ここで、図1の従来の技術の図を参照すると、使用者によって吸入される粉末薬物をエアロゾル化する加圧気体粉末活性乾燥粉末吸入器1が示されている。 吸入器1は、薬物Mのエアロゾルを生成するための出口ポート3及び入口ポート4を有する渦室またはノズル2を備える。 ノズル2は、使用者が通してエアロゾル化薬物Mを吸入するマウスピース5の内部に配置される。
粉末薬物または医薬品Mは、ポンプシリンダ8において受けられるプランジャ7及び逆止めバルブを介してポンプに流体接続されるリザーバを備えるピストンポンプ6として図1に示されるポンプによって生成される気体または空気流において、ノズル2に供給される。 空気流経路9が、薬物の単一投与量(通常0.5と5mgとの間)を包含するフォイルブリスタ12を支持するために、ポンプシリンダ8から、ハウジング11の上に配置された医薬品飛沫同伴デバイス10まで延びる。 ブリスタ12は、穿孔を容易にするために選択されたハードロールフォイルラミネートリッド12bで封止された冷間形成フォイルブリスタベース12aを有する。 医薬品供給管13が、ノズル2の入口ポート4からハウジング11の中に延び、そこで、管13は、穿孔要素14において終端する。 吸入器1が使用されるとき、リザーバは、プランジャ7をポンプシリンダ8の中にスライドさせることによって、ある装填量の圧縮空気で充填される(内部に包含されている空気を圧縮するために、図1の矢印「A」の方向において)。 その後、ハウジング11及び医薬品供給管13は、穿孔要素14がフォイルラミネート層12bを壊して、ブリスタ12の中に貫通するように、互いに移動し、それにより、使用者がマウスピースを経て吸入するとき、呼吸作動されることが可能であるバルブが、圧縮気体の装填量をリザーバから放出し、その結果、圧縮気体は、気流経路9に沿ってブリスタ12を通って流れ、ブリスタ12において、内部に包含されている薬物を飛沫同伴する。 空気流は、飛沫同伴された医薬品と共に、医薬品供給管13を通って上方に流れ、入口4を介してノズル2に流れ込み、そこで、薬物及び空気の回転渦が、入口ポート4と出口ポート3との間において創出される。 薬物がノズル2を通過する際に、薬物は、それに隣接する境界層に存在する大きな乱流せん断力によって、並びに渦室における高レベルの乱流によって、また凝集物と他の凝集物との間、及び凝集物とノズルの壁との間における衝突により、エアロゾル化される。 エアロゾル化された粒子は、出口ポート3を介してノズル2を出て、マウスピース5を経て使用者によって吸入される。
図2は、図1に示された従来の乾燥粉末吸入器1と共に使用されるのに適切な医薬品飛沫同伴デバイス16の一部を示す。 医薬品飛沫同伴デバイス16は、ブリスタ12に包含されている薬物へのアクセスを改善し、また、空気流によって内表面が掃引されて、洗い流され、それにより、すべてまたはほぼすべての薬物(少なくとも95%)が、気流において飛沫同伴されて、エアロゾル化ノズルに搬送され、それにより、送達投与量が増大し、吸入器の連続使用間における呼吸可能な投与量のばらつきを低減することを保証する。
使用前に、ブリスタ12は、穿孔可能リッド12bが医薬品飛沫同伴デバイス16より下に位置するように、吸入器1内のハウジング11に挿入される。 医薬品飛沫同伴デバイス16は、下方端部18を有する本体17を備え、本体において、ブリスタと液密封止を形成するために、ラミネートリッド12bの周上においてブリスタ12と接触する封止部材20を受けるように、チャネル19が形成される。 環状導管21が、複数の穴を介して医薬品飛沫同伴デバイス16を通って延び、複数の穴は、封止部材19が周囲と封止係合するとき、ブリスタリッド12bより上にプレナム室22を形成するように、封止部材20の近傍の下方端部18において接合し、広がる。 環状導管21の反対側の図示されていない端部は、図1に関して記述されたように、バルブを介して、ピストンポンプ6などの加圧気体源に接続される。 中央医薬品供給管23が、環状導管21を通って軸方向に延び、下方端部18及び封止部材20を超えて突出し、ブリスタ12のリッド12bを切断する中央穿孔要素24を形成するように、傾斜面において終端する。 2次周辺穿孔部材25が、以下で明らかになる理由により、傾斜端部に隣接する中央医薬品供給管23の上に取り付けられて、ブリスタリッド12bの表面において複数の追加の穿孔を実施する中央穿孔要素24を形成する。 医薬品供給管25の対向端部は、図1の吸入器に関して記述されたノズル2などのエアロゾル化ノズルと連絡する。
2次穿孔部材25の透視図が図3に示され、この図から、部材25は、複数の周上尖頭穿孔要素26を組み込む星形リングを備え、要素26は、リングの本体27の面から逸脱する、または角度が付けられていることが理解されるであろう。 図示される実施形態では、8つの尖頭穿孔要素26が存在する。 しかし、本発明によって提供される改善された医薬品飛沫同伴は、4つの穿孔要素26で達成されることが判明しているが、8つの穿孔要素26が、最も重要な利点を提供することが判明した。 本体27の中央のアパーチャ28が、医薬品供給管23の外表面の他方端部に固定して添付された取付け部材29と係合するように寸法決めされ、それにより、尖頭穿孔要素26は、中央穿孔要素24と同じ方向において、使用前にハウジング11において取り付けられるブリスタ12のリッド12bに向かう。
2次穿孔要素25は、ステンレススチールシートをケミカルミリングし、その後プレスすることによって製造されることが好ましい。 大容積製造の他の有利な実施形態は、1次穿孔要素24及び2次穿孔要素25を単一射出成型部品に組み込む。 可能な材料には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド、ポリスルフォン(PS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルフォン(PPS)、及び熱硬化性プラスチックがある。
デバイスが使用されるとき、ブリスタ12が、ハウジング11の中に挿入され、医薬品飛沫同伴デバイス16と遭遇するようにされ、それにより、中央穿孔要素24及び2次穿孔要素26のそれぞれが、フォイルリッド12bを穿孔し、それにより、ブリスタ12bの表面において開口のパターンが創出される。 圧縮気体源と環状導管21との間のバルブ(図示せず)が、可能であれば使用者の吸入に応答して、開かれるとき、ある装填量の加圧気体が、環状導管21を通って下方に流れ、プレナム室22に流れ込み、そこから、2次穿孔要素26によって形成されるリッド12bの複数の孔を通ってブリスタ12に流れ込み、それにより、薬物は、気流において飛沫同伴され、医薬品供給管23を上方にエアロゾル化ノズルまで流れる。
中央穿孔要素24と2次周辺穿孔要素26との上述された組合せを使用することによって、ブリスタを通る空気流は、あらゆる粉末が、気流によって掃引されていない、または洗い流されていない空間においてトラップされずに、ほぼすべての薬物が飛沫同伴されて、ブリスタ12から排出されるように、著しく改善されることが判明した。 その結果、全投与量の微細粒子端数と同様に、薬物の送達投与量は改善される。 各2次穿孔要素26の先端が、フォイルラミネート12aにおいて穴をまず創出し、切断されたフォイルフラップを外れるように「押す」際に、2次穿孔要素26は、滑らかに制御され、且つ、予測可能な切断を創出することが理解されるであろう。 これは、フォイルラミネートを実質的に破り、引き裂いて、ブリスタ12を通る空気流に対して悪影響を有することがある予測不可能な切断縁及びフラップを形成する従来のピンタイプの穿孔要素と対比されるべきである。 更に、2次穿孔要素26は、ブリスタ12に入る空気流が、2次穿孔要素26によって作成される開口から出口供給管23までブリスタを経て直接進むことを防止するバフルとして作用する。 圧縮気体の装填量は、ブリスタを通る2次空気流を誘起するために使用されるのではなく、ブリスタの中にブリスタを通って直接流れ込むことにも留意されたい。 圧縮気体の装填量がブリスタを直接通過することを可能にすることによって、薬物の飛沫同伴は、著しくより効率的になる。
本発明者は、いくつかのファクタが、デバイスの反復使用中にブリスタから一貫して排出される医薬品の量に対し、著しい影響を有することも認識した。 具体的には、2次穿孔要素26の形状、角度数、及び構成が、出口供給管23の直径及びブリスタ12内への貫入深度と同様に、ブリスタ12を通る気流に対して著しい影響を有する。 これらのファクタをより詳細に説明するために、図4及び表1から3を参照する。
いくつかの試験が実施された。 これらの試験は、10の変数が評価される一部要因設計実験の一部であった。 純粋な微粉化ナトリウムクロモグリケートの3mgの投与量が、1.5バールゲージの圧力において、15mlの空気のリザーバと共に使用された。 投与量は、記述されたタイプであり、且つ、図4を参照して表3に示される寸法を有するフォイルブリスタに包含された。 すべての変数が、好ましい範囲、最も好ましい範囲、及び好ましい値と共に、図3の図面と関連して考慮されるべきである表3に示されている。
まず、医薬品供給管23を考慮すると、表1は、1.50mmの第1内径(図4の「d」)を有する医薬品供給管23、及び1.22mmの第2内径「d」を有する他の医薬品供給管23を使用して、ブリスタ12から排出する結果を示す。 表1から、平均排出及び排出再現性の両方とも、1.5mmの直径の供給管23についてより1.22mmの直径の出口管について良好であることを認識することができる。 表3からわかるように、1.22mmは、医薬品供給管23の内径について最も好ましい値であることが判明した。
ここで表2を参照すると、これは、医薬品供給管23がブリスタ12の中に突出する距離(図4の「b」)が変化するとき、ブリスタ12からの排出に対する影響を示す。 第1試験では、医薬品供給管23は、ブリスタ12の中に2.1mmだけ突出するように配置され、第2試験では、医薬品供給管23は、2.4mmの距離だけブリスタ12の中に突出することが可能とされる。 結果は、医薬品供給管23がブリスタ12の中により少なく突出する場合、ブリスタ12からの排出が改善されることを示す。 表3からわかるように、1.6mmが、医薬品供給管23がブリスタ12の中に貫入する深度について最も好ましい値であることが判明した。 しかし、1.5から1.9mmの範囲が主に好ましいが、1.5から2.7mmの範囲の貫入深度が満足できる結果をもたらすことが判明した。
図6から9において言及される排出は、以下のように測定された。 ナトリウムクロモグリケートが、5数字天秤を使用して空のフォイルブリスタ内に入れられて計量され、全重量が記録された。 次いで、ブリスタは、1.5バールの圧力において10mlの空気のリザーバを送達するアスピレアデバイスにおいて試験された(特許文献1において記述されている)。 次いで、ブリスタは、再計量され、新しい重量が記録された(排出重量として)。 飛沫同伴デバイスの排出効率は、下式を使用して計算された。
上記で記述されたように、表3は、具体的には2次穿孔要素26の寸法及び形状に関して、ブリスタ12からの医薬品の排出に影響を与えるすべての追加のファクタを列挙する。
2次穿孔部材25の好ましい寸法は、8mmの直径及び2.8mmの深さを有する円形ブリスタ12からの排出について選択された。 このサイズのブリスタ12は、最高で5mgの投与量の通常の吸入可能薬物を搬送するのに十分であり、大容積生成において医薬品をブリスタ12内に直接装填することを容易にするために、ブリスタ12においてヘッドスペースを提供する。 2次穿孔部材25の上の好ましい数の2次穿孔要素26は、8である。 ブリスタ12の周囲において一様な空気流を創出するために、多数の穿孔を内部において提供することが望ましい。 しかし、ブリスタ12を通る空気の自由な流れを可能にするために、フォイルリッド12bの十分な領域を開放することも必要である。 多くの穿孔が所与のサイズのブリスタ12にある場合、穴は、より小さくなければならず、または、穴は、穴間のフォイル12bが穿孔中に破られる確率が高くなるように、互いに接近して穿孔されなければならない。 8つの2次穿孔要素26は、ブリスタ12の周上内に容易に収容することができ、一方、各2次穿孔要素26が、ブリスタ12の中へ流れる十分な領域を開放することを依然として可能にする。 より大きなブリスタ12により、より多くの穿孔要素26を有する2次穿孔部材25が使用されることが可能になる可能性があり、より小さいブリスタ12をより少なくすることが可能になる。
ブリスタ12からの粉末の一様な排出を容易にするために、医薬品出口管23は、平坦端部を有することが理想的である(すなわち、α=90度)。 しかし、管23は、また、ブリスタ12のリッド12bの中へ制御された切断を穿孔して、粉末が出て行くのが阻害されないように、フラップを完全に開放しなければならない。 角度αが90度に近い場合、より大きな力が、フォイルリッド12bを穿孔するために必要であり、医薬品供給管23は、制御されない方式でリッド12bを穿孔する。 60度の角度が、穿孔力を不当に増大させずに、制御され、且つ、反復可能な切断をフォイル12bにおいて創出する。 角度βは、リッド12bが穿孔されるとき、穿孔領域が気流に対しどの程度開放されるかに影響を与える。 図4に示されるように、完全に穿孔されるとき、45度に近い角度が、最も大きい開放領域を得るために望ましい。 1次穿孔要素24の底部から先端までの所与の長さLについて、Lcosβsinβが最大であるとき、流れの最も大きい開領域が与えられる。 これは、β=45度のときに起きる。 好ましい実施形態では、穿孔プロセスが、デバイスごとの許容度のばらつきによる穿孔深さのばらつきについてより許容するようにするために、わずかにより小さい値(40度)が選択された。
性能に対して最も著しい影響を有する寸法は、穿孔位置における2次穿孔部材25及び出口管23の深度である。 穿孔領域が過度に小さい場合、ブリスタの空気流抵抗は増大し、ブリスタからの粉末の排出は低減される。 2次穿孔部材25の好ましい範囲は、穿孔要素26がブリスタのベース12aに接触せずに、またはリッド12bを経て隣接リングを穿孔せずに、ブリスタの上部の穿孔領域を可能な限り多く開放するように選択される。 出口管23の好ましい範囲は、管23が、リッド12bにおいてフラップを完全に切断して、開放するが、ブリスタ12のベース12aに過度に近くならないように選択される。 フラップを完全に開放するために、管23は、内部において完全直径穴を穿孔しなければならない(すなわち、ODを出口管23の外径、αを図4に示されるものとして、>OD/tanαのリッド12bより下の深度まで穿孔する)。 管23がブリスタ12のベース12aに近い場合、ブリスタ12から方向に管23への粉末の流れは阻害され、粉末の排出は低減される。 出口管23の1次穿孔要素24の点は、0.2mmであり、好ましくはブリスタ12のベース12aから0.5mmより大きくあるべきである。
フォイルブリスタ12からの効率的な排出をやはり促進する医薬品飛沫同伴デバイスの代替実施形態が、図5に示されている。 この構成では、2次穿孔部材25は、中央医薬品供給管23の回りに構成される複数の固体尖頭穿孔ピン30によって置き換えられる。 使用時、医薬品飛沫同伴デバイス16は、リッド12bを穿孔し、次いで、ブリスタ12は、図の「C」によって示される小さい距離だけ収縮される。 ブリスタ12の収縮により、ピン30は、環状導管21を通って下に流れる空気流によってブリスタ12の内部にアクセスすることを可能にするように、ピンが創出したアパーチャから外れる。 実際には、収縮機構は、リッド12bが穿孔された後、ブリスタ12を短い距離だけ引き出させる、ブリスタ12に関連付けられたカム構成を備えることが理想的である。 このようにして、いくつかの周上入口穴31が、中央穿孔要素24によって形成される中央穴と共に、ブリスタ12のリッド12bにおいて形成される。
表4は、第2実施形態の性能と第1実施形態の性能とを比較する表である。 これらの試験では、第1実施形態は、ブリスタからの改善された排出、改善された送達投与量、及び改善された全投与量の微細粒子端数を提供する。 更に、第1実施形態は好ましいが、その理由は、収縮機構が必要とされず、デバイスの製造及び動作を簡単にするからである。 しかし、収縮可能ピンまたは収縮可能ブリスタを有する医薬品飛沫同伴デバイスの性能も、既知の構成に対する改善である。
ブリスタ12内外への空気入口のパターン及び構成を変更することに加えて、医薬品飛沫同伴は、ブリスタ12内の渦巻き空気流の創出を促進するように、2次穿孔部材25の形状を変化させることによって、著しく改善することができることも判明した。 それにより、ブリスタ12からの薬物の排出は、その内表面が気体流によって完全に洗い流されることを保証することによって、改善される。
ここで、2次穿孔部材35の他の実施形態の上面図及び2つの側面図を示す図6A、6B、及び6Cの図面を参照する。 部材35は、図2に実施形態の中央供給管23の上に取り付けられた2次穿孔部材25の場所を占める。 図からわかるように、2次穿孔部材35は、ここでは、中央アパーチャ37から反対方向に延びる複数のアームまたは歯36を有するリングを備え(4つが、図6の実施形態では示されている)、それにより、中央供給管23がアパーチャ37を通って延びるように、2次穿孔部材35が中央供給管23の上に取り付けられるとき、アームまたは歯36は、中央供給管23の軸に対してほぼ直角に延びる。 アパーチャ37から遠い各アーム36の端部の側では、弓形の外周38を有するフラップが形成される。 各フラップは、フォイルリッド12bを穿孔するために使用されるベーン表面39を形成するように、アーム36の面から下方に傾斜される。 ベーン表面39は、また、圧縮気体の装填量が環状導管21を経て下方に進行し、環状導管21からプレナム室22を経て、ベーン39によって創出される内部の開口を介してブリスタ12に流れ込む際に、圧縮気体の装填量に渦巻き運動を誘起するようにも作用し、それにより、空気は、中央供給管23の軸のほぼ回りにおいて、ブリスタ12の周囲を循環する。
図6Bは、ブリスタ12内においてほぼ完全に受けられるベーンを有する2次穿孔要素35を示すが、ある割合のベーン表面39が、ブリスタ12より上及びその外部に依然としてあることが可能であり、それにより、気流が、ベーン39によってブリスタ12において形成されるアパーチャを経てブリスタ12に流れ込む前に、プレナム室22内において空気流に対し渦巻き運動を誘起することが理解されるであろう。
図7A及び7Bに示されるように、上述された実施形態の修正された好ましいバージョンでは、矢印「B」によって示される渦巻き運動が、環状気流導管21を介してではなく、接線気体入口40を介して、圧縮気体の一部またはすべての装填量をプレナム室22の中に導入することによって、ブリスタ12及び2次穿孔部材35より上のプレナム室22において生成されることが可能である。 この場合、ベーン39は、空気がブリスタに入る際に、プレナム室において生成される渦巻き空気流を維持するように作用する。 ベーンがない場合、空気がブリスタに入る際に、大部分の渦巻き効果が失われ、従って、ベーン及び接線流れ入口40の組み合わせは、流れがブリスタ12に入る際に、流れの「直線化」を防止する。
図6C及び7Bに関する好ましい寸法及び角度が、表5に示されている。 スターまたは2次穿孔部材のサイズは、ブリスタのサイズに関係する。 好ましい実施形態では、ブリスタの直径は8mmであり、深度は2.8mmである。 異なるサイズのブリスタが使用される場合、穿孔スターは、対応してスケーリングされる。 2次穿孔要素のベーンは、2つの機能を有する:空気流を可能にするように十分に大きい穿孔を開放し、空気がブリスタに入る際に、空気における渦を促進する、または少なくとも低減しない。 従って、そのサイズは、ブリスタによって実際に収容することができることように大きく選択される。 ベーンのプロファイルは、ブリスタボールの湾曲プロファイルに整合するように選択されるが、穿孔位置にあるとき、ブリスタの側面に接触しない。 ベーンの角度は、ベーンの所与のサイズについて最大に可能な流れ面積を開放するように、フォイルに対して45°に近くなるように選択される。 好ましい実施形態では、4つのベーンが使用された。 理想的な場合では、多数のベーンにより、渦巻き流が、ブリスタの周上のすべての点において一様にブリスタに入ることが可能になる。 しかし、多くの点における穿孔により、フォイルが、制御されず、従って望ましくない方式で破れることがある。 4つのベーンが、制御された穿孔を提供し、十分な空気流がブリスタに入るのを可能にする。 より大きいブリスタが、より多くのベーンを可能にし、小さいブリスタが、より少ないベーンを収容する。 プレナム室22の寸法は、内部の投与量に伝達される強く渦巻く空気流をブリスタの上に創出するように選択される。 入口は、ブリスタの下流の渦ノズルの抵抗と比較して、空気流に対して最小の抵抗を提示するようにサイズ決めされる。 医薬品供給管23の内径(d)、医薬品出口管23のブリスタ内への穿孔深度(b)、軸に対する出口管23の面の角度(α)、ブリスタの直径(C)、及びブリスタの深度(e)などの残りの寸法は、表3に示されている寸法と同じである。
すでに記述されたように、渦巻き空気流をブリスタ12内に導入することにより、空気流において飛沫同伴されて、ブリスタ12から医薬品供給管23を経てエアロゾル化ノズル2に排出される薬物の量が増大し、従って、送達投与量及び送達投与量の微細粒子端数は改善される。
以上に加えて、吸入器が使用者によって適切な配向において使用されることを保証することは、常に可能ではない。 従って、例えば吸入器が逆さまに使用されるとき、性能が悪影響を受けないことが重要である。 渦をブリスタの粉末に導入する枢要な利点は、排出が、吸入器の配向によってより影響を受けないことである。
以下の表6は、ブリスタの穿孔中に吸入器デバイスが逆さまに保持される場合の試験結果を示す。 フォイルブリスタは、3mgのナトリウムクロモグリケートで充填され、次いで、15mlのリザーバ容積及び1.5バールのリザーバゲージ圧力の装置で試験された。 放出投与量は、医薬品の量を評価するために、DUSA装置及び湿潤化学検定を使用して測定された。 5つの連続ショットが、このようにして評価され、平均値及びRSD(=標準偏差/平均)が計算された。
図2及び4の標準的なプレナム及び2次穿孔要素では、放出投与量は、ブリスタが逆さまに穿孔されるとき、9パーセンテージポイントだけ減少する。 5ショットにわたる投与量ごとのばらつきも、逆さまに穿孔されるとき著しく悪化し、RSDは、2%から10%に増大する。 図6及び7のプレナム室22及び2次穿孔要素への接線方向空気流入口では、平均放出投与量は改善され、ブリスタを逆さまに穿孔するときの性能の変化は、3パーセンテージポイントに減少する。 5ショットにわたる投与量ごとのばらつきは、ブリスタが逆さまに穿孔されるか、または適切な配向にあるかに関係なく、同じであることが重要である。 これは、標準的な構成と比較して、重要な利点であるが、その理由は、渦巻き構成が、使用の配向に関係なく、より一貫した投与を達成することができるからである。
表7は、図2の実施形態が図11において使用される2次穿孔部材と共に試験されるとき、及び、図11の実施形態が図3の2次穿孔要素共に使用されるときに得られる結果を示す。 これは、プレナム室22への接線方向空気流入口が、図11の2次穿孔要素と組み合わされるとき、最適な性能が得られることを示す。
渦ノズルエアロゾル化システムでは、ノズルを通過する粉末の最大装填量(すなわち、秒当たりの粉末の質量)が閾値より小さく維持されることが望ましいも判明した。 この閾値より上では、ノズルは、過剰装填されることがあり、その効率は低減され、これは、送達投与量に対して悪影響を有する。 従って、ノズルの粉末密度が、ノズルの効率を維持するように十分低く維持されるように、粉末の導入をある時間期間にわたってノズルに拡散させることが望ましい。
ブリスタにおいて渦巻きを生成する他の利点は、粉末が空気流において飛沫同伴される時間が長くなり、従って、エアロゾル化ノズルに入るより一様な粉末の流れを達成するように作用することである。
投与量貯蔵パック
従来のブリスタ12からの医薬品の排出を改善するデバイスを提供することに加えて、本発明者は、特に乾燥粉末吸入器と共に使用される医薬品投与量を貯蔵する新しいタイプの薬物パックも開発した。 吸入器は、加圧気体源からエアロゾル化ノズルへの気体の流れに対する制約を最小限に抑え、並びに、医薬品を飛沫同伴して、パックからほぼすべての医薬品を排出するように、空気入口とパッケージへの出口との間において渦巻き空気流を生成するように設計される。
本発明による薬物パックの2つの好ましい実施形態が、図8A及び8Bに示されている。 図10は、これらの室設計のそれぞれを使用して排出された医薬品(3mgナトリウムクロモグリケート−飛沫同伴デバイスは、3L/mにおいて試験された図8Bの実施形態とは別に、2L/mの流量を3秒間送達するようにセットアップされた空気流制御装置に添付された)のパーセンテージを示す表であり、結果は、図8Cから8Gの断面図に示されるいくつかの他のパッケージ、並びに比較のために従来のゼラチンカプセルを使用して得られた。
図からわかるように、本発明者は、投与量が、対面端壁並びに接線方向入口46及び出口47を有する円筒渦巻き室45に包含され、入口46及び出口47が、透視図及び2つの断面図をそれぞれ示す図8A及び13AAの実施形態において示されるように、渦巻き室45の対向端部に位置するとき、乾燥粉末の非常に効率的な飛沫同伴が得られることを発見した。 室の直径は4mm、その長さは7mmであることが好ましい。
図8Bの透視図に示されるように、投与量が、室の縦軸と同軸である接線方向入口49及び出口50を備える円筒渦巻き室48に包含されるとき、わずかに効率が劣る飛沫同伴が得られる。
上述された薬物パックの1つが使用されるとき、渦巻き室47、50の出口は、エアロゾル化ノズルに接続され、渦巻き室入口46、49は、バルブに接続され、バルブは、加圧気体源に接続される。 使用時、例えば使用者の吸入に応答して、バルブが開かれるとき、ある装填量の加圧気体が、室45、48に流れ込み、室45、48の形状に従って、入口46、49から出口47、50まで渦巻き流を創出し、これは、乾燥粉末投与量の非常に大きい割合を洗い流して、出口47、50を経てエアロゾル化ノズルに送達する。
本発明による薬物パックの他の実施形態が、図9の断面図に示されている。 図からわかるように、パック51は、開端部を有する短い管の形態のプラスチック成型ハウジング52を備える。 穿孔可能フォイルラミネート53a、53bが、各開端部を封止する。 パック51が使用されるとき、フォイル53aは、空気流入口管54がパック51の中に貫入することが可能であるように穿孔され、フォイル53bは、エアロゾル化ノズル55aと連絡する医薬品出口管55がパックの中に貫入することが可能であるように穿孔される。 フォイル53a、53bは、内部に包含されている投与量が空気流において飛沫同伴されるように、空気が、出口に到達する前に、パックの全体をほぼ通って進行しなければならないように穿孔される。 このタイプのパックは、それぞれが異なる設計を有するいくつかの吸入器と共に使用されることが可能であるが、その理由は、従来のブリスタパックと同様に、両側において、または一方の側のみにおいて、パックを穿孔することができるからである。
以前に記述されたように、デバイス内における医薬品のあらゆる付着が、デバイスが連続使用される際の送達投与量のばらつき、並びに全投与量の微細粒子端数に対して、著しい影響を有することがある。 従って、空気流において飛沫同伴されている医薬品が接触することがあるデバイスの構成要素を最小限に抑えることが望ましい。 このために、本発明は、医薬品貯蔵室、エアロゾル化ノズル、及びノズルとブリスタとの間の医薬品供給管が、デバイスの使用後に廃棄される単一使用統合モジュールにおいて共に形成される薬物パックをも提供する。 図11Aから11Gは、本発明による1つまたは複数のエアロゾル化ノズルを組み込む医薬品パッケージの様々な実施形態を示す。 パック60の好ましい実施形態が、図11Aに示されている。 エアロゾル化ノズル61及び投与量貯蔵ブリスタ62が、両方とも、穿孔可能リッドフォイル65で覆われた冷間形成フォイルベース64から形成される。 リッド65は、好ましくは熱封止によってベース64に封止される。 投与量貯蔵室62は、リッドフォイル65を穿孔する結果として、空気が内部に形成された入口66を介して入る際に空気の渦巻き流を促進するように、半円筒として成形されることが可能である。 他の室61は、接線方向入口67、及びやはりリッド65を穿孔することによって形成される軸方向出口68を有するノズルまたは渦室として構成されることが可能である。 ある装填量の加圧気体が入口66を介して医薬品貯蔵室62の中に進行するとき、室62に包含されている投与量は、空気流において飛沫同伴される。 飛沫同伴された投与量は、医薬品貯蔵室62と、投与量が、せん断力、乱流、及び衝撃の行為によってエアロゾル化されるノズル61との間の中間導管69を介してノズル61に流れ込む。 エアロゾル化された投与量は、出口ポート68を介してノズル61を出る。 ノズル61の直径は8mmであり、その深度は1.0から2.8mmの範囲にあることが好ましい。
図11Aの好ましい実施形態の修正バージョンが、図11Bに示されている。 この構成では、投与量貯蔵室66は、形状が円筒であり、入口66が吸入器によって穿孔される追加の入口空洞からの接線方向入口70を有する。
