JP2005511892A6 - 高温クリープ抵抗性を有するフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

高温クリープ抵抗性を有するフェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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Abstract

改善された高温機械特性を有するフェライト系ステンレス鋼であって、25重量%より多いクロム、0.75重量%以上で1.5重量%以下のモリブデン、0.05重量%以下の炭素、およびニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が式:0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1 を満たす。このフェライト系ステンレス鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数の25%の範囲内にあり、そしてこの鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも一つのクリープ特性を示す。この鋼は、限定はされないが、固体酸化物燃料電池の集電相互接続部、加熱炉機械設備、化学プロセス工業用装置、石油化学工業用装置、電力発生用装置、汚染防止用装置、そして溶融銅およびその他の溶融金属を処理するための装置を含む高温用途に特に適する。

Description

本発明はフェライト系ステンレス鋼合金に関する。更に詳細には、本発明は、特に高温の用途に適する微細組織安定性と機械的性質を有するフェライト系ステンレス鋼合金に関する。そのような用途としては、限定はされないが、固体酸化物燃料電池の集電相互接続部(current collecting interconnects)、加熱炉機械設備、化学プロセス用装置、石油化学工業用装置、電力発生装置、汚染防止用装置、そして溶融銅およびその他の溶融金属を処理するための装置がある。
燃料電池は電力を発生するための極めて効率的で環境に優しい装置である。燃料電池の作動を支える基本原理は、燃料を燃焼させて電気を発生させることである。燃料は電解質として知られる透過性隔壁によって酸化材から分離される。電解質の燃料側の水素原子がイオン化される。生じたプロトンは電解質を通過し、一方、遊離した電子は外部回路を移動する。電解質の空気側で(燃料側の反対側で)2個のプロトンが1個の酸素原子と2個の電子に結合して水分子を生成し、熱が生じ、そして電気回路が完成する。外部回路で電子を使用することによってプロセスからエネルギーが回収されて、仕事が行われる。また、高温で作動する燃料電池の場合、空気側の反応から生じた熱は、燃料改質用として、または加熱用として使用することができ、電池全体の作動効率を増大させる。
現在、極めて関心をひいているタイプの燃料電池は固体酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell:SOFC)である。SOFCは高温(1450〜1800oF(788〜982℃))で作動し、これは、SOFCが内部で天然ガス、ディーゼル燃料、ガソリン、アルコール、および石炭ガスのような通常の炭化水素燃料を水素と一酸化炭素に改質できることを意味する。内部改質は、熱エネルギーを再循環させ、そして高価な白金族金属触媒の必要性を除去する。水素と一酸化炭素は共にSOFCの燃料として使用される。水素は前述の一般的な燃料電池反応を変形した反応において酸素と結合する。電解質は酸化物セラミックであって、これはプロトンよりも酸素イオン(O2−)を透過できる。従って、SOFCは他のタイプの燃料電池と反対方向に作動する。水素の燃焼に加えて、一酸化炭素はアノードで二酸化炭素に酸化されて、熱を放出する。これは、一酸化炭素が粗製燃料中に存在して、低温の燃料電池を汚染し、動作効率を低下させるため、好都合である。小型のSOFCは約50%以下の効率で作動する。更に効率を高めるために、中型およびそれ以上の規模のSOFCがガスタービンと組合わされてもよい。組合わされたSOFC‐ガスタービンのセットで得られる効率は70%に達する。
基本的なSOFCの設計に関して、いくつかの変形タイプが存在する。電解質は、一般にジルコニアの形態であって、これは格子の変化を防ぐために酸化物を添加して安定化したものであり、高温に加熱されたときに高いイオン伝導率を示す。このような酸化物‐安定化材料は一般に知られており、ここでは“安定化ジルコニア”と称する。SOFCは一般に安定化ジルコニア電解質としてイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含む。20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)におけるYSZの報告された熱膨張係数(coefficient of thermal expansion:CTE)は約11×10−6/℃である。
極めて高温度(1800oF(982℃))で作動し、そして寸法が大きく、比較的構造が簡単な管状のSOFCが開発されている。管状のSOFCは、装置中の個々のSOFC管の大きさと数を増大させることによって大きさを拡大できる。ごく最近、“平面状の(planar)”SOFC(PSOFC)が開発された。PSOFCは比較的小型であり、そして平坦な電池の積層から構成される。アノードプレートとカソードプレートは一般にセラミック材料である。透過性のニッケル‐ジルコニアサーメットもアノード用に使用されてきた。
相互接続部(interconnect)は燃料電池によって生じた電子を集めるために必要である。また、相互接続部は酸化ガス流と還元ガス流のための物理的な隔離板としても機能する。それ故、燃料電池の相互接続部を形成するために使用する材料は、導電性、耐酸化性、そして機械的安定性であるべきであり、また相互接続部に隣接して物理的に配置されるであろう燃料電池のセラミック部品の熱膨張特性に実質的に匹敵する熱膨張特性を有するべきである。最近まで、SOFCの相互接続部は、高温において導電性のセラミック材料、通常はCaOまたはSrOでドープしたLaCrOから一般に作製されていた。セラミックスは長時間高温に曝された場合でも概して安定しているが、一方でセラミックスは脆くて比較的高価であり、そして金属に比べて電気の不良導体である。特定の金属の相互接続部は、相互接続部の目的のために開発されたクロム基合金から作製されている。この合金は十分な耐酸化性と安定化ジルコニアと同等の良好な熱膨張性を備える。しかしながら、この合金の製造に使用する粉末冶金法は合金を高価にし、この合金から製造されるSOFCの価格をかなり上昇させる。
ステンレス鋼からSOFCの相互接続部を作製すると、ステンレス鋼は電気導電率がセラミックスより大きく、そしてセラミックスよりも脆さが少ない形態であるため、セラミックスを超える利点を与えるであろう。しかしながら、SOFCの相互接続部の用途にステンレス鋼を使用することによって生じる問題としては、酸化、熱膨張、およびクリープの問題がある。酸化は、電流を伝導するステンレス鋼の能力を低下させて、経時の燃料電池の出力を低下させるであろう。標準的なオーステナイト系ステンレス鋼は慣用のSOFCの電解質セラミックスと同等の良好な熱膨張を与えない。セラミック電解質と同等の良好な熱膨張を提供できるフェライト系ステンレス鋼は、一般に低いクリープ抵抗性を示す。例えば、E−BRITE(登録商標)(UNSS44627)、AL29‐4‐2(登録商標)(UNS S44800)およびALFA‐IV(登録商標)(合金の要約SS‐677,ASMインターナショナル)の各合金を含むいくつかの市販のステンレス鋼について本発明者によって実施された試験によって、E−BRITE合金がSOFCの使用に容認できる熱膨張性と良好な熱安定性を有し、そして好ましいCr酸化物を形成することが実証された。しかしながら、E−BRITE合金のクリープ抵抗性は、SOFCの用途のためには決して望ましいものではない。
