JP6643906B2 - 耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6643906B2
JP6643906B2 JP2016006354A JP2016006354A JP6643906B2 JP 6643906 B2 JP6643906 B2 JP 6643906B2 JP 2016006354 A JP2016006354 A JP 2016006354A JP 2016006354 A JP2016006354 A JP 2016006354A JP 6643906 B2 JP6643906 B2 JP 6643906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
resistance
stainless steel
ferritic stainless
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016006354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017125248A (ja
Inventor
秦野 正治
正治 秦野
修 池上
修 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Stainless Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Stainless Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Stainless Steel Corp filed Critical Nippon Steel Stainless Steel Corp
Priority to JP2016006354A priority Critical patent/JP6643906B2/ja
Publication of JP2017125248A publication Critical patent/JP2017125248A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6643906B2 publication Critical patent/JP6643906B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、長期の高温酸化環境において耐Cr被毒性に優れた酸化皮膜を形成するとともに,材料損傷を抑止した耐クリープ強さを兼備したフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法に関する。特に、固体酸化物型燃料電池のセパレーターおよびその周辺の高温部材に好適である。
近年、石油を代表とする化石燃料の枯渇化、CO2排出による地球温暖化現象等の問題から、従来の発電システムに替わる新しいシステムの普及が加速している。その1つとして、分散電源,自動車の動力源としても実用的価値が高い「燃料電池」が注目されている。燃料電池にはいくつかの種類があるが、その中でも固体酸化物型燃料電池(以下、SOFC)はエネルギー効率が高く、将来の普及拡大が有望視されている。
SOFCの作動温度は、近年、固体電解質膜の改良により600〜900℃で作動するSOFCシステムが主流となっている。この温度域になると、高価で加工性の悪いセラミックスから安価で加工性の良好な金属材料の適用が検討されている。
金属材料に求められる特性は、先ず、600〜900℃の温度域で優れた「耐酸化性」を有していること,次に、セラミックス系の固体酸化物と同等の「熱膨張係数」を有すること、これらの基本的特性に加えて、高温での発電効率にセラミックス系固体酸化物と密着した状態において良好な「電気伝導性」を呈することである。ただし、普及拡大の視点からは、酸化環境の長期使用においてCrの蒸発によるセラミックス電極の被毒(以下、Cr被毒)を抑制して電気伝導性を損なわない汎用性の高い金属材料の適用が課題となっている。
従来、特許文献1〜3において、上述した耐酸化性と電気伝導性を兼備したフェライト系ステンレス鋼が開示されている。特許文献1〜3には、「Y,REM(希土類元素),Zr」のグル−プから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする高Crタイプのフェライト系ステンレス鋼が開示されている。これら文献記載の発明は、鋼表面にCr系酸化皮膜を形成させ、「Y,REM,Zr」の添加によりCr系酸化皮膜の耐酸化性と電気伝導性を改善している。
他方、特許文献4〜6では、高価な希土類元素の添加に頼らず、耐酸化性を損なわず電気伝導性を付与した高Crタイプのフェライト系ステンレス鋼も開示されている。特許文献4、5には、いずれも「Y,REM,Zr」等の希土類元素を必須とせず、導電性の高いCuの添加を特徴としている。更に特許文献5は、耐酸化性の視点から、Mn:0.4〜1.5%で2≦(Mn/Nb)≦3となるようにNbを調整している。また、特許文献6は、Mo:0.5〜2%を必須添加とし、Si:0.15%以下、Mn:0.3〜1%、Al:1%以下で2.5<Mn/(Si+Al)<8.0となるように成分調整することを特徴としている。
