JP2007214032A - 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易に作成でき、電子放出膜中の金属量を比較的容易に制御することができ、電子放出膜に接する電極等と電子放出膜との密着性が良好な電子放出素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 カソード電極と、該カソード電極上に位置する、金属を含む電子放出層と、を備える電子放出素子の製造方法であって、(A)導電性の第1の層と、該第1の層上に位置する第2の層と、該第2の層に接触した、金属を含有する第3の層と、を用意する、第1工程と、(B)前記第2の層に、前記第3の層から前記金属を拡散させる、第2工程と、を備えることを特徴とする電子放出素子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子放出素子、電子源、画像表示装置の製造方法に関する。
電子放出素子には、電界放出型(以下、「FE型」と称する)の電子放出素子や、特許文献6に開示される表面伝導型の電子放出素子がある。
FE型には、非特許文献1や特許文献3や特許文献4に開示されるカーボンファイバーを用いた電子放出素子や、特許文献1や特許文献2や特許文献5に開示される平坦な表面を備える電子放出膜を有する電子放出素子がある。
放出される電子ビームの広がりが少ない電子放出素子の例として、平坦な電子放出膜上に、開口(いわゆる「ゲートホール」)を備える、絶縁層とゲート電極との積層体、を有する電子放出素子がある。このような平坦な電子放出膜を有する電子放出素子では、電子放出膜表面に比較的平坦な等電位面が形成されるため、電子ビームの広がりを小さくすることができる。また、特許文献2、3では、放出される電子ビームの広がりを小さくするために、電子放出膜の上に導電層を配置する電子放出素子が提案されている。特許文献1や特許文献5には電子放出特性に優れる、金属を含有する電子放出膜や表面にダイポール層を備えた電子放出膜を用いた電子放出素子が提案されている。
特開2004−071536号公報 特開平08−055564号公報 特開2002−140979号公報 特開2004−107162号公報 特開2005−26209号公報 特開平10−55753号公報 K.B.K.Teo他8名、「Field emission from dense,sparse,and patterned arrays of carbon nanofibers」、"Applied Physics Letters"、2002年3月18日、vol.80、p.2011−2013
特許文献1にある、電子放出特性に優れる、金属を含有した電子放出膜を形成する方法としては、金属とグラファイトを同時スパッタする方法や、金属とグラファイトの混合ターゲットをスパッタする方法、炭素系薄膜に金属をイオン注入する方法などがある。しかしながらこれらの手法は製造工程が煩雑である。また、電子放出膜の電子放出特性を安定させるためには、電子放出膜中の金属量を制御することが重要である。また電子放出膜と電子放出膜と接する層(例えばカソード電極)との密着性が悪いと、製造時の様々な工程や、駆動中に生じる熱、などの理由により、極端な場合は電子放出膜が剥れてしまう等して、様々な問題が生じてしまう場合がある。
そこで、本発明は、簡易に作成でき、電子放出膜中の金属量を比較的容易に制御することができ、電子放出膜に接する電極等と電子放出膜との密着性が良好な電子放出素子の製造方法を提供することを目的とする。また、同時に、電子放出特性が安定で、電子ビームの広がりが小さい電子放出素子の製造方法を提供することを目的とする。そして、電子放出素子を多数備える電子源の製造方法、及び、該電子源を用いた画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために成された本発明の構成は、以下の通りである。
即ち、カソード電極と、該カソード電極上に位置する、金属を含む電子放出層と、を備える電子放出素子の製造方法であって、(A)導電性の第1の層と、該第1の層上に位置する第2の層と、該第2の層に接触した、金属を含有する第3の層と、を用意する、第1工程と、(B)前記第2の層に、前記第3の層から前記金属を拡散させる、第2工程と、を備えることを特徴とする電子放出素子の製造方法である。
また、上記本発明の電子放出素子の製造方法は、更に、「前記第3の層は、前記第2の層上に位置しており、前記第2工程の後に、前記第2の層の少なくとも一部を露出し、前記第3の層を貫通する開口を設ける、第3の工程を更に備える」こと、「前記第1工程は、さらに、前記第3の層上に位置する絶縁体からなる第4の層と、該第4の層上に位置する導電性の第5の層と、を用意する工程を含み、前記第3工程は、前記第4の層と前記第5の層と前記第3の層とを貫通する開口を形成する工程である」こと、「前記第2工程が、少なくとも前記第2の層と前記第3の層とを加熱する工程を含む」こと、「前記第2金属を拡散させる工程中または前記金属を拡散させる工程の後に、少なくとも前記第2の層を加熱することで、拡散した前記金属を凝集させ、前記金属を含む粒子を前記第2の層中に形成する工程を備える」こと、「前記第2の層が絶縁体からなる」こと、「前記第2の層が炭素を主成分とする」こと、「前記前記第3の層が、少なくともFe、Co、Ni、Pd、Ptからなるグループの中から選択された金属、または、前記グループの中から選択された金属の合金を主成分とする」こと、「前記第1の層の材料が、金属、金属窒化物、金属炭化物、炭素からなるグループの中から選択された材料である」こと、をもその特徴とする。