従って、高温クリープ抵抗性と良好な熱安定性およびSOFCの集電相互接続部として使用するのに適する特性を有し、また化学プロセス用装置、石油化学工業用装置、電力発生装置、汚染防止用装置のような他の高温の用途に使用するのに適する特性を有し、また加熱炉機械設備や溶融金属を処理するための装置に使用するのに適する特性を有する改良されたステンレス鋼の必要性が存在する。
本発明は、25重量%より多いクロム、0.75重量%以上で1.5重量%以下のモリブデン、0.05重量%以下の炭素、およびニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含むフェライト系ステンレス鋼であって、ここで、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が式0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1を満たすフェライト系ステンレス鋼を提供することによって、上述の要求に対処する。本発明の鋼は、20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)の範囲で安定化ジルコニアのCTE(熱膨張係数)の約25%の範囲内のCTEを有する。また、本発明の鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を示す。
また、本発明はフェライト系ステンレス鋼合金を製造する方法を提供し、この方法は、25重量%より多いクロム、0.75重量%以上で1.5重量%以下のモリブデン、0.05重量%以下の炭素、およびニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含む鋼であって、ここで、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が式0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1を満たす鋼を形成する工程を含む。この鋼は、20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)において安定化ジルコニアのCTEの約25%の範囲内にあるCTEを有し、また好ましくは、安定化ジルコニアのCTEよりも大きいCTEを有する。またこの鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を有する。次の工程において、前記鋼は溶体化焼鈍(solution annealing)され、次いでこの焼鈍温度から冷却される。溶体化焼鈍は、好ましくは合金の意図される使用温度および1600oF(871℃)のうちの少なくとも高い方の温度で実施される。所望により、溶体化焼鈍されたステンレス鋼は、この鋼を硬化するために析出熱処理される。
また本発明は、本発明のステンレス鋼からの製造品を提供する。この製造品は慣用の技術を用いて製造できる。
本発明のステンレス鋼は、他のフェライト系ステンレス鋼に比して改善された高温クリープ抵抗性を含む改善された高温機械特性を示す。またこの鋼は、SOFCにおける電解質として通常使用されているイットリア安定化ジルコニア(YSZ)と同等の良好な熱膨張性を示すであろう。従って、この鋼は、電流を運ぶ相互接続部や流体隔離板(flow separator)としてSOFCでの使用に適していて、そしてセラミックの代わりに使用できる。また、この鋼は、例えば、酸素センサー装置、特定の化学プロセス装置、石油化学装置、電力発生装置、汚染防止装置、高温加熱炉機械設備、そして溶融金属処理装置を含む高応力、高温の用途に使用するのに適するであろう。
以下の本発明の態様の詳細な説明を検討することによって、本発明の上述の詳細と利点が理解されるであろう。また、本発明のステンレス鋼を作製し、および/または使用することによって、本発明の更なる詳細と利点が理解されるであろう。
SOFCにおいてセラミックの相互接続部をステンレス鋼の相互接続部に置き換えることが有利であると考えられていた。しかしながら、この分野における初期の仕事によって、検討された種々の既存のステンレス鋼に欠点があることが判明した。例えば、オーステナイト系ニッケル基材料は、不十分な熱膨張係数を示すことが判明した。アルミナ形成フェライト系合金は、酸化された後に導電性がないため、不適当であることが判明した。
また、本発明者は、AL29‐4‐2、ALFA‐IVおよびE−BRITEの商品名でペンシルベニア州ピッツバーグのAllegheny Ludlum社から提供される市販のフェライト系ステンレス鋼を、高温におけるSOFCの相互接続部としての適合性について検討した。AL29‐4‐2合金はUNS表示S44800で記載され、そしてA240を含むいくつかのASTM表示で記載される。AL29‐4‐2合金の典型的な組成範囲(重量%)は、28.0〜30.0%クロム、3.5〜4.2%モリブデン、2.0〜2.5%ニッケル、残部の鉄と残留不純物である。ALFA‐IV合金は米国特許第4,414,023号に概略的に記載された有標合金であって、20重量%クロム、5重量%アルミニウム、および0.3重量%希土類金属から成る公称組成を有する。E−BRITE合金は、公称値で26重量%クロム、1重量%モリブデンのステンレス鋼であって、米国特許第3,807,991号に概略的に記載される。
AL29‐4‐2合金はシグマ相の著しい析出により、高温で深刻な脆化を示すことが判明した。ALFA‐IV合金は適切な水準を超える熱膨張性を示し、好ましくない非導電性のAl膜を形成することが判明した。E−BRITE合金は、AL29‐4‐2合金およびALFA‐IV合金よりもSOFCの相互接続部の用途に概ね適用できることが判明したが、しかし主に高温においてクリープ抵抗性が受け入れ難いほど低いため、これも不適当であった。
市販のE−BRITE合金に比べて、改良された高温クリープ抵抗性を含む高温における改善された機械的性質を有するフェライト系ステンレス鋼は、SOFCの相互接続部のような用途や高温におけるその他の用途に有益である。実験によって本発明者は、25重量%より多いクロム、0.75重量%以上で1.5重量%以下のモリブデン、0.05重量%以下の炭素、0.4〜1重量%のニオブを含有するフェライト系ステンレス鋼を特定した。好ましくは、この合金の炭素含量は0.005重量%に限定されるが、更に以下に述べるように、この合金中にニオブやその他の炭化物形成物(例えばチタン)が存在すると、0.05重量%の範囲まで炭化物を安定化させるであろう。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を有することにおいて更に特徴づけられる。
YSZはSOFCにおける一般的な安定化ジルコニア電解質であるため、本発明の鋼は、好ましくは20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)の間でYSZのCTEの約25%の範囲内のCTEを有する。上述したように、前記温度範囲でYSZのCTEは約11×10−6/℃である。従って、前記CTE値の約25%の範囲は約8.25〜約13.75×10−6/℃である。
動作温度でのSOFCにおける金属要素のクリープおよび/または応力の緩和が小さい場合には、この装置は、その温度である程度の時間の経過後において実質的に応力がない状態になるであろう。SOFCが後に冷却される場合、金属のCTEが安定化ジルコニア電解質のCTEよりも小さいと、金属は圧縮状態に置かれ、セラミックは引張状態に置かれるであろう。脆い材料は好ましくは圧縮状態で用いられるが、引張状態に置かれると突然に破損することがよく知られている。それ故に、金属は酸化物安定化セラミックと少なくとも同じ大きさの熱膨張係数を有することが望ましい。従って、本発明のフェライト系ステンレス鋼のCTEは、20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)において、好ましくはYSZのような安定化ジルコニアのCTEと少なくとも同じ大きさであり、また、安定化ジルコニアのCTEよりも最大で25%大きくてもよい。本発明者はさらに、本発明のフェライト系ステンレス鋼の特性をSOFCの相互接続部用に最適化するために、この鋼を溶体化焼鈍して、次いで加工処理する間に焼鈍温度から冷却するのが好ましいことを更に発見した。溶体化焼鈍は、好ましくは合金の意図される使用温度および1600oF(871℃)のうちの少なくとも高い方の温度で実施される。本発明者は、この合金を高すぎる温度(例えば2200oF(1204℃)を超える温度)で長時間焼鈍すると、結晶粒が過度に成長して、合金の靭性と成形性が阻害されることを見出した。焼鈍温度からの急冷(例えば水焼入れ)は、必要であるとは認められなかったが有害ではない。また、炉中冷却のような超徐冷も、必要であるとは認められなかった。空冷またはそれと同等の速度での代替手段による冷却が一般に好ましい。高い硬度が必要な用途に使用するために合金の特定の機械的性質を変更する目的で、溶体化焼鈍されたステンレス鋼が慣用の方法によって析出熱処理されてもよい。
