JP2005339836A - 防水コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両組付け後の導通検査を容易に行い得るようにした防水コネクタを提供する。
【解決手段】 防水コネクタ10の端子挿入部15の周壁15bに端子収容室12の後部に連通する検査孔15cを形成すると共に、検査孔15cを通して外部から検査棒Tを挿入することで端子収容室12内の端子21の後部への検査棒Tの接触を可能とする。また、カバー41と端子挿入部15との間にカバー41の装着状態において検査孔15cを密閉するシール部材31を介在して密封可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防水コネクタに関し、詳しくは、車両への組付け後における導通検査を容易に行い得るようにするものである。
従来、車両のエンジンルーム、ブレーキ部、フロア下など車外に配索されるワイヤハーネスの接続部位には、防水コネクタが用いられている。この種の一般的な防水コネクタは、ハウジング本体の端子収容室内を水密状態に保持するため、ハウジング本体後部の端子挿入部に防水栓を装着し、この防水栓によって端子付電線の外部との境界部分を密封することで防水性を確保するようにしている。また、電線挿入部には挿入される電線端末を保護するためにカバーが装着され、更にこのカバーにはワイヤハーネスに外装したコルゲートチューブの端末を保持することができるようになっている。なお、この種の防水コネクタとしては特許文献1に記載のものが知られている。
特開平10−27646号公報
車両へのワイヤハーネスの組付け後におけるメンテナンス時等において、防水コネクタに導通検査を施す場合がある。従来、このような導通検査を行うには、図7(A)(B)に示すように、防水コネクタ1におけるハウジング本体2の後部において端子挿入部3に取り付けられたカバー(図示せず)を外した後、ゴム製の防水栓4をテスターの検査棒5の先端で変形させる。次いで、防水栓4と端子挿入部3との間に検査棒5を挿入すると共に、更に電線Wの軸方向に沿って深く挿入することで検査棒5の先端を端子収容室2a内に収容された端子6の後端部に接触させ、これにより端子6の導通検査を行うようにしている。
しかしながら、防水栓4は水密性を確保する必要があるために圧縮されていると共に、端子6間の狭ピッチ化に伴って端子挿入部3との間に殆ど余裕がない。このような状況において、検査棒5の先端で防水栓4を無理やり変形させることで検査棒5の挿入スペースを確保するというやり方では、防水栓4が損傷したり、端子収容室2aの内面に傷をつけたりすることによって、検査棒を抜いた後、本来の防水機能が発揮できなくなるおそれがあった。更に、検査棒5の過剰な挿入によって端子6を損傷する可能性もあった。
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、ハウジング本体への端子および防水栓の組付け後においても、端子収容室への外部からの検査棒の挿入を容易に行うことができる構造を備えた防水コネクタを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明では、電線の端末に取り付けられた端子と、該端子を収容する端子収容室を備えたハウジング本体と、該ハウジング本体の後部に形成されると共に上記端子収容室から延設された端子挿入部と、該端子挿入部の内面と上記電線の外面との間を密閉する防水栓と、上記端子挿入部を開閉可能に覆うようにしてハウジング本体に装着されるカバーとからなる防水コネクタにおいて、上記端子挿入部の周壁に上記端子収容室の後部に連通する検査孔を形成すると共に、該検査孔を通して外部から検査棒を挿入することで上記端子収容室内の端子への上記検査棒の接触を可能とし、上記カバーと端子挿入部との間にカバーの装着状態において上記検査孔を密閉するシール部材を介在していることを特徴とする防水コネクタを提供している。
上記構成によれば、端子の導通検査時において、カバーおよびシール部材を取り外すことによって、端子挿入部の周壁に形成した検査孔を露出させることができる。よって、この検査孔を通して外部から検査棒を挿入すれば端子収容室内の端子に対し検査棒を容易に接触させて導通検査を行うことができる。また、防水コネクタの通常使用時においては、シール部材およびカバーによって検査孔が塞がれるので、検査孔の存在により防水性が低下するのを確実に防止できる。
上記検査孔は上記端子挿入部における上記防水栓の装着領域に干渉しない位置に形成するのが好ましい。
このようにすれば、検査孔を通しての検査棒の挿入時に検査棒が防水栓に干渉しないので、検査棒の挿入作業性を向上できると共に、防水栓による抵抗を受けないので端子に対して検査棒が当接した感触が得易くなり、検査棒の過剰挿入による端子の損傷を防止できる。
また、上記シール部材は上記端子挿入部の周壁に形成した凹部に装着すると共に、上記カバーの内面には上記シール部材を押圧可能な押圧突部を形成してもよい。
この構成によれば、シール部材を所定位置に容易に組付けることができると共に、カバー内面の押圧突部によって凹部内のシール部材を圧縮することで検査孔に対するシール部材のシール性を向上することができる。
