JP2003013828A - 内燃機関始動装置 - Google Patents

内燃機関始動装置

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JP2003013828A JP2001358047A JP2001358047A JP2003013828A JP 2003013828 A JP2003013828 A JP 2003013828A JP 2001358047 A JP2001358047 A JP 2001358047A JP 2001358047 A JP2001358047 A JP 2001358047A JP 2003013828 A JP2003013828 A JP 2003013828A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 始動ロープをほぼ一定の小さな力で引いたと
しても内燃機関を確実に始動することのできる内燃機関
始動装置を提供すること。 【解決手段】 本発明は、ケース12内に回転自在に取
り付けられたリール68と、リールに巻き付けられた始
動ロープ66と、ケース内に回転自在に取り付けられた
回転体24と、回転体が所定方向に回転することで蓄力
するばね16と、始動ロープを引き出したときにリール
と回転体とを係合させ、リールの回転力を回転体に伝え
て蓄力用ばねに蓄力させる係合手段52,54,74
と、始動ロープのリールへの巻き戻しが開始されたとき
に、リールと回転体との間の係合を解除し、蓄力用ばね
の復元力により回転体を回転させる係合解除手段50,
72,73とを備える内燃機関始動装置10を特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関を始動す
るための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を手動にて始動させるための従
来の始動装置は、内燃機関のクランクシャフトに取り付
けられたプーリに始動ロープを巻き付け、これを作業者
が引っ張ることでクランクシャフトを回転させ、内燃機
関を始動させる型式が一般的である。また、プーリとク
ランクシャフトとの間には一方向クラッチが介在されて
おり、プーリを始動に必要な方向に回転させた場合に
は、その回転に伴ってクランクシャフトも同方向に回転
するが、プーリを反対方向に回転させた場合には、クラ
ンクシャフトは回転しないよう構成されている。更に、
プーリには、始動ロープの引き出しに伴って蓄力する渦
巻きばね(いわゆる、ぜんまい)が取り付けられてお
り、この渦巻きばねと前記の一方向クラッチとによっ
て、引き終わった始動ロープを、クランクシャフトを回
転させることなく、プーリに自動的に巻き戻すことがで
きるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
始動装置においては、作業者がロープ引き力を直接的に
始動ロープからプーリを介してクランクシャフトに伝え
るため、内燃機関の圧縮行程時の負荷が始動ロープに直
接伝わり、ロープ引き力が一定しない。すなわち、始動
ロープを引く動作中、内燃機関の圧縮行程時の負荷がパ
ルス的にロープに伝わるため、圧縮行程を越えるまでは
強いロープ引き力を必要とし、圧縮行程を終了してしま
うと次の圧縮行程までは殆どロープ引き力を必要としな
い。
【0004】また、或る程度速い回転速度でクランクシ
ャフトを回すよう始動ロープを引かなければ内燃機関が
始動しないため、前述のロープ引き力が一定しないこと
と相俟って作業者の負担が大きく、非力な者には内燃機
関の始動が困難であった。
【0005】更に、従来の始動装置においては、クラン
クシャフトを速い回転速度で回転させるためには内燃機
関のピストンを圧縮位置(上死点位置の近傍)になるよ
う調整してから始動ロープを引く等のコツがあり、或る
程度の熟練が必要であった。
【0006】そこで、本発明の目的は、始動ロープをほ
ぼ一定の小さな力で引いたとしても内燃機関を確実に始
動することのできる内燃機関始動装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内燃機関(5)に対して固定されるケー
ス(12,102,202,302,402,502)
内に収容された蓄力用ばね(16,108,208,3
08,408,508)を、始動ロープ(66,12
6,226,326,426,526)をケース(1
2,102,202,302,402,502)から引
き出すことによって蓄力し、蓄力用ばね(16,10
8,208,308,408,508)に蓄力されたば
ね力を解放し当該ばね力によって前記内燃機関(5)の
クランクシャフト(6)を回転させて内燃機関(5)を
始動する内燃機関始動装置(10,100,200,3
00,400,500)において、ケース(12,10
2,202,302,402,502)から引き出した
始動ロープ(66,126,226,326,426,
526)を戻し始めたときに蓄力用ばね(16,10
8,208,308,408,508)に蓄力されたば
ね力を解放するよう構成したことを特徴としている。
【0008】より具体的には、本発明においては、始動
ロープ(66,126,226,326,426,52
6)は、ケース(12,102,202,302,40
2,502)内に回転自在に取り付けられたリール(6
8,128,228,328,428,528)に巻き
付けられている。また、内燃機関(5)のクランクシャ
フト(6)は、ケース(12,102,202,30
2,402,502)内に回転自在に取り付けられた回
転体(24,110,210,310,410,51
0)に一方向クラッチ(62,118,418,51
8)により断接可能に接続されており、蓄力用ばね(1
6,108,208,308,408,508)は、ケ
ース(12,102,202,302,402,50
2)に対して回転体(24,110,210,310,
410,510)が所定方向に回転することで蓄力する
よう配設されている。更に、本発明による内燃機関始動
装置(10,100,200,300,400,50
0)はリール(68,128,228,328,42
8,528)と回転体(24,110,210,31
0,410,510)とを係合させる係合手段、及び、
係合手段を制御する係合制御手段とを備えている。係合
制御手段は、始動ロープ(66,126,226,32
6,426,526)をリール(68,128,22
8,328,428,528)から引き出したときに、
リール(68,128,228,328,428,52
8)と回転体(24,110,210,310,41
0,510)とが係合するよう係合手段を制御し、もっ
てリール(68,128,228,328,428,5
28)の回転力を回転体(24,110,210,31
0,410,510)に伝えて蓄力用ばね(16,10
8,208,308,408,508)を蓄力するよう
になっている。また、係合制御手段は、始動ロープ(6
6,126,226,326,426,526)を引き
出した後、始動ロープ(66,126,226,32
6,426,526)のリール(68,128,22
8,328,428,528)への巻き戻しを開始した
ときに、リール(68,128,228,328,42
8,528)と回転体(24,110,210,31
0,410,510)との間の係合を解除するよう係合
手段を制御し、もって蓄力用ばね(16,108,20
8,308,408,508)の復元力を回転体(2
4,110,210,310,410,510)及び一
方向クラッチ(62,118,418,518)を介し
てクランクシャフト(6)に伝え回転させるようになっ
ている。
【0009】この構成においては、始動ロープ(66,
126,226,326,426,526)を引き出し
た時にリール(68,128,228,328,42
8,528)と回転体(24,110,210,31
0,410,510)とが係合し、回転体(24,11
0,210,310,410,510)の回転により蓄
力用ばね(16,108,208,308,408,5
08)が蓄力される。この際、一方向クラッチ(62,
118,418,518)により内燃機関(5)のクラ
ンクシャフト(6)と回転体(24,110,210,
310,410,510)とは分離するため、始動ロー
プ(66,126,226,326,426,526)
の引き力は蓄力用ばね(16,108,208,30
8,408,508)のばね力のみによって定まり、安
定した力で始動ロープ(66,126,226,32
6,426,526)を引くことができる。また、内燃
機関(5)の圧縮行程時の大きな負荷も始動ロープ(6
6,126,226,326,426,526)に伝搬
しないため、その分、ロープ引き力は軽減される。そし
て、始動ロープ(66,126,226,326,42
6,526)を巻き戻す際、自動的に蓄力用ばね(1
6,108,208,308,408,508)のばね
復元力が回転体(24,110,210,310,41
0,510)を回転させ、その回転力が一方向クラッチ
