JP2005220416A - 燃料電池用金属材料および固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

燃料電池用金属材料および固体酸化物型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温使用環境下においても耐酸化性に優れると共に良好な電気伝導性を有し、かつ電解質との熱膨張差が小さく、安価に製造できる固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用金属材料およびその金属材料を用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】 C:0.20 mass%以下、Si:0.02〜0.5 mass%、Mn:2.0 mass%以下、S:0.010 mass%以下、Cr:10〜40 mass%、Al:0.01〜1.0 mass%、Mo:0.03〜5.0 mass%、Nb:0.1〜3.0 mass%を含有し、かつMoとNbとは次式;
0.1≦Mo/Nb≦30
を満たして含有し、さらに、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,ZrおよびHfの中から選ばれる1種または2種以上を合計量で1.0 mass%以下含有する金属材料を固体酸化物型燃料電池のインターコネクタに用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池用金属材料に関し、特に、高温での使用中における優れた耐酸化性と電気伝導性とを兼備した固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用金属材料(Fe−Cr系合金材料)およびその金属材料を用いた固体酸化物型燃料電池に関するものである。
燃料電池は、有害ガスの排出量が少なく、発電効率も高いため、大規模発電、コージェネレーションシステム、自動車用電源など、幅広い発電システムへの適用が期待されている。中でも、固体酸化物型燃料電池(固体電解質型燃料電池とも称する)は、700〜1000℃で作動するもので、電極反応に触媒を用いる必要がないこと、石炭改質ガス等の多様な燃料ガスが使用できること、高温排熱を利用したガスタービンあるいは蒸気タービン等と組み合わせができることなどの特徴を有し、次世代エネルギー源として注目されている。
この固体酸化物型燃料電池は、図1にその一例を示すように、電解質1、電極2,3およびインターコネクタ4(セパレータとも称される)から構成されており、通常、電解質1にはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)などのイオン伝導性固体電解質を用い、その両面に(La,Sr)MnO3等からなる陽極(空気極)2およびNi/YSZ(Niとイットリア安定化ジルコニアのサーメット)等からなる陰極(燃料極)3を取り付けて電解質−電極接合体を形成し、電解質1を隔壁として一方に水素ガス等の燃料ガス5、他方に空気等の酸化性ガス6を供給して電気を取り出している。そして、インターコネクタ4は、電解質1、陽極2、陰極3の3層を支持し、ガス流路7を形成するとともに、電流を流す役目を担うものである。
かかる固体酸化物型燃料電池は、現在のところ、実用化するには、なお多くの課題が残されている。特に、重要な構成材料であるインターコネクタ4には問題が多い。というのは、インターコネクタは、700〜900℃という1000℃近い高温で使用されるため、耐酸化性や電気伝導性に優れるほか、電解質との熱膨張差が小さいこと等の特性が要求されるからである。
このような要求特性を満たすものとして、従来、(La,Sr)CrO3等の導電性セラミックスが用いられてきた。しかし、セラミックスは、加工性が悪く、また高価であることから、燃料電池の大型化、実用化の面からは問題がある。そのため、その代替材料として、安価で信頼性の高い金属材料を素材としたインターコネクタの開発が進められている。
ところで、金属材料を高温で使用する場合には、表面が酸化されて、酸化皮膜を生じるという問題がある。そのため、インターコネクタとして用いるためには、この酸化皮膜の成長が遅く、かつ剥離しないことが必要であり、さらにこの酸化皮膜は、電気伝導性を有すること、つまり耐高温酸化性と電気伝導性の2つの特性を兼備するものであることが必要である。
このような要求に応える技術として、例えば、特許文献1には、固体酸化物型燃料電池用金属材料として、C:0.1mass%以下、Si:0.5〜3.0mass%、Mn:3.0mass%以下、Cr:15〜30mass%、Ni:20〜60mass%、Al:2.5〜5.5mass%、残部が実質的にFeからなるオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。しかし、この金属材料は、AlとCrを相当量含むために、Al系酸化物を主体とした酸化皮膜を生成する。後述するように、Al系酸化物は電気伝導性が低いことから、固体酸化物型燃料電池用インターコネクタに用いるには不適当である。さらに、オーステナイト系ステンレス鋼は、20℃から900℃までの熱膨張係数が16〜20×10-6/℃と、電解質に用いられるイットリア安定化ジルコニアのそれ(9〜12×10-6/℃)と比較して大きいため、起動時や停止時の温度変化による熱膨張差により、電解質や電極に割れが生ずるおそれがある。また、高価なNiを20〜60mass%と多量に添加する必要がある。
