JP2005514157A

JP2005514157A - ヒンジ式関節システム

Info

Publication number: JP2005514157A
Application number: JP2003559369A
Authority: JP
Inventors: クラブトリー，ポール; マリク，グレッグ; サレヒ，アブラハム; ウィーバー，ケビン; ラングレイス，フランツ; ウテン，デニス; ハリソン，デニス
Original assignee: Smith and Nephew Inc
Current assignee: Smith and Nephew Inc
Priority date: 2001-12-21
Filing date: 2002-12-20
Publication date: 2005-05-19
Also published as: ES2271368T3; EP1460977A2; WO2003059203A9; US20090125116A1; CA2471000C; US9381087B2; ATE337760T1; EP1460977B1; US20130325135A1; US20150245915A1; AU2002364107B2; DE60214429T2; US7572292B2; US9693868B2; US20050107886A1; CA2471000A1; US9056012B2; US20160287399A1; WO2003059203A1; DE60214429D1

Abstract

関節の自然な動きを模倣する人工装具システムと関節を置換するための方法とシステムと装置が開示される。一実施態様による人工装具システムは、脛骨台と脛骨ステム部とを有する脛骨コンポーネントを備え、その脛骨台は上側と下側とを有し、支持面を有し脛骨台の上側に配置されるように適合された脛骨インサートと、ベース部と中央ハウジングとを有する大腿部コンポーネントとを備え、大腿部コンポーネントは屈伸回転の軸を有し、ベース部は一対の関節丘を有し、脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントとの間で脛骨コンポーネントを大腿部コンポーネントと脛骨インサートに結合する機械的結合コンポーネントを備え、接触の中心が関節丘と支持面との間に存在し、機械的結合コンポーネントは、接触の中心を屈曲中に後方へ移動させ、屈伸回転の軸に上下方向の動きを与え、脛骨コンポーネントと支持面と大腿部コンポーネントとを上下軸を中心に回転させ、膝関節に自然な動きを与えると共にその動きを制御するように適合されてなる。

Description

関連出願
この出願は、「ヒンジ式膝関節システム」という名称で、２００１年１２月２１日に出願された米国仮出願第６０／３４２,３５０号に対して優先権を主張し、その仮出願は引用によりここに組み込まれる。

発明の分野
この発明は、人工装具の関節に関し、とくに、関節に自然な動きをさせるヒンジ式関節に関する。

発明の背景
最初の膝関節置換手術では、通常、外科医は、患者の骨構造に２つの人工装具コンポーネント、つまり、患者の大腿骨への第１のコンポーネントと患者の脛骨への第２のコンポーネントとを付加する。これらのコンポーネントは、それぞれ大腿部コンポーネントと脛骨コンポーネントとして一般的に知られている。典型的な最初の膝関節置換手術では、靱帯や腱は、膝の動きを制御するために、無傷のままである。

大腿部コンポーネントは、患者の大腿骨の先端に、大腿骨の適当な切除の後に設置される。大腿部コンポーネントは、通常、金属製で、よく研磨された関節丘の外側関節面を有し、普通、Ｊ形である。

一般のタイプの脛骨コンポーネントは、患者の切除された脛骨の基端にほぼ適合するトレイ又は台を用いる。脛骨コンポーネントはまた、通常、ステムを備え、そのステムは台に対して或る角度で延び、患者の骨髄内管に外科的に形成された開口の中へ延びる。脛骨コンポーネントと脛骨ステムは、通常は両方とも、金属製である。

プラスチック又は重合体（超高分子量ポリエチレン、つまりＵＨＭＷＰＥであることが多いが）のインサート又はベアリングが、脛骨コンポーネントの皿と大腿部コンポーネントの間に嵌合する。この脛骨インサートによって、大腿部コンポーネントの関節丘部分が関節でつながり脛骨に対する大腿部の動きにほぼ対応して大きく動く面が与えられる。

膝関節人工装具には、脛骨インサートも脛骨の皿に対して動いて係合するものがある。そのような動作は、脛骨台に対して移動的および／又は回転的摺動動作になることができる。脛骨インサートを有する他のタイプの膝関節人工装具において、脛骨インサートは、脛骨台および／又は大腿部コンポーネントに対する他のタイプの動作に結合できる。

修正手術は、最初の人工装具が失敗したときに必要となる。ほとんどの修正の場合において、骨や柔軟組織の欠損を補うために、追加的な安定化および構築処理が必要になる。例えば、大腿部および脛骨コンポーネントはステムを備えてもよく、そのステムは大腿部コンポーネントのベース部から直角方向に対して約６度で延びて、患者の骨髄内管に外科的に形成された開口に挿入される。大きい安定化処理を施すために、箱が大腿部コンポーネントの上に備えられてもよく、脛骨コンポーネント上の係合柱は、強制的膝関節置換と呼ばれるものを形成する。

或る場合には、膝関節における柔軟組織の欠損は、結合式又はヒンジ式膝関節人工装具の使用を必要とする。ヒンジ式膝関節が必要である３つの最も一般的な指標は、（１）数多く修正した場合で、患者が多くの骨と柔軟組織を失い強制的膝関節を使用できない、（２）腫瘍学者が腫瘍を除去するために大部分の骨を強制的に切除する、（３）大腿部の先端又は脛骨の基端が破砕されて置換しなければならないときに多く見られる外傷への用途、である。

