JP2005239387A - 記録体搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】未定着の可視像を担持した記録体上の可視像を乱すことが無く、記録体を安定して搬送することができる記録体搬送装置を提供する。
【解決手段】転写手段から定着手段まで可視像の電荷とは逆極性の静電荷を帯びた記録体を表面に担持し、記録体を搬送する記録体搬送部材を供えた記録体搬送装置において、記録体搬送部材に記録体の電荷とは逆極性の電荷を付与する電圧印加装置を備え、記録体搬送方向の最上流側である記録体と記録体搬送部材との接触部の記録体搬送部材の表面電位をV1、記録体搬送方向の最下流側である記録体と記録体搬送部材との分離部の記録体搬送部材の表面電位をV3、この接触部、及び分離部以外の記録体が搬送される領域の記録体搬送部材の表面電位をV2とした場合、V1とV2の表面電位を同極性とし、かつ、V1の絶対値がV2の絶対値よりも小さくなる関係を満足するように、電圧印加装置を設置した。
【選択図】 図5

Description

本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置、及びこれに搭載される記録体搬送装置に関するものである。
従来から、片面あるいは両面に未定着のトナー像を担持した記録体を、転写装置から定着装置まで搬送する記録体搬送手段については、未定着のトナー像が部材に接触することにより画像が乱れることが問題となっている。特許文献1や特許文献2には、未定着のトナー像が記録体搬送部材に接触しないようにすることで、画像が乱れることを防止し得るものが記載されている。特許文献1に記載されている記録体搬送手段は、記録体の両面にエアーを送風する送風手段を有し、エアーによって記録体を搬送方向に誘導し、定着装置まで導く構成となっている。エアーによって記録体を転写装置から定着装置まで搬送するため、記録体表面上の未定着トナー像が記録体搬送部材に接触しないため、未定着トナー像が記録体搬送部材に接触することによる画像の乱れを防止できる。また、特許文献2に記載されている記録体搬送手段は、記録体が撓むことにより、搬送経路から外れた記録体の先端部をガイド部材により搬送経路上に誘導し、定着装置まで導くものである。詳しくは、転写装置側を広く、定着装置側を狭くしたV字型のガイド部材を設け、記録体の先端部をこのガイド部材に当接させながら、ガイド部材に沿って移動させる。そして、記録体を定着装置の定着ニップ部に誘導する。この構成においては、トナー像が転写されるケースが少ない記録体先端部のみにガイド部材が接触するため、記録体表面上の未定着トナー像がガイド部材に接触することが少ない。よって、未定着のトナー像がガイド部材に接触することによる画像の乱れを防止することができる。しかし、これらの特許文献1及び特許文献2に記載の構成では、未定着のトナー像を担持した記録体が撓んでしまうことにより、記録体表面上の未定着トナー像が乱れる恐れがあった。
一方、特許文献3に記載の構成においては、搬送ベルト(記録体搬送部材)を用いて記録体を平面状態で維持することができるため、記録体が撓むのを防ぐことができる。また、搬送の際には非接触型の電荷発生装置(以下、「電荷チャージャ」という。)により記録体に電荷を放電付与することにより、記録体を搬送ベルトに静電的に付着させることで安定した搬送を行うことができる。さらに、トナー像の電荷と逆極性の電荷を記録体に付与し、搬送ベルトにトナー像と同極性の電荷を付与することで、記録体と搬送ベルトとの密着性を高めることができ、トナー像が搬送ベルトに付着することも防止することができる。
特開2000−250341号公報 特開2000−281241号公報 特開平10−258950号公報
ところで、上記特許文献3においては、画像を乱さずに記録体を安定して搬送するための搬送ベルト上の表面電位の設定条件については何ら検討されていない。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、未定着のトナー像を担持した記録体上のトナー像を乱すことが無く、記録体を安定して搬送することができる記録体搬送装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体により担持、搬送されるトナー像を、該トナー像の電荷とは逆極性の電荷を帯びたシート状の記録体上に転写する転写領域から、該記録体上に転写されたトナー像を該記録体上に定着させる定着領域まで、該記録体を表面に担持して搬送する記録体搬送部材を備えた記録体搬送装置において、上記記録体搬送部材表面における上記記録体を担持する記録体担持領域のうち、記録体搬送方向の最上流地点の表面電位をV1とし、該最上流地点よりも記録体搬送方向下流側であって記録体搬送方向の最下流地点を除く中央領域の表面電位をV2としたとき、該V1及び該V2が同極性であり、かつ、該V1の絶対値が該V2の絶対値よりも小さくなるように、該記録体搬送部材に上記記録体が帯びている電荷とは逆極性の電荷を付与する電荷付与手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の記録体搬送装置において、上記V1の絶対値は0よりも大きいことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、像担持体により担持、搬送されるトナー像を、該トナー像の電荷とは逆極性の電荷を帯びたシート状の記録体上に転写する転写領域から、該記録体上に転写されたトナー像を該記録体上に定着させる定着領域まで、該記録体を表面に担持して搬送する記録体搬送部材を備えた記録体搬送装置において、上記記録体搬送部材表面における上記記録体を担持する記録体担持領域のうち、記録体搬送方向の最下流地点の表面電位をV3とし、該最下流地点よりも記録体搬送方向上流側であって記録体搬送方向の最上流地点を除く中央領域の表面電位をV2としたとき、該V3及び該V2が同極性であり、かつ、該V3の絶対値が該V2の絶対値よりも小さくなるように、該記録体搬送部材に上記記録体が帯びている電荷とは逆極性の電荷を付与する電荷付与手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の記録体搬送装置において、上記V3の絶対値は0よりも大きいことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3又は4の記録体搬送装置において、上記電荷付与手段は、上記記録体搬送部材表面における上記記録体を担持する記録体担持領域のうち記録体搬送方向の最上流地点の表面電位をV1としたとき、該V1が上記V2と同極性であり、該V1の絶対値が0よりも大きく、かつ、該V1の絶対値が該V2の絶対値よりも小さくなるように電荷を付与することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の記録体搬送装置において、上記電荷付与手段は、上記記録体搬送部材に接触して電荷を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の記録体搬送装置において、上記電荷付与手段は、電荷付与対象となる記録体の種類に応じて、上記記録体搬送部材に対して付与する電荷量を変更するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の記録体搬送装置において、上記電荷付与手段は、電荷付与対象となる記録体に転写された未定着のトナー像を構成するトナーの量に応じて、上記記録体搬送部材に対して付与する電荷量を変更するものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の記録体搬送装置において、上記電荷付与手段は、記録体搬送方向の複数箇所で、上記記録体搬送部材に対して電荷を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、トナー像を担持、搬送する像担持体と、該像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該像担持体上のトナー像を、該トナー像の電荷とは逆極性の電荷を帯びたシート状の記録体に転写せしめる転写手段と、該記録体上に転写されたトナー像を該記録体に定着せしめる定着手段と、該転写手段により転写が行われる転写領域から、該定着手段により定着が行われる定着領域まで、該記録体を搬送する記録体搬送手段とを備える画像形成装置において、上記記録体搬送手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の記録体搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、湿度を検知する湿度検知手段を有し、上記記録体搬送装置が有する上記電荷付与手段は、該湿度検知手段の検知結果に応じて、上記記録体搬送部材に対して付与する電荷量を変更するものであることを特徴とするものである。
これらの発明においては、記録体搬送部材に対して記録体が帯びている電荷とは逆極性(トナーと同極性)の電荷を付与することにより、記録体上の未定着トナーが記録体搬送部材上に再転写することを防止するとともに、記録体を記録体搬送部材に静電的に付着させることで安定した搬送を行うことができる。
そして、請求項1の発明においては、記録体担持領域のうち、記録体の搬送に大きく寄与する記録体搬送部材の中央領域の表面電位V2を、安定した搬送に必要な表面電位(表面電位V2)に保つことができる。これに対し、記録体担持領域の最上流地点の表面電位V1は、その搬送に必要な表面電位V2よりも小さな表面電位となるように設定される。この結果、記録体が記録体搬送部材に受け渡される際の記録体搬送部材と記録体との微少なギャップで放電が発生するのを抑制できる。したがって、この放電により、記録体上の未定着トナー像においてチリ等が発生して画像が乱れるのを防止することができる。逆に言うと、記録体担持領域の最上流地点の表面電位V1を、チリ等の原因となる放電を十分に抑制できるような表面電位に設定した場合であっても、記録体の搬送に大きく寄与する記録体搬送部材の中央領域の表面電位V2を、安定した搬送に必要な表面電位(表面電位V2)に保つことができる。その結果、チリ等を抑制しつつも、記録体と記録体搬送部材とを十分に静電的に密着せしめて安定した搬送を行うことができる。
また、請求項3の発明においても、上記請求項1の発明と同様に、記録体担持領域のうち、記録体の搬送に大きく寄与する記録体搬送部材の中央領域の表面電位V2を、安定した搬送に必要な表面電位(表面電位V2)に保つことができる。そして、本請求項3の発明においては、記録体担持領域の最下流地点の表面電位V3が、その搬送に必要な表面電位V2よりも小さな表面電位となるように設定される。この結果、記録体搬送部材により搬送された記録体を定着領域へ受け渡す際の記録体搬送部材と記録体との密着度を低くすることができる。したがって、分離不良の発生を抑制でき、分離不良の発生により記録体に振動が生じて記録体上の未定着トナー像が崩れ、画像が乱れるのを抑制できる。逆に言うと、記録体担持領域の最下流地点の表面電位V3を、分離不良を十分に抑制できるような表面電位に設定した場合であっても、記録体の搬送に大きく寄与する記録体搬送部材の中央領域の表面電位V2を、安定した搬送に必要な表面電位(表面電位V2)に保つことができる。その結果、分離不良を抑制しつつも、記録体と記録体搬送部材とを十分に静電的に密着せしめて安定した搬送を行うことができる。
以上、請求項1乃至11の発明によれば、未定着のトナー像を担持した記録体上のトナー像を乱すこと無く、記録体を安定して搬送することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置としての電子写真方式で両面プリント可能なフルカラープリンタ100を示す。
図1に示すプリンタ本体100の内部において、記録体搬送路43Aを境にして、上部には第1画像ユニット20を配置し、下部には第2画像ユニット30を配置している。第1画像ユニット20は矢印方向に無端移動する像担持体としての第1中間転写ベルト21を備え、第2画像ユニット30は矢印方向に無端移動する像担持体としての第2中間転写ベルト31を備えている。第1中間転写ベルト21の上部張架面には、トナー像形成手段である4個の第1画像形成ユニット80Y、80C、80M、80Kが配置されている。一方、第2中間転写ベルト31の上部張架面には、トナー像形成手段である4個の第2画像形成ユニット81Y、81C、81M、81Kが配置されている。これら第1、第2画像形成ユニットの番号に沿えたY、C、M、Kは、扱うトナーの色と対応させているもので、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタ、Kはブラックを意味している。第1、第2画像形成ユニットに備えられ、第1中間転写ベルト21と第2中間転写ベルト31とともに回転する感光体1に対しても同じようにY、C、M、Kを沿えている。なお感光体1Yから1Kは各画像形成ユニット内では同間隔に配置され、少なくとも画像形成時にはそれぞれ中間転写ベルト21、31との張架部の一部と接触する。この接触する面をそれぞれ第1受像面F1、第2受像面F2と呼び、互いの位置関係を図2に示す。
図2に示すように、第1受像面F1と第2受像面F2とが形成する角のうち、第1、第2画像形成ユニットを含む角の角度をαとした時、αの値が180°より大きく、270°以下となるようにする。
さらに、上部にある第1中間転写ベルト21の水平投影面と、下部にある第2中間転写ベルトの水平投影面との少なくとも一部が、重なるような構成を採用している。つまり下部にある第2中間転写ベルトが、上部にある第1中間転写ベルトの下方にもぐりこむような形状である。このような構成を採用することにより、横方向についてよりコンパクトなレイアウトが可能となる。
扱うトナーの色は異なるが、第1画像形成ユニット80Y、80C、80M、80Kの構成はそれぞれ同じであるので、第1画像形成ユニット80としてその構成を図3により説明する。
図3において、プリンタ本体100の動作時に、不図示の駆動源により、矢印方向に回転するよう回転可能に支持された円筒状の感光体1が配設されている。そして、感光体1の周囲に、静電写真プロセスに従い帯電手段であるスコロトロンチャージャ3、露光装置4、現像装置5、クリーニング装置2、光除電装置Q等の作像部材や電位センサS1、画像センサS2が配設されている。
感光体1は、例えば直径30〜120mm 程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機感光層(OPC)を形成したものである。アモルファスシリコン(a−Si)層を形成した感光体も採用可能である。またベルト状の感光体も採用できる。クリーニング装置2は、クリーニングブラシ2a、クリーニングブレード2b、回収部材2cを備え、感光体表面に残留するトナー等の異物を除去、回収する。
