JP2005352357A - 両面転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写紙の第1面の表面平滑性を検知する第1検知部と、第2面の表面平滑性を検知する第2検知部との干渉を抑えて、転写紙の裏表における画質差をより確実に抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1検知部510Aの第1発光素子511から発した光を転写紙Pの第1面で反射させて第1受光素子512Aで受光する第1検知部510Aと、第2発光素子521Aから発した光を第2面で反射させて第2受光素子522Aで受光する第2検知部520Aとを次のように配設した。即ち、第1受光素子511Aが第2発光素子521Aの出射方向の延長線L2上からずれた位置に固定され、且つ第2受光素子522Aが第1発光素子511Aの光出射方向の延長線L1上からずれた位置に固定されるようにした。
【選択図】図7

Description

本発明は、転写紙等の記録体の両面にトナー像を転写する転写装置及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
従来、記録体の両面に画像を形成する画像形成装置としては、特許文献1に記載のスイッチバック方式を用いるものや、特許文献2に記載のワンパス方式を用いるものなどが知られている。スイッチバック方式は、記録体を転写手段と定着手段とに通してその一方の面に画像を記録した後、反転搬送路で記録体を反転させる。そして、記録体を転写手段及び定着手段にスイッチバックさせて、もう一方の面にも画像を記録する方式である。これに対し、ワンパス方式は、記録体の両面に連続してトナー像を転写し得る両面転写装置を用いる。そして、この両面転写装置を通過した後の記録体を定着手段に通すことで、記録体をスイッチバックさせることなくその両面に画像を記録することができる。
特開平5−8948号公報 特開平11−24443号公報
何れの方式においても、記録体の表裏の画質差を目立たせてしまうという問題を引き起こすことがあった。そこで、本発明者は、この問題が生ずる原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことを見出した。即ち、トナー像の転写性は、記録体の表面特性に応じて異なってくる。例えば、記録体の表面特性である表面平滑性が悪くなるほど記録体に対するトナー像の転写性が悪化する。また、転写部に流れる転写電流を一定に制御する周知の定電流制御を採用することが困難な転写チャージャー方式の転写においては、記録体の表面特性である表面電気抵抗が低くなるほど、記録体に対するトナー像の転写性が悪化する。転写チャージャーによって付与した電荷が記録体の表面に保持され難くなって、転写部に所望の強度の転写電界を形成することができなくなるからである。記録体の裏表でそれぞれ表面特性が異なると、トナー像の第1面に対する転写性と第2面に対する転写性とが異なってくる。にもかかわらず、記録体の第1面と第2面とに対してそれぞれ同様の転写条件でトナー像を転写すると、第1面と第2面とで画質差が生じてしまう。例えば、表面平滑性に劣る方の面で転写不良による画像劣化が生じたり、表面電気抵抗の小さい方の面で電荷が良好に保持されないことによって反対面で転写不良による画像劣化が生じたりして、第1面と第2面とで画質差が現れるのである。
そこで、本出願人は、次のような画像形成装置を開発中である。即ち、記録体の裏表の表面特性をそれぞれ個別に検知する表面特性検知手段と、これによる検知結果に基づいて、第1面、第2面に対する転写条件をそれぞれ個別に設定する転写条件設定手段とを設けた画像形成装置である。この画像形成装置においては、転写条件設定手段により、記録体の第1面に第1トナー像を転写する際の第1転写条件を、第1面の表面特性に適した条件に設定する。この一方で、第2面に第2トナー像を転写する際の第2転写条件を、第2面の表面特性に適した条件に設定する。これにより、第1面と第2面との両方で転写不良を抑えて、記録体の何れか一方の面で転写不良による画質劣化が生ずることによる第1面と第2面との画質差を抑えることができる。
しかしながら、この画像形成装置においても、第1面と第2面とで画質差を生ずることがあった。そこで、本発明者は、この画像形成装置をもってしても画質差を確実に抑えることができなかった原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことがわかってきた。即ち、この画像形成装置においては、表面特性検知手段として、光学センサユニットを用いていた。この光学センサユニットは、反射型フォトセンサによって第1面での光反射率を検知する第1面反射光検知手段と、反射型フォトセンサによって第2面での光反射率を検知する第2面反射光検知手段とを有している。記録体の表面における光反射率は、その表面の平滑性と相関関係がある。よって、光反射率を検知することで第1面や第2面における表面平滑性を検知することができる。ところが、第1面反射光検知手段と第2面反射光検知手段とを、一方の発光素子から発した光の一部が記録体を透過してもう一方の受光素子に検知されてしまうような位置関係で配設していた。これにより、第1反射光検知手段と第2反射光検知手段との干渉が起こって、第1面や第2面における表面平滑性を正確に検知させることができていなかった。このため、第1面と第2面とで画質差が生じていた。
なお、これまで、表面特性検知手段として、反射型フォトセンサを用いる光学方式により、記録体の第1面と第2面とで表面平滑性をそれぞれ個別に検知する光学センサユニットを設けた例で生ずる問題について説明した。この例に限らず、第1面の表面特性を検知する第1面特性検知手段、及び第2面の表面特性を検知する第2面検知手段として、互いに干渉を生じさせるものを用いれば、同様の問題を引き起こすおそれがある。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような両面転写装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することである。即ち、第1面特性検知手段と第2面特性検知手段との干渉を抑えて、記録体の裏表における画質差をより確実に抑えることができる両面転写装置等である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、第1発光手段から発した光を上記第1面で反射させて第1受光手段で受光する第1面反射光検知手段と、第2発光手段から発した光を上記第2面で反射させて第2受光手段で受光する第2面反射光検知手段とを、該第1受光手段が該第2発光手段の出射方向の延長線上からずれた位置に固定され、且つ該第2受光手段が該第1発光手段の光出射方向の延長線上からずれた位置に固定されるように設け、該第1面反射光検知手段及び第2面反射光検知手段による検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、第1電極と第2電極とを所定の間隔をあけて上記第1面に接触させながら両電極間に生ずる電流を検知する第1面電流検知手段と、第3電極と第4電極とを所定の間隔をあけて上記第2面に接触させながら両電極間に生ずる電流を検知する第2面電流検知手段とを設け、該第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極の中から2つを選んで成立する6通りの電極組のうち、該第1電極と該第2電極とからなる電極組における電極間距離と、該第3電極と該第4電極とからなる電極組における電極間距離とが、他の4通りの電極組におけるそれぞれの電極間距離の何れよりも小さくなるように、該第1面電流検知手段と該第1面電流検知手段とを配設し、且つ、該第1面電流検知手段及び第2面電流検知手段による検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、上記第1面に対して第1接触部材を接触させながら該第1接触部材の振動量を検知する第1振動検知手段と、上記第2面に対して第2接触部材を接触させながら該第2接触部材の振動量を検知する第2振動検知手段とを、該第1接触部材と該第1面との接触領域の記録体厚み方向における投影像が該第2接触部材と該第2面との接触領域に重ならないように設け、該第1振動検知手段及び第2振動検知手段による検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、発光手段から発した光を上記記録体における何れか一方の面で反射させて受光手段で受光する反射光検知手段、該記録体における何れか一方の面に2つの電極を所定の間隔をあけて接触させながら電極間に生ずる電流を検知する電流検知手段、及び、該記録体における何れか一方の面に接触部材を接触させながら該接触部材の振動量を検知する振動検知手段、の中から選ばれる2つを、互いに該記録体の反対面で反射光、電流又は振動量を検知させるように設け、それら2つによる検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの両面転写装置において、上記第1面に上記第1可視像を転写する際の転写方式、及び上記第2面に上記第2可視像を転写する際の転写方式の少なくとも何れか一方として、無端移動する表面に上記第1可視像又は第2可視像を担持する上記像担持体に当接する当接部材によって転写ニップを形成して、該転写ニップに挟みこんだ転写紙に対して該可視像を転写する転写ニップ方式を採用したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の両面転写装置において、上記転写ニップ方式の転写における転写条件として、上記転写ニップにおける電界強度を設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6の両面転写装置において、上記転写ニップ方式の転写における転写条件として、上記転写ニップにおける圧力である転写圧を設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5、6又は7の両面転写装置において、上記転写ニップ方式の転写における転写条件として、上記転写ニップの記録体搬送方向の長さであるニップ長を設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項2又は4の両面転写装置において、上記第1面に上記第1可視像を転写する際の転写方式、及び上記第2面に上記第2可視像を転写する際の転写方式の少なくとも何れか一方として、無端移動する表面に上記第1可視像又は第2可視像を担持する上記像担持体に、所定の間隙を介して対向する電荷付与手段により、該像担持体の表面に保持される上記記録体に電荷を付与して、該像担持体上の該可視像を該記録体に転写するチャージャー方式を採用したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の両面転写装置において、上記チャージャー方式の転写における転写条件として、上記記録体における上記第1面電流検知手段、第2面電流検知手段又は電流検知手段の検知対象面に対する上記電荷付与手段による電荷付与量を、該第1面電流検知手段、第2面電流検知手段又は電流検知手段の検知結果に基づいて設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、像担持体の表面に第1可視像を形成する一方で、像担持体の表面に第2可視像を形成する可視像形成手段と、該第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、該第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写する両面転写手段とを備え、該記録体の両面に画像を形成する画像形成装置において、上記両面転写手段として、請求項1乃至10の何れかの両面転写装置を用いたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、記録体の第1面の特性を検知する第1面特性検知手段として、第1面平滑性検知手段又は第1面電気抵抗検知手段を備えている。具体的には、第1面での反射光を検知する第1面反射光検知手段は、第1面での光反射率に基づいて第1面の表面平滑性を検知する。また、第1面に生ずる電流を検知する第1面電流検知手段は、その電流値に基づいて第1面の表面電気抵抗を検知する。また、第1面に接触する接触部材の振動量を検知する第1振動検知手段は、その振動量に基づいて第1面の表面平滑性を検知する。また、これらの発明においては、記録体の第2面の特性を検知する第2面特性検知手段として、第1面特性検知手段と同様にして表面平滑性を検知する第2面平滑性検知手段又は第2面電気抵抗検知手段を備えている。そして、転写条件設定手段により、記録体の第1面に第1可視像を転写する際の第1転写条件を、記録体の第1面や第2面の表面特性に適した条件に設定する。例えば、第1面の表面平滑性が比較的悪いと、第1面と像担持体との密着性が低下することから、第1可視像の転写性が低下してしまう。このような場合には、転写性をより高めるように第1転写条件を設定する。また例えば、チャージャー方式の転写を採用した場合には、第2面の表面電気抵抗が比較的低いと、第2面に保持される電荷量が低下することから、像担持体から第1面に向けての第1可視像の静電転写性が低下してしまう。このような場合には、電荷付与手段から第2面に対してより多くの電荷を付与できるように第1転写条件を設定する。この一方で、第2面に第2トナー像を転写する際の第2転写条件を、第1面特性検知手段や第2面特性検知手段によって検知された表面特性に適した条件に設定する。以上のような第1転写条件や第2転写条件の設定により、第1面と第2面との両方で転写不良を抑えて、記録体の何れか一方の面で転写不良による画質劣化が生ずることによる第1面と第2面との画質差を抑えることができる。