他の実施形態が、図11Cに示されている。 冷間形成を使用してフォイルから投与量貯蔵室62及びエアロゾル化ノズル61を形成する代わりに、投与量貯蔵室62及びノズル61は、図11A及び11Bの実施形態と同様に、リッド65が上に封止されるプラスチックモジュール72から形成される。 ノズル61及び投与量貯蔵室62を成形する利点は、投与量貯蔵室62及びノズル61が完全にフォイルから形成されるときに達成されるより優れた精度及び画定が室61、62の幾何形状において達成されることが可能になることである。
図11Dは、図11Cの組み合わされた投与量貯蔵室62及びノズル61の修正バージョンを示す。 リッドフォイル65のノズル61から出口68を形成する代わりに、出口73が、成型プラスチック構成要素において形成され、この成型プラスチック構成要素は、使用前に、フォイルフラップ74で封止されることが可能であり、出口73を開くために剥がされる。 これにより、出口73の幾何形状において達成可能な画定が改善される。
他の実施形態が、図11Eに示されている。 このバージョンでは、医薬品貯蔵室62とノズル61との間に中間導管69は存在しない。 代わりに、これは、入口66に加えて、医薬品貯蔵室62を覆うフォイルにおいて、医薬品の出口75を穿孔する。 吸入器は、また、内部に飛沫同伴されている医薬品と共に圧縮気体の入口を形成するために、ノズル61を覆うリッド65において開口を穿孔しなければならない。 出口73は、図11Dに関して記述されたように、プラスチック成型で形成されることが可能である。 この構成の利点は、粉末が、投与量貯蔵室62に包含され、パックが使用されるときにリッド65が穿孔されるまで、渦室61の中に移動することができないことである。
他の構成が、図11F及び11Gに示されている。 図11Fの実施形態では、単一エアロゾル化ノズル61を供給する複数の医薬品貯蔵室62が示されている。 この実施形態は、単一使用ノズルを使用する実施形態ほど効率的ではないが、その理由は、例えば、第1投与量貯蔵室62aの排出中に、医薬品の付着が起きる可能性があり、これは、第2及び/または第3投与量貯蔵室62b、62cが同じノズル61と共に使用されるとき、送達投与量に影響を与えるからであることが理解されるであろう。 図11Gは、単一アセンブリにおける複数の投与量貯蔵62a、62b、62c及びノズル61a、61b、61cの対を示す。 投与量貯蔵室及び渦室は、穿孔可能リッドフォイルで覆われた冷間形成フォイルから形成されることが好ましい。
本出願のこの部分において記述される実施形態は、活性、すなわち粉末化された、乾燥粉末分散吸入器に主に関するが、概念は、分散エネルギーがデバイスの使用者によって提供される受動乾燥粉末吸入器にも同様に適用される。 当業者なら理解するように、飛沫同伴ブリスタまたは室及びエアロゾル化ノズルを通る空気経路の寸法は、受動吸入のために十分に小さい圧力降下を提供するために、拡大される必要がある。 例えば、これは、デバイスのサイズを対応してスケールアップすることによって達成することができる。
バルブの改良
上記で簡潔に議論されたように、治療活性剤を含む乾燥粉末が、デバイス内における付着が最小限であるように、それが貯蔵されているパックから、並びに送達デバイスから完全に排出されることを保証することが必要である。 これを達成する他の方式について、以下で記述する。
投与量の飛沫同伴の効率を向上させるために、装填量が非常に短時間にわたってブリスタに入るように、圧縮気体の装填量を放出するバルブが迅速に開かれ、また、投与量のすべてまたはほぼすべてが空気流において飛沫同伴されるように、投与量が気体から十分な流体エネルギーを受け取ることが重要である。 バルブが緩慢に開かれる場合、投与量は、長期にわたってより少ないエネルギーを有する気体の装填量を受け取り、従って、投与量のいくらかは、空気流において飛沫同伴されない可能性があり、その結果、デバイスの効率は低下する。
以上から、迅速に開かれ、且つ、開かれた後、流れに対して最小限の抵抗を提示するバルブが必要であることが理解されるであろう。 バルブが開かれる速度は、バルブが完全に閉じられている時間と、バルブが完全に開かれている時間との間の最短時間によって確定されることが可能である。 更に、バルブを動作するために必要な力が、構成要素に対する歪みを低減し、且つ、動作の容易さを促進するように、可能な限り小さいことも望ましい。
圧力に対抗してバルブを閉じて維持するために必要な努力は、封止力を呼ばれる。 封止力は、圧力Fp及び設置力Fsの2つの成分を備える。 圧力は、室内の圧力によって生成される力であり、Pをバルブに作用する圧力、Aを圧力が作用する面積として、式Fp=PAによって与えられる。 バルブの構成に応じて、圧力は、バルブを開位置または閉位置に向かって偏向させるように作用することが可能である。 設置力Fsは、バルブのコンプライアント部分(封止)とバルブシートとの間の密接接触の連続ループを創出するために必要な力である。
不動機構によって封止され、且つ、バルブに作用する圧力がバルブを開位置に変更させるように構成されるバルブを有する吸入器が、特許文献5から既知である。 バルブは、圧縮気体がバルブを開位置に偏向させ、従って開放を補助するので、迅速に開かれるが、閉鎖機構が、封止を補助するためにこの圧力を使用するのではなく、室において生成される圧力に対抗しなければならないので、バルブは、漏れる可能性がある。 従って、実際には、封止を保証する大きな閉鎖力が必要である。 このタイプのバルブに関する他の欠点は、室を再加圧する前に、バルブをリセットしなければならないことである。
バルブを封止するために克服されなければならない圧力を低減するために、バルブ出口オリフィスの面積は、最小限とされる。 しかし、これにより、バルブを通る流速が大幅に低減され、それにより、バルブは迅速に開かれるが、室が空になる速度は、バルブ出口オリフィスのサイズが小さいことによって制限されるという更なる欠点が導入される。
代替バルブ構成では、室の圧力は、漏れる危険性を低減するために、バルブを閉鎖位置に偏向させる。 この手法の利点は、バルブを閉じて維持するために必要な力が設置力のみであることであり、この力は、圧力によって提供されることが可能である。 しかし、バルブを開くために、バルブに作用する圧力は克服されなければならず、これは、特にバルブが迅速に開かれる場合、圧力よりはるかに大きい作動力を必要とする。
以上から、上述されたタイプのバルブのそれぞれは、望ましくない妥協を具体化することが理解されるであろう。 第1タイプのバルブ構成では、バルブは迅速に開かれるが、バルブを閉じて維持するために大きな力を必要とし、また、例えば手動リセットによって、リセットされることが必要である。 第2の場合、バルブは、小さい閉鎖力を有し、潜在的に自己リセットとすることができるが、大きな開放力が迅速な開放のために必要である。
本発明は、上記で記述されたタイプのバルブのいずれかを有する吸入器に関連する欠点を克服する、または大きく軽減するバルブを有する乾燥粉末吸入器を提供することを追求する。
本発明の一実施形態によれば、加圧気体が、医薬品飛沫同伴デバイスに配置される薬物の投与量を通って流れ、前記投与量を気体において飛沫同伴するように、使用者によって作動可能な医薬品飛沫デバイス及びバルブを含めて、使用者によって吸入されるある投与量の薬物を送達する乾燥粉末吸入器が提供され、バルブは、第1モードにおいて、加圧気体がバルブ部材を開状態に偏向させて、気体がバルブを流れることが可能になり、第2モードにおいて、加圧気体がバルブ部材を閉状態に偏向させて、気体がバルブを通って流れるのを防止するように構成されるバルブ部材を備える。 加圧気体に言及されているが、これは、気体の他に圧縮空気を含むことを理解されたい。
バルブは、バルブ部材が閉状態にあるとき、加圧気体がバルブ部材の両側に作用するように構成されることが好ましい。 バルブ部材の各側に作用する気体の圧力は同じとすることが可能であるが、加圧気体が作用するバルブ部材の一方の側の断面積を、加圧気体が作用するバルブ部材の他方の側より大きくすることが可能である。 これは、同じ所与の圧力について、バルブのより大きい断面積に作用する力がより大きいことを意味する。 バルブ部材の一方の側で生成される力がより大きいので、バルブ部材は、閉状態に維持される。
好ましい実施形態では、バルブは、バルブ部材の一方の側に作用する気体の圧力が、バルブ部材の他方の側に作用する圧力に対して変化することに応答して、バルブ部材が、閉状態から開状態に移動するように構成される。
吸入器は、加圧気体のリザーバ、及びリザーバから医薬品飛沫同伴デバイスを通る加圧気体の通路のバルブオリフィスを備える。 閉状態にあるとき、バルブ部材の第1側が、バルブオリフィスと封止を形成し、それにより、前記リザーバの加圧気体は、バルブオリフィスの断面積によって画定されるバルブ部材の前記第1側の一部のみにわたって作用する。
バルブオリフィスは、リザーバと連絡して管のマウスにおいて配置され、管は、バルブ部材が閉状態にあるとき、バルブ部材と封止を形成するために、バルブ部材の前記第1側と共動するバルブシートを端部において含むことが好都合である。
バルブは、バルブ部材の第1側とバルブシートとの間の封止が破壊されるとき、リザーバにおける気体の圧力がバルブ部材の第1側のほぼ全表面にわたって作用し、それによりバルブ部材を開状態に偏向させるように構成されることが好ましい。 バルブの一方の側に作用する圧力が解放される際に、バルブの他の側に作用するリザーバの気体の圧力が、バルブ部材がバルブシートから離昇するのに十分である閾値に到達する。 これが起きるとき、バルブ部材の下面全体が、リザーバの気体の圧力に暴露されて、リザーバを迅速に開放させる。
一実施形態では、吸入器は、リザーバにおける気体の圧力がバルブを経て解放されるとき、バルブ部材を閉状態に偏向させる偏向手段を含む。 これは、バルブ部材を閉状態に自動的にリセットし、リザーバを加圧する前にバルブ部材の他の側を加圧するあらゆる必要性を排除する。
偏向手段は、ばねを備えることが好都合である可能性がある。
好ましい実施形態では、バルブ部材を閉状態から開状態に移行させるために、バルブ部材を閉状態に偏向させる圧力を解放する手段が提供される。
バルブは、バルブ部材を閉状態に偏向させる圧力が生成される1次室を含み、バルブ部材を平常対に偏向させる圧力を解放する前記手段は、1次室において解放ポートを備えることが好ましい。
バルブは、解放ポートを大気に対して開く手段を含むことが有利である。 解放ポートを開く手段は、呼吸作動されることが最も有利である。
バルブが呼吸作動されるとき、使用者による吸入に応答して、1次室が大気に対して解放されるのを防止するために解放ポートが1次室と連絡していない第1閉位置から、1次室を大気に解放するために解放ポートが1次室と連絡している第2開位置に可動である2次バルブ部材を含むことが好ましい。
2次バルブ部材は、2次バルブ部材が閉位置にあるとき、1次室の圧力が、大気圧が作用するバルブ部材の他の側の断面積より小さい断面積の2次バルブ部材の第1側に作用するように構成されることが好ましい。
バルブ部材及び2次バルブ部材は、固定可能ダイアフラムとすることが可能であることが好都合である。
吸入器は、加圧気体または空気でリザーバを装填する手段も含むことが好ましい。 前記手段は、1次室を装填するように動作可能でもあることが最も好ましい。
導管が、加圧気体でリザーバを装填する最中に、1次室の装填を容易にするために、リザーバを1次室と連絡させることが可能である。
ここで、本発明の実施形態について、例としてのみ、添付の図面の図13から20を参照して記述する。
使用者によって吸入される粉末薬物をエアロゾル化する従来の気体粉末化乾燥粉末吸入器の概略図が、図12に示されている。 吸入器1は、薬物Mのエアロゾルを生成するための出口ポート3及び入口ポート4を有する渦室またはノズル2を備える。 ノズル2は、使用者が通してエアロゾル化薬物Mを吸入するマウスピース5の内部に配置される。
投与量は、ポンプシリンダ8において受けられるプランジャ7を含むピストンポンプ6として図12に示されるポンプによって生成される空気流において、ノズル2に供給される。 空気流経路9が、ポンプシリンダ8から、単一投与量の薬物(通常0.5と5mgとの間)を包含するフォイルブリスタ12を支持するために、ハウジング11を備える医薬品飛沫同伴デバイス10まで延びる。 ブリスタ12は、穿孔を容易にするために選択されたハードロールフォイルラミネートリッド12bで封止された冷間形成フォイルブリスタベース12aを有する。 医薬品供給管13が、ノズル2の入口ポート4からハウジング11の中に延び、そこで、穿孔要素14において終端する。 吸入器1が使用されるとき、ポンプ6は、内部に包含されている空気を圧縮するために、プランジャ7をポンプシリンダ8の中にスライドさせることによって(図12の矢印「A」の方向において)、ある装填量の圧縮空気で充填される。 その後、ハウジング11及び医薬品供給管13は互いに関して移動し、それにより、穿孔要素14がフォイルラミネート層12aを破壊して、ブリスタ12に貫入し、その結果、使用者がマウスピース5を経て吸入するとき、呼吸作動されることが可能であるバルブ15が、圧縮気体の装填量をシリンダ8から放出し、圧縮気体は、空気流経路9を下方にブリスタ12の中に流れ、医薬品供給管13を通って上方に流れる。 空気がブリスタを通過する際に、内部に含まれている投与量は、空気流によって飛沫同伴され、医薬品供給管13を上昇し、入口ポート4を経てノズル2の中に搬送される。
薬物及び空気の回転渦が、入口ポート4と出口ポート3との間のノズル2において創出される。 薬物がノズル2を通過する際に、薬物は、隣接する境界層に存在する大きい乱流せん断力によって、並びに渦室における高レベルの乱流によって、及び凝集物と他の凝集物との間、また凝集物とノズル2の壁との間の衝突により、エアロゾル化される。 薬物及び空気のエアロゾル化された投与量は、出口ポート3を介してノズル2を出て、マウスピース5を経て使用者によって吸入される。
図13から16は、本発明の原理により動作するバルブ高度に簡略化された3つの図であり、説明し、及び本発明の理解を容易にするために、まずそれらを参照する。
ここで図13を参照すると、圧縮気体または空気の源を含むリザーバ21を備えるアセンブリ20が示されている。 リザーバ20は、ピストンポンプ、チェックバルブを介してアキュムレータを装填する複数行為ポンプ、圧縮気体のキャニスタまたはHFAなどの噴射剤のキャニスタを含む様々な手段を使用して装填されることが可能である。 リザーバ21は、シート24において終端する管23によって画定される圧縮気体出口オリフィス22を有し、それを通って、気体が、リザーバ20からサーボ室25を介して、出口オリフィス26を通ってアセンブリ20を出て、医薬品飛沫同伴デバイス(図示せず)を介して医薬品エアロゾル化手段に進むことが可能である。 バルブ部材27が、圧縮気体がリザーバ21からサーボ室25に流れ込むのを選択的に可能にする、または防止するように、出口オリフィス21に関連付けられる。
バルブ部材27は、管22の端部を横断して延びる柔軟ダイアフラム28を備える。 ダイアフラムの中央領域29が、バルブが閉じているとき、シート24と封止と作成するように、シート24と接触する。 ダイアフラム28の下面の比較的小さい中央領域29のみが、リザーバ20における圧縮気体源によりダイアフラム28に作用する圧力の影響に暴露されることが理解されるであろう。 この領域のサイズは、管23の内部断面積に依存する。
ダイアフラム28は、ここで記述される理由のために、ダイアフラム28の上に空間または1次室31を画定するように、ハウジング30の内部に配置され、ハウジング30の壁の間において延びる。
リザーバ21が圧力Presに加圧されるとき、圧力が、ダイアフラム28の中央領域29にわたって作用し、これにより、ダイアフラム28がシート24から離昇する傾向があり、従って、気体がリザーバ21から逃げることが可能になることが理解されるであろう。 ダイアフラム28の中央領域29に対するこの圧力を打ち消すために、ダイアフラム28の反対側に対して作用する圧力が、シート24に接して中央領域29を保持し、従ってバルブを閉じて維持するのに十分であるように、1次室31も、圧力Ppに加圧される。 バルブを閉じて維持するために十分である、1次室31において圧力Ppによって生成されなければならない封止力は、シート24に対するダイアフラム28の設置力Fsと、ダイアフラム28の中央領域29にわたってダイアフラム28に作用する圧力Presによる圧力Fpとの和である。 通常、1次室31は、リザーバ21と同じ圧力に加圧されるだけでよい、すなわち、バルブを閉じて維持するためにPp=Presである。 これは、圧力Ppが、圧力Presよりはるかに大きいダイアフラム28の表面領域に作用するからである。
管23の直径は、ダイアフラム28が開放された後、流れを阻害しないように十分大きくすることが可能である。 管23の断面積は、ダイアフラムに作用する正味の力が、中央領域29がバルブシート24に対して封止する、すなわち正味の力>設置力Fsであることを保証するのに十分であるように、ダイアフラム28の全段面積より小さいことが必要であることによってのみ限定される。
バルブを開くために、封止がダイアフラム26の中央領域29とシート24との間において破壊されるように、ダイアフラム28を離昇させることが必要である。 これを実施するために、ダイアフラム28は、機械デバイス(図示せず)を使用して離昇させることができる。 ダイアフラム28が脱設置された後、圧力Presは、この段階で、中央領域29だけでなく、ダイアフラム28の下面全体にわたって作用することが理解されるであろう。 その結果、バルブを閉じて維持するために必要な封止力と、ダイアフラム28の上面にわたって作用する室31の圧力による力とは等しくなる。 この段階でダイアフラム28に作用する正味の力がゼロにあるので、バルブは迅速に開かれる。
ダイアフラム28がシート24に接して位置する元の閉位置にダイアフラム28を移動させることによってバルブをリセットするために、1次室31は、ダイアフラム28に対する正味の力が、ダイアフラム28の中央領域29とシート24との間において必要な設置力を超えるように、リサーバ20より前に加圧される。
図13を参照して記述されたアセンブリの第1修正バージョンが、図14に示されている。 この構成では、1次室31を前もって加圧することが不必要になるが、その理由は、ばね29などの偏向手段が、ダイアフラム28とハウジング30との間に配置されて、ダイアフラム28の中央領域29をシート24に接するように偏向させ、それにより、バルブを自己リセットするように作用するからである。
図13を参照して記述されるアセンブリの第2修正バージョンが、図15に示されている。 この構成では、ダイアフラム26は、ダイアフラム28に作用する圧力による力Fpが、ダイアフラム28の中央領域29をシート24に接して保持するにはもはや十分ではない点において、室13の圧力が崩壊することを可能にすることによって、バルブを開くようにシート23から離昇される。 圧力は、室31を大気に連絡するようにハウジング30のポート32を開くことによって、崩壊することが可能であることが好ましい。 この実施形態は、特に有利であるが、その理由は、リザーバの圧力Presが、ダイアフラム28を強制的に開き、従って、リザーバ21からの解放が特に迅速になるからである。
ポート32を開閉するために、機械デバイスを提供することができるが、図13の修正バージョンは、図16を参照してここで記述されるように、使用者の吸入に応答してポートが開かれるように適合することができる。 このために、アセンブリは、2次バルブ部材33を備え、これは、第1ダイアフラム28と同様の方式で第2ハウジング35において取り付けられた呼吸作動ダイアフラム34、ベーン、またはピストン(図示せず)とすることが可能である。 呼吸作動ダイアフラム34は、中央領域36を有し、中央領域36は、1次室31と連絡するアパーチャ40から延びる管38の端部に形成されるシート37に接して封止し、呼吸作動ダイアフラム34の中央領域36の下面は、1次室31から、大気に対して開いている1次室ダンプポート39に空気が流れるのを遮断する。 2次ダイアフラム34の上面は、開口38を介してマウスピース5と連絡する。
使用者がマウスピース5を経て吸入するとき、呼吸作動ダイアフラム34の中央領域36は、開口38を介して呼吸作動ダイアフラム34の上面に伝達されるマウスピース5において創出されるより低い圧力のために、シート37から離昇する。 呼吸作動ダイアフラム34が脱設置されるとき、1次室31は、アパーチャ40、管38、及び1次室ダンプポート39を介して、大気に対して開かれる。 これが行われるとき、1次室31の圧力は閾値に到達し、この閾値において、ダイアフラム28は、迅速に離昇し、リザーバ21からサーボ室25及び出口オリフィス26を経て、圧縮気体の装填量を放出し、空気流導管41を介して、医薬品飛沫同伴デバイス及びエアロゾル化手段43に薬物の装填量を送達する。 使用者が吸入するときに呼吸作動ダイアフラム34がシート37から離昇するとき、1次室の気体の圧力は、中央領域36にわたってだけでなく、呼吸作動ダイアフラムの下面の断面領域全体にわたって作用することが理解されるであろう。 従って、1次室31の空気の圧力は、呼吸作動ダイアフラム34が開くのを補助する。
ばね44などの偏向手段が、呼吸作動ダイアフラム34に対して作用し、それにより、1次室31における気体の装填量が放出されるとき、呼吸作動ダイアフラム34は、ばね44によって閉位置に自動的に戻る。 この構成により、呼吸作動ダイアフラム34は、使用者による別のリセット行為を必要とせずに、自己リセットされることが可能になる。
バルブは、サーボタイプの行為を使用することが理解されるであろう。 ダイアフラム28がある程度開かれるとき、リサーバ21からの高圧空気が、ダイアフラム28より下のサーボ室25に充満し、次いで、サーボ室25は、下流の医薬品飛沫同伴及びエアロゾル化手段43を介して空になる。 下流飛沫同伴デバイス及びエアロゾル化手段43の流れ抵抗が、管22の流れ抵抗よりはるかに大きい場合、サーボ室25の圧力は、迅速にリサーバの圧力21とほぼ等しくなる。 この圧力は、ダイアフラム28の下側に作用し、リザーバ21が解放されている間、ダイアフラム28を開いて維持する。
本発明者によって、室ダンプポート39の直径は、1次室31の迅速な開放を容易にするように十分大きいことが必要であることが発見された。 1次室31が過度に小さい場合、呼吸作動ダイアフラム34は、「跳ね返る」または「はためく」ことができ、それにより、1次室31は、複数ステージにおいて解放され、吸入器の効率を損なう。 室ダンプポート39の断面積は、0.15mm2より大きくあるべきであり、好ましくは0.15mm2と0.75mm2との間にあるべきである。 最も好ましい実施形態では、室ダンプポート37の断面積は、0.4mm2である。 ダンプポート39が0.15mm2より小さい断面積を有する場合、遅延が、第2ダイアフラムの運動と、主要バルブダイアフラム26の開口との間に導入される。 そのような遅延は、投与量が、使用者によって吸入中に後に送達される場合、望ましい遅延を導入するようにダンプポート39を設計することができるが、望ましくない。
室31は、それを加圧することを可能にするように、それ自体の手段を備えることができるが、室31を装填するためにも、リザーバ21を装填する手段を使用することが特に望ましい。 これは、例えば、バルブの作動より前に閉じられるリザーバ21と室31とを連絡するポート(図示せず)を組み込むことによって達成することができる。
リザーバ21と室31との間にポートが存在することにより、呼吸作動ダイアフラム34とそのシート37との間から漏れる場合に、バルブの時期尚早のフィアリングも防止され、漏れは、例えば、呼吸作動ダイアフラム34とそのシート37との間に不純物が侵入するために生じることがある。 ダイアフラム28は、1次室31とリザーバ21との圧力差が特定の閾値より降下するとき、開かれるように設計されるので、漏れによりバルブが開いて、医薬品投与量を時期尚早に浪費することがある確率が存在する。 しかし、ダイアフラム28は、圧力が十分緩慢に低減される場合、サーボで開かれず、代わりに、気体が逃げることが可能であるように徐々に開かれ、それにより、リザーバの圧力は、緩慢に減少する室31の圧力に比例して減少する。
アセンブリは、1次室31をリザーバ21と連絡する制御オリフィス(図示せず)を更に備えることが可能であり、それにより、制御オリフィスの狭窄より小さい内部における漏れによる室31のあらゆる圧力降下は、リザーバ21から補填される。
ここで、図17から20に示される本発明による実際の乾燥粉末吸入器の一部を形成する呼吸作動バルブモジュール50を参照する。 呼吸作動バルブモジュール50は、図13から16を参照して記述されたように作用し、従って、同じ構成要素は、理解を容易にするために、同じ参照符号によって参照される。
呼吸作動バルブモジュールの透視図が、図17に示され、ねじ55を使用して下方ケース部分54の上に取り付けられる上方ケース部分53を備える。 圧縮空気が通ってモジュールから医薬品飛沫同伴デバイスを介してエアロゾル化ノズルに流れる出口26を見ることができ、バルブモジュール50をマウスピースに接続し、また、介して呼吸作動ダイアフラムが使用者による吸入に応答して制御されるコネクタ56を見ることもできる。
図18は、図17に示されるモジュール50の上面図を示し、図19及び20は、それぞれ線A−A及びB−Bに沿って取られた2つの断面を示す。 断面図は、リザーバ21及び管22からの出口オリフィス22を示し、ダイアフラム28は、バルブシート28に接して位置する。 1次室31は、モジュールを横断して延び、この室31から室ダンプポート39を経た圧縮空気の放出は、管38の端部においてバルブシート37に接して位置する呼吸作動ダイアフラム34によって選択的に防止される。
粉末飛沫同伴&非凝集化
ディスペンスデバイスの作動の際に、粉末薬剤は、デバイス内において(能動的または受動的に)生成される空気流において飛沫同伴される。 粉末がこの空気流において飛沫同伴され、次いでデバイスから放出される方式も、可能な限り多くの活性材料がディスペンスされることを保証するのに重要である。
空気流において可能な限り多くの粉末を飛沫同伴するのは、単純な問題ではない。 更に、飛沫同伴は、デバイスから排出される粉末のプルームが、喉における活性剤の付着が最小限に抑えられるようなものであるべきである。 最後に、粉末が空気流において飛沫同伴される際に、粉末のあらゆる凝集物が分解されることも望ましい。
この非凝集化は、粉末薬剤が空気流において飛沫同伴される際に空気流が粉末薬剤にせん断力を加えるように空気流が制御される場合、可能である。 これらのせん断力は、凝集粒子を分解し、それにより、粉末のFPF及びFPDを改善するように作用することができる。
乾燥粉末薬剤の凝集物の非凝集化が、ディスペンスデバイス内における粉末の飛沫同伴中に達成されることが可能である1つの方式は、空気流がせん断力を粉末に加え、凝集物をばらばらに分解するように、空気流を構成するものである。
これは、上記で議論されたように、個々の投与量が吸入デバイスの作動前に保持されるブリスタまたはカプセルを空にすることと関連して、行われることが可能であるが、そのような非凝集化は、粉末が空気流において飛沫同伴される際に行われることも可能である。
非凝集化に加えて、空気流における粉末の飛沫同伴は、可能な限り効率的で、残される粉末がわずかであることも非常に重要である。 最後に、他の考慮事項は、粉末が吸入器デバイスを出る際の粉末の動態である。 再び、これは、空気流における粉末の飛沫同伴に関連付けられる。 以下でより詳細に議論されるように、吸入器によって創出されるプルームにおける活性粒子の運動は、肺においてではなく、使用者の喉に付着する活性剤の量に影響を与える。
当然、空気流における乾燥粉末薬剤の飛沫同伴は、薬剤自体の特性、並びに使用されるデバイスによって影響される。 例えば、微細粉末の飛沫同伴、すなわちキャリア粒子などのより大きい粒子のポピュレーションを含まない飛沫同伴は、大きい粒子と微細粒子との組合せを備える粉末の飛沫同伴より困難である。 しかし、デバイス自体の構成も、粉末の飛沫同伴に影響を与える。 具体的には、あらゆる非凝集化、粉末の飛沫同伴、及び粉末の速度などを決定するのは、粉末を通り、デバイスを出る空気流の経路である。
本発明の一態様によれば、気体の流れにおいて凝集粒子を飛沫同伴することを備える方法が提供される。 方法は、凝集粒子を1つまたは複数の表面の上に付着させることと、気体流を介して、凝集粒子を非凝集化させるように、付着した凝集粒子にせん断を加えることとを備える。
一実施形態では、方法は、ほぼ円形の断面を有する渦室の入口ポートから気体流ストリームにおいて粉末物質を飛沫同伴することを備える。 方法は、接線方向において渦室を通るように気体流を向けることと、粉末組成をエアロゾル化するために、渦室を通るように気体流を向けることと、渦室から出て軸方向において出口ポートを通るように粉末組成を有する気体流を向けることとを更に備える。 出口ポートの外部において300mmの距離における気体流の速度は、入口ポートにおける気体流の速度より小さいことが好ましい。