また、本発明は、複数の電子放出素子を有する電子源の製造方法であって、該電子放出素子が上記製造方法により製造されることを特徴とするものである。
さらに、本発明は、電子源と、電子の照射によって発光する発光部材とを有する画像表示装置の製造方法であって、電子源が上記製造方法により製造されることを特徴とするものである。
本発明の製造方法によれば、電子放出膜中の金属含有量を容易に制御し、電子放出特性を安定させ、かつビーム収束ための構造を形成し、電子放出膜と電極の密着性を向上させることができ、電子放出特性を長期に渡って維持することができる。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは、特に記載のない限りは、この発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明の製造方法により製造される電子放出素子の一例を示す模式図である。図1(A)は平面模式図、図1(B)は、図1(A)のA−A’における断面模式図である。1は基板、2は第1電極(典型的にはカソード電極に相当する)、3は電子放出膜、4は第2電極(典型的には集束電極に相当する)、5は絶縁体からなる層(絶縁層)、6は第3電極(典型的にはゲート電極に相当する)である。また、21は、第2電極と絶縁層5と第3電極6とを連通する開口(貫通する開口)である。
電子放出膜3は、炭素を主体とする膜中に金属が含有されている形態が特に電子放出特性の観点から好ましい。また電子放出膜3の膜厚は、実用的な範囲として、5nm以上10μm以下、特には10nm以上1μm以下の範囲であることが好ましい。
図8は、図1に示した電子放出素子から電子を放出させている際の様子を示す模式図である。図1と図8では、同じ部材には同じ符号を付している。7は第四電極(典型的にはアノード電極)、8は駆動電源、9は高圧電源である。電子を放出させる際には、第1電極2と第2電極4とを同じ電位または実質的に同じ電位にする。集束性を高めるには第2電極4の電位を第1電極2の電位よりも低くする。そして、第3電極6に第1電極2よりも高い電位を供給し、平坦な電子放出膜3から電子を電界放出させる。電子放出膜3から放出された電子は、第3電極6よりも十分に高い電位(典型的には10倍以上高い電位)に設定される第4電極(アノード電極)に引き寄せられる。第四電極7には、高圧電源9から、実用的には1kV以上30kV以下の電圧が印加され、第1電極2と第3電極6との間には典型的には0Vより大きく100V以下の電圧が印加される。第1電極2の電位はグランド電位に設定することが回路設計上好ましい。
図1では、第1電極2と第2電極4とが実質的に同じ電位になるように接続している。また、Vbは第3電極6と第1電極2との間に印加される電圧(電源8から出力される電圧)、Vaはアノード電極8に印加される電圧(電源9から出力される電圧)、Ieは電子放出電流を指す。
VbとVaを印加すると、開口21の中に強い電界が形成される。そして、Vbや絶縁層5の厚さ、形状、絶縁層の誘電率などにより開口21内部の等電位面の形状が定められる。開口21の外では主にアノード電極7との距離HにもよるがVaによりほぼ平行な等電位面となる。開口21内に位置する電子放出膜3の表面に印加される電界強度が、電子放出膜から電界放出が開始されるのに十分な電界強度の閾値(最小電界強度)を越えると電子放出膜3から電子が放出される。開口21から出た電子は、アノード電極7に衝突する。尚、開口21は円柱状が好ましいが、多角柱状を除外するものではない。
また、詳しくは後述する、本発明の電子放出素子の製造方法が、好ましく適用可能な電子放出素子の別の形態例を図10に示す。図10と図1では、同じ部材には同じ符号を付している。即ち、図10の形態では、第3電極6が、基板1と第1電極2との間に配置された形態である。そして、第1電極2と第3電極6との間に絶縁層5が配置されている。この形態の電子放出素子にも本発明は好ましく適用することができる。この形態の電子放出素子から電子を放出させる場合も、図8を用いて説明したように、第3電極6に第1電極2よりも高い電位を供給することで、平坦な電子放出膜3から電子を電界放出させることができる。
図1に示した構造の電子放出素子を例に、本発明の電子放出素子の製造方法の一例を図2に示した模式断面図を用いて以下に記す。
(工程A)
[工程a−1]
最終的に第1電極2となる導電性の第1の層10を表面に備える基板1を用意する。
基板1としては、石英ガラスや、Na等の不純物含有量を減少させたガラスや、青板ガラスや、シリコン基板などにスパッタ法等により酸化シリコン(典型的にはSiO)を積層した積層体や、アルミナ等セラミックスの絶縁性基板、などを用いることができる。
