JP2005523927A - 酢酸シプロテロンの改良された合成 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ソラソジンからの酢酸シプロテロン(17α-アセトキシ-6-クロロ-1α,2α-メチレン-4,6-プレグナジエン-3,20-ジオン)の改良された合成方法に関する。本発明の方法は、従来技術と比較して短時間であり、従って、より経済的である。

Description

本発明は、酢酸シプロテロン(17α-アセトキシ-6-クロロ-1α,2α-メチレン-4,6-プレグナジエン-3,20-ジオン)の改良された合成方法に関する。
下記の式(M):
Figure 2005523927
を有する酢酸シプロテロン(17α-アセトキシ-6-クロロ-1α,2α-メチレン-4,6-プレグナジエン-3,20-ジオン、CAS 427-51-0)は、強力な黄体ホルモン活性を有する化合物として、DE-AS 11 58 966に最初に記載された。後日、酢酸シプロテロンは強力なアンドロゲン拮抗薬であることも見出された(Neumann. The antiandrogen cyproterone acetate: discovery, chemistry, basic pharmacology, clinical use and tool in basic research. Exp Clin Endocrinol (1994), 102: 1-32)。この化合物は、今日では、種々の適応症に対する製薬組成物中に存在する価値ある薬物である。
上記化合物の種々の化学合成方法が存在する、例えば、DE-OS 40 06 165または前出のNeumannを参照されたい。通常の合成は、熱帯植物ソラヌム ラキナツム、エイト(Solanum laciniatum, Ait)の葉から抽出し得る下記の式(A):















Figure 2005523927
のソラソジンから出発し、図1に従う労力的な18工程の手順を含む(Sree, Rao and Mahapatra, Research and Industry, Vol. 27, 1982, pp. 326-328;Ringold, et al., J. Am. Chem. Soc., VoI. 78, 1976, pp. 816-819;米国特許第3,485,852号;DE 1075114号;Ringold et al., J. Am Chem. Soc., 81, 3485 (1959);GB 890315;The Merck Index, 12th Edition, 1996;The Merck Index, 12thEdition, 1996;米国特許第3,234,093号)。
今回、本発明は、より迅速且つよりコスト効率性であるこの価値ある化合物の改良された合成方法を提供する。とりわけ、本発明によれば、酢酸シプロテロンをソラソジンから通常の18工程合成に相対するような14または16工程において合成することが可能である。
上記の改良を達成するために、本発明は、特定の利点を有する幾つかの反応工程を提供する。従って、1つの実施態様においては、本発明は、(a) 6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテート(J2)を1工程手順で酢酸クロルマジノン(K2)に転化し;(b) (K2)の位置1に二重結合を導入して酢酸デルマジノン(L2)を得;そして、(c) (L2)の位置1と2をブリッジするメチレン基を導入して酢酸シプロテロン(M)を得ることを特徴とする酢酸シプロテロン(M)の製造方法に関する。
下記の式は、この方法を具体的に説明する:














Figure 2005523927
好ましくは、工程(a)は、6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテート(J2)を含有する反応混合物に無水塩化水素ガスを通すことによって実施する。また、水性ジオキサン中の塩酸を使用して中間体クロロヒドリンを得、これを脱水して酢酸クロルマジノンとすることができる(Bruckner, Hampel, and Johnson, Chem. Ber., 94,1225, 1961;Lednicer and Mitscher, The Organic Chemistry of Drug Synthesis, John Wiley and Sons, New York, 1977)。
さらに好ましい実施態様においては、工程(b)を、脱水素化剤2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ、CAS 84-58-2)を使用することによって実施する。ジオキサンを溶媒として使用し得る。また、二酸化セレニウムを、例えば、溶媒としてのピリジンおよびt-ブタノールと一緒に(米国特許第3,485,852号)またはRingold等の方法 (J. Amer. Soc., 81, 1959, 3485)に従って使用し得る。この方法を実施するさらなる方法は、酢酸中のPb(OAc)4による(Abe, T ., Amer. Chem. Pharm, Bull., 21 (6), 1973, 1295-1299)。さらにまた、DDQは、ベンゼン中の4-ニトロ-フェノールと一緒に使用し得る(Abe T ., Kambegawa, A., Chem. Pharm. Bull., 22, 1974, 2824-2829)。
有利には、工程(c)は、C1試薬先駆体トリメチルスルホキソニウムイオジド(TMSI、CAS 1774-47-6)および水素化アルカリを使用して実施する。DMSOを溶媒として使用し得る(Goto, G. et al., Chem. Pharm. Bull., 26,1978, 1718-1728)。また、この工程は、ジアゾメタンおよび酸処理によって達成し得る(Krakower and Van Dine, J. Org. Chem, 31, 3467 (1966)。さらなる方法は、Wiechert and Kaspar, Chem. Ber., 93,1710 (1960)に従うジアゾメタンおよび加水分解を使用することであろう。もう1つの反応経路は、ジアゾメタンおよび窒素損失による熱分解を使用することである(Lednicer D and Mitscher LA, The organic chemistry of drug synthesis, Volume 2, A Wiley-Interscience Publication, 1980, pp. 166)。多工程実施態様は、Tolf等によって説明されている(Tolf et al., Tetrahedron Lett, 25,43, 1984, 4855- 4858)。
従って、もう1つの局面においては、本発明は、酢酸デルマジノン(L2)をトリメチルスルホキソニウムイオジド(TMSI)および水素化アルカリ、好ましくは水素化ナトリウムと反応させることを含む酢酸シプロテロン(M)の製造方法に関する。反応は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で実施し得る。
好ましい実施態様においては、6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテート(J2)を、(d) 二重結合を17α-アセトキシプロゲステロン(H)の位置6に導入してこれを4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテート(I2)に転化し;(e) (I2)の位置6の二重結合をエポキシ官能基に転化して6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン17-アセテート(J2)を得ることを含む方法によって得る。
この方法は、下記の式によって示される:
Figure 2005523927
工程(d)は、有利には、クロラニル(テトラクロロ-p-ベンゾキノン、CAS 118-75-2)の単独または二酸化セレニウムとの組合せによって実施する(Lednicer D, Mitscher LA, The organic chemistry of drug synthesis, Vol. 2, A Wiley-Interscience Publication, 1980, pp. 182)。もう1つの実施態様においては、t-ブタノールまたはキシレン中のクロラニルを使用し得る(L.F. Fieser and M. Fieser, Reagents for organic synthesis, Vol. 1, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1967)。さらなる別法は、DDQおよび触媒TsOHである(L.F. Fieser and M. Fieser, Reagents for Organic synthesis, Vol. 2, John Wiley and Sons, Inc., New York,1969)。
工程(e)は、m-クロロ-過安息香酸またはモノパーオキシフタル酸によって実施し得る。また、溶媒としての塩化エチレンと一緒の過安息香酸(米国特許第3,234,093号)またはLednicer and Mitscher, The Organic chemistry of drug synthesis, Vol.2, A Wiley-Interscience Publication, 1980, pp. 166の方法に従う過安息香酸も使用し得る。
17α-アセトキシプロゲステロン(H)は、当該技術において公知の方法によりソラソジンから都合良く調製し得る。ソラソジンは、例えば、ソラヌム ラキナツム、エイトの乾燥葉または新鮮もしく乾燥未熟液果の、例えば2-プロパノールまたはメタノールを抽出剤として使用するアルコール抽出並びにその後のこのようにして得られたグリコシドソラソニンの加水分解によって得ることができる。好ましくは、植物材料を、抽出前に、乾燥し粉砕して粉末とする。抽出剤は、好ましくは65〜85%(容量/容量)、より好ましくは70〜80%(容量/容量)の水中2-プロパノールである。この1次抽出生成物ソラソニンは、抽出液から、例えば、熱水とアンモニア溶液を高温抽出液に加え、そして冷却せしめることによって沈降させ得る。通常、粗沈降物は、ソラソジンヒドロクロライドを得る例えば塩酸による酸加水分解前に、実施例1において例示しているような洗浄および再結晶化工程によってさらに精製する。加水分解は、好ましくは、2-プロパノール中1 N塩酸中で実施する。その後、遊離のソラソジンを塩基性アルコール溶液からの再結晶化によって得ることができる。その後、ソラソジンを、酢酸/無水酢酸中で、例えば、触媒としてのp-トルエンスルホン酸(TsOH)および/またはピリジンの存在下で還流させ、その後、例えば無水クロム酸、三酸化クロムまたは重クロム酸ナトリウムによって酸化し、再び無水酢酸と還流させることによって、16-デヒドロプレグネノロンアセテート(16-DPA)に転化させ得る。