(62,118,418,518)を介してクランクシ
ャフト(6)を回転させるため、クランクシャフト
(6)は蓄力用ばね(16,108,208,308,
408,508)により定まる速度で回転し、内燃機関
(5)を確実に始動させることができる。
【0010】また、始動ロープ(66,126,22
6,326,426,526)をリール(68,12
8,228,328,428,528)から引き出した
場合に蓄力し、引き出された始動ロープ(66,12
6,226,326,426,526)をリール(6
8,128,228,328,428,528)に巻き
戻すようにリール(68,128,228,328,4
28,528)を回転させるロープ巻戻し用ばね(7
0,130,230,330,430,530)を設け
ておくことが、自動的に始動ロープ(66,126,2
26,326,426,526)を巻き戻せるので好適
である。
【0011】リール(68,128,228,328,
428,528)と回転体(24,110,210,3
10,410,510)とを係合させる係合手段、及
び、その係合手段による係合と係合解除とを制御する係
合制御手段には、種々の形態がある。
【0012】例えば、リール(68)及び回転体(2
4)が互いに同軸に配置されている場合、係合手段とし
ては、回転体(24)に設けられた複数の歯(54)
と、中間部がリール(68)に揺動可能に取り付けら
れ、一端(52a)が歯(54)と係合可能となってい
る爪(52)とを備え、係合制御手段としては、爪(5
2)の一端(52a)に隣接しリール(68)に揺動可
能に取り付けられた第1の振り子(72)であって、爪
(52)の一端(52a)を押動して該爪(52)を歯
(54)と係合させる前記第1の振り子(72)と、爪
(52)の他端(52b)に隣接しリール(68)に揺
動可能に取り付けられた第2の振り子(73)であっ
て、爪(52)の他端(52b)を押動して該爪(5
2)の歯(54)との係合を解除させる前記第2の振り
子(73)と、ケース(12)に設けられ第1の振り子
(72)及び第2の振り子(73)と係合してこれらの
振り子(72,73)の揺動を行わせるカム手段(5
0)と、第1の振り子(72)及び第2の振り子(7
3)をカム手段(50)と係合する方向に向けるばね
(74)とを備えるものが考えられる。この構成では、
カム手段(50)は、始動ロープ(66)をリール(6
8)から引き出すときに第1の振り子(72)を揺動さ
せて爪(52)を歯(54)と係合する位置に揺動さ
せ、始動ロープ(66)をリール(68)に巻き戻すと
きに第2の振り子(73)を揺動させて爪(52)を歯
(54)から分離する位置に揺動させるようになってい
る。
【0013】また、回転体(110)と同軸にケース
(102)内に回転自在に取り付けられたスプライン部
材(124)を設け、リール(128)を、スプライン
部材(124)の外周にスプライン結合し回転体(11
0)に対して接近・分離可能とした場合においては、係
合手段は、リール(128)又は回転体(110)の一
方に設けられた爪(152)と、リール(128)が回
転体(110)に接近したときに爪(152)が嵌合さ
れるようリール(128)又は回転体(110)の他方
に設けられた凹部(150)とを備えたものとし、ま
た、係合制御手段は、リール(128)と同軸にケース
(102)内に回転自在に取り付けられたベース(13
4)であって、リール(128)と共に回転される前記
ベース(134)と、始動ロープ(126)の引き出し
の開始時及び始動ロープ(126)の巻き戻しの開始時
にベース(134)をケース(102)に対して固定す
るベース固定手段と、ベース(134)とリール(12
8)との間に設けられたスパイラルカム(146,14
8)であって、始動ロープ(126)の引き出し方向に
リール(128)を回転させた場合に該リール(12
8)を回転体(110)に接近させるよう構成された前
記スパイラルカム(146,148)とを備えるものと
することができる。
【0014】また、前記のベース固定手段としては、ケ
ース(102)の内周面に設けられた複数の歯(14
0)と、ベース(134)に揺動可能に取り付けられ、
歯(140)と係合可能となっている爪(136)と、
爪(136)を歯(140)に係合させるよう付勢する
ばね(138)と、リール(128)に設けられた部片
(144)であって、リール(128)の回転に伴って
爪(136)と係合してリール(128)の回転力をベ
ース(134)に伝えると共に、爪(136)を押動し
て爪(136)と歯(140)との間の係合を解除する
前記部片(144)とを備えるものが好適である。
【0015】更に、リール(228,328,428,
528)及び回転体(210,310,410,51
0)が互いに同軸に配置されている場合においては、上
記の他にも、係合手段及び係合制御手段としては次のよ
うなものが好適である。
【0016】すなわち、係合手段としては、回転体(2
10)に設けられた突出部(262)と、リール(22
8)に揺動可能に取り付けられ突出部(262)と係合
可能となっている爪(260)とを備えるものがあり、
係合制御手段としては、前記ケース(202)に固定さ
れたV溝プーリ(268)と、V溝プーリ(268)に
摩擦的に嵌合され爪(260)に接続されたフリクショ
ンワイヤ(270)であって、始動ロープ(226)を
リール(228)から引き出すときにV溝プーリ(26
8)に対して変位することで爪(260)を揺動させて
突出部(262)と係合させる前記フリクションワイヤ
(270)と、始動ロープ(226)をリール(22
8)に巻き戻すときに爪(260)と接して該爪(26
0)を揺動させて突出部(262)から分離させる、ケ
ース(202)に取り付けられたリリース爪(264)
とを備えるものがある。
【0017】また、係合手段は、回転体(310)に設
けられた突出部(362)と、リール(328)に揺動
可能に取り付けられ突出部(362)と係合可能となっ
ている爪(360)とを備えるものとし、係合制御手段
は、ケース(302)に固定されたV溝プーリ(36
8)と、V溝プーリ(368)に摩擦的に嵌合され爪
(360)に接続されたフリクションワイヤ(370)
であって、始動ロープ(326)をリール(328)か
ら引き出すときにV溝プーリ(368)に対して変位す
ることで爪(360)を揺動させて突出部(362)と
係合させる前記フリクションワイヤ(370)と、ケー
スに形成されたカム面(386)と、爪(360)に取
り付けられたリリース爪(364)であって、始動ロー
プ(326)をリール(328)に巻き戻すときにカム
面(386)と協働して爪(360)を揺動させて突出
部(362)から分離させるリリース爪(364)とを
備えるものとすることができる。
【0018】更に、係合手段は、リール(428)に設
けられた複数の歯(462)と、回転体(410)に揺
動可能に取り付けられ歯(462)と係合可能となって
いる爪(460)とを備えたものとして、係合制御手段
は、爪(460)を歯(462)に係合させるよう付勢
するばね(492)と、ケース(402)に設けられた
突起片(494)と、回転体(410)に揺動可能に取
り付けられた振り子(490)であって、始動ロープ
(426)をリール(428)に巻き戻すときに突起片
(494)に接して揺動され、爪(460)を揺動させ
て歯(462)から分離させる前記振り子(490)と
を備えるものとしてもよい。
【0019】更にまた、係合手段は、回転体(510)
に設けられた複数の歯(562)と、リール(528)
に揺動可能に取り付けられ歯(562)と係合可能とな
っている爪(560)とを備えるものとすることがで
き、係合制御手段は、リール(528)に揺動可能に取
り付けられた振り子(590)であって、爪(560)
に接して該爪(560)を揺動させて歯(562)との
係合・係合解除を行わせる前記振り子(590)と、ケ
ース(502)に固定されたV溝プーリ(568)と、
V溝プーリ(568)に摩擦的に嵌合され振り子(59
0)に接続されたフリクションワイヤ(570)であっ
て、始動ロープ(526)をリール(528)から引き
出すときにV溝プーリ(568)に対して変位すること
で振り子(590)を揺動させて爪(560)を歯(5
62)と係合する位置に揺動させ、始動ロープ(52
6)をリール(528)に巻き戻すときにV溝プーリ
(568)に対して変位することで振り子(590)を
揺動させて爪(560)を歯(562)から分離する位
置に揺動させる前記フリクションワイヤ(570)とを
備えるものとすることもできる。
【0020】なお、蓄力用ばね(16)が渦巻きばねで
ある場合、取扱いを容易とするために、ばねケース(1
8)に離脱不能に収容された状態でケース(12)に取
り付けることが有効である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の種
々の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】
【第1実施形態】図1及び図2は本発明の第1実施形態
