JP2009110791A - 電子放出素子、電子源、画像表示装置および電子放出素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子放出特性が良好で、電子放出点密度が大きく、かつ、電子放出量のゆらぎの小さい電子放出可能な電子放出素子、電子源、画像表示装置、及び、それらの簡易な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る電子放出素子の製造方法は、導電層上に電子放出材料を含む膜を形成する工程と、前記電子放出材料を含む膜が形成された導電層を水素および炭化水素のラジカルを含む雰囲気中で加熱する工程と、を有する電子放出素子の製造方法であって、前記雰囲気における前記水素および炭化水素のラジカルの総分圧が2×10−11Pa以上、8×10−4Pa以下であることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明に係る電子放出素子の製造方法は、導電層上に電子放出材料を含む膜を形成する工程と、前記電子放出材料を含む膜が形成された導電層を水素および炭化水素のラジカルを含む雰囲気中で加熱する工程と、を有する電子放出素子の製造方法であって、前記雰囲気における前記水素および炭化水素のラジカルの総分圧が2×10−11Pa以上、8×10−4Pa以下であることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子放出素子の製造方法および、該電子放出素子、該電子放出素子を配置してなる電子源、該電子源を用いて構成した画像表示装置に関する。
電子放出素子には、電界放出型(以下、「FE型」と称する)電子放出素子や、表面伝導型電子放出素子がある。
FE型電子放出素子には、電子ビームの広がりが少ない電子放出素子の例として、平坦な電子放出膜上に、開口(いわゆる「ゲートホール」)を有するゲート電極を備えた電子放出素子がある(特許文献1〜3)。このような平坦な電子放出膜を有する電子放出素子では、電子放出膜表面に比較的平坦な等電位面が形成されるため、電子ビームの広がりを小さくすることができる。
そして、このような電子放出膜の電子放出特性を向上させる手段として、例えば、ダイヤモンドを用いた電子放出膜の表面を水素で終端する方法などが提案されている(特許文献4)。具体的には、水素ガスのECR放電プラズマにダイヤモンド表面を晒すことで、ダイヤモンド表面を水素で終端する。その結果、電子放出膜の電子親和力が負になるので、電子放出のための閾電界(電子放出を行うために最低限必要な電界強度;電子放出を行うために電子放出素子に最低限印加される電圧)が小さくなり、電子放出特性が向上する。
また、特許文献5のようにダイヤモンド表面のある部分にのみ水素終端を施すことで目的の電子放出素子を形成する方法なども提案されている。
特開2004−071536号公報
特開平8−055564号公報
特開2005−26209号公報
特開平10−283914号公報
特開2006−134724号公報
上記した水素終端処理により電子放出膜の電子放出特性を向上させる手段としては、炭化水素ガスや水素ガス中に電子放出膜を配置し、加熱する熱CVD法や、特許文献4、5のようにプラズマを用いる方法が一般的である。しかし、これら従来の手法では、電子放出膜の表面の一部に水素終端処理されない箇所が生じる場合がある。そのような箇所が生じると、電子放出点密度が小さくなり、駆動時の電子放出量のゆらぎが大きくなってしまう場合がある。
また、熱CVD法においては、水素終端処理の効率を上げるために非常に高い加熱温度が必要な場合がある。この場合、当該加熱によって電子放出膜が損傷し、水素終端処理によって逆に電子放出特性を下げてしまう場合がある。
また、非常に高い加熱温度は、作製コストを引き上げることにつながり、作製プロセスとして好ましくない。
そこで、本発明は、電子放出特性が良好で、電子放出点密度が大きく、かつ、電子放出
量のゆらぎの小さい電子放出可能な電子放出素子、電子源、画像表示装置、及び、それらの簡易な製造方法を提供することを目的とする。
量のゆらぎの小さい電子放出可能な電子放出素子、電子源、画像表示装置、及び、それらの簡易な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために成された本発明の構成は、以下のとおりである。
本発明に係る電子放出素子の製造方法は、導電層上に電子放出材料を含む膜を形成する工程と、前記電子放出材料を含む膜が形成された導電層を水素および炭化水素のラジカルを含む雰囲気中で加熱する工程と、を有する電子放出素子の製造方法であって、前記雰囲気における前記水素および炭化水素のラジカルの総分圧が2×10−11Pa以上、8×10−4Pa以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る電子放出素子は、上記電子放出素子の製造方法で製造されたことを特徴とする。
また、本発明に係る電子源は、上記電子放出素子を複数備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像表示装置は、上記電子源と、電子の照射によって発光する発光部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電子放出特性が良好で、電子放出点密度が大きく、かつ、電子放出量のゆらぎの小さい電子放出可能な電子放出素子、電子源、画像表示装置、及び、それらの簡易な製造方法を提供することができる。
