JP4496071B2 - 記録紙搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、請求項2の発明は、請求項1の記録紙搬送装置において、上記記録紙搬送ベルトが担持する記録紙には、両面に可視像が転写されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の記録紙搬送装置において、上記記録紙搬送ベルトの体積抵抗値が106[Ωcm]以上1010[Ωcm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの記録紙搬送装置において、上記記録紙搬送ベルトの記録紙搬送方向の最上流側である該記録紙が該記録紙搬送ベルトへ受渡される受渡し部で、該記録紙搬送ベルトを内側から支持し該受渡し部を構成する支持部材を受渡し部支持部材とし、該分離部支持部材の半径をrとしたとき該分離部支持部材の中心から記録紙搬送方向上流側へ1.5r以上離れた位置から、該分離部支持部材と受渡し部支持部材との中間点までの間に上記除電手段を配置することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの記録紙搬送装置において、上記除電手段は、上記記録紙搬送ベルトの裏面に接触して電荷を付与することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの記録紙搬送装置において、上記記録紙搬送ベルトが担持する記録紙の特性に基づいて、上記除電手段から上記記録紙搬送ベルトに付与する電荷量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの記録紙搬送装置において、上記記録紙が上記除電手段に到達する前に該除電手段へバイアスの印加を開始し、該記録紙が該除電手段を通過しおえた後に該除電手段へバイアスの印加を停止することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの記録紙搬送装置において、上記除電手段にバイアスを印加する電源装置を備え該電源装置は、定電流電源であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、記録紙を保持する記録紙保持部材を所定方向に移動させながら、該像担持体上の可視像を該記録紙保持部材上の記録紙に転写せしめる転写手段と、該転写手段を経由した後の記録紙を受け入れてその可視像を該記録紙に定着せしめる定着手段とを有する画像形成装置において、該転写手段から該定着手段まで記録紙を搬送する記録紙搬送手段として、請求項1乃至8いずれかの記録紙搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
図1に示す画像形成装置本体100の内部において、記録紙搬送路43Aを境にして、上部には第1画像ユニット20を配置し、下部には第2画像ユニット30を配置している。第1画像ユニット20は矢印方向に無端移動する第1トナー像搬送ベルトである第1中間転写ベルト21を備え、第2画像ユニット30は矢印方向に無端移動する第2トナー像搬送ベルトである第2中間転写ベルト31を備えている。第1中間転写ベルト21の上部張架面には、4個の第1トナー像形成手段である第1画像形成ユニット80Y、80C、80M、80Kが配置されている。一方、第2中間転写ベルト31の上部張架面には、4個の第2トナー像形成手段である第2画像形成ユニット81Y、81C、81M、81Kが配置されている。これら第1、第2画像形成ユニットの番号に沿えたY、C、M、Kは、扱うトナーの色と対応させているもので、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタ、Kはブラックを意味している。第1、第2画像形成ユニットに備えられ、第1中間転写ベルト21と第2中間転写ベルト31とともに回転する感光体1に対しても同じようにY、C、M、Kを沿えている。なお感光体1Yから1Kは各画像形成ユニット内では同間隔に配置され、少なくとも画像形成時にはそれぞれ中間転写ベルト21、31との張架部の一部と接触する。この接触する面をそれぞれ第1受像面F1、第2受像面F2と呼び、互いの位置関係を図2に示す。
さらに、上部にある第1中間転写ベルト21の水平投影面と、下部にある第2中間転写ベルトの水平投影面との少なくとも一部が、重なるような構成を採用している。つまり下部にある第2中間転写ベルトが、上部にある第1中間転写ベルトの下方にもぐりこむような形状である。このような構成を採用することにより、横方向についてよりコンパクトなレイアウトが可能となる。
