JP2005335514A - 車輪支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータの筐体をより車輪の内側に収める。
【解決手段】 車輪支持装置は、インホイールモータ70のシャフト110に接続され、インホイールモータ70により発生された動力をホイールディスク10に伝達する等速ジョイント30と、等速ジョイント30およびホイールディスク10を回転可能に支持するベアリング11,12のアウターレース406と、インホイールモータ70のケースの一方端の周囲に固定され、ケースからアウターレース406までの間を覆うようにして設けられる環状のブーツ400とを含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車輪支持装置に関し、特に、外部から異物の侵入を防ぐ構造を有する車輪支持装置に関する。
従来、駆動力を発生するモータを有し、モータと車輪との間に等速ジョイントが設けられる車両について、以下の公報のような技術が開示される。
特表2003−530263号公報(特許文献1)は、簡単化された駆動および簡単化されたサスペンションリンケージがある車両伝動装置を開示する。この車両伝動装置は、支持体と、被動輪用ハブユニットと、ハブユニットに個々にかつハブユニットに隣接して支持体に取り付けられる駆動モータ構体と、駆動モータ構体をハブユニットの回転可能な部分に接続しかつハブユニットの回転可能な部分に駆動接続される軸の機外端において固定の、定速度、自在継ぎ手に接続される軸を含んでいる軸構体と、ハブユニットの回転不能な部分と支持体との間に接続される車輪サスペンションと、ハブユニットの回転不能な部分をモータ構体に接続する堅固な管とを含む。車両伝動装置は、回転不能な部分が自在継ぎ手の連接中心のまわりに管に対して枢着される。軸は、管内に横たわりかつモータ構体に、すなわち、連接される継ぎ手なしに堅固に接続される。モータ構体は、このモータ構体を貫通するかまたはそれに隣接する軸線まわりで支持体に枢動される。
特許文献1に開示された車両伝動装置によると、車輪が個々のモータによって駆動される非常に軽量なかつ簡単な配置を構成する。
一方、車輪内に駆動力を発生するモータを有し、モータと車輪との間をブーツにより保護する車両について、以下の公報のような技術が開示される。
特開2004−90696号公報(特許文献2)は、中空形状のモータを弾性体および/または減衰機構を介して足回り部品に取り付けて成るインホイールモータシステムに対して、有効な防水、防塵対策を施して、インホイールモータシステムの信頼性を向上させる。このインホイールモータシステムは、車輪部に設けられた中空形状のダイレクトドライブモータの非回転側ケースを、弾性体および/または減衰機構を介してバネ下部品に弾性支持し、モータの回転側ケースとホイールとをフレキシブルカップリングにより結合させて、モータをダイナミックダンパとして機能させた、モータと足回り部品とが別々に上下する構成である。このインホイールモータシステムにおいて、モータとホイールとの間に1個あるいは複数個の伸縮自在な環状のダストブーツを設けて、モータとホイール間により形成される空隙を外部から遮断するようにした。
特許文献2に開示されたインホイールシステムによると、空隙への石や塵芥等の侵入を防止できるので、インホイールモータシステムの信頼性を向上させることが可能となる。
特表2003−530263号公報 特開2004−90696号公報
車輪内に駆動力を発生するモータを有する車両において、モータの筐体は、可能な限り車輪内に収まるように設けることが望ましい。このようにすると、車輪が操舵されたときに、モータの筐体の回転半径が小さくなるため、ステアリングタイロッド、アッパーアーム、ロアアームとの干渉を回避することができる。しかしながら、たとえば、特許文献1に開示された車両伝動装置を、車輪内にモータを設けるインホイールモータ車両に適用すると、モータの筐体と等速ジョイントとの間が狭くなるため、等速ジョイントとモータの出力軸との間を保護するブーツを取り付けることが困難になる問題がある。等速ジョイントとモータの出力軸との接続部はブーツにより保護されないと、外部から水や石、砂等の異物が侵入する可能性がある。等速ジョイントに外部から異物が侵入すると、等速ジョイントは、水による錆や石による傷つきなどが発生して動作に支障をきたす可能性がある。
また、特許文献2に開示されたインホイールモータシステムにおいては、モータの筐体と車輪との間を遮蔽するようにブーツが設けられる。そのため、車輪内においてブレーキおよびモータ等により発生する熱を外部に放熱できないという問題がある。ブレーキの熱が外部に放熱できないと、ブレーキおよびモータの性能の低下、さらにブーツの熱による劣化等の問題がある。また、ブーツを車輪とモータの筐体との間に設けるため、ブーツを車輪およびモータの筐体のそれぞれ固定することは、困難である。したがって、組付け性が悪化するという問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、放熱性、組付け性を低下させることなく、モータの筐体をより車輪の内側に収めることができる車輪支持装置を提供することである。
