しかしながら、図14(a)に示すように縦撮りして動画を記録する場合であっても、動画撮像装置は撮像姿勢に関わらず、横長の動画として記録する。そして、縦撮りした動画を再生して表示部3に表示させる場合、図14(b)に示すように横撮り姿勢に動画撮像装置を保持した状態においては、横長姿勢の表示部3に、被写体が横倒しとなる横長の動画が表示される。従って、動画撮像装置を縦撮り姿勢に保持して再生する必要があるという問題があった。縦撮りした動画を表示装置Aに表示させる場合も同様の問題が生じる。特に表示装置Aの場合、表示装置Aの姿勢を縦長姿勢に変更することは困難であり、表示装置Aの姿勢変更により前記問題を解決することはできない。
また動画撮像装置は、横撮り姿勢を標準的な撮像形態として設計されているため、動画撮像装置を縦撮り姿勢に保持して再生する場合、最適な操作姿勢で動画撮像装置を把持し、再生の操作を行うことができない。特に、撮像途中で縦撮りと横撮りを繰り返し変更して動画を記録した場合、再生される動画の被写体の向きが縦向きから横向き又は横向きから縦向きに変化するため、前記動画を再生する場合においても動画の向きに応じて動画撮像装置が備える表示部3の姿勢を繰り返し変更する必要があり、好適の動画再生を行うことができないという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、表示部が縦長姿勢となる縦撮り姿勢で動画が撮像されたことを示す縦撮情報を記録する手段と、縦撮りした動画を再生する際、縦撮情報に基づいて動画を略90度回転させて横長姿勢の表示部に表示させる回転表示手段とを備えることにより、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持した状態で、横長姿勢の表示部に縦長の動画を表示させることができる動画撮像装置を提供することを目的とする。
また、横長姿勢にある表示部の右又は左倒しのいずれの縦長姿勢であるかを示す情報を記録する記録手段と、縦撮りした動画を再生する際、前記情報に基づいて動画を略90度右回り又は左回りに回転させて横長姿勢の表示部に表示させる回転表示手段を備えることにより、動画撮像装置を左右いずれの方向に倒して縦撮りした場合であっても、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持した状態で、横長姿勢の表示部に縦長の画像を表示させることができる動画撮像装置を提供することを他の目的とする。
更に、撮像素子を動画撮像部に対して回動自在に支持する回動支持部と、横長姿勢の表示部に対して縦長姿勢にある撮像素子により動画が撮像されたことを示す縦撮情報を記録する手段とを備え、縦撮りした動画を再生する際、縦撮情報に基づいて動画を略90度回転させて表示部に表示させるように構成することにより、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持したまま動画の縦撮りを行い、縦撮りした動画を横長姿勢の表示部に縦長の動画として表示させることができる動画撮像装置を提供することを他の目的とする。
更にまた、横長姿勢の表示部に対して撮像素子を縦長姿勢にする指示を受け付ける受付手段と、縦撮りの指示を受け付けた場合、横長姿勢の撮像素子を略90度回動させて縦長姿勢にする回動手段とを備えることにより、受付手段に縦撮りの指示を与えて撮像素子を自動的に横長姿勢から縦長姿勢に変更し、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持したまま動画を縦撮りすることができる動画撮像装置を提供することを他の目的とする。
更にまた、動画撮像部が縦長姿勢の撮像素子で動画を撮像する場合、撮像した動画を略90度回転させて横長姿勢の表示部に表示させるように構成することにより、横長姿勢の表示部に縦長の動画を表示しながら動画の縦撮りを行うことができる動画撮像装置を提供することを他の目的とする。
更にまた、縦撮りした複数の動画を再生する場合、縦撮りした複数の動画夫々を略90度回転させ、横長姿勢の表示部に並べて表示させる手段を備えることにより、同時に複数の動画を再生させることができる動画撮像装置を提供することを他の目的とする。
更にまた、外部の表示装置を接続することができ、接続された表示装置に動画の出力を行う動画出力部を備えることにより、再生する動画を外部の表示装置に表示させることができる動画撮像装置を提供することを他の目的とする。
