JP2013250098A - 配線欠陥検出方法および配線欠陥検出装置、並びに配線基板の製造方法 - Google Patents

配線欠陥検出方法および配線欠陥検出装置、並びに配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短絡欠陥の発生位置を正確に特定する配線欠陥検出方法および装置、並びに配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一形態における配線欠陥検出方法は、配線基板の配線に電圧をかけた状態で赤外画像データを取得し、そのデータの輝度値が極大となる点の二次元座標を時間経過に沿って複数回算出し、近似直線を算出することにより、電圧印加経過時間がゼロであるところの座標を算出して当該座標を上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に用いられるアクティブマトリクス基板や、太陽電池パネル等の半導体基板に形成された配線の欠陥検出に好適な配線欠陥検出方法および配線欠陥検出装置、並びに、配線が形成された配線基板の製造方法に関する。
液晶表示装置は、複数の配線、絵素電極およびスイッチング素子などが形成された一方基板部材であるアクティブマトリクス基板と、対向電極やカラーフィルタが形成された他方基板部材であるカラーフィルタ基板とを有する。液晶表示装置は、前記2枚の基板を間隔をあけて張合わせ、間隙に液晶材料を注入して液晶層を形成した後に、周辺回路部品を実装して製造する。
アクティブマトリクス基板は、その製造工程において、基板上の配線の断線や短絡などの欠陥が生じることがある。当該欠陥は液晶表示装置の表示欠陥の原因となる。液晶表示装置の表示欠陥などの不良を減少させるには、前述した液晶材料を注入する工程以前に、アクティブマトリクス基板の欠陥を検出して修正する必要がある。
通常、このような欠陥は、配線の端部にプローブを接触させ、配線両端における電気抵抗または隣接する配線間の電気抵抗および電気容量を測定することにより特定している。しかしながら、アレイ検出において、配線部の欠陥の有無を検出できたとしても、その欠陥の位置を特定するのは容易ではなかった。
例えば、上記の問題を改善し、欠陥の位置を特定する方法として、リーク欠陥基板に電圧を印加させて発熱させ、赤外線カメラによりリーク欠陥基板表面温度を撮像したものを用いて欠陥位置を特定する赤外線検出がある。
特許文献1は赤外線画像により基板の短絡欠陥を検出する赤外線検出に関するものである。図9は、特許文献1に開示されている配線パターンの検査装置である。特許文献1の検査装置は、基板50上に形成されている配線パターン53に通電電極61により通電して、配線パターン53の発熱により赤外線を発生させ、赤外線センサ63でその赤外線画像を撮像し、撮像信号を画像処理して所定の基準画像データと対比することにより、配線パターン53の良否を検査する。
また、図10は、特許文献2に開示されているアクティブマトリクス基板の検査装置である。特許文献2の検査装置は、アクティブマトリクス基板の走査線81〜85と信号線91〜95との間に電圧を印加し、走査線81〜85と信号線91〜95の交差点で発生する短絡欠陥73を検出している。正常な走査線81〜85と、信号線91〜95との間は絶縁されているため、走査線81〜85と信号線91〜95の短絡欠陥73が存在した場合、この短絡欠陥73部分を通して電流が流れ、短絡部および電流が流れた配線が発熱して赤外線を発生させる。赤外線画像を撮像して、撮像信号を画像処理して発熱領域を認識する。認識した発熱領域を更に画像処理して発熱配線経路を特定し、短絡欠陥部の位置を検出する。また、発熱領域を認識できない場合は、短絡欠陥が無い良品基板と判断する。
図11は、特許文献3に開示されている赤外検査を示している。図11に示すように、薄膜トランジスタ基板の走査線161と信号線162の、いずれも一方の端子を電気的に接続した状態で、従来の電気的検査方法と同様に導通検査がおこなわれた後、導通検査で不良と判定された基板を対象に短絡画素番地が特定される。短絡画素番地特定では、走査線161と信号線162の間に電位差を与え、短絡の発生した走査線161と信号線162に流れる電流による発熱を検出し、短絡位置63を特定する。これには、10〜30μm程度の微小領域の発熱部から放射される赤外光の強度に応じた赤外顕微鏡165を用い、走査線161と信号線162の端子部を破線166に沿って走査し、発熱している配線を検出する。これにより、短絡位置163、または、短絡欠陥が発生している可能性がある短絡候補領域163として特定される。また、短絡候補領域163は、短絡画素番地の配線パターンを赤外顕微鏡165の視野内に順次位置決めし、その赤外画像を検出してその強度から短絡位置163を特定する。
特開平11−337454号公報(平成11年12月10日公開) 特開平6−51011号公報(平成6年2月25日公開) 特開平4−72552号公報(平成4年3月6日公開)
しかしながら、特許文献1〜3のように、短絡部および配線を発熱させる場合、熱伝導によりその近傍の温度も上昇する。また、配線の線幅や引き回しの経路、抵抗値などにより発熱の仕方は異なる。従って、発熱の極大点は、短絡部および配線とその近傍領域に広がり、短絡部の正確な位置を特定できないという問題があった。
本発明は、短絡部を含む配線の時間的に連続した赤外線画像から、発熱源の位置を逆算し、短絡部の位置を正確に特定することを目的とする。
本発明に係る配線欠陥検出方法は、上記の課題を解決するために、
半導体基板に形成された配線に所定の電圧を印加する電圧印加工程と、
