JP4444871B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃エンジンの始動装置に関し、好適には回転駆動部と回転従動部との間に緩衝・蓄力手段が介装され、前記回転駆動部の動力が前記緩衝・蓄力手段を介して前記回転従動部へと直接伝達される第1の始動モードと、前記回転駆動部の動力を前記緩衝・蓄力手段に専ら蓄力し、所望時に緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力を開放し前記回転従動部を回転させる第2の始動モードとのモードに切り替えるモード切換え手段を有するエンジン始動装置に関する。
手動による内燃エンジンの始動装置は、通常、リコイルロープを引くことによってリコイル用リールを回転させ、このリコイル用リールの回転をエンジンのクランク軸に伝達してエンジンの始動を行っているが、この種のエンジン始動装置は、リコイルロープの引き速度をある程度高くして力強く引く必要があるばかりでなく、引き長さも長い。そのため、高年齢の人や力の弱い人には、容易に内燃エンジンを始動することができないことが多い。そこで、リコイルロープの引き力が小さい人でも容易に内燃エンジンを始動させることのできるエンジン始動装置が、例えば実開平1−91075号公報(特許文献1)や、特開2001−132591号公報(特許文献2)、特開2002−327666号公報(特許文献3)、特開2003−269300号公報(特許文献4)、特開2001−65435号公報(特許文献4)、などによって多く提案されている。
このうち特許文献1のエンジン始動装置によりエンジンを始動させるには、予めストッパ部材を従動側のラチェットに係合させておき、リコイルロープを適当回数引っ張りリコイルドラムを回転させて蓄力用ゼンマイに十分なバネ力を蓄積させておき、エンジン始動時にストッパ部材と前記ラチェットとの係合を外すと、蓄力用ゼンマイのバネ力によりクランク軸を回転させエンジンを始動させる。蓄力ゼンマイにバネ力を蓄積するときは、エンジンからの余分な負荷がかからないため、リコイル用ゼンマイと蓄力ゼンマイを巻き上げるだけの力で足りる。その結果、リコイルロープの引き力は小さくて済み、力の弱い人でも容易にリコイルロープの引き操作を行うことができ且つ必要時に確実にエンジンを始動させることができるというものである。
一方、上記特許文献2〜4のエンジン始動装置は、特許文献1の前記エンジン始動装置からストッパ部材を排除するとともに、蓄力用ゼンマイに蓄積されるバネ力がエンジンの圧縮行程における最大負荷を越えるまでは同ゼンマイのバネ力が開放されず、同ゼンマイのバネ力がエンジンの圧縮行程における最大負荷を越えた瞬間にバネ力が開放されてクランクを回転させるようにして、エンジンを自動的に始動させる。
ここで、特許文献2及び3は機構の一部が相違しているが、前述の機能を実質的に備えている。その機構の相違点は、特許文献2が緩衝・蓄力手段の一部であるゼンマイ収容箱をワンウエイクラッチを介して支軸に支持させているのに対して、特許文献3ではゼンマイ収容箱を支軸に回転自在に支持させるとともに、同ゼンマイ収容箱の外周部にエンジン回転方向の回転だけを許容する一方向回転手段を設けていることである。このように、ゼンマイ収容箱の外周部に一方向回転手段を設けることにより、同一方向回転手段を回転軸部に設ける場合よりも設計上及び加工上で有利であるとしている。いずれにしても、これらの文献2及び3のエンジン始動装置では、リコイルロープの引き操作によりゼンマイ収容箱を一方向にのみ回転できるように構成して、ゼンマイに貯えられるバネ力を維持する。
一方、上記特許文献4ではリコイルロープを巻装するリコイル用リールと一体とされたゼンマイ収容箱がワンウエイクラッチなどを介装することなく支軸に回転自在に支持させており、ゼンマイバネに蓄力するためのリコイルロープの引き操作を操作の途中で止めれば、ゼンマイ収容箱はエンジンの駆動方向とは逆方向にコイルリールと共に反転してゼンマイのバネ力を開放する。
また、上記特許文献5のエンジン始動装置は、ゼンマイ蓄力機構と、ゼンマイ蓄力機構に回転力を蓄力させる手動のリコイル用リールと、ゼンマイ蓄力機構の出力側の回転を阻止して蓄力された回転力を所定のトルクまで保持するストッパを有するリセットレバーと、ストッパが解除されたとき蓄力された回転力を内燃エンジンのクランク軸に伝達する伝達機構とを備えている。なお、リセットレバーは、手動でストップ位置からフリー位置へと切換え可能とされ、上記特許文献2と同様の操作でエンジンを自動的に始動させることもできるとしている。すなわち、このエンジン始動装置によれば、定常ではリセットレバーを操作してストッパをフリー位置にしない限り、ストッパはストップ位置にあり、ゼンマイ蓄力機構の出力側の回転を阻止している。この状態で、数回リコイルロープを引いて、ゼンマイ蓄力機構にエンジンを始動させに十分な蓄力を貯えさせると、同時にリセットレバーが自動的にフリー位置に移動してエンジンを始動させるというものであり、力の弱い人でも容易にエンジンを作動させることができる。
ところで、上記特許文献1のエンジン始動装置によれば、ストッパ部材を第2ラチェットに係合させていないときにリコイルロープを引っ張っても、第2ラチェットがリコイルドラム及び第2ゼンマイの外側端部を固定するケースと一緒に共回りするため、第2ゼンマイにはバネ力が蓄積されず、エンジンを始動させることができない。従って、このエンジン始動装置によりエンジンを始動させるためには、予めストッパ部材を第2ラチェットに必ず係合させておく必要がある。しかも、この始動装置によればリコイルロープの引き操作を複数回行わないかぎり所要のバネ力が蓄積されないため、通常の力をもつ操作者にとっては始動に手間がかかり到底馴染むことができない。
一方、上記特許文献2〜4のエンジン始動装置では、単にリコイルロープを引っ張るだけで自動的にエンジンの始動ができるため、作業空間が広く安定した作業現場であれば作業効率が向上する。しかしながら、例えばこのエンジン始動装置を搭載したチェーンソーを使って樹木の枝打ちなどを行おうとしても、必然的に高所で且つ足場の悪い不安定な作業現場であり、さらには周辺に他の枝葉が張り出しているため、リコイルロープの引き操作が大きくすることが不可能な場合が多い。