図3において、画像形成装置100の動作時に、不図示の駆動源により、矢印方向に回転するよう回転可能に支持された円筒状の感光体1が配設されている。そして、感光体1の周囲に、静電写真プロセスに従い帯電手段であるスコロトロンチャージャ3、露光装置4、現像装置5、クリーニング装置2、光除電装置Q等の作像部材や電位センサS1、画像センサS2が配設されている。
感光体1は、例えば直径30〜120mm 程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機感光層(OPC)を形成したものである。アモルファスシリコン(a−Si)層を形成した感光体も採用可能である。またベルト状の感光体も採用できる。クリーニング装置2は、クリーニングブラシ2a、クリーニングブレード2b、回収部材2cを備え、感光体表面に残留するトナー等の異物を除去、回収する。
イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色トナーは、各色を扱う現像装置で消費されると、透磁式のトナー検知手段5eにより検知される。そして、画像形成装置100内部のトナーカートリッジ収納部85に備えるトナーカートリッジ86から、不図示の供給手段により、各色のトナーを各現像装置5に供給される。
この供給手段として、公知のモーノポンプを用いる方式のものが採用できる。この方式によればトナーカートリッジの設置場所の制約が少ないため、画像形成装置内部のスペース配分に対し有利である。またトナーが適時補給できるため、現像装置に大きなトナー貯留スペースを設けなくてすみ、現像装置の小型化がはかれる。
図4に示した第2の画像形成ユニット81は、第1の画像形成ユニット80と構成部材が同じであるが、図3のものと比べ感光体1の回転方向が異なっている。しかし互いに、図中の矢印で示す感光体1の回転軸1aを通るy軸に対し対象の形をしている。この形状は、感光体1の周囲に配備する画像形成用部材の配置にも関係するが、重要な事項である。つまり画像形成装置100との結合部、たとえば駆動手段との結合部、電気的接続部、トナー供給部、トナー排出部の結合方法を配慮している。これにより、第1の画像形成ユニット80Y、M、C、Kと、第2の画像形成ユニット81Y、M、C、Kとに互換性をもたせることができる。従って第1の画像形成ユニットと第2の画像形成ユニット用に個別に現像装置、クリーニング装置、部品を製造する必要がなく、部品製造、部品の管理上での効率が高く、全体のコスト低減がはかれる。
第1と第2の画像形成ユニットをy軸中心にした軸対象の形で、第1の画像ユニット20と第2の画像ユニット30で使用できる以下の二つの条件がある。第1条件として、感光体1の周囲で画像形成のための部材を配備していない周面が確保されていること、つまり中間転写ベルトが当接可能な範囲が広く確保されていること。そして第2条件として、第1の中間転写ベルト21の受像面F1と第2の中間転写ベルト31受像面F2の配置角度が適切であることがあげられる。
もし、画像形成ユニット80をy軸に直交する軸を対象に上下反転して画像形成ユニット81として使うとすると、地球重力の影響により少なくとも現像装置5において、トナーの攪拌、現像ローラ5aへのトナー補給等の条件は異なる。これにより、画像形成ユニット80の部材をそれぞれ最適化しなければならず、部品の共通化も不可能となる。
特に第1の像担持ベルトを水平方向に長く、扁平に張架し、第2中間転写ベルトを縦方向に長くかつ傾斜させて張架したので、記録紙搬送路を境にして下方に第2中間転写ベルトの高さ方向のスペースが大きくなる。但し、図3、図4に示されるように、画像形成ユニットが中間転写ベルトの当接可能な範囲が広く確保されていることにより、画像形成ユニットは横方向の寸法に対し、縦方向の寸法が短い構成となる。そのため、画像形成ユニットがほぼ水平に配置された第1画像ユニットに対し、第2画像ユニットでは、画像形成ユニットが縦方向に斜めに配置される。よって、画像形成ユニットの間隔を短く設定でき、第2画像ユニットの高さ方向の省スペース化を図ることができる。これにより、高さ方向のレイアウトの自由度が増すため、記録紙搬送路を操作性、及び、給紙装置、不図示の後処理装置も考慮した上で理想的な高さに設定可能となっている。
