JP2005503415A - ククルビチュリル誘導体をホスト分子として含む包接化合物およびこれを含む薬剤組成物 - Google Patents

ククルビチュリル誘導体をホスト分子として含む包接化合物およびこれを含む薬剤組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式1のククルビチュリル誘導体をホスト分子としておよび式2の金属錯体をゲスト分子として有する包接化合物を提供する。抗癌効果を有する薬剤組成物が、本発明に係る包接化合物を使用することによって得られる。本薬剤組成物は、有効成分がin vivoで生物学的に分解するのを防止でき、目的とする腫瘍細胞に到達してからの白金錯体の放出時間を制御することによってたった1回の投与によって長期間連続した薬剤効果を発揮できる。

Description

【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、包接化合物及びこれを含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
白金錯体の抗癌効果が発見されて以来、白金錯体を用いた数多くの抗癌剤が合成されてきた。しかしながら、従来合成された抗癌剤は薬効の面で満足するものではなく、また毒性や溶解度の面で改善の余地がある。
【0003】
現在、広範に使用される有効な抗癌剤の一つである、シスプラチンは、特に卵巣癌または睾丸癌の治療に効果的であり、様々な種類の癌の治療に多くの貢献をしている。しかしながら、シスプラチンはそれ自体水溶性及び有機溶剤溶解性が非常に低いため、容易に投与できず、これにより利用が制限されている。また、シスプラチンは毒性が高いため好ましくない。このようなシスプラチンの欠点を解決しようとして、様々な抗癌剤の開発がなされ、数千種の抗癌剤が合成されてきた。合成された抗癌剤によっては臨床治験に入っているものもある。
【0004】
カルボプラチンは、シスプラチンより毒性が少なく、より多くの量、即ち、約2000mg/doseを患者に投与できる。しかしながら、カルボプラチンはシスプラチンに耐性のある腫瘍細胞の治療にのみ有効であり、静脈内にしか投与できない。
【0005】
最近、以下の2種の白金錯体が抗癌剤として限定を付して承認が得られた;(トランス−L−ジアミノシクロヘキサン)オキサレート白金(II)(オキサリプラチンまたはL−OHP);及びシス−ジアミン−グリコロエート−O,O’−白金(II)(ネダプラチンまたは254−S)。前者の白金錯体は現在日本及びフランスで転移性結腸直腸癌の二次治療に使われており、後者は日本での市販が承認されている。
【0006】
しかしながら、臨床試験では、オキサリプラチンまたはネダプラチンは、シスプラチンまたはカルボプラチンに比べて明らかな効果を示さなかった。オキサリプラチンのみがすべての臨床治験でシスプラチンに耐性を有する腫瘍の治療に使用される潜在性を示した。毒性が少なく、経口で投与できかつシスプラチン及びカルボプラチンに交差耐性のない白金錯体の開発を目的として、向上した抗癌効果を有する白金錯体に対する研究が続いている。
【0007】
現在の白金錯体の抗癌剤は、白金に結合するリガンドを修飾することによる薬効の改善に限界があり、化学的安定性及び経口投薬の面で改善の余地が大きい。
【0008】
α−シクロデキストリン中に1,1−シクロブタンジカルボキシル化ジアミン白金(II)(「カルボプラチン」ともいう)が含まれる新規な包接化合物が報告された。この化合物は、抗癌剤として使われる白金錯体の水溶性を向上させる機能があることに特徴がある。しかしながら、α−シクロデキストリンとカルボプラチンとの結合定数が小さいため、これらの2つの化合物間の結合力。このような包接化合物は、カルボプラチンだけを使用した場合と比較してあまり抗癌効果の差がないことが知られている。
【発明の開示】
【0009】
発明の開示
本発明の目的は、白金錯体などの金属錯体をゲスト分子として有する包接化合物、及びこれらの調製方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、前記包接化合物を含む薬剤組成物を提供することである。
【0011】
本発明は、式1のククルビチュリル誘導体をホスト分子としておよび式2の金属錯体をゲスト分子として有する包接化合物を提供するものである:
【0012】
【化1】
Figure 2005503415
【0013】
【化2】
Figure 2005503415
【0014】
ただし、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、nは、4〜20の整数であり、Mは、遷移金属、ランタノイド金属、アクチノイド金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属よりなる群から選択される2価または4価の金属イオンであり、X及びXは、下記条件(i)及び(ii)から選ばれる一を満たし:
(i)X及びXは、独立して、ハロゲン原子、C−C30のハロアルキル基、ヒドロキシ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、及びC−C30のアルキルジカルボキシ基よりなる群から選択される;または
(ii)X及びXは、互いに連結されて、下記構造式(a)〜(h)で表わされる成分のうちの一であり:
【0015】
【化3】
Figure 2005503415
【0016】
及びXは、下記条件(i)及び(ii)から選ばれる一を満たし:
(i)Mが2価の金属イオンである場合には、X及びXは、結合がないことを示す;または
(ii)Mが4価の金属イオンである場合には、X及びXは、独立して、ハロゲン原子、C−C30のハロアルキル基、ヒドロキシ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、及びC−C30のアルキルジカルボキシ基よりなる群から選択され、
、R、R、R、R及びRは、下記条件(i)、(ii)及び(iii)から選ばれる一を満たし:
(i)R、R、R、R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され;
