JP2005343168A - ポリビニルアルコール系フイルムの製造方法及びポリビニルアルコール系フイルム、該フイルムを用いる偏光フイルム - Google Patents

ポリビニルアルコール系フイルムの製造方法及びポリビニルアルコール系フイルム、該フイルムを用いる偏光フイルム Download PDF

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Abstract

【目的】 フイルムの膜厚均一性や光学的スジや光学的色ムラ等のない優れたポリビニルアルコール系フイルムを得ることができ、特に偏光フイルムの原反フイルムとして有用なポリビニルアルコール系フイルムの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂溶液を製膜するにあたり、原液が通過するフィルターからダイにいたる流路の配管の長さを30m以下とする、好ましくは更に、配管の内面の表面粗さの最大高さ(Rmax)が3μm以下である配管を用いたポリビニルアルコール系フイルムの製造方法、及び該製造方法により得られるポリビニルアルコール系フイルム。

Description

本発明は、フイルムの厚さムラや光学的スジ等の欠点のない光学的性能の均一性及びフイルム外観が非常に優れたポリビニルアルコール系フイルムの製造方法に関し、特に光学的色ムラ等の障害のない光学的外観に優れた偏光フイルムを得るための原反フイルムとして有用なポリビニルアルコール系フイルムの製造方法及びそれにより得られるポリビニルアルコール系フイルムに関するものである。
従来より、ポリビニルアルコール系フイルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を溶媒に溶解し、脱泡して原液を調製した後、濾過フィルターで異物を濾過した後、T型スリットダイを用いて溶液流延法(キャスティング法)により製膜したフイルムを金属加熱ロール等を使用して乾燥することにより製造されている。
このようにして得られたポリビニルアルコール系フイルムは形状安定性に優れたフイルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに光学用フイルム、特に偏光フイルムが挙げられる。
かかる偏光フイルムは、上記ポリビニルアルコール系フイルムを一軸延伸し、染色したフイルムであり、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられている。近年では高品位で高信頼性の要求される機器、特に大画面の液晶ディスプレイ等への用途展開が行われ、それに伴う要求物性である大型化、面内均一性、広視野角等の高品位化への改善が強く求められている。
このような中、ポリビニルアルコール系フイルムを原反フイルムとした偏光フイルムを製造する場合、優れた光学特性を有するためには、例えばポリビニルアルコール系フイルムの光学的スジの発生を抑制したり、フイルムの厚さや面内リターデーション(Rd)値を均一にすること、並びにフイルムの外観が良好であること等が必要である。
ポリビニルアルコール系フイルムの厚さ均一性を得る方法として、製膜用の原液が通過する濾過フィルターからダイにいたる流路面が研磨されており、流路面の表面粗さの最大高さを3μm以下として製膜する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−144406号公報
しかしながら、該公報開示技術ではある程度の光学的スジの発生抑制効果は得られるものの、フイルムの膜厚均一性等の、より高品位、高光学特性を発揮させるためには更なる改良が求められるところである。
そこで、本発明ではこのような背景下において、光学的スジの発生抑制に優れ、フイルムの厚さや光学的性能の均一性が非常に優れたポリビニルアルコール系フイルムの製造方法、特に偏光フイルムの原反フイルムとして有用なポリビニルアルコール系フイルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等が上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を製膜するにあたり、該液が通過するフィルターからダイにいたる流路の配管の長さを30m以下とする、好ましくは更に、配管の内面の表面粗さの最大高さ(Rmax)が3μm以下である配管を用いて、ポリビニルアルコール系フイルムを製造する方法が光学的スジ等の発生がなく、フイルムの厚さや光学特性の均一性に優れたポリビニルアルコール系フイルム、特に幅が3m以上、厚さが30〜70μmの均一性に優れたポリビニルアルコール系フイルムを与えることを見出し、本発明を完成した。