1つの局面においては、本発明は、(k) ソラソジン(A)をアセチル化してO,N-ジアセチルソラソジンを得;(l) O,N-ジアセチルソラソジンを異性化してプソイドソラソジンジアセテートを得;(m) 得られたプソイドソラソジンジアセテートを相間移動触媒の存在下に酸化することを含む16-デヒドロプレグネノロンアセテート(B)の製造方法に関する。
上記で概略したように、ソラソジンのアセチル化は、ソラソジンを触媒量の塩基および/またはp-トルエンスルホン酸の存在下に無水酢酸と反応させて達成し得る。塩基はピリジンであり得る。異性化は、酢酸によって得ることができる。好ましくは、上記酸化工程における相間移動触媒は、テトラエチルアンモニウムイオジドまたは硫酸水素テトラブチルアンモニウムであり、好ましくは後者である。酸化剤としては、重クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウムまたは過マンガン酸カリウムを使用し得、重クロム酸カリウムが好ましい。塩化メチレンを溶媒として使用し得る。酸化は、例えば硫酸により達成し得る酸pHにおいて実施する。酸化生成物の加水分解は、16-DPAを生成する。
1工程手順における16-DPA (B)の16,17α-エポキシプレグネノロン(C)への転化は、特定の利点を有する。この転化は、(B)を過酸化物、好ましくは過酸化水素と塩基性溶液、好ましくはアルカリ性アルコール溶液中で反応させることによって達成できる。この反応中の溶媒としてはメタノールを、塩基としては水酸化ナトリウムを使用し得る。
Figure 2005523927
その後、(C)は、例えば、HBrを氷酢酸中に添加してブロモヒドリン(D1)および酢酸ブロモヒドリン(D2)の混合物を得ることによって、16-ブロモ-17α-ヒドロキシ-プレグネノロンに転化し得る(図3A、4A参照)。その後、ブロモヒドリンを、ラネー-ニッケルのような触媒を使用して、17α-ヒドロキシプレグネノロン(E2、アセテートE1のΔ5-プレグネン-3β,17α-ジオール-20-オン-3-アセテートとの混合物で)に還元し、ギ酸との反応により3-ホルメートエステル(F)に転化させ得る。その後、これを、無水酢酸および触媒としての酸、例えば、p-トルエンスルホン酸との反応により、17-アセテートジエステル(G)に転化させ得る。(G)をアルミニウムプロポキシドと反応させて17α-アセトキシ-プロゲステロン(H)を得ることができる(図3A、4A参照)。
さらなる実施態様においては、本発明は、(f) 1工程手順により、二重結合を17α-アセトキシプロゲステロン(H)の位置1および6に導入してこれを1,4,6-トリエン化合物(I1)に転化し;(g) 位置1と2をブリッジするメチレン基を導入して1,2α-メチレン化合物(J1)を得;(h) (J1)の位置6と7をブリッジするオキシド基を導入して6,7α-エポキシ化合物(K1)を得;(i) (K1)のエポキシ基を転換して6-クロロ-7-ヒドロキシ化合物(L1)とし;(j) (L1)を酢酸シプロテロン(M)に転化することを含む酢酸シプロテロン(M)の製造方法を提供する。
この反応の順序を下記の式によって例示する:




































Figure 2005523927
工程(f)における好ましい薬剤は、脱水素化剤の2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ, CAS 84-58-2;Muller, M., et al., Helvetica Chemica Acta, 63, 1878, 1980)である。また、絶対ジオキサン中の臭素はジブロマイド(中間体)を与え、これをコリジンと反応させる(米国特許第2,962,510号)。
有利には、工程(g)は、C1試薬先駆体トリメチルスルホキソニウムイオジド(TMSI, CAS 1774-47-6)および水素化アルカリを使用して実施する。また、この工程は、ジアゾメタンと酸処理によっても実施し得る(Krakower and Van Dine, J. Org. Chem, 31, 3467 (1966))。さらなる方法は、Wiechert and Kaspar, Chem. Ber., 93,1710 (1960)に従って、ジアゾメタンと加水分解を使用することであろう。もう1つの薬剤は、ジアゾメタンと窒素損失による熱分解である(Lednicer D and Mitscher LA, The organic chemistry of drug synthesis, Volume 2, A Wiley-Interscience Publication, 1980, pp. 166)。多工程の実施態様は、Tolf et al., Tetrahedron Lett, 25,43, 1984, 4855-4858に記載されている。
工程(h)は、m-クロロ過安息香酸(CAS 937-14-4)を使用して実施し得る。1つの実施態様においては、塩化エチレンを溶媒として使用する(米国特許第3,234,093号)。また、m-クロロ過安息香酸(m-CPBA)によるC-6二重結合のエポキシ化は、Shibata et al., Chem. Pharm. Bull, 40 (4), 935-941 (1992)に従って実施し得る。
工程(i)においては、トリフルオロメタンスルホニルクロライド(CAS 421-83-0)は、好ましくは塩化リチウムと組合せての選択の薬剤である。また、75℃のDMSO中のN,N-ジメチルアセトアミドヒドロクロライド(Uthai Sakee, Boonsong Kongkathip and Nganpong Kongkathip, Abstract of the 27th Science and Technology Conference of Thailand, p. 234)も使用し得る。最後に、工程(j)は、酢酸ナトリウムのような酢酸アルカリを使用して実施し得る。
従って、もう1つの局面においては、本発明は、下記の式:
Figure 2005523927
の化合物(K1)を塩化リチウム/トリフルオロメチルスルホニルクロライドと反応させて、下記の式:
Figure 2005523927
の化合物(L1)を得、そして、化合物(L1)を酢酸塩水溶液、好ましくは酢酸ナトリウム溶液と反応させて酢酸シプロテロン(M)を得ることを含む酢酸シプロテロン(M)の製造方法に関する。
この場合も、17α-アセトキシプロゲステロン(H)は、上述したような当該技術において公知の方法により、ソラソジンから都合良く調製し得る。
もう1つの局面においては、本発明は、(K2)を(L2)に転化することのできる微生物の培養物に酢酸クロルマジノン(K2)を加え、得られた酢酸デルマジノンを上記培養物から単離することを含む酢酸デルマジノン(L2)の製造方法に関する。上記微生物は、好ましくはアルスロバクター シンプレックス(Arthrobacter simplex)またはバチルス スファエリカス(Bacillus sphaericus)、より好ましくは株ATCC 6946またはATCC 13805 (the American Type Culture Collection (ATCC), P.O.Box 1549, Manassas, VA 20108, USAから入手し得る)である。好ましくは、外来性電子担体、例えば、メナジオン(2-メチル-1,4-ナフトキノン)を上記培養物に0.1〜1.0ミリモル/l、好ましくは0.2〜0.4ミリモル/lの濃度で添加する。さらにまた、ステロイド、好ましくはヒドロコルチゾンを上記培養物に0.01〜0.55ミリモル/l、より好ましくは0.3〜0.5ミリモル/lの濃度で添加することにより、収率を改善し得る。良好な結果は、培地が5%のジメチルホルムアミド(DMF)を含有して上記ステロイドの溶解性を改善したときに得られた。収率は、界面活性剤、好ましくはノニオン性清浄剤、より好ましくはポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(Tween 80TM)を0.25〜1.0%(質量/容量)、より好ましくは0.5〜1.0%の濃度で添加することにより、さらに改善し得る。B. スファエリカスにおいては、0.1〜0.2ミリモル/lの酢酸クロルマジノンが出発濃度として最適であることが分った。A. シンプレックスにおいては、良好な出発濃度は、0.2〜0.3ミリモル/lの酢酸クロルマジノンであった。上記方法の全体的収率は化学合成によるよりも低いものの、上記方法は、大量の毒性試薬(DDQ)および有機溶媒(ジオキサン)を回避し得るので、大規模生産においてとりわけ有利である。
本発明の概念においては、用語“反応混合物”は、均質溶液並びに懸濁液、スラリー等のような液体および/または固形成分からなる不均質混合物の双方を含む。
実施例1:ソラヌム ラキナツム、エイトの葉からのソラソジンの抽出
1. PCRNC法
1.1 ソラソニンの分離
500gの粉砕乾燥葉を2リットルのエーレンマイヤーフラスコに入れ、1400mlの水性イソプロパノール(80%(容量/容量))を加え、混合物を4時間沸騰により還流させた。抽出混合物を濾過し、残留物を5回再抽出した。6回の濾液全体をプールした。一緒にした濾液を、濾液中のすべてのイソプロパノールが蒸発するまで、回転蒸発器により濃縮した。混合物を1夜放置し、次いで濾過した。濾液を80℃に加熱し、等容量の水を添加した。その後、混合物を1時間放置し磁力攪拌した。25%アンモニア水を、沈降物が生成するまで添加した。80℃での攪拌を1時間続けた。混合物を2リットルの分離漏斗に移し1夜放置した。その後、上清液をデカンテーション除去し、沈降物を上清が無色になるまで徹底的に水洗した。脱色は、電気分解またはH2O2による漂白によってもなし得る。混合物を濾紙により濾過し、濾液を廃棄した。グリコアルカロイド類の沈降物を60℃で乾燥させた。ソラソジンとソラマルジンをグリコアルカロイド類からカラムクロマトグラフィーにより単離した。
1.2 ソラソニン/ソラマルジンの加水分解
10gの粗ソラソニングリコシドを250ml丸底フラスコに入れた。100mlのイソプロパノールと8.3mlの塩酸(37%HCl)を添加し、水浴中で3時間還流させた。その後、混合物を室温に冷却し、1夜放置した。混合物を濾過し、沈降物をイソプロパノール(20ml)で洗浄し、イソプロパノールおよび水酸化ナトリウム水溶液(50%)から再結晶化させた。生成物(ソラソジン)は無色であり、六方晶板状物を形成した。
