JP2005340220A - 電界放出表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子ビームフォーカシング特性を向上させることができる電子放出構造を有する電界放出表示素子を提供する。
【解決手段】第1基板110と、第1基板上に所定高さを有するように所定形態に形成された第1絶縁層112と、第1絶縁層を覆い、第1絶縁層を覆う部分の間に凹状に形成された第1開口111aを有するカソード電極111と、第1開口と連通されてカソード電極の一部を露出させる第2開口113aを有する第2絶縁層113と、第2絶縁層上に形成され、第2開口と連通される第3開口114aを有するゲート電極114と、カソード電極のうち、第1開口内に位置した部分上に形成され、互いに所定間隔離隔されるように第1開口の両側エッジに沿って配置されたエミッタ115と、第1基板と所定間隔をおいて対向するように配置され、その一面にアノード電極121と蛍光層122とが形成された第2基板120とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】第1基板110と、第1基板上に所定高さを有するように所定形態に形成された第1絶縁層112と、第1絶縁層を覆い、第1絶縁層を覆う部分の間に凹状に形成された第1開口111aを有するカソード電極111と、第1開口と連通されてカソード電極の一部を露出させる第2開口113aを有する第2絶縁層113と、第2絶縁層上に形成され、第2開口と連通される第3開口114aを有するゲート電極114と、カソード電極のうち、第1開口内に位置した部分上に形成され、互いに所定間隔離隔されるように第1開口の両側エッジに沿って配置されたエミッタ115と、第1基板と所定間隔をおいて対向するように配置され、その一面にアノード電極121と蛍光層122とが形成された第2基板120とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、電界放出表示装置に関わり、さらに詳細には、電子ビームフォーカシング特性を向上させることができ、電流密度の低下を防止できる電子放出構造を有する電界放出表示装置及びその製造方法に関する。
従来の情報伝達媒体の重要部分である表示装置の代表的な活用分野としては、パソコンのモニター及びTV受像機が挙げられる。このような表示装置は、高速熱電子放出を利用する陰極線管(CRT:Cathode Ray Tube)と、最近に急速に発展している液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマ表示装置(PDP:Plasma Display Panel)及び電界放出表示装置(FED:Field Emission Display)のような平板表示装置とに大別される。
このような平板表示装置のうち、FEDは、カソード電極上に一定の間隔で配列されたエミッタにゲート電極から強い電場を印加することによって、エミッタから電子を放出させ、この電子をアノード電極の表面に塗布された蛍光物質に衝突させて発光させる表示装置である。このように、冷陰極電子を電子放出源として使用して、イメージを形成する装置であるFEDは、電子放出源であるエミッタの材料及び構造の特性によって、表示装置全体の画質特性が大きく影響を受ける。
初期のFEDでは、前記エミッタとして主にモリブデン(Mo)を主材質として、スピントタイプの金属チップ(またはマイクロチップ)が使われてきた。
しかし、前記金属チップ状のエミッタを有するFEDにおいては、エミッタを配置するためには、極微細なホールが形成されていなければならず、モリブデンを蒸着して、画面全領域で均一な金属マイクロチップを形成させねばならないため、製造工程が複雑で、かつ高難度の技術を必要とするだけでなく、高コストの装備を使用せねばならないので、製品コストが上昇するという問題点がある。したがって、金属チップ形状のエミッタを有するFEDは、大画面化において制約があると指摘されている。
これにより、FEDの関連業界では、低電圧の駆動条件でも、良質の電子放出が得られ、製造工程も簡略にするために、前記エミッタを平坦な形状に形成させる技術を研究開発しつつある。
従来の技術動向によれば、平坦な形状のエミッタとしては、カーボン系物質、例えば、グラファイト、ダイヤモンド、DLC(Diamond Like Carbon)、C60または炭素ナノチューブ(CNT:Carbon Nano Tube)が適したものと知られており、このうち、特に、CNTが比較的低い駆動電圧でも、電子放出を円滑になして、FEDのエミッタとして最も理想的な物質と期待されている。
図1A及び図1Bは、従来のFEDの一例を示す図面であって、図1Aは、部分断面図であり、図1Bは、部分平面図である。
図1A及び図1Bを共に参照すれば、FEDは、一般的に、カソード電極12、アノード電極22及びゲート電極14を有する3極管の構造になっている。前記カソード電極12とゲート電極14とは、背面基板11上に形成されており、アノード電極22は、前面基板21の底面に形成されており、アノード電極22の底面には、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)蛍光体から形成された蛍光層23と、コントラスト向上のためのブラックマトリックス24とが形成されている。そして、背面基板11と前面基板21とは、その間に配置されるスペーサ31によって相互間の間隔が維持されている。このようなFEDは、大体、背面基板11上にまずカソード電極12を形成し、その上に微細な開口15を有する絶縁層13とゲート電極14とを積層した後、前記開口15内に位置するカソード電極12上に、エミッタ16を配置させた構造を有する。
しかし、前記一般的な3極管構造を有するFEDは、実質的な駆動において、色純度の低下と同時に、鮮明な画質を具現し難いという問題点を有している。このような問題点は、前記エミッタ16から放出される電子のほとんどがエミッタ16のエッジ部から放出されるということであり、また、その電子が電子ビーム化されて蛍光層23に向ける時、ゲート電極14に印加される電圧(数〜数十ボルトの+電圧)の影響によって発散力が強くなって、電子ビームが広がるにつれて、所望の画素の蛍光体だけでなく、隣接した他の画素の蛍光体まで発光させるためである。
このような問題点を改善するために、一つの画素に対応するエミッタ16を小面積化して、これを複数個に配置することによって、前記エミッタ16から放出された電子ビームの広がり現象を最小化させようとする努力があった。しかし、所定サイズの画素内に前記複数のエミッタ16を良好に形成させるのには、制約があるだけでなく、当該画素の蛍光体を発光させるためのエミッタ16の全体面積が小さくなるという問題点があり、また、電子ビームの集束においても、その効果が十分ではないという問題点がある。
一方、前記電子ビームの広がり現象を防止するために、図2A及び図2Bに示されたように、ゲート電極53,63の周囲に電子ビームの集束のための別途の電極54,64を配置した構造を有するFEDが提案されたことがある。
その一例として、図2Aには、ゲート電極53の周囲にリング状のフォーカシング電極54を配置して、電子ビームをフォーカシングさせる構造を有するFEDが示されており、他の例として、図2Bには、下部ゲート電極63と上部ゲート電極64とから形成された二重ゲートを利用して、電子ビームをフォーカシングさせる構造を有するFEDが示されている。しかし、このようなFEDは、その構造が複雑になるという短所を有している。また、前記構造は、主にカソード電極51,61上に金属マイクロチップ状のエミッタ52,62が形成されたFEDに適用されてきたので、このような構造を、平板型エミッタを有するFEDに適用する場合には、まだ満足できるほどの効果は得られていない。