に係る内燃機関始動装置を示している。この始動装置1
0は、内燃機関5にボルト(図示しない)により固定さ
れるケース12を備えている。ケース12は、軸線方向
に2つの部分に分割可能であり、内燃機関の外面に接す
る側の部分12aは両端が開放された筒状であり、他方
の部分12bは一端が閉鎖されたカップ状となってい
る。内燃機関5に取り付けられた状態では、ケース12
の筒状部分12aとカップ状部分12bとの間にはばね
装置14が挟持されている。
【0023】ばね装置14は、図3〜図5に示すよう
に、蓄力用の渦巻きばね16と、この渦巻きばね16を
収容するばねケース18とから構成されている。渦巻き
ばね16は、ばねケース18に係止することが可能なよ
う、その外側の端部が折り曲げられてフック20が形成
されている。また、渦巻きばね16の内側の端部22
は、小径の筒状に丸められている。この内側端部22
は、始動装置10における回転体24に係止されるよう
になっている。
【0024】本実施形態におけるばねケース18は好ま
しくは金属製であり、一方の端部が開口端とされ他方の
端部が閉じられた略円筒形の部材、いわゆるカップ状部
材26と、このカップ状部材26の開口端に配置された
蓋部材28とから構成されている。
【0025】カップ状部材26は、例えばプレス加工に
よって、略円筒形の側面部分26aと、閉鎖端部分26
bとが形成される。閉鎖端部分26bの中央には開口部
30が形成されている。側面部分26aの幅(軸線方向
の長さ)は渦巻きばね16の幅よりも僅かに大きくされ
た程度である。プレス時、側面部分26aとなる部分に
開口部32が打ち抜かれる。この開口部32の廃材とな
る部分は外側に折り返され、これによってフック34が
形成されている。開口部34は、渦巻きばね16をカッ
プ状部材26内に配置した際、渦巻きばね16の外側端
部が通され、また、開口部32のフック34には渦巻き
ばね16の外側端部のフック20が係止される。このよ
うに開口部32の形成と共にフック34を形成すること
で、渦巻きばね16の一端を係止するための部材を別個
に用意する必要がなくなる。また、フック34を利用し
て渦巻きばね16を係止することで、カップ状部材26
に対する渦巻きばね16の位置、ひいては始動装置10
のケース12に対する渦巻きばね16の位置が決定され
る。
【0026】カップ状部材26の開口端には、適当な間
隔で、複数の爪36が一体形成されている。この爪36
は、蓋部材28に形成されたスリット38に通された
後、折り曲げられて、カップ状部材26と蓋部材28と
を締結、一体化することができる。
【0027】蓋部材28は金属製の平板である。その平
面形状は、カップ状部材26の開口端の形状よりも大き
く、カップ状部材26に取り付けられた状態において
は、蓋部材28の外周部分がカップ状部材28から外方
に突出する形態となっている。また、蓋部材28の外形
は、ばね装置14が取り付けられる始動装置10のケー
ス12の取付部位、すなわちケース12の筒状部分12
aとカップ状部分12bの突き合わせ部の外形に概ね合
わされたものである。更に、蓋部材28の外周部分の適
所にはボルト穴40が形成されているが、これは始動装
置10のケース12にばね装置14を取り付ける際に用
いられる。また、蓋部材28の中央部分(蓋部材28が
カップ状部材26に取り付けられた状態で、カップ状部
材26の軸線を中心とした中央部分)には開口部42が
形成されている。
【0028】蓋部材28がカップ状部材26に取り付け
られた状態において、その内部には渦巻きばね16が既
に配置されているが、この状態では、渦巻きばね16
と、カップ状部材26の閉鎖端部分26b又は蓋部材2
8との間には小さな間隙しかなく、閉鎖端部分26b又
は蓋部材28は渦巻きばね16の軸線方向への動きを拘
束する押さえ部分として機能する。従って、蓄力時等に
渦巻きばね16は軸線方向に大きく型くずれを起こすこ
とがなく、また、渦巻きばね16がばねケース18内で
ガタつくこともないため、軸方向前後に位置する他部品
に影響を及ぼすことがない。
【0029】このようなばね装置14は、蓋部材28を
始動装置10のケース12の筒状部分12aとカップ状
部分12bとの間に挟持させ、蓋部材28のボルト穴4
0をケース12のボルト穴44,46に合わせ、ボルト
(図示しない)で内燃機関5に対して締め付けることで
始動装置10に組み込まれる。この際、蓋部材28の外
形とケース12の取付部位の外形とは略一致しているの
で、ケース12に対するばね装置14の位置決めは容易
に行うことができる。また、ボルト穴40やフック34
も位置決めのための目印として用いることができる。更
に、渦巻きばね16はばねケース18内に収容された状
態で取り扱うことができるので、組込み作業も容易であ
り、また分解時に渦巻きばね16がケース12から弾き
出るということもないため、安全性に優れる。
【0030】なお、ばね装置14の始動装置10のケー
ス12への組込みは、単独で行われず、始動装置10の
他の構成要素の組込みと共に行われる。
【0031】ケース12の内部には、当該ケース12の
カップ状部分12bの閉鎖端部の中心から内燃機関5側
に支持シャフト48が一体的に延設されている。支持シ
ャフト48は、閉鎖端部の側が径の大きな大径部分48
aとなっており、この大形部分48aの端面から径の小
さな小径部分48bが同軸に延びている。小径部分48
bの根本部(大径部分48aの側の部分)の外周面に
は、それぞれが軸線方向に延びる4つの突起(カム手
段)50が、図2の状態で十字状に、一体形成されてい
る。
【0032】支持シャフト48の小径部分48bの先端
部はばね装置14のばねケース18の開口部30,42
に通されている。また、小径部分48bの先端部には略
円筒形の回転体24が回転自在に嵌合され、ねじ25に
よって脱落が防止されている。この回転体24の一方の
端部は突起50の端面により支持されている。回転体2
4の突起50側の端部には外向きのフランジ部24aが
一体的に形成され、更に、フランジ部24aの外周縁か
らはケース12の閉鎖端部に向かって延びる環状部24
bが形成されている。この環状部24bの内周面には、
後述の爪52と係合・分離される歯54が複数、周方向
に形成されている。
【0033】回転体24の他方の端部は、ばね装置14
のばねケース18の開口部30,34を通って、内燃機
関5側に延びている。ばね装置14内に位置している回
転体24の外周面には溝部56が形成されており、この
溝部56に、渦巻きばね16の内側端部22が係止され
ている。渦巻きばね16は外側端部20がばねケース1
8に、従ってケース12に対して固定されているので、
回転体24を図2において矢印X方向に回転させると、
蓄力される。
【0034】回転体24の、ばね装置14から内燃機関
5側に突出している部分の外周面には、周方向に複数の
歯58が形成されている。これらの歯58は、内燃機関
5からケース12内に同軸に延びるクランクシャフト6
に取り付けられた継手部材60との間で、一方向クラッ
チ62を構成している。すなわち、回転体24の歯58
は、継手部材60に揺動可能に設けられた爪64と係合
・分離可能となっており、回転体24を図2の矢印X方
向に回転させた場合には、爪64は歯58から分離しク
ランクシャフト6に対して回転体24を自由に回転さ
せ、逆の矢印Y方向に回した場合には、爪64が歯58
と係合し回転体24の回転力をクランクシャフト6に伝
えることができるようになっている。
【0035】支持シャフト48の大径部分48aには、
始動ロープ66が巻かれたリール68が回転自在に取り
付けられている。始動ロープ66の巻付方向は、始動ロ
ープ66を引き出した場合に、リール68が図2におい
て矢印X方向に回転することとなる方向である。また、
リール68とケース12との間にはロープ巻戻し用の渦
巻きばね70が取り付けられている。この渦巻きばね7
0は、リール68が同矢印X方向に回転されると蓄力す
るよう、取り付けられている。なお、渦巻きばね70
は、蓄力用渦巻きばね16と同様なばねケース内に収容
されてもよい。
【0036】リール68の内燃機関5側の面には、回転
軸線を中心として点対称に1対の振り子72,73の一
端が揺動可能にに取り付けられている。各振り子72,
73の中間部には小孔が形成されており、この小孔にば
ね74の一端が挿入されている。ばね74は、各振り子
72,73の先端部を回転軸線に向けるよう付勢するも
のであり、これによって振り子72,73は支持シャフ
ト48の突起50と常に係合した状態となる。なお、ば
ね74自体は突起50と接することがないよう、略円弧
形状となっている。
【0037】更に、リール68の内燃機関5側の面に
は、一方の振り子73から図2の矢印X方向に約90度
ずれた位置に、前述の比較的細長い爪52が揺動可能に
取り付けられている。揺動軸は爪52の中間部であり、
矢印X方向において前側となる端部52a(以下、この
端部52aを「ヘッド部」といい、他方の端部52bを
「テール部」という)が、爪52の揺動によって、回転
体24の環状部24bに形成された歯54と係合・分離
が可能となっている。また、爪52のヘッド部52a
は、それに隣接する振り子(以下「第1の振り子」とも
