JP2005344847A - ドラムブレーキ用のアジャスタ組立体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 調節ナット6と、調節ナット6に螺合される調節ボルト5とを備えるドラムブレーキ用のアジャスタ組立体4であって、調節ナット6は、軸中心に貫通孔60cを有している。調節ボルト5は、ブレーキシュー3の一端部3dに軸周り回転不能に嵌合される頭部50と、頭部50から延出しかつ調節ナット6の貫通孔60cの孔壁面に形成された雌ネジ部60bに螺合される雄ネジ部51と、雄ネジ部51の先端から軸方向に延出して調節ナット6の一端縁60bから突出する張出片52,53とを一体に備えている。
そして張出片52,53は、ブレーキシュー2の一端部2dに張出して調節ボルト5がブレーキシュー2に対して軸周り回転することを規制する構成になっている。
【選択図】 図3
Description
特許文献1に記載のアジャスタ組立体は、調節ボルトと調節ナットとを有している。調節ボルトは、頭部と頭部から延出する雄ネジ部とを有している。そして頭部の先端面には、一のブレーキシューのウェブ突出部が回動不能に嵌め込まれる略矩形の嵌合凹溝が形成されている。
調節ナットは、軸中心を貫通する貫通孔を有しており、貫通孔の孔壁面には、雌ネジ部が形成されている。そして雌ネジ部には、貫通孔の一側から調節ボルトの雄ネジ部が螺合されている。そして貫通孔の他側からは、他のブレーキシューに形成されたウェブ突出部が回動自在に差込まれていた。
したがってアジャスタ組立体は、調節ナットを軸周り方向に回転させることで、調節ボルトの頭部によって一のブレーキシューを押し、調節ナットによって他のブレーキシューを押すことができる構成になっていた。そしてその構成は、調節ナットと調節ボルトからなる二部品構成であって簡易な構成になっていた。
そこで本発明は、調節ナットと調節ボルトからなる二部品構成の簡易な構成であるとともに、一対のブレーキシューの両方に対して安定良く取付けられ得る構成のドラムブレーキ用のアジャスタ組立体を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明によると、調節ナットは、軸中心に貫通孔を有している。調節ボルトは、一のブレーキシューの一端部に軸周り回転不能に嵌合される頭部と、その頭部から延出しかつ調節ナットの貫通孔の孔壁面に形成された雌ネジ部に螺合される雄ネジ部と、その雄ネジ部の先端から軸方向に延出して調節ナットの一端縁から突出する張出片とを一体に備えている。そして張出片は、調節ナットの一端縁に当接される他のブレーキシューの一部に張出して調節ボルトが他のブレーキシューに対して軸周り回転することを規制する構成になっている。
しかもアジャスタ組立体は、調節ボルトと調節ナットの二部品によって構成されており簡易な構成になっている。
また一の張出片は、ブレーキシューの表面に張出している。そのため張出片のブレーキシューに対する位置を確認しながらアジャスタ組立体をそのブレーキシューに組付けることができる。したがってアジャスタ組立体を容易にブレーキシューに組付けることもできる。
したがって一のブレーキシューに形成される位置決め凹部と、他のブレーキシューに形成される位置決め凹部とを同じ形状にすることができる。かくして一対のブレーキシューを同じ形状にすることができる。
ドラムブレーキ1は、図1,2に示すようにドラムインディスクのブレーキ装置であって、中央位置にてパーキング用のドラムブレーキ部を有しており、外周側にパッド20によって制動力を生じるディスクブレーキ部を有している。
ドラムブレーキ部は、図1に示すように車体側の部材に固定されるドーナツ円盤状の裏板10と、裏板10上に可動的に装架される一対のブレーキシュー2,3(プライマリーシュー2、セカンダリーシュー3)とを有している。
一方、ブレーキシュー2,3の下側の一端間には、ブレーキシュー2,3の一端間距離を調節するアジャスタ組立体4と、下側一端間を近接させる方向に弾性的に付勢する戻りバネ14とが設けられている。
ダストカバー15は、図1に示すように略ドーナツ円盤状であって、パッド20が取付けられる部分にて切欠き部15aを有している。
取付部21aは、中央側にてドーナツ円盤状に形成されており、車軸側に取付けられる。ドラム21bは、筒状に形成されており、取付部21aの外周縁から裏板10側に向けて延出し、内側面にブレーキシュー2,3が押付けられることで制動力を生ずる。ディスク21cは、ドーナツ円盤状に形成されており、ドラム21bの外周面から外周側方に延出しており、パッド20が押付けられることで制動力を生ずる。
ウェブ2a,3aの上側の一端部には、図1に示すようにトグル機構12が掛け止められる掛止部2e,3eが形成されている。
トグルレバー12aは、ブレーキシュー2をドラムに向けて押す部材であって、トグルレバー12aには、図2に示すように裏板10を厚み方向に貫通するパーキング用のケーブル17が連結されている。
かくして一対のブレーキシュー2,3は、トグル機構12によって一端間距離が拡開されることでドラム21bに押当てられる(図2参照)。
アジャスタ組立体4は、ライニング2c,3cが摩耗した場合などにおいてにウェブ2a,3aの一端部2d,3d間の距離を調節することでライニング2c,3cとドラム21bとの隙間量を適正値に調節する部材であって、調節ナット6と調節ボルト5とを有している。
筒部60は、軸中心を貫通する貫通孔60cを有しており、貫通孔60cの孔壁面に雌ネジ部60aが形成されている。