第1の発明に係る車輪支持装置は、車輪の駆動力を発生するモータを車輪内に有する。車輪支持装置は、モータの出力軸に接続され、モータにより発生された動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、動力伝達機構および車輪を回転可能に支持する回転支持部材と、モータの筐体の一方端の周囲に固定され、筐体から回転支持部材までの間を覆うようにして設けられる環状の保護部材とを含む。
第1の発明によると、車輪支持装置は、モータの筐体の一方端の周囲に固定され、筐体から回転支持部材(たとえば、ナックル)までの間を覆うようにして設けられる環状の保護部材を含む。モータの筐体とナックルとの間には、モータの駆動力を車輪に伝達する動力伝達機構(たとえば、等速ジョイント)が設けられる。モータの筐体とナックルまでの間を覆うように環状の保護部材を設けると、モータの出力軸と出力軸に接続される等速ジョイントの可動する部位とを外部から保護することができる。さらに、モータの筐体をよりナックルに接近させても、すなわち、モータの筐体を等速ジョイントに接近させても、モータの筐体とナックルとの間に設けられるため、従来のように出力軸に固定される場合と比較して容易に保護部材を取り付けることができる。また、保護部材は、車輪の中心側に設けられる等速ジョイントを覆うように設けられる。すなわち、車輪とモータの筐体との間は、外部から遮蔽されない。そのため、モータの筐体および車輪内の外周側に設けられるブレーキにおいて発生した熱を車輪の外部に放熱することができる。したがって、放熱性、組付け性を低下させることなく、モータの筐体をより車輪の内側に収めることができる車輪支持装置を提供することができる。また、モータの筐体とナックルとの間の外周を覆うように保護部材を設けると、等速ジョイントを回転支持するベアリングを保護部材の内部に収めることができるため、ベアリングの内部のオイルの漏出を抑制するオイルシールを廃止することができる。そのため、オイルシールによる回転抵抗の増加を抑制することができる。さらにオイルシールを廃止することにより、コストの低減が図れる。
第2の発明に係る車輪支持装置においては、第1の発明の構成に加えて、回転支持部材は、車体を懸架するサスペンションに接続されるナックルと、ナックルに設けられ、動力伝達機構を回転可能に支持するベアリングとを含む。保護部材は、ベアリングの外周部に固定される。
第2の発明によると、車体を懸架するサスペンションに接続されるナックルと、ナックルに設けられる、動力伝達機構(たとえば、等速ジョイント)を回転可能に支持するベアリングとを含む。保護部材は、ベアリングの外周部に固定される。これにより、モータの筐体をよりベアリングの外周部に接近させても、すなわち、モータの筐体を動力伝達機構(たとえば、等速ジョイント)に接近させても、モータの筐体とナックルとの間に設けられるため、従来のように出力軸に固定される場合と比較して容易に保護部材を取り付けることができる。
第3の発明に係る車輪支持装置においては、第1の発明の構成に加えて、回転支持部材は、車体を懸架するサスペンションに接続されるナックルを含む。保護部材の一方端は、ナックルに固定される。
第3の発明によると、保護部材の一方端は、車体を懸架するサスペンションに接続されるナックルに固定される。これにより、モータの筐体をよりナックルに接近させても、すなわち、モータの筐体を動力伝達機構(たとえば、等速ジョイント)に接近させても、モータの筐体とナックルとの間に設けられるため、従来のように出力軸に固定される場合と比較して容易に保護部材を取り付けることができる。
第4の発明に係る車輪支持装置は、車輪の駆動力を発生するモータを車輪内に有する。車輪支持装置は、モータの出力軸に接続され、モータにより発生された動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、動力伝達機構および車輪を回転可能に支持する回転支持部材と、一方端が出力軸に固定され、出力軸と動力伝達機構との接続部に設けられる環状の保護部材とを含む。保護部材は、出力軸に沿って、出力軸の周囲に形成される軸保護部と、出力軸の軸方向に対して予め定められた角度を有するように開いて、出力軸と動力伝達機構との間で形成される空隙を覆うように、軸保護部に連続して形成される空隙保護部とを含む。
第4の発明によると、車輪支持装置は、一方端がモータの出力軸に固定され、出力軸と動力伝達機構(たとえば、等速ジョイント)との接続部に設けられる環状の保護部材を含む。保護部材は、出力軸に沿って、出力軸の周囲に形成される軸保護部と、出力軸の軸方向に対して予め定められた角度を有するように開いて、出力軸と等速ジョイントとの間で形成される空隙を覆うように、軸保護部に連続して形成される空隙保護部とを含む。これにより、従来の等速ジョイントの外周部と出力軸とを覆うようにして設けられる保護部材と比較して、保護部材の出力軸の軸方向の長さを短くすることができる。そのため、モータの筐体とナックルとの間を接近させることができる。また、保護部材は、出力軸に対して固定するだけで等速ジョイントと出力軸との接続部を保護することができるため、従来の等速ジョイントの外周部と出力軸とにそれぞれ固定していた場合と比較して組付け性は向上する。さらに、保護部材は、車輪の中心側に設けられる。すなわち、車輪とモータの筐体との間は、外部から遮蔽されない。そのため、モータの筐体および車輪内の外周側に設けられるブレーキにおいて発生した熱を車輪の外部に放熱することができる。したがって、放熱性、組付け性を低下させることなく、モータの筐体をより車輪の内側に収めることができる車輪支持装置を提供することができる。
