JP2005507881A - 乾燥粉末医薬製剤 - Google Patents
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Abstract
(i)約10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む医薬粒子部分と、(ii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する低密度賦形剤粒子を含む少なくとも50%の非吸入性賦形剤部分と、が含まれる乾燥粉末医薬組成物。本発明の他の実施形態では、医薬組成物には、10μm以下の空気動力学的直径を有する賦形剤粒子を含む吸入性賦形剤部分が含まれる。本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、吸入性賦形剤部分および/または医薬部分の一部分を収容するのに適合した細孔を備える。
【選択図】図3
【選択図】図3
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、医薬組成物に関する。より特定的には、本発明は、1種以上の医薬を肺系に送達するための吸入可能な乾燥粉末医薬製剤および医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬組成物は、有利には、吸入により患者の肺にまたは肺を通じて投与することが可能である。吸入療法では、患者の肺系に指定用量の医薬組成物つまり医薬を送達するために、典型的には、乾燥粉末吸入器(「DPI」)のような医薬送達デバイスが利用される。当技術分野で周知のように、典型的なDPIでは、ある量の医薬組成物をエーロゾル化チャンバー中に配置し、そこでガスの加圧源によりまたは患者の吸気動作により供給されるエアフローによってエーロゾル化させるつまり吸入性(respirable)粒子の形態に分散させる。局所的および/または全身的薬物送達に関連する肺の適切な領域に定着させるために、分散粒子は好適なサイズでなければならないこともまた、当技術分野で周知である。
【0003】
肺系には、口腔咽頭および喉頭を含む上気道と、それに続いて、気管ならびにそれから分岐した気管支および細気管支を含む下気道と、が含まれる。上気道および下気道は誘導気道と呼ばれる。終末細気管支は、次に、呼吸細気管支に分かれ、次に、肺胞領域すなわち肺深部に至る。Gonda, I, "Aerosols for Delivery of Therapeutic and Diagnostic Agents to the Respiratory Tract", Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, vol. 6, pp. 273-313 (1990)を参照されたい。
【0004】
誘導気道とくに下気道の平滑筋領域は、局所的医薬粒子送達の主要標的部位であるレセプター(すなわち、特定の作用剤と相互作用するとコンフォメーションを変化させて平滑筋細胞の収縮または弛緩のような細胞応答を誘発する、細胞膜内に存在するタンパク質ベースの巨大分子複合体)を有する。肺深部の肺胞領域は、局所的応答を引き起こすレセプターを有する可能性もあるが、肺胞は密接に関係する毛細血管網を介して脈管系へのアクセスを提供するので、全身的経肺送達の標的部位である。
【0005】
粒子の空気動力学的サイズおよびそれらを連行する流体の流量に基づいて肺系の特定領域に医薬粒子が付着することは周知である。典型的には、毎分10〜60リットルの平均吸入流量で、0.5〜3μmの範囲の空気動力学的直径を有する粒子が全身的送達に好適である。なぜなら、これらの粒子は肺深部に選択的に付着するからである。約0.5〜10μm、好ましくは1〜6μm、より好ましくは3〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する粒子は、誘導気道中に堆積するので、局所的肺送達に好適である。
【0006】
10μmより大きい空気動力学的直径を有する粒子は、一般的には、口内、咽喉内、または上気道内に付着し、治療上の利点はほとんど得られない。0.5μm未満の空気動力学的直径を有する粒子は、エアフローから分離されて肺中に付着することはなく、結果として、患者が呼気するときに吐き出される。
【0007】
乾燥粉末医薬組成物送達の有効性は、少量の医薬を1回分の投与量に正確にかつ再現可能に計量できることに依存する。計量は、典型的には、1種以上の賦形剤を含有する医薬組成物の形態に医薬を希釈することにより行われる。したがって、きわめて強力な医薬を単独で用いるときよりも誤差の許容範囲を拡げて医薬組成物を計量することができる。
【0008】
医薬組成物は、組成物を個々の投与量に注いだりまたは他の方法で移したりするのに十分な流動性をもっていなければならない。流動性の大きさは、典型的には、粉末組成物の圧縮率さらにはその「安息角」により定量化される。これらの特性の測定は、当技術分野で公知の標準化された方法を用いて行うことが可能である。
【0009】
また、有利には、吸入器デバイスから組成物を除去するために、組成物はエーロゾル化性が高い。組成物は、好ましくは、吸入可能なサイズの粒子の形態に分散可能である。エーロゾル化性および分散性の測定は、当技術分野で公知の方法を用いて、それぞれ、組成物の送出用量および微粒子分率を測定することにより行うことが可能である。微粒子分率の測定に用いられる通常のデバイスは、Anderson Cascade Impactorである。
【0010】
計量性に関する技術分野における取組みでは、ミリングされたまたは微粉化されたラクトースのような賦形剤を用いて医薬組成物の形態に医薬を希釈することにより、マイクログラム量の非常に強力な医薬を許容しうる制御度で正確に計量してミリグラムサイズの投与量にすることが長い間行われてきた。賦形剤粉末のサイズ範囲を制御することにより、乾燥粉末医薬製剤の流動性、分散性、およびエーロゾル化性が増大されるとの報告がなされている。
【0011】
たとえば、EP 0,663,815には、吸入可能な微粉化された医薬と併用すべく、粗い賦形剤部分と微細な賦形剤部分とを有する賦形剤粉末が開示されている。粗い部分によりエーロゾル化性(すなわち、送出用量)が改良され、一方、微細な部分により分散性(すなわち、微粒子分率として測定される分散性)が改良される。粗い賦形剤部分(すなわち、ミル粉砕された部分)は、少なくとも20μmの平均粒子サイズを有する。微細な賦形剤部分は、10μm以下の平均粒子サイズを有する。同様に、医薬は、10μm以下の粒子サイズを有する。
【0012】
国際公開第00/33789号には、少なくとも80重量%が少なくとも10μmの粒子サイズを有する粗い第1の部分と、少なくとも90重量%が10μm以下の粒子サイズを有する微細な第2の部分と、三番目の作用剤からなる第3の部分と、を含む賦形剤粉末が開示されている。好ましくは、三番目の作用剤は、追加の微細な(すなわち、10μm以下の)部分として提供されるが、わずかに大きいサイズでも許容しうる。開示されている好適な三番目の作用剤としては、水溶性で生理学的に許容される物質、すなわち、水表面活性剤、もしくはアミノ酸、ペプチド、およびポリペプチド、またはそれらの誘導体が挙げられるが、好ましい三番目の作用剤はL-ロイシンである。国際公開第00/33789号によれば、10〜30μmの範囲の直径を有する粒子は、粉末流動特性に悪影響を及ぼし、医薬送達の利点(すなわち、分散性)はまったく得られない。
【0013】
肺の所定の標的領域に送達される粒子の空気動力学的性質(エーロゾル化性および分散性)を向上させる取組みにおいて、最近では、吸入可能なサイズにミリングした後で賦形剤担体とブレンディングされた医薬粒子を使用しない方向に努力が払われている。新しい方法では、記載によれば優れた空気動力学的特性を呈するモルホロジーならびに物理的および化学的属性を有する吸入可能な工学的に処理された粒子組成物が使用されるように思われる。これらの粒子は、中空であってもポーラスであってもよいし、さらには、ある範囲の粒子密度を有していてもよく、いずれも、より良好なエーロゾル化特性を提供する。
【0014】
たとえば、国際公開第99/16419号によれば、ミリングされた吸入性薬物粒子と大きい賦形剤担体粒子との系を含有する先行技術の組成物では、少なくともいくつかの医薬粒子は大きい担体表面の表面に緩く結合し吸入時に解放される可能性があるが、実質量の医薬は大きいラクトース粒子から解放されずに咽喉内に付着する。望ましくない咽喉内付着を低減させるために、国際公開第99/16419号には、医薬と賦形剤(すなわち、ラクトース)と界面活性剤とを含有するマイクロポーラス微粒子がされている。意図するところによれば、これらの粒子のマイクロポーラス性によって優れた空気動力学的特性が得られるので、大きい賦形剤粒子を用いることなく粒子間凝集を克服することができる。この進歩のおかげで、大きい賦形剤担体粒子を製剤から完全に排除することができる。
【0015】
国際公開第99/16419に開示されているマイクロポーラス微粒子と同じように、米国特許第5,993,805号には、肺(一方または両方)へのエーロゾル化医薬送達を意図した滑らかで球状で中実壁をもつ中空の微粒子(サイズで1〜10μm)が開示されている。この参考文献にも、同様に、大きい賦形剤粒子の使用についての記載はない。
【0016】
米国特許第5,874,064号、同第5,855,913号、および同第5,985,309号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)には、局所的または全身的送達を行うべく、患者の吸入経路中に容易に連行され患者の肺の所望の領域中に付着されうる低密度粒子組成物が開示されている。粒子組成物は、1〜5μmの空気動力学的直径が得られるように0.4g/cm3未満のタップ密度および5〜30μmの範囲の質量平均直径を有する。医薬は、低密度粒子のマトリックス上またはマトリックス中に吸着されるか、吸収されるか、または他の方法で組み込まれる。場合によるが、有利には、これらの低密度粒子は、医薬を含まないが50〜100μmの範囲の平均直径を有するより大きい担体粒子と共に送達可能である。対象の大きい担体粒子の属性については他に言及されていない。
【0017】
計量性、流動性、分散性、およびエーロゾル化性に関連して、乾燥粉末医薬組成物の技術の進歩が依然として望まれる。微粉化された医薬/賦形剤ブレンドは、その固有の空気動力学的属性により、ある程度、悪影響を受ける。したがって、微粉化された賦形剤を用いて非常に高いエーロゾル化度および分散度を達成することは、これらの属性によりいくらか制限される。
【0018】
また、活性剤自体の物理的および化学的性質が原因となって、医薬または生体活性剤が組み込まれた粒子の物理的構造を粒子の工学的処理を介して改変することは、多くの場合、困難であるかまたは不可能である。実際には、周知のごとく、吸入に好適な所望の空気動力学的性質を提供する粒子マトリックス中にすべての医薬(または生体活性剤)を組み込むことができるとは限らない。非常に高いまたは低い濃度のような特定の濃度で特定の医薬を好適なマトリックス成形物中に組み込む能力にもまた、制約が存在する。
【0019】
したがって、高いエーロゾル化度および分散度を有し医薬の送達に好適な医薬組成物を提供する必要性が存在する。肺中の標的部位に送達されて放出が行われ局所的および/または全身的送達に供される医薬-賦形剤マトリックスを形成することができる医薬の性能に依存しない医薬組成物の必要性もまた存在する。さらに、安定性を増大させた医薬組成物を提供する必要性も存在する。これにより、一貫性のない治療または送達プロフィールを与えることなく所与の貯蔵期間にわたり組成物のエーロゾル化特性および分散特性を保持することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明の目的は、改良された計量性、流動性、分散性、および/またはエーロゾル化性を有する新規な乾燥粉末医薬組成物を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、そのような改良された性質の1つ以上を有する賦形剤粒子を含む乾燥粉末医薬組成物を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、医薬と賦形剤とからなるマトリックス粒子の形態に形成される所与の医薬の能力に依存しない医薬組成物を提供することである。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、改良された物理的および/または化学的安定性を有する医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明の概要
上記の目的および以下で自明なものとなる目的に従って、本発明に係る乾燥粉末医薬組成物には、一般的には、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む医薬部分と、(ii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む少なくとも50%の非吸入性(non-respirable)賦形剤部分と、が含まれる。
【0025】
本発明の他の実施形態では、医薬組成物には、10μm以下の空気動力学的直径を有する賦形剤粒子を含む吸入性(respirable)賦形剤部分が含まれる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、吸入性賦形剤部分および/または医薬部分の一部分を収容するのに十分なポロシティー(すなわち、明確な細孔(画成された細孔(defining pores))を有する。
【0027】
さらなる特徴および利点は、添付の図面に示される本発明の好ましい実施形態に関する以下のより特定的な説明により、自明なものとなろう。ここで、図面全体にわたり、同じ参照記号であれば、一般的には、同一の部分または要素であることを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
発明の詳細な説明
本発明について詳細に説明する前に、本発明はとくに例示された組成物にもプロセスパラメーターにも限定されるものではないことを理解しなければならない。なぜなら、それらは変化させうるからである。また、本明細書中で使用される用語は、本発明に係る特定の実施形態を説明することだけを目的としたものにすぎず、なんら本発明の範囲を限定しようとするものではないことも理解しなければならない。
【0029】
以上または以下のいずれにおいても、本明細書に引用された刊行物、特許、および特許出願はすべて、結果として、それらの全体が参照により組み入れられるものとする。
【0030】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、内容上明らかに異なる場合を除いて、単数形の「a」、「an」、および「the」は、複数形の指示対象を包含することに留意しなければならない。したがって、たとえば、「試薬」についての言及があれば、2種以上のそのような試薬の混合物が包含され、「有機溶媒」についての言及があれば、2種以上のそのような溶媒の混合物が包含され、他の場合も同様である。
【0031】
別段の定義がないかぎり、本明細書中で使用される科学技術用語はすべて、本発明が関係する技術分野の当業者により一般に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書に記載のものに類似のまたはそれと等価ないくつかの方法および材料を本発明の実施時に使用することができるが、好ましい材料および方法を本明細書に記載する。
【0032】
本発明について説明する際、以下の用語を利用する。これらは、以下に示されるように定義されるものとする。
【0033】
定義
