JP2005505687A - 架張シャドウマスク用鉄―ニッケル合金からなる金属帯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平面モニター、ディスプレーに使用される、架張Fe−Ni系合金シャドウマスクの製造方法。
【解決手段】最終厚さへの冷間圧延に続いて、35−38%Ni, 0.4−0.8%Mo, 0.1−0.3%Cr, 0.08−0.12% C,最大 1%Mn, 最大1%Si,最大 1%Nb、残部Fe及び製造に起因する不純物からなる化学組成の帯に、保磁力Hcが急峻に降下して最小値をとり、そして焼鈍温度上昇によって実質的に変化せずに保たれる予め設定可能な温度で連続焼鈍又は箱焼鈍を施す。
【解決手段】最終厚さへの冷間圧延に続いて、35−38%Ni, 0.4−0.8%Mo, 0.1−0.3%Cr, 0.08−0.12% C,最大 1%Mn, 最大1%Si,最大 1%Nb、残部Fe及び製造に起因する不純物からなる化学組成の帯に、保磁力Hcが急峻に降下して最小値をとり、そして焼鈍温度上昇によって実質的に変化せずに保たれる予め設定可能な温度で連続焼鈍又は箱焼鈍を施す。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は平面モニター及びディスプレーに用いられる架張シャドウマスク用鉄―ニッケル合金からなる金属帯の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
約36%ニッケルの鉄基合金は20と100℃の間での熱膨張係数が低いために既に数年来モニター及びテレビジョン装置の成形シャドウマスクに使用されている。約36%ニッケルの工業的鉄-ニッケル合金の熱膨張係数は、従来のディスプレー管で主流の20から100℃の温度領域においては軟化焼鈍状態で1.2と1.8×10-6/Kの間である。これは鉄鋼材料規格(SEW-385,1991年版)に示されている。
【0003】
成形シャドウマスクには、20から100℃の温度領域において0.6と1.2×10-6/Kの間より低い熱膨張係数をもつ約36%ニッケル材料がさらに開発され、使用されている。
【0004】
ディスプレーはより大型化しかつ特に平面化したものが開発されるに伴い、ディスプレー管の製造者は成形シャドウマスクの技術と並行して架張シャドウマスクも行なっている。架張シャドウマスクの場合は、約36%ニッケルの鉄-ニッケル薄箔がエッチングされ、溶接法により大型の金属枠に固定されるので、箔は応力下で型に保持される。枠とシャドウマスクの結合体に熱処理が施され、これによりカラー管に有利な酸化層が作り出される。従来使用されてきた架張マスク用帯は冷間圧延工程で最終厚さに仕上られている。このようにして仕上られたシャドウマスクの磁気的保磁力Hcは高くなっているので、従来の製造方法ではディスプレー管の製造者は比較的高く選定された温度の熱処理により、磁気的保磁力磁界強度を約400A/mの比較的低い値に下げ、地磁気の妨害作用に対する電子流の遮蔽効果を達成してきた。そのために、高く選定された温度とは約550と650℃の間であり、この温度で荷重下熱処理を行うと、約138MPaの試験荷重で例えば約0.6%の比較的大きなクリープ伸びが発生することがわかった。この結果、熱処理後シャドウマスクが冷却された後に応力が消失して必要な機械的安定性が失われ又シャドウマスク形状が捉われる。非常に大きなディスプレーではシャドウマスクの面も非常に大きいことがさらに困難をもたらす。すなわち、非常に大きなシャドウマスクでは、電子流軌道を地磁気界による妨害から有効に遮蔽するためには、保磁力は400A/mよりも著しく小さくなければならない。
【0005】
