JP2005342323A - チャックテープ、チャックテープ付き包装袋及びチャックテープ付き包装袋の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】咬合部10を備えた帯状基部13から構成される一対の雄部材11及び雌部材12からなるチャックテープ1であり、帯状基部13が、シール部14と、咬合部10と連結して一体的に形成される基体部15を含み、雄部材11または雌部材12の何れか一方における帯状基部13の内面側の端部表面13aが、他方の帯状基部13の内面側の端部表面13bと疑似接着可能となっているチャックテープ1、当該チャックテープを備えたチャックテープ付き包装袋40、及びチャックテープ付き包装袋の製造方法。
【選択図】図2
Description
また、このような開口部の開閉を自在に実施することができるチャックテープ付き包装袋を製造する方法としては、一般には、あらかじめチャックテープを製造した後、当該チャックテープを袋本体の構成材である基材フィルムに対してヒートシールする方法が広く使用されている。
なお、本発明においては、前記したように帯状基部の咬合部の有る側を、帯状基部の「内面側」としている。
かかる本発明によれば、シール部及び基体部を構成する樹脂として特定のものを採用しており、シール部としてメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンを採用することにより、低温シール性に優れたチャックテープとなるためシール条件の幅も広がることとなる。また、基体部としてランダムポリプロピレン(RPP)を採用することにより、袋本体とヒートシールした場合における、チャックテープの熱収縮により生じる袋本体のシワの発生を抑制することができる。
よって、前記した本発明のチャックテープの構成によれば、シール部がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンや低密度ポリエチレン、基体部が直鎖状低密度ポリエチレン、他の層がポリプロピレン系樹脂とする組み合わせも可能となり、基体部として、シール部との融点の差がそれほどない(例えば、融点の差が20℃程度の)樹脂を選択することも可能となる。
この本発明のチャックテープ付き包装袋は、このように前記した本発明のチャックテープが、袋本体に対して融着されて形成されているので、前記した本発明のチャックテープの奏する効果を好適に享受することができる。
すなわち、前記した本発明のチャックテープは、通常のフラットシールバーを用いてヒートシールしても、製袋時のチャックテープのめくれを防止することができる構成となっているため、作業性も煩雑とならず、また、生産性に優れたチャックテープ付き包装袋を好適に提供可能とする。
ここで、「製袋」とは、例えば、金属板を用いて基材フィルムを折り畳んだり、基材フィルム同士をヒートシール等して袋形状を形成していくことをいう。
図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態のチャックテープ、及びチャックテープ付き包装袋(以下、単に「包装袋」とすることもある)を説明する。
図1は、本発明のチャックテープを袋本体に融着したチャックテープ付き包装袋を示した斜視図である。
また、図2は、図1のII−II断面図であって、本発明のチャックテープを、包装袋を構成する袋本体に融着した状態を示す断面図(咬合部が咬合した状態)である。
なお、本実施形態にあっては、袋本体30は、袋の左右にマチ31を形成した合掌ガゼット袋を用いた態様を示している。
ここで、雄部材11は、袋本体30に対して融着される帯状基部13と、断面が略鏃(やじり)形状の頭部16、及びこの帯状基部13と頭部16を連結する連結部17により一体的に形成されている。
そして、チャックテープ1は、雄部材11の頭部16と雌部材12の第1のフック部18及び第2のフック部19が咬合部10を形成しており、これらが咬合または離れることにより、開封または再封が行われることとなる。
なお、本実施形態のチャックテープ1にあっては、雄部材11は、基体部15を構成する樹脂によって、帯状基部13の基体部15、頭部16及び連結部17が一体的に形成されている。また、雌部材12も、基体部15を構成する樹脂により、帯状基部13の基体部15、第1のフック部18及び第2のフック部19が一体的に形成された態様を示している。
本発明のチャックテープ1において、このシール部14を構成する材料としては、ヒートシール性を備えた熱可塑性樹脂とすることが好ましく、例えば、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、チーグラー−ナッタ系直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)等の樹脂を使用することができ、基体部15を構成する樹脂と樹脂の種類が異なり、かつ、低融点であれば、これらの一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。また、後記する基体部15とシール部14の一方、または双方が樹脂組成物である場合は、主成分の樹脂の種類同士が異なり、かつ、シール部14を構成する主成分の樹脂の融点が、基体部15を構成する主成分の樹脂の融点より低くなるような樹脂を、シール部14に用いるようにしてもよい。
なお、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に準拠して(190℃又は230℃、21.18N荷重)測定すればよい。
そして、この疑似接着の度合いは、例えば、疑似接着部20ともう一方の帯状基部13の内面側の端部表面13bが、10N/15mm巾以下程度の剥離強度を備えるようにすればよい。
