JP2005506169A - 強化された剪断の限外ろ過により、水性溶液からセルロースエーテルを回収するための方法 - Google Patents

強化された剪断の限外ろ過により、水性溶液からセルロースエーテルを回収するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、水性溶液、特に粗セルロースエーテルの精製において得られる洗浄媒質から、セルロースエーテルを回収するための方法に関する。本方法は次の工程を含む:(a)該水溶液を、該セルロースエーテルの凝集温度よりも低い温度において限外ろ過膜装置を通過させること、ここで該装置は該限外ろ過膜の表面に強化された剪断を生じる;(b)工程(a)において得られた保持物を溶媒で希釈すること、ここで溶媒の保持物に対する体積比は1:1〜40:1であり;ならびに(c)工程(b)において得られた希釈された保持物を該セルロースエーテルの凝集温度よりも低い温度において限外ろ過膜装置を通過させること、ここで該装置は該限外ろ過膜の表面に強化された剪断を生じる。本発明の方法は、高い膜フラックスにおいてセルロースエーテルの良好な保持を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、水性溶液、特に粗セルロースエーテルの精製において得られる洗浄媒質から、セルロースエーテルを回収するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶性セルロースエーテルは、多くの産業用途、例えば水保持剤、増粘剤、保護コロイド、懸濁剤、結合剤及び安定剤において使用されている。セルロースエーテルは一般に、精製したセルロースとアルカリヒドロキシド、典型的には水酸化ナトリウム、及び少なくとも1種のエーテル化剤との不均一反応によって製造される。エーテル化剤は、ハロゲン化アルカリ、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイド、及びモノクロロカルボン酸を包含し得る(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, 2nd es., Wol. 3, pp. 224-269、特に229-231を参照されたい)。アルカリヒドロキシドは典型的に水中に導入されるが、エーテル化剤は通常、不活性有機溶媒中に導入される。粗セルロースエーテル生成物は次に慣用のろ過技術を使用して反応混合物からろ過され、そして次に乾燥し粉砕してテクニカルグレードの製品を製造でき、あるいはさらに典型的には、エーテル化反応の副生物からのセルロースエーテルの分離によってさらに精製されることができる。これらの副生物は無機塩、例えば塩化ナトリウム、及びエーテル化剤の加水分解副生物、例えばエチレン又はプロピレングリコールを包含する。
【0003】
副生物からのセルロースエーテル製品の分離は通常、粗セルロースエーテル製品を水で洗浄することによって達成されるが、場合によっては、水と適切なアルコール(例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール)との混合物が使用できる。冷水に可溶性でないセルロースエーテル、例えばエチルセルロースは、冷水中で洗浄することによって容易に精製できる。熱水に可溶性でないが冷水に可溶性、例えばメチル、メチルヒドロキシエチル、メチルヒドロキシプロピル又はヒドロキシプロピルセルロースは、ゲル化又は凝集温度(その温度より高い温度で溶液からセルロースエーテルが沈殿する温度)より高い温度で熱水又は水蒸気で洗浄することによって反応副生物から分離できる。熱及び冷水に可溶性のセルロースエーテル、例えばカルボキシメチル又はヒドロキシエチルセルロースは、水性アルコール混合物(この混合物に反応副生物は可溶性であり、セルロースエーテルは不溶性である)による副生物の抽出によって反応副生物から分離できる。
【0004】
粗セルロースエーテル生成物の洗浄に続き、洗浄媒質は、反応副生物、典型的には無機塩、及びエーテル化剤の加水分解生成物を含む。ほとんどの場合、不幸なことに、これらの副生物に加えて、セルロースエーテル生成物の画分、最も可能性があるのはセルロースエーテルの低分子量画分、が洗浄媒質中に溶媒和する。この洗浄媒質中での生成物の損失は、冷水に可溶性のセルロースエーテル類、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、又はヒドロキシプピルセルロースの場合に最もよく起こる。セルロースエーテル生成物の溶媒和画分は収量の損失を生じる。さらに、洗浄媒質は典型的に廃棄物設備(ここで有機成分が生分解される)に送られるので、洗浄媒質中にセルロースエーテルが含まれることは処理施設に化学酸素要求(COD)の負荷を加える。さらに、セルロースエーテルはバクテリアによって容易には攻撃及び分解されず、すなわち生分解性が乏しく、廃棄物処理施設に困難性及び高い経費を生じ得る。それゆえ粗セルロースエーテル製品の洗浄媒質から可溶性のセルロースエーテルの分離ができる方法が探究される。そのような方法は、分離されたセルロースエーテルの精製ができ、反応からの副生物も実質的にセルロースエーテル生成物から分離できる。