以下、図面を用いて、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは、特に記載のない限りは、この発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施形態に係る電子放出素子の作製方法の流れを示す図である。図2は、本実施形態に係る電子放出素子の最も基本的な構成の一例を示す断面模式図である。図2に示すように、本実施形態に係る電子放出素子は、基体1上に配置されており、少なくとも、導電層2と、導電層2上に位置する電子放出材料を含む膜(以後、電子放出膜3とする)と、電子放出膜3の表面に終端された水素と、を備える。なお、導電層2を、「カソード電極」あるいは「電極」と呼ぶ場合もある。
以下、図1,2を用いて本実施形態に係る電子放出素子の製造方法について説明する。
(工程A)
まず、表面が十分に洗浄された基体1上に、導電層2を設ける。基体1としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、シリコン基板などにスパッタ法等により酸化シリコン(典型的にはSiO2)を積層した積層体、アルミナ等セラミックスの絶縁性基板、などを用いることができる。
まず、表面が十分に洗浄された基体1上に、導電層2を設ける。基体1としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、シリコン基板などにスパッタ法等により酸化シリコン(典型的にはSiO2)を積層した積層体、アルミナ等セラミックスの絶縁性基板、などを用いることができる。
導電層2は、導電性を有する材料で構成され、蒸着法、スパッタ法等の一般的な真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成される。導電層2の材料は、例えば、金属、合金、炭化物、硼化物、窒化物、半導体、有機高分子材料、アモルファスカーボン、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモンドを分散した炭素及び炭素化合物等から適宜選択される。金属としては、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等を用いればよく、合金もまたそれら金属を用いて生成されたものを用いればよい。炭化物としては、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等、硼化物としては、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6、YB4,GdB4等、窒化物としては、TiN,ZrN,HfN等、そして、半導体としては、Si,Ge等を用いればよい。導電層2の厚さとしては、数十nmから数mmの範囲で設定され、好ましくは数百nmから数μmの範囲で選択される。
b,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等を用いればよく、合金もまたそれら金属を用いて生成されたものを用いればよい。炭化物としては、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等、硼化物としては、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6、YB4,GdB4等、窒化物としては、TiN,ZrN,HfN等、そして、半導体としては、Si,Ge等を用いればよい。導電層2の厚さとしては、数十nmから数mmの範囲で設定され、好ましくは数百nmから数μmの範囲で選択される。
次に、導電層上に電子放出膜3を形成する。電子放出膜3は、蒸着法、スパッタ法、CVD法等の成膜技術を用いて形成することができるが、それらの製造方法に限定されるものではない。電子放出膜3は、主成分として炭素のような絶縁体であることが好ましい。電子放出膜3の膜厚は、数nmから数百nmの範囲で設定され、好ましくは数nmから数十nmの範囲で選択される。
(工程B)
そして、電子放出膜3が形成された導電層2(勿論、基体1も含む)を水素および炭化水素のラジカルを含む雰囲気中で加熱する。これにより、電子放出膜3の表面が水素で終端される。このとき、当該加熱雰囲気における水素と炭化水素のラジカルの総分圧は、2×10−11Pa以上、8×10−4Pa以下の範囲にあることが好ましい。
そして、電子放出膜3が形成された導電層2(勿論、基体1も含む)を水素および炭化水素のラジカルを含む雰囲気中で加熱する。これにより、電子放出膜3の表面が水素で終端される。このとき、当該加熱雰囲気における水素と炭化水素のラジカルの総分圧は、2×10−11Pa以上、8×10−4Pa以下の範囲にあることが好ましい。
電子放出膜の表面をどの程度水素で終端することができたかで、電子放出点密度が決まる。電子放出点密度が小さいと電子放出特性を悪くし、電子放出量のゆらぎを大きくしてしまう。上記加熱雰囲気中における水素と炭化水素のラジカルの総分圧が2×10−11Paよりも小さい場合、電子放出膜の表面の水素での終端が不十分になり、電子放出点密度が小さく、電子放出量のゆらぎも大きくなってしまう。一方、上記加熱雰囲気中における水素と炭化水素のラジカルの総分圧が8×10−4Paより大きいと、電子放出膜表面に水素を含んだ炭素膜が堆積してしまったり、終端された水素が逆に引き抜かれたりしてしまう。その結果、電子放出膜表面において水素で終端されていない箇所が増えることになり、電子放出密度が小さくなってしまう。すなわち、そのような条件の下(水素と炭化水素のラジカルの総分圧が2×10−11Paよりも小さい場合や8×10−4Paより大きい場合)では、良好な電子放出特性を有する電子放出膜は得られない。
