
JP2005504065A (ja) | 癌治療のための組成物および方法 | |
AU2002253880C1 (en) | Pharmaceutical compositions, dosage forms and methods for oral administration of epothilones | |
AU2002253880A1 (en) | Pharmaceutical compositions, dosage forms and methods for oral administration of epothilones | |
AU2002255539A1 (en) | Epothilone derivatives for the treatment of refractory tumors |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060328 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060328 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090205 |