上記半導体基板の少なくとも一部の領域を、赤外線カメラを用いて一定時間連続的にまたは断続的に撮影する撮影工程と、
上記撮影工程により得られる、電圧印加開始から経過した経過時間がそれぞれ異なる複数の画像から、輝度値が極大となる点の二次元座標を、画像ごとに求める極大点算出工程と、
上記極大点算出工程により求めた複数の二次元座標と、上記経過時間との関係を表す近似直線を算出する近似直線算出工程と、
上記近似直線算出工程により算出された近似直線における、上記経過時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定工程と、を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、半導体基板上の配線の短絡に伴う欠陥を高精度に検出することができる。
半導体基板上の配線に短絡が在ると、当該配線に電圧をかけることによって、短絡部分が発熱するので、発熱を利用して短絡の有無を特定することができる。従来よりこの手法を用いた欠陥(短絡)検査がおこなわれている。短絡部分は最も発熱が大きいため、理想的には、電圧印加直後に電圧印加前と比較してわずかに温度が上がった箇所を検出すればその位置が短絡部分であるとすることができる。しかしながら、実際には、赤外線撮像では測定のばらつきが大きく、確実に短絡を検出するためには、わずかな温度上昇ではなく、ある程度大きな温度変化を必要とすることが本願発明者らによって解明されており、電圧印加時間を比較的長く設ける必要があることが解明されている。しかしその一方で、短絡部分で生じた熱は半導体基板や配線を伝って拡散していくため、徐々に発熱部分が拡大することになる。このとき、基板よりも金属である配線のほうが熱の伝わりが早いため、短絡部分近傍の配線状況(配線設計)により発熱の極大点の位置が変化することになる。その結果、電圧印加開始から長時間経った時点での発熱極大点の位置は必ずしも短絡位置とはならない場合があることを本願発明者らは見出した。そこで、本発明に係る配線欠陥検出装置は、上記の構成を具備している。これによれば、短絡部を含む配線が形成された領域の赤外画像データの輝度値が極大となる点が、時間経過とともに移動することを利用して、輝度値が極大となる点の二次元座標を、時間経過に沿って複数回算出し(極大点算出工程)、近似直線を算出する(近似直線算出工程)ことにより、電圧印加開始時点(経過時間がゼロ)であるところの座標を算出して、当該座標を上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する(位置特定工程)ことができる。すなわち、短絡部を含む配線の時間的に連続した赤外線画像から、発熱源の位置を逆算し、短絡部の位置を正確に特定することができる。
また、本発明に係る配線欠陥検出方法は、上記の構成に加えて、
上記極大点算出工程では、上記撮影工程により得られる画像を、或る方向、および当該或る方向に対して垂直である方向のそれぞれへ投影して得られる投影結果に現れるピーク値を、上記輝度値が極大となる点の二次元座標とする、ことが好ましい。
これにより、極大点算出工程で上記輝度値が極大となる点の二次元座標を求めることができる。
また、本発明に係る配線欠陥検出方法は、上記の構成に加えて、
上記電圧印加工程では、上記配線の抵抗値を測定して、測定した抵抗値に基づいて特定された電圧を印加することが好ましい。
上記の構成によれば、抵抗検査によって事前に取得された抵抗値に基づいて特定された電圧を、半導体基板(リーク欠陥基板)に印加することにより、印加電圧が高すぎて短絡欠陥を含む配線を焼き切ってしまうことがない。
また本発明の係る配線欠陥検出装置は、上記の課題を解決するために、
半導体基板に形成された配線に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、
上記半導体基板の少なくとも一部の領域を一定時間連続的にまたは断続的に撮影する赤外線カメラと、
上記赤外線カメラにより得られる、電圧印加開始から経過した経過時間がそれぞれ異なる複数の画像から、輝度値が極大となる点の二次元座標を、画像ごとに求める極大点算出手段と、
上記極大点算出手段により求めた複数の二次元座標と、上記経過時間との関係を表す近似直線を算出する近似直線算出手段と、
上記近似直線算出手段により算出された近似直線における、上記経過時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定手段と、を備え、
上記極大点算出手段、上記近似直線算出手段、および上記位置特定手段は、画像処理手段に備わっていることを特徴としている。
上記の構成によれば、半導体基板上の配線の短絡に伴う欠陥を高精度に検出することができる。
半導体基板上の配線に短絡が在ると、当該配線に電圧をかけることによって、短絡部分が発熱するので、発熱を利用して短絡の有無を特定することができる。従来よりこの手法を用いた欠陥(短絡)検査がおこなわれている。短絡部分は最も発熱が大きいため、理想的には、電圧印加直後に電圧印加前と比較してわずかに温度が上がった箇所を検出すればその位置が短絡部分であるとすることができる。しかしながら、実際には、赤外線撮像では測定のばらつきが大きく、確実に短絡を検出するためには、わずかな温度上昇ではなく、ある程度大きな温度変化を必要とすることが本願発明者らによって解明されており、電圧印加時間を比較的長く設ける必要があることが解明されている。しかしその一方で、短絡部分で生じた熱は半導体基板や配線を伝って拡散していくため、徐々に発熱部分が拡大することになる。このとき、基板よりも金属である配線のほうが熱の伝わりが早いため、短絡部分近傍の配線状況(配線設計)により発熱の極大点の位置が変化することになる。