また、水素と炭化水素のラジカルとしては、H、CH、CH2、CH3、C2H、C2H2、C2H3、C2H4、C2H5などが好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
加熱の方法は、焼成炉の中に導電層2と電子放出膜3を備える基体1を配置し、ヒーターもしくはランプなどで基体全体を加熱してもよいし、またはレーザーなどで目的の場所のみを加熱するという方法でもよい。
加熱の方法は、焼成炉の中に導電層2と電子放出膜3を備える基体1を配置し、ヒーターもしくはランプなどで基体全体を加熱してもよいし、またはレーザーなどで目的の場所のみを加熱するという方法でもよい。
<変形例1>
本発明の実施形態に係る電子放出素子は、図3(a)、(b)に模式的に示す3極構造の形態であっても良い。図3(a)は平面図であり、図3(b)は、図3(a)のb−b’における断面図である。上記3極構造の形態とは、図3に示すように、図2に示した電子放出膜3の上に、絶縁層4とゲート電極5とを備える形態である。但し、絶縁層4とゲート電極5には連通する(貫通する)開口21が設けられており、当該開口21内に電子放出膜3の一部が露出している。この形態の電子放出素子では、導電層2の電位よりも高い電位をゲート電極5に印加することで、電子放出膜3から電子を放出する。従って、ゲート電極5が、電子放出膜3から電子を放出(電界放出)させるために必要な電界を生成する。そのため、ゲート電極5は「引出し電極」とも呼ばれる。開口21は、図3の例では円形であるが、矩形や多角形状であっても構わない。
本発明の実施形態に係る電子放出素子は、図3(a)、(b)に模式的に示す3極構造の形態であっても良い。図3(a)は平面図であり、図3(b)は、図3(a)のb−b’における断面図である。上記3極構造の形態とは、図3に示すように、図2に示した電子放出膜3の上に、絶縁層4とゲート電極5とを備える形態である。但し、絶縁層4とゲート電極5には連通する(貫通する)開口21が設けられており、当該開口21内に電子放出膜3の一部が露出している。この形態の電子放出素子では、導電層2の電位よりも高い電位をゲート電極5に印加することで、電子放出膜3から電子を放出する。従って、ゲート電極5が、電子放出膜3から電子を放出(電界放出)させるために必要な電界を生成する。そのため、ゲート電極5は「引出し電極」とも呼ばれる。開口21は、図3の例では円形であるが、矩形や多角形状であっても構わない。
図3(a)、(b)に模式的に示す3極構造の形態の製造方法の一例を図9を用いて説明する。ただし、以下に示す製造方法は、一例であり、本変形例に係る電子放出素子の製造方法を以下に示す方法に限定する趣旨のものではない。特に、構造の違いによる堆積順序、エッチング方法に関しては限定されず、実施例においても別途説明する。
(工程a)
上述の工程Aを経た電子放出膜3上に絶縁層4を堆積する。絶縁層4は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、CVD法、真空蒸着法で形成され、その厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲から選択される。望ましい材料としてはSiO2,SiN,Al2O3,CaF,アンドープダイヤモンドなどの高電界に絶えられる(耐圧性の高い)材料が望ましい。
上述の工程Aを経た電子放出膜3上に絶縁層4を堆積する。絶縁層4は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、CVD法、真空蒸着法で形成され、その厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲から選択される。望ましい材料としてはSiO2,SiN,Al2O3,CaF,アンドープダイヤモンドなどの高電界に絶えられる(耐圧性の高い)材料が望ましい。
(工程b)
次に、絶縁層4上にゲート電極5を堆積する。ゲート電極5は、導電層2と同様に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的な真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成される。ゲート電極5の材料は、例えば、金属、合金、炭化物、硼化物、窒化物、半導体等から適宜選択される。金属としては、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等を用いればよく、合金もまたそれら金属を用いて生成されたものを用いればよい。炭化物としては、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等、硼化物としては、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6、YB4,GdB4等、窒化物としては、TiN,ZrN,HfN等、そして、半導体としては、Si,Ge等を用いればよい。ゲート電極5の厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数nmから数百nmの範囲で選択される。なお、ゲート電極5と導電層2は、同一材料でも異種材料でも良く、また、同一形成方法でも異種方法でも良い。