【0005】
生成物の損失の可能性、並びに粗セルロースエーテルを洗浄する際の洗浄媒質の廃棄物処理において遭遇する困難性によって、効率的にそして経費効率的な様式で洗浄媒質から可溶性セルロースエーテルを分離・精製するための方法を提供することが有利であろう。多くの方法が、粗セルロースエーテル生成物から可溶性のセルロースエーテルを分離・精製しようとして使用されてきている。これらの方法のいくつかは化学処理剤、その後に機械的分離を使用するが、他のものは純粋に機械的分離を使用する。
【0006】
例えば、米国特許第4537958号及びJP-OS-28/68190は、粗セルロースエーテル生成物の洗浄からの洗浄媒質中に含まれる水溶性セルロースエーテルを不溶性にする方法を記述する。米国特許第4537958号は、水溶性セルロースエーテル溶液を酸性条件下でジアルデヒドと混合し、それによってセルロースエーテルを架橋によって不溶性にすることを含むが、JP-OS-28/68190は水溶性セルロースエーテルを(凝集剤として働く)フェノール化合物と反応させて、セルロースエーテルを沈殿させることを含む。不溶性のセルロースエーテル化合物は標準的なろ過又は遠心分離によって回収できる。洗浄媒質はそのような処理の後には実質的により少ない含有可溶性セルロースを含むが、セルロースエーテルを不溶性にするために洗浄媒質に加えられる化合物は洗浄媒質中に留まり、そしてその後の工程において処理しなければならない。さらに、沈殿したセルロースエーテルは添加した化合物との反応によって変性しており、主たるセルロースエーテル生成物と混合するのは適切でないかもしれない。
【0007】
米国特許第4672113号は、セルロースエーテルの製造中に得られる液体反応物及び/又は洗浄媒質を精製するための限外ろ過法を記述する。液体媒質を蒸留して反応の低沸点有機副生物を分離し、その後に水性蒸留残留物を(好ましくはポリエーテルスルホン膜を通して)限界ろ過してCOD値が減じられた透過物、及びほぼ等しい量のセルロースエーテルと無機塩とを含む濃縮物を生成する方法が記述されている。濃縮物流れ内のセルロースエーテル濃度は低く、そして大量の濃縮物の廃棄を避けるためにさらなる処理を必要とする。膜を通してのフラックス速度も低く、これによって高い膜面積を要求する。さらに、濃縮物はセルロースエーテル反応からの無機塩副生物をいまだに含んでおり、それによって純粋なセルロースエーテル生成物を回収するためにこの流れのさらなる処理を必要とする。
【0008】
米国特許第4672113号に開示される方法の欠点のいくつかを改善するために、米国特許第5500124号はセルロースエーテルの製造中に得られる液体反応物及び/又は洗浄媒質の精製を含む方法を開示する。この方法は、セルロースエーテルの凝集温度より高い温度での該媒質の限外ろ過を含む。限外ろ過は、再度言うが、好ましくはポリエーテルスルホン膜を使用して実施される。限外ろ過工程から得られた反応の濃縮物及び/又は洗浄媒質は無機塩副生物を未だに含んでおり、そしてそれはさらに酸化剤で処理されて、その結果溶解しているセルロースエーテルは酸化的に分解される。
【0009】
米国特許第5218107号は、水溶性のセルロースエーテル水溶液から水溶性の不純物(主として無機塩)を除去する方法であって、水溶性セルロースエーテル溶液を、水溶性の不純物の濃度が減じられかつ水溶性セルロースエーテルの濃度が増した処理水溶液を生じるために有効な条件において限外ろ過及びダイアフィルトレーション(Diafiltration:有用な成分から、それより小さいサイズの不純物を除く膜分離精製法)によって処理することを含む方法を記述する。膜を通して要求されるフラックス速(3−20 L/m2/時)は低く、高い膜面積及び非効率的な処理を招く。さらに、この特許は、高い温度においてより溶解性が低いセルロースエーテルについては、この方法の温度が増加してそのようなセルロースエーテルを不溶化し得ることを教示している。
【0010】
米国特許第5482634号は、セルロースエーテルを含む水性反応物及び/又は洗浄媒質を精製するための方法を記述する。この方法は、熱水可溶性のセルロースエーテルの凝集点より高い温度に水性媒質を加熱し、そして沈殿したゲルをソリッドボウル(solid-bowl)遠心分離機又はディスクセパレーター(disk-separator)を使用して分離し、その後水性の液を限外ろ過(好ましくはポリエーテルスルホン膜を通して)によって少なくとも40の濃度比へと処理することを含む。水性媒質の最初の加熱は限外ろ過処理の前にゲルを除去する目的のために役立つ(多分、膜を通じての流速をより高くできる)。複雑な高温遠心分離又は円盤分離(disk separation)を加えることなく、膜を通しての妥当な流速で限外ろ過を実施できることは有利であろう。
【発明の開示】
【0011】
この従来技術の見地から、本発明の目的は、水性溶液から、特にセルロースエーテル生成物の精製において得られる洗浄媒質から、セルロースエーテルを回収するためのさらに有効でそして効率的な方法を提供することである。