露光装置4は、各色毎の画像データ対応の光を、帯電手段で一様に帯電済みの各感光体1の表面に走査し、静電潜像を形成する。図示例の露光装置4は、発光素子としてLED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなる露光装置であるが、レーザ光源、ポリゴンミラー等を用い、形成すべき画像データに応じて変調したビーム光によるレーザスキャン方式の露光装置も採用できる。また、帯電手段として、チャージャ3のほかに、感光体1の表面に接触させるタイプ、たとえば帯電ローラも採用できる。
このときの現像は、トナーとキャリヤからなる二成分現像剤を採用している現像方式である。負荷電の感光体1に対し露光装置4により各感光体1の表面に形成された色毎の静電潜像は、感光体の帯電極性と同極性(マイナス極性)の所定の色のトナーで現像され、顕像となる。いわゆる反転現像がおこなわれる。
イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色トナーは、各色を扱う現像装置で消費されると、透磁式のトナー検知手段5eにより検知される。そして、プリンタ本体100内部のトナーカートリッジ収納部85に備えるトナーカートリッジ86から、不図示の供給手段により、各色のトナーを各現像装置5に供給される。この供給手段として、公知のモーノポンプを用いる方式のものが採用できる。この方式によればトナーカートリッジの設置場所の制約が少ないため、プリンタ本体内部のスペース配分に対し有利である。またトナーが適時補給できるため、現像装置に大きなトナー貯留スペースを設けなくてすみ、現像装置の小型化がはかれる。
現像装置5には、トナーとキャリヤの攪拌、搬送用のスクリュー5cや5dが備えてある。現像装置5がプリンタ本体100に装着されているとき、トナー補給手段の一端が、スクリュー5dの一部に接続されている。スクリュー5cによりトナーは、矢印方向に回転する現像ローラ5aに供給されるが、ブレード5bにより、現像ローラ5a表面のトナー層の厚みは、所定の厚みになるよう規制される。現像ローラ5aは、ステンレスやアルミニュウム製の円筒で、回転可能にかつ感光体との距離が正規に確保されるように現像装置5のフレームに支持され、内部には所定の磁力線が構成されるようにマグネットが備えてある。なおトナーは従来から公知の方法で得られる球形や不定形のトナーが用いられる。
第2画像ユニット30に使われる第2の画像形成ユニット81Y、M、C、Kの構成はそれぞれ同じなので、第2の画像形成ユニット81として、図4により説明する。
図4に示した第2の画像形成ユニット81は、第1の画像形成ユニット80と構成部材が同じであるが、図3のものと比べ感光体1の回転方向が異なっている。しかし互いに、図中の矢印で示す感光体1の回転軸1aを通るy軸に対し対象の形をしている。この形状は、感光体1の周囲に配備する画像形成用部材の配置にも関係するが、重要な事項である。つまりプリンタ本体100との結合部、たとえば駆動手段との結合部、電気的接続部、トナー供給部、トナー排出部の結合方法を配慮している。これにより、第1の画像形成ユニット80Y、M、C、Kと、第2の画像形成ユニット81Y、M、C、Kとに互換性をもたせることができる。従って第1の画像形成ユニットと第2の画像形成ユニット用に個別に現像装置、クリーニング装置、部品を製造する必要がなく、部品製造、部品の管理上での効率が高く、全体のコスト低減がはかれる。
第1と第2の画像形成ユニットをy軸中心にした軸対象の形で、第1の画像ユニット20と第2の画像ユニット30で使用できる以下の二つの条件がある。第1条件として、感光体1の周囲で画像形成のための部材を配備していない周面が確保されていること、つまり中間転写ベルトが当接可能な範囲が広く確保されていることがあげられる。そして第2条件として、第1の中間転写ベルト21の受像面F1と第2の中間転写ベルト31受像面F2の配置角度が適切であることがあげられる。
第1条件、第2条件について図3、図4により説明する。図3あるいは図4において、中間転写ベルト21あるいは31は、矢印A1とA2の間に設置可能である。つまりA1側は現像装置5で、A2側はクリーニング装置2にベルトが接触しない範囲に中間転写ベルトが設置できることを示している。図3に第2の像担持ベルト31を含めているのは、感光体1の回転軸1aを含むy軸に対し対象の画像形成ユニットが配置できる中間転写ベルトを示している。
もし、画像形成ユニット80をy軸に直交する軸を対象に上下反転して画像形成ユニット81として使うとすると、地球重力の影響により少なくとも現像装置5において、トナーの攪拌、現像ローラ5aへのトナー補給等の条件は異なる。これにより、画像形成ユニット80の部材をそれぞれ最適化しなければならず、部品の共通化も不可能となる。
図2に示すように、第1像担持ベルト21の受像面に対し第2像担持ベルト31の受像面との位置関係として角度αを180度より大きく270度以下とする。好ましくは210度から255度としたとき、画像形成ユニットとして、第1像担持ベルトには図3に示す形態、第2像担持ベルトには図4に示す形態のものが採用できる。つまり上述のごとく部品の共通化を不可能にしてしまう画像形成ユニットとなることが回避できる。
また図2に示すように、第2の画像形成ユニット81の上方に、記録体搬送路をほぼ水平にかつ直線的に確保できるので、記録体の搬送・信頼性に優れ、プリンタ全体のまとまりが良好となる。
特に第1の像担持ベルトを水平方向に長く、扁平に張架し、第2中間転写ベルトを縦方向に長くかつ傾斜させて張架したので、記録体搬送路を境にして下方に第2中間転写ベルトの高さ方向のスペースが大きくなる。但し、図3、図4に示されるように、画像形成ユニットが中間転写ベルトの当接可能な範囲が広く確保されていることにより、画像形成ユニットは横方向の寸法に対し、縦方向の寸法が短い構成となる。そのため、画像形成ユニットがほぼ水平に配置された第1画像ユニットに対し、第2画像ユニットでは、画像形成ユニットが縦方向に斜めに配置される。そして、画像形成ユニットの間隔を短く設定でき、第2画像ユニットの高さ方向の省スペース化を図ることができる。これにより、高さ方向のレイアウトの自由度が増すため、記録体搬送路を操作性、及び、給紙装置、不図示の後処理装置も考慮した理想的な高さに設定可能となっている。
また、この第2中間転写ベルトの占める高さとほぼ同じ高さの給紙装置が並べて設置できるため、これにより大量の記録体が収納可能な給紙装置が設置できるようになる。しかも給紙装置の上面の給紙面と記録体搬送路とがほぼ同じ高さにでき、記録体の給紙・搬送信頼性が確保できる。
上述のように、感光体周囲の画像形成用の装置の配置と、中間転写ベルトの配置、つまり第2条件の実現により、画像形成ユニット80と81で共通点を多く有しており、製造面でも非常に有利となっている。
次に中間転写ベルトについて説明する。第1トナー像搬送ベルトとしての第一中間転写ベルト21は複数のローラ23、24、25、26(2個)、27、28、29により支持されて矢印方向に走行する。そして、第1の画像形成ユニット80Y〜80Kにおける感光体1Y、1C、1M、1Kの下部に設けられている。この第1中間転写ベルト21は無端状で、各感光体の現像工程後の一部が接触するように張架、配置されている。また第1中間転写ベルト21の内周部には各感光体1Y、1C、1M、1Kに対向させて1次転写ローラ22が設けられている。
第1中間転写ベルト21の外周部には、ローラ23に対向する位置にクリーニング装置20Aが設けられている。このクリーニング装置20Aは、第1中間転写ベルト21の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。