初期のヒンジ式膝関節は固定され、内部および外部回転をさせなかった。これらの初期のヒンジは、固定すると印加される力を十分に処理できないので、ゆるむようにするという歴史をもっていた。回転ヒンジによってこの不都合は低減した。それは、これらの回転ヒンジが内部および外部回転トルクを最小限にしたからである。ヒンジ式膝関節システムによって、駆動軸を有する２つのコンポーネントが物理的に結合され、すべての内側および外側と前および後の安定性が人工装具によって与えられる。これらのシステムはまた、種々の程度の骨の欠損に対応する。関節が正常であるときには、駆動軸用の枢軸は前後および上下方向に固定され、膝関節が駆動軸を中心に屈伸するとき、大腿部および脛骨コンポーネントの間の接触の中心は固定されている。これによってロールバックが防止される。

ヒンジ式膝関節についての多くの関心は、自然の膝関節の動きをシミュレートすることである。自然の膝関節の動きは、前後，中横および上下の３つの移動と、屈伸，内外側，外転内転の３つの回転を有する。膝関節の動きは、脛骨と大腿骨の関節面の形状、４つの結合システムとしての前後十字靱帯および内側外側副行靱帯を含む膝関節の主靱帯の向きによって決定される。膝関節の屈伸は、大腿部ロールバックと呼ばれる、脛骨台上の大腿骨の揺動と摺動との組合せを含む。屈曲中のロールバックにおいて、大腿骨と脛骨台との間の接触の中心は後方に移動し、それによって伸筋機構の屈曲の範囲と効率が増大する。

現在のヒンジ式膝関節は一般的に屈伸方向のヒンジ動作と内外回転を可能にするが、固定枢軸を中心に屈曲してロールバックを除去することによりそれを行っている。一方、ヒンジ式膝関節のデザインには、ロールバックを可能にするヒンジ機構をもつものもあるが、ロールバックを制御しない。ロールバックを可能にし、しかもそれを制御するヒンジ式膝関節システムは、知られていない。
手術前のプラニング中に、骨や柔軟組織の損傷の程度は必ずしも認識できるとは限らない。外科的には、通常最小の侵襲的手法を用いることが好まれるので、ヒンジ式膝関節を用いずに、強制的な人工装具を用いて修正を行うことが好まれる。もし、手術中にヒンジ式膝関節が必要であると考えられた場合には、外科医が最小限の中断で進行できるようにヒンジが、一体化されたシステムの一部であることが好ましい。現在のヒンジ式システムは、独立型のものであり、外科医が強制的な膝関節を用いることを計画したが手術中にヒンジ式膝関節の追加的な強制が必要であると気づいた場合に、外科医は手術中にヒンジ式膝関節に切換えることはできない。むしろ、外科医は通常、長い手術時間と患者への大きいリスクを招く他の処置を開始しなければならない。さらに、現在のヒンジ式膝関節は、外科医に患者の骨の大部分を除去して適当な移植を行うように要求する。

現在のヒンジ式膝関節システムは、種々のコンポーネントが適当なサイズで適当に接続されることを保証するために、手術中にかなりの量のアセンブリィを必要とする。そのようなアセンブリィは、時間がかかり、短調で、エラーしがちで、外科医の注意を、患者の健康に直接関係する重大な問題からそらさせる。

従って、過度に骨を除去することなく自然な動きを与えるヒンジ式膝関節人工装具が現在必要とされている。現存する全膝関節置換システムと互換性のあるヒンジ付膝関節システムに対する需要もある。さらに、手術中にほとんどアセンブリィする必要のないヒンジ式膝関節システムに対する需要もある。

発明の要旨
関節の自然な動きを模倣する人工装具システムで関節を置換する方法、システムおよび装置が開示される。この発明による方法，システムおよび装置は、人工装具従って関節のロールバックと運動を可能にするのみならずそれを制御し、自然な生体力学と関節動作の両方を与える。現存するヒンジ式膝関節デザインには、柔軟組織の不足分のために代用される結合関節を与えるものもあるが、ロールバックを行わずに固定枢軸を中心に屈曲することによりそれを行っている。回転軸又は駆動軸を動かす従来技術は、駆動軸を前後方向に移動させるが、その運動を制御しない。大腿部コンポーネントの中心近傍の回転軸を開示した従来技術もあるし、大腿部コンポーネントの後部の回転軸を開示した従来技術もある。この従来技術は大腿部コンポーネントと大腿骨とを脛骨に対して前後方向に移動させるが、その運動を制御しない。この発明は、その結合コンポーネントの動作を介してロールバックを制御する。この発明の一実施態様による人工装具は、脛骨台と脛骨ステム部を有する脛骨コンポーネントを備え、その脛骨台は上側と下側を有し、支持面を有して脛骨台の上側に設置されるように適合された脛骨インサートと、ベース部と中央ハウジングと大腿部ステム部とを有する大腿部コンポーネントとを備え、大腿部コンポーネントは屈伸回転軸を有し、ベース部は一対の関節丘を有し、関節丘と支持面との間に接触の中心が存在するように脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントの間の脛骨インサートおよび大腿部コンポーネントに脛骨コンポーネントを結合する機械的結合コンポーネントを備え、機械的結合コンポーネントは接触の中心を屈曲中に後方へ移動させ、屈伸回転の軸に上下方向の動きを与え、脛骨コンポーネント，脛骨インサートおよび大腿部コンポーネントを上下軸を中心に回転させ、屈伸回転の軸を上下軸からずらして膝関節に自然な動きを与えると共にその動きを制御するように適合される。