クロムはステンレス鋼の耐酸化性に寄与し、また高温で導電性のCrのスケールの生成に寄与する。また、クロムは鋼の熱膨張性を低下させる主な原因であるため、この鋼の熱膨脹性はジルコニアのそれに匹敵する。約25重量%未満のクロムを含有する鋼はこれらの好ましい特性を示さないであろうと考えられる。しかし、クロム含量が約35重量%を超えて増大する場合には、この鋼は熱間加工するのが困難になり、その結果、製造コストが増大する。更に、このようにクロム含量の高い鋼は、好ましくない金属間シグマ相(FeCr)を形成し易いであろう。従って、クロム含量は好ましくは約35重量%以下であり、更に好ましくは約30重量%以下であり、そして最も好ましくは約27.5重量%以下である。
モリブデンは熱膨張性を低下させる。またモリブデンは固溶体強化に寄与し、そしてニオブと共に強化されたラーベス相(Fe(Nb,Mo))の析出物を形成する。しかし、モリブデンは、ステンレス鋼が好ましくないシグマ相、および同様に好ましくないカイ相(chi phase)(Fe,Cr,Mo)を析出させる傾向を実質的に増大させる。また、モリブデンは鋼の耐酸化性を阻害し、そして特定の状況下で酸化の異常な形態を促進する。これらの理由により、ステンレス鋼のモリブデン含量を注意深く制御するのが好ましい。約0.75重量%以上で約1.5重量%以下、好ましくは約1.2重量%以下のモリブデン含量が、合金の特性に及ぼすこの元素の望ましい影響と望ましくない影響との間に特に適切なバランスを与える。特に、本発明者によって製造された0.9〜1.1重量%のモリブデンを含む実験用合金は、特性の特に望ましいバランスを示した。
フェライト系ステンレス鋼における炭素の役割はよく知られている。約0.010重量%未満の炭素含量が、不安定化した合金において延性を得るために必要である。特性を最適化するために、0.005重量%未満の炭素含量が必要である。しかし、本発明のステンレス鋼のニオブ含量は炭素の多くの効果を低減するであろう。従って、炭素含量を安定化するために十分な炭化物形成元素が存在する場合には、約0.05重量%以下の炭素含量が許容される。当業者は、所定の炭素含量を安定させるために、本発明の特定の合金中に存在する必要のある炭化物形成元素の量を容易に決定できる。本発明の鋼から溶接された製品が形成される場合、溶接部の高温割れを防ぐために、好ましい0.005重量%の上限を守ることが望ましい。
ニオブを少量添加すると、フェライト系ステンレス鋼のクリープまたは“垂れ下がり(sag)”抵抗性を改善できることが判明した。適切な状況下でニオブを添加すると、ラーベス相(Fe(Ta,Nb,Mo))の析出物の微細分散が生じる。本発明のステンレス鋼におけるニオブの適切な含量を以下に述べるような実験を通して決定した。チタンを合金中のニオブの一部と置換できると考えられる。更に、タンタルは合金の特性に及ぼす影響がニオブに類似するが、ニオブよりも重く、そして実質的にニオブよりも高価である。2重量%のタンタルが1重量%のニオブおよびチタンと等価であることに基づいて、タンタルの全部または一部をニオブおよびチタンと置換できると考えられる。従って、本発明者により観察された本発明のステンレス鋼の改善された特性は、この鋼中にニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含有させ、このとき、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たすことによって達成できると考えられる:
0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1
好ましくは、本発明の鋼は0.50重量%以下のチタンを含有する。
チタンを本発明のステンレス鋼に加える一つの利点は、チタンが窒素をTiNとして溶体から除去することであろう。これにより、NbNおよびCrNbNの析出物の生成を良好に防ぐことができ、従って、望ましいラーベス相(FeNb)強化析出物の形成のためにニオブ(チタンよりも更に高価な合金添加物)を保持できるであろう。また、チタンを添加すると炭素を溶体から同様に除去し、これによりNbCおよびNbCNの形成を良好に防止できると考えられる。また、チタンの量が約0.07重量%以上であると、ニオブで誘起される溶接割れの問題が緩和されるようであることが観察された。
合金化添加物に伴うコストを抑えながら、高温特性の著しい改善を良好に確保するために、本発明の鋼中のニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満足させるように狭く制御される:
0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
ここで、チタンの最大含量および好ましい含量は前述の式のものと同じである。
前述の元素の他に、本発明のフェライト系ステンレス鋼は1種またはそれ以上の希土類元素から成る添加物を含有できる。これらの任意の希土類添加物としては、限定はしないが、約0.1重量%以下のセリウムおよび約0.05重量%以下のランタンがある。合金添加物としての希土類元素の添加は、鉄基合金の耐酸化性を増大させるのに極めて有益であることが判明した。そのような効果はイットリウム、ランタンおよびセリウムについて実証された。その他の希土類元素は高価であり、そして効果が弱いが、前記目的のために使用可能である。このような元素を本発明のステンレス鋼に添加する場合、必ずしも単一の希土類金属(REM)のみを添加する必要はない。ミッシュメタルとして知られるREM元素の商業的に製造された混合物が経済的なREMのドーピングを与えるために使用できる。この技術分野で知られているように、ミッシュメタルは、約50重量%のセリウムを含有し、残部が主にランタンとネオジムである金属希土類元素の天然由来の混合物である。
金属合金の耐酸化性に及ぼす希土類元素の影響について種々の機構が提案されている。現在、最も広く容認されている機構は、酸化物/酸化物の粒界および酸化物/金属の界面のような内部表面の改変に基づく。この機構の改変は、REM原子が酸化物/金属の界面の硫黄を固定する“汚染された界面”モデルである。この機構が容認されるのは、REMを含有しない合金中の硫黄を超低レベル(1ppm未満)まで低下させると、典型的な硫黄含量(3〜100ppm)を有する合金にREMを添加した場合とほぼ同じ効果が得られるという発見によって支持される。提案されたその他の理論としては、スケールの可塑性の増加、保護酸化物形成の促進、および希土類酸化物ペグ(peg)の形成による金属に対するスケールの機械的固定がある。実際の機構に関わらず、本発明に重要なことはREMの添加によって耐食性が増大することである。多すぎる量のREMを添加しないことが重要である。というのは、これらの元素は鉄基合金中の溶解度が限定されていて、過剰な溶質は好ましくない金属間相または深い共晶あるいはこれらの両方を生成し、そして熱間加工性を著しく悪化させるためである。また高レベルのREMは、REMの酸化物の島が形成され、そして酸化速度が増大することによって特徴づけられる“オーバードーピング”をも引き起こすであろう。
また、他の非REM元素を添加しても耐酸化性が向上するであろう。特に、ハフニウムはREMの添加で得られる利点に類似した利点を与える。しかしながら、ハフニウムは極めて高価である。ジルコニウムは効果が劣るが、極めて低コストであるため、ハフニウムと同等の量を置換できる。REM元素と同様に、合金に含まれるジルコニウムおよび/またはハフニウムの量は多すぎてはならず、さもないと過剰量の好ましくない金属間相が形成されるであろう。従って、ハフニウムおよび/またはジルコニウムは合計量で約0.05重量%以下で合金中に含有されていてもよい。
