JP2005183103A - 電子放出素子及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 径が小さく均一な強度の電子ビームを放出する構成の電子放出素子、及び、それを用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】 各々の電子放出部材領域6は、複数の炭素を含むファイバーを有し、カソード電極4は、ゲート電極2の少なくとも一部を露出する少なくとも1つの開口を有し、複数の電子放出部材領域6は、開口を間に挟んで互いに対向するように配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素を含むファイバー(カーボンファイバー)を用いた電子放出素子及びそれを用いた画像表示装置に関するものである。
電界を印加して電子を引き出す電界放出型の電子放出素子の例が、特許文献1などに開示されている。
また、カーボンナノチューブなどのカーボンファイバーを用いた電界放出型の電子放出素子及び画像表示装置が、特許文献2や特許文献3などに開示されている。
特許第2623738号公報 特開2002−056771号公報 特開2002−150925号公報
実際の平面型の画像表示装置において、発光パターンの寸法は一画素あたりサブミリメートルの程度である。近年の高精細化に伴い、より小さな画素をより正確な位置で発光させることが求められるようになってきた。そのためには、径が十分に絞り込まれた電子ビームが必要である。加えて、電子ビームは画素全体にわたり均一な強度で照射されることが望ましい。
これらの点において、従来の電子放出素子は必ずしも満足のできるものではなかった。また、電子ビームの強度分布は、一部の狭い領域のみが強く他は弱い極端な分布を持つ場合もある。このため、強い電子照射を受けた部分の蛍光体のみ劣化が進んでしまうという課題をも有していた。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ビーム径が小さく、かつ強度分布に偏りのない電子放出素子を再現性良く製造し、高精細かつ高品質な表示(画像形成)を行うことのできる電子放出素子及び画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の電子放出素子にあっては、基板上に配置された第1電極と、前記基板上であって、前記第1電極よりも上方に配置された第2電極と、該第2電極上に配置されると共に互いに離間した複数の電子放出部材領域と、を備え、各々の前記電子放出部材領域は、複数の炭素を含むファイバーを有し、前記第2電極は、前記第1電極の少なくとも一部を露出する少なくとも1つの開口を有し、複数の前記電子放出部材領域は、前記開口を間に挟んで互いに対向するように配置されることを特徴とする。
各々の前記電子放出部材領域は、前記第2電極に取り囲まれた内側に配置されることが好適である。
前記第2電極は、前記第1電極上に配置された絶縁層の上に配置されており、前記絶縁層は、前記第2電極の開口と連通すると共に前記第1電極を露出する開口を有することが好適である。
複数の前記電子放出部材領域は、一列に並んで配置されることが好適である。
前記炭素を含むファイバーは、グラファイトナノファイバー、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンファイバーもしくはこれらの混合物からなることが好適である。
前記炭素を含むファイバーは、触媒粒子を用いた熱CVD法により形成されることが好適である。
前記触媒粒子は、Pd、Ni、Fe、Coもしくはこれらの合金からなることが好適である。
本発明の画像表示装置にあっては、複数の電子放出素子を有する電子源と、画像形成部材と、を備える画像表示装置であって、前記電子放出素子が上記の電子放出素子であることを特徴とする。
前記電子放出素子の前記電子放出部材領域が並んで配置された方向は、前記電子放出素子に対応する前記画像形成部材に形成された画素の長手方向と一致することが好適である。