また、これらの発明において、請求項1の構成を備えるものでは、第1面反射光検知手段と第2面反射光検知手段とが、それぞれ一方の発光手段における光出射方向の延長線上にもう一方の受光手段を位置させるように設けられた場合に、互いの干渉が最も強くなってしまう。一方の発光手段からの光が記録体を透過した場合、その光の出射方向の延長線上で透過光量が最も多くなるからである。そこで、第1面反射光検知手段と第2面反射光検知手段とを互いに、一方の反射光検知手段における発光手段の出射方向の延長線上からずれた位置に、もう一方の反射光検知手段における受光手段を位置させるような関係で配設している。これにより、第1面反射光検知手段と第2面反射光検知手段との干渉を抑えて、記録体の裏表における画質差をより確実に抑えることができる。
また、これらの発明において、請求項2の構成を備えるものでは、第1面電流検知手段における第1電極と第2電極との間よりも、これら電極の何れか一方と、第2面電流検知手段における第3電極及び第4電極の何れか一方との間で電流が流れ易くなると、第1面電流検知手段と第2面電流検知手段とが強く干渉してしまう。記録体の電気抵抗が全くないと仮定した場合、第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極の中から2つを選んで成立する6通りの電極組のうち、第1電極と該第2電極とからなる電極組における電極間距離、あるいは第3電極と第4電極とからなる電極組おける電極間距離の何れか一方が、他の4通りの電極組におけるそれぞれの電極間距離のどれかよりも大きくなると、このような干渉が起こることになる。そこで、6通りの電極組のうち、第1電極と第2電極とからなる電極組における電極間距離と、第3電極と第4電極とからなる電極組おける電極間距離とが、他の4通りの電極組におけるそれぞれの電極間距離の何れよりも小さくなるように、第1面電流検知手段と第1面電流検知手段とを配設している。これにより、第1面電流検知手段と第2面電流検知手段との干渉を抑えて、記録体の裏表における画質差をより確実に抑えることができる。
また、これらの発明において、請求項3の構成を備えるものでは、第1接触部材と第2接触部材とが両者間に記録体を挟み込むように配設された場合に、第1振動検知手段と第2振動検知手段との干渉が最も強くなってしまう。このような配設では、一方の接触部材からもう一方の接触部材への振動伝導量が最も大きくなるからである。そこで、第1接触部材と第1面との接触領域の記録体厚み方向における投影像が第2接触部材と第2面との接触領域に重ならないような位置に、両接触部材を配設している。これにより、両接触部材間に記録体を挟み込ませるといった事態を回避している。よって、第1振動検知手段と第2振動検知手段との干渉を抑えて、記録体の裏表における画質差をより確実に抑えることができる。
また、これらの発明において、請求項4の構成を備えるものでは、第1面特性検知手段と、第2面特性検知手段とが、それぞれ光信号、電流信号及び振動信号の何れかであって、且つ互いに異なるものを検知する。このような検知では、互いに同じ種類(光信号、電流信号又は振動信号)の信号を検知する場合とは異なり、第1面特性検知手段と第2面特性検知手段との位置関係の不適による両特性検知手段の干渉が起こり難い。よって、同じ種類の信号を検知させる場合に比べて、両特性検知手段の干渉を抑えて、記録体の裏表における画質差をより確実に抑えることができる。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真方式のカラー複写機(以下、単に複写機という)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、本複写機は、プリンタ部100、操作・表示装置90、給紙装置40、自動画像読取装置200、紙補給装置300等を有している。
プリンタ部100は、紙搬送路43Aを境にして、その上方に配設された第1画像形成部と、下方に配設された第2画像形成部とを有している。第1画像形成部は、図中矢印方向に無端移動する第1中間転写ベルト21を有する第1転写ユニット20を備えている。また、第2画像形成部は図中矢印方向に無端移動する第2中間転写ベルト31を有する第2転写ユニット30を備えている。第1中間転写ベルト21の上部張架面の上方には、4個の第1プロセスユニット80Y,M,C,Kが配置されている。一方、第2中間転写ベルト31の側部張架面の側方には、4個の第2プロセスユニット81Y,M,C,Kが配置されている。これら第1、第2プロセスユニットの番号に付したY,M,C,Kという添字は、それぞれ取り扱われるトナーの色を示している。プロセスユニット内の各機器にも同様の添字を付している。
各プロセスユニット(80Y,M,C,K、81Y,M,C,K)は、それぞれ潜像担持体たる感光体(1Y,M,C,K)を有している。第1プロセスユニット80Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kは等間隔に配設され、少なくとも画像形成時にはそれぞれ第1中間転写ベルト21の上部張架面に接触する。以下、このように接触するベルト面を第1受像面という。
一方、第2プロセスユニット81Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kも等間隔に配設され、少なくとも画像形成時にはそれぞれ第2中間転写ベルト21の上部張架面に接触する。以下、このように接触するベルト面を第2受像面という言う。
第1中間転写ベルト21は、複数のローラにより、鉛直方向よりも水平方向にスペースをとる横長の姿勢であり、且つその第1受像面をほぼ水平に延在させる姿勢で張架されている。第1プロセスユニット80Y,M,C,Kは、このようなほぼ水平の第1受像面に接するように、互いにほぼ水平な状態で並列配設されている。
一方、第2中間転写ベルト31は、複数のローラにより、水平方向よりも鉛直方向にスペースをとる縦長の姿勢であり、且つその第2受像面を図中左上から右下にかけて傾斜させる姿勢で張架されている。第2プロセスユニット81Y,M,C,Kは、このように傾斜している第2受像面に接するように、第2中間転写ベルト31の図中左側方にて、図中左上から右下にかけての斜めの配列になるように配設されている。
図2は、4つの第1プロセスユニット80Y,M,C,Kのうちの1つを示す拡大構成図である。4つの第1プロセスユニット80Y,M,C,Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、同図では「80」に付すY,M,C,Kという添字を省略している。同図において、感光体1は、プリンタ部(100)の動作時に、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動される。かかる感光体1の周囲には、帯電手段であるスコロトロンチャージャー3、露光装置4、現像装置5、クリーニング装置2、光除電装置Q等の作像部材や、電位センサS1、画像センサS2等が配設されている。
ドラム状の感光体1は、例えば直径30〜120[mm]程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機感光層(OPC)が被覆されたものである。アモルファスシリコン(a−Si)層を被覆したものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。
クリーニング装置2は、クリーニングブラシ2a、クリーニングブレード2b、回収部材2c等を有し、後述の1次転写ニップを通過した後の感光体表面に残留する転写残トナーを除去、回収する。
スコロトロンチャージャー3は、回転駆動される感光体1の表面を例えばマイナス極性に一様帯電せしめるものである。かかる一様帯電を行う帯電手段として、スコロトロンチャージャーの代わりに、コロトロンチャージャーを用いても良い。また、帯電バイアスが印加される帯電バイアス部材を感光体1の表面に接触させる方式のものでもよい。
露光装置4は、各色のうちの1色に対応する画像データに基づいて生成した光で、一様帯電後の感光体1の表面を光走査して、感光体1の表面に静電潜像を形成する。図示の例では、露光装置4として、LED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなるものを用い。レーザ光源やポリゴンミラー等を用いて、形成すべき画像データに応じて変調したビーム光によるレーザスキャン方式のものでもよい。
現像装置5は、トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を用いて感光体1上の静電潜像を現像する二成分現像方式のものである。かかる二成分現像剤を2つの搬送スクリュウ5cによって攪拌しながら、図中奥行き方向に搬送する。これら2つの搬送スクリュウ5cの現像剤搬送方向は互いに逆方向である。例えば、図中左側の搬送スクリュウ5cの現像剤搬送方向が図中奥側から手前側であれば、図中右側の搬送スクリュウ5cの現像剤搬送方向は図中手前側から奥側である。前者の搬送スクリュウ5cによって現像装置5の図中奥行き方向端部まで搬送された二成分現像剤は、後者の搬送スクリュウ5cに受け渡される。そして、その端部から反対側の端部に向けて攪拌搬送される過程で、一部が後述の現像ロール5bに担持される。また、担持されなかったり、現像ロール5bから右側の搬送スクリュウ5cに戻されたりした二成分現像剤は、上記反対側の端部で左側の搬送スクリュウ5cに受け渡される。このようにして、二成分現像剤が現像装置5内で循環搬送される。なお、現像装置5として、磁性キャリアを含まずにトナーを主成分とする一成分現像剤による一成分現像方式のものを用いてもよい。
現像ロール5aは、ステンレスやアルミニュウム等からなる非磁性円筒であって図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動せしめられるスリーブと、これに連れ回らないように内部固定されたマグネットローラとを有している。マグネットローラは、スリーブの内部にて、その周方向に分かれる複数の磁極を有している。図中右側の搬送スクリュウ5cによって搬送される二成分現像剤は、このマグネットローラの発する磁力によって引き寄せられて、回転駆動されるスリーブの表面で汲み上げられる。そして、スリーブ表面に連れ回って感光体1に対向する現像領域に搬送されるのに先立ち、ブレード5bとの対向位置である規制位置を通過する。
ブレード5bは、所定の間隙を介してその先端をスリーブ表面に近接させるように配設されている。そして、スリーブ表面上の二成分現像剤がその直下である規制位置を通過する際に、二成分現像剤の厚みを所定の大きさに規制する。
このようにして層厚が規制された二成分現像剤は、スリーブの回転に伴って感光体1との対向位置である現像領域に搬送される。マイナス極性に一様帯電せしめられた感光体1の表面に対する光走査によって電荷が減衰せしめられて形成された静電潜像は、現像領域にてスリーブ表面上の二成分現像剤に摺擦せしめられる。そして、潜像と同極性であるマイナス帯電性のトナーの付着によって、Y,M,C,Kの何れかの色に現像される。第1プロセスユニット80においては、いわゆる反転現像が行われるのである。これにより、感光体1上には、Y,M,C,Kの何れかの色のトナー像が形成される。
トナーとしては、従来から公知の方法で得られる球形や不定形のトナーが用いられる。体積平均粒径が20[μm]以下、好ましくは10[μm]以下、4[μm]以上のものがよい。また、磁性キャリアも従来から公知の方法で得られるものが用いられる。体積平均粒径が25[μm]〜60[μm]程度のものがよい。
上記現像領域でトナーを消費した二成分現像剤は、上記スリーブの回転に伴って現像装置5内に戻る。そして、上記マグネットローラの互いに同極で隣り合う磁極によって形成される反発磁界の影響を受けて、スリーブ表面から離脱して、図中右側の搬送スクリュウ5c上に戻された後、図中左側の搬送スクリュウ5cに受け渡される。
図中左側の搬送スクリュウ5cの下方には、トナー濃度センサ5eが配設されており、左側の搬送スクリュウ5cによって搬送される二成分現像剤の透磁率を検知する。二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度と相関があるので、トナー濃度センサ5eは、トナー濃度を検知していることになる。