「医薬(medicament)」という用語は、本明細書中で使用する場合、生物(ヒトまたは動物)に投与したときに局所的および/または全身的作用により所望の薬理学的および/または生理学的作用を誘発する任意の物質(すなわち、化合物または組成物)を意味しかつ包含するものとする。したがって、この用語には、活性成分、薬物、および生体活性剤、ならびに生物薬剤(たとえば、ペプチド、ホルモン、核酸、遺伝子構築物など)と伝統的に見なされる物質が包含され、具体的には、鎮痛薬、たとえば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニール、またはモルヒネ;狭心症薬(anginal preparations)、たとえば、ジルチアゼム;抗アレルギー薬、たとえば、クロモグリケート(たとえば、ナトリウム塩として)、ケトチフェン、またはネドクロミル(たとえば、ナトリウム塩として);抗感染薬、たとえば、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、およびペンタミジン;抗ヒスタミン薬、たとえば、メタピリレン;抗炎症薬、たとえば、ベクロメタゾン(たとえば、ジプロピオネートエステルとして)、フルチカゾン(たとえば、プロピオネートエステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン(たとえば、フロエートエステルとして)、シクレソニド、トリアムシノロン(たとえば、アセトニドとして)、または6α,9α-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-17-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロフラン-3-イル)エステル;鎮咳薬、たとえば、ノスカピン;気管支拡張薬、たとえば、アルブテロール(たとえば、遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(たとえば、キシナホエートとして)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(たとえば、臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(たとえば、フマレートとして)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(たとえば、アセテートとして)、レプロテロール(たとえば、塩酸塩として)、リミテロール、テルブタリン(たとえば、硫酸塩として)、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロン;アデノシン2aアゴニスト類、たとえば、(2R,3R,4S,5R)-2-[6-アミノ-2-(1S-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3,4-ジオール(たとえば、マレエートとして);4αインテグリン阻害薬、たとえば、(2S)-3-[4-({[4-(アミノカルボニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸(たとえば、遊離酸またはカリウム塩として)、利尿薬、たとえば、アミロリド;抗コリン作動薬、たとえば、イプラトロピウム(たとえば、臭化物として)、チオトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウム;ホルモン類、たとえば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニゾロン;キサンチン類、たとえば、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、またはテオフィリン;治療用タンパク質およびペプチド類、たとえば、インスリンまたはグルカゴンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。医薬の活性および/または安定性を最適化するために、これらの特筆すべき医薬を、塩(たとえば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩としてまたは酸付加塩として)の形で、またはエステル(たとえば、低級アルキルエステル)として、または溶媒和物(たとえば、水和物)として、利用することも可能である。
【0034】
「医薬」という用語にはさらに、活性成分の組合せを含有する製剤、たとえば、限定されるものではないが、ベクロメタゾンエステル(たとえば、ジプロピオネート)、フルチカゾンエステル(たとえば、プロピオネート)、フロエートエステル、またはブデソニドのような抗炎症性ステロイドと組み合わされた、サルブタモール(たとえば、遊離塩基もしくは硫酸塩として)またはサルメテロール(たとえば、キシナホ酸塩として)またはホルモテロール(たとえば、フマル酸塩として)が包含される。
【0035】
「医薬製剤」および「医薬組成物」という用語は、本明細書中で使用する場合、少なくとも1種の医薬と、「賦形剤」または「担体」のような1つ以上の追加の成分または要素と、の組合せを意味するものとする。当業者であればわかるであろうが、「賦形剤」および「担体」という用語は、一般的には、無毒でかつ組成物の他の成分と有害な相互作用をしない実質的に不活性な材料を意味する。通常利用される「賦形剤」の例としては、単糖、二糖、シクロデキストリン、および多糖(たとえば、デキストロース、スクロース、ラクトース、ラフィノース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストリン類、およびマルトデキストリン類)を含む医薬等級の炭水化物;デンプン;セルロース;塩(たとえば、リン酸ナトリウムまたはリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム);クエン酸;酒石酸;グリシン;ロイシン;高分子量ポリエチレングリコール(PEG);プルロニック(pluronic);界面活性剤;滑沢剤;ステアリン酸塩およびそれらの塩またはエステル(たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム);アミノ酸類;脂肪酸類;およびそれらの組合せが挙げられる。好適な「担体」の例としては、水、シリコーン、ゼラチン、ワックス類、および類似の材料が挙げられる。
【0036】
「D50」という用語は、本明細書中で使用する場合、平均幾何学的直径(すなわち、粒子サイズ(粒径))を意味するものとする。
【0037】
「医薬送達デバイス」という用語は、本明細書中で使用する場合、患者に制御量の組成物を投与するのに適合したデバイスを意味するものとする。具体的には、米国意匠特許第342,994号、米国特許第5,590,654号、同第5,860,419号、同第5,837,630号、および同第6,032,666号に開示されているDiskus(登録商標)デバイス;米国意匠特許第299,066、米国特許第4,627,432号、および同第4,811,731号に開示されているDiskhalerTMデバイス;米国特許第4,778,054号に開示されているRotohalerTMデバイス;NorvartisによるCyclohalerTMデバイス;Astra ZenecaによるTurbohalerTMデバイス;Scheling PloughによるTwisthalerTMデバイス;Boehringer EngelheimによるHandihalerTMデバイス;Baker-NortonによるAirmaxTMデバイス;ならびにDura and Inhaled Therapeutic活性成分送達トステムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。それらは参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0038】
当業者であればわかるであろうが、本発明により、従来の乾燥粉末医薬組成物およびその製造方法に関連する不利益および欠点は実質的に低減または除去される。本明細書中に詳述されるように、エーロゾル化を介して肺系に制御下で全身的または局所的医薬送達を行うべく、特有な医薬組成物を容易に利用することができる。
【0039】
本発明に係る医薬組成物は、医薬部分と少なくとも50%の非吸入性賦形剤部分とを含む。医薬部分は、好ましくは、10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む。非吸入性賦形剤部分は、好ましくは、10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む。
【0040】
本発明によれば、非吸入性賦形剤粒子はまた、好ましくは、「低密度」である。「低密度」という用語は、本明細書中で使用する場合、1g/cm3未満の密度を有する粒子を意味するものとする。
【0041】
したがって、本発明の一実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、0.8g/cm3未満のタップ密度を有する。本発明の別の実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、約0.4〜0.8g/cm3の範囲のタップ密度を有する。
【0042】
本発明の他の実施形態では、医薬組成物には、10μm以下の空気動力学的直径を有する賦形剤粒子を含む吸入性賦形剤部分が含まれる。
【0043】
図1および2について説明する。本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤粒子5は、吸入性賦形剤部分および/または医薬部分(図2では、一般的に、7と記されている)の一部分を収容するのに十分なポロシティー(すなわち、図1で6と記されている明確な細孔)を有する。
【0044】
他の実施形態では、非吸入性賦形剤粒子には、図示されたポーラス粒子と同じように吸入性賦形剤部分および/または医薬部分の一部分を放出可能に収容するのに適合した亀裂(fissures)が含まれていてもよい。本発明のさらに他の実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、平滑なまたは窪んだ外側表面をもつ中実壁(solid wall)を有していてもよいし、さらには、内部空隙(ボイド、void)(すなわち、1つ以上の中空キャビティー)を有していてもよく、医薬部分および場合により吸入性賦形剤部分を担体の外表面上に放出可能に担持させることが可能である。
【0045】
当業者であればわかるであろうが、本発明に係る特有な医薬組成物は、他の同種の製剤よりも優れた主要な利点を備える。利点の中には、向上したFPM性能、流動特性、および安定性が含まれる。所望の量の医薬が肺に送達されるように、医薬の濃度および充填重量を選択することもできる。
【0046】
本明細書中に詳述されるように、表面テクスチャーおよびポロシティーのような賦形剤粒子の種々の特性は、先に述べた利点に直接寄与する。たとえば、周知のごとく、比較的大きな幾何学的直径を有するポーラス粒子は吸入療法にとくに好適である。ポーラス粒子は、幾何学的直径が比較的大きいため、より良好な流動特性を呈する。ポーラス粒子はまた、非ポーラス粒子よりもかなり大きい比表面積を有する。したがって、そのような粒子からの医薬の溶出は、非ポーラス粒子からの溶出よりも速い。
【0047】
出願人はさらに、吸入性(すなわち、微粉化された)賦形剤部分または医薬部分(図2を参照)の一部分を収容するのに十分なポロシティーをポーラス粒子にもたせて容易にポーラス賦形剤粒子を作製できることを見いだした。図3に示されるように、そのような賦形剤粒子を使用することにより、吸入性賦形剤粒子(すなわち、微粉)の利用パーセントを増大させることが可能であり(低剪断ブレンディング操作で)、結果として、流動特性に悪影響を及ぼすことなく向上したFPM性能が得られる。
【0048】
次に、本発明に係る特有な医薬組成物のそれぞれの部分について、詳細に述べる。
【0049】
医薬部分
本発明によれば、医薬部分は、先に述べた医薬のうちの少なくとも1つを含む。本発明の好ましい実施形態では、医薬部分は、次の医薬、すなわち、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニール、モルヒネ、ジルチアゼム、クロモグリケート、ケトチフェン、ネドクロミル;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類 ペンタミジン;メタピリレン、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン、シクレソニド、トリアムシノロン、ノスカピン、アルブテロール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロン、2R,3R,4S,5R)-2-[6-アミノ-2-(1S-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3,4-ジオール、(2S)-3-[4-({[4-(アミノカルボニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸、アミロリド;イプラトロピウム、チオトロピウム、アトロピン、オキシトロピウム;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、テオフィリン、インスリン、またはグルカゴン、ならびにそれらの塩、エステル、および誘導体、のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
本発明の他の実施形態では、医薬部分は、最も好ましくは、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、またはフロ酸フルチカゾンを含む。他の実施形態では、医薬部分は、サルメテロールまたはキシナホ酸サルメテロールを含む。本発明のさらに他の好ましい実施形態では、医薬部分は、アルブテロール塩基または硫酸塩を含む。
【0051】
本発明のさらに好ましい実施形態では、医薬部分は、活性成分の組合せ、たとえば、限定されるものではないが、プロピオン酸フルチカゾンまたはフロ酸フルチカゾンと組み合わされた、サルメテロール、キシナホ酸サルメテロール、またはアルブテロール塩基(もしくは硫酸塩)を含む。
【0052】
本発明の他の想定される実施形態では、医薬部分は、任意の好適な手段により追加の賦形剤でコーティングされたまたはそれと共沈させた医薬粒子を含む。本発明によれば、追加の賦形剤としては、界面活性剤、滑沢剤、ポリマー、アミノ酸、DPPC、ポリラクチド、多糖、ターゲッティング性材料、医薬と反対の電荷を有する材料、または医薬のエーロゾル化性、分散性、もしくは治療剤放出プロフィールに対して有益な性質を提供する任意の他の材料を用いることができる。
【0053】
本発明によれば、医薬部分は、乾燥粉末医薬組成物の約0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.01〜20重量%の範囲である。本発明の好ましい実施形態では、医薬部分は、組成物の10重量%未満である。
【0054】
本発明の医薬粒子は、任意の好適な粒子形成法により、適切なサイズの粒子の形態に作製することが可能である。好適な方法としては、微粉化、ミリング、スプレードライ、および溶媒/逆溶媒結晶化が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態では、本発明の粒子を作製ために微粉化またはミリングを利用する。
【0055】
記載のごとく、本発明の医薬粒子は、好ましくは、10μm以下の空気動力学的直径を有する。医薬粒子の直径は、本発明によれば、粒子組成および合成方法のような要因に依存して変化するであろう。
【0056】