さらに一方、特許文献1には、エミッタが配置される基板側に形成された非絶縁層の厚さと誘電層の厚さとを限定して、電子ビームの発散を減少させた電子放出構造が開示されている。しかし、このような電子放出構造は、一つの画素に対応して複数個の孔が形成され、それぞれの孔内に複数個の電子放出源が微細構造で形成されるにつれて、その構造が非常に複雑で製造し難いだけでなく、空間的にも制約を受ける。したがって、一つの画素に対応するエミッタの数またはその面積を最大化させるのに限界を有し、寿命短縮の問題をもたらす恐れがある。
そして、特許文献2、3及び4には、平板型エミッタを有する電子放出構造が開示されており、この電子放出構造は、カソード電極の形状を変更して電子ビームをフォーカシング可能になっている。しかし、従来の平板型エミッタを有するFEDにおいては、一般的に、エミッタから放出される電流の密度が低下し、駆動電圧が高まるという問題点がある。
米国特許US5,552,659号明細書
特開2000−348602号公報
特開2003−16907号公報
特開2003−16910号公報
本発明は、前記従来の技術の問題点を解決するために創出されたものであって、特に、電子ビームのフォーカシング特性を向上させることができ、電流密度の低下を防止できる電子放出構造を有するFED及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の一特徴によるFEDは、第1基板と、前記第1基板上に所定高さを有するように所定形態に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層を覆うように前記第1基板上に形成され、前記第1絶縁層を覆う部分の間に凹状に形成された第1開口を有するカソード電極と、前記第1基板及びカソード電極上に形成され、前記第1開口と連通されて前記カソード電極の一部を露出させる第2開口を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成され、前記第2開口と連通される第3開口を有するゲート電極と、前記カソード電極のうち、前記第1開口内に位置した部分上に形成され、互いに所定間隔離隔されるように前記第1開口の両側エッジに沿って配置されたエミッタと、前記第1基板と所定間隔をおいて対向するように配置され、その一面にアノード電極と所定パターンの蛍光層とが形成された第2基板と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記カソード電極には、前記エミッタ間に配置されるキャビティが形成されることが望ましい。
本発明において、前記第1開口、第2開口、第3開口及び前記キャビティは、四角形の形状を有することができる。
この場合、前記第2開口の幅は、前記第1開口の幅より広く、前記キャビティの幅は、前記第1開口の幅より狭いことが望ましい。そして、前記エミッタ間の間隔は、前記第1開口の幅より狭く、前記キャビティの幅より広いことが望ましい。また、前記第3開口の幅は、前記第2開口の幅と同一であることもあり、前記第2開口の幅より広いこともある。
本発明において、前記第1絶縁層は、前記第1開口の両側の外側に配置され、前記カソード電極の両側エッジに沿ってその長手方向に延びることができる。
一方、前記第1絶縁層は、前記第1開口の両側の外側に配置され、前記カソード電極の両側エッジそれぞれに所定長さほど形成される。
さらに一方、前記第1絶縁層は、前記第1開口の周りを取り囲む形状に形成される。
本発明において、前記エミッタは、前記第1開口の両側に位置した前記カソード電極の側面に接触されるように形成されることが望ましい。
そして、前記目的を達成するための本発明の他の特徴によるFEDは、第1基板と、前記第1基板上に所定高さを有するように所定形態に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層を覆うように前記第1基板上に形成され、前記第1絶縁層を覆う部分の内側に凹状に形成された円形の第1開口を有するカソード電極と、前記第1基板及びカソード電極上に形成され、前記第1開口と連通されて前記カソード電極の一部を露出させる円形の第2開口を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成され、前記第2開口と連通される円形の第3開口を有するゲート電極と、前記カソード電極のうち、前記第1開口内に位置した部分上に形成されたリング状のエミッタと、前記第1基板と所定間隔をおいて対向するように配置され、その一面にアノード電極と所定パターンの蛍光層とが形成された第2基板と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記カソード電極には、前記エミッタの内側に配置される円形のキャビティが形成されることが望ましい。
本発明において、前記第2開口の内径は、前記第1開口の内径より大きく、前記キャビティの内径は、前記第1開口の内径より小さいことが望ましい。そして、前記エミッタの内径は、前記第1開口の内径より小さく、前記キャビティの内径より大きいことが望ましい。また、前記第3開口の内径は、前記第2開口の内径と同一であることもあり、前記第2開口の内径より大きいこともある。
本発明において、前記エミッタは、前記第1開口を取り囲む前記カソード電極の側面に接触されるように形成されることが望ましい。そして、前記エミッタの高さは、前記第1絶縁層より低いことが望ましい。また、前記エミッタは、カーボン系物質、例えば、CNTから形成されることが望ましい。
本発明において、前記第1、第2及び第3開口は、一つの画素に対してそれぞれ複数個が設けられ、前記複数の第1開口それぞれの内部に前記エミッタが配置されることができる。
そして、前記目的を達成するための本発明によるFEDの製造方法は、(A)基板上に第1絶縁層を形成する工程と、(B)前記基板上に前記第1絶縁層を覆い、前記第1絶縁層を覆う部分の間に凹状に形成された第1開口を有するカソード電極を形成する工程と、(C)前記基板上に前記カソード電極を覆う第2絶縁層を形成する工程と、(D)前記第2絶縁層上に前記第1開口と対応する位置に所定形状のホールを有する金属物質層を形成する工程と、(E)前記ホールを通じて前記第2絶縁層をエッチングして、前記第1開口と連通されて前記カソード電極の一部を露出させる第2開口を形成する工程と、(F)前記金属物質層をパターニングして、前記第2開口と連通される第3開口を有するゲート電極を形成する工程と、(G)前記カソード電極のうち、前記第1開口内に位置した部分上にエミッタを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明において、前記(A)工程で、前記第1絶縁層は、前記基板上にペースト状態の絶縁物質を塗布した後、これを所定形態にパターニングすることによって形成される。この場合、前記ペースト状態の絶縁物質は、スクリーンプリンティング法によって塗布される。
前記(B)工程で、前記カソード電極は、前記基板上に前記第1絶縁層を覆うように所定厚さの導電性物質を蒸着した後、これをストライプ状にパターニングすることによって形成される。
前記(B)工程で、前記カソード電極に前記第1開口内に位置し、前記第1開口より小さくキャビティを形成できる。
前記(C)工程で、前記第2絶縁層は、前記基板上にペースト状態の絶縁物質をスクリーンプリンティング法によって塗布した後、これを所定温度で焼結することによって形成される。
