JP4235111B2 - 超分子カルボプラチン誘導体、その製造方法、活性成分としてその誘導体を含有する薬学的組成物およびその使用 - Google Patents

超分子カルボプラチン誘導体、その製造方法、活性成分としてその誘導体を含有する薬学的組成物およびその使用 Download PDF

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Description

本発明は新規の超分子カルボプラチン誘導体、そのような誘導体の製造方法、その誘導体を活性成分として含有する薬学的組成物およびそのような誘導体とその誘導体を含有する薬学的組成物の、種々の細胞ガン(たとえば、肝ガン、胃ガン、肺ガンなど)の臨床治療のための使用に関する。
1969年にRosenbergとCampがシスプラチン[Cis−Pt(NH32Cl2]の抗ガン効果を最初に報告して以来(Trans. Met. Chem., 1987:14, 77)、プラチナ含有抗ガン剤は多くの国の科学者の関心を集めている。30数年来すでに首尾よく開発され、そしてガンの臨床治療に適用されているプラチナ含有抗ガン剤(たとえば、イプロプラチン(英国特許第1578323号明細書)、オキサリプラチン(J. Med. Chem., 1978:21, 1315)、オルマプラチン(J. Med. Chem., 1978:21, 1315)、ラバプラチン(欧州特許第176005号明細書)、カルボプラチン(英国特許第20244823号明細書)など)は10種類に達している。しかし、これらの薬物には欠点があり、たとえば水溶液中での安定性が劣るため、経口調製物の形態で使用することができない点、人体に対する毒性が大きいため、胃、腎臓、血液などに一連の重大な毒性反応を生じさせる点である。そのため、前述のような欠点を有しない新規なシスプラチン誘導体化合物が、長年にわたり世界中の薬学専門家によって研究されているが、現在まで本質的な成果はない。
1978年にJ.M.Lehnは弱い分子間相互作用により超分子化合物を形成するという新たな概念を提案した。すなわち、分子が、非共有結合力(たとえば、水素結合、配位結合、ファンデルワールス力、静電引力など)を介して結合された場合、分子凝集体を形成し、この凝集体が、理化学的活性(たとえば、選択性、同定能および移動)を示し、そして、「超分子化合物(Supermolecular Compound)」と名付けた。C.J.Peterson、D.J.CramおよびLehnは、クラウンエーテル、クリプタンドなどを含む超分子化合物における素晴らしい成果(J. M. Lehn, Angew. Chem., Inter. Ed. Engl., 27, 89, 1988)のために、1987年にノーベル化学賞を受賞している。しかし、本発明者らによって提案される超分子薬物の化学構造に関する研究は、これまで先行技術に開示されていない。
超分子化学理論にもとづいて、本発明者らは、水素結合および配位結合によって形成されたカゴ状(cage-like)超分子カルボプラチン抗がん剤のクラスの設計および合成を最初に成功させた。
そのため、本発明の目的は、新規なクラスの超分子カルボプラチン誘導体を提供することにある。
本発明の別の目的は、前記超分子カルボプラチン誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、前記超分子カルボプラチン誘導体を活性成分として含有する薬学的組成物を提供することにある。
本発明のなお別の目的は、前記超分子カルボプラチン誘導体の、細胞ガン(たとえば、肝ガン、胃ガン、肺ガンなど)の臨床治療のための使用を提供することにある。
1つの態様において、本発明は、下記一般式(I)で示される超分子カルボプラチン誘導体を提供する。
Figure 0004235111
前記誘導体は、分子間水素結合を介した主体化合物A−カルボプラチンおよび客体化合物Bからなる超分子化合物であり、ここで、客体化合物Bは下記一般式(II)で示される多価カルボン酸である。