第1の層10は、導電性を有する材料から構成され、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成することができる。第1の層10の材料は、具体的には、金属、または金属の窒化物、金属の炭化物を用いることができるが、電子放出膜3へ拡散しにくい、化学的に安定な材料が好ましい。そのため、後述する第3の層12の金属(第2の層11に拡散させる金属)よりも電子放出膜3(第2の層11)への拡散性(拡散確率)の低い材料を選択することが好ましい。さらには、後述する工程で説明する第3の層12から第2の層11へ拡散させた金属が、第1の層10内に拡散されにくい材料であることが好ましい。
そのため、第1の層10の材料としては、より具体的には、Ti、Nb、Mo、Ta、Wが好ましい。しかしながら、後述する工程で説明する第3の層12の金属(第2の層11に拡散させる金属)との組合せにより適宜選択することができる。また、その厚さとしては、実用的な範囲として、10nm以上100μm以下の範囲で設定され、好ましくは100nm以上10μm以下の範囲で選択される。
尚、ここでは、基板1と第1の層12とを別々の部材で構成した例を示したが、一つの導電性部材で構成しても良い。
[工程a−2]
第1の層10上に、最終的に電子放出膜3となる、第2の層11を設ける。第2の層11は蒸着法、スパッタ法、印刷法などにより形成することができる。
尚、第1電極2は、いわゆるカソード電極に相当するものであるが、電子放出素子の形態によっては、前記第1電極2が、過剰な放出電流が生じないように、電流制限のための抵抗の機能を備える場合もある。即ち、このような場合は、第1電極2が抵抗層である場合もある。
あるいは、また、図9(A)に示す様に、前記第1電極(カソード電極)2が、低抵抗な電極2bと当該電極2bよりも抵抗が高い抵抗層2aとの積層体で構成される場合もある。あるいは、図9(B)に示す様に、電子放出層3の直下は抵抗層2aが位置し、その横に電極2bが配置される場合もある。このように電極2bと抵抗層2aとを備える場合は、前述の駆動電源8は、第3電極6と電極2bとに接続される。そして、電極2bから、抵抗層2aを介して、電子放出膜3に電子が供給される。
第2の層11の材料は、半導体もしくは絶縁体から選択される。特には、電子放出膜の電気抵抗および電子放出特性を制御する上で、含有させる金属の抵抗率よりも抵抗率の大きいものが好ましい。より好ましいのは絶縁体であり、特に炭素を主成分とするものが好ましい。さらにはFe、Co、Ni、Pd、Ptなどの金属が拡散しやすいものが好ましい。例えばダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン、感光性樹脂などを含む有機物から適宜選択される。
[工程a−3]
第2の層11上に、最終的に第2電極4になる、金属を含有する第3の層12を設ける。第3の層12は、蒸着法、スパッタ法、印刷法等により形成することができる。第3の層12の材料は、第2の層11に第3の層12中の金属を拡散させやすいものが好ましい。例えば、電子放出膜3に含まれると良好な電子放出特性を電子放出膜に発現せしめる事が出来る良好な材料である、Fe、Co、Ni、Pd、Ptなどの金属または、これら金属を含む合金等を第3の層12に用いることができる。第2の層11の材料との組合せにより第3の層12の材料を適宜選択することができるが、第2の層11が炭素を主成分とする場合は、上記のようなFe、Co、Ni、Pd、Ptの中から選択された金属を第3の層12が含有することが好ましい。特に、CoまたはPdであることが好ましい。
第3の層12は、最終的に、駆動時において、電子放出層3の表面に印加される電界強度の分布(ばらつき)を抑制するためのものである。そのため、その厚さは、実用的には、1nm以上10μm未満の範囲で設定され、好ましくは10nm以上1μm未満の範囲で選択される。
尚、工程a−3において、第2の層11に金属を拡散させる第3の層12は、第2の層11に接して設ければよい。そのため、第2の層11の下に配置されていてもよい。
その場合には、工程a−3は、導電性の第1の層10と第2の層11との間に第3の層11を設ける工程に置き換える事が出来る。或いは、前記第1の層10に、拡散させる金属を含有させることで、金属を供給する(拡散させる)という前記第3の層の機能を前記第1の層10に持たせる事も出来る。これらの場合、第2の層11上には、別途、駆動時に電子放出膜3の表面に印加される電界強度の分布を抑制するための、第2電極4となる導電層を、図2(A)に示す符号12で示される部材の位置に設けることが好ましい。
最終的に第2電極4となる層は、導電性を有する材料から構成される。蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術などにより形成することができる。
最終的に第2電極4となる導電層の材料は、第2電極4となる導電層の材料が第3の層を構成する材料よりも第2の層11へ拡散しにくい、化学的に安定な材料が好ましい。そのような材料としては、第3の層を構成する材料(第2の層11に拡散せしめる金属)よりも拡散係数が小さい金属、またはこれらの金属の窒化物や炭化物を含む合金を用いることができる。より具体的には、TiN、TiAlNなどの材料を用いることができる。
また、第2電極4の厚さとしては、1nm以上10μm未満の範囲で設定され、好ましくは10nm以上1μm未満の範囲で選択される。金属含有層12が電子放出膜3の下に常に配置されている状態になるので、電子放出膜3中の金属含有量は、金属含有層12を母材層11の上に配置する場合よりも安定し、かつ電子放出膜3とカソード電極10との密着性が向上する。