この第1中間転写ベルト21に関連する部材は、第1画像ユニット20として一体的に構成してあり、プリンタ本体100に対し着脱が可能となっている。
一方、第2トナー像搬送ベルトとしての、第2中間転写ベルト31は複数のローラ33、34、35、36(2個)、37、38により支持されて矢印方向に走行する。そして、第2の画像形成ユニット81Y〜81Kにおける感光体1Y、1C、1M、1Kに接触して、設けられている。この第2中間転写ベルト31は無端状で、各感光体の現像工程後の一部が接触するように張架、配置されている。第2中間転写ベルト31の内周部には各感光体1Y、1C、1M、1Kに対向させて1次転写ローラ32が設けられている。
第2中間転写ベルト31の外周部には、ローラ33に対向する位置にクリーニング装置30Aが設けられている。このクリーニング装置30Aは、中間転写ベルト31の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。
第2中間転写ベルト31に関連する部材は、第2画像ユニット30として一体的に構成してあり、プリンタ本体100に対し着脱が可能となっている。
さらに第1中間転写ベルト21の外周で、支持ローラ28の近傍には、第1の2次転写ローラ46が設けてある。2次転写ローラ46は芯金たる金属ローラの表面に、導電性ゴムを被覆したもので、芯金部に、不図示の電源からバイアスが印加される。導電性ゴムにはカーボンが分散されており、体積抵抗は10Ωcm程度に抵抗が調整されたものである。第1中間転写ベルト21と2次転写ローラ46の間に記録体Pを通過させながら、第1の2次転写ローラ46にバイアスを印加することで第1像担持ベルト21が担持するトナーによる画像が記録体Pに転写される。
第2中間転写ベルト31の外周で、支持ローラ34の近傍には、第2の2次転写手段である転写チャージャ47が設けてある。転写チャージャ47は公知のタイプで、タングステンや金の細い線を放電電極とし、ケーシングで保持し、放電電極に不図示の電源から転写電流が供給される。第2中間転写ベルト31と転写チャージャ47の間に記録体Pを通過させながら、転写電流を供給することで第2像担持ベルト31が担持するトナーによる画像が記録体Pに転写される。転写ローラ46と転写チャージャ47に供給される転写電流の極性は、ともにトナーの極性と逆のプラス極性である。
プリンタ本体100の右側には記録体Pを供給可能に収納した給紙装置40が配備されている。複数段、例えば上段に大量の記録体を収納した給紙装置(トレイ)40a、その下方に3段の給紙カセット40b、40c、40dがそれぞれ紙面に対し直角手前側(操作面側)に引出し可能に配設されている。これらの給紙トレイ40aや給紙カセット40b、40c、40d内にそれぞれ異なる種類の記録体Pが収納されている。このうち、最上位置の記録体は、対応する給紙・分離手段41A〜41Dにより選択的に給紙、分離され、確実に一枚だけが複数の搬送ローラ対42Bにより記録体搬送経路43Bや43Aに送られる。
記録体搬送経路43Aには、第1および第2転写位置である2次転写位置へ記録体Pを送り出す給送タイミングをとるため、一対のレジストローラ45が設けられている。さらに記録体の搬送方向に対し直角方向の位置を正規の位置にするための横レジ補正機構44が、記録体搬送経路43Aに設けてある。横レジ補正機構44は、次のものがある。不図示の横方向の基準ガイドと斜行コロ対から構成され、記録体の横方向端部を該基準ガイドに押付けるように記録体Pをスライド搬送する。そして、記録体を所定の位置に整合させる。この基準ガイドは記録体のサイズにより、所定の位置に移動、配置される。なお、横レジ補正機構44は記録体の搬送方向に対し記録体の両方の横方向から、記録体の両辺を短時間及び複数回押し、記録体を所定の位置に整合させる規制部材から構成されるジョガー方式でもよい。
記録体Pは、レジストローラ対45から、第1中間転写ベルト21と二次転写ローラ46で構成される第1転写位置たる転写領域に向けて搬送される。その後、第2中間転写ベルト31と転写チャージャ47で構成される第2転写位置たる転写領域に向けて搬送される。
なお、搬送ローラ対42Cを有する記録体搬送路43Cには、その搬送方向上流に設置可能な別の給紙装置300から、記録体が供給可能となっている。給紙トレイ40aの最上位の記録体が給紙され、その後曲げられることなく、ほぼ水平に真直ぐ搬送されるように、給紙トレイ40aの上部給紙面が配備してある。そのため厚い記録体、剛性の高い板紙でも確実に給紙できる。なお給紙トレイ40aには、多様な特性の記録体が収納されても確実に給紙できるよう、バキューム機構からなるエアー給紙を採用すると好都合である。図示していないが、記録体搬送路の要所には記録体を検知するためのセンサが具備されていて、記録体の存在を基準とする各種信号のトリガーとしている。
記録体搬送路43Aの延長上に、第2転写位置を通過した記録体を、記録体の搬送方向下流に備えた定着装置60における定着ニップまで、平面状態を保って搬送させるための、記録体搬送装置50を備えている。記録体搬送装置50は、矢印方向に無端移動する搬送ベルト51を支持するローラ52、53、54、55、56を有している。そして、搬送ベルト51の外側には、ローラ55に対向させてクリーニング装置59、記録体Pを吸着させるための電圧印加ローラ58を備えている。
未定着のトナー画像と接触しながら記録体Pとともに移動する搬送ベルト51は、電圧印加ローラ58により、トナーの極性と同極性のマイナス帯電が施される。搬送ベルト51として、金属ベルト、ポリイミドベルト、ポリアミドベルトなどが採用できる。表面にトナーとの離型性を与えるとともに、帯電可能の抵抗値を備える。このベルト51の走行速度は、定着装置における記録体の走行速度と合わせてある。
記録体搬送装置50の記録体搬送方向下流側には、加熱手段を有する定着装置60が設けられている。ローラ内部にヒータを備えるタイプ、加熱されるベルトを走行させるベルト定着装置、また加熱の方式に誘導加熱を採用した定着装置などが採用できる。記録体両面の画像の色合い、光沢度を同じにするため、定着ローラ、定着ベルトの材質、硬度、表面性などを上下同等にしてある。また、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより定着条件を制御したり、記録体の種類に応じて最適な定着条件となるよう、不図示の制御手段により制御される。定着の終了した記録体を冷却し、不安定なトナーの状態を早期に安定させるため、冷却機能を有した冷却ローラ対70を定着後の搬送路に備えている。この冷却ローラ対70としては、放熱部を有するヒートパイプ構造のローラが採用できる。冷却された記録体は、排紙ローラ対71により、プリンタ本体100の左側に設けた排紙スタック部75に排紙、スタックさせる。この排紙スタック部は、大量の記録体をスタック可能にするため、不図示のエレベータ機構により、スタックレベルに応じて、受け部材が上下する機構を採用している。なお排紙スタック部75を通過させ、別の後処理装置に向けて記録体を搬送させることもできる。別の後処理装置としては、穴あけ、断裁、折、綴じなど製本のための装置が接続できる。
プリンタ本体100の上面に備えた操作、表示ユニット90には、キーボード等が備えてある。これにより、画像形成のための条件などがインプットでき、装置の状態等を表示部に表示され、操作者とプリンタ本体100との情報交換を容易なものとする。プリンタ本体100内部に備える廃トナー収納部87は、画像形成ユニットのクリーニング装置2、中間転写ベルトのクリーニング装置20Aと30A、および搬送ベルト51のクリーニング装置59と連結されている。そして、これらから送られる廃トナーや紙粉等の異物を一括して回収して収納する。これらのクリーニング装置(2、20A、20B、59)に大容量の廃トナー収納部を備えないため、クリーニング装置が小型にでき、さらに廃トナーの廃棄の操作性も良好となっている。満杯センサ(不図示)を使って廃トナー収納部87内のトナー廃棄、あるいは容器交換などの警告を発する。