(ii)R、R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、ならびにR及びRは、相互に連結されて、下記構造式(i)〜(q)で表わされる成分のうちの一であり:
【0017】
【化4】
Figure 2005503415
【0018】
および
(iii)R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、ならびにR及びR、およびR及びRは、相互に連結されて、下記構造式(o)で表わされ、この際、アスタリスクは、Nとの結合位置を示す。
【0019】
【化5】
Figure 2005503415
【0020】
包接化合物において、式2の金属錯体に対する式1の化合物の結合比は、好ましくは1:1〜1:8である。式1の化合物において、Rは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基またはピリジル基であり、Rは、水素、プロピル基、フェニル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、パラフルオロメチル基またはα,α,α−トリフルオロトルイル基であり、nは、好ましくは5〜8の整数であり、式2の化合物は、式4〜27で表わされる。
【0021】
【化6】
Figure 2005503415
【0022】
【化7】
Figure 2005503415
【0023】
【化8】
Figure 2005503415
【0024】
【化9】
Figure 2005503415
【0025】
【化10】
Figure 2005503415
【0026】
【化11】
Figure 2005503415
【0027】
【化12】
Figure 2005503415
【0028】
【化13】
Figure 2005503415
【0029】
【化14】
Figure 2005503415
【0030】
【化15】
Figure 2005503415
【0031】
【化16】
Figure 2005503415
【0032】
【化17】
Figure 2005503415
【0033】
【化18】
Figure 2005503415
【0034】
【化19】
Figure 2005503415
【0035】
【化20】
Figure 2005503415
【0036】
【化21】
Figure 2005503415
【0037】
【化22】
Figure 2005503415
【0038】
【化23】
Figure 2005503415
【0039】
【化24】
Figure 2005503415
【0040】
【化25】
Figure 2005503415
【0041】
【化26】
Figure 2005503415
【0042】
【化27】
Figure 2005503415
【0043】
【化28】
Figure 2005503415
【0044】
【化29】
Figure 2005503415
【0045】
本発明の他の態様によると、式1のククルビチュリル誘導体を式2の金属錯体と反応させる段階を有する、本包接化合物の調製方法が提供される。
【0046】
本発明において、反応段階は、水溶媒の存在下で室温でなされ、得られた生成物にアルコール性溶剤を添加して沈殿物を分離することを含む。または、反応段階は、水熱反応器内で80〜200℃の温度で行なった後、室温まで冷却して結晶性物質を分離する。
【0047】
本発明のさらなる他の態様によると、当該内包組成物を含む薬剤組成物が提供される。ここで、本薬剤組成物は、包接化合物が式1のククルビチュリル誘導体をホスト分子としておよび式4〜27で表わされる金属錯体をゲスト分子として有する際に癌の治療に使用される。
【0048】
本発明の包接化合物は、式3で表わされる。
【0049】
【化30】
Figure 2005503415
【0050】
この際、
【0051】
【化31】
Figure 2005503415
【0052】
ただし、mは、1〜8の整数であり、
【0053】
【化32】
Figure 2005503415
【0054】
ただし、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、nは、4〜20の整数であり、Mは、遷移金属、ランタノイド金属、アクチノイド金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属よりなる群から選択される2価または4価の金属イオンであり、X及びXは、下記条件(i)及び(ii)から選ばれる一を満たし:
(i)X及びXは、独立して、ハロゲン原子、C−C30のハロアルキル基、ヒドロキシ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、及びC−C30のアルキルジカルボキシ基よりなる群から選択される;または
(ii)X及びXは、互いに連結されて、下記構造式(a)〜(h)で表わされる成分のうちの一であり:
【0055】
【化33】
Figure 2005503415
【0056】
及びXは、下記条件(i)及び(ii)から選ばれる一を満たし:
(i)Mが2価の金属イオンである場合には、X及びXは、結合がないこと(non−bonding)を示す;または
(ii)Mが4価の金属イオンである場合には、X及びXは、独立して、ハロゲン原子、C−C30のハロアルキル基、ヒドロキシ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、及びC−C30のアルキルジカルボキシ基よりなる群から選択され、R、R、R、R、R及びRは、下記条件(i)、(ii)及び(iii)から選ばれる一を満たし:
(i)R、R、R、R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され;
(ii)R、R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、ならびにR及びRは、相互に連結されて、下記構造式(i)〜(q)で表わされる成分のうちの一であり:
【0057】
【化34】
Figure 2005503415
【0058】
および