図示しない制御部は、このトナー濃度センサ5eからの出力信号に基づいて二成分現像剤のトナー濃度を所定の閾値未満であると判断すると、図示しない8つのトナー供給手段のうち、その二成分現像剤に対応するものを所定時間駆動する。これら8つのトナー供給手段は、それぞれ、第1プロセスユニット(80Y,M,C,K)の4つの現像装置、あるいは、第2プロセスユニット(81Y,M,C,K)の4つの現像装置の何れか1つに対応するものである。プリンタ部(100)の上部のボトル収納部85に着脱可能にセットされた4つのY,M,C,Kトナーボトル(図1の86Y,M,C,K)の何れかに接続されている。そして、接続されたトナーボトルから、対応する現像装置内における図中左側の搬送スクリュウ5c上に、所定色のトナーを供給する。これにより、現像によってトナーを消費した二成分現像剤のトナー濃度が回復する。かかる構成のトナー供給手段としては、従来から公知のモーノポンプによる吸引力で、トナーボトル内のトナーを吸引して現像装置内まで搬送する方式のものがよい。この方式によれば、トナーボトルの設置場所の制約が少ないため、プリンタ部(100)内部のスペース配分に有利である。またトナーが適時補給できるため、現像装置5に大きなトナー貯留スペースを設けなくてすみ、現像装置5の小型化を図ることができる。
図3は、4つの第2プロセスユニット(81Y,M,C,K)のうちの1つを示す拡大構成図である。4つの第2プロセスユニット(81Y,M,C,K)も、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、第2プロセスユニット81は、第1プロセスユニット(80)と構成部材が同じであるが、感光体1の回転方向が異なっている。しかし互いに、感光体1の回転軸1aを通るy軸に対し対象の形をしている。この形状は、感光体1の周囲に設ける部材の配置にも関係するが、重要な事項である。具体的には、プリンタ部100本体との結合部、たとえば駆動手段との結合部、電気的接続部、トナー供給部、トナー排出部の結合方法を配慮している。これにより、第1プロセスユニット(80Y,M,C,K)と、第2プロセスユニット(81Y,M,C,K)とに互換性をもたせることができる。従って第1プロセスユニットと第2プロセスユニット用に個別に現像装置、クリーニング装置、部品を製造する必要がなく、部品製造、部品の管理上での効率が高く、全体のコスト低減化を図ることができる。
先に示した図1において、第1画像形成部は、複数の第1プロセスユニット(80Y,M,C,K)と、第1転写ユニット20とから構成されている。また、第2画像形成部は、複数の第2プロセスユニット(81Y,M,C,K)と、第2転写ユニット30とから構成されている。プリンタ部100においては、第1転写ユニット20と第2転写ユニット30とにより、両面転写装置が構成されている。
第1転写ユニット20は、第1中間転写ベルト21を複数のローラ22(4個),23,24,25,26(2個),27,28,29によって張架して、第1プロセスユニット80Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kに接触させている。この接触により、第1転写ユニット20では、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像を、第1中間転写ベルト21上に重ね合わせて転写するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成される。第1中間転写ベルト21は、これら4つの1次転写ニップを形成しながら、図中時計回りに無端移動せしめる。各1次転写ニップでは、図示しない電源によって1次転写バイアスが印加される4つの1次転写ローラ22の何れかが、感光体1Y,M,C,Kとの間に第1中間転写ベルト21を挟み込んでいる。この1次転写バイアスやニップ圧の影響により、各1次転写ニップで各色のトナー像が第1中間転写ベルト21に重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせにより、像担持体たる第1中間転写ベルト21上に、第1トナー像が形成される。
第1中間転写ベルト21の外周部には、ローラ23に対向する位置にクリーニング装置20Aが設けられている。このクリーニング装置20Aは、各1次転写ニップを通過した後の第1中間転写ベルト21の表面に残留する転写残トナーや、紙粉などの異物を拭い去る。第1中間転写ベルト21に関連する部材は、第1転写ユニット20として一体的に構成してあり、プリンタ部100に対し着脱が可能となっている。
一方、第1転写ユニット20は、第2中間転写ベルト31を複数のローラ32(4つ),33,34,35,36(2つ)によって張架して感光体1Y,M,C,Kに接触させている。この接触により、第2転写ユニット30では、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像を、第2中間転写ベルト31上に重ね合わせて転写するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成される。第2中間転写ベルト31は、これら4つの1次転写ニップを形成しながら、図中反時計回りに無端移動せしめる。各1次転写ニップでは、図示しない電源によって1次転写バイアスが印加される4つの1次転写ローラ32の何れかが、感光体1Y,M,C,Kとの間に第2中間転写ベルト31を挟み込んでいる。この1次転写バイアスやニップ圧の影響により、各1次転写ニップで各色のトナー像が第2中間転写ベルト31に重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせにより、像担持体たる第2中間転写ベルト31に、第2トナー像が形成される。
第2中間転写ベルト31の外周部には、ローラ33に対向する位置にクリーニング装置30Aが設けられている。このクリーニング装置30Aは、各1次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。第2中間転写ベルト31に関連する部材も、第2転写ユニット30として一体的に構成してあり、プリンタ部100に対し着脱が可能となっている。
2つの中間転写ベルト(21,31)は、それぞれ例えば、基体の厚さが50〜600[μm]の樹脂フィルム或いはゴムを基体とするベルトである。そして、感光体1が担持する可視像たるトナー像を、1次転写ローラ(22,32)に印加される1次転写バイアスによって静電的にベルト表面に転写を可能とする電気抵抗値を発揮する。かかる中間転写ベルトの一例として、ポリアミドにカーボンを分散し、その体積抵抗値は、10〜1012[Ωcm]程度に抵抗が調整されたものを挙げることができる。ベルトの走行を安定させるためのベルト寄り止めリブを、ベルト片側あるいは両側端部に設けられている。
第1転写ユニット20の1次転写手段たる4つの1次転写ローラ22や、第2転写ユニット30の1次転写手段たる4つの1次転写ローラ32としては、例えば次のような構成のものを用いることができる。即ち、芯金たる金属ローラの表面に、導電性ゴム材料を被覆したもので、芯金部に、不図示の電源からバイアスが印加されるものである。本実施形態では、導電性ゴム材料として、ウレタンゴムにカーボンを分散したものを用い、体積抵抗を10Ωcm程度に調整している。
プリンタ部100は、Kトナーだけによるモノクロ画像の出力も可能である。モノクロ画像を出力する場合には、第1転写ユニット20におけるY,M,C用のプロセスユニット80Y,M,Cを使用しない。そして、プロセスユニット80Y,M,Cを稼動させないだけでなく、これらと第1中間転写ベルト21とを非接触に保つための機構を備えている。ローラ26と1次転写ローラ22を支持する内部フレーム(不図示)を設けておき、ある点を中心に回動可能に支持している。そして、感光体から遠ざかる方向に回動させることにより、感光体1Kだけを第1中間転写ベルト21と接触させて、作像工程を実行することにより、ブラックトナーによるモノクロ画像を作成する。かかる構成では、感光体の寿命向上の点で有利である。なお、第2転写ユニット30も同様に、モノクロ画像出力時にプロセスユニット81Y,M,Cを第2中間転写ベルト31から待避させるようになっている。
第1中間転写ベルト21の外周には、当接ローラたる2次転写ローラ46が、第1中間転写ベルト21を裏面で支えながら張架している支持ローラ28との間に第1中間転写ベルト21を挟み込むように配設されている。これにより、第1転写ユニット20においては、第1中間転写ベルト21と2次転写ローラ46とが当接する2次転写ニップが形成されている。支持ローラ28からこの2次転写ニップを経て2次転写ローラ46に至るまでの領域が、両面転写装置における第1転写部になっている。この第1転写部における転写条件が、像担持体たる第1中間転写ベルト21上の第1トナー像を転写紙Pの第1面に転写する際の第1転写条件となる。
2次転写ローラ46は芯金たる金属ローラの表面に、導電性ゴムを被覆したもので、芯金部に対して、図示しない2次転写バイアス電源から2次転写バイアスが印加される。導電性ゴムはカーボンの分散によって体積抵抗が10Ωcm程度に調整されたものである。
上述の2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対45が配設されている。このレジストローラ対45は、プリンタ部100の図中右側方に配設された給紙装置40から送られて来る転写紙Pをローラ間に挟み込んだ後、両ローラの回転を一時中断する。そして、第1中間転写ベルト21上の重ね合わせトナー像である4色トナー像に同期させ得るタイミングで、転写紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。送り出された転写紙Pは、2次転写ニップでその一方の面である第1面(図中上側を向く面)に4色トナー像が密着せしめられる。そして、2次転写バイアスやニップ圧の影響により、第1中間転写ベルト21上の4色トナー像がその第1面に一括2次転写される。2次転写ニップを通過した転写紙Pは、第1中間転写ベルト21や2次転写ローラ46から離れて、第2中間転写ベルト31に受け渡される。
第2転写ユニット30においては、第2中間転写ベルト31を張架している上部張架ローラ34によるベルト掛け回し箇所が、第2中間転写ベルト31の上部張架面になっている。この上部張架面の上方には、電荷付与手段たる転写チャージャー47が上部張架面と所定の間隙を介して対向するように配設されている。転写チャージャー47からこの所定の間隙を経由して、上部張架ローラ34に至るまでの領域が、第2転写ユニット30の第2転写部となっている。この第2転写部における転写条件が、像担持体たる第2中間転写ベルト31上の第2トナー像を転写紙Pの第2面に転写する際の第2転写条件となる。
転写チャージャー47は公知のタイプで、タングステンや金の細い線を放電電極とし、ケーシングで保持し、放電電極に不図示の電源から転写電流が印加される。第2中間転写ベルト31と転写チャージャー47の間に転写紙Pを通過させながら、その第1面に転写チャージャー47から発せられる電荷を付与することで、第2中間転写ベルト31上の4色トナー像を転写紙Pの第2面に一括2次転写する。上述の2次転写バイアスや、転写チャージャー47による付与電荷は、何れもトナーの極性と逆のプラス極性である。
プリンタ部100の図中右側方には転写紙を供給可能に収納した給紙装置40が配備されている。複数段、例えば上段に大量の転写紙を収納した給紙装置(トレイ)40a、その下方に3段の給紙カセット40b,40c、40dがそれぞれ紙面に対し直角手前側(操作面側)に引出し可能に配設されている。これらの給紙トレイ40aや給紙カセット40b,40c、40d内にそれぞれ異なる種類の転写紙が収納されている。このうち、最上位置の転写紙は、対応する給紙・分離手段41A〜41Dにより選択的に給紙、分離され、確実に一枚だけが複数の搬送ローラ対42Bにより紙搬送路43Bや43Aに送られる。
紙搬送路43Aには、転写紙Pを両面転写装置の第1転写部や第2転写部へ送り出す給送タイミングをとるための、一対のレジストローラ45が設けられている。さらに転写紙Pの搬送方向に対し直角方向の位置を正規の位置にするための横レジ補正機構44が、紙搬送路43Aに設けられている。横レジ補正機構44としては、次のものを例示することができる。即ち、図示しない横方向の基準ガイドと斜行コロ対から構成され、転写紙の横方向端部を該基準ガイドに押付けるように転写紙をスライド搬送する。そして、転写紙を所定の位置に整合させる。この基準ガイドは転写紙のサイズにより、所定の位置に移動、配置される。なお、横レジ補正機構44は転写紙の搬送方向に対し転写紙の両方の横方向から、転写紙の両辺を短時間及び複数回押し、転写紙を所定の位置に整合させる規制部材から構成されるジョガー方式でもよい。
転写紙Pは、レジストローラ対45から、第1中間転写ベルト21と2次転写ローラ46の当接によって2次転写ニップが形成されている第1転写部に向けて搬送される。その後、第2中間転写ベルト31と転写チャージャー47とが対向している第2転写部に向けて送られる。