前記(D)工程で、前記金属物質層は、前記第2絶縁層上に導電性金属物質をスパッタリングによって所定厚さに蒸着することによって形成され、前記ホールは、前記金属物質層を部分的にエッチングすることによって形成される。
前記(E)工程で、前記第2絶縁層は、前記金属物質層をエッチングマスクとして利用してエッチングされる。
前記(F)工程で、前記ゲート電極は、前記金属物質層をストライプ状にパターニングすることによって形成される。
前記(G)工程は、前記第1開口と第2開口との内部に感光性を有するCNTペーストを塗布する工程と、前記基板の後面から光を照射して、前記CNTペーストのうち、前記第1開口内の前記カソード電極上に位置した部分のみを選択的に露光させる工程と、前記CNTペーストのうち、露光されていない部分を除去することによって、残存したCNTから形成された前記エミッタを形成する工程と、を含むことができる。
この場合、前記基板は、透明ガラス基板から形成され、前記カソード電極は、ITO(Indium Tin Oxide)から形成されることが望ましい。
一方、前記(G)工程は、前記第1開口と第2開口との内部にホトレジストを塗布した後、これをパターニングして、前記第1開口内の前記カソード電極の表面にのみ前記ホトレジストを残存させる工程と、前記第1開口と第2開口との内部にCNTペーストを塗布する工程と、前記基板を所定温度に加熱することによって、前記ホトレジストとCNTペーストとを熱化学反応させて前記エミッタを形成する工程と、前記CNTペーストのうち、化学反応を起こしていない部分を除去する工程と、を含むことができる。
さらに一方、前記(G)工程は、前記第1開口内に位置した前記カソード電極の表面に触媒金属層を形成する工程と、前記触媒金属層に炭素を含有したガスを供給して、前記触媒金属層の表面からCNTを垂直成長させることによって、前記エミッタを形成する工程と、を含むことができる。
本発明によるFEDによれば、開口の両側エッジに沿って配置された平板型エミッタとエミッタの両側の外側に高く形成されたカソード電極とによって、エミッタから放出された電子ビームのフォーカシング特性が向上して画像の色純度が高まり、これにより、高画質の画像を具現できる。
そして、本発明によるFEDによれば、カソード電極に形成されたキャビティによって、エミッタの周囲に形成される電界の等電位線がエミッタを取り囲むように形成される。このような電界の影響で、電流密度が高まるので、画像の輝度が向上できる。
また、ITOまたは金属物質から形成されたカソード電極によって、第1絶縁層が完全に覆われるので、エッチング工程によって第2絶縁層に開口を形成する時、第1絶縁層がエッチング液の影響を受けて損傷されるという問題を解消できる。
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明によるFEDの望ましい実施形態を詳細に説明する。以下の図面で、同じ参照符号は、同じ構成要素を表す。
図3は、本発明の望ましい第1実施形態によるFEDの構造を示す部分断面図であり、図4は、図3に示したFEDにおいて、背面基板上に形成された構成要素の配置構造を示す部分平面図である。
図3及び図4を共に参照すれば、本発明によるFEDは、所定間隔をおいて互いに対向するように配置された二つの基板、すなわち、通常的に、背面基板と称す第1基板110と、前面基板と称す第2基板120とを備える。前記背面基板110及び前面基板120は、これら間に設置されたスペーサ130によって、その間隔が維持される。このような背面基板110及び前面基板120としては、通常的にガラス基板が使われる。
前記背面基板110上には、電界放出をなす構成が設けられ、前記前面基板120には、電界放出によって放出された電子によって、所定の画像を具現できる構成が設けられる。
具体的に、前記背面基板110上には、第1絶縁層112が形成される。前記第1絶縁層112は、図5Aないし図5Cに示されたような形態に形成され、これについては、後で詳細に説明する。前記第1絶縁層112は、ペースト状態の絶縁物質を使用して、約2〜5μmほどの厚さを有するように形成される。
そして、前記背面基板110上には、例えば、ストライプ状に配列されたカソード電極111が形成される。このとき、前記カソード電極111は、第1絶縁層112を覆うように形成される。これにより、前記カソード電極111のうち、第1絶縁層112を覆う部分は、他の部分に比べて、第1絶縁層112の高さほど高まり、前記カソード電極111のうち、第1絶縁層112を覆う部分の間には、凹状の第1開口111aが形成される。前記第1開口111aは、各画素125に対応して一つずつ形成され、画素125の形状に相応する縦長型の形状、すなわち、前記カソード電極111の長手方向(Y方向)にさらに長い四角形の形状を有することができる。
前記カソード電極111は、導電性金属物質または透明な導電性物質、例えば、ITOから形成される。前記カソード電極111を形成する物質は、後述する製造方法で説明されるように、エミッタ115の形成方法によって変わる。
このように、カソード電極111が第1絶縁層112を完全に覆っているので、後述する第2絶縁層113に第2開口113aを形成する時、第1絶縁層112は、エッチング液に全く影響を受けない。これについては、後述する。
そして、前記カソード電極111には、前記背面基板110を露出させるキャビティ111bが形成されることが望ましい。前記キャビティ111bは、エミッタ115の間に配置される。このようなキャビティ111bは、各画素125に対応して一つずつ形成され、画素125の形状に相応する縦長型の形状、すなわち、前記カソード電極111の長手方向(Y方向)にさらに長い四角形の形状を有することができる。そして、前記キャビティ111bの幅WCは、前記第1開口111aの幅W1より狭く形成される。
前記背面基板110及びカソード電極111上には、第2絶縁層113が形成される。前記第2絶縁層113は、例えば、ペースト状態の絶縁物質を使用して、約10〜20μmほどの厚さを有するように形成される。そして、前記第2絶縁層113には、前記第1開口111aと連通される第2開口113aが形成される。前記第2開口113aは、第1開口111aと同様に、前記カソード電極111の長手方向(Y方向)にさらに長い四角形の形状を有し、その幅W2は、第1開口111aの幅W1より広く形成される。したがって、前記第2開口113aを通じて第1開口111aが完全に露出されるので、カソード電極111のうち、第1開口111a内に位置した部分も完全に露出される。
前記第2絶縁層113上には、所定のパターン、例えば、ストライプ状に互いに所定間隔をおいて配列された複数のゲート電極114が形成される。前記ゲート電極114は、前記カソード電極111の長手方向(Y方向)に直交する方向(X方向)に延びる。このようなゲート電極114は、導電性のある金属、例えば、Crから形成され、約数千Åほどの厚さを有することができる。そして、前記ゲート電極114には、前記第2開口113aと連通される第3開口114aが形成される。前記第3開口114aは、前記第2開口113aと同じ形状を有し、その幅W3も、第2開口113aの幅W2と同一に形成される。
前記第1開口111a内に位置したカソード電極111上には、エミッタ115が形成される。前記エミッタ115は、前記第1絶縁層112より薄く、かつ平坦な形態に形成される。このエミッタ115は、カソード電極111とゲート電極114との間に印加される電圧によって形成される電界に沿って電子を放出する役割を行う。本発明では、このようなエミッタ115として、カーボン系物質、例えば、グラファイト、ダイヤモンド、DLC、C60またはCNTを使用する。特に、前記エミッタ115として、比較的低い駆動電圧でも、電子放出を円滑に行えるCNTを使用することが望ましい。