他の実施形態では、方法は、渦室の入口ポートから上流の気体流において、凝集粒子を含む粉末組成を飛沫同伴することを備える。 この実施形態では、方法は、入口ポートを経て渦室の中に気体流を向けることと、凝集粒子を渦室の壁の1つまたは複数の上に付着させることと、粒子を非凝集化させるために、渦室を通る気体流を介して、付着した凝集粒子にせん断を加えることと、非凝集化粒子を含めて、気体流を渦室の外部に向けることとを備え、出口ポートの外部において300mmの距離における気体流の速度は、入口ポートにおける気体流の速度より小さい。
本発明は、粉末を包含する室を通る空気流を生成する構成を更に提供し、それにより、粉末は、空気流において飛沫同伴され、出口ポートを介して室外に搬送される。 これは、室を通るように空気流を向けることを含む。 室は、軸及び軸の回りに湾曲した壁を有し、空気は、この軸の回りに回転する。 空気流は、室の入口ポートを通るようにも向けられ、入口ポートを通る空気流の方向は、室の壁に対して接線方向である。 出口ポートを通る空気流の方向は、軸に平行である。 室を通る空気流の断面積は、空気流に対して法平面にあり、入口ポートからの距離の増大と共に減少する。
他の態様では、上記で議論されたように空気流及び非凝集化物を提供する吸入器が提供される。 そのような吸入器は、ほぼ接線方向の入口ポート及びほぼ軸方向の出口ポートを含むエアロゾル化デバイスを備える。 吸入器は、ディスペンスされる製薬乾燥粉末組成の1つまたは複数の封止ブリスタ(またはカプセル)、及びこれらのブリスタを取外し式に受ける入力デバイスをも備える。 作動時、吸入器は、接線方向入口ポートを受け取られたブリスタの粉末組成と結合する。
エアロゾル化デバイスに関して、いくつかの実施形態では、エアロゾル化デバイスは、ほぼ接線方向の入口ポート及びほぼ軸方向の出口ポートを有するほぼ円形断面の渦室の形態にある。 渦室の直径対出口ポートの直径の比は、4と12との間にあることが好ましい。
他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、ほぼ接線方向の入口ポートを有するほぼ円形の断面の渦室の形態にあり、入口ポートは、渦室の径方向外向き方向において、入口ポートの最大程度を画定する外壁を有する。 渦室の軸方向における外壁の程度は、渦室の軸方向における入口ポートの最大程度とほぼ同様であり、外壁は、渦室の壁とほぼ平行である。
他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、ほぼ接線方向の入口ポートを有するほぼ円形の断面の渦室の形態にある。 底面が、軸方向において出口ポートからの渦室の最遠程度を画定し、底面は、出口ポートから入口ポートの最遠軸方向程度を更に画定する。
更に他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、ほぼ接線方向の入口ポートと、使用時、気体流に飛沫同伴されている粉末化組成を入口ポートに供給するように構成される入口導管とを有する、ほぼ円形断面の渦室の形態にあり、入口導管の断面積は、渦室に向かって減少する。 入口導管は、吸入器の作動時に、受け取られたブリスタの粉末組成に結合される。
他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、ほぼ接線方向の入口ポートと、使用時、気体流において飛沫同伴されている粉末組成を入口ポートに供給するように構成される弓形入口導管とを有する、ほぼ円形断面の渦室の形態にある。 入口導管は、吸入器の作動時に、受け取られたブリスタの粉末組成に結合される。
他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、軸の回りに曲線を形成する壁によって、少なくとも部分的に画定される軸を有する渦室の形態にある。 渦室は、軸によって境界を設定される面において断面領域を有し、面は、軸の回りに所与の角度位置(θ)において軸から径方向に一方向において延びる。 渦室は、ほぼ接線方向の入口ポート及びほぼ軸方向の出口ポートを有し、渦室の前記断面積は、使用時、入口ポートと出口ポートとの間の気体流の方向において、角度位置(θ)の増大と共に減少する。
他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、軸の回りに曲線を形成する壁によって、少なくとも部分的に画定される軸を有する渦室の形態にある。 渦室は、ほぼ接線方向の入口ポート及びほぼ軸方向の出口ポートを有する。 渦室は、ベースによって更に画定され、ベースと、軸に垂直軸に垂直で、出口ポートへのベースの反対側に位置する面との距離(d)は、軸に対する径方向位置(r)と共に増大する。
他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、上部壁、底部壁、及び横方向壁によって画定される室を含み、横方向壁は、上部壁及び底部壁と交差する軸の回りに湾曲している。 室は、軸、上部壁、底部壁、及び横方向壁によって画定される断面を囲み、室は、入口ポート及び出口ポートを有する。 入口ポートは、横方向壁に対して接線方向であり、出口ポートは、軸と同軸であり、断面積は、入口ポートを通る気体流の方向において、入口ポートからの角度位置の増大と共に減少する。
他の実施形態では、エアロゾル化デバイスは、壁、ベース、入口ポート、及び出口ポートを含む室である。 室は、出口ポートと同軸で、ベースと交差する軸を有する。 壁は、ベースの回りに湾曲し、入口ポートは、壁に対し接線方向であり、ベースと出口ポートにおける軸に垂直な面との間の高さは、軸から入口ポートまでの径方向位置が増大する際に減少する。
本発明の一実施形態が、以下の図面を参照して、例としてのみ、詳細に記述される。
図21は、粉末薬剤を患者に送達するために使用することができる好ましい吸入器を概略的に示す。 吸入器は、粉末薬剤のエアロゾルを生成するための出口ポート2及び入口ポート3を有する渦室1を含む。 渦室は、使用者が吸入器を使用するために通して吸入するマウスピース10に位置する。 空気通路(図示せず)が、渦室1とマウスピース10との間において画定されることが可能であり、それにより、使用者は、粉末薬剤に加えて、空気を吸入することができる。
粉末薬剤は、サポート70及び穿孔可能フォイルリッド75によって画定されるブリスタ60において貯蔵される。 図示されるように、サポート70は、粉末薬剤を保持するための内部に形成された空洞を有する。 空洞の開端部は、リッド75によって封止される。 渦室1の空気入口導管7が、フォイルリッド75を穿孔する穿孔ヘッド(またはロッド)50において終端する。 リザーバ80が、通路78を介してブリスタ60に接続される。 規制された空気供給90が、所定の圧力まで(例えば、1.5バール)、気体(例えば空気)でリザーバ80を装填する。 ブリスタは、1から5mgの粉末薬剤を包含することが好ましい。
使用者が吸入するとき、バルブ40が、呼吸作動機構30によって開かれ、空気が、加圧空気リザーバからブリスタ60を通るように強制され、ブリスタ60において、粉末薬剤は、空気流において飛沫同伴される。 空気流は、粉末薬剤を渦室1に輸送し、そこで、粉末薬剤及び空気の回転渦が、入口ポート3と出口ポート2との間において創出される。 連続的に渦室を通過するのではなく、空気流に飛沫同伴されている粉末薬剤は、非常に短時間渦室に入り(通常、0.3秒未満であり、好ましくは20ミリ秒未満である)、純粋な医薬品薬剤(すなわち、キャリアなし)の場合、粉末薬剤の一部が、渦室の壁に付着する。 この粉末は、粉末に隣接する境界層に存在する高いせん断力によって、その後エアロゾル化される。 渦の行為は、粉末薬剤の粒子を非凝集化させ、または医薬品及びキャリアを備える薬剤の場合では、医薬品をキャリアから剥ぎ取り、それにより、粉末薬剤のエアロゾルは、出口ポート2を介して渦室1を出る。 エアロゾルは、マウスピース10を経て使用者によって吸入される。
渦室1は、2つの機能を実施すると考慮することができる:非凝集化、粒子のクラスタを個々の呼吸可能粒子に分解する、及びろ過、あるサイズより小さい粒子が出口ポート2からより容易に逃げることを好ましくは可能にする。 非凝集化は、粉末薬剤の密着クラスタを呼吸可能粒子に分解し、ろ過は、クラスタが非凝集化するのにより長い時間を可能にするために、渦室1のクラスタの滞在時間を増大させる。 非凝集化は、渦室の空気流の速度勾配により高いせん断力を創出することによって、達成することができる。 速度勾配は、渦室の壁に近い境界領域において最大である。
図22において詳細に示されるように、渦室1は、ほぼ円筒の室の形態にある。 渦室は、出口ポート2の領域においてフラストコニカル部分を有する。 入口ポート3は、渦室の周囲に対し、ほぼ接線方向であり、出口ポートは、渦室の軸とほぼ同心状である。 従って、気体は、入口ポート3を介して接線方向において渦室に入り、出口ポート2を介して軸方向に出る。 入口ポート3と出口ポート2との間において、薬物の粒子を非凝集化させるためにせん断力が生成される渦が創出される。 出口ポート2の長さは、軸ポート2の壁において活性剤が付着する確率を低減するように、最小限に抑えられることが好ましい。
渦室の直径対出口ポートの直径の比は、出口ポートから排出される活性剤エアロゾルの微細粒子端数を最大にするのに重要であることがある。 従って、渦室の直径対出口ポートの直径の比は、4と12との間であることが好ましい。 比が4と12との間であるとき、1〜3μmの範囲の有効直径を有する粉末薬物の粒子の割合は、最大であることが判明した。 改善されたFPFでは、比は、5より大きいことが好ましく、6より大きく且つ9より小さいことが好ましく、8より小さいことが最も好ましい。 好ましい構成では、比は、7:1である。
本発明のある実施形態では、渦室の直径は、2と12mmとの間である。 渦室の直径は、4mmより大きいことが好ましく、少なくとも5mmであることがより好ましく、8mmより小さいことが好ましく、6mmより小さいことがより好ましい。 好ましい実施形態では、渦室の直径は、5mmである。 これらの実施形態では、渦室の高さは、一般に1と8mmとの間である。 渦室の高さは、4mmより小さいことが好ましく、2mm未満であることがより好ましい。 好ましい実施形態では、渦室の高さは1.6mmである。
一般に、渦室は、ほぼ円筒である。 しかし、室は、他の形態を取ることが可能である。 例えば、渦室は、フラストコニカルとすることが可能である。 渦室または出口ポートの直径が、その長さに沿って一定ではない場合、渦室の最大直径対出口ポートの最小直径の比は、上記で規定された範囲内にあるべきである。
エアロゾル化デバイスは、例えば上記で記述されたような出口ポートを備える。 出口ポートの直径は、一般に0.5と2.5mmとの間である。 出口ポートの直径は、0.6mmより大きいことが好ましく、1.2mm未満であることが好ましく、1.0mm未満であることがより好ましい。 好ましい実施形態では、軸ポートの直径は、0.7mmである。
図23及び24は、図21の吸入器の渦室の一般的な形態を示す。 渦室の幾何形状は、表8に列挙される寸法によって画定される。 これらの寸法の好ましい値も、表8に列挙されている。 室の円錐部分の高さは0mmであるが、その理由は、室の上部が平坦であるとき、渦室が最も効率的に機能することが判明したからであることに留意されたい。
以下の表9に示されるように、渦室によって生成される6.8μm未満の有効粒子直径を有するエアロゾル(6.8μmの粒子断片)において放出される活性剤の粒子の割合は、室の直径(D)と出口ポートの直径(De)との比に依存する。 粉末活性剤の標準的な平均6.8μmの粒子断片が、吸入器に装填された。 使用された活性剤は、純粋なインタール(商標)ナトリウムクロモグリケート(フィソンズ、英国)であった。
表9から、渦室の直径と出口ポート4の直径の比が4以上である場合、正規化された6.8μm粒子断片は、85%を超えることがわかる。 従って、渦室の非凝集化効率は、比がこの範囲にある場合、大きく改善される。 7.1の好ましい比では、94.3%の正規化された6.8μmの粒子断片が達成される。
図25A及び25Bは、入口ポート3が円形断面を有する渦室1を示す。 図25Bの実線矢印によって示されるように、入口ポート3を介して渦室に入る空気流の部分は、渦室1の横方向壁12に従う。 従って、この空気流において飛沫同伴されている粉末は、渦室の横方向壁12に隣接する境界層において空気流に直接導入され、この場合、径方向における速度勾配は、最大にある。 最大速度勾配の結果、粉末の凝集粒子に対するせん断力は最大になり、従って、最大の非凝集化となる。
しかし、図25Bの破線矢印によって示されるように、入口ポート3を介して渦室に入る空気流の部分は、室壁12に従わず、入口ポート3と反対側の点において室と交差して、壁12と遭遇する。 この点において、乱流は増大するが、その理由は、流れが、流れの方向を突然変化させなければならないからである。 この乱流は、室の壁に隣接する境界層を乱し、それにより、粉末の非凝集化の効果を低減する。
図26A及び26Bは、入口室が矩形断面を有する渦室1を示す。 矩形断面は、室の壁12と一致する入口ポートの外周の長さを最大にし、それにより、最大の空気流が、渦の境界層に導入される。 同様に、矩形断面は、渦室の底面13と合致する入口ポート3の外周の幅を最大にする。 このようにして、渦が室全体を占有するので、渦室1における粉末の付着は防止される。
矩形断面を有することに加えて、図26A及び26Bの入口ポート3は、渦室1に向かって先細りになる入口導管7によって供給される。 従って、入口導管は、内部壁14及び外部壁15によって画定される。 外壁は、渦室1の壁12に対しほぼ接線方向にある。 外壁15からの内壁14の間隔は、渦室1に向かって減少し、それにより、内壁14は、空気流を境界層1に向けて渦室1の中にアージする。
更に、入口導管7の断面積を減少させることにより、流れの粘性が増大し、それにより、渦室1への経路の上に粉末が付着することが低減される。
図26Bの矢印によって示されるように、入口ポート3を介して渦室に入る空気流のすべてが、室12の壁に従う。 従って、この空気流において飛沫同伴されている粉末は、室の壁12に隣接する境界層において空気流に直接導入され、非凝集化は最大になる。
図28から31は、渦室の出口ポート2の様々な選択肢を示す。 エアロゾルの出口プルームの特性は、出口ポート2の構成によって、少なくとも一部決定される。 例えば、エアロゾルが1分当たり2リットルの流量で1mmの直径の出口ポート2を出る場合、出口ポートにおける粘性は、約40m/sである。 この粘性は、強く発散するエアロゾルプルームを提供することによって、室またはノズルの数センチメートル内において、2m/sの通常の吸入速度に低減することができる。
図28では、出口ポート2は、渦室の上部壁17を通って画定された簡単なオリフィスである。 しかし、上部壁17の厚さは、出口ポート2がその直径より長い長さを有することを意味する。 従って、粉末のエアロゾルが出る際に、出口ポートにおいて付着する危険性がある。 更に、管状出口ポートは、出口プルームの発散を低減する傾向がある。 これらの問題は、出口ポート2が、無視可能な厚さのナイフ縁によって画定されるように、渦室1の上部壁17を出口ポート2に向かって先細りにすることによって、図29の構成において解決される。 1mmの直径を有する出口ポートでは、2.3mmの出口ポートの長さが60°のプルーム角度を与え、一方、この長さを0.3mmに低減することにより、角度は90°に増大される。
図30では、出口ポートは環状であり、やはりナイフ縁によって画定される。 この構成は、円形ジェットより迅速に下降する出口プルームを生成するが、その理由は、環状出口ポートは、同じ直径の円形ポートより長い外周を有し、周囲の静止空気とより効果的に混合されるジェットを生成するからである。
図31では、複数のオリフィスが、出口ポート2を形成し、いくつかのより小さいプルームを生成し、これらのプルームは、単一の大きいプルームより短い距離において、分解して緩慢になる。
図27は、入口導管7が弓形であり、渦室に向かって先細りになる渦室1の実施形態を示す。 図33の矢印によって示されるように、弓形入口導管7は、粉末薬剤の飛沫同伴粒子を入口導管7の外壁15の区画にアージする。 このようにして、粉末が入口ポート3を通って渦室に入るとき、粉末は、渦室1の壁12に続く境界層に直接導入され、そこで、せん断力は最大にある。 このようにして、改善された非凝集化が達成される。
本発明のいくつかの実施形態による吸入器は、高微細粒子端数を有する比較的緩慢に移動するエアロゾルを生成することができる。 吸入器は、粉末活性剤の測定投与量の完全且つ繰返し可能なエアロゾル化を提供し、吸気流の速度以下の速度においてエアロゾル化投与量を患者の吸気流経路に送達し、それにより、患者の口における埋伏による付着を低減することができる。 更に、効率的なエアロゾル化システムは、簡単で、小さく、低コストのデバイスを見込むが、その理由は、エアロゾルを創出するために使用されるエネルギーが小さいからである。 エアロゾルを創出するために必要な流体エネルギーは、圧力に流量を乗算したものの時間にわたる積分として確定することができる。 これは、通常、5ジュール未満であり、3ジュール程度に小さくすることができる。
非対称の吸入器を使用して、同じ効果を達成することができることが明らかである。 そのような吸入器では、渦室は、非対称の形状を有する。
図32に示されている実施形態においては、渦室1の壁12は、螺旋状若しくは渦巻状に形成されている。 渦室1及び出口ポート2が一般に渦室1の軸線に関して同心状であるならば、入口ポート3は渦室の周囲に対し、ほぼ接線方向である。
従って、気体は、入口ポート3を通って接線方向において渦室に入り、出口ポート2を通って軸方向において出る。 出口ポート2の中心からの渦室の半径Rは、入口ポートにおける最大半径Rmaxから最小半径Rminに滑らかに減少する。 従って、入口ポート3の位置からθの角度における半径Rは、R=Rmax(1−θk/2π)、k=(Rmax−Rmin)/Rmaxによって与えられる。
渦室の有効半径は、空気流及び活性剤の飛沫同伴粒子が室の回りを循環する際に減少する。 このようにして、空気流によって経験される渦室1の有効断面積は減少し、それにより、空気流は加速され、活性剤の飛沫粒子の付着は低減される。 更に、空気流が2πラジアン(360°)進むとき、空気流は、入口ポート3を通る入り空気流と平行であり、それにより、衝突流によって生じる乱流が低減する。
入口ポート3と出口ポート2との間において、粉末薬剤の粒子を非凝集化させるせん断力が生成される渦が創出される。 上記で議論されたように、出口ポート2の長さは、出口ポート2の壁の上に医薬品が付着する確率を低減するために、可能な限り短いことが好ましい。
図33は、図32の吸入器の渦室の一般的な形態を示す。 渦室の幾何形状は、表10に列挙される寸法によって画定される。 これらの寸法の好ましい値も、表10に列挙されている。 室の円錐部分の高さは0mmであるが、その理由は、渦室は、室の上部(ルーフ16)が平坦であるとき、最も効率的に機能することが判明したからである。
図32による渦室1によって生成されるエアロゾルの6.8μmの粒子断片は、円形渦室(図21〜31において示される)と比較して改善される。
図34から38は、本発明による他の非対称吸入器を示し、渦室1は、入口ポート3からの角度変位θが増大するにつれ、渦室1の高さを完全に低減するランプ20を含む。 渦室1の中心のほぼ円形領域21は、依然として平坦である。
粒子の密着性
薬剤が吸入を介して深肺または血流に到達するために、薬剤の活性剤は、例えば、10μm未満の質量中央空気力学的直径(MMAD:mass median aerodynamic diameter)を有する超微細粒子の形態になければならない。 10μmより大きいMMADを有する粒子は、喉の壁に対し衝撃を与えやすく、一般に肺に到達しないことが十分に確立される。 5μmから2μmの範囲のMMADを有する粒子が、一般に呼吸細気管支において付着し、一方、3から0.05μmの範囲のMMADを有する粒子が、気胞において付着しやすくなる、または血流に吸収されやすくなる。
下方気道または深肺に送達するために、活性粒子のMMADは、10μmを超えず、好ましくは5μmを超えず、より好ましくは3μmを超えず、1μm未満とすることが可能であることが好ましい。 理想的には、乾燥粉末薬剤の活性粒子の重量で少なくとも90%が、10μmを超えない、好ましくは5μmを超えない、より好ましくは3μmを超えない、最も好ましくは1μmを超えないMMADを有するべきである。
乾燥粉末が従来のプロセスを使用して生成されるとき、活性粒子は、サイズが変化し、しばしば、この変化は多大であることがある。 これにより、十分に高い割合の活性粒子が、適切な箇所に投与されるように適切なサイズであることを保証することが困難になることがある。 従って、活性粒子のサイズ分布が可能な限り狭い乾燥粉末薬剤を有することが望ましい。 これにより、投与量の効率及び再現性が向上する。
微細粒子、すなわち10μm未満のMMADを有する微細粒子は、容積に対し表面積が大きいために熱力学的に不安定であり、これは、著しい過剰表面の自由エネルギーを提供し、粒子の凝集を促進する。 吸入器では、微細粒子の凝集及びそのような粒子の吸入器の壁への付着は、問題であり、微細粒子は、大きな安定業種物として吸入器を出る、または吸入器を出ることができず、吸入器の内部に依然として接着する、あるいは更に吸入器を詰まらせる、もしくは遮断することになる。
吸入器の各作動間、また異なる吸入器と粒子の異なるバッチとの間における粒子の安定な凝集の形成の程度に関する不安定性は、不十分な投与量の再現性をもたらす。 更に、業種物の形成は、活性粒子のMMADが大幅に増大することがあり、活性粒子の凝集物が肺の必要な部分に到達しないことを意味する。
粒子が凝集する傾向は、所与の投与量のFPFが、高度に予測不可能であり、結果として、微細粒子の変動する割合が、肺または肺の適切な部分に投与されることを意味する。
この状況を改善して、一貫したFPF及びFPDを提供する試行において、乾燥粉末薬剤は、しばしば付加材料を含む。
付加材料は、乾燥粉末薬剤の粒子間における凝集を低減することを意図する。 付加材料は、小さい粒子間の弱い結合力を妨害し、粒子を別々に維持し、そのような粒子が互いに、存在する場合は薬剤の他の粒子、及び吸入器デバイスの内表面に接着することを低減すると考えられる。 粒子の凝集物が形成される場合、付加材料の粒子の追加は、凝集物の安定性を低下させ、それにより、凝集物は、吸入器デバイスの作動時に創出される乱流空気ストリームにおいてより分解しやすくなり、その際に、粒子は、デバイスから排出されて、吸入される。 凝集物が分解する際に、活性粒子は、下方肺に到達することができる小さい個々の粒子の形態に戻る。
従来の技術では、(一般に、微細活性粒子のサイズと同等のサイズの)付加材料の別個の粒子を含む乾燥粉末薬剤が議論されている。 いくつかの実施形態では、付加材料は、活性粒子及び/またはあらゆるキャリア粒子の上に、一般に不連続コーティングであるコーティングを形成することが可能である。
付加材料は、反接着性材料であり、粒子間の密着を低減する傾向があり、また、微細粒子が吸入器デバイスの内表面に添付されるのを妨害することが好ましい。 付加材料は、減摩剤または潤滑剤であり、吸入器において製薬組成のより良好な流れを与えることが有利である。 このように使用される付加材料は、反接着剤または減摩剤とは必ずしも一般に呼ばれない可能性があるが、粒子間の密着を減少させる、または粉末の流れを改善する効果を有する。 付加材料は、力制御剤(FCA:force control agent)としばしば呼ばれ、より良好な投与量再現性及びより高い微細粒子端数を通常もたらす。
従って、本明細書において使用されるように、FCAが、粒子の表面上に存在することにより、他の粒子が存在する状態において、その粒子によって経験される接着表面力及び密着表面力を修正することができる薬品である。 一般に、その機能は、接着力及び密着力の両方を低減する。
一般に、乾燥粉末薬剤に含まれる追加材料の最適量は、追加材料及び活性材料の化学組成及び他の特性、並びに、存在する場合、キャリア粒子などの他の粒子の性質に依存する。 一般に、付加材料の効率は、組成の微細粒子端数について測定される。
既知の付加材料は、通常、生理学的に許容可能な材料からなるが、付加材料は、例えば、付加粒子がキャリア粒子の表面に添付され、それにより、一般に、使用者の喉の後部において、それらのキャリア粒子と共に付着される場合、常には肺に到達しない可能性がある。
従来の技術の乾燥粉末薬剤において使用される好ましい付加材料には、0.25と1000kDaとの間の分子量を有するアミノ酸、ペプチド、及びポリペプチド、及びその派生物、両性イオンなどの双極性イオン、レシチンなどのリン脂質、並びにステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属がある。
この状況を改善して、一貫したFPF及びFPDを提供することを更に試行して、仮想粉末薬剤は、活性材料の微細粒子と混合された賦形材料の粗キャリア粒子をしばしば含む。 互いに接着するのではなく、微細活性粒子は、吸入器デバイスにある間、粗キャリア粒子の表面に接着する傾向があるが、ディスペンスデバイスが作動され、気道内に吸入される際に、放出されて分散し、微細懸濁液を与えることが示唆される。 キャリア粒子は、90μmより大きいMMADを有することが好ましい。
粗キャリア粒子の包含は、活性剤非常に少量の投与量がディスペンスされる場にも非常に魅力的でもある。 非常に少量の粉末を正確且つ再現的にディスペンスすることは非常に困難であり、粉末が主に活性粒子を備える場合、ディスペンスされる粉末量の小さい変化が、活性剤の投与量の大きい変化となることを意味する。 従って、大きな賦形粒子の形態の希釈剤を追加することにより、投与は一層再現性のある正確なものとなる。
キャリア粒子は、あらゆる許容可能な賦形材料または材料の組合せとすることが可能である。 例えば、キャリア粒子は、糖アルコール、ポリオール、及び結晶糖から選択される1つまたは複数の材料からなることが可能である。 他の適切なキャリアには、塩化ナトリウム及び炭酸カルシウムなどの無機塩、乳酸ナトリウムなどの有機塩、並びにポリサッカライド及びオリゴサッカライドなどの他の有機化合物がある。 キャリア粒子は、ポリオールであることが有利である。 具体的には、キャリア粒子は、マンニトール、デキストロース、またはラクトースなどの結晶糖の粒子とすることが可能である。 キャリア粒子は、ラクトースであることが好ましい。
ほぼすべて(重量で)のキャリア粒子が、20μmと1000μmとの間、より好ましくは50μmと1000μmとの間にある直径を有することが有利である。 ほぼすべて(重量で)のキャリア粒子の直径は、355μm未満であり、20μmと250μmとの間にあることが好ましい。
キャリア粒子の重量で少なくとも90%が、60μmから180μmの半径を有することが好ましい。 キャリア粒子の比較的大きい直径は、他のより小さい粒子がキャリア粒子の表面に添付されて、良好な流れ及び飛沫同伴の特性、並びに下方肺における活性粒子の付着を増大させ気道における活性粒子の改善された放出を提供する機会を改善する。
キャリア粒子(存在する場合)及び複合活性粒子が混合される比は、当然、使用される吸入器デバイスのタイプ、使用される活性粒子のタイプ、及び必要な投与量に依存する。 キャリア粒子は、複合活性粒子及びキャリア粒子の組合せ重量に基づいて、少なくとも50%、より好ましくは70%、有利には90%、及び最も好ましくは95%の量で存在することが可能である。
しかし、粗キャリア粒子を微細活性粒子の組成に追加するとき、更なる困難に直面し、その困難は、微細粒子が、送達デバイスの作動時に、大きな粒子の表面から分離することを保証することである。
吸入のために微細活性粒子のエアロゾルを形成するために、活性粒子を他の活性粒子及び、存在する場合、キャリア粒子からディスペンスするステップは、肺の望ましい吸収箇所に到達する活性材料の投与量の割合を決定するのに重要である。 分散の効率を向上させるために、組成に付加材料を含むことが既知である。 微細活性粒子及び付加材料を備える組成が、特許文献6及び特許文献7において開示されている。
既知の乾燥粉末薬剤に関連する以上の問題を考慮すると、付加材料及び/またはキャリア粒子を含むときでさえ、本発明の目的は、改善されたFPF及びFPDをもたらす物理的及び化学的特性を有する乾燥粉末組成を提供することである。 これは、ディスペンスされた活性剤のより大きい割合が、必要な治療効果を達成するように肺の望ましい部分に到達する、より優れた投与効率をもたらす。
簡単な方法及び簡単な装置を使用して、活性剤を備える微細粒子を準備することができることが、非常に望ましい。 以下で議論されるように、精巧な複数ステップの方法を必要とせずに、乾燥粉末薬剤を準備することができる。 活性粒子は、深肺において付着するのに適切なMMADを有し、乾燥粉末薬剤は、ディスペンスするために使用されるデバイスのタイプに関係なく、上記で議論された好ましいFPF及びFPDを提示する。
既知の付加材料または力制御剤(FCA)は、生理学的に許容可能な材料から通常なるが、FCAは、肺に常には到達しない可能性がある。 例えば、付加粒子がキャリア粒子の表面に添付される場合、付加在留は、一般に、それらのキャリア粒子と共に使用者の喉の後部に付着する。