第5の発明に係る車輪支持装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、動力伝達機構は、等速ジョイントである。
第5の発明によると、等速ジョイントは、車輪の中心側に設けられる。そのため、保護部材は、少なくともモータの出力軸と等速ジョイントとの接続部を覆うように形成される。すなわち、車輪とモータの筐体との間は、外部から遮蔽されない。そのため、モータの筐体および車輪内の外周側に設けられるブレーキにおいて発生した熱を車輪の外部に放熱することができる。
第6の発明に係る車輪支持装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、車輪支持装置は、モータに取り付けられ、車輪の振動およびモータの振動を減衰する弾性部材をさらに含む。弾性部材は、回転支持部材に取り付けられる。
第6の発明によると、車輪支持装置は、モータに取り付けられ、車輪の振動とモータの振動を減衰する弾性部材をさらに含む。弾性部材は、回転支持部材(たとえば、ナックル)に取り付けられる。インホイールモータが、モータを弾性部材により支持する、いわゆるダイナミックダンパ機構を有する場合、モータの構造が大きくなる傾向にある。そのため、保護部材をモータの筐体とナックルとの間の外周に設けることにより、モータの筐体をナックルに接近させることができる。すなわち、モータの筐体をより車輪内に収まるようにすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る車輪支持装置ついて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
本実施の形態に係る車輪支持装置を説明するにあたり、まず、この車輪支持装置により支持されるインホイールモータを有する電動輪の構成について説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る車輪支持装置200が支持する電動輪100は、ホイールディスク10と、ホイールハブ20と、等速ジョイント30と、ブレーキロータ40と、ブレーキキャリパ50と、インホイールモータ70と、タイヤ250とから構成される。
インホイールモータ70は、ケース60と、モータ65と、プラネタリギヤ80と、オイルポンプ90と、シャフト110と、オイル通路(図示せず)とから構成される。
また、車輪支持装置200は、ダイナミックマスダンパ機構(図示せず)と、ボールジョイント160,170と、ナックル180と、アッパーアーム210と、ロアアーム220と、ショックアブソーバ(図示せず)とから構成される。
ホイールディスク10は、略カップ型形状を有し、ディスク部10Aとリム部10Bとからなる。そして、ホイールディスク10は、ホイールハブ20、ブレーキロータ40、ブレーキキャリパ50、およびインホイールモータ70を収納するようにしてもよい。ホイールディスク10は、ディスク部10Aをホイール取り付け部22において、ボルトあるいはナット(図示せず)によってホイールハブ20に締結することによりホイールハブ20と連結される。ホイールハブ20は、等速ジョイント30を内蔵し、その内蔵した等速ジョイント30を介してシャフト110に連結される。そして、ホイールハブ20は、ハブベアリング11,12によってナックル180に回転自在に支持される。タイヤ250は、ホイールディスク10のリム部10Bの外縁に固定される。
等速ジョイント30は、インナー31と、ボール32とを含む。インナー31は、シャフト110に嵌合される。ボール32は、シャフト110の回転軸方向に設けられたホイールハブ20の溝とインナー31の溝とに噛合っており、シャフト110の回転に伴ってホイールハブ20を回転させる。また、ボール32は、ホイールハブ20およびインナー31に設けられた溝に沿ってシャフト110の回転軸方向に移動可能である。なお、等速ジョイント30は、インホイールモータ70の動力をホイール10に伝達する動力伝達機構であれば特に限定されるものではないが、たとえば、複数の円盤等を用いてインホイールモータ側とホイール側とがどの方向にも偏心可能に結合される、いわゆるフレキシブルカップリングを用いてもよい。
ブレーキロータ40は、内周端がボルト24,26によってホイールハブ20の外周端に固定され、外周端がブレーキキャリパ50内を通過するように配置される。ブレーキキャリパ50は、ナックル180に固定される。そして、ブレーキキャリパ50は、ブレーキピストン51と、ブレーキパッド52,53とを含む。ブレーキパッド52,53は、ブレーキロータ40の外周端を挟み込む。
開口部50Aからブレーキオイルが供給されると、ブレーキピストン51は、図1において紙面右側へ移動し、ブレーキパッド52を紙面右側へ押す。ブレーキパッド52がブレーキピストン51によって紙面右側へ移動すると、それに応答してブレーキパッド53が紙面左側へ移動する。これにより、ブレーキパッド52,53は、ブレーキロータ40の外周端を挟み込み、電動輪100にブレーキがかけられる。
