JP2005351188A - エンジン始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動操作をして、その場でエンジンを始動させる始動モードと、予め緩衝・蓄力手段に必要な蓄力を貯えておき、任意の時期に任意の場所にて始動をさせる始動モードを有するエンジン始動装置を提供する。
【解決手段】第1の始動モードのとき、回転駆動部 の回転により蓄力される緩衝・蓄力手段の蓄力を直接回転従動部 へと伝達して、その場でエンジンを始動させる。第2始動モードに切り換えると、回転駆動部の回転は緩衝・蓄力手段に専ら蓄力され、所望時に任意の場所で緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力を開放し、回転従動部を回転させてワンタッチ操作でエンジンを始動させる。そのため、緩衝・蓄力手段及び回転従動部の反転をそれぞれ阻止/許容する第1及び第2の係脱部材と、第1及び第2係脱部材を連繋して緩衝・蓄力手段及び回転従動部に係合離脱させる単一の切換え操作手段とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃エンジンの始動装置に関し、詳しくはリコイルロープの引き操作により蓄力バネなどの緩衝・蓄力手段を介して滑らかに始動できる小型エンジン始動装置にあって、リコイルロープの引き操作が困難な場所において同リコイルロープの引き操作を不要にして、任意の時期と場所において安全にかつ確実にエンジンを始動させることができ、更には不用意にエンジンを始動させることのないエンジン始動装置に関する。
手動による内燃エンジンの始動装置は、通常、リコイルロープを引くことによってロープリールを回転させ、このロープリールの回転をエンジンのクランク軸に伝達してエンジンの始動を行っているが、この種のエンジン始動装置は、リコイルロープの引き速度をある程度高くして力強く引く必要があるばかりでなく、引き長さも長い。そのため、高年齢の人や力の弱い人には、容易に内燃エンジンを始動することができないことが多い。そこで、リコイルロープの引き力が小さい人でも容易に内燃エンジンを始動させることのできるエンジン始動装置が、例えば実開平1−91075号公報(特許文献1)や、特公昭52−23025号公報(特許文献2)、特開2001−132591号公報(特許文献3)、特開2002−327666号公報(特許文献4)、特開2003−269300号公報(特許文献5)、特開2001−65435号公報(特許文献6)、などによって多く提案されている。
このうち特許文献1のエンジン始動装置によれば、同軸線上に配された、リコイルロープを巻き回したリコイルドラムと、同リコイルロープを前記リコイルドラムに巻き回す方向に付勢する第1のゼンマイと、前記リコイルドラムに形成された第1ラチェットと、エンジンのクランク軸に設けられた第2ラチェット爪とエンジン始動方向と回転時に係合する第2ラチェットと、同第2ラチェットに連結され同ラチェットをエンジン始動方向に回転させるバネ力を蓄積する第2ゼンマイと、前記第2ラチェットに設けられ且つ前記第1ラチェットに係合して前記リコイルドラムの回転を前記第2ラチェットを介して前記第2ゼンマイに伝達し同ゼンマイにバネ力を蓄積させる第1ラチェット爪と、前記第2ラチェットに離脱可能に係合して前記第2ゼンマイのバネ力による第2ラチェットの回転を阻止するストッパ部材とを有している。
この始動装置によりエンジンを始動させるには、予めストッパ部材を第2ラチェットに係合させておき、リコイルロープを適当回数引っ張りリコイルドラムを回転させて第2ゼンマイに十分なバネ力を蓄積させておき、エンジン始動時にストッパ部材と第2ラチェットとの係合を外すと、第2ゼンマイのバネ力によりクランク軸を回転させエンジンを始動させる。第2ゼンマイにバネ力を蓄積するときは、ゼンマイを回転させるだけでエンジンからの負荷がかからないため、リコイルロープの引き力は小さくて済み、力の弱い人でも容易にリコイルロープの引き操作を行うことができ且つ必要時に確実にエンジンを始動させることができる。
一方、上記特許文献2〜5のエンジン始動装置は、特許文献1の前記エンジン始動装置からストッパ部材を排除するとともに、第2ゼンマイに蓄積されるバネ力がエンジンの圧縮行程における最大負荷を越えるまでは第2ゼンマイのバネ力が開放されず、第2ゼンマイのバネ力がエンジンの圧縮行程における最大負荷を越えた瞬間にバネ力が開放されてクランクを回転させるようにして、エンジンを自動的に始動させる。
ただし、特許文献3及び4は機構の一部が相違するだけで、前述の機能を実質的に備えている。その機構の相違点は、特許文献3が緩衝・蓄力手段の一部であるゼンマイ収容箱をワンウエイクラッチを介して支軸に支持させているのに対して、特許文献4ではゼンマイ収容箱を支軸に回転自在に支持させるとともに、同ゼンマイ収容箱の外周部にエンジン回転方向の回転だけを許容する一方向回転手段を設けている点にある。このように、ゼンマイ収容箱の外周部に一方向回転手段を設けることにより、同一方向回転手段を回転軸部に設ける場合よりも設計上及び加工上で有利であるとしている。いずれにしても、これらの文献3及び4のエンジン始動装置では、リコイルロープの引き操作によりゼンマイ収容箱を一方向にのみ回転できるように構成して、ゼンマイに貯えられるバネ力を維持する。
一方、上記特許文献5ではリコイルロープを巻装するロープリールと一体とされたゼンマイ収容箱がワンウエイクラッチなどを介装することなく支軸に回転自在に支持させており、ゼンマイバネに蓄力するためのリコイルロープの引き操作を操作の途中で止めれば、ゼンマイ収容箱はエンジンの駆動方向とは逆方向にコイルリールと共に反転してゼンマイのバネ力を開放する。
また、上記特許文献6のエンジン始動装置は、ゼンマイ蓄力機構と、ゼンマイ蓄力機構に回転力を蓄力させる手動のロープリールと、ゼンマイ蓄力機構の出力側の回転を阻止して蓄力された回転力を所定のトルクまで保持するストッパを有するリセットレバーと、ストッパが解除されたとき蓄力された回転力を内燃エンジンのクランク軸に伝達する伝達機構とを備えている。なお、リセットレバーは、手動でストップ位置からフリー位置へと切換え可能とされ、上記特許文献3と同様の操作でエンジンを自動的に始動させることもできるとしている。すなわち、このエンジン始動装置によれば、定常ではリセットレバーを操作してストッパをフリー位置にしない限り、ストッパはストップ位置にあり、ゼンマイ蓄力機構の出力側の回転を阻止している。この状態で、数回リコイルロープを引いて、ゼンマイ蓄力機構にエンジンを始動させに十分な蓄力を貯えさせ、十分な蓄力が貯えられると、同時にリセットレバーが自動的にフリー位置に移動してエンジンを始動させるというものであり、力の弱い人でも容易にエンジンを作動させることができる。
実開平1−91075号公報 特公昭52−23025号公報 特開2001−132591号公報 特開2002−327666号公報 特開2003−269300号公報 特開2001−65435号公報