次に、絶縁層4上にゲート電極5を堆積する。ゲート電極5は、導電層2と同様に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的な真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成される。ゲート電極5の材料は、例えば、金属、合金、炭化物、硼化物、窒化物、半導体等から適宜選択される。金属としては、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等を用いればよく、合金もまたそれら金属を用いて生成されたものを用いればよい。炭化物としては、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等、硼化物としては、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6、YB4,GdB4等、窒化物としては、TiN,ZrN,HfN等、そして、半導体としては、Si,Ge等を用いればよい。ゲート電極5の厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数nmから数百nmの範囲で選択される。なお、ゲート電極5と導電層2は、同一材料でも異種材料でも良く、また、同一形成方法でも異種方法でも良い。
そして、ゲート電極5上に、フォトリソグラフィー技術などにより上記ゲート電極5と絶縁層4とを貫通する開口21を形成するためのパターン(開口)を有するマスク(不図示)を形成する。
(工程c)
次に、上記マスクを利用したエッチング工程を行い、ゲート電極5と絶縁層4を貫通し、電子放出膜3上面にまでおよぶ開口21を形成する。その後、マスクパターンを除去する。
次に、上記マスクを利用したエッチング工程を行い、ゲート電極5と絶縁層4を貫通し、電子放出膜3上面にまでおよぶ開口21を形成する。その後、マスクパターンを除去する。
なお、エッチングの手法はどのような手法を用いてもよい。開口21の平面形状は、円形に限られるものではない。エッチングの手法は、例えば、ゲート電極、絶縁層の材料、厚さにより、ドライエッチング法、ウエットエッチング法などを適宜選択してもよい。また、場合により集束イオンビームエッチング、などの部分的な微細加工などを適宜選択してもよい。開口21の平面形状は、上述したように、矩形や多角形状など、どのような形状であってもよい。
(工程d)
次に、上述の工程Bのように、工程c後の基体1(導電層2、電子放出膜3、及び、開口21を有する絶縁層とゲート電極5、を備える基体1)を水素と炭化水素の中性ラジカル雰囲気中に設置し、当該基体1を加熱する。これにより電子放出膜3の表面が水素で終端される。
次に、上述の工程Bのように、工程c後の基体1(導電層2、電子放出膜3、及び、開口21を有する絶縁層とゲート電極5、を備える基体1)を水素と炭化水素の中性ラジカル雰囲気中に設置し、当該基体1を加熱する。これにより電子放出膜3の表面が水素で終端される。
以上のようにして、図3に示す構成を形成することができる。次に図2や図3に示す電子放出素子の駆動方法について説明する。
本発明の実施形態に係る電子放出素子を用いた電子放出装置(画像表示装置も含む)では、例えば図5に示すように、一般にはトライオード構造(導電層2、ゲート電極5、アノード電極6を備える構造)を採用する。勿論、ゲート電極5を用いずに、図2に示した電子放出素子に対向する様に、アノード電極6を配置してダイオード構造の電子放出装置を構成する事も可能である。
図5では、図3に示す電子放出素子が配置された基体1の表面と実質的に平行になるように、第3の電極であるアノード電極6を配置している。アノード電極6には、導電層2とゲート電極5の間の電位よりも高い電位が印加される。典型的には、ゲート電極5に導電層2の電位よりも高い電位が印加され、そして、ゲート電極5の電位よりも十分に高い電位がアノード電極6に印加される。駆動時には、ゲート電極5に、導電層2の電位よりも高い電位を印加することで、電子放出膜3から電子が放出される。放出された電子は、開口21を通り抜けた後、アノード電極6の電位によってアノード電極6に引き寄せられ、アノード電極6に衝突する。
<変形例2>
また、本発明の電子放出素子は、図4(a)〜(c)に模式的に示す形態であっても良い。図4(a)は平面図であり、図4(b)は、図4(a)のb−b’における断面図の一例である。図4(c)も、図4(a)のb−b’における断面図の一例である。
また、本発明の電子放出素子は、図4(a)〜(c)に模式的に示す形態であっても良い。図4(a)は平面図であり、図4(b)は、図4(a)のb−b’における断面図の一例である。図4(c)も、図4(a)のb−b’における断面図の一例である。
図3に示した形態では、1つの電子放出素子に、1つの開口21を備えた形態を示した。本発明の実施形態に係る電子放出素子は、図4(a)に示す様に、1つの電子放出素子に、複数の開口21を備える形態であっても良い。更に、図4(c)に示すように、電子放出膜3が開口21内のみに配置された形態であってもよい。なお、図4と図3では、同じ部材には同じ符号を用いている。