また、合金を改善するかまたは合金に別の特性を与えるために、他の合金化元素および公知の添加剤を添加することが実施されてもよい。このような添加剤としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、タングステンおよびマンガンがある。ケイ素は脱酸素剤として製鋼に使用される。ケイ素はラーベス相の析出を促進するが、しかし、好ましくないシグマ相の析出も促進する。固溶体において、ケイ素はフェライトを硬化させて、これを脆くする。従って、存在する場合、本発明の合金のケイ素含量は、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満に限定される。
アルミニウムは脱酸素剤および硬化剤である。アルミニウムはケイ素よりも有効な脱酸素剤であるため、完全な酸化を実施するためには、少ない残留量のアルミニウムが必要である。アルミニウム含量は、存在する場合、好ましくは約0.25重量%未満、より好ましくは約0.002〜約0.05重量%の範囲である。
タングステンは一般に、効果がモリブデンに類似するが、より重く、より高価であり、そして合金に溶解することが更に困難である。タングステンはモリブデンと共に導入してもいいが、しかし存在する場合、好ましくは約0.25重量%未満のレベルに維持される。
マンガンは、硫黄で生じる熱間脆性を軽減するために炭素鋼に意図的に添加される。マンガンは一般的にステンレス鋼中に存在するが、本発明の合金においては、好ましくは約1重量%未満に制限され、そしてより好ましくは約0.5重量%未満に制限される。
不可避の不純物が本発明のステンレス鋼中に存在するであろう。これらの不純物のうちで重要なものは窒素、銅、硫黄およびリンである。溶融したFe‐Cr合金は空気に接触すると容易に窒素を吸収する。このような合金のクロム含量が約18重量%を超えて増大すると窒素の除去はますます困難になる。フェライト系ステンレス鋼中の窒素は、クロムまたはアルミニウムの窒化物の析出を介してしばしば脆化を生じさせる。本発明の鋼の窒素含量は、好ましくは約0.04重量%未満に制限され、そしてより好ましくは約0.010重量%未満に制限される。硫黄は製鋼において不可避の不純物であり、一般的には好ましくない不純物である。硫黄はアルゴン酸素脱炭(AOD)精錬によって容易に除去されるが、真空誘導溶解(VIM)精錬では容易に除去されない。当業者に知られているように、AODは鋼の溶融体中の炭素の酸化を制御するための二次的な精錬方法であり、この方法において、酸素、アルゴンおよび窒素は、最下段の側面に取り付けられた羽口を通して溶融金属浴中に吹き込まれる。VIMは、金属が誘導加熱により真空室の内部で溶解する精錬および再溶融の方法である。
硫黄は、好ましくは最低の容易に達成できるレベルまで減量され、そしていかなる場合でも好ましくは、約0.010重量%以下とすべきである。リンは鋼の固溶体強化物であって、脆化を生じさせるであろう。リンはステンレス鋼から容易には除去されないため、極めて低レベルまでは容易に低減されないが、好ましくは約0.050重量%未満に制限される。銅は製鋼の間に容易に除去されないが、ほとんど無害である。高レベルの銅(約2重量%より多い)はフェライト系ステンレス鋼の熱間延性および熱間加工性を阻害する。E−BRITE合金において、銅は、沸騰塩化マグネシウム溶液中の応力腐食割れ(SCC)に対する良好な抵抗性を与えるために、約0.025重量%以下に制限される。SCCに対する高い抵抗性は本発明の特別の目的ではなく、そして銅は好ましくは約0.25重量%未満に制限される。
種々のフェライト系ステンレス鋼の特性を測定する試験を実施する前に、下の表1に示される組成を有するWC70〜WC75と表示された6種類の50ポンドのヒート(heat)をVIMによって調製した。表示された全ての数字は全ヒート重量の重量%である。
Figure 2005511892
ヒートWC70およびWC72は標準的なフェライト系ステンレス鋼の代表例であり、0.37重量%以下のニオブおよび各々0.001重量%以下のセリウム、ランタンおよびジルコニウムを含有する。ヒートWC70およびWC72に認められる組成はE−BRITEのフェライト系ステンレス鋼の典型である。ヒートWC71、WC73、WC74およびWC75は、本発明者により実施された下記の変更を行った標準的な合金の一般的組成を有する。即ち、WC71ヒートは増大したニオブ含量を含み、WC73ヒートはニオブとセリウムを含み、WC74ヒートはニオブ、セリウムおよびランタンを含み、そしてWC75ヒートはニオブ、セリウム、ランタンおよびジルコニウムを含む。表1において、セリウム、ランタンおよびジルコニウムに関する“<0.001”の表示の使用は、これらの元素の意図的な添加は行われなかったこと、および合金は有意量のこれらの元素を含有していないことが化学分析で判明したことを示す。以下に述べるように、標準のE−BRITE合金の組成に対する本発明者の変更により、微細組織安定性、機械的性質、および高温クリープ抵抗が著しく改善される。
表1のヒートはインゴットに鋳造され、そして試験前に加工された。各インゴットは2200oF(1204℃)でクロスローリング(cross rolling)され、このインゴットは幅が5インチ(127mm)の棒に延伸された。この技術分野で知られているように、クロスローリングは、前に行ったローリングの方向から約90度のローリング方向に金属製品をローリングするものである。次いで、このクロスローリングした棒を少なくとも2100oF(1149℃)の温度において一連の圧延スタンドを十分な通過数で熱間圧延して、0.125インチ(3.18mm)厚さの帯板を得た。次に、この熱間圧延された帯板を水焼き入れし、ショットブラストし、酸洗いし、そして0.040インチ(1.02mm)厚のストリップまで冷間圧延した。
冷間圧延に続いて、表1のヒートのそれぞれから形成したストリップの試料を再結晶の研究のために保存した。各ストリップの残りを1980oF(1082℃)(WC71〜WC75の合金)または1725oF(941℃)(WC70の合金)の温度および30秒の時間でライン焼鈍した(line annealing)。焼鈍に続いて、各ストリップを溶融ナトリウム塩中に短時間浸漬することによってスケールを除去し、次いで硫酸、硝酸、およびフッ化水素酸の混合物中で酸洗いして清浄化した。焼鈍した0.040インチ(1.02mm)厚さの材料の一部を、ストリップの寿命サイクル酸化試験のために、箔(0.002インチ/0.051mmの厚さ)にまで更に冷間圧延した。
各ヒートから形成して十分に加工したストリップに対して以下で説明する種々の試験を実施して、6種類の合金組成物の微細組織安定性、機械的性質、クリープ/破断強度そして耐酸化性をSOFC動作の代表的温度で測定した。
I.再結晶化の検討
各ヒートからの0.040インチ(1.02mm)厚さのストリップの試料であって、予め焼鈍され、酸洗いされ、そして冷間圧延された試料を微細組織安定性に関して評価した。製品に連続焼鈍を施すことをシミュレートするために、各ヒートからの切取り試片をマッフル炉内で1750〜2000oF(954〜1093℃)の温度範囲で30秒の時間焼鈍した。次いで、長尺の断片を顕微鏡標本にするためにマウントし、そして金属組織検査のために研磨した。試料の中心線および試料表面の近傍においてASTM標準規格E112に基づいて結晶粒度を評価した。表2(中心線での測定)および表3(試料表面の近傍での測定)は、ASTM結晶粒度の結果を示す。同じ試料上の2つの異なる点における異なる結晶粒度の測定は、例えば、“7.0/7.5”のように示される。結晶粒度の数値が大きいほど、結晶粒度は小さい。
Figure 2005511892