DE-A 199 44 578に記載された鉄−ニッケル合金は、特にNi 35から38%, Mo 0.4から 0.8%, Cr 0.1から 0.3%、 C 0.08から 0.12%, Mn最大 1%, Si最大 1% Nb最大 1%の含有量(質量%)をもつ。この合金の熱膨張係数は20と100℃の間で約1.5×10-6/Kである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明対象の目的は、熱膨張係数が十分に低く、かつ保磁力が著しく低く、しかもクリープ伸びが著しく低い架張シャドウマスクを適切な鉄−ニッケル合金を使用して製造する方法を提供する代替法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、平面モニター及びディスプレーに用いられる架張シャドウマスク用鉄−ニッケル合金からなる金属帯の製造方法において、最終厚さへの冷間圧延に続いて、35−38%Ni, 0.4−0.8%Mo, 0.1 −0.3%Cr, 0.08−0.12% C,最大 1%Mn, 最大1%Si,最大 1%Nb、残部Fe及び製造に起因する不純物からなる化学組成(質量%)の帯に、予め設定可能な温度で連続焼鈍又は箱焼鈍を施す際して、この温度を保磁力磁界強度Hcが急峻に降下して最小値をとり、そして焼鈍温度上昇によって実質的に変化せずに保たれる温度とすることにより達成されることは驚くべきである。
【0008】
本発明の好ましい変形実施態様は従属する下位請求項から理解できるであろう。
【0009】
DE-A 199 44 578による技術の水準で請求されている合金は本発明方法により処理して、所望のパラメータを得るのに適している。一般的技術の水準を代替する製造方法によると、保磁力磁界強度<100A/m、予め設定可能な試験条件、例えば1h及び460℃かつ138MPaの荷重でのクリープ伸び <0.1% を達成する架張シャドウマスクを製造することができる。
【0010】
さらに、架張シャドウマスク用帯に必要な技術的特性は、特にこの鉄−ニッケル合金を使用して本発明の製法で達成することができる。
【0011】
上記した鉄−ニッケル合金は弧光炉で溶製し、鋳塊形態に鋳造し、鋳塊を熱間圧延工程でスラブに、またスラブを厚さが約4.0mmの熱間圧延帯に成形した後、これを多段の冷間圧延工程及びこの中間に行なわれる連続炉による熱処理により所望の最終厚さの冷間圧延帯に仕上げる。この状態までは技術の水準の仕上法に相当する。
【0012】
保磁力磁界強度Hcはこの冷間圧延状態では約600A/mであり、この値は枠に架張されたシャドウマスクに黒化焼鈍を施しても約400A/mにしか下がらない。また黒化焼鈍中にシャドウマスクはその張力も失わない。
【0013】
本発明により、冷間圧延状態の鉄−ニッケル合金帯に付加される仕上方法は、最終厚さに圧延された鉄−ニッケル合金帯に、シャドウマスクのためのエッチング工程の前に、連続炉もしくは箱焼鈍炉のいずれかによる熱処理を施すものである。ここでは、保磁力Hcが急峻に降下して最小値に低下し、焼鈍温度を高めた際にほとんど変化しない温度ないし温度領域が用いられる。好ましく適用される温度域は750−850℃である。
【0014】
鉄−ニッケル合金を上述したが、技術の水準に属す他の鉄−ニッケル合金も上記型式の焼鈍処理により約100A/mより低い保磁力を達成することができる。最適焼鈍温度は、保持時間の他に使用された鉄−ニッケル合金の化学組成並びに焼鈍処理前に適用された冷間成形度に依存する。
【0015】
枠に架張されたシャドウマスクに十分な黒化焼鈍を施す条件は荷重138MPa 460℃、1hの試験条件がシミュレーションすることができる。驚くべきことには、上記した鉄−ニッケル合金の本発明による焼鈍帯はこの条件で<0.1%の非常に低いクリープ伸びを実現する。平坦性を改良するために必要とされることがある再処理段階では保磁力磁界強度の上昇は僅かであるので、200A/m未満の値が保持される。
【0016】
上述のように、架張シャドウマスク用鉄−ニッケル合金帯を製造する仕上方法が提供されるので、大型カラーディスプレーが使用可能となる。従来は枠と架張シャドウマスクとの結合体の高温での特別な熱処理は不可能であったのに比べ、本発明の仕上方法によると、シャドウマスク製造のエッチング工程前の保磁力が小さくなり、磁気的挙動が改善される。このことは、管製造者には著しい利点がとなる。このために特性改善という技術的側面がある一方、通常の熱処理に加えて追加工程の熱処理が必要でないので、管製造は確実となり、かつ単純化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