本発明の電子放出素子では、電子放出部材領域が第2電極の開口を間に挟んで互いに対向するように配置され、電子放出部材領域の周囲を第2電極で取り囲んでいる。このような電子放出素子では、図2(b)に示すように、電子は直上にビーム径がさほど広がることなく、複数の電子放出部材領域から電子が放出される。その結果、小さなビーム径と均一な強度分布を有する電子放出素子を実現することができる。
また、電子放出部材領域が並んで配置された方向と、画素の長手方向を一致させるため、電子ビームは画素の長手方向に沿って引き出され、横方向(画素の短い幅の方向)への広がりは少ない。結果として通常略長方形である画素の全体にわたり均一な強度分布で電子が照射され、蛍光体の寿命を延ばすことができる。さらに、一素子あたりの電子放出領域の面積を広く取れるため、電子放出部材にかける負担が少なく、素子の寿命を延ばすことができる。
したがって、本発明の電子放出素子を用いた画像表示装置によれば、高精細かつ寿命の長い画像表示装置を形成することができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置、使用するガスや薬品などについては、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1(a)は本発明の電子放出素子の平面模式図、図1(b)に図1(a)のA−A’断面図を示す。1は基板、2はゲート電極(第1電極)、3は絶縁層、4はカソード電極(第2電極)、5は電子放出部材、6は電子放出部材領域、7はゲート電極露出領域である。
尚、本発明において、電子放出部材領域6は、複数のカーボンファイバーが配置された領域である。したがって、電子放出部材がカーボンファイバーとなる。尚、カーボンファイバーとは、「炭素を含むファイバー」であり、好ましくは「炭素を主成分とするファイ
バー」であり、典型的には、カーボンナノチューブなどのナノスケールの直径を持つカーボンファイバーを指す。「炭素を含むファイバー」は、典型的には、炭素の割合が50atm%以上であるものを指し、また、好ましくは、炭素の割合が70atm%以上のものであり、さらに好ましくは炭素の割合が90atm%以上である。尚、炭素を含むファイバーが後述するような触媒(典型的には金属)を用いて成長させたものである場合には、ファイバーが触媒材料を内包したり担持したりする場合が多い。そのため、本発明の炭素を含むファイバーは、触媒材料を内部に含むファイバーや触媒材料を担持したファイバーをも含むものである。そして、このような金属を内包する炭素を含むファイバーの場合においても、本発明の炭素を含むファイバーは、炭素の割合が50atm%以上であるものを指し、また、好ましくは、炭素の割合が70atm%以上のものであり、さらに好ましくは炭素の割合が90atm%以上である。また、触媒材料などの炭素とは異なる材料を内包または担持する場合においては、その内包または担持される材料は、炭素を含むファイバー中に含まれる炭素に比較すると実効的には20wt%以下であることが好ましい。
カーボンファイバーにはいくつかの形態、呼び名がある。図8、図9の各図においては、本発明に用いることのできるカーボンファイバーを基板上に形成した際の形態の一例を模式的に表している。また、本発明で用いられるカーボンファイバーは、典型的には、1nm以上1μm未満(好ましくは5nm以上100nm以下)の直径を有するナノサイズのカーボンファイバーである。
図8および図9の一番左側には光学顕微鏡レベル(〜1000倍)で見える形態を模式的に示し、真中には走査電子顕微鏡(SEM)レベル(〜3万倍)で見える形態を模式的に示し、一番右側には透過電子顕微鏡(TEM)レベル(〜100万倍)で見えるカーボンファイバーの形態を模式的に示している。
グラファイトは、炭素原子がsp混成により共有結合でできた正六角形を敷き詰める様に配置された炭素平面が、理想的には3.354Åの距離を保って積層してできたものである。この一枚一枚の炭素平面を「グラフェン」あるいは「グラフェンシート」と呼ぶ。