この発明の一実施態様による人工装具システムは、関節丘と支持面との間に接触の中心が存在するように脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントの間の脛骨インサートと大腿部コンポーネントとに脛骨コンポーネントを結合させる機械的結合コンポーネントを備え、その機械的結合コンポーネントは、上下方向に移動して前後方向の動きが防止されるように適合され、関節丘と支持面との間の接触の中心は、大腿部コンポーネントが屈伸運動をするときに、前後に移動する。

この発明の一つの実施態様による人工装具システムは、脛骨台と脛骨ステム部を有する脛骨コンポーネントを備え、脛骨台は上側と下側とを有し、基端と先端とを有する柱を備え、柱は脛骨台の上側から突出するように適合され、柱の基端に搭載されるように適合されたキャップと開口を有する脛骨インサートを備え、脛骨インサートは脛骨台の上側に配置されるように適合され、脛骨インサートの開口は柱とキャップを受入れるように適合され、ベース部と、大腿部ステム部を有する中央ハウジングとを有する大腿部コンポーネントを備え、ベース部は一対の関節丘と２つの後方へ延出する突出部とを有し、突出部に接続して突出部間を延びるように適合された駆動軸と、前端と後端を有するリンクとを備え、リンクはリンクの後端で駆動軸に接続されリンクの前端で柱とキャップを受入れるように適合される。

この発明の一実施態様による人工装具で関節を置換する方法は、患者の脛骨の基端を切除して脛骨の脛骨骨髄内管を露出し、患者の大腿骨の先端を切除して大腿部骨髄内管を露出し、脛骨ステムと大腿部ステムとを人工装具システムに接続し、人工装具システムは機械的結合コンポーネントを有し、脛骨ステムを脛骨骨髄内管に挿入し、大腿部ステムを大腿部骨髄内管に挿入する工程を備える。この方法によって外科医は最初の又は修正した人工装具からその人工装具システムへ、共通の骨の切断と器具の使用により変換することができる。この人工装具システムによって外科医は適当なサイズの脛骨インサートとキャップを選択できるので、予め組立てられた大腿部コンポーネントを使用することができ、それによって、膝関節を組立てるために費やされる手術時間が大幅に減らされる。

この発明の他の特徴は、生物学的に再吸収可能なバンパーが人工装具に設置され、バンパーが人体に再吸収されるまで、上下軸を中心とする人工装具のコンポーネントの回転が防止されるということである。

図面の簡単な説明
図１Ａは、伸びた状態の人工装具を示す、この発明の一実施態様の前面斜視図である。
図１Ｂは、屈曲した状態の人工装具を示す、図１Ａに示す実施態様の前面斜視図である。
図２は、人工装具の一実施態様の裏面図である。
図３は、人工装具の一実施態様の正面図である。
図４は、人工装具の一実施態様の上面図である。
図５は、この発明の一実施態様の後方分解図である。
図６Ａ−Ｅは、図６Ａの延伸から図６Ｅの屈曲まで進行する人工装具の一実施態様の側面図である。

詳細な説明
図１は、人工装具システムの実施態様の斜視図を示し、図１Ａに延びた状態を、図１Ｂに９０度屈曲した状態を示している。図２と図３は、人工装具システムの実施態様の延びた状態における後面図と正面図をそれぞれ示す。図４は人工装具の実施態様の延びた状態を示す上面図である。図示した実施態様は膝関節であるが、この発明は、股関節や肩甲関節のような他の関節に使用することができる。人工装具システムは、大腿部コンポーネント１００，脛骨コンポーネント２００，脛骨インサート３００，機械結合コンポーネントつまりヒンジ部４００を備える。人工装具システムによる手術において、脛骨および大腿骨が切除され、脛骨および大腿骨の骨髄内管が軸を受入れるように外科的に準備される。この発明は、例えばスミスアンドネフューからのジェネシスII型の全膝関節システムのような当初の又は改訂されたシステムと同様の骨の切断および機器の使用を必要とする。この発明によれば、必要な追加の切断は唯一つである。

脛骨コンポーネント２００は、脛骨台２０２と脛骨ステム部２０４を備える。脛骨ステム部２０４は、モールステーパを有する先端２０８により一体的に形成されたほぼ円筒形の部分２０６を備える。先端２０８は、当業者によく知られた方法でモールステーパを介して取り付けられる長い軸（図示しない）を有することができる。先端２０８は、一部を切除した脛骨の骨髄内管へ、モールステーパに取り付けられた長い軸と共に又はその軸なしに嵌入される。

大腿部コンポーネント１００は、一対の関節丘１０２を備える。それらは金属製で高度に研磨され、大腿部コンポーネント１００のベース部分１０３の上に形成される。関節丘１０２は脛骨インサート３００に係合する。大腿部コンポーネント１００はＪ形の断面を有し、結果として、Ｊ形関節丘表面１０２を有する。これらのＪ形表面は少なくとも２つの異なる曲率半径，先端半径と後方半径とを有する。示される好ましい実施態様では、先端の曲率半径は、後方の曲率半径より大きい。ベース部１０３は、次に述べるようにヒンジコンポーネント４００に接続される一対の後方に延びる突出部１０４を備える。上壁１０８と側壁１１０を有する中央ハウジング１０６が一体的に関節丘部の間に配置される。モールステーパを備える基端１１４を有する大腿部ステム部１１２は、上壁１０８に傾斜して搭載されている。基端１１４は当業者に公知の方法でモールステーパを介して取付けられた長いステム（図示しない）を有することができるか、又は長い軸なしで使用される。ステム部１１２の基端１１４は、一部が切除された大腿骨の骨髄内管に、モールステーパに取付けられる長いステムと共に、又はそのステムなしに、挿入される。