鉄ニッケル合金の実施例の化学組成(質量%)は、0.087%C, 0.0008%S, 0.001%N, 0.18%Cr, 36.40%Ni, 0.14%Mn, 0.10%Si, 0.62%Mo, 0.01%Ti, 0.05%Nb, 0.01%Cu, 0.002%P, 0.001%Al, <0.001%Mg, 0.01%Co、残部Feであり、50%の加工度で厚さが0.10mmに圧延し、そして連続炉で800℃、45sの保持時間で焼鈍を行なった。この結果、72A/mの保磁力と、荷重138MPaで460℃、1hの試験条件において0.037%のクリープ伸びが達成された。
【0018】
この製造方法は、クリープ強度を改善しつつ非常に低い磁気的保磁力を達成するものであって、化学組成が技術の水準に相当する架張シャドウマスク用鉄−ニッケル合金帯材に適用することができる。当業者は適用例に好適な分析値を適合させることができる。
【0019】
所望特性を達成する好ましい方法は再結晶温度領域で焼鈍を行なうものである。(最低Hc値を達成するより上の)再結晶温度は成形加工度及び保持時間に依存する。必要な焼鈍保持時間は焼鈍温度に依存し、逆に材料が変わると種々のパラメータセットが与えられる。一般には、600と1100℃の間の温度領域及び10sから4hの保持時間を当てはめることができる。
【0020】
本発明に係る製造方法の別の実施態様では、鉄−ニッケル合金帯を引張りつつ連続炉で熱処理するか、あるいは、引張りながら巻き取られたコイルを箱焼鈍炉で焼鈍する。これにより、製造中にすでに機械的クリープを予め与えて、残留クリープ伸びを荷重下の事後熱処理により解放して著しく小さくなる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
鉄−ニッケル合金帯を引張りながら連続炉で熱処理するかあるいは引張ながら巻取られたコイルを箱焼鈍炉で焼鈍する本発明に係る製造方法は、製造中にすでに機械的クリープ伸びを取り去るために、荷重下で行われる後続熱処理において残留クリープ伸びが解放され、小さくなる。
【0001】
本発明は平面モニター及びディスプレーに用いられる架張シャドウマスク用鉄―ニッケル合金からなる金属帯の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
約36%ニッケルの鉄基合金は20と100℃の間での熱膨張係数が低いために既に数年来モニター及びテレビジョン装置の成形シャドウマスクに使用されている。約36%ニッケルの工業的鉄-ニッケル合金の熱膨張係数は、従来のディスプレー管で主流の20から100℃の温度領域においては軟化焼鈍状態で1.2と1.8×10-6/Kの間である。これは鉄鋼材料規格(SEW-385,1991年版)に示されている。
【0003】
成形シャドウマスクには、20から100℃の温度領域において0.6と1.2×10-6/Kの間より低い熱膨張係数をもつ約36%ニッケル材料がさらに開発され、使用されている。
【0004】
ディスプレーはより大型化しかつ特に平面化したものが開発されるに伴い、ディスプレー管の製造者は成形シャドウマスクの技術と並行して架張シャドウマスクも行なっている。架張シャドウマスクの場合は、約36%ニッケルの鉄-ニッケル薄箔がエッチングされ、溶接法により大型の金属枠に固定されるので、箔は応力下で型に保持される。枠とシャドウマスクの結合体に熱処理が施され、これによりカラー管に有利な酸化層が作り出される。従来使用されてきた架張マスク用帯は冷間圧延工程で最終厚さに仕上られている。このようにして仕上られたシャドウマスクの磁気的保磁力Hcは高くなっているので、従来の製造方法ではディスプレー管の製造者は比較的高く選定された温度の熱処理により、磁気的保磁力磁界強度を約400A/mの比較的低い値に下げ、地磁気の妨害作用に対する電子流の遮蔽効果を達成してきた。そのために、高く選定された温度とは約550と650℃の間であり、この温度で荷重下熱処理を行うと、約138MPaの試験荷重で例えば約0.6%の比較的大きなクリープ伸びが発生することがわかった。この結果、熱処理後シャドウマスクが冷却された後に応力が消失して必要な機械的安定性が失われ又シャドウマスク形状が捉われる。非常に大きなディスプレーではシャドウマスクの面も非常に大きいことがさらに困難をもたらす。すなわち、非常に大きなシャドウマスクでは、電子流軌道を地磁気界による妨害から有効に遮蔽するためには、保磁力は400A/mよりも著しく小さくなければならない。
