様々な実施形態は、乾燥粉末の1回分の用量の吸入中に粉末投与器において乾燥粉末を非凝集化するのに役立つポリフラックスコライダ配置体を提供する。本発明の様々な実施形態を用いると、ポリフラックスコライダは、DPIに含有されている凝塊を非凝集化するために乾燥粉末の衝突流を利用する。本発明の様々な実施形態の配置体は、様々な粉末投与器と共に利用されることがあるが、乾燥粉末吸入器(DPI)と薬物製品と共に用いるのに特に適している。
本発明のさらなる実施形態は、乾燥粉末吸入器と、少なくとも1つの活性薬剤からなる少なくとも2つの凝塊を含む乾燥粉末とを備え、乾燥粉末吸入器が少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも1回分の用量を保存することができる少なくとも2つの貯蔵器を備え、乾燥粉末吸入器が作動されたとき、少なくとも2つの凝塊が乾燥粉末吸入器から出る前に互いに衝突する、薬物製品を提供する。
本発明の他の実施形態は、乾燥粉末吸入器と、少なくとも1つの活性薬剤を含む乾燥粉末とを備え、乾燥粉末吸入器が少なくとも1つの活性薬剤の少なくとも1回分の用量を保存することができる少なくとも2つの貯蔵器を備え、乾燥粉末吸入器が作動されたとき、少なくとも2つの貯蔵器から放出された少なくとも1回分の用量が乾燥粉末吸入器から出る前に互いに衝突する、薬物製品を提供する。
薬物製品は、ポリフラックスコライダ配置体を含む乾燥粉末吸入器を含むことがある。ポリフラックスコライダは、少なくとも2つの吸入通路からの乾燥粉末の流れを受け取るために作用し、その後、2つの流れを集団的な流れに結合し、出口開口部から集団的な流れを排出することを可能にする。乾燥粉末は、凝塊の形でもよい。凝塊は、ラクトース又は別の活性薬剤のような物質をさらに含むことがある。有用な少なくとも1つのAPAは、フォルモテロール、モメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、グリコピロレート、サルメテロール、チオトロピウム、イプラトロピウム、インダカテロール、および、これらの薬学的に許容可能な塩のうちの1つ以上を含む。
本発明の様々な実施形態では、薬物製品は、作動時に少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、又は、少なくとも約90%の微粒子割合を放出することができる。
図1および2は、粉末投与器と共に使うことができる部品の配置体を示す。乾燥粉末吸入器の部品の配置体は、ポリフラックスコライダ配置体を含むことがある。乾燥粉末吸入器の部品の配置体は、参照によりここに組み込まれる米国特許第6,240,918号に示されるような乾燥粉末吸入器の部品の配置体に類似することがある。
図1および2に示されるように、別々に形成された2つの貯蔵室12,14を有する貯蔵器10が設けられている。貯蔵室12,14は、投与を目的とする乾燥粉末を収容する。貯蔵室12,14は、同じ乾燥粉末を収容しても、異なる乾燥粉末を収容してもよい。このようにして、組み合わせ薬物療法が利用されることがある。その上に、従来技術によって達成できる用量より大量の用量が達成されることがある。貯蔵室12,14は、同じ少なくとも1つのAPAを収容しても、異なる少なくとも1つのAPAを収容してもよい。
計量孔18,20が内部に形成されている用量プレート16が貯蔵器10と関連付けられている。計量孔18,20は、送達のため計量された量で貯蔵室12,14から乾燥粉末を受け取るために使用される。吸入通路22,24は、適切な用量投与を達成するために計量孔18,20と選択的に連通するように貯蔵器10を通して形成される。
ノズル26は、スワールノズルの形で設けられることがある。ノズル26に吸入が適用されると、乾燥粉末は、用量プレート16から、吸入通路22,24とノズル26とを介して、ユーザの口の中へ吸入される。ユーザの快適さのため、マウスピース28がノズル26の周りに少なくとも部分的に取り付けるために設けられることがある。その上に、製造又は組立上の理由のため、カップ形状の本体30のような付加的なコンポーネントが設けられることがある。本体30は、貯蔵器10を内部に収容し、周囲のコンポーネントへの組み付けを行うために形成されることがある。これらのコンポーネントの他の配置体および構成が使用されてもよい。用量プレート、吸入通路、および、ノズル(例えば、スワールノズル)の構成が米国特許第6,240,918号に開示される。