上述のように、感光体周囲の画像形成用の装置の配置と、中間転写ベルトの配置、つまり第2条件の実現により、画像形成ユニット80と81で共通点を多く有しており、製造面でも非常に有利となっている。
第1中間転写ベルト21の外周部には、ローラ23に対向する位置にクリーニング装置20Aが設けられている。このクリーニング装置20Aは、第1中間転写ベルト21の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。
この第1中間転写ベルト21に関連する部材は、第1画像ユニット20として一体的に構成してあり、画像形成装置100に対し着脱が可能となっている。
第2中間転写ベルト31の外周部には、ローラ33に対向する位置にクリーニング装置30Aが設けられている。このクリーニング装置30Aは、中間転写ベルト31の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。
第2中間転写ベルト31に関連する部材は、第2画像ユニット30として一体的に構成してあり、画像形成装置100に対し着脱が可能となっている。
なお、搬送ローラ対42Cを有する記録紙搬送路43Cには、その搬送方向上流に設置可能な別の給紙装置300から、記録紙が供給可能となっている。給紙トレイ40aの最上位の記録紙が給紙され、その後曲げられることなく、ほぼ水平に真直ぐ搬送されるように、給紙トレイ40aの上部給紙面が配備してある。そのため厚い記録紙、剛性の高い板紙でも確実に給紙できる。なお給紙トレイ40aには、多様な特性の記録紙が収納されても確実に給紙できるよう、バキューム機構からなるエアー給紙を採用すると好都合である。図示していないが、記録紙搬送路の要所には記録紙を検知するためのセンサが具備させていて、記録紙の存在を基準とする各種信号のトリガーとしている。
また、搬送ベルト51の外側にはローラ55に対向させて、クリーニングブレード50Bを当接させるクリーニング装置50Aが備えている。この搬送ベルト51の走行速度は、定着装置60における記録紙Pの走行速度と合わせてある。
また画像形成装置100内部に備える電装・制御装置95には、各種電源や制御基板などが板金フレームに保護され収納されている。
定着装置60による熱や電装装置からの発熱により、画像形成装置100内部は高温になるが、その対策としてファンFを設けて、内部部材の熱による機能低下を防止している。またこのファンFは冷却ローラ対70の放熱部と結合してあり、冷却ローラ対70の冷却効果を確実にしている。
図1において、200で示すのは原稿読取装置、300は別途追加設置可能の給紙装置である。
片面記録の方法は基本的に2種類あって、選択が可能となっている。2種類のうちの一つは、第1中間転写ベルト21に担持させた画像を記録紙の片面に直接転写する方法であり、他の方法は、第2中間転写ベルト31に担持させた画像を記録紙の片面に直接転写する方法である。ここでは、画像形成装置100の構成から、第1中間転写ベルト21に担持させた画像を記録紙の片面に直接転写する場合には、画像が記録紙の上面に形成される。一方、第2中間転写ベルト31に担持させた画像を記録紙の片面に直接転写する場合には、画像が記録紙の下面に形成される。記録するべきデータが複数の頁になるケースでは、排紙スタック部75上で頁が揃うように作像順序を制御するのが好都合である。最後の頁の画像データから順に記録して頁順を揃わせるよう、第1中間転写ベルト21に画像を担持させた後、記録紙に転写させる方法について説明する。
この静電潜像は現像ローラ5aによりイエロートナーで現像され、可視像となり、1次転写ローラ22の転写作用により感光体1Yと同期して移動する第1中間転写ベルト21上に静電的に1次転写される。このような潜像形成、現像、1次転写動作が感光体1C、1M、1K側でもタイミングをとって順次同様に行われる。
この後、第1中間転写ベルト21上には、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色トナー画像が、順次重なり合ったフルカラートナー画像として担持され、第1中間転写ベルト21とともに矢印の方向に移動される。