【0005】
DE-A 199 44 578に記載された鉄−ニッケル合金は、特にNi 35から38%, Mo 0.4から 0.8%, Cr 0.1から 0.3%、 C 0.08から 0.12%, Mn最大 1%, Si最大 1% Nb最大 1%の含有量(質量%)をもつ。この合金の熱膨張係数は20と100℃の間で約1.5×10-6/Kである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明対象の目的は、熱膨張係数が十分に低く、かつ保磁力が著しく低く、しかもクリープ伸びが著しく低い架張シャドウマスクを適切な鉄−ニッケル合金を使用して製造する方法を提供する代替法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、平面モニター及びディスプレーに用いられる架張シャドウマスク用鉄−ニッケル合金からなる金属帯の製造方法において、最終厚さへの冷間圧延に続いて、35−38%Ni, 0.4−0.8%Mo, 0.1 −0.3%Cr, 0.08−0.12% C,最大 1%Mn, 最大1%Si,最大 1%Nb、残部Fe及び製造に起因する不純物からなる化学組成(質量%)の帯に、予め設定可能な温度で連続焼鈍又は箱焼鈍を施す際して、この温度を保磁力磁界強度Hcが急峻に降下して最小値をとり、そして焼鈍温度上昇によって実質的に変化せずに保たれる温度とすることにより達成されることは驚くべきである。
【0008】
本発明の好ましい変形実施態様は従属する下位請求項から理解できるであろう。
【0009】
DE-A 199 44 578による技術の水準で請求されている合金は本発明方法により処理して、所望のパラメータを得るのに適している。一般的技術の水準を代替する製造方法によると、保磁力磁界強度<100A/m、予め設定可能な試験条件、例えば1h及び460℃かつ138MPaの荷重でのクリープ伸び <0.1% を達成する架張シャドウマスクを製造することができる。
【0010】
さらに、架張シャドウマスク用帯に必要な技術的特性は、特にこの鉄−ニッケル合金を使用して本発明の製法で達成することができる。
【0011】
上記した鉄−ニッケル合金は弧光炉で溶製し、鋳塊形態に鋳造し、鋳塊を熱間圧延工程でスラブに、またスラブを厚さが約4.0mmの熱間圧延帯に成形した後、これを多段の冷間圧延工程及びこの中間に行なわれる連続炉による熱処理により所望の最終厚さの冷間圧延帯に仕上げる。この状態までは技術の水準の仕上法に相当する。
【0012】
保磁力磁界強度Hcはこの冷間圧延状態では約600A/mであり、この値は枠に架張されたシャドウマスクに黒化焼鈍を施しても約400A/mにしか下がらない。また黒化焼鈍中にシャドウマスクはその張力も失わない。
【0013】
本発明により、冷間圧延状態の鉄−ニッケル合金帯に付加される仕上方法は、最終厚さに圧延された鉄−ニッケル合金帯に、シャドウマスクのためのエッチング工程の前に、連続炉もしくは箱焼鈍炉のいずれかによる熱処理を施すものである。ここでは、保磁力Hcが急峻に降下して最小値に低下し、焼鈍温度を高めた際にほとんど変化しない温度ないし温度領域が用いられる。好ましく適用される温度域は750−850℃である。
【0014】
鉄−ニッケル合金を上述したが、技術の水準に属す他の鉄−ニッケル合金も上記型式の焼鈍処理により約100A/mより低い保磁力を達成することができる。最適焼鈍温度は、保持時間の他に使用された鉄−ニッケル合金の化学組成並びに焼鈍処理前に適用された冷間成形度に依存する。
【0015】
枠に架張されたシャドウマスクに十分な黒化焼鈍を施す条件は荷重138MPa 460℃、1hの試験条件がシミュレーションすることができる。驚くべきことには、上記した鉄−ニッケル合金の本発明による焼鈍帯はこの条件で<0.1%の非常に低いクリープ伸びを実現する。平坦性を改良するために必要とされることがある再処理段階では保磁力磁界強度の上昇は僅かであるので、200A/m未満の値が保持される。
【0016】