焼鈍後の試料の中心線における測定値を含む表2の結果に示されるように、わずか痕跡量のニオブと希土類元素を含有するヒートWC70およびWC72の合金は1750oF(954℃)で容易に再結晶し、そして約1950oF(1066℃)以上の温度で著しい結晶粒の成長を示した。ニオブ(ヒートWC71)、ニオブとセリウム(ヒートWC73)、そしてニオブ、セリウム、ランタンおよびジルコニウム(ヒートWC71)のそれぞれを痕跡量より多い量で含有する合金は、約2000oF(1093℃)まで再結晶する形跡を示さなかった。痕跡量より多くニオブ、セリウムおよびランタンを含有する合金(ヒートWC74)は、約2050oF(1121℃)まで再結晶しなかった。これらの結果は、ニオブを単独で、または希土類元素およびジルコニウムと共に添加すると、フェライト系合金の変更されない形態と比較して、最低限200oF(93℃)まで再結晶が遅延することを示す。
Figure 2005511892
焼鈍後に試料の表面近傍で行われた結晶粒度の測定値を含む表3に示された結果は、表2に示された結果と全く類似している。1750oF(954℃)で試験されたヒートWC71の試料は非等軸微細組織を示すことに注目すべきである。標準的なフェライト系ステンレス鋼の組成を有する試料であるヒートWC70とWC72は約1750oF(954℃)で再結晶化を開始し、そして顕著な再結晶は約1950oF(1066℃)以上で観察された。前と同じように、本発明者によって変更されたフェライト系合金は1950oF(1066℃)を超えるまで再結晶を示さず、そしてニオブ、セリウムおよびランタンを含有する合金(ヒートWC74)は2000oF(1093℃)まで再結晶の形跡を示さなかった。従って、ニオブを単独で、またはジルコニウムおよびセリウムやランタンのような希土類元素と共に添加すると、少なくとも200oF(93℃)まで再結晶化が遅延する。
図1は、ニオブを単独で、または希土類元素と組み合せて添加した場合の種々の合金の再結晶化に及ぼす影響をグラフにより示す。表2および表3における議論で示したように、ニオブを単独で含む合金、またはセリウム、ランタンおよびジルコニウムを含む希土類元素の1種またはそれ以上を加えた合金において、再結晶化は少なくとも200oF(93℃)まで遅延する。
特定の理論に拘束されるものではないが、変更された合金(WC73〜WC75を含む)の再結晶化に対する抵抗性は試料中にラーベス相が存在する結果であると考えられる。ラーベス相は耐摩耗性の向上に寄与する金属間相であるが、合金材料の延性と耐衝撃性を著しく低下させる。焼鈍された0.040インチ(1.02mm)厚の材料を金属組織分析すると、標準の合金(ヒートWC70)はラーベス相の析出物をほとんど含有しないが、これに対し、試験された変更の合金は、結晶粒内と粒界上に分布したラーベス相をかなり含有することが明らかになった。これらの析出物は粒界の動きを妨害して、結晶粒の成長を阻害する。従って、変更された合金は標準の合金よりも結晶粒度の安定性が大きい。
II.機械的試験
0.040インチ(1.02mm)厚の焼鈍されたストリップから引張り試験片を機械加工し、そして試験した。高温試験をASTME21で実施した。一つの合金につき最少で二つの試料の平均として計算された長手方向の引張特性を表4および図2に示す。
Figure 2005511892
表4および図2に示すように、変更されたヒート(ヒートWC71、WC73およびWC75)は、概ねわずかに減少した伸び(0.2%オフセット)を犠牲にして、高温において高い降伏強さと極限の引張強さの値を示した。標線の上または標線の外側で破壊した試料は、平均の伸びの計算から除外された。
表4に示すように、変更された合金(ヒートWC71、WC73およびWC75)の降伏強さは、標準の合金(ヒートWC70)よりも各試験温度において、一つだけ例外として、大きかった。唯一の例外の結果は、ヒートWC71合金について1562oF(850℃)で見られた。
変更された合金の引張強さは標準の合金の値よりも全ての高温度において例外なく大きかった。一般に、合金の硬さは合金の引張強さに比例する。これが現在における事実であった。表4を検討すると、変更された合金は標準の合金よりも硬度の値が大きいばかりでなく、引張強さも大きいことがわかる。従って、変更された合金は標準の合金よりも優れた機械的性質を有する。
III.クリープおよび応力の破断試験
クリープは応力の存在下で生じる時間に依存したひずみである。減少する速度で生じるクリープひずみは一次クリープと呼ばれ、最低の一定速度で生じるクリープひずみは二次クリープと呼ばれ、そして加速速度で生じるクリープひずみは三次クリープと呼ばれる。高温でのSOFCの相互接続部のクリープは電池の一体性を喪失させ、その結果、ガス漏洩が生じる。クリープ強さは、特定の定環境下での所定時間のクリープ試験において所定のクリープひずみを生じさせる応力である。ヒートWC70およびWC72として具体化されているような標準的なE−BRITE合金のクリープ強さは、SOFCの用途で遭遇する温度と応力において不十分であることが判明した。これに対し、標準の合金に対して実施された本発明に係る変更はクリープ抵抗性を著しく改善することが証明された。
クリープ破断強さは、特定の定環境の下での所定時間のクリープ試験において破断を生じさせる応力である。クリープ破断の試験は、試験片の漸進的な変形と破断するまでの時間が共に測定される試験である。標準の合金(ヒートWC70)および変更された合金(ヒートWC71、WC73およびWC75)からの0.040インチ(1.02mm)厚の材料を用いてクリープ破断試験を実施した。1715〜1735oF(935〜946℃)の温度で60秒の時間、標準の合金試料を焼鈍して、8〜9のASTM結晶粒度を得た。3種類の変更の合金から成る試料を1970〜1990oF(1077〜1088℃)の温度で30秒の時間を焼鈍して、約8のASTM結晶粒度を得た。この試験の目的は、変更の合金における合金化添加物のクリープ強さに及ぼす影響を評価することであった。結晶粒度はクリープとクリープ破断抵抗に関して極めて重要であることが示されているため、変更の合金および変更されない合金の両方が類似の結晶粒度(1〜2のASTM結晶粒度数の範囲内)を有していたという事実は、クリープ抵抗で観察される変動が組成および析出状態に起因することを示す。
0.040インチ(1.02mm)厚の焼鈍されたストリップからクリープ破断ブランク(blank:切り出し片)を縦方向に切り出した。クリープ破断試験をASTM E139に従って実施して、800℃(1472oF)、850℃(1562oF)、および900℃(1652oF)において、1000時間以下の時間および3500psi以下の印加応力の下で、1%クリープひずみまでの時間(図3(a)〜(c))、2%クリープひずみまでの時間(図4(a)〜(c))、および破断するまでの時間(図5(a)〜(c))を測定した。結果を図3〜図5に示す。図3〜図5に含まれるデータは以下の表5〜表16に示される。
Figure 2005511892
Figure 2005511892
Figure 2005511892
Figure 2005511892
Figure 2005511892
Figure 2005511892
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Figure 2005511892
Figure 2005511892
Figure 2005511892
Figure 2005511892
Figure 2005511892
図3〜図5を考察すると、組成を変更しても、最低の試験温度の800℃(1472oF)においてクリープ抵抗に実質的な差が生じるようには見えない。温度を850℃(1562oF)まで上げると、標準の合金と変更した合金のクリープ抵抗の間には多少の相違が生じた。900℃(1652oF)で試験すると、種々の合金のクリープ強度特性の間に明白な差異が生じた。変更された合金(ヒートWC71、WC73およびWC75)は標準の合金(WC70)に比較して高温の試験温度におけるクリープ抵抗が概ね増大することが実証された。1%クリープ、2%クリープ、および破断までの時間を測定するために実施された試験の結果は、高温の試験温度において不変であり、変更された合金は標準の合金に比べて優れたクリープ抵抗性を示した。例えば、試験データによれば、変更された合金は、900℃(1652oF)、400時間で少なくとも1000psiのクリープ破断強さを示し、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間であることを示し、そして、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間であることを示すことが理解されるであろう。これに対し、試験データによれば、標準の合金(WC70)は、900℃(1652oF)において900psiの低い応力でわずかに約156時間のクリープ破断寿命を示した。また、ヒートWC70の標準の合金は、900psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2.5時間で1%クリープひずみを示し、そして900psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間がわずかに5.0時間であることを示した。これらの差異は、合金の変更に起因するクリープ抵抗および破断抵抗におけるかなりの改善を実証する。