好ましくは、局所的適用では、医薬粒子は、約0.5〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する。より好ましくは、医薬粒子は、約2〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する。全身的送達では、医薬粒子は、好ましくは、約0.5〜3μmの範囲の空気動力学的直径を有する。
【0057】
本発明の他のさらなる実施形態では、医薬粒子は、約5〜30μmの範囲の幾何学的直径を有し、そのときの医薬粒子のタップ密度は、約0.4g/cm3未満である。好ましくは、この特筆すべき粒子は、約1〜5μmの範囲の空気動力学的直径を有する。
【0058】
当業者であればわかるであろうが、エンベロープ質量密度(envelope mass density)の尺度として使用してきたタップ密度は、一般的には、不規則なサイズおよび形状を有する物体の密度を特性づけるのに有用である。エンベロープ密度は、一般的には、物体の質量をその体積で割ることにより決定され、この場合、体積として、その細孔および小キャビティーの体積は含まれるが、間隙空間は除外される。
【0059】
非吸入性賦形剤部分
本発明によれば、非吸入性賦形剤部分は、先に述べた賦形剤のうちの少なくとも1つを含む。賦形剤は、好ましくは、生分解性かつ生体適合性である。
【0060】
本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤部分は、次の賦形剤、すなわち、医薬等級の炭水化物(たとえば、多糖)、アミノ酸、脂肪酸、生体適合性ポリマー、または無機塩のうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、非吸入性賦形剤部分は、ラクトース、マンニトール、マルトース、マルトデキストリン、デキストロース、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、ジケトピペラジン、ステアリン酸カルシウム、ナトリウムステアリルフマレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(polylactic-coglycolic acid)(PLGA)、カルシウム塩、および/またはそれらの組合せを含む。最も好ましくは、賦形剤部分は、マンニトールを含む。
【0061】
記載のごとく、非吸入性賦形剤部分は、好ましくは、約10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む。非吸入性賦形剤粒子はまた、好ましくは、低密度(すなわち、0.8g/cm3未満のタップ密度)である。
【0062】
本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、後述のように、医薬部分および/または吸入性賦形剤部分の一部分を収容するのに十分なポロシティー(すなわち、明確な細孔)を有する。これについては以下で論じる。他の選択肢として、非吸入性賦形剤粒子は、亀裂を有していてもよいし、中実壁を有していてもよいが、中空ではない。
【0063】
本発明によれば、非吸入性賦形剤粒子は、当技術分野で公知の任意の従来法を用いて作製することができる。所定の粒子サイズ分布を有する非吸入性賦形剤部分が得られるように、非吸入性賦形剤粒子の作製または分離(たとえば、濾過により)を行うこともできる。たとえば、非吸入性賦形剤部分中の30%を超える、50%を超える、70%を超える、または80%を超える粒子は、少なくとも50μmの幾何学的直径を有しうる。特定のパーセントの非吸入性賦形剤粒子が含まれなければならない所定の幾何学的直径の範囲は、たとえば、約30〜300μm、60〜160μm、または90〜150μmにすることができる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、50%を超える、より好ましくは70%を超える非吸入性賦形剤粒子は、50μmより大きい幾何学的直径を有する。本発明の他の実施形態では、90%を超える非吸入性賦形剤部分は、約30〜300μmの範囲の幾何学的直径を有する。
【0065】
当業者であればわかるであろうが、より大きい粒子は、吸入療法に現在利用されているようなより小さいエーロゾル粒子よりも効率的に流動することができるので、より大きい粒子の使用は有利である。また、非吸入性賦形剤部分中により大きい直径の粒子がより高い割合で存在すると、肺深部への医薬の送達が増大される。
【0066】
吸入性賦形剤部分
10μm以下の空気動力学的直径を有する賦形剤粒子を含む吸入可能なサイズの賦形剤部分を添加することにより、本発明の医薬組成物をさらに機能強化することができる。より好ましくは、吸入性賦形剤粒子は、約1〜7μmの範囲の空気動力学的直径を有する。効率的で安全な医薬担体として機能させるべく、吸入性賦形剤粒子は、同様に、好ましくは生分解性かつ生体適合性であり、場合により、医薬の送達のために制御された速度で生分解しうる。
【0067】
本発明によれば、吸入性賦形剤粒子は、経肺送達に好適な任意の賦形剤から形成することができる。本発明の好ましい実施形態では、賦形剤粒子は、微粉化またはミリング(すなわち、湿式もしくは乾式)により形成される。他の選択肢として、そのような粒子は、スプレードライ、スプレーフリーズドライ、または他の好適な方法により形成することができる。
【0068】
本発明によれば、吸入性賦形剤部分は、任意の好適な賦形剤(およびそれらの組合せ)を含むことが可能であり、たとえば、限定されるものではないが、糖、滑沢剤、脂肪酸、アミノ酸、ステアレートおよびその塩またはエステル、カルシウム塩およびその誘導体、ならびに生体適合性ポリマーが挙げられる。より好ましくは、吸入性賦形剤部分は、マンニトール、ラクトース、フェニルアラニン、グリシン、ロイシン、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-グリコール酸共重合体(PLGA)、ジケトピペラジン、ステアリン酸カルシウム、ナトリウムステアリルフマレート、ステアリン酸マグネシウム、および/またはそれらの組合せを含む。
【0069】
本発明の好ましい実施形態では、吸入性賦形剤部分(すなわち、微粉化された部分)は、乾燥粉末医薬組成物の5〜50重量%の範囲を占める。他のさらなる実施形態では、50%を超える吸入性賦形剤粒子が、約1〜8μmの範囲の空気動力学的直径を有することが好ましい。
【0070】
当業者であればわかるであろうが、本発明に係る医薬組成物は、たとえば、GB 2041763、国際公開第91/13646号、GB 1561835、GB 2064336、GB 2129691、またはGB 2246299(これらは、参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されるような適切な医薬送達デバイスと併用しうる、複数回用量リザーバーのような大量貯蔵容器またはカプセル、カートリッジ、もしくはブリスターパックのような単位用量容器に都合よく充填することができる。本発明に係る医薬組成物の入ったこれらの特筆すべきデバイスおよび先に述べた医薬送達デバイスは、新規であると考えられるので、本発明のさらなる態様を形成する。
【0071】
本発明の医薬組成物は、組成物を計量して(たとえば、体積で)大量粉末容器から用量計量キャビティー中に送る複数回用量リザーバー型デバイスで使用するのにとくに好適である。複数回用量リザーバー型デバイスから正確に計量しうる粉末送達の下限は、典型的には、100〜200マイクログラムの範囲である。したがって、本発明の医薬組成物は、複数回用量リザーバー型デバイスにおいて高い比率で賦形剤を使用する必要のあるきわめて強力な(すなわち、低用量の)医薬にとくに有利である。
【0072】
本発明の医薬組成物の投与は、低度、中度、もしくは高度の急性もしくは慢性の症状の処置または予防的処置に適すると思われる。当然のことながら、投与される正確な用量は、患者の年齢および症状、使用される特定の医薬、ならびに投与の頻度に依存し、最終的には、主治医の自由裁量にゆだねられるであろう。
【0073】
したがって、本発明の一実施形態では、本発明には、患者の肺系に本発明に係る乾燥粉末医薬組成物を送達することが包含され、これには、(i) 10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む少なくとも医薬部分と、10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む少なくとも50%の非吸入性賦形剤部分とを有する乾燥粉末医薬組成物の入った医薬送達デバイスを提供するステップ、(ii)該送達デバイス内にエアフローを導入するステップ、(iii)該乾燥粉末医薬組成物を該エアフロー中にエーロゾル化するステップ、(iv)該エーロゾル化医薬組成物をプルーム状に分散するステップ、(v)該エーロゾル化医薬組成物を該送達デバイスから送出するステップ、ならびに(vi)該プルームを該患者の肺系に送達するステップが含まれる。
【0074】
本発明の方法の他の実施形態では、送達デバイスは、患者の吸入動作に依存しないエーロゾル化エネルギー源をさらに含む。この特筆すべき方法には、乾燥粉末医薬組成物をエーロゾル化するエアフローを生成させるためにエーロゾル化エネルギーを放出するステップがさらに含まれる。
【0075】
本発明の好ましい実施形態では、40%以上の乾燥粉末医薬組成物が送達デバイスから送出される。本発明のさらなる実施形態では、送出用量の微粒子分率(たとえば、医薬分率)は40%以上である。
【0076】
本発明にはさらに、特有の医薬組成物の作製方法およびそれにより作製された製品が包含される。一実施形態では、本発明に係る医薬組成物の作製方法には、好ましくは、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、(ii)10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、(iii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、(iv)該第1の賦形剤粒子と該第2の賦形剤粒子とをプレブレンディングして賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに(v)該医薬粒子と該賦形剤組成物とをブレンディングするステップが含まれる。
【0077】
本発明の好ましい実施形態では、第2の賦形剤粒子は明確な細孔を備える。プレブレンディングステップ時、第1の賦形剤粒子の一部分は、第2の賦形剤粒子の明確な細孔中に配設される。
【0078】
本発明の他の実施形態では、本発明に係る医薬組成物の作製方法には、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、(ii)10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、(iii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、(iv)該医薬粒子と該第2の賦形剤粒子とをプレブレンディングして医薬/賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに(v)該第1の賦形剤粒子と該医薬/賦形剤組成物とをブレンディングするステップが含まれる。
【0079】
好ましい実施形態では、第2の賦形剤粒子は明確な細孔を含む。プレブレンディングステップ時、医薬粒子の一部分は、第2の賦形剤粒子の明確な細孔中に配設される。
【0080】
本発明のさらなる実施形態では、本発明に係る医薬組成物の作製方法には、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、(ii)10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、(iii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、(iv)該医薬粒子と該第1の賦形剤粒子とをプレブレンディングして医薬/賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに(v)該第2の賦形剤粒子と該医薬/賦形剤組成物とをブレンディングするステップ、が含まれる。
【0081】
本発明の好ましい実施形態では、第2の賦形剤粒子は明確な細孔を備える。ブレンディングステップ時、医薬/賦形剤組成物の一部分は、第2の賦形剤粒子の明確な細孔中に配設される。
【実施例】
【0082】
本明細書に明記されている実施例は、単に例示を目的としたものにすぎず、なんら本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0083】
次の材料を以下に述べる実施例で使用した。別段の記載がないかぎり、市販の成分または装置を利用した。
【0084】
材料
非吸入性賦形剤
ミリングされたラクトース:D50 - 50〜70μm
篩分けられたラクトース:D50 - 150〜170μm(エアジェットで篩分け)
篩分けられたマンニトール:D50 - 160〜180 m(エアジェット篩分け)
Pearlitol 100:スプレードライされたマンニトール - D50 - 90〜110μm
Pearlitol 200:スプレードライされたマンニトール - D50 - 130〜160μm
Pearlitol 70:スプレードライされたマンニトール- D50 - 65〜90μm
注:各非吸入性賦形剤は、空気動力学的直径≧10μmを呈した。
【0085】
吸入性賦形剤
スプレードライされたグリシン:D50 - 6〜8μm
スプレードライされたマンニトール(粗い):D50 - 6〜8μm
スプレードライされたマンニトール(微細):D50 - 2〜3μm
ミリングされたマンニトール:D50 - 18〜22μm
微粉化されたマンニトール:D50 - 1〜3μm
微粉化されたグリシン:D50 - 2〜4μm
微粉化されたフェニルアラニン:D50 - 1〜3μm
微粉化されたdisclaimホスフェート:D50 - 1〜3μm
リン酸三カルシウム:D50 - 5〜7μm
方法
プレブレンディング:以下の実施例で使用する場合、プレブレンディングとは、粗い賦形剤部分を微細な賦形剤または医薬部分と組み合わせて、指定の条件下で所与の時間にわたり低剪断または高剪断ブレンディング手順でブレンディングすることにより、均一な第1の組成物を得ることが必要とされるものであった。別段の記載がないかぎり、利用したプレブレンディング手順には、粗い賦形剤を二等分してその間に微細な成分をはさみ、Turbula T2ブレンダー(Glen Mills Inc., Clifton, NJから市販されている)を用いて90rpmで10分間ブレンディングすることが含まれていた。
【0086】
ブレンディング:以下の実施例で使用する場合、ブレンディングとは、指定の条件下で所与の時間にわたり低剪断または高剪断ブレンディング手順で均一な第1の組成物をさらなる成分(すなわち、医薬または微細な賦形剤)と組み合わせることにより、均一な第2の組成物を得ることが必要とされるものであった。別段の記載がないかぎり、ここで利用したブレンディング手順には、プレブレンドを二等分してその間にさらなる成分をはさみ、Turbula T2ブレンダーを用いて90rpmで10分間ブレンディングすることが含まれていた。
【0087】
カスケードインパクション (CI):基板の窪み上にガスのストリームを送ることにより、マルチステージカスケードインパクター中にブレンドを導入した。これにより、ブレンドをエーロゾル化して、インパクター中に導入することができる。別段の記載がないかぎり、簡略カスケードインパクター(すなわち、ステージ3〜6を取り除いたもの)を使用する。インパクターの各ステージ上に堆積された物質の質量を高圧液体クロマトグラフィーにより評価した。CIデータは、28.3 l/分で取得した。