また、特許文献2には、固体酸化物型燃料電池のインターコネクタとして、Fe:60〜82mass%およびCr:18〜40mass%からなる材料に、単電池(セル)の空気極との間の接触抵抗を低減する元素(La,Y,CeまたはAl)を添加した技術が開示されている。しかし、このインターコネクタ材は、高温における長時間の使用に耐えるような耐酸化性は備えておらず、必然的に酸化皮膜の電気抵抗は増加するという問題がある。
また、特許文献3には、固体酸化物型燃料電池用金属材料として、Cr:5〜30mass%、Co:3〜45mass%、La:1mass%以下、残部が実質的にFeからなる材料が開示されている。しかし、耐酸化性、とくに酸化増量の面では十分な特性を有するものではない。
また、特許文献4には、固体酸化物型燃料電池用インターコネクタ用鋼として、C:0.2mass%以下、Si:0.2〜3.0mass%、Mn:0.2〜1.0mass%、Cr:15〜30mass%、Y:0.5mass%以下、REM:0.2mass%以下、Zr:1mass%以下、残部が実質的にFeからなる材料が開示されている。しかし、この材料は、耐酸化性に関して、スケール剥離量の評価を行ってはいるが、酸化被膜の厚みの増加を抑制する効果は不十分で、酸化皮膜の成長による電気抵抗の増加を避けられない。また、熱膨張係数の低減も不十分である。
さらに、特許文献5には、固体酸化物型燃料電池用インターコネクタ用鋼として、C:0.2mass%以下、Si:3.0mass%以下、Mn:1.0mass%以下、Cr:15〜30mass%、Hf:0.5mass%以下、残部が実質的にFeからなる材料が開示されている。しかし、この技術も特許文献4と同様に、耐酸化性に関して、スケール剥離量の評価を行ってはいるが、酸化被膜の成長を抑制する効果は小さく、電気抵抗の増加を避けられない。また、熱膨張係数の低減も不十分である。
以上説明したように、従来開示された燃料電池用金属材料はいずれも、固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用としては必ずしも十分な耐酸化性や電気伝導性を有するものではない。
特開平6−264193号公報 特開平7−166301号公報 特開平7−145454号公報 特開平9−157801号公報 特開平10−280103号公報
先述したように、固体酸化物型燃料電池は、700〜900℃という1000℃近い高温環境下で作動する。そのため、この固体酸化物型燃料電池のインターコネクタに用いられる金属材料は、耐酸化性に優れることが必要で、そのためには保護性酸化皮膜の形成が不可欠である。しかし、同時に電気伝導性が求められる部材でもあることから、その酸化物の電気伝導性とともに、酸化皮膜の薄膜化が望まれる。この点に、優れた保護皮膜を形成するAl系の酸化物は、電気伝導度が低く、酸化皮膜の生成による電気抵抗の増加によってセルの性能は大きく低下する。そのため、Alを多く含む金属材料は、インターコネクタ用としては使用できない。
しかし、Alを添加しない場合には、MnO−SiO2などの延伸性の介在物が生成するため、C曲げ性の低下を招き、圧延方向と平行に曲げ加工を行なった際に割れが発生し易くなる。インターコネクタは、曲げ加工によりガス流路を形成する場合が多いため、曲げ性の劣る材料は使用できない。また、固体酸化物型燃料電池の陰極は、酸素分圧が低いガスが流されるため、大気雰囲気が流される陽極に比べて、電気伝導性に乏しいSiO2が生成して燃料電池の性能低下を招きやすい。そのため、Siを多く含む材料もインターコネクタとしては使用できない。
また、固体酸化物型燃料電池のインターコネクタは、電解質であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)との熱膨張差が少なく、かつ、電気伝導性にも優れた保護皮膜を形成することが求められる。そこで、例えば、Cr2O3を主体とした保護皮膜を生成するフェライト系金属材料が有望視されているが、従来技術のように、Fe−Cr系合金に単にREMなどを添加しただけの材料では、その特性が不十分で、さらなる耐酸化性の向上が必要である。すなわち、Fe−Cr合金を用い、電気伝導度の高いCr系の酸化皮膜を形成させる場合でも、皮膜の密着性の改善や皮膜の成長速度の低減ができなければ、本発明の用途には適用できないという問題がある。