またプリンタ本体100内部に備える電装・制御装置95には、各種電源や制御基板などが板金フレームに保護され収納されている。
定着装置60による熱や電装装置からの発熱により、プリンタ本体内部は高温になるが、その対策としてファンFを設けて、内部部材の熱による機能低下を防止している。またこのファンFは冷却ローラ対70の放熱部と結合してあり、冷却ローラ対70の冷却効果を確実にしている。
図1において、200で示すのは原稿読取装置、300は別途追加設置可能の給紙装置である。
次にプリンタ本体100において、記録体Pの片面にフルカラー画像を形成する片面記録時の動作について説明する。
片面記録の方法は基本的に2種類あって、選択が可能となっている。2種類のうちの一つは、第1中間転写ベルト21に担持させた画像を記録体の片面に直接転写する方法であり、他の方法は、第2中間転写ベルト31に担持させた画像を記録体の片面に直接転写する方法である。ここでは、プリンタ本体100の構成から、第1中間転写ベルト21に担持させた画像を記録体の片面に直接転写する場合には、画像が記録体の上面に形成される。一方、第2中間転写ベルト31に担持させた画像を記録体の片面に直接転写する場合には、画像が記録体の下面に形成される。記録するべきデータが複数の頁になるケースでは、排紙スタック部75上で頁が揃うように作像順序を制御するのが好都合である。最後の頁の画像データから順に記録して頁順を揃わせるよう、第1中間転写ベルト21に画像を担持させた後、記録体に転写させる方法について説明する。
プリンタ本体100を稼動させると、第1中間転写ベルト21と第1画像形成ユニット80Y〜80Kにおける感光体1Y、1C、1M、1Kが回動する。同時に第2中間転写ベルト31が回動するが、第2画像形成ユニット81Y〜81Kにおける感光体1Y、1C、1M、1Kは第2中間転写ベルト31と離間されるとともに不回転状態にされる。まず、画像形成ユニット80Yによる画像形成から開始される。LED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなる露光装置4の作動により、LEDから出射されたイエロー用の画像データ対応の光が、帯電装置3により一様帯電された感光体1Yの表面に照射されて静電潜像が形成される。
この静電潜像は現像ローラ5aによりイエロートナーで現像され、トナー像となり、1次転写ローラ22の転写作用により感光体1Yと同期して移動する第1中間転写ベルト21上に静電的に1次転写される。このような潜像形成、現像、1次転写動作が感光体1C、1M、1K側でもタイミングをとって順次同様に行われる。
この後、第1中間転写ベルト21上には、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色トナー画像が、順次重なり合ったフルカラートナー画像として担持され、第1中間転写ベルト21とともに矢印の方向に移動される。
同時に給紙装置40のなかの給紙トレイ40aあるいは給紙カセット40b〜40dから、記録に使われる記録体Pがその供給のための給紙・分離手段41Aから41Dの一つにより繰り出される。そして、搬送ローラ対42B,42Cにより記録体搬送路43Cに搬送される。記録体の先端がレジストローラ対45に咥えられない前に、横レジ補正機構44は記録体の搬送方向に対し両方の横方向から記録体の両辺を押すように作動し、記録体横方向の位置整合がはかられる。レジストローラ対45は静止しており、記録体の先端はレジストローラ対45のニップに入り込んだ状態で静止する。そして、第1中間転写ベルト21上の画像との位置が正規なものとなるよう、タイミングをとってレジストローラ対45が回転し、記録体を転写領域に搬送する。
第1中間転写ベルト21上のこのフルカラートナー画像は、第1中間転写ベルト21と同期して搬送される記録体Pの上面に、二次転写ローラ46による転写作用を受けて転写される。二次転写ローラ46に与えられるバイアスは、トナーの帯電極性と逆のプラス極性である。転写後、第1中間転写ベルト21の表面が、ベルトクリーニング装置20Aによりクリーニングされる。また1次転写を終了した第1の画像形成ユニット80Y〜80Kにおける感光体1Y、1C、1M、1Kの表面に残留するトナー等の異物はクリーニング装置2のクリーニングブラシ2a、クリーニングブレード2bにより除去がなされる。各感光体の表面は除電装置Qによる残留電位の除電作用がおこなわれて次の作像・転写工程に備える。除去されたトナー等の異物は、回収手段2cにより、回収部87に送られる。なおセンサS1、S2は、感光体表面の露光後の表面電位と、現像工程後の感光体表面に付着しているトナーの濃度が適切なものであるかを検知し、適宜作像条件の設定、制御のために不図示の制御手段に情報を出す。
第1中間転写ベルト21に重ねられて担持されていたトナー画像が転写された記録体Pは、記録体搬送装置50の搬送ベルト51により定着装置60に向け移送される。記録体Pを確実に搬送ベルト51とともに搬送できるよう、あらかじめ搬送ベルト51の表面を、記録体の電圧印加ローラ58により帯電する。記録体Pが搬送ベルト51から分離され、確実に定着装置60に送られるように作動する。
記録体P上に重ねられていた各色のトナーが定着装置60の熱による定着作用を受け、溶融、混色されて完全にカラー画像となる。記録体の片面(上面)だけにトナーを有しているので、両面にトナーを有している両面記録時に比べ、定着に要する熱エネルギーは少なくて済む。不図示の制御手段が画像に応じて定着装置の使用する電力を最適に制御する。定着されたトナーも記録体上で完全に固着するまでは、搬送路のガイド部材等にこすられ、画像が欠落したり、乱れたりする。この不具合を防止するため、冷却手段である冷却ローラ対70が作動し、トナーと記録体を冷却する。その後、排紙ローラ71により排紙スタック部75に、画像面が上向きとなって排紙される。排紙スタック部75では若い頁の記録物が順次上に重ねられるようにスタックされるよう、作像順序がプログラムされているので、頁順が揃う。排紙スタック部75は、排紙される記録体の増加に従って下降するので、記録体は整然と確実にスタックでき、頁順が乱れることがない。記録済みの記録体を排紙スタック部75に直接スタックする代わりに、穴あけ加工処理を実施したり、ソータ、コレータや綴じ装置や折り装置など後処理装置に搬送することもできる。
記録体Pの片面に画像を形成させる他の方法では、第1画像形成ユニット80Y〜80Kにおける画像の形成をおこなわないようにするのと、頁揃えのために若い頁の画像データから順に像形成をさせる点が異なる。しかし、基本的には上述の片面記録の工程と同じなので、詳細を省く。