本発明では、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を製膜するにあたり、該液が通過するフィルターからダイにいたる流路の配管の長さを30m以下とする、好ましくは更に、配管の内面の表面粗さの最大高さが3μm以下である配管を用いてポリビニルアルコール系フイルムを製造することにより、光学的スジ等の発生がなく、フイルムの厚さや光学特性の均一性に優れた効果を発揮することができ、特に偏光フイルム用の原反フイルムとして非常に有用である。
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明のポリビニルアルコール系フイルムを製造するに当たって使用するポリビニルアルコール系樹脂は、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有させた変性ポリビニルアルコール系樹脂であっても良い。
また、かかる変性以外にポリビニルアルコール系樹脂にシリル基を含有させたものでも良く、ポリビニルアルコールにシリル化剤を用いて後変性させたり、シリル基含有オレフィン性不飽和単量体と酢酸ビニルを共重合して得られる共重合体をケン化させる等の方法が挙げられる。シリル基含有オレフィン性不飽和単量体としてはビニルシラン、(メタ)アクリルアミド−アルキルシラン等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量はとくに限定されないが、好ましくは60000〜300000、より好ましくは120000〜260000である。重量平均分子量が60000未満では、ポリビニルアルコール系樹脂を光学フイルムとする場合に充分な光学性能が得られず、300000をこえると、フイルムを偏光膜とする場合に延伸が困難となり、工業的な生産が難しく好ましくない。尚、ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−LALLS法により測定される。
更に、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は80モル%以上であることが好ましく、特には85〜100モル%、更には98〜100モル%が好ましい。かかるケン化度が80モル%未満では光学フイルムとする場合に充分な光学性能が得られず好ましくない。
上記ポリビニルアルコール系樹脂には、必要に応じてグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等、一般的に使用される可塑剤の一種又は二種以上をポリビニルアルコール系樹脂に対して30重量%以下、好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%含有させることもできる。該可塑剤が30重量%を越えるとフイルム強度が劣り好ましくない。
また、更に好ましくはフイルムの剥離性を向上させるために、各種剥離剤の一種又は二種以上をポリビニルアルコール系樹脂に対して5重量%以下、好ましくは0.001〜3重量%、更に好ましくは0.001〜2重量%含有させることも可能である。該剥離剤が5重量%を越えるとフイルムの表面の外観不良やフイルム同士のブロッキングが起こり好ましくない。
かくして本発明においては、上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いて、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を調製し、脱泡、フィルターによる異物除去を経て、該溶液をドラム型ロールに流延して製膜、乾燥することによってポリビニルアルコール系フイルムを製造する。
ポリビニルアルコール系樹脂溶液の調製に際しては、溶媒として水単独、もしくは水とジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類との混合物を使用することができ、好適には水が使用される。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は5〜50重量%が実用的である。
該ポリビニルアルコール系樹脂溶液は、脱泡後、フィルターによる異物除去を経て、流路となる配管を通過し、T型スリットダイよりドラム型ロール又はエンドレスベルト、好ましくはドラム型ロールに流延して製膜される。
本発明では上記の配管に特徴を有するもので、該液が通過するフィルターからダイにいたる流路となる配管の長さを30m以下、好ましくは1〜20m、特に好ましくは3〜10mとすることが必要であり、更に望ましくは配管の内面が研磨されており、表面粗さの最大高さ(Rmax)が3μm以下とすることが好ましい。
配管の長さが30mを越えると、本発明の効果は得難く光学的スジの発生や膜厚の均一性が損なわれる。
配管の材質は特に制限はないが、好適にはSUS 304が用いられ、その直径は3〜10cm程度が実用的である。配管の内部は研磨されていることが好ましく、バフ仕上げ、流体研磨等の任意の研磨方法が実施可能である。研磨された配管内面の表面粗さは最大高さ(Rmax)で3μm以下であり、特には1.5μm以下が好ましく、更には0.8μm以下が好ましい。表面粗さの最大高さ(Rmax)が3μmを越えると光学的スジの発生が顕著になる。
