JP2001050143A - エンジン始動装置 - Google Patents

エンジン始動装置

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JP2001050143A
JP2001050143A JP11224648A JP22464899A JP2001050143A JP 2001050143 A JP2001050143 A JP 2001050143A JP 11224648 A JP11224648 A JP 11224648A JP 22464899 A JP22464899 A JP 22464899A JP 2001050143 A JP2001050143 A JP 2001050143A
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Japan
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engine
way clutch
gear
rotation
inner ring
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JP11224648A
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English (en)
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Shigeaki Kuwabara
茂明 久和原
Kazumi Miyashita
和巳 宮下
Keizo Shimizu
敬三 清水
Taro Kihara
太郎 木原
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Honda Motor Co Ltd
Starting Industrial Co Ltd
Original Assignee
STARTING IND
Honda Motor Co Ltd
Starting Industrial Co Ltd
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  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルモータの逆転を防いでコストを抑えるこ
とができるエンジン始動装置を提供する。 【解決手段】 第1ワンウエイクラッチ40は、セルモ
ータ31側に内輪41をつなぎ、内輪41にスイング自
在にラチェット44を取り付け、ラチェット44を内輪
41にばね46で押付けることで外輪47から離し、外
輪47をクランクシャフト13側につないだものであ
る。さらに、第1ワンウエイクラッチ40は、セルモー
タ31で内輪41の回転数を所定回転数まで高めたと
き、ラチェット44が遠心力で外側に突出して外輪47
に噛み合うように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセルスタータ機構で
エンジンを始動するエンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】農業用器具や除雪用ロータリに使用する
エンジンのなかには、セルスタータ機構とリコイルスタ
ータ機構との2系統を組み合わせたエンジン始動装置を
備えたものがある。セルスタータ機構は、セルモータを
スタータボタンで駆動して、セルモータの回転をクラン
クシャフトに伝えることによりエンジンを始動するもの
であり、スタータボタンを押すだけでエンジンを始動さ
せることができるので、使い勝手がよい。
【0003】しかし、農業用器具や除雪用ロータリは、
いわゆる季節商品であるから1年のうちの限られた期間
のみ使用する。このため、残りの未使用期間にバッテリ
があがってしまい、セルモータでエンジンを始動させる
ことができないことがある。
【0004】一方、リコイルスタータ機構は、手で始動
用ロープを引張って、クランクシャフトに回転を伝える
ことによりエンジンを始動するものである。この機構
は、手動でクランクシャフトを回転するので、バッテリ