本発明に係る動画撮像装置は、略長方形の撮像素子を有し、動画を撮像する動画撮像部と、略長方形の表示部とを備え、前記表示部が横長姿勢の場合、前記動画撮像部は横長の動画を撮像し、撮像された動画を再生して横長姿勢の前記表示部に表示するようにしてある動画撮像装置において、前記動画撮像部が動画を撮像する場合、前記表示部が縦長姿勢にあることを検出する検出手段と、縦長姿勢にあることを前記検出手段が検出した場合、前記表示部を縦長姿勢にして動画が撮像されたことを示す縦撮情報及び前記動画を記録する記録手段と、該記録手段により記録した縦撮情報が付加された動画を再生する場合、記録した動画を略90度回転させて前記横長姿勢の表示部に表示させる回転表示手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、検出手段は、表示部が縦長姿勢にあり、動画撮像装置が縦長の動画を撮像する縦撮り姿勢にある場合、表示部が縦長姿勢にあることを検出し、検出結果を示す縦撮情報は、撮像した動画の動画データに付加されて記録手段により記録される。そして、撮像した動画を再生する場合、記録した前記縦撮情報を参照し、参照した結果、再生する動画が縦撮りされた動画であると判定されたとき、回転表示手段は、動画を略90度回転させ、横長姿勢の表示部に縦長の動画を表示させる。従って、縦撮りした動画を再生する場合、横長姿勢の表示部に縦長の動画が表示される。
本発明に係る動画撮像装置において、前記検出手段は、前記表示部が、横長姿勢にある表示部の右倒し又は左倒しのいずれの縦長姿勢にあるかを検出するようにしてあり、前記縦撮情報は、縦長姿勢にある表示部の右倒し又は左倒しに係る情報を含み、前記回転表示手段は、前記情報に応じて前記動画を右回り又は左回りに略90度回転させて表示するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、検出手段は、横長姿勢の表示部を右倒し又は左倒しにしたいずれの縦撮り姿勢であるかを検出し、記録手段は、検出手段が検出した右倒し又は左倒しに係る情報を含む縦撮情報を、撮像した動画の動画データに付加して記録する。そして、記録した動画を再生する場合、前記縦撮情報に応じて、記録した動画を右回り又は左回りに略90度回転させて横長姿勢の表示部に表示させる。従って、横長姿勢の表示部を左右いずれの方向に倒して縦撮りした場合であっても、横長姿勢の表示部に、縦長の動画を表示することができる。
本発明に係る動画撮像装置は、略長方形の撮像素子を有し、動画を撮像する動画撮像部と、略長方形の表示部とを備え、前記動画撮像部が撮像して記録した動画を再生して横長姿勢の前記表示部に表示するようにしてある動画撮像装置において、前記撮像素子の中心回りに前記撮像素子を回動自在に支持する回動支持部と、前記動画撮像部が動画を撮像する場合、前記撮像素子が前記横長姿勢の表示部に対して縦長姿勢にあることを検出する検出手段と、前記撮像素子が縦長姿勢にあることを前記検出手段が検出した場合、縦長姿勢で動画が撮像されたことを示す縦撮情報及び前記動画を記録する記録手段と、該記録手段により記録した縦撮情報が付加された動画を再生する場合、記録した動画を略90度回転させて前記横長姿勢の表示部に表示させる回転表示手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、回動支持部は、撮像素子を動画撮像装置に対して回動自在に支持している。従って、前記撮像素子を回動させることにより、動画を撮像する際、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持した状態で縦撮りを行うことができる。
検出手段は、横長姿勢の表示部に対して撮像素子が縦長姿勢にあることを検出し、検出結果を示す縦撮情報は、撮像した動画の動画データに付加されて記録手段により記録される。そして、撮像した動画を再生する場合、記録した前記縦撮情報を参照し、参照した結果再生する動画が縦撮りされた動画であると判定されたとき、回転表示手段は、動画を略90度回転させ、横長姿勢の表示部に縦長の動画を表示させる。従って、縦撮りした動画を再生する場合、横長姿勢の表示部に縦長の動画が表示される。