<応用例>
次に、本実施形態に係る電子放出素子の応用例について以下に述べる。
次に、本実施形態に係る電子放出素子の応用例について以下に述べる。
本実施形態に係る電子放出素子を同一の基体表面上に複数配列することによって、例えば、電子源や画像表示装置を構成することができる。
(電子源)
図6を用いて、本実施形態に係る電子放出素子を複数備える電子源について説明する。図6において、1は基体(図2,3における基体1と同じものである)、42はX方向配線、43はY方向配線、44は本実施形態に係る電子放出素子である。
図6を用いて、本実施形態に係る電子放出素子を複数備える電子源について説明する。図6において、1は基体(図2,3における基体1と同じものである)、42はX方向配線、43はY方向配線、44は本実施形態に係る電子放出素子である。
X方向配線42は、Dx1、Dx2、…Dxmのm本の配線からなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された導電性材料(典型的には金属)で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方向配線43は、Dy1、Dy2、・・・Dynのn本の配線からなり、X方向配線42と同様に形成される。これらm本のX方向配線42とn本のY方向配線43との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者は電気的に分離されている。ここで、m及びnは共に正の整数である。不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された酸化シリコン等で構成される。
電子放出素子44を構成する、第1の電極(カソ―ド電極;導電層2)はm本のX方向配線42のうちの一つに接続され、第2の電極(ゲート電極5)はn本のY方向配線43のうちの一つに電気的に接続される。
X方向配線42、Y方向配線43、第1の電極、及び、第2の電極を構成する材料(構成元素)は、その一部或いは全部が同一であっても、またそれぞれ異なっていても良い。第1の電極及び第2の電極を構成する材料とそれぞれの配線材料が同一である場合には、X方向配線42、Y方向配線43は、それぞれ第1の電極或いは第2の電極ということもできる。
X方向配線42には、不図示の走査信号印加手段が接続される。走査信号印加手段は、選択されたX方向配線に接続されている電子放出素子44に走査信号を印加する。一方、Y方向配線43には、不図示の変調信号発生手段が接続される。変調信号発生手段は、電子放出素子44の各列に、入力信号に応じて変調された変調信号を印加する。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として定義される。
(画像表示装置)
上記構成の電子源を用いれば、個別の電子放出素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。このようなマトリクス配置の電子源を用いて構成した画像表示装置について、図7を用いて説明する。図7は、画像表示装置を構成する表示パネル58の一例を示す模式図である。
上記構成の電子源を用いれば、個別の電子放出素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。このようなマトリクス配置の電子源を用いて構成した画像表示装置について、図7を用いて説明する。図7は、画像表示装置を構成する表示パネル58の一例を示す模式図である。
図7において、51は電子源を備える基体(図6の基体1と同じものであり、「リアプレート」と呼ぶ場合もある)である。56は、透明なガラス基体53と、その内面に配置された蛍光体などの電子線の照射によって発光する発光部材からなる発光体膜54と、アノード電極としての導電性膜(メタルバックと呼ぶ場合もある)55とが設けられたフェースプレートである。52は支持枠であり、支持枠52には、リアプレート51、フェースプレート56がフリットガラス等の接着剤を用いて接続(封着)されている。57は外囲器(気密容器)であり、フェースプレートとリアプレートと支持枠とを封着することで構成されている。フェースプレート56とリアプレート51との間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器57を構成することもできる。なお、本実施形態では図6の基体1と図9のリアプレート51を同じものとしているが、図6の基体1を他の基体に固定し、当該他の基体を外囲器57の一部としてもよい。その場合には、当該他の基体をリアプレートと呼ぶ。
また、図7を用いて説明した本実施形態の表示パネル58を用いて情報表示再生装置を構成することができる。
具体的には、受信装置と、受信した信号を選曲するチューナーと、選曲した信号に含まれる信号を、表示パネル58に出力して表示パネル58のスクリーンに表示または再生させる。上記受信装置は、テレビジョン放送などの放送信号を受信することができる。また、上記選曲した信号は、映像情報、文字情報および音声情報の少なくともいずれかを含む。なお、図7で示した表示パネル58において、上記「スクリーン」は発光体膜54に相当する。この構成によりテレビジョンなどの情報表示再生装置を構成することができる。勿論、放送信号がエンコードされている場合には、本実施形態の情報表示再生装置はデコーダーも含むことができる。また、音声信号については、別途設けたスピーカーなどの音声再生手段に出力して、表示パネル58に表示される映像情報や文字情報と同期させて再生する。