前記した通り、従来,SOFC用金属材料としては、高Crタイプのフェライト系ステンレス鋼において、(1)高価な希土類元素(Y,REM,Zr等)の添加、(2)導電性を有するCuの添加やNb、Mn、Si、Alの成分調整により耐酸化性と電気伝導性の改善を図っている。前者のステンレス鋼は、SOFC普及拡大の視点から汎用性とコスト低減に大きな課題がある。後者のステンレス鋼は、高温酸化環境において、Cr被毒に伴う電気伝導性の耐久性について不明である。
特許第4310723号公報 特許第4737600号公報 特許第4385328号公報 特許第4675066号公報 特許第5704823号公報 特許第5716054号公報
近年、普及拡大が期待されるSOFCシステムの場合、SOFCのセパレーターおよびその周辺部材はホットモジュールと呼ばれる一体化された構造体を有し、500〜800℃の温度域で連続運転される。これらSOFCシステムの耐久・実証試験において、これら部位に希土類元素を添加しない高Crタイプのフェライト系ステンレス鋼を使用した場合、前記したCr被毒に伴う電気伝導性の耐久性が問題となる場合もある。加えて、フェライト系ステンレス鋼を使用した場合、高温運転中のクリープ変形、特に構造体としての耐久性向上の視点から750℃付近の数%程度の僅かな変形を抑止することも新たな課題として浮上した。特許文献1〜6に開示された高Crタイプのフェライト系ステンレス鋼は、長期の高温酸化環境において耐Cr被毒性に加えて耐クリープ強さを兼備することが求められる。
以上に述べた通り、高温酸化環境下の耐久性として新たな課題である耐Cr被毒性ならびに耐クリープ強さを実現したSOFC用フェライト系ステンレス鋼については未だ出現していないのが現状である。
本発明は、上述した課題を解消すべく案出されたものであり、希土類元素の添加に頼ることなく、長期の高温酸化環境下において、耐Cr被毒性と耐クリープ強さを兼備した固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼を提供するものである。
(1)質量%にて、C:0.03%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、P:0.045%以下、S:0.003%以下、Cr:19〜24%、Mo:0.5〜2%、N:0.02%以下、Al:0.2%以下、V:0.2%以下、Nb:0.001〜0.5%を含み、更に下記(a)及び(b)の少なくともいずれかを満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼。
(a)B:0.0050%以下、Ga:0.010%以下、Mg:0.010%以下、Ca:0.010%以下の1種または2種以上を(1)式を満たす範囲で含有する。
10×(B+Ga)+Mg+Ca>0.015・・・(1)式
(b)0.35<Si/(Mn+Al+V)<3.50・・・(2)式
但し、式(1)及び(2)中、B、Ga、Mg、Ca、Si、Mn、Al、Vはそれぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
(2)前記鋼が、さらに質量%にて、Sn:0.3%以下、Sb:0.3%以下、Ti:0.5%以下、Ni:1%以下、Cu:1%以下、W:1%以下、Co:1%以下、Zr:0.1%以下、La:0.1%以下、Y:0.1%以下、Y及びLa以外のREM:0.1%以下の1種または2種以上含有していることを特徴とする(1)に記載する耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼。
(3)大気中、850℃にて100時間保持した後で室温へ冷却したとき、原子%比率でCr濃度が50%以上の深さ範囲が2.0μm未満である酸化皮膜が前記ステンレス鋼の表面に形成されていることを特徴とする(1)および(2)に記載する耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼。
(4)750℃、初期応力20MPaにおいて、2%のクリープ歪に到達する時間が150時間以上であることを特徴とする(1)および(2)に記載する耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼。
(5)(1)、(2)のいずれかに記載の組成を有するステンレス鋼材を、冷間圧延前においてTr−50<T<Tr+20の範囲で熱処理を行い、その後冷間圧延と1000℃以下の熱処理を繰り返して鋼板を得ることを特徴とする耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼の製造方法。
Tr(℃):鋼の再結晶温度、T:冷間圧延前の熱処理温度