そして、本実施形態において、前記エミッタ115は、互いに所定間隔離隔されるように前記第1開口111aの両側エッジに沿って配置される。すなわち、一つの第1開口111a内に二つのエミッタ115が配置され、このエミッタ115は、前記第1開口111aの両側のカソード電極111の側面に接触された状態で、第1開口111aの長手方向(Y方向)に互いに平行に延びた棒状を有する。したがって、従来に比べて、エミッタ115の面積が広くなるので、長時間駆動時にもその寿命についての信頼性を確保できる。そして、前述したように、前記エミッタ115の間にキャビティ111bが配置される場合には、前記エミッタ115の間の間隔Dは、前記第1開口111aの幅W1より狭く、前記キャビティ111bの幅WCより広く形成される。
図5A、図5B及び図5Cには、前記第1絶縁層112及びカソード電極111の3つの形態が示されている。
まず、図5Aを参照すれば、前記第1絶縁層112は、前記カソード電極111の両側エッジに沿ってその長手方向に延びるように形成される。すなわち、第1開口111aの両側の外側に第1絶縁層112が形成される。そして、前記エミッタ115は、前記第1開口111aの両側に位置したカソード電極111の側面に接触された状態で、所定長さほど形成される。また、前記カソード電極111に形成されるキャビティ111bは、前記エミッタ115の間にエミッタ115と同じ長さに形成される。
次いで、図5Bを参照すれば、前記第1絶縁層112は、第1開口111aの両側の外側に配置され、前記カソード電極111の両側エッジそれぞれに所定長さほど形成される。この場合、前記第1絶縁層112は、前記エミッタ115と同じ長さに形成される。
そして、図5Cを参照すれば、前記第1絶縁層112は、第1開口111aの周りを全部取り囲む形状に形成されることもできる。この場合、前記第1開口111aは、4側面が何れも前記第1絶縁層112を覆うカソード電極111によって限定される。
また、図3及び図4を共に参照すれば、前記前面基板120の一面、すなわち、背面基板110に対向する底面には、アノード電極121が形成され、このアノード電極121の表面には、R、G、B蛍光体から形成された蛍光層122が形成される。前記アノード電極121は、前記蛍光層122から発散される可視光が透過されるように、透明な導電性物質、例えば、ITOから形成される。前記蛍光層122は、前記カソード電極111の長手方向(Y方向)に沿って長く拡張された縦長型のパターンを有する。
そして、前記前面基板120の底面には、コントラスト向上のために、前記蛍光層122の間にブラックマトリックス123が形成される。
また、前記蛍光層122とブラックマトリックス123との表面には、金属薄膜層124が形成される。前記金属薄膜層124は、主にアルミニウムから形成され、エミッタ115から放出された電子が容易に透過できるように、数百Åほどの薄い厚さを有する。このような金属薄膜層124は、輝度を向上させる機能を行う。すなわち、前記蛍光層122のR、G、B蛍光体がエミッタ115から放出された電子ビームによって励起されて可視光を発散する時、この可視光が前記金属薄膜層124によって反射されるので、FEDから出射される可視光の光量が増加して輝度が向上する。
一方、前記前面基板120に金属薄膜層124が設けられた場合には、前記アノード電極121を形成しないこともある。これは、前記金属薄膜層124が導電性を有するので、ここに電圧を印加すれば、金属薄膜層124がアノード電極の役割に代えることができるためである。
前記のように構成された背面基板110及び前面基板120は、互いに所定間隔をおいて前記エミッタ115と蛍光層122とが対向するように配置され、その周りに塗布されるシーリング物質(図示せず)によって互いに封着される。このとき、前述したように、背面基板110と前面基板120との間には、これら間の間隔を維持させるためのスペーサ130が設置される。
以下では、前記のように構成された本発明によるFEDの作用を説明する。
本発明によるFEDにおいて、前記カソード電極111、ゲート電極114及びアノード電極121に所定の電圧が印加されれば、前記電極111,114,121の間に電界が形成されつつ、前記エミッタ115から電子が放出される。このとき、前記カソード電極111には、0〜数十ボルトの−電圧、前記ゲート電極114には、数〜数十ボルトの+電圧、前記アノード電極121には、数百〜数千ボルトの+電圧が印加される。前記エミッタ115から放出された電子は、電子ビーム化して前記アノード電極121へ誘導されて、前記蛍光層122に衝突する。これにより、前記蛍光層122のR、G、B蛍光体が励起されて可視光を発散する。
前記のような本発明によるFEDの作用において、前記第1開口111aの両側エッジに沿って配置されたエミッタ115によれば、このエミッタ115から放出された電子によって形成された電子ビームが広く広がらずに、集束される効果がある。また、カソード電極111がエミッタ115の両側の外側位置で高く形成されるので、この部分のカソード電極111が形成する電界によって電子ビームの集束がさらに効率的に行われる。
そして、前記カソード電極111にキャビティ111bを形成すれば、エミッタ115の周囲に形成された電界の等電位線がエミッタ115を取り囲むように形成される。このような電界の影響で、電流密度が高まり、これにより、画像の輝度が向上して、駆動電圧を低めることができる。また、前記キャビティ111bの幅WCを調節することによって、電子ビームをさらに効果的に集束させることができるので、電流密度のピークを当該画素内に正確に位置させることができる。
前記のように、本発明によるFEDによれば、エミッタ115から放出された電子ビームのフォーカシング特性が向上し、電流密度が高まり、電流密度のピークが当該画素内に正確に位置するので、画像の色純度が向上し、画像の輝度が向上して、結果的に、高画質の画像を具現できる。
前記のような本発明によるFEDの長所については、シミュレーション結果を参照しつつ後述する。
図6は、図3に示した本発明の第1実施形態によるFEDの変形例を示す部分断面図である。
図6を参照すれば、前記ゲート電極114に形成される第3開口114aは、その幅W3が前記第2絶縁層113に形成される第2開口113aの幅W2より広く形成される。このように、前記第3開口114aの幅W3が前記第2開口113aの幅W2より広くなれば、前記カソード電極111と前記ゲート電極114との距離を遠くできるので、耐電圧特性が向上するという長所を有する。
以下では、本発明の他の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態によるFEDの構造を示す部分平面図である。本発明の第2実施形態によるFEDの断面構造は、図4に示した第1実施形態によるFEDの断面構造と同一であるので、その図示は省略する。
図7に示したように、本実施形態においては、一つの画素225に対してカソード電極211に形成された第1開口211aと、第2絶縁層213に形成された第2開口213aと、ゲート電極214に形成された第3開口214aがそれぞれ複数個、例えば、2個が設けられる。そして、前記複数の第1開口211aそれぞれの内部にエミッタ215が形成される。前記エミッタ215は、前述した第1実施形態のように、前記カソード電極211のうち、第1開口211a内に位置した部分上に形成され、互いに所定間隔離隔されるように、第1開口211aの両側エッジに沿って配置される。
そして、本実施形態においても、カソード電極211にキャビティ211bが形成され、このキャビティ211bも一つの画素225について複数個、例えば、2個が設けられる。
