JP2005503532A - 電気短絡欠陥を赤外線検出するための方法およびシステム - Google Patents

電気短絡欠陥を赤外線検出するための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

フラットパネルディスプレイ、例えば電界放出ディスプレイ(FED)のプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための方法およびシステムである。一実施形態では、プロセスは、最初に、プレート構造の電気導体に刺激を印加している。プロセスは、次に、FEDの陰極領域の赤外線熱地図を作成している。例えば赤外線アレイを使用して、FEDの陰極の写真がスナップされる。プロセスは、次に、赤外線熱地図を解析し、FEDの電気短絡欠陥を含んだ領域を決定している。他の実施形態は、先行する赤外線熱地図作成プロセスによって電気短絡欠陥を含んでいることが決定している領域の赤外線地図を作成することによって、欠陥を1つのサブピクセルに限定している。プロセスは、次にこの赤外線地図を解析し、FEDの電気短絡欠陥を含んだサブピクセルを決定している。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は一般にフラットパネルディスプレイの分野に関し、より詳細にはディスプレイのベースプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための技法に関する。
【0002】
(背景技術)
電界放出ディスプレイ(FED)におけるフラットパネルディスプレイのベースプレート構造は、ベースプレート上を並列に通った多数のエミッタ電極を様々に備えており、これらのエミッタ電極の上には、多数の制御電極すなわちゲート電極が、エミッタ電極に並列に通っている。電極間には、電子放出エレメントすなわち電子エミッタが設けられている。電子エミッタは、スクリーンを照射するべく、選択されたゲート電極とエミッタ電極との間に電位差を与えることにより、リン光ディスプレイスクリーンに向けて電子を放出するようになされている。
【0003】
フラットパネルディスプレイのスクリーンは、赤色画素、青色画素あるいは緑色画素からなる極めて多数のサブピクセルからなっている。サブピクセルの各々は、複数の制御(ゲート)電極および複数のエミッタ電極の中から、それぞれ1つを正確に選択することにより、それぞれ個別に制御されている。例えば、所与のゲート(例えば列)電極および所与のエミッタ(例えば行)電極を選択することによって、電極が交差している部分のサブピクセルが制御されている。サブピクセルの各々に対応する数千個の電子放出エレメントが存在している。
【0004】
新しく製造されるFEDのベースプレート構造には、制御(ゲート)電極とエミッタ電極との間に電気短絡欠陥が存在する可能性があり、電気短絡欠陥が存在すると、電極が交差している部分のサブピクセルに対する制御が失われるばかりでなく、電極と結合している列および行全体のすべてのサブピクセルに対する制御が同様に失われることになる。電気短絡欠陥によって、例えばゲート(列)電極とエミッタ(行)電極とが電気接続されると、この2つの電極を使用して、それらの電子エミッタのすべてに電子を放出させるために必要な電位差を生成することは、もはや不可能である。電気短絡欠陥によってサブピクセルの1列全体および1行全体が失われると、基本的にはディスプレイ全体が破壊される。また、電気短絡欠陥は、2つの行電極間あるいは2つの列電極間に形成される可能性もある。このような電気短絡欠陥が1つでも形成されると、追加陰極処理ステップが首尾良く完了することは考えられない。
【0005】
残念なことに、このような欠陥電気短絡は、新しく製造されるFEDのベースプレート構造に、すべて当たり前の如くに発生している。例えば、製造プロセス時には、多くの層が蒸着され、かつ、相当なエッチングが層に施されるため、このようなプロセスの間に多くの欠陥が形成される可能性がある。また、製造のためのクリーンルームの汚染が、電気短絡欠陥形成の原因になっている。
【0006】
電気短絡欠陥を検出するための従来の方法の1つは、リン光スクリーンを取り付ける前に、FEDベースプレートに電圧を印加し、磁界を測定することである。例えば2000年3月30日出願の、Fieldらの「Magnetic Detection of Short Circuit Defects in Plate Structure」という名称の米国特許出願第09/539,192号に、このような方法が開示されているが、欠陥の磁気検出には、いくつかの欠点がある。第1の欠点は、磁気ヘッドを極めて接近したレンジでFEDベースプレートの両端間をスキャンさせなければならず、これは、磁気ヘッドとFEDベースプレートとの間のレンジの制御が極めて困難であり、また、ヘッドがクラッシュする可能性が非常に高いことである。第2の欠点は、磁界の強さが磁界を生成する電流に比例していることである。欠陥の抵抗が大きい場合、その欠陥を流れる電流が小さく、そのために、その電流によって生成される磁界は、それを検出するには恐らく小さ過ぎ、また、磁気方式の分解能では、電気短絡欠陥を含んだサブピクセルを正確に突き止めることはできない。その結果、欠陥の徴候を目視によりスキャンするオペレータが費やす時間が余計にかかっている。また、電気短絡欠陥が視覚的な特徴を有していない場合、欠陥を目視で突き止めることはできない。さらに、2つの欠陥が極めて接近して存在している場合、例えば数マイクロメートルの間隔を隔てて存在している場合、磁気検出方式では、磁気信号の幅が広いため、2つの欠陥を分解することはできない。また、ディスプレイの行および列の両方のTAB結合領域上を、極めて低速で磁気ヘッドをスキャンさせなければならず、そのために時間を要するプロセスになっている。
【0007】
したがって、電界放出ディスプレイ(FED)のベースプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための方法およびシステムが必要である。また、このような欠陥を自動的に検出する必要があり、さらには、このような欠陥をサブピクセルの精度で検出する必要がある。また、広範囲の抵抗を有する欠陥を検出するためのシステムが必要であり、さらに、高速で精度が高く、かつ、信頼性の高い方法およびシステムが必要である。