スターホイル部61は、筒部60の軸長さ略中心位置にて形成されており、外周縁に凹部と凸部とを交互に有している。
頭部50は、調節ナット6の外径とほぼ同じ径に形成されており、先端面にブレーキシュー3が差込まれる溝50aが形成されている。溝50aは、図3,5に示すようにすり割り状の構成であって、頭部50の先端面側から基端側に向けて延出し、頭部50を直径方向に横切っている。
そして頭部50は、溝50aにブレーキシュー3の一端部3dが差込まれることでブレーキシュー3の一端部3dに対して軸周り方向に回転不能に取付けられている(嵌合されている)。
かくして頭部50は、ブレーキシュー3の一端部3dに対して軸周り方向に回転不能でかつ上下方向へ移動が規制された状態にて取付けられている。
かくしてアジャスタ組立体4は、張出片52,53側がブレーキシュー2の一端部2dに対して軸周り方向に回転不能でかつ上下方向へ移動が規制された状態にて取付けられている。
すなわち調節ボルト5は、図3に示すようにブレーキシュー3の一端部3dに軸周り回転不能に嵌合される頭部50と、調節ナット6の雌ネジ部60aに螺合される雄ネジ部51と、雄ネジ部51の先端から軸方向に延出して調節ナット6の一端縁60bから突出する張出片52,53とを一体に備えている。そして張出片52,53は、ブレーキシュー2の一端部2dに張出して調節ボルト5がブレーキシュー2に対して軸周り回転することを規制する構成になっている。
しかもアジャスタ組立体4は、調節ボルト5と調節ナット6の二部品によって構成されており簡易な構成になっている。
したがってアジャスタ組立体4は、ブレーキシュー2の表裏両面側に張出す二つの張出片52,53によってブレーキシュー2に対して軸周り回転不能に取付けられ得る。
また一の張出片52は、ブレーキシュー2の表面に張出している。そのため張出片52のブレーキシュー2に対する位置を確認しながらアジャスタ組立体4をブレーキシュー2に組付けることができる。したがってアジャスタ組立体4を容易にブレーキシュー2に組付けることもできる。
したがってブレーキシュー2に形成される位置決め凹部2gと、ブレーキシュー3に形成される位置決め凹部3gとを同じ形状にすることができる。かくして一対のブレーキシュー2,3を同じ形状にすることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)例えば上記の実施の形態に係る調節ボルトは、二つの張出片を有していた。しかし調節ボルトが、いずれか一つの張出片を有しており、その張出片によってブレーキシューに対して軸周り回転規制される形態であっても良い。
(2)上記の実施の形態に係る調節ボルトは、一の張出片がブレーキシューの表面側に張出しており、他の張出片が裏面側に張出す形態であった。しかしブレーキシューに張出片が差込まれる差込み溝が形成されており、その差込溝に張出片がスライド可能に差込まれることで、調節ボルトが軸周り回転不能に規制される形態であっても良い。
(3)また上記の実施の形態に係るアジャスタ組立体は、ディスクブレーキ部を有するドラムインディスクブレーキに利用される形態であった。しかしアジャスタ組立体がディスクブレーキ部を有していないドラムディスクに設けられる形態であっても良い。
2,3…ブレーキシュー
2c,3c…ライニング
2d,3d…一端部
2g,3g…位置決め凹部
4…アジャスタ組立体
5…調節ボルト
6…調節ナット
12…トグル機構
21…ディスク部材
21b…ドラム
50…頭部
51…雄ネジ部
52,53…張出片
60…筒部
60a…雌ネジ部
60b…一端縁
Claims (3)
- ブレーキシューとドラムとの隙間を調節するために、一対のブレーキシューの一端部間に設けられる調節ナットと、その調節ナットに螺合されている調節ボルトとを備えているドラムブレーキ用のアジャスタ組立体であって、
前記調節ナットは、軸中心に貫通孔を有しており、
前記調節ボルトは、一のブレーキシューの一端部に軸周り回転不能に嵌合される頭部と、その頭部から延出しかつ前記調節ナットの貫通孔の孔壁面に形成された雌ネジ部に螺合される雄ネジ部と、その雄ネジ部の先端から軸方向に延出して前記調節ナットの一端縁から突出する張出片とを一体に備えており、
前記張出片は、前記調節ナットの一端縁に当接される前記他のブレーキシューの一部に張出して前記調節ボルトが前記他のブレーキシューに対して軸周り回転することを規制する構成になっていることを特徴とするドラムブレーキ用のアジャスタ組立体。 - 請求項1に記載のドラムブレーキ用のアジャスタ組立体であって、
調節ボルトは、少なくとも二つの張出片を有しており、
一の張出片が、調節ナットの一端縁に当接されるブレーキシューの表面側に張出し、他の張出片が、前記ブレーキシューの裏面側に張出しており、
前記ブレーキシューの一端部が、前記二つの張出片の間を通って前記調節ナットの一端縁に当接される構成になっていることを特徴とするドラムブレーキ用のアジャスタ組立体。 - 請求項1または2に記載のドラムブレーキ用のアジャスタ組立体であって、
調節ボルトの頭部が一のブレーキシューの一端部に凹設された位置決め凹部に嵌め込まれ、調節ナットの一端縁側が他のブレーキシューの一端部に凹設された位置決め凹部に嵌め込まれ、
これら調節ボルトの頭部と調節ナットの一端縁側とが、ほぼ同じ径の大きさに形成されていることを特徴とするドラムブレーキ用のアジャスタ組立体。
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