本実施形態において、前記構成を除外した他の構成は、前述した第1実施形態と同一であるので、その説明は省略する。また、本実施形態においても、図6に示した変形例が適用される。
図8は、本発明の第3実施形態によるFEDの構造を示す部分平面図である。本発明の第3実施形態によるFEDの断面構造も、図4に示した第1実施形態によるFEDの断面構造と同一であるので、その図示は省略する。
図8に示したように、本実施形態においては、カソード電極311に形成された第1開口311aと、第2絶縁層313に形成された第2開口313aと、ゲート電極314に形成された第3開口314aとが何れも円形の形状を有する。前記第2開口313aの内径D2は、前記第1開口311aの内径D1より大きく形成される。そして、前記第3開口314aの内径D3は、前記第2開口313aの内径D2と同一に形成される。
前記第1開口311a内に位置したカソード電極311上には、リング状のエミッタ315が形成される。そして、前記エミッタ315は、その外周面が前記カソード電極311の側面に接触されるように形成される。前記エミッタ315の内径DEは、前記第1開口311aの内径D1より小さく形成される。このようなエミッタ315は、前述した第1実施形態のように、カーボン系物質、例えば、CNTから形成されることができる。
そして、本実施形態においても、前記カソード電極311に円形のキャビティ311bが形成され、このキャビティ311bは、前記リング状のエミッタ315の内側に配置される。したがって、前記キャビティ311bの内径DCは、前記第1開口311aの内径D1及び前記エミッタ315の内径DEそれぞれより小さく形成される。
また、本実施形態によるFEDにおいては、前記第1開口311a、第2開口313a及び第3開口314aは、一つの画素325についてそれぞれ複数個が設けられる。そして、前記複数の第1開口311aそれぞれの内部に、前記リング状のエミッタ315が形成される。
本実施形態において、前記構成を除外した他の構成は、前述した第1実施形態と同一であるので、その説明は省略する。
そして、本実施形態においても、図6に示した変形例が適用される。すなわち、ゲート電極314に形成される前記第3開口314aは、その内径D3が第2絶縁層313に形成される第2開口313aの内径D2より大きく形成される。
以下では、前記構成を有する本発明によるFEDの製造方法を説明する。後述される製造方法は、図3に示したFEDを基準として説明されるが、この製造方法は、図6ないし図8に示したFEDについても適用される。
図9Aないし図9Iは、本発明によるFEDの製造方法を段階的に示す断面図である。
まず、図9Aに示したように、基板110を準備した後、この基板110上に第1絶縁層112を形成する。ここで、前記基板110としては、後述する後面露光のために、透明基板、例えば、ガラス基板が使われる。そして、前記第1絶縁層112は、前記基板110上にペースト状態の絶縁物質をスクリーンプリンティング法によって塗布した後、これを所定温度で焼結することによって、約2〜5μmほどの高さを有するように形成され、この以外にも色々な方法によって形成される。
次いで、図9Bに示したように、前記第1絶縁層112を所定形態、例えば、図5Aないし図5Cに示した形態のうち、何れか一つの形態にパターニングする。このとき、第1絶縁層112のパターニングは、ホトレジストの塗布、露光及び現像によるエッチングマスクの形成と、このエッチングマスクを利用した第1絶縁層112のエッチングのような公知の物質層のパターニング方法によって行われる。
次いで、図9Cに示したように、第1絶縁層112が形成されている基板110上にカソード電極111を形成する。ここで、前記カソード電極111も、後面露光のために透明な導電性物質、例えばITOから形成される。具体的に、前記基板110と第1絶縁層112との表面にITOを所定厚さ、例えば、数百Å〜数千Åほどの厚さに蒸着した後、これをストライプ状にパターニングする。このとき、ITOのパターニングも、前記のような物質層のパターニング方法によって行われる。それにより、図5Aないし図5Cに示したような形状にカソード電極111が形成される。具体的に、前記カソード電極111は、第1絶縁層112の上面及び側面を覆うように形成され、これにより、所定高さを有する第1絶縁層112によって、カソード電極111には、第1開口111aが形成される。すなわち、前記第1開口111aの両側に位置した前記カソード電極111の部分は、第1絶縁層112の高さほど約2〜5μmに高まる。
そして、前記カソード電極111の形成過程中に、カソード電極111に所定形状のキャビティ111bを形成できる。前記キャビティ111bは、前記ITOのパターニングによって、カソード電極111と同時に形成される。このとき、前記キャビティ111bは、第1開口111a内に位置するように第1開口111aのサイズより小さく形成され、また、図4に示したように、カソード電極111の長手方向(Y方向)にさらに長い四角形の形状に形成される。
一方、図8に示したように、第1開口とキャビティとは、円形に形成され、この場合、第1開口は、キャビティの直径より大きく形成される。
図9Dは、図9Cの結果物上に、第2絶縁層113を形成した状態を示す図面である。
図9Dを参照すれば、前記第1絶縁層112とカソード電極111とが形成されている基板110上に、例えば、ペースト状態の絶縁物質をスクリーンプリンティング法によって塗布した後、所定温度で焼結することによって、約10〜20μmほどの厚さを有する第2絶縁層113を形成する。
次いで、図9Eに示したように、前記第2絶縁層113上に金属物質層114’を形成する。前記金属物質層114’は、以後にゲート電極114を形成するものであって、導電性のある金属、例えば、Crをスパッタリングによって、約数千Åほどの厚さで蒸着することによって形成される。次いで、前記金属物質層114’にホール117を形成する。前記ホール117は、ホトレジストの塗布、露光及び現像によるエッチングマスクの形成と、このエッチングマスクを利用した金属物質層114’の部分的エッチングとによって形成される。このとき、前記ホール117は、前記第1開口111aに対応する位置に、前記第1開口111aと相応する形状に形成される。
次いで、金属物質層114’をエッチングマスクとして利用して、前記ホール117を通じて露出された第2絶縁層113を、カソード電極111が露出されるまでエッチングすることによって、図9Fに示したように、前記第2絶縁層113に第1開口111aより広い幅を有し、前記カソード電極111の一部を露出させる四角形の第2開口113aを形成する。このとき、ITOから形成されたカソード電極111によって、第1絶縁層112が完全に覆われているので、エッチング工程によって、第2絶縁層113に第2開口113aを形成する時に、第1絶縁層112がエッチング液の影響を受けて損傷されるという問題は発生しない。
一方、図8に示したFEDを製造するために、ホールを円形に形成した場合には、第2絶縁層に形成される第2開口も円形の形状を有する。
次いで、金属物質層114’をストライプ状にパターニングしてゲート電極114を形成する。金属物質層114’のパターニングは、前記のような一般的な物質層のパターニング方法を利用できる。このとき、前記ゲート電極114に第3開口114aを形成する。前記第3開口114aは、第2開口113aと同じ形状に、第2開口113aと連通されるように形成される。そして、前記第3開口114aは、第2開口113aの幅と同一であるか、またはさらに広い幅に形成される。