【0008】
(概要)
本発明の実施形態により、薄型陰極線管ディスプレイ(例えば、電界放出ディスプレイ(FED))のベースプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための方法およびシステムが提供される。実施形態は、このような欠陥をサブピクセルの精度で検出するシステムを提供している。実施形態は、このような欠陥を自動的に検出するシステムを提供している。実施形態は、広範囲の抵抗を有する欠陥を検出する方法およびシステムを提供している。実施形態は、高速で精度が高く、かつ、信頼性の高い方法およびシステムを提供している。
【0009】
フラットパネルディスプレイのプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための方法およびシステムが開示される。例えばディスプレイは、電界放出ディスプレイ(FED)である。一実施形態では、プロセスは、最初に、プレート構造の電気導体に刺激を印加している。例えば、電界放出ディスプレイ(FED)のゲート電極とエミッタ電極との間に電位差が印加される。他の実施形態では、上記刺激は、2つのゲート電極間あるいは2つのエミッタ電極間に印加される。プロセスは、次に、FEDの陰極領域の赤外線熱地図を作成している。例えば赤外線アレイを使用して、FEDの陰極の写真がスナップされる。別法としては、FEDがスキャンされる。プロセスは、次に赤外線熱地図を解析し、FEDの電気短絡欠陥を含んだ領域を決定している。
【0010】
他の実施形態は、電気短絡欠陥領域の比熱および赤外線熱地図の熱感度を与えることによって測定可能になる温度変化を電気短絡欠陥領域に生成するべく、プレート構造の電極間に所定の電圧を印加している。
【0011】
他の実施形態は、刺激を印加した後、赤外線熱地図を作成する前に、所定の時間期間だけ待機している。したがって、領域の比熱、プレート構造に印加された刺激、および赤外線熱地図の熱感度を与えることにより、赤外線熱地図を使用して、プレート構造の電気短絡欠陥を含んだ領域の温度変化を検出することができる。
【0012】
他の実施形態は、先行する赤外線熱地図作成プロセスによって電気短絡欠陥を含んでいることが決定された領域の第2またはそれ以上の赤外線地図を作成することにより、サブピクセルの精度で欠陥を識別するプロセスを提供している。プロセスは、次にこの赤外線地図を解析し、プレート構造の電気短絡欠陥を含んだサブピクセルを決定している。
【0013】
他の実施形態は、赤外線熱地図作成プロセスが、点状領域に存在する電気短絡欠陥に基づくプロセスを提供している。このプロセスには、点状領域内の電気短絡欠陥を突き止めるべく、点状領域の第2またはそれ以上の赤外線熱地図を作成するステップが含まれている。この方法により、プロセスは、点状領域内の電気短絡欠陥をサブピクセルの精度で識別することができる。
【0014】
さらに他の実施形態は、赤外線熱地図作成プロセスが、1本の線からなる領域に存在する電気短絡欠陥に基づくケースを包含している。この実施形態には、線に沿った距離に対する温度勾配を評価するステップが追加されており、したがって領域内のサブピクセル内に存在する欠陥を自動的に決定している。欠陥を検出するべく、線状領域を目視/手動スキャンするステップを実行することにより、様々な実施形態がこのケースを取り扱っている。
【0015】
さらに他の実施形態は、電極に沿った遮断を検出している。この実施形態では、多数の電極の両端間に電圧が印加されている。電極に沿った遮断が存在すると、その電極は抵抗熱を持たないため、赤外線熱地図を使用して、開路欠陥を有する電極と欠陥の無い電極との間の温度差が検出される。例えば、より温度が低い線状領域は、このような開路欠陥を表している。
【0016】
さらに他の実施形態は、プレート構造のTAB結合領域の赤外線地図を作成するプロセスを提供している。このケースは、赤外線熱地図作成プロセスが、電気短絡欠陥を含む領域が交差する2本の線を形成していることを決定した場合に使用される。この実施形態は、TAB結合領域の赤外線地図を解析し、それにより電気短絡欠陥の2つの座標を識別し、続いてその領域内の欠陥を限定するべく、その座標におけるサブピクセルを識別している。
【0017】
さらに他の実施形態は、欠陥を自動的に実質的に除去するステップを提供している。一実施形態では、実質的に欠陥を含んだ領域にレーザを照射することにより、欠陥を実質的に除去している。
【0018】
他の実施形態は、プレート構造中の欠陥を識別するためのシステムを提供している。このシステムは、複数の電極を備えたプレート構造を備えている。システムは、さらに、2つの電極に電位差を与えるように動作することができる装置を備えている。システムは、電位差を印加した後の、プレート構造の電気短絡欠陥を含んだ領域の温度差を検出するように動作することができる第1の赤外線検出器を追加で備えている。この温度差は、電気短絡欠陥の存在を表している。電位差が印加される2つの電極は、ゲート電極とエミッタ電極、2つのゲート電極、あるいは2つのエミッタ電極である。
【0019】
他の実施形態では、欠陥をサブピクセルの精度で、第1の赤外線検出器によって欠陥を含んでいることが決定されたFEDの領域内に限定するように動作することができる第2の赤外線検出器がシステムに追加されている。本発明は、詳細には第2の赤外線検出器の使用に関したものであるが、本発明は、赤外線検出器の数が1つ、あるいは3つ以上の実施形態にも適している。
【0020】
他の実施形態は、プロセッサを有するコンピュータシステムのバスに結合されたコンピュータ読取り可能媒体を提供している。この媒体は、コンピュータプログラムを記憶しており、このプログラムをプロセッサが実行することにより、電界放出ディスプレイ(FED)のベースプレート構造中の電気短絡欠陥を赤外線検出するための方法が、コンピュータシステムによって実施される。
【0021】
他の実施形態では、FEDの複数の第1の電極に第1の電圧が印加され、かつ、複数の第2の電極に第2の電圧が印加され、それによりこの実施形態は、FEDの電気短絡欠陥を含んだ領域を決定するべく、周囲領域より温度が高い陰極領域を識別している。電気短絡欠陥を突き止めるべく、様々な実施形態が、刺激後の陰極領域の温度上昇を識別している。
【0022】