また、上記特許文献2〜4に開示されたエンジン始動装置は、エンジンを背負って作業を行う背負い式の例えば刈り払い機などにも搭載される。この背負い式の刈り払い機は、エンジンと長尺な操作管とが可撓性パイプで連結されており、同可撓性パイプには可撓軸が挿通されて前記操作管に挿通された伝達軸と結合し、同伝達軸の回転により同操作管の先端に取り付けられた回転刃を回転させるようにしている。また、前記エンジンと操作管の連結端部との間には、前記可撓性パイプの他にも複数本のワイヤーやリード線などが介装されている。このような背負い式の刈り払い機のエンジンを始動させるには、例えば左手に長尺な操作管を握り、右手にて上記リコイルロープの引き操作を行う。
このときの引き操作は、エンジンを背中に背負っているため、リコイルロープの操作ハンドルを手前から前方へと引くことになる。この操作はリコイルロープを手前に引く場合と較べると、極めて操作がしにくいだけでなく極めて大きな引き力が必要になる。このエンジン始動操作の最中も、左手で長尺な操作管の手前側端部を握った不安定な状態で、周辺に注意をしながら先端の回転刃を空中に保持させておかなければならない。
特に、上記特許文献2及び3のエンジン始動装置にあっては、リコイルロープの引き操作を途中で止めて同ロープをリコイル用リールに巻かれた元の状態に自動的に戻したとしても、ゼンマイ収容箱は一方向回転手段によって逆転が封じられているため、ゼンマイに貯えられた蓄力は、そのまま維持されている。この蓄力が何かの拍子で開放され、その開放力によりエンジンが不意に始動してしまうことが起こりやすい。その点、上記特許文献4のエンジン始動装置はリコイルロープの引き操作を途中で止めて、リコイルロープを手放したとしても、貯えられたバネ力の反力によりゼンマイ収容箱とリコイル用リールとが一緒に反転して、リコイルロープが自動的に巻き戻されるとともに、ゼンマイもその蓄力が自動的に開放されるため、不用意にエンジンを始動させることはない。
一方、上記特許文献5に開示されたエンジン始動装置は、ストッパがかかった状態では、リコイルロープを引いて緩衝・蓄力手段にエンジンを始動させるに十分な蓄力が蓄えられた段階で、リセットレバーが自動的に移動してストッパが外れ、エンジンを自動的に始動させる。そのため、この装置にあってもエンジンの始動時期を任意に選択することは不可能である。また、リセットレバーをフリー位置に移動させて、エンジンを始動させるには、従来と同様にリコイルロープを大きく且つ素早く引かなければならない。従って、上述のような高所や周辺の操作空間が狭くリコイルロープの引き操作が困難な作業現場では、その現場においてリコイルロープを何回かに分けて引き、エンジンを始動させることになる。この引き操作も不可能な場合には、手作業による作業となり、極めて非効率である。
ところで、上記特許文献1に開示されたエンジン装置にあっては、リコイルロープの引き操作を何回行えば、ゼンマイにエンジンを始動させるに十分な蓄力が蓄えられるか皆目検討がつかない。そのため、リコイルロープの引き操作を余分な回数行うことが多くなる。或いは、リコイルロープの引き操作回数が少ないときは、ストッパを外してもエンジンの始動がなされないだけでなく、ゼンマイに貯えられた折角の蓄力が開放されてしまう。また、上記特許文献2〜4もゼンマイにエンジンを始動させるに十分な蓄力が貯える時期を予測できない。そのため、長い使用においてはゼンマイのバネ力が変動して、エンジンの始動時期にずれが生じやすくなり、それを予測することができないため、始動にあたって戸惑いを生じることが多い。
その点、上記特許文献5のエンジン始動装置にあっては、リコイルロープの引き操作時にエンジン始動に十分な蓄力がゼンマイに蓄積されると、自動的に且つ確実にエンジンを始動させるため、過不足ある引き操作がなくなる。しかしながら、前記特許文献2〜4と同様に、その始動時期を予測することは難しい。加えて予めリコイルロープの引き操作を行なっておき、任意の場所で任意の時期に簡単な操作をもってエンジンを始動させることもできない。
こうした従来の手動式エンジン始動装置がもつ様々な課題を同時に解消するため、本出願人は特願2004−173578号(特許文献6)に係る発明を先に提案した。その基本構成は、リコイルロープの引き操作により回転する回転駆動部と、該回転駆動部の回転が伝達される回転従動部とを備え、前記回転駆動部と前記回転従動部との間に緩衝・蓄力手段が介装され、該緩衝・蓄力手段が、前記回転駆動部の駆動の過程において、該回転駆動部の駆動によって緩衝しつつ蓄力するとともに、該蓄力により前記回転従動部を駆動するエンジンの始動装置にあって、前記緩衝・蓄力手段は、前記回転駆動部の回転が前記緩衝・蓄力手段を介して前記回転従動部へと直接伝達される第1の始動モードから、前記回転駆動部の回転が緩衝・蓄力手段に専ら蓄力し、所望時に緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力を開放し回転従動部を回転させる第2の始動モードへとモードを切り換えるモード切換え手段を有し、前記モード切換え手段は、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部のそれぞれに係脱して、前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部の反転をそれぞれ阻止/許容する第1及び第2係脱部材と、前記第1及び第2係脱部材を連繋して係合離脱させる単一の操作手段とを有していることを特徴としている。