給紙装置40においては、複数の給紙トレイのうち、最も上に配設されている給紙トレイ40aから排出される転写紙Pが、プリンタ部100の紙搬送路43Aに対して、曲げられることなくほぼ水平に真直ぐ搬送されるようになっている。このため厚い転写紙Pや剛性の高い板紙でも、給紙トレイ40a内に収容すれば、プリンタ部100の紙搬送炉43Aに確実に給紙することができる。なお、給紙トレイ40aには、多様な特性の転写紙が収納されても確実に給紙できるよう、バキューム機構からなるエアー給紙を採用すると好都合である。図示を省略しているが、紙搬送路43Aの要所には転写紙Pを検知するためのセンサを設けており、転写紙Pの存在を基準とする各種信号のトリガーとしている。
最も上側に配設されている給紙カセット40aの上方には、第2給紙路43Cが設けられている。この第2給紙路43Cに対しては、給紙装置40の図中右側方に設置されている第2給紙装置300から、転写紙Pを供給することができる。
第2転写ユニット30の図中左側方には、複数の張架ローラ52,53,54,55,56によって紙搬送ベルト51を張架しながら図中反時計回りに無端移動させる紙搬送ユニット50が配設されている。紙搬送ベルト51は、第2転写ユニット30の第2転写部から排出される転写紙Pを、複数の張架ローラの1つである受入ローラ52によるベルト掛け回し箇所にて、紙搬送ベルト51上に受け取る。この受け取りよりも早いタイミングで、紙搬送ベルト51のおもて面には、静電吸着チャージャー57によって電荷が付与される。この電荷の付与により、紙搬送ユニット50は、第2転写部から排出されてくる転写紙Pを紙搬送ベルト51のおもて面に静電吸着させることができる。
転写紙Pをおもて面に静電吸着させた紙搬送ベルト51は、その無端移動に伴って転写紙Pを図中右側から左側へと搬送する。そして、紙搬送ユニット50の図中左側方に配設されている定着手段たる定着装置60に向けて、転写紙Pを受け渡す。この受け渡しよりも早いタイミングで、紙搬送ベルト51のおもて面に静電吸着せしめられている転写紙Pに対して、分離チャージャー58によって電荷が付与される。この電荷の付与により、それまで紙搬送ベルト51のおもて面に静電吸着していた転写紙Pがベルトから容易に分離されるようになる。そして、複数の張架ローラのうち、定着装置60の最も近くに配設されている分離ローラ54によるベルト掛け回し箇所で、分離ローラ54の曲率にならって急激に移動方向を変えようとするベルトから転写紙Pが分離して、定着装置60に受け渡される。
定着装置60としては、定着ローラ内部にヒータを備える方式のもの、加熱されるベルトを走行させる方式のもの、誘導加熱を採用した方式のものなどを採用することができる。同図においては、2つの定着ローラを当接して形成した定着ニップで、転写紙Pを両面側からそれぞれ加熱して第1トナー像及び第2トナー像を定着させる方式のものを採用している。転写紙P両面の画像の色合い、光沢度を同じにするため、2つの定着ローラについては、ベルト材質、硬度、表面性などを上下同等にしてある。また、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより、それぞれの面に対して最適な定着条件をつくりだすように、定着装置60の各種パラメータが制御されるようになっている。
定着装置60による定着処理が終了した転写紙Pは、排出路に向けて送り出される。この排出路には、定着処理後の転写紙Pを冷却して、不安定なトナーの状態を早期に安定させる目的で、冷却機能を有した冷却ローラ対70が配設されている。この冷却ローラ対70としては、放熱部を有するヒートパイプ構造のローラを採用することができる。冷却ローラ対70によって冷却された転写紙Pは、排紙ローラ対71により、プリンタ部100の左側に設けられた排紙スタック部75に排紙、スタックされる。この排紙スタック部は、大量の転写紙をスタック可能にすべく、不図示のエレベータ機構により、スタックレベルに応じて、受け部材が上下する機構を採用している。なお排紙スタック部75を通過させ、別の後処理装置に向けて転写紙を搬送させることもできる。別の後処理装置として、穴あけ、断裁、折、綴じなど製本のための装置などを設けることもできる。
プリンタ部100の上面には、未使用のトナーが収納された各色のトナーボトル86Y,M,C,Kが、着脱可能にボトル収納部85に収納されている。このボトル収容部85は、プリンタ部100上面で操作方向から見て奥側にあって、プリンタ部100上面の手前側は平面部分が確保されているため、作業台として利用することができる。上述のトナー供給手段により、各現像装置に必要に応じトナーを供給するようになっている。本実施形態では、上下に配設した第1画像形成部と第2画像形成部とで、互いに同色のトナーを扱う現像装置に対しては、共通のトナーボトルからトナーを供給するようになっているが、別々にすることもできる。消耗の多いブラックトナー用のトナーボトル86Kは、特に大容量としておくことも可能である。
プリンタ部100の上面に設けられた操作・表示ユニット90には、キーボード等を設けてあり、画像形成のための条件などをインプットすることができる。また、ディスプレイ等からなる表示部に各種の情報を表示することもでき、操作者とプリンタ部100との情報交換を容易なものとする。
プリンタ部100内部に設けられた廃トナー収納部87は、クリーニング装置2や、中間転写ベルトのクリーニング装置20A,30Aなどと連結されている。そして、これらから送られる廃トナーや紙粉等の異物を一括して回収して収納する。これらのクリーニング装置(2,20A,30A,50A)に大容量の廃トナー収納部を備えないため、クリーニング装置が小型にでき、さらに廃トナーの廃棄の操作性も良好となっている。満杯センサ(不図示)を使って廃トナー収納部87内のトナー廃棄、あるいは容器交換などの警告を発する。
プリンタ部100内部に設けられた制御部95には、各種電源や制御基板などが板金フレームに保護され収納されている。定着装置60による熱や電装装置からの発熱により、画像形成装置内部は高温になるが、その対策としてファンFを設けて、内部部材の熱による機能低下を防止している。またこのファンFは冷却ローラ対70の放熱部と結合してあり、冷却ローラ対70の冷却効果を確実にしている。
給紙装置40の上部には、周知の技術によって原稿を自動搬送しながらその原稿の画像を読み取る自動画像読取装置(ADF)200が設けられており、これによる読取情報が制御部95に送られる。送られた読取情報に基づいて、プリンタ部100が駆動制御されて、原稿と同じ画像が出力される仕組みである。また、プリンタ部100に対しては、図示しないパーソナルコンピュータ等からの画像情報を送って、その画像情報に対応する画像を出力させることもできる。更に、図示しない電話回線から送られてくる画像情報を送って、その画像情報に対応する画像を出力させることもできる。給紙装置40の図中右側方には、上述のように、給紙装置40に転写紙Pを補給する第2紙補給装置300が配設されている。
次にプリンタ部100において、転写紙の片面にフルカラー画像を形成する片面記録時の動作について説明する。
片面記録の方法は基本的に2種類あって、選択が可能となっている。2種類のうちの1つは、第1中間転写ベルト21に転写した4色トナー像を転写紙の第1面に一括2次転写する方法である。また、もう1つの方法は、第2中間転写ベルト31に転写した4色トナー像を転写紙の第2面に一括2次転写する方法である。画像データが複数の頁になるケースでは、排紙スタック部75上で頁が揃うように作像順序を制御するのが好都合である。そこで、最後の頁の画像データから順に記録して頁順を揃わせることができる、前者の方法について説明する。
プリンタ部100を稼動させると、第1中間転写ベルト21と第1プロセスユニット80Y,M,C,Kにおける感光体1Y,M,C,Kが回転する。同時に第2中間転写ベルト31が無端移動するが、第2プロセスユニット81Y,M,C,Kにおける感光体1Y,M,C,Kは第2中間転写ベルト31と離間されるとともに不回転状態にされる。そして、第1プロセスユニット80Yによる画像形成が開始される。LED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなる露光装置4の作動により、LEDから出射されたイエロー用の画像データ対応の光が、帯電装置3によって一様帯電された感光体1Yの表面に照射されて静電潜像が形成される。
この静電潜像は、Y用の第1プロセスユニット81Yの現像装置によってYトナー像に現像され、Y用の1次転写ニップで第1中間転写ベルト21上に静電的に1次転写される。このような潜像形成、現像、1次転写動作が感光体1M,C,K側でもタイミングをとって順次同様に行われる。そして、第1中間転写ベルト21上のYトナー像に対して、M,C,K用の1次転写ニップでM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、第1中間転写ベルト21上に4色トナー像が形成される。
一方、給紙装置40は、内部の給紙トレイ40aあるいは給紙カセット40bc,dから、画像データに対応する転写紙を給紙・分離手段41A,B,C,Dの何れか1つのよって送り出す。そして、搬送ローラ対42B,42Cによってプリンタ部100の紙搬送路43Cに向けて搬送する。そして、横レジ補正機構44に送られる。
横レジ補正機構44は、記録体供給手段たる給紙装置40から両面転写装置(第1、第2転写ユニット)に向けて搬送されている途中の転写紙Pにおける搬送方向からの姿勢の傾きを補正する傾き補正手段である。レジストローラ対45よりも搬送方向上流側で、搬送方向に直交する紙面方向に並べられたガイド板対を、転写紙Pの搬送方向に直交する両端に突き当てることで、転写紙Pの姿勢の傾きを補正する。ガイド板対の2つのガイド板は、搬送方向に直交する紙面方向に移動可能になっており、給紙された転写紙Pの幅に合わせて移動することで、板間距離を転写紙Pの幅に合わせることができる。
横レジ補正機構44によって姿勢の傾きが補正された転写紙Pは、レジストローラ対45のローラ間に至り、そこでタイミングが計られて第1転写部に送り出される。そして、第1転写部の2次転写ニップにて、第1中間転写ベルト21上の4色トナー像が第1面に一括2次転写される。2次転写ニップを通過した第1中間転写ベルト21のおもて面は、ベルトクリーニング装置20Aによって転写残トナーがクリーニングされる。
各第1プロセスユニット80Y,M,C,Kでは、それぞれ、1次転写ニップを通過した後の感光体1Y,M,C,K上に残留する転写残トナーが、クリーニング装置(2)によってクリーニングされる。このクリーニング装置(2)は、先に図2に示したように、クリーニングブラシ2aやクリーニングブレード2bによって第1中間転写ベルト21から転写残トナーを除去するものである。除去したトナー等の異物については、回収手段2cによって回収部87に送る。なおセンサS1、S2は、感光体表面の露光後の表面電位と、現像工程後の感光体表面に付着しているトナーの濃度が適切なものであるかを検知し、適宜作像条件の設定、制御のために不図示の制御手段に情報を出す。また、クリーニング後の感光体1の表面は除電装置Qによって残留電荷が除電されて初期化せしめられる。
第1転写部の2次転写ニップで第1面に4色トナー像が2次転写された転写紙は、第2転写ユニット30の第2中間転写ベルト31に受け渡された後、紙搬送ユニット50に送られる。そして、紙搬送ユニット50から定着装置60に受け渡されるが、この受け渡しに先立って、転写紙Pに対して分離チャージャー58による電荷が付与される。この付与により、第2中間転写ベルト31に静電吸着していた転写紙がベルトから容易に分離されるようになる。
定着装置60内では、転写紙Pの第1面に担持されているフルカラー画像中の各色トナーが、加熱によって溶融、混色される。転写紙Pはその第1面だけにトナーを有しているので、両面にトナーを有している両面記録時に比べ、定着に要する熱エネルギーが少なくて済む。制御部95が画像に応じて定着装置60の使用する電力を最適に制御する。定着処理が施された後であっても、転写紙P上で完全に固着するまでは、トナー像は搬送路のガイド部材等にこすられ、画像が欠落したり、乱れたりする。この不具合を防止するべく、定着装置60を通過した転写紙は、冷却手段である冷却ローラ対70が設けられているのである。
本複写機においては、排紙スタック部75で若い頁の転写紙が順次上に重ねられるように、作像順序がプログラムされているので、スタック部75で頁順が揃う。排紙スタック部75は、排紙される転写紙の増加に従って、下降するので、転写紙は整然と確実にスタックでき、頁順が乱れることがない。記録済みの転写紙を排紙スタック部75に直接スタックする代わりに、穴あけ加工処理を実施したり、ソータ、コレータや綴じ装置や折り装置など後処理装置に搬送することもできる。
転写紙の片面に画像を形成させる他の方法では、第1プロセスユニット80Y,M,C,Kでの画像の形成をおこなわないようにするのと、頁揃えのために若い頁の画像データから順に像形成をさせる点が異なる。しかし、基本的には上述の片面記録の工程と同じなので、説明を省略する。