図9Gないし図9Iは、カソード電極111上にエミッタ115を形成する方法を段階的に示す図面である。
まず、図9Gに示したように、図9Fの結果物の全表面に感光性を有するCNTペースト118をスクリーンプリンティング法によって塗布する。このとき、第1開口111a及び第2開口113a内にCNTペースト118を完全に充填させる。
次いで、図9Hに示したように、基板110の後面から光、例えば、紫外線(UV)を照射して、第1開口111a内に位置したカソード電極111上に塗布されたCNTペースト118のみを選択的に露光させる。このとき、露光量を調節すれば、CNTペースト118の露光深さが制御される。
一方、前記後面露光の代りに、別途のフォトマスクを使用して、基板110の前面から露光がなされることもできる。
次いで、露光されていないCNTペースト118を除去すれば、図9Iに示したように、露光されたCNTペーストのみが残ってCNTエミッタ115を形成する。結果的に、前記エミッタ115は、第1開口111a内に位置したカソード電極111上に形成され、互いに所定間隔離隔されるように第1開口111aの両側エッジに沿って配置される。そして、前記エミッタ115は、前記第1開口111aの両側に位置した第1絶縁層112の高さより低く、例えば、0.5〜4μmほどの高さを有し、平坦な形態に形成される。
一方、図8に示したように、第2開口が円形に形成された場合には、エミッタをリング状に形成する。
図10Aないし図10Eは、本発明によるFEDの他の製造方法を段階的に示す断面図である。
後述される製造方法は、エミッタの形成工程を除いては、前述した製造方法と類似している。但し、本製造方法は、後面露光を利用しないので、基板110とカソード電極111とが透明である必要はない。すなわち、本製造方法においては、基板110として、ガラス基板だけでなく、他の加工性の良好な基板、例えば、シリコン基板またはプラスチック基板が使用され、カソード電極111として、ITOだけでなく、不透明な導電性金属物質が使用されることができる。
本製造方法を説明すれば、まず、図10Aに示したように、基板110上に第1絶縁層112を形成した後、これを所定形態にパターニングする。このとき、前記第1絶縁層112は、前述した製造方法でさらに高く形成されることができる。この場合、前記第1絶縁層112をパターニングする時、基板110は露出させない。すなわち、基板110の全表面に第1絶縁層112を残存させ、第1絶縁層112の厚い部分と薄い部分との高さ差は、約2〜5μmほどにする。
次いで、図10Bに示したように、第1絶縁層112が形成されている基板110上にカソード電極111を形成する。ここで、前記カソード電極111は、前述したように、透明な導電性物質であるITOだけでなく、不透明な導電性金属が使われることができる。前記カソード電極111の具体的な形成方法は、前述した製造方法と同じである。
次いで、図9Dないし図9Fに示した工程を経た後、図10Cに示したように、第2開口113aを通じて露出されたカソード電極111の表面にホトレジスト119を塗布する。具体的には、第1開口111a及び第2開口113a内にホトレジスト119を塗布した後、これをパターニングして、第1開口111a内に位置したカソード電極111の表面のうち、エミッタ115が位置する部分の表面にのみホトレジスト119を残存させる。
次いで、図10Dに示したように、図10Cの結果物の全表面にCNTペースト118をスクリーンプリンティング法によって塗布する。このとき、第1開口111a及び第2開口113a内にCNTペースト118を完全に充填させる。次いで、前記基板110を所定温度、例えば、約80℃以上の温度に加熱する。それにより、ホトレジスト119とCNTペースト118とが熱的な化学反応を起こしてCNTエミッタ115を形成する。
次いで、化学反応を起こしていないCNTペースト118を除去すれば、図10Eに示したように、第1開口111a内に位置したカソード電極111の表面に、所定高さを有するCNTエミッタ115が形成される。
一方、前記CNTエミッタ115はまた、他の方法で形成される。すなわち、図10Cに示した工程で、カソード電極111の表面のうち、エミッタ115が位置する部分の表面に、ホトレジスト119の代りに、NiまたはFeから形成された触媒金属層を形成した後、この触媒金属層に、CH4、C2H2またはCO2のような炭素を含有したガスを供給して、触媒金属層の表面からCNTを垂直成長させることによって、前記エミッタ115を形成することもできる。
以下では、従来のFEDと本発明によるFEDとにおける電子ビームの放出についてのシミュレーション結果を説明する。
本シミュレーションで、従来のFEDとしては、図1に示した構造のFEDが使われた。一方、本発明の第1、第2及び第3実施形態によるFEDは、ほぼ同じ断面構造を有するので、これによる電子ビームの放出特性も、ほぼ類似している。したがって、図3に示した本発明の第1実施形態によるFEDを基準として、電子ビームの放出についての本シミュレーションが実施された。
そして、本シミュレーションの前に、本シミュレーションに必要なFEDの各構成要素の設計値が設定された。例えば、FEDの画面が16:9の縦横比を有し、その対角線の長さが38インチである時、HD級の画質を具現するために、水平解像度を1280ラインに設計する場合、R、G、Bトリオピッチは、約0.70mm以下のサイズに設定される。
この場合、第2絶縁層の高さは10〜20μm、第1絶縁層の高さは2〜5μm、カソード電極に形成される第1開口の幅W1は70〜90μm、カソード電極に形成されるキャビティの幅WCは10〜30μm、第2絶縁層に形成される第2開口の幅W2は60〜80μm、ゲート電極に形成される第3開口の幅W3は60〜90μmほどに設定することが適切である。
しかし、前記で限定された各構成要素の寸法は、FEDの画面のサイズ、縦横比及び解像度のような前提条件によって変わるということは明らかである。
図11A、図11B及び図11Cは、図1に示した従来のFEDにおける電子ビームの放出についてのシミュレーション結果を示す図面である。
まず、図11Aを参照すれば、エミッタから放出された電子ビームが蛍光層側に進みつつ、次第に広く発散されるということが分かる。
図11Bで、縦軸は、電流密度を表すが、図11Bを参照すれば、電流密度のピークが画素のエッジ部位に位置するということが分かる。これは、前述したように、電子が主にエミッタのエッジ部から放出されるためである。このように、画素の中心部位での電流密度が低ければ、その画素の蛍光体が十分に励起できなくて輝度が低下する。
結果的に、図11Cに示したように、蛍光層に到達した電子ビームのスポットのサイズが画素のサイズより大きくなって、電子ビームが当該画素だけでなく、隣接した他の画素まで侵犯する。特に、エミッタが開口内の正確な位置に形成されていないか、または前面基板と背面基板とを封着する時に正確な整列がなされていない場合には、電流密度のピークが当該画素のエッジ部位にさらに偏るか、またはその画素から外れて、電子ビームが他の画素の蛍光体まで励起させるので、色純度が顕著に低下する。
このように、図1に示した構造を有する従来のFEDにおいては、色純度の低下と同時に、鮮明な画質を具現し難いという短所がある。
図12A、図12B及び図12Cは、図3に示した本発明によるFEDにおける電子ビームの放出についてのシミュレーション結果を示す図面である。
このシミュレーション結果、図12Aを参照すれば、第1開口の両側エッジに沿って配置されたエミッタから放出された電子ビームが、第1開口の両側に高く形成されたカソード電極によって形成された電界の影響を受けて蛍光層側に進みつつ、広く広がらずに集束されていることが分かる。特に、カソード電極に形成されたキャビティによって、エミッタの周囲に形成された電界の等電位線がエミッタを取り囲むように形成されており、これにより、エミッタから放出された電子ビームがさらに効果的に集束されていることが分かる。