*ソラソジンの%収率 = 乾燥葉の0.8%(50gの乾燥葉から出発)。
**加水分解は、純粋酵素(ガラクトシダーゼ/グルコシダーゼ)によるまたは微生物(黒色アルペルギルス(A. niger)、大腸菌、酵母)に由来する酵素反応によってもなされる。
2. ソラヌム ラキナツム、エイトの葉からのソラソジン抽出の別法
2.1. 別法1(R. Culford Bell and Linsay H. Briggs, Journal of the Chemical Society, 1942, pp.1-2から修正)
ソラソニンの単離:タイのChiang Maiにおいて繁殖した潅木由来の乾燥未熟液果をアルコールで徹底的に抽出した。アルコールの大部分を蒸留により抽出物から除去したとき、過剰の2%酢酸水溶液を添加し、残留アルコールを水蒸気蒸留により除去した。水溶液を濾過し、濾液を煮沸して、アンモニアの添加により、粗ソラソニンが粒状形で沈降した(冷間沈降はゼリー状物を生成した)。粗アルカロイドを希酢酸中溶液により精製し、アンモニアによる再沈降およびその後の60〜80%のアルコールおよび80%のジオキサン-水からの繰り返しの結晶化(それより高めの濃度のアルコールまたはジオキサンからの結晶化はゼリー状物を生成する)により、無色で先の尖った板状物を得た:m.p. 284〜285℃(分解)。
ソラソニンの加水分解:上記純粋アルカロイドを過剰の3%塩酸と一緒に100℃で3時間加熱した(ソラソジンヒドロクロライドは、ソラソニンヒドロクロライドとは対照的に、冷間でほんの僅かに可溶性であり、高温溶液からさえも結晶条件において沈降する)。冷却後、ヒドロクロライドを集め、80%アルコールから2回再結晶化し、熱水中に懸濁させ、アンモニアで塩基性にし、100℃で1/2時間加熱した。ソラソジンを冷却後に集め、80%アルコールから繰り返し結晶化して、六方晶板状物を生成させた:m.p. 197.5〜198.5℃。
2.2 別法2(Linsay H. Briggs and R.C. Cambie, Journal of the Chemical Society, 1958, pp. 1422-5から)
ソラヌム ラキナツム、エイト(ソラソニンの単離):新鮮未熟液果(466g)を粗くミンチにし、直ちに、煮沸メタノールによる還流下に2時間抽出した。パルプを混合物から分離し、高温メタノールでよく洗浄し、濾液を発泡防止装置の下に、減圧下に濃縮して小容量
とした。等容量の水を添加した後、アンモニアを煮沸溶液に添加し、凝集沈降物を冷却後に集めた。灰色のグリコシド系アルカロイドを3%酢酸溶液からアンモニアにより結晶状態で2回再沈降させた。水性メタノール(75%)からの繰り返しの結晶化(活性炭)により、296℃で焼結を示すソラソニンの無色平坦針状物(4.10g)、m.p. 301〜302℃(分解)を得た。アルミナ(前以ってブタン-1-オール湿気と一緒に攪拌し1時間保った)上での水胞和ブタン-1-オール中で、ブタン-1-オール/メタノール(1:1)により展開した部分精製物質(m.p. 297〜301℃)のクロマトグラフィーにより、結晶化のみで精製した生成物と同一の単一生成物(75%メタノールからの針状物)、m.p. 301〜302℃(分解)を得た。
ソラソニンの加水分解:エタノール(10ml)中のソラソニン(500mg)を濃塩酸(2ml)中で3時間還流させることによって加水分解した。30分の加水分解後に析出した結晶性ヒドロクロライド(細長い針状物)を1夜冷却後に集め、水(10ml)で洗浄した。ヒドロクロライド懸濁液の濃アンモニア(25ml)による100℃で1時間の処理により、粗アグリコンを得た。メタノールからの3回の結晶化により、ソラソジンの大きい無色六方晶板状物、m.p.および混合m.p. 196〜198℃を得た。赤外線スペクトルは、真正ソラソジンの赤外線スペクトルと同一であった。
2.2 別法3(米国特許3,960,839号、Milton Gverrero、Equador、1976年)
A. フアパッグ(huapag)の果実をピントン(pinton)期に摘み取った。1kgの果実を使用した。各果実を、果実軸に沿う2回の交差垂直方向切断により1/4に分割した。その後、果実を60℃のオーブン中で容易に粉砕するのに十分に脆くなるまで乾燥させた。その後、果実を、種子の破壊を辛うじて回避するようにセットした単純な溝付きディスクミル中で粉砕した。粉砕果実の質量は270gであった。粉砕果実の固形分は、100℃での質量損失に基づき94%であった。抽出においては、粉砕果実を2リットルのエーレンマイヤーフラスコに入れ、810mlの水性イソプロパノール(77容量%イソプロパノール)を添加した。フラスコに栓をし、抽出を、5分間隔の激しい手による攪拌と休止を交互に行うことによって、室温で2時間実施した。抽出混合物を三角漏斗内の濾紙上で水切りし、固形分をエーレンマイヤーフラスコに戻した。2回目の抽出においては、水性イソプロパノールのさらに1部(540ml)を添加し、上記攪拌と休止を繰り返すが、その時間は2時間の代わりに1時間である。液体を上述のようにして再び排除した。その後、2回目と同じ3回目の抽出を実施した。3回の濾液全部を一緒にした。
一緒にした液体を水浴で60〜70℃に加熱した1リットルの回転蒸発器にゆっくり供給した。初期圧は約150mmHg (約20kPa)であり、この圧は、蒸留物が本質的に純水になる時まで次第に50mm(6.7kPa)まで下がる。水性残留物は冷却させないが、その質量を、60〜70℃に加熱した水を添加して510gに調整した。水の添加は2分間に亘って行い、その間混合物を攪拌した。沈降物が直ちに生成した。その後、混合物を4時間放置し、その間に、混合物はおよそ室温まで冷却した。
その後、上清液を中間濾紙を介してデカンテーションし、最後に、沈降物(P)を濾紙に移した。Pは、微分割されているが濾過容易性の物質である。その色は濃黄緑色であった。100℃で乾燥後、P質量は1.9gであった。この物質は、約160℃で溶融し始めるが、230℃でもまだ完全には溶融しない。
濾液を、還流コンデンサーを取り付けた1リットルの丸底フラスコに入れ、次いで、80℃に加熱した。濾液をこの温度に維持し、磁力攪拌し、その間に15mlの25%アンモニア水を添加し、80℃での攪拌を1時間以上続けた。混合物を中間紙により直ちに濾過し、濾液を廃棄した。濾液は、9〜10のpHを有し、グリコシド類を含まない。
まだ濾紙上にあるフィルターケーキを吸収紙間でプレスして可能な限りの量の液体を除去した。その後、フィルターケーキを60℃で最終質量25.7gまで乾燥させるが、100℃でさらに乾燥すると27.7%の質量損失を生じた。上記25.7gのケーキのサンプル分析は、このサンプルが16.7gのグリコシド類を含有していることを示し、精製および単離中のグリコシド類の損失は無視し得ることを示唆している。
B. 1リットルの丸底フラスコに、46gの湿った粗グリコシド(パートAにおいて述べたようにして調製した)、138gのイソプロパノール、37gの塩酸(37.6% HCl)および9gの水道水を入れる。フラスコに還流コンデンサーと磁力撹拌子を取り付け、水浴中で加熱して3時間還流させた。この時間の終了時、内容物は明褐色の懸濁液であり、これを2時間に亘って室温に冷却した。その後、水中40%(質量)の水酸化ナトリウムを添加した。水酸化ナトリウムは、最初5mlの増分量で、その後滴下して添加した。添加の間、混合物を手で1〜2分間激しく渦巻かせた。約pH 9において、混合物の粘度は著しく低下し、色合は深まり、第2の液相の生成が明らかとなった。アルカリの添加を約9.5〜10のpHで停止し、この時間までに、液体の2つの相への著しい分離と沈降物の生成が観察された。添加した水酸化ナトリウム溶液の総量は29mlであった。
混合物を室温で1時間半放置し、その後、中間紙で重力により濾過した。沈降物を吸収紙間でプレスすることによって乾燥させた。
上記濾液は、2つの相からなる。上の層は、褐色であり、イソプロパノールの主要部分と不純物以外に極めて少量のソラソジンを含有していた。下の層は、暗褐色であり、水、塩化ナトリウムおよび不純物を含有していた。濾液全体を廃棄した。湿った沈降物を、pHが6〜7になるまで添加した塩酸水溶液と一緒に攪拌した。その後、これを1夜放置した。その後、混合物を中間紙で重力により濾過し、沈降物を吸収紙間でプレスした。沈降物をオーブン中で60℃で12時間乾燥させた。
沈降物の乾燥質量は14gであった。
上記沈降物は、以下に基づき97%のソラソジンを含有すると推定される:純ソラソジンは、200〜202℃で溶融すると報告されている。本明細書において製造した先のあまり純粋でないサンプルは、191〜197℃で溶融し、95%のソラソジンを含有していた。
2.4 別法4
2.4.1 材料:タイ国のChiang Mai、Bonn Huay Sai地方において繁殖した3.5ヶ月齢のソラヌム ラキナツムの果実(コード番号 160695-3P)および葉(コード番号 G1090395)を集め、60℃のオーブン内で乾燥させ、単純な溝付きディスクミルにより粉砕して粉末とした。ソラソジンの参照標準、16-DPA、および他の薬品は、Sigma社(米国ミズーリ州セントルイス)から購入した。クロマトグラフィー目的の溶媒は、すべてHPLC級であった。他の溶媒は、試薬級であった。
2.4.2 ソラヌム ラキナツム エイトからのソラソジンの単離
2.4.2.1 粗グリコシド抽出に対する2-プロパノール濃度の効果
乾燥葉粉末(500g)を、エーレンマイヤーフラスコ内で0〜100%(容量/容量)の2-プロパノール/水(各1.5リットル)により70℃で4〜5回抽出した。すべての濾液をプールし、2-プロパノールを回転蒸発器(Buchi社、スイス)を使用して真空蒸発させた。濾液を80℃に加熱し、攪拌し、その間、30%アンモニア水溶液をpHが9〜10に達するまで添加した。生成した沈降物を集め、その後、粗グリコシド類を、丸底フラスコ内で、2-プロパノール中1N 塩酸で3時間加水分解した。20%の水酸化ナトリウム溶液を添加して粗ソラソジンを沈降させた。純ソラソジンは、メタノール中の結晶化により得られた。収率は、70〜80%(容量/容量)の2-プロパノールにより、その範囲内の0.45%(質量/質量)の乾燥葉において最良であった。該方法においてとりわけ適するのは、70%濃度の2-プロパノールである。何故ならば、70%濃度の2-プロパノールは、上記高収率のソラソジンを得る最低濃度であるからである。
2.4.2.2 グリコシド類の各種加水分解方法の比較
乾燥葉粉末(1kg)を2.4.2.1におけるのと同じ手順で抽出したが、2-プロパノールの代わりに蒸留水を使用した。粗グリコシド類を4部に分け、電気分解、水中、エタノール中または2-プロパノール中1N 塩酸である4つの方法によって加水分解した。