次に転写紙の両面に画像を形成する両面記録時の動作について説明する。
プリンタ部100に画像信号が入力されると、片面記録の動作で説明した第1プロセスユニット80Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kに、Y,M,C,Kトナー像が形成される。そして、これらは、Y,M,C,K用の1次転写ニップで第1中間転写ベルト21に順次重ね合わせて1次転写される。この工程とほぼ並行して、第2プロセスユニット81Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kに、Y,M,C,Kトナー像が形成される。そして、これらは、Y,M,C,K用の1次転写ニップで第2中間転写ベルト31に順次重ね合わせて1次転写される。このようにして、第1中間転写ベルト21、第2中間転写ベルト31上に、それぞれ4色トナー像が形成される。
第2プロセスユニット81Y,M,C,Kのユニット間隔は、第1プロセスユニット80Y,M,C,Kのユニット間隔よりも小さくなっている。これにより、第2転写ユニット30では、第1転写ユニット20よりも速く重ね合わせ1次転写が終了する。
タイミングが計られてレジストローラ対45から第1転写部の2次転写ニップに送られた転写紙Pは、その第1面に第1中間転写ベルト21上の4色トナー像が2次転写された後、第2転写部に受け渡される。そして、第2中間転写ベルト31と転写チャージャー47とが所定の間隙を介して対向している第2転写部にて、第2中間転写ベルト31上の4色トナー像が第2面に2次転写される。
このようにして両面にフルカラー画像が形成された転写紙Pは、紙搬送ユニット50を経由して定着装置60に受け渡される。そして、定着装置60内で加熱や加圧による定着処理が行われて、両面のトナー画像がそれぞれ溶融、混合される。更に、冷却ローラ対70と排紙ローラ71とを経た後、排紙スタック部75上に排紙される。
複数の頁の転写紙に両面記録する場合、若い頁の画像が下面となって排紙スタック部75にスタックされるように作像順序を制御する。これにより排紙スタック部75から取り出し、上下面を逆にしたとき記録物は上から順に1頁、その裏に2頁、2枚目が3頁、その裏が4頁となり頁順が揃う。このような作像順序の制御や、定着装置に入力する電力を片面記録時より増やすなどの制御は、制御部95によって実行される。
片面記録動作、両面記録動作に関して、フルカラー記録を実行させる例で説明したが、ブラックトナーだけによるモノクロ記録も可能である。メンテナンスや部品交換等の必要性が生じた場合には、不図示の外装カバー等を開放し、メンテナンスをおこなう。
以上の構成の本複写機においては、第1画像形成部と第2画像形成部との組合せにより、可視像形成手段が構成されている。そして、これにより、像担持体たる第1中間転写ベルト21の表面に第1トナー像を形成する一方で、像担持体たる第2中間転写ベルト31の表面に第2トナー像を形成している。
次に、本複写機の特徴的な構成について説明する。
プリンタ部100の紙搬送路43Aにおける横レジ補正機構44よりも搬送方向上流側には、表面特性検知手段500が配設されている。この表面特性検知手段500は、図4に示すように、記録体たる転写紙Pの第1面(図中上方を向く面)の表面特性と、第2面(図中下方を向く面)の表面特性とを、それぞれ個別に検知するための第1検知部510と第2検知部520とを有している。第1面特性検知手段たる第1検知部510と、第2面特性検知手段たる第2検知部520とは、記録体搬送路たる紙搬送路43Aを挟んで互いに非対向の位置に配設されている。
搬送ローラ対42Aのローラ間に挟み込まれて紙搬送路43A内を搬送される転写紙Pは、表面特性検知手段500の第2検知部520の真上、第1検知部の真下を順次通過していく。そして、第2検知部520の真上を通過する際に、第2面の表面特性が検知される。また、第1検知部510の真下を通過する際に、第1面の表面特性が検知される。
図5は、両面転写装置の第1転写部を拡大して示す拡大構成図である。同図において、2次転写ローラ46の軸46aには、偏心カム110の周面が突き当たっている。2次転写ローラ46は、この偏心カム110により、第1中間転写ベルト21における支持ローラ28による掛け回し箇所に向けて付勢されて2次転写ニップを形成する。偏心カム110が図示しないカムモータによって揺動軸110aを中心に回転すると、その回転角度に応じて2次転写ローラ46に対する偏心カム110による付勢力が変化する。そして、これに伴って2次転写ニップにおける圧力、即ち、転写圧が変化する。偏心カム110の周面における所定の位置には、鏡面仕上げによる図示しない基準マークが付されている。この基準マークは、偏心カム110の近傍に配設された反射型フォトセンサからなるカム用フォトセンサ405に検知される。カム用フォトセンサ405による基準マークの検知タイミングに基づいて、偏心カム110の回転停止角度が決定されることにより、転写圧がその回転停止角度に応じたものに設定される。このようにして、本複写機は、第1転写部における転写条件である第1転写条件として、転写圧を変化させることができる。
また、上述したように、2次転写ローラ46のローラ部の表面には、導電性ゴムが被覆されている。これにより2次転写ローラ46のローラ部は、弾性変形することが可能になっている。一方、第1転写部において2次転写ローラ46との間に第1中間転写ベルト21を挟み込んでいる支持ローラ28には、弾性変形不能な金属ローラが用いられている。このため、第1転写部の2次転写ニップにおいては、より柔らかい2次転写ローラ46が支持ローラ28を食い込ませるように弾性変形する。押圧力が高まるほど、換言すれば、転写圧が高まるほど、その食い込み量が大きくなる。すると、2次転写ニップの紙搬送方向の長さが大きくなって、1次転写部における転写時間が長くなる。よって、本複写機では、第1転写条件として、転写時間を変化させることもできる。
また、上述したように、2次転写ローラ46には、図示しない2次転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加する。2次転写ニップにおいて、第1中間転写ベルト21上の第1トナー像に作用する静電力は、2次転写ニップに形成される2次転写電界の強度に大きく左右される。そして、この2次転写電界の強度は、2次転写バイアスの電圧値よりも、2次転写ニップにおける転写電流値に依存する。転写電流値が大きくなるほど、2次転写電界の強度が大きくなるのである。2次転写バイアスの電圧値を一定にする定電圧制御の場合、温湿度変動に伴って第1中間転写ベルト21の電気抵抗値が変化してしまうと、2次転写電流値がそれに伴って変化するので、2次転写電界の強度が不安定になってしまう。しかし、本複写機では、図示しない2次転写電流検知手段により、2次転写バイアスローラ46から、第1中間転写ベルト21を介して支持ローラ28に流れ込む2次転写電流値を検知している。そして、この2次転写電流検知手段による検知結果を所定の電流目標値に近づけるように2次転写バイアスの電圧値を調整することで、2次転写電流値を電流目標値付近に安定させることができる。更に、電流目標値を変化させることで、1次転写部にて安定して発生させる2次転写電流値を変化させることができる。よって、本複写機では、第1転写条件として、2次転写電界の強度を変化させることもできる。
図6は、本複写機のプリンタ部100における電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部95は、プリンタ部全体の制御を司るもので、演算手段であるCPU95a、記録手段であるRAM95b、ROM95c等から構成されている。この制御部95には、チャージャー電源401、2次転写バイアス電源402、2次転写電流検知手段403、カムモータ404、カム用フォトセンサ405、上述した表面特性検知手段500などが接続されている。
チャージャー電源401は、第2転写部の転写チャージャー(図1の47)に電圧を供給するもので、制御部95からの制御信号に基づいて供給電圧値を変化させることで、転写チャージャーによる電荷付与量を変化させる。この電荷付与量が変化すれば、第2転写部における第2トナー像の転写性が変化する。即ち、本複写機では、第2転写部における転写条件である第2転写条件として、転写紙に対する電荷付与量を変化させることができる。
2次転写バイアス電源402は、第1転写部の2次転写ローラ(図1の46)に2次転写バイアスを供給するものである。また、2次転写電流検知手段403は、周知の技術により、第1転写部の2次転写ニップにおける2次転写電流値を検知するものである。制御部95は、2次転写電流検知手段403による検知結果を、所定の電流目標値に近づけるように2次転写バイアス電源402からの出力電圧値をコントロールすることで、上述のような定電流制御を行う。
カムモータ404は、図示しない駆動伝達系を介して、上述した偏心カム(図5の110)を回転せしめるものである。このカムモータ404の作動によって偏心カムの回転停止角度が変化することで、上述したように、第1転写部における転写圧や転写時間が変化する。偏心カムの回転停止角度については、カム用フォトセンサ405による検知結果に基づいて決定される。
制御部95は、表面特性検知手段500の第1検知部510による転写紙の第1面の検知結果に基づいて、2次転写バイアス電源402やカムモータ404に送る制御信号をそれぞれ生成する。そして、上述の定電流制御に用いる電流目標値や、2次転写ニップにおける転写圧を、第1面の表面特性に適した値に設定する。これにより、第1転写部における第1転写条件が第1面の表面特性に適した条件となる。
また、制御部95は、表面特性検知手段500の第2検知部520による転写紙の第2面の検知結果に基づいて、チャージャー電源401に送る制御信号を生成する。そして、転写チャージャー(図1の47)による転写紙に対する電荷付与量を、転写紙の第2面の表面特性に適した値に設定する。これにより、第2転写部における第2転写条件が第2面の表面特性に適した条件となる。
以上の構成においては、制御部95、チャージャー電源401、2次転写バイアス電源402、2次転写電流検知手段403、カムモータ404、カム用フォトセンサ405等の組合せにより、転写条件設定手段が構成されている。この転写条件設定手段が、表面特性検知手段500による検知結果に基づいて、第1トナー像を転写する際の第1転写条件と、第2トナー像を転写する際の第2転写条件とをそれぞれ個別に設定する。そして、第1面、第2面に対して、それぞれその表面特性に適した条件で第1トナー像、第2トナー像を転写することで、第1面と第2面との両方で転写不良を抑える。これにより、転写紙の何れか一方の面で転写不良による画質劣化が生ずることによる第1面と第2面との画質差を抑えることができる。
また、本複写機では、先に図4に示したように、表面特性検知手段500として、第1検知部510と第2検知部520とを、紙搬送路43Aを挟んで互いに非対向の位置に有するものを用いている。そして、互いに最も大きく干渉し合う位置からずらして両検知部を配設している。かかる構成では、一方の検知部から発した光信号や電気信号等の信号を、転写紙Pを介してもう一方の検知部に検知させてしまうといった事態を抑える。これにより、両検知部の干渉による表面特性検知精度の悪化を抑えて、転写紙Pの裏表における画質差をより確実に抑えることができる。なお、互いに最も大きく干渉し合う位置の具体的な例については、検知部の種類によって異なってくるので、後述する各実施例でその詳細を説明する。
次に、実施形態に係る複写機に、より特徴的な構成を付加した各実施例について説明する。
[第1実施例]
図7は、本第1実施例に係る複写機に用いられる表面平滑性検知手段たる光センサユニット500Aを示す拡大構成図である。本複写機では、表面特性検知手段として、表面平滑性を検知し得る光センサユニット500Aを用いている。この光センサユニット500Aは、第1検知部510A、第2検知部520Aとして、それぞれ反射型フォトセンサからなるものを用いている。両検知部の構成は、それぞれ同様であるので、ここでは、第1検知部510Aだけについて説明する。第1検知部510Aは、発光素子511Aと受光素子512Aとを有しており、発光素子511Aから発した光を転写紙Pの第1面に照射する。そして、第1面で正反射した反射光を受光素子512Aによって検知し、第1面での光反射率(受光量/発光量)に応じた信号を受光素子512Aから制御部に向けて送る。第1面での光反射率は、第1面の表面平滑性と相関関係がある。よって、第1検知部510Aは、第1面での光反射率を検知することで、第1面の表面平滑性を検知することができる。同様にして、第2検知部520Aは、転写紙Pの第2面の表面平滑性を検知する。なお、正反射とは、光照射された表面で様々な角度で反射する複数の反射光のうち、鏡面と同様の角度で反射した反射光のことを言う。これに対し、鏡面とは異なる角度で反射した光を、乱反射光(拡散反射光)と言う。表面平滑性が比較的良好な表面上では、様々な反射光のうち、正反射光の光量が最も多くなる。