【0012】
この目的は、本発明に従い、水性溶液からセルロースエテーエルを回収するための方法であって、
(a)該水溶液を、該セルロースエーテルの凝集温度よりも低い温度において限外ろ過膜装置を通過させること、ここで該装置は該限外ろ過膜の表面に強化された剪断を生じる、
(b)工程(a)において得られた保持物を水で希釈すること、ここで水の保持物に対する体積比は1:1〜40:1であり、
(c)工程(b)において得られた希釈された保持物を該セルロースエーテルの凝集温度よりも低い温度において限外ろ過膜装置を通過させること、ここで該装置は該限外ろ過膜の表面に強化された剪断を生じる
の工程を含む、方法によって解決される。
【0013】
本発明の方法にかけられるセルロースエーテルを含有する水性溶液については以下に説明する。
セルロースエーテルは水性系にレオロジー制御を与えるポリマーである。それらは、水酸化アルカリ(例えば水酸化ナトリウム)と適切なエステル化剤(例えばモノクロロ酢酸、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド、メチルクロライド又はエチルクロライド等)との反応によるセルロースのアルキル化によって製造される。例えば、カルボキシメチルセルロースは、セルロースと水酸化ナトリウムとモノクロロ酢酸との反応で製造でき、メチルセルロースはセルロースと水酸化ナトリウムとメチルクロライドとの反応によって製造できる。メチルセルロースの混合エステル、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース又はメチルヒドロキシプロピルセルロースは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドのメチルセルロース反応媒質にの添加によって製造できる。
【0014】
本発明の方法によって回収されるセルロースエーテルは好ましくは、冷水よりも熱水において低い溶解性を有するセルロースエーテルである。本方法は特に、メチルセルロース、メチルヒドロキシセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースを回収するために好ましい。
【0015】
本発明の方法において使用されるセルロースエーテルを含有する水性溶液は好ましくは、セルロースエーテルの製造において廃棄物として得られる粗セルロースエーテルの精製中に得られる洗浄媒質である。
【0016】
セルロースのアルキル化及びエステル化反応もまた、反応の副生物、例えば塩及び種々のエステル化剤の加水分解生成物の形成を引き起こす。これらの副生物は塩、例えば塩化ナトリウム及び/又は酢酸ナトリウム、並びに加水分解生成物、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール、及び/又はメタノールを包含し得る。セルロースエーテル生成物と上述の副生物との混合物はここでは「粗セルロースエーテル生成物」と呼ばれる。ほとんどの場合、精製セルロースエーテルを製造するために、粗セルロースエーテル生成物から副生物が分離される必要がある。粗セルロースエーテル生成物の精製は通常、熱水及び/又は熱アルコール水溶液での洗浄によって達成されるが、どのような数の有機又は水性溶液でも、それらがセルロースエーテル反応の副生物を可溶化するのに有効である限り使用できる。粗セルロースエーテル生成物の水又は水性アルコール溶液での洗浄は、反応生成物を洗浄用媒質へと取り除く。しかし、多くの場合、生成される特定のセルロースエーテルに依存して、その洗浄はまたセルロースエーテルの一部を可溶性にする,。この可溶化されたセルロースエーテルはもっとも、洗浄液体にそれを可溶性とする低分子量又はエステル化度のいずれかを有する粗セルロースエーテル生成物の画分を含みやすい。異なるセルロースエーテルは使用する温度又は特定の洗浄液体に応じて、洗浄液体中の溶解度が異なる。粗セルロースエーテル生成物の洗浄によって得られる洗浄液体(反応の副生物を含有する)、並びに可溶性のセルロースエーテル生成物(又は洗浄液体に通過して入った不溶性のセルロースエーテル生成物)を「洗浄媒質」とよぶ。典型的には、洗浄媒質は0.5〜20g/リットルのセルロースエーテル及び50〜150g/リットルの塩の濃度、さらに典型的にはセルロースエーテルの濃度が2〜10g/リットル及び塩の濃度が70〜100g/リットルである。他の反応副生物は典型的に洗浄媒質中で1g/リットルのの濃度を有する。本発明を使用しないと、洗浄媒質は典型的には廃棄物処理施設に送られるだろう。洗浄媒質中に含有されるセルロースエーテルはそれによって失われる。さらに、可溶性のセルロースエーテルは典型的には、生分解性が乏しく、そして可溶性のセルロースエーテルが除かれた洗浄媒質と比較して廃棄物処理施設でのCOD負荷が非常に増大する。
【0017】
本発明の方法の工程(a)において、セルロースエーテルを含有する水溶液が、セルロースの凝集温度未満の温度で限外ろ過膜の表面で高い剪断力をつくっている限外ろ過膜装置を通される。すなわち、水溶液は限外ろ過にかけられる。