【0088】
賦形剤流動性
タップ密度および嵩密度の直接的尺度を提供するHosokawa PT-N粉末フローテスターにより、賦形剤(すなわち、ラクトース)粉末の圧縮率%を測定した。以下の圧縮率%の式も利用した。
【0089】
式1 圧縮率% = (タップ密度 - 嵩密度 / タップ密度)×100
表Iについて説明する。これは、狭い分布をもつラクトース粉末との比較を示している。表Iに示されるように、ラクトース粉末の圧縮率%は比較的小さかった。当業者であればわかるであろうが、このことは、一般的には、流動特性が向上したことを示唆する(たとえば、↓圧縮率% = ↑流動性)。ラクトース粉末はまた、材料のポーラスな性質に起因して、かなり低い嵩密度およびタップ密度を呈した。
【表1】
【0090】
実施例 1 〜 2
微粉サイズの影響
プロピオン酸フルチカゾン(「FP」)と賦形剤とからなる100gmのブレンドを表IIに示されるように作製した。
【表2】
【0091】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でカスケードインパクター中にエーロゾル化した。表IIIについて説明する。各データ点は個々のブリスターを表す。注:性能の変動を示すために、3つのブリスターを利用した。
【表3】
【0092】
データから示唆されるように、異なるサイズの微粉を空気動力学的に軽い担体(たとえば、ポーラス賦形剤)と組み合わせて利用し、終始一貫して高いFPM性能を得ることができる。
【0093】
実施例 3 〜 7
製剤化変数の影響
100gmブレンドを表IVに示されるように調製した。表Vに示されるように、ブレンド3および6は、プレブレンドを用いたものである。ブレンド4および5は、プレブレンドを用いなかったものである。しかしながら、3つの成分全体は、単一のブレンディングステップで混合した。
【表4】
【0094】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表Vの各データ点は、同様に、個々のブリスターを表す。
【表5】
【0095】
したがって、この特筆すべきデータから示唆されるように、低いブレンド濃度では、高いFPM性能を達成するうえで、微粉の増量およびプレブレンディングが重要である。
【0096】
実施例 8 〜 11
高剪断ブレンディングの影響
ワーリングブレンダーを低速度で90秒間使用することにより、100gmのブレンドを調製した。表VIIに示されるように、ブレンド9および11は、プレブレンドを用いたものであり、一方、ブレンド8および10は、プレブレンドを用いなかったものである。しかしながら、3つの成分全体は、単一のブレンディングステップで混合した。
【表6】
【0097】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表VIIについて説明する。この表には、これらの特筆すべきブレンドのFPM性能が示されている。各データ点は、個々のブリスターを表す。
【表7】
【0098】
したがって、この特筆すべきデータから示唆されるように、ブレンディング方法および製剤組成により、FPM性能をさらに向上させることができる。
【0099】
実施例 12
粗い担体サイズの影響
表VIIIに示される組成を有する100gmのブレンドを調製した。
【表8】
【0100】
次に、1mgのブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表IXに示されるように、より大きいグレードの粗い空気動力学的に軽い担体で、Pearlitol 100を用いて観測されたものに匹敵する結果が得られる。
【表9】
【0101】
実施例 13 〜 15
活性成分の影響
100gmのブレンドを表Xに示されるように調製した。
【表10】
【0102】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表XIに示されるように、ある範囲の医薬で良好なFPM性能および送出用量を達成することができる。
【表11】
【0103】
実施例 15 〜 16
活性成分濃度の影響
2gmのブレンドを表XIIに示されるように調製した。
【表12】
【0104】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。これらの実施例では、通常の簡略カスケードインパクターの代わりに、完全カスケードインパクターを使用した。
【表13】
【0105】
表XIIIについて説明する。この特筆すべきデータから示唆されるように、より低い医薬濃度で、良好で一貫性のあるFPM性能および送出用量性能を得ることができる。
【0106】
実施例 17 〜 23
微細な担体タイプの影響
20gmのブレンドを表XIVに示されるように調製した。
【表14】
【0107】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。
【0108】
表XVについて説明する。この表には、各ブレンドのFPM性能が示されている。
【表15】
【0109】
表XVに示されるデータから示唆されるように、ある範囲の微細な賦形剤を利用して、良好なFPM性能および送出用量性能を得ることができる。このほか、微細な賦形剤のサイズ/形状またはタイプにより、粉末流動性を改変することができる。したがって、製造プロセス時に使用する方法に適するように、粉末流動性を変化させることができる。
【0110】
実施例 24 〜 26
安定性に及ぼす影響
粉末保存に及ぼす湿度の影響を調べるために、表XVIに示されるブレンドを密封されていないブリスター中に40℃/75%RHで3日間保存した。
【表16】
【0111】
表XVIIについて説明する。この安定性データから示唆されるように、低密度賦形剤をベースとする製剤は、MDPIで典型的に利用されるブレンドよりも、開放ブリスター中において著しく良好な安定性を有する。
【表17】
【0112】
実施例 27 〜 30
20gmの粗い担体ブレンドを表XVIIIに示されるように調製した。
【表18】
【0113】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。次に、表XIXについて説明する。見てわかるように、Pearlitol 100および200を用いて得られるのと同じような結果が、Pearlitol 70を用いて得られる。
【表19】
【0114】
特許請求の範囲全体にわたり、文脈上別途必要でないかぎり、「comprise(含む)」という単語ならびに「comprises」および「comprising」のような変化形は、指定された整数もしくはステップまたは整数の群を包含することを意味するが、他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群をすべて除外することを意味するものではないことは理解されよう。
【0115】
当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の用法および条件に合せて、本発明に種々の変更および修正を加えることができる。したがって、これらの変更および修正は、等価物すべてが組み入れられる以下の特許請求の範囲内に、適切に、公平に、かつ意図したように、包含される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に係るポーラスな非吸入性粒子の電子顕微鏡写真(すなわち、SEM)である。
【図2】本発明に係る非吸入性粒子の明確な細孔中に配設された吸入性粒子を有するポーラスな非吸入性粒子の電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明に係る微粒子質量(FPM)性能に及ぼす微粉含有率の影響をグラフで示したものである。
【0001】
本発明は、一般的には、医薬組成物に関する。より特定的には、本発明は、1種以上の医薬を肺系に送達するための吸入可能な乾燥粉末医薬製剤および医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬組成物は、有利には、吸入により患者の肺にまたは肺を通じて投与することが可能である。吸入療法では、患者の肺系に指定用量の医薬組成物つまり医薬を送達するために、典型的には、乾燥粉末吸入器(「DPI」)のような医薬送達デバイスが利用される。当技術分野で周知のように、典型的なDPIでは、ある量の医薬組成物をエーロゾル化チャンバー中に配置し、そこでガスの加圧源によりまたは患者の吸気動作により供給されるエアフローによってエーロゾル化させるつまり吸入性(respirable)粒子の形態に分散させる。局所的および/または全身的薬物送達に関連する肺の適切な領域に定着させるために、分散粒子は好適なサイズでなければならないこともまた、当技術分野で周知である。
【0003】
肺系には、口腔咽頭および喉頭を含む上気道と、それに続いて、気管ならびにそれから分岐した気管支および細気管支を含む下気道と、が含まれる。上気道および下気道は誘導気道と呼ばれる。終末細気管支は、次に、呼吸細気管支に分かれ、次に、肺胞領域すなわち肺深部に至る。Gonda, I, "Aerosols for Delivery of Therapeutic and Diagnostic Agents to the Respiratory Tract", Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, vol. 6, pp. 273-313 (1990)を参照されたい。
【0004】
誘導気道とくに下気道の平滑筋領域は、局所的医薬粒子送達の主要標的部位であるレセプター(すなわち、特定の作用剤と相互作用するとコンフォメーションを変化させて平滑筋細胞の収縮または弛緩のような細胞応答を誘発する、細胞膜内に存在するタンパク質ベースの巨大分子複合体)を有する。肺深部の肺胞領域は、局所的応答を引き起こすレセプターを有する可能性もあるが、肺胞は密接に関係する毛細血管網を介して脈管系へのアクセスを提供するので、全身的経肺送達の標的部位である。
【0005】
粒子の空気動力学的サイズおよびそれらを連行する流体の流量に基づいて肺系の特定領域に医薬粒子が付着することは周知である。典型的には、毎分10〜60リットルの平均吸入流量で、0.5〜3μmの範囲の空気動力学的直径を有する粒子が全身的送達に好適である。なぜなら、これらの粒子は肺深部に選択的に付着するからである。約0.5〜10μm、好ましくは1〜6μm、より好ましくは3〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する粒子は、誘導気道中に堆積するので、局所的肺送達に好適である。
【0006】
10μmより大きい空気動力学的直径を有する粒子は、一般的には、口内、咽喉内、または上気道内に付着し、治療上の利点はほとんど得られない。0.5μm未満の空気動力学的直径を有する粒子は、エアフローから分離されて肺中に付着することはなく、結果として、患者が呼気するときに吐き出される。
【0007】
乾燥粉末医薬組成物送達の有効性は、少量の医薬を1回分の投与量に正確にかつ再現可能に計量できることに依存する。計量は、典型的には、1種以上の賦形剤を含有する医薬組成物の形態に医薬を希釈することにより行われる。したがって、きわめて強力な医薬を単独で用いるときよりも誤差の許容範囲を拡げて医薬組成物を計量することができる。
【0008】
医薬組成物は、組成物を個々の投与量に注いだりまたは他の方法で移したりするのに十分な流動性をもっていなければならない。流動性の大きさは、典型的には、粉末組成物の圧縮率さらにはその「安息角」により定量化される。これらの特性の測定は、当技術分野で公知の標準化された方法を用いて行うことが可能である。
【0009】
また、有利には、吸入器デバイスから組成物を除去するために、組成物はエーロゾル化性が高い。組成物は、好ましくは、吸入可能なサイズの粒子の形態に分散可能である。エーロゾル化性および分散性の測定は、当技術分野で公知の方法を用いて、それぞれ、組成物の送出用量および微粒子分率を測定することにより行うことが可能である。微粒子分率の測定に用いられる通常のデバイスは、Anderson Cascade Impactorである。
【0010】
計量性に関する技術分野における取組みでは、ミリングされたまたは微粉化されたラクトースのような賦形剤を用いて医薬組成物の形態に医薬を希釈することにより、マイクログラム量の非常に強力な医薬を許容しうる制御度で正確に計量してミリグラムサイズの投与量にすることが長い間行われてきた。賦形剤粉末のサイズ範囲を制御することにより、乾燥粉末医薬製剤の流動性、分散性、およびエーロゾル化性が増大されるとの報告がなされている。
【0011】
たとえば、EP 0,663,815には、吸入可能な微粉化された医薬と併用すべく、粗い賦形剤部分と微細な賦形剤部分とを有する賦形剤粉末が開示されている。粗い部分によりエーロゾル化性(すなわち、送出用量)が改良され、一方、微細な部分により分散性(すなわち、微粒子分率として測定される分散性)が改良される。粗い賦形剤部分(すなわち、ミル粉砕された部分)は、少なくとも20μmの平均粒子サイズを有する。微細な賦形剤部分は、10μm以下の平均粒子サイズを有する。同様に、医薬は、10μm以下の粒子サイズを有する。
【0012】
国際公開第00/33789号には、少なくとも80重量%が少なくとも10μmの粒子サイズを有する粗い第1の部分と、少なくとも90重量%が10μm以下の粒子サイズを有する微細な第2の部分と、三番目の作用剤からなる第3の部分と、を含む賦形剤粉末が開示されている。好ましくは、三番目の作用剤は、追加の微細な(すなわち、10μm以下の)部分として提供されるが、わずかに大きいサイズでも許容しうる。開示されている好適な三番目の作用剤としては、水溶性で生理学的に許容される物質、すなわち、水表面活性剤、もしくはアミノ酸、ペプチド、およびポリペプチド、またはそれらの誘導体が挙げられるが、好ましい三番目の作用剤はL-ロイシンである。国際公開第00/33789号によれば、10〜30μmの範囲の直径を有する粒子は、粉末流動特性に悪影響を及ぼし、医薬送達の利点(すなわち、分散性)はまったく得られない。
【0013】
肺の所定の標的領域に送達される粒子の空気動力学的性質(エーロゾル化性および分散性)を向上させる取組みにおいて、最近では、吸入可能なサイズにミリングした後で賦形剤担体とブレンディングされた医薬粒子を使用しない方向に努力が払われている。新しい方法では、記載によれば優れた空気動力学的特性を呈するモルホロジーならびに物理的および化学的属性を有する吸入可能な工学的に処理された粒子組成物が使用されるように思われる。これらの粒子は、中空であってもポーラスであってもよいし、さらには、ある範囲の粒子密度を有していてもよく、いずれも、より良好なエーロゾル化特性を提供する。
【0014】
たとえば、国際公開第99/16419号によれば、ミリングされた吸入性薬物粒子と大きい賦形剤担体粒子との系を含有する先行技術の組成物では、少なくともいくつかの医薬粒子は大きい担体表面の表面に緩く結合し吸入時に解放される可能性があるが、実質量の医薬は大きいラクトース粒子から解放されずに咽喉内に付着する。望ましくない咽喉内付着を低減させるために、国際公開第99/16419号には、医薬と賦形剤(すなわち、ラクトース)と界面活性剤とを含有するマイクロポーラス微粒子がされている。意図するところによれば、これらの粒子のマイクロポーラス性によって優れた空気動力学的特性が得られるので、大きい賦形剤粒子を用いることなく粒子間凝集を克服することができる。この進歩のおかげで、大きい賦形剤担体粒子を製剤から完全に排除することができる。
【0015】
国際公開第99/16419に開示されているマイクロポーラス微粒子と同じように、米国特許第5,993,805号には、肺(一方または両方)へのエーロゾル化医薬送達を意図した滑らかで球状で中実壁をもつ中空の微粒子(サイズで1〜10μm)が開示されている。この参考文献にも、同様に、大きい賦形剤粒子の使用についての記載はない。