本発明のこれらおよびその他の利点については、様々な図面で示す好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読むことにより、当分野の技術者には恐らく明らかになるであろう。
【0023】
(発明を実施するための最良の形態)
次に、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照する。添付の図面は、その実施例を示したものである。本発明について、好ましい実施形態に関連して説明するが、説明する好ましい実施形態が、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図したものでないことは理解されよう。逆に、本発明は、特許請求の範囲の各請求項で定義する本発明の精神および範囲に含まれる代替、改変および等価物を包含することを意図している。また、本発明についての以下の詳細な説明においては、本発明を完全に理解するために、多数の特定の詳細が示されているが、これらの特定の詳細を必要とすることなく、本発明を実践することができることは、当分野の技術者には明らかであろう。したがって本発明の態様を明確にするために、良く知られている方法、手順、部品および回路については、ここではその詳細は省略されている。
【0024】
電気短絡欠陥を赤外線検出するための方法およびシステム
図1を参照すると、薄型陰極線管ディスプレイ(例えば、電界放出ディスプレイ(FED))のベースプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための本発明の方法およびシステム部分は、例えばコンピュータシステムのコンピュータ使用可能媒体中に存在しているコンピュータ読取り可能、かつ、コンピュータ実行可能命令からなっている。図1は、本発明の一実施形態による方法を実行するために使用される例示的コンピュータシステム100を示したものである。図1に示すシステム100は、本発明が、汎用ネットワークコンピュータシステム、埋込み型コンピュータシステム、および独立型コンピュータシステムを始めとする多数の様々なコンピュータシステムの中で動作することができる点においてのみ例示的であることを理解されたい。また、図1に示すコンピュータシステム100は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、その他、コンピュータと結合した類似物などのコンピュータ読取り可能媒体を備えるべく、容易に改造することができる。コンピュータシステム100と結合したこれらのコンピュータ読取り可能媒体は、分かり易くするために、図1には示されていない。
【0025】
図1に示すシステム100は、情報を伝達するためのアドレス/データバス99、およびバス99と結合した、情報および命令を処理するためのセントラルプロセッサユニット101を備えている。セントラルプロセッサユニット101は、80x86ファミリのマイクロプロセッサである。また、システム100は、バス99と結合した、セントラルプロセッサユニット101のための情報および命令を記憶するための、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータ使用可能揮発性メモリ102、バス99と結合した、セントラルプロセッサユニット101のための静的情報および命令を記憶するための、例えばリードオンリメモリ(ROM)などのコンピュータ使用可能不揮発性メモリ103、およびバス99と結合した、情報および命令を記憶するためのデータ記憶ユニット104(例えば、磁気ディスクまたは光ディスクおよびディスクドライブ)などのデータ記憶機構を備えている。
【0026】
さらに図1を参照すると、本発明のシステム100は、また、バス99と結合した、セントラルプロセッサユニット101に情報を伝達し、かつ、コマンドを選択するための英数字キーおよび機能キーを備えた任意選択の英数字入力装置106を備えている。システム100は、さらに、バス99と結合した、セントラルプロセッサユニット101にユーザ入力情報を伝達し、かつ、コマンドを選択するためのカーソル制御装置107を任意選択で備えている。この実施形態のシステム100は、さらに、バス99と結合した、情報を表示するための任意選択のディスプレイ装置105を備えている。バス99と結合した入/出力装置108は、システム100と赤外線カメラなどの装置との間の情報の流れを制御している。以下、本発明による、薄型陰極線管ディスプレイ(例えば、電界放出ディスプレイ(FED))のベースプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための方法およびシステムの実施形態について、より詳細に考察する。
【0027】
図2は、薄型陰極線管ディスプレイ205(例えば、電界放出ディスプレイ(FED))中の電気短絡欠陥215を赤外線熱検出するための例示的システム200を略図で示したものである。システム200は、コンピュータシステム100によって制御されている。コンピュータシステム100は、電圧源(例えば、電位差を与えるように動作することができる装置)204を管理し、薄型CRT陰極205の列電極206(例えば、制御すなわちゲート電極)と行電極208(例えば、エミッタ電極)との間の電圧差を生成している。電極(208、206)は、列母線化パッド203bおよび行母線化パッド203aを介してアクセスされる。コンピュータシステム100は、受動スターリングアレイ赤外線検出器210、212の中に組み込むことができる。すべての電極を同時に起動する必要はないが、好ましい実施形態では、時間を節約するために同時に起動している。列電極206と行電極208との間に電気短絡欠陥215が存在する場合、電極/欠陥回路を流れる電流によって十分に熱くなり、赤外線熱アレイ(210、212)による検出が可能になる。本発明は、行電極208と列電極206との間の電気短絡欠陥215の検出に限定されない。一実施形態では、2つの行電極208間の電気短絡欠陥215を検出するべく、2つの行電極208間に電圧が印加されている。同様の方法で、2つの列電極206間の電気短絡欠陥215を突き止めることができる。
【0028】