【0018】
限外ろ過は分子レベルで起こる膜分離法であり、膜を横切る圧力差によって駆動される。膜は、サイズ排除機構によって達成されるべき分離を可能とする、決められた孔構造を有する薄い固体のバリアである。膜分離法は、膜分離が分離される生成物を化学的に変えたり破壊せず、よって分離された成分がリサイクルでき再使用できると考えられるという事実によって、蒸留又は錯化のような他の分離技術と比較して望ましい。膜の孔よりも小さい液体及び成分は膜を通過するが、これより大きい成分は膜を通過せず、残る。残った成分を含有する流れは濃縮物(concentrate)又は保持物(若しくは非透過物:retentate)として知られており、膜を通過する流れはろ過物又は透過物として知られている。透過物が膜を通過する速度は膜生産量として知られている。この膜生産量は膜の表面積と関連づけられる。表面ん席を基準とした生産量は膜フラックスと呼ばれる。限外ろ過法の目的は、流れ中のある成分を回収又は濃縮するのいずれか、及び/又は流れ中の成分を除去して、精製された透過物流れをつくることである。
【0019】
膜ろ過の使用はしばしば、低い膜フラックス、それによる高い資本支出、並びに膜表面の汚染によって、実行可能な生産スケールの分離法として制限される。よごれは膜フラックスの長期間の損失を生じ、そしてフィルム層が形成されることにつながる膜表面上の成分の蓄積によって、又は孔のつまりにつながる膜孔内での成分の蓄積によって生じ得る。結果として、膜の頻繁な洗浄が必要となり、これは劣化を引き起し、そして膜の置換を促進し、それによって使用の際の膜濾過の経費を増す可能性がある。
【0020】
典型的には、汚れ層の厚さを最小限にするために使用され、それによって膜フラックスを増す方法は、直交流(クロスフロー)濾過によって膜の表面において剪断を生成させることである。直交流濾過において、供給流れは膜を通って、表面に平行に高速でポンプ送りされる。しかし、高い速度は、直交流濾過を、低い粘度の流れに限定し、それゆえ全体的に低い濃度の保持される成分に効果的に限定する。直交流濾過は汚れのフィルム層の蓄積を減じるが、それを消去しない。これは、直交流濾過によって生じた剪断速度(典型的には20000秒-1未満)が膜表面における乱流をつくり出すために不十分であるという事実による。これによって保持成分の汚れ層の蓄積が膜フラックスの相当する低下とともに起こる。
【0021】
本発明に従い、限外濾過膜装置によって限外濾過膜の表面に強化された剪断がつくりだされる。用語「強化された剪断」とは、本発明の意味において供給流れの直交流速度に無関係である剪断を意味するために使われる。限外濾過膜装置によって作られる強化された剪断は、振動、スピンする円盤、又はスピンする円筒によってつくることができ、そしてそれは100000秒-1、より大きく、好ましくは130000秒-1よりも大きい剪断速度に相当するものである。
【0022】
振動による剪断力の生成が好ましい。すなわち本発明において使用する限外濾過膜装置は好ましくは振動限外濾過膜装置である。振動限外濾過装置において、膜は特定の振動数および特定の幅で振動する。装置によって造られる剪断力は、振動数及び幅によって調節できる。振動数の典型的な数値は40〜80Hzであり、強度の典型的な値は1〜4cm(0.5〜1.5インチ)の範囲である。
【0023】
特に好ましい限外濾過膜装置は、VSEPとよばれるもので、振動剪断強化法のためのものであり、カリフォルニア州エメリービルのNew Logic International Inc.が製造している。VSEPはプレート及びフレームシステム(plate and frame system)というものであり、膜自体がねじれ振動によって膜表面において剪断をつくりだす。振動は剪断力の波を生み出し、これが膜表面で乱流をつくる。生成された剪断速度は150000秒-1近くの高さにまで達することができ、典型的な直交流濾過の場合の5倍以下である。この剪断力の増加は膜表面における停滞したフィルム層を実質的に除去し、そして直交流膜濾過と比較して同様の膜についてより高い膜フラックスを可能とする。代わりに、濾過の保持効率を改善するために、よりきつめの、すなわちより孔径の小さい膜を使用する機会が存在する。
【0024】
本発明の方法の工程(a)において達成される限外濾過において、水性溶液はセルロースエーテルの凝集温度未満に維持される。用語の凝集温度は本技術における当業者に既知であり、その温度よりも高いとセルロースエーテルが溶液から析出する温度と定義される。凝集温度は第1に置換の程度に依存し、第2に分子量に依存する。本発明に従い、主生成物を構成するセルロースエーテルの凝集点を決定するための標準的な方法が使用される。洗浄媒質内に含まれる精製すべきセルロースエーテルは、主生成物について決定される凝集温度と同じか、またはそれが低い分子量を有する場合には主生成物について決定される凝集温度よりも高い凝集温度を有するが、一般にはそれより低い凝集温度は有しない。よって本発明の方法を実施する際に洗浄媒質内に含有されるセルロースエーテルの下限凝集温度がわかる。