【0016】
米国特許第5,874,064号、同第5,855,913号、および同第5,985,309号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)には、局所的または全身的送達を行うべく、患者の吸入経路中に容易に連行され患者の肺の所望の領域中に付着されうる低密度粒子組成物が開示されている。粒子組成物は、1〜5μmの空気動力学的直径が得られるように0.4g/cm3未満のタップ密度および5〜30μmの範囲の質量平均直径を有する。医薬は、低密度粒子のマトリックス上またはマトリックス中に吸着されるか、吸収されるか、または他の方法で組み込まれる。場合によるが、有利には、これらの低密度粒子は、医薬を含まないが50〜100μmの範囲の平均直径を有するより大きい担体粒子と共に送達可能である。対象の大きい担体粒子の属性については他に言及されていない。
【0017】
計量性、流動性、分散性、およびエーロゾル化性に関連して、乾燥粉末医薬組成物の技術の進歩が依然として望まれる。微粉化された医薬/賦形剤ブレンドは、その固有の空気動力学的属性により、ある程度、悪影響を受ける。したがって、微粉化された賦形剤を用いて非常に高いエーロゾル化度および分散度を達成することは、これらの属性によりいくらか制限される。
【0018】
また、活性剤自体の物理的および化学的性質が原因となって、医薬または生体活性剤が組み込まれた粒子の物理的構造を粒子の工学的処理を介して改変することは、多くの場合、困難であるかまたは不可能である。実際には、周知のごとく、吸入に好適な所望の空気動力学的性質を提供する粒子マトリックス中にすべての医薬(または生体活性剤)を組み込むことができるとは限らない。非常に高いまたは低い濃度のような特定の濃度で特定の医薬を好適なマトリックス成形物中に組み込む能力にもまた、制約が存在する。
【0019】
したがって、高いエーロゾル化度および分散度を有し医薬の送達に好適な医薬組成物を提供する必要性が存在する。肺中の標的部位に送達されて放出が行われ局所的および/または全身的送達に供される医薬-賦形剤マトリックスを形成することができる医薬の性能に依存しない医薬組成物の必要性もまた存在する。さらに、安定性を増大させた医薬組成物を提供する必要性も存在する。これにより、一貫性のない治療または送達プロフィールを与えることなく所与の貯蔵期間にわたり組成物のエーロゾル化特性および分散特性を保持することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明の目的は、改良された計量性、流動性、分散性、および/またはエーロゾル化性を有する新規な乾燥粉末医薬組成物を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、そのような改良された性質の1つ以上を有する賦形剤粒子を含む乾燥粉末医薬組成物を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、医薬と賦形剤とからなるマトリックス粒子の形態に形成される所与の医薬の能力に依存しない医薬組成物を提供することである。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、改良された物理的および/または化学的安定性を有する医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明の概要
上記の目的および以下で自明なものとなる目的に従って、本発明に係る乾燥粉末医薬組成物には、一般的には、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む医薬部分と、(ii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む少なくとも50%の非吸入性(non-respirable)賦形剤部分と、が含まれる。
【0025】
本発明の他の実施形態では、医薬組成物には、10μm以下の空気動力学的直径を有する賦形剤粒子を含む吸入性(respirable)賦形剤部分が含まれる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、吸入性賦形剤部分および/または医薬部分の一部分を収容するのに十分なポロシティー(すなわち、明確な細孔(画成された細孔(defining pores))を有する。
【0027】
さらなる特徴および利点は、添付の図面に示される本発明の好ましい実施形態に関する以下のより特定的な説明により、自明なものとなろう。ここで、図面全体にわたり、同じ参照記号であれば、一般的には、同一の部分または要素であることを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
発明の詳細な説明
本発明について詳細に説明する前に、本発明はとくに例示された組成物にもプロセスパラメーターにも限定されるものではないことを理解しなければならない。なぜなら、それらは変化させうるからである。また、本明細書中で使用される用語は、本発明に係る特定の実施形態を説明することだけを目的としたものにすぎず、なんら本発明の範囲を限定しようとするものではないことも理解しなければならない。
【0029】
以上または以下のいずれにおいても、本明細書に引用された刊行物、特許、および特許出願はすべて、結果として、それらの全体が参照により組み入れられるものとする。
【0030】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、内容上明らかに異なる場合を除いて、単数形の「a」、「an」、および「the」は、複数形の指示対象を包含することに留意しなければならない。したがって、たとえば、「試薬」についての言及があれば、2種以上のそのような試薬の混合物が包含され、「有機溶媒」についての言及があれば、2種以上のそのような溶媒の混合物が包含され、他の場合も同様である。
【0031】
別段の定義がないかぎり、本明細書中で使用される科学技術用語はすべて、本発明が関係する技術分野の当業者により一般に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書に記載のものに類似のまたはそれと等価ないくつかの方法および材料を本発明の実施時に使用することができるが、好ましい材料および方法を本明細書に記載する。
【0032】
本発明について説明する際、以下の用語を利用する。これらは、以下に示されるように定義されるものとする。
【0033】
定義
「医薬(medicament)」という用語は、本明細書中で使用する場合、生物(ヒトまたは動物)に投与したときに局所的および/または全身的作用により所望の薬理学的および/または生理学的作用を誘発する任意の物質(すなわち、化合物または組成物)を意味しかつ包含するものとする。したがって、この用語には、活性成分、薬物、および生体活性剤、ならびに生物薬剤(たとえば、ペプチド、ホルモン、核酸、遺伝子構築物など)と伝統的に見なされる物質が包含され、具体的には、鎮痛薬、たとえば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニール、またはモルヒネ;狭心症薬(anginal preparations)、たとえば、ジルチアゼム;抗アレルギー薬、たとえば、クロモグリケート(たとえば、ナトリウム塩として)、ケトチフェン、またはネドクロミル(たとえば、ナトリウム塩として);抗感染薬、たとえば、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、およびペンタミジン;抗ヒスタミン薬、たとえば、メタピリレン;抗炎症薬、たとえば、ベクロメタゾン(たとえば、ジプロピオネートエステルとして)、フルチカゾン(たとえば、プロピオネートエステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン(たとえば、フロエートエステルとして)、シクレソニド、トリアムシノロン(たとえば、アセトニドとして)、または6α,9α-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-17-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロフラン-3-イル)エステル;鎮咳薬、たとえば、ノスカピン;気管支拡張薬、たとえば、アルブテロール(たとえば、遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(たとえば、キシナホエートとして)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(たとえば、臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(たとえば、フマレートとして)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(たとえば、アセテートとして)、レプロテロール(たとえば、塩酸塩として)、リミテロール、テルブタリン(たとえば、硫酸塩として)、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロン;アデノシン2aアゴニスト類、たとえば、(2R,3R,4S,5R)-2-[6-アミノ-2-(1S-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3,4-ジオール(たとえば、マレエートとして);4αインテグリン阻害薬、たとえば、(2S)-3-[4-({[4-(アミノカルボニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸(たとえば、遊離酸またはカリウム塩として)、利尿薬、たとえば、アミロリド;抗コリン作動薬、たとえば、イプラトロピウム(たとえば、臭化物として)、チオトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウム;ホルモン類、たとえば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニゾロン;キサンチン類、たとえば、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、またはテオフィリン;治療用タンパク質およびペプチド類、たとえば、インスリンまたはグルカゴンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。医薬の活性および/または安定性を最適化するために、これらの特筆すべき医薬を、塩(たとえば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩としてまたは酸付加塩として)の形で、またはエステル(たとえば、低級アルキルエステル)として、または溶媒和物(たとえば、水和物)として、利用することも可能である。
【0034】
「医薬」という用語にはさらに、活性成分の組合せを含有する製剤、たとえば、限定されるものではないが、ベクロメタゾンエステル(たとえば、ジプロピオネート)、フルチカゾンエステル(たとえば、プロピオネート)、フロエートエステル、またはブデソニドのような抗炎症性ステロイドと組み合わされた、サルブタモール(たとえば、遊離塩基もしくは硫酸塩として)またはサルメテロール(たとえば、キシナホ酸塩として)またはホルモテロール(たとえば、フマル酸塩として)が包含される。
【0035】
「医薬製剤」および「医薬組成物」という用語は、本明細書中で使用する場合、少なくとも1種の医薬と、「賦形剤」または「担体」のような1つ以上の追加の成分または要素と、の組合せを意味するものとする。当業者であればわかるであろうが、「賦形剤」および「担体」という用語は、一般的には、無毒でかつ組成物の他の成分と有害な相互作用をしない実質的に不活性な材料を意味する。通常利用される「賦形剤」の例としては、単糖、二糖、シクロデキストリン、および多糖(たとえば、デキストロース、スクロース、ラクトース、ラフィノース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストリン類、およびマルトデキストリン類)を含む医薬等級の炭水化物;デンプン;セルロース;塩(たとえば、リン酸ナトリウムまたはリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム);クエン酸;酒石酸;グリシン;ロイシン;高分子量ポリエチレングリコール(PEG);プルロニック(pluronic);界面活性剤;滑沢剤;ステアリン酸塩およびそれらの塩またはエステル(たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム);アミノ酸類;脂肪酸類;およびそれらの組合せが挙げられる。好適な「担体」の例としては、水、シリコーン、ゼラチン、ワックス類、および類似の材料が挙げられる。
【0036】
「D50」という用語は、本明細書中で使用する場合、平均幾何学的直径(すなわち、粒子サイズ(粒径))を意味するものとする。
【0037】
「医薬送達デバイス」という用語は、本明細書中で使用する場合、患者に制御量の組成物を投与するのに適合したデバイスを意味するものとする。具体的には、米国意匠特許第342,994号、米国特許第5,590,654号、同第5,860,419号、同第5,837,630号、および同第6,032,666号に開示されているDiskus(登録商標)デバイス;米国意匠特許第299,066、米国特許第4,627,432号、および同第4,811,731号に開示されているDiskhalerTMデバイス;米国特許第4,778,054号に開示されているRotohalerTMデバイス;NorvartisによるCyclohalerTMデバイス;Astra ZenecaによるTurbohalerTMデバイス;Scheling PloughによるTwisthalerTMデバイス;Boehringer EngelheimによるHandihalerTMデバイス;Baker-NortonによるAirmaxTMデバイス;ならびにDura and Inhaled Therapeutic活性成分送達トステムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。それらは参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0038】
当業者であればわかるであろうが、本発明により、従来の乾燥粉末医薬組成物およびその製造方法に関連する不利益および欠点は実質的に低減または除去される。本明細書中に詳述されるように、エーロゾル化を介して肺系に制御下で全身的または局所的医薬送達を行うべく、特有な医薬組成物を容易に利用することができる。
【0039】
本発明に係る医薬組成物は、医薬部分と少なくとも50%の非吸入性賦形剤部分とを含む。医薬部分は、好ましくは、10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む。非吸入性賦形剤部分は、好ましくは、10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む。
【0040】
本発明によれば、非吸入性賦形剤粒子はまた、好ましくは、「低密度」である。「低密度」という用語は、本明細書中で使用する場合、1g/cm3未満の密度を有する粒子を意味するものとする。
【0041】
したがって、本発明の一実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、0.8g/cm3未満のタップ密度を有する。本発明の別の実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、約0.4〜0.8g/cm3の範囲のタップ密度を有する。