本発明に係る動画撮像装置は、前記横長姿勢の表示部に対して前記撮像素子を縦長姿勢にする指示を受け付ける受付手段と、該受付手段が前記指示を受け付けた場合、前記撮像素子を略90度回動させて縦長姿勢にする回動手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、受付手段が横長姿勢の表示部に対して撮像素子を縦長姿勢にする指示を受け付けた場合、横長姿勢の撮像素子を動画撮像部に対して略90度回動させる。従って、受付手段に前記指示を与えることにより、自動的に撮像素子を回転させ、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持した状態で縦長の動画を撮像することができる。
本発明に係る動画撮像装置において、前記回転表示手段は、前記撮像素子が縦長姿勢にあることを前記検出手段が検出した場合、前記動画撮像部が撮像した動画を略90度回転させて前記横長姿勢の表示部に表示させる手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、動画撮像部が縦長姿勢の撮像素子により動画を撮像する場合、回転表示手段は、撮像された動画を略90度回転させて横長姿勢の表示部に表示する。従って、縦撮りする際、横撮り姿勢の動画撮像装置が備える横長姿勢の表示部に縦長の動画が表示される。
本発明に係る動画撮像装置において、前記回転表示手段は、前記記録手段により動画及び縦撮情報が複数記録されている場合、前記複数の動画を並べて表示させる手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、縦撮りした複数の動画を同時に再生する場合、略90度回転させた動画夫々を並べて横長姿勢の表示部に表示させることができる。従って、横長姿勢の表示部に複数の縦長の動画を並べて表示することができる。
本発明に係る動画撮像装置は、外部の表示装置が接続され、接続された表示装置に再生される動画を出力する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、外付けの表示装置に、再生する動画を出力して表示することができる。
本発明に係る動画撮像装置にあっては、縦撮りした動画を再生する際、横撮り姿勢に保持した動画撮像装置が備える横長姿勢の表示部に縦長の動画を表示させることができる。
本発明に係る動画撮像装置にあっては、右倒し又は左倒しのいずれの縦撮り姿勢で縦撮りした場合であっても、縦撮りした動画を再生する際、横長姿勢の表示部に被写体が正立した縦長の動画を表示させることができる。
本発明に係る動画撮像装置にあっては、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持した状態で動画の縦撮りを行うことができ、更に縦撮りした動画を再生する際、横長姿勢の表示部に縦長の動画を表示させることができる。
本発明に係る動画撮像装置にあっては、受付手段に縦撮りの指示を与えることにより、撮像素子を自動的に略90度回転させ、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持した状態で縦撮りを行うことができる。
本発明に係る動画撮像装置にあっては、動画撮像装置を横撮り姿勢に保持したまま動画を縦撮りする場合、横撮り姿勢に保持した動画撮像装置が備える横長姿勢の表示部に縦長の動画を表示させることができる。
本発明に係る動画撮像装置にあっては、複数の縦撮りした動画を再生する場合、横長姿勢の表示部に縦長の動画を並べて表示させることができる。
本発明に係る動画撮像装置にあっては、再生する動画を外部の表示装置に表示させることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図に基づいて詳述する。
図1は、本発明に係る動画撮像装置の略示斜視図である。図中、1は動画撮像部10を備える略直方体の筐体である。動画撮像部10は、被写体からの光を集光するレンズ10a、及びレンズ10aで集光され結像した像をアナログの撮像信号に変換するアスペクト比が4/3の撮像素子10bを有している。筐体1の背面視の左側面1aには、アスペクト比が4/3の表示部3が枢支されており、背面1bには、電源スイッチ4a、動画の記録を開始させる記録ボタン4b、動画の再生を開始させる再生ボタン4c、記録及び再生を停止させる停止ボタン4dとが設けられている。
図2は、動画撮像装置の構成を示すブロック図である。動画撮像装置は、動画撮像部10の撮像素子10bが変換した撮像信号をデジタルの動画データに変換し、変換した動画データを画像処理部23に出力する撮像信号処理部22を備えている。撮像信号処理部22のデータ処理は制御部21により制御され、また制御部21は以下に述べる各構成部を制御する。