【0025】
セルロースエーテルの沈殿を避け、そして同時に膜表面に強化された剪断をつくりだすことによって膜フラックスが最大化されることが驚くべきことにみいだされた。水溶液の温度は好ましくはそれが凝集温度のすぐ下であるように調節される。これが好ましいのは、凝集温度をさらに下げることによって溶液の粘度が増し、膜フラックスが不必要に減じられるからである。水溶液の温度は、プロセスの温度を制御する手段によって調節でき、これはまた温度が変化でき、そして工程(a)の過程で調節されることを可能とする。
【0026】
工程(a)において使用する限外濾過膜は、非対称又は対称膜、1層より多い膜を有する複合膜、又は1層のみを有する膜であることができる。それはセラミック又はポリマー物質、例えばポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、または酢酸セルロースからつくられ得る。好ましい膜はポリスルホン、ポリエーテルスルホン、またはポリアミド膜であり、ポリアミド膜が特に好ましい。本発明にしたがって好ましく使用されうるポリアミド膜の例は、米国、カリフォルニア州のゴレタのTrisep CorporationからのTS−40を含む。この膜は好ましくは分子量カットオフを有し、これがセルロースエーテルの高い保持を可能とし同時に強化された剪断力による高い膜フラックスを提供する。分子量カットオフの等級(孔径の尺度)は好ましくは100〜10000ダルトン、さらに好ましくは150〜2000ダルトンである。カットオフ等級の正確な値は回収されるべきセルロースエーテルの分子量に依存し、そして適切に選択される。
【0027】
上記したように、温度はセルロースエーテルの凝集温度以下に、典型的には80℃未満、好ましくは65℃未満に維持されるべきである。
【0028】
操作圧力は好ましくは2〜40、さらに好ましくは10〜30バールである。保持側の圧力は好ましくは透過側よりも高く、そして好ましくは透過物フラックスと相関して上昇される。透過側の圧力は、一般的は大気圧である。
【0029】
工程(a)の平均透過物フラックスは好ましくは10〜100リットル/m2時である。
本発明の方法の工程(b)において、工程(a)において得られる保持物を溶媒中に、溶媒対保持物の体積比で1:1〜40:1、好ましくは1:1〜20:1、さらに好ましくは2:1〜10:1の範囲に希釈される。工程(a)の保持物流れは、工程(b)において加える体積の水で、連続的に又はバッチ様式のいずれかで混合される。本発明に従い、それがセルロースエーテル及び塩を溶解し、そして膜と反応しないことを条件として、いかなる溶媒も使用し得る。ポリアミド膜については水、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール類、エーテル類、ケトン類が適している。水の溶媒としての使用が好ましい。
【0030】
好ましい態様において、工程(b)は工程(c)と同時に実施される。すなわち、工程(b)において加えた量の溶媒を工程(b)において得られた保持物流れと混合され、その内容物を次に、工程(c)において、強化された剪断をつくりだす限外濾過膜装置を、セルロースエーテルの凝集温度未満の温度で通過させる。
【0031】
工程(c)からの透過物を捨て、保持物をタンクに再循環し、そこで溶媒で連続的に希釈する。溶媒の流れは好ましくは工程(c)で得られる透過物流れに等しいように設定される。この方法は、工程(c)において得られる保持物流れ内の塩の濃度が望まれる程度に減じられるまで継続される。この時点で、タンクを空にし、そして工程(a)からの新しいバッチの保持物をタンク内に入れ、そして方法を繰り返す。
【0032】
工程(b)と(c)の組み合わせはダイアフィルトレーション工程である。ダイアフィルトレーションは、溶質、典型的には水が系内に、系で使用される濾過速度よりも低いかまたは同じ速度で注入される。正味効果は膜を通る可溶性成分を洗い出し、膜を通過しない成分を保持するというものである。
【0033】
本発明において、ダイアフィルトレーションによって塩及び他の水溶性不純物を洗い出すために水が溶媒として好ましくは添加される。ダイアフィルトレーションの間、ダイアフィルトレーションが水性溶液中のセルロースエーテルの濃度と無関係になされるように、溶媒の添加速度は、膜を通る透過物の損失の速度に実質的に等しいように好ましくは設定される。ダイアフィルトレーションは一般にセルロースエーテルの保持物の体積がもっとも低いときにもっとも効率がいい。
【0034】
使用される限外濾過膜装置、方法の条件、例えば温度、圧力及びフラックス、使用する膜などについて、工程(a)と同じ条件及び物質が工程(c)に適用できる。
すなわち、工程(c)の限外濾過は、好ましくはポリアミド膜、例えばTS−40を使用して実施される。上述のように、他の膜も適している。膜は好ましくは、(強化剪断モジュールのような)振動装置、例えば上述したVSEP系内に取り付けられる。ポリアミド膜は好ましくは分子量カットオフ等級(孔径の尺度)100〜10000ダルトン、好ましくは150〜2000ダルトンを有するべきである。温度はセルロースエーテルの凝集温度未満、典型的には80℃未満、好ましくは65℃未満に維持されるべきであり、操作圧力は典型的には2〜40バール、好ましくは20〜30バールである。