Figure 0004235111
(式中、同一炭素原子上のR1とR2とが同一の場合には、ヒドロキシル基でもカルボキシル基でもなく、そして、nが2である場合、2個の炭素原子間には二重結合が存在し得るか、または、R1およびR2は、それと互いに結合される該炭素原子とともに、1または2のさらなるカルボキシル基で任意に置換されるシクロヘキサン環またはベンゼン環を形成し得るという条件下で、R1とR2とは同一でも異なってもよく、独立して、水素、ヒドロキシル基、カルボキシル基、フェニル基または3,5−ジカルボキシフェニル基であり、nは0〜3の整数である)
客体化合物Bは、好ましくは、シュウ酸、1,3−マロン酸、1,4−コハク酸、1,5−グルタル酸、マレイン酸、2−ヒドロキシル基−1,4−コハク酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシル基−1,4−コハク酸(酒石酸)、2−フェニル基−1,3−マロン酸、1,2−ジヒドロキシル基シクロヘキサン、3−ヒドロキシル基−3−カルボキシル基−1,5−グルタル酸(クエン酸)、フタル酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸および1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸からなる群から選択される。さらに好ましくは、前記客体化合物Bは、シュウ酸、1,3−マロン酸、1,4−コハク酸、2−フェニル−1,3−マロン酸、酒石酸、リンゴ酸またはクエン酸である。
一般式(I)で示される化合物内において、好ましくは、主体化合物A−カルボプラチンは、複数の水素結合によって客体化合物Bと結合され、それによって、カゴ状立体構造を有する超分子化合物が形成される。たとえば客体化合物Bがフェニルマロン酸である場合、下記一般式(III)を有する超分子化合物が得られる。
Figure 0004235111
本発明による一般式(I)で示される超分子化合物A−Bは、固体および水溶液において、ともに解離せずに安定である。スペクトル分析(たとえば、UV、IR、NMR、MS、X線単結晶回折など)によって、本発明の超分子化合物が混合物ではなく、単一の分子量、安定な化学元素構成および安定なスペクトル特性を有する新規な分子化合物であることが確認される。分子間の−NH3のN原子は5価であり、H+イオンと塩(−NH4)を形成することはできない。客体化合物Bのカルボキシル基のHは、主体化合物Aのカルボニル基と分子間水素結合を形成する。そして、同時に、主体化合物A−カルボプラチンのアミノ基−NH3のHは、客体化合物Bのカルボニル基と分子間水素結合を形成し、一般式(I)で示される超分子化合物が構築される。
別の態様において、本発明は、一般式(I)で示される化合物の製造方法を提供する。この製造方法は、
a)主体化合物であるカルボプラチンおよび客体化合物であるBの等モル濃度の水溶液を、それぞれ調製する工程、
b)4〜40℃の温度下で該2種類の原料溶液を等モル量で混合し、均一に撹拌し、殺菌および濾過する工程、ならびに
c)工程b)で得られた溶液を純粋で希釈し、その後、50mg/5mlの注射液として直接封入するか、または40℃以下の温度下で生成物水溶液を濃縮、乾燥させて固体粉末とする工程、
を含む。
本発明の製造方法において、工程b)における反応は、pH2〜4で実施されるのが好ましく、そのような範囲にpHを維持するために、一定量の客体化合物Bが用いられ得る。
本発明はまた、種々の細胞ガンの治療のための薬学的組成物に関する。その組成物は、活性成分として、本発明の一般式(I)で示される化合物および薬学的に許容可能な担体を含有する。前記薬学的組成物は、投薬形態(たとえば、錠剤、カプセル、丸薬、内服液など)に処方され得る。
本発明はさらに、一般式(I)で示される超分子化合物の、種々の細胞ガン(たとえば、肝ガン、胃ガン、肺ガンなど)の臨床治療のための使用に関する。