このグラフェンが図8に示すように円筒形状の形態をとるものをカーボンナノチューブ(CNT)と呼ぶ。1つの円筒状のグラフェンからなるカーボンファイバーを「シングルウォールナノチューブ」(SWNT)と呼ぶ。そして、多数の円筒状のグラフェンが入れ子状態になっているもの(図8に示す形態のもの)を「マルチウォールナノチューブ」(MWNT)と呼ぶ。
カーボンナノチューブはファイバーの軸方向と円筒形に形成された最外周に形成されるグラフェンの面が略平行(ファイバーの軸(ファイバーの長手方向)とグラフェンとの互いの角度はおおよそゼロ度)であるのが特徴である。
一方、カーボンナノチューブと同様に触媒を用い、比較的低温で生成されるカーボンファイバーを図9に示す。この形態のカーボンファイバーはグラフェンの積層体で構成されている。このように、カーボンファイバーの軸方向(長手方向)に対して、グラフェンの面が非平行になるように、グラフェンが積層された構造を持つものを「グラファイトナノファイバー」(GNF)と呼ぶ。
ファイバーの軸とグラフェンの面が90度に配置されるグラファイトナノファイバーは「プレートレット型」と呼ぶ。「プレートレット型」は、一枚のグラフェンシートが、トランプのように多数積み重なった構造をしている。
一方、ファイバーの軸に対して90度より小さい角度に配置されるグラファイトナノファイバーを「ヘリンボーン型」と呼ぶ。グラファイトナノファイバーの場合、典型的には、ファイバーの軸とグラフェンの面との成す角度は30度から90度の範囲にある。ファイバーの軸に対して90度より小さい角度に配置される「ヘリンボーン型」のグラファイトナノファイバーには、底のないカップ状のグラフェンをファイバーの軸方向に積み重ねたグラファイトナノファイバーもあるし、また、V字状に折り曲げたグラフェンをファイバーの軸方向に積み重ねたような形態もある。
またMWNTの中空構造の中に竹の節のような構造を持つ物があるが、これらの多くはファイバーの軸に対する最外周グラフェンの角度はほぼゼロ度であり、このような構造はカーボンナノチューブに含まれる。
ヘリンボーン構造におけるファイバー軸の中心付近は中空の場合もあるし、アモルファス(TEMレベルの電子線回折像で明確な結晶格子に伴うスポット、格子の明暗像が見えず、ブロードなリングパターン程度しか見えないもの)カーボンが詰まっている場合もあるし、単にグラフェンが折れ曲がって積み重なっている場合もある。
図9の真中の図では、各々のカーボンファイバーの直線性が悪い状態で成長した場合の概略図を示した。本発明の製造方法により形成されるファイバーが、全てがこのように直線性が悪いわけではなく、直線性の高いグラファイトナノファイバーを得ることもできる。また、図8に示したカーボンナノチューブも必ずしも直線性の高いものに限られるわけではない。
以上述べたカーボンナノチューブおよびグラファイトナノファイバーは、電子放出特性の観点で、本発明に好ましく適用される。しかしながら、本発明は、カーボンナノチューブおよびグラファイトナノファイバーに限らず、熱CVD法で形成されるカーボンファイバー全般に渡って適用することができる。尚、本発明におけるカーボンファイバーとは、炭素を主体とした、少なくとも、直径に対して長さが、10倍以上(アスペクト比が10以上)の物質を指す。そして、好ましい直径としては、5nm以上100nm以下の範囲にある。
カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバーは触媒の種類、分解温度などによって、その原子構造の形態が異なり、同一の触媒で、両方の構造を持つ物を温度によって選択可能である場合もあるし、どちらかの構造しかできない場合もある。
以下に、上記した本発明の電子放出素子の製造方法の一例を図1を用いて説明する。
基板1としては例えば石英基板を用いることができる。ゲート電極(第1電極)2は、例えば基板1の表面をよく洗浄した後、スパッタリング等で金属薄膜を成膜することで形成される。膜厚は数十nmから数十μmの範囲で設定される。ゲート電極2の材料としては、導電性を有し基板1および絶縁層3と良く密着するものを選ぶ。好ましくは金属、金属の窒化物、金属の炭化物、炭素などの耐熱性材料であると良い。ここではTiとPtを用いる。その後、フォトリソグラフィーによるパターニングを施して所望の形状にゲート電極2を形成する。