【0035】
工程(c)の終わりに、セルロースエーテルは50〜5000g/L、典型的には150〜400g/Lの濃縮物流れ内の濃度、及び2〜30g/L、典型的には5〜20g/Lの塩濃度を有する。
【0036】
本発明の工程(a)〜(c)は、バッチ様式、又は連続法として、どちらでも実施できる。さらに、工程(a)〜(c)はどのような組み合わせでも、すなわち工程(a)が中間の濃度まで実施され、その後工程(b)及び(c)、その後他の工程(a)、再度工程(b)及び(c)などで実施し得る。工程(b)及び(c)を種々の回数、好ましくは2〜5回繰り返すのが特に好ましい。
【0037】
工程(a)及び工程(c)の両方からの透過流れは透明な液体であり、そして実質的にセルロースエーテルが減じられている。本発明の方法を実施することによって、多くの場合において、検出できる量のセルロースエーテルを含まない透過物流れを生成することが見いだされた。透過物流れは廃棄物処理施設に送ることができる。保持されたセルロースエーテルは透過物流れ内に残った有機成分よりも生物学的に攻撃され難いので、透過物流れはさらに容易に生物分解される。
【0038】
工程(c)において得られる濃縮物流れは高濃度のセルロースエーテルの流れであり、そして塩のような不純物を実質的に含まない。洗浄媒質中のセルロースエーテルの回収全体は一般に、65〜100%、典型的には80〜95%である。この流れは価値ある製品として回収でき、または固体製品を好ましくは乾燥粒状形態で回収するためにさらに加工(乾燥、好ましくはスプレードライ、粉砕など)のために送ることができる。代わりに、濃縮溶液を主セルロースエーテル生成物の乾燥工程内に再循環できる。(この生成物は粗セルロースエーテル生成物から標準的な濾過技術によって回収される。)
以下の実施例からわかるように、本発明の方法は、高い膜フラックスでのセルロースエーテルの良好な保持を与えるので非常に効率的で有効である。
【0039】
本発明の方法は以下の実施例によって例示され、これは本発明の範囲を限定するように理解してはならない。以下の実施例において使用する洗浄水は、可溶性で低分子量のセルロースエーテルを含有しており、そして粗セルロースエーテル生成物を洗浄することによって得ている。
【実施例】
【0040】
実施例1
メチルヒドロキシエチルセルロースの調製からの洗浄水全2500リットル(6.9g/Lのセルロースエーテル(数平均分子量約12000)及び85g/Lの塩化ナトリウムをを含有)を、強化剪断限外濾過系(enhanced shear ultrafiltration system)を使用した限外濾過によって濃縮する。New Logic International Incorporatedによって製造されるVSEPシリーズP強化剪断限外濾過系(〜1.5m2のポリアミド膜,:Trisep Corporationから得られるTS-40:分子量カットオフ約180ダルトン)を装着)を使用する。強化された剪断は膜パックの振動によって得られる。振動の幅及び振動数は、2cm、及びほぼ45Hzとそれぞれ設定され、そして限外濾過を通じて一定に保たれた。限外濾過はバッチ様式で行われ、洗浄水はセルロースエーテルの凝集温度未満であるほぼ60℃に保たれた。20バールの操作圧力において、60L/m2時の初期透過物フラックスをえる。2014リットル(L)の全透過物を膜を通過させ、保持物は全486リットルであり、5.14倍の全濃縮である。濃縮の最後の透過物フラックスは37L/m2時に減少した。平均透過物フラックスは50L/m2時であった。透過物は0.10g/Lのセルロースエーテルを含有していた。保持物は35g/Lのセルロースエーテルの濃度であった。この濃縮物中のTS−40ポリアミド膜によるセルロースエーテルの保持は98.8%に相当する。
【0041】
実施例2
実施例1からの濃縮された洗浄水を、塩化ナトリウムを減じるためにダイアフィルトレーション処理する。ダイアフィルトレーションはバッチ様式で、水の保持物への段階的な添加、その後のVSEP系を使用した濃縮によって実施する。514リットルの水を実施例1からの保持物へ加え、そして次に濃縮する。初期透過速度は、20バールの操作圧力、及び55〜60℃において72L/m2時であった。全部で750リットルの透過物を膜を通過させ、保持物は全部で250リットルであった。この濃縮の最後での透過物フラックスは51L/m2であり、平均透過物フラックスは61L/m2であった。透過物中のセルロースエーテル濃度は0.14g/Lである。
【0042】
上述の保持物へ250Lの水を添加し、その後濃縮することによってダイアフィルトレーションを継続する。初期透過物フラックスは53L/m2時である。全部で375リットルの透過物を膜を通過させ、保持物は全部で125リットルであった。濃縮の最後における透過物フラックスは21L/m2時、平均375リットルの透過物を膜を通過させ、保持物は全部で125リットルであった。濃縮の最後における透過物フラックスは21L/m2時、平均透過物フラックスは28L/m2時であった。透過物のセルロースエーテル濃度は0.10g/Lである。