一方、図3及び図4は、疑似接着部20の他の態様を示す部分拡大断面図であるが、このように、疑似接着部20は、例えば、図3に示すように、シール部14と分割して形成するようにしてもよく、図4に示すように、疑似接着部20とシール部14との間に基体部15が存在するようにしてもよい。
同様に、雌部材12も、帯状基部13を構成するシール部14(チャックテープ1の内面側に露出した部分である疑似接着部20を含む)と基体部15、及び当該基体部15と連続する第1のフック部18及び第2のフック部19を共押出成形法により一体化して製造することができる。チャックテープ1をこのような共押出法により成形すれば、チャックテープ1を連続的に安定して製造することができる。
ここで、採用可能な袋本体の構成としては、特に制限はなく、従来公知の袋形状、例えば、四方シール袋、底ガゼット袋等とすることができ、本発明のチャックテープ1は、サイドガゼット袋(ガゼット合掌袋含む)、合掌袋など、チャックテープ1をヒートシールする袋本体30を構成する基材フィルムの製袋進行方向と平行な辺を折り畳んで当該袋本体30を形成する場合に、特に効果的である。
まず、雌雄咬合されたチャックテープ1における雌部材12の帯状基部13の端部表面13aに形成された疑似接着部20を、袋本体30を構成する基材フィルムの進行方向に向けるようにして、チャックテープ1を、基材フィルムの流れ方向に対して直交する方向から挿入する(チャックテープ挿入工程)。
同時に、雌部材12の帯状基部13の端部表面13aに形成された疑似接着部20は、フラットシールバーの熱により、雄部材11の帯状基部13の端部表面13bと疑似接着されることになる。
このように、1回目のヒートシール後は、雌部材12の帯状基部13の端部表面13aに形成された疑似接着部20が、雄部材11の帯状基部13の端部表面13bと疑似接着することになる。従って、チャックテープ1の雄部材11と雌部材12の帯状基部13は端部表面13a,13bで仮固定された状態となるため、以降の工程で、チャックテープと製袋機(金属板)との間で摩擦が起きても、基材フィルム30aとヒートシールされていないチャックテープ(本実施形態では雄部材11)がめくれてしまうこともない。
なお、ヒートシールを行うフラットシールバー70とチャックテープ等を挟み込むシール受け台71は、咬合部10の変形を防止する目的で、図5に示すように凹部72を形成するようにしてもよい。
なお、ヒートシールを行う場合の融着条件(温度、圧力等)は、チャックテープ1(特にシール部14及び疑似接着部20)、及び袋本体30を形成するフィルム基材を構成する樹脂の種類等に応じて適宜決定することができる。
すなわち、本実施形態のチャックテープ1は、チャックテープ1を構成する雌部材12の帯状基部13の内面側の端部表面13aに、シール部14と一体化した疑似接着部20を配設して、雄部材11の帯状基部13の端部表面13bと疑似接着可能に形成されているので、当該チャックテープ1を袋本体30にヒートシールさせてチャックテープ付き包装袋40を製造するにあたっても、チャックテープ1がめくれることもなく、通常のフラットシールバーを用いても、チャックテープ付き包装袋40の製造を簡便に行うことができる。
次に、本発明の実施の他の形態(第2実施形態)を図面に基づいて説明する。
図6は、本発明のチャックテープの他の態様を示した断面図であり、図2に示した第1実施形態のチャックテープ1に対して、基体部15の表面に他の層21を配した構成を備えたチャックテープ1aの構成を示している。
なお、以下の説明では、既に第1実施形態で説明した部分または部材と同様な部材等については、同一符号を付して、その説明を省略している。
なお、本実施形態では、他の層21は、雄部材11では、連結部17を介して2つに分かれており、また、雌部材12にあっては、第1のフック部18及び第2のフック部19の根本を介して2つに分かれている態様を示している。
また、図6に示す構成は、疑似接着部20が、雌部材12のシール部14と一体的に形成され、雌部材12の帯状基部13を構成する基体部15の表面に露出している態様を示している。一方、かかる構成は、第1実施形態と同様、図3に示すように、シール部14と分割して形成するようにしてもよく、また、図4に示すように、疑似接着部20とシール部14との間に基体部15が存在するようにしてもよい。また、疑似接着部20と基体部15の間に他の層21が入り込むようにしてもよい。
その他、本発明の実施における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
チャックテープの製造:
前記した第1実施形態(図2参照)に示した構成、すなわち、雌部材を構成する帯状基部における内面部の端部表面に対して、巾wを2mmとしてシール部が露出した疑似接着部を当該シール部と一体的に形成するようにしたチャックテープについて、シール部、及び咬合部を含む基体部を構成する樹脂を下記のようにして、また、かかる樹脂を2台の押出成形機を用いて共押出成形することにより、本発明のチャックテープを得た。
密度が900kg/m3、MFRが12g/10分、融点が93℃のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンを使用した。
密度が900kg/m3、MFRが7g/10分、融点が134℃のランダムポリプロピレン(コモノマーはエチレン)を使用した。
なお、このランダムポリプロピレンは、全体に対してエチレン成分を4質量%含有するものである。
実施例1で製造したチャックテープにおいて、疑似接着部を雌部材の帯状基部の端部でなく、雄部材の帯状基部の端部に形成した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、本発明のチャックテープを製造した。
実施例1で製造したチャックテープにおいて、疑似接着部を帯状基部に対して形成しなかった以外は、実施例1と同様な方法を用いて、チャックテープを製造した。