記録紙P上に重ねられていた各色のトナーが定着装置60の熱による定着作用を受け、溶融、混色されて完全にカラー画像となる。記録紙の片面(上面)だけにトナーを有しているので、両面にトナーを有している両面記録時に比べ、定着に要する熱エネルギーは少なくて済む。不図示の制御手段が画像に応じて定着装置の使用する電力を最適に制御する。定着されたトナーも記録紙上で完全に固着するまでは、搬送路のガイド部材等にこすられ、画像が欠落したり、乱れたりする。この不具合を防止するため、冷却手段である冷却ローラ対70が作動し、トナーと記録紙を冷却する。その後、排紙ローラ71により排紙スタック部75に、画像面が上向きとなって排紙される。排紙スタック部75では若い頁の記録物が順次上に重ねられてスタックされるよう、作像順序がプログラムされているので、頁順が揃う。排紙スタック部75は、排紙される記録紙Pの増加に従って下降するので、記録紙Pは整然と確実にスタックでき、頁順が乱れることがない。記録済みの記録紙Pを排紙スタック部75に直接スタックする代わりに、穴あけ加工処理の実施や、ソータ、コレータや綴じ装置や折り装置など後処理装置に搬送することもできる。
このようにして片面に画像を有した記録紙Pは、転写ローラ46の搬送作用により、引き続き第2の二次転写手段たる転写チャージャ47を設けた第2転写位置である第2転写ステーションに送られる。そしてチャージャにプラス極性の転写電流が供給されることにより、第2中間転写ベルト31にあらかじめ担持されているフルカラーの第2の画像が、一括して記録紙Pの下面に転写される。
定着装置60の熱による定着処理を受け、記録紙の両面のトナー画像が溶融、混合される。記録紙は引き続いて冷却ローラ対を通過し、排紙ローラ71により排紙スタック部75上に排紙される。
複数の頁の記録紙に両面記録する場合、若い頁の画像が下面となって排紙スタック部75にスタックされるように作像順序を制御する。作像終了後、スタックから取り出し、上下面を逆にしたとき記録物は上から順に1頁、その裏に2頁、2枚目が3頁、その裏が4頁となり頁順が揃う。このような作像順序の制御や、定着装置に入力する電力を片面記録時より増やすなどの制御は、制御手段(不図示)により実行される。
また、メンテナンスや部品交換等の必要性が生じた場合には、不図示の外装カバー等を開放し、メンテナンスをおこなう。この時、図3、図4に示した画像形成部80、81を構成する部材をユニット化し、プロセスカートリッジとして交換すると都合がよい。プロセスカートリッジの形態は、図3、図4に示した構成から中間転写ベルト21、31と1次転写ローラ22、露光装置4などを除いた作像用部材を、正規の位置関係を保つようフレームの内部に納めて構成する。そして、着脱させるためのガイド部や把手を適宜設けて画像形成装置100に対し着脱可能にすることで実現可能である。
記録紙搬送装置50は、未定着のトナー像を有する記録紙Pを記録紙搬送ベルト51の表面に保持し、転写手段の転写部301から定着手段の定着部601まで搬送するものである。図に示すように記録紙Pは転写部301において、転写チャージャ47によって、プラスの電荷を付与されている。このとき、記録紙P表面上に付着したトナーはマイナス極性で帯電している。
搬送ベルト51の表面は、電荷付与手段として静電吸着チャージャ57によってトナーの極性と同じマイナス極性で帯電されるようになっている。そして、搬送ベルト51は、除電手段である除電ローラ58から記録紙と同じプラス極性の電荷が印加され、除電されるようになっている。
受入ローラ52は、記録紙Pと搬送ベルト51との接触部である搬送方向の最上流部(以下、受け渡し部501という)に配置されており、分離ローラ54は、記録紙Pと搬送ベルト51との分離部である搬送方向の最下流部(以下、分離部502という)に配設されている。そして、上記受け渡し部501と分離部502との間に、除電手段である除電ローラ58が設けられている。各ローラ52、53、54、55、56は、接地されている。除電ローラ58には、除電ローラ58に電荷を印加する電源装置58Aが設けられている。電源装置58Aは、定電流電源を用いても良いし、定電圧電源を用いても良い。しかし、定電流電源を用いることで、除電ローラ58に印加する電荷量をきめ細やかに制御できる。また、搬送ベルト51の抵抗値が環境等によって変化しても、付与電荷量をほぼ一定にすることができる。このため、定電流電源を用いることが好ましい。
また、除電ローラ58によって搬送ベルト51の表面がプラスに帯電しないように除電ローラに印加する電荷量を調整している。搬送ベルト51の表面がプラスに帯電してしまうと、記録紙の裏面(搬送ベルト側)に付着している未定着トナーが搬送ベルト51に転写してしまうおそれがある。このため、電源装置58Aの電圧や電流を調整して、電荷ローラに印加する電荷量を抑える。本実施形態の場合は、電源装置58Aが定電圧電源の場合は、1[KV]以下とし、定電流電源の場合は、50[μA]以下としている。