変更された合金の高温環境下での改善されたクリープ抵抗性は、この合金をSOFC並びに他の高温用途に使用するのに適するようにする。
IV.酸化試験
種々の合金(ヒートWC70〜WC75)の等温酸化の挙動を研究した。同じ二つの合金試料を800℃(1472oF)および900℃(1652oF)の温度に500時間曝した。試料をまず脱脂して金属表面からグリースと油を除去した。次に、試料を秤量し、アルミナるつぼ内に入れ、そして固体炉床を伴って作製された箱形炉内で実験室の周囲空気に高温で所定時間曝した。これらの試料を定期的に取り出し、秤量し、そして試験炉に戻した。測定した重量変化を試料の面積で割ることによって、時間の関数としての特定の重量変化(mg/cm)の曲線が得られた。
図6に示すように、800℃(1472oF)で等温酸化試験を行うと、全ての試料について同じような重量変化が生じた。標準の合金ヒート(ヒートWC70)は336時間後にわずかに高い重量増加を示した。しかし、500時間後に重量増加は全ての試料の間で近似した。スケールの破砕(フレーク状の粒子の表面からの分離)の形跡がなかったため、図6において336時間でのヒートWC70試料の偏ったデータポイントは不正確な測定によって引き起こされたものであろう。全ての試験片は変色または局部的浸食の形跡のない均一なチャコールグレー色を示した。
図7に示すように、850℃(1562oF)における等温酸化試験は3種類の試料のヒートWC70、WC71およびWC74に限定された。ヒートWC71からの試料(標準の合金に対してニオブ含量だけを変更したもの)は、標準の合金(ヒートWC70)またはニオブ、セリウムおよびランタンの添加により変更された合金(ヒートWC74)のいずれよりも高い重量増加を示した。この差異は168時間後に識別でき、そして500時間後により明確になった。
図8に示すように、900℃(1652oF)の温度に曝すと、低温で認められるものに類似した結果が示された。この際にも、ニオブだけの添加によって変更された合金(ヒートWC71)は、標準の合金(ヒートWC70)またはニオブ、セリウムおよびランタンを多く含有する変更された合金(ヒートWC74)のいずれよりもわずかに高い重量増加を示した。試験片は薄い緑色のかなり均一なチャコールグレーの酸化物スケールを形成した。局部的な変色の形跡が少し認められた。
放物線速度定数(parabolic rate constant)は酸化速度の指標である。この定数は所定の温度における全重量変化曲線を要約する。放物線速度方程式は△M/A=k√tの形で表わされ、ここで△M/Aは単位がmg/cmの比重量変化であり、tは時間であり、そしてk は放物線速度定数である。各合金について500時間の酸化暴露試験から得られた放物線速度定数を下の表17に示す。
Figure 2005511892
実施された暴露に関して計算値は実質的に分散(scatter)(対数目盛で±0.25)の範囲内にある。
熱サイクルの条件下の酸化は一般に一定温度の酸化よりも厳しい。酸化物と金属の熱膨張係数には通常著しい差異が存在する。これは、熱サイクルの間に高レベルの応力を発生させ、その結果、破砕(spallation)として知られる保護酸化物層の早すぎる剥離を生じさせる。酸化物の破砕は下地金属を露出させ、これは次いで急速に再酸化する。変更された合金ヒートの試料を0.002インチ(0.051mm)厚の箔に圧延し、そしてサイクル酸化試験の試験片に打ち抜いた。次いで、これらの試料を試験した。試料を2分間加熱するために電流を使用し、次いで試料を室温まで急速に冷却した。周囲温度中に2分間置いた後、試料を試験温度まで戻した。厚さの全体分の酸化によって生じるフィラメントの破損前のサイクルの合計数が、サイクル条件下の酸化に対する抵抗性の指標として使用される。同じ二つの試料を2100oF(1149℃)、2200oF(1204℃)および2300oF(1260℃)で試験した。図9に示された結果は、ニオブの添加により変更されたヒート(ヒートWC71)が低いサイクル酸化抵抗を示し、等温酸化試験で認められた一般的傾向を持続していることを示す(図9におけるCTFは“破損までのサイクル”である)。
V.熱膨張係数
前述したように、CTE(熱膨張係数)は燃料電池の相互接続材料の重要な特性である。燃料電池の相互接続部のCTEとセラミック部品のCTEとの間の不一致が大き過ぎる場合には、電池の機械的一体性、特に電池層間のシールが損なわれるであろう。従って、本発明のステンレス鋼におけるCTEは、20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)において、SOFCにおける慣用の電解質である安定化ジルコニアのCTEの約25%の範囲内にある。上述した理由から、この鋼のCTEは20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)において安定化ジルコニアのCTEと少なくとも同じ大きさであることが好ましく、また、それよりも約25%大きくてもよい。
従来のE−BRITE合金の試料を平均のCTEを測定するために試験した。E−BRITE合金(UNSS44627)は、重量%で、0.010%以下の炭素、0.40%以下のマンガン、0.020%以下のリン、0.020%以下の硫黄、0.40%以下のケイ素、25.0〜27.5%のクロム、0.50%以下のニッケル、0.75〜1.50%のモリブデン、0.015%以下の窒素、0.20%以下の銅、0.05〜0.20%のニオブ、および0.50%以下のニッケル+銅を含有する。CTE試験の結果を下の表18に示す。
Figure 2005511892
E−BRITE合金の炭素含量の低い制限およびニッケルと銅(個別に、および組合せて)に関する制限は、本明細書中で説明したように、本発明の合金においては緩和される。このような変化は合金の熱膨張係数に顕著な影響を及ぼさないと考えられる。また、本発明の合金中にニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を下の式を満たすように含有させると、合金のCTEに実質的に影響を及ぼさないと考えられる:
0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1
表18における全てのCTEの値は、20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)におけるYSZ(イットリア‐安定化ジルコニア)のおおよそのCTEである11×10−6/℃の約25%の範囲内にある。
従って、上記の試験結果は、本発明のフェライト系ステンレス鋼が標準的なフェライト系ステンレス鋼よりも改善された高温機械特性を有することを示す。例えば、E−BRITEフェライト系ステンレス鋼に比べて、本発明のステンレス鋼は、改善された微細組織安定性、向上した機械的性質、および高温における大きなクリープ抵抗性を示す。
本発明の鋼のスラブまたはインゴットを製造するために、あらゆる適当な慣用の溶融方法または精製方法を使用できる。スラブまたはインゴットは、ストリップ、シートまたはプレートのような製品に慣用の方法で更に加工され、溶体化焼鈍され、そして任意に析出熱処理されてもよい。予定される燃料電池の用途のために、鋼は使用温度(約1600〜1830oF(871〜999℃))で析出熱処理されるであろう。もっと低い使用温度を必要とする場合には、鋼を約1600oF(871℃)の温度に、この鋼を適切に強化するのに十分な時間、曝すことによって析出硬化させることが望ましい。