【0043】
最終のダイアフィルトレーション工程は、125リットルの水を最終のダイアフィルトレーション段階からの保持物に加え、その後濃縮することによって達成される。この最終ダイアフィルトレーション工程における初期透過物フラックスは48L/m2時である。全部で231リットルの透過物が膜を通過し、保持物は全部で69リットルであった。濃縮の最後において膜を通る保持物フラックスは10L/m2時であり、平均透過物フラックスは23L/m2時である。透過液のセルロースエーテル濃度は0.1g/Lであることが見出された。
【0044】
洗浄水中の塩化ナトリウム濃度は85g/Lから8.4g/Lへと減じられた。上述の段階的ダイアフィルトレーションにおいてTS−40ポリアミド膜によるセルロースエーテルの全保持量は99.0%である。最終の保持物セルロースエーテル濃度は245g/Lであり、ダイアフィルトレーションの全平均透過物フラックスは38L/m2時である。
【0045】
実施例3
メチルヒドロキシプロピルセルロースの調製からの洗浄水全2250リットル(4.3g/Lのセルロースエーテル(数平均分子量約8000)を含む)を、VSEPシリーズP強化剪断限外濾過系を使用した限外濾過によって濃縮する。セルロースエーテルの保持に対する膜孔径の影響を決定するために、カリフォルニア州オーシャンサイドのHydronautics Corporationから入手できる1000ダルトンの分子量カットオフのほぼ1.5m2のNTR 7410ポリエーテルスルホン膜をVSEPに装着した。振動幅は1.8cm(3/4インチ)に設定し、そして限外濾過を通じて一定に維持する。限外濾過は、セルロースエーテルの凝集温度よりも低いほぼ60℃の温度に洗浄水を維持しながらバッチ様式で行う。10バールの操作圧力で31L/m2時の初期透過物フラックスをえる。洗浄水が2.7倍の濃縮係数に達したとき、透過物フラックスは23L/m2時に減じられた。操作圧力を14バールに増し、そして透過物フラックスは38L/m2時に増加した。洗浄水が4.4倍の濃縮係数に達したとき、透過物フラックスは36L/m2時に減少した。操作圧力を17バールに増し、そして透過物フラックスは43L/m2時に増加した。洗浄水が12倍の濃縮係数に達したとき、透過物フラックスは34L/m2時に減少した。操作圧力を24バールに増し、透過物フラックスが44L/m2時に増加した。洗浄水をさらに15倍の全濃縮係数に濃縮した。濃縮の最後での透過物フラックスは37L/m2時であった。全部で2100リットルの透過物が膜を通過した。保持物濃縮物は58g/リットルのセルロースエーテル濃度であると見いだされた。この濃度におけるNTR7410ポリスルホン膜によるセルロースエーテルの保持率は90%に相当する。
【0046】
実施例4
150リットルの実施例3の濃縮物をダイアフィルトレーションして塩化ナトリウム濃度を減じ、そしてさらに濃縮する。濃縮物の塩化ナトリウム濃度は84g/Lである。ダイアフィルトレーションを、希釈水の濃縮された洗浄水への1回添加によってバッチ様式で実施する。希釈した濃縮物を次にNTR7410ポリスルホン膜を装備したVSEPシリーズP系に供給する。604リットルの水を150リットルの実施例3の濃縮物に加える。ダイアフィルトレーションを、ほぼ60℃、及び20バールの操作圧力で実施する。ダイアフィルトレーションの始めに、透過物フラックスは36L/m2時であった。全部で700リットルを膜を通過させ、保持物は全部で54リットルであった。保持物の最終濃度は139g/Lであり、塩化ナトリウム濃度が16g/Lであることが見いだされた。透過物フラックスがこの最終濃度で32L/m2時に減じられた。セルロースエーテルの保持率は86%であった。
【0047】
実施例5
メチルヒドロキシエチルセルロースの調製からの洗浄水(5.6g/Lのセルロースエーテルを含む)を、VSEPシリーズL強化剪断限外濾過系を使用した限外濾過によって、振動有り及び無しで濃縮する。VSEPシリーズLユニットは0.045m2のTS−40ポリアミド膜を装備している。濃縮はいずれもバッチ様式でほぼ55℃(セルロースエーテルの凝集温度未満)、及び14バールの操作圧力において実施する。
【0048】
操作の非振動モードにおいて、剪断を膜表面上の保持物の流れによって与える。直交流速度を0.7m/秒に設定する。限外濾過の開始において、透過物フラックスは41L/m2時であるが、これは10g/Lのセルロースエーテル濃度において迅速に22L/m2時に降下し、そして次にさらに40g/Lのセルロースエーテル濃度で5L/m2時に降下する。
【0049】
上で使用した同じ洗浄水を同様に濃縮したが、剪断を主として膜パックの振動によって誘導する。振動の振動数及び幅はそれぞれ2cm及び45Hzに設定する。保持物の直交流速度は0.1m/秒である。限外濾過の開始での透過物フラックスは65L/m2時であり、40g/Lのセルロースエーテル濃度で47L/m2時で減少する。