また、第2の層11に金属を拡散させる第3の層12は、第2の層11を挟む様に、第2の層11の上下に別々に設けてもよい。この様にして電子放出素子を形成した場合、電子放出膜3とその上下の層との密着性はより向上する。ただし、電子放出膜3中の金属含有量が大きくなりすぎないよう、加熱工程では注意を払わなければならない。
第2の層11の上下に第3の層12を設ける場合、上述した第1の層10及び/または第3の層12を、前述した第3の層12を構成する金属と同じ金属で構成させることで、該金属を前記第2の層11に拡散させるための層として用いることもできる。あるいは、また、上記第2の層11の上下に、上記第1の層10および第3の層12とは別に、上記第2の層に金属を拡散せしめるための層を設ける形態であってもよい。即ち、第1の層10と第2の層11との間、および/または、第3の層12と第2の層11との間に、上述した金属を含有する層(第3の層)に相当する層を設ける形態であっても良い。
[工程a−4]
第3の層12上に、最終的には図2の絶縁層5となる、絶縁体からなる第4の層13を設ける。第4の層13は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、印刷法など公知の成膜法で形成することができる。第4の層13の厚さとしては、実用的な範囲として、1nm以上100μm未満の範囲で設定され、好ましくは10nm以上10μm未満の範囲から選択される。望ましい材料としては、SiO2、SiN、Al2O3、CaF、アンドープダイヤモンドなどの高電界に耐えられる耐圧の高い材料が望ましい。
[工程a−5]
絶縁体からなる第4の層13上に、最終的に第3電極6となる、導電性の第5の層14を配置する。第5の層14は、上述した第1の層10の形成方法と同様の手法により形成することができる。第5の層14の材料は、上述した第1の導電層10に適用可能な材料群から適宜選択することができる。第5の層14の厚さとしては、実用的には、1nm以上100μm未満の範囲で設定され、好ましくは10nm以上10μm未満の範囲で選択される。
以上の工程により、図2(A)に示す構造を設けることができる。
(工程B)
上記(工程A)で形成した第5の層14と第4の層13とを貫通する第1の開口20を設ける。
具体的には、第5の層14上に、開口20を形成するためのパターン(開口)を有するマスク(不図示)を形成する。そして、該マスクを用い、第5の層14と第4の層13とを貫通し、第3の層12までおよぶ第1の開口20を形成する、エッチング工程を行う。尚、エッチング法は従来公知の様々な手法を採用することができる。
また、第1の開口20の平面形状(基板1の表面に平行な断面形状)は、円形に限られるものではなく正方形や長方形などの四角形や多角形であっても構わない。第1の開口20を形成後にマスクパターンを除去する。
尚、(工程B)は、上記(工程A)に続いて下記(工程C)を行った後に行うようにすることもできる。その場合には、第5の層14と第4の層13と第3の層12とを貫通し、電子放出膜3上面にまでおよぶ(電子放出膜3の一部を露出させる)開口21を形成するエッチング工程に置き換える。即ち、その場合は、工程Bを行わずに、後述する(工程D)を行うだけでも良い。
(工程C)
少なくとも上記(工程a−3)を終えた後に、第3の層12に含まれる金属を第2の層11中に拡散させることで、第2の層11を電子放出膜3にせしめる。拡散させる方法としては、加熱を用いることが好ましい。加熱は、少なくとも第2の層11と第3の層とを加熱すればよいが、より簡易に行うためには、基板1ごと加熱することで行うができる。加熱の方法としては、焼成炉などの中に基板1を配置し、ヒーターもしくはランプなどで基板1全体を加熱してもよいし、またはレーザーなどで少なくとも第2の層11と第3の層とを加熱するという方法でもよく、特に限定されるものではない。また加熱時の雰囲気も真空中、ガス中のいずれでも構わないが、導電層が酸化されることは好ましくない。ガス中で加熱する場合は不活性ガス中で加熱を行うなどの工夫をすることが望ましい。また、真空中で加熱する場合の真空度は、10−4Pa以下であることが好ましい。
加熱温度は、400℃以上1000℃以下の中から選択される。加熱温度、加熱温度における保持時間、加熱温度までの昇温レート、加熱後の冷却のための降温レートは、適宜選択される。第3の層12に含まれる金属材料と第2の層11の材料との組合せや、後述する後処理工程などで行われる加熱工程を考慮される。そして、金属の第2の層11中への拡散の度合いが所望の拡散度合いになるように選択する。加熱温度については、上記(工程C)以降の工程では、上記(工程C)における加熱温度よりも低い温度に制御することが好ましい。
電子放出膜3は、炭素を主体とする膜中に金属が含有されている形態が特に電子放出特性の観点から好ましい。従って、前記第2の層11は、炭素を主成分とする層で構成されることが好ましい。尚、(工程C)における加熱により、第2の層11(加熱前)と電子放出膜3(加熱後)で、金属が拡散されるので、その組成が異なる。また、第2の層11の主成分は、加熱前と加熱後で、その結晶性などが一部変質する場合もある。また第2の層11の膜厚は、1nm以上100μm未満の範囲で設けられ、特には1nm以上100nm未満の範囲であることが安定で良好な電子放出特性を簡易に得られるので好ましい。