画像処理部23は、画像処理用のワークメモリ24を備えており、ワークメモリ24を用いて撮像信号処理部22で変換された動画データに係る動画の色補正、動画を右回り又は左回りに略90度回転させる回転処理を行い、画像処理した動画の動画データをビデオコーデック部25に出力する。ビデオコーデック部25は、画像処理部23で画像処理された画像データを、MPEG2又はMotionJPEG等の圧縮伸張方式により圧縮する機能を有している。MotionJPEGにより圧縮する場合、動画を形成する時系列順に並ぶ複数の静止画夫々をJPEG形式のフォーマットにより圧縮する。動画撮像装置は、ビデオコーデック部25で圧縮された動画データを、磁気テープ、DVD、又は半導体メモリ等の記録媒体27に記録し、記録媒体27に記録した動画データを再生する記録再生部26を備えている。
記録再生部26によって記録及び再生される動画は、表示部3又は動画出力部5に接続された外付けの表示装置Aに表示されるように構成されている。動画出力部5は、DV端子を備え、動画データを表示装置Aに表示させるビデオ信号を出力する。
動画撮像装置は、動画撮像部10が縦撮り姿勢にあることを検出する姿勢検出部20を備えている。姿勢検出部20は、例えばフォトダイオードと、フォトダイオードに対向配置された2つのフォトトランジスタと、フォトダイオードから2つのフォトトランジスタに入射する光を遮り、姿勢検出部20の姿勢に応じて転動可能な遮光球とを備える公知の2相フォトインタラプタにより構成されている。2相フォトインタラプタの姿勢が変化した場合、遮光球の位置が変化して、2つのフォトトランジスタの遮光状態が変化し、2つのフォトトランジスタの出力(P1,P2)が変化する(但し、P1=0or1、P2=0or1)。P1及びP2は、夫々2つのフォトトランジスタの出力を示している。そして、動画撮像部10が横撮り姿勢にある場合、姿勢検出部20の出力が(1,1)となり、右倒し又は左倒しの縦撮り姿勢にある場合、出力が夫々(1,0)、(0,1)となるように、姿勢検出部20を動画撮像部10の適宜箇所に実装する。
制御部21は、姿勢検出部20の出力(P1,P2)を検出することにより、動画撮像部10の撮像姿勢を判定する。電源スイッチ4a、記録ボタン4b、再生ボタン4c、及び停止ボタン4dは、制御部21により操作状態が検出されるように構成されている。
次に、制御部21による動画の記録及び再生の処理手順を説明する。図3及び図4は、動画の記録及び再生に係る処理手順を示すフローチャートである。
電源スイッチ4aがオンになった場合、制御部21は、記録ボタン4bの操作状態を検出し、記録ボタン4bが押されているか否かを判定する(ステップS1)。記録ボタン4bが押されていると判定した場合(ステップS1:YES)、撮像素子10bからの撮像信号をデジタルの動画データにAD変換する(ステップS2)。また、制御部21は画像処理した動画データに係る動画を表示部3に表示させる(ステップS3)。又は、画像処理した動画データに係る動画を動画出力部5に接続されている表示装置Aに表示させる。そして、制御部21は、画像処理した画像をビデオコーデック部25でMotionJPEGの圧縮伸張方式により圧縮する(ステップS4)。
次いで、制御部21は、姿勢検出部20の出力(P1,P2)を検出し(ステップS5)、検出した出力(P1,P2)を動画撮像部10の姿勢を示す姿勢情報(Q1,Q2)に設定する(ステップS6)。そして、制御部21は、設定した姿勢情報(Q1,Q2)をステップS4で圧縮した動画データに付加して、記録媒体27に記録する(ステップS7)。
次いで制御部21は、停止ボタン4dの操作状態を検出し、停止ボタン4dが押されているか否かを判定する(ステップS8)。
停止ボタン4dが押されていると判定した場合(ステップS8:YES)、又はステップS1において記録ボタン4bが押されていないと判定した場合(ステップS1:NO)、制御部21は、再生ボタン4cの操作状態を検出し、再生ボタン4cが押されているか否かを判定する(ステップS9)。停止ボタン4dが押されていないと判定した場合(ステップS8:NO)、制御部21は処理をステップS2に戻す。
