JP2005343973A - アイオノマー組成物及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低吸湿性、高温加工性、非帯電性、高周波ウエルダー性などに優れ、疎水性重合体に配合するときに、高温加工性に優れ、非帯電性に優れた重合体組成物を得ることが可能なアイオノマー組成物を提供する。
【解決手段】 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部がカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれるアルカリ金属で中和されていて、該アルカリ金属量が少なくとも1.45ミリモル/gであるアイオノマー(A)25重量部〜50重量部未満と疎水性重合体(B)75重量部〜50重量部超とからなるアイオノマー組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム、シート、テープ、チューブ等の材料として好適な、低吸湿性、高温加工性、非帯電性、高周波ウエルダー性、強度等に優れたアイオノマー組成物及びその用途に関する。とりわけ疎水性重合体に対して高分子型帯電防止剤として配合するときに、高温加工性に優れ、良好な帯電防止性能、高周波ウエルダー性を示す重合体組成物を得ることが可能なアイオノマー組成物に関する。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンにより中和されてなるエチレン共重合体アイオノマーにおいて、不飽和カルボン酸含量が高く、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれるアルカリ金属で中和された中和度の高いアイオノマーが帯電防止性能に優れることは古くから知られている(例えば特許文献1参照)。しかるに上記のような酸含量及び中和度の高いアルカリ金属アイオノマーは、吸湿性(吸水性)が高く、吸湿したアイオノマーの脱水は容易でないため、保存や取り扱いに注意を要するという問題があった。さらに一般には溶融粘度が高くて加工性に難がある上に、吸湿したアイオノマーを成形すると発泡現象により満足すべき成形品が得られないという欠点もあった。
上記アイオノマーの非帯電性を実質的に損なわずに吸湿性を低減させる方法として、酸含量の高いカリウムアイオノマーと酸含量の低いカリウムアイオノマーをブレンドすることが有効であることは知られている(特許文献2参照)。しかしながらこのようなブレンド物においても吸湿性の低減には限度があり、各種重合体に配合して高温度で成形するときには、発泡現象が問題になることがあった。また溶融粘度が大きいため加工性に難点があり、用途によってはこれらの改善が求められていた。
非帯電性に優れたカリウムアイオノマーにおいてはまた、グリセリンやポリオキシエチレングリコールのような多価アルコール系化合物を配合して使用する場合には、不飽和カルボン酸含量や中和度の若干低減されたカリウムアイオノマーを用いても同等の非帯電性を示すようになることは知られており、アイオノマーの吸湿性低減の処方としては有効である(例えば特許文献3参照)。また多価アルコール系化合物の配合によって高周波ウエルダー性の改良もなされており、高周波シールを利用する用途におけるポリ塩化ビニルの代替材料としても魅力あるものである。しかしながらこのような配合処方においても多価アルコール系化合物の種類や配合量によっても異なるが、用途によってはそのブリードや変色、成形時の発煙などが問題になることがあり、これらを配合しなくても済むような代替処方が求められていた。
さらに上記高酸含量、高中和度のカリウムアイオノマーを工業的に製造するときの種々の問題点を解決する目的で、オレフィン重合体を共存させる方法が知られている(特許文献4参照)。具体的には、高圧法ポリエチレンを大量に配合したものをイオン化した例が示されている。得られる組成物をそのまま使用する用途においては、このような具体例で示される方法は有効であるが、各種重合体の非帯電性を改善するための添加剤として利用する場合にはその改善効果が充分でないという問題があった。
特開昭60−240704号公報 特開平3−106954号公報 特開平8−134295号 特開平6−287223号公報
本発明の目的は、上記のような状況下において、吸湿し難く、各種重合体の非帯電性を効果的に改良するための添加剤として使用することができるとともに、高温成形によっても発泡トラブルが生じ難いアイオノマー組成物を提供することにある。本発明の別の目的は、このようなアイオノマー組成物及びこのようなアイオノマー組成物を疎水性重合体に配合して得られる重合体組成物を利用したフィルム、シート、テープ、チューブ等を提供することにある。
すなわち本発明は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部がカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれるアルカリ金属で中和されていて、該アルカリ金属量が少なくとも1.45ミリモル/gであるアイオノマー(A)25重量部〜50重量部未満と疎水性重合体(B)75重量部〜50重量部超(ただし(A)と(B)の合計量を100重量部とする)とからなるアイオノマー組成物に関する。ここに疎水性重合体(B)としては、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体が好ましく、とりわけエチレン・アクリル酸メチル共重合体の使用が好ましい。