【0050】
実施例6
メチルヒドロキシエチルセルロースの調製からの洗浄水(3300の数平均分子量を有する9.1g/Lのセルロースエーテル)を、VSEPシリーズLの強化剪断限外濾過系を使用してバッチ様式で限外濾過によって濃縮する。系はNTR74210ポリスルホン膜を備えている。2種の濃度の試験を実施する。洗浄水は、セルロースエーテルの凝集温度未満であるほぼ55℃、及びセルロースエーテルの凝集点より高い80℃の両方で濃縮する。両方の場合の操作圧力を20バールに設定する。濃縮の始めに、透過物フラックスは、55℃及び80℃において、それぞれ100L/m2時及び143L/m2時である。ほぼ3倍の濃縮係数において、透過物フラックスは各温度においてほぼ90L/m2時である。ほぼ9倍の濃縮係数において、透過物フラックスは55℃(セルロースエーテルの凝集温度未満)の試験について70L/m2時であり、80℃の試験(セルロースエーテルの凝集温度より上)についてわずか30L/m2時である。

Claims (18)

  1. 水性溶液からセルロースエーテル類を回収するための方法であって、
    (a)該水溶液を、該セルロースエーテルの凝集温度よりも低い温度において限外ろ過膜装置を通過させること、ここで該装置は該限外ろ過膜の表面に強化された剪断を生じる、
    (b)工程(a)において得られた保持物を溶媒で希釈すること、ここで溶媒の保持物に対する体積比は1:1〜40:1であり、
    (c)工程(b)において得られた希釈された保持物を該セルロースエーテルの凝集温度よりも低い温度において限外ろ過膜装置を通過させること、ここで該装置は該限外ろ過膜の表面に強化された剪断を生じる
    の工程を含む、前記の方法。
  2. 工程(a)及び/又は工程(c)における限外ろ過膜装置が振動限外ろ過装置である、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)及び/又は工程(c)における限外ろ過膜装置がポリアミドを含む膜を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. セルロースエーテルが冷水よりも熱水において低い溶解性を有するセルロースエーテルである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. セルロースエーテルが、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(b)及び(c)が同時に実施される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 工程(c)において得られる保持物を乾燥して、乾燥粒状形態のセルロースエーテルを回収することをさらに含む、セルロース1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 操作圧力が2〜40バールである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 工程(a)及び(c)における温度が80℃未満である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 工程(a)及び/又は工程(c)の限外ろ過膜装置内の膜の分子量カットフ等級が100〜10000ダルトンである、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 平均透過物フラックスが10〜100リットル/m2時である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 水性溶液が粗セルロースエーテルの精製において得られた洗浄媒質である、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 工程(a)の前のセルロースエーテルの水性溶液中の濃度が0.5〜20g/リットルの範囲である、請求項12に記載の方法。
  14. 水性溶液が工程(a)の前に50〜150g/リットルの濃度で塩を含む、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 工程(b)及び(c)が繰り返し実施される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 工程(c)からの保持物が工程(b)へと再循環され、そして工程(b)への溶媒の添加速度が工程(c)の透過速度に等しくなる様に調節される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれかの方法によって得られるセルロースエーテル。
  18. 水保持助剤、増粘剤、保護コロイド、懸濁剤、結合剤又は安定剤としての、請求項17に記載のセルロースエーテルの使用。
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