第1検知部510、第2検知部520として、それぞれ図示のような反射型フォトセンサからなるもの(510A,520A)を用いた場合、互いに最も大きく干渉し合う位置とは、次のような位置になる。即ち、第1検知部510Aの発光素子511Aから発せられる光の光軸の延長線L1上に、第2検知部520Aの受光素子522Aをポジショニングさせてしまう位置である。発光素子511Aからの光の一部が、転写紙Pを透過した場合、その透過光量は、紙面反射前の光の光軸線上における位置で最も多くなるからである。そこで、本複写機においては、図示のように、第1検知部510Aの発光素子511Aから発せられた光の光軸の延長線L1からずらした位置に、第2検知部520Aの受光素子522Aをポジショニングさせるようにしている。
また、第2検知部520Aの発光素子521Aから発せられた光の光軸の延長線L2上に、第1検知部510Aの受光素子512Aをポジショニングさせても、両検知部の干渉が最も大きくなってしまう。そこで、本複写機においては、図示のように、第2検知部520Aの発光素子521Aから発せられた光の光軸の延長線L2からずらした位置に、第1検知部510Aの受光素子512Aをポジショニングさせるようにしている。
第1検知部510Aとしては、正反射光を検知する受光素子512Aの他に、図8に示すような乱反射光を検知する補助受光素子513Aを有するものを用いてもよい。このような第1検知部510Aでは、正反射光の光反射率と、乱反射光の光反射率とを検知することで、表面平滑性をより高精度に検知することができる。第2検知部520Aにも、同様のものを用いることができる。このような構成のものを用いた場合には、第2検知部520Aの補助受光素子523Aも、第1検知部510Aの発光素子511Aから発せられた光の光軸の延長線L1上からずれた位置にポジショニングさせる必要がある。また、第1検知部510Aの補助受光素子512Aも、第2検知部520Aの発光素子521Aから発せられた光の光軸の延長線上からずれた位置にポジショニングさせる必要がある。
次に示す表1は、本複写機における転写紙Pの第1面の表面平滑性と、第1転写条件との関係の一例を示している。
Figure 2005352357
表1におけるベック平滑度(JIS P8119)は、その値が小さくなるほど、平滑性が悪くなっていることを示す。また、電流目標値係数は、上述の定電流制御の際に用いられる電流目標値に乗じられる係数である。これの乗算によって電流目標値、ひいては2次転写電界の強度が変化するのである。また、転写圧係数は、2次転写ニップにおける転写圧目標値に乗じられる係数である。上述の制御部(400)は、カム用フォトセンサ(405)から出力信号に基づいて、所定の転写圧目標値に相当する転写圧を発揮させ得る回転角度で、偏心カム(110)の回転を停止させる。この際、転写圧目標値を表1の転写圧係数の乗算によって補正して用いることで、2次転写ニップにおける転写圧、ひいてはニップ長が変化する。
転写条件が同一の内容で固定されている場合、転写紙に対するトナー像の転写性は、転写紙の表面平滑性が悪くなるほど低下する。そこで、本複写機では、表1に示すように、転写紙の第1面の表面平滑性が悪くなるほど(ベック平滑度が小さくなるほど)、より大きな値の電流目標値係数を電流目標値に乗ずるようになっている。これにより、第1面の表面平滑性が悪くなるほど、第1転写部の2次転写ニップでより大きな転写電流を生じせしめて、表面平滑性の悪化による第1トナー像の転写不良を抑えている。
また、本複写機では、転写紙の第1面の表面平滑性が悪くなるほど、より大きな値の転写圧係数を転写圧目標値に乗ずるようになっている。これにより、第1面の表面平滑性が悪くなるほど、2次転写ニップでより大きな転写圧を生じせしめて、表面平滑性の悪化による第1トナー像の転写不良を抑えている。
次に示す表2は、本複写機における転写紙Pの第2面の表面平滑性と、第2転写条件との関係の一例を示している。
Figure 2005352357
表2におけるチャージャーバイアス係数は、上述の転写チャージャー(47)に供給するチャージャーバイアスの電圧目標値に乗じられる係数である。これの乗算により、転写チャージャーに供給される電圧値、ひいては第2転写部での転写紙Pに対する電荷付与量が変化するのである。
本複写機では、表2に示すように、第2面の表面平滑性が悪くなるほど、より大きな電圧を転写チャージャーに供給するようになっている。これにより、転写紙の第2面の表面平滑性が悪くなるほど、第2転写部でより多くの電荷を転写紙に付与して、表面平滑性の悪化による第2トナー像の転写不良を抑えている。
[第2実施例]
本第2実施例に係る複写機の構成は、以下に特筆しない限り、第1実施例のものと同様である。
先に示した図1において、第1転写部においては、第1中間転写ベルト21と2次転写ローラ46とが当接する2次転写ニップにおいて、2次転写ローラ46から支持ローラ28に向けての2次転写電流が定電流制御されている。このため、第1転写部では、転写紙Pの第1面や第2面の表面電気抵抗にかかわらず、所望の強度の2次転写電界が形成される。即ち、転写ニップ方式による転写では、定電流制御を行えば、転写紙Pの表面電気抵抗による転写性の変動を阻止することができる。
一方、第2転写部においては、転写ニップ方式ではなく、チャージャー方式が採用されている。チャージャー方式では、転写チャージャー47によって転写紙Pの一方の面に付与した電荷をそこに留まらせて、その面と、像担持体(図示の例では第2中間転写ベルト31)との間に転写電界を形成する。そして、この転写電界により、像担持体上のトナー像をもう一方の面に静電転写する。このようなチャージャー方式では、転写チャージャー47によって電荷を付与する方の面の表面電気抵抗が小さくなるほど、その面に留まらせ得る電荷の量を減少させてしまうため、転写電界の強度が弱まる。そして、これにより、転写性が悪化してしまう。即ち、チャージャー方式による転写では、転写紙Pの表面電気抵抗によって転写性を変化させてしまうのである。第1実施例に係る複写機では、転写紙Pの第1面の表面電気抵抗によって、第2面への第2トナー像の転写性が変化してしまう。そこで、本第2実施形態に係る複写機では、第2転写部における転写については、転写紙Pの第1面の表面電気抵抗によっても、転写チャージャー47による第1面の電荷付与量を調整するようになっている。
図9は、本複写機に用いられる表面特性検知手段としての複合センサユニット500Bを示す拡大構成図である。同図において、複合センサユニット500Bは、第1検知部510Bと、第1面特性検知手段たる補助第1検知部530Bと、第2検知部520Bとを有している。これらのうち、第1検知部510Bは、第1実施例の光学センサユニットの第1検知部(510A)と同様の構成であり、反射型フォトセンサによって転写紙Pの第1面の表面平滑性を検知する。また、第2検知部520Bは、第1実施形態の光学センサユニットの第2検知部(520A)と同様の構成であり、反射型フォトセンサによって第2面の表面平滑性を検知する。なお、同図に示すように、第2検知部520Bは、第1検知部510B及び補助第1検知部530Bとは、非対向の位置に配設されている。
補助第1検知部530Bは、電流検知部533Bと、従動回転自在に電流検知部533Bに支持される出力コロ531B及び入力コロ532Bとを有している。これらコロ(531B,532B)は、それぞれ、導電性の金属材料で構成されている。そして、互いに紙搬送方向に所定の距離をおいて配設され、それぞれ転写紙Pの第1面に接触しながら回転する。出力コロ531Bと入力コロ532Bとの間には、所定値の電圧Vがかけられている。すると、両コロ間に、転写紙Pの第1面を介して電流が発生する。電流検知部533Bは、周知の技術により、両コロ間に発生する電流値Iを検知する。この電流値Iは、転写紙Pの第1面の表面電気抵抗Rと相関関係がある(R=V/I)。よって、補助第1検知部530Bは、転写紙Pの第1面の表面特性である表面電気抵抗Rを検知することができる。
次に示す表3は、本複写機における転写紙Pの第2面の表面平滑性と、第2転写条件との関係の一例を示している。
Figure 2005352357
本複写機では、チャージャーバイアスの電圧目標値を、チャージャーバイアス第1係数と、チャージャーバイアス第2係数との乗算によって補正するようになっている。これら係数のうち、前者は、第1実施例と同様に、転写紙Pの第2面の表面平滑性に応じて増減する数値である。また、後者は、転写紙Pの第1面の表面電気抵抗に応じて増減する数値である。これら2つの係数の乗算によって電圧目標値を決定することで、第2転写部における第2転写条件を、第1面や第2面の表面特性に更に適した内容にすることができる。これにより、第2トナー像については、第2面の表面平滑性に起因する転写不良に加えて、第1面の表面電気抵抗に起因する転写不良をも抑えることができる。
なお、補助第1検知部530Bは、転写紙Pの第1面に流れる電流に基づいて第1面の表面電気抵抗を検知するものであるのに対し、第2検知部520Bは、第2面の光反射率を検知するものである。電流、反射光という互いに異なる信号を検知するのである。このような場合には、互いの検知部をどのような関係でそれぞれ配設したとしても、互いに干渉させてしまうといった事態は殆ど起こらない。よって、補助第1検知部530Bと第2検知部520Bとの位置関係については、それほど気にしなくてよい。
[第3実施例]
本第3実施例に係る複写機の構成は、以下に特筆しない限り、第2実施例のものと同様である。
図10は、本複写機の転写部を拡大して示す拡大構成図である。同図に示すように、本複写機では、第2転写部だけでなく、第1転写部でもチャージャー方式の転写を行うようになっている。具体的には、第1転写部では、第1中間転写ベルト21における支持ローラ28による掛け回し箇所に、第1転写チャージャー151が所定の間隙を介して対向している。レジストローラ対45によって第1転写部に向けて送られた図示しない転写紙は、第1ガイド板150によって案内されながら、第1中間転写ベルト21に密着せしめられる。そして、第1転写チャージャー151との対向領域を通過する際に、第2面に電荷が付与されて、第1中間転写ベルト21上の第1トナー像が第1面に転写される。このようにして第1トナー像が第1面に転写された転写紙は、第2ガイド板152に案内されながら、転写チャージャー47と第2中間転写ベルト31とが対向している第2転写部に送られる。そして、第2中間転写ベルト31上の第2トナー像が第2面に転写される。
図11は、本複写機に用いられる表面特性検知手段としての複合センサユニット500Cを示す拡大構成図である。この複合センサユニット500Cは、第1検知部510Cと、第1面特性検知手段たる補助第1検知部530Cと、代位検知部520Cと、第2面特性検知手段たる補助第2検知部540Cとを有している。これらのうち、第1検知部510Cは、第2検知部520Cは、それぞれ第1実施例の光学センサユニットの第1検知部(510B)、第2検知部(520B)と同様の構成である。そして、反射型フォトセンサによって転写紙Pの表面平滑性を検知する。また、補助第1検知部530Cは、第1実施例の光学センサユニットの補助第1検知部(530B)と同様の構成であり、転写紙Pの第1面の表面電気抵抗を検知する。また、補助第2検知部540Cは、転写紙Pの第2面の表面電気抵抗を検知する点の他が、補助第1検知部530Cと同様の構成になっている。かかる構成の複合センサユニット500Cは、転写紙Pの第1面、第2面について、それぞれ、表面平滑性と表面電気抵抗とを検知することができる。
第1検知部510C、第2検知部520Cは、それぞれ紙面での光反射量に基づいて表面平滑性を検知する、即ち、同じ種類の信号に基づいて表面平滑性を検知するものである。このような場合は、実施例1と同様に、両検知部の位置関係によっては、互いを大きく干渉させてしまう。そこで、本複写機では、実施例1と同様に、両検知部を互いに最も大きく干渉させる位置からずらして配設している。具体的には、一方の発光素子(511C、521C)から発せられた光の光軸の延長線上からずらした位置に、もう一方の受光素子(512C、522C)をポジショニングさせるようにしている。よって、両検知部(510C、520C)の干渉を抑えることができる。
また、補助第1検知部530C、補助第2検知部540Cは、それぞれ紙面に流れる表面電流に基づいて、紙面の表面特性を検知するものである。それぞれ同じ種類の信号に基づいて表面特性を検知しているのである。このような場合にも、互いの位置関係によっては、両検知部(530C、540C)を大きく干渉させることになる。図示のような補助第1検知部530Cと、補助第2検知部540Cとの場合には、次のような位置関係が互いに最も大きく干渉する位置となる。即ち、補助第1検知部530Cの第1電極たる出力コロ531Cと第2電極たる入力コロ532Cとの間よりも、何れか一方の電極から、補助第2検知部540Cの2つの電極の何れか一方に電流が流れやすくなるような位置関係である。また、補助第2検知部540Cの第3電極たる出力コロ541Cと第4電極たる入力コロ542Cとの間よりも、何れか一方の電極から、補助第1検知部530Cの2つの電極の何れか一方に電流が流れやすくなるような位置関係もそうである。より詳しくは、これら位置関係は次のようになる。即ち、補助第1検知部530Cの出力コロ531C、入力コロ532C、補助第2検知部540Cの出力コロ541C、入力コロ542Cという4つの電極の中から2つを選んで成立する組合せは全部で6通りある。これら6通りの電極組のうち、補助第1検知部530Cの出力コロ531Cと入力コロ532Cとからなる電極組における電極間距離と、補助第2検知部540Cの出力コロ541Cと入力コロ542Cとからなる電極組における電極間距離とが、他の4通りの電極組におけるそれぞれの電極間距離の何れかよりも大きくなる位置関係である。