ケース60は、図1において、ホイールハブ20の紙面左側に配置される。そして、ケース60は、モータ65と、プラネタリギヤ80と、オイルポンプ90と、シャフト110と、オイル通路とを収納する。
モータ65は、ステータコア71と、ステータコイル72と、ロータ73とを含む。ステータコア71は、ケース60に固定される。ステータコイル72は、ステータコア71に巻回される。モータ65が三相モータである場合、ステータコイル72は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルからなる。ロータ73は、ステータコア71およびステータコイル72の内周側に配置される。
プラネタリギヤ80は、サンギヤ軸81と、サンギヤ82と、ピニオンギヤ83と、プラネタリキャリア84と、リングギヤ85と、ピン86とを含む。サンギヤ軸81は、モータ65のロータ73に連結される。そして、サンギヤ軸81は、ベアリング15,16により回転自在に支持される。サンギヤ82は、サンギヤ軸81に連結される。
ピニオンギヤ83は、サンギヤ82と噛合い、ピン86の外周に配設されたベアリングにより回転自在に支持される。プラネタリキャリア84は、ピニオンギヤ83に連結され、シャフト110に接続される。そして、プラネタリキャリア84およびプラネタリキャリア84に接続されるシャフト110は、ベアリング13,14により回転自在に支持される。リングギヤ85は、ケース60に固定される。ピン86は、プラネタリキャリア84に支持される。
オイルポンプ90は、インホイールモータ70のホイールハブ20側の端部に、シャフト110に接続されて設けられる。シャフト110は、上述したように等速ジョイント30のインナー31およびプラネタリキャリア84接続され、ベアリング13,14によって回転自在に支持される。
オイル通路は、プラネタリギヤ80のピン86の内部に設けられる。オイル通路は、一方端がオイルポンプ90に連結され、他方端がオイル溜(図示せず)に挿入される。
オイルポンプ90は、シャフト110の回転に伴なってオイル溜に溜まったオイルをオイル通路を介して汲み上げ、その汲み上げたオイルをケース60内で循環させる。
図2に示すように、ダイナミックマスダンパ機構300は、車両の上下方向に設けられる1対の弾性部材であるスプリング302,304から構成される。ダイナミックマスダンパ機構300の中央部306は、インホイールモータ70のケース60の外周側面に取り付けられる。本実施の形態において、たとえば、ダイナミックマスダンパ機構300の中央部306は、ケース60の車両の後方側でかつインホイールモータ70の回転軸と同じ高さになる位置に取り付けられる。そして、ダイナミックマスダンパ機構300の上部310は、ナックル180(180A)に接続される。上部310と中央部306とは、スプリング302を介して接続される。ダイナミックマスダンパ機構300の下部312は、ナックル180(180B)に接続される。下部312と中央部306とは、スプリング304を介して接続される。
また、下部312と中央部306とは、アブソーバ314を介して接続される。アブソーバ314は、シャフト316を含む。アブソーバ314は、シャフト316の上下の振動を抑制する。シャフト316の一方端336は、中央部306に接続される。中央部306を貫通するシャフト316は、ブッシュ308により水平方向の位置が制限される。また、アブソーバ314の下端は、ブッシュ326により水平方向の位置が制限される。なお、シャフト316の一方端336は、上部310に接続されてもよい。
ナックル180(180A)は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端がハブベアリング11,12を介してホイールハブ20に連結される。ナックル180(180B)の下部には、プレート182がボルトにより固定される。そして、プレート182には、ボールジョイント170が連結される。
図3に示すように、アッパーアーム210およびロアアーム220は、車両の上下方向に配置される。アッパーアーム210は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端が車両の上下方向に回動可能に車体に固定される。ロアアーム220は、一方端がボールジョイント170に連結され、他方端が車両の上下方向に回動可能に車体に固定される。また、ロアアーム220は、ショックアブソーバを介して車体に連結される。これにより、電動輪100は、車体に懸架される。
このように、アッパーアーム210およびロアアーム220は、車両の上下方向からそれぞれボールジョイント160,170を介してナックル180に連結される。
ナックル180には、ステアリングタイロッド(図示せず)の一方端が連結される。そして、ステアリングタイロッドは、車体のステアリング(ハンドル)からの回転力に応じて、車両の進行方向に対して右方向または左方向に電動輪100を回動する。
アッパーアーム210およびロアアーム220は、車両の上下方向に回動自在に車体に固定され、ロアアーム220は、ショックアブソーバを介して車体に連結されるので、アッパーアーム210、ロアアーム220およびショックアブソーバは、サスペンションとして機能する。