いう)72と係合可能であり、爪52のテール部52b
は、それに隣接する振り子(以下「第2の振り子」とも
いう)73と係合可能となっており、これらの振り子7
2,73の動作によって爪52の揺動が制御される。更
に、爪52の揺動軸にはつる巻きばね76が取り付けら
れている。つる巻ばね76の一端はリール68上の突起
78にて支持され、他端は爪52の外面に接している。
これにより、爪52のヘッド部52aは歯54から離れ
る方向に付勢される。
【0038】このような構成において、作業者が内燃機
関5を始動するために始動ロープ66を引き始めると、
リール68が図2及び図6の(a)に示す初期状態から
矢印X方向に回転を開始する。この際、リール68と共
に振り子72,73及び爪52も回転するが、回転初期
においては爪52はつる巻きばね76により回転体24
の環状部24bの歯54から分離し、振り子72,73
の先端部はばね74の作用により、静止している突起5
0間に入り込もうとする(図6の(a)〜(d)を参
照)。
【0039】更に始動ロープ66を引きリール68を矢
印X方向に回転させると、爪52のヘッド52a側に位
置している第1の振り子72の先端部が、突起50のカ
ム作用によって当該ヘッド部52aの側に向きを変え
(図6の(e)参照)、更に当該ヘッド部52aを外方
に押動させて回転体24の歯54に係合させる(図6の
(f)参照)。なお、第2の振り子73は爪52からは
完全に分離した位置となる。また、巻戻し用の渦巻きば
ね70は、始動ロープ66の引き初めから引き終わりま
で蓄力されていく。
【0040】爪52が回転体24の歯54と一旦係合し
た後は、始動ロープ66を引き続けると、リール68の
回転力が爪52の歯54に対する押圧力となり、つる巻
ばね76のばね力に抗して、爪52は歯54との係合状
態を維持する。その結果、歯54から爪52の押圧力が
回転体24に伝えられて、回転体24もリール68と一
体となって矢印X方向に回転を開始する。従って、ばね
装置14内の蓄力用渦巻きばね16も巻戻し用渦巻きば
ね70と共に蓄力されていく。この時、回転体24と継
手部材60との間の一方向クラッチ62の作用により、
回転体24は内燃機関5のクランクシャフト6から分離
した状態となっているため、クランプシャフト6を回す
ことがない。また、回転体24はクランクシャフト6か
らの負荷も受けないので、始動ロープ66を安定して引
くことができる。
【0041】今、始動ロープ66がリール68からいっ
ぱいに引き出された状態を、図7の(a)とする。この
状態では、蓄力用渦巻きばね16には、内燃機関5を始
動させるに十分な力が蓄えられている。そして、始動ロ
ープ68から引き力を弱めると、巻戻し用の渦巻きばね
70の復元力によりリールが図7における矢印Y方向に
回転を始める(図7の(a)〜(d)参照)。この場合
も、振り子72,73は、その先端部が突起50の外表
面に倣って移動するに伴って揺動し、やがて爪52のテ
ール部52bに隣接する第2の振り子73の先端部が、
爪52のテール部52bを外方に移動させる(図7の
(e)参照)。これによって、爪52のヘッド部52a
が回転体24の歯54から分離し、つる巻ばね76の作
用によって、その分離状態が維持される(図7の(f)
参照)。その結果、回転体24とリール68との間の力
伝達経路は切断され、蓄力用の渦巻きばね16に蓄えら
れていたばね力が解放され、回転体24が矢印Y方向に
回転する。この方向の回転力は一方向クラッチ62を介
して内燃機関5のクランクシャフト6に伝えられ、内燃
機関5は始動する。一方、リール68は渦巻きばね70
により矢印Y方向の回転を続けるが、この状態では第1
の振り子72が爪52のヘッド部52aと接することは
ないので、リール68の回転は妨げられず、始動ロープ
66はリール68に巻き取られて初期状態に戻る。
【0042】なお、この蓄力時或いは蓄力解放時、ばね
装置14の蓄力用渦巻きばね16は、軸線方向にガタ付
いたり、或いは、竹の子状に型くずれをおこしたりしよ
うとするが、渦巻きばね16自体はばねケース18によ
って囲まれているため、渦巻きばね16が回転体24の
フランジ部24a等に接することがないので、接触によ
る作動不良や摩耗が防止される。
【0043】
【第2実施形態】図8〜図10は本発明の第2実施形態
に係る内燃機関始動装置100を示している。この始動
装置100は、内燃機関5にボルト等により固定される
カップ状のケース102を備えている。ケース102の
内部には、当該ケース102の端部から内燃機関5側に
延びる支持筒104がケース102の側壁部と同軸に、
一体的に設けられている。支持筒104には支持シャフ
ト106の一端が固定され、支持シャフト106の他端
は内燃機関5側に延びている。支持シャフト106の延
出部分には、蓄力用渦巻きばね108の内側端部が固定
されている。また、渦巻きばね108を囲むようにして
ばねホルダ(回転体)110が支持シャフト108の延
出部分の周囲に配置されている。このばねホルダ110
は、カップ状部分110aと、円板状部分110bとか
らなり、カップ状部分110aはその中心穴を支持筒1
04の周囲に回転自在に嵌合させている。また、円板状
部分110bはその中心穴を、支持シャフト106の先
端に固定されたガイドリング112の周囲に回転自在に
嵌合させている。ばねホルダ110の側壁部には、渦巻
きばね108の外側端部が固定されている。これによっ
て、ばねホルダ110を、図10において矢印A方向に
回転させると、渦巻きばね108が蓄力される。
【0044】ばねホルダ110の円板状部分110bの
内周部には、ガイドリング112により案内される筒状
部分110cが形成されている。この筒状部分110c
の外周には、歯114が一体的に設けられている。この
歯114を有する筒状部分110cは、内燃機関5から
ケース102内に同軸に延びるクランクシャフト6に取
り付けられたカップ状の継手部材116により囲まれて
いる。継手部材116の内面には、ばね(図示しない)
により先端部が内方に付勢される爪120が取り付けら
れており、歯114との間で一方向クラッチ118を構
成している。すなわち、爪120の先端部は筒状部材1
10cの歯114と係合・分離可能となっており、ばね
ホルダ110を図10の矢印A方向に回転させた場合に
は、爪120は歯114から逃げてクランクシャフト6
に対してばねホルダ110を自由に回転させ、逆方向に
回した場合には、爪120が歯114と係合しばねホル
ダ110の回転力をクランクシャフト6に伝えるように
なっている。
【0045】支持筒104の周囲には、更に、周囲にス
プライン歯122が形成された筒状のスプライン部材1
24が回転自在に嵌合されている。このスプライン部材
124は、ケース102の端部とばねホルダ110との
間に挟まれ、支持筒104の軸線方向には移動不能とな
っている。また、スプライン部材124には、始動ロー
プ126が巻かれたリール128がスプライン結合され
ている。従って、リール128は支持筒104の周りを
スプライン部材124と共に回転可能であり、且つ、ス
プライン部材124のスプライン歯122に沿って(す
なわち支持筒104の軸線方向に沿って)直線運動可能
となっている。
【0046】スプライン部材124のケース102内側
の端部には、ロープ巻戻し用の渦巻きばね130の内側
端部が固定されており、渦巻きばね130の外側端部は
ケース102の端部に設けられたばね固定用リブ132
に固定されている。このばね130は、始動ロープ12
6を引っ張ってリール128を図10の矢印A方向に回
転させると蓄力されるため、始動ロープ128の引き力
を解放すると、常に始動ロープ126はリール128に
巻き付けられた状態に復帰する。なお、始動ロープ12
6が完全にリール128に巻かれるよう、始動ロープ1
26の全体がリールに巻かれた状態でも渦巻きばね13
0は若干、蓄力されている。
【0047】渦巻きばね130とスプライン部材124
との間には円板状のベース134が、支持筒104の軸
線を中心にして回転自在に、また支持筒104の軸線方
向には移動不能に配置されている。このベース134に
は4個の爪136が揺動可能に取り付けられている。こ
れらの爪136は、図10に示すように、基準線Rを境
に線対称に配置された上下の爪で互いに対をなしてい
る。各対の爪136には共通のねじりばね138が取り
付けられており、このねじりばね138によって、爪1
36の先端部が外方に付勢されるようになっている。爪
136の先端部は、外方に移動した時、ケース102の
内周面に全周にわたり形成された複数の歯140のいず
れかに係合するようになっている。また、爪136の末
端部には、外方に突出する突出片142が一体的に設け
られている。この突出片142は、リール128のケー
ス102側の面に突設された円弧状部片144と係合可
能となっており、円弧状部片144の端部が爪136の
突出片142を押すと、爪136の先端部が内方に移動
して歯140との係合が解除される。
【0048】更に、ベース134の、内燃機関5側の面
には、リール128に形成された環状溝146に嵌合さ
れる突状部材148が一体的に形成される。この突状部