簡単のために、好ましい実施態様は、大腿部コンポーネント１００の先端および後方表面に沿って２つの曲率半径を有し、先端の半径は後方の半径よりも大きいものとして説明される。大腿部コンポーネントの外面に沿って１つ以上の追加の曲率半径を組込むことが効果的であるということが理解される。特に、第３の半径は、後方関節丘の突出部１０４の基端面において湾曲を形成するために使用されてもよい。曲率半径の数および関係は、この発明の精神と範囲から離れることなく変更することができる。

図５は、人工装具システムの実施態様の分解後方斜視図である。柱２１０は、脛骨台２０２の上側に、脛骨２０２に直交する垂直（上下）方向に配置され、当り止め２１２は脛骨台２０２の後方部分に配置される。柱２１０はキャップ４１４を受入れる。キャップ４１４は固定部材４２０によって柱２１０に固定されるか、又は当業者に公知の他の方法で固定される。

脛骨インサート３００は、上側支持面３０２と、開口３０６および切り欠き３０８を有する凹み部分３０４とを有する。脛骨インサートの開口３０６は脛骨柱２１０とキャップ４１４を受入れ、脛骨インサート３００は脛骨台２０２の上に配置される。図示した実施態様において、脛骨インサートは垂直（上下）軸を中心に回転する。脛骨インサートの回転は、脛骨インサート３００の後方の切り欠き３０８と脛骨台２０２の当り止め２１２により制御される。大腿部コンポーネントの関節丘は、脛骨インサート３００の支持面３０２上で移動する。

ヒンジ部４００は、その後方端に中央横方向に開口４０４を有し、前方端に上下方向の開口４０６を有するリンク４０２を備える。２つのブッシング４０８は後方開口４０４の両端に嵌入される。リンク４０２の後方端は、大腿部コンポーネント１００の突出部１０４の間に配置される。リンク４０２は、大腿部コンポーネント１００の両突出部１０４の開口１０５に配置されリンクの後方開口４０４とブッシングを貫通する駆動軸４１０によって大腿部コンポーネントに回転可能に接続される。駆動軸４１０は、駆動軸４１０の各端の２つの軸クリップ４１２により突出部１０４に対して固定される。また、駆動軸４１０は当業者に公知のどのような方法ででも突出部１０４に固定可能である。リンクの前方開口４０６は、脛骨柱２１０とキャップ４１４を受入れる。リンク４０２は柱２１０とキャップ４１４を上下に移動させ、上下軸を中心に回転する。キャップ４１４は、鞘部４１８とその基端に設けられた唇部４１６とを有する。また、キャップ４１４を脛骨柱２１０の先端にのみ嵌合し鞘部を備えないようにすることもできる。リンク４０２の前方開口４０６は先端の半分において小さい直径を有するので、キャップ４１４の唇４１６は小さい直径で捕らえられ、リンク４０２の移動を制御する。

キャップ４１４は分離した部品であるので、異なるサイズが脛骨インサート３００の厚さに対応して利用可能である。これによって、大腿部コンポーネントが予め組立てられ、外科医が適当なキャップのサイズと脛骨インサートのサイズを手術中に選択して人工装具システムを適当に操作することができる。これは、外科医が脛骨インサートのサイズに基づいて大腿部コンポーネントを組立てなければならないほとんどのシステムと異なるところである。

図６に示すように、ヒンジ部４００の操作によって大腿部のロールバックが可能となり、その動作が制御される。図６は、図６Ａに示す全延長（０°屈曲）から図６Ｅに示す１４０°屈曲まで動く人工装具システムを示す。人工装具システムは図６Ｂにおいて４５°の屈曲、図６Ｃにおいて９０°の屈曲、図６Ｄにおいて１２０°の屈曲状態にある。図６Ａに示すように、膝関節が延びた状態にあるとき、リンク４０２は脛骨柱２１０とキャップ４１４の先端の方にある。脛骨柱２１０のキャップ４１４が前方リンク開口４０６の内径に捕らえられることにより、分裂が防止される。膝関節が伸長から屈曲へ動くとき、リンク４０２は脛骨柱２１０とキャップ４１４の下方へ移動する。リンク４０２は前後方向に移動せず、駆動軸４１０が上下軸に沿ってのみ移動できる。

図６に示すように、駆動軸は、膝関節が伸長から屈曲へ移動するときに下方へ移動し、膝関節が屈曲から伸長へ移動するときに上方へ移動する。駆動軸４１０が下方へ移動大腿部コンポーネント１００の後方への運動が大腿部コンポーネント１００を適正な位置に置きそれが脛骨インサート３００の後方唇に乗り上げるまで駆動軸４１０が下方へ動き、それから駆動軸４１０は上方へ動く。この実施態様において、これは、膝関節が０°から約９０°の屈曲まで動くときに駆動軸４１０の下方移動に変わり、約９０°から約１２０°までのときは垂直移動にならず、約１２０°から約１４０°の屈曲のときは上方移動に変わる。膝関節の屈曲の範囲全体の駆動軸４１０の正確な運動は、コンポーネントのサイズとこの発明に対して重要でない他のデザイン的特徴によって変化することができる。