その結果、電圧印加開始から長時間経った時点での発熱極大点の位置は必ずしも短絡位置とはならない場合があることを本願発明者らは見出した。そこで、本発明に係る配線欠陥検出装置は、上記の構成を具備している。これによれば、短絡部を含む配線が形成された領域の赤外画像データの輝度値が極大となる点が、時間経過とともに移動することを利用して、極大点算出手段が、輝度値が極大となる点の二次元座標を時間経過に沿って複数回算出し、近似直線算出手段が、近似直線を算出することにより、電圧印加時点(経過時間がゼロ)であるところの座標を算出して、位置特定手段が、当該座標を上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定することができる。すなわち、短絡部を含む配線の時間的に連続した赤外線画像から、発熱源の位置を逆算し、短絡部の位置を正確に特定することができる。
また本発明に係る配線基板の製造方法は、
基板上に複数の配線が形成された配線基板を形成する配線基板形成工程と、
上記配線基板に設けられた上記複数の配線に設けられた端子のうちの少なくとも1組に所定の電圧を印加する電圧印加工程と、
上記配線基板の少なくとも一部の領域を、赤外線カメラを用いて一定時間連続的にまたは断続的に撮影する撮影工程と、
上記撮影工程により得られる、電圧印加開始から経過した経過時間がそれぞれ異なる複数の画像から、輝度値が極大となる点の二次元座標を、画像ごとに求める極大点算出工程と、
上記極大点算出工程により求めた複数の二次元座標と、上記経過時間との関係を表す近似直線を算出する近似直線算出工程と、
上記近似直線算出工程により算出された近似直線における、上記経過時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定工程と、を含むことを特徴としている。
以上のように、本発明に係る配線欠陥検出方法および配線欠陥検出装置により、短絡部を含む配線の時間的に連続した赤外線画像から、発熱源の位置を逆算し、短絡部の位置を正確に特定することができる。
本発明の実施形態に係る配線欠陥検出装置の構成を示す図である。 図1に示す配線欠陥検出装置に具備される画像処理手段の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る配線欠陥検出方法を示すフローチャートである。 図1に示す配線欠陥検出装置に具備されるプローブの平面図である。 本発明の実施形態に係る配線欠陥を示す模式図である。 発熱前後の赤外線画像を示す平面図である。 極大値の時間変化から近似直線を求めて短絡位置を特定する過程を説明する図である。 極大値の時間変化から近似直線を求めて短絡位置を特定する過程を説明する図である。 従来技術の図である。 従来技術の図である。 従来技術の図である。
本発明に係る配線欠陥検出装置および配線欠陥検出方法、ならびに配線基板の製造方法の一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
(1)配線欠陥検出装置の構成
本発明に係る配線欠陥検出装置は、半導体基板に形成された配線に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、上記電圧印加手段により電圧印加された半導体基板の少なくとも一部の領域を一定時間連続的にまたは断続的に撮影する赤外線カメラと、上記赤外線カメラによって得られる画像から或る時点における輝度値が極大となる点の二次元座標を、時間変化に沿って複数回求める極大点算出手段と、上記極大点算出手段により求めた複数の二次元座標における時間変化の近似直線を算出する近似直線算出手段と、上記近似直線算出工程により算出された近似直線における、時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定手段と、を備え、極大点算出手段、近似直線算出手段、および位置特定手段は、画像処理手段に備わっている。
図1は、本実施形態の配線欠陥検出装置1の模式図である。本実施形態の配線欠陥検出装置1は、半導体基板に形成された配線に短絡欠陥が生じているか否かを検出する装置である。検出対象となる半導体基板としては、例えば、図1に示す液晶パネル2(半導体基板)があるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態の配線欠陥検出装置1は、図1に示すように、アライメントステージ3、プローブ4(電圧印加手段)、電圧印加手段5、赤外線カメラ6、画像処理手段7、および、制御手段8を備えている。
液晶パネル2は、アライメントステージ3上に載置され、液晶パネル2の上にプローブ4が載置される。ここで、プローブ4の底面(液晶パネル2との当接面)には、電圧印加手段5に接続された複数の端子が設けられており、液晶パネル2の上にプローブ4が載置されることによって、プローブ4の端子が、液晶パネル2の周囲に設けられる、後述する複数の配線の端子に押付けられて接触する。欠陥検出時には、電圧印加手段5からプローブ4の端子を介して予め定められた電圧が、液晶パネル2に配された複数の配線に与えられる。
アライメントステージ3の上方には、撮像手段である赤外線カメラ6が設置され、所定の電圧が印加された状態の液晶パネル2の赤外線画像を撮像する。赤外線カメラ6は、たとえば液晶パネル2表面から放射される赤外線を捉えて時間的に連続な赤外線画像を形成する。