次に記録体Pの両面に画像を形成する両面記録時の動作について説明する。プリンタ本体に開始信号が入力されると、片面記録の動作で説明した第1画像形成ユニット80Y、80C、80M、80Kで順次形成する各色ごとの画像を、第1中間転写ベルト21に順次1次転写させる。第1の画像として担持させる工程とほぼ平行して、第2画像形成ユニット81Y、81C、81M、81Kで順次形成する各色ごとの画像を第2中間転写ベルト31に順次1次転写させ、第2の画像として担持させる工程がおこなわれる。図1に示すように、第2画像形成ユニット同士のベルト搬送方向についての間隔は、第1画像形成ユニット同士の間隔よりも、詰めた状態で設置されている。これにより、第1の画像と第2の画像が、記録体の搬送方向先端で位置的に合致するためには、第1の画像の形成開始より遅れて第2の画像の形成が開始される。また記録体はレジストローラ対45で静止と再送がおこなわれるので、その時間も見込んで給紙され、横レジ補正機構44で整合される。レジストローラ対45は、タイミングをとって記録体を第1の2次転写手段である転写ローラ46と第1中間転写ベルト21で構成された第1転写位置である第1転写ステーションに搬送する。転写ローラ46にプラス極性の転写電流が供給され、第1中間転写ベルトから記録体Pの片面(図では上面)に画像が転写される。
このようにして片面に画像を有した記録体Pは、転写ローラ46の搬送作用により、引き続き第2の二次転写手段たる転写チャージャ47がある第2転写位置である第2転写ステーションに送られる。そしてチャージャにプラス極性の転写電流が供給されることにより、第2中間転写ベルト31にあらかじめ担持されているフルカラーの第2の画像が、一括して記録体Pの下面に転写される。
このようにして両面にフルカラートナー像が転写された記録体Pは、搬送ベルト51により定着装置60へと移送される。電圧印加ローラ58により、搬送ベルト51の表面はトナーの極性と同じマイナス極性で帯電される。これにより、記録体下面の未定着のトナーがベルトに移らないようにしている。そして、記録体は搬送ベルト51から分離され、定着載置60へと移送される。定着装置60の熱による定着処理を受け、記録体の両面のトナー画像が溶融、混合される。記録体は引き続いて冷却ローラ対を通過し、排紙ローラ71により排紙スタック部75上に排紙される。
複数の頁の記録体に両面記録する場合、若い頁の画像が下面となって排紙スタック部75にスタックされるように作像順序を制御する。作像終了後、スタックから取り出し、上下面を逆にしたとき記録物は上から順に1頁、その裏に2頁、2枚目が3頁、その裏が4頁となり頁順が揃う。このような作像順序の制御や、定着装置に入力する電力を片面記録時より増やすなどの制御は、制御手段(不図示)により実行される。
片面記録、両面記録動作に関して、フルカラー記録を実行させる例で説明したが、ブラックトナーだけによるモノクロ記録も可能である。メンテナンスや部品交換等の必要性が生じた場合には、不図示の外装カバー等を開放し、メンテナンスをおこなう。この時、図3、図4に示した画像形成部80、81を構成する部材をユニット化し、プロセスカートリッジとして交換すると都合がよい。プロセスカートリッジの形態は、図3、図4に示した構成から中間転写ベルト21、31と1次転写ローラ22、露光装置4などを除いた作像用部材を、正規の位置関係を保つようフレームの内部に納めて構成する。そして、着脱させるためのガイド部や把手を適宜設けてプリンタ本体100に対し着脱可能にすることで実現可能である。
次に本実施形態の特徴部である、記録体搬送装置50の詳細について説明する。図5は記録体搬送装置50の概略説明図である。
記録体搬送装置50は、未定着のトナー像を有する記録体Pを記録体搬送部材である搬送ベルト51の表面に保持し、転写手段の転写部から定着手段の定着部まで搬送するものである。図に示すように記録体Pは転写部において、電荷付与手段(図1では転写チャージャ47)によって、プラスの電荷を付与されている。このとき、記録体P表面上に付着したトナーはマイナス極性で帯電されている。
搬送ベルト51は、その内側に従動ローラ53、駆動ローラ54、電圧印加ローラ58を備えている。従動ローラは、記録体Pと搬送ベルト51との接触部である搬送方向の最上流部(以下、受け渡し部501という)に、駆動ローラ54は、記録体Pと搬送ベルト51との分離部である搬送方向の最下流部(以下、分離部502という)に配設されている。そして、上記受け渡し部501と分離部502との間に、接触型電荷付与部材である電圧印加ローラ58が設けられている。駆動ローラ54と電圧印加ローラ58とは図5に示すように接地されており、従動ローラ53は、フロート状態となっている。そして、この電圧印加ローラ58によりトナーの極性と同じマイナス極性で帯電されるようになっている。
ここで、記録体Pが転写部から定着部まで、記録体搬送装置50により搬送される動作について説明する。
まず、記録体Pの搬送と同時かそれ以前に電圧印加部材58に電圧を印加して、搬送ベルトをマイナスに帯電させる。次に、転写部で両面にトナー像を転写された記録体Pは受け渡し部501から搬送ベルト51に担持される。そして、記録体Pの剛性により搬送ベルト51との分離がなされ、記録体Pは定着部へ搬送される。
搬送ベルトは、中抵抗のベルトとすることが好ましい。表面抵抗率が10〜1010Ω/□に調整することがより好ましい。このように調整することで、搬送ベルト51の電荷の発散を抑制することができる。また、記録体Pと搬送ベルト51との密着性を維持することができる。さらに、搬送ベルト51は、支持部材との摩擦や張架等による物理的ストレスに耐え得るだけの耐久性を有し、穴や裂け、伸びの発生の少ない高寿命のベルトであることが望ましい。
実際、電圧印加ローラ58に−1kVの電圧を印加した場合、その直上の搬送ベルトの表面電位は−800V、従動ローラ53の直上の搬送ベルトの表面電位は−500Vに帯電された。かかる構成により、プラスに帯電した記録紙先端とマイナスに帯電した搬送ベルト51が受け渡し部501部分で弱く密着して搬送され、記録紙Pが搬送ユニット中央部に差しかかるとだんだん静電引力が上がり、安定して搬送される。駆動ローラ54の直上の搬送ベルト51の表面電位は−300Vに帯電された。
接触型電荷付与部材として、ローラ状の電圧印加ローラ58を適用しているが、搬送ベルト51に均一な電荷付与が行えるものであれば、ブレード状またはブラシ状の電荷付与部材を適用しても良い。搬送ベルト51に均一な電荷付与を行うことにより、搬送ベルト51と記録体Pとの静電的な付着力を均一に効率よく高めることが可能となる。また、図5のように搬送ベルト51の支持ローラの一つを接触型電荷付与部材とすることで、部材数を少なくすることができる。
電荷付与部材としてローラ状、ブレード状またはブラシ状などの接触型の電荷付与部材を用いることにより、電荷付与部材と電荷を付与される部材との間にギャップがある電荷チャージャのような非接触型電荷付与部材と比べて電力のロスが少ない。また、オゾンの発生を極力少なくすることができ、画像の乱れを防止して安定した搬送を行うことができる。また、図5に示すように、接触型電荷付与部材を搬送ベルト51の内側に設けることで、搬送ベルト51の外側に電荷付与部材を設けるものと比較して、記録体搬送装置50の省スペース化を図ることができる。
搬送ベルト51の表面移動方向で分離部502から受け渡し部501までの間の搬送ベルト51上に、搬送ベルト51のクリーニング手段であるクリーニング装置59を設けている。これは搬送ベルト上への異物付着によって、ベルトの汚れや表面性の劣化が懸念されるため、搬送ベルト51上に付着した異物を取り除くものである。搬送ベルト上の付着物を取り除くことで、汚れの除去や表面性の維持を行い、搬送ベルト51と記録体Pとの密着性を常に良好に保つことができる。
また、記録体搬送の際に搬送ベルト51と記録体P上に存在する未定着トナーが接触する場合には記録体P上の未定着トナーが搬送ベルト51に転写されることが懸念される。未定着トナーが搬送ベルト51上へ転写され難くするため、搬送ベルト51は離型性のよい材料で製造されているか、または、離型性のよい材料で表面が覆われている。搬送ベルト51の表面が記録体Pの表面よりも離型性を良くしたことにより、記録体搬送の際に記録体Pの表面上の未定着トナーが搬送ベルト51上に転写されることを抑制することができる。