この構成によって、通常の広い作業現場では、前記第1始動モードの状態で、一気にリコイルロープを引いてエンジンを始動させるが、リコイルロープの引き操作がしにくい場所では、第1始動モードを第2始動モードへと切り換え、予め引き操作がしやすい場所にてリコイルロープを引いて緩衝・蓄力手段に必要な蓄力を貯えたのちに、作業現場にてモード切換え操作手段、例えばワンプッシュの切換えスイッチなどを使って第2始動モードから第1始動モードへと切り換えれば、瞬時にエンジンを始動させることができる。エンジンの始動がなされたのちの切換えモードは、常に第1始動モード、すなわち第1及び第2係脱手段が緩衝・蓄力手段及び従動部から外れた状態となる。この第1始動モードであれば、例えば既述した特許文献4に開示されたエンジン始動装置のように、リコイルロープの引き操作を中止したのちは、緩衝・蓄力手段に貯えられたバネ力が自然と放出される機種と同等の機能をもつようになる。従って、第1始動モードであれば仮にエンジンが始動する以前にリコイルロープの引き操作を中止して放置したとしても、緩衝・蓄力手段から蓄力が自然放出されて消滅するため、不用意にエンジンが始動することをなくすことができる。
実開平1−91075号公報 特開2001−132591号公報 特開2002−327666号公報 特開2003−269300号公報 特開2001−65435号公報 特願2004−173578号
前述の特許文献6による提案を行ったのち、更に検討を重ねた結果、次のような課題が存在することを知った。
前記特許文献6の図2に示した実施形態によれば、上記第1及び第2係脱部材はそれぞれがく字状を呈しており、その屈曲部がカバーケース体の底部の上壁面に近い位置に並んで回動自在に枢着されている。第1係脱部材は、上記緩衝・蓄力手段に形成された外周ラチェットに係脱する係脱爪部と同係脱爪部を屈曲部を中心に回動操作する操作部とからなり、前記係脱爪部が緩衝・蓄力手段の外周ラチェット歯と係合する方向に捩じりバネによって付勢されている。一方の第2係脱部材は上記回転従動部のラチェットと係脱する係脱爪部と同係脱爪部を屈曲部を中心に回動操作する操作部とを備え、係脱爪部が前記ラチェットと係号する方向に捩じりバネによって一方向に付勢されている。
また、カバーケース体の上面端部にスライドスイッチが前後方向にスライド可能に取り付けられている。このスライドスイッチの構造は、上部が上方に湾曲して膨出し上面を多数の凹凸面とした操作片と、その下面から下方に突設してカバーケース体に形成されたスリットに嵌挿されたスライド片とを有している。このスライド片と前記第2係脱部材の操作部の先端部とがリンク片により連結されている。リンク片の一端は第2係脱部材の操作部の先端部に相対回転可能に取り付けられ、リンク片の他端は前記スライド片に形成されているスリットに摺動可能に取り付けられている。
前記第1及び第2係脱部材は、リンク片を介して前記第2係脱部材が上記ラチェットから離脱している状態では、同第2係脱部材の操作部の先端部が前記第1係脱部材の操作部の先端部を上方から押し下げ、第1係脱部材の係脱爪部が緩衝・蓄力手段の前記外周ラチェット歯から離脱するように配置されている。また反対に、スライドスイッチを逆方向へとスライドさせることにより、前記第1及び第2係脱部材は、互いがリンク片との拘束を断たれて、各捩じりバネの弾力により、緩衝・蓄力手段の前記外周ラチェット歯と回転従動部のラチェットとにそれぞれが係合する方向に回動する。
このように、上記特許文献6に開示されている第1始動モードと外2始動モードとの切換え手段は、第1及び第2係脱部材、2つの捩じりバネ、スライドスイッチ、第2係脱部材とスライドスイッチとを連結するリンク片の6つもの部品からなり、しかもその組付けは極めて煩雑なものとなっていた。
本発明は、部品を点数を少なくするとともに、その組付けが容易にできる始動モードの切換え手段を備えたエンジン始動装置を提供することを目的としている。
かかる目的は、本発明の基本構成である、回転駆動部と、該回転駆動部の駆動力を緩衝しつつ蓄力する緩衝・蓄力手段と、該緩衝・蓄力手段の蓄力の開放によりエンジンを始動させる回転従動部とを備え、前記緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力がエンジン始動に必要な蓄力とされたとき、その蓄力が開放されて前記回転従動部へと伝達され、同回転従動部を介してエンジンを始動させるエンジン始動装置にあって
前記緩衝・蓄力手段と係脱して、前記緩衝・蓄力手段の反転を阻止/許容する第1係脱部材と、前記第1係脱部材を前記緩衝・蓄力手段に係合離脱させる切換え操作手段と、前記第1係脱部材の係脱動作と連繋して前記回転従動部に係脱するく字状の第2係脱部材とを有してなり、
前記第1係脱部材が、その一端側に、エンジン始動装置のケース体に回動可能に枢着される枢着部と、同枢着部から延在する第1係脱爪部とを有し、前記枢着部を挟んだ反対側には板バネ部が延設され、前記板バネ部の先端に前記枢着部の軸線と平行なピンが突設されてなり、
前記第2係脱部材は、その中央部にエンジン始動装置のカバーに回転可能に枢着される枢着部を有し、その一端側に第2係脱爪部を有するとともに、他端部には長孔が形成され、常には前記第2係脱爪部が、前記回転従動部と係合する方向に付勢されてなり、
前記第1係脱部材の前記ピンが、前記第2係脱部材の長孔に挿入され、前記板バネ部のバネ力により前記第1係脱爪部が、前記緩衝・蓄力手段と係合する方向に付勢されてなることを特徴とするエンジン始動装置により効果的に達成される。
また、前記切換え操作手段は、前記第2係脱部材を、前記回転従動部と係合する方向に付勢している付勢に抗して、前記回転従動部との係合が解除される方向に回動させて前記回転従動部との係合を解除するとともに、同第2係脱部材の回動を受けて、前記第1係脱部材の前記ピンを前記第2係脱部材の長孔内摺動させて、前記板バネ部のバネ力に抗して第1係脱部材を、前記緩衝・蓄力手段との係合が解除される方向に回動させ、前記第1係脱爪部と前記緩衝・蓄力手段との係合を解除する操作部材を有している。
また前記操作部材は、エンジン始動装置のケース体に回動可能に枢着され、前記第2係脱部材との対向面にカム面が形成されていくことが好ましい。前記緩衝・蓄力部は上記第1係脱部材と係脱するゼンマイ香箱、及び同香箱に一端が支持され他端が前記回転従動部に支持された蓄力用ゼンマイを有することが好ましく、前記回転従動部が上記第2係脱部材と係脱するラチェットホイールを有している。更に、前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたとき作動するトルクリミット機構を有しているとよい。