以下、上記(1),(2),(3),(4)の鋼に係わる発明をそれぞれ本発明という。また、(1)〜(5)の発明を合わせて、本発明ということがある。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、長期の高温酸化環境下において求められる耐Cr被毒性ならびに750℃付近で生じる2%程度の僅かな変形を抑止する耐クリープ強さを兼備する高Crタイプのフェライト系ステンレス鋼について鋭意実験と検討を重ね、本発明を完成させた。以下に本発明で得られた知見について説明する。
(a)通常、金属セパレーターの耐Cr被毒性は、750℃付近のSOFC作動温度で数万時間に及ぶ電気伝導性により間接的に評価されることが多い。このような長期運転中の金属セパレーターで課題となるCr被毒を抑制するには、850℃以下でフェライト系ステンレス鋼の表面に形成するCr系酸化皮膜において、Oを含む原子%比率でCr濃度≧50%でCr濃度を有する皮膜厚さを低減することが極めて有効である。
(b)上述したCr系酸化皮膜の改質は、必ずしも希土類元素の添加によらず、B、Ga、Mg、Caの微量添加により著しく向上すること見出した。更に、脱酸剤およびクロム原料から混入するAl、Vを低下し、SiとMnの添加量を調整することが効果的である全く新規な知見が得られた。このような酸化皮膜の改質作用については未だ不明な点も多いが、実験事実に基づいて以下に述べるような作用機構を推察している。
(c)B、Ga、Mg、Caは、C、N、S、Oと結合して化合物を形成して鋼の清浄度を向上させてCr系酸化皮膜の保護性を高める。ここで、Bは粒界偏析して過度なCrの粒界拡散を抑制してCr系酸化皮膜の成長を遅延させる作用がある。更に、Al、Vを低下して適量のSiやMnを添加することは、Cr系酸化皮膜の欠陥生成や内部酸化を低減して皮膜成長を遅延させる効果を発現させる。特に、Vの低下はCr系酸化皮膜の揮発を抑止する作用が大きい。
(d)また、高温運転中の構造体で課題となる僅かな変形を抑止するには、材料の高温強度やクリープ破断寿命そのものを上昇させるよりも、750℃付近の定荷重下で生じる2%までのクリープ歪に到達する時間を遅延させることが有効であることを本発明者らは見出した。
(e)前記したクリープ強さは、固溶・析出強化に寄与するNb、Cu等の添加によらず、上述した微量元素の添加により著しく向上することを見出した。特に、BやGaは、2%までの初期のクリープ歪に至る時間を大幅に向上させる作用を持つ。これら微量元素は、偏析により結晶粒界のすべりを遅延させるとともに、結晶粒内において転位密度の上昇に伴う内部応力を高める作用がある。
(f)また、前記したB、Gaの作用効果は、MgとCaの複合添加ならびにMn、Al、V、Siの成分調整により重畳することも見出した。
(g)前記した耐Cr被毒性や耐クリープ強さを高める作用効果は、鋼の再結晶温度よりも低い温度で熱処理を行い、その後冷間圧延と1000℃以下の熱処理を繰り返して再結晶組織を得ることが有効であることも分かった。
本発明者らは、上述したように、高Crタイプのフェライト系ステンレス鋼において、長期の高温酸化環境下での耐Cr被毒性と2%までの耐クリープ強さを向上させるという新たな特性は、微量元素B、Ga、Mg、Caの添加ならびにMn、Al、V、Siの成分調整により達成できるという全く新規な知見を獲得した。前記(1)〜(5)の本発明は、上述した検討結果に基づいて完成されたものである。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(I)成分の限定理由を以下に説明する。
Cは、鋼中に含まれる不可避的不純物元素であり、本発明の目標とするCr系酸化皮膜の保護性を阻害する。そのため,C量は低いほど好ましいが,過度な低減は本発明の耐クリープ強さの低下や精錬コストの大幅な上昇を招く。従って、上限は0.03%とする。耐Cr被毒性と製造性の点から、好ましい範囲は0.001〜0.015%である。
Siは、本発明の目標とする耐Cr被毒性を確保する上で重要な元素である。SiはCr系酸化皮膜の直下に濃化して高温酸化環境下の耐酸化性を向上させる。これら効果を得るために下限は、0.05%とすることが好ましい。一方、過度な添加は、Cr系酸化皮膜への混入や内部酸化の進行により耐酸化性や電気伝導性を阻害する場合もあるため、上限は1%とする。本発明の目標とする耐Cr被毒性と基本特性の点から、好ましい範囲は0.1〜0.6%である。さらに好ましい範囲は0.15〜0.5%である。
Mnは、脱酸元素として有効に作用することに加えて、本発明の目標とするCr系酸化皮膜の耐Cr被毒性を向上させる作用を持つ。これら効果を得るために下限は、0.05%とすることが好ましい。一方、過度な添加は、Cr系酸化皮膜の耐酸化性を阻害する場合もあるため、上限は1%とする。本発明の目標とする耐Cr被毒性と基本特性の点から、好ましい範囲は0.1〜0.6%である。さらに好ましい範囲は0.15〜0.5%である。