ついで絶縁層3とカソード電極(第2電極)4を積層する。絶縁層3の材料としては誘電体であるSiO等が好適に用いられる。その膜厚は、ゲート電極2とカソード電極4の間に印加されるゲート電圧Vfに十分耐えられるように定められる。ここでは、厚さ約1μmのSiOをスパッタリングにより成膜して用いる。
カソード電極4の材料は、ゲート電極2と同様に、導電性と、絶縁層3との密着性と、電子放出部材領域6を構成するカーボンファイバーとの相性と、を考慮することが好ましい。例えば、カーボンファイバーを金属粒子からなる触媒を介した気相成長により形成する場合には、カソード電極4の材料は触媒粒子が触媒能を失わない材料である必要がある。ここでは厚さ約100nmのTiNを、スパッタリングにより成膜して用いる。
ついで、カソード電極4上に触媒粒子の層を形成する。この触媒層の形成方法としては、予め生成しておいた触媒機能を有する粒子を含む溶液を塗布する方法や、あるいは触媒機能を有する材料の膜を堆積させた後粒子化する方法等様々な手法が考えられる。
ここでは、材料となる触媒機能を有する金属のごく薄い膜をスパッタリングで成膜した後に熱凝集させ、触媒機能を有する金属粒子を形成する手法を採る。
上記触媒の材料としては、遷移金属あるいは遷移金属を含む合金が好ましく用いられる。遷移金属の具体例としては、Fe、Co、Ni、Pdなどが好ましく用いられる。形成されるカーボンファイバーの径や質、所望の形成条件(材料ガスや成長温度)に合わせ、上記触媒機能を有する金属を適当な材料・比率で使用する。触媒層は基板全体に成膜する必要は無く、以降の工程を考慮してカソード電極4上に所望の形状に成膜する。
次いで、フォトリソグラフィーによるパターニングを施し、ドライエッチングにより所望の形状にカソード電極4を形成する。エッチングガスには例えばCFとHの混合ガスを用い、絶縁層3までを削り取る。その後、マスクとして用いたレジストを除去する。
最後に、カーボンファイバーの原料ガス中で基板1を加熱し、カーボンファイバーを触媒粒子を配置した領域上に成長させる。
一般にカーボンファイバーの原料ガスとしては、炭素含有ガスが用いられる。具体的には、COやCOを用いることができるが、アセチレンやエチレンといった炭化水素ガスが好ましく用いられる。さらに、必要に応じて窒素ガス、アルゴンガスといった不活性ガスや水素ガスなどで材料ガスを希釈してもよい。
以上の製法を用いることで、例えば図3、図6などに示すような基板上に電子放出素子を複数配設し、各電子放出素子を駆動するための配線をマトリクス配置した電子源を形成することができる。また、さらには、図7に示したような画像表示装置を形成することができる。
図7の画像表示装置においては、X方向配線59には、X方向に配列した電子放出素子58の行を選択するための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線60には、Y方向に配列した電子放出素子58の各列を入力信号に応じて変調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。尚Dox1〜Doxmは、外囲器57の外部に配置された不図示の駆動回路とX方向配線59とを接続するための端子であり、同様に、Doy1〜Doynは、不図示の駆動回路とY方向配線60とを接続するための端子である。
また、フェイスプレート52は、ガラス基板53に蛍光体膜54とメタルバック55とを順に積層して形成したものである。ここで、蛍光体膜54には解像度に応じてx方向の幅Px、y方向の幅Pyの画素が各色(RGB)毎に形成されている。
リアプレート51とフェイスプレート52は、内部を真空排気した状態で、支持枠56
を介し互いに接着材などにより封着される。その際、両プレートは電子放出素子58からの電子ビームが所望の画素に照射されるように位置を正確に合わせたうえで固定される。
以上のようにして完成した外囲器57において、X方向配線59、Y方向配線60を通じて、所望の電子放出素子を選択して適宜の電圧を印加し、高圧端子Hvを通じてメタルバック55に5kV以上20kV以下の範囲の電圧を印加することで、消費電力が小さく、高輝度・高精細な画像を安定して表示することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