FCAは、アミノ酸及びその派生物、並びにペプチド及びその派生物から選択される1つまたは複数の化合物を含むことが有利である。 アミノ酸、ペプチド、及びペプチドの派生物は、生理学的に許容可能であり、吸入の際に、活性粒子の許容可能な放出を与える。
FCAがアミノ酸を有することが特に有利である。 FCAは、以下のアミノ酸、ロイシン、イソロイシン、リシン、バリン、メチオニン、及びフェニルアラニンのいずれかの1つまたは複数を備えることが可能である。 FCAは、アスパルテームまたはアセスルファムKなど、アミノ酸の塩または派生物とすることが可能である。 FCAは、実質的にアミノ酸、より好ましくはロイシン、有利にはL−ロイシンからなる。 D形態及びDL形態も、使用されることが可能である。 上記で指摘されたように、ロイシンは、吸入の際に活性粒子の特に効率的な分散を与えることが判明した。
FCAは、1つまたは複数の水溶性物質を含むことが可能である。 これは、下方肺に到達する場合、身体によるFCAの吸収を補助する。 FCAは、両性イオンとすることが可能である双極性イオンを含むことが可能である。 また、肺における組成の分散を補助するために、FCAとして拡散剤を含むことも有利である。 適切な拡散剤には、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)とPG(ホスファチジルグリセロール)との混合物などのリン脂質を備える既知の肺界面活性剤(例えば、ALEC、登録商標)などの界面活性剤がある。 他の適切な表面活性剤には、例えば、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジパルミトイルホスファチヂルイノシトール(DPPI)がある。
FCAは、ステアリルフマル酸ナトリウムまたはステアリル乳酸ナトリウムなど、ステアリン酸金属またはその派生物を備えることが可能である。 FCAは、例えば、ステアリン酸錫、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、またはステアリン酸リチウムである、ステアリン酸金属を備えることが有利である。 付加材料は、ステアリン酸マグネシウムを備えることが好ましい。
FCAは、1つまたは複数の表面活性材料、具体的には固体状態の表面活性である材料を含む、またはそれからなることが可能であり、レシチン、具体的には大豆レシチンなど、水溶性または水和性とすることが可能であり、あるいは、例えばオレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ベヘン酸、またはベヘン酸グリセリルなどの派生物(エステル及び塩など)などの固体状態脂肪酸である、ほぼ水不溶性とすることが可能である。 そのような材料の具体例は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロールがあり、天然及び合成の肺表面活性剤の他の例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムなどのラウリン酸及びその塩、ジンサン(Dynsan)118及びクチーナ(Cutina)HRなどのトリグリセリド、並びに一般的な糖エステルなどがある。 代替として、FCAは、コレステロールとすることが可能である。
他の可能なFCAには、安息香酸ナトリウム、室温において固体である硬化油、タルク、チタニウム、2酸化アルミニウム、2酸化ケイ素、及びスターチがある。 また、FCAとして、膜形成剤、脂肪酸及びその派生物、並びに脂質及び脂質様材料も有用である。
本発明の一実施形態では、FCAは、アミノ酸、アミノ酸の派生物、ステアリル酸金属、またはリン脂質を備える。 FCAは、ロイシン、イソロイシン、リシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、またはアエロシン、リシチン、もしくはステアリン酸マグネシウムのL、D、またはDLの形態の1つまたは複数を備える。 他の実施形態では、FCAは、ロイシン及び好ましくはL−ロイシンを備える。
いくつかの実施形態では、複数の異なるFCAを使用することができる。
上記において触れたように、最適な粉末性能のために、本発明の粉末薬剤は、粒子をディスペンスするために使用されるデバイスのタイプに適合される粒子の密着性を提示することが必要である。 アスピレア(商標)などの能動ディスペンスデバイスの場合のように、デバイスがデバイスからの粉末の抽出について効率的である場合、粉末薬剤は、デバイスからの粉末の排出を遅延させるために、ある程度の密着性を提示することが好ましい。 これは、プルームの動態に有益な影響を有し、喉における粉末の付着が低減されることになる。
以下の議論は、粒子の加工に対する異なる手法を調べ、粒子の密着を制御及び改善することを可能にする。 それにより、理想的な粉末の行動及び性能を達成することができ、これは、粉末をディスペンスするために使用されるデバイスに整合させることができる。
噴霧乾燥粉末粒子
具体的には、本発明は、乾燥粉末組成を作成する粒子を加工することによって、具体的には、活性剤の粒子を操作することによって、乾燥粉末組成において使用される活性剤の粒子の準備を最適化することを追求する。 本発明の目的は、既知の方法またはプロセスによって生成される粒子より小さい活性剤の粒子を提供することである。 また、本発明の目的は、高いFPF及びFPDの結果を生成する粒子の構成及び形態を有する粒子を提供することである。
乾燥粉末薬剤のFPF及びFPDは、粉末自体の性質に依存するが、これらの値は、粉末をディスペンスするために使用される吸入器のタイプによっても影響を受ける。 例えば、受動デバイスを使用して得られるFPFは、同じ粉末であるが、アルピレア(商標)デバイスなど(特許文献1及び特許文献8参照)の能動デバイスを使用して得られるFPFほど良好ではない傾向がある。
本発明の目的は、本発明の組成をディスペンスするために使用されるデバイスのタイプに関係なく、既知の粉末薬剤を使用して得られるものと比較して、FPF及びFPDが改善されるように、粉末の特性を最適化することである。
本発明の具体的な目的は、少なくとも50%のFPFを有する乾燥粉末薬剤を提供することである。 FPF(ED)は、70と99%との間、好ましくは80と99%との間にあることが好ましい。 更に、FPF(MD)は、少なくとも50%であることが望ましい。 FPF(MD)は、50と99%との間、より好ましくは60と99%との間にあることが好ましい。
本発明による噴霧乾燥粒子の加工は、以下の図面を参照して、以下で詳細に記述される。
これまで、2つの基本的な方法が、活性材料の微細粒子を作成するために使用されてきた。 第1に、材料は、望ましいサイズを有する粒子を形成するように、研削またはミリングされる。 代替として、粒子は、噴霧乾燥技術によって作成されることが可能である。
本発明は、活性粒子が、DPIからディスペンスされるとき、従来の噴霧乾燥技術を使用して形成された粒子より良好に機能するように、改善された化学的及び物理的に特性を有する活性粒子を生成するために、従来の噴霧乾燥技術を改善することに関する。 改善された結果は、粉末をディスペンスするために使用されるDPIが能動吸入器または受動吸入器であるかに関係なく、達成されることが好ましい。
噴霧乾燥は、材料の粒子を生成するための周知で広く使用される技術である。 簡潔に概述すると、粒子に作成される材料は、液体において溶解または分散され、あるいは、微細液滴のミストまたは流れを生成するために、圧力下においてノズルを経て噴霧される液体に作成することができる。 これらの微細液滴は、液滴の湿気を迅速に蒸発させて、乾燥粉末粒子を残す熱に通常暴露される。 プロセスは、比較的安価で簡単である。
活性材料の粒子を生成する標準的な方法は、パラメータの「標準的な」セットの下でビュッチ(Buchi)B−191などの従来の噴霧乾燥器を使用することを含む。 そのような標準的なパラメータは、表11に記述される。
製薬活性剤の噴霧乾燥に関連する問題がいくつかある。 第1に、従来の噴霧乾燥プロセス及び装置が、超微細粉末の比較的低出力を有し、従って、薬剤の大規模に生成に特によく適していないという問題がある。 第2に、ほとんどの噴霧乾燥が、乾燥粒子が形成されるように必要な蒸発が行われることを保証するために、噴霧乾燥材料を高温に暴露させることを含む。 いくつかの感温活性剤が、従来の噴霧乾燥方法において使用される温度に暴露されることによって、悪影響を受けることがある。 従来の噴霧乾燥技術に関連する他の欠点は、生成粒子が、広範な粒子サイズを有することがあることである。 これは、生成粒子のいくらかは望ましい粒子サイズを有するが、ある割合の粒子はそうではないことを意味する。 更に、この結果、大量の材料が、しばしば、質量で、肺の必要な箇所に送達される望ましい粒子サイズより大きくなる。
以上に拘らず、噴霧乾燥製薬活性剤が、乾燥粉末吸入によって肺に投与されるのに適切なサイズである粒子を生成する方法として依然として許容されている。
噴霧乾燥は、深肺に吸入されるように十分小さいサイズの粒子を生成することができるが、これらの粒子は、上記で議論された凝集の問題を頻繁に提示する。 従って、正確な投与に必要な良好なディスペンスを達成するために、乾燥粉末粒子を修正することが必要である。
この修正は、上記で議論されたように、活性材料の噴霧乾燥粒子に力制御剤を単に追加することを含むことが可能である。 代替として、力制御剤は、活性剤と共に噴霧乾燥されることが可能である。
活性材料及び力制御剤の共噴霧乾燥は、該当する付加剤が力制御剤として作用することは適切に認識されていないが、従来の技術において開示されている。 例えば、特許文献9(インヘールセラピューティックシステムズ)(Inhale Therapeutic Systems)では、製薬活性剤及びキャリアの共噴霧乾燥が提案されている。 キャリアは、充填剤として作用すると言及され、例えば、炭水化物またはアミノ酸とすることが可能である。 水溶液及び従来の噴霧乾燥装置の噴霧乾燥を含むことを除いて、噴霧乾燥技術についてはほとんど議論されていない。 キャリアが結果的な噴霧乾燥粒子の分散を補助することが可能であるが、キャリアを含むことは、この効果を最適化することを追求しない。 キャリアは、量が変動して含まれ、この材料は、粒子にわたって一様に分散されると考えられるが、ごく小さい割合のキャリア材料が、あるとすれば、粒子の表面上に存在する。
本発明者は、この段階で、特定の条件下において活性剤を力制御剤と共に共噴霧乾燥することにより、DPIによって吸入のために肺に投与されるとき、非常に良好に機能する優れた特性を有する粒子が得られることを発見した。
具体的には、噴霧乾燥プロセスを操作または調節することにより、粒子の表面上に通常存在する力制御剤を得ることができることが判明した。 これは、力制御剤が、粒子が凝集する傾向を低減することができることを明らかに意味する。
これにより、少なくとも50%の微細粒子端数(<5μm)を提示する共噴霧乾燥活性粒子を備える乾燥粉末組成を準備することが可能になる。 FPF(ED)は、70と99%との間、より好ましくは80と99%との間にあることが好ましい。 更に、FPF(MD)は、少なくとも50%であることが可能である。 FPDは、50と99%との間、より好ましくは60と99%との間にあることが好ましい。
活性剤及びFCAを共噴霧乾燥する効果は、様々な実験及び得られる結果の以下の議論において示される。 実験は、噴霧乾燥プロセスの様々な変数ファクタを調べ、結果的な粒子の性質及び性能に対する影響を調査する。
実験では、使用される活性剤は、ヘパリンである。 本発明を示し、及び試験するためこの活性剤を選択する理由は、ヘパリンが、「粘着性」の化合物であり、これは、乾燥粉末のFPF及びFPDに悪影響を及ぼす傾向があることであるからである。 従って、ヘパリンを使用してFPF及びFPDの良好な値を得ることは、含まれる活性剤の「異なる」性質にも拘らず、組成が良好で改善された特性を実際に提示することを示す。
特にことわりのない限り、本明細書の以下のセクションにおいて与えられるFPF(ED)及びFPF(MD)は、モノヘイラから、90L/mの流量において複数ステージ液体インピンジャ(MSLI:multi stage liquid impinger)に、または60L/mにおいてツインステージもしくは迅速ツインステージインピンジャ(TSI:twin stage impinger、または、rTSI:rapid twin stage impinger)に、約20mgの材料で充填されたカプセルをファイアリングすることによって得られる。 以下のセクションのいくつかにおいて言及される「送達投与量」または「DD」は、放出投与量またはEDと同じである(上記で定義されたように)。
可変ファクタが噴霧乾燥プロセスの様々な結果的な噴霧乾燥粒子の特性にどのように影響を与えるかを示すために、まず、活性剤の固体濃度を調節する効果が調査された。 活性剤は、表11に示される標準的なパラメータを使用して、噴霧乾燥された(FCAなし)が、活性剤の固体濃度は、全固体の1%w/wから2及び5%w/wに増大した。 次いで、FPFに対するこれらの変化の影響が調査され、結果は以下の通りである。
「標準的な」噴霧乾燥パラメータ(表11参照)を使用するヘパリン噴霧乾燥のみのFPF、すなわち共噴霧乾燥FCAのないFPFは、表12に示されるように17〜20%であった。 試験は、複数ステージ液体インピンジャ(MSLI:multi stage liquid impinger)及びツインステージインピンジャ(TSI:twin stage impinger)の両方で実施された。
ヘパリンの固体濃度を1%w/wヘパリン(表12)から5%w/wヘパリン(表13)に増大させることにより、迅速TSIを使用して試験されるとき、ヘパリンのFPFは、約20%FPFから8.3%に大きく低下した。 2%w/w固体含有量は、試験FPFに対して影響を有さないと考えられた。
従って、供給溶液の固体含有量を増大させることにより、活性粒子のFPFは改善されなかった。 固体含有量を5%w/w程度の大きさに増大させることにより、FPFは、10%を超えて低減される。 他のパラメータのいずれも変化させずに、供給ストックの固体含有量を増大させることにより、一般に、粒子サイズが増大するが、その理由は、各液滴が、固体のより大きい質量を有し、その結果、乾燥時に粒子がより大きくなる。
従って、最高で10%w/w活性剤、及びいくつかの場合では25%w/w程度に多くの活性剤の固体含有量を使用することができるが、最高で5%w/w、より好ましくは最高で2%w/wの活性剤が、本発明の噴霧乾燥プロセスにおいて使用されることが好ましい。 また、少なくとも0.05%w/w、より好ましくは少なくとも0.5%w/wが、生成率の実際の目的のために使用されることが好ましい。
噴霧乾燥プロセスの他の変数ファクタが、供給ストックの性質であり、これは、溶液または懸濁液とすることが可能であり、また、様々な異なる溶媒またはその組合せを備えることができる。
いくつかの実施形態では、活性剤及び/またはFCAのすべて、または少なくともある割合が、噴霧乾燥を受ける前に、ホスト液体の溶液にある。 ほぼすべての活性剤及びFCAが、噴霧乾燥を受ける前に、ホスト液体の溶液にあることができる。
活性剤は、噴霧温度及び圧力におけるホスト液体のFCAより少なくとも1.5、2、4、及びより好ましくは少なくとも10倍可溶性であることが好ましい。 好ましい実施形態では、この関係は、30と60℃との間の温度及び大気圧において存在する。 他の実施形態では、この関係は、20と30℃との間の温度及び大気圧において、または好ましくは20℃及び大気圧において、存在する。
FCAは、1つまたは複数の水溶性物質を含むことが可能である。 これは、FCAが下方肺に到達する場合、身体による物質の吸収を補助する。 FCAは、両性イオンとすることが可能である双極性イオンを含むことが可能である。
代替として、FCAは、水には可溶性ではない、または水においてのみ不十分に可溶性である物質を備えることが可能である。 そのようなFCAが使用される場合、FCAを可溶化するのを補助する、噴霧乾燥される混合物に対する他の剤を含むことが有利である可能性がある。 例えば、使用されるFCAは、水にごくわずかに可溶であるステアリン酸マグネシウムとすることができる。 しかし、酸の追加は、ステアリン酸マグネシウムを可溶化するように作用し、酸が噴霧乾燥プロセス中に蒸発する際に、結果的な粒子は、酸からのあらゆる「汚染」を受けない。 それにも拘らず、水溶性FCAの使用が好ましいが、その理由は、噴霧乾燥システムは、より簡単で、おそらくはより予測可能であるからである。
ホスト液体は、水を含むことが好ましい。 液体は、溶媒として水のみを使用することができ、または、有機共溶媒または複数の有機共溶媒を含むことも可能である。 水と1つまたは複数の有機共溶媒との組合せは、水のみに不溶性またはほぼ不溶性である活性剤及びFCAについて特に有用である。 好ましい有機共溶媒には、メタノール、エタノール、プロパン1オール、プロパン1−2オール、及びアセトンがあり、エタノールが最も好ましい。
本発明の一実施形態では、ホスト液体は、ほぼ水からなる。 このホスト液体の使用は、あらゆる環境コスト、または毒物合併症、あるいは爆発の危険性を低下させる。 従って、本質的に水からなるホスト液体が、著しい実際的な利点を提供し、プロセスのコストを低減する。
有機溶媒がホスト液体に存在する場合、あらゆる爆発または燃焼の限界より著しく低い蒸気を生成するように選択されるべきである。 また、噴霧組成は、炭酸アンモニウムまたはハロゲン化液体など、発泡剤を含まないことが好ましい。
様々な有機溶媒と共に活性剤を噴霧乾燥する効果が評価された。 表11に概述される「標準的な」パラメータは、ヘパリンを噴霧乾燥するために使用され、ヘパリンが、水における10%w/w有機溶媒(プロパン1オール、メタノール、またはエタノール)から噴霧乾燥される点のみが異なる。 結果は、表14に記述されている。
10%のメタノール、エタノール、プロパン1オールから1%w/wヘパリンを噴霧乾燥することにより、同一のパラメータ(表12に示される)を使用して水性溶媒から2〜6%のFPFに噴霧乾燥するときの約20%からFPF(表14)が低下される。
有機溶媒を供給ストックに追加することにより、供給ストックの粘性の低下、及びより小さい粒子を生成するためにより小さいエネルギー入力が必要とされることの結果として、FPFが増大することを予測することが可能である。 しかし、10%有機溶媒(表14)を包含する供給ストックからのヘパリンを2流体ノズル噴霧乾燥することから得られる結果は、FPFを低減する。
FPFのこの変化の理由は、溶媒が、噴霧乾燥溶液または懸濁液にある間、医薬品またはFCAの重要な疎水性の半分の配置に対して有する効果のためである可能性がある。 疎水性の半分は、著しい力制御の効果を有すると考えられる。 疎水性表面の暴露は、水素結合または永続的な双極性の影響など、表面の接着性を増大させるあらゆる潜在的な極性力を最小限に抑え、偏在する弱いロンドン力のみを残すと考えられる。 従って、これらの疎水性の半分が粒子の表面上に存在することは、より良好なFPF性能を提供するために、粉末粒子の密着が限定される場合、重要である。
FCAが水性溶媒にあるとき、疎水性の半分は、液滴の内部から撥水されるが、その理由は、システムの熱力学が、これらのグループと極性水性相との最小相互作用を駆動する傾向があるからである。 従って、これらの半分の配置は、溶媒の性質によって示され、これは、最終的な噴霧乾燥粒子におけるこれらのグループの配置に影響を与える。 活性剤及びFCAの水性溶液が噴霧乾燥されるとき、疎水性の半分は、活性剤及びFCAがエタノールまたはメタノールなどの有機溶媒に溶解される場合より、粒子の表面上に配置されやすい。
噴霧乾燥粒子の性質に影響を与える可能性があるパラメータの他の試験として、活性剤は、上記で使用された標準的なパラメータを使用して噴霧乾燥されたが(表11)、生成粒子に対する温度の影響は、75℃から220℃の入口温度での噴霧乾燥によって調査された。 結果は表15に示されている。
従って、通常使用される「標準的な」150℃に対してより高いまたはより低い入口温度における噴霧乾燥ヘパリンは、FPFについて大きな改善を提供しないことがわかる。
入口温度の好ましい範囲は、40℃から300℃、好ましくは75℃から220℃である。 出口温度の好ましい範囲は、20℃から200℃、好ましくは35℃から135℃である。
水性溶液から、可変量のL−ロイシンであるFCAと共に活性剤を共噴霧乾燥する効果が、次いで研究された。 図11に示されるように、標準的なビュッチ噴霧乾燥パラメータが使用された。 2〜50%w/wの範囲のL−ロイシンのパーセンテージなど、L−ロイシンが、ヘパリンの溶液に含まれていた。 結果は、表16に示されている。
1%の固体溶液全体が、2流体ノズルからビュッチ噴霧乾燥器の中に噴霧された。 ヘパリンとL−ロイシンの混合物が、L−ロイシンの異なる重量パーセンテージにおいて準備された。 2%、5%、10%、25%、及び50%w/wのL−ロイシンの粉末が準備された。 噴霧乾燥器の供給流量は120ml/hrであり、入口温度は150℃であり、フラッシュノズルの設定が使用された。 2流体ノズル噴霧乾燥器の概略的なセットアップが、図39に示されている。
結果は、噴霧乾燥の供給ストックに含まれるL−ロイシンのパーセンテージを増大させることにより、FPFが、2%のロイシンで約20%のFPFから50%のロイシンで50%FPFに着実に改善されたことを示す(表16)。
他のMSLI研究が、300ml/hrの流量を使用して実施された。
20mgの粉末が、各場合にディスペンスされ、表17に示される結果は、FCAを追加することによりFPFが改善されることを示すが、FPD投与量は、ヘパリン含有量が相対的に減少することにより、10%を超えるL−ロイシンを追加することでは改善されない。
従って、FPFの増大は、少量のFCAにおいてさえ達成される。 活性剤は、活性剤に対し0.1から50%w/wFCAで噴霧乾燥されることが可能であるが、毒性の問題の危険性を低減するために、より少量のFCAが好ましい。 FCAの量は、10%w/wを超えないことが好ましく、5%w/wを超えない、3%を超えない、2%w/wを超えない、または1%w/wを超えないことがより好ましい。
いくつかの実施形態では、FCAは、アミノ酸であり、FCAは、疎水性アミノ酸であることが好ましい。 以下のアミノ酸の1つまたは複数が使用されることが可能である:ロイシン、好ましくはL−ロイシン、イソロイシン、リシン、及びシステイン。 活性剤が、L−ロイシンと共に共噴霧乾燥されることが最も好ましい。
FCAを有する、具体的にはL−ロイシン、イソロイシン、リシン、及びシステインと共に活性剤を共噴霧乾燥することにより、粒子の密着性が著しく変化し、肺吸入によって投与されるとき、乾燥粉末の特性を大きく向上させることが判明した。
噴霧乾燥が、「標準的な」パラメータの下で、従来の噴霧乾燥装置を使用して行われる場合、FCAを有する活性剤を噴霧乾燥することにより、非球状粒子の形態を得ることができることが判明した。 低濃度のFCAにおいて、粒子の表面は、凹みまたは陥凹を示す。 共噴霧乾燥されたFCAの量が増大する際に、これらの凹みはより極端になり、粒子は、最終的に、縮んだ、または皺の表面を有する。
粒子の形態は、操作電子顕微鏡写真(SEM)を使用して見られた。
2流体ノズル噴霧乾燥粉末のSEM顕微鏡写真(図40A〜D)は、L−ロイシンのパーセンテージの増大と、凹みまたは皺の粒子表面の増大との明らかな関係を示す。 高いL−ロイシン含有量を有する粒子は、極端に皺になり、選択された場合では、「発泡」の極端な結果として破裂する可能性さえある。 この現象により、粒子は、溶媒の蒸発のために膨張するシェルまたはスキンを形成し、内部蒸気圧を上昇させ、従って、崩壊または破裂する可能性がある。
2流体ノズルからの液滴は、噴霧乾燥中に比較的高い率で当初乾燥される。 これにより、液体液滴の外部の回りに材料の粘性層が創出される。 乾燥が続行される際に、粘性層は、溶媒が蒸発するにつれ、粘性層内の蒸気圧の増大によって、まず伸張される(風船のように)。 溶媒の蒸気は、蒸気が枯渇するまで、粘性層の成長により拡散し、次いで、粘性層は崩壊し、その結果、粒子の表面または皺においてクレータが形成される。
図40Aは、2流体ノズル噴霧乾燥ヘパリンのSEM顕微鏡写真である。 粒子は、一般に、形状が球であり、表面は、ほぼ滑らかである。 しかし、粒子は、それぞれ、表面に1つの(滑らかな)クレータまたは凹みを有する。
図40Bは、5%ロイシンと共に2流体ノズル噴霧乾燥されたヘパリンのSEM顕微鏡写真である。 粒子は、ここで、表面上により多くの凹みまたはクレータを提示する。 粒子は、ほぼ滑らかな表面を依然として有する。
図40Cは、25%ロイシンと共に2流体ノズル噴霧乾燥されたヘパリンのSEM顕微鏡写真である。 FCAが増大しているので、粒子の表面は、もはや滑らかには見えず、ほぼ球の形状は消失している。 粒子は、縮んで皺の外見を有する。
図40Dは、50%ロイシンと共に2流体ノズル噴霧乾燥されたヘパリンのSEM顕微鏡写真である。 図40Cの粒子において観測される縮みは、より明瞭になり、粒子は、膨張し、次いで崩壊したように見え、極度に皺の粒子のように見える。
膨張、スキンの伸長、及び収縮の正味の影響は、著しい数のクレータ及び皺または折りたたみが粒子の表面上に創出されることであり、その結果、滑らかな表面の粒子より大きい容積を占める比較的低密度の粒子が得られる。
これらの共噴霧乾燥粒子の表面形態のこの変化は、粒子間の密着の低減に寄与する可能性がある。 純粋な活性材料の粒子は、図40Aに見られるように、形状がほぼ球である。 表面の皺またはクレータによって生じるような粒子表面の粗さまたは皺の多さが増大する結果、粒子間の表面接触面積を最小限に抑えることによって、粒子の凝集性及び接着性が低減されることが議論されている。
しかし、極度に凹みまたは皺のある粒子を生成しないことが有利であることが驚くべきことに判明したが、その理由は、これらは、粒子間の非常に大きな空間を有する低密度の粉末をもたらすことがあるからである。 そのような粉末は、この形態の結果として質量に対して大きな容積を占め、実装の問題が生じることがある。 すなわち、はるかにより大きいブリスタまたはカプセルが、所与の質量の粉末について必要とされる。
本発明による粉末は、0.1g/ccを超える、0.2g/ccを超える、0.3g/ccを超える、0.4g/ccを超える、または0.5g/ccを超えるタップ密度を有することが有利である。
この粒子形態は、吸入器デバイスから排出されるとき、粒子が飛来するのを補助することさえ可能であることも推測された。 これは、より多くの活性粒子が、下方気道または深肺に到達することができることを意味する。 吸入される粒子の不規則な形状の利点に関するこの推測にも拘らず、本発明者は、粒子表面の化学的性質は、FPF、EDなどに関して粒子の性能に更により多くの影響を与える可能性があることを実際に認識している。 具体的には、粒子の表面上に疎水性の半分が存在することは、クレータまたは凹みの存在より、密着性の低減について重要であると見なされると考えられる。 上記で記述されたように、供給ストックにおいて使用される溶媒は、粒子表面の化学的特性に影響を与える可能性があると考えられる。 従って、従来の技術における示唆とは対照的に、良好なFPF値を提供するために、極度に凹んだ、または皺のある粒子を生成することを追求する必要はない。
次に様々な賦形剤を有する活性剤を噴霧乾燥する効果が調査された。 表11に示される標準的な噴霧乾燥パラメータが使用され、試験された様々な賦形剤は、ラクトース、デキストロース、マンニトール、及び人の血清アルブミン(HSA:human serum albumin)であった。 賦形剤は、水性溶液からのヘパリンと共に共噴霧乾燥された。 5〜50%w/wの賦形剤が含まれ、全固体含有量は、溶液の1%w/wを超えなかった。
ラクトース(5〜50%)、デキストロース(5〜50%)、及びマンニトール(5〜20%)の包含は、FPFを改善しなかった(表18)。 実際、これらの賦形剤のすべてについて、FPFは、噴霧乾燥ヘパリンについて「標準的な」20%より下がった。 しかし、5%HSAを含むことにより、改善した。
活性剤にHSAが存在することにより、粒子の密着性は明らかに低下し、それによりFPFが増大されるので、HSAは、本発明の目的では、FCAであると考慮されることが可能である。 しかし、本発明のいくつかの実施形態では、使用されるFCAは、HSAではないことが好ましい。
上記で記述されたように共噴霧乾燥されるとき、FCAとして作用するHSAの能力は、噴霧乾燥粒子の表面上におけるHSAの疎水性の半分の構成による可能性があると考慮される。 上記で議論されたように、噴霧乾燥粒子の表面上における疎水性グループの配置は、非常に重要であると考えられ、乾燥粉末薬剤における粒子の密着性及び接着性に影響を与えることがある。 HSAなどのタンパク質は、適切な条件下においてタンパク質がFCAとして作用することを可能にする成分アミノ酸の疎水性部分を有する傾向がある。 実際、適切な噴霧乾燥条件下において活性剤がタンパク質である本発明の一実施形態では、活性剤自体は、FCAとして作用することが可能であり、それにより、別々のFCAを有するタンパク質を噴霧乾燥する必要性が回避される。 タンパク質は、疎水性の半分が結果的な粒子の表面上に構成されることを可能にする方式で、噴霧乾燥されなければならない。 従って、ホスト溶液は、水性溶液であることが好ましい。 更に、粒子の乾燥は、表面において疎水性の半分の運動または半分の保持を可能にする率で行われるべきである。