ここで表面粗さの最大高さ(Rmax)はJIS B 0601に準じ、対象物の断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分の平均線に平行な最も高い山と最も深い谷に接する2直線間の間隔をμm単位で表示したものをいう。
本発明で使用するフィルターは、任意のものであって良く、例えばディスクフィルター、キャンドルフィルター、カートリッジフィルター、コンセントリックスフィルター、濾布等が挙げられる。好ましくは、濾過面積を大きく取ったキャンドルフィルターやディスクフィルターが用いられ、複数のフィルターユニットを内蔵したディスクフィルターが特に好ましい。これらのフィルターは直列や並列に多段で用いてもよく、また数種類のフィルターを併用してもよい。また、当該フィルターの前にプレフィルターを設置してもよい。かかるフィルターにポリビニルアルコール系樹脂水溶液を通過させ、T型スリットダイに連絡した本発明の配管を通ってドラム型ロールに流延される。
かかるドラム型ロールの材質としては、特に限定されないが、通常ステンレスが好適に用いられ、かかるロール表面は傷つき防止のため金属メッキが施されていることが好ましい。金属メッキの種類としては、例えばクロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキなどが好適に用いられ、単独でまたは2種以上の多層の組み合わせで使用することができるが、特に表面平滑化の容易さやその耐久性の点から最表面がクロムメッキされ、表面粗さが3S以下、特に0.5S以下であることが好ましい。ドラム型ロールの直径は1000〜5000mm、幅1000〜5000mmが好適である。製膜時のドラム型ロールの温度は50〜120℃が実用的であり、フイルムの含水率が5〜30重量%程度に達した時点でロールから剥離する。
本発明では、かくして流延製膜して得られるフイルムをドラム型ロールから剥離した後、乾燥用金属ロール、好ましくは該フイルムの表面と裏面とが交互にロールを通過する様に複数個の乾燥用金属ロール間を通過、乾燥させる。
かかる乾燥用金属ロールの材質としては、ドラム型ロールと同様に、特に限定されないが、通常ステンレスが好適に用いられ、かかるロール表面は傷つき防止のため金属メッキが施されていることが好ましい。金属メッキの種類としては、例えばクロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキなどが好適に用いられ、単独でまたは2種以上の多層の組み合わせで使用することができるが、特に表面平滑化の容易さやその耐久性の点から最表面がクロムメッキされ、表面粗さが3S以下、特に0.5S以下であることが好ましい。ロールの直径は200〜1000mm、幅1000〜5000mmが好適である。
ロールの温度は60〜100℃が実用的であり、適宜ロール間で温度勾配や回転速度差をつけてもよい。
本発明の方法において、製膜時に、ドラム型ロール及び/又は乾燥用金属ロールの少なくとも第1番のロールの表面のぬれ張力を25〜50mN/mに調整しておくと生産性良くフイルムが製造できる。ぬれ張力が25mN/m未満ではポリビニルアルコール系樹脂水溶液にハジキが生じフイルムの外観が不良となり、一方50mN/mを越えるとロールからのフイルムの剥離性が低下し、不均一な過度の延伸がかかったりして光学性能に悪影響を及ぼすことがある。該ロール表面のぬれ張力の好ましい範囲は30〜45mN/mである。
本発明において、ぬれ張力はJIS K 6768に準じて測定される。
本発明において、乾燥用金属ロールは複数個、好ましくは3〜30個、特に3〜26個使用することが有利であり、そのうちの少なくとも第1番のロールの表面のぬれ張力を上記範囲に限定することが重要である。第2番目以降のロールの表面のぬれ張力は特に制限されないが、上記範囲にすることが有利である。
上記のロール表面のぬれ張力を満足させる手段は、特に限定されないが、(A)鏡面仕上げしたクロム表面をもつロールを用い、該表面をpH1〜3の酸水溶液(20℃で測定、以下同様)で処理すればよい。
かかるpH1〜3の酸水溶液としては 酢酸、硫酸、塩酸、硝酸などが挙げられ、中でも酢酸、硝酸の水溶液が特に好ましい。pHが上記範囲以外の酸水溶液では、上記範囲のぬれ張力を得ることが難しく好ましくない。
また、本発明では上記(A)の如くロール表面を酸水溶液で処理する以外にぬれ張力の調整法として、(B)表面のぬれ張力が前記範囲となる条件で製膜が行われるように、ポリビニルアルコール系樹脂溶液に予め、界面活性剤を添加しておき該溶液をドラム型ロールに流延して製膜することもでき、この場合フイルム厚さの均一性及びフイルム外観特性の他、ロングラン製膜性がより向上する点で有用である。