そこで、本複写機では、補助第1検知部530Cの出力コロ531Cと入力コロ532Cとからなる電極組における電極間距離と、補助第2検知部540Cの出力コロ541Cと入力コロ542Cとからなる電極組における電極間距離とが、他の4通りの電極組におけるそれぞれの電極間距離の何れよりも小さくなるように、両検知部を配設している。よって、両検知部の干渉を抑えることができる。
第2転写部における第2転写条件の設定については、第2実施例と同様である。また、本複写機では、第1転写部における第1転写条件についても、第2転写部と同様の設定を行うようになっている。具体的には、第1面の表面平滑性に応じたチャージャーバイアス第1係数の乗算により、第1転写チャージャー(151)に対する転写バイアスを補正する。また、第2面の表面電気抵抗に応じたチャージャーバイアス第2係数の乗算により、第1転写チャージャーに対する転写バイアスを補正する。以上のような設定により、第1トナー像、第2トナー像の両方について、表面平滑性に起因する転写不良に加えて、表面電気抵抗に起因する転写不良をも抑えることができる。
[第4実施例]
本第4実施例に係る複写機の構成は、以下に特筆しない限り、第1実施例のものと同様である。
図12は、本複写機の転写部を示す拡大模式図である。本複写機では、第1転写部、第2転写部ともに、転写ニップ方式の転写を行うようになっている。同図において、互いに隣り合うように配設された第1転写部第1ローラ153、第2転写部第1ローラ154は、何れも第1中間転写ベルト21を張架する第1ベルト張架ローラである。また、互いに隣り合うように配設された第1転写部第2ローラ155、第2転写部第2ローラ156は、何れも第2中間転写ベルト31を張架する第2ベルト張架ローラである。
同図では、便宜上、両中間転写ベルト(21,31)を離間させて示してあるが、実際には、第1転写部や第2転写部において両中間転写ベルトは当接している。具体的には、第1転写部では、第1中間転写ベルト21を張架している第1転写部第1ローラ153と、第2中間転写ベルト31を張架している第1転写部第2ローラ155とが、互いの間に両中間転写ベルト(21,31)を挟み込んでいる。また、第2転写部では、第1中間転写ベルト21を張架している第2転写部第1ローラ154と、第2中間転写ベルト31を張架している第2転写部第2ローラ156とが、互いの間に両中間転写ベルトを挟み込んでいる。そして、第1中間転写ベルト21における第1転写部第1ローラ153と第2転写部第1ローラ154との間の展張箇所が、第2中間転写ベルト31における第1転写部第2ローラ155と第2転写部第2ローラ156との間の展張箇所に当接している。
第1転写部では、第2中間転写ベルト31を張架している第1転写部第2ローラ155がアース接続されている。また、第1中間転写ベルト21を張架している第1転写部第1ローラ153に対し、トナーと同極性のマイナスの2次転写バイアスが印加されている。すると、両中間転写ベルトに挟み込まれた転写紙Pに担持されているマイナス極性の第1トナー像、第2トナー像に対して、それぞれ次のような電界が作用する。即ち、第1転写部第1ローラ153側から第1転写部第2ローラ155に向けて静電的に押し出すような電界である。このような静電押し出し方式により、第1中間転写ベルト21上の第1トナー像が、転写紙Pの第1面に2次転写される。このとき、第2中間転写ベルト31上の第2トナー像には、転写紙Pの第2面側から第2中間転写ベルト31側に向かう逆方向の静電力が作用するので、第2トナー像は第2中間転写ベルト31の表面に保持されたままでいる。
一方、第2転写部では、第1中間転写ベルト21を張架している第2転写部第1ローラ154がアース接続されている。また、第2中間転写ベルト31を張架している第2転写部第2ローラ156に対し、トナーと同極性のマイナスの2次転写バイアスが印加されている。すると、転写紙Pの第2面に保持されている第2トナー像に対し、第2転写部第2ローラ156側から第2転写部第1ローラ154側に向けて静電的に押し出すような電界が作用する。このような静電押し出し方式により、第2中間転写ベルト31上の第2トナー像が転写紙Pの第2面に2次転写される。このとき、先に第1転写部で第1面に転写された第1トナー像には、第1面から第1中間転写ベルト21に向かう静電力が作用してしまう。ところが、このような静電力を作用させても、第1面上の第1トナー像を第1中間転写ベルト21上に逆転写させるようなことはなかった。本出願人の実験によれば、転写工程が後になる方である第2転写部において、次のような転写を行えば、逆転写を防止することができた。転写バイアスを印加する転写バイアス部材側からこれに対向する対向部材側に向けてトナー像を静電的に押し出す転写、即ち、静電押し出し方式の転写を行うのである。第1転写部については、静電押し出し方式であっても、転写バイアス部材に向けてトナー像を静電的に引き寄せる静電引き寄せ方式であっても構わない。但し、第2転写部にて、静電引き寄せ方式の転写を行うと、逆転写を引き起こす。
本複写機では、先に表1に示したように、第1転写部における2次転写電流の目標値を、転写紙Pの第1面の表面平滑性に応じた電流目標値係数の乗算によって補正するようになっている。また、第1転写部における転写圧の目標値を、第1面の表面平滑性に応じた転写圧係数の乗算によって補正するようになっている。また、第2転写部についても、第2面の表面平滑性に応じて、転写電流目標値や転写圧目標値を補正するようになっている。
[第5実施例]
本第5実施例に係る複写機の構成は、以下に特筆しない限り、第1実施例のものと同様である。
図13は、本複写機の転写部を示す拡大構成図である。本複写機においても、第1転写部、第2転写部ともに、転写ニップ方式の転写を行うようになっている。但し、転写ニップで電界を形成しない。その代わりに、第1トナー像や第2トナー像を加熱する。そして、加熱によるトナーの軟化により、第1トナー像や第2トナー像を第1面や第2面に加熱転写する。
第1転写部では、第1中間転写ベルト21を張架している第1加熱ローラ157と、第1押圧ローラ158とが、第1中間転写ベルト21を挟み込んで第1加熱転写ニップを形成している。
一方、第2転写部では、第2中間転写ベルト31を張架している第2加熱ローラ160と、第2押圧ローラ159とが、第2中間転写ベルト31を挟み込んで第2加熱転写ニップを形成している。
第1加熱ローラ157、第2加熱ローラ160は、それぞれ、ハロゲンランプ等の発熱源を内包しており、発熱源への電源のON/OFFによって表面温度が調整される。レジストローラ対45から送り出された転写紙Pは、まず、第1加熱転写ニップに挟み込まれる。そして、その第1面が、第1中間転写ベルト21を介して第1加熱ローラ157に加熱される。次いで、第1加熱転写ニップから、第2加熱転写ニップへと送られる。そして、その第2面が、第2中間転写ベルト31を介して第2加熱ローラ160に加熱される。
第1加熱ローラ157による第1面の加熱温度が高まるほど、第1トナー像のトナーがより軟化して、第1加熱ニップにおける第1トナー像の転写性が高まる。また、第1加熱ニップの転写圧が高まるほど、第1加熱ニップにおける第1トナー像の転写性が高まる。即ち、本複写機においては、第1加熱ローラ157による加熱温度や第1加熱ニップにおける転写圧の設定により、第1トナー像を転写する際の第1転写条件が設定される。
同様にして、第2加熱ローラ160による第2面の加熱温度が高まるほど、第2トナー像のトナーがより軟化して、第2加熱ニップにおける第2トナー像の転写性が高まる。また、第2加熱ニップの転写圧が高まるほど、第2加熱ニップにおける第2トナー像の転写性が高まる。即ち、本複写機においては、第2加熱ローラ160による加熱温度や第2加熱ニップにおける転写圧の設定により、第2トナー像を転写する際の第2転写条件が設定される。
本複写機では、転写紙の第1面の表面平滑性に基づいて、第1加熱ローラ157による第1面の加熱温度や第1転写部における転写圧を設定する。具体的には、第1面の表面平滑性が悪くなるほど、第1加熱ローラ157の表面温度を高くするとともに、第1転写部における転写圧を高く設定する。また、転写紙の第2面の表面平滑性に基づいて、第2加熱ローラ160による第2面の加熱温度や第2転写部においける転写圧を設定する。具体的には、第2面の表面平滑性が悪くなるほど、第2加熱ローラ160の表面温度を高くするとともに、第2転写部における転写部を高く設定する。これらにより、表面平滑性が悪くなるほど、転写紙Pをより高い温度でトナー像加熱転写せしめて、表面平滑性の変動に起因する転写不良を抑えることができる。また、表面平滑性が悪くなるほど、より高い転写圧でトナー像を加熱転写せしめることによっても、表面平滑性の変動に起因する転写不良を抑えることができる。
なお、加熱転写の場合には、転写紙Pの表面電気抵抗がトナー像の転写性に影響しなくなる。よって、転写ニップ方式と静電転写方式とを兼用する場合と同様に、転写紙Pの表面電気抵抗を考慮する必要はない。
[第6実施例]
本第6実施例に係る複写機の構成は、以下に特筆しない限り、第1実施例のものと同様である。
図14は、本複写機に用いられる表面特性検知手段としての振動センサユニット500Dを示す拡大構成図である。この振動センサユニット500Dは、第1面特性検知手段たる第1検知部510Dと、第2面特性検知手段たる第2検知部520Dとを有している。両検知部は、紙搬送路を挟んで互いに非対向の位置に配設されている。
第1検知部510Dは、板バネ状の第1接触部材512Dの後端側を支持部材511Dによって支持している。そして、紙搬送路内を搬送される転写紙Pの第1面に、第1接触部材512Dの先端を摺擦させることで、第1接触部材512Dを振動させる。第1接触部材512Dの振動は、周知の技術によって電気的信号に変換される。そして、第1検知部510Dは、第1接触部材512Dの振動量に応じた信号を出力する。第1接触部材512Dの振動量は、転写紙Pの第1面の表面平滑性と相関関係がある。よって、第1検知部510Dは、第1面の表面平滑性を検知する表面平滑性検知手段として機能している。また、第1接触部材512Dの振動量を検知する第1振動検知手段として機能している。第2検知部520Dも同様にして、第2接触部材522Dの振動量を検知する第2振動検知手段として機能している。
第1検知部510D、第2検知部520Dは、それぞれ紙面に接触させた接触部材(512D、522D)の振動に基づいて紙面の表面平滑性を検知するものである。即ち、同じ種類の信号に基づいて表面特性を検知するものである。このような場合には、両検知部の位置関係によっては、互いに大きく干渉させて、表面平滑性の検知誤差を引き起こしてしまう。両検知部が互いに最も大きく干渉する位置関係は次の通りである。即ち、第1接触部材512Dと第1面との接触領域の紙厚み方向における投影像が、第2接触部材522Dと第2面との接触領域に重なる位置である。このような位置では、両接触部材が転写紙Pを介して接触し合うようになるので、一方の振動が他方に最も伝わりやすくなる。即ち、互いの検知部の干渉が最も大きくなる。そこで、本複写機では、前者の接触領域の紙厚み方向における投影像を、後者の接触領域に重ねないように、両検知部を配設している。これにより、両検知部の干渉を抑えることができる。
本複写機は、第1検知部510Dによる第1面の検知結果に基づいて、先に表1に示したような関係で第1転写条件を設定する。また、第2検知部520Dによる第2面の検知結果に基づいて、先に表2に示したような関係で第2転写条件を設定する。
なお、これまで説明してきた全ての実施例において、転写紙Pの何れか一方の面に対する転写条件の設定を固定してしまうと、裏表の表面特性の差に起因して、両面の画質差が目立ってしまった。
これまで、電子写真方式のプリンタに本発明を適用した例について説明したが、直接記録方式など、他の方式によってトナー像を形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を記録体や中間記録体に直接付着させて画素像を形成することで、記録体や中間記録体に対してトナー像を直接形成する方式である。
以上、各実施例の複写機においては、第1面特性検知手段及び第2面特性検知手段の少なくとも一方として、転写紙の表面特性たる表面平滑性を検知するものを用いている。かかる構成では、転写紙Pの裏表で表面平滑性が異なることに起因する裏表の画質差を抑えることができる。