材146とリール128の環状溝146との間はスパイ
ラルカムの関係となっている。リール128はスプライ
ン部材124に対して回転不能となっているため、この
スパイラルカムにより、スプライン部材124及びベー
ス134を静止状態としてリール128を回転させる
と、リール128はスプライン部材124に沿って前後
に移動される。
【0049】また、リール128の、内燃機関5側の面
には凹部150が形成されており、この凹部150に嵌
合可能な爪152がばねホルダ110に固定されてい
る。爪152と凹部150との嵌合は、リール128が
ばねホルダ100に接近した時に行われる。
【0050】このような構成において、次に、第2実施
形態に係る始動装置100の作用について説明する。
【0051】まず、内燃機関5を始動すべく始動ロープ
126を引くと、リール128が図10の矢印A方向に
回転し、スプライン部材124もリール128と共に回
転する。同時に、ロープ巻戻し用の渦巻きばね130が
ロープ126を引いた分の蓄力がなされる。リール12
8が回転を開始した直後は、円弧状部片144が爪13
6の突出片142とは接しておらず、各爪136の先端
部がケース102の内面の歯140に係合しているた
め、ベース134はケース102に対して固定され、こ
れによってリール128はスパイラルカムの作用により
ばねホルダ110の側に移動し、爪152がリール12
8の凹部150に嵌合してリール128とばねホルダ1
10とが一体化する。更に、始動ロープ126を引く
と、ばねホルダ110が回転し、渦巻きばね108の蓄
力を開始する。この時、一方向クラッチ118の爪12
0は筒状部分110cの歯114から逃れる方向となる
ので、ばねホルダ110の回転力はクランクシャフト6
には伝えられない。従って、始動ロープ126を引く力
は、概ね渦巻きばね108,130のばね力に抗する大
きさとなり、クランクシャフト6からの負荷を受けない
ので安定したものとなる。
【0052】なお、リール128が回転して、円弧状部
片144がやがてベース134の爪136の突出片14
2を押すと、その先端部がケース102内面の歯140
から分離する。この時、他の爪136の先端部はねじり
ばね138のばね力に抗して内方に移動して、歯140
を乗り越えるため、ベース134もリール128と共に
回転することになる。
【0053】リール128から始動ロープ126の全長
が引き出されたならば、渦巻きばね108,130には
十分に力が蓄えられる。そして、作業者が始動ロープ1
26を引く力を弱めると、渦巻きばね108の復元作用
によりスプライン部材124を介してリール128が逆
回転を始める。これにより、リール128の円弧状部材
が爪136から離れ、その爪136の先端部はケース内
面の歯140と係合しベース134が固定される。その
結果、リール128がばねホルダ110から離れる方向
に移動して、ばねホルダ110はリール128との係合
が解除され、渦巻きばね130に蓄えられた力が解放さ
れてばねホルダ110が図10の矢印A方向とは逆方向
に回転する。この時のばねホルダ100の回転方向は一
方向クラッチ118の爪120が筒状部分110cの歯
114と係合する方向であるので、渦巻きばね130の
ばね力はばねホルダ100及び一方向クラッチ118を
介してクランクシャフト6に伝えられ、内燃機関5は始
動することになる。また、リール128は渦巻きばね1
08により逆回転され、始動ロープ126が巻き戻され
て初期状態に戻る。
【0054】なお、ベースを固定する手段としては、上
述したような、ケース102内の歯140と、ベース1
34に取り付けられた爪136と、爪136を付勢する
ばね138と、爪136を揺動させるリール128上の
円弧状部片144とからなるものに限られず、同様な作
用を呈する機構ならば適用可能である。
【0055】
【第3実施形態】図11〜図13は本発明の第3実施形
態に係る内燃機関始動装置200を示している。この実
施形態では、ケース202の支持筒204に固定された
支持シャフト206の周囲に、回転体210が回転自在
に取り付けられており、この回転体210の軸部とケー
ス202の側壁部内周面との間に蓄力用の渦巻きばね2
08が取り付けられている。また、この実施形態では、
スプライン部材はなく、リール228が支持筒204の
周囲に回転自在に取り付けられている。リール228と
ケース202との間にはロープ巻戻し用の渦巻きばね2
30が取り付けられている。
【0056】リール228の、蓄力用の渦巻きばね20
8側の面には、1対の爪260が揺動可能に取り付けら
れている。この爪260の一端は、内方に寄ると、回転
体210の軸部に設けられた突出部262と係合するよ
うになっている。また、爪260の外側面は、ケース2
02の側壁部に設けられた、ばね(図示しない)により
内方に突出可能に配置されたリリース爪264と接し、
爪260の揺動動作が得られるようになっている。
【0057】リール228と蓄力用渦巻きばね208と
の間の間隙には、環状板266がケース202の内周面
に固着されており、この環状板266の内周部にはV溝
プーリ268が一体的に設けられている。V溝プーリ2
68には、図13に示すようなねじりばねからなるフリ
クションワイヤ270が嵌め込まれている。フリクショ
ンワイヤ270の端部は爪260の突起272に掛けら
れており、以下で説明する爪260の動作を可能として
いる。
【0058】なお、図示していないが、第2実施形態と
同様、回転体210の端部に一方向クラッチを介して内
燃機関のクランクシャフトが接続されるようになってい
る。
【0059】このような構成において、作業者が始動ロ
ープ226を引き始めると、リール228が図12の
(a)における矢印B方向に回転する。この際、リール
228と共に爪260も回転するが、この爪260は環
状板266のV溝プーリ268を通るフリクションワイ
ヤ270と接続され、また、フリクションワイヤ270
はV溝プーリ268から摩擦力を受けて位置ずれを起こ
すため、リール228の回転により爪260の一端が内
方に移動することとなる。これにより、爪260の一端
が回転体210の突出部262と係合し(図12の
(a)参照)、これを回転方向に押すことになり、渦巻
きばね208が巻き締められていく。同時に、ロープ巻
戻し用の渦巻きばね230も蓄力されていく。この時、
図示しない一方向クラッチの作用により、回転体210
は内燃機関のクランクシャフトから分離した状態となっ
ているため、クランクシャフトからの負荷は受けず、始
動ロープ226を安定して引くことができる。また、爪
260の外側面はリリース爪264に接触しながら回転
するが、ロープ引き出しの回転方向では、リリース爪2
64は逃げる方向に取り付けられているため、リール2
28の回転が妨げられることはない。
【0060】始動ロープ226がいっぱいに引き出され
た後、始動ロープ226から引き力を弱めると、渦巻き
ばね230の復元力によりリール228が図12の
(b)における矢印C方向に回転し、始動ロープ226
はリール228に巻き戻される。そして、爪260の外
側面がリリース爪264により押されて、爪260の一
端が突出部262からはずれ、リール228に対して回
転体210が自由になる(図12の(b)参照)。これ
によって、蓄力用の渦巻きばね208に蓄えられていた
力が解放され、回転体210が回転し、その回転力は一
方向クラッチを介して内燃機関のクランクシャフトに伝
えられ、内燃機関は始動する。
【0061】
【第4実施形態】図14〜図20は、本発明による第4
実施形態に係る内燃機関始動装置300を示している。
この実施形態では、支持シャフト306はケース302
と一体成形されている。支持シャフト306には、回転
体310が回転自在に嵌合されている。この回転体31
0の軸部とケース302の内周面との間には蓄力用の渦
巻きばね308が取り付けられている。
【0062】支持シャフト306には、更に、始動ロー
プ326が巻き付けられるリール328が回転自在に取
り付けられており、リール328と支持シャフト306
との間にはロープ巻戻し用の渦巻きばね330が取り付
けられている。
【0063】リール328の回転体310側の面には、
爪360が揺動可能に取り付けられている。図15の
(a)から理解される通り、爪360の一端は、外方に
移動することで、回転体310の外周部に設けられた突
出部362と係合する。また、図18に示すように、爪
360の各端部にはピン380が固定されている。各ピ
ン380は、図19に示すように、リール328に形成
されたスリット382を貫通している。ピン380の先
端は、図20に示すように、支持シャフト306に固定
されたV溝プーリ368に嵌合されたフリクションワイ
ヤ370の端部が接続されている。このフリクションワ
イヤ370によって、爪360が揺動動作する。
【0064】更に、爪360には、図17及び図18に
明示するように、リリース爪364が揺動可能に取り付
けられている。このリリース爪364はばね384によ
って、図17に示す突出状態にて保持される。リリース
爪364の先端部は、ケース302の内周面に設けられ