ダイナミックマスダンパ機構300は、インホイールモータ70のケース60に固定される。また、ダイナミックマスダンパ機構300は、ナックル180に連結される。そして、ボールジョイント160,170によってサスペンションアーム(アッパーアーム210およびロアアーム220)をナックル180に連結することにより、車輪支持装置200は、電動輪100を車体に支持する。
すなわち、車輪支持装置200は、アッパーアーム210、ロアアーム220およびナックル180によってホイールディスク10およびホイールハブ20を回転可能に支持し、アッパーアーム210、ロアアーム220およびダイナミックマスダンパ機構300によってインホイールモータ70を車両の上下方向に振動可能に支持する。
また、車両に搭載されたスイッチング回路(図示せず)によりステータコイル72に交流電流が供給されると、ロータ73が回転し、モータ65は、所定のトルクを出力する。そして、モータ65の出力トルクは、サンギヤ軸81を介してプラネタリギヤ80へ伝達される。プラネタリギヤ80は、サンギヤ軸81から受けた出力トルクをサンギヤ82およびピニオンギヤ83によって変更、つまり、変速(減速)してプラネタリキャリア84へ出力する。プラネタリキャリア84は、プラネタリギヤ80の出力トルクをシャフト110に伝達し、シャフト110は、等速ジョイント30を介して所定の回転数でホイールハブ20およびホイールディスク10を回転する。これにより、電動輪100は、所定の回転数で回転して、車両は走行する。
車両の走行中に、電動輪100が路面状態等に応じて車両の上下方向に振動を受けると、ダンパーマスとなるインホイールモータ70によってダイナミックマスダンパ機構300のスプリング302,304は、車両の上下方向に伸縮する。スプリング302,304の伸縮により、電動輪100が路面から受ける力による振動と位相がずれたインホイールモータ70の上下方向の振動が発生する。つまり、ダイナミックマスダンパ機構300は、電動輪100の振動をインホイールモータ70の振動に変換する。このとき、車体には、電動輪100の振動と、電動輪100の振動とは位相がずれたインホイールモータ70の振動とを合成した振動が伝達される。電動輪100の振動とインホイールモータ70の振動とは位相がずれているため、電動輪100の振動の振幅は、位相がずれたインホイールモータ70の振動の振幅により低減される。すなわち、電動輪100の振動は、インホイールモータ70の振動によりアッパーアーム210およびロアアーム220を介して車体に伝達されにくくなる。
インホイールモータ70は、等速ジョイント30を介して上下方向に振動する。具体的には、インホイールモータ70は、等速ジョイント30を回転中心として、車両の上下方向に円弧を描くように振動する。このとき、インホイールモータ70の水平方向の振動は、ダイナミックマスダンパ機構300に設けられるブッシュ308および326により吸収される。一方、スプリング304の伸縮により生じる、インホイールモータ70の上下方向の振動は、アブソーバ314により減衰される。
上述のようにして、タイヤ250からのバネ下入力が緩和される。すなわち、車両の走行中に電動輪100が路面状態等に応じて振動を受けると、サスペンションに設けられるショックアブソーバによって吸収し切れない振動がダイナミックマスダンパ機構300によって吸収される。ダイナミックマスダンパ機構300は、電動輪100が受けた振動によってインホイールモータ70を車両の上下方向に位相をずらせて振動させる。ダイナミックマスダンパ機構300は、結果的にバネ上である車体に大きな振動を伝えない。したがって、インホイールモータ70によって駆動される車輪を搭載した車両の乗り心地が向上する。
ここで、本実施の形態に係る車輪支持装置において、図4に示すように、インホイールモータ70のケース60と、ベアリング11,12のアウターレース406との間に、環状のブーツ400が設けられる。ベアリング11,12のアウターレース406は、ナックル180に嵌合される。ブーツ400は、ケース60とアウターレース406との間の外周を覆うように形成される。ブーツ400の一方端は、ケース60の一方端の形状に対応した形状を有しており、ケース60の一方端の周囲に固定される。また、ブーツ400の他方端は、アウターレース406の外周部の形状に対応した形状を有しており、アウターレース406の外周部の周囲に固定される。なお、ブーツ400は、特に限定されるものではないが、たとえば、環状の固定ベルト402,404により固定される。ブーツ400の両端をケース60およびアウターレース406に固定されると、ブーツ400の内部は、外部から遮蔽される。
また、ブーツ400の端部間における形状は、等速ジョイント30を回転中心として、インホイールモータ70がする車両の上下方向の円弧運動に追従できるように、伸縮可能な形状であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態において、たとえば、蛇腹形状を有する。なお、ベアリング11,12内の潤滑油の漏出を抑制するオイルシール408は、廃止してもよい。あるいは、ケース60とシャフト110との間に設けられるケース60の内部を循環する潤滑油の漏出を抑制するシールを廃止してもよい。
