JPH06873B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH06873B2
JPH06873B2 JP15128484A JP15128484A JPH06873B2 JP H06873 B2 JPH06873 B2 JP H06873B2 JP 15128484 A JP15128484 A JP 15128484A JP 15128484 A JP15128484 A JP 15128484A JP H06873 B2 JPH06873 B2 JP H06873B2
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Showa Denko KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は押出しラミネート用樹脂組成物に関する。
(従来の技術) 従来押出ラミネートに適する樹脂としては、ポリオレフ
ィン系の重合体、特に低密度ポリエチレンが多く使用さ
れている。低密度ポリエチレンは押出ラミネートとして
種々の優れた物性を有するが、樹脂本来の性質が無極性
の為、紙、アルミニウム、ポリエステル、セロハン等の
基材に対して接着性が劣る。接着性を十分附与させるに
は、非常な高温(300〜340℃)で成形してフィルムの表
面を酸化、活性化させることができるが、これでも十分
ではなく、またあまり高温で成形すると熱劣化が促進さ
れ、成形性が低下したり発煙臭い等の問題があるため通
常アルミニウム等の基材にラミネートする場合、アンカ
ーコート剤と称する一種の接着剤を基材に塗布した上で
ラミネートを行なう必要があり、工程が繁雑化するうえ
作業環境上の問題もある。
この様な低密度ポリエチレンの弱点をカバーするため、
各種のエチレン系共重合体が押出ラミネート用として用
いられることがある。
代表的なのは、エチレンと不飽和カルボン酸の共重合体
の一部のカルボン酸を亜鉛等のイオンで中和、架橋した
重合体、またはエチレンとアクリル酸の共重合体等であ
る。
これらの共重合体は成形加工性が良好でヒートシール性
能が優れるなど押出ラミネートとしての適性をそなえ、
かつ低温(300℃以下)成形でアルミニウム等、ある種
の基材に対しては良好な接着性を示す。ただし、ポリエ
ステル、セロハン、延伸ポリプロピレン等の各種プラス
チックに対しては必ずしも接着力が十分でなく、押出ラ
ミネートで直接強い接着力を得るのは難しい。
また、他の共重合体として、エチレン〜アルキル(メ
タ)アクリレート〜無水マレイン酸の三元共重合体が有
り、この重合体は紙、アルミニウム、各種プラスチック
基材に対して広範囲に良好な接着性を示すことは公知で
ある。ただし十分な接着性を得る為には重合体中に0.6m
ol%以上の無水マレイン酸を導入する必要が有り、この
様な重合体は溶融張力が小さく、押出ラミネート用の樹
脂としては不適当である。すなわち成形時の溶融延伸性
は十分であるがネックインが極めて大きいという欠点を
有する。
更に、重合体中に残存する未反応の無水マレイン酸やア
ルキル(メタ)アクリレート又はそれらが原因となって
成形時に発生する各種化合物の影響で、臭いが強く、特
に食品包装等の材料に使用するには問題が大きい。
(発明が解決しようとする問題点) これらの状況を考え各種基材に対して、アンカーコート
剤なしで十分な接着力を有し、かつ成形性臭い等も従来
の低密度ポリエチレン並のレベルを維持する様な押出ラ
ミネート用の樹脂について検討した結果、下記組成物が
この様な目的に適合することを見出し本発明に至った。
当該樹脂組成物は各種基材に対して良好な接着性を示
し、臭いも少なくヒートシール特性も良好なので、各種
押出ラミネート用において、ヒートシール層としてある
いはサンド層としてアンカーコート剤なしで幅広く利用
できる。
(問題点を解決するための手段) 本発明に使用するエチレン系三元共重合体(A)はエチレ
ンと (I)の構造を持つアルキル(メタ)アクリレート、
(II)で表わせる無水マレイン酸の3元共重合体であ
り、(I)のRは水素又はメチル基を示し、Rは炭
素数が1〜8のアルキル基を示す。具体的に例をあげる
と、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキ
シル等である。重合体中に占める(I)及び(II)の割
合はそれぞれ0.8〜5mol%、0.15〜1.5mol%好ましくは、
それぞれ1.5〜3mol%、0.6〜1.2mol%である。アルキル
(メタ)アクリレートの量が0.8%以下では十分な量の無
水マレイン酸が導入できないので接着性が十分発揮出来
ないし、ヒートシール性も劣るためラミネート適性が十
分でない。5%以上になると重合体の分子量、結晶化度を
上げるのが困難となり、ネックインの悪化が大きくなり
すぎる。無水マレイン酸の量が0.15%以下では極性が不
足し十分な接着性が得られない。1.5%以上では、重合体
の製造技術上無理が生じ安定して重合体が製造できない