電気分解法においては、0.02N 塩酸中の水性抽出物(1.5リットル)に、3リットルタンク内で2対のアルミニウムプレート電極(10×10cm2)を使用して、DC電流(30A)を2時間加えた。
塩酸加水分解における溶媒としての2-プロパノールの使用がソラソジンの最高収率を与えた。
2.4.2.3 ソラヌム ラキナツム エイトの果実と葉中のソラソジン含有量の比較
乾燥果実(60〜750g)または葉(40〜750g)粉末を70%2-プロパノール中に分散させ、抽出前に2時間超音波処理した。懸濁液をシンブル内に入れ、アルコール溶液を(300または3000mlに調整した容量)をソックスレー受け入れ用フラスコに加えた。溶液を枯渇するまで還流させ、2-プロパノールを回転蒸発器を使用して真空蒸発させた。沸騰水を残留物に攪拌しながら添加した。溶液を濾過し、濾液を80℃に加熱し、攪拌し、その間に、30%のアンモニア水溶液をpHが9〜10に達するまで添加した。沈降物を蒸留水で繰り返し洗浄し、濾過し、60℃で乾燥させた。
16.4:76:7.6質量%比の上記粗グリコシド類、2-プロパノールおよび37.6%塩酸を丸底フラスコに入れた。溶液を3時間還流させ、次いで、真空ポンプにより濾過した。集めた沈降物を2-プロパノールおよび20%(質量/容量)水酸化ナトリウム溶液中に溶解させた。大量の水を溶液に加えて結晶性ソラソジンを得た。ソラソジンを濾紙により濾過し、60℃で乾燥させた。ソラソジンのメタノールからの再結晶化により、結晶性ソラソジンの無色六方晶板状物を得、これを16-DPA合成用の先駆体として使用した。
70%2-プロパノールによる乾燥果実からのソラソジン抽出からは、緑色粉末特性を有する葉由来の生成物と比較したとき、粗ソラソジングリコシド類を明褐色粉末として得た。抽出により得られた粗グリコシド類は、着色不純物とグリコシド類の双方がアルコール中に可溶性であるので、着色不純物によって汚染されていた。粗グリコシド類を繰り返し水洗した場合、より良好な外観が観察された。これは、殆どすべての着色不純物の水中での溶解性による。粗グリコシド収率は、それぞれ、乾燥果実および葉の2.03および2.17%(質量/質量)であった。粗グリコシド類の加水分解においては、粗グリコシド類、2-プロパノールおよび塩酸の上記質量割合は酸加水分解反応を完了させる役割を奏し、副生成物反応を少なくしていたことが判明した。クロマトグラフムの結果は、グリコシド類の加水分解により、実際に脱水素化生成物(ソラソジエン)の少ない相応するアグリコンが得られていることを示していた。加水分解後、粗ソラソジン中の全ての残存不純物は、濾過および結晶化により除去されていた。白色結晶性純粋ソラソジン粉末の平均収率は、それぞれ、乾燥果実および葉の0.34および0.44%であった。乾燥果実および葉におけるソラソジンの最高収率は、それぞれ、0.42および0.70%であった。ソラソジンの純度は、90%よりも高かった(m.p. 198〜200℃)。この生成物は、16-DPAに転化する出発物質として使用するのに十分な純度有している。生成物の全てのスペクトル(IR、MSおよびNMR)は、真正サンプルのスペクトルと同一であった。このことは、ソラソジンがソラヌム ラキナツムの果実および葉の双方からこの方法によって単離し得ることを示唆していた。残存不純物および有色物質を削減するのにクロマトグラフィー手順は必要でなかった。この方法は、簡単で、効率的で、あまり費用高でない。また、この方法は、単離方法と同時に果実および葉の双方または植物全体を収穫するのが好都合であるので、ソラソジンの大規模生産においての応用し得る。
実施例2:工程1/経路B
タイ国で栽培したソラヌム ラキナツム、エイトから抽出したソラソジンからの16-DPA (16-デヒドロプレグネノロンアセテート、3β-アセトキシ-プレグナ-5,16-ジエン-20-オン)の合成
1. PCRNC法
無水酢酸(5ml)中のソラソジン(1g)、ピリジン(7ml)およびp-トルエンスルホン酸(0.0250g)の溶液を6時間還流させた(160℃)。反応を室温に冷却し、酢酸(10ml)と水(4ml)を添加し、4時間還流させた(160℃)。混合物を15℃に冷却し、80%酢酸水溶液(3ml)中の無水クロム酸(0.75g)を滴下して攪拌しながら20分に亘って添加した。酸化剤の添加後、内容物を室温で4時間攪拌し、水中の亜硫酸ナトリウム(0.08g)を添加して過剰の酸化剤を分解させた。混合物を1夜放置し、無水酢酸(5ml)を添加して6時間還流させた(160℃)。反応を室温に冷却した。冷水を16-DPAの沈降物に加えた。生成物を濾過し、水洗し、乾燥させ、メタノールから再結晶させた。黄色粉末を得た。生成物は、n-ヘキサンと酢酸エチル(9:1)による中性アルミナ上でのカラムクロマトグラフィーによっても精製し得る。16-DPAの無色針状物を得た。
*16-DPAの%収率 = 10gのソラソジンの出発から44.6。
注:相間移動触媒(PTC)を使用しても16-DPAの収率を増大させ得る、下記を参照されたい。
2. タイ国で栽培したソラヌム ラキナツム、エイトから抽出したソラソジンからの16-DPA合成の別法
2.1 別法1(J. Rodriguez, et al., J. Chem. Tech. Biotechnol, Vol. 29, 1979, 525-530から)
ジアセチル誘導体のアセチル化および異性化
酢酸(12ml)中のソラソジン(2g、80%)の溶液を、酢酸(1.2ml)および無水酢酸(2.2ml)中のp-トルエンスルホン酸(140mg)の溶液に添加した。混合物を室温で1時間攪拌し、その後、6時間還流下に加熱した。次いで、溶液を15〜18℃に冷却し、その後、酢酸(14ml)で希釈した。16-DPAの収率は、ソラソジンの理論転化率基準で、15〜20%の範囲であった。
ソラソジン(2g、80%)、無水酢酸(1.8ml)およびピリジン(40ml)の混合物を還流下に1時間加熱した。その後、ピリジン(50ml)中のピリジンヒドロクロライド(3g)の溶液を添加し、さらに2時間還流させた。溶媒を真空下に留別し、残留物を酢酸(60ml)中に溶解させた。以下の工程を下記に説明するようにして実施した。
得られた16-DPAの収率は、20〜30%で変動した。
ソラソジン(2g、80%)をピリジン(40ml)中に溶解させ、還流下に加熱した。無水酢酸(2.3ml)をゆっくり添加し、還流をさらに1.5時間維持した。ピリジンおよび過剰の無水酢酸を真空下に留別した。得られた残留物を酢酸(20ml)で処理し、還流下に15分間加熱した。この修正法により、16-DPAの収率は、純ソラソジンから得られる理論値基準で、48〜53%に改善された。
酸化および加水分解
酢酸中の、異性化後に得られた溶液を15〜20℃に冷却し、酢酸(11%、10ml)中の重クロム酸ナトリウムの溶液を添加し、40℃よりも低い温度を保った。混合物を室温で1時間攪拌し、その後、無水亜硫酸ナトリウム(0.52g)を添加して過剰の酸化剤を分解し、混合物をさらに2時間加熱した。
16-DPAの単離および精製
各種方法(ベンゼンおよびクロロホルムによる結晶化または抽出)による16-DPAの単離および精製を試みた後、次の方法を最終的には採用した:16-DPAを含有する溶液を真空下に蒸留して残留物の完全な乾燥を回避した。酢酸の残りは、ベンゼンの添加および生成した共沸物の蒸留により除去した。残留物は、水-エタノール混合物(1:1、100ml)中に溶解させた。エーテル層を分離し、水性溶液をエーテルで十分に抽出し、溶媒を真空下に除去した。
褐色ないし黄色の残留物(3.3g)を得、これをメタノール/水(4:1)からの結晶化によりまたは溶離剤としてのベンゼンによるアルミナ上でのクロマトグラフィーにより精製した。極めて純粋な生成物を得(0.69g)、UV、IRおよびNMRにより特性決定した。
2.2 別法2(A.Sree, Y.R. Rao & S N Maha Patra, Research and Industry, Vol. 27 December 1982, pp 326-328から修正)
ソラソジンのアセチル化および異性化
プソイドソラソジンアセテート:無水酢酸(105ml)中のソラソジン(100g)の溶液とアミン溶媒(650ml)を酢酸および無水酢酸無しで蒸留した。反応混合物を冷却し、水を添加して過剰の無水酢酸を分解した。O,N-ジアセテートの粗生成物を600mlの酢酸中に取り込み、1時間還流させて、プソイドソラソジンジアセテートを得た。
酸化および加水分解
16-デヒドロプレグネノロンアセテート:プソイドソラソジンジアセテートを含有する反応混合物15℃に冷却し、200mlの80%酢酸水溶液中の無水クロム酸(45g)の溶液を20分に亘って攪拌しながら滴下により添加した。この酸化剤の添加後、内容物を室温で1時間攪拌し、水中重亜硫酸ナトリウム(5g)を添加して過剰の酸化剤を分解させた。反応混合物を3時間還流させ、溶媒を留別し、水を添加して16-DPAを沈降させた。生成物を濾過し、洗浄し、乾燥させた。生成物を炭化水素溶媒で3回抽出した。抽出物を一緒にして、溶媒を留別して無色固形物(44.5g)、m.p. 169〜72℃を得た。
16-デヒドロプレグネノロンアセテート:
ピリジン(40ml、0.05モル)とNH4Cl (26.0g、0.50モル)の混合物をソラソジン(210g)の攪拌懸濁液に1度に添加した。混合物を、125〜135℃に加熱し、TLCが反応が完了したことを示すまで(通常8〜9時間)、この温度に保った。その後、酢酸(400ml)、1,2-ジクロロメタン(400ml)および水(54ml)を添加し、混合物を0℃に冷却した。0℃に前以って冷却した水(124ml)および酢酸(42ml)中のCrO3 (88.2g、0.882モル)溶液を滴下により添加し、その間、温度を7〜10℃に保った。90%(200ml)の上記溶液を添加したとき、冷却を中止した。残りの部分を添加した後、混合物を室温で1時間攪拌した。その後、水(1.5l)およびメタノール(16ml)中のNaCl(100g)溶液を導入し、攪拌をさらに1時間続けた。ケトエステルを1,2-ジクロロエタン(1×450mlおよび3×60ml)で抽出し、一緒にした抽出物を水(2×500ml)で洗浄して残留クロム塩を除去した。固形NaOAc×3H2O (70g、0.51モル)を有機相に添加し、溶媒を共沸的に留別して水を除去した(4〜6時間)。冷却残留物を水(2リットル)で注意深く処理して固形生成物を生成させ、これを濾過により集めた。生成物を濾液が完全に無色になるまで十分に水洗した(残留クロム塩の完全な除去を達成するためには、1日後に同様な洗浄を必要とし得る)。メタノール(400ml)からの結晶化により、純粋16-デヒドロプレグネノロンアセテート(4)を得た;収量:117.1〜123.8g (65.0〜69.0%);mp 167〜172℃。