ところで、上記特許文献1のエンジン始動装置によれば、ストッパ部材を第2ラチェットに係合させていないときにリコイルロープを引っ張っても、第2ラチェットがリコイルドラム及び第2ゼンマイの外側端部を固定するケースと一緒に共回りするため、第2ゼンマイにはバネ力が蓄積されず、エンジンを始動させることができない。従って、このエンジン始動装置によりエンジンを始動させるためには、予めストッパ部材を第2ラチェットに必ず係合させておく必要がある。しかも、この始動装置によればリコイルロープの引き操作を複数回行わないかぎり所要のバネ力が蓄積されないため、通常の力をもつ操作者にとっては始動に手間がかかり到底馴染むことができない。
一方、上記特許文献2〜5のエンジン始動装置では、単にリコイルロープを引っ張るだけで自動的にエンジンの始動ができるため、作業空間が広く安定した作業現場であれば作業効率が向上する。しかしながら、例えばこのエンジン始動装置を搭載したチェーンソーを使って樹木の枝打ちなどを行おうとする場合には、必然的に高所で且つ足場の悪い不安定な作業現場が多く、さらには周辺には他の枝葉が張り出しており、リコイルロープの大きな引き操作が困難な狭い空間における作業とならざるを得ない。こうした高所で且つ足場が確保しにくいような作業現場では、通常の現場と同様にエンジンを停止させたままの状態で現場まで行き、そこでリコイルロープを大きく引いてエンジンを始動させる。このとき、周りの枝葉などが邪魔をして或いは足場が固まらずリコイルロープの引き操作が上手く行えない場合が多い。
また、こうした特許文献2〜5に開示されたエンジン始動装置は、エンジンを背負って作業を行う背負い式の例えば刈り払い機などにも搭載される。この背負い式の刈り払い機は、エンジンと長尺な操作管とが可撓性パイプで連結されており、同可撓性パイプには可撓軸が挿通されて前記操作管に挿通された伝達軸と結合し、同伝達軸の回転により同操作管の先端に取り付けられた回転刃を回転させるようにしている。また、前記エンジンと操作管の連結端部との間には、前記可撓性パイプの他にも複数本のワイヤーやリード線などが介装されている。このような背負い式の刈り払い機のエンジンを始動させるには、例えば左手に長尺な操作管を握り、右手にて上記リコイルロープの引き操作を行う。
このときの引き操作は、エンジンを背中に背負っているため、リコイルロープの操作ハンドルを手前から前方へと引くことになる。この操作はリコイルロープを手前に引く場合と較べると、極めて操作がしにくいだけでなく極めて大きな引き力が必要になる。このエンジン始動操作の最中も、左手で長尺な操作管の手前側端部を握った不安定な状態で、周辺に注意をしながら先端の回転刃を空中に保持させておかなければならない。
特に、上記特許文献3及び4のエンジン始動装置にあっては、リコイルロープの引き操作を途中で止めて同ロープをロープリールに巻かれた元に状態に自動的に戻したとしても、ゼンマイ収容箱は一方向回転手段によって逆転が封じられているため、ゼンマイに貯えられた蓄力は、そのまま維持されている。この蓄力が何かの拍子で開放され、その開放力によりエンジンが不意に始動してしまうことが起こりやすい。その点、上記特許文献5のエンジン始動装置はリコイルロープの引き操作を途中で止めて、リコイルロープを手放したとしても、貯えられたバネ力の反力によりゼンマイ収容箱とロープリールとが一緒に反転して、リコイルロープが自動的に巻き戻されるとともに、ゼンマイもその蓄力が自動的に開放されるため、不用意にエンジンを始動させることがない。
一方、上記特許文献6に開示されたエンジン始動装置によれば、ストッパがかかった状態では、リコイルロープを引いて緩衝・蓄力手段にエンジンを始動させるに十分な蓄力がなされた段階で、リセットレバーが自動的に移動してストッパが外れ、エンジンを自動的に始動させてしまう。そのため、この装置にあってもエンジンの始動時期を任意に選択することは不可能である。また、リセットレバーをフリー位置に移動させて、エンジンを始動させるには、従来と同様にリコイルロープを大きく且つ素早く引かなければならない。従って、リコイルロープを強く且つ素早く引かなければならない上述のような高所や周辺の操作空間が狭くリコイルロープの引き操作が困難な作業現場では、その現場においてリコイルロープを何回に分けて引いてエンジンを始動させなければならない。この引き操作も不可能な場合には、手作業による作業となり、極めて非効率な作業となる。
ところで、上記特許文献1に開示されたエンジン装置にあっては、何回リコイルロープの引き操作を行えば、ゼンマイにエンジンを始動させるに十分な蓄力がなされるか皆目検討がつかない。そのため、リコイルロープの引き操作を余分な回数行うことが多くなり、或いはリコイルロープの引き操作回数が少ないときは、ストッパを外してもエンジンの始動がなされないだけでなく、ゼンマイに貯えられた折角の蓄力が開放されてしまう。また、特許文献2のエンジン始動装置では、2回の引き操作によりエンジンが始動するとしているが、バネ力によっては始動がなされず、或いは早期に始動してしまう恐れがある。一方、上記特許文献3〜5もゼンマイにエンジンを始動させるに十分な蓄力が貯える時期を予測できない。そのため、長い使用においてはゼンマイのバネ力が変動して、エンジンの始動時期にずれが生じやすくなり、それを予測することができないため、始動にあたって戸惑いが生じることが多い。
その点、上記特許文献6のエンジン始動装置にあっては、リコイルロープの引き操作時にエンジン始動に十分な蓄力がゼンマイに蓄積されると、自動的に且つ確実にエンジンを始動させるため、過不足ある引き操作がなくなる。しかしながら、その始動時期を予測することについては、前記特許文献2〜5と同様に予測することが難しく、しかも予めリコイルロープの引き操作を行っておき、任意の場所で任意の時期に簡単な操作をもってエンジンを始動させることもできない。
本発明は、上記従来の手動式エンジン始動装置がもつ様々な課題を同時に解消すべくなされたものであり、その具体的な目的はエンジンの始動操作が容易である現場ではリコイルロープの引き操作だけで容易にエンジンを始動させることができ、エンジンの始動操作が困難な現場での作業のときは、予めリコイルロープの引き操作によって緩衝・蓄力手段に必要十分な蓄力をさせておき、エンジンを停止させた状態で現場に行きワンタッチ始動させることを可能にしたエンジン始動装置を提供することにある。