次に図7を参照すると、一実施形態は、電極708中の遮断710の検出を提供している。母線化領域703aと703bとの間に、電圧704が印加されている。遮断が無いと仮定すると、母線化領域(703a、703b)間の電極708に電流が流れる。このことは、温度が上昇することによって検出することができる。しかしながら遮断710した電極708には電流が流れないため、他のすべての電極の温度が上昇し、遮断した電極708の温度は上昇しない。本明細書において説明する赤外線検出方法は、遮断710の存在を決定するにはうってつけである。例えば、他の陰極205とは対照的に、熱くならない線状領域は、電圧704を印加することによって検出することができる。これらの実施形態は、行電極208または列電極206中に存在する遮断710の検出にうってつけである。
【0029】
一実施形態では、2つの赤外線(赤外線)アレイ(210、212)が使用されている。第1の赤外線アレイ210は、陰極の電気短絡欠陥を含んだ領域と周辺電極との間の放射輝度の差を検出するように動作することができ、温度の差が電気短絡欠陥215を表している。したがって第1の赤外線カメラ210によって、電気短絡欠陥215の位置が、薄型CRTの陰極205の1つの領域に決定される。この領域には、複数のサブピクセルが含まれている。次に、第2の赤外線カメラ212を使用して熱地図が作成される。この熱地図を適切な赤外線光学を使用して解析することにより、電気短絡欠陥215を1つの特定のサブピクセルに限定することができる。したがって本発明の実施形態は、サブピクセルの精度で電気短絡欠陥215を検出することができる。場合によっては、電気短絡欠陥215が点状熱領域を生成することがある。例えば、電気短絡欠陥215の線形抵抗が、電極(208、206)の線形抵抗よりはるかに大きい場合、電気短絡欠陥215は、薄型CRT陰極205上の他のすべてのスポットより熱くなり、したがって赤外線装置(210、212)によって、単一ポイントとして検出することができる。電気短絡欠陥215が線状熱領域を生成する場合もある。
【0030】
本発明は、例えば、アンチモン化インジウム赤外線検出器、水銀テルル化カドミウム赤外線検出器、マイクロボロメータ赤外線検出器など、様々な受動スターリングアレイ赤外線検出器210、212の使用にうってつけである。また、実施形態は、赤外線のスナップ写真を撮ることが好ましいが、赤外線情報を収集するべくスキャンすることもできる。図2は、2台の赤外線カメラ(210、212)を示しているが、本発明は、任意の台数の赤外線カメラとの動作に適している。
【0031】
電気短絡欠陥215の抵抗は、赤外線検出装置(例えば赤外線検出装置210、212)の熱感度より大きい温度変化を生成するだけの十分な大きさを有していることが分かる。赤外線装置の場合、摂氏0.02度の微細な感度を利用することができる。表1は、実質的に0.02度より大きい電気短絡欠陥温度効果を示したものである。
【0032】
表1は、電極間(例えば、行電極208と列電極206との間、2つの列電極206の間、あるいは2つの行電極208の間)に所与の電圧を印加した後、平衡に達した時点における、所与の総抵抗に対する期待温度変化を示したものである。総抵抗は、電気短絡欠陥215、ゲート(206)電極およびエミッタ(208)電極の抵抗である。周囲の空気への熱の散逸を計算するために、電気短絡欠陥215および電極に対して、10−5平方メートルの結合露出表面積(A)が仮定されている。表1の情報は、等式1を使用して導き出されたものである。
【0033】
【数1】
等式1:U/Rtotal−hairA(T−Tair)=VcdT/dt
上式で、
U=行電極208と列電極206との間の電圧
total=電極および欠陥の総抵抗
air=対流の熱伝達係数
A=電極および欠陥の結合表面積
T=加熱領域の温度
air=処理環境の温度
V=行電極208および列電極206の結合体積
=電極材料の比熱、すべて同じ材料とする
t=時間
【0034】
【表1】
Figure 2005503532
【0035】
本発明の一実施形態は、電気短絡欠陥215を表す所定の範囲の温度変化を探求している。表1および等式1を使用して、適切な温度変化および印加電圧が決定されている。
【0036】
欠陥/電極回路の温度は、極めて短時間の間に、その平衡値の極めて近くに到達していることが分かる。図3は、シミュレーション/モデル化によって得られた、温度対時間を示すグラフである。図3に示す値に到達するために、電極(208、206)間に3ボルトが印加され、かつ、欠陥215および電極の総抵抗が30Kオームであることが仮定されている。例えば、欠陥215および各電極は、10Kオームの抵抗を有している。欠陥215および電極の結合体積は、10−12立方メートルであり、また、それらの結合面積は、10−5平方メートルであることが仮定されている。欠陥215上の空気の温度は、300ケルビンであることが仮定されている。グラフが示すように、欠陥215の温度は、約0.1秒以内の間に、その最終値である約303ケルビンの近くに到達している。したがって欠陥215の温度は、赤外線装置の感度である0.02度(ケルビン)よりはるかに大きい温度に急上昇している。0.02度の温度上昇は、ほぼ瞬間的に生じるため、必要に応じて、0.1秒が経過するはるか以前の赤外線情報を収集することができる。
【0037】
等式1から導き出される等式2は、図3に示すグラフの曲線を画定している。
【0038】
【数2】
等式2: T(t)=b/a+[T(0)+b/a]−at
上式で、‘a’=(hair A)/(V)であり、‘b’=U/(RTotal )+(aair)である。また、‘T’は、ケルビン単位における加熱領域の温度、‘Tair’は、処理環境の気温、‘t’は時間、‘hair’は、対流の熱伝達係数、‘A’は、空気に露出される電極および欠陥215の結合表面積、‘V’は、電極および欠陥215の体積、‘U’は印加電圧、‘e’は自然指数、‘c’は、すべて同じ材料とした場合の電極(208、206)の比熱容量である。
【0039】
一実施形態では、直流電圧が印加されているが、本発明は、交流電圧の印加による電気短絡欠陥215の加熱に適している。交流電圧は、部分的に図3に示す情報に基づいて、適切な周波数の電圧が選択される。また、赤外線信号の高速応答と相関したパルス信号を使用することもできる。
【0040】