赤外線カメラ6は、図示しないカメラ移動手段によって、液晶パネル2上において位置が移動するように構成されている。カメラ移動手段を備える場合には、カメラ移動手段は制御手段8により制御することができる。なお、赤外線カメラ6をカメラ移動手段によって移動させるのではなく、アライメントステージ3に図示しない移動手段を設けて、アライメントステージ3を移動することによって、アライメントステージ3に載置した液晶パネル2のほうを移動させる構成であってもよい。
赤外線カメラ6の撮像視野は、液晶パネル2の撮像対象領域よりも狭く、例えば視野が32×24mm程度と小さい。しかしながら、この赤外線カメラ6は、高分解能の撮影を行うことができるミクロ計測が可能な赤外カメラである。
赤外線カメラ6で撮像された赤外線画像の画像データは、たとえばコンピュータに送信され、アナログ/デジタル変換回路を介して画像処理手段7に与えられる。
制御手段8は、上述の電圧印加、撮像、後述する画像処理を順次実行するように、電圧印加手段5および画像処理手段7を制御する。
なお、本実施形態では、ミクロ計測用の赤外線カメラだけを搭載しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、このミクロ計測用よりも撮像視野の広いマクロ計測用の赤外線カメラも搭載してもよい。このマクロ計測用の赤外線カメラは、例えば視野が520mm×405mm程度と広く、ミクロ計測用よりも分解能が低い赤外線カメラである。マクロ計測用の赤外線カメラの画像は、画像処理手段7とは別個の画像処理手段によってミクロ計測用カメラ(赤外線カメラ6)の移動量を算出するために用いることができ、制御手段8による制御を受ける。
さらに、マクロ計測用の赤外線カメラは、複数台にて1つの撮像対象を撮像するように構成されていてもよい。液晶パネル2の撮像対象領域よりも狭い撮像視野を有した各赤外線カメラを、それぞれの撮像視野を合わせることによって、合わせた撮像視野が液晶パネル2の撮像対象領域と等しいかそれよりも大きくなるように構成してもよい。
ここで、液晶パネルのような半導体基板上の配線に電圧をかけると、当該配線に短絡欠陥があれば短絡部分が発熱するため、発熱を利用して短絡の有無を特定することができ、この手法は従来より用いられている。上述のように、短絡部分は最も発熱が大きいものの、赤外線撮像での測定にばらつきが大きいことを考慮して、確実に短絡を検出ためには、電圧印加時間を比較的長く設ける必要がある。しかしその一方で、短絡部分で生じた熱は半導体基板や配線を伝って拡散していくため、発熱部分の拡大を招くことになる。このとき、基板よりも金属である配線のほうが熱の伝わりが早いため、短絡部分近傍の配線状況(配線設計)により発熱の極大点(発熱による温度上昇が最も大きい点)の位置が変化することになる。その結果、電圧印加開始から長時間経った時点での発熱極大点の位置は必ずしも短絡位置とはならない場合がある。そこで、本発明に係る配線欠陥検出装置は、この問題を解決するために、上述した極大点算出手段、近似直線算出手段、および位置特定手段を備えた画像処理手段を具備している。以下、図1に示す本実施形態の配線欠陥検出装置1に設けられた画像処理手段7について説明する。
図2は、上記画像処理手段7の構成図である。画像処理手段7は、赤外線カメラ6によって撮像された画像データに基づいて時間的に連続な赤外線画像を形成する赤外線画像形成部11と、後述する画像の極大点の座標から、当該座標と電圧印加経過時間との関係を表す近似直線を求める近似直線算出部12と、近似直線の切片(電圧印加経過時間がゼロである点)から短絡位置を特定する短絡位置特定部13とを含んでいる。
赤外線画像形成部11では、撮像された画像データから、赤外線の放射量に応じて画像コントラストを決定し、たとえば256諧調のグレースケール画像である赤外線画像を形成する。赤外線画像は、たとえば液晶パネル2の表面の任意の点から放出される赤外線の放射量が増加するほど、画像の輝度値が白に近づくような画像が、予め定められた時間間隔で複数形成される。
近似直線算出部12では、赤外線画像形成部11で形成された時間的に連続した赤外線画像から、輝度値の極大となる点を、電圧印加開始からの経過時間がそれぞれ異なる複数の画像からそれぞれ求め、経過時間と極大点の座標との関係を表す近似直線を算出する。
短絡位置特定部13では、近似直線算出部12で算出された近似直線を解析し、時間変化とともに移動する極大点の時間ゼロ(切片)、つまり電圧印加開始からの経過時間がゼロでの位置座標を求め、短絡欠陥の位置を特定する。
より具体的には、近似直線算出部12は、極大点座標算出部14と、時間変化量算出部15と、近似直線算出部16とを含む。極大点座標算出部14は、赤外線画像形成部11で形成された赤外線画像から輝度値の極大点を算出する。極大点座標算出部14は、電圧印加開始からの経過時間がそれぞれ異なる複数の画像のそれぞれから、輝度値の極大となる点の座標を求める。求められた極大点の座標は、上記経過時間と対応付けられている。時間変化量算出部15は、極大点座標算出部14で算出された極大点について2次元平面(液晶パネル2)上のXとYそれぞれの軸の時間変化を算出する。近似直線算出部16は、極大点の座標と時間の関係から近似直線を算出する。
また、短絡位置特定部13は、近似直線算出部16で算出された近似直線の時間的にゼロとなる切片およびこの切片の位置座標を算出する切片算出部17を含む。