2.3 別法3 (米国特許第5,808,117号;Chowdhury I等、1998年9月からの修正)
(a) ソラソジンのプソイドソラソジンジアセテートへのアセトリシス: 圧力反応器に、50gのソラソジンを40mlの無水酢酸と一緒に装填し、これに150mlのキシレンを添加し、攪拌しながら、加熱を温度200℃および相応する5 kg/cm2(490.3 kPa)の圧力に達するまで開始した。反応は、所望温度(190〜200℃)に達した後、10時間実施した。加熱を停止し、攪拌下に1時間に亘って冷却し、生成物を100℃未満の温度で排出チューブにより排出した。サンプルのTLC (薄層クロマトグラフィー)分析を実施したところ、TLCプレート上には、1個の主要スポットのみが示された。
溶媒除去は、回転真空蒸発器内で、減圧(約5ミリバール)で実施した。回収溶媒は、リサイクル用に保存した。最後の痕跡量の溶媒の除去後、固形物質を得、これは、プソイドソラソジンであると確認された。
(b) プソイドソラソジンのO,N-ジアセテートへの酸化
(i) 酸化剤溶液の調製
25gの三酸化クロム(CrO3)を25mlの水および10mlの氷酢酸中に溶解させて清浄溶液を得、これを0℃〜5℃に予備冷却した。
(ii) 酸化剤溶液の添加
上記のようにして得られたプソイドソラソジンジアセテートを100mlのジクロロエタン、100mlの氷酢酸および25mlの水中に溶解させた。混合物を0〜5℃に冷却し、上記で調製した酸化剤溶液を滴下により混合物に添加し、反応混合物の温度を添加が終わるまで5℃以下に保った。酸化剤溶液の添加を終えた後、冷却を中止し、反応媒質温度を15℃まで上昇させ、さらにまた、この温度で25分間攪拌した。薄層クロマトグラフィーにより反応終了が指示されたとき、水(200ml)およびメタノール(10ml)中の塩化ナトリウム5g溶液を添加し、攪拌をさらに20分続けた。
(iii) O,N-ジアセテートの抽出
ケトエステルのO,N-ジアセテートを反応混合物から1,2-ジクロロエタン(4回、200ml)で抽出した。分離後の有機相を減圧下の蒸留に供して溶媒を回収した。O,N-ジアセテートのゴム状残留物を得、これを、石油エーテルおよび酢酸エチルを使用してのカラムクロマトグラフィーにより精製した。
(c) O,N-ジアセテートの16-DPAへの加水分解および分解:上記で得られたO,N-ジアセテートを200mlの氷酢酸中で5時間還流させた。反応は、TLCでモニターした。反応終了後、酢酸を減圧(50ミリバール)下の蒸留により回収した。その後、冷却した残留物を冷水(1リットル)で処理して存在する最大量のクロム塩を除去し、結果として、固形16-DPAを分別し、これを濾過により集めた。
残留物を冷水で5回十分に洗浄した。最後に、固形残留物を1.5リットルの石油エーテル(b.p. 60〜80℃)による徹底的な抽出に供して、16-DPAの黄色溶液を黒色残留物を残して得られた。
黄色溶液は、蒸留時に、黄色の粗16-デヒドロプレグネノロンアセテートを生成し、これをエタノールから再結晶させてクリーム状の白色結晶を得た。16-DPAの収率は、60%であることが分かった。
2.4 別法4:相間移動触媒(PTC)によるソラソジンからの16-DPAの合成
2.4.1 アセチル化および異性化
ソラソジン(1g)、ピリジン(10ml)および無水酢酸(5ml)の混合物を2時間還流させ、冷却した。その後、混合物を、氷 + アンモニア水溶液中に注ぎ入れた。沈降物を濾過し、乾燥させた。生成物を氷酢酸(10ml)中で1時間還流させた。氷酢酸を真空下に留別して黄色残留物を得た。
2.4.2 酸化および加水分解
2.4.2.1 通常の方法
酸化剤としての過酸化水素においては、2.4.1からの残留物を、氷酢酸(10ml)および過酸化水素(30モル%過剰)と一緒に70℃で5時間還流させ、その後、水を添加して過剰の酸化剤を分解させた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、溶媒を蒸発させた。残留物を氷酢酸(10ml)中で還流させた。酸化剤としての過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウムおよび三酸化クロムにおいては、氷酢酸中での異性化後に得られた溶液を0〜15℃に冷却し、氷酢酸(10ml)中の過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウムまたは三酸化クロム(30モル%過剰)の溶液を攪拌しながら3時間で滴下により添加した。その後、メタノールを添加して過剰の酸化剤を分解させた。反応混合物を2時間還流させ、溶媒を真空下に留別した。
2.4.2.2 相間移動触媒法
2.4.1からの残留物を塩化メチレン(10ml)中に溶解させた。酸化剤(30モル%過剰)および相間移動触媒(テトラエチルアンモニウムイオジドまたは硫酸水素テトラブチルアンモニウム;酸化剤の10モル%)を水(10ml)に溶解させ、反応混合物に滴下により添加した。混合物を激しく攪拌し、その間、pHを硫酸を添加して0〜1に維持した。浴温を0〜15℃に3時間維持した。有機溶媒相を系から分離し、数回水洗した。その後、溶媒をゴム状物質が得られるまで真空下に除去した。生成物を氷酢酸(10ml)中で2時間還流させ、真空下に留別した。
2.4.3 精製
生成物のゴム状物質をシリカゲル60のカラム(Merck社、ドイツ)上に充填し、増分極性を有する石油エーテルおよび酢酸エチルにより溶出させた。溶離剤により、純16-DPAを得た。メタノールからの16-DPAの再結晶化により、棒状結晶を得た。
2.4.4 ソラソジンおよび16-DPAの分析
2.4.4.1 定性分析
単離したソラソジンは、クロロホルム/メタノール(9:1)からなる移動相によって展開したシリカゲル60 GF254アルミニウムプレート(Merck社、ドイツ)を使用しての真正サンプルとの比較により薄層クロマトグラフィー(TLC)により予備的に検出した。各スポットは、ホットプレート上で加熱する前に、TLCプレート上に30%(容量/容量)硫酸溶液をスプレーすることによって可視化した。16-DPAは、同じ方法で検出したが、酢酸エチル/石油エーテル(2:8)からなる移動相によって展開した。各スポットは、254 nmのUV灯下で検出した。
2.4.4.2 定量分析
ソラソジンは、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC、Thermo Separation Products社、米国カリフォルニア州)により、Lichrosorb C-18カラム(250×4.6mm内径;10μm粒径、HPLC Technology社、英国)および移動相として20μlの注入容量による2.00 ml/minの流量での0.01M Tris-HCl緩衝液/アセトニトリル(容量で20:80)を使用し、205 nmにおいて分析した。16-DPAは、HPLCにより、Hypersil C-18カラム(250×4.6mm内径;10μm粒径;250Å平均孔径、Hichrom社、英国)を使用して254 nmで分析し、100%メタノールを5μlの注入容量による1.00 ml/minの流量で移動相として使用した。
2.4.4.3 同定
ソラソジンおよび16-DPAは、融点(m.p.)測定 (Stuart Scientific社、英国)、IR (Jasco FTIIR-5000、日本)、GC-MS (Varian Satum 2100、英国)およびNMR (Hitachi R-1500、日本)によって確認し、真正標準と比較した。
2.5 別法4の結果と考察
KMnO4、CrO3、Na2Cr2O7またはK2Cr2O7は、酸化剤として使用し得る。テトラエチルアンモニウムイオジドまたは硫酸水素テトラブチルアンモニウムは、相間移動触媒として使用し得る。ソラソジンに対する16-DPAの最良収率は、硫酸水素テトラブチルアンモニウムおよびK2Cr2O7によって得られた(37.0%)。
ソラソジンを、先ず、2つの連続する工程、即ち、O,N-ジアセチルソラソジンを得るソラソジンのアセチル化およびプソイドソラソジンジアセテートを得るジアセテートの異性化におけるようにして、プソイドソラソジンジアセテートに転化した。得られた残留物をPTC下での各種酸化剤および通常の方法によって酸化した。さらに、酸化生成物の加水分解により、16-DPAを生成させた。最後に、生成物をカラムクロマトグラフィーにより分離した。中間体を精製することのない連続操作によるソラソジンの理論基準での最高収率(37.0%、93%純度、m.p. 169〜172℃)は、硫酸水素テトラブチルアンモニウムおよび重クロム酸カリウムを使用するPTC系において見出された。m.p.、IR、MSおよびNMRによって特性決定した生成物は、真正サンプルと同一であった。相間移動触媒としての硫酸水素テトラブチルアンモニウム下での重クロム酸カリウムは、テトラエチルアンモニウムイオジドおよび通常方法よりも良好な収率を与えた。
通常の方法においては、重クロム酸カリウムによって得られる生成物の収率は、過マンガン酸カリウムによるよりも高かった。しかしながら、強力な酸化剤でさえある三酸化クロムは、イオン化しないので、PTCに対して使用できない。過酸化水素の場合には、酸化生成物は、その低い酸化性力価故に、観察できていない。
PTC下に酸化剤として重クロム酸カリウムを使用するプソイドソラソジンジアセテートの酸化による本発明の16-DPA製造方法においては、生成物を系から容易に分離し得るのみならず、水性相中の過剰の活性重クロム酸塩は同様にして再使用し得る。しかも、低毒性で低量のクロムを使用した。従って、16-DPAの商業生産規模において有利であろう低コスト、低廃棄物の生産を期待し得る。
実施例3:工程2/経路B
16-デヒドロプレグネノロンアセテート(16-DPA)からの16,17α-エポキシプレグネノロンの合成(Percy L. Julian, et at., J. Am. Chem. Soc., Vol. 72, 1950, pp. 5145-5147)
3グラムの5,16-プレグナジエン-3β-オール-20-オンアセテートを200mlのメタノール中に溶解させた。この溶液を、15℃に冷却した後、6mlの4N 水酸化ナトリウム溶液で、その後直ぐに、12mlの30%過酸化水素溶液で処理した。その後、混合物を5℃の冷蔵庫内で23時間保存した。メタノール溶液を800mlの水中に注ぎ入れ、生じた白色固形物を分離した。よく水洗し乾燥させた固形物は、2.63g(95%)を計量し、180〜186℃で溶融した。メタノールからのサンプルの再結晶化により、187〜190℃で溶融する無色針状物を得た。