【0042】
本発明の他の実施形態では、医薬組成物には、10μm以下の空気動力学的直径を有する賦形剤粒子を含む吸入性賦形剤部分が含まれる。
【0043】
図1および2について説明する。本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤粒子5は、吸入性賦形剤部分および/または医薬部分(図2では、一般的に、7と記されている)の一部分を収容するのに十分なポロシティー(すなわち、図1で6と記されている明確な細孔)を有する。
【0044】
他の実施形態では、非吸入性賦形剤粒子には、図示されたポーラス粒子と同じように吸入性賦形剤部分および/または医薬部分の一部分を放出可能に収容するのに適合した亀裂(fissures)が含まれていてもよい。本発明のさらに他の実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、平滑なまたは窪んだ外側表面をもつ中実壁(solid wall)を有していてもよいし、さらには、内部空隙(ボイド、void)(すなわち、1つ以上の中空キャビティー)を有していてもよく、医薬部分および場合により吸入性賦形剤部分を担体の外表面上に放出可能に担持させることが可能である。
【0045】
当業者であればわかるであろうが、本発明に係る特有な医薬組成物は、他の同種の製剤よりも優れた主要な利点を備える。利点の中には、向上したFPM性能、流動特性、および安定性が含まれる。所望の量の医薬が肺に送達されるように、医薬の濃度および充填重量を選択することもできる。
【0046】
本明細書中に詳述されるように、表面テクスチャーおよびポロシティーのような賦形剤粒子の種々の特性は、先に述べた利点に直接寄与する。たとえば、周知のごとく、比較的大きな幾何学的直径を有するポーラス粒子は吸入療法にとくに好適である。ポーラス粒子は、幾何学的直径が比較的大きいため、より良好な流動特性を呈する。ポーラス粒子はまた、非ポーラス粒子よりもかなり大きい比表面積を有する。したがって、そのような粒子からの医薬の溶出は、非ポーラス粒子からの溶出よりも速い。
【0047】
出願人はさらに、吸入性(すなわち、微粉化された)賦形剤部分または医薬部分(図2を参照)の一部分を収容するのに十分なポロシティーをポーラス粒子にもたせて容易にポーラス賦形剤粒子を作製できることを見いだした。図3に示されるように、そのような賦形剤粒子を使用することにより、吸入性賦形剤粒子(すなわち、微粉)の利用パーセントを増大させることが可能であり(低剪断ブレンディング操作で)、結果として、流動特性に悪影響を及ぼすことなく向上したFPM性能が得られる。
【0048】
次に、本発明に係る特有な医薬組成物のそれぞれの部分について、詳細に述べる。
【0049】
医薬部分
本発明によれば、医薬部分は、先に述べた医薬のうちの少なくとも1つを含む。本発明の好ましい実施形態では、医薬部分は、次の医薬、すなわち、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニール、モルヒネ、ジルチアゼム、クロモグリケート、ケトチフェン、ネドクロミル;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類 ペンタミジン;メタピリレン、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン、シクレソニド、トリアムシノロン、ノスカピン、アルブテロール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロン、2R,3R,4S,5R)-2-[6-アミノ-2-(1S-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3,4-ジオール、(2S)-3-[4-({[4-(アミノカルボニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸、アミロリド;イプラトロピウム、チオトロピウム、アトロピン、オキシトロピウム;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、テオフィリン、インスリン、またはグルカゴン、ならびにそれらの塩、エステル、および誘導体、のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
本発明の他の実施形態では、医薬部分は、最も好ましくは、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、またはフロ酸フルチカゾンを含む。他の実施形態では、医薬部分は、サルメテロールまたはキシナホ酸サルメテロールを含む。本発明のさらに他の好ましい実施形態では、医薬部分は、アルブテロール塩基または硫酸塩を含む。
【0051】
本発明のさらに好ましい実施形態では、医薬部分は、活性成分の組合せ、たとえば、限定されるものではないが、プロピオン酸フルチカゾンまたはフロ酸フルチカゾンと組み合わされた、サルメテロール、キシナホ酸サルメテロール、またはアルブテロール塩基(もしくは硫酸塩)を含む。
【0052】
本発明の他の想定される実施形態では、医薬部分は、任意の好適な手段により追加の賦形剤でコーティングされたまたはそれと共沈させた医薬粒子を含む。本発明によれば、追加の賦形剤としては、界面活性剤、滑沢剤、ポリマー、アミノ酸、DPPC、ポリラクチド、多糖、ターゲッティング性材料、医薬と反対の電荷を有する材料、または医薬のエーロゾル化性、分散性、もしくは治療剤放出プロフィールに対して有益な性質を提供する任意の他の材料を用いることができる。
【0053】
本発明によれば、医薬部分は、乾燥粉末医薬組成物の約0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.01〜20重量%の範囲である。本発明の好ましい実施形態では、医薬部分は、組成物の10重量%未満である。
【0054】
本発明の医薬粒子は、任意の好適な粒子形成法により、適切なサイズの粒子の形態に作製することが可能である。好適な方法としては、微粉化、ミリング、スプレードライ、および溶媒/逆溶媒結晶化が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態では、本発明の粒子を作製ために微粉化またはミリングを利用する。
【0055】
記載のごとく、本発明の医薬粒子は、好ましくは、10μm以下の空気動力学的直径を有する。医薬粒子の直径は、本発明によれば、粒子組成および合成方法のような要因に依存して変化するであろう。
【0056】
好ましくは、局所的適用では、医薬粒子は、約0.5〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する。より好ましくは、医薬粒子は、約2〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する。全身的送達では、医薬粒子は、好ましくは、約0.5〜3μmの範囲の空気動力学的直径を有する。
【0057】
本発明の他のさらなる実施形態では、医薬粒子は、約5〜30μmの範囲の幾何学的直径を有し、そのときの医薬粒子のタップ密度は、約0.4g/cm3未満である。好ましくは、この特筆すべき粒子は、約1〜5μmの範囲の空気動力学的直径を有する。
【0058】
当業者であればわかるであろうが、エンベロープ質量密度(envelope mass density)の尺度として使用してきたタップ密度は、一般的には、不規則なサイズおよび形状を有する物体の密度を特性づけるのに有用である。エンベロープ密度は、一般的には、物体の質量をその体積で割ることにより決定され、この場合、体積として、その細孔および小キャビティーの体積は含まれるが、間隙空間は除外される。
【0059】
非吸入性賦形剤部分
本発明によれば、非吸入性賦形剤部分は、先に述べた賦形剤のうちの少なくとも1つを含む。賦形剤は、好ましくは、生分解性かつ生体適合性である。
【0060】
本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤部分は、次の賦形剤、すなわち、医薬等級の炭水化物(たとえば、多糖)、アミノ酸、脂肪酸、生体適合性ポリマー、または無機塩のうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、非吸入性賦形剤部分は、ラクトース、マンニトール、マルトース、マルトデキストリン、デキストロース、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、ジケトピペラジン、ステアリン酸カルシウム、ナトリウムステアリルフマレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(polylactic-coglycolic acid)(PLGA)、カルシウム塩、および/またはそれらの組合せを含む。最も好ましくは、賦形剤部分は、マンニトールを含む。
【0061】
記載のごとく、非吸入性賦形剤部分は、好ましくは、約10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む。非吸入性賦形剤粒子はまた、好ましくは、低密度(すなわち、0.8g/cm3未満のタップ密度)である。
【0062】
本発明の好ましい実施形態では、非吸入性賦形剤粒子は、後述のように、医薬部分および/または吸入性賦形剤部分の一部分を収容するのに十分なポロシティー(すなわち、明確な細孔)を有する。これについては以下で論じる。他の選択肢として、非吸入性賦形剤粒子は、亀裂を有していてもよいし、中実壁を有していてもよいが、中空ではない。
【0063】
本発明によれば、非吸入性賦形剤粒子は、当技術分野で公知の任意の従来法を用いて作製することができる。所定の粒子サイズ分布を有する非吸入性賦形剤部分が得られるように、非吸入性賦形剤粒子の作製または分離(たとえば、濾過により)を行うこともできる。たとえば、非吸入性賦形剤部分中の30%を超える、50%を超える、70%を超える、または80%を超える粒子は、少なくとも50μmの幾何学的直径を有しうる。特定のパーセントの非吸入性賦形剤粒子が含まれなければならない所定の幾何学的直径の範囲は、たとえば、約30〜300μm、60〜160μm、または90〜150μmにすることができる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、50%を超える、より好ましくは70%を超える非吸入性賦形剤粒子は、50μmより大きい幾何学的直径を有する。本発明の他の実施形態では、90%を超える非吸入性賦形剤部分は、約30〜300μmの範囲の幾何学的直径を有する。
【0065】
当業者であればわかるであろうが、より大きい粒子は、吸入療法に現在利用されているようなより小さいエーロゾル粒子よりも効率的に流動することができるので、より大きい粒子の使用は有利である。また、非吸入性賦形剤部分中により大きい直径の粒子がより高い割合で存在すると、肺深部への医薬の送達が増大される。
【0066】
吸入性賦形剤部分
10μm以下の空気動力学的直径を有する賦形剤粒子を含む吸入可能なサイズの賦形剤部分を添加することにより、本発明の医薬組成物をさらに機能強化することができる。より好ましくは、吸入性賦形剤粒子は、約1〜7μmの範囲の空気動力学的直径を有する。効率的で安全な医薬担体として機能させるべく、吸入性賦形剤粒子は、同様に、好ましくは生分解性かつ生体適合性であり、場合により、医薬の送達のために制御された速度で生分解しうる。
【0067】
本発明によれば、吸入性賦形剤粒子は、経肺送達に好適な任意の賦形剤から形成することができる。本発明の好ましい実施形態では、賦形剤粒子は、微粉化またはミリング(すなわち、湿式もしくは乾式)により形成される。他の選択肢として、そのような粒子は、スプレードライ、スプレーフリーズドライ、または他の好適な方法により形成することができる。
【0068】
本発明によれば、吸入性賦形剤部分は、任意の好適な賦形剤(およびそれらの組合せ)を含むことが可能であり、たとえば、限定されるものではないが、糖、滑沢剤、脂肪酸、アミノ酸、ステアレートおよびその塩またはエステル、カルシウム塩およびその誘導体、ならびに生体適合性ポリマーが挙げられる。より好ましくは、吸入性賦形剤部分は、マンニトール、ラクトース、フェニルアラニン、グリシン、ロイシン、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-グリコール酸共重合体(PLGA)、ジケトピペラジン、ステアリン酸カルシウム、ナトリウムステアリルフマレート、ステアリン酸マグネシウム、および/またはそれらの組合せを含む。
【0069】
本発明の好ましい実施形態では、吸入性賦形剤部分(すなわち、微粉化された部分)は、乾燥粉末医薬組成物の5〜50重量%の範囲を占める。他のさらなる実施形態では、50%を超える吸入性賦形剤粒子が、約1〜8μmの範囲の空気動力学的直径を有することが好ましい。
【0070】
当業者であればわかるであろうが、本発明に係る医薬組成物は、たとえば、GB 2041763、国際公開第91/13646号、GB 1561835、GB 2064336、GB 2129691、またはGB 2246299(これらは、参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されるような適切な医薬送達デバイスと併用しうる、複数回用量リザーバーのような大量貯蔵容器またはカプセル、カートリッジ、もしくはブリスターパックのような単位用量容器に都合よく充填することができる。本発明に係る医薬組成物の入ったこれらの特筆すべきデバイスおよび先に述べた医薬送達デバイスは、新規であると考えられるので、本発明のさらなる態様を形成する。
【0071】
本発明の医薬組成物は、組成物を計量して(たとえば、体積で)大量粉末容器から用量計量キャビティー中に送る複数回用量リザーバー型デバイスで使用するのにとくに好適である。複数回用量リザーバー型デバイスから正確に計量しうる粉末送達の下限は、典型的には、100〜200マイクログラムの範囲である。したがって、本発明の医薬組成物は、複数回用量リザーバー型デバイスにおいて高い比率で賦形剤を使用する必要のあるきわめて強力な(すなわち、低用量の)医薬にとくに有利である。
【0072】
本発明の医薬組成物の投与は、低度、中度、もしくは高度の急性もしくは慢性の症状の処置または予防的処置に適すると思われる。当然のことながら、投与される正確な用量は、患者の年齢および症状、使用される特定の医薬、ならびに投与の頻度に依存し、最終的には、主治医の自由裁量にゆだねられるであろう。
【0073】
したがって、本発明の一実施形態では、本発明には、患者の肺系に本発明に係る乾燥粉末医薬組成物を送達することが包含され、これには、(i) 10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む少なくとも医薬部分と、10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む少なくとも50%の非吸入性賦形剤部分とを有する乾燥粉末医薬組成物の入った医薬送達デバイスを提供するステップ、(ii)該送達デバイス内にエアフローを導入するステップ、(iii)該乾燥粉末医薬組成物を該エアフロー中にエーロゾル化するステップ、(iv)該エーロゾル化医薬組成物をプルーム状に分散するステップ、(v)該エーロゾル化医薬組成物を該送達デバイスから送出するステップ、ならびに(vi)該プルームを該患者の肺系に送達するステップが含まれる。
【0074】
本発明の方法の他の実施形態では、送達デバイスは、患者の吸入動作に依存しないエーロゾル化エネルギー源をさらに含む。この特筆すべき方法には、乾燥粉末医薬組成物をエーロゾル化するエアフローを生成させるためにエーロゾル化エネルギーを放出するステップがさらに含まれる。