なお、本実施形態では、制御手段8とは異なる構成である画像処理手段7に、赤外線画像形成部11と、近似直線算出部12と、短絡位置特定部13とが配された構成となっている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、画像処理手段7の機能が、制御手段8に含まれても良い。あるいは、赤外線画像形成部11、近似直線算出部12、および短絡位置特定部13のうちの少なくとも1つが、画像処理手段7ではなく制御手段8に含まれても良く、あるいは、近似直線算出部12の極大点座標算出部14、時間変化量算出部15、および近似直線算出部16の少なくとも1つ、および/または短絡位置特定部13の切片算出部17が、画像処理手段7ではなく制御手段8に含まれても良い。すなわち、本発明では、赤外線画像形成部11と、近似直線算出部12と、短絡位置特定部13とが、配線欠陥検出装置の何処かに構成されていれば良い。
(2)配線欠陥検出方法
図3は、図2で示した画像処理手段7で実行される配線欠陥検出方法を示すフロー図である。図3の配線欠陥検出方法は、プログラム化して記録媒体に記録され、コンピュータ読取可能に保存されている。
本発明の配線検査方法は、半導体基板に形成された配線に所定の電圧を印加する電圧印加工程と、上記半導体基板の少なくとも一部の領域を、赤外線カメラを用いて一定時間連続的にまたは断続的に撮影する撮影工程と、上記撮影工程により得られる、電圧印加開始から経過した経過時間がそれぞれ異なる複数の画像から、輝度値が極大となる点の二次元座標を、画像ごとに求める極大点算出工程と、上記極大点算出工程により求めた複数の二次元座標と、上記経過時間との関係を表す近似直線を算出する近似直線算出工程と、上記近似直線算出工程により算出された近似直線における、上記経過時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定工程と、を含む。
本実施形態における配線欠陥検出装置1(図1)においておこなわれる配線検査方法は、プローブ4を用いて液晶パネル2の配線に電圧を印加して短絡部を発熱させる発熱工程21(電圧印加工程)と、発熱工程21で発熱した配線および短絡部を赤外線カメラ6で撮影して時間的に連続した赤外線画像を取得する画像取得工程22(撮影工程)と、赤外線画像から極大点を求め(極大点算出工程)、時間ごとの極大点の座標から近似直線を算出する近似直線算出工程23と、近似直線から切片を求め、短絡位置を特定する短絡位置特定工程24(位置特定工程)とを含む。特に、短絡位置特定工程24において、極大点の時間変化から、経過時間ゼロでの極大点の位置座標を逆算する。
図3に示す配線検査方法の各工程について以下で詳細に説明する。
(発熱工程)
発熱工程21は、プローブ4に設けられた端子を、液晶パネル2の周囲に設けられた配線の端子に押付けて接続するステップS1と、電圧印加手段5からプローブ4の端子を介して液晶パネル2の配線や配線間に所定の電圧を印加するステップS2とを含む。
また、この発熱工程21では、プローブ4に図示しない抵抗測定部を接続して、プローブ4を液晶パネル2に導通させて、配線の抵抗値および隣接する配線間の抵抗値などを測定することができる。
上記ステップS1では、プローブ4に設けられた複数の端子から、各種欠陥の検出モードに対応した端子を選択する。これは、検出モードとプローブ4の複数の端子のなかの特定の端子とが対応付けられたテーブルを用いて制御手段8が制御することができる。これにより、プローブ4に設けられた複数の端子のなかから、導通させる端子の切り替えを行うことができる。ここで、図4は、プローブ4(電圧印加手段)の平面図である。プローブ4は、液晶パネル2とほぼ同じ大きさの枠の形状を成している。そのため、液晶パネルの端子群と、プローブ針44a〜44dとの位置を合わせる際に、プローブ4の枠の内側から光学カメラを用いて該位置を確認してもよい。また、プローブ4は、液晶パネル2の大きさとほぼ同じ大きさの枠状の形状を成しており、液晶パネル2に設置された端子に対応した複数のプローブ針44a〜44dを備えている。複数のプローブ針44a〜44dは、スイッチングリレー(図示なし)を介して、プローブ針44の一本ずつを個別に、図示しない抵抗測定部および電圧印加手段5に接続することができる。このため、プローブ4は、液晶パネルの端子群に繋がる複数の配線を選択的に接続させたり、複数の配線をまとめて接続させたりすることができる。
ここで、各種欠陥の検出モードについて、図5(a)〜(c)を用いて説明する。図5(a)〜(c)では、一例として、生じる短絡部39(配線短絡)の位置を模式的に示している。
図5(a)は、例えば、走査線および信号線のように、配線Xおよび配線Yが上下に交差する液晶パネルにおいて、当該交差部分において配線Xと配線Yとが短絡している短絡部39を示している。導通させるプローブ針44を、図4に示した4aと4dとの組または4bと4cとの組に切り替え、配線X1〜X10および配線Y1〜Y10に関して1対1で配線間の抵抗値を測定することにより、短絡部39の有無を特定することができる。
図5(b)は、例えば、走査線および補助容量線のような、隣接する配線Xの配線間において短絡した短絡部39を示している。このような短絡部39は、導通させるプローブ針44を、4bの奇数番と4dの偶数番との組に切り替えて、配線X1〜X10の隣り合う配線間の抵抗値を測定することにより、短絡部39の有る配線を特定することができる。
図5(c)は、例えば、信号線および補助容量線のような、隣接する配線Yの配線間において短絡した短絡部39を示している。このような短絡部39は、導通させるプローブ針44を、4aの奇数番と4cの偶数番との組に切り替えて、配線Y1〜Y10の隣り合う配線間の抵抗値を測定することにより、短絡部39の有る配線を特定できる。
切り替えたプローブ針444を導通して、選択された配線または配線間の抵抗値を測定し、取得された抵抗値は、データ記憶部10に記憶される。