かかる目的は、本発明の基本構成である、リコイルロープの引き操作により回転する回転駆動部と、該回転駆動部の回転が伝達される回転従動部とを備え、前記回転駆動部と前記回転従動部との間に緩衝・蓄力手段が介装され、該緩衝・蓄力手段が、前記回転駆動部の駆動の過程において、該回転駆動部の駆動によって緩衝しつつ蓄力するとともに、該蓄力により前記回転従動部を駆動するエンジンの始動装置にあって、前記緩衝・蓄力手段は、前記回転駆動部の回転が前記緩衝・蓄力手段を介して前記回転従動部へと直接伝達される第1の始動モードから、前記回転駆動部の回転が緩衝・蓄力手段に専ら蓄力し、所望時に緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力を開放し回転従動部を回転させる第2の始動モードへとモードを切り換えるモード切替え手段を有し、前記モード切替え手段は、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部のそれぞれに係脱して、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部の反転をそれぞれ阻止/許容する第1及び第2係脱部材と、前記第1及び第2係脱部材を連繋して係合離脱させる単一の操作手段とを有してなることを特徴とするエンジン始動装置によって効果的に達成される。
前記操作手段の操作による前記第2始動モード時の前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部に対する前記第1及び第2係脱手段の係合は、時間差機構をもって第2係脱部材の解除後の所要時間が経過したのちに第1係脱部材の解除がなされるようにすることが望ましい。
更に好ましい態様としては、前記緩衝・蓄力手段が回転駆動部により回転する香箱とゼンマイとを有し、前記回転従動部が一方向回転機構を有してなり、前記第1係脱部材は、始動装置のカバーケースに枢支され、前記香箱に配された係脱部に向けて付勢される係脱部と、前記カバーケースの前記第2係脱部材と連繋して前記係脱片を係脱方向に回動させる操作部とを一体に有し、前記第2係脱手段は前記カバーケースに枢支され、前記回転従動部の一方向回転機構の一部を構成する係止方向に付勢される係脱爪部と、前記操作手段に連結され前記係脱爪を回転従動部に係脱させる操作部とを一体に有している。この場合、前記第1及び第2係脱部材は、それぞれがく字状部材からなり、その中央を前記カバーケースに枢支されるようにする。
また、本発明にとって必ず設けなければならないものではないが、前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたとき作動するトルクリミット機構を更に設けることが好ましい。そして、この場合の前記トルクリミット機構は、前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたとき信号を発する信号発生手段を設けるとよい。
作用効果
前記緩衝・蓄力手段は、前記回転駆動部の回転が前記緩衝・蓄力手段を介して前記回転従動部へと直接伝達される第1の始動モードから、前記回転駆動部の回転が緩衝・蓄力手段に専ら蓄力し、所望時に緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力を開放し回転従動部を回転させる第2の始動モードへとモードを切り換えるモード切替え手段を有し、前記モード切替え手段は、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部のそれぞれに係脱して、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部の反転をそれぞれ阻止/許容する第1及び第2係脱部材と、前記第1及び第2係脱部材を連繋して係脱させる単一の操作手段とを有してなることを特徴とする。
この種の小型エンジンを搭載した各種の作業機器にあっては、エンジンの始動現場が広く、安全にリコイルロープの引き操作ができる場合が多く、熟練作業員にとっては従来と同様にリコイルロープを大きく引き緩衝・蓄力手段の蓄力を利用して直接エンジンを始動させることを好む。一方、力が弱かったり、始動に不慣れな作業員であれば、本人の意思で任意の時期に一発の簡単な操作でエンジンが確実に始動できることが望まれる。また、仮に熟練作業員であっても、例えば樹木の上のような高所の作業では、簡単な操作で任意の時期にエンジンが始動できれば、これに越したことはない。
本発明にあっては、通常は第1及び第2係脱手段が緩衝・蓄力手段及び従動部から外れており、リコイルロープを引いて回転駆動部の回転を前記緩衝・蓄力手段を介して前記回転従動部へと直接伝達してエンジンを始動させる第1の始動モードとなっている。従って、通常の引き操作のしやすい作業場所での熟練者によるエンジン始動は、現場にてリコイルロープを引き回転駆動部の回転を前記緩衝・蓄力手段を介して前記回転従動部へと直接伝達してエンジンを始動させる。仮に、高所の危険な現場やリコイルロープが十分に引けないような狭い現場での始動操作では、前記モード切換え操作手段を操作して第1の始動モードを、第1及び第2係脱手段が緩衝・蓄力手段及び従動部に係合して前記緩衝・蓄力手段に蓄力を維持させておくことができる第2始動モードへと切り換える。
こうして第2始動モードに切り換えられると、地上の操作がしやすい広い場所で、第2始動モードの状態でリコイルロープを引いて緩衝・蓄力手段に予め必要な蓄力を貯えて、その状態を維持させることができる。このとき、本発明の始動装置によればリコイルロープを複数回に分けて引いて緩衝・蓄力手段に必要な蓄力を貯えることもできる。この蓄力状態で、現場へと赴き、そこで単一のモード切換え操作手段により一回の操作でほぼ同時に、第2始動モードを第1始動モードへと切り換える。このときの第1始動モードへの切換え操作は、単なるモード切換えに止まらず、緩衝・蓄力手段及び従動部に係合している第1及び第2係脱手段の係合をほぼ同時に解除して、緩衝・蓄力手段に貯えられた蓄力を一気に放出させ、回転従動部を高速回転させてエンジンを瞬時に始動させる始動操作でもある。
従って本発明によれば、通常は、前記第1始動モードの状態で、一気にリコイルロープを引いてエンジンを始動させるが、リコイルロープの引き操作がしにくい場所では、第1
始動モードを第2始動モードへと切り換え、予め引き操作がしやすい場所にてリコイルロープを引いて緩衝・蓄力手段に必要な蓄力を貯えたのちに、作業現場にてモード切換え操作手段、例えばワンプッシュの切換えスイッチなどを使って第2始動モードから第1始動モードへと切り換えて、瞬時にエンジンを始動させる。エンジンの始動がなされたのちの切換えモードは、常に第1始動モード、すなわち第1及び第2係脱手段が緩衝・蓄力手段及び従動部から外れた状態となる。この第1始動モードであれば、例えば既述した特許文献4に開示されたエンジン始動装置のように、リコイルロープの引き操作を中止したのちは、緩衝・蓄力手段に貯えられたバネ力が自然と放出され維持されない機種と同等の機能とすることもでき、この場合、仮にエンジンが始動する以前にリコイルロープの引き操作を中止して放置しても、緩衝・蓄力手段から蓄力が自然放出されて消滅するため、不用意にエンジンを始動させることをなくすことができる。