本発明の目的は、700〜900℃の高温使用環境下においても耐酸化性に優れる、即ち酸化速度が小さく、形成された酸化皮膜が耐剥離性に優れると共に、良好な電気伝導性を有し、かつ電解質との熱膨張差が小さく、安価に製造することができる固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用金属材料(Fe−Cr系合金)およびその金属材料を用いた燃料電池を提供することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上述した課題を解決するために、耐酸化性に及ぼす添加元素の影響に着目し、鋭意検討した。その結果、MoとNbを複合添加することによって、耐酸化性が大きく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の最大の特徴は、固体酸化物型燃料電池が作動する700〜900℃という高温・長時間の使用環境下において、多量のMo,Nbの金属間化合物(析出物の一種)を母材の粒界に析出させ、この析出物による合金元素の拡散制御効果によって耐酸化性を向上することにある。つまり、MoまたはNbの単独添加によっても金属間化合物は析出するが、Mo,Nbを複合添加した場合にのみ、金属間化合物が母材の粒界に多量に析出し、Cr,FeおよびSi等の各元素の拡散を制御し、耐酸化性を著しく向上することが可能となる。
さらに、Mo−Nb系材料特有の、高温時における酸化物の剥離量が増大するという問題も、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,ZrおよびHfのいずれか1種以上の元素の添加によって防止できることを見出した。なお、これらの添加を行っても、形成される酸化皮膜はCr2O3主体であるため、電気抵抗に大きな増加はなく、純粋に酸化増量のみを抑えることができるので、電気抵抗の増加を効果的に抑制することができる。
上記知見に基づき開発された本発明は、C:0.20 mass%以下、Si:0.02〜0.5 mass%、Mn:2.0 mass%以下、S:0.010 mass%以下、Cr:10〜40 mass%、Al:0.01〜1.0 mass%、Mo:0.03〜5.0 mass%、Nb:0.1〜3.0 mass%を含有し、かつMoとNbとは次式;
0.1≦Mo/Nb≦30
を満たして含有し、さらに、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,ZrおよびHfの中から選ばれる1種または2種以上を合計量で1.0 mass%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる燃料電池用金属材料である。
本発明の上記燃料電池用金属材料は、析出物を含み、その析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量が上記金属材料に対して0.01 mass%以上であることが好ましい。より好ましくは0.02 mass%以上である。
本発明の上記燃料電池用金属材料の析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量は、作動温度800℃で1000時間以上発電した後に上記金属材料に対して0.03 mass%以上であることが好ましい。
本発明の上記燃料電池用金属材料は、固体酸化物型燃料電池用であること、特に、固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用であることが好ましい。
また、本発明は、燃料電池のインターコネクタ用として、上記の燃料電池用金属材料を用いたことを特徴とする固体酸化物型燃料電池である。
本発明によれば、Fe−Cr合金に、MoとNbを複合添加し、さらに、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,ZrおよびHfの中から選ばれる1種または2種以上を添加することにより、耐酸化性に優れかつ電気伝導性にも優れた固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用金属材料を得ることができる。また、本発明の金属材料を固体酸化物型燃料電池のインターコネクタに用いることにより、高温・長時間の使用においてもセルの発電特性の劣化を抑制できるとともに、燃料電池の低コスト化も図ることができるので、燃料電池の実用化に大きく寄与する。
以下、本発明に係る燃料電池用金属材料の成分組成について説明する。
Mo:0.03〜5.0 mass%、Nb:0.1〜3.0 mass%でかつ0.1≦Mo/Nb≦30
本発明の金属材料は、Fe−Cr系の合金を基本とし、この成分系にさらに、MoとNbを複合添加したものである。この成分系を採用することにより、固体酸化物型燃料電池の作動環境である700〜900℃という高温での長時間の使用中において、Mo,NbとCr,Fe,Si等とを結合させて多量の金属間化合物を母材の粒界に析出させ、その析出物によるCr,FeおよびSi等の元素の拡散制御効果により、耐酸化性の向上を図ることができる。しかし、MoおよびNbの過剰な添加は加工性を劣化させるため、Mo:0.03〜5.0 mass%、Nb:0.1〜3.0 mass%でかつ0.1≦Mo/Nb≦30の範囲に限定する。ここで、Mo/Nbの値を上記範囲に限定する理由は、Mo/Nb<0.1およびMo/Nb>30の場合、それらの金属間化合物の粒界への析出量が十分ではなく、耐酸化性の向上効果が得られないからである。より好適には、Mo:0.1〜3.0 mass%、Nb:0.1〜2.0 mass%で0.5≦Mo/Nb≦30である。