たカム面386と係合するようになっている。
【0065】なお、図14において、回転体310に接
続される内燃機関のクランクシャフト及び一方向クラッ
チは、第3実施形態と同様に省略してある。
【0066】このような構成において、始動ロープ32
6を引き始めると、ロープ巻戻し用渦巻きばね330を
蓄力しつつ、リール328は、爪360から延びるピン
380と共に回転するが、ピン380はV溝プーリ36
8に摩擦的に係合しているフリクションワイヤ370に
より引っ張られる。フリクションワイヤ370がピン3
80をどのように移動させるかは、図20の(a)及び
(b)から理解されよう。ピン380がフリクションワ
イヤ370の作用により変位されると、爪360の端部
は回転体310の突出部362と係合し、これを図15
の(a)における矢印Dの方向に押動し、回転体310
を同方向に回転させる。これによって、渦巻きばね30
8は蓄力される。この際、爪360に取り付けられてい
るリリース爪364はケース内周面のカム面386に接
触するが、リール328の矢印D方向への回転において
リリース爪364はカム面386から逃げる方向に揺動
するので、リール328は回転が阻止されることはな
い。
【0067】次いで、引き出した始動ロープ326を戻
し始めると、図16の矢印E方向にリール328が回転
すると共に、リリース爪364はケース302のカム面
386により内方に押され、それに伴って爪360の端
部が回転体310の突出部362から離れる(図15の
(b)参照)。一旦、この状態となると、フリクション
ワイヤ370の作用により、その状態のままで維持され
る。爪360が突出部362からはずれると、蓄力用渦
巻きばね308に蓄えられていた力は解放され、回転体
310を通じて内燃機関のクランクシャフトを回転さ
せ、内燃機関は始動する。一方、始動ロープ368はロ
ープ巻戻し用ばね330の蓄力によりリール328に巻
き取られる。
【0068】
【第5実施形態】図21及び図22は、本発明の第5実
施形態に係る内燃機関始動装置400を示している。こ
の第5実施形態では、第4実施形態とほぼ同様に、支持
シャフト406に回転体410が回転自在に嵌合され、
回転体410の軸部とケース402の内周面との間に蓄
力用渦巻きばね408が取り付けられている。また、支
持シャフト406には、始動ロープ426が巻き付けら
れるリール428が回転自在に取り付けられており、リ
ール428と支持シャフト406との間にはロープ巻戻
し用の渦巻きばね430が取り付けられている。
【0069】回転体410には1対の爪460が揺動可
能に取り付けられている。各爪460の一端は、リール
428の外周部に設けられた複数の歯462のいずれか
と係合可能となっている。また、爪460には、当該爪
460の揺動中心と同心に振り子490が取り付けられ
ており、爪460の凹部内で揺動することができる。一
方の爪460の端部と、他方の爪460における振り子
490との間にはばね492が配設されており、このば
ね492により、爪460の端部を外方に押圧し、爪4
60と歯462との係合がなされるようにしている。ま
た、振り子490の先端部は、ばね492により、支持
シャフト406に固定された星型の突起片494間に入
り込もうと付勢されている。
【0070】この構成では、始動ロープ426を引き始
める際、図22の(a)に示すように、ばね492によ
って回転体410側の爪460とリール428側の歯4
62とが係合しているため、リール428の回転と共に
回転体410が矢印F方向に回転し、蓄力用の渦巻きば
ね408とロープ巻戻し用の渦巻きばね430が共に蓄
力されていく。この際、一方向クラッチ418により内
燃機関5のクランクシャフト6には回転体410からの
回転力は伝えられないようになっている。
【0071】この後、始動ロープ426を戻し始める
と、リール410が逆回転し、回転体410側の振り子
490も同方向に移動する。これにより、振り子490
の先端部が星型の突起片494間にはまり、続いて接す
る突起片494により向きを変え、爪460の他端を外
方に押す。その結果、爪460が歯462からはずれ
(図22の(b)参照)、リール428と回転体410
との係合が解除され、畜カ用渦巻きばね408に蓄えら
れたカによって回転体410が回転する。そして、その
回転力は一方向クラッチ418を通して、クランクシャ
フト6に伝えられ、内燃機関5は始動する。
【0072】
【第6実施形態】図23〜図25は、本発明の第6実施
形態に係る内燃機関始動装置500を示している。第6
実施形態も第4実施形態及び第3実施形態と同様、支持
シャフト506に回転体510が回転自在に嵌合され、
回転体510の軸部とケース502の内周面との間に蓄
力用渦巻きばね508が取り付けられている。また、支
持シャフト508には、始動ロープ526が巻き付けら
れるリール528が回転自在に取り付けられており、リ
ール528と支持シャフト508との間にはロープ巻戻
し用の渦巻きばね530が取り付けられている。
【0073】回転体510の外周部には複数の歯562
が設けられており、これらの歯562に、リール528
に揺動可能に取り付けられた爪560の一端が係合可能
となっている。爪560は、リール528に揺動可能に
取り付けられた振り子590によって揺動される。ま
た、振り子590は、図25に示すように、支持シャフ
ト506に固定されたV溝プーリ568に嵌合されたフ
リクションワイヤ570及びフリクションワイヤ570
と連動するばね571によって、動作されるようになっ
ている。更に、振り子590の先端部は、支持シャフト
506に固定された星型の突起片594と関連付けられ
ている。
【0074】このような構成において、始動ロープ52
6を引き始めると、リール528が図24の(a)の矢
印G方向に回転し、それに伴って振り子590も回転す
るが、この際、フリクションワイヤ570はV溝プーリ
568との間の摩擦により変位し、振り子590の先端
部を揺動させて爪560の端部を外方に押す。これによ
って、リール528側の爪560と回転体510側の歯
562とが係合し(図24の(a)参照)、始動ロープ
526の引き力が回転体510に伝えられ、蓄力用の渦
巻きばね508が蓄力される。勿論、リール528の回
転により、ロープ巻戻し用の渦巻きばね530も蓄力さ
れていく。この間、一方向クラッチ518により内燃機
関5のクランクシャフト6には回転体510からの回転
力は伝えられない。
【0075】続いて始動ロープ526を戻し始めると、
リール528が逆回転すると共に、振り子590の先端
部が星型の突起片594間にはまって向きを変え、爪5
60の他端を外方に押す。その結果、爪560が歯56
2からはずれ、リール528と回転体510との係合が
解除され、畜カ用渦巻きばね508に蓄えられたカによ
って回転体510が回転する。そして、その回転力は一
方向クラッチ518を通して、クランクシャフト6に伝
えられ、内燃機関5は始動する。
【0076】以上、本発明による種々の実施形態につい
て説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないこ
とはいうまでもない。例えば、リールと回転体との間の
係合のための係合手段、及び、その係合手段を制御して
前記係合を行わせたり解除させるたりする係合制御手段
は、上記実施形態ではスプライン、スパイラルカム、爪
と歯、或いはフリクションワイヤ等を用いた機構によっ
ているが、同様な作用を果たす機構は上記以外にも種々
考えられる。
【0077】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による内燃機
関始動装置においては、始動ロープを引き出した時にリ
ールと回転体とが係合し、回転体の回転により蓄力用ば
ねが蓄力される。この際、一方向クラッチにより内燃機
関のクランクシャフトと回転体とは分離するため、始動
ロープの引き力は蓄力用ばねのばね力のみによって定ま
り、安定した力で始動ロープを引くことができる。ま
た、内燃機関の圧縮行程時の大きな負荷も始動ロープに
伝搬しないため、その分、ロープ引き力は軽減される。
そして、始動ロープを巻き戻す際、リールと回転体とが
自動的に分離し、蓄力用ばねのばね復元力が回転体を回
転させる。その回転力は一方向クラッチを介して内燃機
関のクランクシャフトを回転させるため、クランクシャ
フトは蓄力用ばねにより定まる速度で回転する。
【0078】かかる効果により、非力な者でも、また始
動ロープを引くためのコツ等を習熟せずとも、内燃機関
を確実に始動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る内燃機関始動装置
を示す概略断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿っての断略断面図である。
【図3】図1の始動装置に用いられるばね装置を示す正
面図である。
【図4】図3のばね装置を示す平面図である。
【図5】図3のV−V線に沿っての断面図である。
【図6】(a)〜(f)は、ばねを除去しての図2と同
様な断面図であり、始動ロープを引き出した場合の状態