支持表面３０２上の関節丘１０２の接触中央は、膝関節が伸長から屈曲へ動くときに後方向へ移動し、膝関節が屈曲から伸長へ動くときに前方向へ移動する。図６において、Ｐは関節丘と支持面との接触中央を表す。膝関節が伸長から屈曲へ動くときに関節丘の曲率半径が減少するので、接触点Ｐの中心から駆動軸の中心点までの距離Ｘが伸長から屈曲し、この実施態様では約１２０°の屈曲まで減少する。

大腿部および脛骨コンポーネントをリンク４０２により結合しながら駆動軸４１０が上下移動する自由度と、大腿部コンポーネント１００の回転中心に対する駆動軸４１０のずれとが、結果的に大腿部コンポーネントと脛骨インサート３００との間の接触を維持しながら屈曲する大腿部コンポーネントのロールバックに帰着する。大腿部コンポーネント１００の回転の中心からの駆動軸４１０の後方のずれが増加することにより、伸長時の大腿部コンポーネント１００と脛骨インサート３００間の接触点Ｐの中央における前方変位が増大し、屈曲時の柱２１０とキャップ４１４に対するリンク４０２の下方への移動量が増大する。大腿部コンポーネント１００の回転の中心からの駆動軸４１０の下方向のずれが増大することによって、屈曲時の大腿部コンポーネントと脛骨インサート間の接触点の中心における後方変位が増大し、伸長時の柱２１０とキャップ４１４に対するリンク４０２の上方への移動が減少する。

リンク４０２が脛骨柱２１０とキャップ４１４上を上下移動する能力により、リンクの長さ、駆動軸４１０の前後のずれおよび上下のずれについて特定の組合せが可能になり、大腿部コンポーネントと脛骨インサートとの間の接触の中心の前後の位置が、屈曲の関数として特定されて制御されることができる。例えば、少ないロールバックは小さいサイズの膝関節に望ましいかも知れない。この動きは、上述の動作を大腿部コンポーネントの関節丘部分における（先端方向に大きく後方向に小さい）２つの異なる曲率に組合せることによってさらに調整されるが、それは、図６において膝関節が伸長から屈曲へ動くときの距離Ｘの減少によって示される。屈曲時のロールバックの発生に関する特定の目的によれば、大腿部コンポーネントに単一の曲率半径又は２つ以上の曲率半径を有するヒンジ膝関節が、この発明により設計可能である。２つの半径が好ましい実施態様で示されたが、発明の原理はそれに限定されないということが理解される。

その運動を屈曲（運動学的な）の関数として特定する場合に、筋肉および他の柔軟組織の動作が最適化される。例えば、大腿部のロールバックは、伸筋機構の効率を改良することとして認識される。一般的に、ロールバックは、膝関節の屈曲時における大腿部コンポーネントの脛骨コンポーネントへの接触の中心における後方シフトと、膝関節の伸長時における大腿部コンポーネントの脛骨コンポーネントへの接触の中心における前方シフトである。３つのパラメータが、この発明の人工装具システムにおける、ロールバックを含む運動を定義し、かつ、制御する。第１のパラメータは、大腿部関節丘における駆動軸の前後および上下の配置である。第１パラメータによって、回転軸が大腿部コンポーネントの後方部分に配置され、膝関節の骨構造の自然負荷軸から離れた過度の構造負荷が課せられることはない。この方法では、負荷軸は、脛骨の自然負荷軸から前と後又は中央と側面方向に曲げられない。第２のパラメータは、大腿部コンポーネントのＪ曲線部における２つの異なる曲率半径である。第３のパラメータはリンクの長さである。インプラントの型やサイズによりこれらのパラメータを調整することにより、運動学と関節動作が最適化され、ロールバックの制御が可能となる。

脛骨コンポーネントは大腿部コンポーネントに機械的に結合されるので、人工装具は中央と側面方向又は前と後の方向に亜脱臼することがない。

一実施態様による人工装具システムは、スミスアンドネフューから入手されるジェニシスIIや他の全膝関節システムのような初期の修正したシステムの共通のデザインコンポーネントを共有する。これによって外科医は、別のシステムや装置を利用することなく、共通の骨切除と同じ機器の使用によって初期又は改修インプラントから蝶番インプラントに内部手術的に変換できる。一実施態様による人工装具システムは、通常の修正膝関節交換処理に比べて、ただ３つの追加の切断しか必要としない。追加の切断は、この発明に用いられる大腿部コンポーネントの広い中央ハウジングに収容し、脛骨台を自然の（０°の）傾斜にし、駆動軸を収容するために必要とされる。これらの少ない追加の切断にもかかわらず、この発明によるシステムは、標準的な修正膝関節からヒンジ式膝関節への比較的単純な内部手術的な変換を提供する。一実施態様による人工装具システムは予め組立てられた大腿部コンポーネントを利用するので、外科医は脛骨インサートに基づいて大腿部コンポーネントを組立てる必要がない。この発明の脛骨台はいくつかの厚さの脛骨インサートを収容することができるので、外科医は適当な厚さを有しキャップに対応する脛骨インサートを選択し、予め組立てられた大腿部コンポーネントを用いることができる。この発明の蝶番膝関節に内部手術的に変換することにより、処理時間が減少して患者に与える危険が減少する。