【0075】
本発明の好ましい実施形態では、40%以上の乾燥粉末医薬組成物が送達デバイスから送出される。本発明のさらなる実施形態では、送出用量の微粒子分率(たとえば、医薬分率)は40%以上である。
【0076】
本発明にはさらに、特有の医薬組成物の作製方法およびそれにより作製された製品が包含される。一実施形態では、本発明に係る医薬組成物の作製方法には、好ましくは、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、(ii)10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、(iii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、(iv)該第1の賦形剤粒子と該第2の賦形剤粒子とをプレブレンディングして賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに(v)該医薬粒子と該賦形剤組成物とをブレンディングするステップが含まれる。
【0077】
本発明の好ましい実施形態では、第2の賦形剤粒子は明確な細孔を備える。プレブレンディングステップ時、第1の賦形剤粒子の一部分は、第2の賦形剤粒子の明確な細孔中に配設される。
【0078】
本発明の他の実施形態では、本発明に係る医薬組成物の作製方法には、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、(ii)10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、(iii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、(iv)該医薬粒子と該第2の賦形剤粒子とをプレブレンディングして医薬/賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに(v)該第1の賦形剤粒子と該医薬/賦形剤組成物とをブレンディングするステップが含まれる。
【0079】
好ましい実施形態では、第2の賦形剤粒子は明確な細孔を含む。プレブレンディングステップ時、医薬粒子の一部分は、第2の賦形剤粒子の明確な細孔中に配設される。
【0080】
本発明のさらなる実施形態では、本発明に係る医薬組成物の作製方法には、(i)10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、(ii)10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、(iii)10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、(iv)該医薬粒子と該第1の賦形剤粒子とをプレブレンディングして医薬/賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに(v)該第2の賦形剤粒子と該医薬/賦形剤組成物とをブレンディングするステップ、が含まれる。
【0081】
本発明の好ましい実施形態では、第2の賦形剤粒子は明確な細孔を備える。ブレンディングステップ時、医薬/賦形剤組成物の一部分は、第2の賦形剤粒子の明確な細孔中に配設される。
【実施例】
【0082】
本明細書に明記されている実施例は、単に例示を目的としたものにすぎず、なんら本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0083】
次の材料を以下に述べる実施例で使用した。別段の記載がないかぎり、市販の成分または装置を利用した。
【0084】
材料
非吸入性賦形剤
ミリングされたラクトース:D50 - 50〜70μm
篩分けられたラクトース:D50 - 150〜170μm(エアジェットで篩分け)
篩分けられたマンニトール:D50 - 160〜180 m(エアジェット篩分け)
Pearlitol 100:スプレードライされたマンニトール - D50 - 90〜110μm
Pearlitol 200:スプレードライされたマンニトール - D50 - 130〜160μm
Pearlitol 70:スプレードライされたマンニトール- D50 - 65〜90μm
注:各非吸入性賦形剤は、空気動力学的直径≧10μmを呈した。
【0085】
吸入性賦形剤
スプレードライされたグリシン:D50 - 6〜8μm
スプレードライされたマンニトール(粗い):D50 - 6〜8μm
スプレードライされたマンニトール(微細):D50 - 2〜3μm
ミリングされたマンニトール:D50 - 18〜22μm
微粉化されたマンニトール:D50 - 1〜3μm
微粉化されたグリシン:D50 - 2〜4μm
微粉化されたフェニルアラニン:D50 - 1〜3μm
微粉化されたdisclaimホスフェート:D50 - 1〜3μm
リン酸三カルシウム:D50 - 5〜7μm
方法
プレブレンディング:以下の実施例で使用する場合、プレブレンディングとは、粗い賦形剤部分を微細な賦形剤または医薬部分と組み合わせて、指定の条件下で所与の時間にわたり低剪断または高剪断ブレンディング手順でブレンディングすることにより、均一な第1の組成物を得ることが必要とされるものであった。別段の記載がないかぎり、利用したプレブレンディング手順には、粗い賦形剤を二等分してその間に微細な成分をはさみ、Turbula T2ブレンダー(Glen Mills Inc., Clifton, NJから市販されている)を用いて90rpmで10分間ブレンディングすることが含まれていた。
【0086】
ブレンディング:以下の実施例で使用する場合、ブレンディングとは、指定の条件下で所与の時間にわたり低剪断または高剪断ブレンディング手順で均一な第1の組成物をさらなる成分(すなわち、医薬または微細な賦形剤)と組み合わせることにより、均一な第2の組成物を得ることが必要とされるものであった。別段の記載がないかぎり、ここで利用したブレンディング手順には、プレブレンドを二等分してその間にさらなる成分をはさみ、Turbula T2ブレンダーを用いて90rpmで10分間ブレンディングすることが含まれていた。
【0087】
カスケードインパクション (CI):基板の窪み上にガスのストリームを送ることにより、マルチステージカスケードインパクター中にブレンドを導入した。これにより、ブレンドをエーロゾル化して、インパクター中に導入することができる。別段の記載がないかぎり、簡略カスケードインパクター(すなわち、ステージ3〜6を取り除いたもの)を使用する。インパクターの各ステージ上に堆積された物質の質量を高圧液体クロマトグラフィーにより評価した。CIデータは、28.3 l/分で取得した。
【0088】
賦形剤流動性
タップ密度および嵩密度の直接的尺度を提供するHosokawa PT-N粉末フローテスターにより、賦形剤(すなわち、ラクトース)粉末の圧縮率%を測定した。以下の圧縮率%の式も利用した。
【0089】
式1 圧縮率% = (タップ密度 - 嵩密度 / タップ密度)×100
表Iについて説明する。これは、狭い分布をもつラクトース粉末との比較を示している。表Iに示されるように、ラクトース粉末の圧縮率%は比較的小さかった。当業者であればわかるであろうが、このことは、一般的には、流動特性が向上したことを示唆する(たとえば、↓圧縮率% = ↑流動性)。ラクトース粉末はまた、材料のポーラスな性質に起因して、かなり低い嵩密度およびタップ密度を呈した。
【表1】
【0090】
実施例 1 〜 2
微粉サイズの影響
プロピオン酸フルチカゾン(「FP」)と賦形剤とからなる100gmのブレンドを表IIに示されるように作製した。
【表2】
【0091】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でカスケードインパクター中にエーロゾル化した。表IIIについて説明する。各データ点は個々のブリスターを表す。注:性能の変動を示すために、3つのブリスターを利用した。
【表3】
【0092】
データから示唆されるように、異なるサイズの微粉を空気動力学的に軽い担体(たとえば、ポーラス賦形剤)と組み合わせて利用し、終始一貫して高いFPM性能を得ることができる。
【0093】
実施例 3 〜 7
製剤化変数の影響
100gmブレンドを表IVに示されるように調製した。表Vに示されるように、ブレンド3および6は、プレブレンドを用いたものである。ブレンド4および5は、プレブレンドを用いなかったものである。しかしながら、3つの成分全体は、単一のブレンディングステップで混合した。
【表4】
【0094】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表Vの各データ点は、同様に、個々のブリスターを表す。
【表5】
【0095】
したがって、この特筆すべきデータから示唆されるように、低いブレンド濃度では、高いFPM性能を達成するうえで、微粉の増量およびプレブレンディングが重要である。
【0096】
実施例 8 〜 11
高剪断ブレンディングの影響
ワーリングブレンダーを低速度で90秒間使用することにより、100gmのブレンドを調製した。表VIIに示されるように、ブレンド9および11は、プレブレンドを用いたものであり、一方、ブレンド8および10は、プレブレンドを用いなかったものである。しかしながら、3つの成分全体は、単一のブレンディングステップで混合した。
【表6】
【0097】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表VIIについて説明する。この表には、これらの特筆すべきブレンドのFPM性能が示されている。各データ点は、個々のブリスターを表す。
【表7】
【0098】
したがって、この特筆すべきデータから示唆されるように、ブレンディング方法および製剤組成により、FPM性能をさらに向上させることができる。
【0099】
実施例 12
粗い担体サイズの影響
表VIIIに示される組成を有する100gmのブレンドを調製した。
【表8】
【0100】
次に、1mgのブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表IXに示されるように、より大きいグレードの粗い空気動力学的に軽い担体で、Pearlitol 100を用いて観測されたものに匹敵する結果が得られる。
【表9】
【0101】
実施例 13 〜 15
活性成分の影響
100gmのブレンドを表Xに示されるように調製した。
【表10】
【0102】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。表XIに示されるように、ある範囲の医薬で良好なFPM性能および送出用量を達成することができる。
【表11】
【0103】
実施例 15 〜 16
活性成分濃度の影響
2gmのブレンドを表XIIに示されるように調製した。
【表12】
【0104】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。これらの実施例では、通常の簡略カスケードインパクターの代わりに、完全カスケードインパクターを使用した。
【表13】
【0105】
表XIIIについて説明する。この特筆すべきデータから示唆されるように、より低い医薬濃度で、良好で一貫性のあるFPM性能および送出用量性能を得ることができる。
【0106】
実施例 17 〜 23
微細な担体タイプの影響
20gmのブレンドを表XIVに示されるように調製した。
【表14】
【0107】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。
【0108】
表XVについて説明する。この表には、各ブレンドのFPM性能が示されている。
【表15】
【0109】
表XVに示されるデータから示唆されるように、ある範囲の微細な賦形剤を利用して、良好なFPM性能および送出用量性能を得ることができる。このほか、微細な賦形剤のサイズ/形状またはタイプにより、粉末流動性を改変することができる。したがって、製造プロセス時に使用する方法に適するように、粉末流動性を変化させることができる。
【0110】
実施例 24 〜 26
安定性に及ぼす影響
粉末保存に及ぼす湿度の影響を調べるために、表XVIに示されるブレンドを密封されていないブリスター中に40℃/75%RHで3日間保存した。
【表16】
【0111】
表XVIIについて説明する。この安定性データから示唆されるように、低密度賦形剤をベースとする製剤は、MDPIで典型的に利用されるブレンドよりも、開放ブリスター中において著しく良好な安定性を有する。
【表17】
【0112】
実施例 27 〜 30
20gmの粗い担体ブレンドを表XVIIIに示されるように調製した。
【表18】
【0113】
次に、1mgの各ブレンドを28.3 l/分でインパクター中にエーロゾル化した。次に、表XIXについて説明する。見てわかるように、Pearlitol 100および200を用いて得られるのと同じような結果が、Pearlitol 70を用いて得られる。
【表19】
【0114】
特許請求の範囲全体にわたり、文脈上別途必要でないかぎり、「comprise(含む)」という単語ならびに「comprises」および「comprising」のような変化形は、指定された整数もしくはステップまたは整数の群を包含することを意味するが、他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群をすべて除外することを意味するものではないことは理解されよう。
【0115】
当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の用法および条件に合せて、本発明に種々の変更および修正を加えることができる。したがって、これらの変更および修正は、等価物すべてが組み入れられる以下の特許請求の範囲内に、適切に、公平に、かつ意図したように、包含される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に係るポーラスな非吸入性粒子の電子顕微鏡写真(すなわち、SEM)である。
【図2】本発明に係る非吸入性粒子の明確な細孔中に配設された吸入性粒子を有するポーラスな非吸入性粒子の電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明に係る微粒子質量(FPM)性能に及ぼす微粉含有率の影響をグラフで示したものである。
Claims (61)
- 約10μm以下の質量メジアン空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む医薬部分と、
約10μmより大きい空気動力学的直径および約30μmより大きい幾何学的直径を有する低密度賦形剤粒子を含む少なくとも50%の非吸入性賦形剤部分と、
を含む医薬組成物。 - 前記医薬部分が、鎮痛薬、狭心症薬、抗アレルギー薬、抗生物質、抗感染薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、鎮咳薬、気管支拡張薬、α4インテグリン阻害薬、利尿薬、抗コリン作動薬、アデノシン2aアゴニスト類、ホルモン類、キサンチン、ワクチン、治療用タンパク質、ペプチド、およびそれらの組合せよりなる群から選択される医薬を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬部分が、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニール、モルヒネ、ジルチアゼム、クロモグリケート、ケトチフェン、ネドクロミル;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類 ペンタミジン;メタピリレン、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン、シクレソニド、トリアムシノロン、ノスカピン、アルブテロール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロン、2R,3R,4S,5R)-2-[6-アミノ-2-(1S-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3,4-ジオール、(2S)-3-[4-({[4-(アミノカルボニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸、アミロリド;イプラトロピウム、チオトロピウム、アトロピン、オキシトロピウム;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、テオフィリン、インスリン、またはグルカゴン、ならびにそれらの塩、エステル、および誘導体、ならびにそれらの組合せよりなる群から選択される医薬を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