再生ボタン4cが押されていると判定した場合(ステップS9:YES)、制御部21は、記録媒体27に記録されている動画データを読み出し(ステップS10)、読み出した動画データをビデオコーデック部25で伸張する(ステップS11)。そして、制御部21は、伸張した動画データに付加された姿勢情報(Q1,Q2)が(1,1)であるか否かを判定する(ステップS12)。つまり、横撮り姿勢で撮像された動画であるか否かを判定する。
姿勢情報(Q1,Q2)が(1,1)でないと判定した場合(ステップS12:NO)、制御部21は、姿勢情報のQ2が0であるか否かを判定する(ステップS13)。つまり、右倒しの縦撮り姿勢で撮像された動画であるか否かを判定する。そして、姿勢情報のQ2が0であると判定した場合(ステップS13:YES)、制御部21は、ステップS11で伸張した動画データに係る動画を、画像処理部23において右回りに略90度回転させ、略90度回転させた縦長の画像を略3/4倍に縮小する(ステップS14)。具体的には、MotionJPEGフォーマットの動画は、ビデオコーデック部25によって時系列の複数の静止画データとして伸張され、画像処理部23は、伸張された各静止画夫々を時系列順に略90度回転させる。また略90度回転させた動画を略3/4倍に縮小することにより、横長姿勢の表示部3に縦長の動画全体を表示させることができる。
姿勢情報のQ2が0でないと判定した場合(ステップS13:NO)、つまり左倒しの縦撮り姿勢で撮像された動画であると判定した場合、制御部21は、ステップS11で伸張した動画データに係る動画を、画像処理部23において左回りに略90度回転させ、略90度回転させた縦長の画像を略3/4倍に縮小する(ステップS15)。
ステップS14若しくはステップS15の処理を終えた場合、又はステップS12において(Q1,Q2)が(1,1)であると判定した場合(ステップS12:YES)、制御部21は、姿勢情報(Q1,Q2)に応じて処理された動画を表示部3に表示させる(ステップS16)。
次いで、制御部21は、停止ボタン4dの操作状態を検出し、停止ボタン4dが押されているか否かを判定する(ステップS17)。停止ボタン4dが押されていないと判定した場合(ステップS17:NO)、制御部21は、処理をステップS10に戻す。
停止ボタン4dが押されていると判定した場合(ステップS17:YES)、又はステップS9において再生ボタン4cが押されていないと判定した場合(ステップS9:NO)、制御部21は、電源スイッチ4aの操作状態を検出し、電源スイッチ4aがオンになっているか否かを判定する(ステップS18)。電源スイッチ4aがオンになっていると判定した場合(ステップS18:YES)、制御部21は処理をステップS1に戻す。電源スイッチ4aがオフになっていると判定した場合(ステップS18:NO)、制御部21は処理を終了する。
図5は、表示部3に表示される縦撮り及び横撮りされた動画の模式図である。図5(a)は、横撮り姿勢で撮像された動画を再生する場合に表示部3又は表示装置Aに表示される動画である。動画撮像部10を横撮り姿勢に保持した状態で動画を撮像する場合、ステップS7の処理により、(1,1)の姿勢情報が付加された動画データが記録媒体27に記録される。このように記録された動画データを再生する場合、動画データには(1,1)の縦撮情報が付加されているため、ステップS12及びS16の処理により横長の動画がそのまま横長姿勢の表示部3に表示される。
図5(b)は、縦撮り姿勢で撮像された動画を再生する場合に表示部3又は表示装置Aに表示される動画である。動画撮像部10を右倒し又は左倒しにした縦撮り姿勢で動画を撮像する場合、ステップS6及びS7の処理により、右倒し又は左倒しの縦撮り状態で動画が撮像されたことを示す姿勢情報(1,0)又は(0,1)が動画データに付加されて記録される。姿勢情報(1,0)又は(0,1)が付加されている動画データを再生する場合、姿勢情報(Q1,Q2)に応じて右回り又は左回りに略90度回転した縦長の動画が横長姿勢の表示部3又は表示装置Aに表示される。従って、右倒し又は左倒しの縦撮り姿勢に保持して動画を撮像し、記録した場合であっても、動画撮像部10を横撮り姿勢に保持した横長姿勢の表示部3又は表示装置Aに被写体が正立した縦長の動画が表示部3に表示される。