上記界面活性剤の添加量については特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部、特には0.01〜2重量部、更には0.01〜1重量部であることが好ましい。かかる添加量が0.001重量部未満ではぬれ張力の調整が困難となり、5重量部を越えるとフイルムにブロッキングの問題が起こり好ましくない。
界面活性剤としては脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエステルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩等のスルホン酸塩型、硫酸化油、高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート等の硫酸エステル型塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩型等のアニオン界面活性剤が挙げられる。
又、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のエーテルエステル型ノニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤、高級脂肪酸アルカノールアミド、高級脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒素型ノニオン系界面活性剤も使用可能で、これらは一種又は二種以上混合して用いられる。
本発明の方法を実施するに当たっては、上記に説明した(A)、(B)両方の方法を併用して製膜することも勿論可能である。
ドラム型ロールや乾燥用金属ロールの加熱手段としては、スチーム、熱媒、温水、電気ヒーター等が採用される。又、温風や冷風等を吹き付けたり、装置周辺の空気や蒸気を吸引するための補助装置の設置も可能である。
フイルムの含水率が3〜15重量%程度に達した時点でフイルムは乾燥用金属ロールから剥離される。
乾燥後未延伸のポリビニルアルコール系フイルムを形成せしめるが、必要に応じて、乾燥後、熱処理や調湿が行われ、目的とするポリビニルアルコール系フイルムが得られる。フイルムの幅は任意であるが、近時の市場の要求が強い幅広フイルムの場合、2m以上、好ましくは3m以上、特に3.2m以上が有用である。フイルムの長さは2000m〜15000mであることが重要である。フイルムの長さは、4000m〜15000mがより好ましく、特に本発明の特徴が顕著に表れるのは、6000m〜15000mの長尺フイルムの製造である。
かくして上記で得られたポリビニルアルコール系フイルムは、光学用、特に偏光フイルム用の原反フイルムとして有用に用いられる。偏光フイルムに用いられるポリビニルアルコール系フイルムの膜厚としては、30〜100μmが好ましく、更には30〜70μmが好ましく、40〜60μmが特に好ましい。膜厚が30μm未満では延伸が難しく、100μmを越えると膜厚精度が低下して好ましくない。また、後述する偏光フイルム等の光学用途に供する場合には、より視野角が広く視認性の良い液晶ディスプレイが得られる点で、ポリビニルアルコール系フイルムの膜厚は70μm以下が好ましい。
以下、偏光フイルムの製造方法について説明する。
偏光フイルムの製造方法としては、かかるポリビニルアルコール系フイルムを延伸してヨウ素あるいは二色性染料の溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を同時に行うか、ヨウ素あるいは二色性染料により染色して延伸するかした後、ホウ素化合物処理する方法が挙げられる。又、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸する方法等もあり、適宜選択して用いることができる。
かかるポリビニルアルコール系フイルム(未延伸フイルム)の延伸及び染色、ホウ素化合物処理に際しては、延伸と染色更にホウ素化合物処理は別々に行っても同時に行っても良いが、本発明では染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程中に一軸延伸を実施することが望ましい。
延伸は一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍延伸することが望ましい。この際、前記と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えない。延伸時の温度条件は40〜170℃から選ぶのが望ましい。更に、かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲に設定されれば良く、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の段階に実施すれば良い。
フイルムへの染色はフイルムにヨウ素或いは二色性染料を含有する液体を接触させることによって行われる。