(iii)R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、ならびにR及びR、およびR及びRは、相互に連結されて、下記構造式(o)で表わされ、この際、アスタリスクは、Nとの結合位置を示す。
【0059】
【化35】
Figure 2005503415
【0060】
式3において、式2の金属錯体に対する式1のククルビチュリル誘導体の結合比は、1:1〜1:8、好ましくは1:1〜1:4の範囲である。
【0061】
式3の包接化合物は、式2の金属錯体中に含まれる窒素原子に結合する水素原子がククルビチュリル誘導体の酸素原子と水素結合を形成し、式2の金属錯体内の窒素原子に結合する疎水性置換基が疎水性の空洞中に位置するように安定した状態で維持されると考えられる。
【0062】
式1のククルビチュリル誘導体の調製は、本発明の出願人によって改良され、ククルビチュ[6]リル{cucurbitu[6]ril}及びそのククルビチュ[n]リル同族体{homologue cucurbitu[n]ril}(n=5、7及び8)を合成、分離し、これをX線結晶構造決定によって確認した(米国特許第6,365,734号)。この方法によると、6量体のククルビチュリルのみを分離する従来の分離方法とは異なり、5量体、7量体及び8量体のククルビチュリルを分離でき、これによりゲスト分子の大きさによってホスト分子を選択できる。
【0063】
式1及び2において、前記R、R、R、R、R、RにおけるC−C30のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びtert−ブチル基などがあり、C−C30のアルケニル基の例としては、プロピレン基及びブテン基などがあり、C−C30のアルキニル基の例としては、ヘキシニル基などがあり、C−C30のアルキルチオ基の例としては、ブチルメチルスルフィド基及びオクタンチオール基などがあり、C−C30のアルキルカルボキシル基の例としてはカルボキシプロピル基及びカルボキシブチル基などがあり、C−C30のヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシブチル基及びヒドロキシエチル基などがあり、C−C30のアルキルシリル基の例としては、アリルトリエチルシリル基及びビニルトリエチルシリル基などがあり、C−C30のアルコキシ基の例としてはメトキシ基及びエトキシ基などがあり、C−C30のハロアルキル基の例としては、CF及びCHClがあり、C−C30のアミノアルキル基の例としては、2−アミノブチル基及び1−アミノブチル基などがあり、非置換のC−C30のシクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル基及びシクロペンチル基などがあり、ヘテロ原子を有しているC−C30のシクロアルキル基の例としては、ピペリジル基及びテトラヒドロフラニル基などがあり、非置換のC−C30のアリール基の例としては、フェニル基、ベンジル基及びナフチル基などがあり、ならびにヘテロ原子を有するC−C30のアリール基の例としては、ペンタフルオロフェニル基またはピリジル基がある。X、X、X及びXにおいて、ハロゲン原子の例としては、Br、Cl、I及びFがあり、C−C30のハロアルキル基の例としては、ブロモメチル基及びクロロメチル基があり、C−C30のアルキルカルボキシ基の例としては、CHC(=O)O−があり、ならびにC−C30のアルキルジカルボキシ基の例としては、オキサレート基及びマロネート基がある。
【0064】
Mにおいて、遷移金属の例としては、Pt、Pd及びAuなどがあり、ランタノイド金属の例としては、Ln、Gd及びCeなどがあり、アクチノイド金属の例としては、Acなどがあり、アルカリ金属の例としては、Li、Na及びKなどがあり、ならびにアルカリ土類金属の例としては、Mg及びCaなどがある。
【0065】
式1のククルビチュリル誘導体は、一般的な溶媒に対する溶解度が良好である。式1のククルビチュリル誘導体において、特に、Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基またはピリジル基であることが好ましく、Rが、水素、プロピル基、フェニル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、パラフルオロメチル基またはα,α,α−トリフルオロトルイル基であることが好ましく、ならびにnが5〜8の整数であることが好ましい。式1のククルビチュリル誘導体において、R及びRが双方とも水素であり、nが5〜8の範囲であることがより好ましい。これらの化合物は、1×10−1〜3×10−1Mの水溶性を有し、有機溶媒、特にメタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びアセトニトリルよりなる群から選択される一種に対して良好な溶解度、即ち、1×10−4〜1×10−2Mを有する。
【0066】
Mが2価の白金イオンであり、ならびにX及びXが結合がないこと(non-bonding)を示す場合、式2の錯体の例としては、X及びXが双方ともClであり、かつR〜RがいずれもHである式4のシスプラチン、X及びXが双方ともClであり、かつX及びXが構造式aで表わされ、かつR〜RがいずれもHである式5のカルボプラチン、R、R、R及びRがいずれもHであり、R及びRが構造式jで表わされ、かつX及びXが構造式bで表わされる式6のオキサリプラチン、X及びXが双方ともClであり、R、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつRが構造式jで表わされる式7のJM118、X及びXが双方ともClであり、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが相互に連結して、構造式iで表わされる式8のPt(cis−1,4−dach)Cl(ここで、dachは、1,2−ジアミノシクロヘキシルまたは1,2−ジアミノシクロヘキサンを表わす)、X及びXが双方ともClであり、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが構造式kで表わされる式9のゼニプラチン(xeniplatin)、X及びXが相互に連結して、構造式aで表わされ、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが相互に連結して、構造式lで表わされる式10のエンロプラチン(enloplatin)、X及びXが相互に連結して、構造式mで表わされ、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが相互に連結して、構造式aで表わされる式11のCI−973、X及びXが相互に連結して、構造式fで表わされ、かつR、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつRがシクロペンチル基である式12のシクロプラタム(cycloplatam)、X及びXが相互に連結して、構造式cで表わされ、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが構造式nで表わされる式13のSKI 2053R、X及びXが相互に連結して、構造式aで表わされ、R、R及びRがいずれもHであり、かつR、R及びRが構造式oで表わされる式14のミボプラチン(miboplatin)、X及びXが相互に連結して、構造式gで表わされ、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが構造式pで表わされる式15のイオバプラチン(iobaplatin)、X及びXが双方ともC19であり、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが相互に連結して、構造式jで表わされる式16のL−NDDP、X及びXが相互に連結して、構造式hで表わされ、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが相互に連結して、構造式jで表わされる式17のTRK−710、ならびにX及びXが相互に連結して、構造式dで表わされ、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが相互に連結して、構造式jで表わされる式18のNa[Pt(R,R−dach)(MPBA)])がある。
【0067】
及びXが様々な種類の置換基を示す場合、式2の錯体の例としては、X、X、X及びXがいずれもClであり、R、R、R、R、R及びRがいずれもHである式19のシスジアミンジクロロ白金(IV)、X及びXは双方ともClであり、X及びXが双方ともOC(=O)CHであり、R、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつRがシクロヘキシル基である式20のJM216、X及びXが双方ともClであり、X及びXが双方ともOHであり、R、R、R及びRがいずれもHであり、R及びRが双方ともイソプロピル基である式21のイプロラチン(iprolatin)、X、X、X及びXがいずれもClであり、R、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつR及びRが相互に連結して、構造式jで表わされる式22のオマプラチン(omaplatin)、X及びXが双方ともClであり、X及びXが双方とも−OC(=O)CHCHCHであり、R、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつRがシクロヘキシル基である式23のJM221、X及びXが双方ともClであり、X及びXが双方ともOHであり、R、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつRがシクロヘキシル基である式24のJM149、XがOHであり、XがClであり、X及びXが双方とも−OC(=O)CHであり、R、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつRがシクロヘキシル基である式25のJM518、X及びXが双方ともOHであり、X及びXが双方とも−OC(=O)CHであり、R、R、R、R及びRがいずれもHであり、かつRがシクロヘキシル基である式26のJM383、ならびにXがNHであり、XがClであり、X及びXが双方ともOHであり、R、R、R、R及びRが双方ともHであり、かつRがシクロヘキシル基である式27のJM335がある。
【0068】
ここで、本発明に係る式3の包接化合物の調製方法を説明する。
【0069】
式3の包接化合物は、式1のククルビチュリル誘導体を式2の金属錯体と混合した後、これを攪拌して反応させることにより得られる。
【0070】
反応は、溶媒としての水の存在下で室温で1〜6時間反応物質を攪拌する、または水熱反応器内で80〜200℃、特に100〜120℃で、1日〜3日間反応させた後、50〜70℃で1日〜2日間放置することによって行なわれる。
【0071】
水熱反応中、反応は、反応性の面で上記温度範囲で行われることが好ましい。上記反応から得られたワークアップ過程(work-up procedure)をここで簡単に説明する。室温で反応した後、メタノールまたはエタノールなどのアルコール性溶剤を反応産物に添加して、沈殿物の形態で産物を分離する。水熱反応器で行なわれる反応中では、反応産物を室温まで冷却して、結晶の形態で沈殿させる。
【0072】
式3の包接化合物を調製するにあたって、式2の金属錯体に対する式1のククルビチュリル誘導体の結合比は、ククルビチュリルの空洞の大きさを考慮して当量に従って調節できる。好ましくは、式1のククルビチュリル誘導体1当量に対して、1〜10当量の式2の金属錯体が使用される。
【0073】
本発明の出願人による米国特許第6,365,734号に記載されるのと同様の、式1のククルビチュリル誘導体の合成方法を、ここでより詳細に説明する。
【0074】
本発明によるククルビチュリル誘導体を合成する方法は、反応条件及び中間生成物の状態によって、3つの方法に分けられる(図1参照)。
【0075】