また、動画を構成するフレーム毎に姿勢情報(Q1,Q2)を付加するため、撮像の最中に動画撮像部10を横撮り姿勢又は縦撮り姿勢に変化させた場合であっても、再生されて表示部3又は表示装置Aに表示される動画は撮像されたときの姿勢に応じて回転処理されるため、被写体が正立した横長又は縦長の動画が横長姿勢の表示部3又は表示装置Aに表示される。従って、動画を再生する場合、動画撮像装置の姿勢を横長姿勢に保持した状態で、横長姿勢の表示部3又は表示装置Aに被写体が正立した動画を表示させることができる。
なお、本実施の形態にあっては、横長姿勢の表示部3に縦撮りした動画を1つ表示させているが、表示部3に縦撮りした動画を2つ以上表示させても良い。
図6は、縦撮りした動画が2つ以上表示されている表示部3の模式図である。制御部21は、縦撮りされた2つの動画を再生する場合、再生する夫々の動画データを読み出し、読み出した動画データに係る動画夫々を略90度回転させる。そして、略90度回転させて動画を並置した画像を生成し、生成した動画を図6に示すように表示部3に表示させる。
変形例に係る動画撮像装置にあっては、縦撮りして2つの動画を同時に表示部3に表示させることができる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る動画撮像装置の略示断面図であり、図8は動画撮像装置の構成を示すブロック図である。本発明に係る動画撮像装置は、レンズ10a及び撮像素子10bを収容する収容筒6と、中空略直方体の筐体101とを備えている。
収容筒6は、収容筒6の中心線と光軸とが一致するようにレンズ10a及び撮像素子10bを内部に収容しており、撮像素子10bは、レンズ10aの後方で収容筒6の内側に固定された円盤状の基板10cに支持されている。収容筒6の後端面外側中央部分には、回動筒6aが光軸方向に突設されている。筐体101は、回動筒6aが嵌入される嵌入孔112を端面に有する有底円筒形の支持部111を上側に有し、嵌入孔112に嵌入された回動筒6aは支持部111に対して回動自在に支持されている。支持部111は、筐体101及び収容筒6が全体として略直方体になるように形成されている。
嵌入孔112に嵌入された回動筒6aの、支持部111内側の部分には嵌入孔112より大径の抜け止め環6cが外嵌固定されており、抜け止め環6cは、回動筒6aの中心軸方向の移動を係止して回動筒6aの嵌入孔112からの抜け落ちを防止している。回動筒6aには、制御部121と撮像素子10bとを接続する図示しないリード線が通じている。
支持部111は、収容筒6を筐体101に対して回動させる回動機構7を備えている。回動機構7は、回動筒6aの端部に外嵌固定された大歯車7aと、大歯車7aに噛合する小歯車7bと、小歯車7bを出力軸に備え、筐体101の適宜箇所に固定されたステッピングモータ7cとから構成される。ステッピングモータ7cが回転した場合、ステッピングモータ7cの回転は小歯車7b及び大歯車7aを介して回動筒6aに減速伝達され、収容筒6は筐体101に対して回動する。ステッピングモータ7cの回転は、制御部121により制御される。
図9は、図7のIX−IX線断面図、図10は、図7のX−X線断面図である。支持部111が有する嵌入孔112の内側には弧状の溝部113が形成されてあり、回動筒6aの外周面には、溝部113に嵌め込まれ、溝部113に沿って回動する凸状のストッパ6bが突設されている。回動筒6aは、図9(a)に示すように、ストッパ6bが溝部113の一端113aに当接した状態から、図9(b)に示すように、ストッパ6bが溝部113の他端113bに当接した状態まで回動することができる。
ストッパ6bが溝部113の一端113aに当接している場合、図10(a)に示すように撮像素子10bが縦長姿勢となり、ストッパ6bが溝部113の他端113bに当接している場合、図10(b)に示すように撮像素子10bが横長姿勢になるように、回動筒6aは支持部111に支持されている。撮像素子10bが縦長姿勢にある場合、撮像素子10bの長辺と表示部3の長辺とが略垂直となり、撮像素子10bが横長姿勢にある場合、撮像素子10bの長辺と表示部3の長辺とが略平行となる。従って、横長姿勢にある撮像素子10bを一方向に略90度回動させ、縦長姿勢にすることができる。
支持部111は、ストッパ6bが溝部113の一端113aにあることを検出する第1フォトインタラプタ8a、及び溝部113の他端113bにあることを検出する第2フォトインタラプタ8bを備えている。制御部121は、第1及び第2フォトインタラプタ8a、8bによってストッパ6bの位置を検出して、ステッピングモータ7cの回転を制御する。