- 前記医薬部分が、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、サルメテロール、キシナホ酸サルメテロール、アルブテロール塩基および硫酸塩、ならびにそれらの組合せよりなる群から選択される医薬を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子が約0.5〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子が約2〜6μmの範囲の空気動力学的直径を有する、請求項5に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子が約0.5〜3μmの範囲の空気動力学的直径を有する、請求項5に記載の医薬組成物。
- 前記医薬部分が前記医薬組成物の約0.01〜50重量%を占める、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬部分が前記医薬組成物の約0.01〜30重量%を占める、請求項8に記載の医薬組成物。
- 前記医薬部分が前記医薬組成物の約0.01〜20重量%を占める、請求項8に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子が微粉化により作製されたものである、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子がミリングにより作製されたものである、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子がスプレードライにより作製されたものである、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子が追加の賦形剤でコーティングされたものである、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子が追加の賦形剤と共沈させたものである、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記追加の賦形剤が界面活性剤を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
- 前記追加の賦形剤がポリマーを含む、請求項15に記載の医薬組成物。
- 前記追加の賦形剤がポリラクチドを含む、請求項15に記載の医薬組成物。
- 前記追加の賦形剤が多糖を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
- 前記医薬粒子が約5〜30μmの範囲の幾何学的直径および0.4g/cm3未満のタップ密度を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記非吸入性賦形剤部分が、多糖、アミノ酸、生体適合性ポリマー、無機塩、およびそれらの組合せよりなる群から選択される賦形剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記非吸入性賦形剤部分が、ラクトース、マンニトール、マルトース、マルトデキストリン類、デキストロース、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、ポリ乳酸(PLA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、カルシウム塩、およびそれらの組合せよりなる群から選択される賦形剤を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
- 前記低密度賦形剤粒子が0.8g/cm3未満のタップ密度を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 70%を超える前記非吸入性賦形剤粒子が50μmより大きい幾何学的直径を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 90%を超える前記非吸入性賦形剤粒子が約30〜300μmの範囲の幾何学的直径を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が吸入性賦形剤部分を含み、該吸入性賦形剤部分が、10μm以下の空気動力学的直径を有する吸入性賦形剤粒子を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記吸入性賦形剤粒子が微粉化により形成されたものである、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記吸入性賦形剤粒子がミリングにより形成されたものである、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記吸入性賦形剤粒子がスプレードライにより形成されたものである、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記吸入性賦形剤部分が、多糖、アミノ酸、カルシウム塩、生体適合性ポリマー、およびそれらの組合せよりなる群から選択される賦形剤を含む、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記吸入性賦形剤部分が、マンニトール、ラクトース、フェニルアラニン、グリシン、ロイシン、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、ポリ乳酸(PLA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、ステアリン酸マグネシウム、およびそれらの組合せよりなる群から選択される賦形剤を含む、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記吸入性賦形剤部分が前記医薬組成物の約5〜50重量%を占める、請求項26に記載の医薬組成物。
- 50%を超える前記吸入性賦形剤粒子が約1〜8μmの範囲の空気動力学的直径を有する、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記非吸入性賦形剤粒子が明確な細孔を備え、前記非吸入性粒子が、前記吸入性賦形剤部分の一部分を収容するのに十分なポロシティーを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記非吸入性賦形剤粒子が、前記医薬部分の一部分を収容するのに十分なポロシティーを有する、請求項34に記載の医薬組成物。
- 前記非吸入性賦形剤部分が、亀裂を生じさせた賦形剤粒子を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記非吸入性賦形剤粒子が、前記吸入性賦形剤部分の一部分を収容するのに十分な亀裂を生じさせたものである、請求項36に記載の医薬組成物。
- 前記非吸入性賦形剤部分が中空の賦形剤粒子を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 患者の肺系に乾燥粉末医薬組成物を送達する方法であって、
10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を含む少なくとも医薬部分と、10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する賦形剤粒子を含む少なくとも50%の非吸入性賦形剤部分とを有する乾燥粉末医薬組成物の入った医薬送達デバイスを提供するステップ、
該送達デバイス内にエアフローを導入するステップ、
該乾燥粉末医薬組成物を該エアフロー中にエーロゾル化するステップ、
該エーロゾル化医薬組成物をプルーム状に分散するステップ、
該エーロゾル化医薬組成物を該送達デバイスから送出するステップ、ならびに
該プルームを該患者の肺系に送達するステップ
を含む、上記方法。 - 前記送達デバイスが、患者の吸入動作に依存しないエーロゾル化エネルギー源をさらに含む、請求項39に記載の方法。
- 前記医薬組成物の少なくとも40%が前記送達デバイスから送出され、該送出医薬組成物が微粒子部分を含む、請求項39に記載の方法。
- 前記送出医薬組成物の前記微粒子部分が少なくとも40%である、請求項41に記載の方法。
- 前記医薬部分が、鎮痛薬、狭心症薬、抗アレルゲン薬、抗生物質、抗感染薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、鎮咳薬、気管支拡張薬、α4インテグリン阻害薬、利尿薬、抗コリン作動薬、アデノシン2aアゴニスト類、ホルモン類、キサンチン、ワクチン、治療用タンパク質、ペプチド、およびそれらの組合せよりなる群から選択される医薬を含む、請求項39に記載の方法。
- 前記医薬部分が、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニール、モルヒネ、ジルチアゼム、クロモグリケート、ケトチフェン、ネドクロミル;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類 ペンタミジン;メタピリレン、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン、シクレソニド、トリアムシノロン、ノスカピン、アルブテロール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロン、2R,3R,4S,5R)-2-[6-アミノ-2-(1S-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3,4-ジオール、(2S)-3-[4-({[4-(アミノカルボニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸、アミロリド;イプラトロピウム、チオトロピウム、アトロピン、オキシトロピウム;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート、テオフィリン、インスリン、またはグルカゴン、ならびにそれらの塩、エステル、および誘導体、ならびにそれらの組合せよりなる群から選択される医薬を含む、請求項39に記載の方法。
- 前記医薬部分が、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、サルメテロール、キシナホ酸サルメテロール、アルブテロール塩基および硫酸塩、ならびにそれらの組合せよりなる群から選択される医薬を含む、請求項39に記載の方法。
- 前記医薬部分が前記医薬組成物の約0.01〜50重量%を占める、請求項39に記載の方法。
- 前記医薬組成物が吸入性賦形剤部分を含み、該吸入性賦形剤部分が、10μm以下の空気動力学的直径を有する吸入性賦形剤粒子を含む、請求項39に記載の方法。
- 前記吸入性賦形剤部分が、マンニトール、ラクトース、フェニルアラニン、グリシン、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、ポリ乳酸(PLA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、ステアリン酸マグネシウム、およびそれらの組合せよりなる群から選択される賦形剤を含む、請求項39に記載の方法。
- 前記非吸入性賦形剤部分が、ラクトース、マンニトール、マルトース、デキストロース、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、ポリ乳酸(PLA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、カルシウム塩、およびそれらの組合せよりなる群から選択される賦形剤を含む、請求項39に記載の方法。
- 90%を超える前記非吸入性賦形剤粒子が約30〜300μmの範囲の幾何学的直径を有する、請求項39に記載の方法。
- 前記非吸入性賦形剤粒子が明確な細孔を備える、請求項39に記載の方法。
- 前記非吸入性賦形剤部分が、亀裂を生じさせた賦形剤粒子を含む、請求項39に記載の方法。
- 10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、
10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、
10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、
該第1の賦形剤粒子と該第2の賦形剤粒子とをプレブレンディングして賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに
該医薬粒子と該賦形剤組成物とをブレンディングするステップ
を含む、医薬組成物の作製方法。 - 前記第2の賦形剤粒子が明確な細孔を備える、請求項53に記載の方法。
- 前記第1の賦形剤粒子の一部分が、前記プレブレンディングステップ時に前記明確な細孔中に配設される、請求項54に記載の方法。
- 10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、
10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、
10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、
該医薬粒子と該第2の賦形剤粒子とをプレブレンディングして医薬/賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに
該第1の賦形剤粒子と該医薬/賦形剤組成物とをブレンディングするステップ
を含む、医薬組成物の作製方法。 - 前記第2の賦形剤粒子が明確な細孔を備える、請求項56に記載の方法。
- 前記医薬粒子の一部分が、前記プレブレンディングステップ時に前記明確な細孔中に配設される、請求項57に記載の方法。
- 10μm以下の空気動力学的直径を有する医薬粒子を提供するステップ、
10μm以下の空気動力学的直径を有する第1の賦形剤粒子を提供するステップ、
10μmより大きい空気動力学的直径および30μmより大きい幾何学的直径を有する第2の賦形剤粒子を提供するステップ、
該医薬粒子と該第1の賦形剤粒子とをプレブレンディングして医薬/賦形剤組成物を形成するステップ、ならびに
該第2の賦形剤粒子と該医薬/賦形剤組成物とをブレンディングするステップ
により得られた、医薬組成物。 - 前記第2の賦形剤粒子が明確な細孔を備える、請求項59に記載の医薬組成物。
- 前記第1の賦形剤粒子の一部分が、前記プレブレンディングステップ時に前記明確な細孔中に配設される、請求項60に記載の医薬組成物。
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