作用効果
本発明における上記基本構成にあって、第1及び第2始動モードの切換え手段による作用効果については上記特許文献6に詳しく記載していることから、その詳細については同文献6に委ね、ここでは本発明の主要な構成である上記第1係脱部材に関する作用効果を説明する。
本発明による上記操作部材は、第1及び第2の係脱部材と、前記第1及び第2の係脱部材を連繋して前記緩衝・蓄力手段及び前記回転従動部に係合離脱させる切換え操作部材と、前記第2係脱部材を常に回転従動部と係合させる方向に付勢する1個の捩じりバネとの4個の部品から構成されているため、従来よりも部品点数が少なくなるだけでなく、その組付けが極めて簡単である。これは、第1係脱部材が弾性部材から構成されることにより、同第1係脱部材に捩じりバネが不要となり、かつ同第1係脱部材の弾性形状を適宜設計することにより、第1及び第2係脱部材の連繋動作に変化をもたせることができる。具体的には、例えば第1係脱部材の緩衝・蓄力手段との係合を外す動作を第2係脱部材の回転従動部との係合を外す動作よりも僅かに遅らせるようにする。その結果、エンジンを始動させるに十分な蓄力を回転従動部に十分に伝達したのち、第1係脱部材と緩衝・蓄力手段との係合が外れ、残る蓄力を開放させ、蓄力用ゼンマイに余分な蓄力を残さないようにする。
なお、本発明にあっても前記緩衝・蓄力手段に従来から採用されているゼンマイ香箱と蓄力用ゼンマイを使うとともに、回転従動部に同じく従来から広く採用されているラチェットホイールを使えば、本発明のための格別の部品を調達する必要がなくなる。
また、エンジン始動装置の回転部にトルクリミット機構を更に設けておくと、前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたことを検出して、それ以上蓄力しないようにすることを可能にする。その結果、このトルクリミット機構が作動すると、それ以上は緩衝・蓄力手段に蓄力をすることが不要となり、リコイルロープを過不足なく引くことができ、無用な引き操作を不要とする。緩衝・蓄力手段に必要な蓄力が貯えられたとき、トルクリミット機構の作動とともに、信号発生手段が作動して、例えば音や光の報知信号を発するようにすれば、前記トルクリミット機構が作動されたことを容易に知り得るようになる。
以下、本発明に係るエンジン始動装置の好ましい実施形態を図面に基づき具体的に説明する。なお本実施形態にあってはチェーンソーに適用される小型の空冷式内燃エンジンの始動装置とエンジンとの間の動力伝達機構について例示するが、同種のエンジン始動装置及びエンジンを搭載する刈払い機や回転式鋸などの様々な携行作業機に適用されることは勿論である。
図1は本実施形態に係るエンジン始動装置の組付け時における構成部材の配置関係を示す分解斜視図であり、図2は本実施形態に係るエンジン始動装置とエンジンのクランク軸との組み付け構造を示す縦断面配置図である。
図2に仮想線で示すとおり、エンジンのクランク軸105にはファン106が固設されており、そのファン106のエンジン始動装置側の背面には、後述する遠心クラッチ機構の一構成部材である杆状係脱部材107を回転自在に枢支する枢支部106aが、クランク軸105を挟んで一体に形成されている。この枢支部106aは、クランク軸105を挟んで180°の位相差をもって一対配されており、その形状はエンジン始動装置側から見て扇型をなしている。これらの枢支部106aに前記杆状係脱部材107が回転自在に枢着されている。同杆状係脱部材107は、図2に示すとおり、側面から見ると杆状係脱部本体107aの一端に直角に屈曲された爪部107bが立ち上がる形状をもち、平面から見ると中央部に前記枢支部106aにねじ込まれる止めネジ106bを挿通するネジ挿通孔が形成されている。杆状係脱部材107とファン106との間に図示せぬ捩じりバネが介在され、同捩じりバネの弾力によって前記爪部107bを常にクランク軸側へと押し付けるように付勢している。
本実施形態によるエンジン始動装置100は、その半部ケース体101の円筒ボス部101aに回転可能に取着された回転従動部Mの回転中心とエンジン側の上記クランク軸11の軸中心とが向かい合うようにして組付けられる。エンジン始動装置100の構成部材は、図2に示すように、全て反エンジン側の半部ケース体101に収容されている。前記半部ケース体101には、同図に示すとおり、円筒ボス部101aがクランク軸側に向けて突設されている。この円筒ボス部101aの内面には内ねじが切られており、以下に述べる各エンジン始動装置100の構成部材が前記円筒ボス部101aに順次組付けられて止めネジ102によって固定される。
図1に示すように、前記エンジン始動装置100は回転駆動部Dと回転従動部Mとを備えている。前記回転駆動部Dは、前記半部ケース体101の内面に外側フック端110aを当接固定するリコイル用ゼンマイ110と、中央部に前記円筒ボス部101aに外嵌する円形孔112が形成され、同リコイル用ゼンマイ110を収容して、同ゼンマイ110の前記外側フック端110aとともに半部ケース体101の内面に当接され位置決め固定されるゼンマイケース113と、一端にグリップ114を有するリコイルロープ115と、同リコイルロープ115の他端を巻回し周面上の一部に固定して前記リコイルロープ115を巻き回すリコイル用リール116とを備えている。
一方の回転従動部Mは、図1及び図3に示すように、径の異なる第1及び第2のラチェット部121,122が同軸線上に一体化して配されたラチェットホイール120を備えている。このラチェットホイール120の回転駆動部D側の背面中央部には、図4及び図5に示すとおり、ラチェットホイール120の回転中心Oから偏位した位置を中心O’とする円形突部123が突設されており、同円形突部123の周縁部の一部には前記中心O’に向かうU字状の切欠き溝123aが形成されている。大径の前記第1ラチェット部121のラチェット歯121aには、後述する第2係脱部材142が係脱し、小径の第2ラチェット部122のラチェット歯122aには、図2に示すように上記クランク軸105に取り付けられた遠心クラッチ機構の構成部材である上記爪部107bが係脱する。図示例によれば、前記第1ラチェット部121及び第2ラチェット部122は4つのラチェット歯121a,122aを有しており、両ラチェット部121,122は同一方向の回転のみを許容するために、回転が許容される方向とは反対側に係着面を有している。小径の第2ラチェット部122は、前記爪部107bと係合しているため、エンジンが始動するまでは、本発明における緩衝・蓄力手段の一部であるゼンマイ香箱130の蓄力方向の回転に追随せずに停止した状態におかれる。