上述のように、本発明では単一のモード切換え操作手段の一回の操作で第1及び第2係脱手段をほぼ同時に作動して、エンジンの始動モードを第1始動モードから第2始動モードへと、或いはその逆へと切り換えることができる。しかし、本発明の実施にあたっては、第2始動モードにあって、前記緩衝・蓄力手段にエンジン始動に十分な蓄力がなされ、第11及び第2係脱手段の係合が前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部に係合し、エンジンの始動を意図的に停止させているとき、これを第1始動モードに切り換えるとき、すなわち前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部に係合している第1及び第2係脱部材の係合を、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部から解除させる場合は、時間差機構をもって第2係脱部材の解除後の所要時間が経過したのちに第1係脱部材の解除がなされるようにする。
このように第1係脱部材と第2係脱部材との係合解除に時間差をもたせることにより、始めは前記緩衝・蓄力手段に第1係脱部材が係合した状態で、従動部と係合する第2係合部材の係合だけを解除し、緩衝・蓄力手段の蓄力よる同緩衝・蓄力手段の逆転を阻止して蓄力の分散を回避すると同時に、前記緩衝・蓄力手段から伝達される蓄力の開放力を従動部を介してエンジンのクランク軸に伝達して、瞬時にエンジンを始動させる。前記第1係脱部材の緩衝・蓄力手段に対する係合の解除は、このエンジンの始動がなされると同時または直後とする。その結果、緩衝・蓄力手段に貯えられた蓄力の殆ど全てが効率的に従動部に伝達され、確実なエンジンの始動を保障する。
更に好ましい態様としては、前記緩衝・蓄力手段が回転駆動部により回転する香箱とゼンマイとを有し、前記回転従動部が一方向回転機構を有している。前記第1係脱部材は、始動装置のカバーケースに枢支されており、モード切換え操作手段を操作することにより、その操作部が前記第2係脱部材とほぼ時期を同じくして前記香箱に係合する係着部をその付勢に抗して回動させ、香箱との係合を外す。このとき、一方の第2係脱部材の操作部も前記第1係脱部材に僅かに先立って作動され、従動部に係合している係着爪部が付勢に抗して回動し、従動部との係合が解除される。この場合、前記第1及び第2係脱部材を、く字状部材から構成し、その中央を前記カバーケースに枢支しておき、例えば上記モード切換え操作手段を従動部側の第2係脱部材の操作部と連繋させるとともに、第2係脱部材の操作部と第1係脱部材の操作部とを連繋させる。第2係脱部材が回動すると、第1係脱部材をも連繋して動作する。このとき、第1及び第2係脱部材の配置を工夫することにより、第1係脱部材は第2係脱部材の動作に僅かに遅延させて回動させることができる。
また、上記エンジン始動装置の回転部にトルクリミット機構を更に設ける場合には、前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたことを検出して、それ以上蓄力しないようにすることを可能である。そのため、このトルクリミット機構が作動すると、それ以上は緩衝・蓄力手段に蓄力が不要となり、リコイルロープを過不足なく引くことができるようになり、無用な引き操作が不要となる。前記トルクリミット機構が作動されたことを容易に知り得るようにするため、緩衝・蓄力手段に必要な蓄力が貯えられたとき、トルクリミット機構の作動とともに、信号発生手段が作動して、例えば音や光の報知信号を発する。
以下、本発明に係るエンジン始動装置の好ましい実施形態を図面に基づき具体的に説明する。なお、本実施形態ではチェーンソーに適用される小型の空冷式内燃エンジンの始動装置を例示しているが、例えば刈払い機や回転式鋸などの同様のエンジン始動装置として適用が可能である。
図1は本発明に係るエンジン始動装置を搭載した小型エンジンの内部構造の一例を示す断面図、図2は同エンジン始動装置のカバーケース体内部に配される構成部材の分解斜視図、図3は同始動装置におけるモード切換え手段の離脱状態を示す内部構造図、図4は同始動時期選択手段の係合状態を示す内部構造図である。
本実施形態による小型エンジン100は、図1に示すように、本発明のエンジン始動装置1と、同始動装置1の回転従動部側のラチェットホイール8と、同ラチェットホイール8と自動的に係脱するクランク軸101と、同クランク軸101に固設されたファン102と、前記クランク軸101に連結されたエンジン本体103と、同エンジン本体に連結された出力軸104と、これらの機器を内蔵するエンジンケース105と、同ケース105の上面にあって前後に架設されるとともにその途中に左側面にかけて上下方向に架設された操作ハンドル106とを備えている。この操作ハンドル106にはスロットルレバー106aなどが装着されている。
エンジン始動装置1は、図2及び図3に示すように、小型エンジン100のクランク軸101と軸線をほぼ一致させて、同クランク軸101の一端部に近接して配される。このエンジン始動装置1は、図2に示すとおりカバーケース体2に収容設置されて構成される。このケース体2には、円筒ボス部2aがクランク軸側に向けて突設されている。この円筒ボス部2aには、以下に述べる各エンジン始動部材が順次組付けられて止めネジ3によって固設される。
前記エンジン始動装置1は回転駆動部Dと回転従動部Mとを備えている。前記回転駆動部Dは、前記ケース体2の内面に外側フック端が当接するリコイル用ゼンマイ4と、中央部に前記円筒ボス部2aに外嵌される円形孔5aが形成され、同ゼンマイ4を収容し、リコイル用ゼンマイ4の前記外側フック端とともにケース体2の内面に当接状態で位置決め固定するゼンマイケース5と、一端にグリップ6aを有するリコイルロープ6と、同リコイルロープ6の他端を巻回し周面上に固定して前記リコイルロープ6を巻き回すリコイル用リール7とを備えている。一方の回転従動部Mは、径の異なる第1及び第2のラチェット部8a,8bが同軸線上に一体化して配されたラチェットホイール8を備えている。前記回転駆動部Dと回転従動部Mとの間には本実施形態における緩衝・蓄力手段が介装される。
この緩衝・蓄力手段は、図2に示すように円形の箱体からなる香箱9と同香箱9に収納された蓄力用ゼンマイ10とを有している。本実施例によれば、図3に拡大して示すように、前記香箱9の収容部9aの内周面に本発明におけるトルクリミット機構の一部である突部9bが等間隔に複数突設されている。この突部9bの形状は、香箱9の収容部9aの内周面に沿って前記リコイルリール7の蓄力時の回転方向では蓄力用ゼンマイ10の外側フック部10aが係着し、同外側フック部10aを蓄力用ゼンマイ10の蓄力方向に回転させる係止面9b−1が形成され、その頂点乗越え部9b−2から蓄力時の回転方向の後方へと収容部9aの内周面に向けてなだらかに下傾斜する傾斜面9b−3が形成されている。前記ゼンマイ10の内側フック部10bは上記回転従動部Mのラチェットホイール8の図示せぬ中心の円筒ボス部に近接する背面部に固着されている。