実施例1で製造したチャックテープにおいて、疑似接着部を雌部材の帯状基部の端部だけでなく、雌部材の帯状基部の端部にも形成するようにした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、チャックテープを製造した。
(1)製袋試験:
前記した実施例1,2及び比較例1,2で得られたチャックテープを、下記の製造方法により、下記構成のフィルム基材に融着させて、図1に示す形状の、サイズ150mm×200mmのチャックテープ付き包装袋(チャックテープ付きガゼット合掌袋)を製造した。
雌部材の帯状基部の端部に形成された疑似接着部を、基材フィルムの進行方法に向けるようにして、チャックテープを基材フィルムの流れ方向に対して直交する方向から挿入した(チャックテープ挿入工程)。
次に、基材フィルムのシーラント層(最内層)と、雌部材のシール部をフラットシールバーにてヒートシールした(1回目のヒートシール工程)。ここで、チャックテープとフィルム基材とヒートシールされた状態は図2に準ずるものとし、前記した実施例2にあっても、疑似接着部が形成されていない雌部材をフラットシールバーとしてヒートシールすることとした。
そして、ガゼット合掌袋の形状に折り畳まれたら、2回目のヒートシールとして、雄部材のシール部と基材フィルムのシーラント層(最内層)を、ヒートシールバーを用いてヒートシールした(2回目のヒートシール工程)。最後に、袋の底部をヒートシールして、チャックテープ付き包装袋を得た。
二軸延伸ナイロンフィルム(厚み 15μm)と、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
(厚み 60μm)を積層したラミネートフィルム(総厚み 75μm)を使用した。
第1回目のヒートシールの際にヒートシールされなかった雄部材の進行方向側が、フィルム基材を筒状に形成後、第2回のヒートシールで当該雄部材をフィルム基材にヒートシールするまでの間に、進行方向側にめくれが生じるか否か確認した。
製造されたチャックテープ付き包装袋について、開封可能か否か確認した。
また、雌部材の帯状基部の端部だけでなく、雄部材の帯状基部の端部にも疑似接着部を形成した比較例2のチャックテープは、疑似接着部の樹脂が同じであるため、当該疑似接着部同士が熱融着してしまい、包装袋を開封することができなかった。
このように、本発明の要件を具備しない比較例のチャックテープは、いずれも実施例のチャックテープと比較して大きく劣るものであった。
10 … 咬合部
11 … 雄部材
12 … 雌部材
13 … 帯状基部
13a,13b… 帯状基部の端部表面
14 … シール部
15 … 基体部
16 … 頭部
17 … 連結部
18 … 第1のフック部
19 … 第2のフック部
20 … 疑似接着部
21 … 他の層
30 … 袋本体
31 … マチ
32 … 背貼部
33 … 底部
34 … 開口部
40 … チャックテープ付き包装袋
Claims (7)
- 咬合部を備えた帯状基部から構成される一対の雄部材及び雌部材からなるチャックテープであって、
前記帯状基部が、シール部と、前記咬合部と連結して一体的に形成される基体部を含み、
前記雄部材または雌部材の何れか一方における帯状基部の咬合部の有る側(以下、単に「内面側」とする)の端部表面が、他方の帯状基部の内面側の端部表面と疑似接着可能となっていることを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1に記載のチャックテープにおいて、
前記雄部材または雌部材の何れか一方における帯状基部の内面側の端部表面に、
前記シール部を構成する樹脂、または当該シール部を構成する樹脂と融点が略同じあるいはそれより融点の低い樹脂が露出されていることを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1または請求項2に記載のチャックテープにおいて、
前記シール部を構成する樹脂がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンであり、
前記基体部を構成する樹脂がランダムポリプロピレン(RPP)であることを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1ないし請求項3の何れかに記載のチャックテープにおいて、
前記帯状基部が、前記基体部の表面に積層される他の層を含んでいることを特徴とするチャックテープ。 - 請求項4に記載のチャックテープにおいて、
前記シール部がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンであり、
前記基体部が直鎖状低密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレンであり、
前記他の層がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1ないし請求項5の何れかに記載のチャックテープが袋本体に融着されてなることを特徴とするチャックテープ付き包装袋。
- 請求項1ないし請求項5の何れかに記載のチャックテープにおける疑似接着される端部を、袋本体を構成する基材フィルムの進行方向に向けるようにしながら、チャックテープを、基材フィルムの流れ方向に対して直交する方向から挿入するチャックテープ挿入工程と、
雄部材または雌部材の何れか一方のシール部と、基材フィルムのシーラント層(最内層)をヒートシールするとともに、雄部材と雌部材における帯状基部の内面側の端部表面同士を疑似接着させる1回目のヒートシール工程と、
基材フィルムを製袋化する製袋工程と、
雄部材または雌部材のうちの他方のシール部を基材フィルムのシーラント層(最内層)にヒートシールする2回目のヒートシール工程と、
を含むことを特徴とするチャックテープ付き包装袋の製造方法。
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