Pは、製造性や溶接性を阻害する元素であり、その含有量は少ないほど良いため、上限は0.045%とする。但し、過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.003%とすることが好ましい。製造性と溶接性の点から,好ましい範囲は0.005〜0.035%、より好ましくは0.010〜0.030%である。
Sは、鋼中に含まれる不可避的不純物元素であり、本発明の目標とする耐Cr被毒性を低下させる。特に、Mn系介在物や固溶Sの存在は、長期の高温酸化環境におけるCr系酸化皮膜の保護性を低下させる起点として作用する。そのため,S量は低いほど良いため、上限は0.003%とする。但し、過度な低減は原料や精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.0001%とする。本発明の目標とする耐Cr被毒性と製造性の点から、好ましい範囲は0.0001〜0.0020%、より好ましくは0.0002〜0.0010%である。
Crは、本発明の目標とする耐Cr被毒性ならびに耐クリープ強さを確保する上でも基本となる構成元素である。本発明においては、19%未満では目標とする特性が十分に確保されない。従って、下限は19%とする。しかし、過度なCrの添加は、高温酸化環境に曝された際、脆化相であるσ相の生成を助長することに加え、Cr蒸発を助長して本発明の目標とする耐Cr被毒性を低下させる場合がある。上限は、本発明の目標とする基本特性の視点から24%とする。基本特性およびコストの点から,好ましい範囲は20〜23%である。
Moは、本発明の金属セパレーターとしての要件である熱膨張係数を確保する上で有効な構成元素である。さらに、固溶強化元素として作用し、高温部材として本発明の目標とする耐クリープ強さの確保においても有効に作用する。これら効果を得るために、下限を0.5%とする。過度な添加は、脆化相であるσ相の生成を助長することに加え、原料コストの上昇を招く。上限は、本発明の目標とする基本特性の視点から2%である。コスト対効果の点から,好ましい範囲は0.8〜1.5%である。
Nは、鋼中に含まれる不可避的不純物元素であり,本発明の目標とするCr系酸化皮膜の保護性を阻害する。そのため,N量は低いほど好ましいが,過度の低減は本発明の耐クリープ強さや精錬コストの大幅な上昇を招く。従って、上限は0.02%とする。本発明の基本特性と製造性の点から,好ましい範囲は0.003〜0.015%である。
Alは、強力な脱酸元素であるものの、本発明の目標とするCr系酸化皮膜の電気伝導性を阻害する作用を持つ。そのため、Al量は低いほど好ましいが、耐酸化性を阻害して本発明の目標とする耐Cr被毒性を低下させる場合がある。これら基本特性の視点から、上限は0.2%とする。下限は、脱酸効果を得るために、0.01%とすることが好ましい。本発明の目標とする特性と製造性を両立する点から、好ましい範囲は0.02〜0.1%である。
Vは、前記した通り、本発明の目標とする耐Cr被毒性を向上させるために低いほど好ましい。一方で、CやNを炭窒化物として固定し耐酸化性や高温強度を高める作用も持つ。これら基本特性の視点から、上限は0.2%とする。下限は、クロム原料からの不可避的不純物を考慮した原料コストの上昇から、0.005%とすることが好ましい。本発明の目標とする特性と原料コストを両立する点から、好ましい範囲は0.01〜0.1%、より好ましい範囲は0.01〜0.05%である。
Nbは、CやNを炭窒化物として固定し,本発明の目標とするCr系酸化皮膜の保護性を高めるとともに、高温部材として必要な強度を高める作用を持つ。これら効果を得るために、下限を0.001%とする。過度な添加は、原料コストの上昇や加工性を阻害するため上限は0.5%である。コスト対効果の点から、好ましい範囲は0.05〜0.40%、より好ましい範囲は0.15〜0.35%である。
B、Ga、Mg、Caは、前記した通り、本発明の目標とする耐Cr被毒性と耐クリープ強さを発現するために必須の添加元素である。一方、過度な添加は、製造性と鋼の耐食性の低下を招く。このため、それぞれの上限は、B:0.0050%、Ga:0.010%、Mg:0.010%、Ca:0.010%とし、1種または2種以上を含み、以下の式(1)を満たすものとする。
10×(B+Ga)+Mg+Ca>0.015・・・式(1)
耐Cr被毒性を向上させる点から、式(1)は、0.020%以上が好ましく、より好ましくは0.030%以上とする。なお、式(1)の上限は、添加元素の上限値で特に規定するものでないが、耐クリープ強さと製造性の視点から0.1%とすることが好ましい。また、BおよびGaは耐Cr被毒性に加えて耐クリープ強さの向上に寄与する基本元素として、B:0.0003%以上、Ga:0.0005%以上を添加することが好ましい。より好ましい添加範囲は、B:0.0005〜0.0030%、Ga:0.001〜0.005%とする。Mg、Caの下限は、それぞれ0.0002%とすることが好ましい。耐Cr被毒性と耐クリープ強さを向上させる視点から、好ましい範囲は、0.0005〜0.003%であり、MgとCaの含有量は精錬条件により制御することもできる。