また上記(工程C)は、第3の層13を第2の層11に接触して設けた後であればいつでもよく、必ずしも上記(工程B)の後に行われることに限定されない。ただし、第3の層12を貫通する開口を設ける前に行う必要はある。
(工程D)
第5の層14、第4の層13、第3の層12を貫通し、電子放出膜3上面にまでおよぶ(電子放出膜3を露出させる)開口21を設ける。
工程Bを既に行っている場合は、工程Bで設けた第1の開口20に連通し、第3の層12を貫通し、電子放出膜3の上面にまでおよぶ、第2の開口21を設ければ良い。
開口21の形成方法としては、各種のエッチング手法を採用することができる。第5の層14をマスクとして用いて、第5の層14の一部に設けた開口を通してエッチングによって開口21を形成する場合は、第3の層12よりも第5の層の膜厚を厚く設定しておく必要がある。また第5の層14に、第3の層12よりもエッチングレートの遅い材料を使って、開口21を形成するためのマスクとしてもよい。開口21形成のための手法は特に限定されるものではない。
上記工程D(及び工程B)により、第5の層14は図1で示した第3電極6(典型的にはゲート電極に相当する)になる。そして、第4の層13は図1で示した絶縁体からなる層5(絶縁層)になる。そして、第3の層12は図1で示した第2電極4(典型的には集束電極に相当する)になる。
以上の工程により、電子放出素子を形成することができるが、本発明は、開口21の形成後に、更に、以下に示す2つの工程(工程E、工程F)のうちの少なくとも1つの工程を加えることができる。最も好ましくは、以下に示す2つの工程の両方を行う。これらの工程を加えることで、より電子放出特性が向上する。尚、工程Eと工程Fの両方を行う場合は、同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。別々に行う場合は、工程Eを行った後に工程Fを行うことが好ましい。
(工程E)
電子放出膜3(金属が拡散された後の第2の層11)を加熱し、拡散した金属を凝集させ、図3に示すような、各々が金属を含む複数の粒子15を、電子放出膜3の中に設ける。加熱温度は、400℃〜1000℃の範囲から選択される。加熱方法としては、様々な手法を採用できる。例えば、開口21をマスクとして、開口21内に露出した、電子放出膜3(金属が拡散された後の第2の層11)の一部に、光などのエネルギーを照射することで、実質的に開口21内に電子放出膜3の露出した部分だけを加熱する手法を用いる事もできる。あるいは、基板1を含めて加熱炉内で加熱する方法などを採用することもできる。加熱温度と加熱温度までの昇温レート、加熱温度における保持時間、加熱後の冷却のための降温レートは、第3の層12の金属の種類と第2の層11の種類の組合せにより適宜決定される。
工程Eを経た電子放出膜3は、炭素系薄膜中に金属微粒子が含有されている形態であり、電子放出膜33の膜厚は、電子放出膜3の膜厚とほぼ同じである。また電子放出膜3中に含有される粒子15の平均粒径は、1nm以上10nm以下であることが好ましい。また、電子放出膜3中の金属の濃度は、0.001at%以上30atm%以下であることが好ましい。また電子放出膜3中の主成分である炭素系膜部分の抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下である。
(工程F)
工程Fは、電子放出膜3の表面にダイポール層を設ける工程である。
ダイポール層は、例えば電子放出膜3の表面を化学修飾することで形成することができる。より具体的には、電子放出膜3の表面を水素で終端処理を行うことにより、工程Fを行うことができる。
この工程により電子の放出をさらに容易にすることができる。
水素による終端は、電子放出膜3を水素と炭化水素ガスとを含む雰囲気中で加熱することによって行うことができる。炭化水素ガスとしては、鎖上炭化水素を用いることが好ましい。鎖上炭化水素としては、特に、アセチレンガス、エチレンガス、メタンガスのいずれかを用いることが好ましい。水素による終端は、工程Eの後に行う場合もあるが、工程Eを行っていない電子放出膜3に対して行うことも好ましい態様の一つである。
また、加熱温度とガス雰囲気を選択して、工程Eと工程Fを実質的に同時に行う態様を採用することもできる。
次に、本発明で製造することのできる電子放出素子を適用した応用例について以下に述べる。本発明で製造することのできる電子放出素子を、複数、基板上に配列することによって、例えば電子源や画像表示装置を構成することができる。
図4を用いて、電子放出素子を複数配して得られる電子源について説明する。図4において、1は基板、42はX方向配線、43はY方向配線、44は本発明の製造方法で製造される電子放出素子である。図4では、1つの電子放出素子に開口が一つ形成されている例を示しているが、開口は、複数備えている場合もある。
X方向配線42は、Dx1、Dx2、…Dxmのm本の配線からなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された金属等の導電性材料で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方向配線43は、Dy1、Dy2、…Dynのn本の配線からなり、X方向配線42と同様に形成される。