転写部301にて下面にトナー像を転写され、両面に未定着トナーを担持した記録紙Pは受け渡し部501から搬送ベルト51に担持される。記録紙Pはプラスの電荷を帯びており、記録紙搬送ベルト51はマイナス電荷を帯びている。一方、記録紙Pは転写部の転写チャージャなどにより、プラス電荷を帯びている。このため、記録紙Pは搬送ベルト51に吸着され、安定した搬送が可能となる。また、トナーはマイナス電荷を帯びている。このため、同極性の電荷を帯びた搬送ベルト51とは反発し合い、未定着のトナー像と搬送ベルト51とが接触していても、未定着のトナーが搬送ベルト51に付着することを防止できる。
記録紙Pが分離部502に到着する前に、除電ローラ58により搬送ベルト51にプラス電荷を付与して、搬送ベルト51のマイナス電荷を除去している。除電ローラ58によってマイナス電荷が除去されることで、搬送ベルト51と記録紙Pとの吸着力が減少する。記録紙Pと搬送ベルト51との静電的な吸着力を除電ローラ58によって減少させることで、分離部502では、記録紙Pの剛性による分離力が搬送ベルト51への静電的な吸着力よりも大きくなり、記録紙が搬送ベルト51から良好に分離し、定着部601へ搬送される。
また、上記においては、一定時間電源装置58AをONにして、除電ローラ58に電荷を印加するようにしているが、除電ローラ58よりも約10[mm]程度搬送方向下流側にも紙通過検知手段として反射型センサ64を設け、この反射型センサで紙の後端を検知したら、電源装置58Aの電源をONからOFFに切り替えるようにしてもよい。
このように、記録紙が搬送ベルト51に搬送されたときだけ、除電ローラ58に電源を印加するようにすれば、装置の省電力化を図ることができる。
なお、上記においては紙通過検知手段を反射型センサとしているが、透過型センサであっても良い。この場合は、搬送ベルトを透過率の高い部材で構成し、搬送ベルトの内側に発光素子を設け、搬送ベルトを介してこの発光素子と対向する位置に受光素子を設けておく。記録紙が透過型センサを通過すると、記録紙によって発光素子の光が遮られ受光素子の出力電圧が低下する。このように出力電圧が低下することで、記録紙が透過型センサを通過したことを検知することができる。
一方、厚さの厚い記録紙は、紙のコシが強いため搬送ベルトからの分離力が強い。また、抵抗値が高く帯電しにくいため搬送ベルトへの吸着力が弱い。このため、厚みが厚い記録紙は、搬送ベルト51からの分離力が搬送ベルト51への吸着力よりも大きくなる。よって、除電ローラ58で搬送ベルト51を除電して記録紙の搬送ベルト51への吸着力を弱めなくても記録紙Pが搬送ベルト51から分離することができる。このため、透過型センサで厚さの厚い紙を検知したときは、除電ローラ58に電荷を印加しないようにする。このように、紙厚が厚くなるに従って除電ローラ58に印加する電荷量を減少させることで、省電力化することができる。
なお、上記においては、透過型センサを用いて紙厚を検知しているが、ユーザーが紙厚を複写機の操作部などで指定するようにしても良い。
また、OHPなどの帯電しやすい用紙など、用紙の抵抗値に基づいて除電ローラに印加する電荷量を変更させるようにしてもよい。すなわち、OHPなどの帯電しやすい用紙は、搬送ベルトとの静電吸着力が強いため、除電ローラ58に印加する電荷量を多くする。一方、帯電し難い用紙の場合は、搬送ベルトとの静電吸着力が弱いので除電ローラに印加する電荷量を少なくする。
実施例1は、図5に示す記録紙搬送装置50の搬送ベルトの体積抵抗値を107[Ωcm]とし、除電ローラに500[V]の電圧を動作中常時印加し続けるようにした構成した記録搬送装置である。
この実施例1の記録搬送装置に、45[g]のような薄紙を通紙しても安定的に分離することが確認された。さらに、この薄紙を3000枚連続して通紙しても、分離性能に変化なく、安定的に分離することが確認された。また、画像品質にも顕著な影響がみられなかった。
(実施例2)
実施例2の記録紙搬送装置は、図5に示す搬送ベルト51の体積抵抗値を109[Ωcm]とし、除電ローラに紙厚に合わせて電流値が変更されるよう電源装置58Aを制御している。記録紙が薄紙のときに200[μA]の電流が除電ローラに流れ、記録紙が厚紙のときに20[μA]の電流が除電ローラに流れるように電源装置58Aを制御している。また、記録紙の先端が電極ローラの手前10[mm]に来た時点で電源装置58Aの電源をONにし、記録紙の先端が分離ローラから50[mm]離れた時点で電源装置58Aの電源をOFFにするように電源装置58Aを制御している。