Si、Mn、Al、Vは、前記した含有量の範囲とし、本発明の目標とする基本特性を得るために、以下の式(2)を満たすものとする。
0.35<Si/(Mn+Al+V)<3.50・・・式(2)
耐Cr被毒性を向上させる視点から、式(2)は、0.45〜3.3%の範囲が好ましく、より好ましい範囲は0.6〜2.5とする。
また、本発明のステンレス鋼は、更に必要に応じて、Sn:0.3%以下、Sb:0.3%以下、Ti:0.5%以下、Ni:1%以下、Cu:1%以下、W:1%以下、Co:1%以下、Zr:0.1%以下、La:0.1%以下、Y:0.1%以下、REM:0.1%以下の1種または2種以上含有しているものであっても良い。
Sn、Sb、Ti、Ni、Cu、W、Co、は、当該鋼の耐クリープ強さならびに耐食性を高めるのに有効な元素であり、必要に応じて添加する。但し、過度な添加は合金コストの上昇や製造性を阻害することに繋がるため、Sn、Sbの上限は0.3%、Tiの上限は0.5%、Ni、Cu、W、Coの上限は1%とする。Sn、Sbの好ましい下限は0.005%であり、より好ましくは0.01%である。Tiの好ましい下限は0.01%であり、より好ましくは0.03%である。Ni、Cu、W、Coの好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.1%である。
Zr,La,Y,REMは、従来からCr系酸化皮膜の保護性と電気伝導性を高める上で有効な元素であり、必要に応じて添加しても良い。但し、本発明の技術思想と合金コストの低減から、これら元素の添加効果に頼るものではない。添加する場合、上限はそれぞれ0.1%とし、下限は0.001%とすることが好ましい。ここで、REMは、Y及びLaを除く原子番号57〜71に帰属する元素であり、例えば、Ce、Pr、Nd等である。
以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることが出来る。一般的な不純物元素である前述のP、Sを始め、Zn、Bi、Pb、Se、H、Ta等は可能な限り低減することが好ましい。一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、その含有割合が制御され、必要に応じて、Zn≦100ppm、Bi≦100ppm、Pb≦100ppm、Se≦100ppm、H≦100ppm、Ta≦500ppmの範囲で1種以上を含有してもよい。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、主として、熱間圧延鋼帯を焼鈍あるいは焼鈍を省略してデスケ−リングの後冷間圧延し、続いて仕上げ焼鈍とデスケ−リングした冷延焼鈍板を対象としている。場合によっては、冷間圧延を施さない熱延焼鈍板でも構わない。さらに、ガス配管用としては、鋼板から製造した溶接菅も含まれる。配管は、溶接菅に限定するものでなく、熱間加工により製造した継ぎ目無し菅でもよい。上述した鋼の仕上げ焼鈍は、800〜1000℃とするのが好ましい。800℃未満では鋼の軟質化と再結晶が不十分となり,所定の材料特性が得られないこともある。他方、1000℃超では粗大粒となり、鋼の靭性・延性を阻害することもある。
本発明ではまた、耐Cr被毒性と耐クリープ強さを高めるために、冷間圧延前の熱間圧延鋼板において、鋼の再結晶温度をTr(℃)とした場合、Tr−50<T<Tr+20[℃]の範囲で焼鈍を行い、その後、所望の板厚になるまで冷間圧延と1000℃以下の熱処理(焼鈍)を繰り返して仕上げることが好ましい。尚、板厚は、特に制限されない。
Tr−50℃以下の場合、鋼の再結晶が不足して加工性を阻害する。Tr+20℃超の場合、熱間圧延鋼板の再結晶には効果的であるものの、耐クリープ強さを高める金属組織を得るためには、T<Tr+20[℃]とすることがより好ましい。再結晶温度の近傍ないしそれ以下で熱延板焼鈍を行うことにより、冷間圧延後の1000℃以下の熱処理においても炭硫化物などの微細析出物が残存し、本発明の目標とするCr系酸化皮膜の保護性ならびに耐クリープ強さを高めることに有効に作用する。なお、鋼の再結晶温度は、板厚1/4mm付近においてJIS G 0551に準拠する結晶粒度の顕微鏡試験方法において、粒度番号が付与できる下限の温度と定義する。
以下に、本発明の実施例について述べる。
表1に成分を示すフェライト系ステンレス鋼を溶製し、熱間圧延して表2の項目「冷間圧延前の焼鈍条件」に示す条件で焼鈍した後、焼鈍酸洗、冷間圧延と1000℃以下の焼鈍を繰り返し行い、板厚0.3〜2.0mmの冷延鋼板を製造した。ここで、鋼I〜Qは、本発明の規定する成分範囲から外れるものである。これら冷延鋼板から試験片を切り出し、酸化試験による耐Cr被毒性と板状のクリープ試験による耐クリープ強さの評価に供した。
Figure 0006643906
Figure 0006643906