電気短絡欠陥215は、場合によっては、図4Aに示すように、陰極205中の点状加熱350の原因になることがある。このような場合、この領域350内に電気短絡欠陥215が存在していることは分かっても、領域350には複数のサブピクセルが含まれている。しかしながら、この場合、欠陥を含んだ領域350の第2またはそれ以上の赤外線熱地図が作成され、電気短絡欠陥215が1つのサブピクセルに限定される。しかしながら本発明は、常に第2またはそれ以上の赤外線熱地図を作成することには限定されない。
【0041】
しかしながら、電気短絡欠陥215の中には、検出がより困難な欠陥もある。例えば電極(208、206)の線形抵抗と欠陥215の線形抵抗が匹敵する場合、抵抗加熱が全行/列回路(例えば、電極/欠陥回路)を通してほぼ同じになり、これは、回路を形成している電極(208、206)部分によって画定される線状領域を除き、赤外線熱地図によっては、点状源(図4A、350)を示すことができないことを意味している。場合によって、電極(208、206)の両方が温度上昇を示す場合もあれば、一方の電極のみが大きな温度上昇を示す場合もある。一方の電極の幅がもう一方の電極の幅より実質的に広い場合がそうであるが、一方の電極の抵抗がもう一方の電極の抵抗より小さい場合、一方の電極のみが大きな温度上昇を示すことになる。電極の幅は、対流冷却にも影響を及ぼしている。
【0042】
図4Bは、ゲート308電極およびエミッタ306電極の線形抵抗と欠陥215の線形抵抗が匹敵する場合に、薄型CRT陰極205(例えばFED)のベースプレート構造上に生じる加熱を示したものである。この例では、ゲート(列)308電極およびエミッタ(行)306電極自体は、同様の抵抗を有しており、したがって同様の加熱を示している。この実施形態では、電気短絡欠陥215は、TAB結合領域(パッド)302上を赤外線カメラ(210、212)をスナップすなわちスキャンさせることによって、サブピクセルの精度で限定されている。この実施形態には、最初に線状欠陥310を識別するステップが後続しているが、本発明は、このステップを省略することもできる。TAB結合領域302から得られる赤外線熱情報から、ベースプレートのゲート電極(行)306およびエミッタ電極(列)308を識別することにより、電気短絡欠陥215を含んだ正確なサブピクセルが検出される。
【0043】
図4Cは、電気短絡欠陥215の線形抵抗と、ゲート電極(行)306またはエミッタ電極(列)308のいずれかの線形抵抗が匹敵する実施形態の加熱領域を示したものであるが、列および行の線形抵抗は、実質的に同様ではない。この場合、熱的加熱は、行308(エミッタ電極)または列306(ゲート電極)のいずれかに沿った線410として現われる。この実施形態は、電気短絡欠陥215をサブピクセルの精度で自動的に検出する方法を提供している。まず、陰極領域205を赤外線カメラ210がスナップすなわちスキャンされ、それにより線状熱的加熱410が現われる。電極/欠陥回路は依然として存在しているが、一方の電極は、大きな加熱を示してない。欠陥215は電極(線)の端部に存在し、加熱を示している。したがって画像解析は、線410に対して実行される。この解析は、主として、欠陥の端部に向かう線410の温度勾配を評価している。この解析により、正確なサブピクセルが示され、電気短絡欠陥215が突き止められる。
【0044】
他の実施形態では、線410を目視検査することにより、電気短絡欠陥215を有する正確なサブピクセルが検出されている。まず、陰極領域205が赤外線を介してスキャン/スナップされ、電気短絡欠陥215の位置を大まかに識別する線状410熱的加熱が識別される。次に、その線に対する画像解析が実行され、電気短絡欠陥215が線410の一部に、より詳細に限定される。最後に、オペレータによって、線410が手動で上下(または左右)に目視によりスキャンされ、電気短絡欠陥215を含んだ正確なサブピクセルが決定される。
【0045】
電気短絡欠陥215の温度が電極の温度より若干高くなると、欠陥画像の赤外線コントラストは、閾値処理後、点として明確に認めることができるだけの十分な赤外線コントラストになる。したがって比較的単純に欠陥を検出することができ、図4Bおよび図4Cに関連した考察の中で挙げた方法は不要である。
【0046】
図5は、熱赤外線検出を使用して、薄型CRT(例えばFED)のベースプレート構造中の電気短絡欠陥215を識別するためのプロセス500のステップを示したものである。ステップ505で、ベースプレート構造の背景赤外線熱地図が作成される。
【0047】
次にステップ510で、FEDに刺激が印加される。例えば、電極間に電気短絡欠陥215が存在している場合に形成される回路に電流が流れるよう、ゲート電極206とエミッタ電極208との間に電位差が印加される。一実施形態では、FED全体を同時に試験できるよう、すべてのゲート電極206に負の電圧が印加され、すべてのエミッタ電極208は正に保持される。しかしながら本発明は、この方法に限定されない。本発明は、交流電圧あるいはパルス電圧信号等の印加に適している。また、本発明は、2つのゲート電極206間あるいは2つのエミッタ電極208間の電気短絡欠陥を検出するべく、これらの電極間への電圧印加に適している。
【0048】
一実施形態では、領域の比熱および赤外線熱地図の熱感度を与えることによって測定可能になる温度変化を欠陥領域に生成するべく、FEDに所定の電圧が印加されている。この所定の電圧は、表1および等式1から導き出されている。
【0049】
プロセス500は、ステップ515で、FEDの陰極領域205の第2の赤外線熱地図を作成している。一実施形態では、プロセスは、刺激を印加した後、赤外線熱地図を作成する前に、一般的には極めて短時間の所定時間期間の間、待機している。したがって、領域の比熱、前記FEDに印加された刺激、および赤外線熱地図の熱感度を与えることにより、赤外線熱地図を使用して、FEDの電気短絡欠陥を含んだ領域の温度変化を検出することができる。図2および等式2を参照して、電位印加後の適切な待機時間期間が決定される。本発明は、広範囲の時間期間および時間関連検出技法に適している。
【0050】
ステップ520で、刺激が印加された後の温度変化を得るべく、背景画像である第1の熱地図が、電圧が印加された状態における赤外線画像である第2の赤外線熱地図から減算される。
【0051】