本実施例では、カソード電極上に電子放出部材を形成した矩形領域(電子放出部材領域)と、カソード電極及び絶縁層を除去してゲート電極を露出させた矩形領域(ゲート電極露出領域)とを、交互に所定の間隔で略平行に配置した。カソード電極がこれら交互に配置した矩形領域の周囲を取り囲んでいること、交互に配置した矩形領域の両端(最初と最後の矩形領域)は電子放出部材を形成した矩形領域であること、さらに両矩形領域の下方全面にわたってゲート電極が形成されていることが特徴である。
図1に本実施例における電子放出素子の要部上面図(図1(a))とそのA−A’断面図(図1(b))を示した。基板1上にはゲート電極2、絶縁層3、カソード電極4を順に積層している。カソード電極4の上部に、電子放出部材5を形成した矩形領域(電子放出部材領域6)と、カソード電極4を開口してその開口を絶縁層3に連通させてゲート電極2を露出させた矩形領域(ゲート電極露出領域7)と、を一列に交互に配置した。尚、本実施例では電子放出部材5としてグラファイトナノファイバーを用いた。尚矩形領域のx方向の幅がDx、Y方向における交互に配置した矩形領域全体での幅がDyである。
また、図2に本実施例の電子放出素子が画像表示装置中で動作している様子を示す。図2(a)はフェイスパネル21の上方から見た発光パターン22の上面図、図2(b)はそのA−A’断面で見た電子軌道を説明する模式図である。30は真空チャンバ、31は真空ポンプである。
ゲート電極2とカソード電極4の間にはゲート電圧Vf、アノード電極20とカソード電極4の間にはアノード電圧Vaをそれぞれ印加した。23はその結果生じる電位分布の等電位線である。電子は電子放出部材5を形成した電子放出部材領域6の端で、ゲート電極2を露出させたゲート電極露出領域7に面した部分から集中的に、図示したような軌道を描いてアノード電極20に衝突する。
発光パターン22のy方向の広がりWyは電子ビームのアノード電極20上でのy方向の広がりとほぼ等しい。その値は、矩形の幅や電極の間隔、印加電圧などに依存するが、およそY方向における矩形領域全体の幅Dyの数倍である。一方、発光パターン22のx方向の広がり(すなわち電子ビームのアノード電極20上でのx方向での広がり)Wxは、電子放出部材5を形成した電子放出部材領域6のx方向の幅Dxから若干広がる程度である。
ここで、交互に配置した矩形領域の周囲をカソード電極4が取り囲む構成、すなわち電子放出部材領域6がカソード電極4に取り囲まれた内側に配置される構成とすることが、素子周辺の等電位面を平坦化し、結果として発光パターン22の幅Wx、Wyを狭めるのに有効である。また、交互に配置した矩形領域の両端は、ともに電子放出部材領域6としておくことも、Wyを狭めるために効果的である。というのも、電子は常に電子放出部材領域6から隣接するゲート電極露出領域7に向かう方向へと引き出されるため、最も外側
の電子放出部材領域6から矩形領域の内側に向けてのみ電子を放出させることができるからである。
幅3μmの矩形領域を交互に配置し、両端は電子放出部材5を形成した電子放出部材領域6として、y方向全体の幅Dy=45μmの素子(1)を作成した。比較のため、電子放出部材領域が1箇所で片側にのみ電子を引き出す構成の素子(2)も作成した。絶縁層3の厚さを1μm、アノード電極20との間隔Hを2mmとし、Va=10kV、Vf=30Vを双方の素子に印加したところ、発光パターン22のy方向の広がりWyは素子(1)、素子(2)とも約200μmであった。ただし、発光パターン22のy方向の強度分布は、素子(1)がほぼ均一だったのに対し、素子(2)は一部分のみ強い不均一なものであった。