取り囲まれた容積部36を少なくとも部分的に取り囲む本体34を有しているポリフラックスコライダ32が設けられている。本体34は、下向きにぶらさがる裾部40が延びる円盤形状の上端38を含むことがある。取り囲まれた容積部36は、上端38および裾部40によって少なくとも部分的に取り囲まれている。ポリフラックスコライダ32は、吸入通路22,24からの流れを受け取り、この流れをノズル26へ方向付けるために位置している。ポリフラックスコライダ32は、取り囲まれた容積部36からの出口排出を方向付けるために位置している出口開口部42を含む。出口開口部42からの排出は、ノズル26の中へ方向付けられることがある。ポリフラックスコライダ32は、両方の吸入通路22,24からの乾燥粉末の流れを受け取り、2つの流れを集団的な流れに結合し、出口開口部42を介して集団的な流れを排出するために作用する。
吸入通路22,24は、ポリフラックスコライダ32への入口開口部である第1および第2の入口開口部44,46でそれぞれ終端する。第1および第2の入口開口部44,46は、ポリフラックスコライダ32の本体34に形成されることがあるが、吸入通路22,24の端部、又は、本体30のような2番目のコンポーネントに形成された開口部48,50で、貯蔵器10のような別個のコンポーネントに形成されることもある。いずれに関しても、第1および第2の入口開口部44,46は、取り囲まれた容積部36と連通するように位置決めされている。その上に、出口開口部42は、取り囲まれた容積部36と連通している。
図5に示されるように、仮想基準面Rが第1および第2の入口開口部44,46の中心C1,C2を通過するように位置決めされている。出口開口部42は、基準面Rから離間している。その上に、基準面Rに垂直である仮想基準軸RAは、出口開口部42の中心C3を通過する。基準軸RAは、第1および第2の入口開口部44,46の中心C1,C2から離間している。この配置体を用いると、ポリフラックスコライダ32を通り抜ける乾燥粉末の流れは、方向に2回の横方向変化が起こる。1回目の方向の横方向変化は、第1又は第2の入口開口部44,46を介して取り囲まれた容積部36の中への進入するときに起こる。2回目の方向の横方向変化は、取り囲まれた容積部36から出口開口部42を通って脱出するときに起こる。
図14から18に示されるように、少なくとも1つの仕切り41が出口開口部42の少なくとも一部、好ましくは、全部に広がる配置体を有している別の実施形態が例示される。仕切り41は、乾燥粉末の流れを出口開口部42の中へ導くために作用することがある。好ましくは、仕切り41は、乾燥粉末の意図された流れの方向に平行な方向(すなわち、基準軸RAに平行な方向)に延在する壁(図18)として形成される。さらに好ましくは、仕切り41は、出口開口部42を対称的な部品に分割するために出口開口部42と相対的に構成される(例えば、中心に位置することにより出口開口部42を2つの対称的な部品に分割する)か、又は、複数の仕切り41が出口開口部42を複数の均等な部品に分割するために離間して利用される。この配置体は、仕切り41が流れをほぼ均等な部分に分割すると共に、流れが仕切り41の傍を通ることを可能にする。
前述の通り、第1および第2の入口開口部44,46の両方からの乾燥粉末の流れは、単一の出口開口部42を通過することを意図される。出口開口部42は、流れに圧力抵抗を与えないために十分な大きさであり得る。出口開口部42は、第1の入口開口部44と第2の入口開口部46とのうちの大きい方と、少なくとも同じ面積でもよい。出口開口部42は、例えば、円形(図1)又はほぼ矩形(図16)のような様々な構成で形成されることがある。第1および第2の入口開口部44,46は、同様に、様々な構成で形成されることがある。