また、映像情報または文字情報を表示パネル58に出力してスクリーンに表示、再生、又は、表示と再生の両方を行う方法としては、例えば次のように行うことができる。まず、受信した映像情報や文字情報から、表示パネル58の各画素に対応した画像信号を生成
する。そして、生成した画像信号を、画像表示装置の駆動回路に入力する。そして、駆動回路に入力された画像信号に基づいて、駆動回路から表示パネル58内の各電子放出素子に印加する電圧を制御して、画像の表示、再生を行う。駆動回路とは、例えば、上述した走査信号制御手段や変調信号発生手段のことである。
する。そして、生成した画像信号を、画像表示装置の駆動回路に入力する。そして、駆動回路に入力された画像信号に基づいて、駆動回路から表示パネル58内の各電子放出素子に印加する電圧を制御して、画像の表示、再生を行う。駆動回路とは、例えば、上述した走査信号制御手段や変調信号発生手段のことである。
図8は、本実施形態に係る情報表示再生装置の一例である、テレビジョン装置のブロック図である。
受信回路C20は、チューナーやデコーダー等からなり、衛星放送や地上波等のテレビ信号、インターネットなどのネットワークを介したデータ放送等を受信し、復号化した映像データをI/F部(インターフェース部)C30に出力する。I/F部C30は、映像データを表示装置の表示フォーマットに変換して上記画像表示装置C10に画像データを出力する。画像表示装置C10は、表示パネルC11、駆動回路C12及び制御回路C13を備える。制御回路は、表示パネルに適した画像データにするために入力された画像データに補正処理等の画像処理を施すともに、駆動回路C12に画像データ及び各種制御信号を出力する。駆動回路C12は、入力された画像データに基づいて、表示パネルC11の各配線(図5,9のDx1〜Dxm、Dy1〜Dynなど)に駆動信号を出力し、表示パネルのスクリーンにテレビ映像を表示する。受信回路C20とI/F部C30は、セットトップボックス(STB)として画像表示装置C10とは別の筐体に収められていてもよいし、画像表示装置C10と同一の筐体に収められていてもよい。
また、情報表示再生装置は、プリンター、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、ハードディスクドライブ(HDD)、デジタルビデオディスク(DVD)などの画像記録装置や画像出力装置と接続するためのインターフェースを備える構成とすることもできる。このようにすれば、画像記録装置に記録された画像を表示パネルC11に表示させることもできる。また、表示パネルC11に表示させた画像を、必要に応じて加工し、画像出力装置に出力させることのできる情報表示再生装置(またはテレビジョン)を構成することもできる。
ここで述べた情報表示再生装置の構成は、一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。また、本発明の実施形態に係る情報表示再生装置は、テレビ会議システムやコンピュータ等のシステムと接続することで、様々な情報表示再生装置を構成することができる。
<実施例>
以下本発明の実施例を詳細に説明する。
以下本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
図2に示した電子放出素子を図1の作製フローに従って作製した。
図2に示した電子放出素子を図1の作製フローに従って作製した。
(工程1)
基体1として石英基板を用い、これを十分に洗浄した後、基体1上に導電層2としてTiN膜をスパッタ法にて100nmの厚さで成膜した。雰囲気ガスは、ArガスとN2ガスとを9:1の割合で混合したガスを用い、以下の条件で成膜を行った。
(成膜条件)
Rf電源 : 13.56MHz
Rf出力 : 8W/cm2
雰囲気ガス圧 : 0.5Pa
ターゲット : Ti
基体1として石英基板を用い、これを十分に洗浄した後、基体1上に導電層2としてTiN膜をスパッタ法にて100nmの厚さで成膜した。雰囲気ガスは、ArガスとN2ガスとを9:1の割合で混合したガスを用い、以下の条件で成膜を行った。
(成膜条件)
Rf電源 : 13.56MHz
Rf出力 : 8W/cm2
雰囲気ガス圧 : 0.5Pa
ターゲット : Ti
(工程2)
そして、導電層2上にプラズマCVD法を用いて、ダイヤモンドライクカーボン膜を厚さ約30nm堆積させ、電子放出膜3とした。
そして、導電層2上にプラズマCVD法を用いて、ダイヤモンドライクカーボン膜を厚さ約30nm堆積させ、電子放出膜3とした。
(工程3)
次に、水素とエチレンの混合ガス雰囲気中で加熱処理(基板加熱処理)を行い、電子放出膜3の表面を水素で終端した。雰囲気ガスは、水素とエチレンを3:7の割合で混合したガスを用い、以下の条件で加熱処理を行った。
(加熱条件)
加熱温度 :600℃
加熱方式 :ランプ加熱
処理時間 :10分
雰囲気ガス圧 :100torr(SI単位にすると13.3kPa程度)
次に、水素とエチレンの混合ガス雰囲気中で加熱処理(基板加熱処理)を行い、電子放出膜3の表面を水素で終端した。雰囲気ガスは、水素とエチレンを3:7の割合で混合したガスを用い、以下の条件で加熱処理を行った。
(加熱条件)
加熱温度 :600℃