本実施形態によれば、搬送ベルト51は、電圧印加ローラ58によりマイナスの電荷を帯びている。一方、記録体Pはプラスの電荷を帯びており、記録体Pは搬送ベルト51に吸着されるため、安定した搬送が可能となる。また、トナーはマイナス電荷を帯びているため、同極性の電荷を帯びた搬送ベルト51とは反発し合い、未定着のトナー像と搬送ベルト51とが接触していても、未定着のトナーが搬送ベルト51に付着することを防止できる。
また、記録体Pの安定した搬送に必要な表面電位(表面電位V2)を保ちながら、受け渡し部501の搬送ベルト上においては、この搬送に必要な表面電位V2よりも小さな表面電位V1となるように設定している。この結果、記録体Pが搬送部に受け渡される際の搬送ベルト51と記録体Pとの微少なギャップで放電が起こりチリなどが発生して画像が乱れるのを防止できる。逆に、受け渡し部501の搬送ベルト51上の表面電位V1に比して、搬送領域の表面電位V2を高めに設定することにより、搬送領域で記録体Pと搬送ベルト51とを十分に静電的に密着せしめて安定した搬送を行うことができる。
ここで、受け渡し部501直上の搬送ベルトの表面電位V1を0とした場合、転写部と搬送部に若干の速度差や位置ズレが発生した場合に、記録体が搬送ベルト51上でずれて画像が乱れるという問題が生じてしまった。本実施形態において、表面電位V1に電位を持たせ(V1=0Vではない)ることで、搬送ベルト51と記録体P先端付近部分との密着性を保持させることができた。
本実施形態のようにV1を0Vとせず、かつ、|V1|<|V2|に設定することで、転写部と搬送部において若干の表面速度に差がある場合や、位置のズレがある場合にも、記録体Pが搬送ベルト51上でずれることを抑制でき、画像の乱れを防止しつつ、安定して記録体Pを搬送することができた。
また、記録体Pの安定した搬送に必要な表面電位(表面電位V2)を搬送経路上で保ちながら、分離部502の搬送ベルト上においては、この搬送に必要な表面電位V2よりも小さな表面電位V3となるように設定している。この結果、記録体Pが定着部に受け渡される際の搬送ベルト51と記録体Pとの密着度を低くして分離不良が発生するのを防止することができる。また、搬送ベルト51上の転写紙後端は最後まで搬送ベルト51と密着して搬送させることができる。
逆に、分離部502の搬送ベルト51上の表面電位V3に比して、搬送領域の表面電位V2を高めに設定することにより、搬送領域で記録体Pと搬送ベルト51とを十分に静電的に密着せしめて安定した搬送を行うことができる。
ここで、分離部502直上の搬送ベルトの表面電位V3を0Vとした場合、定着部と搬送部に若干の速度差や位置ズレが発生した場合に、記録体が搬送ベルト51上でズレて画像が乱れるという問題が生じてしまった。本実施形態においては、表面電位V3に電位を持たせている(V3=0Vではない)ので、搬送ベルト51と記録体P先端付近部分との密着性を保持させることができる。
本実施形態のようにV3を0Vとせず、かつ、V3<V2に設定することで、定着部と搬送部において若干の表面移動速度に差がある場合や、位置のズレがある場合にも、記録体Pが搬送ベルト51上でずれることを抑制でき、かつ、定着部に記録体先端が搬送された場合であっても記録体後端部分を搬送ユニットにある程度密着させ、画像が乱れるのを防止しつつ、安定して記録体Pを搬送することができた。
本実施形態においては、|V1|<|V2|、|V2|>|V3|、V1≠0、V3≠0を満たすように搬送ベルト上の表面電位を設定するので、転写、搬送、定着部材の僅かな速度差、位置ズレに影響を受けることなく、記録体上の未定着画像の乱れを防止しつつ、安定して記録体Pを搬送することができた。
記録体と搬送ベルトとの密着力(静電引力)は、搬送ユニット周辺部或いは記録体の湿度によって異なる。そこで本実施形態においては、給紙部に湿度センサが取り付けてある。この湿度センサはジョブ待機時に湿度を検知するようになっており、その検知結果に応じて、電圧印加ローラ58の設定値を変更する。例えば、湿度が低い場合には電圧印加ローラに印加する電圧を200V低くなるように(上記例では−0.8kV)設定する。一方、湿度が高い場合にはその湿度の検知結果に応じて、例えば−300V上乗せとなるように(上記例では−1.3kV)設定する。
このように構成することにより、上記表面電位V1、V2,V3の値を常に適正値に変更し、記録体と搬送ベルトとの密着力(静電引力)が湿度により変化するのを未然に防止し、安定して記録体を搬送することができる。また、上述の画像のズレを防止することができる。
なお、本実施形態においては、給紙部に湿度検知部を設けたが、これに限るものではなく装置のレイアウト構成等に応じて、装置本体内に設けることができる。
〔変形例〕
次に、上記実施形態の画像形成装置における記録体搬送装置に備えられた電圧印加ローラ58、駆動ローラ54、従動ローラ53とは別の変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る記録体搬送装置を示す概略構成図である。この記録体搬送装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態のものと同様であるが、電圧印加ローラ58、駆動ローラ54、従動ローラ53の部分の構成が上記実施形態とは異なっている。すなわち、上記実施形態においては、図5に示すように電圧印加部を搬送ベルト上の搬送方向中央部付近に設けているが、本変形例においては、図6に示すように電圧印加部を、電圧印加ローラ58Bに加えて、従動ローラ53Bにも設けている。また、上記実施形態においては、駆動ローラ54と電圧印加ローラ58とを接地し、従動ローラ53はフロート状態にしてあるが、本変形例においては、駆動ローラ54B、電圧印加ローラ58B、従動ローラ53Bとを接地するように構成している。
まず、記録体Pの搬送と同時かそれ以前に、従動ローラ53Bと電圧印加部材58Bに電圧を印加して、搬送ベルトをマイナスに帯電させる。次に、転写部で両面にトナー像を転写された記録体Pは受け渡し部501から搬送ベルト51に担持される。そして、記録体Pの剛性により駆動ローラ54Bの直上の搬送ベルト51との分離がなされ、記録体Pは定着部へ搬送される。
実際、電圧印カローラ53Bに−300V、電圧印加ローラ58Bに−1kVの電圧を印加した場合、駆動ローラ54直上の搬送ベルト51上の表面電位は、−300Vに帯電された。
かかる構成により、プラスに帯電した記録紙先端とマイナスに帯電した搬送ベルト51が受け渡し部501部分で弱く密着して搬送され、記録紙Pが搬送ユニット中央部に差しかかるとだんだん静電引力が上がり、安定して搬送される。
このように構成することにより、上記と同様に記録体Pはプラスの電荷を帯びており、記録体Pは搬送ベルト51に吸着されるため、安定した搬送が可能となる。また、トナーはマイナス電荷を帯びているため、同極性の電荷を帯びた搬送ベルト51とは反発し合い、未定着のトナー像と搬送ベルト51とが接触していても、未定着のトナーが搬送ベルト51に付着することを防止できる。
