JPH0730402B2 - エッチング時のスジむら抑制効果に優れるFe―Ni系合金の製造方法 - Google Patents

エッチング時のスジむら抑制効果に優れるFe―Ni系合金の製造方法

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JPH0730402B2
JPH0730402B2 JP196089A JP196089A JPH0730402B2 JP H0730402 B2 JPH0730402 B2 JP H0730402B2 JP 196089 A JP196089 A JP 196089A JP 196089 A JP196089 A JP 196089A JP H0730402 B2 JPH0730402 B2 JP H0730402B2
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producing
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エッチング時のスジむら抑制効果に優れるFe
−Ni系合金の製造方法に関し、特にカラーテレビブラウ
ン管のシャドウマスクや蛍光表示管等の電子機器用材料
として好適に用いられるFe−Ni系合金に関するものであ
る。
なお、本発明のかかるFe−Ni系合金は、シャドウマスク
用36Niアンバー合金、リードフレーム用42Ni合金、低熱
膨張特性や磁気適特性に着目して使用される電子,電磁
用Fe−Ni系合金、および電磁用材料として用いられるパ
ーマロイ合金などを対象としている。
〔従来の技術〕
カラーテレビブラウン管のシャドウマスク素材用鉄−ニ
ッケル合金鋼(Fe−Ni系合金)は、これをフォトエッチ
ング穿孔してシャドウマスクを製造する際に、白すじ模
様すなわち“スジむら”が発生する欠点のあることが指
摘されていた。
従来、このエッチング時のスジむらの発生を抑制するた
めのいくつかの技術が提案されており、例えば特開昭60
−128253号公報に開示の技術では、普通造塊インゴット
を850℃以上に加熱後、各ヒートでのトータル断面減少
率40%以上の鍛造を施すことにより、ニッケルの成分偏
析部を軽減させることを通じ、該スジむらの発生を抑制
している。
また、特開昭61−223188号公報に開示の技術は、インゴ
ット製造時の偏析防止あるいは条材製造工程中での熱処
理によるニッケルの拡散処理を施すことにより、ニッケ
ルの偏析率,偏析帯を管理して、エッチングのスジむら
を抑制している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、特開昭60−128253号公報に開示された上
記従来技術は、トータル断面減少率が40%を超えるよう
な鍛造をすることが特徴であるが、一般にこの程度の作
業は普通に行われる負荷であり、かような方法では各種
元素の偏析がなかなか消滅せず、したがって、エッチン
グ時のスジむらの発生を防止するのには不十分であっ
た。
一方、特開昭61−223188号公報に開示された上記従来技
術は、高温熱処理によるNiの拡散を通じてその成分偏析
を軽減することを特徴としているが、スラブ段階での加
熱に比べ板厚が薄いため酸化ロスが相対的に大きくな
り、歩留り低下が著しくなる点で問題点があった。
特に高精度のものが要求される各種ディスプレイ用シャ
ドウマスクにおいては、穿孔される孔は民生用テレビシ
ャドウマスク孔の1/2程度の径でかつその数も2倍以上
であり、素材の良否がそのままエッチング時の孔の均一
性を左右するためスジむらの発生を完全に回避するのは
難しく、したがって、エッチング時のスジむらを完全に
抑制できないのが実情であった。
本発明の目的は、かかる斯界の実情に鑑み、エッチング
時にスジむらが発生することのない合金材料、すなわち
Niを30〜80wt%含有し、Bを0.001〜0.03wt%を含有す
るFe−Ni系合金を有利に製造する方法を提案するところ
にある。
〔課題が解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、上述の目的を実現すべく、Fe−
Ni系合金のスジむらについて種々研究を行った。その結
果、探り得たスジむらの原因として、CやSi,Mn,Crな
どの不純物元素の成分偏析、結晶組織の相違、が主た
るものであることを突きとめた。
たとえば、CやSi,Mn,Crなど不純物元素の成分偏析部分
は、他の部分に比べると、エッチングの速度が変わるた
め、フォトエッチング穿孔時に孔形状の差異を発生して
スジむらの原因となるのである。
一方、結晶組織の相違については、たとえば、(100)
面が多く配向している個所は、他の部分に比べると、エ
ッチングの速度が速くなって、フォトエッチング穿孔時
に孔形状の差異が生じる。これは、鋳造時の凝固組織,
すなわち特定方位を有する柱状組織の存在に起因してお
り、この柱状組織は以後の加工,熱処理段階でも消滅す
ることなく、形を変えながら圧延方向に伸ばされ、最終
的にスジむらの原因をつくることになるのである。
また、本発明者らが知見したところによれば、Fe−Ni系
合金に添加成分としてBを使用すると、スラブ加熱時に
上記柱状晶を分析し、ランダム化を加速させる効果のあ
ることが判明した。
このことから、本発明では、成分偏析の抑制のみなら
ず、Bの添加という相乗効果による結晶組織の調整をも
狙って、上述の課題の克服を試みた。
すなわち、その課題克服の手段として本発明は、Niを30
〜80wt%およびBを0.001〜0.03wt%含み、残部が主と
してFeである。Fe−Ni系合金のインゴットを、900℃以