*%収率 = 8gの出発物質から100.43
実施例4:工程3/経路B
16,17α-エポキシプレグネノロンからの16-ブロモ17α-ヒドロキシ-プレグネノロンの合成(H. J. Ringold, et al., J. Am. Chem. Soc., Vol. 78, 1956, pp. 816-819)
氷酢酸(215ml、32%質量/容量)中の臭化水素溶液を、1.1リットルの氷酢酸中の107gの16α,17α-オキシド-Δ5-プレグネン-3β-オール-20-オンの攪拌懸濁液に10分で添加し、内部温度を氷冷により18℃に保った。均質な溶液が添加終了後数分で生じ、その後まもなく、ブロモヒドリンの部分結晶化が続いた。18℃で25分の反応時間後、混合物を7リットルの水中に注ぎ入れ、粗ブロモヒドリンを集め、十分に水洗し、室温で24時間風乾させた。
*%収率 = 5gの出発物質からの88.57 (42.13 + 46.44)
実施例5:工程4/経路B
16-ブロモ-17α-ヒドロキシプレグネノロン(ブロモヒドリン)からの17α-ヒドロキシプレグネノロンの合成 (H. J. Ringold, et. al., J. Am. Chem. Soc., Vol. 78, 1956, pp. 816-819)
全粗ブロモヒドリンを5リットルの96%エタノール中に400gのラネーニッケルと一緒に懸濁させた。懸濁液を沸点に加熱し、触媒を除去し沸騰エタノールで十分に洗浄した。一緒にした濾液を500mlに濃縮し、氷中で冷却し、得られた沈降物を集めた。この手順により、91.0gのΔ5-プレグネン-3β,17α-ジオール-20-オン-3-アセテートが生成した。
*%収率 = 5gの出発物質からの84.19 (41.57 + 42.62)
実施例6:工程5/経路B
17α-ヒドロキシプレグネノロンからの5-プレグネン-3β,17α-ジオール-20-オン-3-ホルメート(ホルメート)の合成 (H. J. Ringold, et al, J. Am. Chem. Soc., Vol. 78, 1956, pp. 816-819)
2.3リットルの85%ギ酸中の90gのΔ5-プレグネン-3β,17α-ジオール-20-オン懸濁液を70℃で2時間攪拌した。均質な溶液は如何なる時点でも生じなかったが、結晶形の変化が認められた。混合物を氷中で冷却し、ホルメートを集めた。このホルメートは、81.0g (83%)を計量し、203〜207℃のm.p.を示した。サンプルをアセトンから結晶化させたところ、207〜209℃のm.p.を示した。
*%収率 = 10gの出発物質からの98.83
実施例7:工程6/経路B
5-プレグネン-3β,17a-ジオール-20-オン3-ホルメート(ホルメート)からの5-プレグネン-3β,17α-ジオール-20-オン3-ホルメート17-アセテート(ジエステル)の合成 (H. J. Ringold, et al, J. Am. Chem. Soc., Vol. 78, 1956, pp. 816-819)
100gのホルメート、2.5gのp-トルエンスルホン酸水和物および400mlの無水酢酸の混合物を攪拌しながら80℃で30分間加熱し、室温で2時間、最後に0℃で1夜放置した。ジエステルを集め、最初少量の冷無水酢酸で次いで熱水で洗浄した。乾燥生成物は、99.5g (89%)を計量し、192〜196℃のm.p.を示した。分析サンプルをアセトンからの結晶化により得たところ、m.p. 198〜200℃を示した。
*%収率 = 10gの出発物質の94.78
実施例8:工程7/経路B
5-プレグネン-3β,17α-ジオール-20-オン3-ホルメート17-アセテート(ジエステル)からの17α-アセトキシプロゲステロンの合成 (H. J. Ringold, et al., J. Am. Chem. Soc., Vol. 78, 1956, pp. 816-819)
上記ジエステル(51g、m.p. 192〜196℃)を1.4リットルの市販キシレンおよび510mlのシクロヘキサノン中に溶解させ、溶液を蒸留し(250mlの蒸留物を集めた)、水分を除去した。210mlのキシレンに溶解させたアルミニウムイソプロポキシド(51g)を上記ゆっくり蒸留中の溶液に5分間で添加し、その後、蒸留をさらに45分間続けた(さらに210mlの蒸留物を集めた)。混合物を急冷し、氷と水の混合物を加え、溶媒類を水蒸気蒸留により除去した。得られた固形物を濾過により集め、乾燥させた。熱アセトンによる抽出、その後のこの溶媒からの結晶化により、m.p. 240〜243℃を有する40.7g (86%)の17α-アセトキシ-プロゲステロンを得た。さらなる精製サンプルは、243〜247℃のm.p.を示した。
*%収率 = 2gの出発物質の78.95
実施例9:工程8/経路B
17α-アセトキシプロゲステロンからの17α-アセトキシ-4,6-プレグナジエン-3,20-ジオンの合成 (Giichi Goto, et al., Chem. Pharm. Bull., Vol. 26 (6), 1978, pp. 1718-1728)
t-BuOH (50ml)中の17α-アセトキシプロゲステロン(5.0g)溶液に、クロラニル(4.0g)を添加し、反応混合物を80℃に5時間加熱した。冷却後、反応混合物を10% Na2CO3溶液中に注ぎ入れ、生成物をCH2Cl2で抽出した。抽出物を水洗し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて粗結晶を得た。アセトンからの再結晶化により、無色針状物(4.6g)を得た。
*%収率 = 4gの出発物質からの98.53
実施例10:工程9/経路B
17α-アセトキシ-4,6-プレグナジエン-3,20-ジオンからの17α-アセトキシ-6,7α-オキシド-4-プレグネン-3,20-ジオンの合成(工程9-2/経路B)
1. PCRNC法
1.0gの17α-アセトキシ-4,6-プレグナジエン-3,20-ジオンを30mlのジクロロメタン中に溶解させ、0.9gのm-クロロ過安息香酸を添加した。溶液を室温で24時間放置した。反応混合物を5%炭酸ナトリウム溶液に注ぎ込み、生成物をジクロロメタンで抽出した。抽出物を水洗し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて17α-アセトキシ-6,7-オキシド-4-プレグネン-3,20-ジオン(無色油状物)を得た。残留物を、石油エーテルと酢酸エチルの混合物(3:2)を使用して、シリカゲル上でクロマトグラフィーに供し、無色針状物を得た。
*%収率 = 1gの出発物質からの95.02
2. 17α-アセトキシ-4,6-プレグナジエン-3,20-ジオンからの17α-アセトキシ-6,7α-オキシド-4-プレグネン-3,20-ジオンの合成における別法
2.1 別法1(米国特許第3,234,093号、Rudoff Wiechert等、1966年)
2.34gの1,2α-メチレン-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを、844mgの過安息香酸を含有する18.25mlの塩化エチレン中に溶解させた。溶液を+5℃で16時間、室温で7時間保存した。その後、溶液を塩化メチレン、硫酸第1鉄水溶液および重炭酸ナトリウム溶液で希釈し、水洗して中性とした。
2.2 別法2 (Giichi Goto, et, al., Chem, Pharm. Bull, Vol. 26 (6), 1978, pp. 1718-1728)
CH2Cl2 (30ml)中の17β-アセトキシ1,2α-メチレン-6α,7α-エポキシ-16β-イソプロピルアンドロスト-4エン-3-オン(1.5g)の溶液に、m-クロロ過安息香酸(0.9g)を添加し、溶液を室温で24時間放置した。反応混合物を5% Na2CO3溶液中に注ぎ入れ、生成物をCH2Cl2で抽出した。抽出物を水洗し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。
2.3 別法3(米国特許3485852号、Howard J. Ringold、1969年)
100mlのクロロホルム中の4gの19-ノル-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン17-アセテートの溶液を0℃に冷却し、次いで、ジエチルエーテル中に溶解させた4モル当量のモノ過フタル酸と混合した。得られた反応混合物を室温で20時間保持し、その後、混合物を水で希釈した。次に、有機相を分離し、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに中性まで水洗し、その後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、最後に蒸発乾固させた。乾燥残留物のアセトン/ヘキサンからの再結晶化により、6α,7α-オキシド-19-ノル-Δ4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを得た。その後、この手順を1つを除いてすべて詳細に繰返す、即ち、Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを出発ステロイドとして使用し、そのようにして、6α,7α-オキシド-Δ4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを得た。
2.4 別法4(ドイツ特許第1158966号、Rudolf Wiechert等、1963年)
2.34gの1,2α-メチレン-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを、844mgの過安息香酸を含有する18.25mlの塩化エチレン中に溶解させた。溶液を+5℃で16時間、室温で7時間保った。その後、溶液を塩化メチレンで希釈し、硫酸第2鉄水溶液、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、さらに中性になるまで水洗した。乾燥後、有機相を乾固するまで硫酸ナトリウム上で減量した。このようにして得られた1.62gの粗1,2α-メチレン-6,7α-オキシド-Δ4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを109mlの氷酢酸に溶解させた。この溶液を塩化水素ガスで飽和し、室温で20時間保存した。その後、溶液を塩化メチレンで希釈し、水洗して中性にした。乾燥後、有機相を硫酸ナトリウム上で減量乾固した。このようにして得られた粗6-クロロ-1α-クロロメチル-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを20mlのコリジンに添加し、窒素下に20分間加熱沸騰させた。ジエチルエーテルで希釈後、反応混合物を4N HClと水で中性に洗浄した。