そして、図12Bを参照すれば、電流密度のピークが当該画素の中心部位に位置して、画素の中心部位での電流密度がとても高いということが分かる。
結果的に、図12Cに示したように、蛍光層に到達した電子ビームのスポットサイズは、従来に比べて顕著に小さくなり、これにより、電子ビームが隣接した他の画素に侵犯する従来の問題が解消される。
前記のように、本発明によるFEDによれば、電子ビームのフォーカシング特性がさらに向上し、電流密度の増加と共に、電流密度のピークが当該画素内に正確に位置することによって、色純度と輝度とがさらに向上する。
図13A、図13B及び図13Cは、図3に示した本発明によるFEDにおいて、カソード電極に形成されたキャビティの幅を変更した場合の電子ビームの放出についてのシミュレーション結果を示す図面である。
このシミュレーションにおいては、前記シミュレーションと同じ条件が適用された。但し、カソード電極に形成されたキャビティの幅WCのみさらに広く設定された。
このシミュレーション結果、図13Aを参照すれば、エミッタの周囲に形成された電界の等電位線が、エミッタをさらに確実に取り囲むように形成されることが分かる。そして、図13Bを参照すれば、当該画素に向かって流れる電流の密度が全体的に高まり、電流密度のピークも画素内に正確に位置することが分かる。また、図13Cに示したように、蛍光層に到達した電子ビームのスポットサイズは、従来に比べて顕著に小さくなることが分かる。
結果的に、カソード電極に形成されたキャビティの幅WCを調節すれば、電流密度をさらに高めることができ、これにより、画像の輝度が向上し、駆動電圧を低めることができる。
本発明は、開示された実施形態を参考として説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることが分かる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
本発明は、電子ビームのフォーカシング特性を向上させることができ、電流密度の低下を防止できる電子放出構造を有するFED及びその製造方法に関連した技術分野に適用可能である。
110 背面基板(第1基板)
111 カソード電極
112 第1絶縁層
113 第2絶縁層
113a 第2開口
114 ゲート電極
114a 第3開口
115 エミッタ
120 前面基板(第2基板)
121 アノード電極
122 蛍光層
123 ブラックマトリックス
124 金属薄膜層
130 スペーサ
W1,W2,W3,WC 幅
D エミッタ間の間隔
111 カソード電極
112 第1絶縁層
113 第2絶縁層
113a 第2開口
114 ゲート電極
114a 第3開口
115 エミッタ
120 前面基板(第2基板)
121 アノード電極
122 蛍光層
123 ブラックマトリックス
124 金属薄膜層
130 スペーサ
W1,W2,W3,WC 幅
D エミッタ間の間隔
Claims (44)
- 第1基板と、
前記第1基板上に所定高さを有するように所定形態で形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層を覆うように前記第1基板上に形成され、前記第1絶縁層を覆う部分の間に凹状に形成された第1開口を有するカソード電極と、
前記第1基板及びカソード電極上に形成され、前記第1開口と連通されて前記カソード電極の一部を露出させる第2開口を有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に形成され、前記第2開口と連通される第3開口を有するゲート電極と、
前記カソード電極のうち、前記第1開口内に位置した部分上に形成され、互いに所定間隔離隔されるように前記第1開口の両側エッジに沿って配置されたエミッタと、
前記第1基板と所定間隔をおいて対向するように配置され、その一面にアノード電極と所定パターンの蛍光層とが形成された第2基板と、を備えることを特徴とする電界放出表示装置。 - 前記カソード電極には、前記エミッタの間に配置されるキャビティが形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 前記第1開口、第2開口、第3開口及び前記キャビティは、四角形の形状を有することを特徴とする請求項2に記載の電界放出表示装置。
- 前記第2開口の幅は、前記第1開口の幅より広く、前記キャビティの幅は、前記第1開口の幅より狭いことを特徴とする請求項3に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタ間の間隔は、前記第1開口の幅より狭く、前記キャビティの幅より広いことを特徴とする請求項4に記載の電界放出表示装置。
- 前記第3開口の幅は、前記第2開口の幅と同じであることを特徴とする請求項4に記載の電界放出表示装置。
- 前記第3開口の幅は、前記第2開口の幅より広いことを特徴とする請求項4に記載の電界放出表示装置。
- 前記第1絶縁層は、前記第1開口の両側の外側に配置され、前記カソード電極の両側エッジに沿ってその長手方向に延びたことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 前記第1絶縁層は、前記第1開口の両側の外側に配置され、前記カソード電極の両側エッジそれぞれに所定長さほど形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 前記第1絶縁層は、前記第1開口の周りを取り囲む形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタは、前記第1開口の両側に位置した前記カソード電極の側面に接触されるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタの高さは、前記第1絶縁層より低いことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタは、カーボン系物質から形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタは、炭素ナノチューブから形成されたことを特徴とする請求項13に記載の電界放出表示装置。
- 前記第1、第2及び第3開口は、一つの画素に対してそれぞれ複数個が設けられ、前記複数の第1開口それぞれの内部に前記エミッタが配置されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示装置。
- 第1基板と、
前記第1基板上に所定高さを有するように所定形態で形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層を覆うように前記第1基板上に形成され、前記第1絶縁層を覆う部分の内側に凹状に形成された円形の第1開口を有するカソード電極と、
前記第1基板及びカソード電極上に形成され、前記第1開口と連通されて前記カソード電極の一部を露出させる円形の第2開口を有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に形成され、前記第2開口と連通される円形の第3開口を有するゲート電極と、
前記カソード電極のうち、前記第1開口内に位置した部分上に形成されたリング状のエミッタと、