があがってもエンジンを始動することができるという利
点がある。
【0005】これら2系統の始動システムを組み合わせ
たエンジン始動装置として、例えば特開平2−1088
54号公報「エンジンの始動装置」が知られている。こ
の技術を、次図で詳しく説明する。
【0006】図13(a),(b)は従来のエンジン始
動装置の第1作動原理図であり、上記従来の技術に示す
第3図を再掲したところの模式図である。(符号並びに
名称は従来の技術と相違する)。この図でセルスタータ
機構でエンジンを始動する例を示す。(a)において、
エンジン始動装置100のセルモータ101が回転する
と、駆動軸102の回転が第1ギヤ103→第2ギヤ1
04→第1中間軸105に伝わる。次に、第1中間軸1
05の回転が第3ギヤ106→第4ギヤ107→第2中
間軸108に伝わる。
【0007】次いで、第2中間軸108の回転が第1ワ
ンウエイクラッチ110→第5ギヤ113→第6ギヤ1
14に伝わる。続いて、第6ギヤ114の回転が第3ワ
ンウエイクラッチ115→クランクシャフト116に伝
わる。この結果、クランクシャフト116が回転してエ
ンジン118が始動する。このとき、第2ワンウエイク
ラッチ120は第6ギヤ114の回転をプーリ121に
伝えないようにする。
【0008】(b)は(a)の第1ワンウエイクラッチ
110に用いられるような一般的なワンウエイクラッチ
の模式図である。(b)に示すように、第1ワンウエイ
クラッチ110は、第2中間軸108に取付けた内輪1
10aと、内輪110aに同心の外輪110bと、内輪
110aの外周面に形成した回転方向にクサビ状の凹部
110cと、凹部110cに収納したボール110d
と、ボール110dを凹部110cのクサビ方向に弾発
するばね110eとからなる、一般的な一方向クラッチ
である。第2中間軸108が矢印x方向に回転すると内
輪111aも同じ方向に回転する。このため、外輪11
0bの内周面と凹部110cとの間にボール110dが
くい込み、クサビ作用によって、内輪110aと外輪1
10bとの間を連結する(クラッチオン)。この結果、
第2中間軸108の回転は外輪110bに伝わる。従っ
て、(a)に示す第5ギヤ113が矢印x方向に回転す
る。これで、(a)で説明したようにクランクシャフト
116が回転してエンジン118が始動する。
【0009】図14(a),(b)は従来のエンジン始
動装置の第2作動原理図であり、上記図13に示すエン
ジン始動装置のリコイルスタータ機構でエンジンを始動
する例を示す。(a)において、作業者がグリップ12
2で始動用ロープ123を矢印の如く引っ張ることによ
り、プーリ121の回転が第2ワンウエイクラッチ12
0→第3ワンウエイクラッチ115→クランクシャフト
116に伝わる。これにより、クランクシャフト116
が回転してエンジン118が始動する。このとき、第5
ギヤ113が矢印x方向に回転して、その回転が第1ワ
ンウエイクラッチ110に伝わる。
【0010】(a)の第5ギヤ113が矢印x方向に回
転することにより、(b)に示す第1ワンウエイクラッ
チ110の外輪110bも同じ矢印x方向に回転する。
従って、外輪110bの内周面と凹部110cとの間に
くい込んだボール110dが外れて、内輪110aと外
輪110bとの間の連結を解除する(クラッチオフ)。
このため、(a)において第5ギヤ113の回転がセル
モータ101に伝わらない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図15(a),(b)
は従来のエンジン始動装置の第3作動原理図であり、上
記図13に示すエンジン始動装置のエンジンが逆転する
例を示す。(a)において、エンジン118を停止する
際にピストンが上死点を越えられなくてクランクシャフ
ト116が矢印の如く逆転する場合がある。クランクシ
ャフト116の回転は第3ワンウエイクラッチ115→
第6ギヤ114→第5ギヤ113から第1ワンウエイク
ラッチ110まで伝わる。
【0012】(a)の第5ギヤ113が矢印y方向に回
転することにより、(b)に示す第1ワンウエイクラッ
チ110の外輪110bも同じ矢印y方向に回転する。
このため、外輪110bの内周面と凹部110cとの間