動画撮像装置は、動画撮像部10を横撮り姿勢に保持したまま行う縦撮り及び横撮りを相互に切り替える切り替えボタン104eを筐体101の背面の適宜箇所に有している。切り替えボタン104eは、縦撮りから横撮りへの切り替えと、横撮りから縦撮りへの切り替えとに兼用されている。切り替えボタン104eの操作状態は、制御部121により検出することができるように構成されている。
図11乃至図13は、実施の形態2に係る制御部121の処理手順を示すフローチャートである。制御部121は、電源スイッチ4aがオンになった場合、撮像素子10bが横撮り姿勢の筐体101に対して縦長姿勢にあるか否かを示すフラグFに値0を設定する(ステップS101)。次いで、制御部121は、記録ボタン4bの操作状態を検出し、記録ボタン4bが押されているか否かを判定する(ステップS102)。
記録ボタン4bが押されていると判定した場合(ステップS102:YES)、制御部121は、切り替えボタン104eが押されているか否かを判定する(ステップS103)。切り替えボタン104eが押されていると判定した場合(ステップS103:YES)、制御部121はフラグFの値が0であるか否かを判定する(ステップS104)。
フラグFの値が0であると判定した場合(ステップS104:YES)、制御部121はフラグFに値1を設定し(ステップS105)、ステッピングモータ7cを所定数回転させて、ストッパ6bが一端113a側のa方向に回動するように回動筒6aを回動させる(ステップS106)。次いで、制御部121は第1フォトインタラプタ8aが遮光状態にあるか否かを判定する(ステップS107)。第1フォトインタラプタ8aが遮光状態にあると判定した場合(ステップS107:YES)、制御部121は、ステッピングモータ7cの回転制御を終え、撮像信号をAD変換するステップS111の処理を行う。第1フォトインタラプタ8aが遮光状態にないと判定した場合(ステップS107:NO)、制御部121は処理をステップS106に戻す。
ステップS106、S107の処理により、撮像素子10bが縦長姿勢になるまで収容筒6は支持部111に対して回動する。
フラグFの値が0でないと判定した場合(ステップS104:NO)、制御部121はフラグFに値0を設定し(ステップS108)、ステッピングモータ7cを所定数回転させて、ストッパ6bが他端113b側のb方向に回動するように回動筒6aを回動させる(ステップS109)。次いで、制御部121は、第2フォトインタラプタ8bが遮光状態にあるか否かを判定する(ステップS110)。第2フォトインタラプタ8bが遮光状態にあると判定した場合(ステップS110:YES)、制御部121は、ステッピングモータ7cの回転制御を終え、撮像信号をAD変換するステップS111の処理を行う。第2フォトインタラプタ8bが遮光状態にないと判定した場合(ステップS110:NO)、制御部121は処理をステップS109に戻す。
ステップS109、S110の処理により、撮像素子10bが横長姿勢になるまで収容筒6は支持部111に対して回動する。
ステップS103において切り替えボタン104eが押されていないと判定した場合(ステップS103:NO)、制御部121は、撮像素子10bからの撮像信号をデジタルの動画データにAD変換する(ステップS111)。次いで、制御部121は、フラグFの値が1であるか否かを判定する(ステップS112)。フラグFが1であると判定した場合(ステップS112:YES)、制御部121は、ステップS111でAD変換した動画データに係る動画を略90度回転させる(ステップS113)。ステップS113の処理を終えた場合、又はステップS112においてフラグFが1ではないと判定した場合(ステップS112:NO)、制御部121は、フラグFの値に応じて処理した動画を表示部3又は表示装置Aに表示させる(ステップS114)。
次いで、制御部121はステップS111でAD変換した動画データをビデオコーデック部25でMotionJPEGの圧縮伸張方式により圧縮する(ステップS115)。そして、制御部121は、撮像素子10bの姿勢を示す姿勢情報QにフラグFの値を設定し(ステップS116)、設定した姿勢情報QをステップS115で圧縮した動画データに付加して、記録媒体27に記録する(ステップS117)。