これらm本のX方向配線42とn本のY方向配線43との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している。ここで、m及びnは共に正の整数である。不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された酸化シリコン等で構成される。
電子放出素子44を構成する、第1電極(カソード電極)2はm本のX方向配線42のうちの一つに電気的に接続され、第3電極(ゲート電極)6はn本のY方向配線43のうちの一つに電気的に接続される。
X方向配線42、Y方向配線43、及び第1電極2及び第3電極6を構成する材料は、その構成元素の一部或いは全部が同一であっても、またそれぞれ異なっていても良い。第1電極及び第3電極を構成する材料と配線材料が同一である場合には、X方向配線42、Y方向配線43は、それぞれ第1電極或いは第2電極ということもできる。
X方向配線42には、X方向に配列した電子放出素子44の行を選択するための、走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線43には、Y方向に配列した電子放出素子44の各列を入力信号に応じて変調するための、不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として定義される。
上記構成においては、個別の電子放出素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。このようなマトリクス配置の電子源を用いて構成した画像表示装置について、図5を用いて説明する。図5は、画像表示装置の表示パネルの一例を示す模式図である。
図5において、1は電子放出素子を複数配した基板(リアプレート)、53はガラスなどの透明な基板である。56は、基板53と、その内面に設けられた、電子線の照射によって発光する発光体膜54と、アノード電極としてのメタルバック55とで、構成されたフェースプレートである。52は支持枠であり、支持枠52には、リアプレート1、フェースプレート56がフリットガラス等の接着材を用いて接続されている。57は外囲器であり、フェースプレート56とリアプレート1と支持枠52とで構成される。外囲器57は、例えば、接着剤としてインジウムを用い、真空中で、リアプレート1とフェースプレート1とを支持枠52を間に挟んだ状態で、向かい合う方向に加圧しながら加熱することで内部が気密に保持された外囲器(真空容器)を形成することができる。また、上記加熱温度は、上述した工程Cにおける加熱温度や、工程Eや工程Fでの加熱温度よりも低い温度にすることが好ましい。
外囲器57は、フェースプレート56とリアプレート1との間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ構成とすることもできる。
また、本発明の画像形表示装置を用いて、チューナーと組合せることで、テレビジョン放送やデータ放送や衛星放送やインターネットを経由した放送などの様々な放送の表示装置(いわゆるテレビジョンを含む)を形成することができる。また、テレビ会議システムやコンピューター等の表示装置としても用いることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示した構成の電子放出素子を、図2に示した工程に従って作製した。
[工程1]
基板1に石英を用い、十分に洗浄を行った後、スパッタ法により、基板1上に第1の層10としてTiNを100nmの厚さで成膜した。
[工程2]
第1の層10上に感光性樹脂を成膜し、加熱乾燥させ、露光・現像を行って第2の層11とした。この感光性樹脂は、樹脂中に感光基を有するタイプや、樹脂に感光剤が混合されたタイプを用いることができる。
[工程3]
第2の層11上に、金属を含有する第3の層12として、Ptを50nmの厚さになるように成膜した。
[工程4]
第3の層12上に、プラズマCVD法により第4の層(絶縁体からなる層)13として酸化シリコンを1000nm成膜した。
[工程5]
第4の層13上に、第5の層14として、TiNを100nmの厚さになるように成膜した(図2(A))。
[工程6]
次いで、第5の層14上に、ポジ型フォトレジストをスピンコートし、フォトマスクパターン(円形)を露光、現像し、マスクパターン(円形の開口)を形成した。このときの開口径W1は、1.5μmとした。
[工程7]
ドライエッチングにより、第5の層14、第4の層13の一部を除去し、第3の層12上面でエッチングをストップし、第1の開口20を形成した(図2(B))。
[工程8]
残ったマスクパターン(不図示)を、剥離液にて除去し、水洗を行った。
[工程9]
次に、1×10−4Paの真空中で、600℃で1時間維持し、第3の層12のPtを第2の層11中に拡散させ、その後真空度を維持しながら自然冷却を行い、電子放出膜3を形成した(図2(C))。
[工程10]
第5の層14をマスクとして、第3の層12を貫通し、電子放出膜3におよぶ(電子放出膜3を露出させる)開口21を形成し、本実施例の電子放出素子を完成させた(図2(D))。
このように作製した電子放出素子の電子放出膜3中のPtの平均濃度は3atm%、電子放出膜3の膜厚は、30nmであり、電子放出膜3と第1の層10および第3の層12との密着性も確保されていた。