前記突部9bは、香箱9が蓄力方向に回転されて蓄力用ゼンマイ10に所要の蓄力が貯えられると、同ゼンマイ10の外側フック部10aが突部9bとの係止を解除されて、その外側フック部10aは前記突部9bを乗り越えるようになり、香箱9がそれ以上回転しても蓄力用ゼンマイ10には蓄力がなされなくなる。このとき、香箱9が回転を続けると、前記蓄力用ゼンマイ10の外側フック部10が突部9bを乗り越えるたびに乗越え音を発生し、作業員に蓄力が所要量に達したことを知らしめる。本発明にあって、香箱9と蓄力用ゼンマイ10との間でトルクリミット機構を構成させるだけでなく、後述するように回転従動部Mにトルクリミット機構を設けることもでき、本実施例に限定されない。
また、前記香箱9の外周面には、図2に示すように内部に収納された蓄力用ゼンマイ10の蓄力方向の回転を許容するが、その逆の回転は阻止する一方向回転機構としての外周ラチェット歯9cが形成されている。この一方向回転機構としてはラチェット機構が一般的であるが、他にも例えば軸受け形状をもつワンウェイクラッチのような機構を採用することもでき、その設置部位も必ずしも香箱9の外周面である必要がない。この外周ラチェット歯9cに本発明の第1係脱部材14が係脱する。一方、香箱9のリコイル用リール7に対面する背面には、図示せぬラチェット歯が形成されており、前記リコイル用リール7とともに回転する駆動片12の回転により香箱9を蓄力用ゼンマイ10の蓄力方向に駆動回転する。この駆動片12は、図2に示すとおり、円筒軸部12aと同円筒軸部12aの外周面から180°の位相差をもって径方向に延出する一対の翼片部12bとを有している。同翼片部12bは、円筒軸部12aの中心から径方向に向かって拡幅し、同時に香箱の蓄力方向の側面が肉厚とされ、反蓄力方向の側面を薄肉としている。
一方、前記リコイル用リール7の香箱側内面には、前記翼片部12bを位置決めするための突起7aが突設されている。この突起7aは、図2に示すようにリコイル用リール7の前記香箱側内面に4個設けられており、その突起7aの配置は、前記駆動片12の翼片部12bを収容する一対の突起7aをリコイル用リール7の回転中心に関して対称に二組配している。この一対二組の突起7a間に一対の翼片部12bが収容され位置決めされる。この一対の翼片部12bは、リコイル用リール7の回転時には翼片部12bを突起7aが当接してリコイル用リール7とともに回転する。
前記駆動片12は圧縮バネ13によって常に香箱9の背面に押し付けられており、リコイル用リール7の蓄力方向の回転により同方向に回転する前記翼片部12bの肉厚部分が香箱9の背面に形成された図示せぬラチェット歯と係合し、香箱9を蓄力方向に回転させる。このとき、香箱9の内部に収容された蓄力用ゼンマイ10は、その内側フック片部10bが従動部Mのラチェットホイール8に固着され、その外側フック部10aは上述のとおり香箱9の内周面に形成された突部9bに係止され、所要の蓄力が貯えられるまでは、香箱9を蓄力方向に回転させる。前記香箱9の従動部側の開放面は環状カバー13により閉塞され、内部に収容されたゼンマイ10の軸線方向の動きを規制している。
回転従動部Mは既述したとおり、大径と小径の第1及び第2ラチェット8a及び8bを有するラチェットホイール8を備えている。このラチェットホイール8には、既述したとおり上記ゼンマイ10の内側フック部10bが固着されており、その小径の第2ラチェット8bには図示せぬエンジンのクランクシャフトに設けられた遠心クラッチ爪が係止されているため、エンジンが始動するまでは前記香箱9の蓄力方向の回転に追随することなく静止した状態にある。
図2において、符号14,15及び16で示す部材は、本発明の最も特徴ある部材を示している。符号14は前記香箱9の外周面に形成された外周ラチェット歯9cと係脱する本発明の第1係脱部材を示し、符号15は上記ラチェットホイール8の大径の第1ラチェット8aに係脱する本発明の第2係脱部材であり、符号16は同第2係脱部材15の係脱を行うためのモード切換え操作手段であるスライドスイッチを示している。
前記第1及び第2係脱部材14,15はそれぞれがく字状を呈しており、図4及び図5に示すように、その屈曲部がカバーケース体2の底部の上壁面に近い位置に並んで回動自在に枢着されている。第1係脱部材14は、上記香箱9の外周面に形成された外周ラチェット歯9cに係脱する係着部14aと同係着部14aを屈曲部を中心に回動操作する操作部14bとからなり、前記係着部14aが香箱9の前記外周ラチェット歯9cに係着する方向に捩じりコイルバネ17によって付勢されている。一方の第2係脱部材15は上記ラチェットホイール8の大径の第1ラチェット8aと係脱する係着爪部15aと同係着爪部15aを屈曲部を中心に回動操作する操作部15bとからなり、係着爪部15aが前記大径の第1ラチェット8aに係着する方向に捩じりコイルバネ18によって一方向に付勢されている。
また本実施形態にあっては、カバーケース2の上面端部に上記スライドスイッチ16が図4の左右方向にスライド可能に取り付けられている。このスライドスイッチ16の構造は、図4及び図5に示すように、上部が上方に湾曲して膨出し上面を多数の凹凸面とした操作片16aと、その下面から下方に突設してカバーケース2に形成された図示せぬスリットに嵌挿されたスライド片16bとを有している。このスライド片16bと前記第2係脱部材15の操作部15bの先端部とがリンク片19により連結されている。リンク片18の一端は第2係脱部材15の操作部15bの先端部に相対回転可能に取り付けられ、リンク片19の他端は前記スライド片16bに形成されているスリット16b−1に摺動可能に取り付けられている。
そして前記第1及び第2係脱部材14,15は、リンク片19を介して前記第2係脱部材15が上記ラチェットホイール8の大径ラチェット8aから離脱している状態では、図4に示すように同第2係脱部材15の操作部15bの先端部が前記第1係脱部材14の操作部14bの先端部を上方から押し下げ、第1係脱部材14の係着部14aが香箱9の前記外周ラチェット歯9cから離脱するように配置されている。また反対に、スライドスイッチ16を図4のカバーケース上の右寄りから図5に示す左方へとスライドさせることにより、前記第1及び第2係脱部材14,15は、互いがリンク片19との拘束を断たれて、各捩じりコイルバネ17,18の弾力により、香箱9の前記外周ラチェット歯9cとラチェットホイール8の大径ラチェット8aとにそれぞれが係着する方向に回動する。