この鋼は、安定化ジルコニア含有電解質を有するSOFC用の部品に加工されてもよい。そのような部品としては、安定化ジルコニアを含有する電解質を有するSOFC用の隔離板や相互接続部がある。またこの鋼は、安定化ジルコニアを有する酸素センサー装置用の部品に加工されるか、またはその他の高温用途のための製品、例えば高温加熱炉機械設備および溶融銅やその他の溶融金属を処理するための装置に使用される製品に加工されてもよい。一例として、本発明のフェライト系ステンレス鋼を含むSOFCは、セラミックアノード、セラミックカソード、およびアノードとカソードとの中間にある安定化ジルコニア電解質を有していても良い。またこのSOFCは、本発明のフェライト系ステンレス鋼を含んでいてセラミック電解質に隣接して配置された相互接続部と隔離板の少なくとも一つを有していても良い。
以上の説明は本発明を明確に理解するのに適切な発明の態様を示すことを理解すべきである。当業者には明白であり、従って発明の理解を更に促進しないであろう発明の特定の態様は、説明を簡潔にするために提出されなかった。本発明は特定の態様に関して記述されたが、当業者は、以上の説明を考慮することにより、本発明の多くの修正および変更が採用できることを理解するであろう。このような発明の変更と修正の全てが上の説明および特許請求の範囲によって保護されるべきである。
数種類のフェライト系ステンレス鋼についての焼鈍温度の関数としてのASTM結晶粒度を示すグラフである。 種々の温度で試験された数種類のフェライト系ステンレス鋼についての種々の機械的性質を示すグラフである。 800℃(1472oF)、850℃(1562oF)および900℃(1652oF)の試験温度における数種類の試験されたフェライト系ステンレス鋼についての印加応力の関数としての1%クリープひずみまでの時間を示すグラフである。 800℃(1472oF)、850℃(1562oF)および900℃(1652oF)の試験温度における数種類の試験されたフェライト系ステンレス鋼についての印加応力の関数としての2%クリープひずみまでの時間を示すグラフである。 800℃(1472oF)、850℃(1562oF)および900℃(1652oF)の試験温度における数種類の試験されたフェライト系ステンレス鋼についての印加応力の関数としての破断までの時間を示すグラフである。 数種類のフェライト系ステンレス鋼について800℃(1472oF)での周囲空気への暴露時間の関数としての重量変化を示すグラフであって、等温酸化のデータを示す。 数種類のフェライト系ステンレス鋼を800℃(1472oF)で周囲空気に曝すことによって得られた等温酸化のデータを示すグラフである。 数種類のフェライト系ステンレス鋼を900℃(1652oF)で周囲空気に曝すことによって得られた等温酸化のデータを示すグラフである。 数種類のフェライト系ステンレス鋼の0.002インチ厚の試料についてのサイクル温度の関数としての破損までのサイクル(CTF)の平均値を示グラフである。

Claims (39)

  1. フェライト系ステンレス鋼であって、
    25重量%より多いクロム、
    0.75重量%以上で1.5重量%未満のモリブデン、
    0.05重量%以下の炭素、および
    ニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たし、
    0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1
    前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数の約25%の範囲内にあり、また前記鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を示す、フェライト系ステンレス鋼。
  2. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数と少なくとも同じ大きさである、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  3. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)におけるイットリア安定化ジルコニアの熱膨張係数の約25%の範囲内である、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  4. 前記鋼は0.50重量%以下のチタンを含む、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  5. 前記鋼は0.005重量%以下の炭素を含む、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  6. 0.1重量%以下のセリウム、0.05重量%以下のランタンおよび0.05重量%以下のジルコニウムから成る群から選択される少なくとも1種の元素を更に含む、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  7. 前記鋼は35重量%以下のクロムを含む、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  8. ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たす、
    0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
    請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  9. フェライト系ステンレス鋼であって、
    25〜35重量%のクロム、
    0.75重量%以上で1.5重量%未満のモリブデン、
    0.05重量%以下の炭素、および
    ニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで、前記鋼は0.50重量%以下のチタンを含み、そしてニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たし、
    0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
    前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数の約25%の範囲内にあり、また前記鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を示す、フェライト系ステンレス鋼。
  10. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数と少なくとも同じ大きさである、請求項9記載のフェライト系ステンレス鋼。
  11. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)におけるイットリア安定化ジルコニアの熱膨張係数と少なくとも同じ大きさである、請求項9記載のフェライト系ステンレス鋼。
  12. フェライト系ステンレス鋼を製造する方法であって、前記鋼は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数の約25%の範囲内の熱膨張係数を有し、また前記鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を有し、
    前記方法は、25重量%より多いクロム、0.75重量%以上で1.5重量%未満のモリブデン、0.05重量%以下の炭素、そしてニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含むフェライト系ステンレス鋼を用意し、ここで、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たし、
    0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1
    そして、
    前記鋼を溶体化焼鈍する、
    以上の工程を含む方法。