加熱方式 :ランプ加熱
処理時間 :10分
雰囲気ガス圧 :100torr(SI単位にすると13.3kPa程度)
このとき、混合ガス雰囲気を四重極質量分析計(Qマス)にて分析したところ、水素と炭化水素の中性ラジカルの総分圧は、3.5×10−6Paであった。
このようにして作製した電子放出素子の電子放出特性を測定した。当該電子放出素子の上方(電子が放出される側)に、ある程度離れてアノード電極を配置し、アノード電極とカソード電極との間に電圧(駆動電圧)を印加した。その結果、電子放出膜を水素で終端していない場合よりも、低い電界強度で電子を放出して、良好な電子放出特性を示し、かつ電子放出点密度が大きく、電子放出量のゆらぎも小さかった
一方、比較例として、水素と炭化水素の中性ラジカルの総分圧が2.6×10−12Paのガス雰囲気中で基板加熱処理を行って電子放出素子を作製した。
比較例の電子放出素子の電子放出特性を測定した結果、比較例の電子放出素子よりも水素と炭化水素の中性ラジカルの総分圧が3.5×10−6Paのガス雰囲気中で基板加熱処理を行って作製した電子放出素子の方が、低い電界強度で電子を放出した。さらに、比較例の電子放出素子よりも水素と炭化水素の中性ラジカルの総分圧が3.5×10−6Paのガス雰囲気中で基板加熱処理を行って作製した電子放出膜の方が、良好な電子放出特性を示し、かつ電子放出密度が大きく、電子放出量のゆらぎも小さかった。尚、水素と炭化水素の中性ラジカルの総分圧が1×10−3Paであるガス雰囲気中で基板加熱処理を行った。そのように作製された電子放出素子の電子放出密度は、本実施例の電子放出素子のものよりも明らかに小さかった。そこで、水素と炭化水素の中性ラジカルの総分圧を変化させたところ、電子放出密度が大きく、且つ、電子放出量のゆらぎも小さい電子放出素子を再現性良く得られる当該中性ラジカルの総分圧の実用的な範囲に関する知見を得ることができた。当該範囲は、2×10−11Paよりも大きく8×10−4Paより小さい範囲であった。
(実施例2)
図9に示した製造方法に従って、電子放出素子を作製した。
図9に示した製造方法に従って、電子放出素子を作製した。
(工程1)
基体1として石英基板を用い、これを十分に洗浄した後、基体1上に導電層2としてTiN膜をスパッタ法にて100nmの厚さで成膜した。雰囲気ガスは、ArガスとN2ガスとを9:1の割合で混合したガスを用い、以下の条件で成膜を行った。
(成膜条件)
Rf電源 : 13.56MHz
Rf出力 : 8W/cm2
雰囲気ガス圧 : 1.2Pa
ターゲット : Ti
基体1として石英基板を用い、これを十分に洗浄した後、基体1上に導電層2としてTiN膜をスパッタ法にて100nmの厚さで成膜した。雰囲気ガスは、ArガスとN2ガスとを9:1の割合で混合したガスを用い、以下の条件で成膜を行った。
(成膜条件)
Rf電源 : 13.56MHz
Rf出力 : 8W/cm2
雰囲気ガス圧 : 1.2Pa
ターゲット : Ti
(工程2)
そして、導電層上にスパッタ法を用いて、ダイヤモンドライクカーボン膜を厚さ約30nm堆積させ、電子放出膜3とした。
そして、導電層上にスパッタ法を用いて、ダイヤモンドライクカーボン膜を厚さ約30nm堆積させ、電子放出膜3とした。
(工程3)
次に、電子放出膜3上に、プラズマCVD法により絶縁層4としてSiO2を厚さ1mm成膜した。
次に、電子放出膜3上に、プラズマCVD法により絶縁層4としてSiO2を厚さ1mm成膜した。
(工程4)
そして、絶縁層4上に、ゲート電極5として、Ptを100nmの厚さになるように成膜した。
そして、絶縁層4上に、ゲート電極5として、Ptを100nmの厚さになるように成膜した。
(工程5)
次に、ゲート電極5上に、ポジ型フォトレジストをスピンコートし、フォトマスクパターン(円形)を露光、現像し、マスクパターンを形成した。マスクパターンに設けた開口(円形)の大きさは、直径1.5μmとした。なお、開口の数は、図4に示した様に複数個形成してもよく、特に限定されるものではない。
次に、ゲート電極5上に、ポジ型フォトレジストをスピンコートし、フォトマスクパターン(円形)を露光、現像し、マスクパターンを形成した。マスクパターンに設けた開口(円形)の大きさは、直径1.5μmとした。なお、開口の数は、図4に示した様に複数個形成してもよく、特に限定されるものではない。
(工程6)
ドライエッチングにより、上記マスクパターンの開口内に露出するゲート電極5、および、当該ゲート電極5の直下に位置する絶縁層4を取り除き、開口21を形成した。これにより、開口21内に電子放出膜3の表面が露出された。
ドライエッチングにより、上記マスクパターンの開口内に露出するゲート電極5、および、当該ゲート電極5の直下に位置する絶縁層4を取り除き、開口21を形成した。これにより、開口21内に電子放出膜3の表面が露出された。
(工程7)
残ったマスクパターンを、剥離液にて除去し、水洗を行った。
残ったマスクパターンを、剥離液にて除去し、水洗を行った。
(工程8)
次に、水素とエチレンの混合ガス雰囲気中で基板加熱処理を行い、電子放出膜3の表面を水素で終端した。雰囲気ガスは、水素とエチレンを1:9の割合で混合したガスを用い、以下の条件で加熱処理を行った。
(加熱条件)
加熱温度 :600℃
加熱方式 :ランプ加熱
処理時間 :10分
雰囲気ガス圧 :100torr(SI単位にすると13.3kPa程度)