通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜20g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜70g/l、ヨウ化カリウム/ヨウ素の重量比は10〜100が適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜60℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。
接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
染色処理されたフイルムは次いでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液又は水−有機溶媒混合液の形で濃度0.3〜2モル/l程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリウムを共存させるのが実用上望ましい。
処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は40〜70℃程度、処理時間は2〜20分程度が好ましく、又必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
このようにして得られた偏光フイルムは、その片面又は両面に光学的に等方性の高分子フイルム又はシートを保護フイルムとして積層接着して用いることもできる。
かかる保護フイルムとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド等のフイルム又はシートが挙げられる。
又、かかる偏光フイルムには、薄膜化を目的として上記保護フイルムの代わりに、その片面又は両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂等の硬化性樹脂を塗布し、積層させることもできる。
かかる偏光フイルム(又はその少なくとも片面に保護フイルムあるいは硬化性樹脂を積層したもの)は、その一方の表面に必要に応じて、透明な感圧性接着剤層が通常知られている方法で形成されて、実用に供される場合もある。該感圧性接着剤層としてはアクリル酸エステル、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等とα−モノオレフィンカルボン酸、例えばアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等との共重合物(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールの如きビニル単量体を添加したものも含む。)を主体とするものが、偏光フイルムの偏光特性を阻害することがないので特に好ましいが、これに限定されることなく、透明性を有する感圧性接着剤であれば使用可能で、例えばポリビニルエーテル系、ゴム系等でもよい。
又、更に偏光板(上記感圧性接着剤が設けられたもの)の片面(上記感圧性接着剤が設けられていない面)に各種機能層を設けることも可能であり、機能層としては、例えばアンチグレア層、ハードコート層、アンチリフレクション層、ハーフリフレクション層、反射層、蓄光層、拡散層、エレクトロルミネッセンス層、視野角拡大層、輝度向上層等が挙げられ、更に、各種2種以上の組み合わせをすることも可能で、例えばアンチグレア層とアンチリフレクション層、蓄光層と反射層、蓄光層とハーフリフレクション層、蓄光層と光拡散層、蓄光層とエレクトロルミネッセンス層、ハーフリフレクション層とエレクトロルミネッセンス層等の組み合わせが挙げられる。但し、これらに限定されることはない。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
尚、例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
重量平均分子量:
GPC−LALLS法により以下の条件で測定した。
1)GPC
装置:Waters製244型ゲル浸透クロマトグラフ
カラム:東ソー製TSK−gel−GMPWXL(内径8mm、長さ30cm、2本)
溶媒:0.1M−トリス緩衝液(pH7.9)
流速:0.5ml/min
温度:23℃
試料濃度:0.040%
ろ過:東ソー製0.45μmマイショリディスクW−25−5
注入量:0.2ml
検出感度(示差屈折率検出器):4倍
2)LALLS
装置:Chromatrix製KMX−6型低角度レーザー光散乱光度計
温度:23℃
波長:633nm
第2ビリアル係数×濃度:0mol/g
屈折率濃度変化(dn/dc):0.159ml/g
フィルター:MILLIPORE製0.45μmフィルターHAWP01300
ゲイン:800mV
実施例1