一実施態様による人工装具システムは、人体のセグメントを受入れて腫瘍の切除や外傷の場合に膝関節（大腿部又は脛骨）の領域で完全に骨を置換するように設計される。そのような人体のセグメントは軸部２０４および／又は１１２上で、公知の方法又は当該技術分野で知られた他のいずれかの取り付け手段により、モールステーパに固定できる。追加の人工装具が骨の置換に必要とされる場合には、それは別のコンポーネントとして提供される。

関節の外被にきずの組織がないので、インプラントは一般に数週間は不安定である。この期間は通常ほぼ６週間続くが患者によって著しく変化するので、この期間中は上下軸に沿って回転させないことが望ましい。人工装具システムの一実施態様において、生物吸収可能バンパー６００（図５参照）が、切り欠き３０８と脛骨台の当り止め２１２との間の脛骨インサート３００のギャップに設置される。これによってインプラントは移植されたときに固定できるが、あとで材料が人体に吸収されるときにインプラントが回転できる。吸収速度は、患者の特定の必要性に合うようにバンパー６００用に適正な合成物を選ぶことにより選択できる。

この発明による一実施態様は、人工装具システムであり、膝関節のような関節置換用の部品のキットである。上述のコンポーネントに関して、部品のキットは切断ブロック，リーマおよび試行品を含む。

膝関節のような関節を置換するために、この発明による人工装具システムを用いる一つの方法は、次の通りである。
（１）脛骨の基端を切除して脛骨の内部骨髄管を露出させ、
（２）大腿部の先端を切除して大腿骨の内部骨髄管を露出させ、
（３）脛骨ステムと大腿骨ステムを人工装具システムに接続し、
（４）大腿骨ステムを大腿骨の内部骨髄管に挿入し、
（５）脛骨ステムを脛骨の内部骨髄管に挿入する。
この方法は、適当な脛骨インサートとキャップを手術中に選択することをさらに含む。

別の実施態様では、機械的結合コンポーネントが他の関節に使用され、関節が屈伸するときに関節の回転軸が移動して制御されたロールバックと自然の動きを与えることができる。

上述したようなシステムと方法の開示は、この発明の範囲を限定するものではない。種々の結合メカニズムが用いられそれによって関節丘と脛骨インサートとの間の接触の中心が屈曲中に後方へ動くことができ、屈伸回転の軸が上下に移動でき、上下軸の周りの回転が可能になると共にそれが制御され、回転軸が上下軸からずらされて膝および他の関節に自然の動きが与えられる。

伸びた状態の人工装具を示す、この発明の一実施態様の前面斜視図である。屈曲した状態の人工装具を示す、図１Ａに示す実施態様の前面斜視図である。人工装具の一実施態様の裏面図である。人工装具の一実施態様の正面図である。人工装具の一実施態様の上面図である。この発明の一実施態様の後方分解図である。図６Ａの延伸から図６Ｅの屈曲まで進行する人工装具の一実施態様の側面図である。