上記シール部材は上記カバーの内面に一体的に装着するように構成してもよい。このようにすれば、ハウジング本体へのカバーの装着によりシール部材を検査孔の所要位置に容易かつ確実に装着することができ、組立て作業性を向上することができる。
また、検査時においては、カバーを外すのみで検査孔を露出させることができると共に、シール部材紛失のおそれもない。なお、シール部材のカバー内面への装着は、接着、モールド成型、二色成型等の手段により行うことができる。
また、カバーはハウジング本体に対し別体で準備したものを凹凸係合等の係止手段により装着固定するか、もしくはハウジング本体に対しヒジジ手段等を介して開閉可能に一体成型することもできる。更に、カバー自体は半割り構造として凹凸係合のロック手段によって開閉可能とし、カバーの後端部内面にコルゲートチューブを係止するための凹凸係合部を形成した構成としてもよい。また、ハウジング本体に挿入すべき端子は1本でも複数本でもよく、挿入された端子が取り付けられた電線に対する防水処理のための防水栓は各電線毎のセパレートタイプでも、複数の電線の挿入孔を備えた一括タイプでもよい。
以上の説明より明らかなように、本発明の防水コネクタによれば、車両への組付け後の防水コネクタの端子に対し導通検査を行う際、カバーおよびシール部材を取り外すことにより端子挿入部に設けた検査孔を露出させ、この検査孔を通して検査棒を端子収容室に挿入することで容易に導通検査を行うことができる。その際、従来のように防水栓の後端と端子挿入部の内面との間に無理やり検査棒を挿入する必要がないので、防水栓を損傷して防水性の低下をきたすおそれもない。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示し、防水コネクタ10は合成樹脂製のハウジング本体11と、電線Wの端末に防水栓22と共に取り付けられた端子21と、ゴム等の弾性材からなるシール部材31と、ハウジング本体11に着脱可能に装着されるカバー41とから構成している。
ハウジング本体11は内部に4列2段にわたり複数の端子21を収容可能な端子収容室12が区割り形成された筒状の端子収容部13と、この端子収容部13の外周を間隔をあけて覆うフード部14とを備え、端子収容部13の外周には相手側コネクタ(図示せず)との間の防水を図るゴムリング13aを装着している。
また、端子収容部13の後部には、各端子収容室12に連通する端子挿入口15aを備えた筒状の端子挿入部15を後方へ一体的に延設している。この端子挿入部15の周壁15bの基部には、各端子収容室12に連通する検査孔15cをそれぞれ形成し、この検査孔15cを通して導通検査用の検査棒Tを端子収容室12内へ挿入可能としている。検査孔15cの形成位置は端子収容室12内の所要位置に端子21を挿入したとき、端子収容室12の後端内周面に緊密に挿入される防水栓22の装着領域に干渉しない位置に設定している。
また、端子挿入部15の周壁15bの外周面には、検査孔15cが形成された領域を包囲する範囲にわたり凹部15dを形成している。シール部材31は周壁15bに形成された検査孔15cを閉塞するために凹部15dの形状に合致させて別体で成型され、凹部15dに対し若干圧縮する状態で嵌合固定している。また、端子挿入部15の両端部にはカバー41を係合固定するための係止突部15eをそれぞれ突設している。
カバー41は合成樹脂製からなる角筒状をなす上下一対の半割部品42a、42bの組み合わせ構造からなっている。一方の半割部品42aの合わせ面付近における前後両側位置には他方の半割部品42b側へ向けて突出する係合枠43a、43bを形成している。他方の半割部品42bには、図2に示すように、半割部品42a、42bの組み合わせ状態において係合枠43a、43bに係合して半割部品42a、42bを固定するための係止突起44a、44bを突設している。
各半割部品42a、42bの前部は端子挿入部15に対応して端子挿入部15覆うようにして嵌合可能な形状とし、内面両側にはカバー41の嵌合状態において端子挿入部15に突設した係止突部15eに係合してカバー41の抜け方向の移動を規制する係止リブ45をそれぞれ突設している。また、各半割部品42a、42bの前部内面上下位置には端子挿入部15の周壁15bに装着されたシール部材31を押圧可能な押圧突部46をそれぞれ突設し、端子挿入部15にカバー41を装着すると同時にシール部材31を検査孔15cに密着させる方向に押圧可能としている。
半割部品42a、42bの後部は、電線Wに外装されたコルゲートチューブ51を差込可能な形状とし、端部内面にはコルゲートチューブ51外周の凹凸部51aに係合して、コルゲートチューブ51を抜け止め保持するための半円状の係止片47を連設している。
次に、本発明の防水コネクタ10の作用について説明する。
防水コネクタ10の車両組付け状態においては、図2、図3に示すように、ハウジング本体11の端子収容室12に対し端子挿入口15aから端子21および防水栓22が挿入され、外部に突出する電線Wを覆うようにしてカバー41が端子挿入部15に装着されている。そして、車両組付け後においてメンテナンス等により端子21に対する導通検査が必要になったときは、先ずカバー41の係合枠43a、43bと係止突起44a、44bとの係止状態を解除して半割部品42a、42bに分離する。次いで、端子挿入部15の凹部15dに装着されていたシール部材31を取り外す。このようにすることで、図4に示すように、端子挿入部15の周壁15bに検査孔15cが露出した状態となる。