第一は、酸を、グリコールウリル(glycoluril)1モルに対して3〜7モルの量、グリコールウリルに添加して、混合する。好ましくは、酸は、6〜12Mになるように水や有機溶媒で希釈することが好ましい。グリコールウリルを溶解できるいずれかの酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、硝酸及びこれらの酸の混合物が使用できる。酸の希釈剤としての有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、クロロホルムまたはこれらの溶剤の混合物がありうる。
【0076】
グリコールウリルは、下記方法によって合成してもよく、および購入してもよい。
【0077】
ウレア及びグリオキサールを、酸性水溶液または酸含有有機溶剤に溶解し、所定の時間攪拌する。反応混合物から水や有機溶剤を除去することによって、グリコールウリルを製造する。
【0078】
【化36】
Figure 2005503415
【0079】
ホルムアルデヒドを、グリコールウリル及び酸の反応混合物に添加して、攪拌しながら70〜95℃で6〜24時間反応させる。ホルムアルデヒドの使用量は、グリコールウリル1モルに対して、2〜20モルであるが、好ましくは4モルである。反応中、反応溶液の色は、経時的に暗い赤色に変化する。
【0080】
反応混合物をさらに95〜105℃で反応させる。最終反応産物は、反応温度及び反応物質の量によって異なる。一般的な最終反応産物は、nが5〜20の値である、2以上のククルビチュリル誘導体の混合物である。
【0081】
具体的には、反応産物は、n=5であるククルビチュリル誘導体5〜30%、n=6であるククルビチュリル誘導体30〜70%、n=7であるククルビチュリル誘導体5〜30%、n=8であるククルビチュリル誘導体2〜15%、及びn=9〜20であるククルビチュリル誘導体1〜10%の混合物である。
【0082】
しかしながら、95〜105℃での反応中、n=6であるククルビチュリル誘導体を、反応温度、空気中の水分含量、及び反応物質の濃度によっては、結晶形態で沈殿させてもよい。
【0083】
次に、このようにして得られたククルビチュリル誘導体を、以下の分別結晶方法に従ってそれぞれ分離するが、これについてここでさらに詳細に説明する。
【0084】
まず、最終反応産物を水で希釈し、室温で実験台に放置することによって、n=8である、式(1)を有するククルビチュリル誘導体が得られる。この分離過程中、n=6のククルビチュリル誘導体を結晶形態で形成してもよく、これは、溶剤で、式(1)においてn=8のククルビチュリル誘導体から容易に分離できる。n=6のククルビチュリル誘導体の分離に使用される溶剤は、NaSO若しくはKSO等の、アルカリ金属イオン塩溶液、アミン−酸塩溶液(HN−R−NH.2HCl)またはギ酸溶液であってもよい。結晶状態のn=6のククルビチュリル誘導体はこのような溶剤に可溶性であるが、n=8のククルビチュリル誘導体は当該溶剤にあまり溶けないので、これらの2種の反応産物を分離できる。
【0085】
式(1)においてn=8のククルビチュリル誘導体を分離した後、濾液を水及びアセトンでさらに希釈し、濾過する。好ましくは、水及びアセトンは、1:3〜1:7の容積比で添加される。濾過後の濾液は、n=9〜20である、式(1)のククルビチュリル誘導体を含む。この際、フィルターケーキが水で溶解している。ゆえに、式(1)においてn=5及び7のククルビチュリル誘導体が、水溶性画分の主成分として得られる。水不溶性画分の主成分は、式(1)においてn=6のククルビチュリル誘導体である。
【0086】
式(1)においてn=5及び7のククルビチュリル誘導体は、1:0.7〜1:1.3の容積比の水及びメタノール混合液でそれぞれ分離できる。すなわち、フィルターケーキを水及びメタノールに溶解し、濾過する。次に、不溶性画分を再結晶化することによって、式(1)においてn=7の純粋な結晶状態のククルビチュリル誘導体が得られる。また、水及びメタノール可溶性画分である、濾液を酸の水溶液で再結晶化することによって、式(1)においてn=5の結晶状態のククルビチュリル誘導体が得られる。
【0087】
本発明に係るククルビチュリル誘導体の第二の合成方法においては、前記方法より比較的少ない量の酸を、グリコールウリル及びホルムアルデヒドの反応混合物に添加して、ゲル状態の中間産物を得る。次に、この中間産物を酸で処理することによって、式(1)のククルビチュリル誘導体を得る。
【0088】
より詳細には、酸を、グリコールウリル1モルに対して0.1〜1モル量をグリコールウリルに添加する。添加される酸は、水または上記第一の方法と同様の割合の有機溶剤で希釈してもよい。
【0089】
次に、グリコールウリル1モルに対して2〜20モル、好ましくは2〜4モルのホルムアルデヒドを混合物に添加して、70〜85℃で反応させて、ゲル状態の中間産物を得る。
【0090】
この中間産物を乾燥した後、中間産物1モルに対して3〜7モルの酸を添加して、70〜105℃で攪拌する。ここで、酸は、添加前に水または有機溶剤で希釈される。
【0091】
上記方法では、最終反応産物は、第一の合成方法におけるのと同様、反応温度及び反応物質の量によって若干異なる。しかしながら、一般的な最終反応産物は、nが5〜20の値である、式(1)における2以上のククルビチュリル誘導体の混合物である。
【0092】
具体的には、最終反応産物は、n=5であるククルビチュリル誘導体5〜30%、n=6であるククルビチュリル誘導体30〜70%、n=7であるククルビチュリル誘導体5〜30%、n=8であるククルビチュリル誘導体2〜15%、及びn=9〜20であるククルビチュリル誘導体1〜10%の混合物である。
【0093】
次に、第一の合成方法におけるのと同様にして、分別分離を行なって、nが5〜20の値である、式(2)を有するククルビチュリル誘導体を得る。
【0094】
本発明によって開示されるククルビチュリル誘導体の第三の合成方法は、前述した2つの合成方法とは違って、高圧条件下での反応を含む。この合成方法では、第二の合成方法におけるのと同様にして、グリコールウリル及びホルムアルデヒドとの反応用に添加される酸の量を減らして、オリゴマー粉末を中間産物として製造する。得られた中間産物を酸で処理して、式(1)を有するククルビチュリル誘導体を合成する。前述の2方法とは反対に、n=7のククルビチュリル誘導体が比較的より高い収率で製造され、また、n=6のククルビチュリル誘導体は比較的より低い収率で製造される。
【0095】