  13. 前記鋼を析出熱処理することによって鋼を任意に硬化する工程を更に含む、請求項12記載の方法。
  14. 前記鋼を溶体化焼鈍する工程は、鋼の意図される使用温度および1600oF(871℃)のうちの少なくとも高い方の温度で前記鋼を加熱する工程を含む、請求項12記載の方法。
  15. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数と少なくとも同じ大きさである、請求項12記載の方法。
  16. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)におけるイットリア安定化ジルコニアの熱膨張係数の約25%の範囲内である、請求項12記載の方法。
  17. 前記鋼は0.50重量%以下のチタンを含む、請求項12記載の方法。
  18. 前記鋼は0.005重量%以下の炭素を含む、請求項12記載の方法。
  19. 前記鋼は0.1重量%以下のセリウム、0.05重量%以下のランタンおよび0.05重量%以下のジルコニウムから成る群から選択される少なくとも1種の元素を更に含む、請求項12記載の方法。
  20. 前記鋼は35重量%以下のクロムを含む、請求項12記載の方法。
  21. 前記鋼におけるニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たす、
    0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
    請求項12記載の方法。
  22. 前記鋼は25ないし35重量%のクロム、0.75重量%以上で1.5重量%未満のモリブデン、0.005重量%以下の炭素、そしてニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで前記鋼は0.50重量%以下のチタンを含み、そしてニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たす、
    0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
    請求項12記載の方法。
  23. 安定化ジルコニアを含む電解質を有する固体酸化物燃料電池用の部品および安定化ジルコニアを有する酸素センサー装置の部品から成る群から選択される部品に前記鋼を加工する工程を更に含む、請求項12記載の方法。
  24. 前記部品は安定化ジルコニアを含む電解質を有する固体酸化物燃料電池用の隔離板と相互接続部から成る群から選択される、請求項23記載の方法。
  25. フェライト系ステンレス鋼を含む部品に隣接した安定化ジルコニアを含む部品を有する製造品であって、前記鋼は、
    25重量%より多いクロム、
    0.75重量%以上で1.5重量%未満のモリブデン、
    0.05重量%以下の炭素、および
    ニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たし、
    0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1
    前記鋼は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数の約25%の範囲内にある熱膨張係数を有し、また前記鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を有する、製造品。
  26. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数と少なくとも同じ大きさである、請求項25記載の製造品。
  27. 前記安定化ジルコニアはイットリア安定化ジルコニアである、請求項25記載の製造品。
  28. 前記鋼は0.50重量%以下のチタンを含む、請求項25記載の製造品。
  29. 前記鋼は0.005重量%以下の炭素を含む、請求項25記載の製造品。
  30. 前記鋼は0.1重量%以下のセリウム、0.05重量%以下のランタン、および0.05重量%以下のジルコニウムから成る群から選択される少なくとも1種の元素を更に含む、請求項25記載の製造品。
  31. 前記鋼におけるニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たす、
    0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
    請求項25記載の製造品。
  32. 前記鋼は35重量%以下のクロムを含む、請求項25記載の製造品。
  33. 前記鋼は25〜35重量%のクロム、0.75重量%以上で1.5重量%未満のモリブデン、0.005重量%以下の炭素、およびニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで前記鋼は0.50重量%以下のチタンを含み、そしてニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たす、
    0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
    請求項25記載の製造品。
  34. 前記製造品は安定化ジルコニアを含む電解質を有する固体酸化物燃料電池用の部品および安定化ジルコニアを有する酸素センサー装置の部品から成る群から選択される部品である、請求項25記載の製造品。
  35. 前記部品は安定化ジルコニアを含む電解質を有する固体酸化物燃料電池用の隔離板と相互接続部から成る群から選択される、請求項34記載の製造品。
  36. 固体酸化物燃料電池であって、
    アノードと、カソードと、安定化ジルコニアを含んでいて前記アノードとカソードの中間にある電解質、および前記アノードからの電流の通路を与える相互接続部を含み、この相互接続部はフェライト系ステンレス鋼を含み、
    このフェライト系ステンレス鋼は、25重量%より多いクロム、0.75重量%以上で1.5重量%以下のモリブデン、0.05重量%以下の炭素、およびニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで、ニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たし、
    0.4≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦1
    前記鋼は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数の約25%の範囲内にある熱膨張係数を有し、また前記鋼は、900℃(1652oF)で少なくとも1000psiのクリープ破断強さ、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において1%クリープひずみまでの時間が少なくとも100時間、および、1000psiの荷重の下で900℃(1652oF)において2%クリープひずみまでの時間が少なくとも200時間から選択される少なくとも1つのクリープ特性を示す、固体酸化物燃料電池。
  37. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)における安定化ジルコニアの熱膨張係数と少なくとも同じ大きさである、請求項36記載の固体酸化物燃料電池。
  38. 前記鋼の熱膨張係数は20℃(68oF)〜1000℃(1832oF)におけるイットリア安定化ジルコニアの熱膨張係数と少なくとも同じ大きさである、請求項36記載の固体酸化物燃料電池。
  39. 前記鋼は25〜35重量%のクロム、0.75重量%以上で1.5重量%未満のモリブデン、0.005重量%以下の炭素、およびニオブ、チタンおよびタンタルの少なくとも1種を含み、ここで前記鋼は0.50重量%以下のチタンを含み、そしてニオブ、チタンおよびタンタルの重量%の合計が下の式を満たす、
    0.5≦(%Nb+%Ti+1/2(%Ta))≦0.75
    請求項36記載の固体酸化物燃料電池。
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