GPC−LALLS法により求められる重量平均分子量80000、ケン化度99.7モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、40%濃度のポリビニルアルコール系樹脂水溶液(ポリビニルアルコール系樹脂に対して、可塑剤としてグリセリン10%、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル0.1%を含む)を調製した。該水溶液を濾過精度1μmのディスクフィルターで濾過し、内部が#400のバフで研磨された表面粗さ(Rmax)0.2μm、長さ20mの配管を通じてT型スリットダイに送り込み、下記の如き90℃のドラム型ロールで流延製膜し、続いて10個の下記の如き乾燥用金属ロール間をフイルムの表面と裏面とが交互に通過するようにして乾燥を行い、含水率10%の状態で最後のロールから剥離し、更に120℃で3分間熱処理を行い、最後に調湿を行って芯管に巻き取ることにより、フイルムロールとして含水率が4%のポリビニルアルコール系フイルム(幅3.0m、膜厚75μm、巻き長さ7000m)を得た。
[ドラム型ロール]
直径3.0m、ロール幅4.0mのステンレス母材にニッケルメッキ、更にクロムメッキを施し鏡面仕上げした表面粗さ0.3Sのドラム型ロール(ドラム型ロール内の表面にスパイラル状の流路を有するジャケット構造)。運転開始時にロール表面に、pH1の硝酸水溶液(濃度6%)を総塗布量が460g/m2となるように塗布しロール表面のぬれ張力を32mN/mとした。
[乾燥用金属ロール]
直径0.3m、ロール幅4.0mのステンレス母材にニッケルメッキ、更にクロムメッキを施し鏡面仕上げした表面粗さ0.3Sの10個のロール(酸水溶液による処理はなし、ぬれ張力は57mN/m)。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて以下の測定を行った。
(膜厚の均一性)
JIS K 6900に基づき、フイルムシックネステスタ(アンリツ(株)製「K306C」)を用いフイルムの流れ方向(MD方向)に1m間隔の3カ所で、フイルムの幅方向(TD方向)にわたって厚みを測定し、幅方向の単位mmあたりの厚み変動の最大値を求めた。
(光学的スジ)
得られたポリビニルアルコール系フイルムを全幅×500mmに切り出し、暗室下で白色スクリーンと投影機の間にポリビニルアルコール系フイルムを配置して、スクリーンに写るスジ状の陰影の数をカウントし、光学的スジを評価した。
(光学的色ムラ)
ポリビニルアルコール系フイルムをクロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟んだ後に、暗室で表面照度が14000ルックスのライトボックスを用いて、透過モードでリターデーション均一性を観察し、以下の基準で光学的色ムラを評価した。
A・・・何も見えず均一である
B・・・不連続な濃淡が確認できる
C・・・スジ状の濃淡のみが確認できる
D・・・スジ状の濃淡及び不連続な濃淡が確認できる
又、得られたポリビニルアルコール系フイルムを1.25m/分で巻き出し、水洗槽(24℃)で膨潤させた後、ヨウ素槽(20℃、ヨウ素濃度0.17g/l)で1.3倍、ホウ酸槽(50℃、ヨウ濃度素0.0012g/l、ホウ酸濃度47g/l)で1.7倍の一軸延伸を行い、更に巻き取り速度7.5m/分でトータル6倍の一軸延伸を行い、ついで両面にセルローストリアセテートフイルム(厚さ80μm)をポリビニルアルコール系接着剤により接着し、偏光フイルムを得た。
得られた保護フイルム付き偏光フイルムをクロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟んだ後に、暗室で表面照度14000ルックスのライトボックスを用いて、透過モードで光学的色ムラを観察し、以下の基準で評価した。
○・・・色ムラなし
×・・・色ムラあり
実施例2
GPC−LALLS法により求められる重量平均分子量130000、ケン化度99.7モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、33%濃度のポリビニルアルコール系樹脂水溶液(ポリビニルアルコール系樹脂に対して、可塑剤としてグリセリン10%、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル0.1%を含む)を調製した。該水溶液を濾過精度1μmのディスクフィルターで濾過し、内部が#400のバフで研磨された表面粗さ(Rmax)0.2μm、長さ10mの配管を通じてT型スリットダイに送り込み、下記の如きドラム型ロールで流延製膜し、続いて10個の下記の如き乾燥用金属ロール間をフイルムの表面と裏面とが交互に通過するようにして乾燥を行い、含水率10%の状態で最後のロールから剥離し、更に120℃で3分間熱処理を行い、最後に調湿を行って芯管に巻き取ることにより、フイルムロールとして含水率が4%のポリビニルアルコール系フイルム(幅3.0m、膜厚74μm、巻き長さ7000m)を得た。