を順に示す図である。
【図7】(a)〜(f)は、ばねを除去しての図2と同
様な断面図であり、始動ロープを戻した場合の状態を順
に示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る内燃機関始動装置
を示す概略断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿っての概略断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿っての概略断面図であ
る。
【図11】本発明の第3実施形態に係る内燃機関始動装
置を示す概略断面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿っての概略断面図で
あり、(a)は爪と突出部が係合した状態を示す図、
(b)は爪と突出部とが分離した状態を示す図である。
【図13】爪を揺動させる機構を示す概略説明図であ
る。
【図14】本発明の第4実施形態に係る内燃機関始動装
置を示す概略断面図である。
【図15】図14のXV−XV線に沿っての概略断面図であ
り、(a)は爪と突出部が係合した状態を示す図、
(b)は爪と突出部とが分離した状態を示す図である。
【図16】図14のXVI−XVI線に沿っての概略断面図で
ある。
【図17】爪を示す平面図である。
【図18】図17の爪の概略断面図である。
【図19】爪とリールとの関係を示す図である。
【図20】(a)及び(b)は爪を揺動させる機構を示
す概略説明図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る内燃機関始動装
置を示す概略断面図である。
【図22】図21のXXII−XXII線に沿っての概略断面図
であり、(a)は爪と歯が係合した状態を示す図、
(b)は爪と歯とが分離した状態を示す図である。
【図23】本発明の第6実施形態に係る内燃機関始動装
置を示す概略断面図である。
【図24】図23のXXIV−XXIV線に沿っての概略断面図
であり、(a)は爪と歯が係合した状態を示す図、
(b)は爪と歯とが分離した状態を示す図である。
【図25】図23のXXV−XXV線に沿っての概略断面図で
ある。
【符号の説明】
5…内燃機関、6…クランクシャフト、10,100,
200,300,400,500…内燃機関始動装置、
12,102,202,302,402,502…ケー
ス、14…ばね装置、16,108,208,308,
408,508…蓄力用渦巻きばね、18…ばねケー
ス、24…回転体、50…突起、52…爪、54…歯、
62,118,418,518…一方向クラッチ、6
6,126,226,326,426,526…始動ロ
ープ、68,128,228,328,428,528
…リール、70,130,230,330,430,5
30…ロープ巻戻し用渦巻きばね、72…第1の振り
子、73…第2の振り子、74…ばね、76…つる巻ば
ね、124…スプライン部材、130…爪、140…
歯、150…凹部、152…爪、260,360,46
0,560…爪、262,362…突出部、462,5
62…歯、264,364…リリース爪、268,36
8,568…V溝プーリ、270,370,570…フ
リクションワイヤ、386…カム面、490,590…
振り子、492…ばね、494,594…突起片。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関(5)に対して固定されるケー
    ス(12,102,202,302,402,502)
    内に収容された蓄力用ばね(16,108,208,3
    08,408,508)を、始動ロープ(66,12
    6,226,326,426,526)を前記ケース
    (12,102,202,302,402,502)か
    ら引き出すことによって蓄力し、前記蓄力用ばね(1
    6,108,208,308,408,508)に蓄力
    されたばね力を解放し当該ばね力によって前記内燃機関
    (5)のクランクシャフト(6)を回転させて内燃機関
    (5)を始動する内燃機関始動装置(10,100,2
    00,300,400,500)において、 前記ケース(12,102,202,302,402,
    502)から引き出した前記始動ロープ(66,12
    6,226,326,426,526)を戻し始めたと
    きに前記蓄力用ばね(16,108,208,308,
    408,508)に蓄力されたばね力を解放するよう構
    成したことを特徴とする内燃機関始動装置。
  2. 【請求項2】 前記始動ロープ(66,126,22
    6,326,426,526)が、前記ケース(12,
    102,202,302,402,502)内に回転自
    在に取り付けられたリール(68,128,228,3
    28,428,528)に巻き付けられており、 前記内燃機関(5)の前記クランクシャフト(6)が、
    前記ケース(12,102,202,302,402,
    502)内に回転自在に取り付けられた回転体(24,
    110,210,310,410,510)に一方向ク
    ラッチ(62,118,418,518)により断接可
    能に接続されており、 前記蓄力用ばね(16,108,208,308,40
    8,508)が、前記ケース(12,102,202,
    302,402,502)に対して前記回転体(24,
    110,210,310,410,510)が所定方向
    に回転することで蓄力するよう配設されており、 前記リール(68,128,228,328,428,
    528)と前記回転体(24,110,210,31
    0,410,510)とを係合させる係合手段、及び、
    前記係合手段を制御する係合制御手段とを更に備えてお
    り、 前記係合制御手段が、前記始動ロープ(66,126,
    226,326,426,526)を前記リール(6
    8,128,228,328,428,528)から引
    き出したときに、前記リール(68,128,228,
    328,428,528)と前記回転体(24,11
    0,210,310,410,510)とが係合するよ
    う前記係合手段を制御し、もって前記リール(68,1
    28,228,328,428,528)の回転力を前
    記回転体(24,110,210,310,410,5
    10)に伝えて前記蓄力用ばね(16,108,20
    8,308,408,508)を蓄力するようになって
    おり、 前記係合制御手段が、前記始動ロープ(66,126,
    226,326,426,526)を引き出した後、前
    記始動ロープ(66,126,226,326,42
    6,526)の前記リール(68,128,228,3
    28,428,528)への巻き戻しを開始したとき
    に、前記リール(68,128,228,328,42
    8,528)と前記回転体(24,110,210,3
    10,410,510)との間の係合を解除するよう前
    記係合手段を制御し、もって前記蓄力用ばね(16,1
    08,208,308,408,508)の復元力を前
    記回転体(24,110,210,310,410,5
    10)及び前記一方向クラッチ(62,118,41
    8,518)を介して前記クランクシャフト(6)に伝
    え回転させるようになっていることを特徴とする請求項
    1に記載の内燃機関始動装置。
  3. 【請求項3】 前記始動ロープ(66,126,22
    6,326,426,526)を前記リール(68,1
    28,228,328,428,528)から引き出し
    た場合に蓄力し、引き出された前記始動ロープ(66,
    126,226,326,426,526)を前記リー
    ル(68,128,228,328,428,528)
    に巻き戻すよう前記リール(68,128,228,3
    28,428,528)を回転させるロープ巻戻し用ば
    ね(70,130,230,330,430,530)
    を備える請求項2記載の内燃機関始動装置。
  4. 【請求項4】 前記リール(68)及び前記回転体(2
    4)が互いに同軸に配置されており、 前記係合手段は、前記回転体(24)に設けられた複数
    の歯(54)と、中間部が前記リール(68)に揺動可
    能に取り付けられ、一端(52a)が前記歯(54)と
    係合可能となっている爪(52)とを備え、 前記係合制御手段は、前記爪(52)の前記一端(52
    a)に隣接し前記リール(68)に揺動可能に取り付け
    られた第1の振り子(72)であって、前記爪(52)
    の前記一端(52a)を押動して該爪(52)を前記歯
    (54)と係合させる前記第1の振り子(72)と、前
    記爪(52)の他端(52b)に隣接し前記リール(6
    8)に揺動可能に取り付けられた第2の振り子(73)