次に、ステップ525で、ステップ520の結果が解析され、FEDの電気短絡欠陥215を含んだ領域が決定される。場合によっては、このステップで、電気短絡欠陥215を含んだ正確なサブピクセルが決定される場合もあるが、たいていの場合、領域には、電気短絡欠陥215が含まれている可能性のある多数のサブピクセルが含まれている。領域は、例えば点、1本線、2本線等、様々な構成を有している。本発明は、それぞれのケースを処理するべく適応することができる。この後、プロセス500は、発生したケースに応じて、適切な経路に従うことになる。
【0052】
あるケースでは、陰極領域205が、電気短絡欠陥215によって点状に加熱される。このようなケースでは、電気短絡欠陥215の線形抵抗は、電極(208、206)の線形抵抗よりはるかに大きくなる。部分的に赤外線熱地図の性質(例えば温度分解能ではなく、空間分解能)に応じて、ステップ505からステップ525までの熱地図によって生成されたデータを解析することにより、正確なサブピクセルを突き止めることができるが、一実施形態では、任意選択ステップ530が、第1のカメラ210より空間分解能が高いカメラ212を使用して、電気短絡欠陥215を有する領域の赤外線熱地図を作成している。熱地図を解析することにより、電気短絡欠陥215を含んだ正確なサブピクセルが限定される。ステップ530は、ステップ505からステップ525までのステップと同様の一連のステップからなっている。
【0053】
また、例えば電気短絡欠陥215の線形抵抗と、電極(208、206)の一方の線形抵抗が実質的に同様である場合などの他のケースでは、電気短絡欠陥215によって、1本の線410に沿って加熱される。もう一方の電極は、その抵抗が小さく、したがって熱損失による熱の散逸は、それほど大きくはない。このようなケースでは、欠陥215は、2つの代替方法を使用して、領域内の特定のサブピクセルに限定される。
【0054】
プロセス500は、ステップ535で、線410(領域)に沿った温度勾配を自動的に評価している。曲線の傾きは、線410の端部で急激に傾斜することになる。この方法で、欠陥215を有する正確なサブピクセルが識別される。
【0055】
ステップ540は、赤外線熱地図が線状410の加熱領域を示した場合に、サブピクセルを検出するための代替方法を開始させている。ステップ540で赤外線熱地図の画像が解析され、線410に沿った電気短絡欠陥215が、大まかに突き止められる。この画像解析は、ステップ535で使用されている画像解析と類似しているが、本発明はこの方法に限定されない。
【0056】
ステップ545で、電気短絡欠陥215を有するサブピクセルの明確な徴候を見出すべく、オペレータによって線が目視によりスキャンされる。このステップは、ステップ540を省略して実行することができる。
【0057】
電気短絡欠陥215を含んだ領域によって2本線310が形成されると、プロセス500は、ステップ550で始まるステップを実行する。このケースでは、ゲート電極206およびエミッタ電極208の線形抵抗が匹敵し、したがって抵抗/熱的加熱は、行−欠陥−列によって形成される回路に比較的一様に分布される。ステップ550で、FEDのTAB結合領域302の赤外線熱地図が作成される。
【0058】
ステップ555で、赤外線熱地図すなわちTAB領域302が解析される。行203a母線化パッドおよび列203b母線化パッドからのデータから、熱くなった正確なゲート電極206およびエミッタ電極208が決定される。したがって、電気短絡欠陥215を含んだサブピクセルの座標が見出される。
【0059】
ステップ560では、電気短絡欠陥215を含んだサブピクセルが識別されると、任意選択のステップで、電気短絡欠陥215が除去される。このステップは、例えば電気短絡欠陥215を有するサブピクセルにレーザを照射することにより、自動的に実行される。したがって実施形態は、電気短絡欠陥215を自動的に検出し、かつ、除去するプロセスを提供している。
【0060】
また、行電極208と列電極206との間ではなく、2つの行電極208の間、あるいは2つの列電極206の間に電気短絡欠陥215が存在することも考えられる。例えば2つのゲート電極間、あるいは2つのエミッタ電極間に電気短絡欠陥215が存在し得る。本発明の実施形態は、このような電気短絡欠陥215を突き止めるにはうってつけである。図6は、2つの行電極208aと208bとの間の電気短絡欠陥215を示したものである。また、図には、選択された行電極208を電気接続する1対の短絡バー602a、および選択された列電極206を電気接続する第2の対の短絡バー602bが示されている。例えば行短絡バー602aの各々は、交互配置パターンが形成されるよう、1つおきに行電極208に接続されている。この方法によれば、隣接する任意の2つの行電極208の間に電位差を与えることができるが、本発明は、1対の短絡バー602のみの使用、あるいは交互配置パターンの使用に限定されない。
【0061】
さらに図6を参照すると、本発明の一実施形態は、2つの行短絡バー602aの間に電圧差を印加している。例えば短絡バー602aに電圧源(図2の204)が電気接続されている。2つの行電極208の間に電気短絡欠陥215が存在すると、電気回路が形成され、電流が流れる。例えば、電気短絡欠陥215および行電極208a、行電極208bおよび行短絡バー602aの部分を通って電流が流れ、行電極208と列電極206との間の欠陥215に関連して考察したように、電気短絡欠陥215が加熱される。同様に、列と列の間の欠陥215に対しても、列短絡バー602bの間に電圧を印加することによって検出することができる。行/行欠陥215および列/列欠陥215は、本明細書において考察した赤外線地図方式によって検出することができる。
【0062】
したがって、本発明の実施形態により、薄型陰極線管ディスプレイ(例えば、電界放出ディスプレイ(FED))のベースプレート構造中の電気短絡欠陥を検出するための方法およびシステムが可能になることが理解されよう。実施形態は、このような欠陥をサブピクセルの精度で検出するシステムを提供している。実施形態は、このような欠陥を自動的に検出するシステムを提供している。実施形態は、広範囲の抵抗を有する欠陥を検出する方法およびシステムを提供している。実施形態は、高速で精度が高く、かつ、信頼性の高い方法およびシステムを提供している。
【0063】