続いて、取得された抵抗値と、欠陥が無いパネル(基準パネル)の配線または配線間の抵抗値とが比較される。欠陥が無いパネルの配線または配線間の抵抗値は、予めデータ記憶部に記憶しておけばよい。取得された抵抗値が欠陥が無いパネルの配線または配線間の抵抗値と同一である場合は、この検出モードにおいて欠陥は無いと特定することができる。
一方、取得された抵抗値が、欠陥が無いパネルの配線または配線間の抵抗値と同一でない場合、この検出モードにおいて配線または配線間に欠陥が存在する可能性が有ると特定することができる。欠陥が存在する可能性が有る場合、赤外線検出をおこなう必要がある。
そこで、赤外線検出をおこなう必要があると判定された場合には、液晶パネル2の配線に印加する電圧値が、上述においてデータ記憶部に記憶された抵抗値に基づいて設定される。
具体的には、取得された抵抗値の平方根に比例する印加電圧V(ボルト)を、液晶パネル2に印加する。すなわち、印加電圧V(ボルト)を以下の式(1);
Figure 2013250098
と設定する。
ここで、単位時間当たりの発熱量J(ジュール)は、以下の式(2);
Figure 2013250098
と表されるから、上記式(1)および(2)より、単位時間当たりの発熱量Jは以下の式(3);
Figure 2013250098
と表される。
すなわち、式(1)に基づいて、抵抗値の平方根に比例する印加電圧V(ボルト)を液晶パネル2に印加することにより、単位時間当たりの発熱量を一定にすることができる。
したがって、基板の種類または基板上における短絡部39の発生場所等の短絡原因により、短絡部39を含む短絡経路の抵抗値は大きく変動するが、単位時間当たりの発熱量を一定にすることができる。
例えば、本実施形態では、印加する所定の電圧として電圧値=50V(印加時間=5秒)とすることができる。
(画像取得工程)
画像取得工程22は、短絡部が発熱している液晶パネル2を赤外線カメラ6で撮影して赤外線画像を取得するステップS3と、撮影した赤外線画像をメモリ等の記録媒体に保存するステップS4とを含み、これをあらかじめ指定された時間間隔、たとえば1秒間隔で連続して行い、時間的に連続した赤外線画像を取得する。
図6は、液晶パネル2を撮影した赤外線画像の一例である。液晶パネル2は、X方向に形成された複数の配線Xと、Y方向に形成された配線Yが、絶縁体を介して交差している。各交差箇所には、図示しないスイッチング素子として、たとえば薄膜トランジスタが形成されている。図6では、n番目の配線Xnとm番目の配線Ymの交差部に短絡部39が生じた事例を示している。そして、図6(a)は、配線間に通電する前の赤外線画像であり、図6(b)は、配線間に通電後、短絡部39からの発熱により生じた発熱領域40、つまり通電時間を経ることにより短絡部39に生じた熱が拡散して温度上昇領域が拡大した領域、を撮影した赤外線画像を示す。なお、図6は赤外線画像を示す図面だが、わかりやすくするために、赤外線画像に配線Xと配線Yを重ね合わせて表示している。
図6(b)に示すように、発熱領域40は、配線Xn−短絡部39−配線Ymの短絡経路に沿って形成され、発熱領域40は短絡部39の周辺へ広がり、その範囲は時間が進むにつれ大きくなり、同時に発熱の極大点41も短絡部39から移動する。
(近似直線算出工程)
近似直線算出工程23は、撮影された赤外線画像から極大点41の座標を算出するステップS5(極大点算出工程)と、1秒間隔で撮影された赤外線画像からステップS5によって求められた極大点41について、縦軸を電圧印加開始からの経過時間として、横軸をX軸とする二次元平面内にプロットするとともに、縦軸を電圧印加開始からの経過時間として、横軸をY軸とする二次元平面内にもプロットするステップS6と、プロットされた極大点41の座標の近似直線を算出するステップS7と、ステップS7で算出された近似直線の、時間軸がゼロのときの位置座標の切片を算出するステップS8とを含む。
ここで、撮影された赤外線画像から極大点41の座標を算出するステップS5では、撮影された赤外線画像を、例えばある閾値で二値化する。次に二値化した画像のX軸およびY軸それぞれのヒストグラム(投影プロファイル)を求める。そして、X軸のヒストグラムのピーク値(投影ピーク値)(投影結果)となる座標をX座標とし、Y軸のヒストグラムのピーク値となる座標をY座標とする点(X,Y)が算出でき、これを極大点41とする。
図7(a)は、縦軸を電圧印加開始からの経過時間として、横軸をX軸とする二次元平面内に極大点41をプロットしたものである。それぞれの座標の時間変化から求めた近似直線は図7(b)のようになり、図7(c)に示すように、近似直線から時間ゼロのときの位置座標を算出する。なお、図7(a)〜図7(c)では、縦軸を経過時間として、横軸をX軸の位置座標としているが、縦軸と横軸とは逆であってもよい。図8(a)〜図8(c)は、横軸を電圧印加開始からの経過時間として、縦軸をY軸とする二次元平面内に極大点41をプロットしたものである。
(短絡位置特定工程)
短絡位置特定工程24では、最初にステップS9としてX軸、Y軸それぞれについてステップS8で算出された切片から液晶パネル2上の位置座標を算出する。
次いで、短絡位置特定工程24ではステップS10として、S9で算出された位置座標から、液晶パネル2上の短絡部39の欠陥位置を特定する。
以上により、短絡部39または配線部の何れかは十分に発熱するため、撮影された赤外線画像において、電流が流れる短絡部39または配線部の温度が周辺よりも高く表示される。これにより、容易に短絡部39の位置が特定される。特定された該位置は、データ記憶部10に記憶される。