従って、本発明の一態様によれば、活性剤及びFCAの両方としてのタンパク質を備える噴霧乾燥粒子を生成する方法が提供される。 粒子は、本発明による噴霧乾燥粒子の表面上に構成される疎水性の半分の結果として、タンパク質の従来の噴霧乾燥粒子によって提示されるより良好なFPF(ED)及びFPF(MD)を提示する。
代替液滴薬剤
乾燥粉末薬剤のFPF及びFPDは、噴霧乾燥される液滴を創出するために使用される手段によっても影響を受けることが更に発見された。 液滴を形成する異なる手段が、液滴のサイズ及びサイズ分布、並びに形成される液滴が進行する速度及び液滴の回りの気体流に提供を与えることがある。 これに関して、液滴が形成されるときに進行する速度及び液滴の回りの気体(通常空気である)流は、結果的な乾燥粒子のサイズ、サイズ分布、及び形状に劇的に影響を与えることがある。
従って、噴霧乾燥プロセスのこの態様は、粒子が肺吸入により投与される良好な性能を提供する化学的及び物理的特性を有する粒子を加工する本発明者の試行において重要である。
噴霧乾燥プロセスにおける液滴の形成は、所与のサイズの液滴及び狭いサイズ分布が形成されることが可能であるように、制御されることが可能であることが判明した。 更に、液滴の形成を制御することにより、液滴の回りの空気流を制御することを可能にすることができ、空気流は、液滴の乾燥、具体的には乾燥の率を制御するために使用することができる。 液滴の薬剤の制御は、従来の2流体ノズルの代替物を使用することによって、具体的には高速空気流の使用を回避することによって、達成することが可能である。 代替液滴形成手段の使用の以下の議論は、明らかになるように、噴霧乾燥粒子の性能について改善を提供する以上のファクタのすべてと組み合わせて使用することができる。
本発明の他の態様によれば、乾燥粉末を準備する方法が提供され、活性剤は、制御された速度において移動し、且つ、所定の液滴のサイズの液滴を生成する手段を備える噴霧乾燥器を使用して噴霧乾燥される。 液滴の速度は、液滴が中に噴霧される気体の塊に対して制御されることが好ましい。 これは、液滴の初期速度及び/または液滴が中に噴霧される気体の塊の速度を制御することによって達成することができる。
噴霧乾燥プロセス中に形成される液滴のサイズを制御することができることが明らかに望ましく、液滴のサイズは、乾燥粒子のサイズに影響を与える。 液滴形成手段は、比較的狭い液滴、従って粒子のサイズ分布をも生成することが好ましい。 これは、確定された限界より大きいサイズを有する粒子の質量を低減することによって、好ましくは5μm、3μm、または2μmより90%一様な粒子サイズ、従ってより予測可能で一貫したFPF及びFPDを有する乾燥粉末薬剤をもたらす。
液滴の速度を制御する能力により、結果的な粒子の特性を更に制御することも可能になる。 具体的には、液滴の回りの気体速度は、液滴が乾燥する速度に影響を与える。 2流体ノズル構成を使用して形成される液滴など(空気の中に噴霧する)、迅速に移動する液滴の場合、液滴の回りの空気は、常に置換されている。 溶媒が液滴から蒸発する際に、湿気が、液滴の回りの空気に入る。 このミストの空気が、新しい乾燥した空気によって常に置換される場合、蒸発率は増大する。 対照的に、液滴が空気を経て緩慢に移動する場合、液滴の回りの空気は置換されず、液滴の回りの高い湿度が、乾燥率を遅くする。 以下でより詳細に議論されるように、液滴が乾燥する率は、FPF及びFPDを含めて、形成される粒子の様々な特性に影響を与える。
生成点から10mmにおける液滴の速度は、100m/s未満、より好ましくは50m/s未満、最も好ましくは20m/s未満であることが好ましい。 液滴の生成に使用される気体の速度は、液滴が生成される点から10mmにおいて、100m/s未満、より好ましくは50m/s未満、最も好ましくは20m/s未満であることが好ましい。 一実施形態では、液滴が中に噴霧される気体の塊に対する液滴の速度は、生成点から10mmにおいて、100m/s未満、より好ましくは50m/s未満、最も好ましくは20m/s未満である。
生成点から5mmにおける液滴の速度は、100m/s未満、より好ましくは50m/s未満、最も好ましくは20m/s未満であることが好ましい。 液滴の生成に使用される気体の速度は、液滴が生成される点から10mmにおいて、100m/s未満、より好ましくは50m/s未満、最も好ましくは20m/s未満であることが好ましい。 一実施形態では、液滴が中に噴霧される気体の塊に対する液滴の速度は、生成点から10mmにおいて、100m/s未満、より好ましくは50m/s未満、最も好ましくは20m/s未満である。
単一ピエゾユニット(>1.5MHzにおいて振動するユニットなど)当たりの出力は、1.0cc/分より大きい、3.0cc/分より大きい、5.0cc/分より大きい、8.0cc/分より大きい、10.0cc/分より大きい、または15.0cc/分より大きいことが好ましい。 そのようなユニットは、次いで、3μm未満、2.5μm未満、または2μm未満の乾燥粉末拡散ユニットからモルヴァンマスタサイザ(Mlavern Mastersizer)によって測定されたD(90)を有する乾燥粒子を生成するはずである。
単一ピエゾユニット(>2.2MHzにおいて振動するユニットなど)の出力は、0.5cc/分より大きい、1.0cc/分より大きい、3.0cc/分より大きい、5.0cc/分より大きい、8.0cc/分より大きい、10.0cc/分より大きい、または15.0cc/分より大きいことが好ましい。 そのようなユニットは、3μm未満、2.5μm未満、または2μm未満の乾燥粉末拡散ユニットからモルヴァンマスタサイザによって測定されたD(90)を有する乾燥粒子を生成するはずである。
制御された速度において移動し、且つ、所定のサイズの液滴を生成する手段は、一般に使用される2流体ノズルの代替であることが好ましい。 一実施形態では、超音波ネブライザ(USN:ultrasonic nebuliser)が、噴霧乾燥プロセスにおいて液滴を形成するために使用される。
USNは既知であるが、これらは、医薬品を含む溶液を直接吸入するために、吸入器デバイスにおいて従来使用され、噴霧乾燥装置では、以前は広く使用されていなかった。 そのようなネブライザを噴霧乾燥において使用することには、いくつかの重要な利点があり、これらは、以前は認識されていなかったことが発見された。 好ましいUSNは、粒子の速度、従って粒子が乾燥される率を制御し、これは、結果的な粒子の形状及び密度に影響を与える。 USNの使用は、2流体ノズルなど、液滴を創出するために使用される従来のタイプのノズルを有する従来の噴霧乾燥装置を使用して可能となるより大きなスケールで噴霧乾燥を実施する機会も提供する。
USNは、液体に浸漬されている超音波変換器を使用する。 超音波変換器(圧電結晶)は、液体の霧化に必要な短波長を生成するために、超音波周波数において振動する。 USNの1つの一般的な形態では、結晶のベースは、振動が、直接、または通常は水である結合液体を介して、表面からネブライザの液体に伝達されるように保持される。 超音波振動が十分に強いとき、液体のファウンテンが、ネブライザ室の液体の表面において形成される。 大きな液滴が、頂部から放出され、小さい液滴の「霧」が放出される。 標準的なUSNがどのように作用するかを示す概略図が、図41に示されている。
微細粒子乾燥粉末を生成するUSNの魅力的な特性には、低噴霧速度、ネブライザを動作するのに必要な少量のキャリア気体、生成される比較的小さい液滴サイズ及び狭い液滴サイズ分布、USNの簡単な性質(磨耗、汚染など生じることがある移動部分の欠如)、液滴の回りの気体流を正確に制御し、それにより、従来の2流体ノズル構成を使用するときは困難且つ高価である方式で、USNを使用する乾燥粉末の生成を商用的に実現可能とする高い出力率がある。 これは、従来の噴霧乾燥装置の大規模化が困難であり、空間の使用が、従来の噴霧乾燥装置では不十分であるからである。 これは、大規模噴霧乾燥が多くの装置及び多くのフロア空間を必要とすることを意味する。
USNは、液体の速度を増大させることによって、液体を液滴の中に分離させない。 むしろ、必要なエネルギーは、超音波ネブライザによって生じる振動によって提供される。
更に、USNは、液滴の乾燥を調節し、且つ、結果的な粒子の表面上における力制御剤の表現を制御するために使用されることが可能である。 活性剤自体が力制御剤として作用することができる場合、USNによる噴霧乾燥は、疎水性の半分の配置を制御するように更に作用することができ、それにより、力制御剤を含む効果は、力制御剤を含まずに達成することさえできる。
従って、従来のビュッチ2流体ノズルの代替として、超音波ネブライザが、ビュッチ乾燥室内において乾燥される活性剤の液滴を生成するために使用されることが可能である。 一構成では、USNは、USNによって生成される液滴のクラウドを噴霧乾燥器の加熱済み乾燥室に直接導入することを可能にする特別に設計されたガラス室において活性剤を備える供給溶液に配置される。
2流体ノズルは、それが通常位置する穴を封止するために、適所に残されるが、圧縮空気は、ターンオンされなかった。 次いで、乾燥室は、100%のアスピレータの設定で、150℃の入口温度に加熱される。 ビュッチシステムの負の圧力のために、液滴の霧化クラウドは、乾燥室内に容易に引き出され、そこで、液滴は、粒子を形成するように乾燥され、粒子は、その後、サイクロンによって分類されて、収集ジャーにおいて収集される。 室における供給溶液のレベルは、連続的な霧化の結果として供給溶液の過剰濃度を回避するために、規則的に補填される。
超音波デバイスにおける液体の壊変及びエアロゾル生成の機構を記述する2つの理論が展開された(マーサー(Mercer)1981年、1968年、及びソルナ(Sollner)1936年)。 ラング(Lang)(1962)は、薄い液体層から生成される平均液滴サイズが、液体表面上の毛細波長に比例することを観測した。 実験により決定される0.34のファクタを使用して、液滴の直径Dは、下式によって与えられる。
dp=0.34(8πγ/pf2)1/3
p=溶液密度g・cm−3(水=1)
γ=表面張力dyn・cm−1(水=70)
f=周波数(MHz)
これは、1.7MHzの周波数について、計算された液滴のサイズは、2.9μmであり、2.4MHzでは、計算された液滴のサイズは、2.3μmであることを意味する。 1.6μmの計算された液滴サイズでは、最高で4MHzの周波数を有する噴霧装置も利用可能である。
明らかに、これにより、液滴のサイズを正確且つ容易に制御することが可能になり、これは、活性粒子のサイズも制御することができることを意味する(乾燥粒子のサイズは、液滴のサイズに大きく依存するからである)。 更に、USNは、従来の2流体ノズルによって比較出力において実際に生成することができる液滴より小さい液滴を提供する。
本発明の一実施形態では、活性粒子を準備する方法は、超音波ネブライザの使用を含む。 超音波ネブライザは、噴霧乾燥器に組み込まれることが好ましい。
本発明において使用されることが可能である1つのタイプの超音波ネブライザが、特許文献10に記載されている。 この特許出願は、本発明を実施する際に極度によく機能する超音波ネブライザを記載していた。
この特許において開示される超音波ネブライザは、噴霧乾燥装置の一部であるとは考慮されないということにも拘らず、ネブライザは、上記で指摘されたように、優れた噴霧乾燥粒子を生成するために、簡単且つ容易に噴霧乾燥器に組み込まれることが可能である。
特許文献10において開示されたネブライザは、空気加湿器として使用される。 しかし、生成される液滴は、噴霧乾燥プロセスにおいて使用される小さいサイズの分布を有する理想的なサイズの範囲にある。 更に、ネブライザは、アレコ(Areco)社によって生産及び販売されているデバイスのいくつかでは、1時間当たり数リットル及び1時間当たり最高で60リットルの供給液体の大きさである、非常に高い出力率を有する。 これは、従来の噴霧乾燥装置において使用される2流体ノズルと比較して非常に高く、噴霧乾燥プロセスを市販で実現可能なスケールで実施することを可能にする。
他の適切な超音波ネブライザが、特許文献11及び特許文献12において開示されている。
噴霧乾燥プロセスにおいて液滴を生成するためにUSNを使用する他の利点は、生成される粒子が小さく、形状が球で、密であることである。 これらの粒子は、改善された投与を提供する。 更に、生成粒子のサイズ及び形状は、医薬品のデバイス停留を非常に低いレベルに低減すると考えられる。
更に、USNは、他の既知の噴霧装置のタイプと比較して非常に小さい液滴を生成することができ、これにより、非常に小さい粒子が生産されることになる。 USNによって生成される粒子は、0.5から5μm、または更に0.5から3μmのサイズの範囲内にある傾向がある。 これは、従来の噴霧乾燥技術及び装置を使用して得られる、またはミリングによって得られる傾向がある粒子のサイズと比較して非常に有利である。 これらの後者の方法の両方とも、約1μmの最小サイズを有する粒子を生成する。 USNの使用に関連付けられるこれらの利点は、以下においてより詳細に議論される。
USNが、活性剤(ヘパリン)のみの供給溶液、並びに1%から5%及び10%w/wのFCA(L−ロイシン)を有する活性剤の混合物を使用して乾燥粉末を準備するために使用された。 超音波ネブライザ出力率は、130ml/hrであった。 霧化粉末の炉の温度は、350℃に設定された。 図42は、超音波セットアップの概略図を示す。
粉末の処理を試験するために、モノヘイラ、及び20mgの粉末で充填され、以前に説明された方式で迅速TSIの中にファイアリングされるカプセルを使用して実施された。 研究は、約5μmのカットオフを有する60L/mのTSI流量を使用した。
3つの測定が、各混合物について実施され、結果は、以下の表19に概述され、得られた結果の3つのセットの平均値を与える。
USNを使用して生成される乾燥粉末を使用する迅速TSI結果は、純粋ヘパリン粒子について非常に低い霧化効率を示すが、FCAとしてL−ロイシンが追加されているFPFについて、改善が示されている。
2流体ノズル構成を使用して生成されるものと比較して純粋な医薬品粒子の性能が不十分である理由は、これらの2つの異なるプロセスによって生成される粒子のサイズのためである。 USNを使用して生成される純粋医薬品の粒子は、2流体ノズル構成を使用して準備される粒子(2.5μmの大きさでD(50))と比較して、非常に小さい(1μmの大きさでD(50))。 FCAがない場合、USNを使用して生成されるより小さい粒子は、2流体ノズルによって生成されるより大きい粒子より悪いFPFを提示する。
粒子の形態は、操作電子顕微鏡写真(SEM:scanning electron micrograph)を使用して見られた。
図43Aは、USN噴霧乾燥ヘパリンのみのSEM形態を示し、一方、図43Bは、10%ロイシンを有するUSN噴霧乾燥ヘパリンのSEM顕微鏡写真を示す。
SEMから明らかにわかるように、USNを使用して活性剤及びロイシンを共噴霧乾燥することによって形成される粒子の形状は、従来の2流体ノズル噴霧乾燥技術を使用してヘパリン及びロイシンを共噴霧乾燥することによって形成される粒子の形状とは異なる。
USNを使用して生成される純粋ヘパリンのSEM形態は、粒子が、約2μm以下のサイズを有することを示す。 SEMは、これらの粒子が、最高で200μmの「固い」凝集物を形成する傾向があることも示す。
対照的に、霧化ヘパリン及びロイシンのSEMは、生成された1次粒子が、純粋ヘパリン粒子と同じサイズであることを示す。 しかし、これらの粒子は、離散的であり、凝集物は、より明瞭ではなく、またよりコンパクトな性質ではない。
更に、2流体ノズル噴霧乾燥器(図40A〜40D)を使用してヘパリン及びロイシンを共噴霧乾燥することによって準備される粒子の表面上において観測される明瞭な凹みまたは皺は、粒子がUSNを使用して噴霧乾燥されるときより明らかではない。 これにも拘らず、USNを使用して形成される共噴霧乾燥粒子は、同じ方式であるが、FCAを有さずに形成された粒子と比較して、改善されたFPF及びFPDを依然として有する。 この場合、この改善は、明らかに、主に粒子の形状によるのではなく、また、密度または粗さの増大によるものでもない。
固体粒子の表面におけるロイシンの濃度は、いくつかのファクタによって支配されると考えられる。 これらには、液滴を形成する溶液のロイシンの濃度、活性剤と比較したロイシンの相対可溶性、ロイシンの表面行動、乾燥液滴内における質量輸送率、及び液滴が乾燥する速度がある。 乾燥が非常に迅速である場合、粒子の表面におけるロイシンの含有量は、より緩慢な乾燥率の場合より小さくなると考えられる。 ロイシンの表面濃度は、乾燥プロセス中に表面に輸送されるロイシンの率、及び沈殿率によって決定される。
上記で記述されたように、液滴の回りの高い気体流量は、乾燥を加速することができ、USNを使用して形成される液滴の回りの気体速度は、従来の2流体ノズルを使用して形成される液滴の回りの気体速度と比較して小さいので、以前の技術を使用して形成される液滴は、従来の2流体ノズルを使用することによって生成される液滴より緩慢に乾燥すると考えられる。 USNを使用して生成される液滴及び乾燥粒子のシェル上におけるロイシン(または他のFCA)の濃度は、結果としてより高くなることがある。 これらの効果は、液滴から溶媒が蒸発する率を低減し、「発泡」を低減し、従って、我々が観測した物理的により小さく且つより滑らかな1次粒子について責任がある(非特許文献1)と考えられる。 この最後に関して、以前に留意されたように、2流体ノズルシステムによって形成される液滴は、液滴の回りに迅速な空気流を有し、従って、非常に迅速に乾燥し、発泡の効果を劇的に提示する。
また、液滴がUSNを使用して形成されるときに予期されるより緩慢な乾燥率により、FCAは、乾燥プロセス中に、液滴の表面に移動することが可能になることも推測される。 この移動は、FCAの疎水性の半分が液滴の表面上に配置されるように促進する溶媒の存在によって更に補助されることが可能である。 水性溶液が、これに関して補助すると考えられる。
FCAは、結果的な粒子の表面上に存在するように液滴の表面に移動することができるので、液滴に含まれるFCAのより大きい割合が、力制御効果を実際に有することが明らかである(FCAは、それがこの効果を有するために、表面上に存在しなければならないからである)。 従って、USNの使用は、従来の噴霧乾燥方法を使用して生成される粒子と比較して、結果的な粒子において同じ力制御効果を生成するために、より少ないFCAが追加されることを必要とするという他の利点を有することにもなる。
従って、上記で議論された従来の技術において示唆されているように、供給溶液において最高で50%w/wの量を含むことは必要ではない。 むしろ、20%w/wを超えないFCAが含まれるとき、優れたFPF値が達成されることが判明した。 10%w/wを超えない、8%w/wを超えない、5%w/wを超えない、4%w/wを超えない、2%w/wを超えない、または1%w/wを超えないFCAが、USNを使用して噴霧乾燥されることが好ましい。 含まれるFCAの量は、活性剤がFCA自体として作用することができない場合、0.1%w/w程度に低いことが可能である。
当然、活性剤自体が、粒子の表面上に主な組成として提示することができる疎水性の半分を有する場合、FCAは、含まれる必要がない。
噴霧乾燥プロセスの乾燥ステップ中のFCAの移動は、ホスト液体において使用される溶媒の性質によっても影響を受ける。 上記で議論されたように、水性溶媒が、疎水性の半分が液滴の表面、従って結果的な粒子の表面に移動するのを補助し、それにより、これらの半分の力制御特性が最大になると考えられる。
粒子のサイズの研究では、USNを使用して形成された噴霧乾燥粒子の粒子サイズが分析された。 乾燥粉末は、シロッコ(Scirocco)乾燥粉末ユニットを使用して、モルヴァンマスタサイザ2000において4バールで分散された。 超音波霧化粉末のD10、D50、及びD90の値が測定され、表21に示されている(粒子の容積で10%が、D10値より小さい、モルヴァンによって測定されたサイズである。 粒子の容積で50%が、D50値より小さい、モルヴァンによって測定されたサイズである、などである)。 値は、3つの測定の平均である。
更に、5μm未満のサイズを有する粒子のパーセンテージ質量が、粒子サイズデータから得られ、FPFとして表されている。
図44は、超音波ネブライザを使用して生成される純粋ヘパリン粉末の3つの繰返し試験の通常のサイズ分布曲線を示す。 主なピークは、直径で0.2μmと4.5μmとの間にある個々の活性粒子のサイズを表す。 17から35μmの直径の間にある第2のより小さいピークは、活性粒子の凝集物を表す。
シンパテック(Sympatec)の粒子サイズ(ヘロス乾燥分散された)の結果は、超音波霧化粉末が、2流体ノズル噴霧乾燥粉末の場合より狭いサイズ分布及び小さい平均粒子サイズを有することを示した。
図45Aは、2流体ノズル噴霧乾燥粉末と、ヘパリンと2%ロイシンw/wとの混合物を備える超音波霧化粉末との粒子サイズ分布曲線の比較を示す。
図45Bは、2流体ノズル噴霧乾燥粉末と、ヘパリンと5%ロイシンw/wとの混合物を備える超音波霧化粉末との粒子サイズ分布曲線の比較を示す。
図45Cは、2流体ノズル噴霧乾燥粉末と、ヘパリンと10%ロイシンw/wとの混合物を備える超音波霧化粉末との粒子サイズ分布曲線の比較を示す。
これらの図は、第2ピークが徐々に消失することを示し、凝集物の発生が、共噴霧乾燥FCAの量が増大するにつれ、減少することを示す。
USN噴霧乾燥材料では、凝集物のピークは、>3%のロイシンが追加されるとき、同じ試験条件下において消失する。 2流体ノズル噴霧乾燥材料では、凝集物のピークは、>10%のロイシンが追加されるとき、凝集物のピークは、同じ試験条件下において消失する。 これは、FCAとしてロイシンを追加することにより、ヘパリン粉末における凝集物の強度が低減されることを示す。 超音波霧化材料が、より小さいロイシン(FCA)含有量において、より容易に非凝集化することを更に示唆する。 これは、上記で記述されたように、ロイシン(FCA)の表面濃度に関係する可能性がある。
超音波霧化粉末のSEM画像(図43A及び43B)は、ロイシンを追加することにより霧化が促進されるという発見も支持する。 純粋ヘパリンのSEMは、ヘパリンの1次粒子は<2μmであるが、大きな別個の凝集物が形成されることを示した。 ヘパリン及びロイシンを備えるすべての粉末のSEMは、1次粒子のサイズは依然として<2μmであるが、大きな凝集物は明らかではないことを示す。
超音波ネブライザを含む噴霧乾燥プロセスを使用して形成される粒子が、例えば2流体ノズル構成を有する標準的な噴霧乾燥装置を使用して生成される粒子より大きいFPFを有することが判明したことがわかる。
更に、USNを使用する噴霧乾燥プロセスを使用して形成される粒子は、例えば2流体ノズル構成を有する標準的な噴霧乾燥装置を使用して生成される粒子より、狭い粒子サイズ分布を有することが判明した。
USNを使用する噴霧乾燥によって生成される粒子の研究により、超微細粉末のバルクな密度を有利に増大させることができ、一方、霧化の特性も改善されることが発見された。 この発見は、従来の考えとは対照的であり、霧化を改善し、それにより、医薬品粒子及び薬剤が、低減された密度を有して準備されるという従来の技術の手法とは著しく対照的である。 低密度粒子は、エアロゾル化を改善することができるが、単一吸入として送達することができる積載質量に対し、著しい制限を課す。 例えば、20mgの薬剤粉末を従来保持するサイズ3のカプセル(サイクロヘイラ(商標)、ロタヘイラ(商標)、及び多くの他のカプセルベースのDPIにおいて使用されるカプセルのタイプ)が、5mg以下の低密度材料を収容することのみが可能である。
高密度または高密度化粉末粒子の重要性及び商用上の利点は、より小さい容積において増大された粉末装填量を送達する可能性を提供することである。 例えば、20mgの装填量を従来保持するサイズ3のカプセルが、最高で40mgの高密度粉末薬剤を収容することができる可能性があり、5mgの装填量を保持するように設計されたアスピレア(商標)ブリスタが、本発明を使用して生成されることが可能であるような高密度粉末の15mgを保持するために使用されることが可能である。 これは、40〜50mgの投与量が必要とされる可能性がある場合、例えばヘパリンを含めて、高投与量送達を必要とする医薬品について特に重要である。 標準的な密度の粉末のちょうど20〜25mgを保持するブリスタまたはカプセルに高密度粉末の形態のこの投与量を組み込むことが可能であるはずである。
USNを使用する上述された噴霧乾燥プロセスを使用して、活性剤及びFCA(ヘパリン及びロイシン)を備える粒子の最終密度は、制御された霧化及び乾燥によって増大された。 上記で留意されたように、密度を増大させる能力は、単位ブリスタまたはカプセルに充填される医薬品の装填量を増大させる機会を提供し、一方、この場合、従来の噴霧乾燥へパリンの20%から本発明により噴霧乾燥されたヘパリン及びFCAの70%まで、FPDを上昇させる。
より密な粒子についてエアロゾル化を改善する手がかりは、FCAの存在であり、FCAが存在しない場合、高密度化の利点は実現することができない。 高密度化が実施されるプロセスは、医薬品粒子表面上におけるFCAの空間配置の観点でも重要である。 目的は、高密度医薬品組成においてFCAの最大に可能な表面の存在を常に提供することである。 本発明による噴霧乾燥の場合、条件は、結果的な医薬品粒子が豊富なFCA表面豊を提供するように選択される。
USNを使用するときの上記に示された結果と同様の結果が、高い出力率において低粘性の液滴を生成する他の手段を使用する噴霧乾燥について予期される。 例えば、電気噴霧ノズルまたは振動オリフィスノズルなど、他の代替ノズルが使用されることが可能である。 これらのノズルは、超音波ノズルと同様に、運動量がなく、キャリア空気流によって容易に向けることができる噴霧となるが、出力率は、一般により低い。
噴霧乾燥プロセスにおいて使用されるノズルの他の魅力的なタイプは、電気流体力学的霧化を使用するものである。 テイラーコーンが、微細針の先端において高電圧を印加することによって、微細針において創出される。 これは、液滴を許容可能な単一分散に粉砕する。 この方法は、乾燥後に液滴を輸送することを除いて、気体流を使用しない。 許容可能な単一分散は、スピンディスク生成装置を使用して得ることもできる。
超音波ノズル、電気噴霧ノズル、または振動オリフィスノズルなどのノズルは、複数ノズルアレイにおいて構成することができ、この場合、多くの単一ノズルオリフィスが、小さい領域において構成され、供給溶液の高い全スループットを促進する。 超音波ノズルは、超音波変換器(圧電結晶)である。 超音波変換器が細長いベセルに配置される場合、出力は、著しく上昇されることが可能である。
湿気のプロファイル
噴霧乾燥プロセスは、噴霧乾燥粒子の湿気含有量が、粒子の特性のいくつかの微細調整を可能にするように調整される他のステップを含むことが可能である。
活性粒子が噴霧乾燥によって生成されるとき、ある程度の湿気は、依然として粒子に存在する。 これは、具体的には、活性剤が感温性であり、且つ、粒子から更に湿気を除去するために通常必要とされる延長時間期間の高温を許容しない場合である。
粒子の湿気の量は、密度、多孔性、飛来の特性など、様々な粒子特性に影響を与える。
従って、本発明の他の態様によれば、乾燥粉末組成を準備する方法が提供され、方法は、粒子の湿気含有量を調節するステップを備える。
一実施形態では、湿気調節またはプロファイリングステップは、湿気の除去を含む。 そのような2次乾燥ステップは、冷凍乾燥を含むことが好ましく、追加の湿気は、昇華によって除去される。 この目的の代替乾燥タイプは、真空乾燥である。
一般に、2次乾燥は、活性剤が力制御剤と共に共噴霧乾燥された後に行われる。 他の実施形態では、2次乾燥は、霧化活性剤が噴霧乾燥された後に行われ、活性剤は、随意選択でFCAとの混合物にあった。
2次乾燥ステップは、2つの具体的な利点を有する。 第1に、製薬活性剤を延長期間高温に更すことを回避するように選択することができる。 更に、2次乾燥による残留湿気の除去は、噴霧乾燥によって粒子から湿気のすべてを除去するより著しく安価である。 従って、噴霧乾燥と冷凍乾燥または真空乾燥との組合せが、経済的且つ効率的であり、感温製薬活性剤に適している。
粉末の2次乾燥の効果を確立するために、活性剤のみ及び活性剤(ヘパリン)とFCA(ロイシン10%w/w)との組合せのサンプルが、真空下において50℃で24時間2次乾燥された。
表21に示される結果は、2次乾燥を受けていない等価な粒子に関する表20の結果と比較するとき、2次乾燥ステップによりFPF及びFPDが更に上昇することを示す。
より後のステージにおいて、実験は、活性剤(ヘパリン)及びFCA(ロイシン5%w/w)のサンプルについて実施され、真空下において40℃で24時間2次乾燥された。
粒子サイズの試験は、2次乾燥の効果を示すためにも実施された。 USNを使用して形成される噴霧乾燥粒子の粒子サイズが、分析された。 乾燥粉末をHelo分散剤に4バールで分散させた。 粉末は、真空下において24時間にわたって2次乾燥された。