本発明はまた、上記アイオノマー組成物からなる重合体用添加剤、好ましくはポリオレフィン用添加剤に関する。
本発明はまた、上記アイオノマー組成物1〜50重量部と疎水性重合体(C)99〜50重量部とからなる重合体組成物に関する。ここに疎水性重合体(C)としては、ポリオレフィンであることが好ましい。
本発明によれば、疎水性重合体(C)に添加して、とりわけポリオレフィンに添加して、吸湿し難く、非帯電性、高温加工性に優れた重合体組成物を得ることができるアイオノマー組成物を提供することができる。このような重合体組成物はまた、高周波ウエルダー特性にも優れており、従来ポリ塩化ビニルが使用されていた用途、例えば、フィルム、シート、テープ、チューブなどの用途に好適に使用することができる。
本発明において使用されるアイオノマー(A)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部が、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれるアルカリ金属(アルカリ金属イオン)で中和されていて、該アルカリ金属(アルカリ金属イオン)量が少なくとも1.45ミリモル/g、好ましくは1.60〜2.70ミリモル/gのものである。上記アルカリ金属の中では、アイオノマー組成物の物性およびコストの面からカリウムの使用が最も好ましい。アイオノマー(A)としてはまた、加工性、疎水性重合体(B)との混和性などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999、以下同じ)が0.05〜50g/10分、とくに0.1〜10g/10分程度のものが好ましい。
上記のような性状のアイオノマー(A)を得るためには、不飽和カルボン酸含量が10〜30重量%、好ましくは11〜25重量%、メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が1〜300g/10分、好ましくは10g/10分以上200g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)をベースポリマーとし、不飽和カルボン酸成分の60%以上、好ましくは70〜95%をカリウム、ルビジウム又はセシウムからなるアルカリ金属で中和中和することによって得ることができる。ここにベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)が2種以上の共重合体の混合成分であるときには、前記不飽和カルボン酸含量は混合成分重量に対する不飽和カルボン酸成分重量の割合(平均不飽和カルボン酸含量と表示する)を意味し、またメルトフローレートは混合成分全体としてのメルトフローレート(平均メルトフローレートと表示する)を意味するもので、その一部又は全部の共重合体は、不飽和カルボン酸含量及び/又はメルトフローレートが上記範囲から外れるものであってもよい。
本発明においては、アイオノマー組成物の加工性、低吸湿性等を考慮すると、上記ベースポリマーとして単一のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を使用するだけでなく、不飽和カルボン酸含量が異なる2種以上のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を使用することもできる。とくに不飽和カルボン酸含量が1〜10重量%、好ましくは2〜10重量%、メルトフローレートが1〜600g/10分、好ましくは10〜500g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a−1)と不飽和カルボン酸含量が11〜25重量%、好ましくは13〜23重量%、メルトフローレートが1〜600g/10分、好ましくは10〜500g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a−2)からなり、平均不飽和カルボン酸含量が10〜20重量%、好ましくは11〜15重量%、平均メルトフローレートが1〜300g/10分、好ましくは10g/10分以上200g/10分の混合共重合体成分であることが好ましい。また共重合体(a−1)及び(a−2)両者の不飽和カルボン酸含量差が3重量%以上、とくに4〜15重量%の範囲にあることが好ましい。この混合共重合体成分においてはまた、共重合体(a−1)と共重合体(a−2)の混合割合が、前者2〜60重量部、好ましくは5〜50重量部に対し後者98〜40重量部、好ましくは95〜50重量部とするのが好ましい。すなわちベースポリマーとしてこのような混合共重合体成分を使用することにより、アルカリ金属によるイオン化が容易で、加工性及び帯電防止性能が優れ、しかも吸湿性及び吸水性の低いアイオノマー(A)を容易に得ることができる。上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a−1)として、組成やメルトフローレートの異なる2種以上のものを併用してもよく、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a−2)においても、同様に2種以上のものを併用することができる。