使用中に、ユーザは、1回分の用量の乾燥粉末を引き出すためにノズル26を介して吸入する。このような吸入を用いると、乾燥粉末の第1の流れ52を第1の入口開口部44から取り囲まれた容積部36へ引き込み、出口開口部42の方へ導く負圧が出口開口部42に加えられる。負圧は、さらに、乾燥粉末の第2の流れ54を第2の入口開口部46を介して取り囲まれた容積部36へ引き込み、出口開口部42へ導く。第1および第2の流れ52,54は、様々な方向から出口開口部42へ導かれるために構成されることがある。第1および第2の流れ52,54は、出口開口部42に入る前に衝突させられる。集団的な流れ56が出口開口部42を通過する第1および第2の流れ52,54から形成される。集団的な流れ56は、ノズル26の中へ導かれ、1回分の用量を患者に投与するときにノズルから排出される。
第1の流れ52と第2の流れ54との衝突は、これらの流れに含まれる乾燥粉末の非凝集化を引き起こす。第1および第2の流れ52,54に含まれる運動エネルギーの一部分は、衝突中の粒子に非凝集化の効果をもたらすために衝突時に放出される。従来技術のスワールノズルと他の非凝集化構築物とを用いると、粉末は、非凝集化を達成するために周囲にある壁および/又は構造体と衝突させられる。本発明の複数の実施形態を用いて達成されるような衝突中の流れを用いると、運動エネルギーの放出は、運動エネルギーを放出する粒子を非凝集化するだけでなく、放出された運動エネルギーは、非凝集化の効果を加えるために衝突中の粒子に作用する。本発明の様々な実施形態は、運動エネルギーをより効率的に利用する。
ポリフラックスコライダ付きの吸入器は、衝突中に運動エネルギーが放出される2つのエリアを含む。これらのエリアのうちの一方は、ノズルの壁への凝塊流の従来の影響である。2番目のさらなるエリアは、ポリフラックスコライダの領域である。
ポリフラックスコライダは、流速と壁又は並行する流れとの間の角度が零度であるため、ノズルセクションより効率的であることがある。ノズルエリアでは、流れは、ある角度で壁に衝突するので、モーメントの垂直成分が衝突に役立ち、ノズル壁に平行な運動エネルギーの割合は、必ずしも非凝集化に役立たない。
ポリフラックスコライダを用いると、2つの流れが正面衝突し、運動エネルギーのすべてが非凝集化に関与する可能性がある。
非凝集化の2つのエリアは、コライダとノズル作用とを順々に含む。ポリフラックス衝突から生じる細かい粒子は、ノズルに向かって下流へ移動し、ノズル壁に衝突し、さらなる非凝集化を起こす可能性がある。
図18に示されるように、1つ以上の仕切り41を使用すると、集団的な流れ56は、出口開口部42を通過する間に複数の分割された流れ56a,56bに分割される。分割された流れ56a,56bは、集団的な流れ56を再び形成するために(複数の)仕切り41の下流で再結合し、この集団的な流れは、患者への投与のためノズル26の中をさらに進む。集団的な流れ56の中の粒子は、(複数の)仕切り41と、および/又は、相互に衝突することがあり、分割された流れ56a,56bは、(複数の)仕切り41の下流で集団的な流れ56を再形成するために再結合する。この追加的なインパクションは、さらなる凝集化をもたらすことがある。
図1から4、8および9に示されるように、貯蔵器10は、別個の貯蔵器12,14を含むことがある。図6、7および10から13を参照すると、貯蔵器10は、2個の計量孔18,20を提供する1つの貯蔵器12を含むことがある。この配置体を用いると、単一の乾燥粉末が単一の吸入通路の使用に関する用量より遙かに大量の用量で投与されることがある。ポリフラックスコライダ32は、ここでは、前述された方法と同じように機能する。
ポリフラックスコライダ32は、取り囲まれた容積部36の境界の一部分を画定する1つ以上の境界壁58を用いて形成されることがある。境界壁58は、上端38から下向きに、かつ、裾部40から放射内方へ延在することがある。中心ポスト60は、組立を容易化するために、および/又は、さらに取り囲まれた容積部36の部分的な境界を規定するために設けられることがある。