超音波霧化粉末の<5μmのFPF及びD10、D50、及びD90の値が測定され、表22に示されている。
従って、表22の結果を表20の結果と比較することによって、活性剤のみ及び活性剤とFCAとの混合物の両方について、2次乾燥粒子が粒子サイズについて著しく変化しないことがわかる。
図44は、2次乾燥粉末及び2次乾燥されていない粉末の粒子サイズ分布曲線の比較を示す。 使用された粉末は、10%ロイシンw/wを有するヘパリンであった。 明らかに、曲線間には実質的な違いがなく、2次乾燥は、粒子のサイズに対して影響を与えないことを示す。
次いで、2次乾燥の影響が、USN及び2流体ノズルを使用して生成された粒子間において変化するかを確立するために、USNを使用して形成された噴霧乾燥粒子に関する2次乾燥の粒子サイズ研究が、繰り返されたが、2流体ノズル乾燥器を使用した。 再び、粉末は、真空下において24時間2次乾燥された。 噴霧乾燥粉末のFPF<5μm及びD10、D50、及びD90の値が、以下の表23に示されている。
図40Eから40Hは、2次乾燥後、2、5、10、及び50%のロイシンを有する2流体ノズル噴霧乾燥ヘパリンのSEM顕微鏡写真を示す。 これらの図の粒子を図40Aから40Dの粒子と比較するとき、2次乾燥は、粒子の「崩壊」を増大させないことが明らかである。 従って、低パーセンテージのFCAにおいてさえ、2次乾燥粒子は、より皺のある、または縮んだ形状を有する。
表24に示されるカール・フィッシャー方法によって決定される上記で議論された実験及び湿気含有量の値は、2次乾燥が、へパリン粒子の湿気含有量を著しく低減することを示す(約6.5%だけ)。 これは、ヘパリンが、2次乾燥によって除去される残留湿気を保持する固い外側シェルが存在し、飛沫同伴された湿気が中央コアにおいてトラップされるように乾燥されることを意味する。 乾燥室における粒子の残留時間が過度に短く、外側シェルが迅速に形成されており、固過ぎて、初期の噴霧乾燥プロセス中に湿気が容易に逃げることが可能ではないと推測することができる。
2次乾燥は、粉末の湿気含有量を低下させることによって、生成物を安定させることについても有利であるとすることができる。 これは、非常に感熱性とすることが可能である医薬品は、医薬品を保護するためにより低温で噴霧乾燥し、次いで、湿気を更に減少させ、且つ、医薬品を保護するために、2次乾燥を受けることができることをも意味する。 本発明の第3態様の他の実施形態では、湿気プロファイリングは、噴霧乾燥粒子の湿気含有量を増大させることを含む。
湿気は、粒子を湿気の多い大気に暴露させることによって追加されることが好ましい。 追加される湿気の量は、湿気及び/または粒子がこの湿気に暴露される時間の長さを変化させることによって制御することができる。
クロミプラミン及びヘパリンを備える超音波霧化薬剤が、次に準備され、アスピレア(商標)及びモノヘイラ(商標)のデバイスにおいて試験された。
ヘパリン薬剤は、上記で記述されたように、本発明による噴霧乾燥システムを使用して、元の粉末から生成された。 このシステムは、超音波霧化ユニット、液滴を乾燥するために霧化された液滴を加熱管に輸送する気体流、及び乾燥粒子を収集するろ過ユニットを備える。
ヘパリンの水性溶液が、水に対して1%w/wを包含して作成された。 力制御剤であるロイシンが、ヘパリンに対して5%w/wとなるように十分な量でこれに追加された。
溶液は、2.4MHzの周波数で霧化され、約300℃に加熱された炉表面温度を有する管炉を通るように誘導され、その後、乾燥粉末は収集された。 気体の温度は、測定されていないが、この温度より大幅に低かった。 モルヴァン(乾燥粉末)粒子のサイズの測定は、0.8μmのd(50)を与えた。
塩酸クロミプラミン薬剤は、ヘパリンについて上記で留意されたのと同じ噴霧乾燥システムを使用して、元の粉末から生成された。 このシステムは、超音波霧化ユニット、液滴を乾燥するために霧化液滴を加熱管に輸送する気体流、及び乾燥粒子を収集するろ過ユニットを備える。
塩酸クロミプラミンの水性溶液が、水に対して2%w/wを包含して作成された。 十分なロイシンが、医薬品に対して5%w/wとなるように追加された。
溶液は、2.4MHzの周波数で霧化され、約300℃に加熱された炉表面温度を有する管炉を通るように誘導され、その後、乾燥粉末は収集された。 気体温度は、測定されていないが、この温度より大幅に低かった。 モルヴァン(乾燥粉末)粒子のサイズの測定は、1.1μmのd(50)を与えた。
モルヴァン粒子サイズ分布は、ヘパリン及び塩酸クロミプラミンの両方が、非常に小さい粒子サイズ及び分布を有することを示す。 d(50)の値は、ヘパリンについて0.8μmであり、塩酸クロミプラミンについて1.1μmである。 分布グラフのモードは、対応して0.75及び1.15である。 更に、分布の拡散は比較的狭く、それぞれ、2.0μm及び2.5μmのd(90)であり、これは、質量でほぼすべての粉末が3μm未満であり、ヘパリンの場合2μm未満であることを示す。 ヘパリンは、おそらくは溶液の濃度がより小さいために、塩酸クロミプラミンより小さい粒子サイズ及びサイズ分布を示す。
次いで、約3mg及び5mgのヘパリン薬剤並びに2mgの塩酸クロミプラミン薬剤が装填され、フォイルブリスタの中に封止された。 これらは、次いで、901/分に設定された空気流で、アスピレアデバイスから次世代インパクタ(NGI)の中にファイアリングされた。 ヘパリンの結果は、5ファイアリングブリスタの累積に基づく。 1つのブリスタショットのみが、各塩酸クロミプラミンNGIについてファイアリングされた。
約20mgのヘパリンまたは塩酸クロミプラミン薬剤が装填され、サイズ3カプセルの中に封止された。 塩酸クロミプラミンカプセルは、ゼラチンカプセルであり、ヘパリン薬剤に使用されたカプセルは、HPMC (ヒドロキシプロピルメチルセルロース) カプセルであった。 次いで、これらのカプセルは、901/分に設定された空気流で、モノヘイラデバイスを使用して、NGIの中にファイアリングされた。
性能データは、以下のように概述され、データは、2つまたは3つの決定の平均である。
アスピレアデバイスにおけるデバイス停留は、両方の医薬品薬剤について驚くほど低かった(2〜5%の間)。 これは、使用される小さい粒子サイズ及び使用される比較的に高い投与量が与えられると、特に低かった。 例えば、塩酸クロミプラミンは、アプリレアデバイスにおける5%のデバイス停留及び1.1μmの小さいd(50)を提示した。 比較として、0.95μmのd(50)を有する5%ロイシンと共に共ジェットミリングされた塩酸クロミプラミンは、それ以外については同じ環境下において、23%のデバイス停留を与えた。 ヘパリンは、0.8μmのd(50)を有するアスピレアにおいて非常に低いデバイス停留を与え、3mgまたは5mgの充填ブリスタを使用するデバイス停留について、差はないと考えられた。
薬剤をディスペンスするためにモノヘイラデバイスを使用するとき、デバイス停留は、アスピレアデバイスが使用されたときに観測されるより高かった。 しかし、6%のヘパリン及び9%の塩酸クロミプラミンについてのデバイス停留は、>90%の超微細医薬品を備える薬剤について依然として比較的低いと考えられる。
喉停留も、両方の医薬品薬剤について非常に低かった。 薬剤がアスピレアを使用してディスペンスされたとき、4%程度に低かった。 モノヘイラを装置とする場合、結果は、わずかにより高い喉停留を示す(6〜10%の間)。
粒子サイズが低減される際に、粉末表面の自由エネルギー、従って粉末の接着性及び密着性が増大することが以前に議論されている。 これは、デバイス停留及び不十分な分散をもたらすことが予期される。 そのような接着性及び密着性、従ってデバイス停留/不十分な性能は、医薬品の粒子表面(または適宜医薬品及び賦形剤)に添付される力制御剤を追加することによって低減されることが示されている。 アスピレアでは、あるレベルの接着性及び密着性が、渦の寿命を延長し、より緩慢なプルームをもたらすために望ましいが、接着性及び密着性は、高いデバイス停留をもたらすほど高くあるべきではないと考えられる。 その結果、粒子サイズ、接着性、及び密着性の均衡が、アスピレアの最適な性能を達成するために必要であると考えられる。
両粉末についての分散の結果は、モノヘイラをデバイスとして使用するときも優れていた。
結果は、超音波霧化プロセスが、粒子表面における最も有効な相対に豊富なロイシンの濃度をもたらすことを示すと考えられる。 表面における豊富さは、乾燥プロセス中、表面に輸送されるロイシンの率、粒子のサイズ、及び沈殿率に依存する。 この沈殿率は、このプロセスにおける粒子の緩慢な乾燥に関係する。 結果的な効果は、粒子表面が、ロイシンの疎水性の局面によって支配されることである。 これは、粒子サイズが小さく、且つ、表面積が大きいにも拘らず、粉末の比較的低い表面エネルギーを提示する。 従って、力制御剤の追加は、接着性及び密着性、従ってデバイス停留及び分散に対して、優れた影響を有すると考えられる。
ロイシンの包含は、ヘパリン及び塩酸クロミプラミンのエアロゾル化に対し、著しい改善を提供すると考えられ、高投与量の受動デバイスまたは能動デバイスにおいて両方の医薬品を使用するのに適切にするはずである。
本明細書において提示される結果から、噴霧乾燥活性剤のFPFの改善は、以下の1つまたは複数を使用することによって達成することができることがわかる。
1)力制御剤と共に活性剤を適合共噴霧乾燥すること
2)緩慢な速度の液滴となる噴霧乾燥される液滴を生成する手段を使用し、液滴のサイズを正確に制御することができること
3)噴霧乾燥粒子の湿気プロファイリング
上記の議論及び実験は、従来の噴霧乾燥装置及び超音波霧化装置を対象としていた。 しかし、噴霧乾燥プロセスの噴霧の終了時に収集される粒子が最適な特性を有することを保証するために、装置に対して更なる変更を実施することが可能であることに留意されたい。
例えば、乾燥室の性質は、より良好な乾燥及び/または他の利点を得るために、変更されることが可能である。 従って、本発明の一実施形態では、加熱済み壁を備える噴霧乾燥装置が使用されることが可能である。 そのような乾燥室は既知であり、噴霧乾燥材料が高温壁の上に付着するのを高温壁が阻害するという利点を有する。 しかし、加熱済み壁は、乾燥室内において温度勾配を創出し、室の外側領域の空気が、室の中心の空気より高温になる。 この比一様な温度は、問題を提示することがあるが、その理由は、乾燥室の異なる部分を通過する粒子が、異なる程度に乾燥することが十分に可能であるので、わずかに異なる特性を有するからである。
代替実施形態では、噴霧乾燥装置は、乾燥室において放射熱源を備える。 そのような熱源は、噴霧乾燥では現在使用されていない。 このタイプの熱源は、乾燥室において空気を加熱するエネルギーを浪費しないという利点を有する。 むしろ、液滴/粒子が室を通過する際に、液滴/粒子のみが加熱される。 このタイプの加熱は、より一様であり、加熱済み壁を有する乾燥室に関連して上記で記述された温度勾配を回避する。 これにより、粒子を液滴の内部から乾燥することも可能になり、従って、クラストの形成が低減または回避される。
他の実施形態では、噴霧乾燥粒子は、垂直乾燥カラムを使用して収集される。 これらのカラムは、噴霧乾燥デバイスではすでに既知であり、収集室において粒子を収集するために単に重力に依存するのではなく、空気流を使用して粒子を垂直カラムに沿って上方に搬送することによって噴霧乾燥粒子を収集する。 噴霧乾燥粒子を収集するためにそのような垂直乾燥室を使用する利点は、粒子の空気力学的分類を見込むことである。 微細粒子は、空気流によってうまく搬送される傾向があり、一方、より大きい粒子は搬送されない。 従って、垂直乾燥カラムは、これらのより大きい粒子を収集しない。
増大されたFPF及びFPDが得られることを考慮して、具体的にはFCAを有する活性剤を共噴霧乾燥するとき、力制御剤と共に共噴霧乾燥された活性剤を備える乾燥粉末において、大きいキャリア粒子を排除することが可能である可能性がある。 しかし、具体的には活性剤が少量投与される場合、キャリア粒子を含むことが依然として望ましい可能性があるが、その理由は、より大きいキャリア粒子のバルクは、正確な投与量がディスペンスされることを保証するように作用するからである。
上記で議論されたように、上述された活性剤のいずれかを噴霧乾燥することができるが、活性剤は、巨大分子とは対照的に小さい分子であることが好ましい。 活性剤は、タンパク質ではないことが好ましく、活性剤は、インシュリンではないことがより好ましい。 タンパク質及び具体的にはインシュリンの場合、吸入による投与のために乾燥粉末薬剤において力制御剤を使用することから導出される利点は、わずかである、またはない。 この理由は、これらの活性剤の場合、活性剤自体は力制御剤として作用し、これらの活性剤の粒子の凝集力は、すでにごく弱いからである。
上記で議論されたように、噴霧乾燥されている活性剤自体が疎水性の半分を含む場合、FCAのない活性剤を噴霧乾燥することが可能である。
活性剤は、貫入増強剤がない状態で肺を介して投与されるとき、20、25、30、及びより好ましくは40%より優れた生物学的利用可能性を提示することが好ましい。 生物学的利用可能性を判定するのに適切な試験が、当業者には周知であり、例が、特許文献13に記載されている。 巨大分子の対部分など、20%未満の生物学的利用可能性を提示する剤は、深肺から不十分に迅速に一掃され、その結果、長期的にこの位置に投与される場合、許容不可能な程度に累積する。
活性剤の生物学的利用可能性は、2μm未満、1.5μm未満、または1μm未満のサイズを有する粒子で活性剤を肺に送達することによって改善されることが可能であると考えられる。 従って、0.5μmと5μmとの間の粒子サイズを有する傾向がある本発明の噴霧乾燥粒子は、従来の噴霧乾燥プロセスによって生成される粒子と比較して、優れた生物学的利用可能性を提示する。
活性剤及びFCAを共噴霧乾燥することによって生成される粒子は、活性剤及びFCAの両方を備え、従って、FCAは、乾燥粉末組成を吸入する際に、下方気道または深肺に実際に投与される。 これは、従来の技術において使用される付加材料とは対照的であり、付加材料は、例えば大きなキャリア粒子に添付されたままでいるので、しばしば深肺に投与されなかった。
従って、選択されたFCAは、下方気道または深肺に投与されるとき、悪影響を有さない。 ロイシン、リシン、及びシステインなどのアミノ酸は、少量存在するとき、リン脂質などの他のFCAと同様に、これに関してすべて無害である。
微粉化乾燥粉末粒子
本発明の他の態様では、粉末を生成する方法が提供され、好ましくは、粒子が、吸入によって深肺に投与されるのに適切なサイズであるように、方法は、活性粒子のサイズの更なる低減を達成する。 これは、能動乾燥粉末吸入器デバイス及び受動乾燥粉末吸入器デバイスの両方を使用して可能であることが好ましい。
具体的には、本発明は、乾燥粉末組成を作成する粒子を加工することによって、具体的には、活性剤の粒子を加工することによって、乾燥粉末組成において使用される活性剤の粒子の準備を最適化することを追求する。 活性剤の粒子を形成するために使用される研削プロセスを調節及び適合させることによって、これを実施することが提案される。
本発明の一態様によれば、肺吸入用の製薬組成において使用される複雑な活性粒子を作成する方法が提供され、方法は、付加剤が存在する状態で、活性粒子をジェットミリングすることを備え、ジェットミリングは、空気または圧縮可能気体もしくは流体を使用して実施されることが好ましい。
従来の言葉の使用では、「ミリング」は、粗い粒子(例えば、100μmより大きいMMADを有する粒子)を微細粒子(例えば、50μmを超えないMMADを有する)に分解することができる十分な力を活性材料の粒子に加える任意の機械的プロセスの使用を意味する。 本発明では、「ミリング」という用語は、粒子サイズの低減を有する、または有さない、形成における粒子の非凝集化も指す。 ミリングされる粒子は、ミリングステップ前は、大きいまたは微細であることが可能である。
従来の技術において、共ミリングまたは共微粉化の活性剤及び付加材料が示唆されていた。 ミリングは、活性剤の粒子のサイズを大きく低減するために使用することができると言われている。 しかし、活性剤の粒子がすでに微細であり、例えば、ミリングステップの前に、20μm未満のMMADを有する場合、それらの粒子のサイズは、付加材料が存在する状態でこれらの活性粒子のミリングが行われる場合、著しく低減されない可能性がある。 むしろ、従来の技術において記述される方法(例えば、特許文献14において)を使用する付加材料を有する活性粒子のミリングにより、付加材料は、変形され、活性粒子の表面に塗布される、または融合される。 結果的な複合活性粒子は、ミリング処理後、より密着性ではないことが判明している。 しかし、これは、粒子のサイズの著しい低減とは組み合わされないという欠点が依然として存在する。
従来の技術は、共ミリングまたは共微粉化活性粒子及び付加粒子の文脈において、2つのタイプのプロセスを記述している。
第1に、メカノフュージョン(Mechano-Fusion)及びサイクロミックス(Cyclomix)の方法など、圧縮タイププロセスがある。 名前が示唆するように、メカノフュージョンは、第1材料を第2材料の上に機械的に融合するように設計される乾燥コーティングプロセスである。 第1材料は、一般に第2より小さく、及び/または柔らかい。 メカノフュージョン及びサイクロミックスの作業原理は、内部要素とベセル壁との間に特定の相互作用を有する代替ミリング技術とは異なり、制御された大きな圧縮力によってエネルギーを提供することに基づく。
微細活性粒子及び付加粒子は、メカノフュージョン駆動ベセル(メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社(Hosokawa Micron Ltd)など)に供給され、そこで遠心力を受けて、ベセルの内壁に押し付けられる。 粉末は、ドラムと要素との間の高い相対速度で、ドラム壁の固定クリアランスと湾曲内部要素との間において圧縮される。 内壁及び湾曲要素は、粒子が共に押し付けられるギャップまたはニップを共に形成する。 その結果、粒子は、内部ドラム壁と内部要素(内部ドラム壁より大きい曲率を有する)との間においてトラップされる際に、非常に高いせん断力及び非常に強い圧縮応力を経験する。 粒子は、コーティングを形成するように、コア粒子の回りの付加粒子を局所的に加熱し、柔らかくし、分解し、ひずませ、平坦にし、且つ、巻くために十分なエネルギーで、互いに押し付けられる。 エネルギーは、一般に、凝集物を分解するのに十分であり、両構成要素のある程度のサイズ低減が、行われることが可能である。
これらのメカノフュージョン及びサイクロミックスのプロセスは、活性材料の個々の粒子を分離し、活性粒子の緊密に結合した凝集物を分解するように、十分大きい力を加え、それにより、付加材料の有効な混合及び活性材料の表面への有効な印加が達成される。 記述される共ミリングプロセスの特に望ましい態様は、付加材料が、ミリングにおいて変形され、活性粒子の表面に塗布または融合されることが可能であることである。
しかし、実際には、この圧縮プロセスは、具体的には医薬品粒子がすでに微粉化形態(すなわち<10μm)にある場合、医薬品粒子のミリング(すなわち、サイズ低減)をほとんどまたは全く行わず、観測されることが可能である唯一の物理的変化は、粒子がより丸い球状に可塑的変形するものである。
第2に、ボールミリングに含まれる衝撃ミリングプロセス及びホモジナイザの使用がある。
ボールミリングは、従来の技術の共ミリングプロセスにおいて使用される適切なミリング方法である。 遠心及び遊星ボールミリングが、特に好ましい方法である。 代替として、高圧ホモジナイザが使用されることが可能であり、粒子を包含する流体が、高圧においてバルブを強制的に通り、高いせん断及び乱流の状態を生成する。 そのようなホモジナイザは、複合活性粒子の大規模準備における使用について、ボールミリングより適切である可能性がある。
適切なホモジナイザには、最高で4000バールの圧力とすることができるエマルシフレックス(EmulsiFlex)の高圧ホモジナイザ、ニロソアヴィ(Niro Soavi)の高圧ホモジナイザ(最高で2000バールとすることができる)、及びマイクロフリューイディクス(Microfluidics)のマイクロフリューイダイザ(Microfluidisers)(最高で2750バール)がある。 ミリングステップは、代替として、ネッチ(Netzsch)の高圧エネルギーメディアミル、またはDYNOミル(ウィリーA.バッハオーフェンAG(Willy A. Bachofen AG)、スイス)など、高エネルギーメディアミルまたは撹拌器ビードミルを含むことが可能である。
これらのプロセスは、メディアと粒子との間、または粒子間において、高エネルギー衝撃を創出する。 実際には、これらのプロセスは、非常に小さい粒子を作成するのには良好であるが、ボールミルもホモジナイザも、圧縮プロセスについて観測される方式において結果的な医薬品粉末について分散を改善するには有効ではないことが判明している。 第2衝撃プロセスは、各粒子の上に付加材料のコーティングを生成するのに有効ではないと考えられる。
付加材料と共に活性材料を共ミリングすることを備える従来の方法(特許文献14に記載)は、ある量の付加材料を表面上に有する活性剤の微細粒子である複合活性粒子をもたらす。 付加材料は、活性材料の粒子の表面上におけるコーティングの形態にあることが好ましい。 コーティングは、不連続コーティングとすることが可能である。 付加材料は、活性材料の粒子表面上に接着する粒子の形態にあることが可能である。
複合活性粒子の少なくともいくらかは、凝集物の形態にあることが可能である。 しかし、複合活性粒子が製薬組成に含まれるとき、付加材料は、吸入器の作動によりその組成が患者に投与される際に、複合活性粒子の分散を促進する。
ジェットミルが、低ミクロンからサブミクロン範囲の粒子サイズに固体を低減することができる。 研削エネルギーは、水平研削空気ノズルからの気体流によって創出される。 気体流によって創出される流動床の粒子が、ミルの中心に向かって加速され、より緩慢に移動する粒子と衝突する。 気体流及び気体流において搬送される粒子は、激烈な乱流を創出し、粒子が互いに衝突する際に、粒子は粉砕される。
これまで、ジェットミリングは、活性粒子及び付加粒子を共ミリングするのに魅力的であると見なされておらず、メカノフュージョン及びシクロミキシングなどのプロセスが明らかに好まれていた。 ジェットミルにおける粒子間の衝突は、いくらか制御されず、従って、当業者は、この技術は、活性粒子の表面上に付加材料のコーティングの望ましい付着を提供することができない可能性が高いと見なした。 更に、メカノフュージョン及びサイクロミックスの状況とは異なり、粉末成分の乖離がジェットミルにおいて起き、それにより、最も有効であると見なされるより微細な粒子が、プロセスから逃げることがあると考えられた。 対照的に、メカノフュージョンなどの技術がどのように望ましいコーティングとなるかは、明確に構想することができた。
また、異なる粒子の乖離を防止するために、圧縮または衝撃ミリングプロセスは、閉じたシステムにおいて実施されなければならないとも以前は考えられていたことに留意されたい。 これは、真ではないことも判明しており、本発明による共ジェットミリングプロセスは、閉じたシステムにおいて実施される必要はない。 開いたシステムにおいてさえ、共ジェットミリングは、付加剤としてロイシンを使用するときでさえ、小さい粒子を失うことにはならないことが、驚くべきことに判明している。
ここで、活性材料及び付加材料の複合粒子を共ジェットミリングすることによって、これらの材料を生成することができることが予期せずに発見された。 結果的な粒子は、優れた特性を有し、これにより、粒子が吸入による投与のためにDPIからディスペンスされるとき、優れた性能の改善が得られる。 具体的には、活性粒子及び付加粒子を共ジェットミリングすることにより、粒子のサイズを更に著しく低減することができる。 更に、複合活性粒子は、従来の技術において開示されたものと比較して、改善されたFPD及びFPFを提示する。
活性粒子の分散を促進する効果は、同様のサイズの粒子の活性材料と付加材料とを単に混合することによって作成される組成と比較して、本発明による共ジェットミリング方法を使用することによって、改善されることが判明した。 「単に混合する」という句は、従来のタンブルブレンダまたは高せん断混合を使用する混和または混合、及び基本的には標準的な実験室の技術者には利用可能である従来の混合装置の使用を意味する。
以前の考えとは対照的に、共ジェットミリングは、付加材料の十分に完全なコーティングを生成するために使用することができることが判明しており、吸入器からの粉末の分散を大きく改善することが現在観測されている。 ジェットミリングプロセスは、粒子をディスペンスするために使用される吸入器デバイスのタイプに複合粒子を適合させるように、調整することもできる。 吸入器デバイスは、アスピレア(商標)などの能動吸入器デバイスとすることが可能であり、または受動デバイスとすることが可能である。
更に、共ジェットミリングプロセスは、活性粒子を著しくミリングするように、すなわち、活性粒子のサイズを著しく低減するように、随意選択で構成されることも可能である。 本発明の共ジェットミリングは、ある環境では、付加材料がない場合より、付加材料が存在する場合により効率的とすることさえ可能である。 従って、同じミルについてより小さい粒子を生成することが可能であり、より少ないエネルギーでミルされた粒子を生成することが可能であることが利点である。 共ジェットミリングは、より少ないアモルファス材料を創出し、並びに付加材料層の下にそれを隠すことによって、アモルファス含有量の問題も低減するはずである。
共ジェットミリングの衝撃力は、医薬品、更には微粉化医薬品の凝集物を分解するのに十分であり、結果的に粒子の暴露面に付加材料を分配するのに有効である。 これは、本発明の重要な態様である。 プロセスのエネルギーが、医薬品の凝集物を分解するのに十分ではない場合(例えば、従来のブレンダを使用する場合など)、付加材料は、凝集物を単にコーティングし、これらの凝集物は、更に圧縮されて、分散するにはよりいっそう困難になることがある。 これは、吸入によって投与される乾燥粉末を準備することを追求するとき、明らかに望ましくない。
肺投与に適切な活性材料の微細粒子は、これまでミリングによってしばしば準備されてきた。 しかし、多くの既知のミリング技術を使用するとき、粒子が「臨界サイズ」と呼ばれる最小サイズに到達した後、粒子は、断片化されるときと同じ率で再び組み合わされる傾向があり、または、実際には断片化せず、従って、更なる粒子サイズの低減は達成されない。 臨界サイズは、特定のミル及びミリング条件のセットに特有である。
従って、ミリングによる微細粒子の製造は、多くの努力を必要とすることがあり、そのようなミリングプロセスによって実際に達成することができる活性材料の粒子の最小サイズに対し、結果的に制限を課すファクタが存在する。
従って、本発明は、結果的な医薬品粉末を改善するのに有効である高エネルギー衝撃プロセスの提供に関する。
更に、従来の考えとは対照的に、本発明のプロセスは、閉じたシステムにおいて実施される必要がない。 共ジェットミリングされている付加材料がロイシンであるときでも、ジェットミリングが閉じたシステムにおいて実施されない場合、付加材料の損失またはコーティングの低減は観測されない。 むしろ、本発明の一実施形態では、本発明の方法は、フロースルーシステムにおいて実施され、結果的な複合粒子の性能は失われない。 これは、経済的に重要な特徴であるが、その理由は、これにより、本発明の粉末の生成率を著しく増大させることができるからである。
本発明の一実施形態では、ジェットミリングされた活性粒子の質量で90%が、当初、20μm未満の直径である。 ジェットミリングされた活性粒子の質量で90%が、当初、10μm未満の直径であることがより好ましく、5μm未満の直径であることが最も好ましい。
他の実施形態では、ジェットミリングされた活性粒子の質量で90%が、当初、20μm未満の直径である。 ジェットミリングされた活性粒子の質量で90%が、当初、10μm未満の直径であることがより好ましく、5μm未満の直径または3μm未満の直径であることが最も好ましい。
「活性粒子」及び「活性材料の粒子」などという用語は、本明細書では交換可能に使用される。 活性粒子は、1つまたは複数の製薬活性剤を備える。
活性剤は、巨大分子とは対照的に、小さい分子であることが好ましい。 活性剤は、タンパク質ではないことが好ましく、活性剤は、インシュリンではないことがより好ましい。 タンパク質、具体的にはインシュリンの場合、吸入によって投与される乾燥粉末薬剤において力制御剤を使用することにより得られる利点は、ほとんどまたは全くない。 この理由は、これらの活性剤の場合、活性剤自体が力制御剤として作用し、これらの活性剤の密着力は、すでにごく弱いからである。
本発明の好ましい実施形態では、活性剤はヘパリン、アポモルフィン、クロボザン、クロミプラミン、またはグリコピロレートである。
「付加粒子」及び「付加材料の粒子」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。 付加粒子は、1つまたは複数の付加材料(またはFCA)を備える。 付加粒子は、本質的に付加材料からなることが好ましい。