本発明の一般式(I)で示される超分子化合物はガン細胞に対して高度な選択性を示す。in vitroで培養されたヒトガン細胞に対する試験によれば、本発明の超分子化合物は種々のガン細胞(たとえば、肝ガン、胃ガン、結腸ガン、大腸ガン、膵臓ガン、乳ガンおよび肺ガン)に対してカルボプラチンよりも有意に高い死滅率を示す。とくに、肝ガンの場合、カルボプラチンよりも1〜2倍高い死滅率であって、IC50は約10〜15μg/mlである。この試験方法および結果を以下に示す。
方法:
試験を、国際的に受け入れられる薬力学的な細胞毒性アッセイにもとづいて実施した。試験する薬物を、15%ウシ胎仔血清RPMI−1640培地を用いて所望の濃度に希釈し、無菌膜を介してろ過および滅菌し、ついで、200、100、50および10μg/mlの濃度勾配に調製した。得られた溶液を、種々のインキュベートされたヒトガン細胞を含むマイクロタイタープレートに加え、ついで、72時間インキュベートした。そのプレートの各ウェルに0.5μlの0.2%チアゾールブルー(MTT)溶液を加え、4時間後、DMSOを加えて呈色させた。その際、活細胞は酵素の作用下でMTTを呈色させる。各ウェルの吸光度を、Model 250マイクロプレートリーダーを用いて得た。その吸光度からガン細胞の死滅率とIC50値を計算した。
ガン細胞の死滅率の結果:
Figure 0004235111
Figure 0004235111
Figure 0004235111
Figure 0004235111
Figure 0004235111
本発明の一般式(I)で示される超分子化合物には、その他の化学療法薬物の投与によって誘導され得る有毒な副作用(たとえば、嘔吐、脱毛、白血球や血小板の減少など)がほとんどなく、そして、正常なヒトタンパク質、生体膜、DNAおよびRNAはカルボプラチンの約1/2であった。たとえば、アルビノマウスにおける皮下注射(SC)および腹腔内注射(IP)による本発明の一般式(I)で示される超分子化合物のLD50値を、以下のとおり測定した。
方法:
体重が18〜22gの50匹の昆明種(Kunming)マウスを、無作為に10匹づつ5群に分た。試験する薬物を、400、300、200、100、50mg/kgの用量で、マウスに単回皮下注射(SC)した。14日間の観察し、各群の死亡数を記録した。Kurber法にしたがって、LD50値を計算した。同様に、腹腔内注射(IP)に対するLD50値を計算した。
結果:
本発明の薬物SMAN(カルボプラチンおよびクエン酸により形成される超分子化合物)を例とすると、アルビノマウスに対する皮下注射(sc)および腹腔内注射(ip)についてのLD50値は、それぞれ300mg/kgおよび260mg/kgであった。マウスは、3〜7日経過後に死亡した。
Figure 0004235111
Figure 0004235111
本発明の化合物の抗ガン機構はまだ完全には確認されていないが、現代における分子生物学の一般原理に基づき、本発明者は本発明の一般式(I)で示される超分子化合物の抗ガン機構は次の通り解釈することができると考えている。薬学的分子デザインのキーポイントは、ガンに対して有効な主体化合物Aおよび主体化合物Aと超分子カゴを形成することができる客体化合物Bが存在しなければならない点にあり、この2つの化合物が、配位結合と水素結合により超分子カゴ状化合物を形成する。この超分子カゴ状化合物は、水溶液や体液内で比較的安定でかつ解離しない。そして、ガン細胞における構造的に異常なDNAに遭遇した場合のみに、異常なDNAの遊離塩基(たとえば、アデニン)の誘導に起因してカゴが開き、活性な主体化合物Aが放出されてガン細胞を死に至らしめる。このような仮定によれば、本発明における主体化合物Aは、ガン細胞を臨床的に死滅させ、かつ毒性が比較的低いカルボプラチンとして設計され、そして客体化合物Bは、その構造内に多価カルボン酸群を含むべきであり、かつ複数の水素結合によって宿主化合物Aと結合され、カゴ状超分子A−Bを形成し得る。このカゴ状超分子A−Bは、解離することなく、体液および細胞内で比較的安定なカゴ状構造を維持する。そのため、客体化合物Aの、タンパク質、膜ならびに正常なDNAおよびRNAに対して「毒性」を示さない。超分子A−Bがガン細胞と遭遇した場合、ガン細胞中の二本鎖DNA内の局所的な水素結合が崩壊して遊離塩基を暴露する。その遊離塩基は、次々に超分子A−B内の水素結合を開き、そして主体化合物Aを放出するのを導く。主体化合物A中のPt原子が、構造的に異常なDNA中の暴露されたプリン塩基に結合することにより、ガン細胞中のDNA複製と転写は効果的に阻害される。この過程は、以下のとおり要約することができる。