2つより多い入口開口部が利用されてもよい(例えば、貯蔵器および/又は吸入通路より多くの入口開口部が利用されてもよい)。同様に、ポリフラックスコライダ配置体が直列で使用されてもよく、この場合、乾燥粉末の流れが2台以上のポリフラックスコライダを通過させられ、複数回の衝突が起こる。その上に、ポリフラックスコライダは、取り囲まれた容積部の2つ以上を収容するために構成されてもよい。単一のポリフラックスコライダの中の複数の取り囲まれた容積部は、互いに隔離されてもよく、個々の容積部が単一の出口開口部を有している。したがって、より少ない量の流れの排出で乾燥粉末の複数の流れを受け取るために構成されているポリフラックスコライダ配置体が提供されることがある。例えば、ポリフラックスコライダは、乾燥粉末の4つの流れを受け取り、2つの流れを排出するために構成されることがある。2つの排出流は、2番目のポリフラックスコライダで合成されることがある。
少なくとも1つのAPAは、凝塊の形でもよい。米国特許第6,503,537号に記載された凝塊のような、薬物単独、又は、別の物質との凝塊が利用されることがあり、この文献は、本明細書に組み込まれている。固体バインダと薬理学的活性剤とを凝集化するどのような方法が使用されてもよい。固体バインダの非結晶内容物を結晶形式に変換することなく早期に達成することができ、かつ、追加的なバインダの使用を必要としない方法を含む有用な凝集化方法は、本発明により実施することができる。
有用な凝塊は、約100から約1500μmまでサイズが変動する凝塊を含む。凝塊は、約300から約1000μmまでの平均サイズを有することがある。有用な凝塊は、約0.2から約0.4g/cm3まで、又は、約0.29から約0.38g/cm3まで変動するかさ密度を有することがある。
密な粒子サイズ分布を有することが有用である。これに関連して、粒子サイズは、凝塊のサイズを指す。好ましくは、約10%を超えない凝塊は、平均又は標的凝塊サイズより50%小さいか、又は、50%大きい。例えば、300μmの凝塊に対し、約10%を超えない凝塊は、約150μmより小さいか、又は、約450μmより大きい。
凝塊を作製する有用な方法は、米国特許第6,503,537号に記載され、この文献は、本明細書に組み込まれている。好適な方法は、予め選ばれた量の1つ以上の薬理学的活性剤と、固体バインダの量に相対的に、約100:1と約1:500との間の比率、約100:1と約1:300(薬物:バインダ)との間の比率、約20:1と約1:20との間の比率、又は、約1:3から約1:10までの比率で乾燥固体バインダを含有する微粉化された非結晶内容物とを混合することを含む。
有用な凝塊は、約50mgと約5000mgとの間、最も好ましくは、約200mgと約1500mgとの間を変動する強度を有することがある。クラッシュ強度は、日本国東京のセイコーインスツル株式会社から入手できるセイコーTMA/SS 120C 熱機械分析器で、製造業者から入手できる手順を使用して試験した。なお、このようにして測定された強度は、本明細書に記載された粒子内結晶結合の質および広がりによる影響を受ける。しかし、凝塊のサイズは、測定されたクラッシュ強度に関与する。一般に、より大きい凝塊は、小さい粒子より大きい粉砕するための力を必要とする。
様々な薬学的活性剤が利用されることがある。好適な少なくとも1つの活性薬剤は、限定されることなく、抗コリン作動薬、コルチコステロイド、長時間作用型β作動薬、短時間作用型β作動薬、ホスホジエステラーゼIV阻害剤を含む。好適な薬品は、呼吸性疾患、炎症性疾患、又は、閉塞性気道疾患の予防又は治療のため役に立つことがある。このような疾患の例は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患を含む。
好適な抗コリン作動薬は、(R)−3−[2−ヒドロキシ−2,2−(ジチエン−2−イル)アセトキシ]−1−1[2−(フェニル)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、メトスコポラミン、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、塩化ベンザルコニウム、臭化チオトロピウム、GSK202405、上記のいずれかの個別の異性体、又は、上記のうちのいずれか、もしくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩もしくは水和物を含む。