Claims

（ａ）上側と下側を有する脛骨台と、脛骨ステム部とを備える脛骨コンポーネント、
（ｂ）基端と先端とを有し、脛骨台の上側から突出するように適合された柱、
（ｃ）前記柱を受け入れるように適合された開口を有し、脛骨台の上側に設置されるように適合された脛骨インサート、
（ｄ）一対の関節丘と後方から伸びる２つの突出部とを有するベース部と、大腿部ステム部を有する中央ハウジングとを備える大腿部コンポーネント、
（ｅ）突出部に接続し突出部間に延びるように適合された駆動軸、および
（ｆ）前方および後方端を有し、後方端において前記駆動軸に接続されて前方端において柱を受け入れるように適合されたリンク
を備え、膝関節の役目を果す人工装具システム。
リンクに設けた前方開口と、柱に搭載するように適合されるキャップとをさらに備え、キャップは柱の基端の直径を超えて延びる唇部を有し、リンクの前方開口はその先端に小さい直径を有し、それによって、唇部はリンクの前方開口の小さい直径に係合し、人工装具システムの分裂を防止する請求項１の人工装具システム。
キャップを柱に留めるためのキャップ保持ファスナーをさらに備える請求項２の人工装具システム。
リンクに設けられた後方開口と、リンクの後方開口に嵌合して駆動軸を受け入れるように適合された２つのブッシングとをさらに備える請求項１の人工装具システム。
駆動軸を適所に保持するように適合された２つの駆動軸保持ファスナーをさらに備える請求項１の人工装具システム。
駆動軸保持ファスナーがクリップ型ファスナーである請求項５の人工装具システム。
脛骨ステム部の先端に設けられたモールステーパをさらに備える請求項１の人工装具システム。
モールステーパが、患者の脛骨の骨髄内管に挿入されるように適合された請求項７の人工装具システム。
モールステーパの先端に接続するように適合された長い脛骨ステムをさらに備える請求項７の人工装具システム。
脛骨ステム部に接続するように適合された脛骨本体セグメントをさらに備える請求項１の人工装具システム。
大腿部ステム部の基端に設けられるモールステーパをさらに備える請求項１の人工装具システム。
モールステーパが、患者の大腿部の骨髄内管に挿入されるように適合された請求項１１の人工装具システム。
モールステーパの基端に接続するように適合された長い大腿部ステムをさらに備える請求項１１の人工装具システム。
大腿部ステム部に接続するように適合された大腿部本体セグメントをさらに備える請求項１の人工装具システム。
脛骨インサートが後方の切り欠きを有し、脛骨台の上側が後方当り止めを有し、それによって、脛骨インサートの回転が後方当り止めにより制限される請求項１の人工装具システム。
切り欠きに嵌合し当り止めを囲んで脛骨インサートの回転を防止するように適合された生物学的に再吸収可能なバンパーをさらに備える請求項１５の人工装具システム。
駆動軸の中心点と関節丘の先端部分との間の第１の距離が、駆動軸の中心点と関節丘の後方部分との間の第２の距離と異なる請求項１の人工装具システム。
大腿部コンポーネントが予め組立てられ、適当なサイズの脛骨インサートと対応するキャップとが膝関節の交換中に選択される請求項２の人工装具システム。
リンクは、脛骨コンポーネントを大腿部コンポーネントに結合し、脛骨コンポーネントを脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントとの間の脛骨インサートに結合し、接触の中心が関節丘と脛骨インサートの支持面との間にあり、リンクが上下方向に動くように適合され、前後方向への動きが抑制され、関節丘と支持面との間の接触の中心が、大腿部コンポーネントが屈伸するときに前後方向に移動する請求項１の人工装具システム。
リンクと脛骨インサートとは、上下軸を中心に回転するように適合された請求項１９の人工装具システム。
リンクは、脛骨コンポーネントを大腿部コンポーネントに結合し、脛骨コンポーネントを脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントとの間の脛骨インサートに結合し、接触の中心が関節丘と脛骨インサートの支持面との間にあり、リンクは、屈曲中に接触の中心を後方へ移動させ、上下方向に屈伸回転の軸を移動させ、脛骨コンポーネントと脛骨インサートと大腿部コンポーネントとを上下軸を中心に回転させて膝関節に自然な動きを与えると共にその運動を制御するように適合された請求項１の人工装具システム。
切断ブロック，リーマおよび試行品をさらに備える請求項１の人工装具システム。
人工装具の屈曲中にリンクが大腿部コンポーネントと脛骨インサートとの間で相対的な前後運動を生み出すように作動すると共に、大腿部コンポーネントと脛骨コンポーネントとの間の固定関係を前後方向に維持する請求項１の人工装具システム。
大腿部コンポーネントが駆動軸を中心に回転するように適合され、リンクが人工装具システムの屈曲中に柱に沿って上方に動くように適合された請求項２３の人工装具システム。
（ａ）上側と下側を有する脛骨台と脛骨ステム部とを備えた脛骨コンポーネント、
（ｂ）支持面を有し、脛骨台の上側に設置されるように適合された脛骨インサート、
（ｃ）中央ハウジングと、支持面上で移動するように適合された一対の関節丘を有するベース部と、屈伸回転の軸とを有する大腿部コンポーネントと、
（ｄ）接触の中心が関節丘と支持面との間に存在するように、脛骨コンポーネントを、大腿部コンポーネントに結合すると共に、脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントとの間の脛骨インサートに結合する機械的結合コンポーネントとを備え、機械的結合コンポーネントは、上下方向に移動するように適合され、前後方向の運動が抑制され、関節丘と支持面間の接触の中心は、大腿部コンポーネントが屈伸によって動くときに前後方向に移動する、膝関節の役目を果す人工装具システム。
結合コンポーネントと脛骨インサートは上下軸を中心に回転するように適合された請求項２５の人工装具システム。
脛骨コンポーネントが脛骨台の上側に柱を有し、その柱は基端と先端を有し、大腿部コンポーネントのベース部は一対の後へ伸びる突出部を有し、機械的結合コンポーネントは、突出部に接続して突出部間に延びるように適合された駆動軸と、前端と後端を有し後端で駆動軸に接続して前端で柱を受入れるように適合されたリンクとを備える請求項２５の人工装具システム。