この実施例2の記録紙搬送装置に、薄紙と厚紙をそれぞれ通紙しても安定的に分離することが確認された。さらに、薄紙と厚紙を交互に5000枚連続して通紙しても、分離性能に変化なく、安定的に分離することが確認された。また、画像品質にも顕著な影響がみられなかった。
(実施例3)
実施例3の記録紙搬送装置は、図5に示す搬送ベルト51の体積抵抗値を106[Ωcm]とし、除電ローラに3[KV]の電圧を印加している。また、記録紙Pの先端が電極ローラの手前10[mm]に来た時点で電源装置58Aの電源をONにし、記録紙Pが分離ローラ58から完全に離れてから電源装置58Aの電源がOFFになるよう電源装置58Aを制御している。
この実施例3の記録紙搬送装置に、普通紙を通紙したところ、安定的に分離することが確認された。さらに、この普通紙を5000枚連続して通紙しても安定的に分離することが確認された。しかし、記録紙の裏面(搬送ベルト側)の画像に白抜けが確認された。これは、除電ローラに印加した電圧が3[KV]と大きいため、搬送ベルトが除電ローラによってプラス帯電してしまい、記録紙の裏面のトナーが搬送ベルトに転写したと考えられる。
(実施例4)
実施例4の記録紙搬送装置は、図5に示す搬送ベルト51の体積抵抗値を1010[Ωcm]とし、除電ローラ58に300[μA]の電流を動作中常時印加し続けるようにしたものである。
この実施例4の記録紙搬送装置に、薄紙を通紙しても安定的に分離することが確認された。さらに、この薄紙を5000枚連続して通紙しても、分離性能に変化なく、安定的に分離することが確認された。また、画像品質にも顕著な影響がみられなかった。
また、除電ローラ58の電源をOFFにして、厚紙を通紙しても安定的に分離することが確認された。さらに、この薄紙を1000枚連続して通紙しても、分離性能に変化なく、安定的に分離することが確認された。
(比較例1)
比較例1の記録紙搬送装置は、図6に示すように、除電手段を搬送ベルトの外側に設け、非接触型の除電チャージャとしたものである。除電チャージャには、AC5[KV]の電圧を印加している。
この比較例1の記録紙搬送装置に、薄紙を通紙しても安定的に分離することが確認された。次に、薄紙を連続して通紙したら、1000枚を過ぎた時点から用紙ジャムが発生し始めた。これは、除電チャージャに飛散したトナーが付着して放電が不安定となり、搬送ベルトの除電が十分に行われなくなったと考えられる。また、このときの記録紙の画像を確認したところ、画像の乱れが確認された。
以上、本実施形態の記録紙搬送装置によれば、除電手段としての除電ローラ58は、記録紙搬送部材としての搬送ベルト51の裏面から記録紙が帯びている電荷と同極性の電荷を付与して、搬送ベルトの帯びている電荷を除去する。これにより記録紙上の未定着のトナー像が除電手段により乱れることを抑制することができる。なお、従来から、搬送ベルトから記録紙を分離するときに発生する放電を抑制するために搬送ベルト51の裏面から記録紙が帯びている電荷と同極性の電荷を付与するものが知られている。しかしながら、搬送ベルトから記録紙を分離するときに発生する放電を抑制するためには、記録体が搬送方向から離れることによって生じる電圧変化を少なくする必要がある。このため、搬送ベルトから記録紙を分離するときに発生する放電を抑制するためには、最低でも1[Kv/mm]のバイアスを印加する必要がある。このような大きなバイアスを印加すると、搬送ベルトがトナーと同極性の極性から逆極性に帯電して、記録紙のトナーが搬送ベルトに付着するおそれがある。一方、本実施形態においては、記録紙と搬送ベルトとの静電的な吸着力を記録紙の分離力よりも小さくすれば良いので、搬送ベルトがトナーと同極性の極性から逆極性に帯電するほどのバイアスを搬送ベルトに印加する必要がない。よって、記録紙を搬送ベルトから分離させるために必要な印加バイアスは、1[KV/mm]以下、好ましくは数10[V]で十分である。このように、放電を防止するために搬送ベルトのうら面から記録紙が帯びている電荷と同極性の電荷を付与するものと、分離のために搬送ベルトのうら面から記録紙が帯びている電荷と同極性の電荷を付与するものとでは、印加するバイアスが異なり、これにより作用も異なってくる。
(2)