前記回転駆動部Dと回転従動部Mとの間には、図1及び図2に示すように、本発明の緩衝・蓄力手段であるゼンマイ香箱130と同ゼンマイ香箱130に収納された蓄力用ゼンマイ131とが介装されている。本実施形態によれば、図6に一部を破断して拡大して示すように、前記ゼンマイ香箱130のゼンマイ収容部130aの内周面には、前記蓄力用ゼンマイ131の外側フック部131aと係合して、蓄力用ゼンマイ131を蓄力方向に巻き込むための複数個の突部130bが等間隔で突出している。この突部130bの形状は、前記リコイル用リール116の蓄力方向に回転したとき、蓄力用ゼンマイ131の上記外側フック部131aが係合するための係合面130b−1が形成され、その頂点部130b−2から反蓄力方向に向けて収容部130aの内周面に向けてなだらかに下傾斜する傾斜面130b−3が形成されている。一方、前記蓄力用ゼンマイ131の内側フック部131bは上記回転従動部Mのラチェットホイール120の上記円形突部123に形成されたU字状の上記切欠き溝123aに嵌着固定されている。前記ゼンマイ香箱130の従動部側の開放面は環状カバー133により閉塞され、内部に収容された蓄力用ゼンマイ131の軸線方向の動きを規制している。
前記突部130bは、トルクリミット機構の一部を構成しており、蓄力用ゼンマイ131の蓄力がエンジンを始動させるに十分な量に達すると、それ以上は外側フック部131aとの係合を維持できなくなり、外側フック部131aとの係合が外れて同外側フック部131aが前記突部130bを次々と越えていき、蓄力用ゼンマイ131にもそれ以上の蓄力ができなくなる。この外側フック部131aが前記突部130bを越えるときに発する音により、蓄力用ゼンマイ131の蓄力が限界に達したことを外部に知らしめる。なお、本実施形態にあっては、トルクリミット機構をゼンマイ香箱130と蓄力用ゼンマイ131との間で構成しているが、例えば回転従動部Mにトルクリミット機構を設けることもできる。
前記ゼンマイ香箱130の外周面には、図6及び図7に示すように内部に収納された蓄力用ゼンマイ131の蓄力方向(図6の時計方向)の回転は許容するが、その逆の回転を阻止する一方向回転機構としての複数の外周ラチェット歯130cが交互にピッチ差をもたせて一体に成形されている。この一方向回転機構としてはラチェット機構が一般的であるが、他にも多様な形式の一方向回転機構を採用することもでき、その設置部位も必ずしもゼンマイ香箱130の外周面に限らない。前記外周ラチェット歯130cに上記第1係脱部材141が係脱する。一方、ゼンマイ香箱130のリコイル用リール116と対面する背面中央部には、図7に示すように小ラチェット部132が形成されており、前記リコイル用リール116の前記小ラチェット部132との対面部には、図1に示すように、前記ゼンマイ香箱130を蓄力方向にのみ回転させるため、同小ラチェット部132のラチェット歯132aと弾性的に係脱する係脱爪杆116aが設けられている。上記外周ラチェット歯131cの上記第2係脱部材142との係合面は、蓄力用ゼンマイ131の蓄力方向に向けられており、ゼンマイ香箱130の背面側に設けられた前記小ラチェット部132のラチェット歯132aの前記係脱爪杆116aとの係合面は、上記回転従動部Mのラチェットホイール120の第1ラチェット部121のラチェット歯121aの係合面とは反対方向に向けられている。
図示例によれば、前記小ラチェット部132のラチェット歯132aは90°の位相差をもってゼンマイ香箱130に一体に形成されており、対する前記係脱爪杆116aは前記リコイル用リール116のゼンマイ香箱側の周縁部に180°の位相差をもたせて2個がリコイル用リール116の回転中心に関して点対称に配され、その一端をリコイル用リール116の周縁部に枢着している。この係脱爪杆116aは、図示せぬ捩じりバネ116bによって常に前記ラチェット歯132aと係合する方向に付勢されている。一対の係脱爪杆116aは4個の前記ラチェット歯132aのうち、180°の位相差をもって配される2個のラチェット歯132aと同時に係合して、リコイル用リール116とゼンマイ香箱130とが蓄力方向に回転し、反蓄力方向にはリコイル用リール116だけが回転可能とされる。
ここで、本実施形態にあっては、上記リコイル用リール116の2個の係脱爪杆116aが上記ゼンマイ香箱130の背面側に形成された小ラチェット部132の2つのラチェット歯132aと係合した状態にあるとき、リコイルロープ115を引いてリコイル用リール116を蓄力方向に回転させ、ゼンマイ香箱130を同じく蓄力方向(図6の時計方向)に回転させることにより、上記第2係脱部材142が係合して停止状態にある上記ラチェットホイール120との間で、蓄力用ゼンマイ131に十分な蓄力がなされるようにされている。蓄力用ゼンマイ131に十分な蓄力がなされたときに、第2係脱部材142とラチェットホイール120との係合を外すと図示せぬエンジンが瞬時に始動する。
図8は前記ゼンマイ香箱130の外周ラチェット歯130cに係脱する第1係脱部材141を拡大して示している。図9は上記ラチェットホイール120の大径の第1ラチェット部121と係脱する上記第2係脱部材142を示している。ここで、第1係脱部材141はゼンマイ香箱130がプラスチック製であるため、同じくプラスチックを使っており、第2係脱部材142は板金材料からなる。