し、無水マレイン酸による空気中の水分の吸収が増え、
成形時に発泡が起る様になり好ましくない。
また重合体のメルトインデックス(JIS-K-6760)は特に
限定はないが、適切な押出ラミネートを実施する為には
1〜15、特に5〜10が好ましい。
当該共重合体の製造方法としては、高圧法、低密度ポリ
エチレンの重合設備を利用することができる。例えば無
水マレイン酸及びアルキル(メタ)アクリレートを温度
170〜280℃、圧力1,000〜2,000kg/cm2に保持された反応
器にエチレンと共に導入し、t-ブチルパーオキシピバレ
ート、t-ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート、ジ
-t-ブチルパーオキシド等に代表されるフリーラジカル
開始剤の注入によって重合する。降圧後、生成した重合
体と未反応単量体とを分離し、重合体は、押出機を通し
てペレット化する。重合の際必要に応じて、プロピレ
ン、ブタン、ブテン、アセトン等の分子量調節剤、また
反応の安定剤として、2.5ジ-t-ブチルヒドロキシトルエ
ンに代表される様なフェノール系の化合物を数百ppm〜
数%添加することも可能である。
(B)成分として利用できるエチレンとビニルアルコール
から成るエチレン系共重合体とは、エチレンと酢酸ビニ
ルの共重合体を鹸化して得られる重合体で、未鹸化の酢
酸ビニル成分を少量含んでいてもよい。
同じく(B)成分として利用できるエチレンとヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートから成るエチレン系共重
合体において、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トとは、構造式(I)においてRが炭素数1〜8のア
ルキル基の水素1個以上をヒドロキシル基(水酸基)で
置換した形のヒドロキシアルキル基である化合物であ
る。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等の化合物を例示することができる。共重合体(B)とし
てはエチレンとこれらの化合物の共重合体であり、その
製造は共重合体(A)と同様に高圧法低密度ポリエチレン
の製造設備が利用できる。なお共重合体(B)には上記
成分の他に本発明の目的をそこなわない範囲において他
の共単量体を含ませることが可能である。この際、共重
合体中のビニルアルコール又はヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの単位の割合は2〜30モル%であり、
好ましくは3〜15モル%である。この割合が2モル%以
下だと−OH基の絶対量が少なく添加する重合体の量が
多量に必要になり、相対的にエチレン〜アルキル(メ
タ)アクリレート〜無水マレイン酸三元共重合体の比率
が低下し、接着性の悪化につながる。また30モル%以上
になると、−OH基の分散が不十分となり、不均一な架
橋反応が起こり、フィルムにゲルが発生する。
本発明に係る押出ラミネート用樹脂組成物は前記の2種
類の共重合体を例えば溶融混合することにより製造され
るが、その方法は通常のポリオレフィン系重合体を混練
する際利用される方法がそのまま使える。即ち、バンバ
リーミキサー、ロール、各種の押出機等である。2種類
の共重合体の混合の比率は無水マレイン酸系三元共重合
体(A)中の無水マレイン酸のモル数に対して、1/10〜
1/2モル当量の、好ましくは1/5〜1/3モル当量のヒドロ
キシル基が存在する様に、共重合体(B)の比率を調整
する。このモル比が1/10以下の場合は無水マレイン酸と
反応するヒドロキシル基の数が不足し十分なネックイン
の改良とならないし、1/2以上では逆に反応が進行しす
ぎて樹脂の流動性が悪化し、溶融延伸性低下により成形
性、生産性が悪化するうえ、無水マレイン酸の量が減少
するので各基材に対する接着性が低下する。
以上の様な条件のもとに製造した樹脂組成物でラミネー
ト成形を実施する。成形温度は必要な接着強度、ネック
インの兼ね合いで決められるが、通常260〜300℃が適当
である。
三元共重合体中の無水マレイン酸と共重合体(B)中の
ヒドロキシル基とは無触媒で、しかもこの程度の希薄な
状態では、250℃以上のかなり混練のきいた状態でゆっ
くりと反応が進行し、三元共重合体がヒドロキシル基を
介して一部分架橋された様な形になり溶融張力が大幅に
上昇し、ネックインが小さくなるものと考えられる。但
し、ゲル分率で表わされる架橋度は成形性、フィルム外
観等に悪影響を与えないように10%以下、好ましくは1
%以下におさえることが好ましい。ここにゲル分率は重
合体サンプルを300メッシュの金網に入れ、6時間沸騰
キシレンでソックスレー抽出した後、金網のまま80℃で
16時間乾燥の後重さを測定し、金網中に残存している重
量を算出し、重量パーセントで表示したものである。
また、この反応は未反応の無水マレイン酸又は無水マレ
イン酸を含む低分子量物との間にも起るため、未反応物