以上、本発明を例証し、かつ、説明するために、本発明の特定の実施形態について示したが、これらは、本発明を余す所なく説明すること、あるいは開示した正確な形態に本発明を限定することを意図したものではなく、上述の教示に照らして、多くの改変および変形形態が可能であることは明らかである。実施形態は、本発明の原理およびその実用アプリケーションについて最も分かり易く説明し、それにより当分野の技術者が、本発明および意図する特定の用途に適した様々な改変が加えられた様々な実施形態を最善利用することができるように選択され、かつ、記述されている。本発明の範囲は、特許請求の範囲の各請求項およびそれらの等価物によって定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施形態による、本発明部分を実践した例示的コンピュータシステムの略図である。
【図2】
本発明の実施形態による、フラットパネルディスプレイのベースプレート構造中の電気短絡欠陥を識別するための例示的システムの略図である。
【図3】
本発明の一実施形態による、電極に電圧が印加された後の、欠陥領域の温度対時間のグラフである。
【図4A】
本発明の一実施形態を実行した場合に生じる陰極中の点状加熱を示す例示的フラットパネルディスプレイを示す図である。
【図4B】
本発明の一実施形態による、電気短絡欠陥をサブピクセルの精度で識別するべくTAB結合領域を評価する方法をハイライトした、例示的フラットパネルディスプレイを示す図である。
【図4C】
本発明の一実施形態による、線欠陥の末端部分の温度勾配を評価して電気短絡欠陥をサブピクセルの精度で識別する方法をハイライトした、例示的フラットパネルディスプレイを示す図である。
【図5】
本発明の一実施形態による、電気短絡欠陥をサブピクセルの精度で検出し、かつ、限定するプロセスのステップを示す流れ図である。
【図6】
本発明の一実施形態による、2つの行電極間または2つの列電極間の電気短絡欠陥を検出するべく、電極間に電圧を印加するために使用される電極および短絡バーの一部を示す図である。
【図7】
本発明の一実施形態を実行することによって検出することができる遮断を有する電極を示す、例示的フラットパネルディスプレイを示す図である。

Claims (40)

  1. フラットパネルディスプレイのプレート構造中の欠陥を赤外線熱検出する方法であって、
    a)前記プレート構造の電気導体に刺激を与えるステップと、
    b)前記プレート構造の陰極の赤外線熱地図を作成するステップと、
    c)前記赤外線熱地図を解析して、前記陰極の前記欠陥を含んだ領域を決定するステップと
    を含む方法。
  2. 前記欠陥が電気短絡欠陥である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記領域が点状欠陥である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ステップa)が、
    a1)前記プレート構造に所定の電圧を印加して、前記領域の比熱および前記赤外線熱地図の熱感度を与えることによって測定可能になる温度変化を前記領域中に生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ステップa)が、
    a1)前記プレート構造のゲート電極とエミッタ電極との間に電圧差を与えるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記領域が2本の線からなる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ステップc)が、
    c1)前記欠陥が、前記2本の線の交点におけるサブピクセル内に存在していることを決定するステップを含む、請求項6に記載の方法。
  8. d)前記フラットパネルディスプレイのTAB結合領域の赤外線地図を作成するステップと、
    e)前記TAB結合領域の前記赤外線地図を解析して、前記欠陥の2つの座標を識別するステップと、
    f)前記座標のサブピクセルが前記欠陥を含んでいることを確認するステップと
    をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. d)前記ステップc)で前記欠陥を含んでいることが決定された前記領域の赤外線熱地図を作成するステップと、
    e)前記領域の前記赤外線地図を解析して、前記プレート構造の前記欠陥を含んだサブピクセルを決定するステップと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記領域が、前記プレート構造の1本の線からなる、請求項1に記載の方法。
  11. d)前記線の画像を解析して、前記欠陥を含んだサブピクセルを大まかに突き止めるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. d)前記線を目視によりスキャンして、前記欠陥を含んだサブピクセルを決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  13. d)前記線の画像を解析して、前記欠陥を含んだサブピクセルを決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  14. 前記ステップd)が、
    d1)前記線に沿った温度勾配を評価して、前記欠陥を含んだサブピクセルを自動的に決定するステップを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記刺激後における前記領域の温度変化が、赤外線検出装置の熱感度より大きい、請求項1に記載の方法。
  16. d)前記領域中の前記欠陥を実質的に除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  17. d)前記領域中の前記欠陥を自動的に実質的に除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  18. d)実質的に前記領域にレーザを照射することによって、前記領域中の前記欠陥を実質的に除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記ステップb)が、