C:0.20 mass%以下
Cは、炭化物を形成して高温強度を高める元素である。この効果を得るためには、0.001 mass%以上添加することが望ましい。しかし、添加量が、0.20 mass%を超えると、加工性を劣化させ、また、Crと結合することにより耐酸化性に有効なCr量を減少させるため、0.20 mass%以下に制限する。より好適には0.10 mass%以下である。
Si:0.02〜0.5 mass%
Siは、金属間化合物の析出を促進する作用を有する。しかし、過度の添加は加工性の低下を招くとともに、特に、固体酸化物型燃料電極の陰極においては、電気伝導性の低いSiO2を生成して電池の性能低下を招くので、0.02〜0.5 mass%の範囲に限定する必要がある。好ましくは0.02〜0.3 mass%である。
Mn:2.0 mass%以下
Mnは、酸化皮膜の密着性を向上させるのに必要な元素である。この効果を得るためには、0.05 mass%以上を添加するのが望ましい。しかし、過度に添加すると、酸化速度の増大を招くため、2.0 mass%以下に限定する。
S:0.010 mass%以下
Sは、延伸性介在物であるMnSを生成し、インターコネクタに加工する際の曲げ性に悪影響を及ぼすため、0.010mass%以下に制限する。好ましくは0.008mass%以下である。
Cr:10〜40 mass%
Crは、Cr2O3皮膜を生成し、耐酸化性および電気伝導性を維持するために必要な元素である。しかし、過度の添加は加工性の劣化を招くので、10〜40 mass%に限定する。より好適には10〜30 mass%である。
Al:0.01〜1.0 mass%
Alは、MnO−SiO2などの延伸性介在物を低減する作用を有する。延伸性介在物は、インターコネクタを圧延方向と平行に曲げ加工する際に割れの原因となる。そのため、Alは0.01mass%以上添加する必要がある。しかし、過剰な添加は、固体酸化物型燃料電池の作動環境において、電気伝導性に劣るAl2O3の生成を招くため、1.0mass%以下に制限する。好ましくは0.5mass%以下である。
Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Zr,Hf:1種または2種以上を合計量で1.0 mass%以下
Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,ZrおよびHfは、少量の添加で酸化皮膜の密着性を向上し、耐酸化性を改善する。その効果を得るためには、それらの1種または2種以上を合計量で0.005 mass%以上添加することが好ましい。しかし、過度の添加は熱間加工性を劣化させるので、1.0 mass%以下に限定する。より好ましくは、0.005〜0.5 mass%である。
なお、本発明においては、上記の必須成分のほかに、必要に応じて以下の元素を含有してもよい。
Cu:0.20 mass%以下、Ni:1.0 mass%以下、V:1.0 mass%以下、W:3.0 mass%以下、Ta:2.0 mass%以下、Ti:0.5 mass%以下、Mg:0.05 mass%以下、Ca:0.05 mass%以下、Co:5.0 mass%以下
以上説明した成分以外は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不純物であるP,Nは、それぞれP:0.05 mass%以下、N:0.5 mass%以下であれば、本発明の特性に特に影響を及ぼすことはない。
次に、本発明の金属材料中に析出した析出物の中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量について説明する。
本発明の金属材料において、析出物の一種であるMo,Nbの金属間化合物を、母材の結晶粒界に析出させることは、最も重要な要件の1つである。すなわち、本発明は、固体酸化物型燃料電池の作動環境である700℃〜900℃という高温・長時間の使用時に、多量の金属間化合物を金属材料母材の粒界に析出させることで、Cr,FeおよびSi等の各元素の拡散機構を制御し、耐酸化性の向上を図るところに特徴がある。なお、本発明の成分範囲では、Mo,Nbの金属間化合物やNb等の炭・窒化物が析出物として存在するが、該析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの大部分は上記Mo,Nbの金属間化合物中に含まれるので、析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量を制御することでMo,Nbの金属間化合物の析出量を制御することができる。