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを代表例として例示することができる。これらの中ではアクリル酸又はメタクリル酸が最も好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)には、任意成分として他の単量体が共重合されていてもよい。このような任意共重合成分の存在は、アイオノマー(A)の柔軟性付与に効果的であって、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素などを例示することができる。上記任意共重合成分は、共重合体(a)中、例えば40重量%以下、好ましくは20重量%以下の如き量で含有されていてもよい。このような任意共重合成分をあまり過度に含有せしめるとアイオノマー(A)の機械的強度を低下させ、あるいはブロッキングの要因となるなどの悪影響を及ぼすようになるのであまり多量に含有させるべきではない。
上記のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)は、高温、高圧の条件下、エチレン、不飽和カルボン酸及び任意に他の共重合成分をラジカル共重合することによって得ることができる。またアイオノマー(A)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)にカリウム、ルビジウムあるいはセシウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩などを反応させることによって得ることができる。
本発明のアイオノマー組成物は、上記アイオノマー(A)25重量部〜50重量部未満、好ましくは30〜49重量部に対し、疎水性重合体(B)75〜50重量部超、好ましくは70〜51重量部(両者の合計で100重量部)の割合で配合するものである。すなわちこのような割合で疎水性重合体(B)を配合することにより、アイオノマー(A)の非帯電性をそれ程損なうことなく、アイオノマー(A)の加工性を著しく改善して各種成形を可能とすることができ、また柔軟性等を改善することもできる。また、このような割合で疎水性重合体を配合することにより、カリウムアイオノマーの吸湿性を顕著に低減させることできるので、保存や取り扱いにそれ程留意することなく、種々の用途に使用することができる。さらにエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)をイオン化してアイオノマー(A)を製造するに際し、このような疎水性重合体(B)を配合しておくことにより、スクリュー押出機におけるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)のイオン化を生産性よく行うことが可能となる。
このような目的に使用される疎水性重合体(B)としては、高圧法ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのようなオレフィンの単独重合体又はオレフィン同士の共重合体、エチレンと、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸ジメチルのような不飽和カルボン酸エステルなどの不飽和エステルとの共重合体、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン・ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン・イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物などのスチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・66、ナイロン6・12、ナイロン6TIなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニルなどを例示することができる。
これら疎水性重合体(B)の中では、アイオノマー(A)と均一に混合して比較的透明で、しかも柔軟性、加工性に優れたアイオノマー組成物を得ることができ、しかも本発明のアイオノマー組成物を後記する疎水性重合体(C)に配合したときに、吸湿し難く、帯電防止効果を充分に発揮することができ、また高温加工するときの発泡傾向を抑制できるところから、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体が好ましく、その中でもアイオノマーとの相溶性、FDA適合性の面からエチレン・アクリル酸メチル共重合体の使用がとくに好ましい。