つまり、本実施形態では前記スライドスイッチ16を図4におけるカバーケース2上の左から右へとスライドさせると、第1及び第2係脱部材14,15が香箱9の外周ラチェット歯9c及びラチェットホイール8の大径の第1ラチェット8aとの係着が解除される。ここで、リコイルロープ6を引いてリコイル用リール7を回転させることにより香箱9を回転させ、ゼンマイ10に十分なバネ力を貯えさせて、その蓄力がエンジンを始動させるに十分な力に達すると、従動部Mのラチェットホイール8を介して図示せぬ遠心クラッチを作動してエンジンのクランクシャフトに回転力を伝達し、エンジンを始動させる。一方、前記リコイルロープ6の引き操作を途中で止めると、香箱9及び従動部Mのラチェットホイール8が第1及び第2係脱部材14,15と係合していないため、香箱9及びラチェットホイール8は逆転を始め、折角それまで蓄力されていたゼンマイ10のバネ力が自動的に解放される。その結果、リコイルロープ6の引き操作を途中で止めて手を離しても、緩衝・蓄力手段の蓄力が自然と解放され、不用意にエンジンが始動してしまうような恐れはない。これが本発明における第1始動モードである。
反対に、前記第1始動モードにあるカバーケース2上の右寄りにある前記スライドスイッチ16をカバーケース2の左側へとスライドさせると、第1及び第2係脱部材14,15は捩じりコイルバネ17,18の弾力を受けて、香箱9の外周ラチェット歯9c及びラチェットホイール8の大径ラチェット8aに係着する。この状態では、リコイルロープ6を引いてリコイル用リール7を回転させることにより香箱9を蓄力方向に回転させることができるが、反対方向の回転を阻止しており、同時に従動部Mのラチェットホイール8は一切回転を止められている。そのため、リコイルロープ6を引いてリコイル用リール7を回転させると、香箱9が回転してゼンマイ10に蓄力だけがなされるようになる。
そのため、リコイルロープ6の引き操作を途中で止めて手を離しても、そのまま蓄力は香箱9とラチェットホイール8との間に維持されることになる。従って、例えば力の弱い人による引き操作や、リコイルロープ6の引き操作が自由に行えないような場所では、何回かに分けてリコイルロープ6を引いて、ゼンマイ10にエンジンを始動させるに十分なバネ力を貯えたのちに、エンジンを始動させる。このとき貯えられた蓄力がエンジンを始動させるに十分な力に達したかどうかは、既述したトルクリミット機構の作動により発せられる報知信号により確実に知ることができる。このような、十分な蓄力がなされたのちに、上記スライドスイッチ16を元の第1始動モードの位置にスライドさせると、先ず第2係脱部材15がラチェットホイール8の第1ラチェット8aとの係合が外れ瞬間的にエンジンを始動させたのち、既述したとおり僅かな時間差をもって香箱9の外周ラチェット歯9cに対する第1係脱部材14の係着が解除される。この状態が本発明における第2始動モードである。
このように、本実施形態にあっては上記スライドスイッチ16をカバーケース2の表面上でスライドさせることにより、回転駆動部Dのリコイルロープ6の引き操作でリコイル用リール7をエンジン回転方向に回転させて、緩衝・蓄力手段の香箱9を同方向に回転させながらゼンマイ10に所要のバネ力を貯えさせ、その貯えられた蓄力を直接従動部Mであるラチェットホイール8に伝え、その蓄力がエンジンの始動に必要十分な力に達すると自動的にエンジンを始動させる第1の始動モードと、前記回転駆動部Dのリコイルロープ6を引き緩衝・蓄力手段の香箱9を同方向に回転させてゼンマイ10にエンジン始動に必要なバネ力を予め貯えさせておき、その貯えられた蓄力を維持させた状態で、所望時に任意の場所でゼンマイに貯えられた前記蓄力を開放し、その場で瞬時にエンジンを始動させる第2の始動モードとにモードの切換えをすることができる。
その第1及び第2の始動モード切換えによる本実施形態のエンジン始動手順を図面を参照して具体的に説明する。
作業がベテランによる広い場所での作業であり、その作業場所にて一気にエンジンを始動させることができるときは、先ずスライドスイッチ16を図4に示す第1始動モード側へとスライドさせる。ここで、リコイル用リール7に巻き付けられたリコイルロープ6を強く素早く引き出す。この引き操作の間に、リコイル用リール7はエンジンの回転方向に回転して、リコイル用リール7に位置決めされた駆動片12を介して香箱9を同方向に回転させる。この回転力は、香箱9内に収容されたゼンマイ10は、その香箱9の内周面に形成されたトルクリミット機構の一部である突部9bの係止面9b−1に係止された外側フック部10aと、図示せぬエンジン側の遠心クラッチにより回転停止状態にある従動部Mのラチェットホイール8に固定された内側フック部10bとの間で逐次蓄力されていく。
この蓄力は前記ラチェットホイール8に直接伝達されているが、遠心クラッチが離脱しないかぎり従動部Mのラチェットホイール8を回転させることはない。いま、ゼンマイ10に貯えられた蓄力がエンジンの最大負荷を越える大きさに達すると、図示せぬ前記遠心クラッチを回転させてエンジンを始動する。エンジンの回転が始まり、その定常回転に入ると前記遠心クラッチは遠心力により前記ラチェットホイール8から離脱してエンジンの回転は続けられる。なお、リコイルロープ6の引き操作を止めて手を離すと、リコイルロープ6の引き操作により貯えられたリコイルゼンマイ4が元の状態に戻ろうとしてリコイルリール7 逆転させ、リコイルロープ6を自動的に巻き戻す。
すなわち、前述の第1始動モードによるエンジンの始動は、リコイルロープの1回の引き操作でエンジンを始動させることの出来るときに限られる。このときのエンジン始動装置には、既述したとおり大きく2機種ある。その一つは、上記特許文献3、4及び6に開示されたエンジン始動装置であり、他の一つは上記特許文献5により開示されているエンジン始動装置がある。前者はリコイルロープの引き操作を途中で止めても香箱と従動部との間で蓄積されたゼンマイのバネ力を放出することなく維持する形式であり、後者はリコイルロープの引き操作を途中で止めると、香箱が逆転可能であるため香箱と従動部との間に蓄積されたゼンマイのバネ力は自然と放出されてしまう形式である。この2機種ともに、香箱と従動部との間でエンジンの最大負荷を越えるバネ力が蓄積されると、自動的にエンジンを始動させる点では相違しない。
次に、作業員の力が弱いか、或いは作業現場が木や岩場の上で足場も作業場所周辺が狭く、1回のリコイルロープ6の引き操作ではエンジンを始動させることができない現場で作業を行わなければならないときは、先ず上記スライドスイッチ16が第2始動モード側に位置しているかどうかを確認する。すなわち、第1及び第2の係脱部材14,15が香箱9の外周ラチェット歯9cと従動部Mのラチェットホイール8との双方にそれぞれ係着しているかどうかを確認する。第2始動モードであることの確認が終えたら、リコイルロープ6の引き操作が可能な場所にてリコイルロープ6を引いて、香箱9と前記ラチェットホイール8との間でエンジンの始動に必要な蓄力をゼンマイ10に付与する。このときのエンジン始動に必要な蓄力は上記トルクリミッタからの報知信号によって知ることができる。
なお、このとき香箱9とラチェットホイール8との間に配されたゼンマイ10に貯えられる蓄力は、第1及び第2の係脱部材14,15が香箱9の外周ラチェット歯9cと従動部Mのラチェットホイール8との双方にそれぞれ係着しているため、香箱9がエンジン始動方向に回転するだけでラチェットホイール8は回転を停止しているため、香箱9の逆転が生じず自然に放出することはない。従って、エンジン始動に必要な蓄力を貯えるために1回の引き操作に頼らず、複数回の引き操作により必要な蓄力を貯えるようにしてもよい。