前記第1係脱部材141は、図8に示すように、その略半部が円盤状の枢着部141aと、同枢着部141aから延出する三角板状の係脱爪部141bとを有し、残り半部が前記枢着部141aの中心と前記係脱爪部141bの先端とを結ぶ直線にほぼ直交して前記枢着部141aから逆方向に延出する同枢着部141aと同じ肉厚の板バネ部141cと、同板バネ部141cの自由端の一側面から前記枢着部141aの軸線と平行に突出しているピン141dとを有している。前記板バネ部141cは、前記枢着部141aの径方向に僅かに突出する基部141c−1と、同基部141c−1に続いて前記係脱爪部141bの延出方向とは逆方向に円弧状に湾曲して突出する湾曲部141c−2とからなる。また、前記枢着部141aには、上記半部ケース体101の内面から突出する軸部を遊挿する遊挿孔141a−1が形成されている。
以上の構成をもつ第1係脱部材141は本発明の特徴部の一部であって、その特有の構成により、エンジン始動装置100に組付けるにあたっても、単に後述する第2係脱部材142の長孔142bに先端のピン141dを挿入するとともに、半部ケース体101の所定位置に枢着させるだけの簡単な操作で容易に取り付けることができるだけでなく、従来のように係脱爪部141bをゼンマイ香箱130の外周ラチェット歯130cと係合する方向に付勢するための捩じりバネが不要となり、しかも第1始動モードと第2始動モードとの切換え機構全体の部品点数を少なくでき、同時にその機構をも簡略化できる。
一方の上記第2係脱部材142は、図9に示すように、全体がく字状に形成され、その中央部に枢着部142aを有し、一端部には上記第1係脱部材141のピン141dが挿入される長孔142bが形成されている。また、他端部には第2係脱部材142の肉厚方向に突出する係脱爪部142cを有している。前記第1及び第2係脱部材141,142は半部ケース体101の上壁面に近い位置に並んで回動自在に枢着されている。上記第1係脱部材141の前記係脱爪部141bは、上記ゼンマイ香箱130の外周面に形成された外周ラチェット歯130cと係脱し、第2係脱部材142の係脱爪部142cは上記ラチェットホイール120の大径の第1ラチェット部121と係脱するとともに、第2係脱部材142は捩じりバネ144によって前記係脱爪部142cが大径の第1ラチェット部121と係合する方向に付勢されている。また、第1及び第2係脱部材141,142が、上述のごとく半部ケース体101の所定位置に枢着され、この第2係脱部材142の長孔142bに上記第1係脱部材141のピン141dが挿入されると、第1係脱部材141の上記板バネ部141cのバネ力により常にラチェットホイール120と係合する方向に付勢されている。
本実施形態にあっては、図10に示すように、半部ケース体101の上面端部に前記第2係脱部材142とラチェットホイール120との係脱操作を行うための操作手段である回動スイッチ143が取り付けられている。この回動スイッチ143は、図3及び図10に示すように、円盤状枢着部143aから径方向に突出する摘み部143bと略130°の位相差をもって同円盤状枢着部143aから径方向に突出する台形状突部143cが形成されており、前記第2係脱部材142の上記長孔142bが形成されている側の端部上面と相対するように半部ケース体101の底壁部に図示せぬボスを介して回動自在に枢支されている。ここで、前記長孔142bには上記第1係脱部材141のピン141dが遊挿されている。
いま、回動スイッチ143の摘み部143bを、図10に仮想線で示す左側の位置から実線で示す右側へと回動させると、回動スイッチ143の台形状突部143cが前記第2係脱部材142の長孔142bが形成された側の端部上面から離れ、第2係脱部材142は、捩じりバネ144及び第1係脱部材141の板バネ部141cのバネ力によりラチェットホイール120のラチェット歯121aに係合する。このとき同時に、第1係脱部材141の板バネ部141cのバネ力によって第1係脱部材141もゼンマイ香箱130の外周ラチェット歯130cと係合する。
すなわち、回動スイッチ143を、図10及び図11に示すように時計方向に回動させると、第1及び第2係脱部材141,142が、それぞれゼンマイ香箱130の外周ラチェット歯130cとラチェットホイール120の大径ラチェット部121とにそれぞれ係合する。この状態が第2始動モードであり、この状態でリコイルロープ115を引いてリコイル用リール116を回転させると、ゼンマイ香箱130は蓄力方向に回転するが、第1係脱部材141と外周ラチェット歯130cとが係合しているため反対方向の回転は止められている。このとき回転従動部Mのラチェットホイール120は、蓄力用ゼンマイ131のバネ力を開放する方向の力を受けているが、第2係脱部材142が係合しているため、一切回転が止められている。そのため、リコイルロープ115を引いてリコイル用リール116を回転させると、ゼンマイ香箱130が蓄力方向に回転してラチェトホイール120との間で、専ら蓄力用ゼンマイ131の蓄力だけがなされる。
ここで、リコイルロープ115の引き操作を途中で止めてリコイルロープ115から手を離しても、そのまま蓄力はゼンマイ香箱130とラチェットホイール120との間に保持されることになる。従って、例えば力の弱い人による引き操作や、リコイルロープ115の引き操作が自由に行えないような場所では、何回かに分けてリコイルロープ115を引いて、蓄力用ゼンマイ131にエンジンを始動させるに十分なバネ力を貯えたのちに、第1及び第2係脱部材141,142の係合を解除して第1始動モードに切り換えれば、瞬時にエンジンを始動させることができる。このとき貯えられた蓄力がエンジンを始動させるに十分な力に達したかどうかは、既述したトルクリミット機構の作動により発せられる報知信号により確実に知ることができる。
第1始動モードに切り換えるには、上記回動スイッチ143を図10に示す実線の位置から仮想線の左側の位置へと回動させると、図12に示すように第2係脱部材142の長孔142bが形成された側の上面から離間していた回動スイッチ143の台形状突部143cが前記長孔142bが形成された側の本体上面に押し付けられ、捩じりバネ144及び第1係脱部材141の板バネ部141cのバネ力に抗して第2係脱部材142を時計方向に回動させる。この回動により、第2係脱部材142とラチェットホイール120の第1ラチェット部121との係合が解除される。このとき同時に、第1係脱部材141の板バネ部141cの反発力が働き、第1係脱部材141の係脱爪部141bとゼンマイ香箱130の外周ラチェット歯130cとの係合が外れる。この状態が第1始動モードである。