本明細書において開示されるミリング方法において使用されるのに適切な付加材料が、上記で列挙されている(FCAとして)。
一般に、乾燥粉末薬剤に含まれる付加材料の最適量は、付加材料及び活性材料の化学組成及び他の特性、並びに存在するならばキャリア粒子などの他の粒子の性質に依存する。 一般に、付加材料の効率は、組成のFPFについて測定される。
本発明の一実施形態では、本発明により共ジェットミリングによって生成される複合活性粒子は、不活性賦形材料で作成されたキャリア粒子と混合される。
粉末組成が、活性粒子、付加材料、及び賦形材料を備える場合、これは、3構成要素システムと呼ばれる。 対照的に、2構成要素システムは、活性材料及び付加材料のみを備える。
賦形材料は、いくつかの理由で、肺吸入によって投与される粉末に含まれることが可能である。 一方では、適切なサイズの賦形材料の粒子を包含することにより、粉末の流れ特性を改善することができ、また、粉末の対処可能性を改善することができる。 賦形材料は、希釈剤としても粉末薬剤に追加される。 非常に少量の粉末を正確且つ再現的に投与することは、非常に困難であることがある。 低投与量の医薬品が必要である場合、これは、問題を提示することがあり、従って、ディスペンスされる粉末の量を増大させるために、希釈剤を粉末に追加することが望ましいことがある。
本発明の一実施形態では、賦形剤量は、比較的大きなまたは粗いキャリア粒子の形態にある。 キャリア粒子のほぼすべて(重量で)が、約20μmと約1000μmとの間、より好ましくは約50μmと約1000μmとの間にある直径を有することが有利である。 ほぼすべて(重量で)のキャリア粒子の直径は、約355μm未満であり、約20μmと約250μmとの間にあることが好ましい。
重量でキャリア粒子の少なくとも約90%が、約60μmから約180μmの直径を有することが好ましい。 比較的大きな直径のキャリア粒子は、他のより粒子がキャリア粒子の表面に添付される機会を改善し、また、肺における活性粒子の付着を増大させるように、気道における良好な流れ及び飛沫同伴の特性、並びに活性粒子の改善された放出を提供する。
キャリア粒子に関する従来の考えは、キャリア粒子が、10μm未満の微細粒子を備える薬剤の不十分な流動性を改善するというものである。 不十分な流動性は、小さい粒子間の強い引力により起きる微細粒子の凝集のためである。 大きなキャリア粒子が存在する場合、これらの引力により、微細粒子は、大きなキャリア粒子の表面に添付されて、コーティングを形成する(通常不連続)。 大きな粒子及び微細粒子のこの構成により、微細活性粒子のみで作成される薬剤について観測されるより良好な流れ特性が得られる。
本発明の複合活性粒子に付加されるキャリア粒子は、ラクトースなど、賦形材料の比較的大きい粒子である。
キャリア粒子及び複合活性粒子が混合される率は、当然、使用される吸入器デバイスのタイプ、使用される活性粒子のタイプ、及び必要な投与量に依存する。 キャリア粒子は、複合活性粒子及びキャリア粒子の組合せ重量に基づいて、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、有利には少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%の量で存在することが可能である。
上記で記述されたものなど、キャリア粒子を含む3構成要素システムが、受動デバイスにおいてよく機能することが予期される。 キャリア粒子の存在により、ブリスタ、カプセル、または他の貯蔵手段から粉末を抽出するのがより容易になる。 粉末の抽出は、受動デバイスにおいてより多くの問題を提示する傾向があるが、その理由は、受動デバイスは、能動デバイスのようには、作動時にブリスタを通る空気流を乱流として創出しないからである。 これは、すべての粉末を空気流において飛沫同伴することが困難であることがあることを意味する。 受動デバイスにおける粉末の飛沫同伴は、粉末がキャリア粒子を含む場合、より容易になるが、これは、例えばすべてが10μm未満の直径を有するより小さい粒子から完全になる粉末と比較して、粉末がより密着性ではなく、より良好な流動性を提示することを意味する。
本発明によるキャリア粒子及び複合活性粒子が混合される場合、活性粒子は、活性粒子の表面上の付加材料によって、ディスペンスデバイスの作動時に、キャリア粒子の表面から容易に放出されるはずである。 この放出は、キャリア粒子が、表面に加えられた付加材料をも有する場合、更に改善されることが可能である。 この印加は、例えば特許文献6に記載されているように、単なる静かな混合または共ミリングによって達成することができる。
しかし、大きいキャリア粒子と微細活性粒子の組合せは、欠点を有する。 これは、比較的少量(通常最高でわずかに5%)の医薬品含有量でのみ有効に使用することができる。 より多くの割合の微細粒子が使用されると、更により多くの微細粒子が、大きなキャリア粒子に添付されなくなり、粉末薬剤の乖離が問題となる。 これにより、予測不可能で一貫しない投与となることがある。 粉末はより密着性になり、取扱いが困難になる。
更に、乾燥粉末薬剤において使用されるキャリア粒子のサイズは、乖離に対して影響を及ぼすことがある。
乖離は、製造中の粉末の取扱い、及び粉末がディスペンスされる元であるデバイスまたはデバイス構成要素(カプセルまたはブリスタなど)の充填について、壊滅的な問題となることがある。 乖離は、規則混合物を十分に安定にすることができない場合に起きる傾向がある。 規則混合物は、粉末粒子のサイズが著しく不同である場合に生じる。 規則混合物は、微細成分の相対レベルが、より大きな構成要素表面に接着することができる量を超えて増大し、従ってゆるくなり、主要混合物から分離する傾向があるとき、不安定になり、乖離しやすくなる。 これが起きるとき、不安定性は、FCAなどの接着防止剤/滑剤を追加することによって、実際に悪化する。
ミクロサイズの医薬品の粉末薬剤、及び通常60から150μmのサイズのキャリアの場合、この不安定性は、医薬品の含有量が数パーセントを超えた後に生じる傾向があり、正確な量は医薬品に依存する。 しかし、<30μmの粒子サイズを有するキャリアが、この不安定性を提示しない傾向があることが判明した。 これは、粗いキャリア粒子と比較して、微細キャリア粒子が比較的大きい表面積を有し、また、活性粒子とキャリア粒子のサイズが類似しているためであると考えられる。 そのような微細キャリア粒子は、上記で議論されたように、不十分な流れ特性のために、しばしば使用されない。
本発明の他の態様によれば、3構成要素システムは、本発明により作成される複合活性粒子、並びに微細賦形粒子を備える。 そのような賦形粒子は、30μm以下、好ましくは20μm以下、及びより好ましくは10μm以下の粒子サイズを有する。 賦形粒子は、30μmから5μmの粒子サイズを有することが有利である。
10μm未満の粒子サイズを有する微細粒子のみで作成されたそのような粉末薬剤は、微細活性粒子のみを備える薬剤について観測される密着及び流動性の問題の悪影響を受けることが予期される。 活性粒子は、微細賦形粒子をコーティングしないが、その理由は、微細粒子間、及び微細粒子と大きな粒子との間に存在する力の相違のために、大きなキャリア粒子をコーティングするからである。
しかし、粉末薬剤が、本発明による複合活性粒子及び微細賦形粒子を備える場合、そのような薬剤は、能動デバイスによって効率的にディスペンスされることが驚くべきことに判明した。 10μm未満のサイズを有する粒子のみを備える粉末の潜在的に不十分な流れ特性または取扱い性は、粉末が能動吸入器デバイスを使用してディスペンスされるとき、重要ではないことが判明した。
上記で記述されたように、能動デバイスは、ブリスタ、カプセル、または他の粉末貯蔵手段の内部において乱流を生じる。 これは、微細賦形粒子を有する粉末でさえ抽出することができることを意味する。 更に、複合活性粒子の存在は、微細粒子から形成される凝集物が安定ではなく、従って、吸入器デバイスの作動時に分解することを意味する。 従って、本発明の複合活性粒子、及びラクトースなどの不活性賦形材料の微細粒子を備える組成は、能動吸入器デバイスを使用して効率的にディスペンスすることができることが驚くべきことに判明した。
本発明の他の実施形態では、複合活性粒子に追加される微細賦形粒子自体は、付加材料と共に共ジェットミリングされる。 付加材料を有する活性粒子及び付加材料を有する賦形粒子の共ジェットミリングは、別々に、または共に行うことができる。
付加材料を有する微細賦形粒子を共ジェットミリングすることにより、賦形粒子の表面上に付加材料がコーティングされる。 このコーティングは、3構成要素システムの密着性を更に低減することができ、吸入器デバイスの作動時に非凝集化を更に改善することができる。
一般に、微細キャリア粒子を備える組成の流れは、ペレット化(例えば、アストラゼネカ(AxtraZeneca)の製品OXIS(登録商標)において実施される)されない限り、不十分である。 しかし、本発明のプロセスを使用して、微細ラクトース(例えば、1μmから15μmの粒子サイズを有するソルボラク400)が生成され、これは、>5%の医薬品、並びに最高で約30%及びおそらくは50%の密着微粉化医薬品を有するDPIにおける使用で十分によく流れる。 これらの有利な特性は、ペレット化を必要とせずに達成されることに留意されたい。 ペレット化は、実施が困難であり、一般にFPFを減少させるという欠点をそれ自体が有する。
従って、本発明による微細賦形粒子及び付加材料の共ミリングにより、従来のキャリア粒子を使用して可能であるよりはるかに広い範囲の活性剤含有量を有する活性材料及び賦形材料の混合物を生成することが可能になる(すなわち、>5%)。 結果的な乾燥粉末薬剤は、エアロゾルの改善からも利益を得る。
本発明では、異なるコーティング特性を有する粒子を生成するために、異なる研削圧力及び注入圧力が使用されることが可能である。 本発明は、望ましい特性を有する複合粒子を生成するために、すなわち粒子を加工するために、異なる研削圧力及び注入圧力が組み合わされる実施形態をも含む。
共ジェットミリングは、0.1バールと12バールとの間の研削圧力において実施されることが可能である。 圧力を変化させることにより、粒子サイズを低減する程度を制御することが可能になる。 0.1〜3バール、好ましくは1〜2バールの領域の圧力において、共ジェットミリングにより、活性粒子及び付加粒子は主に混合され、それにより、付加材料は、活性粒子をコーティングする。 一方、3〜12バールにおいて、好ましくは5〜12バールにおいて、共ジェットミリングにより、粒子のサイズは更に低減される。
一実施形態では、ジェットミリングは、活性粒子及び付加粒子の混合を達成するために、0.1バールと3バールとの間の研削圧力において実施される。 以下でより詳細に議論されるように、本発明の共ジェットミリングがそのような比較的低圧において実施されるとき、結果的な粒子は、受動デバイスを使用してディスペンスされるとき、よく機能することが示されている。 これは、粒子が、より高圧において共ジェットミリングされることによって生成される粒子より大きく、これらの比較的より大きい粒子が、より劣る密着性及びより良好な流動性のために、受動デバイスのブリスタ、カプセル、または他の貯蔵手段からより容易に抽出されるからであると推定される。 そのような比較的大きい粒子は、能動デバイスのブリスタまたはカプセルから容易に抽出されるが、喉に付着することになる可能性がある。
他の実施形態では、ジェットミリングは、活性粒子及び付加粒子のサイズの低減を達成するために、3バールと12バールとの間の研削圧力において実施される。 これらの比較的高圧における共ジェットミリングは、3μmと0.5μmとの間のMMADを有する極度に小さい複合活性粒子を生成することができる。 これらの微細粒子のサイズは、深肺付着には優れているが、そのような微細粒子を備える粉末薬剤は、実際にはかなり「粘着性」であるので、能動吸入器デバイスを使用してディスペンスされることを実際に必要とする。 以下で議論されるように、この粘着性は、能動デバイスについては問題を提示せず、有利であると実際に考えられるが、その理由は、複合活性粒子は、デバイスによって生成される粉末プルームにおいてより緩慢に移動し、それにより、喉付着を低減するからである。
事前に微粉化されたラクトース(医薬品モデルとして)が、5%ステアリン酸マグネシウムと共にMC50ホソカワミクロンにおいて共ジェットミリングされる試験が実施された。 2バールのミリング圧力において、結果的な材料は、約3μmのd50を有し、一方、約7バールにおいて同じ混合物をミリングすることにより、約1μmのd50を有する材料が得られた。 従って、0.1〜3バールの小さいミリングのジェットミリング圧力で動作するとき、粒子サイズの低減が見られる。 3〜12バールのミリング圧力から、ミリングの増大が見られ、粒子サイズの低減は、圧力の増大と共に大きくなる。 これは、ミリング圧力は、結果的な混合物における望ましい粒子サイズに従って選択されることが可能であることを意味する。
上記で示されたように、より低圧における共ジェットミリングは、受動デバイスにおいてよく機能する粉末を生成し、一方、より高圧においてミリングされた粉末は、アスピレア(商標)など、能動デバイスにおいてより良好に機能する。
本発明による共ジェットミリングプロセスは、異なる圧力におけるミリング及び/または異なるタイプのミリングもしくは混合プロセスの有利な効果を組み合わせるために、2つ以上のステージにおいて実施することもできる。 複数ステップの使用により、特定の吸入器デバイスに適応させる、特定の医薬品に適応させる、及び/または肺の特定の部分を対象とするように共ジェットミリングされた粒子の特性を適合させることが可能になる。
一実施形態では、ミリングプロセスは、2ステージプロセスであり、このタイプのミリングを使用して可能である非常に小さい粒子サイズを得るために、高い研削圧力において医薬品を単独でまずジェットミリングすることを備える。 次に、ミリングされた医薬品は、付加材料と共に共ジェットミリングされる。 この第2ステップは、効果が、付加材料による小さい活性粒子のコーティングであるように、より低い研削圧力において実施されることが好ましい。
この2ステッププロセスは、高い研削圧力において活性材料及び付加材料を単に共ジェットミリングするより良好な結果を生成する。 以下で議論される実験結果は、2ステージプロセスにより、高研削圧力において材料を単に共ジェットミリングするより小さい粒子及び少ない喉付着が得られることを示す。
本発明の他の実施形態では、上記で議論された2ステッププロセスを使用して生成される粒子は、その後、メカノフュージョンを受ける。 この最終メカノフュージョンステップは、複合活性粒子を「研磨」し、付加材料を粒子に更に擦り込むと考えられる。 これにより、共ジェットミリングによって可能になる非常に小さい粒子サイズと組み合わされた、メカノフュージョンによって粒子に提供される有利な特性を享受することが可能になる。
粒子サイズの低減は、より低温において共ジェットミリングを実施することによって、増強されることが可能である。 共ジェットミリングプロセスは、−20℃と40℃との間の温度において実施されることが可能であるが、粒子は、より低温においてよりもろい傾向があり、従って、より容易に分解し、ミリング粒子が更により小さくなる傾向がある。 従って、他の実施形態では、ジェットミリングは、室温より低い温度において、好ましくは10℃より低い温度において、より好ましくは0℃より低い温度において、実施される。
すべての粒子は、同様のサイズ分布であることが好ましい。 すなわち、ほぼすべての粒子が、約0μmから約50μm、約0μmから約20μm、約0μmから10μm、約0μmから5μm、または約0μmから2μmのサイズ範囲内にある。
本発明の第2態様によれば、本発明の第1態様による方法によって作成される複合活性粒子を備える、肺吸入用の製薬乾燥粉末組成が提供される。
複合活性粒子のMMADは、10μmを超えないことが好ましく、5μmを超えないことが有利であり、3μmを超えないことがより好ましく、2μmを超えないことが更により好ましく、1.5μmを超えないことがより好ましく、1.2μmを超えないことが更により好ましく、1μmを超えないことが最も好ましい。
従って、重量で複合活性粒子の少なくとも90%が、10μmを超えない直径を有することが有利であり、5μmを超えないことが有利であり、3μmを超えないことが好ましく、2.5μmを超えないことが更により好ましく、2μmを超えないことが更により好ましく、1μmを超えないことが最も好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、結果的な乾燥粉末薬剤は、少なくとも70%の再現可能FPF(ED)を有する。 FPF(ED)は、少なくとも80%であることが好ましく、FPF(ED)は、少なくとも85%であることがより好ましく、FPF(ED)は、少なくとも90%であることが最も好ましい。
他の好ましい実施形態では、乾燥粉末薬剤は、少なくとも60%の再現可能FPF(MD)を有する。 FPF(MD)は、少なくとも70%であることが好ましく、FPF(MD)は、少なくとも80%であることがより好ましく、FPF(MD)は、少なくとも85%であることが最も好ましい。
以下で記述される実験結果によって示されるように、粉末が、能動吸入器デバイスアスピレア(商標)を使用してディスペンスされるとき、ジェットミリングを使用して付加粒子を有する活性粒子を共ミリングすることにより、メカノフュージョンを使用して共ミリングすることによって生成されるものより著しく良好なFPF及びFPDを有する複合活性粒子が得られることが、驚くべきことに判明した。
準備される粉末薬剤のFPF及びFPDのこの予期されない改善は、以下のファクタによると考えられる。 第1に、ミリングプロセスにより、非常に小さい粒子が得られる。 第2に、力制御剤は粒子の一部のみを覆うと考えられ、これは、粒子の密着性のいくらかが保持され、非常に小さい粒子サイズにも拘らず、より良好な粉末取扱い性が提供されることを意味する。
共ジェットミリングは、活性粒子の中間1次粒子のサイズを著しく低減することができ(例えば、3μmから2μm、次いで1μm)、一方、送達デバイスからの良好なエアロゾル化が可能であることが、驚くべきことに判明した。 1次粒子のサイズのこの更なる低減は、体系的に対象とされる分子を深肺に送達するのに有利であると考えられる。 1次粒子のサイズを低減し、一方、付加材料の粒子をコーティングすることによって粉末の密着及び接着のレベルの低減を依然として達成するために、付加粒子と共に活性粒子を共ジェットミリングすることが有利である。
試験方法
すべての材料が、次世代インパクタ(NGI)において評価された。 試験の詳細が、各場合について提供される。
薬剤が、以下を使用して処理された。
1)ホソカワミクロンメカノフュージョンAMSミニシステム。 このシステムは、新規なロータで動作され、1mmの圧縮ギャプを提供した。
2)ホソカワミクロンAS50螺旋ジェットミル。
インビトロ試験が、能動吸入器デバイスであるアスピレア(商標)を使用して実施された。
薬剤は、以下の成分の1つまたは複数からなっていた。
ステアリン酸マグネシウム(標準グレード)
L−ロイシン(アジノモト(Ajinomoto))及びマイクロンテクノロジーズによるジェットミリング
ソルバロク400ラクトース
微粉化クロボザン
微粉化塩酸アポモルフィン
微粉化ラクトース
再凝縮ロイシン(アエロシン)
共ジェットミリング薬剤及びメカノフュージョン薬剤の比較(クロボザン)
以下は、共ジェットミリング及びメカノフュージョンされた活性粒子及び付加材料を備える2構成要素システムの比較である。
1.01gの微粉化クロボザンが計量され、次いで、金属スパチュラの丸い面を使用して、300μm金属ふるいを通して押された。 この薬剤は、「3A」と記録された。
次いで、9.37gの微粉化クロボザンが、メカノフュージョンシステムにおいて、0.50gの微粉化L−ロイシンと組み合わされた。 材料は、20%電力の設定において5分間処理され、続いて80%電力の設定において10分間処理された。 この材料は、「4A」と記録された。 混合後、この粉末は、次いで、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「4B」と記録された。
次いで、9.57gの微粉化クロボザンが、メカノフュージョンシステムにおいて、0.50gのステアリン酸マグネシウムを組み合わされた。 材料は、20%電力の設定において5分間処理され、続いて80%電力の設定において10分間処理された。 この材料は、「5A」と記録された。 混合後、この粉末は、一晩放置され、次いで、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「5B」と記録された。
次いで、9.5gの微粉化クロボザンが、メカノフュージョンシステムにおいて、0.50gのステアリン酸マグネシウムを組み合わされた。 材料は、20%電力の比較的低速の設定において5分間処理された。 このプロセスは、構成要素の良好な混合を生成することのみを意図していた。 この材料は、「6A」と記録された。
6.09gの「6A」が、1分当たり約1gで、約7バールの注入器圧力及び約5バールの研削圧力に設定されたAS50螺旋ジェットミルに供給された。 結果的な材料は回収され、「6B」と記録された。
ミリング後、この粉末は一晩放置され、次いで、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「6C」と記録された。
次いで、9.5gの微粉化クロボザンが、メカノフュージョンシステムにおいて、0.50gのステアリン酸マグネシウムと組み合わされた。 材料は、20%電力の設定において5分間処理された。 この材料は、「7A」と記録された。
6.00gの「7A」が、1分当たり約1gで、約7バールの注入器圧力及び約5バールの研削圧力に設定されたAS50螺旋ジェットミルに供給された。 結果的な材料は回収され、「7B」と記録された。
ミリング後、この粉末は、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「7C」と記録された。
再凝縮ロイシンのバッチ(「アエロシン」とも呼ばれる)が、管炉においてロイシンのサンプルを蒸発させるように昇華し、冷却蒸気と同程度に非常に微細に分散した粉末として再凝縮することによって生成された。 このバッチは、「8A」と識別された。
次いで、9.5gの微粉化クロボザンが、メカノフュージョンシステムにおいて、0.50gのアエロシンと組み合わされた。 材料は、20%電力の設定において5分間処理され、続いて80%電力の設定において10分間処理された。 この材料は、「8B」と記録された。 混合後、この粉末は、一晩放置され、次いで、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「8C」と記録された。
9.5gの微粉化クロボザンが、メカノフュージョンシステムにおいて、0.50gのアエロシンと組み合わされた。 材料は、20%電力の設定において5分間処理された。 次いで、この粉末の7.00gが、1分当たり約1gで、約7バールの注入器圧力及び約5バールの研削圧力に設定されたAS50螺旋ジェットミルに供給された。 結果的な材料は回収され、「9A」と記録された。
ミリング後、この粉末は、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「9B」と記録された。
いくつかのフォイルブリスタが、約2mgの以下のクロボザン薬剤で充填された。
3A−ミリングなし&活性材料なし
4B−ロイシン&メカノフュージョン
5B−ステアリン酸マグネシウム&メカノフュージョン
6C−ロイシン&共ジェットミリング
7C−ステアリン酸マグネシウム&共ジェットミリング
8C−アエロシン&共ジェットミリング
9B−アエロシン&メカノフュージョン
次いで、これらの薬剤は、60L/mの流量で、アスピレアデバイスからNGIの中にファイアリングされた。 アスピレアは、各薬剤について2つの条件下において動作された:1.5バールにおける15mlの空気のリザーバ、または0.5バールにおける30mlの空気のリザーバ。
結果の完全な詳細が添付されている。 インパクタの試験結果は、以下の表29、30、及び31において概述されている。
これらの結果から、共ジェットミリングされた薬剤は、能動乾燥粉末吸入器デバイスからディスペンスされるとき、例外的なFPFを提示することがわかる。 観測されたFPFは、メカノフュージョン薬剤のFPF、及び付加材料を含まない薬剤のFPFより著しく良好であった。 この改善は、主に、純粋医薬品について15%、及びメカノフュージョン薬剤について最高で27%と比較して、共ジェットミリング薬剤について8%未満である喉付着の低減によると考えられる。
得られたFPFの再現性も試験された。 準備が上記において記述された1次候補6Cの全使用期間投与量の一様性が、30投与量をファイリングすることによって試験され、放出投与量は、DUSAによって収集された。 全使用期間投与量の一様性の結果が、図54のグラフに提示される。
平均EDは、1965μgであり、RSD(相対標準偏差)は2.8%であった。 従って、この材料は、優れた全使用期間投与量再現性を実証した。
これらの粉末材料のモルヴァンによる粒子サイズ試験の結果は、以下の図において提供される。 粒子サイズの分布は、共ミリングによって得られるサイズ低減のレベルを示す。
これらの粉末材料の分散試験の結果は、図47Aから53Bに提供されている。 粒子サイズ分布は、共ミリングによって得られるサイズ低減のレベル、及び可変圧力における分散効率のレベルの両方を示す。 d50及びd97のプロットは、圧力に関数として、粉末のこの分散性の他の表示を提供する。
図47Aから53Aの図のグラフは、粒子サイズの分布を示し、4つの曲線は、異なる圧力、すなわち2.0バール、1.0バール、0.5バール、及び0.1バールにおいてジェットミリングされた粉末を表す。 図47Bから53Bのグラフは、d50及びd97について、異なる圧力における分散効率のレベルを示す。
グラフから、薬剤5Bが、最適な分散を提示したことがわかる。
分散性試験のこのセットは、メカノフュージョン粉末が、より低圧において元の医薬品より容易に分散し、ステアリン酸マグネシウムが、これらのうちで、最適な分散を与え、アエロシン及びロイシンがこれに続くことを示す。 共ジェットミリングされた粉末は、この試験では、元の医薬品より容易に分散しないと考えられるが、1次粒子サイズ(d50)は低減される。
共ジェットミリング薬剤及びメカノフュージョン薬剤の比較(アポモルフィン)
異なる活性剤に対する共ジェットミリングの効果を確立するために、微細キャリア粒子を有する塩酸アポモルフィン薬剤(すなわち、3構成要素システム)が準備され、試験された。
19.0gのソルボラク400ラクトース及び1.0gの微粉化L−ロイシンが、メカノフュージョンシステムにおいて組み合わされた。 材料は、20%電力の設定において5分間処理され、続いて80%電力の設定において10分間処理された。 この材料は、「2A」と記録された。
15.0gの塩酸アポモルフィン及び0.75gの微粉化L−ロイシンが、メカノフュージョンシステムにおいて組み合わされた。 材料は、20%電力の設定において5分間処理され、続いて80%電力の設定において10分間処理された。 この材料は、「2B」と記録された。
2.1gの「2B」と0.4gの微粉化ロイシンが、乳鉢及び乳捧で2分間手によって混合された。 2.5gの微粉化ラクトースが追加され、更に2分間混合された。 5gの微粉化ラクトースが追加され、更に2分間混合された。 この混合物は、次いで、7バールの入口圧力及び5バールの研削圧力、5ml/分の供給率を使用して、AS50螺旋ジェットミルにおいて処理された。 この粉末は、スパチュラで、300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「10A」と記録された。
1.5gの「10A」が、0.20gの微粉化L−ロイシン及び3.75gのソルボラク400ラクトースと10分間スパチュラで乳鉢において手によって組み合わされた。 この粉末は、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「10B」と記録された。
9gの微粉化アポモルフィンHClと1gの微粉化ロイシンが、メカノフュージョンシステムに配置され、20%(1000rpm)において5分間処理された。 次いで、この初期混合物は、7バールの入口圧力及び5バールの研削圧力、5ml/分の供給率において、AS50螺旋ジェットミルにおいて処理された。 この材料は、「11A」と記録された。
混合後、この粉末は一晩放置され、次いで、振とうによって300μm金属ふるいを通して押された。 この材料は、「11B」と記録された。
2gの微粉化アポモルフィンHClと0.5gの微粉化ロイシンが、乳鉢及び乳捧で2分間手によって混合された。 2.5gの微粉化ラクトースが追加され、更に2分間混合された。 次いで、5gの微粉化ラクトースが追加され、更に2分間混合された。 この混合物は、次いで、7バールの入口圧力及び5バールの研削圧力、5ml/分の供給率において、AS50螺旋ジェットミルにおいて処理された。 この粉をへらで静かに300μm金属ふるいに通した。 この材料は、「12A」と記録された。