こうして、ゼンマイ10にエンジンを始動するに十分な蓄力がなされたのちは、エンジンを停止したまま、作業現場に赴き、そこで上記スライドスイッチ16を第1始動モード側の位置へとスライドさせる。このスライド操作により、先ず第2係脱部材15が従動部M側のラチェットホイール8から外れて、瞬間的にゼンマイ10の蓄力が解放されて同ラチェットホイール8を高速に回転させる。この回転により、図示せぬクランクシャフトを介してエンジンが始動させる。エンジンの始動がなされると同時又はそれよりも僅かに遅い時期に、第2係脱部材15の作動に追随して第1係脱部材14が捩じりコイルバネ17の付勢に抗して回動し、第1係脱部材14が香箱9の外周ラチェット爪部9cから外れる。このように、第1係脱部材14の係合離脱を第2係脱部材15の係合離脱を遅らせることにより、ゼンマイ10の解放力の殆ど全てがラチェットホイール8の回転力として使われることになり、効率的な回転伝達が行えるようになる。
ここで注目すべきは、前述のように第2始動モードにあってゼンマイ10に蓄力させたのち、エンジン始動のためスライドスイッチ16を第2始動モード位置から第1始動モード位置へとスライドさせる点である。すなわち、本発明のエンジン始動装置にあっては、第2始動モードによる前記切換え操作は、エンジン始動のためのスイッチ機能をもつ他にも、エンジン始動の終了後は、常に第1始動モードに戻すことを意味している点にある。そのため、本発明にあって特に第2始動モードでエンジンを始動させようとするときは、必ず第2始動モードに切り換わっているかどうかを確認する必要があるが、第1モードでエンジンを始動させるときにはかかる確認の必要がない。
なお、本発明における上記トルクリミット機構のように、香箱9とゼンマイ10との間の係止機構を利用するだけに止まらず、他のトルクリミット機構を採用することができる。図6〜図8は、その他のトルクリミット機構を採用した第2実施形態であるエンジン始動装置のラチェットホイール80を示している。このトルクリミット機構は、上記第1実施形態のように香箱9ではなく従動部Mに配されたラチェットホイール80に内蔵している。そのため本実施形態にあっては、図示は省略しているが上記第1実施形態と同様に上記ゼンマイ10の内側フック部10bが前記ラチェットホイール8の背面側中心部に近い部位に固着され、ゼンマイ10の外側フック部10aは従来と同様に香箱9の内周面の一部に固着されている。従って、本実施形態では前記ラチェットホイール80の構造とゼンマイ10の固着構造が一部異なるだけで、他の構成部材の構造及び配置は上記実施形態と実質的に異なるところがない。そのため、以下の説明では、トルクリミット機構を内蔵するラチェットホイール80の構造とそのトルクリミッタ機能について説明するに止める。
本実施形態によるラチェットホイール80もまた、上記第1実施形態と同様に、同一軸心上に段差をもって大径の第1ラチェット81と小径の第2ラチェット82とを備えている。ただし、本実施形態では第1ラチェット81と第2ラチェット82とが固定一体化されておらず、別体が組付けられて相対回転可能に一体化されている。
大径の第1ラチェット81は、図7及び図8に示すように外周にラチェット歯81aが形成された環状板材からなり、その内径部には周方向に連続する環状溝部81bが形成されるとともに、その底面には同じく周方向に同一ピッチで連続する凹凸面81cが形成されている。一方の小径の第2ラチェット82は、図7に示すとおり同一軸線上に大径部82bと小径部82cとが段差をもって一体に形成されており、その小径部82cの外周面に上記ラチェット歯82aが形成されている。また、前記第2ラチェット82の大径部82bの肉厚は上記第1ラチェット81の内周面に形成された環状溝部81bに摺動可能に嵌着する寸法であり、その外周面には180°の位相差をもって中心方向に向けて延びる盲孔82dが2個形成されている。この盲孔82dには圧縮スプリング83が嵌入されており、その外径側端部に小径の鋼球84が嵌着されている。
前記第1ラチェット81の環状溝部81bに第2ラチェット82の大径部82bの外周部が嵌着されると、前記鋼球84は圧縮スプリング83により外径側に付勢されて第1ラチェット81の前記管状溝81bに形成された凹凸面81cに押しつけられる。前記鋼球84が前記凹凸面81cの凹部81c−1に嵌着したとき、第1及び第2ラチェット81,82は、圧縮スプリング83のバネ力に基づき、所要のトルク差で一体に回転するか或いは相対回転するようになる。なお、本実施形態では装置の軽量化を図るため、第2ラチェット82の回転中心部は除肉して中空としている。また、図6において符号82eは図示せぬ香箱に収納される蓄力ゼンマイの内側端部が嵌着固定される固定孔に相当するが、この蓄力ゼンマイの端部の嵌着固定方法や固定位置は、前記第2ラチェット82上にあって同図の形態に限らず種々の形態で設けることが可能である。
次に、図示は省略したが、第1実施形態を示す図2を参照しながら、第2実施形態のエンジン始動装置による第2始動モードのときのエンジン始動について簡単に説明する。なお、トルクリミット機構については第1始動モードでエンジンを始動しても同様に機能するため、ここでは第2始動モードによるエンジン始動についてのみ説明する。
この第2実施形態にあっても、先ずスライドスイッチ16を操作して第2始動モードに切り換える。第1及び第2係脱部材14,15が香箱9の外周ラチェット歯9cと第1ラチェット81のラチェット歯81aに係着した第2始動モードに切り換えられたことを確認して、リコイルロープ6を引きリコイルリール7を駆動回転させる。このリコイルリール7の回転力が駆動片12を介して香箱9に伝達されて、香箱9をエンジンの回転方向に回転させる。この香箱9の回転により、外側フック部10aが香箱9の内周面に固着され、内側フック部10bが第2ラチェット82に固着されて香箱9に収容された蓄力ゼンマイ10に蓄力がされる。この蓄力がエンジンを始動させるに十分な大きさに達すると、小径の第2ラチェット82に働く蓄力ゼンマイ10の蓄力を解放しようとする。
この解放しようとする力が、大径の第1ラチェット81の内周面に形成された凹凸面81cの凹部81c−1に圧縮スプリング83のバネ力により嵌着する鋼球84の凹部81c−1に対する嵌着力を上回ると、同鋼球84は凹凸面81cの凸部81c−2を乗り越えるようになる。従って、この状態になると、その後にリコイルロープ6をいくら引いても鋼球84は凹凸面81cの凸部81c−2を乗り越えるだけで、小径の第2ラチェット82は空回りするだけとなり、蓄力ゼンマイ10にはそれ以上蓄力がなされなくなる。そして、この空回りするとき、鋼球84が凹凸面81cの凸部81c−2を乗り越えるたびに乗り越え音を発するようになり、作業員に蓄力ゼンマイ10にはエンジンを始動するに十分な蓄力が貯えられたことを知らせる。そのため、作業員はリコイルロープ6を余分に引く必要がない。