好適なコルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオンベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、(22R)−6α,9α−ジフルオロ−11β,21−ジヒドロキシ−16α,17α−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン−3,20−ジオン、チプレダン、GSK685698、GSK799943、又は、上記のうちのいずれか、もしくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩もしくは水和物を含む。
好適な長時間作用型β作動薬は、カルモテロール、インダカテロール、TA−2005、サルメテロール、フォルモテロール、又は、上記のうちのいずれか、もしくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩もしくは水和物を含む。好適な短時間作用型β作動薬は、アルブテロール、硫酸テルブタリン、メシル酸ビトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、又は、上記のうちのいずれか、もしくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩もしくは水和物を含む。
好適なホスホジエステラーゼIV阻害剤は、シロミラスト、ロフルミラスト、テトミラスト、1−[[5−(1(S)−アミノエチル)−2−[8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリニル]−4−オキサゾリル]カルボニル]−4(R)−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−L−プロリン、エチルエステル、又は、上記のうちのいずれか、もしくは、上記のうちの2つ以上の組み合わせの薬学的に許容可能な塩もしくは水和物を含む。
本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つの活性薬剤は、モメタゾンフロエートのようなコルチコステロイドを含む。モメタゾンフロエートは、化学名9,21−ジクロロ−11β,17−ジヒドロキシ−16α−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン17−(2−フロエート)を有する抗炎症性コルチコステロイドである。これは、実際には水に不溶性であり、メタノール、エタノール、および、イソプロパノールに僅かに溶け、アセトンおよびクロロホルムに溶け、テトラヒドロフランに溶けやすい。オクタノールと水との間のこれの分配係数は、5000より大きい。モメタゾンは、一水和物のような様々な水和型、結晶性、かつ、光学異性の形状で存在することができる。
ポリフラックスコライダ配置体の効果を評価するため試験を実施した。すべての試験は、乾燥粉末形状でモメタゾンフロエートを利用した。さらに、すべての試験は、マサチューセッツ州ウォルサムのThermo Fisher Scientific,Inc.のThermo Scientific部門によって販売されているカスケードインパクタのようなアンダーセン設計カスケードインパクタで、2秒の試験間隔を使って毎分60リットルで実施した。
表1に関連して、図3および4に示されるようなポリフラックスコライダ配置体は、モメタゾンフロエートの乾燥粉末を400μg含有する1回分の用量を用いて試験した。試験は、擬似的な吸入を用いて実施した。(6.5μm以下であるとみなされる)微粒子サイズで最大レベルの乾燥粉末を回収することが最も望ましい。
図3および4のポリフラックスコライダ配置体を用いると、約55.8%から60.4%の微粒子割合(%FPF)を達成できた。これは、(400μg中)患者が受けるおよそ213から220μgの微粒子用量(FPD)と相関関係がある。