16.5gのソルバラク400及び0.85gの微粉化ロイシンが、メカノフュージョンシステムに配置され、20%(1000rpm)の設定において5分間処理され、続いて80%(4000rpm)の設定において10分間処理された。 この材料は、「13A」と記録された。
0.5gの微粉化アポモルフィンHClと2.0gの「13A」が、スパチュラで乳鉢において手によって10分間混合された。 この粉末は、スパチュラで300μmの金属ふるいを通して静かに押された。 この材料は、「13B」と記録された。
いくつかのフォイルブリスタが、約2mgの以下の薬剤で充填された。
10A−20%アポモルフィンHCl、5%L−ロイシン、75%微粉化ラクトース(共ジェットミリング)
10C−26.2%アポモルフィンHCl、5%L−ロイシン、68.7%微粉化ラクトース(幾何学的)
11B−95%アポモルフィンHCl、5%L−ロイシン(共ジェットミリング)
12A−20%アポモルフィンHCl、5%L−ロイシン、75%微粉化ラクトース(すべて共ジェットミリング)
13B−20%アポモルフィンHCl、5%L−ロイシン、75%ソルボラク400(ロイシン&ソルボラクメカノフュージョン)
次いで、これらは、60L/mの流量において、アスピレアデバイスからNGIの中にファイアリングされた。 アスピレアは、1.5バールにおける15mlのリザーバで動作された。 各インビトロ試験が、ふるいにかけるために1度実施され、次いで、選択候補が繰り返された。 他の候補も、60L/mのACIにおいて繰り返された。
共ジェットミリングされた薬剤は、能動乾燥粉末吸入器デバイスを使用してディスペンスされるとき、再び例外的なFPFを提示した。 改善は、メカノフュージョン薬剤の16%と29%との間と比較して、5%未満である低減された喉付着に主によると考えられる。 「12A」は、「10A」の繰返しとして生成されたが、メカノフュージョンされた事前混合物を除く(これが必要ではないことを示すために)。
上記に記述されたように準備された薬剤12Aについて得られたFPFの再現性が、試験された。
いくつかのフォイルブリスタが、約2mgの薬剤12Aで充填された。 全使用期間投与量一様性が、30投与量をファイアリングすることによって試験され、放出された投与量は、DUSAによって収集された。 全使用期間投与量一様性の結果が、図55のグラフに提示されている。
平均EDは389μg、RSDは6.1%であり、この医薬品ラクトース薬剤の全使用期間送達は、非常に良好であった。
共ジェットミリング薬剤とメカノフュージョンによって準備された薬剤との予期されない相違の原因を調査するために、薬剤「11B」、「10A」、及び「2C」が、アスピレアからファイアリングされ、プルーム及び渦の行動が、デジタルビデオに記録された。 画像は、喉付着の上記の相違を考慮して調査された。
プルーム行動のビデオは、共ジェットミリング薬剤とメカノフュージョン薬剤との相違を示した。 メカノフュージョン薬剤は、空気ジェットの前面において、高度に集中した迅速に移動するボーラスを示した。 ほとんどの粉末は、約40ms後に放出されたと考えられた。 共ジェットミリング薬剤は、プルームのより大きい拡散を示した。 プルームの前面は、同様の速度で移動するが、前面は、より集中しておらず、より迅速に遅くなると考えられ、粉末は、かなりより長く放出される(すなわち、>200ms)。
渦のビデオは、メカノフュージョン粉末が、10ms内において渦に入るが、共ジェットミリング薬剤は、少なくとも30msを必要とすることを示した。 同様に、メカノフュージョン粉末は、より迅速に渦を去ると考えられるが、共ジェットミリング材料は、渦のより長期の噴霧を形成する。 共ジェットミリング材料について観測された行動は、粘性するが、次いで渦の内側から洗い流される傾向が増大すると記述された。
未加工材料及び選択薬剤の粒子サイズの分布は、シロッコ(Scirroco)乾燥粉末分散装置を介して、モルヴァン粒子サイザによって決定された。 データは、図56から63に示されるグラフに要約されている。
クロボザンが付加粒子と共に共ジェットミリングされる場合、粒子サイズの著しい減少が観測される。 これは、ここでは、クロボザンメカノフュージョン薬剤については見られない。
アポモルフィンラクトース共ミリング材料では、組成の75%を備える微粉化ラクトースの粒子サイズ分布と比較するとき、サイズ分布は小さい(d501.8から1.6)。 しかし、純粋なアポモルフィンに関して、サイズの低減は検出可能ではないが、これは、粉末組成のわずかに20%を備えることに留意されたい。
インビロトデータは、驚くべきことに、活性粒子のメカノフュージョンが、喉付着を大きく増大させたことを確認する。 メカノフュージョンは、以前は、受動デバイスからの分散性の改善及び喉付着の低減に関連付けられていた。 この場合、ステアリン酸マグネシウムでのメカノフュージョンは、ロシンでのメカノフュージョンよりわずかに低い喉付着を与える。
喉付着は、ロイシンを包含するメカノフュージョン薬剤について特に高いと考えられる。 これは、ロイシンに特有であるが、ステアリン酸マグネシウムには特有ではないメカノフュージョン中の凝集効果、またはロイシンに特有の静電効果によるとすることができると推定される。
しかし、驚くべきことに、共ジェットミリングは、比較して、非常に低い喉付着、低いデバイス付着、及び能動デバイスからの優れた分散を与える材料を生成する。 この共ジェットミリングは、クロボザンについて約2.6μmから約1μmのd50の変化など、著しい更なるサイズ低減をも生成する。 これらのファクタが組み合わされるとき、インビトロ試験から、顕著なエアロゾル化性能が得られる。 FPF(ED)は、90から96%である。 この優れた性能は、ロイシン、アエロシン及びステアリン酸マグネシウム、並びに2つの異なる活性剤を含み、ラクトース希釈剤を有するまたは有さない3つの異なる薬剤について得られた。
この結果は、通常約5%である、患者への非常に低い口咽頭付着の達成である。 喉付着及び上気道付着の両方が与えられると(インパクタ喉及び上部インパクタステージに対応する)、付着は、最小限に低減され、これは、最小限の試験可能な構成要素、及びGI気道に送達される最小限の断片をももたらす。 これは、付加剤のない薬剤と比較して、4分の1の低減に対応する。
共ジェットミリング材料は、より自由に流動する粉末として見えたメカノフュージョン混合物とは対照的に、外見が高度に凝集していることが注目された。
研究は、共ジェットミリング組成とメカノフュージョン組成の性能の差は、薬剤が、アスピレアなどの能動デバイスを使用してディスペンスされるとき、最も明らかであることを示唆する。 プルーム行動のビデオは、高ジェットミリング薬剤とメカノフュージョン製剤との差について、理由のいくつかの指摘を提供した。 メカノフュージョン薬剤は、短い急速なボーラスを示したが、共ジェットミリング薬剤は、より引き延ばされたプルームを示した。 メカノフュージョン粉末の「改善された」流れ特性は、アスピレア性能の悪化を説明すると考えられる。 デバイス内における粉末保持の程度は、有利であると考えられ、より密ではなく、引き延ばされたプルームが生じることを可能にする。
これらのビデオ観測は、喉付着の差が、渦内の粉末の寿命に関係し、より長い寿命が、喉付着の低減を与えることを示唆する。 プルーム前面におけるより低いエアロゾル濃度、エアロゾルプルームのより小さい運動量(より小さいクラウド密度及びより小さい粒子サイズを有する)、並びに非凝集化されるより多くの機会が、この改善に対する可能な誘因である。 また、プルームの後のより緩慢な部分にも更に材料が存在する。 更に、サイクロンにおけるより低い粉末密度により、より良好な分散となる。
粉末薬剤はブリスタから抽出することが困難であるいうことにより、送達特性が改善されると推定される。 これは、粉末の抽出を遅くし、従って、活性粒子は、ディスペンスデバイスから排出されるとき、より緩慢に進行する。 これは、活性粒子が、デバイスが作動されるときに創出される粉末のプルームの前面において進行しないことを意味し、これは、活性粒子が、使用者の喉に対して衝撃を与える可能性が著しくより低いことを意味する。 むしろ、活性粒子は、プルームにおいて更に後方にあると考えられ、これにより、活性粒子は、吸入されて、肺に投与されることが可能になる。 当然、過度に多くのブリスタ停留は望ましくないが、その理由は、作動後に、活性剤がデバイスに残留することになるからである。
一般に、付加粒子と共に活性粒子を共ミリングすることにより、付加粒子を有さずに準備された薬剤と比較して、デバイス/ブリスタ停留は低減された。 メカノフュージョンは、共ジェットミリングより著しく多いブリスタ停留を与えることが示された。 最悪のブリスタ停留は、ステアリン酸マグネシウム(13%)を有するメカノフュージョンクロボザンについて見られた。 これは、そのような薬剤のダスティングの性質に関係すると考えられる。 メカノフュージョン粉末は、より容易に分散して流れ、それにより、バルクな粉末接触でのより高程度の接触が促進される。 しかし、共ミリング粉末は、重度に凝集しており、従って、表面との接触は、はるかに低減され、ダストの残留も、はるかにより少ない。 デバイス停留も、クロボザンでは、共ジェットミリング粉末よりメカノフュージョンの方がより多いことが明らかである。 しかし、ロイシンと共に共ジェットミリングされたアポモルフィンHClのデバイス停留は、顕著に高いことが明らかであり、13%である。 デバイス停留及びブリスタ停留は、0.5バールと1.5バールの試験では、大きく違わないと考えられるが、デバイス停留が0.5バールの試験では50%に近付く未加工純粋クロボザンの場合を除く。
ブリスタにおいて粘着する粉末薬剤の傾向は、能動デバイスにおいて克服することができ、この場合、デバイスが作動されるとき、著しい量の乱流が、ブリスタ内において創出される。 しかし、受動デバイスの場合はそうではない。 従って、ブリスタにおいて粘着する粉末薬剤の傾向は、受動デバイスを使用して投与される粉末の性能に対して悪影響を有する。 すなわち、受動デバイスによってディスペンスされる粉末の活性粒子は、一般に、能動デバイスによってディスペンスされる場合のように迅速に移動しないので、喉付着の問題は、深刻ではない(通常、粉末プルームの前面を進行する活性粒子の結果)である。 従って、活性粒子の特性は、粉末をディスペンスするために使用されるデバイスのタイプに適合させることが必要である。
共ジェットミリング組成が受動デバイス及び能動デバイスを使用してディスペンスされるときに達成されるFPFを比較する試験が実施された。 実験は、TSIにファイアリングされたラクトースモデルを使用した。 結果は以下の通りである。
これは、低圧力において共ジェットミリングされたジェットミリング材料が、受動デバイスにおいてより良好であり、一方、高圧ジェットミリング材料は、アスピレアなどの能動デバイスにおいてより良好に機能することを示す。
ステアリン酸マグネシウムを有するメカノフュージョンブデソニド
選択されたステアリン酸マグネシムは、アボカドリサーチケミカルズ社(Avodado Research Chemicals Ltd.)、ロットH1028Aによって供給される標準的なグレードであった。 使用された医薬品は、ブデソニドであった。
この作業は、ミアットのモノヘイラを使用して実施された。 作業は、ブデソニドと共に処理されたステアリン酸マグネシウムのシステムを研究した。 混合物は、ホソカワAMS−MINIを使用し、約4000rpmにおいて60分間混合して、メカノフュージョンによって準備された。
ブデソニド及びステアリン酸マグネシウムの混合物が、ステアリン酸マグネシウムの異なる重量パーセンテージにおいて準備された。 5%w/w及び10%w/wの混合物が準備され、次いで試験された。 MSLI及びTSIが、混合物について実施された。 以下に要約される結果は、高いエアロゾル化効率を示す。
微細ラクトース及びステアリン酸マグネシウムを有するメカノフュージョンブデソニド
力制御剤及び微細ラクトースの両方を有する医薬品のメカノフュージョンを調べるために、他の研究が実施された。 使用される力制御剤は、ステアリン酸マグネシウム(アボカド)であり、微細ラクトースは、ソルボラク400(メグル)であった。 使用される医薬品は、ブデソニド(2M00M0−0019427)であった。 混合物は、ホソカワAMS−MINIを使用して、約4000rpmにおいて60分間混合するメカノフュージョンによって準備された。
薬剤が、ブデソニド、ステアリン酸マグネシウム、及びソルボラク400の以下の濃度を使用して準備された。
5%w/wブデソニド、6%w/wMgSt、89%w/wソルボラク400、
20%w/wブデソニド、6%w/wMgSt、74%w/wソルボラク400
TSI及びMSLIが、混合物について実施された。 以下に要約される結果は、混合物においてブデソニドの量を増大させると、FPFの結果が増大したことを示す。 デバイス停留及びカプセル停留は、これらの分散試験では顕著に低かった(>5%)。
この作業に対する拡張として、ブデソニド、MgSt、及びソルボラク400の異なる混合方法が、更に調査された。
2つの薬剤が、グレンクレストングラインドミックス(Glen Creston Grindomix)において準備された。 このミキサは、2つの平行歯を有する従来のフードプロセッサ型歯付きミキサである。
これらの薬剤の第1は、5%w/wブデソニド、6%w/wMgSt、89%w/wソルボラク400の混合物であり、すべての構成要素を2000rpmにおいて20分間混合することによって準備された。 薬剤は、TSIによって試験され、結果は、メカノフュージョンブレンドの結果と比較するとき、ブラインドミックスブレンドが、より低いFPFの結果を与えることを示した(以下の表参照)。
第2薬剤は、メカノフュージョンステアリン酸マグネシウム90%w/w、事前にブレンドされたソルボラク400(5:95)、グラインドミックスにおいて20分間ブレンドされた10%w/wブデソニドの混合物であった。 薬剤は、TSI及びMSLIによって試験された。
この薬剤は、微細粒子などを備える材料について、顕著に良好な流れ特性を有することも観測された。 これは、メカノフュージョンプロセスに関連付けられた。
微細ラクトース及びステアリン酸マグネシウムを有するメカノフュージョンサルブタモール
力制御剤及び微細ラクトースを有する他の医薬品のメカノフュージョンを調べるために、他の研究が実施された。 使用された力制御剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、微細ラクトースは、ソルボラク400(メグル)であった。 使用された医薬品は、微粉化硫酸サルブタモールであった。 混合物は、ホソカワAMS−MINIを使用して、約4000rpmにおいて10分間ブレンドして、メカノフュージョンによって準備された。
準備された薬剤は、以下の通りであった。
20%w/wサルブタモール、5%w/wMgSt、75%w/wソルボラク400
20%w/wサルブタモール、2%w/wMgSt、78% w/wソルボラク400
NGIが、このブレンドについて実施され、結果は、以下に示されている。 デバイス停留及びカプセル停留が、これらの分散試験では再び低かった(>10%)。
アスピレアにおいて共ジェットミリングされた塩酸クロミピラミン薬剤
塩酸クロミプラミンが、粉末の形態で得られた。 力制御剤のロイシン及びステアリン酸マグネシウムが使用された。
12の薬剤が、ホソカワAS50ジェットミルを使用して、元の粉末から生成された。 純粋な医薬品が、ミルを通過した、また医薬品と5%w/wの力制御剤とのブレンドが、追加された。 ミルは、ある範囲のパラメータで使用された。 主に、これらは、注入器の空気圧、研削空気圧、及び粉末供給率であった。
薬剤14:純粋な塩酸クロミプラミンは、ミクロなイザを3回通過し、毎回、注入器の空気圧は8バール、研削空気圧は1.5バール、及び粉末供給率は〜1g/分であった。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.2μmのd(50)を与えた。
薬剤15:薬剤14は、スパチュラで乳捧において5%微粉化L−ロイシンと事前に混合された。 この混合物は、8バールの注入器空気圧、1.5バールの研削空気圧、及び〜1g/分の粉末供給率で、更に微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.2μmのd(50)を与えた。
薬剤16:純粋な塩酸クロミプラミンは、7バールの注入器空気圧、5バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.0μmのd(50)を与えた。
薬剤17:純粋な塩酸クロミプラミンは、7バールの注入器空気圧、5バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 この微粉化塩酸クロミプラミンは、スパチュラで乳捧において5%微粉化L−ロイシンと事前に混合された。 この混合物は、次いで、7バールの注入器空気圧、5バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、0.95μmのd(50)を与えた。
薬剤18:純粋な塩酸クロミプラミンは、スパチュラで乳捧において5%ステアリン酸マグネシウムと事前に混合された。 この混合物は、7バールの注入器空気圧、5バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、0.95μmのd(50)を与えた。
薬剤19:純粋塩酸クロミプラミンは、7バールの注入器空気圧、1バールの研削空気圧、及び〜1g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.8μmのd(50)を与えた。
この事前微粉化塩酸クロミプラミンは、次いで、スパチュラで乳捧において5%微粉化L−ロイシンと混合された。 次いで、この混合物は、7バールの注入器空気圧、1バールの研削空気圧、及び〜1g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.38μmのd(50)を与えた。
薬剤20:純粋塩酸クロミプラミンは、7バールの注入器空気圧、1バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、3.5μmのd(50)を与えた。
次いで、この事前微粉化塩酸クロミプラミンは、スパチュラで乳捧において5%微粉化L−ロイシンと混合された。 次いで、この混合物は、7バールの注入器空気圧、1バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、2.0μmのd(50)を与えた。
薬剤21:純粋塩酸クロミプラミンは、7バールの注入器空気圧、3バールの研削空気圧、及び〜1g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.2μmのd(50)を与えた。
次いで、この事前微粉化塩酸クロミプラミンは、スパチュラで乳捧において5%微粉化L−ロイシンと混合された。 次いで、この混合物は、7バールの注入器空気圧、3バールの研削空気圧、及び〜1g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、0.99μmのd(50)を与えた。
薬剤22:純粋塩酸クロミプラミンは、7バールの注入器空気圧、3バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.6μmのd(50)を与えた。
次いで、この事前微粉化塩酸クロミプラミンは、スパチュラで乳捧において5%微粉化L−ロイシンと混合された。 次いで、この混合物は、7バールの注入器空気圧、3バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.1μmのd(50)を与えた。
薬剤23:この事前微粉化塩酸クロミプラミンは、スパチュラで乳捧において5%微粉化L−ロイシンと混合された。 次いで、この混合物は、7バールの注入器空気圧、5バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.8μmのd(50)を与えた。
薬剤24:純粋塩酸クロミプラミンは、7バールの注入器空気圧、5バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。
次いで、この事前微粉化塩酸クロミプラミンは、スパチュラで乳捧において5%ステアリン酸マグネシウムと混合された。 次いで、この混合物は、7バールの注入器空気圧、1バールの研削空気圧、及び〜10g/分の粉末供給率で微粉化された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.38μmのd(50)を与えた。
薬剤25:薬剤24は、次いで、1mmの圧縮ギャップで10分間ホソカワメカノフュージョンミニキットにおいて処理された。 モルヴァン(乾燥粉末)の粒子サイズ測定は、1.39μmのd(50)を与えた。
粒子サイズの分布
モルヴァン粒子サイズ分布は、塩酸クロミプラミンが、小さい粒子サイズに非常に容易に微粉化されたことを示す。 例えば、薬剤16は、5バールの比較的高い研削圧力及び10g/分のより高い粉末供給率において1回通過することで、1.0μmに微粉化された。
薬剤19中間粉末の場合のように、研削圧力を例えば1バールに低減することにより、より大きい粒子が得られる(d(50)〜1.8μm)。 中間研削圧力(3バール)が、中間粒子サイズ分布を与えた(薬剤21中間粉末についてd(50)〜1.2μm)。
同様に、粉末供給率を例えば1から10g/分に増大させることにより、薬剤19及び20のd(50)を比較することによってわかるように、より大きな粒子が得られた。
薬剤23のようにロイシンなどの付加材料を追加することにより、ミリング効率が低減されると考えられた。 しかし、この変化は、元の医薬品粉末の流動性について付随的に改善することによって生じた可能性があり、ミルへの粉末供給率は、小さいが、著しく増大する。 他の研究では、ミリング効率は、粉末供給率が10g/分を超えて増大される際に、この粉末供給率に対していっそう鋭敏になった。
この一連の例から、特定のd(50)を選択するように、ミリングパラメータを設計することが可能であると考えられる。 例えば、反復低圧ミリング及び低供給率によって(薬剤19)、またはより高い供給率におけるより高い及びより低い圧力における混合(薬剤25)によって、〜1.4のd(50)を得ることができる。
アスピレアの分散の性能
次いで、約2mgの各薬剤が、フォイルブリスタに装填され、封止された。 次いで、これは、60L/mに設定された空気流と共に、アスピレアデバイスから次世代インパクタの中にファイアリングされた。 性能データは、表40、41、及び42に概述されている。
デバイス停留は、純粋医薬品が使用された場合、高く(20%を超える)、小さい粒子サイズ(具体的には1μm以下)ではとりわけ増大すると考えられた。 例えば、薬剤14及び16は、高い医薬品停留を有していた。 デバイス停留は、ステアリン酸マグネシウムを使用することにより低下し、例えば、薬剤18の場合のように、デバイス停留は、0.95μmのd(50)にも拘らず、12%であった。 デバイス停留は、例えば薬剤22では、ロイシンが1μmを超える粒子サイズと組み合わされて使用されるとき、20%以下に低減された。
喉停留は、粒子サイズが低減されるのに比例して低減された。 高い喉停留(>20%)が、薬剤20など、粒子サイズd(50)>2μmで生じる。 10%未満の喉停留が、1μm未満の粒子サイズについて見られた。 より小さい粒子の慣性行動の低減は、この観測に寄与する可能性が十分にある。 しかし、上記で留意されたように、デバイス停留は、そのような小さい粒子ではより大きい傾向があった。
粒子サイズが低減される際に、接着性及び密着性が増大することにより、デバイス停留が増大することが議論されている。 この接着性及び密着性、従ってデバイス停留は、粒子の表面(または、適宜医薬品及び賦形剤粒子の表面)に添付される力制御剤を追加することによって低減することができる。 アポモルフィン及びクロボザンの例について以前に議論され、ビデオ研究によって実証されたように、アスピレアでは、接着性及び密着性のレベルは、渦において寿命が延長され、より緩慢なプルームをもたらすことが望ましく、接着性は、高いデバイス停留となるほどに高くあるべきではないと考えられる。 その結果、アスピレアについて最適な性能を達成するために、粒子のサイズ、接着性、及び凝集性の均衡が必要である。 本明細書に含まれる例は、そのような均衡がどのように達成されることが可能であるかを示す。 この均衡は、各特定の異なる材料特性について修正を必要とする可能性がある。
力制御剤を有する単一ステップ共ミリングが、薬剤18などのいくつかの例において有効であると考えられる。 複数のステージ処理が、例えば、特定の望ましい効果を達成するように条件が選択される場合、より有効である可能性がある。 例えば、医薬品の第1ステージ高圧ミリングが、必要なサイズ分布(すなわち、〜1.4μm)を生成するために使用されることが可能であり、第2ステージのより低圧共ミリングが、力制御剤において混合されるために使用されることが可能であり、それにより、より良好な混合が、ミリングなしで、及びミルにおける構成要素の乖離を低減して、達成される。 そのような例が、薬剤25において示され、比較的低い喉停留及び低いデバイス停留の両方の組合せが達成される。
付加材料の最適量は、付加材料の化学組成及び他の特性、並びに、存在する場合、活性材料及び/または賦形材料の性質に依存する。 一般に、複合活性粒子の付加材料の量は、活性材料及び任意の賦形剤量の重量に基づいて、重量で60%を超えない。 しかし、ほとんどの付加材料では、付加材料の量は、ミリングされている付加材料及び活性材料の全重量に基づいて、40%から0.25%、好ましくは30%から0.5%、より好ましくは20%から2%にあるべきである。 一般に、付加材料の量は、活性材料の重量に基づいて、重量で少なくとも0.01%である。
明らかに、ジェットミルの多くの異なる設計が存在し、これらのいずれかは、本発明において使用されることが可能である。 例えば、上記で議論された実験において使用されるAS50螺旋ジェットミル及びMC50ホソカワミクロンの他に、他の螺旋ジェットミル、パンケーキジェットミル、または対向流体ベッドジェットミルを使用することもできる。 ジェットミルの供給率は、そのサイズに依存する。 小さい螺旋ジェットミルは、例えば、1分当たり1gから2gの供給率を使用することが可能であり、一方、産業スケールのミルは、1時間当たりキログラムの大きさの供給率を有する。
本発明を使用して生成される共ジェットミリング粒子の特性は、ある程度、ジェットミリング装置を変更することによって、適合または調節することが可能である。 例えば、粒子コーティング及び粒子サイズ低減の程度は、装置において使用されるジェットの数を変化させることによって、及び/またはジェットの配向、すなわちジェットが配置される角度を調節することによって、調節されることが可能である。
結論
乾燥粉末吸入器デバイス及び乾燥粉末薬剤の改善は、望ましい投与効率を達成することができることを意味する。 以下の試験がこれを実証する。
インビトロ試験が、アスピレアデバイスを使用して、及び以下のように準備された薬剤を使用して実施された。
120gのレスピトースSV003ラクトース(45μmから63μmのふるい断片)及び30gの微粉化塩酸アポモルフィンが、グレンクレストングラインドミックス高せん断ブレンダの混合ボールの中に組み合わされた。 医薬品は、レスピトース層間に挟まれていた。 材料は、2000rpmの設定において5分間処理された。 混合物は、250μmのふるいを通してふるいにかけられた。
含有量の一様性が、バルク粉末から3mgの10サンプルを取ることによって評価された。 薬剤は、1.97%の相対標準偏差で、20.8%の平均医薬品含有量を含んでいた。
2mgの粉末が、25のアスピレアフォイルブリスタに充填された。 5つのブリスタが、1分当たり60リットルに設定された空気流と共に、1分当たり60リットルでアスピレアデバイスからアンダーソンキャスケードインパクタ(ACI)の中にファイアリングされた。 アスピレアは、1.5バールのリザーバ空気15mlでファイアリングされた。 これは、5回繰り返され、結果は、表43及び44において概述されている。
薬剤は、放出投与量及び計量投与量の例外的な微細粒子断片を提示した。 また、性能は、すべての5回繰返し試験について、非常に一貫している。
他の研究では、やはりCL1アスピレアデバイスを使用して、以下の薬剤が試験された。 レスピトースSV003ラクトース(45μmから63μmのふるい断片)及び微粉化リン酸サルブタモールが、比率40:60で組み合わされた。
1mgの粉末が、15のアスピレアフォイルブリスタに充填された。 5つのブリスタが、1分当たり60リットルに設定された空気流と共に、アスピレアデバイスから次世代インパクタにファイアリングされた。 アスピレアは、1.5バールのリザーバ空気15mlでファイアリングされた。 これは、3回繰り返された。 結果は、表45及び46において概述されている。
再び、薬剤は、放出投与量及び計量投与量の例外的且つ再限可能な微細粒子断片を提示した。