    b1)前記刺激を印加した後、前記赤外線熱地図を作成する前に、所定の時間期間だけ待機するステップを含み、前記領域の比熱、前記プレート構造に印加された刺激、および前記赤外線熱地図の熱感度を与えることにより、前記赤外線熱地図を使用して、前記プレート構造の前記欠陥を含んだ前記領域の温度変化が検出される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記ステップa)が、
    a1)前記プレート構造の2つのゲート電極の間に電圧差を与えるするステップを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記刺激が、交流電圧(AC)、直流電圧(DC)およびパルス電圧からなる群から選択される電圧である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記ステップa)が、
    a1)前記プレート構造の、互いに実質的に直角に配向された2つの電極間に電圧差を与えるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記ステップa)が、
    a1)前記プレート構造の、互いに実質的に平行に配向された2つの電極間に電圧差を与えるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  24. 前記欠陥が電気開回路欠陥である、請求項1に記載の方法。
  25. 前記領域が線状領域からなる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ステップc)が、
    c1)前記線状領域の温度が前記陰極の周囲領域の温度より低いことを決定するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  27. フラットパネルディスプレイのプレート構造中の電気短絡欠陥を識別するためのシステムであって、
    複数の電極を備えたプレート構造と、
    前記複数の電極のうちの2つの電極の間に電位差を与えるように動作することができる装置と、
    前記電位差を与えた後の、前記プレート構造の前記電気短絡欠陥を含んだ領域の、電気短絡欠陥を表す温度差を検出するように動作することができる第1の赤外線検出器と
    を備えたシステム。
  28. 前記赤外線検出器が受動スターリングアレイ赤外線検出器からなる、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記システムが、前記電気短絡欠陥を、前記第1の赤外線検出器によって前記欠陥を含んでいることが決定された前記プレート構造の前記領域内の1つのサブピクセルに限定するように動作することができる第2の赤外線検出器をさらに備えた、請求項27に記載のシステム。
  30. 前記第1および第2の赤外線検出器が、前記複数の電極のうちの前記2つの電極の間に十分な電圧が印加されたときに、欠陥領域を表す温度変化を検出するように動作することができる、請求項29に記載のシステム。
  31. 前記第1および前記第2の赤外線検出器が、アンチモン化インジウム赤外線検出器、水銀テルル化カドミウム赤外線検出器およびマイクロボロメータ赤外線検出器からなる群から選択される、請求項30に記載のシステム。
  32. 前記複数の電極のうちの前記2つの電極が、ゲート電極およびエミッタ電極からなる、請求項27に記載のシステム。
  33. 前記複数の電極のうちの前記2つの電極が、2つのゲート電極からなる、請求項27に記載のシステム。
  34. 前記複数の電極のうちの前記2つの電極が、2つのエミッタ電極からなる、請求項27に記載のシステム。
  35. バスと結合したプロセッサを有するコンピュータシステムにおける、前記バスと結合され、そして、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能媒体であって、前記プロセッサが前記コンピュータシステムを実行することにより、前記コンピュータシステムが、
    a)電界放出ディスプレイ(FED)の陰極領域の第1の赤外線熱地図を作成するステップと、
    b)前記電界放出ディスプレイ(FED)に刺激を与えて、電流を生成するステップと、
    c)前記電界放出ディスプレイの前記陰極領域の第2の赤外線熱地図を作成するステップと、
    d)前記第2の赤外線熱地図から前記第1の赤外線熱地図を減算するステップと、
    e)前記ステップd)の結果を解析して、前記電界放出ディスプレイの前記電気短絡欠陥を含んだ領域を決定するステップと
    を含む、前記電界放出ディスプレイ(FED)中の電気短絡欠陥を赤外線熱検出する方法を実行するコンピュータ読取り可能媒体。
  36. 前記方法の前記ステップb)が、
    b1)複数の第1の電極に第1の電圧を印加し、そして、複数の第2の電極に第2の電圧を印加するステップを含む、請求項35に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
  37. 前記方法の前記ステップe)が、
    e1)前記陰極領域における周囲領域の温度とは異なる温度の領域を識別して、前記電界放出ディスプレイの前記電気短絡欠陥を含んだ前記領域を決定するステップを含む、請求項35に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
  38. 電圧差が与えられると、前記温度差が、電気短絡欠陥を表す所定の範囲内になる、請求項37に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
  39. 前記方法の前記ステップe)が、
    e1)前記陰極領域の前記刺激後における温度上昇領域を識別して、前記電界放出ディスプレイの前記電気短絡欠陥を含んだ前記領域を決定するステップを含む、請求項35に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
  40. 電圧差が与えられると、前記温度上昇が、電気短絡欠陥を表す所定の範囲内になる、請求項39に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
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