この電子放出素子の電子放出特性を測定した。本実施例で作製した電子放出素子を図8に示すように、電子放出素子の上方にアノード電極7を配置して駆動した。駆動時には、アノード電極7とカソード電極2(第1の層10)の間に電圧Vaを印加し、カソード電極2(第1の層10)とゲート電極6(第5の層14)との間に、電圧Vbを印加して電子放出特性を測定した。
印加電圧はアノード電極7とカソード電極2(第1の層10)の間の電圧Va=10kV、カソード電極2(第1の層10)とゲート電極6(第5の層14)との間の電圧Vb=20Vとした。そして電子放出膜3とアノード電極8との距離Hを2mmとした。ここで、アノード電極8として蛍光体を塗布した電極を用い、電子ビームのサイズを観察した。集束電極4を設けずに、それ以外は同じ積層構造を形成した電子放出素子からの電子ビームに比べて電子ビームサイズが小さくなっており、長期間駆動しても、基板から電子放出素子を構成する部材が剥れるといった現象は見られなかった。
(実施例2)
図1に示した構成の電子放出素子を、図6に示した工程に従って作製した。
[工程1]
基板1に石英を用い、十分に洗浄を行った後、基板1上に第1の層10としてTiNを100nmの厚さで設けた。
[工程2]
第1の層10上に、ダイヤモンドライクカーボン膜を堆積させ、第2の層11とした。
[工程3]
第2の層11上に第3の層12として、Coを50nmの厚さになるように成膜した。
[工程4]
第3の層12上に、第4の層(絶縁層)13としてSiO2を1000nm成膜した。
[工程5]
第4の層13上に、第5の層14として、TiNを50nmの厚さになるように成膜した(図6(A))。
[工程6]
次に1×10−4Paの真空中で600℃を1時間維持し、第3の層12中に含まれるCoを第2の層11中に拡散させ、電子放出膜3を形成した(図6(B))。
[工程7]
次いで、第5の層14上に、ポジ型フォトレジストをスピンコートし、フォトマスクパターン(円形)を露光、現像し、マスクパターン(円形の開口)を形成した。このときの開口径W1は、1.5μmとした。
[工程8]
ドライエッチングにより、第5の層14、第4の層(絶縁層)13、第3の層12を貫通する第1の開口21を形成した。開口21が、電子放出膜3上面で止まるように、エッチングを制御した(図6(C))。
[工程9]
残ったマスクパターン(不図示)を、剥離液にて除去し、水洗を行った。
[工程10]
次に1×10−4Paの真空中で600℃を1時間維持し、電子放出膜3中のCoを凝集させ、Co粒子15を形成した。
[工程11]
次にアセチレン0.1%と水素99.9%とを含む雰囲気中において電子放出膜3を550℃で5時間加熱処理を行って、本実施例の電子放出素子を完成させた(図6(D))。
このように作製した電子放出素子の電子放出膜3膜中にCo粒子15が多数離散的に形成されていた。電子放出膜3中のCo濃度は0.02atm%、電子放出膜3の膜厚は、30nmであり、電子放出膜3と第1の層10および第3の層12との密着性も良好であった。
またこの電子放出素子の電子放出特性を測定した。本実施例で作製した電子放出素子を実施例1と同様に、電子放出特性を測定した。
印加電圧はVa=10kV、Vb=20Vで、電子放出膜3とアノード電極8との距離Hを2mmとした。ここで、アノード電極8として蛍光体を塗布した電極を用い、電子ビームのサイズを観察した。集束電極4を設けずに、それ以外は同じ積層構造を形成した電子放出素子からの電子ビームに比べて電子ビームサイズが小さくなっていることを確認できた。また、電子放出特性は、実施例1に比べ、単位面積あたりの電子放出量が多く、また、駆動電圧も低かった。
(実施例3)
電子放出素子を、図7に示した工程に従って作製した。
[工程1]
基板1に石英を用い、十分に洗浄を行った後、スパッタ法により、基板1上に第1の層10としてTiNを100nmの厚さで成膜した。
[工程2]
第1の層10上に金属を含む第3の層12として、Coを50nmの厚さになるように成膜した
[工程3]
第3の層12上に、第2の層11としてダイヤモンドライクカーボン膜を堆積させ、母材層32とした。
[工程4]
第2の層11上に導電層121として、TiNを50nmの厚さになるように成膜した。
[工程5]
導電層121上に、第4の層(絶縁層)13としてSiO2を1000nm成膜した。
[工程6]
第4の層13上に、第5の層14として、TiNを50nmの厚さになるように成膜した。
[工程7]
次に1×10−4Paの真空中で600℃を1時間維持し、第3の層12のCoを第2の層11中に拡散させ、電子放出膜3を形成した。尚、この加熱工程で、導電層121から第2の層11へは金属は実質的に拡散しない。
[工程8]
次いで、第5の層14上に、ポジ型フォトレジストをスピンコートし、フォトマスクパターン(円形)を露光、現像し、マスクパターン(円形の開口)を形成した。このときの開口径W1は、1.5μmとした。
[工程9]
ドライエッチングにより、第5の層36、第4の層13、導電層121を貫通する開口21を形成した。開口21が、電子放出膜3上面で止まるように、エッチングを制御した。
[工程10]
残ったマスクパターン(不図示)を、剥離液にて除去し、水洗を行い、本実施例の電子放出素子を完成させた。