酸化試験は、試験片を白いアルミナシート上へ平置きし、SOFCセパレーターの空気極を想定した大気中、850℃で加熱し100h保持後に室温まで冷却した。耐Cr被毒性は試験片を除去したアルミナシートにおいて、Cr蒸発による緑色の付着物が目視で観察される場合を「×」、目視では色調の変化が認めらない場合を「○」と判定した。更に、硫酸と硝酸(3:1)からなる混酸溶液にて、目視で「○」判定のアルミナシートから抽出溶媒を作製し、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP分析)によりCrの微量分析を行った。ICP分析によるCr量が0.001[mg/100mL]未満(検出限界)となる場合を「◎」と判定した。ここで、本発明の目標とする耐Cr被毒性は「○」ならびに「◎」とする。
酸化試験で生成した表面の酸化皮膜は、グロー放電質量分析法(GDS分析法)により、原子%比率でCr≧50%の深さを求めることができる。表面から深さ方向における各元素のプロファイルは、鋼の構成元素であるFe、Cr、Si、Mn、Al、Nb、Ti、Mo、VをO、Cなどの軽元素とともに測定する。そこでCを除去し、Oを含めて検出元素のプロファイルを作成することにより、原子%比率でCr≧50%の深さを求めた。
クリープ試験は、JIS Z 2271準拠する定荷重試験とし、平行部10mm幅で35mm長さの板状試験片を用いた。試験条件は、750℃、初期応力20MPaとし、本発明の課題である僅かな高温変形に関わる耐クリープ強さを評価するために、2%までのクリープ歪に到達に至る時間を測定した。ここで、2%のクリープ歪に到達する時間は、150h未満のものを「×」、150h以上のものを「○」、300hを超えるものを「◎」として耐クリープ強さを評価した。なお、本発明の目標とする耐クリープ強さは「○」ならびに「◎」とする。
得られた結果を表2に併記した。No.1〜11は、本発明で規定する成分を満たし、本発明の目標とする耐Cr被毒性と耐クリープ強さの評価は「○」あるいは「◎」となったものである。中でも、No.3、6、7、10、11は、本発明のより好ましい範囲で式(1)及び式(2)の両者を満たした場合であり、顕著な耐Cr被毒性と耐クリープ強さの向上効果を発現し、いずれの評価も「◎」となった。更に、本発明のより好ましい範囲で式(1)もしくは式(2)の片方を満たす場合、耐Cr被毒性あるいは耐クリープ強さの評価が「◎」となるものが多く認められた。また、No.9については、本発明で規定する好ましい製造方法を実施することにより、より好ましい範囲で式(1)を満たさなくとも、耐Crクリープ強さの評価が「○」から「◎」まで向上した。また、No.5の発明例の鋼組成は、前記式(1)及び(2)のより好ましい範囲を満たしている。そのため、冷間圧延前の焼鈍が好ましい温度で行われていないにも関わらず、No.5の発明例は、目標とする耐クリープ強さを備えるように製造されたと考えられる。
鋼No.12〜20は、本発明で規定する鋼成分から外れるものであり、本発明で規定する好ましい製造方法の実施によらず本発明の目標とする耐Cr被毒性と耐クリープ強さを両立することができず、いずれかの評価が「×」となった。
以上の結果から、耐Cr被毒性は、微量元素の添加ならびに成分調整により、表面に原子%比率でCr≧50%の深さを1μm以下とすれば著しく向上することが分かる。耐クリープ強さについては、(1)式の値を0.030%超とする、更に好ましい製造方法を実施することが極めて有効である。
本発明によれば、希土類元素の添加に頼ることなく、長期の高温酸化環境下において、耐Cr被毒性と耐クリープ強さを兼備した固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼を得ることができる。したがって、燃料電池、ガスタービン、発電システムなどに用いられる高温部材、エキゾーストマニホールド、コンバータ、マフラー、ターボチャージャー、EGRクーラー、フロントパイプ、センターパイプ等の自動車部材、ストーブ・ファンヒータ等の燃焼機器、圧力鍋等の圧力容器など、高温環境下で使用される部材全般に好適な材料を提供することが出来る。また、本発明のフェライト系ステンレス鋼は、特殊な製造方法によらず、工業的に生産することが可能である。

Claims (3)

  1. 質量%にて、C:0.03%以下、Si:1.00%以下、Mn:1%以下、P:0.045%以下、S:0.003%以下、Cr:19.0〜24.0%、Mo:0.5〜2%、N:0.02%以下、Al:0.2%以下、V:0.2%以下、Nb:0.001〜0.5%を含み、更に下記(a)及び(b)の少なくともいずれかを満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    大気中、850℃にて100時間保持した後で室温へ冷却したとき、原子%比率でCr濃度が50%以上の深さ範囲が2.0μm未満である酸化皮膜が表面に形成され、