最後に、検査中の液晶パネル2について、各種欠陥モードの全検査が終了しているか否かが判断され、未検査の欠陥モードがある場合は次の欠陥モードに合わせてプローブ4の接続が切り替えられ、欠陥検査が繰り返される。ここで、欠陥モードとは、図5に示したような短絡部39の種類である。図5では、3つの欠陥モードを示している。すなわち、図5(a)の配線Xと配線Yとの短絡欠陥モード、図5(b)の配線X間の短絡欠陥モード、図5(c)の配線Y間の短絡欠陥モードである。
そして、各種欠陥モードの全検査が終了すると、液晶パネル2の配線欠陥検出が終了する。
(3)液晶パネルの製造方法
本実施形態では、配線欠陥検出の検出対象となる半導体基板として液晶パネル(図1)2を用いている。
液晶パネル2は、透明基板上に、ゲート電極、半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、および透明電極が形成されることで作製されている。以下にこの液晶パネル2の具体的な製造方法について一例を挙げて説明する。
まず、透明基板全体に、スパッタリング法により、例えばチタン膜、アルミニウム膜およびチタン膜等の金属膜を順に成膜し、その後、フォトリソグラフィによりパターニングして、ゲート配線、ゲート電極および容量配線を例えば4000Å程度の厚さで形成する。
続いて、ゲート配線、ゲート電極および容量配線が形成された基板全体に、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、窒化シリコン膜等を成膜し、ゲート絶縁膜を厚さ4000Å程度に形成する。
さらに、ゲート絶縁膜が形成された基板全体に、プラズマCVD法により、真性アモルファスシリコン膜、および、リンがドープされたn+アモルファスシリコン膜を連続して成膜する。その後、これらのシリコン膜をフォトリソグラフィによりゲート電極上に島状にパターニングして、厚さ2000Å程度の真性アモルファスシリコン層、および厚さ500Å程度のn+アモルファスシリコン層が積層された半導体膜を形成する。
そして、上記半導体膜が形成された基板全体に、スパッタリング法により、アルミニウム膜およびチタン膜等を成膜した後に、フォトリソグラフィによりパターニングして、ソース配線、ソース電極、導電膜、ドレイン電極をそれぞれ厚さ2000Å程度に形成する。
続いて、ソース電極およびドレイン電極をマスクとして上記半導体膜のn+アモルファスシリコン層をエッチングすることにより、チャネル部をパターニングして、TFTを形成する。
さらに、TFTが形成された基板全体に、スピンコート法により、例えば、アクリル系の感光性樹脂を塗布し、その塗布された感光性樹脂をフォトマスクを介して露光する。その後、上記露光した感光性樹脂を現像することにより、ドレイン電極上に層間絶縁膜を厚さ2μm〜3μm程度に形成する。続いて、層間絶縁膜にコンタクトホールを各画素毎に形成する。
次に、層間絶縁膜上の基板全体に、スパッタリング法により、ITO膜を成膜し、その後、フォトリソグラフィによりパターニングして、透明電極を厚さ1000Å程度に形成する。
以上のようにして、液晶パネル2(半導体基板、配線基板)を形成した(配線基板形成工程)後に、上述した配線欠陥検査方法を実施して、欠陥が検出されたものについては欠陥の修復を行ない、必要に応じて再度配線欠陥検査方法を実施して欠陥の無い良品を製造し、欠陥が検出されなかったものについてはその時点で良品とする。欠陥修復は、例えばレーザを照射して短絡部分を切断する方法があるがこれに限定されるものではない。
なお、本実施形態では、液晶パネルを配線欠陥検出の検出対象となる半導体基板として用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数の液晶パネルを1つのマザー基板を用いて製造する態様の場合に、このマザー基板を配線欠陥検出の検出対象としてもよい。そして、上述した液晶パネルの製造方法の一例は、マザー基板1(半導体基板、配線基板)に対しても適用することができ、大型の透明基板を用いて、複数の液晶パネルが形成される領域に上述の各過程を適用してゲート電極などを形成し、透明電極を形成した後に、上述した配線欠陥検査方法を実施して、欠陥が検出されたものについては欠陥の修復を行ない、必要に応じて再度配線欠陥検査方法を実施して欠陥の無い良品を製造し、欠陥が検出されなかったものについてはその時点で良品とする。そして、例えば、その後工程として、各液晶パネルをマザー基板から分離して、1つの液晶パネルとして製造を完了することができる。
(4)本実施形態の作用効果
本実施形態によれば、半導体基板上の配線の短絡に伴う欠陥を高精度に検出することができる。本実施形態における配線欠陥検出装置および方法によれば、短絡部を含む配線が形成された領域の赤外画像データの輝度値が極大となる点が、時間経過とともに移動することを利用して、輝度値が極大となる点の二次元座標を時間経過に沿って複数回算出し(極大点算出工程)、近似直線を算出する(近似直線算出工程)ことにより、時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する(位置特定工程)ことができる。すなわち、短絡部を含む配線の時間的に連続した赤外線画像から、発熱源の位置を逆算し、短絡部の位置を正確に特定することができる。
(5)変形例
本変形例では、上記実施形態における装置と同様の装置を用い、印加電圧V(ボルト)が実施形態と異なるよう、以下のように設定する。
上述の実施形態では、発熱工程において取得した抵抗値の平方根に比例する印加電圧V(ボルト)を液晶パネル2に印加する。これに対して、本変形例では、取得した抵抗値に比例する印加電圧V(ボルト)を、液晶パネル2(図1)に印加する。
具体的には、印加電圧V(ボルト)を以下の式(4);
Figure 2013250098