[ドラム型ロール]
直径3.0m、ロール幅4.0mのステンレス母材にニッケルメッキ、更にクロムメッキを施し鏡面仕上げした表面粗さ0.1Sのドラム型ロール(ドラム型ロール内の表面にスパイラル状の流路を有するジャケット構造)。運転開始時にロール表面に、pH1の硝酸水溶液(濃度6%)を総塗布量が460g/m2となるように塗布しロール表面のぬれ張力を32mN/mとした。
[乾燥用金属ロール]
直径0.3m、ロール幅4.0mのステンレス母材にニッケルメッキ、更にクロムメッキを施し鏡面仕上げした表面粗さ0.1Sの10個のロールで、全てのロール表面に、pH1の硝酸水溶液(濃度6%)を総塗布量が460g/m2となるように塗布しロール表面のぬれ張力を32mN/mとした。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
又、得られたポリビニルアルコール系フイルムを1.25m/分で巻き出し、水洗槽(24℃)で膨潤させた後、ヨウ素槽(20℃、ヨウ素濃度0.17g/l)で1.3倍、ホウ酸槽(50℃、ヨウ濃度素0.0012g/l、ホウ酸濃度47g/l)で1.7倍の一軸延伸を行い、更に巻き取り速度7.5m/分でトータル6倍の一軸延伸を行い、ついで両面にセルローストリアセテートフイルム(厚さ80μm)をポリビニルアルコール系接着剤により接着し、偏光フイルムを得た。
得られた保護フイルム付き偏光フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
実施例3
実施例2において、GPC−LALLS法により求められる重量平均分子量240000、ケン化度99.7モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、25%濃度のポリビニルアルコール系樹脂水溶液(ポリビニルアルコール系樹脂に対して、可塑剤としてグリセリン10%、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル0.1%を含む)を使用し、該水溶液を濾過精度1μmのディスクフィルターで濾過し、内部が#400のバフで研磨された表面粗さ(Rmax)0.5μm、長さ5mの配管を通じてT型スリットダイに送り込み流延製膜した以外は同じ実験を行い、フイルムロールとして含水率が3.5%のポリビニルアルコール系フイルム(幅3.0m、膜厚74μm、巻き長さ7000m)を得た。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
又、得られたポリビニルアルコール系フイルムを1.25m/分で巻き出し、水洗槽(24℃)で膨潤させた後、ヨウ素槽(20℃、ヨウ素濃度0.17g/l)で1.7倍、ホウ酸槽(50℃、ヨウ素濃度0.0012g/l、ホウ酸濃度47g/l)で1.8倍の一軸延伸を行い、更に巻き取り速度5.3m/分でトータル4.2倍の一軸延伸を行い、ついで両面にセルローストリアセテートフイルム(厚さ80μm)をポリビニルアルコール系接着剤により接着し、偏光フイルムを得た。
得られた保護フイルム付き偏光フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
実施例4
実施例2において、GPC−LALLS法により求められる重量平均分子量170000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、30%濃度のポリビニルアルコール系樹脂水溶液(ポリビニルアルコール系樹脂に対して、可塑剤としてグリセリン10%、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル0.1%を含む)を使用し、該水溶液を濾過精度1μmのディスクフィルターで濾過し、内部が#400のバフで研磨された表面粗さ(Rmax)0.2μm、長さ5mの配管を通じてT型スリットダイに送り込み流延製膜した以外は同じ実験を行い、フイルムロールとして含水率が4%のポリビニルアルコール系フイルム(幅3.2m、膜厚80μm、巻き長さ6000m)を得た。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
又、得られたポリビニルアルコール系フイルムを1.25m/分で巻き出し、水洗槽(24℃)で膨潤させた後、ヨウ素槽(20℃、ヨウ素濃度0.17g/l)で1.7倍、ホウ酸槽(50℃、ヨウ素濃度0.0012g/l、ホウ酸濃度47g/l)で2.25倍の一軸延伸を行い、更に巻き取り速度5.6m/分でトータル4.5倍の一軸延伸を行い、ついで両面にセルローストリアセテートフイルム(厚さ80μm)をポリビニルアルコール系接着剤により接着し、偏光フイルムを得た。
得られた保護フイルム付き偏光フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