硫酸ナトリウム上での乾燥および減量乾固後の残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理した。900mgの6-クロロ-1,2α-メチレン-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートがベンゼンと酢酸エステルの混合物(19:1)によって溶出され、この物質は、イソプロピルエーテルからの再結晶化後、200〜201℃のm.p.を有した。UV = ε281 = 17820 (メタノール)。
実施例11:工程10/経路B
6,7α-オキシド-4-プレグネンからの酢酸クロルマジノンの合成(工程10-2/経路B)
1. PCRNC法
3.3640gの17α-アセトキシ-6,7α-オキシド-4-プレグネン-3,20-ジオンを80mlの氷酢酸に溶解させた。ゆっくりした無水塩化水素ガス流を懸濁液に4時間通し、20時間保存し、その後、氷水中に注ぎ入れた。沈降物を濾過して、酢酸クロルマジノンの黄白色粉末を得た。
*クロロマジノンの%収率 = 6,7α-オキシド-4-プレグネンの出発から91.18
2. 6,7α-オキシド-4-プレグネンから酢酸クロルマジノンを製造するための別法
2.1 別法1(米国特許第3485852号、Howard J. Ringold, 1969年)
1gの6α,7α-オキシド-19-ノル-Δ4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを35mlの氷酢酸中に懸濁させた。次に、ゆっくりした無水塩化水素ガス流を懸濁液に通すと、10分以内で、存在するすべての固形物が溶解した。ガスの通しを合計5時間続け、その後、溶液を減圧下35℃での蒸留によりその初期容量の約1/3に濃縮し、次いで氷水中に注ぎ入れた。それによって生成した沈降物を濾過により集め、中性になるまで水洗し、次いで乾燥させた。塩化メチレン/ヘキサンからの再結晶化により、6-クロロ-19-ノル-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを得た。
この手順を1つを除いてすべて詳細に繰り返すことにより、即ち、無水塩化水素ガスを無水臭化水素ガスに置き換えることにより、相応する6-ブロモ-19-ノル-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを得た。
同様に、出発ステロイドを6α,7α-オキシド-19-ノル-Δ4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートに、無水塩化水素ガスを無水臭化水素ガスに置換え、他の要因をすべて同じに保つことにより、6-ブロモ-Δ4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートが得られた。
2.2 別法2(米国特許第3234093号、Rudolf Wiechert等、1966年)
1.62gの粗1,2α-メチレン-6α,7α-オキシド-Δ4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテートを109mlの氷酢酸中に溶解させた。その後、この溶液を室温で塩化水素ガスで飽和し、20時間保存した。その後、溶液を塩化メチレンで希釈し、中和するまで水洗した。
有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで濃縮乾固させる。
2.3 別法3(Giichi Goto, et , al., Chem. Pharm. Bull., Vol. 26(6), 1978, pp. 1718-1728)
氷酢酸(20ml)中の17β-アセトキシ-1,2α-メチレン-6α,7α-エポキシ-16β-イソプロピルアンドロスタ-4,6-ジエン-3-オン (2.0g)の溶液を無水塩化水素で飽和させた。室温で20時間放置後、反応混合物を氷水中の注ぎ入れ、生成物をCH2Cl2で抽出した。抽出物を通常の方法で処理して17β-アセトキシ-1α-クロロ-メチル-6-クロロ-16β-イソプロピルアンドロスタ-4,6-ジエン-3-オン(1.74g)を得、γ-コリジン(15ml)中に溶解させ、N2下に30分還流させた。冷却後、反応混合物をCH2Cl2で抽出した。抽出を5%HCl溶液で洗浄し、水洗し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて粗結晶を得た。エーテルからの再結晶化により、無色針状物として1.4gを得た。
実施例12:工程11/経路B
酢酸クロルマジノンからの酢酸デルマジノンの合成(工程11/経路B)
1. PCRNC法
1.1 化学合成
1.0gの酢酸クロルマジノンをジオキサン(40ml)中に溶解させ、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ1,4-ベンゾキノン(DDQ) (0.636g)を添加した。反応混合物を6時間(110℃)還流させた。室温に冷却後、溶液を中性アルミナの短カラムに通し、生成物を酢酸エチルにより溶出させた。溶離剤を蒸発させて乾固して、酢酸デルマジノンの黄白色油状物を得た。
*酢酸デルマジノンの%収率 = 1gのクロルマジノンからの81.43
1.2 生物工学的合成
細菌細胞の培養:鉱油層化寒天スラント内に保存さていた2つの標準細菌株、A. シンプレックス(ATCC 6946)およびB. スファエリカス(ATCC 13805)を、TSA (Tryptic Soy Agar、Difco社、米国)において48時間継代培養した。各々の株を、25±2℃の250ml振盪型フラスコ内で、50ミリモル Tris-HCl緩衝液 pH 7.8中に酵母抽出物 5、硫酸アンモニウム 3、および塩化マグネシウム 0.1(各g/l)を含有する100mlの第1期培養培地中で48時間200 rpmで増殖させた。細菌細胞濃度は、プレート計数法により主として測定した。
バイオ形質転換:上記細菌細胞懸濁液の各々の1部を50.0mlに調整した第2期培養培地に加えた。この培地は、第1期培養培地と同じであった。その後、培養物を25±2℃の250ml振盪型フラスコ内で48時間200 rpmで増殖させた。下記のような各種薬品を培地に添加した(各細菌細胞における各々の作用の以前の最適結果をさらなる試験においても使用している)。各条件を上述したようにして維持し、すべての培養反応物(各0.5ml)を、0、4、24,48,72および96時間でHPLC分析用に採取した。
外来性電子担体の作用を最適にするために、ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた酢酸クロルマジノンおよび各種濃度のメナジオン(0〜1.2ミリモル/l) (5%)を培地に添加した。
基質および有機溶媒の作用を最適にするために、メナジオンおよび各種濃度の酢酸クロルマジノン(0.12〜0.50ミリモル/l)並びにDMF (5または10%)を培地に添加した。
ステロイド誘発剤の作用を最適にするために、2%エタノール溶液としてのヒドロコルチゾン(0〜0.55ミリモル/l)を培地に添加した。ヒドロコルチゾンの存在下での24時間培養後、DMF中のメナジオンおよび酢酸クロルマジノンを添加した。
界面活性剤の作用を最適にするために、DMF中のメナジオン、酢酸クロルマジノンおよび各種濃度のTween 80 (0〜1.00%質量/容量)を、ヒドロコルチゾンの存在下での24時間培養後に培地に添加した。
D(+)-グルコースの作用を最適にするために、各種含有量のD(+)-グルコース(0〜10.0g/l)を第2期培養培地に含有させた。DMF中のメナジオン、酢酸クロルマジノンおよびTween 80を、ヒドロコルチゾンの存在下での24時間培養後に添加した。
HPLC分析:培養混合物から採取したサンプル(0.5ml)を2.0mlのクロロホルムで2分間の渦巻き混合により抽出した。クロロホルム相の1部(0.5ml)をサンプリングびんに移した。酢酸クロルマジノンおよび酢酸デルマジノンの濃度を、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC、Thermo Separation Products社、米国)により282 nmで測定した。各サンプル(5μl)を、250×4.6mm Hypersil 5μ ODS 250Aカラム(Hichrom社、米国)において、メタノール/水(容量で70:30)を移動相として1.0 ml/minの流量で使用して分析した。酢酸クロルマジノンと酢酸デルマジノンは、ぞれぞれ、9.3分および11.3分の滞留時間で、他の化合物から完全に分離していた。他の検出化合物は、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンおよびメナジオンであった。
メナジオンを含まない反応混合物は、A. シンプレックスおよびB. スファエリカスの双方において極めて低い生産性を有していた。0.3〜1.2ミリモル/l範囲のメナジオンの存在下でのB. スファエリカスの培養は、すべて、外来性電子担体の存在しない培養よりも3〜5倍高い酢酸デルマジノン収率を与えていた。しかしながら、0.3 mMよりも高い濃度では、メナジオンは、上記生成物の収率を明らかに増大させていなかった。
5%および10%DMF中双方における0.50から0.12ミリモル/lへの基質濃度の低下は、5%DMF中での0.12ミリモル/lの酢酸クロルマジノンにおける約15%の最高収率でもって、B. スファエリカスにおいて基質のより完全な転換をもたらしている。
ステロイド誘発剤を含むA. シンプレックスの条件は、すべて、ヒドロコルチゾンを含まない場合よりも高い4時間での最高生成物を与えていた。ヒドロコルチゾンは、酢酸クロルマジノンのバイオ形質転換に対する酵素活性を誘発させるのみならず、同様にプレドニゾロンに完全に転換されていた。
0.25〜1.00%(質量/容量)のTween 80濃度は、0.5〜1.00%の好ましい範囲において、A. シンプレックスにおいて収率を改善していた。0.75%(質量/容量)でのTween 80濃度がA. シンプレックスにおいて28.7%の最高収率を与えていた。