また、本実施形態の記録紙搬送装置によれば、上記搬送ベルトの体積抵抗値が106[Ωcm]以上1010[Ωcm]以下としている。体積抵抗値が106[Ωcm]未満だと、除電ローラによって印加された電荷がベルト全体に伝わり、搬送ベルト51を良好に除電できなかったり、搬送ベルト51が記録紙を安定的に搬送できるほど帯電しなかったりする。また、体積抵抗値が1010[Ω・cm]を越えると、除電ローラ58によって印加された電荷がベルトに伝わらなくなり、搬送ベルト51を除電することができない。搬送ベルト51の体積抵抗値を上記範囲とすることで、除電ローラ58から搬送ベルト51に印加された電荷が、除電ローラ58の近傍に集中することができ、搬送ベルト51を良好に除電することができる。
(3)
また、本実施形態の記録紙搬送装置によれば、分離部支持部材としての分離ローラ54の半径をrとしたとき分離ローラ54の中心から記録紙搬送方向上流側へ1.5r以上離れた位置Bから、分離ローラ54と受渡し部支持部材としての入り口ローラ53との中間点Cまでの間に上記除電ローラ58を配置している。除電ローラ58の位置が1.5r未満だと、除電ローラ58の電荷が分離ローラ54にリークし、搬送ベルト51を良好に除電できない。また、除電ローラ58を中間点Cよりベルト搬送方向上流側に配置すると、記録紙Pが搬送ベルト51と吸着して搬送される距離が短くなり、記録紙を安定的に搬送することが困難となってしまう。分離ローラ54の中心から記録紙搬送方向上流側へ1.5r以上離れた位置Bから、分離ローラと入り口ローラ53との中間点Cまでの間に上記除電ローラ58を配置することで、除電ローラ58の電荷が分離ローラ54にリークすることを抑制できるとともに、記録紙Pを安定的に搬送することができる。
(4)
また、本実施形態の記録紙搬送装置によれば、上記除電ローラは、上記搬送ベルトに接触して電荷を付与している。除電ローラを搬送ベルトに接触させることで、電荷チャージャのような非接触型除電手段と比べて電力のロスが少ない。また、オゾンも発生することがなくオゾンによってユニット内の部材を劣化させることがない。
(5)
また、本実施形態の記録紙搬送装置によれば、上記搬送ベルトが担持する記録紙の特性(紙厚・抵抗値)に基づいて、上記除電ローラ58から搬送ベルト51に付与する電荷量を制御している。具体的には、搬送ベルト51との静電吸着力が強く、搬送ベルトからの分離力が弱い特性の記録紙は、除電ローラ58から搬送ベルト51へ多くの電荷を付与して、記録紙の搬送ベルトとの静電吸着力を搬送ベルト51からの分離力よりも弱める。一方、搬送ベルト51との静電吸着力が弱く、搬送ベルト51からの分離力が強い特性の記録紙は、除電ローラ58から搬送ベルト51へ電荷を付与して搬送ベルト51との静電吸着力を搬送ベルト51からの分離力よりも弱めなくても、搬送ベルト51から分離できる。このため、除電ローラ58から搬送ベルト51へ電荷を付与しない。すなわち、本実施形態においては、搬送ベルト51に帯電した電荷を除電ローラ58で完全に除去するのではなく、記録紙と搬送ベルト51との静電吸着力が記録紙の搬送ベルト51からの分離力よりも弱くなる程度に搬送ベルト51の電荷を除電ローラ58で除電するようにしている。その結果、普通紙に比べて分離力の強い記録紙や静電吸着力の弱い記録紙は、普通紙に比べて除電ローラに印加する電荷量を減少することができる。よって、記録紙の特性に関係なく、搬送ベルト51に帯電した電荷を除電ローラ58で完全に除去するものに比べて、記録搬送装置を省電力化することができる。
(6)
また、本実施形態の記録紙搬送装置によれば、上記記録紙が上記除電ローラ58に到達する前に電源装置をONにし、上記記録紙が上記除電ローラ58を通過しおえた後に電源装置をOFFにしている。これにより、除電ローラ58に動作中常時バイアスを印加し続けるようにしたものに比べて記録紙搬送装置を省電力化することができる。
(7)
また、本実施形態の記録紙搬送装置によれば、上記電源装置を定電流電源とすることで、除電ローラ58に印加する電荷量をきめ細やかに制御できる。また、搬送ベルト51の抵抗値が環境等によって変化しても、付与電荷量をほぼ一定にすることができる。
(8)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記(1)〜(7)の特徴を有する記録紙搬送装置を用いている。これにより、用紙ジャムや、画像の乱れが抑制された画像形成装置とすることができる。
2 クリーニング装置
2a クリーニングブレード
2b クリーニングブラシ
2c 廃トナー回収手段
3 帯電チャージャ
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 規制ブレード
5c、5d 攪拌手段