をポリマー中に固定する役割も果たし、従来臭いの主原
因であった低分子量物が大幅に減少する為、製品の臭い
が大きく改良され、食品向用途等臭いを気にする分野の
製品でも心配なく使用できる。なお臭いをさらに低減さ
せる必要がある場合には、ポリオレフィン系樹脂に広く
使われている酸化防止剤を併用することにより、さらに
低臭化が実現できる。
(実施例) 実施例1 エチレン〜メタクリル酸メチル−無水マレイン酸三元共
重合体は、高圧法低密度ポリエチレン製造用プラントを
使用して製造した。エチレンとビニルアルコール単位の
共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢
酸ビニル含量30重量%)のケン化物(ケン化度95%)を
使用した。なお、共重合体中の各単量体の定量は、赤外
吸収スペクトル及び元素分析を利用することにより決定
した。
以上の2種類の共重合体を50φの押出機を用い、150℃
で溶解混合し、ペレット化したものを、ラミネート成形
機で各種基材に対してコーティングすると共に諸物性を
測定した。
押出ラミネート条件は以下の様である(以下の例におい
て同じ) 溶触延伸性の測定は押出機回転数30vpmで引取速度を徐
々に上げてゆき、溶融膜が不安定になる時の引取速度を
測定した。接着強度の測定は、各基材にラミネートした
サンプルを1.5cm幅で引取方向に切断し試験片を作り、2
4時間23℃、湿度50%で状態調節した後に、300mm/minの
速度ではくり試験を実施した。結果を第1表に示す。
表の結果から明らかな様に、当共重合体混合物は、ネッ
クインが小さく、成形性、臭いが良好なうえ、各種基材
に対して良好な接着性を示し、アンカーコート剤なしで
十分成形可能なことがわかった。
実施例2 第1表に示すエチレン系三元共重合体にエチレン〜アク
リル酸エチル〜無水マレイン酸三元共重合体を利用した
以外は以下実施例1と同様な方法で実施、測定した。
結果を第1表に示した。
実施例3 ヒドトキシル基を含む単量体として、メタクリル酸2-ヒ
ドロキシエチルを利用し、これとエチレンとの共重合体
を製造した。重合は2のオートクレーブ型反応器を用
い、温度200℃圧力1800kg/cm2で実施し、当該組成の共
重合体を使用した以外は実施例1と同様に行なった。結
果を第1表に示した。
比較例1 実施例1、3に利用したエチレン〜メタクリル酸メチル
〜無水マレイン酸三元共重合体を単独でラミネートテス
トした。各基材に対する接着強度は強く、アンカーコー
ト剤なしでもラミネート可能であったが、ネックインが
大きく成形性、生産性が劣る。即ち、ラミネート厚みが
均一に出来ず、両耳部が厚くなるので製品のロスが多
く、生産性が悪い。また臭いが著しく強く食品包装材料
等の用途には不適当である。
比較例2 エチレン〜アクリル酸共重合体についてラミネートテス
トを実施した。成形性は良好で、アルミニウム基材、紙
基材に対しては良好な接着性を示したが、ポリエステ
ル、延伸ポリプロピレン、セロハンのプラスチック基材
に対しては接着力が弱く、アンカーコート剤なしでラミ
ネートする場合、用途が限定される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン〜アルキル(メタ)アクリレ
    ート〜無水マレイミド酸から成り、重合体中のアルキル
    (メタ)アクリレート及び無水マレイン酸の割合が各々
    0.8〜5mol%、0.15〜1.5mol%であるエチレン系三元共
    重合体 及び (B)エチレンとビニルアルコール又はヒドロキシアルキ
    ル(メタ)アクリレートから成り、重合体中のビニルア
    ルコール又はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
    の割合が2〜30mol%であるエチレン系共重合体 から成る組成物で、組成物中の(B)に由来するヒドロキ
    シル基の数が(A)に由来する無水マレイン酸単位の数の
    1/10〜1/2となるような混合組成であることを特徴
    とする押出ラミネート用樹脂組成物。
JP15128484A 1984-07-23 1984-07-23 樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH06873B2 (ja)

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JPH0324139A (ja) * 1989-06-21 1991-02-01 Showa Denko Kk 易塗装性樹脂組成物
DE19823565A1 (de) * 1998-05-27 1999-12-02 Clariant Gmbh Mischungen von Copolymeren mit verbesserter Schmierwirkung

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