前記第1基板と所定間隔をおいて対向するように配置され、その一面にアノード電極と所定パターンの蛍光層とが形成された第2基板と、を備えることを特徴とする電界放出表示装置。 - 前記カソード電極には、前記エミッタの内側に配置される円形のキャビティが形成されたことを特徴とする請求項16に記載の電界放出表示装置。
- 前記第2開口の内径は、前記第1開口の内径より大きく、前記キャビティの内径は前記第1開口の内径より小さいことを特徴とする請求項17に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタの内径は、前記第1開口の内径より小さく、前記キャビティの内径より大きいことを特徴とする請求項18に記載の電界放出表示装置。
- 前記第3開口の内径は、前記第2開口の内径と同じであることを特徴とする請求項18に記載の電界放出表示装置。
- 前記第3開口の内径は、前記第2開口の内径より大きいことを特徴とする請求項18に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタは、前記第1開口を取り囲む前記カソード電極の側面に接触されるように形成されたことを特徴とする請求項16に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタの高さは、前記第1絶縁層の高さより低いことを特徴とする請求項16に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタは、カーボン系物質から形成されたことを特徴とする請求項16に記載の電界放出表示装置。
- 前記エミッタは、炭素ナノチューブから形成されたことを特徴とする請求項24に記載の電界放出表示装置。
- 前記第1、第2及び第3開口は、一つの画素に対してそれぞれ複数個が設けられ、前記複数の第1開口それぞれの内部に前記エミッタが配置されることを特徴とする請求項16に記載の電界放出表示装置。
- (A)基板上に第1絶縁層を形成する工程と、
(B)前記基板上に前記第1絶縁層を覆い、前記第1絶縁層を覆う部分の間に凹状に形成された第1開口を有するカソード電極を形成する工程と、
(C)前記基板上に前記カソード電極を覆う第2絶縁層を形成する工程と、
(D)前記第2絶縁層上に前記第1開口と対応する位置に所定形状のホールを有する金属物質層を形成する工程と、
(E)前記ホールを通じて前記第2絶縁層をエッチングして、前記第1開口と連通されて前記カソード電極の一部を露出させる第2開口を形成する工程と、
(F)前記金属物質層をパターニングして、前記第2開口と連通される第3開口を有するゲート電極を形成する工程と、
(G)前記カソード電極のうち、前記第1開口内に位置した部分上にエミッタを形成する工程と、を備えることを特徴とする電界放出表示装置の製造方法。 - 前記(A)工程で、前記第1絶縁層は、前記基板上にペースト状態の絶縁物質を塗布した後、これを所定形態にパターニングすることによって形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記ペースト状態の絶縁物質は、スクリーンプリンティング法によって塗布されることを特徴とする請求項28に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(B)工程で、前記カソード電極は、前記基板上に前記第1絶縁層を覆うように所定厚さの導電性物質を蒸着した後、これをストライプ状にパターニングすることによって形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(B)工程で、前記カソード電極に、前記第1開口内に位置し、前記第1開口より小さなキャビティを形成することを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(C)工程で、前記第2絶縁層は、前記基板上にペースト状態の絶縁物質をスクリーンプリンティング法によって塗布した後、これを所定温度で焼結することによって形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(D)工程で、前記金属物質層は、前記第2絶縁層上に導電性金属物質をスパッタリングによって所定厚さに蒸着することによって形成され、前記ホールは、前記金属物質層を部分的にエッチングすることによって形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(E)工程で、前記第2絶縁層は、前記金属物質層をエッチングマスクとして利用してエッチングされることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(F)工程で、前記ゲート電極は、前記金属物質層をストライプ状にパターニングすることによって形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(G)工程は、
前記第1開口と第2開口との内部に感光性を有する炭素ナノチューブペーストを塗布する工程と、
前記基板の後面から光を照射して、前記炭素ナノチューブペーストのうち、前記第1開口内の前記カソード電極上に位置した部分のみを選択的に露光させる工程と、
前記炭素ナノチューブペーストのうち、露光されていない部分を除去することによって、残存した炭素ナノチューブから形成された前記エミッタを形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。 - 前記基板は、透明ガラス基板から形成され、前記カソード電極は、ITOから形成されたことを特徴とする請求項36に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記(G)工程は、
前記第1開口と第2開口との内部にホトレジストを塗布した後、これをパターニングして、前記第1開口内の前記カソード電極の表面にのみ前記ホトレジストを残存させる工程と、
前記第1開口と第2開口との内部に炭素ナノチューブペーストを塗布する工程と、
前記基板を所定温度に加熱することによって、前記ホトレジストと炭素ナノチューブペーストとを熱化学反応させて、前記エミッタを形成する工程と、
前記炭素ナノチューブペーストのうち、化学反応を起こしていない部分を除去する工程と、を含むことを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。 - 前記(G)工程は、
前記第1開口内に位置した前記カソード電極の表面に触媒金属層を形成する工程と、
前記触媒金属層に炭素を含有したガスを供給して、前記触媒金属層の表面から炭素ナノチューブを垂直成長させることによって、前記エミッタを形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。 - 前記(G)工程で、前記エミッタは、前記第1絶縁層より低く形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記第1開口、第2開口及び第3開口は、四角形に形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記エミッタは、前記第1開口の両側エッジに沿って棒状に形成されることを特徴とする請求項41に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記第1開口、第2開口及び第3開口は、円形に形成されることを特徴とする請求項27に記載の電界放出表示装置の製造方法。
- 前記エミッタは、リング状に形成されることを特徴とする請求項43に記載の電界放出表示装置の製造方法。
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