にボール110dがくい込み、クサビ作用によって、内
輪110aと外輪110bとの間を連結する(クラッチ
オン)。この結果、内輪110a並びに第2中間軸10
8は矢印y方向に回転する。
【0013】従って、第2シャフト108の回転が、
(a)に示すように第4ギヤ107→第3ギヤ106→
第1中間軸105→第2ギヤ104→第1ギヤ103→
駆動軸102に伝わり、セルモータ101が逆転してし
まうことがある。このため、セルモータ101の逆転を
考慮して、セルモータ101の構成部材の強度を大幅に
高める必要があり、そのことがコストアップの要因にな
っている。
【0014】一方、エンジンを除雪用ロータリに搭載し
た場合、ロータリの部分に多量の雪が推積したままセル
モータを駆動してしまうことがある。ことのき、ロータ
リの回転が雪で阻止され、クランクシャフトが回転しな
い場合がある。このため、セルモータに過大な負荷がか
かるので、セルモータの構成部材の強度を大幅に高める
必要がある。この結果、エンジン始動装置のコストを抑
えることは難しい。
【0015】そこで、本発明の目的は、セルモータの逆
転を防ぎ、かつセルモータに過大な負荷がかかることを
防ぐことができるエンジン始動装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1は、セルモータの回転をワンウエイクラッチ
を介してクランクシャフトに伝える形式のエンジン始動
装置において、ワンウエイクラッチが、セルモータ側に
内輪をつなぎ、内輪にスイング自在にラチェットを取り
付け、ラチェットを内輪にばねで押付けることで外輪か
ら離し、外輪をクランクシャフト側につないだ構成に
し、セルモータで内輪の回転数を所定回転数まで高めた
とき、ラチェットが遠心力で外側に突出して外輪に噛み
合う様にしたことを特徴とする。
【0017】ワンウエイクラッチのラチェットを内輪に
スイング自在に取り付け、このラチェットを内輪にばね
で押付けることで外輪から離す構成にした。外輪の回転
を内輪に伝わらないようにすることができる。このた
め、エンジンが逆転してクランクシャフトの回転が外輪
に伝わっても内輪は回転しないので、セルモータが逆転
することはない。
【0018】請求項2は、セルモータの駆動軸にトルク
リミッタを取付け、セルモータに過負荷がかかったとき
にトルクリミッタをスリップさせるようにしたことを特
徴とする。
【0019】セルモータの駆動軸にトルクリミッタを取
付けて、セルモータに過負荷がかかったときにトルクリ
ミッタをスリップさせる構成にした。従って、セルモー
タに過負荷がかかることを防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るエンジン始動装置を使
用したエンジンの正面図である。エンジン10は、クラ
ンクケース12の上方にシリンダ14を取り付け、シリ
ンダ14にピストン15を配置し、ピストン15の右側
に排気管16を取り付け、クランクケース12にエンジ
ン始動装置20を取り付けたものである。エンジン始動
装置20は、セルスタータ機構30及びリコイルスター
タ機構60の2系統のスタータ機構を備えた装置であ
る。
【0021】図2は図1の2−2線断面図であり、エン
ジン始動装置20の断面図を示す。エンジン始動装置2
0は、クランクケース12に取り付けたケース22と、
ケース22内に収納したセルスタータ機構30及びリコ
イルスタータ機構60と、セルスタータ機構30に組み
込んだトルクリミッタ80とからなる。
【0022】ケース22は、外側に突出したカップ状の
アウタケース23に略平板状のインナケース24を内側
から取り付けたものである。以下、セルスタータ機構3
0、リコイルスタータ機構60及びトルクリミッタ80
について詳しく説明する。
【0023】セルスタータ機構30は、図示しないスタ
ートボタンを押すことにより、セルモータ(始動電動
機)31を駆動してエンジンを始動する自動始動機構
(セルフスタータ)である。このセルスタータ機構30
は、ケース22に取り付けたセルモータ31と、セルモ
ータ31の駆動軸34にトルクリミッタ80を介して連
結した第1ギヤ36と、第1ギヤ36と噛み合う第2ギ
ヤ37と、第2ギヤ37にワンウエイクラッチ(以下、