[外1]
Figure 0004235111
本発明を、以下の実施例を参照することによって詳細に例証するが、それらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
フェニルマロン酸−カルボプラチンの超分子化合物(SMAP)
主体化合物A:カルボプラチン
客体化合物A:フェニルマロン酸
生成物:超分子フェニルマロン酸−カルボプラチンA−B
分子式:C152082Pt
分子量:551
化学構造式:
Figure 0004235111
合成:
SMAPの調製:371重量部の原料成分A(カルボプラチン)と180重量部の成分B(フェニルマロン酸)を、それぞれ等モル濃度の水溶液に処方した。ついで、得られた溶液を、25℃の温度で等モル量で混合し、均一に撹拌し、滅菌およびろ過した。その生成物水溶液を、40℃以下の温度で濃縮および乾燥させて、固体のSMAP粉末を得た。
水溶液(pH2.5、T=25℃)
1モルA + 1モルB → 1モルA−B
性状:白色の結晶粉末;水中溶解度は3.5%;pH:2.5〜3.0;アルコールやその他有機溶剤にはあまり溶解しない;光および熱に不安定。
スペクトル分析:
UV:λmax=245nm(水溶液)
IR:KBrディスク、主な吸収ピーク(cm-1):3269s、1648s、1612m、1500m、1381s、1349m;
1H−NMR(500MHz、DMSO溶剤):δ1.6(成分Aにおける2H、5重ピーク)、2.6(成分Aにおける4H、3重ピーク)、4.1(成分Aにおける2個のN原子上の6H、単独ピーク)、5.8(成分B内におけるCH)、7.4(成分Bにおけるベンゼン環の5H)、12.3(成分Bにおけるカルボキシル基の1H)
MS:ESI−MS、ネガティブイオンスペクトルにおける擬分子イオンピークM−1:m/z550。
薬理学的活性:
肺ガン、肝ガン、胃ガンなど多数のガン細胞の死滅率:50〜70%。
毒性:マウスにおける皮下注射(sc)と腹腔内注射(ip)によるLD50は、それぞれ290mg/kgと250mg/kgである。
安定性:SMAPは、固体で長期間、水溶液で8時間保存することができる。
実施例2
酒石酸カルボプラチンの超分子化合物(SMAT)
主体化合物A:カルボプラチン
客体化合物B:酒石酸
生成物:超分子酒石酸−カルボプラチンA−B
分子式:C1018102Pt
分子量:521
化学構造式:
Figure 0004235111
合成:
SMATの調製:371重量部の原料成分A(カルボプラチン)と150重量部の成分B(酒石酸)を、それぞれ等モル濃度の水溶液に処方した。ついで、得られた溶液を、25℃の温度で等モル量で混合し、均一に撹拌し、滅菌、濾過して、純水で希釈した。ついで、直接封入して50mg/5mlのSMAT注射液とするか、または生成物水溶液を、40℃以下で濃縮し、そして乾燥させて固体粉末を得た。
水溶液(pH2.5、T=25℃)
1モルA + 1モルB → 1モルA−B
性状:白色の結晶粉末;水中溶解度は3.5%;pH:2.5〜3.0;アルコールやその他有機溶剤にはあまり溶解しない;光および熱に不安定。
スペクトル分析:
UV:λmax=225nm(ショルダーピーク(水溶液))
IR:KBrディスク、主な吸収ピーク(cm-1):3269s、1648s、1612m、1381s、1349m;
1H−NMR(500MHz、DMSO):δ1.6(成分Aにおける2H、5重ピーク)、2.6(成分Aにおける4H、3重ピーク)、4.1(成分Aにおける2個のN原子上の6H、単独ピーク)、4.2(成分Bにおける2CH)、12.6(成分Bにおけるカルボキシル基の1H);