    750℃、初期応力20MPaにおいて、2%のクリープ歪に到達する時間が150時間以上であることを特徴とする耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼。
    (a)B:0.0050%以下、Ga:0.010%以下、Mg:0.010%以下、Ca:0.010%以下の1種または2種以上を(1)式を満たす範囲で含有する。
    10×(B+Ga)+Mg+Ca>0.015・・・(1)式
    (b)0.35<Si/(Mn+Al+V)<3.50・・・(2)式
    但し、式(1)及び(2)中、B、Ga、Mg、Ca、Si、Mn、Al、Vはそれぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
  2. 前記鋼が、さらに質量%にて、Sn:0.3%以下、Sb:0.3%以下、Ti:0.5%以下、Ni:1%以下、Cu:1%以下、W:1%以下、Co:1%以下、Zr:0.1%以下、La:0.1%以下、Y:0.1%以下、Y及びLa以外のREM:0.1%以下の1種または2種以上含有していることを特徴とする請求項1に記載する耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼。
  3. 請求項1、2のいずれかに記載の組成を有するステンレス鋼材を、冷間圧延前においてTr−50<T<Tr+20の範囲で熱処理を行い、その後冷間圧延と1000℃以下の熱処理を繰り返して
    大気中、850℃にて100時間保持した後で室温へ冷却したとき、原子%比率でCr濃度が50%以上の深さ範囲が2.0μm未満である酸化皮膜が表面に形成され、
    750℃、初期応力20MPaにおいて、2%のクリープ歪に到達する時間が150時間以上である鋼板を得ることを特徴とする耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼の製造方法。
    Tr(℃):鋼の再結晶温度、T:冷間圧延前の熱処理温度
JP2016006354A 2016-01-15 2016-01-15 耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法 Active JP6643906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016006354A JP6643906B2 (ja) 2016-01-15 2016-01-15 耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016006354A JP6643906B2 (ja) 2016-01-15 2016-01-15 耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017125248A JP2017125248A (ja) 2017-07-20
JP6643906B2 true JP6643906B2 (ja) 2020-02-12

Family

ID=59364725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016006354A Active JP6643906B2 (ja) 2016-01-15 2016-01-15 耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6643906B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6873020B2 (ja) * 2017-09-28 2021-05-19 日鉄ステンレス株式会社 フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法、ならびに燃料改質器および燃焼器の部材
JP7172056B2 (ja) * 2018-02-28 2022-11-16 トヨタ自動車株式会社 ステンレス鋼基材、燃料電池用セパレータ及び燃料電池
CN116490631A (zh) * 2021-01-14 2023-07-25 日铁不锈钢株式会社 固体氧化物型燃料电池用不锈钢材及其制造方法、固体氧化物型燃料电池用构件和固体氧化物型燃料电池
KR20230060520A (ko) 2021-01-14 2023-05-04 닛테츠 스테인레스 가부시키가이샤 고체 산화물형 연료 전지용 스테인리스 강재 및 그 제조 방법, 그리고 고체 산화물형 연료 전지용 부재 및 고체 산화물형 연료 전지

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005220416A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Jfe Steel Kk 燃料電池用金属材料および固体酸化物型燃料電池
JP5704823B2 (ja) * 2010-02-25 2015-04-22 日新製鋼株式会社 高温での耐酸化性に優れた希土類金属無添加のフェライト系ステンレス鋼