「第1ワンウエイクラッチ」という)40を介して連結
した第3ギヤ50と、第3ギヤ50と噛み合う第4ギヤ
51と、第4ギヤ51にラバーダンパ52を介して連結
した出力軸53とからなる。なお、第1ワンウエイクラ
ッチ40については、図3〜図4で詳しく説明する。
【0024】第2ギヤ37及び第3ギヤ50は、第1中
間軸55に回転自在に取付けたものである。また、第4
ギヤ51及び出力軸53は、第2中間軸56に回転自在
に取付けたものである。ラバーダンパ52は、第4ギヤ
51と出力軸53との間の脈動や振動を緩和する部材で
ある。
【0025】リコイルスタータ機構60は、始動用ロー
プ61をグリップ62で引張ってエンジンを始動する手
動始動機構である。このリコイルスタータ機構60は、
始動用ロープ61を巻き付けるプーリ63と、引張り出
した始動用ロープ61をプーリ63に巻戻すためにプー
リ63を元の位置に復帰させるリターンスプリング64
と、プーリ63を第4ギヤ51に連結する第2ワンウエ
イクラッチ65とからなる。
【0026】プーリ63は、アウタケース23の支軸部
23aに回転自在に取付けたものである。第2ワンウエ
イクラッチ65は、プーリ63の回転を第4ギヤ51に
伝えることができ、かつ第4ギヤ51の回転をプーリ6
3に伝えないようにすることができるクラッチである。
図中、66はエンジンが停止するときにプーリ63の逆
転を防ぐラチェットガイドである。
【0027】ところで、出力軸53は伝達機構70を介
してクランクシャフト13に連結したものである。伝達
機構70は、出力軸53に第3ワンウエイクラッチ72
を介して第1カップリング73を連結し、第1カップリ
ング73に第2カップリング74を介してクランクシャ
フト13に連結したものである。第3ワンウエイクラッ
チ72は、出力軸53の回転をクランクシャフト13に
伝えることができ、クランクシャフト13の回転を出力
軸53に伝えないようにすることができるクラッチであ
る。
【0028】従って、セルスタータ機構30でエンジン
を始動する際には、セルモータ31を作動させて駆動軸
34を回転すると、駆動軸34の回転がトルクリミッタ
80→第1ギヤ36→第2ギヤ37→第1ワンウエイク
ラッチ40→第3ギヤ50→第4ギヤ51→ラバーダン
パ52→出力軸53→第3ワンウエイクラッチ72→第
1カップリング73→第2カップリング74を介してク
ランクシャフト13に伝わる。この結果、クランクシャ
フト13が回転してエンジンが始動する。
【0029】一方、リコイルスタータ機構60でエンジ
ンを始動する際には、始動用ロープ61をグリップ62
で引張ってプーリ63を回転することにより、プーリ6
3の回転が第2ワンウエイクラッチ65→第4ギヤ51
→ラバーダンパ52→出力軸53→第3ワンウエイクラ
ッチ72→第1カップリング73→第2カップリング7
4を介してクランクシャフト13に伝わる。この結果、
クランクシャフト13が回転してエンジンが始動する。
【0030】図3は本発明に係る第2ギヤ、第1ワンウ
エイクラッチ並びに第3ギヤの側面断面図である。第2
ギヤ37は、第1中間軸55に嵌合するための孔41a
を有するリング状のハブ41(以下、「内輪41」と言
う。)と、内輪41よりも大径のリング状のギヤ部37
aと、内輪41とギヤ部37aとを繋いだ側壁部38と
を一体に形成したものである。内輪41の外周面とギヤ
部37aの内周面と側壁部38との間には、空間部39
を有する。第3ギヤ50はその左側部に、前記空間部3
9に差込み可能なリング状の外輪47を一体に形成した
ものである。内輪41、ギヤ部37a及び外輪47は第
1中間軸55と同軸上に配列したものである。このよう
にして、セルモータ側のギヤ部37aに内輪41をつな
ぎ、クランクシャフト側の第3ギヤ50に外輪47を繋
いだ。
【0031】第1ワンウエイクラッチ40は、内輪41
と、内輪41に支持ピン42・・・(・・・は複数個を示す。
以下同じ。)でスイング自在に取付けたラチェット44
・・・と、ラチェット44・・・を内輪41に押付けるばね4
6・・・と、外輪47の内周面に形成したカム部48・・・と
からなる。以下、第1ワンウエイクラッチ40を具体的
に説明する。