MS:ESI−MS、ネガティブイオンスペクトルにおける擬分子イオンピークM−1:m/z520。
薬理学的活性:
肺ガン、肝ガン、胃ガンなど多数のガン細胞の死滅率:60〜80%。
毒性:マウスにおける皮下注射(sc)と腹腔内注射(ip)によるLD50は、それぞれ290mg/kgと250mg/kgである。
安定性:SMATは、水溶液および固体の状態で、ともに長期間適切に保存することができる。
実施例3
リンゴ酸およびカルボプラチンの超分子化合物(SMAM)
主体化合物A:カルボプラチン
客体化合物B:リンゴ酸
生成物:超分子リンゴ酸−カルボプラチンA−B
分子式:C101892Pt
分子量:505
化学構造式:
Figure 0004235111
合成:
SMAMの調製:371重量部の原料成分A(カルボプラチン)と134重量部の成分B(リンゴ酸)を、それぞれ等モル濃度の水溶液に処方した。ついで、得られた溶液を、25℃の温度で等モル量で混合し、均一に撹拌し、滅菌、濾過して、純水で希釈した。ついで、直接封入して50mg/5mlのSMAM注射液とするか、または生成物水溶液を、40℃以下で濃縮し、そして乾燥させて固体粉末を得た。
水溶液(pH2.5、T=25℃)
1モルA + 1モルB → 1モルA−B
性状:白色の結晶粉末;水中溶解度は3.5%;pH:2.5〜3.0;アルコールやその他有機溶剤にはあまり溶解しない;光および熱に不安定。
スペクトル分析:
UV:λmax=225nm(ショルダーピーク(水溶液))
IR:KBrディスク、主な吸収ピーク(cm-1):3269s、1648s、1612m、1500m、1381s、1349m;
1H−NMR(500MHz、DMSO):δ1.6(成分Aにおける2H、5重ピーク)、2.6(成分Aにおける4H、3重ピーク)、4.1(成分Aにおける2個のN原子上の6H、単独ピーク)、4.2(成分BにおけるCH2、2重ピーク)、4.3(成分BにおけるCH、4重ピーク)、12.6(成分Bにおけるカルボキシル基の1H);
MS:ESI−MS、ネガティブイオンスペクトルにおける擬分子イオンピークM−1:m/z504。
薬理学的活性:
肺ガン、肝ガン、胃ガンなど多数のガン細胞の死滅率:50〜80%。
毒性:
マウスにおける皮下注射(sc)と腹腔内注射(ip)によるLD50は、それぞれ290mg/kgと250mg/kgである。
安定性:SMAMは、水溶液および固体の状態で、ともに長期間適切に保存することができる。
実施例4
クエン酸およびカルボプラチンの超分子化合物(SMAN)
主体化合物A:カルボプラチン
客体化合物B:クエン酸
生成物:超分子クエン酸−カルボプラチンA−B
分子式:C1220112Pt
分子量:563
化学構造式:
Figure 0004235111
合成:
SMANの調製:371重量部の原料成分A(カルボプラチン)と192重量部の成分B(クエン酸)を、それぞれ等モル濃度の水溶液に処方した。ついで、得られた溶液を、25℃の温度で等モル量で混合し、均一に撹拌し、殺菌、濾過して、純水で希釈した。ついで、直接封入して50mg/5mlのSMAN注射液とするか、または生成物水溶液を、40℃以下で濃縮し、そして乾燥させて固体粉末を得た。
水溶液(pH2.5、T=25℃)
1モルA + 1モルB → 1モルA−B
性状:白色の結晶粉末;水には溶解するが、アルコールやその他有機溶剤にはあまり溶解しない。
スペクトル分析:
UV:λmax=225nm(ショルダーピーク(水溶液))
IR:KBrディスク、主な吸収ピーク(cm-1):3269s、1648s、1610s、1384s、1349m;
1H−NMR(500MHz、DMSO):δ1.6(成分Aにおける2H、5重ピーク)、2.6(成分Aにおける4H、3重ピーク)、4.1(成分Aにおける2個のN原子上の6H、単独ピーク)、4.2(成分Bにおける2個の磁性不等価CH2)、12.6(成分Bにおけるカルボキシル基の1H);