DDQによる酢酸クロルマジノンの化学脱水素化は高収率でもって一般的に使用されているが、とりわけ大規模生産においては、この方法は大量の毒性試薬(DDQ)を使用し、有機溶媒(ジオキサン)は環境に直接影響する筈である。もう1つの問題は、カラムクロマトグラフィーからの生成物と一緒に廃棄しなければならない、DDQからのハイドロキノンの生成である。このことは、さらにコストを増大させている。一方、水性培地におけるA. シンプレックスまたはB. スファエリカスの遊離細胞を使用することによる酢酸クロルマジノンの酢酸デルマジノンへのバイオ形質転換は、クリーン合成のための有利な代替経路として使用し得る。A. シンプレックスにおいて0.25ミリモル/lの酢酸クロルマジノンを出発とするバイオ形質転換における最適条件は、5%のDMF、0.41ミリモル/lのヒドロコルチゾンおよび0.75%(質量/容量)のTween 80であり、B. スファエリカスにおいて0.12ミリモル/lの酢酸クロルマジノンを出発とする最適条件は、0.6ミリモル/lのメナジオン、5%のDMF、0.41ミリモル/lのヒドロコルチゾンおよび0.25g/lのD(+)-グルコースであった。両株における全体的効果は、40%未満の酢酸デルマジノン産生を与えていた。
上記2相系および細胞固定化方法をクロマジノンのデルマジノンのバイオ形質転換においても展開した。
また、上記試験の基質および生成物を可溶化するためのリポソーム類の使用を導入して、バイオ形質転換收率を増大させた。
2. 別法
2.1 別法1(Anthony Y. et al., Steroids, Vol. 62 p.221-225t 1997)
ジクロロジシアノベンゾキノン(100mg、3.3当量)を、ジオキサン(2ml)中の酢酸クロルマジノン(63mg、1.45×10-4モル)の溶液に添加し、攪拌しながら1夜還流させた。室温に冷却後、反応混合物を濾過した。3滴のピリジンを添加し、蒸発乾固させた。残留物を酢酸エチルで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水洗し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて50mg(80%)を得た。
2.2 別法2(Bernardo Beyer. et al. Steroids. Vol. 31, pp. 481-488, 1980)
ジオキサン(40ml)中の酢酸クロルマジノン(1g、2.68ミリモル)および2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(0.92g、4.05ミリモル)の溶液を16時間還流させ、その後冷却した。沈降ハイドロキノンが生成し、濾液からの溶媒を減圧下に除去した。得られた暗色固形物を活性化ケイ酸マグネシウム上でクロマトグラフィー処理した。ベンゼン・CHCl3で溶出して白色固形物(61%)を得た。
2.3 別法3(Giichi Goto. et al., Chem. Pharm. Bull. Vol. 26 (6). 1987, p.1718-1728)
ジオキサン(40ml)中の酢酸クロルマジノン(3.5g)の溶液に、DDQ (2.8g)を添加し、反応混合物を5時間還流させた。冷却後、溶液を同じ方法で処理した。エーテルからの再結晶化により、酢酸デルマジノン(3.2g)を無色針状物として得た。
実施例13:工程12/経路B
酢酸デルマジノンからの酢酸シプロテロンの合成
1.2gのトリメチルスルホキソニウムイオジド(5.6ミリモル)および0.08gの水素化ナトリウム(3.3ミリモル)を10mlのジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解させ、窒素ガス下に5℃で30分間攪拌した。その後、0.5gの酢酸デルマジノン(1.24ミリモル)を添加し、5時間攪拌した。混合物を24時間室温に放置した。混合物を1N HCl(氷を含む)溶液中に注ぎ入れ、沈降物を濾過し、水洗した。イソプロピルエーテルからの再結晶化により、酢酸シプロテロンの白色粉末を得た。
*%収率 = 0.5gの出発物質から51.51
ソラソジンからの酢酸シプロテロンの通常の18工程合成の概略を示す。 本発明に従う各合成経路の実験的骨子の概略を示す。 本発明の経路Aに従うソラソジンからの酢酸シプロテロン合成の概略を示す。 本発明の経路Bに従うソラソジンからの酢酸シプロテロン合成の概略を示す。 本発明の経路Cに従うソラソジンからの酢酸シプロテロン合成の概略を示す。

Claims (25)

  1. (a) 6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテート(J2)を1工程手順で酢酸クロルマジノン(K2)に転化し;(b) (K2)の位置1に二重結合を導入して酢酸デルマジノン(L2)を得;そして、(c) (L2)の位置1と2をブリッジするメチレン基を導入して酢酸シプロテロン(M)を得ることを特徴とする酢酸シプロテロン(M)の製造方法。
  2. 6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン17-アセテート(J2)を、(d) 二重結合を17α-アセトキシプロゲステロン(H)の位置6に導入してこれを4,6-プレグナジエン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテート(I2)に転化し;(e) (I2)の位置6の二重結合をエポキシ官能基に転化して6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン17-アセテート(J2)を得ることを含む方法によって製造する、請求項1記載の方法。
  3. 工程(a)を、6,7α-オキシド-4-プレグネン-17α-オール-3,20-ジオン-17-アセテート(J2)を含有する反応混合物に無水塩化水素ガスを通すことによって実施する、請求項1または2記載の方法。
  4. 工程(b)を、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-ベンゾキノン(DDQ)を使用することによって実施する、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 工程(c)を、トリメチルスルホキソニウムイオジド(TMSI)および水素化アルカリ、好ましくは水素化ナトリウムを使用することによって実施する、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 工程(d)を、クロラニルを使用して実施する、請求項2〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 工程(e)を、m-過安息香酸またはモノパーオキシフタル酸を使用して実施する、請求項2〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. (f) 1工程手順により、二重結合を17α-アセトキシプロゲステロン(H)の位置1および6に導入してこれを1,4,6-トリエン化合物(I1)に転化し;(g) 位置1と2をブリッジするメチレン基を導入して1,2α-メチレン化合物(J1)を得;(h) (J1)の位置6と7をブリッジするオキシド基を導入して6,7α-エポキシ化合物(K1)を得;(i) (K1)のエポキシ基を転換して6-クロロ-7-ヒドロキシ化合物(L1)とし;(j) (L1)を酢酸シプロテロン(M)に転化することを特徴とする酢酸シプロテロン(M)の製造方法。
  9. DDQを工程(f)において使用する、請求項8記載の方法。
  10. TMSIおよび水素化アルカリを工程(g)において使用する、請求項8または9記載の方法。
  11. トリフルオロメチルスルホニルクロライドおよび塩化リチウムを工程(i)において使用する、請求項8〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 17α-アセトキシプロゲステロン(H)を、ソラソジン(A)を当該技術において公知の手段により17α-アセトキシプロゲステロン(H)に転化することを含む方法によって製造する、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 1工程手順により、16-デヒドロプレグネノロンアセテート(B)を16,17-エポキシ-プレグネノロン(C)に転化する、請求項12記載の方法。
  14. (B)の(C)への転化を、アルカリ性溶液中の過酸化水素を使用して達成する、請求項13記載の方法。
  15. 酢酸デルマジノン(L2)をTMSIおよび水素化アルカリ、好ましくは水素化ナトリウムと反応させることを特徴とする酢酸シプロテロン(M)の製造方法。
  16. 下記の式:
    Figure 2005523927
    の化合物(K1)を塩化リチウム/トリフルオロメチルスルホニルクロライドまたは塩化リチウム/N,N-ジメチルアセトアミドヒドロクロライドと反応させて、下記の式:
    Figure 2005523927
    の化合物(L1)を得、そして、化合物(L1)を酢酸塩水溶液、好ましくは酢酸ナトリウム溶液と反応させて酢酸シプロテロン(M)を得ることを特徴とする酢酸シプロテロン(M)の製造方法。
  17. (k) ソラソジン(A)をアセチル化してO,N-ジアセチルソラソジンを得;(l) O,N-ジアセチルソラソジンを異性化してプソイドソラソジンジアセテートを得;(m) 得られたプソイドソラソジンジアセテートを相間移動触媒の存在下に酸化することを特徴とする16-デヒドロプレグネノロンアセテート(B)の製造方法。
  18. 前記相間移動触媒が硫酸水素テトラブチルアンモニウムである、請求項17記載の方法。
  19. 前記酸化剤が重クロム酸カリウムまたは重クロム酸ナトリウムである、請求項17または19記載の方法。
  20. (K2)を(L2)に転化することのできる微生物の培養物に酢酸クロルマジノン(K2)を加え、得られた酢酸デルマジノンを前記培養物から単離することを特徴とする酢酸デルマジノン(L2)の製造方法。
  21. 前記微生物がアルスロバクター シンプレックスまたはバチルス スファエリカスである、請求項20記載の方法。
  22. アルスロバクター シンプレックスがATCC 6946であり、またはバチルス スファエリカスがATCC 13805である、請求項21記載の方法。
  23. 電子担体、好ましくはメナジオン(2-メチル-1,4-ナフトキノン)を前記培養物に添加する、請求項20〜22のいずれか1項記載の方法。
  24. ステロイド、好ましくはヒドロコルチゾンを前記培養物に添加する、請求項20〜23のいずれか1項記載の方法。
  25. 界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレンソルビタンモノオレートを前記培養物に添加する、請求項20〜24のいずれか1項記載の方法。
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