実施例5
実施例4においてフイルムの膜厚を65μmとし、熱処理を120℃で2.5分間とした以外は同様にして行い、含水率3.5%のポリビニルアルコール系フイルム(幅3.2m、巻き取り長さ7000m)を得た。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
更に得られたポリビニルアルコール系フイルムを用いて実施例4と同様に偏光フイルムを作製し、光学的色ムラの評価を行った。
実施例6
実施例4においてフイルムの膜厚を40μmとし、熱処理を120℃で1.5分間とした以外は同様にして行い、含水率3%のポリビニルアルコール系フイルム(幅3.2m、巻き取り長さ12000m)を得た。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
更に得られたポリビニルアルコール系フイルムを用いて実施例4と同様に偏光フイルムを作製し、光学的色ムラの評価を行った。
比較例1
実施例1において、配管の長さを35mとした以外は同様の実験を行い、ポリビニルアルコール系フイルムを得た。
得られたポリビニルアルコール系フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
又、得られたポリビニルアルコール系フイルムを1.25m/分で巻き出し、水洗槽(24℃)で膨潤させた後、ヨウ素槽(20℃、ヨウ素濃度0.05g/l)で1.3倍、ホウ酸槽(50℃、ヨウ濃度素0.0012g/l、ホウ酸濃度47g/l)で1.7倍の一軸延伸を行い、更に巻き取り速度7.5m/分でトータル6倍の一軸延伸を行い、ついで両面にセルローストリアセテートフイルム(厚さ80μm)をポリビニルアルコール系接着剤により接着し、偏光フイルムを得た。
得られた保護フイルム付き偏光フイルムについて、実施例1と同様の評価を行った。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
Figure 2005343168
更に、実施例1〜6及び比較例1で得られたポリビニルアルコール系フイルムから得られた偏光フイルムにおいて、その片面にアクリル系粘着剤層(25μm厚)を設け、液晶表示素子(13.3インチ、TFTタイプ、XGA)の両面に吸収軸角度45度でクロスニコルに貼合し、左右方向について液晶ディスプレイの見やすさを観察し、視認性について評価したところ、実施例1〜4、比較例1では左右方向にそれぞれ40度まで視認性が良好で42度で表示の反転が生じたのに対して、実施例5では左右方向にそれぞれ44度まで視認性が良好で46度で表示の反転が生じ、実施例6では左右方向にそれぞれ48度まで視認性が良好で50度で表示の反転が生じた。即ち、ポリビニルアルコール系フイルムの膜厚が30〜70μmのときに、より視認性に優れた偏光フイルムが得られた。
本発明の製造方法により得られるポリビニルアルコール系フイルムは、フイルムの膜厚均一性に優れ、光学的スジや光学的色ムラ等のない優れた光学特性を有するものであり、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、パソコン、モニター、液晶テレビ、携帯情報端末機、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減層、医療機器、建築材料、玩具等に用いられる偏光フイルムの原反フイルムとして非常に有用である。勿論、包装用フイルム、剥型フイルム、農業用フイルム、建材用フイルム等の用途にも有用である。


Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂溶液を製膜するにあたり、該液が通過するフィルターからダイにいたる流路の配管の長さを30m以下とすることを特徴とするポリビニルアルコール系フイルムの製造方法。
  2. 配管の内面の表面粗さの最大高さ(Rmax)が3μm以下であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フイルムの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のポリビニルアルコール系フイルムの製造方法により得られることを特徴とするポリビニルアルコール系フイルム。
  4. フイルム幅が3m以上、フイルム厚さが30〜70μmであることを特徴とする請求項3記載のポリビニルアルコール系フイルム。
  5. 偏光フイルムの原反フイルムとして用いることを特徴とする請求項3又は4記載のポリビニルアルコール系フイルム。
  6. 請求項3、4又は5記載のポリビニルアルコール系フイルムに、染色、一軸延伸及びホウ素化合物処理を施こすことにより得られることを特徴とする偏光フイルム。


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