また、第1、第2、第3、第4及び第5実施例の複写機においては、第1面特性検知手段、第2面特性検知手段又はこれら両方として、転写紙Pの第1面又は第2面における光反射率を検知することで、その面の表面平滑性を検知するものを用いている。かかる構成では、転写紙Pに対して、非接触でその表面平滑性を検知することができる。
また、第6実施例の複写機においては、第1面特性検知手段、第2面特性検知手段又はこれら両方として、転写紙Pの第1面又は第2面に接触する接触部材(512D,522D)の振動量を検知することで、その面の表面平滑性を検知するものを用いている。かかる構成では、光反射率に基づいて表面平滑性を検知するものとは異なり、プリンタ部の筺体外部から漏れ込んだ光による検知精度の悪化を引き起こすことなく、表面平滑性を検知することができる。
また、第1、第2、第4、第5及び第6実施例の複写機においては、転写紙Pの第1面に第1トナー像を転写する際の転写方式、及び第2面に第2トナー像を転写する際の転写方式の少なくとも何れか一方として、無端移動する表面に第1可トナー像又は第2トナー像を担持する像担持体(第1中間転写ベルト21又は第2中間転写ベルト31)に、当接部材たる2次転写ローラ46、第1中間転写ベルト21、第2中間転写ベルト31、第1押圧ローラ158又は第2押圧ローラ159を当接させて転写ニップを形成し、この転写ニップに挟みこんだ転写紙Pに対して第1トナー像又は第2トナー像を転写する転写ニップ方式を採用している。かかる構成では、転写ニップに挟み込んだ転写紙Pを像担持体に確実に密着せしめながら、その転写紙Pに像担持体上のトナー像を転写するので、密着不良による転写不良を抑えることができる。
また、第1、第2、第4及び第6実施例の複写機においては、転写ニップ方式の転写における転写条件として、転写ニップにおける電界強度を設定させるように、転写条件設定手段を構成しているので、転写紙Pの表面特性に応じて電界強度を変化させることで、表面特性にかかわらず転写ニップにおけるトナー像の転写性を安定させることができる。
また、第1、第2、第4、第5及び第6実施例の複写機においては、転写ニップ方式の転写における転写条件として、転写ニップにおける転写圧を設定させるように、転写条件設定手段を構成しているので、転写紙Pの表面特性に応じて転写圧を変化させることで、表面特性にかかわらず転写ニップにおけるトナー像の転写性を安定させることができる。
また第1、第2、第4、第5及び第6実施例の複写機においては、転写ニップ方式の転写における転写条件として、転写ニップにおけるニップ長を設定させるように、転写条件設定手段を構成しているので、転写紙Pの表面特性に応じて転写時間を変化させることで、表面特性にかかわらず転写ニップにおけるトナー像の転写性を安定させることができる。
また、第1、第2、第3及び第6実施例の複写機においては、転写紙Pの第1面に第1トナー像を転写する際の転写方式、及び第2面に第2トナー像を転写する際の転写方式の少なくとも何れか一方として、無端移動する表面に第1トナー像又は第2トナー像を担持する像担持体(第1中間転写ベルト21又は第2中間転写ベルト31)に、所定の間隙を介して対向する電荷付与手段たる転写チャージャー(47,151)により、像担持体の表面に保持される転写紙Pに電荷を付与して、像担持体上の第1トナー像又は第2トナー像を転写紙Pに転写するチャージャー方式を採用している。このことにより、転写紙Pの被転写対象となる方の面とは反対面に対して何の部材も接触させることなく、被転写対象となる方の面にトナー像を転写することができる。
また、第6実施例の複写機においては、第1面特性検知手段及び第2面特性検知手段の少なくとも一方として、表面特性たる表面電気抵抗を検知するものを用いるとともに、チャージャー方式の転写における転写条件として、その少なくとも一方における転写チャージャー(47,151)による電荷付与量を、表面電気抵抗の検知結果に基づいて設定させるように、転写条件設定手段を構成している。かかる構成では、チャージャー方式の転写において、転写紙Pの表面電気抵抗の変動に起因する転写性の不安定化を抑えることができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機のプリンタ部における4つの第1プロセスユニットの1つを示す拡大構成図。 同プリンタ部における4つの第2プロセスユニットの1つを示す拡大構成図。 同プリンタ部の表面特性検知手段を示す拡大構成図。 同プリンタ部の第1転写部を拡大して示す拡大構成図。 同プリンタ部における電気回路の一部を示すブロック図。 第1実施例に係る複写機に用いられる光センサユニットを示す拡大構成図。 同光センサユニットの変形例を示す拡大構成図。 第2実施例に係る複写機に用いられる複合センサユニットを示す拡大構成図。 第3実施例に係る複写機の転写部を拡大して示す拡大構成図。 同複写機に用いられる複合センサユニットを示す拡大構成図。 第4実施例に係る複写機の転写部を示す拡大模式図。 第5実施例に係る複写機の転写部を示す拡大構成図。 第6実施例に係る複写機に用いられる振動センサユニットを示す拡大構成図。
符号の説明
P 転写紙(記録体)
21 第1中間転写ベルト(像担持体、当接部材)
31 第2中間転写ベルト(像担持体、当接部材)
43A 紙搬送路(記録体搬送路)
46 2次転写ローラ(当接部材)
47 転写チャージャー(電荷付与手段)
151 第1転写チャージャー(電荷付与手段)
158 第1押圧ローラ(当接部材)
159 第2押圧ローラ(当接部材)
400 制御部(転写条件設定手段の一部)
401 チャージャー電源(転写条件設定手段の一部)
402 2次転写バイアス電源(転写条件設定手段の一部)
403 2次転写電流検知手段(転写条件設定手段の一部)
404 カムモータ(転写条件設定手段の一部)
405 カム用フォトセンサ(転写条件設定手段の一部)
510A,B,C,D 第1検知部(第1面特性検知手段)
511A 第1発光素子(第1発光手段)
512A 第1受光素子(第1受光手段)
512D 第1接触部材
520A,B,C,D 第2検知部(第2面特性検知手段)
521A 第2発光素子(第2発光手段)
522A 第2受光素子(第2受光手段)
522D 第2接触部材
530B,C 補助第1検知部(第1面特性検知手段)
531C 出力コロ(第1電極)
532C 入力コロ(第2電極)
540B,C 補助第2検知部(第2面特性検知手段)
541C 出力コロ(第3電極)
542C 入力コロ(第4電極)

Claims (11)

  1. 第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、
    第1発光手段から発した光を上記第1面で反射させて第1受光手段で受光する第1面反射光検知手段と、第2発光手段から発した光を上記第2面で反射させて第2受光手段で受光する第2面反射光検知手段とを、該第1受光手段が該第2発光手段の出射方向の延長線上からずれた位置に固定され、且つ該第2受光手段が該第1発光手段の光出射方向の延長線上からずれた位置に固定されるように設け、
    該第1面反射光検知手段及び第2面反射光検知手段による検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とする両面転写装置。
  2. 第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、
    第1電極と第2電極とを所定の間隔をあけて上記第1面に接触させながら両電極間に生ずる電流を検知する第1面電流検知手段と、第3電極と第4電極とを所定の間隔をあけて上記第2面に接触させながら両電極間に生ずる電流を検知する第2面電流検知手段とを設け、
    該第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極の中から2つを選んで成立する6通りの電極組のうち、該第1電極と該第2電極とからなる電極組における電極間距離と、該第3電極と該第4電極とからなる電極組における電極間距離とが、他の4通りの電極組におけるそれぞれの電極間距離の何れよりも小さくなるように、該第1面電流検知手段と該第1面電流検知手段とを配設し、
    且つ、該第1面電流検知手段及び第2面電流検知手段による検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とする両面転写装置。
  3. 第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、
    上記第1面に対して第1接触部材を接触させながら該第1接触部材の振動量を検知する第1振動検知手段と、上記第2面に対して第2接触部材を接触させながら該第2接触部材の振動量を検知する第2振動検知手段とを、該第1接触部材と該第1面との接触領域の記録体厚み方向における投影像が該第2接触部材と該第2面との接触領域に重ならないように設け、該第1振動検知手段及び第2振動検知手段による検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とする両面転写装置。
  4. 第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写して、該記録体の両面に可視像を転写する両面転写装置において、
    発光手段から発した光を上記記録体における何れか一方の面で反射させて受光手段で受光する反射光検知手段、該記録体における何れか一方の面に2つの電極を所定の間隔をあけて接触させながら電極間に生ずる電流を検知する電流検知手段、及び、該記録体における何れか一方の面に接触部材を接触させながら該接触部材の振動量を検知する振動検知手段、の中から選ばれる2つを、互いに該記録体の反対面で反射光、電流又は振動量を検知させるように設け、それら2つによる検知結果に基づいて、上記第1トナー像を転写する際の転写条件である第1転写条件と、上記第2トナー像を転写する際の転写条件である第2転写条件とを、それぞれ個別に設定する転写条件設定手段を設けたことを特徴とする両面転写装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの両面転写装置において、
    上記第1面に上記第1可視像を転写する際の転写方式、及び上記第2面に上記第2可視像を転写する際の転写方式の少なくとも何れか一方として、無端移動する表面に上記第1可視像又は第2可視像を担持する上記像担持体に当接する当接部材によって転写ニップを形成して、該転写ニップに挟みこんだ転写紙に対して該可視像を転写する転写ニップ方式を採用したことを特徴とする両面転写装置。
  6. 請求項5の両面転写装置において、
    上記転写ニップ方式の転写における転写条件として、上記転写ニップにおける電界強度を設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とする両面転写装置。
  7. 請求項5又は6の両面転写装置において、
    上記転写ニップ方式の転写における転写条件として、上記転写ニップにおける圧力である転写圧を設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とする両面転写装置。
  8. 請求項5、6又は7の両面転写装置において、
    上記転写ニップ方式の転写における転写条件として、上記転写ニップの記録体搬送方向の長さであるニップ長を設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とする両面転写装置。
  9. 請求項2又は4の両面転写装置において、
    上記第1面に上記第1可視像を転写する際の転写方式、及び上記第2面に上記第2可視像を転写する際の転写方式の少なくとも何れか一方として、無端移動する表面に上記第1可視像又は第2可視像を担持する上記像担持体に、所定の間隙を介して対向する電荷付与手段により、該像担持体の表面に保持される上記記録体に電荷を付与して、該像担持体上の該可視像を該記録体に転写するチャージャー方式を採用したことを特徴とする両面転写装置。
  10. 請求項9の両面転写装置において、
    上記チャージャー方式の転写における転写条件として、上記記録体における上記第1面電流検知手段、第2面電流検知手段又は電流検知手段の検知対象面に対する上記電荷付与手段による電荷付与量を、該第1面電流検知手段、第2面電流検知手段又は電流検知手段の検知結果に基づいて設定させるように、上記転写条件設定手段を構成したことを特徴とする両面転写装置。
  11. 像担持体の表面に第1可視像を形成する一方で、像担持体の表面に第2可視像を形成する可視像形成手段と、該第1可視像を担持する像担持体から記録体の第1面に該第1可視像を転写する一方で、該第2可視像を担持する像担持体から該記録体の第2面に該第2可視像を転写する両面転写手段とを備え、該記録体の両面に画像を形成する画像形成装置において、
    上記両面転写手段として、請求項1乃至10の何れかの両面転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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