金属材料が、固体酸化物型燃料電池の作動環境において、インターコネクタとして優れた耐酸化性を発揮するためには、インターコネクタに使用される前の素材、即ち、熱間圧延材あるいは冷間圧延材の段階において、析出物中に含まれるFe,CrおよびSiが合計量で金属材料に対して0.01 mass%以上であることが好ましい。析出物中のFe,CrおよびSiが合計量で金属材料に対して0.01 mass%未満では、固体酸化物型燃料電池の作動環境である700℃〜900℃での長時間の使用により、多量の析出物(すなわち金属間化合物)を母材の結晶粒界に析出させことが難しいからである。この析出量を確保するためには、熱間圧延材または冷間圧延材に対して、700〜1200℃で30秒以上の焼鈍を施すことが有効である。また、燃料電池の使用開始当初から優れた耐酸化性を具えることを要求される場合には、析出物中のFe,CrおよびSiの合計量は、金属材料に対して0.02 mass%以上であることが好ましく、そのためには、例えば、熱間圧延材や冷間圧延材あるいはそれらの焼鈍材に対して、500〜900℃×1〜200時間の析出処理を施しておくことが有効である。なお、800℃の作動温度で1000時間以上発電した燃料電池において、優れた耐熱性が認められた金属材料は、その析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量は、金属材料に対して0.03 mass%以上であることが確認されており、この観点からは、析出物中のFe,CrおよびSiの合計量は、金属材料に対して0.03 mass%以上であることがより好ましいと言える。
次に、本発明の金属材料が有すべき特性について説明する。
熱膨張係数:20℃から900℃で13.0×10-6/℃以下
本発明に係る燃料電池用金属材料の熱膨張係数は、20℃から900℃の範囲で13.0×10-6/℃以下であることが好ましい。熱膨張係数が、13.0×10-6/℃を超えると電解質との熱膨張の差により、電解質と金属材料とが剥離してしまう虞があるからである。好ましくは12.6×10-6/℃以下である。
電気抵抗値:50mΩ・cm2以下
本発明に係る燃料電池用金属材料の電気抵抗値は、50mΩ・cm2を超えると電池の性能が著しく低下することから、50mΩ・cm2以下であることが好ましい。より好ましくは、30mΩ・cm2以下である。
なお、本発明に係る燃料電池用金属材料は、上述したように、熱膨張係数は小さい方が好ましく、そのためには、熱膨張係数の大きいオーステナイト相の面積率は10%以下に抑えることが好ましい。より好ましくは、フェライト単相(一部析出物)あるいはフェライトおよびマルテンサイトの2相組織(一部析出物)であることが、熱膨張係数を小さく抑える上では有利である。
次に、本発明の金属材料の製造方法について、簡単に説明する。
本発明に係る金属材料の溶製方法は、通常公知の方法がすべて適用できるので、特に限定する必要はないが、例えば、製鋼工程は、転炉、電気炉等で上記した適正な成分組成範囲に調整した鋼を溶製し、さらに強攪拌・真空酸素脱炭処理(SS−VOD)により2次精錬を行うのが好適である。鋳造方法は、生産性、品質の面から連続鋳造が好ましい。鋳造して得られたスラブは、必要により再加熱後、熱間圧延して熱間圧延材とし、さらに必要に応じて700〜1200℃で熱延板焼鈍したのち酸洗するのが好ましい。
上記の熱延ままあるいはさらに焼鈍後、酸洗した熱間圧延材は、切削加工法によりガス流路を形成してインターコネクタを作製する場合の素材として好適に用いることができる。一方、プレス加工法によりインターコネクタを作製する場合には、上記熱間圧延材をさらに冷間圧延し、あるいはさらに700〜1200℃の焼鈍・酸洗処理を施した冷間圧延材(冷延焼鈍材)を素材とすることが好ましい。なお、熱間圧延材をプレス用素材として用いても、また、冷間圧延材を切削加工用素材として用いてもよいことは勿論である。また、ガス流路形成のための溝加工は、上記切削加工法やプレス加工法以外の方法、例えば、コルゲート加工(corrugate)法、エッチング加工法等の別の方法を用いても構わない。また、熱間圧延材あるいは冷間圧延材は、インターコネクタに組み込まれる前に、予め、アルゴンガス中あるいは大気中等の任意の雰囲気中で500〜900℃×1〜200時間の析出処理を施し、析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量が、金属材料に対して0.01 mass%以上、好ましくは0.02 mass%以上、より好ましくは0.03 mass%以上となるよう調整することが望ましい。
また、上記熱間圧延材あるいは冷間圧延材は、インターコネクタ以外の燃料電池を構成する部材(例えば熱交換器や改質器等)にも好適に用いることができる。これらの部材を溶接する場合の溶接方法は、特に限定されるものではなく、例えば、MIG(Metal Inert Gas)、MAG(Metal Active Gas)、TIG(Tungsten Inert Gas)等の通常のアーク溶接、スポット溶接、シーム溶接等の電気抵抗溶接、高周波抵抗溶接、高周波誘導溶接およびろう付け等、いずれの方法も適用可能である。