ブーツ400が予めケース60に固定ベルト404により固定された後、ケース60は、シャフト110を等速ジョイント30のインナー31に挿入される。シャフト110の先端部には、図5に示すように、先端部の周囲に形成される溝部442が設けられる。ホイールハブ20には、等速ジョイント30に連通する開口部が形成されいる。そのため、ホイールディスク10側から溝部442にスナップリング444を嵌合して、シャフト110を等速ジョイント30に固定することができる。なお、シャフト110の固定は、スナップリング444を溝部442に嵌合することに限定されない。たとえば、シャフト110の先端部にネジ山が形成されており、等速ジョイント30のインナー31に挿入後にロックナットを螺合することにより固定してもよい。ホイールハブ20に連通した開口部は、インホイールモータ70の組付け後に外蓋440を取り付けて外部から遮蔽される。そして、ブーツ400の他方端をアウターレース406に固定することにより、ブーツ400は、組付けられる。なお、予めアウターレース406の外周部にブーツ400の一方端を固定した後、インホイールモータ70を等速ジョイント30に固定し、ブーツ400の他方端をケース60の一方端に固定してもよい。
なお、ホイールディスク10およびホイールハブ20は、「車輪」を構成する。さらに、ナックル180およびアウターレース406は、車輪(ホイールディスク10およびホイールハブ20)を回転可能に支持する「回転支持部材」を構成する。ブーツ400は、「保護部材」を構成する。スプリング302,304は、車輪(ホイールディスク10およびホイールハブ20)およびインホイールモータ70の振動を減衰する「弾性部材」を構成する。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る車輪支持装置の作用について説明する。
車輪100が路面から受ける力による振動に伴なってインホイールモータ70が振動すると、ブーツ400に設けられる蛇腹形状の部分は、等速ジョイント30を回転中心とするインホイールモータ70の振動に追従して変形する。このとき、ブーツ400は、その両端がケース60およびアウターレース406の周囲にそれぞれ固定されるため、インホイールモータ70の駆動により回転するタイヤ250が巻き上げた砂、石、水等の異物を等速ジョイント30の内部に侵入することを防ぐ。
以上のようにして、本実施の形態に係る車輪支持装置によると、車輪支持装置は、インホイールモータのケースの一方端の周囲に固定され、ケースからナックルまでの間を覆うようにして設けられる環状のブーツを含む。ケースとナックルとの間には、モータの駆動力を車輪に伝達する等速ジョイントが設けられる。ケースとナックルまでの間を覆うようにブーツを設けると、モータの出力軸と出力軸に接続される等速ジョイントの可動する部位とを外部から保護することができる。さらに、ケースをよりナックルに接近させても、すなわち、ケースを等速ジョイントに接近させても、ケースとナックルとの間に設けられるため、従来のように出力軸に固定される場合と比較して容易にブーツを取り付けることができる。また、ブーツは、車輪の中心側に設けられる等速ジョイントを覆うように設けられる。すなわち、車輪とケースとの間は、外部から遮蔽されない。そのため、ケースおよび車輪内の外周側に設けられるブレーキにおいて発生した熱を車輪の外部に放熱することができる。したがって、放熱性、組付け性を低下させることなく、インホイールモータのケースをより車輪内に収めることができる車輪支持装置を提供することができる。また、ケースとナックルとの間の外周を覆うように保護部材を設けると、等速ジョイントを回転支持するベアリングを保護部材の内部に収めることができるため、ベアリングの内部のオイルの漏出を抑制するオイルシールを廃止することができる。そのため、オイルシールによる回転抵抗の増加を抑制することができる。さらにオイルシールを廃止することにより、コストの低減が図れる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る車輪支持装置について説明する。本実施の形態に係る車輪支持装置は、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置200の構成と比較して、一方端がケース60に固定される環状のブーツ400において、他方端が固定される部位が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置200の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態に係る車輪支持装置において、図6に示すように、インホイールモータ70のケース60と、ナックル180との間には、環状のブーツ410が保護部材として設けられる。ブーツ410は、ケース60とナックル180との間の外周を覆うように形成される。ブーツ410の一方端は、ケース60の一方端の形状に対応した形状を有しており、ケース60の一方端の周囲に固定される。また、ブーツ400の他方端は、ナックル180から車両内側に環状に突出して形成される取り付け部416の外周部の形状に対応した形状を有しており、ナックル180の取り付け部416の外周部の周囲に固定される。なお、ブーツ410は、特に限定されるものではないが、たとえば、環状の固定ベルト412,414により固定される。ブーツ410の両端をケース60および取り付け部416に固定されると、ブーツ410の内部は、外部から遮蔽される。