【0032】支持ピン42は、その基端の大径部42a
を側壁部38の凹部38aに嵌合することで支承し、中
央の中径部42bにラチェット44を回転自在に取り付
け、先端の小径部42cをプレート49の差込孔49a
に嵌合することで支承したものである。プレート49は
内輪41に取付けたものである。これにより、支持ピン
42を大径部42a及び小径部42cの両端支持とする
ことができる。凹部38aは、内輪41の近傍で、内輪
41と一体の側壁部38に設けたものである。このよう
な凹部38aに支持ピン42でラチェット44を取付け
たものであるから、ラチェット44は内輪41に取付け
たものであると言える。
【0033】図4は図3の4−4線断面図であり、内輪
41に複数の支持ピン42・・・を介してラチェット44・
・・の基部をスイング自在に取り付け、ラチェット44・・
・をばね46・・・で内輪41に押付けることで、ラチェッ
ト44・・・を外輪47から離した状態の第1ワンウエイ
クラッチ40を示す。
【0034】複数のラチェット44・・・は、細長いスイ
ング部材であって、内輪41に所定の等角度間隔で配置
したものである。外輪47は、ラチェット44・・・の先
端45が噛み合い可能な凹部からなる複数のカム部48
・・・を、内周面に形成したものである。カム部48・・・の
数量は、ラチェット44・・・の数量と同一又は倍数に設
定することになる。例えばこの図に示すように、4個の
ラチェット44・・・に対して、カム部48・・・の数量を2
倍の8個に設定する。カム部48・・・の数量をラチェッ
ト44・・・の数量の倍数に設定すれば、内輪41の回転
角が小さくても、ラチェット44・・・がカム部48・・・に
噛み合い易くなる。このため、第1ワンウエイクラッチ
40の切換え動作は一層円滑になる。
【0035】このような第1ワンウエイクラッチ40
は、外輪47が矢印A方向と矢印B方向のどちらに回転
しても、これらの回転を内輪41に伝えることがない。
また、内輪41が矢印A方向に回転すると、その回転が
所定回転数を越えたときに、ラチェット44・・・の先端
45・・・は、ばね46・・・の押付力に抗して遠心力で外側
に突出し、カム部48・・・に噛み合うことができる。従
って、内輪41の回転を外輪47に伝えて、外輪47を
矢印A方向に回転させることができる。なお、ばね46
は、ねじりばねである。
【0036】図5は本発明に係るトルクリミッタの側断
面図である。トルクリミッタ80は、セルモータ31の
駆動軸34に連結したもので、セルモータ31に過負荷
がかかることを防ぐものである。
【0037】このトルクリミッタ80は、第1ギヤ36
と一体に形成してセルモータ31の駆動軸34に回転自
在に取り付けた内輪82と、内輪82の外周面に一定間
隔をおいて形成した凹部83・・・と、凹部83・・・に配置
したロックピン84・・・と、ロックピン84・・・の中央溝
84a・・・に配置してロックピン84・・・を凹部83・・・
に押し付けるコイルばね85と、内輪82の外側に配置
して収納凹部86・・・にロックピン84・・・を収納した外
輪87と、外輪87に一体形成して駆動軸34に固定し
た筒体89とからなる。なお、各構成部材については図
6及び図7で詳しく説明する。
【0038】図6は図5の6−6線断面図であり、内輪
82の外周面82aに、所定の角度間隔で複数の凹部8
3・・・を形成し、また、外輪87の内周面87aに、凹
部83・・・と対向する複数の収納凹部86・・・を形成し、
各凹部83・・・と収納凹部86・・・との間にロックピン8
4・・・を介在させるようにした、トルクリミッタ80を
示す。収納凹部86はロックピン84の全体を収納可能
な深さの溝である。
【0039】図7は図5の7−7線断面図であり、内輪
82の凹部83・・・にロックピン84・・・を配置し、ロッ
クピン84・・・の中央溝84a・・・にループ状のコイルば
ね85を配置し、コイルばね85でロックピン84・・・
を内輪82の凹部83・・・に押し付けたロック状態を示
す。なお、外輪87の内周にはコイルばね85を収納す
るための内周溝88(図5も参照)を形成した。従っ
て、図5に示すトルクリミッタ80は、駆動軸34の回
転を筒体89→外輪87→ロックピン84・・・→内輪8