JP5716054B2 (ja) * 2012-07-13 2015-05-13 新日鐵住金ステンレス株式会社 酸化皮膜の電気伝導性と密着性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
EP3095888B1 (en) * 2014-01-14 2019-08-14 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Ferritic stainless steel sheet excellent in electrical conductivity and adhesion of oxide film

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017125248A (ja) 2017-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6832999B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼と、その鋼板及びそれらの製造方法
EP2871251B1 (en) Ferritic stainless steel sheet and method for producing ferritic stainless steel sheet with oxide coating film having excellent conductivity and adhesion
KR101612696B1 (ko) 납땜용 페라이트계 스테인레스강재 및 열 교환기 부재
JP6444320B2 (ja) 酸化皮膜の電気伝導性と密着性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
WO2011111871A1 (ja) 耐酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼板並びに耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP6643906B2 (ja) 耐熱性に優れた固体酸化物型燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP5125600B2 (ja) 高温強度、耐水蒸気酸化性および加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼
US6641780B2 (en) Ferritic stainless steel having high temperature creep resistance
WO2017073093A1 (ja) 耐クリープ強さに優れた燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
CN104968818A (zh) 耐热性优良的铁素体系不锈钢板
JP2012172161A (ja) 耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP7270444B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
EP3064606B1 (en) Ferritic stainless steel for use in fuel reformer and method of manufacturing ferritic stainless steel
JP2009007601A (ja) 集熱機器用フェライト系ステンレス鋼材
JP2012211379A (ja) 二次加工性および耐Cr蒸発性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP4078881B2 (ja) 熱交換器用オーステナイト系ステンレス鋼板
JP2015132019A (ja) 耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
KR101929138B1 (ko) 고체 산화물형 연료 전지용 강 및 그 제조방법
JP6971184B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法、ならびに燃料電池用部材
JP6053994B1 (ja) 耐クリープ強さに優れた燃料電池用フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP2012172160A (ja) 耐酸化性と高温強度に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6643906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250