このように第2始動モードにあって蓄力用ゼンマイ131にエンジンを始動させるに十分な蓄力がなされたとき、ゼンマイ香箱130の外周ラチェット歯130cとラチェットホイール120の第1ラチェット部121との係合が外れた第1始動モードに切り換えると、瞬時にエンジンを始動させることができる。ここで、エンジンの回転速度が所定の速度を越えると、エンジン側のファン106に取り付けられた遠心クラッチ機構の上記杆状係脱部材107が遠心力を受けて、図11に示すように、その爪部107bと前記ラチェットホイール120の小径の第2ラチェット部122との係合が外れ、前記ラチェットホイール120の回転は自動的に停止するが、エンジンの回転は続けられる。
ところで、以上の説明は第2係脱部材142を回転従動部Mのラチェットホイール120の第1ラチェット部121に係合させて蓄力開放方向の回転を禁止した第2始動モードにあるとき、リコイルロープ115を引いてリコイル用リール116を介してゼンマイ香箱130を一方向に回転させて蓄力用ゼンマイ131に蓄力し、その蓄力がエンジンを始動させるに十分な蓄力となったとき、前記第2係脱部材142を操作して第1ラチェット部121との係合を解除し第1始動モードに切り換えて、遠心クラッチ機構である第2ラチェット部122と杆状係脱部材107との係合を維持しながらエンジンを始動させる場合について説明した。
しかるに、熟練作業者にとっては前述のような蓄力用ゼンマイ131の蓄力操作を予め行ってからエンジンを始動させるのは、作業の効率化を妨げるとして敬遠する場合が多い。本実施形態では、回動スイッチ143の摘み部143bを、図10の実線位置から仮想線の位置へと回動させた第1始動モードにあるとき、リコイルロープ115を引いてリコイル用リール116を回転させることによりゼンマイ香箱130を回転させる。蓄力用ゼンマイ131にエンジンの最大負荷を越えるに十分な蓄力がなされる前は、エンジンの上記ファン106に取り付けられた上記遠心クラッチ機構の杆状係脱部材107と係合している第2ラチェット部122は、未だクランク軸105を回転させることができず停止したままであり、ラチェットホイール120の回転も停止している。ここで、蓄力用ゼンマイ131に、エンジンの最大負荷を越える十分なバネ力が蓄えられると、自動的にラチェットホイール120を蓄力の開放方向に回転させ、前記遠心クラッチ機構を介してエンジンのクランク軸105が回転してエンジンを始動させる。
この蓄力時の途中で、前記リコイルロープ115の引き操作を止めると、上記ゼンマイ香箱130及びラチェットホイール120が第1及び第2係脱部材141,142と係合していないため、ラチェットホイール120及びゼンマイ香箱130は逆転を始め、それまで蓄力されていた蓄力用ゼンマイ131のバネ力が自動的に開放される。このとき、第1係脱部材のバネ力や形状を、ラチェットホイール120がゼンマイ香箱130の逆転よりも僅かに早く逆転を始めるように設計されており、そのラチェットホイール120の回転力がクランク軸に十分伝達されたのちに、ゼンマイ香箱130の逆転が始まるようにしている。その結果、エンジンを始動したのちの蓄力用ゼンマイ131に残された蓄力は自然と開放され、不用意にエンジンが始動させてしまうような恐れはない。
また本実施形態にあっては、上記ラチェットホイール120の耐久性を向上させるため、その第1ラチェット部121のラチェット歯121aの形状にも改良がなされている。通常、この種のラチェットホイールのラチェット歯はホイール本体から径方向の外側に立ち上がる係合面を有する平たい直角三角形状に作られている。かかる形状のラチェット歯であると、たとえラチェットホイール及び同ラチェットホイールと係脱するラチェット爪部とを金属製で作っても、第2係脱部材142との係脱の回数が増えるとラチェット歯121aの係脱面及びラチェット爪部の係脱面に摩耗が生じ、僅かな衝撃を受けても係合が外れてしまうようになる。また、前記ラチェット歯121aの係脱面の立ち上がり基端部とラチェットホイール120の本体との間に形成される隅角部に第2係脱部材142の爪部が強く当たると、そこにラチェットホイール120の中心側に向かうクラックが発生することがある。これらの課題を解消しようとして、従来は前記ラチェット歯121a及びラチェット爪部の、特に係脱面に窒化加工などの表面処理を施して、表面硬度を高めて摩耗を避けるようにしていた。しかしながら、上記課題は一向に解消されていない。
そこで本実施形態にあっては、図4に示すように、上記第1ラチェット部121のラチェット歯121aの係脱面を径方向から係脱側へと所定の傾斜角αをもって外側に向けて傾斜させて立ち上げており、同時に前記ラチェット歯121aの立ち上がり基端部とホイール本体との間に形成される隅角部にホイール中心側に向けて所要の長さの切欠き部121bを形成している。ラチェット歯121aの係脱面を径方向から係脱側に向けて所定の傾斜角αをもって傾斜させて立ち上げているため、その歯先部分が摩耗しても、係脱面の基部側が傾斜角αにより、係合時に相手方の係脱爪部が確実に把持係止して簡単には離脱しなくなる。また、前記ラチェット歯121aの立ち上がり基端部とホイール本体との間に形成される隅角部に切欠き部121bを形成しているため、同隅角部に作用する衝撃力が切欠き部121bを介して分散し、クラックなどの発生がなくなり、更に耐久性が増す。