また、ブーツ410の端部間における形状は、等速ジョイント30を回転中心として、インホイールモータ70がする車両の上下方向の円弧運動に追従できるように、伸縮可能な形状であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態において、たとえば、蛇腹形状を有する。なお、ベアリング11,12内の潤滑油の漏出を抑制するオイルシール408は、廃止してもよい。あるいは、ケース60とシャフト110との間に設けられるケース60の内部を循環する潤滑油の漏出を抑制するシールを廃止してもよい。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る車輪支持装置の作用について説明する。
電動輪100が路面から受ける力による振動に伴なってインホイールモータ70が振動すると、ブーツ410に設けられる蛇腹形状の部分は、等速ジョイント30を回転中心とするインホイールモータ70の振動に追従して変形する。このとき、ブーツ410は、その両端がケース60およびナックル180の取り付け部416の周囲にそれぞれ固定されるため、インホイールモータの70の駆動により回転するタイヤ250が巻き上げた砂、石、水等の異物を等速ジョイント30の内部に侵入することを防ぐ。
以上のようにして、本実施の形態に係る車輪支持装置によると、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置の効果と同様の効果を有する。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る車輪支持装置について説明する。本実施の形態に係る車輪支持装置は、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置200の構成と比較して、一方端がケース60に固定される環状のブーツ400において、他方端が固定される部位が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置200の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態に係る車輪支持装置において、図7に示すように、インホイールモータ70のケース60と、ナックル180との間には、環状のブーツ420が保護部材として設けられる。ブーツ420は、ケース60とナックル180との間の外周を覆うようにして形成される。ブーツ420の一方端は、ケース60の一方端の形状に対応した形状を有しており、ケース60の一方端の周囲に固定される。また、ブーツ420の他方端は、ナックル180から車両内側に環状に突出して形成される取り付け部426の内周部の形状に対応した形状を有しており、ナックル180の取り付け部420の内周部に固定される。なお、ケース60の一方端とブーツ420一方端とは、特に限定されるものではないが、たとえば、固定ベルト424により固定される。一方、ブーツ420の他方端と取り付け部420の内周部とは、特に限定されるものではないが、たとえば、ブーツ420に固定された金属製リング422を、取り付け部426に圧入することにより固定される。ブーツ420の両端をケース60および取り付け部426に固定されると、ブーツ420の内部は、外部から遮蔽される。
また、ブーツ420の端部間における形状は、等速ジョイント30を回転中心として、インホイールモータ70がする車両の上下方向の円弧運動に追従するように、伸縮可能な形状であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態において、たとえば、蛇腹形状を有する。なお、ベアリング11,12内の潤滑油の漏出を抑制するオイルシール408は、廃止してもよい。あるいは、ケース60とシャフト110との間に設けられるケース60の内部を循環する潤滑油の漏出を抑制するシールを廃止してもよい。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る車輪支持装置の作用について説明する。
電動輪100が路面から受ける力による振動に伴なってインホイールモータ70が振動すると、ブーツ420に設けられる蛇腹形状の部分は、等速ジョイント30を回転中心とするインホイールモータ70の振動に追従して変形する。このとき、ブーツ420は、その両端がケース60およびナックル180の取り付け部426の内周部にそれぞれ固定されるため、インホイールモータの70の駆動により回転するタイヤ250が巻き上げた砂、石、水等の異物を等速ジョイント30の内部に侵入することを防ぐ。