リンクに設けられた前方開口と、柱の基端に搭載されるように適合されたキャップとをさらに備え、キャップは柱の直径を越えて延びる唇部を有し、リンクの前方開口は先端に小さい直径を有し、それによって、唇部は小さい直径に係合して分裂を防止する請求項２７の人工装具システム。
脛骨インサートは後方の切り欠きを有し、脛骨板は後方の当り止めを有し、それによって、脛骨インサートの回転が後方の当り止めにより制限される請求項２６の人工装具システム。
切り欠きに嵌入し当り止めを囲んで脛骨インサートの回転を防止するように適合された請求項２９の人工装具システム。
（ａ）上側と下側を有する脛骨台と脛骨ステム部とを備えた脛骨コンポーネントと、
（ｂ）支持面を有し、脛骨台の上側に設置されるように適合された脛骨インサートと、
（ｃ）中央ハウジングと、一対の関節丘を有するベース部とを備え、屈伸回転の軸を有する大腿部コンポーネントと、
（ｄ）接触の中心が関節丘と支持面との間に存在するように、脛骨コンポーネントを、大腿部コンポーネントに結合すると共に、脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントとの間の脛骨インサートに結合する機械的結合コンポーネントとを備え、機械的結合コンポーネントは、屈曲中に接触の中心を後方に移動させるように適合され、屈伸の回転軸に上下方向の動きを与え、脛骨コンポーネント，脛骨インサートおよび大腿部コンポーネントを上下軸を中心に回転させて膝関節に自然な動きを与えると共にその運動を制御する、膝関節の役目を果す人工装具システム。
脛骨コンポーネントが脛骨台の上側に柱を有し、その柱が基端と先端を有し、大腿部コンポーネントのベース部が２つの後方に延びる突出部を有し、機械的結合コンポーネントが、突出部に接続して突出部間に延びるように適合された駆動軸と、前方端と後方端を有するリンクとを備え、そのリンクは後方端で駆動軸に接続して前方端で柱を受入れるように適合された請求項３１の人工装具システム。
リンクに設けられた前方開口と、柱の基端に搭載されるように適合されたキャップとをさらに備え、キャップは柱の直径を越えて伸びる唇部を有し、リンクの前方開口はその先端に小さい直径を有し、それによって唇部が小さい直径に係合して分裂を防止する請求項３２の人工装具システム。
脛骨インサートは後方の切り欠きを有し、脛骨台の上側は後方の当り止めを有し、それによって脛骨インサートの回転が後方の当り止めにより制限される請求項３１の人工装具システム。
当り止めを囲む切り欠きに嵌合して脛骨インサートの回転を防止するように適合された生物学的に再吸収可能なバンパーをさらに備える請求項３４の人工装具システム。
（ａ）切断ブロック、
（ｂ）リーマ、
（ｃ）試行品、および
（ｄ）人工装具
を備え、人工装具は、
（ｉ）上側と下側と上側上の後方当り止めとを有する脛骨台と、脛骨ステム部とを有する脛骨コンポーネント、
（ii）基端と先端とを有し脛骨台の上側から突出するように適合された柱、
（iii）柱の基端に搭載されるように適合され、柱の直径を越えて延びる唇部を有するキャップ、
（iv）開口を有する脛骨インサートを備え、脛骨インサートは脛骨台の上側に配置されるように適合され、脛骨インサートの開口は柱とキャップとを受入れるように適合され、脛骨インサートは後方の切り込みを有し、それによって脛骨インサートの回転が後方の当り止めにより制限され、
（ｖ）切り込みに嵌合し当り止めを囲んで所定時間だけ脛骨インサートの回転を防止するように適合された生物学的に再吸収可能なバンパー、
（vi）ベース部と、大腿部ステム部を有する中央ハウジングとを有する大腿部コンポーネントを備え、ベース部が一対の関節丘と２つの後方に延びる突出部を有し、
（vii）突出部間に延びるように適合された駆動軸、
（viii）前方リンク開口と後方リンク開口とを有するリンクを備え、前方リンク開口は先端に小さい直径を有し、それによって、キャップの唇部が前方リンク開口の小さい直径に係合して人工装具の分裂を防止し、
（ix）後方リンク開口に嵌入され駆動軸を受入れるように適合された２つのブッシングを備え、それによって、駆動軸がブッシングと後方リンク開口を貫通し、リンクが駆動軸上で回転できる、関節の外科的置換用システム。
（ａ）患者の脛骨の基端を切除して脛骨の骨髄内管を露出し、
（ｂ）患者の大腿骨の先端を切除して大腿部の骨髄内管を露出し、
（ｃ）脛骨ステムと大腿部ステムとを人工装具システムに接続し、人工装具システムが、
（ｉ）上側と下側とを有する脛骨台と、脛骨ステムを受入れるように適合された脛骨ステム部とを備えた脛骨コンポーネント、
（ii）支持面を有し、脛骨台の上側に配置されるように適合された脛骨インサート、
（iii）ベース部と、中央ハウジングと、大腿部ステム部とを有する大腿部コンポーネントを備え、大腿部コンポーネントは、屈伸回転軸を有し、ベース部は一対の関節丘を有し、大腿部ステム部は大腿部ステムを受入れるように適合され、
（iv）関節丘と支持面との間に接触の中心が存在するように脛骨コンポーネントと大腿部コンポーネントとの間に脛骨コンポーネントを大腿部コンポーネントと脛骨インサートに結合する機械的結合コンポーネントを備え、機械的結合コンポーネントは接触の中心を屈曲中に後方に移動させ、屈曲回転軸を移動させ、脛骨コンポーネントと脛骨インサートと大腿部コンポーネントを上下軸を中心に回転させ、屈伸回転軸を上下軸からずらせて膝関節に自然な動きを与えると共にその運動を制御し、
（ｄ）大腿部ステムを大腿部の骨髄内管へ挿入し、
（ｅ）脛骨ステムを脛骨骨髄管へ挿入する、
ことを含む患者の膝関節を置換する方法。
脛骨インサートが切り欠きを有し、脛骨台の上側が当り止めを有し、それによって脛骨インサートの回転がその当り止めにより制限される請求項３７の方法。
（ｆ）脛骨インサートの切り欠きと、脛骨台の当り止めとの間に生物学的に再吸収可能なバンパーを設置することをさらに備える請求項３８の方法。
外科医が最初の又は修正人工装具から人工装具システムに共通の骨切断と道具とを用いて変換することができ、最初の又は修正人工装具に対して３つの追加の切断が人工装具を収容するために必要である請求項３７の方法。
柱が脛骨台から突出し、キャップが柱に搭載されるように適合され、脛骨インサートが柱とキャップとを受け入れるように適合され、機械的結合コンポーネントが柱とキャップとを受入れるように適合された請求項３７の方法。
大腿部コンポーネントが予め組立てられ、適当なサイズの脛骨インサートと対応するキャップとが膝関節の置換中に選択される請求項４１の方法。