画像表示装置などにおいて、画素のサイズが小さく、かつ細長い形状(例えば長方形)をしている場合、本実施例の構成はとりわけ有効である。その際、素子の矩形領域を交互に配置した方向(電子放出部材領域6が並んで配置された方向、図のy方向)を画素の長手方向と一致させるように、素子とアノード電極(フェイスパネル)の位置関係を設定することが望ましい。そうした構成では、複数の電子放出領域からの電子が、y方向には強度のピークをずらして、x方向には広がりを抑えて1つの画素に照射される。このため、小さな画素であっても電子が全体に均一に照射され、蛍光体の寿命を延ばすからである。また、一素子あたりの電子放出領域の面積が増えるため、同じ輝度、つまり同じ電子放出電流を得るのに電子放出部材5にかける負担が少ない。したがって電子放出部材の寿命を延ばす効果もある。
また、図3に本実施例の電子放出素子を画像表示装置中の基板上に配置した様子を示す。2はゲート電極、4はカソード電極、6は電子放出部材領域、7はゲート電極露出領域、59はX方向配線、60はY方向配線である。X方向配線59とY方向配線60は、不図示の絶縁膜で絶縁されている。電子放出素子はXおよびY方向配線が交差する付近に配線を避けて形成し、カソード電極4をX方向配線59とゲート電極2をY方向配線60とそれぞれ電気的に接続した。ゲート電極2はカソード電極4の下部にもぐりこむ構成としている。各素子において、電子放出部を形成した電子放出部材領域6とゲート電極が露出したゲート電極露出領域7は、Y方向配線60に沿う方向に交互に形成した。
本実施例において、不図示のアノード電極上の画素は細長い矩形である。各素子は、対応する画素が直上に位置した際に、矩形領域を交互に配置する向きが画素の長手方向と一致するように、基板上に配置した。
上記の構成を取る事により、高精細で寿命の長い画像表示装置を形成することができた。
本実施例においても、カソード電極4上に電子放出部材5を形成した電子放出部材領域6と、ゲート電極2を露出させたゲート電極露出領域7と、を交互に所定の間隔で略平行に一列に並べて配置する。カソード電極4が両矩形領域の周囲を取り囲んでいること、交互に配置した矩形領域の両端は電子放出部材5を形成した電子放出部材領域6であることも実施例1と同様である。ただし、ゲート電極2は櫛型をなし、櫛の歯にあたる部分の上方にゲート電極2を露出させたゲート電極露出領域7がはみ出ること無く形成されていることが特徴である。
図4に本実施例における電子放出素子の要部上面図(図4(a))とそのA−A’断面図(図4(b))を示した。基板1上に櫛型のゲート電極2、絶縁層3、カソード電極4
を順に積層している。ゲート電極2の櫛の歯にあたる部分の上部に、ゲート電極2を露出させたゲート電極露出領域7を配置した。ここで、ゲート電極2を露出させたゲート電極露出領域7が櫛の歯の部分から(上方より見て)はみ出さないことが重要である。素子作成に必要な精度を考慮すると、櫛の歯が電子放出部材5を形成した電子放出部材領域6の下部に若干もぐりこむ構成とするのが好適である。このように、ゲート電極2を櫛歯状とし、カソード電極4との重なりを抑えることで、素子の容量を減少させることができる。すなわち、低消費電力かつ高速駆動が可能となる。
また、図5に本実施例の電子放出素子が画像表示装置中で動作している様子を示す。図5(a)はフェイスパネル21の上方からみた発光パターン22の上視図、図5(b)はそのA−A’断面で見た電子軌道を説明する模式図である。
先の実施例と同様な条件で、素子にゲート電圧Vfおよびアノード電圧Vaを印加したところ、発光パターン(xおよびy方向の広がりWx、Wyや、強度分布)としても、先の実施例とほとんど同等なものが得られた。
尚、本実施例では、電子放出部材5としてカーボンナノチューブを用いた。
また、図6に本実施例の電子放出素子を画像表示装置中の基板上に配置した様子を示す。2はゲート電極、4はカソード電極、6は電子放出部材領域、7はゲート電極露出領域、59はX方向配線、60はY方向配線である。
実施例1と同様に、両方向配線は不図示の絶縁膜で絶縁されている。また、電子放出素子は配線を避けて形成され、カソード電極4がX方向、ゲート電極2がY方向配線と電気的に接続されている。櫛歯状のゲート電極2は、重なりを最小限に抑えるためカソード電極4の下部に側方からもぐりこむ構成とした。
アノード電極上の画素が矩形であることや、各素子の矩形領域を交互に配置する向きが対応する画素の長手方向と一致していることは、実施例1と同様である。