2→第1ギヤ36に伝えることができる。なお、ループ
状のコイルばね85であるから、1ケのみで全てのロッ
クピン84・・・を凹部83・・・に押し付けることができ
る。
【0040】以上に述べたエンジン始動装置20の作用
を次に説明する。図8は本発明に係る第1ワンウエイク
ラッチの動作を説明したグラフである。縦軸はラチェッ
ト44の姿勢(スイング状態)を示し、横軸は内輪41
の回転数を示す。内輪41の回転数がN1(スイング開
始回転数)以下のとき、ばね46の押付力でラチェット
44を内輪41に押付けて、ラチェット44の先端45
と外輪47のカム部48との噛み合いを解除する(以
下、この姿勢を「オフ位置」という)。
【0041】次に、内輪41の回転数がN1〜N2の範
囲のとき、ラチェット44の先端45が遠心力でばね4
6の押付力に抗して内輪41から外輪47に向けて徐々
に突出する。次いで、内輪41の回転数がN2(所定回
転数)に到達したとき、ラチェット44の先端45が外
輪47のカム部48に噛み合う(以下、この姿勢を「オ
ン位置」という)。
【0042】図9は本発明に係る第1ワンウエイクラッ
チの動作とセルモータの回転数との関係を示したグラフ
である。縦軸は第1ワンウエイクラッチの内輪の回転数
を示し、横軸はセルモータが駆動してから停止するまで
の時間を示す。先ず、セルモータが駆動して内輪の回転
数がN2(所定回転数)まで到達すると、ラチェットが
オン位置まで突出する。クラッチオンになりクランクシ
ャフトが回転を開始する。次に、セルモータの回転数が
最大になり内輪が最大回転数N3で回転する。
【0043】エンジンが始動した後にセルモータをオフ
にする。内輪の回転数がN1(スイング開始回転数)ま
で低下してラチェットがオフ位置まで移動する。このた
め、クラッチオフになり外輪の回転が内輪に伝わらない
ので、エンジンが始動した後クランクシャフトの回転が
セルモータに伝わることはない。
【0044】次に、セルスタータ機構30でエンジンを
始動する例を図2及び図10に基づいて説明する。図2
において、セルモータ31を作動させて駆動軸34を回
転することにより、駆動軸34の回転がトルクリミッタ
80→第1ギヤ36→第2ギヤ37→第1ワンウエイク
ラッチ40に伝わる。以下、第1ワンウエイクラッチ4
0の作用を説明する。
【0045】図10は本発明に係る第1ワンウエイクラ
ッチの第1作用説明図である。セルモータの回転が第1
ワンウエイクラッチ40に伝わることにより、第1ワン
ウエイクラッチ40の内輪41が矢印の如く回転す
る。内輪41の回転数がN1(スイング開始回転数)に
到達することにより、ラチェット44・・・の先端45・・・
が遠心力で矢印の如く外側に突出する。そして、内輪
41の回転数がN2(所定回転数)まで到達するとラチ
ェット44・・・が外輪47のカム部48・・・に噛み合い、
外輪47が矢印の如く回転する。
【0046】これにより、外輪47の回転が図2に示す
第3ギヤ50→第4ギヤ51→ラバーダンパ52→出力
軸53→第3ワンウエイクラッチ72→第1カップリン
グ73→第2カップリング74を介してクランクシャフ
ト13に伝わり、エンジンが始動する。
【0047】次いで、リコイルスタータ機構60でエン
ジンを始動する例を図2及び図11に基づいて説明す
る。図2において、始動用ロープ61をグリップ62で
引張ってプーリ63を回転することにより、プーリ63
の回転が第2ワンウエイクラッチ65→第4ギヤ51→
ラバーダンパ52→出力軸53→第3ワンウエイクラッ
チ72→第1カップリング73→第2カップリング74
を介してクランクシャフト13に伝わり、エンジンが始
動する。このときの、第4ギヤ51の回転が第3ギヤ5
0→第1ワンウエイクラッチ40まで伝わる。以下、第
1ワンウエイクラッチ40の作用を説明する。
【0048】図11は本発明に係る第1ワンウエイクラ
ッチの第2作用説明図である。リコイルスタータ機構で
エンジンを始動ときにはセルモータが停止しているので
内輪41は回転しない。このため、ラチェット44・・・
をばね46・・・の押付力で内輪41に矢印の如く押付
けて、ラチェット44・・・の先端45・・・と外輪47のカ
ム部48・・・との噛み合いを解除している。