    であって、前記爪(52)の前記他端(52b)を押動
    して該爪(52)の前記歯(54)との係合を解除させ
    る前記第2の振り子(73)と、前記ケース(12)に
    設けられ前記第1の振り子(72)及び前記第2の振り
    子(73)と係合して前記第1の振り子(72)及び前
    記第2の振り子(73)の揺動を行わせるカム手段(5
    0)と、前記第1の振り子(72)及び前記第2の振り
    子(73)を前記カム手段(50)と係合する方向に向
    けるばね(74)とを備え前記カム手段(50)は、前
    記始動ロープ(66)を前記リール(68)から引き出
    すときに前記第1の振り子(72)を揺動させて前記爪
    (52)を前記歯(54)と係合する位置に揺動させ、
    前記始動ロープ(66)を前記リール(68)に巻き戻
    すときに前記第2の振り子(73)を揺動させて前記爪
    (52)を前記歯(54)から分離する位置に揺動させ
    るようになっている請求項2又は3に記載の内燃機関始
    動装置。
  5. 【請求項5】 前記回転体(110)と同軸に前記ケー
    ス(102)内に回転自在に取り付けられたスプライン
    部材(124)を具備しており、 前記リール(128)は、前記スプライン部材(12
    4)の外周にスプライン結合され前記回転体(110)
    に対して接近・分離可能となっており、 前記係合手段は、前記リール(128)又は前記回転体
    (110)の一方に設けられた爪(152)と、前記リ
    ール(128)が前記回転体(110)に接近したとき
    に前記爪(152)が嵌合されるよう前記リール(12
    8)又は前記回転体(110)の他方に設けられた凹部
    (150)とを備え、 前記係合制御手段は、前記リール(128)と同軸に前
    記ケース(102)内に回転自在に取り付けられたベー
    ス(134)であって、前記リール(128)と共に回
    転される前記ベース(134)と、前記始動ロープ(1
    26)の引き出しの開始時及び前記始動ロープ(12
    6)の巻き戻しの開始時に前記ベース(134)を前記
    ケース(102)に対して固定するベース固定手段と、
    前記ベース(134)と前記リール(128)との間に
    設けられたスパイラルカム(146,148)であっ
    て、前記始動ロープ(126)の引き出し方向に前記リ
    ール(128)を回転させた場合に該リール(128)
    を前記回転体(110)に接近させるよう構成された前
    記スパイラルカム(146,148)とを備える請求項
    2又は3に記載の内燃機関始動装置。
  6. 【請求項6】 前記ベース固定手段は、 前記ケース(102)の内周面に設けられた複数の歯
    (140)と、 前記ベース(134)に揺動可能に取り付けられ、前記
    歯(140)と係合可能となっている爪(136)と、 前記爪(136)を前記歯(140)に係合させるよう
    付勢するばね(138)と、 前記リール(128)に設けられた部片(144)であ
    って、前記始動ロープ(126)の引き出しの開始時及
    び巻き戻しの開始時において、前記リール(128)が
    所定量回転した後、前記爪(136)を押動して前記爪
    (136)と前記歯(140)との間の係合を解除する
    と共に、前記リール(128)の回転に伴って前記爪
    (136)と係合して前記リール(128)の回転力を
    前記ベース(134)に伝える前記部片(144)とを
    備える請求項5に記載の内燃機関始動装置。
  7. 【請求項7】 前記リール(228)及び前記回転体
    (210)が互いに同軸に配置されており、 前記係合手段は、前記回転体(210)に設けられた突
    出部(262)と、前記リール(228)に揺動可能に
    取り付けられ前記突出部(262)と係合可能となって
    いる爪(260)とを備え、 前記係合制御手段は、前記ケース(202)に固定され
    たV溝プーリ(268)と、前記V溝プーリ(268)
    に摩擦的に嵌合され前記爪(260)に接続されたフリ
    クションワイヤ(270)であって、前記始動ロープ
    (226)を前記リール(228)から引き出すときに
    前記V溝プーリ(268)に対して変位することで前記
    爪(260)を揺動させて前記突出部(262)と係合
    させる前記フリクションワイヤ(270)と、前記始動
    ロープ(226)を前記リール(228)に巻き戻すと
    きに前記爪(260)と接して該爪(260)を揺動さ
    せて前記突出部(262)から分離させる、前記ケース
    (202)に取り付けられたリリース爪(264)とを
    備える請求項2又は3に記載の内燃機関始動装置。
  8. 【請求項8】 前記リール(328)及び前記回転体
    (310)が互いに同軸に配置されており、 前記係合手段は、前記回転体(310)に設けられた突
    出部(362)と、前記リール(328)に揺動可能に
    取り付けられ前記突出部(362)と係合可能となって
    いる爪(360)とを備え、 前記係合制御手段は、前記ケース(302)に固定され
    たV溝プーリ(368)と、前記V溝プーリ(368)
    に摩擦的に嵌合され前記爪(360)に接続されたフリ
    クションワイヤ(370)であって、前記始動ロープ
    (326)を前記リール(328)から引き出すときに
    前記V溝プーリ(368)に対して変位することで前記
    爪(360)を揺動させて前記突出部(362)と係合
    させる前記フリクションワイヤ(370)と、前記ケー
    スに形成されたカム面(386)と、前記爪(360)
    に取り付けられたリリース爪(364)であって、前記
    始動ロープ(326)を前記リール(328)に巻き戻
    すときに前記カム面(386)と協働して前記爪(36
    0)を揺動させて前記突出部(362)から分離させる
    前記リリース爪(364)とを備える請求項2又は3に
    記載の内燃機関始動装置。
  9. 【請求項9】 前記リール(428)及び前記回転体
    (410)が互いに同軸に配置されており、 前記係合手段は、前記リール(428)に設けられた複
    数の歯(462)と、前記回転体(410)に揺動可能
    に取り付けられ前記歯(462)と係合可能となってい
    る爪(460)とを備え、 前記係合制御手段は、前記爪(460)を前記歯(46
    2)に係合させるよう付勢するばね(492)と、前記
    ケース(402)に設けられた突起片(494)と、前
    記回転体(410)に揺動可能に取り付けられた振り子
    (490)であって、前記始動ロープ(426)を前記
    リール(428)に巻き戻すときに前記突起片(49
    4)に接して揺動され、前記爪(460)を揺動させて
    前記歯(462)から分離させる前記振り子(490)
    とを備える請求項2又は3に記載の内燃機関始動装置。
  10. 【請求項10】 前記リール(528)及び前記回転体
    (510)が互いに同軸に配置されており、 前記係合手段は、前記回転体(510)に設けられた複
    数の歯(562)と、前記リール(528)に揺動可能
    に取り付けられ前記歯(562)と係合可能となってい
    る爪(560)とを備え、 前記係合制御手段は、前記リール(528)に揺動可能
    に取り付けられた振り子(590)であって、前記爪
    (560)に接して該爪(560)を揺動させて前記歯
    (562)との係合・係合解除を行わせる前記振り子
    (590)と、前記ケース(502)に固定されたV溝
    プーリ(568)と、前記V溝プーリ(568)に摩擦
    的に嵌合され前記振り子(590)に接続されたフリク
    ションワイヤ(570)であって、前記始動ロープ(5
    26)を前記リール(528)から引き出すときに前記
    V溝プーリ(568)に対して変位することで前記振り
    子(590)を揺動させて前記爪(560)を前記歯
    (562)と係合する位置に揺動させ、前記始動ロープ
    (526)を前記リール(528)に巻き戻すときに前
    記V溝プーリ(568)に対して変位することで前記振
    り子(590)を揺動させて前記爪(560)を前記歯
    (562)から分離する位置に揺動させる前記フリクシ
    ョンワイヤ(570)とを備える請求項2又は3に記載
    の内燃機関始動装置。
  11. 【請求項11】 前記蓄力用ばね(16)が渦巻きばね
    であり、ばねケース(18)に離脱不能に収容された状
    態で前記ケース(12)に取り付けられている請求項1
    〜10のいずれか1項に記載の内燃機関始動装置。
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