表1に示した成分組成を有する種々の金属材料を、転炉−2次精錬の工程で溶製し、連続鋳造により200mm厚のスラブとした。これらのスラブを1250℃に加熱したのち、熱間圧延して板厚5mmの熱間圧延材とし、700〜1200℃の熱延板焼鈍と酸洗処理を施し、熱延焼鈍材とした。次いで、冷間圧延により板厚1mmとした後、700〜1200℃の焼鈍を行い、酸洗処理を施し、冷間圧延材(冷延焼鈍材)とした。この冷延焼鈍材から、1mm×30mm×30mmの試験片を切り出し、以下の試験に供した。
Figure 2005220416
Figure 2005220416
<耐酸化性試験>
上記試験片を800℃に加熱された大気雰囲気炉中に1000時間加熱保持する耐酸化試験を行い、鋼板表面に生成した酸化物をX線回折により同定した。また、試験前後の試験片の重量を測定し、この変化量を試験片の全表面積で割って酸化増量を求めた。さらに、酸化皮膜の剥離性について、酸化試験後の試料表面をナイロン製のブラシで5回擦るブラッシングを行い、その前後における重量の差が0.1mg以下を剥離無し(○)、0.1mg超えを剥離有り(×)と評価した。
<耐酸化性加速試験>
長期の耐酸化性を評価するために、大気雰囲気中で、1000℃×600時間(800℃×100万時間以上に相当)の条件で耐酸化性の加速試験を行い、上記の耐酸化試験と同様にして、酸化増量と酸化皮膜の剥離性を測定し評価した。
<析出元素量の測定>
Fe,CrおよびSi各元素の析出量は、耐酸化性試験前後の試験材を、10%AA系電解液(10%アセチルアセトン−1%テトラメチルアンモニウムクロライド−残メタノール)を用いた非水溶媒溶液中で定電流電解により溶解し、残された残渣中のFe,CrおよびSiの量を高周波誘導結合プラズマ発光分析法(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission)によって定量分析し、この結果からFe,CrおよびSi各元素の析出量(金属材料に対するmass%)を求めた。
<熱膨張係数の測定>
熱膨張係数は、板厚×20mm×5mmの試料をアルゴン雰囲気中で20℃から5℃/分で昇温し、900℃に達した際の長手方向の寸法をLmmとしたとき、次式;
(L−20)/{20×(900−20)}
により求めた。測定は各条件で3本行い、それらの平均を熱膨張係数とした。
<電気抵抗値の測定>
電気抵抗値は、図2のように、耐酸化性試験後の試料(板厚:1mmまたは5mm×20mm角)を2枚のPt板(厚さ1mm×20mm角)で挟み、上下それぞれのPt板に電流印加用、電圧測定用のPt線を接続した後、0.2MPaの荷重下で、800℃の炉中に1時間放置した後、1.2Aの電流を流して上下のPt板間の電圧を測定し、得られた抵抗値に面積4cm2を掛けて電気抵抗値(面積抵抗率)を求めた。測定は各条件で3回行い、それらの平均値を電気抵抗値とした。
<C曲げ性の評価>
図4のような曲げ試験片(JIS Z 2204 1号試験片)を冷延焼鈍板で作製し、JIS Z 2248 に準拠して曲げ試験を行った。曲げ試験は、図5のように、試験片を曲げ角度が170度になるまで荷重を加えて曲げ加工した後、治具を取り除き、再び荷重を加えて試験片が密着するまで(曲げ角度180度)曲げ、試験片の彎曲部外側に割れが発生したか否かを目視観察により評価した。
これらの試験の結果を、まとめて表2〜表4に示した。
表1に示したNo.2〜12、No.36〜47、No.58,61および62の材料はいずれも、本発明の成分組成の範囲内にあるMo,Nbを複合添加したFe−Cr系合金である。これらの材料は、表3に示すように、耐酸化性試験前の金属材料中の析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量は0.01 mass%以上であり、また、耐酸化性試験後の析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量は0.03 mass%以上である。そして、これらの材料の耐酸化性試験による酸化増量は、表2に示すように、いずれも小さい値を示しており、Mo,Nbの複合添加による耐酸化性向上の効果が顕著に認められる。また、生成した酸化物もCr2O3が主体であり、インターコネクタとして用いた場合の性能低下も小さいことが期待される。さらに、耐酸化性の加速試験(1000℃×600hr)の結果についても、表2に示したように、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Zr,Hfから選ばれた1種以上を少量添加することによって、酸化皮膜の耐剥離性が顕著に改善されている。また、これらの材料の20℃から900℃の温度範囲の熱膨張係数は、表3に示したように、いずれも13.0×10-6/℃以下であることから、イットリア安定化ジルコニア等の他部材との熱膨張差による剥離の可能性が小さいと考えられる。また、これらの材料の電気抵抗値は、表3に示したように、いずれも50mΩ・cm2以下となっており、酸化皮膜の成長速度を低減し電気抵抗の増加を抑制する効果が顕著に現れている。