このように、本実施例では、第2の層11と第1の層10との間に金属を拡散させる第3の層12を設けた。電子放出膜3中のCoの平均濃度は3atm%であり、電子放出膜3の膜厚は30nmであり、第3の層12を第1の導電層10と電子放出膜3との間に配置しているので、電子放出膜3と第1の層10との密着性は、実施例1および2よりも大きくなった。
またこの電子放出素子の電子放出特性を、実施例1と同様に測定したところ、実施例1と同様の良好な電子放出特性を得ることができた。
(実施例4)
上記実施例2で作製した電子放出素子を用いて図5に示した画像表示装置を作製した。
実施例2と同様の方法で作成した電子放出素子を100個×100個のマトリクス状に配置した。図5に示したようにX方向配線(Dx1〜Dxm)をカソード電極2に接続し、Y方向配線(Dy1〜Dyn)側をゲート電極7に接続した。各電子放出素子は、横300μm、縦300μmのピッチで配置した。各電子放出素子の上方には蛍光体を配置した。
本実施例で作成した画像表示装置では、マトリクス駆動が可能で、高精細で、輝度ばらつきの少ない、良好な表示画像を長期に渡って得ることができた。
本発明にかかる電子放出素子の製造方法の一例を示した模式図である。 本発明にかかる電子放出素子の構成を示す断面及び平面図である。 本発明にかかる電子放出素子の製造方法の一部を示した模式図である。 本発明にかかる単純マトリックス配置の電子源を示す構成図である。 本発明にかかる画像表示装置を示す概略構成図である。 本発明にかかる電子放出素子の製造方法の一例を示した模式図である。 本発明にかかる電子放出素子の製造方法の一例を示した模式図である。 本発明の電子放出素子を駆動する際の模式図である。 本発明の電子放出素子の他の構成例を示す模式図である。 本発明の電子放出素子の他の構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 基板
2 カソード電極
3 電子放出膜
4 集束電極
5 絶縁層
6 ゲート電極
7 アノード電極

Claims (11)

  1. カソード電極と、該カソード電極上に位置する、金属を含む電子放出層と、を備える電子放出素子の製造方法であって、
    (A)導電性の第1の層と、該第1の層上に位置する第2の層と、該第2の層に接触した、金属を含有する第3の層と、を用意する、第1工程と、
    (B)前記第2の層に、前記第3の層から前記金属を拡散させる、第2工程と、
    を備えることを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 前記第3の層は、前記第2の層上に位置しており、
    前記第2工程の後に、前記第2の層の少なくとも一部を露出し、前記第3の層を貫通する開口を設ける、第3の工程を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 前記第1工程は、さらに、前記第3の層上に位置する絶縁体からなる第4の層と、該第4の層上に位置する導電性の第5の層と、を用意する工程を含み、
    前記第3工程は、前記第4の層と前記第5の層と前記第3の層とを貫通する開口を形成する工程である、ことを特徴とする請求項2に記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 前記第2工程が、少なくとも前記第2の層と前記第3の層とを加熱する工程を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  5. 前記第2金属を拡散させる工程中または前記金属を拡散させる工程の後に、少なくとも前記第2の層を加熱することで、拡散した前記金属を凝集させ、前記金属を含む粒子を前記第2の層中に形成する工程を備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 前記第2の層が絶縁体からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 前記第2の層が炭素を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  8. 前記前記第3の層が、少なくともFe、Co、Ni、Pd、Ptからなるグループの中から選択された金属、または、前記グループの中から選択された金属の合金を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  9. 前記第1の層の材料が、金属、金属窒化物、金属炭化物、炭素からなるグループの中から選択された材料であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  10. 複数の電子放出素子を有する電子源の製造方法であって、前記電子放出素子が請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法により製造されることを特徴とする電子源の製造方法。
  11. 電子源と、電子の照射によって発光する発光部材とを有するディスプレイ装置の製造方法であって、前記電子源が請求項10に記載の製造方法により製造されることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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