上記の構成をとることにより、高精細かつ長い寿命に加え、低消費電力で高速駆動が可能な画像表示装置を形成することができた。
本発明に係る実施例1の電子放出素子を説明するための図である。 本発明に係る実施例1の電子放出素子の動作を説明するための図である。 本発明に係る実施例1の電子放出素子を用いた画像表示装置を説明するための図である。 本発明に係る実施例2の電子放出素子を説明するための図である。 本発明に係る実施例2の電子放出素子の動作を説明するための図である。 本発明に係る実施例2の電子放出素子を用いた画像表示装置を説明するための図である。 電子放出素子を用いた画像表示装置を説明するための図である。 カーボンナノチューブを説明するための図である。 グラファイトナノファイバーを説明するための図である。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
3 絶縁層
4 カソード電極
5 電子放出部材(カーボンファイバー)
6 電子放出部材領域
7 ゲート電極露出領域
20 アノード電極
21 フェイスパネル
22 発光パターン
23 等電位線
30 真空チャンバ
31 真空ポンプ
50 電子源基体
51 リアプレート
52 フェイスプレート
53 ガラス基体
54 蛍光膜
55 メタルバック
56 支持枠
57 外囲器
58 電子放出素子
59 X方向配線
60 Y方向配線

Claims (9)

  1. 基板上に配置された第1電極と、
    前記基板上であって、前記第1電極よりも上方に配置された第2電極と、
    該第2電極上に配置されると共に互いに離間した複数の電子放出部材領域と、
    を備え、
    各々の前記電子放出部材領域は、複数の炭素を含むファイバーを有し、
    前記第2電極は、前記第1電極の少なくとも一部を露出する少なくとも1つの開口を有し、
    複数の前記電子放出部材領域は、前記開口を間に挟んで互いに対向するように配置されることを特徴とする電子放出素子。
  2. 各々の前記電子放出部材領域は、前記第2電極に取り囲まれた内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 前記第2電極は、前記第1電極上に配置された絶縁層の上に配置されており、
    前記絶縁層は、前記第2電極の開口と連通すると共に前記第1電極を露出する開口を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子放出素子。
  4. 複数の前記電子放出部材領域は、一列に並んで配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子放出素子。
  5. 前記炭素を含むファイバーは、グラファイトナノファイバー、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンファイバーもしくはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子放出素子。
  6. 前記炭素を含むファイバーは、触媒粒子を用いた熱CVD法により形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子放出素子。
  7. 前記触媒粒子は、Pd、Ni、Fe、Coもしくはこれらの合金からなることを特徴とする請求項6に記載の電子放出素子。
  8. 複数の電子放出素子を有する電子源と、画像形成部材と、を備える画像表示装置であって、
    前記電子放出素子が請求項1乃至7のいずれかに記載の電子放出素子であることを特徴とする画像表示装置。
  9. 前記電子放出素子の前記電子放出部材領域が並んで配置された方向は、前記電子放出素子に対応する前記画像形成部材に形成された画素の長手方向と一致することを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
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