好適なエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、アイオノマーとの相溶性、低吸湿性、低粘着性の面から不飽和カルボン酸エステルの含量が2〜50重量%、とくに4〜40重量%が好ましく、またアイオノマーとの相溶性、低粘着性の面からメルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が、0.5〜50g/10分、とくに1〜30g/10分程度のものが好ましい。
アイオノマー(A)と疎水性重合体(B)からなる本発明のアイオノマー組成物は、両者を所定割合で溶融混合することによって調製することができるし、アイオノマー(A)のベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)と疎水性重合体(B)を、スクリュー押出機中で、溶融混練しながら上記アルカリ金属の化合物と反応させることによっても得ることができる。後者の方法においては、溶融混練の温度は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(a)及び疎水性重合体(B)の融点以上の温度、一般的には150℃以上、好ましくは160〜280℃の範囲で、好ましくは60秒以上の滞留時間を維持して行うのが好ましい。スクリュー押出機としては相当の混練能力があり、またイオン化反応によって生じる副生物を除去するため、ベント機構を有するものを使用するのがよい。
上記の如くにして得られる本発明のアイオノマー組成物は、23℃、相対湿度50%RHにおける1%帯電減衰時間が好ましくは10秒以下、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜8g/10分である。また含水率が10000ppm以下、好ましくは5000ppm以下のものを容易に得ることができる。
このような特性を有する本発明のアイオノマー組成物は、そのまま、あるいは所望に応じ任意の添加剤、たとえば酸化防止剤、耐候安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、顔料、染料、架橋剤、発泡剤、粘着付与剤などを加え、種々の用途に使用することができる。
本発明のアイオノマー組成物は、とりわけ各種重合体に非帯電性を付与するための改質剤として使用することが好ましい。改質の対象となる重合体として例えば、疎水性重合体(C)を挙げることができ、例えば疎水性重合体(B)として例示したものを挙げることができるが、とりわけポリオレフィン、とくにポリエチレン、ポリプロピレンに配合するときに優れた帯電防止効果を発揮することができるので好ましい。本発明のアイオノマー組成物と疎水性重合体(C)の配合比率は、例えば前者1〜50重量部、とくに3〜40重量部に対し、後者99〜50重量部、とくに97〜60重量部(両者の合計で100重量部)の割合とするのが望ましい。
疎水性重合体(C)として好適なポリエチレンとしては、種々の触媒系を用い、種々の方法で製造されたものを使用することができるが、高圧法ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンとして知られているエチレンと炭素数3以上のαーオレフィンとの共重合体の使用が好ましい。線状ポリエチレンの共重合成分である炭素数3以上のαーオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどであり、とりわけ炭素数4〜10のものが好ましい。また線状ポリエチレンとしては、高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム触媒成分の組み合わせを代表例とするチーグラー型触媒やビスペンタジエニルジルコニウム化合物とアルミノオキサン化合物の組み合わせを代表例とするシングルサイト触媒で製造されたものなどを使用することができる。
本発明のアイオノマー組成物、あるいはそれと疎水性重合体(C)とからなる重合体組成物は、単層で、あるいは他材料と積層して、フィルム、シート、テープ、繊維、織布、不織布、チューブ、管、ロッド、袋、容器、各種射出成形品、各種中空成形品などに加工することができる。より具体的な用途として、ダイシングテープ基材やバックグラインドフィルムなどの半導体用粘着テープ又はフィルム、マーキングフィルム、ICキャリアテープ、電子部品テーピングテープのような電気・電子材料、食品包装材料、衛生材料、プロテクトフィルム、鋼線被覆材料、クリーンルームカーテン、壁紙、マット、床材、フレコン内袋、コンテナー、靴、バッテリーセパレーター、透湿フィイルム、防汚フィルム、防塵フィルム、PVC代替フィルム、各種化粧品、洗剤、シャンプー、リンス等のチューブやボトルなどを例示することができる。