次いで制御部121は、停止ボタン4dの操作状態を検出し、停止ボタン4dが押されているか否かを判定する(ステップS118)。停止ボタン4dが押されていると判定した場合(ステップS118:YES)、又はステップS102において記録ボタン4bが押されていないと判定した場合(ステップS102:NO)、制御部121は、再生ボタン4cの操作状態を検出し、再生ボタン4cが押されているか否かを判定する(ステップS119)。停止ボタン4dが押されていないと判定した場合(ステップS118:NO)、制御部121は処理をステップS103に戻す。
再生ボタン4cが押されていると判定した場合(ステップS119:YES)、制御部121は、記録媒体27に記録されている動画データを読み出し(ステップS120)、読み出した動画データをビデオコーデック部25で伸張する(ステップS121)。そして、制御部121は、伸張した動画データに付加された姿勢情報Qが1であるか否かを判定する(ステップS122)。つまり、縦撮り姿勢で撮像された動画であるか否かを判定する。
姿勢情報Qが1であると判定した場合(ステップS122:YES)、制御部121は、ステップS121で伸張した動画データに係る動画を、画像処理部23において略90度回転させ、略90度回転させた縦長の画像を略3/4倍に縮小する(ステップS123)。ステップS123の処理を終えた場合、又はステップS122においてQが1でないと判定した場合(ステップS122:NO)、制御部121は、姿勢情報Qに応じて処理された動画を表示部3に表示させる(ステップS124)。
次いで、制御部121は、停止ボタン4dの操作状態を検出し、停止ボタン4dが押されているか否かを判定する(ステップS125)。停止ボタン4dが押されていないと判定した場合(ステップS125:NO)、制御部121は、処理をステップS120に戻す。
停止ボタン4dが押されていると判定した場合(ステップS125:YES)、又はステップS119において再生ボタン4cが押されていないと判定した場合(ステップS119:NO)、制御部121は、電源スイッチ4aの操作状態を検出し、電源スイッチ4aがオンになっているか否かを判定する(ステップS126)。電源スイッチ4aがオンになっていると判定した場合(ステップS126:YES)、制御部121は処理をステップS102に戻す。
電源スイッチ4aがオフになっていると判定した場合(ステップS126:NO)、制御部121は、ステッピングモータ7cを回転させ、回動筒6aをb方向に回動させる(ステップS127)。次いで、制御部121は、第2フォトインタラプタ8bが遮光状態にあるか否かを判定する(ステップS128)。第2フォトインタラプタ8bが遮光状態にあると判定した場合(ステップS128:YES)、制御部121は処理を終える。第2フォトインタラプタ8bが遮光状態にないと判定した場合(ステップS128:NO)、制御部121は処理をステップS127に戻す。
その他の実施の形態2に係る動画撮像装置の構成は、実施の形態1に示した構成と同様であるので、同様の箇所には同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
このように構成される動画撮像装置にあっては、フラグFが0の場合、つまり撮像素子10bが横長姿勢の場合に切り替えボタン104eが押されたとき、ステップS106及びS107の処理によって回動筒6aは本体部に対してa方向に回動し、ストッパ6bは溝部113の一端113aまで回動する。ストッパ6bが溝部113の一端113aにある場合、撮像素子10bは縦長姿勢となる。また、フラグFが1の場合、つまり撮像素子10bが縦長姿勢の場合に切り替えボタン104eが押されたとき、ステップS109及びS110の処理によって回動筒6aは本体部に対してb方向に回動し、撮像素子10bが横撮り姿勢の状態に戻る。従って、切り替えボタン104eの操作により撮像装置を横撮り姿勢に保持したまま、動画の縦撮り及び横撮りを行うことができる。
また、フラグFが1で、横長姿勢の表示部3に対して撮像素子10bが縦長である場合、ステップS113及びS114の処理によって画像が略90度回転されて表示部3に表示される。従って、横長姿勢の表示部3に縦撮りされた縦長の動画を表示することができる。
更に、縦撮りした動画を再生して表示部3又は表示装置Aに表示させる場合、動画データには姿勢情報Q=1が付加されているため、ステップS123及びS124の処理によって略90度回転した縦長の動画が横長姿勢の表示部3又は表示装置Aに表示される。従って、横長姿勢の表示部3又は表示装置Aに縦撮りした縦長の動画を表示することができる。