表2は、ポリフラックスコライダ配置体が使用されなかった対照試験のデータを示す。ポリフラックスコライダなしで、図1および2に示されているような部品の配置体を利用した。400μgの量のモメタゾンフロエートの乾燥粉末を表1に関連して前述された試験と同じように利用し試験した。
表2に示されるように、およそ34.2%から35.6%の微粒子割合(%FPF)を達成した。同様に、微粒子用量(FPD)が(400μg中)およそ124から147μgの乾燥粉末を達成した。
試験結果を比較して、ポリフラックスコライダ配置体は、より多くの量の微粒子用量を提供することが分かった。特に、DPIから放出された全体的な投薬量の割合が増加すると、微粒子用量(FPD)が増加する。微粒子用量および微粒子割合は、肺の決定された部位へ送達される微粒子の量の指標である(本実施例では、微粒子用量は、6.5ミクロン以下のサイズをもつ粒子の量として定義される)。これは、用量の送達の効果の指標を与える。例えば、表1の結果と表2の結果とを比較すると、ポリフラックスコライダ配置体を利用しないのに対して、利用することで、実質的な改善が見られる(平均58.4%FPF対平均34.7%FPF、および平均217.95916FPD対平均133.26194FPDを参照)。したがって、より効率的な用量投与を本発明の様々な実施形態を用いて達成することができる。
発明の一部の態様は、以下の実施例でさらに説明される。発明の実施形態の説明は、例示および解説の目的のため提示されている。発明の実施形態の説明は、網羅的であること、又は、発明を開示された形式そのままに限定することが意図されず、多くの変更および変形が前記教示に鑑みて可能であることが明らかである。用語「〜を備える」は、「〜を含んでいるが、〜には限定されることがない」として定義される。
割合は、文脈によりそうでないことが明らかに示されない限り、重量に基づいて表現されている。本明細書又は請求項中での何らかの具体的な薬物原料への言及は、ベース薬物だけでなく、ベース薬物の薬学的に許容可能な塩、エステル、水和物、および、他の形式を包含することが意図されている。薬物の特有の塩、又は、他の形式が取り上げられる場合、他の塩又は形式で置換できることが考えられる。
本発明の様々な実施形態は、1回分の用量の乾燥粉末の吸入中に粉末投与器において乾燥粉末を非凝集化するため役立つポリフラックスコライダ配置体であって、基準面が両方の入口開口部の中心を通過する離間した第1および第2の入口開口部と、容積部を少なくとも部分的に取り囲む本体と単一の出口開口部とを有しているポリフラックスコライダと、を含むポリフラックスコライダ配置体を提供する。第1の入口開口部および第2の入口開口部と出口開口部とは、取り囲まれている容積部と連通している。出口開口部は、基準面から離間し、出口開口部の中心は、出口開口部を貫通する基準軸を有している。基準軸は、基準面と垂直であり、基準軸は、第1の入口開口部の中心および第2の入口開口部の中心から離間している。1回分の用量の吸入時に、乾燥粉末の第1の流れを第1の入口開口部から取り囲まれた容積部へ引き込み、出口開口部の方へ導く負圧が出口開口部に加えられる。この負圧は、同様に、乾燥粉末の第2の流れを第2の入口開口部から取り囲まれた容積部へ引き込み、出口開口部の方へ導く。乾燥粉末の第1の流れと第2の流れとは、出口開口部を通過し、乾燥粉末の用量を決める集団的な流れを形成するために、取り囲まれた容積部の中で衝突する。有利な点として、本発明の様々な実施形態を用いると、乾燥粉末の衝突流を利用し、そして、好適な非凝集化能力を乾燥粉末投与器に提供するポリフラックスコライダが提供される。
図18に示されるように、1つ以上の仕切り41を使用すると、集団的な流れ56は、出口開口部42を通過する間に複数の分割された流れ56a,56bに分割される。分割された流れ56a,56bは、集団的な流れ56を再び形成するために(複数の)仕切り41の下流で再結合し、この集団的な流れは、患者への投与のためノズル26の中をさらに進む。集団的な流れ56の中の粒子は、(複数の)仕切り41と、および/又は、相互に衝突することがあり、分割された流れ56a,56bは、(複数の)仕切り41の下流で集団的な流れ56を再形成するために再結合する。この追加的なインパクションは、さらなる非凝集化をもたらすことがある。