これに対して、組成範囲が本発明の範囲を外れる場合には、以下に説明するようにインターコネクタとして用いることができない。
例えば、No.33とNo.34は、それぞれ特許文献4の表2のNo.5および特許文献5の表1のNo.3に記載された従来材について、上記と同様な試験を行った例を示したものであるが、酸化皮膜の成長速度が大きく、そのため電気抵抗値が著しく高い。No.35の材料も同様である。No.27,No.52の材料は、Crが少ないために保護性の皮膜が生成せずに異常酸化し、電気抵抗値の測定も不可能であった。また、No.28,No.53のようにCrが過剰に添加された材料は、加工性が劣るばかりでなく、耐酸化性も悪い。さらに、No.24,No.49のようにC量が高い材料は、CがCrと結びついて有効Cr量が減少するため、耐酸化性が低い。また、多量のSiを含むNo.25,No.50の材料は、X線回折では確認できないが、表面に多量のSiO2が生成される結果、電気抵抗値が大きく増大している。また、No.63のようにAl量が高い材料は、耐酸化性に優れるものの、電気抵抗値が大きく、インターコネクタとして用いることができない。
Mnは、酸化物の剥離を抑制する効果を有するが、Cr2O3皮膜中の拡散速度が速いために、表層に酸化物を生成する。そのため、No.26,No.51の材料のようにMn量が多いと、酸化皮膜が厚くなり過ぎて電気抵抗にも悪影響を与える。また、No.29,No.54の材料のように、過剰なMoの添加は加工性を劣化させるだけでなく、耐剥離性が劣り、耐酸化性向上にはあまり効果はない。Nbの場合(No.30,No.55)も同様である。また、0.1≦Mo/Nb≦30の条件を満たさない場合(No.31、No.32,No.56,No.57)には、析出物中のFe,CrおよびSiの合計量が少なく、耐酸化性向上の効果が小さい。
また、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Zr,Hfが無添加であるか、あるいは、選択添加された成分の組成が本発明範囲から外れているNo.1、No.13〜32の材料は、表2の高温での加速試験の結果において、酸化増量が−(マイナス)を示している。これらの材料は、酸化皮膜の剥離が発生したことを意味しており、インターコネクタとして用いることは出来ない。また、酸化増量がマイナスを示さないNo.16,23,26も、電気抵抗値が大きい。
また、Al量とS量が異なるNo.2、No.58〜62の材料について、圧延方向と平行に180度密着曲げ試験を行い、C曲げ性を評価した結果を表4に示す。曲げ試験は、各材料ともn数10ずつ行い、1つでも割れが観察された場合は不良(×)と評価した。No.59の材料は、S量が多く、延伸性のMnSが多く存在するため、C曲げ性が悪い。また、No.60の材料は、Al量が少ないために、MnO−SiO2が多く存在するため、同様にC曲げ性が悪い。一方、本発明の、No.2,58,61および62の材料は、C曲げ性が良好で、インターコネクタへの加工性も良好である。
Figure 2005220416
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表1のNo.2に記載された成分組成を有する5mmの熱間圧延板を、1050℃で焼鈍し、60℃の混酸(硝酸15mass%+ふっ酸5mass%)に浸漬して脱スケールし、熱延焼鈍材とした。この熱延焼鈍板について、耐酸化性試験、耐酸化性加速試験、熱膨張係数測定および電気抵抗測定を、実施例1と同様の条件で行った。それらの試験の結果は、耐酸化性試験:1.6g/m2、耐酸化性加速試験:60.2g/m2、耐酸化性試験前後における析出物中のFe,CrおよびSiの合計量:0.03mass%(前)、0.50mass%(後)、熱膨張係数:12.6×10-6/℃および電気抵抗:28mΩ・cm2であった。この結果から、表1のNo.2の成分組成を有する熱延焼鈍材の特性は、表2および表3に示した冷間圧延材(冷延焼鈍材)の特性とほぼ同等であることが確認できた。
表1のNo.5の成分組成を有する冷間圧延材(冷延焼鈍材)および実施例2で用いた表1のNo.2の熱延焼鈍材に対して、800℃×10時間の析出処理を施し、これらの鋼板の特性を、実施例1と同様にして調査した。試験の結果は、冷延焼鈍材は、耐酸化性試験:1.7g/m2、耐酸化性加速試験:64.3g/m2、耐酸化性試験前後における析出物中のFe,CrおよびSiの合計量:0.05mass%(前)、0.54mass%(後)、熱膨張係数:12.4×10-6/℃および電気抵抗:28mΩ・cm2、また、熱延焼鈍材は、耐酸化性試験:1.5g/m2、耐酸化性加速試験:58.4g/m2、耐酸化性試験前後における析出物中のFe,CrおよびSiの合計量:0.05mass%(前)、0.51mass%(後)、熱膨張係数:12.6×10-6/℃および電気抵抗:27mΩ・cm2であった。この結果から、予め析出処理した冷延焼鈍材や熱延焼鈍材も、析出処理を特に施さない材料とほぼ同等の特性を有していることが確認できた。