第三の合成方法をここでより詳細に説明する。グリコールウリル、0.1〜1モルの酸及び2〜4モルのホルムアルデヒドを高圧反応器に仕込む。酸は、使用する前に水または有機溶剤で希釈される。希釈された酸溶液の濃度は、反応条件によって異なるが、好ましくは1〜12M、より好ましくは6〜12Mの酸溶液が添加される。次いで、この混合物を80〜130℃で反応させる。好ましくは、反応を、15〜100psi、好ましくは20〜80psiの圧力下で行なう。反応圧力が100psiより高いと、合成工程自体が危険な状況になる場合がある。また、反応圧力が15psi未満であると、収率が低下する場合がある。
【0096】
反応が完了したら、固体の反応産物を水または有機溶剤で洗浄し、乾燥することによって、粉末形態のオリゴマーを中間産物として得る。
【0097】
次に、オリゴマー1モルに対して3〜7モルの酸を、オリゴマーに添加して、この混合物を70〜105℃で攪拌する。ここで添加される酸は、第一及び第二の合成方法におけるのと同様、水または有機溶剤で希釈される。また、使用できる酸の濃度及びタイプは第一及び第二の合成方法におけるのと同様である。その結果、nが5〜20の値である、2以上のククルビチュリル誘導体の混合物が、第一及び第二の合成方法におけるのと同様、得られる。
【0098】
具体的には、最終反応産物は、n=5であるククルビチュリル誘導体5〜30%、n=6であるククルビチュリル誘導体30〜70%、n=7であるククルビチュリル誘導体5〜30%、n=8であるククルビチュリル誘導体2〜15%、及びn=9〜20であるククルビチュリル誘導体1〜10%の混合物である。
【0099】
オリゴマー及び酸の反応が完了したら、第一及び第二の合成方法におけるのと同様にして、分離工程を行なって、nが5〜20の値である、式(1)を有するククルビチュリル誘導体を得る。
【0100】
本発明は、nが5〜11の範囲である、式(1)を有するククルビチュリル誘導体の容易な調製方法、ならびに水、アセトン等の一般的な溶剤及びメタノール等の有機溶媒に対する異なる溶解度を利用した分離方法を提供するものである。また、この方法によると、nが5〜20の値である、式(1)を有するククルビチュリル誘導体から選択された2以上の混合物。これらの混合物は、図2に示される方法によってそれぞれのククルビチュリル誘導体として分離できる。
【0101】
本発明に係る薬剤組成物は、式3の包接化合物を含む。当該包接化合物は、薬学的に有効な量、薬剤組成物中に含まれる。式2の金属錯体として、白金錯体、例えば、シスプラチンを使用する場合には、本包接化合物は、抗癌剤として好適に使用される。このような抗癌剤は、有効成分である白金錯体がin vivoで生物学的に分解するのを防止でき、目的とする腫瘍細胞に到達してからの白金錯体の放出時間を制御することによってたった1回の投与によって長期間連続した薬剤効果を発揮できる。
【0102】
本発明の薬剤組成物は、ヒトまたは動物に経口でまたは非経口で投与できる。例えば、包接化合物を、注射水、生理的食塩水、5%グルコース水溶液、水性エタノール、水性グリセリンまたは水性プロピレングリコールなどの注射用溶剤に、例えば、静脈内注射、筋肉注射、皮下注射または点滴注入の形態で、溶解または懸濁させる。
【0103】
本発明の薬剤組成物において、剤形としては、錠剤、カプセル、軟質カプセル、液剤、散剤などが挙げられる。溶液または懸濁液の形態の配合物を、例えば、顆粒、粉末、微細顆粒(microgranule)または凍結乾燥製剤の形態で、密封アンプルまたはバイアルに保存して、使用する前に直接溶解してもよい。安定化剤を配合物にさらに添加してもよい。
【0104】
包接化合物及び式4〜27で表わされる化合物等の金属錯体を含む、本発明の薬剤組成物が癌の治療のために投与される際の、成人での1日当たりの投与量は、抗癌剤の量とほぼ同じであり、例えば、通常週に1回または3若しくは4週ごとに一回ずつ、約2000mg/doseの量であり、これは経口でまたは非経口で投与されてもよい。
【0105】
本発明の薬剤組成物は、卵巣癌、乳房癌または結腸癌などの様々なタイプの治療に好適に使用できる。
【0106】
様々な種類の薬剤学的に許容できる添加剤を、本発明に係る薬剤組成物にさらに添加してもよく、その濃度は添加目的によって異なる。
【0107】
図面の簡単な説明
図1は、式1のククルビチュリル誘導体の合成メカニズムを示す概略図である;
図2は、本発明の合成例1に従って製造された包接化合物のX線結晶構造の図である;および
図3は、等温マイクロ熱量計で測定される際の、本発明の合成例1に従って製造された包接化合物の滴定グラフである。
【0108】
発明を実施するための最良の形態
本発明を、下記実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【0109】
実施例
合成例1:オキサリプラチン及びククルビチュ[7]リルの包接化合物の合成
3mgのオキサリプラチン及び9mgのククルビチュ[7[リルを、20mLの水に加えて、テフロン(登録商標)製の反応容器を有する水熱反応器で100℃で24時間水熱反応した。この反応混合物を室温まで徐々に冷却して、無色の板状の結晶材料を得た。次に、この結晶材料を濾過し、空気中で乾燥することによって、包接化合物を61%の収率で得た。
【0110】
合成例2:オキサリプラチン及びククルビチュ[7]リルの包接化合物の合成
3mgのオキサリプラチン及び9mgのククルビチュ[7[リルを、20mLの水に加えて、反応させた後、エタノールをこの混合物に加えて、沈殿物を形成させた。その後、この沈殿物を濾過して、空気中で乾燥することによって、包接化合物を72%の収率で得た。
【0111】
合成例1及び2で合成された包接化合物について、NMR(500MHz)、CHNS決定(CHNS determination)及び質量分析による分析をそれぞれ行なったところ、それらの結果は次の通りである:
【0112】
【化37】
Figure 2005503415
【0113】
また、包接化合物のX線結晶構造を調べ、その結果を図2に示す。図2は包接化合物のX線結晶構造を示すものであり、そのデータを以下に列挙する:
【0114】
【化38】
Figure 2005503415
【0115】