【0049】従って、図2に示すリコイルスタータ機構
60でエンジンを始動する際に、第4ギヤ51の回転は
第3ギヤ50まで伝わって、外輪47が矢印の如く回
転しても、外輪47の回転は内輪41に伝わらない。こ
のため、リコイルスタータ機構でエンジンを始動する際
に、リコイルスタータ機構側の回転がセルモータに伝わ
ることはない。
【0050】続いて、エンジンが逆転したときの例を図
2及び図11に基づいて説明する。図2において、エン
ジンが逆転することにより、クランクシャフト13の回
転が第2カップリング74→第1カップリング73→第
3ワンウエイクラッチ72→出力軸53→ラバーダンパ
52→第4ギヤ51→第3ギヤ50→第1ワンウエイク
ラッチ40まで伝わる。
【0051】このとき、セルモータ31は停止している
ので、図11に示すように、第1ワンウエイクラッチ4
0のラチェット44・・・をばね46・・・の押付力で内輪4
1に矢印の如く押付けて、ラチェット44・・・と外輪
47のカム部48・・・との噛み合いを解除している。従
って、エンジンが逆転してクランクシャフト13の回転
が第3ギヤ50まで伝わって(図2参照)、外輪47が
矢印の如く回転しても、外輪47の回転は内輪41に
伝わらない。
【0052】このため、エンジンが逆転しても、クラン
クシャフトの回転がセルモータに伝わらない。従って、
セルモータの逆転を防ぐことができるので、セルモータ
の構成部材の強度を大幅に高める必要がない。この結
果、エンジン始動装置のコストを抑えることができる。
【0053】次に、トルクリミッタ80の作用を説明す
る。図12(a)〜(c)は本発明に係るトルクリミッ
タの作用図である。(a)において、ロックピン84に
コイルばね85(図7に示す)の押付力Fがかかり、押
付力Fでロックピン84を内輪82の凹部83に押し付
ける。この状態で、図5に示すセルモータ31が駆動す
ると外輪87に回転トルクT1がかかる。回転トルクT
1が設定値より小さいと回転トルクT1がロックピン8
4を介して内輪82に伝わる。従って、図5に示すよう
に内輪82の回転が第1ギヤ36に伝わってエンジンを
始動することができる。
【0054】(b)において、外輪87の回転トルクT
1が設定値より大きくなるとロックピン84がコイルば
ね85の押付力Fに抗して半径方向外側に押し上がる。
(c)において、ロックピン84・・・が内輪82の凹部
83・・・から抜け出して内輪82の外周82aに乗上が
る。このため、トルクリミッタ80がスリップするので
外輪87の回転は内輪82に伝わらない。この結果、セ
ルモータに過負荷がかかることを防ぐことができる。
【0055】従って、例えばエンジンを除雪用ロータリ
に搭載した場合、ロータリの部分に多量の雪が推積した
ままセルモータでエンジンを再始動しても、セルモータ
に過大な負荷がかかることを防ぐことができる。この結
果、セルモータの構成部材の強度を大幅に高める必要が
ない。
【0056】なお、前記実施の形態では、第1ワンウエ
イクラッチ40を内輪41及び外輪47で構成した例に
ついて説明したがこれに限るものではない。すなわち、
内輪41及び外輪47に相当する回転体があれば同様の
効果を得ることができる。また、セルスタータ機構及び
リコイルスタータ機構の2系統のスタータ機構を備えた
エンジン始動装置について説明したが、これに限らない
で、セルスタータ機構のみのエンジン始動装置に適用し
てもよい。さらに、トルクリミッタ80を取付けた例を
説明したが、トルクリミッタ80の有無は任意である。
【0057】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1のエンジン始動装置によれば、ワンウエ
イクラッチのラチェットを内輪にスイング自在に取り付
け、このラチェットを内輪にばねで押付けることで外輪
から離すことができる。従って、外輪の回転を内輪に伝
わらないようにすることができる。このため、エンジン
が逆転してクランクシャフトの回転が外輪に伝わっても
内輪は回転しないので、セルモータが逆転することはな
い。この結果、セルモータの構成部材の強度を大幅に高
める必要がなく、エンジン始動装置のコストを抑えるこ
とができる。
【0058】請求項2のエンジン始動装置によれば、セ