次いで、図5に示すように、テスター等の検査棒Tの先端を検査すべき端子21が収容された端子収容室12内に検査孔15cを通して挿入し、収容された端子21の後部に接触させる。これにより、検査すべき端子21は検査棒Tを介して検査装置に電気的に接続された状態となるため、所要の導通検査を行うことができる。なお、検査棒Tを検査孔15cを通して端子収容室12内に挿入するとき、検査孔15cは端子収容室12内における防水栓22に干渉しないようになっているので、抵抗なく挿入できると共に、防水栓22を損傷するおそれもない。
所要の検査が完了した後は、取り外したシール部材31を端子挿入部15の凹部15dに装着すると共に、半割部品42a、42bの前部を端子挿入部15に対し上下から挟み込むようにして組み合わせ、同時にコルゲートチューブ51を後部の係合片47で固定する。このとき、半割部品42a、42bの前部内面に形成した押圧突部46がシール部材31に圧縮作用するため、シール部材31による検査孔15cの密封を確実なものとすることができる。
図6は第2実施形態の防水コネクタ110を示し、シール部材131をカバー141の各半割部品142a、142bの内面に一体的に装着固定している。シール部材131のカバー141内面への装着固定は接着、モールド成型、二色成型等の手段により行うことができる。こようにして、シール部材131をカバー141に一体化した場合は、ハウジング本体111の端子挿入部115の周壁115bはシール部材131を嵌合する凹部を形成することなくフラットな状態としてもよい。
なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため、同一符号を付してその説明を省略する。
上記のように構成した第2実施形態の防水コネクタ110では、検査棒Tによる導通検査に際し、端子挿入部115に嵌合されたカバー141を取り外すのみで、シール部材131を同時に取り外して検査孔15cを露出することができる。また、検査後においては、端子挿入部115にカバー141を装着するのみで、開放された検査孔15cをカバー141に一体化されたシール部材131で閉塞すると共に、カバー141の押圧力によってシール部材131を密着させることができる。
なお、上記実施形態においては、雌型の端子21を装着した雌コネクタについて説明したが、雄コネクタにおいても同様に適用可能であり、端子21の極数が複数のものを示したが1極の場合にも同様に適用可能である。また、各電線Wの外周と端子収容室12との間を密閉する防水栓22は、上記実施形態においては各電線W毎に独立したセパレートタイプのものを示したが、板状の弾性体に各電線Wの挿通位置に対応する複数の挿入孔を形成した一部品の一括タイプのものであってもよい。また、カバー41はハウジング本体11と別体の例を示したが、ハウジング本体11に対しヒンジにより開閉可能に一体化したものであってもよい。端子21として圧着により電線Wと接続するタイプのものを示したが、圧接により電線Wと接続するタイプであってもよい。
本発明の防水コネクタにおける第1実施形態の分解斜視図である。 (各構成部品の組付け状態を示す斜視図である。 図2のX−X断面図である。 カバーおよびシール部材を取り外した状態の断面図である。 導通検査時の状態を示す断面図である。 第2実施形態を示す要部の分解斜視図である。 (A)(B)は従来例を示す図である。
符号の説明
10、110 防水コネクタ
11、111 ハウジング本体
12 端子収容室
15、115 端子挿入部
15b、115b 周壁
15c 検査孔
15d 凹部
21 端子
22 防水栓
31、131 シール部材
41、141 カバー
46 押圧突部
T 検査棒
W 電線

Claims (4)

  1. 電線の端末に取り付けられた端子と、該端子を収容する端子収容室を備えたハウジング本体と、該ハウジング本体の後部に形成されると共に上記端子収容室から延設された端子挿入部と、該端子挿入部の内面と上記電線の外面との間を密閉する防水栓と、上記端子挿入部を開閉可能に覆うようにしてハウジング本体に装着されるカバーとからなる防水コネクタにおいて、上記端子挿入部の周壁に上記端子収容室の後部に連通する検査孔を形成すると共に、該検査孔を通して外部から検査棒を挿入することで上記端子収容室内の端子への上記検査棒の接触を可能とし、上記カバーと端子挿入部との間にカバーの装着状態において上記検査孔を密閉するシール部材を介在していることを特徴とする防水コネクタ。
  2. 上記検査孔は上記端子挿入部における上記防水栓の装着領域に干渉しない位置に形成している請求項1に記載の防水コネクタ。
  3. 上記シール部材は上記端子挿入部の周壁に形成した凹部に装着すると共に、上記カバーの内面には上記シール部材を押圧可能な押圧突部を形成している請求項1または請求項2に記載の防水コネクタ。
  4. 上記シール部材は上記カバーの内面に一体的に装着している請求項1または請求項2に記載の防水コネクタ。
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