図2に示されるように、包接化合物は、1:1の結合比で、ククルビチュ[7]リルをホスト分子としておよびオキサリプラチンをゲスト分子として含む。ホスト−ゲスト分子構造を観察すると、ゲスト分子、即ち、オキサリプラチンのアミン原子が、ホスト分子、即ち、ククルビチュリルの酸素原子と同じ幾何学レベルで維持される。また、水素結合が、オキサリプラチンのアミンに連結した水素原子及びククルビチュリルの酸素原子間で形成され、さらにオキサリプラチンのシクロヘキシル基が疎水性の空洞内部に埋設される。このようにして、安定した包接化合物が形成された。
【0116】
合成例1及び2で合成された包接化合物について、等温マイクロ熱量計による分析を行ない、オキサリプラチンとククルビチュ[7]リルとの結合定数を測定し、その結果を図3に示す。本実験は、20mMのオキサリプラチン及び1mMのククルビチュ[7]リルの濃度で、25℃の一定温度条件下で行なった。
【0117】
その結果、オキサリプラチン及びククルビチュリル誘導体は、結合定数が2.39×10(±0.4)M−1であり、結合エンタルピーが−6.33kcal/mole(±0.07)であり、エントロピーが3.31esuであった。ストッダート群(Stoddart group)が60M−1であるのに比して、オキサリプラチン及びククルビチュリルの結合定数がかなり高いことから、ホスト−ゲスト分子間の結合が非常に強いことが示唆される。また、エントロピーが正(+)の値であることから、ホスト分子にトラップされた水分子が結合過程中で逃げるので、反応がエントロピー的に好ましいことが確認される。
【0118】
合成例3:オキサリプラチン及びククルビチュ[8]リルの包接化合物の合成
13mgのククルビチュ[8]リル及び3mgのオキサリプラチンを、10mlの水に加えて、100℃で24時間水熱反応を実施した後、徐々に冷却して、結晶材料を得た。次に、この結晶材料を濾過した後、空気中で乾燥することによって、6mgの包接化合物を75%の収率で得た。
【0119】
合成例4:オキサリプラチン及びククルビチュ[8]リルの包接化合物の合成
13mgのククルビチュ[8]リル及び3mgのオキサリプラチンを、10mlの水に加えて、室温で攪拌した後、メタノールをこれに加えて、沈殿を誘導した。このようにして得られた沈殿物を濾過して、空気中で乾燥することによって、6mgの包接化合物を78%の収率で得た。
【0120】
合成例3及び4で合成された包接化合物において、オキサリプラチン及びククルビチュ[8]リルは、2:1の結合比で含まれた。
【0121】
合成例5:シス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及びククルビチュ[7]リルの包接化合物の合成
3mgのシス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及び9mgのククルビチュ[7]リルを、10mlの水に加えて、100℃で24時間水熱反応を実施した後、徐々に冷却し、濾過し、空気中で乾燥することによって、5mgの包接化合物を65%の収率で得た。
【0122】
合成例6:シス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及びククルビチュ[7]リルの包接化合物の合成
3mgのシス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及び9mgのククルビチュ[7]リルを、10mlの水に加えて、室温で攪拌した後、メタノールをこれに加えて、沈殿を誘導した。このようにして得られた沈殿物を濾過して、空気中で乾燥することによって、5mgの固体包接化合物を65%の収率で得た。
【0123】
合成例7:シス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及びククルビチュ[8]リルの包接化合物の合成
3mgのシス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及び7mgのククルビチュ[8]リルを、10mlの水に加えて、100℃で24時間水熱反応を実施した。その結果、得られた結晶材料を、濾過し、空気中で乾燥することによって、5mgの包接化合物を68%の収率で得た。
【0124】
合成例8:シス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及びククルビチュ[8]リルの包接化合物の合成
3mgのシス−ジクロロエチレンジアミン白金(II)及び7mgのククルビチュ[8]リルを、10mlの水に加えて、室温で攪拌した。次に、メタノールを反応産物に加えて、沈殿を形成した。
【0125】
その後、沈殿物を濾過して、空気中で乾燥することによって、5mgの固体包接化合物を65%の収率で得た。
【0126】
合成例1及び2で合成された包接化合物の抗癌活性を以下のようにして測定した。
【0127】
まず、合成例1及び2で合成されたオキサリプラチン−ククルビチュ[7]リル包接化合物を、凍結乾燥して、試料を調製した。使用した腫瘍細胞は、A 549(ヒト非肺小細胞)、SKOV−3(ヒト卵巣)、SKMEL−2(ヒトメラノーマ)、XF−498(ヒトCNS)、及びHCT−15(ヒト結腸)であり、SRB(スルホローダミンB(sulforhodamine B))アッセイによって分析した。分析結果を表1に示す。
【0128】
【表1】
Figure 2005503415
【0129】
表1に示されるように、合成例1及び2で合成されたオキサリプラチン−ククルビチュ[7]リル包接化合物は良好な抗増殖活性を示したが、これはオキサリプラチンが強くククルビチュ[7]リルに配位されたことに起因すると考えられる。また、包接化合物はオキサリプラチンを徐々に放出することができるので、連続した薬効が単に薬剤組成物を一回投与することによって長期間発揮できることが確認された。
【0130】
産業上の利用可能性