MS:ESI−MS、ネガティブイオンスペクトルにおける擬分子イオンピークM−1:m/z562。
薬理学的活性:
肺ガン、肝ガン、胃ガンなど多数のガン細胞の死滅率:50〜90%。
毒性:
マウスにおける皮下注射(sc)と腹腔内注射(ip)によるLD50は、それぞれ300mg/kgと260mg/kgである。
安定性:SMANは、水溶液および固体の状態で、ともに長期間適切に保存することができる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で示される化合物であって、
    Figure 0004235111
    前記化合物は、主体化合物A−カルボプラチンと客体化合物Bとからなる超分子化合物であり、主体化合物Aと客体化合物Bとは分子間水素結合を介して結合されており、客体化合物Bは下記一般式(II)で示される多価カルボン酸である化合物。
    Figure 0004235111
    (式中、同一炭素原子上のR1とR2とが同一の場合には、ヒドロキシル基でもカルボキシル基でもなく、そして、nが2である場合、2個の炭素原子間には二重結合が存在し得るか、または、R1およびR2は、それと互いに結合される該炭素原子とともに、1または2のさらなるカルボキシル基で任意に置換されるシクロヘキサン環またはベンゼン環を形成し得るという条件下で、R1とR2とは同一でも異なってもよく、独立して、水素、ヒドロキシル基、カルボキシル基、フェニル基または3,5−ジカルボキシフェニル基であり、nは0〜3の整数である)
  2. 前記主体化合物A−カルボプラチンが、複数の水素結合によって客体化合物Bと結合され、それによって、カゴ状立体構造の超分子化合物を構築される請求項1記載の一般式(I)で示される化合物。
  3. 前記客体化合物Bが、シュウ酸、1,3−マロン酸、1,4−コハク酸、1,5−グルタル酸、マレイン酸、2−ヒドロキシル基−1,4−コハク酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシル基−1,4−コハク酸(酒石酸)、2−フェニル基−1,3−マロン酸、1,2−ジヒドロキシル基シクロヘキサン、3−ヒドロキシル基−3−カルボキシル基−1,5−グルタル酸(クエン酸)、フタル酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸および1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸からなる群から選択される請求項1記載の一般式(I)で示される化合物。
  4. 前記客体化合物Bが、シュウ酸、1,3−マロン酸、1,4−コハク酸、フェニルマロン酸、酒石酸、リンゴ酸またはクエン酸である請求項3記載の一般式(I)で示される化合物。
  5. 前記客体化合物Bがフェニルマロン酸であり、かつ前記超分子化合物が下記構造式(III)を有する請求項4記載の一般式(I)で示される化合物。
    Figure 0004235111
  6. 請求項1記載の一般式(1)によって示される化合物の製造方法であって、
    a)主体化合物であるカルボプラチンおよび客体化合物であるBの等モル濃度の水溶液を、それぞれ調製する工程、
    b)4〜40℃の温度下で該2種類の原料溶液を等モル量で混合し、均一に撹拌し、殺菌および濾過する工程、ならびに
    c)工程b)で得られた溶液を純粋で希釈し、その後、50mg/5mlの注射液として直接封入するか、または40℃以下の温度下で生成物水溶液を濃縮、乾燥させて固体粉末とする工程、
    を含む製造方法。
  7. 工程b)における反応が、pH2〜5で実施される請求項6記載の製造方法。
  8. 活性成分として請求項1、2、3、4または5記載の化合物および薬学的に許容可能な担体を含有する細胞ガンを治療するための薬学的組成物。
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