上の温度に加熱して断面減少率30%以上の条件で鍛造
し、次いで1000℃以上の温度で1時間以上の均熱処理す
ることを特徴とするエッチング時のスジむら抑制効果に
優れるFe−Ni系合金の製造方法、 を提案する。
〔作 用〕
さて、本発明において、素材についてのNi含有量の下限
を30wt%(以下は単に「%」で略記する)としたのは、
Fe−Ni系合金を上記機能材とて使用する場合にこのNi含
有量が30%未満では十分な電磁気特性が発揮されず実用
に耐えないためであり、逆にNiが80%を超える場合、電
子,電磁用材料としての品質が劣化するためである。
なお、フォトエッチングにより穿孔される材料として
は、Ni50%以下のFe−Ni系合金を用いるのがより好適で
ある。
またBは、この発明のFe−Ni系合金の特性をきわだたせ
る重要な元素であり、CやSi,Mn,Crなど不純物元素の結
晶粒界への偏析を阻止すると共に、みずから結晶粒界や
他の欠陥部に優先的に凝集して再結晶の核となり、結晶
粒を微細化して等軸晶化を向上させる。しかし、このよ
うな作用は0.001%未満の含有量では不十分であり、含
有量が増加するにしたがって顕著な効果を示すが、0.03
%の超えて添加すると、M2B(Ni,Cr,Fe)の金属間化合
物の外に、C,O,Nを含む種々のホウ化物が生成し高温で
凝固割れを起こす危険性が高くなるので、上限は0.03%
に限定する必要がある。
次に、鍛造に先立つインゴットの加熱温度を900℃以上
とした理由は、加熱温度が900℃未満では鍛造性が劣化
し、また成分偏析を軽減することができないためであ
る。なお、加熱温度の上限は融点を超えない温度にする
ことは勿論である。
また、鍛造条件を断面減少率30%以上にした理由は、30
%未満では鍛造時の柱状晶を十分破壊することができな
いためであり、そしてその後1000℃以上の温度で1時間
以上均熱処理する理由は、成分偏析を十分に軽減させる
ために必要だからである。
以下、このことをさらに詳しく述べる。
すなわち、かかるスジむらは、鋳造時の特定方位をもつ
巨大結晶粒が、その後の加工,熱処理で消滅することな
く、形を変化させながら圧延加工により圧延方向に伸ば
されたものが起因していることが判った。しかも、本発
明者らの研究によれば、最終板厚にまで加工された際に
特定方位をもつ結晶粒の長さの短いものは、その幅,長
さも相対的に小さくなり、エッチング穿孔時に発生する
部分的なエッチング速度の差は見られず、したがって、
連続したスジむらとしては観察されなかった。ところ
が、この柱状晶(結晶粒)の長さが長いものは、加工を
経てもその幅および長さに相当するものがそのまま,す
なわち大きいまま残存し、これがエッチング時のスジむ
らとなったのである。
このスジむらが出るか否かの限界となる結晶粒の長さ
は、鍛造条件によって決定できる。すなわち、断面減少
率が30%未満では結晶粒の長さがながくなってスジむら
の発生を招いてしまう。
次に、上記鍛造に続く熱処理条件を1000℃以上の温度で
1時間以上としたのは、この処理により、成分偏析を十
分に軽減させることができるからである。
以上のようにBを添加したFe−Ni系合金のインゴットを
特定の鍛造条件で鍛錬および熱処理することにより、結
晶粒の均質化および成分偏析の軽減をはかってエッチグ
時のスジむらが抑制でき、したがって、極めて優れたエ
ッチング性を確保することが可能である。
〔実施例〕
第1表に、この実施例で用いたFe−Ni系合金の化学組成
および実施の条件と得られた製品の評価結果を示す。
この第1表に示した特に本発明の対象とする合金は、電
気炉で溶解した溶融金属を、引き続いてAOD法またはVOD
法により精錬した後インゴットに造塊し、次いで、第1
表に示す条件に従って熱間鍛錬を施してスラブとした
後、熱間圧延を施して5.5mm厚のコイルとした。その熱
間圧延以降は常法に従い冷間圧延と熱処理を適宜組合わ
せた常法に従う処理を行って最終製品を得た。
このようにして製造した供試材料を、塩化第二鉄溶液
(比重1.45,50℃)で実際のフォトエッチング開孔を行
い、スジむら発生の有無を調査した。その結果は第1表
に示すとおりであった。
この第1表に示すところから判るように、本発明法に従
って製造したFe−Ni系合金は、同一組成の従来法によっ
て製造した、Fe−Ni系合金(比較例)に比べると、エッ
チング時のスジむらの発生はほとんど見られず、エッチ
ング用素材として優れた合金であることが明らかとなっ
た。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明方法によって製造したBを
適量添加したFe−Ni系合金は、フォトエッチング穿孔後
のスジむらが全く無いため、電子,電磁材料として望ま
しい性質を有するFe−Ni系合金を安価に提供することが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Niを30〜80wt%およびBを0.001〜0.03wt
    %含み、残部が主としてFeであるFe−Ni系合金のインゴ
    ットを、900℃以上の温度に加熱して、断面減少率30%
    以上の条件で鋳造し、次いで1000℃以上の温度で1時間
    以上の均熱処理を施すことを特徴とするエッチング時の
    スジむら抑制効果に優れるFe−Ni系合金の製造方法。
JP196089A 1989-01-10 1989-01-10 エッチング時のスジむら抑制効果に優れるFe―Ni系合金の製造方法 Expired - Lifetime JPH0730402B2 (ja)

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