記録体と搬送ベルトとの密着力(静電引力)は、記録体の種類によって異なる。例えば、記録体の厚みが薄い場合、厚い場合に比して搬送ベルトとの密着度が高まる一方で、分離部502において搬送ベルトと記録体との分離がうまくいかず、分離不良が起こりやすい。一方、記録体の厚みが厚い場合、薄い場合に比して搬送ベルトとの密着度が悪くなる一方で、画像のズレ、搬送不良が起こりやすくなる。記録体の厚み以外の要因においても、記録体の種類によって同様の問題が生じ得る。そこで、本実施形態においては、記録体の種類に応じて表面電位V1,V2,V3を適切な値となるように可変に構成している。例えば、厚紙を搬送する場合には、電圧印加ローラ58Bの上述の設定値に−500V上乗せして、−1.5kV、従動ローラの設定値を−700Vとなるように設定している。このようにすることにより厚紙にでも、画像の乱れを防止して、安定して記録体を搬送することができる。
本変形例によれば、記録体の種類に応じて搬送ベルト51上に印加する電圧を可変に構成しているので、記録体の種類如何に関わらず、画像の乱れを防止して、安定して記録体を搬送することができる。
記録体と搬送ベルトとの密着力(静電引力)は、記録体上の未定着トナーの付着量によって異なる。トナー付着量が多い場合(例えば、写真画像などの全面画像に近い場合やカラー画像の場合)、トナー付着量が少ない場合(例えば、白紙部分の多い通常の文章等の場合)に比して搬送ベルトと記録体との密着性が弱まり、上述したように画像のズレや搬送不良が起こる可能性がある。そこで、本実施形態においては、トナーの付着量を検知し、その検知結果に応じて搬送ベルト上の表面電位V1,V2,V3を適切な値となるように可変に構成している。この未定着トナーの付着量の検知手段としては、例えば、画像読取部の画像情報とリンクするようにすることができる。
写真画像、または全面画像のように画像面積率が高い場合には、例えば、印加ローラ58B、従動ローラ53Bの上述の設定値に、それぞれさらに−300Vを上乗せするように設定する。このようにすることにより、画像面積率が高い場合においても、画像の乱れを防止して、安定して記録体を搬送することができる。
本変形例によれば、記録体上のトナーの付着量に応じて搬送ベルト51上に印加する電圧を可変に構成しているので、記録体上の未定着トナーの付着量如何に関わらず(画像の種類如何に関わらず)、画像の乱れを防止して、安定して記録体を搬送することができる。
実施形態に係る複写機の該略構成図。 2つの受像面が形成する角度αの説明図。 現像ユニットを第1画像ユニットに用いた場合の詳細図。 現像ユニットを第1画像ユニットに用いた場合の詳細図。 実施形態に係る記録体搬送装置の説明図。 変形例に係る記録体搬送ベルトの幅方向の説明図。
符号の説明
1 感光体
5 現像装置
20 第1画像ユニット
21 第1中間転写ベルト
30 第2像担持体ユニット
31 第2中間転写ベルト
50 記録体搬送装置
51 搬送ベルト
60 定着装置
80 第1画像形成ユニット
81 第2画像形成ユニット
100 プリンタ本体(画像形成装置)
P 記録体

Claims (11)

  1. 像担持体により担持、搬送されるトナー像を、該トナー像の電荷とは逆極性の電荷を帯びたシート状の記録体上に転写する転写領域から、該記録体上に転写されたトナー像を該記録体上に定着させる定着領域まで、該記録体を表面に担持して搬送する記録体搬送部材を備えた記録体搬送装置において、
    上記記録体搬送部材表面における上記記録体を担持する記録体担持領域のうち、記録体搬送方向の最上流地点の表面電位をV1とし、該最上流地点よりも記録体搬送方向下流側であって記録体搬送方向の最下流地点を除く中央領域の表面電位をV2としたとき、該V1及び該V2が同極性であり、かつ、該V1の絶対値が該V2の絶対値よりも小さくなるように、該記録体搬送部材に上記記録体が帯びている電荷とは逆極性の電荷を付与する電荷付与手段を有することを特徴とする記録体搬送装置。
  2. 請求項1の記録体搬送装置において、
    上記V1の絶対値は0よりも大きいことを特徴とする記録体搬送装置。
  3. 像担持体により担持、搬送されるトナー像を、該トナー像の電荷とは逆極性の電荷を帯びたシート状の記録体上に転写する転写領域から、該記録体上に転写されたトナー像を該記録体上に定着させる定着領域まで、該記録体を表面に担持して搬送する記録体搬送部材を備えた記録体搬送装置において、
    上記記録体搬送部材表面における上記記録体を担持する記録体担持領域のうち、記録体搬送方向の最下流地点の表面電位をV3とし、該最下流地点よりも記録体搬送方向上流側であって記録体搬送方向の最上流地点を除く中央領域の表面電位をV2としたとき、該V3及び該V2が同極性であり、かつ、該V3の絶対値が該V2の絶対値よりも小さくなるように、該記録体搬送部材に上記記録体が帯びている電荷とは逆極性の電荷を付与する電荷付与手段を有することを特徴とする記録体搬送装置。
  4. 請求項3の記録体搬送装置において、
    上記V3の絶対値は0よりも大きいことを特徴とする記録体搬送装置。
  5. 請求項3又は4の記録体搬送装置において、
    上記電荷付与手段は、上記記録体搬送部材表面における上記記録体を担持する記録体担持領域のうち記録体搬送方向の最上流地点の表面電位をV1としたとき、該V1が上記V2と同極性であり、該V1の絶対値が0よりも大きく、かつ、該V1の絶対値が該V2の絶対値よりも小さくなるように電荷を付与することを特徴とする記録体搬送装置。
  6. 請求項1、2、3、4又は5の記録体搬送装置において、
    上記電荷付与手段は、上記記録体搬送部材に接触して電荷を付与するものであることを特徴とする記録体搬送装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6の記録体搬送装置において、
    上記電荷付与手段は、電荷付与対象となる記録体の種類に応じて、上記記録体搬送部材に対して付与する電荷量を変更するものであることを特徴とする記録体搬送装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5又は6の記録体搬送装置において、
    上記電荷付与手段は、電荷付与対象となる記録体に転写された未定着のトナー像を構成するトナーの量に応じて、上記記録体搬送部材に対して付与する電荷量を変更するものであることを特徴とする記録体搬送装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の記録体搬送装置において、
    上記電荷付与手段は、記録体搬送方向の複数箇所で、上記記録体搬送部材に対して電荷を付与するものであることを特徴とする記録体搬送装置。
  10. トナー像を担持、搬送する像担持体と、
    該像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    該像担持体上のトナー像を、該トナー像の電荷とは逆極性の電荷を帯びたシート状の記録体に転写せしめる転写手段と、
    該記録体上に転写されたトナー像を該記録体に定着せしめる定着手段と、
    該転写手段により転写が行われる転写領域から、該定着手段により定着が行われる定着領域まで、該記録体を搬送する記録体搬送手段とを備える画像形成装置において、
    上記記録体搬送手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の記録体搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    湿度を検知する湿度検知手段を有し、
    上記記録体搬送装置が有する上記電荷付与手段は、該湿度検知手段の検知結果に応じて、上記記録体搬送部材に対して付与する電荷量を変更するものであることを特徴とする記録体搬送装置。
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