表1のNo.2の成分組成を有する冷間圧延材(冷延焼鈍材)を用いて、図3に示したような単セルからなる発電特性試験装置を製作し、長時間使用による燃料電池の発電特性を変化を調査した。単セルを構成するインターコネクタは、厚さ1mm×105mm角の冷延焼鈍材に、図3に示したような幅5mm×深さ0.5mmのガス流路用の溝を5mm間隔で10本切削加工したものを用いた。また、電解質としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を焼結させた厚さ0.2mm×105mm角の板を用い、その一方の面には、NiO粉末とYSZ粉末とを質量比で4:6で混合した陰極(燃料極)材料を、もう一方の面には、La0.8Sr0.2MnO3粉末とYSZ粉末とを質量比で8:2で混合した陽極(空気極)材料を、それぞれ厚さが50μmになるようにスクリーン印刷し、1400℃で焼成して電解質−電極接合体を形成し、その両側に上記インターコネクタを配置して単セルとした。この単セルの燃料極側には超高純度水素(純度99.9999%)を、空気極側には露点30℃の空気を流して、電流密度0.2A/cm2、温度750℃で発電を行い、1000時間後における出力電圧を測定し電池性能を評価した。その結果、出力電圧の低下は3回の測定で、平均1.8%と小さく、本発明の金属材料が固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用として十分な特性を有するものであることが確認できた。
本発明の金属材料は、耐酸化性の要求される固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用の他、燃料電池を構成する部材(例えば熱交換器や改質器等)にも好適に用いることができる。
:固体酸化物型燃料電池の構造例を模式的に示す図である。 :インターコネクタの電気抵抗値を測定する装置を模式的に示す図である。 :固体酸化物型燃料電池の発電特性を測定する装置を模式的に示す図である。 :曲げ試験片を模式的に説明する図である。 :曲げ試験の方法を模式的に説明する図である。
符号の説明
1:電解質
2:電極(陽極、空気極)
3:電極(陰極、燃料極)
4:インターコネクタ
5:燃料ガス(水素ガス)
6:酸化性ガス(空気)
7:ガス流炉(溝)
8:電子(電気)
9:曲げ試験片
10:曲げ試験用治具

Claims (7)

  1. C:0.20 mass%以下、
    Si:0.02〜0.5 mass%、
    Mn:2.0 mass%以下、
    S:0.010 mass%以下、
    Cr:10〜40 mass%、
    Al:0.01〜1.0 mass%、
    Mo:0.03〜5.0 mass%、
    Nb:0.1〜3.0 mass%
    を含有し、かつMoとNbとは次式;
    0.1≦Mo/Nb≦30
    を満たして含有し、さらに、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,ZrおよびHfの中から選ばれる1種または2種以上を合計量で1.0 mass%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる燃料電池用金属材料。
  2. 上記燃料電池用金属材料は、析出物を含み、その析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量が上記金属材料に対して0.01 mass%以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用金属材料。
  3. 上記燃料電池用金属材料の析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量が上記金属材料に対して0.02 mass%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用金属材料。
  4. 上記燃料電池用金属材料の析出物中に含まれるFe,CrおよびSiの合計量が、作動温度800℃で1000時間以上発電した後に上記金属材料に対して0.03 mass%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用金属材料。
  5. 上記燃料電池用金属材料が、固体酸化物型燃料電池用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用金属材料。
  6. 上記燃料電池用金属材料が、固体酸化物型燃料電池のインターコネクタ用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用金属材料。
  7. 燃料電池のインターコネクタ用として、請求項1〜6いずれか1項に記載の燃料電池用金属材料を用いたことを特徴とする固体酸化物型燃料電池。

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