と設定する。ここで、電流I(アンペア)は次の式(5);
Figure 2013250098
となる。つまり、印加電圧を適切に定めることにより、電流を一定にすることができる。
ここで、基板に形成された配線の抵抗値Rは、次の式(6);
Figure 2013250098
であり、電気抵抗率ρおよび断面積Aは、配線の種類および場所によって決まっている定数である。したがって、単位長さ当たりの配線の抵抗値R/L=ρ/Aも定数となる。すなわち、配線の種類および場所ごとに付与した番号をiとすると、配線iの単位長さ当たりの抵抗値r(i)は、次の式(7);
Figure 2013250098
と表される。
したがって、配線iの単位長さ当たりの配線iの発熱量は、上記式(2)、(5)および(7)より、次の式(8);
Figure 2013250098
となる。
なお、配線の抵抗値に基づいて電圧を定めるには、制御手段8が上記式(1)ないしは式(4)を計算する処理をその都度実行すればよい。あるいは、抵抗値と電圧との関係を予めテーブルにして記憶しておき、制御手段8がこのテーブルをその都度参照して、抵抗値から電圧を定めればよい。
以上、本発明に係わる実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態および変形例に限定されるものではない。本請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、液晶パネルなどの配線を有する半導体基板の配線状態の検出に用いることができる。
1 配線欠陥検出装置
2 液晶パネル(半導体基板、配線基板)
3 アライメントステージ
4 プローブ(電圧印加手段)
44、44a〜44d プローブ針
5 電圧印加手段
6 赤外線カメラ
7 画像処理手段
8 制御手段
10 データ記憶部
11 赤外線画像形成部
12 近似直線算出部
13 短絡位置特定部
14 極大点座標算出部
15 時間変化量算出部
16 近似直線算出部
17 切片算出部
39 短絡部
40 発熱領域
41 極大点

Claims (5)

  1. 半導体基板に形成された配線に所定の電圧を印加する電圧印加工程と、
    上記半導体基板の少なくとも一部の領域を、赤外線カメラを用いて一定時間連続的にまたは断続的に撮影する撮影工程と、
    上記撮影工程により得られる、電圧印加開始から経過した経過時間がそれぞれ異なる複数の画像から、輝度値が極大となる点の二次元座標を、画像ごとに求める極大点算出工程と、
    上記極大点算出工程により求めた複数の二次元座標と、上記経過時間との関係を表す近似直線を算出する近似直線算出工程と、
    上記近似直線算出工程により算出された近似直線における、上記経過時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定工程と、を含むことを特徴とする配線欠陥検出方法。
  2. 上記極大点算出工程では、上記撮影工程により得られる画像を、或る方向、および当該或る方向に対して垂直である方向のそれぞれへ投影して得られる投影結果に現れるピーク値を、上記輝度値が極大となる点の二次元座標とする、ことを特徴とする請求項1に記載の配線欠陥検出方法。
  3. 上記電圧印加工程では、上記配線の抵抗値を測定して、測定した抵抗値に基づいて特定された電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載の配線欠陥検出方法。
  4. 半導体基板に形成された配線に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、
    上記半導体基板の少なくとも一部の領域を一定時間連続的にまたは断続的に撮影する赤外線カメラと、
    上記赤外線カメラにより得られる、電圧印加開始から経過した経過時間がそれぞれ異なる複数の画像から、輝度値が極大となる点の二次元座標を、画像ごとに求める極大点算出手段と、
    上記極大点算出手段により求めた複数の二次元座標と、上記経過時間との関係を表す近似直線を算出する近似直線算出手段と、
    上記近似直線算出手段により算出された近似直線における、上記経過時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定手段と、を備え、
    上記極大点算出手段、上記近似直線算出手段、および上記位置特定手段は、画像処理手段に備わっていることを特徴とする配線欠陥検出装置。
  5. 基板上に複数の配線が形成された配線基板を形成する配線基板形成工程と、
    上記配線基板に設けられた上記複数の配線に設けられた端子のうちの少なくとも1組に所定の電圧を印加する電圧印加工程と、
    上記配線基板の少なくとも一部の領域を、赤外線カメラを用いて一定時間連続的にまたは断続的に撮影する撮影工程と、
    上記撮影工程により得られる、電圧印加開始から経過した経過時間がそれぞれ異なる複数の画像から、輝度値が極大となる点の二次元座標を、画像ごとに求める極大点算出工程と、
    上記極大点算出工程により求めた複数の二次元座標と、上記経過時間との関係を表す近似直線を算出する近似直線算出工程と、
    上記近似直線算出工程により算出された近似直線における、上記経過時間がゼロであるところの座標を算出して、当該座標を、上記配線に生じた短絡欠陥の位置と特定する位置特定工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
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