5e トナーセンサ
20 第1画像ユニット
20a 第1中間転写ベルト用クリーニング装置
21 第1中間転写ベルト
22 1次転写ローラ
23 ベルト支持ローラ
24 駆動ローラ
26 受像面維持ローラ
27 テンションローラ
28 転写対向ローラ
29 屈曲ローラ
30 第2像担持体ユニット
30a 第2像担持ベルト用クリーニング装置
31 第2中間転写ベルト
32 第2像担持体ユニット用1次転写ローラ
33 クリーニング裏当てローラ
34 駆動・転写対向ローラ
36 受像面維持ローラ
37 テンションローラ
40 給紙装置
40a 上部の給紙装置
40b、c、d 給紙カセット
41A、B、C、D 給紙・分離手段
42A、B、C 搬送ローラ対
43A、B、C 記録紙搬送路
44 横レジ補正機構
45 レジストローラ対
46 2次転写ローラ
47 転写チャージャ
50 記録紙搬送装置
Claims (9)
- 2つ以上のローラ状の支持部材に張架され、可視像を担持する像担持体から転写手段によって可視像が転写され表面に該可視像の電荷とは逆極性の電荷を帯びたシート状の記録紙を、該可視像を該記録紙に定着する定着手段に搬送する記録紙搬送ベルトと、該記録紙搬送ベルトに該記録紙の表面が帯びている電荷とは逆極性の電荷を付与する電荷付与手段とを有する記録紙搬送装置において、
該記録紙が該記録紙搬送ベルトから分離する前に、記録紙搬送ベルトの裏面から記録紙の表面が帯びている電荷と同極性の電荷を該記録紙搬送ベルトに付与して、該記録紙搬送ベルトの帯びている電荷を除去する除電手段を備え、
2つ以上の上記支持部材のうち、上記記録紙搬送ベルトの記録紙搬送方向の最下流側である上記記録紙と上記記録紙搬送ベルトとの分離部で、上記記録紙搬送ベルトを内側から支持し該分離部を構成する支持部材を分離部支持部材とし、
上記除電手段から上記記録紙搬送ベルトに加える電荷が、上記分離支持部材にリークしない位置に上記除電手段を配置したことを特徴とする記録紙搬送装置。 - 請求項1の記録紙搬送装置において、
上記記録紙搬送ベルトが担持する記録紙には、両面に可視像が転写されていることを特徴とする記録紙搬送装置。 - 請求項1または2の記録紙搬送装置において、
上記記録紙搬送ベルトの体積抵抗値が106[Ωcm]以上1010[Ωcm]以下であることを特徴とする記録紙搬送装置。 - 請求項1乃至3いずれかの記録紙搬送装置において、
上記記録紙搬送ベルトの記録紙搬送方向の最上流側である該記録紙が該記録紙搬送ベルトへ受渡される受渡し部で、該記録紙搬送ベルトを内側から支持し該受渡し部を構成する支持部材を受渡し部支持部材とし、上記分離部支持部材の半径をrとしたとき該分離部支持部材の中心から記録紙搬送方向上流側へ1.5r以上離れた位置から、該分離部支持部材と受渡し部支持部材との中間点までの間に上記除電手段を配置することを特徴とする記録紙搬送装置。 - 請求項1乃至4いずれかの記録紙搬送装置において、
上記除電手段は、上記記録紙搬送ベルトの裏面に接触して電荷を付与することを特徴とする記録紙搬送装置。 - 請求項1乃至5いずれかの記録紙搬送装置において、
上記記録紙搬送ベルトが担持する記録紙の特性に基づいて、上記除電手段から上記記録紙搬送ベルトに付与する電荷量を制御することを特徴とする記録紙搬送装置。 - 請求項1乃至6いずれかの記録紙搬送装置において、
上記記録紙が上記除電手段に到達する前に該除電手段へバイアスの印加を開始し、該記録紙が該除電手段を通過しおえた後に該除電手段へバイアスの印加を停止することを特徴とする記録紙搬送装置。 - 請求項1乃至7いずれかの記録紙搬送装置において、
上記除電手段にバイアスを印加する電源装置を備え
該電源装置は、定電流電源であることを特徴とする記録紙搬送装置。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、記録紙を保持する記録紙保持部材を所定方向に移動させながら、該像担持体上の可視像を該記録紙保持部材上の記録紙に転写せしめる転写手段と、該転写手段を経由した後の記録紙を受け入れてその可視像を該記録紙に定着せしめる定着手段とを有する画像形成装置において、該転写手段から該定着手段まで記録紙を搬送する記録紙搬送手段として、請求項1乃至8いずれかの記録紙搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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