また、第2係脱部材142を板金からプレス加工により製作する場合は、図9に示すように、その第2係脱部材142の長孔が形成されている異端部とは反対側の他端を直角に折り曲げて係着爪部142cを形成する。こうすることにより、その係脱爪部142cの折曲げ長さにより相手方の第1ラチェット部121のラチェット歯121aとの係合部におけるクランク軸線方向の掛かり幅を大きく取ることができ、第1ラチェット部121と前記係脱爪部142cとの係合部において、クランク軸線方向の動きがある程度許容できるようになるため、僅かな外力により係合が解除されることを防止することができる。また、第2係脱部材142と第1ラチェット部121とが金属製であるとき、前記第2係脱部材142の材質を第1ラチェット部121の材質に比べて硬度を低くしておけば、繰返しの使用により同係脱部材側が磨耗するようになっており、その磨耗も第1ラチェット部121との係合がクランク軸線方向の動きを規制する形状へと磨耗するので、係合が更に強固なものとなる。
本発明の代表的な実施形態であるエンジン始動装置の構成部材の配置例を示す分解斜視図である。 同エンジン始動装置と小型エンジンとの組付け構造例を示す縦断面図である。 同エンジン始動装置の回転従動部の構成を示す斜視図である。 前記回転従動部におけるラチェットホイールの背面図である。 同ラチェットホイールを背面側から見た斜視図である。 前記エンジン始動装置の緩衝・蓄力部のゼンマイ香箱を一部切開して示すエンジン側から見た正面図である。 前記ゼンマイ香箱を背面側から見た斜視図である。 前記ゼンマイ香箱の外周ラチェット歯と係脱する第1係脱部材の立体図である。 前記ラチェットホイールの第1ラチェット部と係脱する第2係脱部材の立体図である。 上記実施形態における始動モード切換え操作の説明図である。 第2始動モード時にあるときの第1及び第2係脱部材の状態を示すエンジン側から見た正面図である。 第1始動モード時にあるときの第1及び第2係脱部材の状態を示すエンジン側から見た正面図である。
符号の説明
100 エンジン始動装置
101 半部ケース体
101a 円筒ボス部
102 止めネジ
105 クランク軸
106 ファン
106a 枢支部
106b 止めネジ
107 杆状係脱部材
107a 杆状係脱部本体
107b 爪部
110 リコイル用ゼンマイ
110a 外側フック端
112 円形孔
113 ゼンマイケース
114 グリップ
115 リコイルロープ
116 リコイル用リール
116a 係脱爪杆
120 ラチェットホイール
121,122 第1及び第2のラチェット部
121a,122a ラチェット歯
123 円形突部
123a (U字状の)切欠き溝
130 ゼンマイ香箱
130a ゼンマイ収容部
130b 突部
130b−1 係合面
130b−2 頂点部
130b−3 傾斜面
130c 外周ラチェット歯
131 蓄力用ゼンマイ
131a 外側フック部
131b 内側フック部
132 小ラチェット部
132a ラチェット歯
133 環状カバー
141,142 第1及び第2係脱部材
141a 枢着部
141b 係脱爪部
141c 板バネ部
141d ピン
142a 枢着部
142b 長孔
142c 係脱爪部
143 回動スイッチ
143a 枢着部
143b 摘み部
143c 台形状突部
144 捩じりバネ
D 回転駆動部
M 回転従動部
O,O’ 中心
α ラチェット歯の傾斜角

Claims (5)

  1. 回転駆動部と、該回転駆動部の駆動力を緩衝しつつ蓄力する緩衝・蓄力手段と、該緩衝・蓄力手段の蓄力の解放によりエンジンを始動させる回転従動部とを備え、前記緩衝・蓄力手段に蓄えられた蓄力がエンジン始動に必要な蓄力とされたとき、その蓄力が開放されて前記回転従動部へと伝達され、同回転従動部を介してエンジンを始動させるエンジン始動装置にあって、
    前記緩衝・蓄力手段と係脱して、前記緩衝・蓄力手段の反転を阻止/許容する第1係脱部材と、前記第1係脱部材を前記緩衝・蓄力手段に係合離脱させる切換え操作手段と、前記第1係脱部材の係脱動作と連繋して前記回転従動部に係脱するく字状の第2係脱部材とを有してなり、
    前記第1係脱部材が、その一端側に、エンジン始動装置のケース体に回動可能に枢着される枢着部と、同枢着部から延在する第1係脱爪部とを有し、前記枢着部を挟んだ反対側には板バネ部が延設され、前記板バネ部の先端に前記枢着部の軸線と平行なピンが突設されてなり、
    前記第2係脱部材は、その中央部にエンジン始動装置のカバーに回転可能に枢着される枢着部を有し、その一端側に第2係脱爪部を有するとともに、他端部には長孔が形成され、常には前記第2係脱爪部が、前記回転従動部と係合する方向に付勢されてなり、
    前記第1係脱部材の前記ピンが、前記第2係脱部材の長孔に挿入され、前記板バネ部のバネ力により前記第1係脱爪部が、前記緩衝・蓄力手段と係合する方向に付勢されてなることを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記切換え操作手段は、前記第2係脱部材を、前記回転従動部と係合する方向に付勢している付勢に抗して、前記回転従動部との係合が解除される方向に回動させて前記回転従動部との係合を解除するとともに、同第2係脱部材の回動を受けて、前記第1係脱部材の前記ピンを前記第2係脱部材の長孔内摺動させて、前記板バネ部のバネ力に抗して第1係脱部材を、前記緩衝・蓄力手段との係合が解除される方向に回動させ、前記第1係脱爪部と前記緩衝・蓄力手段との係合を解除する操作部材を有してなることを特徴とする請求項記載のエンジン始動装置。
  3. 前記操作部材は、エンジン始動装置のカバーに回動可能に枢着され、前記第2係脱部材との対向面にカム面が形成されてなることを特徴とする請求項記載のエンジン始動装置。
  4. 前記緩衝・蓄力部が、前記第1係脱部材と係脱するゼンマイ香箱、及び同香箱に一端が支持され他端が前記回転従動部に支持された蓄力用ゼンマイを有し、
    前記回転従動部が、前記第2係脱部材と係脱するラチェットホイールを有してなる、
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエンジン始動装置。
  5. 前記緩衝・蓄力手段による蓄力がエンジン始動に必要な負荷を越えたとき作動するトルクリミット機構を更に有してなることを特徴とする請求項1記載のエンジン始動装置。
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