本発明のアイオノマー組成物あるいはそれと疎水性重合体(C)からなる重合体組成物を積層体として使用する場合、積層に使用される他材料としては、各種重合体、例えば先に例示した疎水性重合体(B)のほか熱可塑性エラストマーや熱硬化性樹脂、粘着剤、紙、金属、織布、不織布、木材、セラミックスなどを例示することができる。例えば本発明のアイオノマー組成物あるいはそれと疎水性重合体(C)からなる重合体組成物をダイシングテープ基材として用いる場合には、これら組成物からなるテープ基材にゴム系、アクリル系、シリコーン系などの粘着剤を塗布し、さらにその上に剥離フィルムを貼着して商品とされる。また本発明のアイオノマー組成物あるいはそれと疎水性重合体(C)からなる重合体組成物は、非帯電性のみならず高周波ウエルダー性に優れているので、高周波シールが適用される単層フィルムあるいは他材料との積層フィルムとして使用することができる。このような積層フィルムにおいて非帯電性と高周波シール性を併せ有するためには、本発明のアイオノマー組成物あるいはそれと疎水性重合体(C)からなる重合体組成物を、ヒートシール層としてあるいはヒートシール層に隣接する層として使用すればよい。この際、積層フィルムの他の層として利用できる材料としては、上記した疎水性重合体(b)のほか、アルミニウム箔、アルミ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体などを挙げることができる。積層フィルムにおいては勿論、上記材料が1層のみならず、2層以上有していてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例及び比較例で用いた各種原料及び得られたアイオノマー組成物の物性評価方法は、以下の通りである。
1.原料
1.1.アイオノマー(A)
IO−1:メタクリル酸含量2.33ミリモル/g(20重量%)、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR、以下同じ)(JIS K7210−1999)500g/10分のエチレン・メタクリル酸共重合体をベースポリマーとする、中和度が85%のカリウムアイオノマー(カリウム含有量:1.98ミリモル/g)
IO−2:メタクリル酸含量2.33ミリモル/g、MFR500g/10分のエチレン・メタクリル酸共重合体をベースポリマーとする、中和度が60%のカリウムアイオノマー(カリウム含有量:1.398ミリモル/g)
1.2.疎水性重合体(B)
EMA−1:高圧法ポリエチレンのラジカル重合プロセスを用いて合成した、アクリル酸メチル含量が9重量%、MFRが6g/10分のエチレン・アクリル酸メチル共重合体
1.3.疎水性重合体(C)
mPE:メタロセン触媒で製造された線状低密度ポリエチレン
三井化学(株)製エボリューSP2540(MFR3.8g/10分、密度923kg/m
2.アイオノマー組成物の調製
[実施例1]
50重量部のIO−1と50重量部のEMA−1とを溶融ブレンドしてアイオノマー組成物−1を得た。
[比較例1]
50重量部のIO−2と50重量部のEMA−1とを溶融ブレンドしてアイオノマー組成物−2を得た。
3.物性・加工性評価方法
3.1.発泡性
アイオノマー組成物−1(又は2)の水分含有量を3000ppmに調湿したペレットを、23℃、50%相対湿度雰囲気下に放置し、1時間毎にサンプリングしたアイオノマー組成物20重量部と上記mPE80重量部とをドライブレンドして得た重合体組成物を、スクリュー径40mm(フルフライト、L/D=32)、ダイ幅460mmのキャストフィルム成形装置を用い、スクリュー回転数100rpm、樹脂温度230℃にてフィルムを成形した。このフィルム成形時に発泡するまでのアイオノマー組成物の放置時間を測定した。
3.2.表面抵抗率
上記発泡性評価において、放置直後のアイオノマー組成物を使用して成形したフィルムを用い、三菱化学(株)製ハイレスタを用い、23℃、50%相対湿度雰囲気下に24時間放置したフィルム試験片の表面抵抗率を測定した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2005343973


Claims (8)

  1. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部がカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれるアルカリ金属で中和されていて、該アルカリ金属量が少なくとも1.45ミリモル/gであるアイオノマー(A)25重量部〜50重量部未満と疎水性重合体(B)75重量部〜50重量部超とからなるアイオノマー組成物。
  2. 請求項1記載のアイオノマー組成物を成形してなるフィルム、シート、テープ又はチューブ。
  3. 請求項1記載のアイオノマー組成物からなる層を少なくとも1層有する多層のフィルム、シート、テープ又はチューブ。
  4. 請求項1記載のアイオノマー組成物からなる重合体用添加剤。
  5. ポリオレフィン用である請求項4記載の重合体用添加剤。
  6. 請求項1記載のアイオノマー組成物1〜50重量部と疎水性重合体(C)99〜50重量部とからなる重合体組成物。
  7. 請求項6記載の重合体組成物を成形してなるフィルム、シート、テープ又はチューブ。
  8. 請求項6記載の重合体組成物からなる層を少なくとも1層有する多層のフィルム、シート、テープ又はチューブ。
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