こうして、蓄力ゼンマイ10に十分な蓄力がなされると、いつでもエンジンが始動できる状態となる。従って、この状態としたのち、エンジンを停止させたまま所望の作業現場へと赴き、現場にて任意の始動時期にスライドスイッチ16を第1モード側へとスライドさせると、瞬時にしてエンジンを始動させることができる。ここで、スライドスイッチ16が不用意に第1始動モード側へと移動しないように、同スライドスイッチ自体に操作と同時に解除できる図示せぬロック機構や、開けないかぎり同スイッチ16を作動させることができないような開閉蓋を設けるとよい。
以上の説明からも理解できるように、本発明のエンジン始動装置によれば、通常のベテラン作業員による場合にはリコイルロープを1回引けば始動できる第1始動モードと、力の弱い人やリコイルロープの引き操作がしにくい場所での作業のときは、予めリコイルロープを数回に分けて引き、或いは1回の引き操作でエンジン始動に必要な蓄力を蓄力ゼンマイに貯えておき、作業現場にて任意の時期に簡単な1回の操作で順次にエンジンを始動できる第2始動モードとを切換え選択できる。また、トルクリミット機構を付設すれば、リコイルロープの無駄な引き操作が不要となる。
本発明のエンジン始動装置を搭載したチェンソーのエンジン部を示す断面図である。 本発明の第1実施形態であるエンジン始動装置の分解斜視図である。 同実施形態に付設されるトルクリミット機構例を香箱開放側から見た平面図である。 本実施形態による本発明の特徴部であるエンジンの第1始動モード時の内部状態を示すカバーケース開放側から見た平面図である。 同第2始動モード時の内部状態を示すカバーケース開放側から見た平面図である。 本発明に適用される他のトルクリミット機構例を示す外観平面図である。 図6のVII-VII 線に沿った矢視断面図である。 図7のVIII-VIII 線に沿った矢視断面図である。
符号の説明
1 前記エンジン始動装置
2 カバーケース体
2a 円筒ボス部
3 止めネジ
4 リコイル用ゼンマイ
5 ゼンマイケース
5a 円形孔
6 リコイルロープ
6a グリップ
7 リコイル用リール
7a 突起
8 ラチェットホイール
8a (大径の第1)ラチェット
8b (小径の第2)ラチェット
9 香箱
9a (ゼンマイ)収容部
9b 突部
9b−1 係止面
9b−2 頂点乗越え部
9b−3 傾斜面
9c ラチェット歯
10 蓄力ゼンマイ
10a 外側フック部
10b 内側フック部
12 駆動片
12a 円筒軸部
12b 翼片部
13 環状カバー
14 第1係脱部材
14a 係着部
14b 操作部
15 第2係脱部材
15a 係着爪部
15b 操作部
16 スライドスイッチ(モード切換え操作手段)
16a 操作片
16b スライド片
16b−1 スリット
17,18 捩じりコイルバネ
19 リンク片
80 ラチェットホイール
81 (大径の)第1ラチェット
81a ラチェット歯
81b 環状溝部
81c 凹凸面
81c−1 凹部
81c−2 凸部
82 (小径の)第2ラチェット
82a ラチエット歯
82b 大径部
82c 小径部
82d 盲孔
82e (蓄力ゼンマイの内側フック部)固定部
83 圧縮スプリング
100 小型エンジン
101 クランク軸
102 ファン
103 エンジン本体
104 出力軸
105 エンジンケース
106 操作ハンドル
106a スロットルレバー
D 駆動部
M 従動部

Claims (6)

  1. 回転駆動部と、該駆動部の回転が伝達される回転従動部とを備え、前記回転駆動部と前記回転従動部との間に緩衝・蓄力手段が介装され、該緩衝・蓄力手段が、前記回転駆動部の駆動の過程において、該駆動部の駆動によって緩衝しつつ蓄力するとともに、該蓄力により前記回転従動部を介してエンジンを始動させるエンジン始動装置にあって、
    前記緩衝・蓄力手段は、前記回転駆動部の回転が前記緩衝・蓄力手段を介して前記回転従動部へと直接伝達される第1の始動モードから、前記回転駆動部の回転が緩衝・蓄力手段に専ら蓄力し、所望時に緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力を開放し回転従動部を回転させる第2の始動モードへとモードを切り換えるモード切替え手段を有し、
    前記モード切替え手段は、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部のそれぞれに係脱して、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部の反転をそれぞれ阻止/許容する第1及び第2の係脱部材と、前記第1及び第2係脱部材を連繋して前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部に係合離脱させる単一の切換え操作手段とを有してなる、
    ことを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記切換え操作手段の操作による前記第2始動モード切換え時の前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部に対する前記第1及び第2係脱手段の係合解除は、時間差機構をもって第2係脱部材の係合解除後の所要時間が経過したのちに第1係脱部材の係合が解除される請求項1記載のエンジン始動装置。
  3. 前記緩衝・蓄力手段が回転駆動部の駆動により回転する香箱と同香箱に収容されたゼンマイとを有し、
    前記第1係脱部材は、始動装置のカバーケースに枢支され、前記香箱に配された係脱部に向けて付勢される係着部と、前記カバーケースの前記第2係脱部材と連繋して前記係着部を係脱方向に回動させる操作部とを一体に有し、
    前記第2係脱手段は、前記カバーケースに枢支され、前記回転従動部の係止方向に付勢される係着爪部と、前記操作手段に連結され前記係着爪部を回転従動部に係脱させる操作部とを一体に有してなる、
    請求項1又は2記載のエンジン始動装置。
  4. 前記第1及び第2係脱部材は、それぞれがく字状に形成され、その各中央部が前記カバーケースに枢支されてなる請求項3記載のエンジン始動装置。
  5. 前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたとき作動するトルクリミット機構が更に設けられてなる請求項1〜4のいずれかに記載のエンジン始動装置。
  6. 前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたとき、前記トルクリミット機構の作動で報知信号を発する信号発生手段を有してなる請求項5記載のエンジン始動装置。
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