本発明に係る包接化合物は、式1のククルビチュリル誘導体をホスト分子としておよび式2の金属錯体をゲスト分子として含むものである。抗癌効果を有する薬剤組成物が、本発明に係る包接化合物を使用することによって得られる。本薬剤組成物は、有効成分がin vivoで生物学的に分解するのを防止でき、目的とする腫瘍細胞に到達してからの白金錯体の放出時間を制御することによってたった1回の投与によって長期間連続した薬剤効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】式1のククルビチュリル誘導体の合成メカニズムを示す概略図である。
【図2】本発明の合成例1に従って製造された包接化合物のX線結晶構造の図である。
【図3】等温マイクロ熱量計で測定される際の、本発明の合成例1に従って製造された包接化合物の滴定グラフである。

Claims (12)

  1. 式1のククルビチュリル誘導体をホスト分子としておよび式2の金属錯体をゲスト分子として有する包接化合物:
    Figure 2005503415
    Figure 2005503415
    ただし、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、nは、4〜20の整数であり、Mは、遷移金属、ランタノイド金属、アクチノイド金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属よりなる群から選択される2価または4価の金属イオンであり、X及びXは、下記条件(i)及び(ii)から選ばれる一を満たし:
    (i)X及びXは、独立して、ハロゲン原子、C−C30のハロアルキル基、ヒドロキシ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、及びC−C30のアルキルジカルボキシ基よりなる群から選択される;または
    (ii)X及びXは、互いに連結されて、下記構造式(a)〜(h)で表わされる成分のうちの一であり:
    Figure 2005503415
    及びXは、下記条件(i)及び(ii)から選ばれる一を満たし:
    (i)Mが2価の金属イオンである場合には、X及びXは、結合がないことを示す;または
    (ii)Mが4価の金属イオンである場合には、X及びXは、独立して、ハロゲン原子、C−C30のハロアルキル基、ヒドロキシ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、及びC−C30のアルキルジカルボキシ基よりなる群から選択され、
    、R、R、R、R及びRは、下記条件(i)、(ii)及び(iii)から選ばれる一を満たし:
    (i)R、R、R、R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され;
    (ii)R、R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、ならびにR及びRは、相互に連結されて、下記構造式(i)〜(q)で表わされる成分のうちの一であり:
    Figure 2005503415
    および
    (iii)R、R及びRは、独立して、H、C−C30のアルキル基、C−C30のアルケン基、C−C30のアルキン基、C−C30のアルキルチオ基、C−C30のアルキルカルボキシ基、C−C30のアルキルヒドロキシ基、C−C30のアルキルシリル基、C−C30のアルキルオキシ基、C−C30のハロアルキル基、ニトロ基、C−C30のアルキルアミン基、アミン基、C−C30の非置換のシクロアルキル基またはヘテロ原子を有するC−C30のシクロアルキル基、ならびにC−C15の非置換のアリール基またはヘテロ原子を有するC−C15のアリール基よりなる群から選択され、ならびにR及びR、およびR及びRは、相互に連結されて、下記構造式(o)で表わされ、この際、アスタリスクは、Nとの結合位置を示す。
    Figure 2005503415
  2. 式1の化合物と式2の金属錯体との結合比が1:1〜1:8の範囲である、請求項1に記載の包接化合物。
  3. 式1の化合物と式2の金属錯体との結合比が1:1〜1:4の範囲である、請求項1に記載の包接化合物。
  4. 式1の化合物において、Rは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基またはピリジル基であり、Rは、水素、プロピル基、フェニル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、パラフルオロメチル基及びα,α,α−トリフルオロトルイル基であり、nは、5〜8の整数である、請求項1に記載の包接化合物。
  5. 式2の化合物において、Mは、金(Au)、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)よりなる群から選択される一である、請求項1に記載の包接化合物。
  6. 式2の化合物は、式4〜27で表わされる、請求項1に記載の包接化合物。
    Figure 2005503415
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  7. 式1のククルビチュリル誘導体を式2の金属錯体と反応させる段階を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の包接化合物の調製方法。
  8. 前記反応段階は、水溶媒の存在下で室温でなされ、得られた生成物にアルコール性溶剤を添加して沈殿物を分離することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記反応段階は、水熱反応器内で80〜200℃の温度で行なった後、室温まで冷却して結晶性物質を分離する、請求項7に記載の方法。
  10. 式1のククルビチュリル誘導体をホスト分子としておよび式2の金属錯体をゲスト分子として有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の内包組成物を含む薬剤組成物。
  11. 式2の金属錯体が抗癌活性成分であり、包接化合物が癌の治療に使用される、請求項10に記載の薬剤組成物。
  12. 包接化合物が卵巣癌、乳房癌または結腸癌の治療に使用される、請求項10に記載の薬剤組成物。
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