上述のように、架張シャドウマスク用鉄−ニッケル合金帯を製造する仕上方法が提供されるので、大型カラーディスプレーが使用可能となる。従来は枠と架張シャドウマスクとの結合体の高温での特別な熱処理は不可能であったのに比べ、本発明の仕上方法によると、シャドウマスク製造のエッチング工程前の保磁力が小さくなり、磁気的挙動が改善される。このことは、管製造者には著しい利点がとなる。このために特性改善という技術的側面がある一方、通常の熱処理に加えて追加工程の熱処理が必要でないので、管製造は確実となり、かつ単純化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
鉄ニッケル合金の実施例の化学組成(質量%)は、0.087%C, 0.0008%S, 0.001%N, 0.18%Cr, 36.40%Ni, 0.14%Mn, 0.10%Si, 0.62%Mo, 0.01%Ti, 0.05%Nb, 0.01%Cu, 0.002%P, 0.001%Al, <0.001%Mg, 0.01%Co、残部Feであり、50%の加工度で厚さが0.10mmに圧延し、そして連続炉で800℃、45sの保持時間で焼鈍を行なった。この結果、72A/mの保磁力と、荷重138MPaで460℃、1hの試験条件において0.037%のクリープ伸びが達成された。
【0018】
この製造方法は、クリープ強度を改善しつつ非常に低い磁気的保磁力を達成するものであって、化学組成が技術の水準に相当する架張シャドウマスク用鉄−ニッケル合金帯材に適用することができる。当業者は適用例に好適な分析値を適合させることができる。
【0019】
所望特性を達成する好ましい方法は再結晶温度領域で焼鈍を行なうものである。(最低Hc値を達成するより上の)再結晶温度は成形加工度及び保持時間に依存する。必要な焼鈍保持時間は焼鈍温度に依存し、逆に材料が変わると種々のパラメータセットが与えられる。一般には、600と1100℃の間の温度領域及び10sから4hの保持時間を当てはめることができる。
【0020】
本発明に係る製造方法の別の実施態様では、鉄−ニッケル合金帯を引張りつつ連続炉で熱処理するか、あるいは、引張りながら巻き取られたコイルを箱焼鈍炉で焼鈍する。これにより、製造中にすでに機械的クリープを予め与えて、残留クリープ伸びを荷重下の事後熱処理により解放して著しく小さくなる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
鉄−ニッケル合金帯を引張りながら連続炉で熱処理するかあるいは引張ながら巻取られたコイルを箱焼鈍炉で焼鈍する本発明に係る製造方法は、製造中にすでに機械的クリープ伸びを取り去るために、荷重下で行われる後続熱処理において残留クリープ伸びが解放され、小さくなる。
Claims (6)
- 平面モニター及びディスプレーに用いられる架張シャドウマスク用鉄―ニッケル合金からなる金属帯の製造方法において、最終厚さへの冷間圧延に続いて、35−38%Ni, 0.4−0.8%Mo, 0.1 −0.3%Cr, 0.08−0.12% C,最大 1%Mn, 最大1%Si,最大 1%Nb、残部Fe及び製造に起因する不純物からなる化学組成(質量%)の帯に予め設定可能な温度領域で連続焼鈍又は箱焼鈍を施すに際して、この温度領域を、保磁力磁界強度Hcが急峻に降下して最小値をとり、そして焼鈍温度上昇によって実質的に変化せずに保たれる温度とすることを特徴とする架張シャドウマスク用鉄―ニッケル合金からなる金属帯の製造方法。
- 帯の焼鈍処理過程で保磁力を<100A/mに調整することを特徴とする請求項1項記載の方法。
- 帯の焼鈍処理過程で、約138MPaの荷重で460℃、1hの試験条件においてクリープ伸びを<0.1%に制御することを特徴とする請求項2記載の方法。
- 引張応力下の帯に連続焼鈍処理を施すことを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の方法。
- 引張応力状態で巻き取られた帯を箱焼鈍炉で焼鈍することを特徴とする請求項1から3項までの何れかに記載の方法。
- 600−1100℃の温度範囲及び10sから4hの時間範囲において帯に焼鈍を施すことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の方法。
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