次に、水素とエチレンの混合ガス雰囲気中で基板加熱処理を行い、電子放出膜3の表面を水素で終端した。雰囲気ガスは、水素とエチレンを1:9の割合で混合したガスを用い、以下の条件で加熱処理を行った。
(加熱条件)
加熱温度 :600℃
加熱方式 :ランプ加熱
処理時間 :10分
雰囲気ガス圧 :100torr(SI単位にすると13.3kPa程度)
この時、混合ガス雰囲気を四重極質量分析計(Qマス)にて分析したところ、水素と炭化水素の中性ラジカルの層分圧は、1.5×10−7Paであった。
以上の工程で、実施例2の電子放出素子を完成させた。
このように作製した電子放出素子の電子放出特性を測定した。測定の際、本実施例で作製した電子放出素子を図5に示すように、電子放出素子の上方に、離れて、アノード電極6を配置した。そして、アノード電極6、導電層2、ゲート電極5にそれぞれ電圧(電位)を印加して、電子放出特性を測定した。
印加電圧は、アノード電極に印加する電圧(加速電圧)をVa=10kV、ゲート電極
とカソード電極間に印加する電圧(駆動電圧)をVb=20Vとし、電子放出膜3とアノード電極6との距離Hを2mmとした。その結果、本実施例の電子放出素子は、低い電界強度で電子を放出する良好な電子放出特性を示し、電子放出量のゆらぎも小さかった。
とカソード電極間に印加する電圧(駆動電圧)をVb=20Vとし、電子放出膜3とアノード電極6との距離Hを2mmとした。その結果、本実施例の電子放出素子は、低い電界強度で電子を放出する良好な電子放出特性を示し、電子放出量のゆらぎも小さかった。
(実施例3)
上記実施例2で作製した電子放出素子を用いて図7に示す画像表示装置(表示パネル58)を作製した。
上記実施例2で作製した電子放出素子を用いて図7に示す画像表示装置(表示パネル58)を作製した。
実施例2で示した電子放出素子を、X方向に100個、Y方向に100個、マトリクス状に配置した。配線は図5に示したようにX方向配線42(Dx1〜Dxm)を導電層2に接続し、Y方向配線43(Dy1〜Dyn)をゲート電極5に接続した。各電子放出素子44の上方には発光体膜54とアノード電極であるメタルバック55を配置した。図5では、1つの電子放出素子44に開口21が一つ形成されている例を示しているが、開口の数は一つに限定されるものではなく、複数の開口を備えていても構わない。
外囲器57を封着するために接着剤としてインジウムを用いてリアプレート51とフェースプレート56とを支持枠52を間に挟んで封着した。この結果、単純マトリクス駆動が可能で、高精細で、輝度ばらつきの少ない、画像表示装置が形成できた。
以上述べたように、本実施形態では、非常に高い温度を要することなく、簡易な方法で、電子放出特性が良好な電子放出素子を作製することができた。また、当該電子放出素子は、電子放出点密度が大きく、かつ、電子放出量のゆらぎの小さい電子放出が可能であった。さらに、当該電子放出素子を用いた電子源や、単純マトリクス駆動が可能で、高精細で、輝度ばらつきの少ない、画像表示装置画像表示装置を、容易に作製することができた。
1 基体
2 導電層
3 電子放出膜
4 絶縁層
5 ゲート電極
6 アノード電極
21 開口
42 X方向配線
43 Y方向配線
44 電子放出素子
51 リアプレート
52 支持枠
53 ガラス基体
54 発光体膜
55 メタルバック
56 フェースプレート
57 外囲器
58 表示パネル
2 導電層
3 電子放出膜
4 絶縁層
5 ゲート電極
6 アノード電極
21 開口
42 X方向配線
43 Y方向配線
44 電子放出素子
51 リアプレート
52 支持枠
53 ガラス基体
54 発光体膜
55 メタルバック
56 フェースプレート
57 外囲器
58 表示パネル
Claims (6)
- 導電層上に電子放出材料を含む膜を形成する工程と、
前記電子放出材料を含む膜が形成された導電層を水素および炭化水素のラジカルを含む雰囲気中で加熱する工程と、
を有する電子放出素子の製造方法であって、
前記雰囲気における前記水素および炭化水素のラジカルの総分圧が2×10−11Pa以上、8×10−4Pa以下である
ことを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 前記電子放出材料を含む膜の主成分が絶縁体である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。 - 前記電子放出材料を含む膜の主成分が炭素である
ことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法で製造された
ことを特徴とする電子放出素子。 - 請求項4に記載の電子放出素子を複数備える
ことを特徴とする電子源。 - 請求項5に記載の電子源と、
電子の照射によって発光する発光部材と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007281429A JP2009110791A (ja) | 2007-10-30 | 2007-10-30 | 電子放出素子、電子源、画像表示装置および電子放出素子の製造方法 |
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- 2007-10-30 JP JP2007281429A patent/JP2009110791A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110104 |