ルモータの駆動軸にトルクリミッタを取付けて、セルモ
ータに過負荷がかかったときにトルクリミッタをスリッ
プさせることができる。従って、セルモータに過負荷が
かかることを防ぐことができるので、セルモータの構成
部材の強度を大幅に高める必要がない。この結果、エン
ジン始動装置のコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン始動装置を使用したエン
ジンの正面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】本発明に係る第2ギヤ、第1ワンウエイクラッ
チ並びに第3ギヤの側面断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】本発明に係るトルクリミッタの側断面図
【図6】図5の6−6線断面図
【図7】図5の7−7線断面図
【図8】本発明に係る第1ワンウエイクラッチの動作を
説明したグラフ
【図9】本発明に係る第1ワンウエイクラッチの動作と
セルモータの回転数との関係を示したグラフ
【図10】本発明に係る第1ワンウエイクラッチの第1
作用説明図
【図11】本発明に係る第1ワンウエイクラッチの第2
作用説明図
【図12】本発明に係るトルクリミッタの作用図
【図13】従来のエンジン始動装置の第1作動原理図
【図14】従来のエンジン始動装置の第2作動原理図
【図15】従来のエンジン始動装置の第3作動原理図
【符号の説明】
10…エンジン、13…クランクシャフト、20…エン
ジン始動装置、30…セルスタータ機構、31…セルモ
ータ、34…駆動軸、40…ワンウエイクラッチ(第1
ワンウエイクラッチ)、41…内輪、44…ラチェッ
ト、45…先端、46…ばね、47…外輪、48…カム
部、80…トルクリミッタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 和巳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 清水 敬三 群馬県高崎市大八木町777番地 スターテ ング工業株式会社高崎工場内 (72)発明者 木原 太郎 群馬県高崎市大八木町777番地 スターテ ング工業株式会社高崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルモータの回転をワンウエイクラッチ
    を介してクランクシャフトに伝える形式のエンジン始動
    装置において、 前記ワンウエイクラッチは、セルモータ側に内輪をつな
    ぎ、内輪にスイング自在にラチェットを取り付け、ラチ
    ェットを内輪にばねで押付けることで外輪から離し、外
    輪をクランクシャフト側につないだ構成にし、 前記セルモータで内輪の回転数を所定回転数まで高めた
    とき、ラチェットが遠心力で外側に突出して外輪に噛み
    合う様にしたことを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 【請求項2】 前記セルモータの駆動軸にトルクリミッ
    タを取付け、セルモータに過負荷がかかったときにトル
    クリミッタをスリップさせるようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載のエンジン始動装置。
JP11224648A 1999-08-06 1999-08-06 エンジン始動装置 Pending JP2001050143A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011058920A1 (ja) * 2009-11-10 2011-05-19 アイシン精機株式会社 内燃機関の始動装置

Cited By (2)

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JP2011122585A (ja) * 2009-11-10 2011-06-23 Aisin Seiki Co Ltd 内燃機関の始動装置

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