以上のようにして、本実施の形態に係る車輪支持装置によると、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置の効果と同様の効果を有する。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る車輪支持装置について説明する。本実施の形態に係る車輪支持装置は、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置200の構成と比較して、ブーツ400に代えてブーツ430を含む点が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る車輪支持装置200の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態に係る車輪支持装置においては、図8に示すように、一方端がインホイールモータ70の出力軸であるシャフト110に固定され、シャフト110と等速ジョイントとの接続部に設けられる環状のブーツ430が保護部材として設けられる。ブーツ430は、シャフト110に沿って、シャフト110の周囲に形成される軸保護部430Aと、シャフト110の軸方向に対して予め定められた角度で開いて、シャフト110と等速ジョイント30との間に形成される空隙を覆うように、軸保護部430Aに連続して形成される空隙保護部430Bとを含む。ベアリング11,12は、インナーレースであるホイールハブ20と、ナックル180に嵌合されるアウターレースとの間に設けられる。このとき、ホイールハブ20とアウターレースとの間は、ベアリング11,12に充填される潤滑油の漏出を抑制するオイルシール408が設けられる。なお、「予め定められた角度」とは、シャフト110と等速ジョイント30との間に形成される空隙を覆うように空隙保護部430Bを形成できる角度であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態において、たとえば、水平方向と、等速ジョイント30を回転中心としてシャフト110を上下方向に最大に回転させたときのシャフト110の軸方向とのなす角度αである。
ブーツ430とシャフト110とは、たとえば、クランプ432により固定される。また、空隙保護部430Bは、等速ジョイント30を回転中心としてシャフト110が車両の上下方向に振動しても内部に充填される潤滑油が外部に漏出しないような形状に形成される。すなわち、たとえば、空隙保護部430Bは、傘形状に形成される。
ブーツ430は、予めシャフト110に挿入された状態でインホイールモータ70が等速ジョイント30に固定される。そして、ブーツ430の傘形状の部分を等速ジョイント30と当接するように組付けた後、ブーツ430は、クランプ432によりシャフト110に固定される。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る車輪支持装置の作用について説明する。
電動輪100が路面から受ける力による振動に伴なってインホイールモータ70が振動すると、シャフト110は、等速ジョイント30を回転中心として上下方向に円弧運動する。このとき、シャフト110と等速ジョイント30の間に形成される空隙は、インホイールモータ70の上下方向の円弧運動に応じて変化する。ブーツ430の空隙保護部430Bの形状は、空隙の変化に応じて変形し、等速ジョイント30の内部を遮蔽した状態を維持する。また、ブーツ430は、インホイールモータ70の駆動に伴なって回転する。このとき、インホイールモータ70の駆動により回転するタイヤ250が巻き上げた砂、石、水等の異物を等速ジョイント30の内部に侵入することを防ぐ。
以上のようにして、本実施の形態に係る車輪支持装置によると、車輪支持装置は、一方端がモータの出力軸に固定され、出力軸と等速ジョイントとの接続部に設けられる環状のブーツを含む。ブーツは、出力軸に沿って、出力軸の周囲に形成される軸保護部と、出力軸の軸方向に対して予め定められた角度を有するように開いて、出力軸と等速ジョイントとの間で形成される空隙を覆うように、軸保護部に連続して形成される空隙保護部とを含む。これにより、従来の等速ジョイントの外周部と出力軸とを覆うようにして設けられるブーツと比較して、ブーツの出力軸の軸方向の長さを短くすることができる。そのため、インホイールモータのケースとナックルとの間を接近させることができる。また、ブーツは、出力軸に対して固定するだけで等速ジョイントと出力軸との接続部を保護することができるため、従来の等速ジョイントの外周部と出力軸とにそれぞれ固定していた場合と比較して組付け性は向上する。さらに、ブーツは、車輪の中心側に設けられる。すなわち、車輪とケースとの間は、外部から遮蔽されない。そのため、ケースおよび車輪内の外周側に設けられるブレーキにおいて発生した熱を車輪の外部に放熱することができる。したがって、放熱性、組付け性を低下させることなく、インホイールモータのケースをより車輪内に収めることができる車輪支持装置を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施の形態に係る車輪支持装置の断面を示す図(その1)である。 第1の実施の形態に係る車輪支持装置の、モータの回転軸方向から見た外観を示す図である。 第1の実施の形態に係る車輪支持装置の断面を示す図(その2)である。 第1の実施の形態に係る車輪支持装置に設けられるブーツの構造を示す図(その1)である。 第1の実施の形態に係る車輪支持装置に設けられるブーツの構造を示す図(その2)である。 第2の実施の形態に係る車輪支持装置に設けられるブーツの構造を示す図である。 第3の実施の形態に係る車輪支持装置に設けられるブーツの構造を示す図である。 第4の実施の形態に係る車輪支持装置に設けられるブーツの構造を示す図である。
符号の説明
10 ホイールディスク、10A ディスク部、10B リム部、11,12,13,14,15,16 ベアリング、20 ホイールハブ、22 ホイール取り付け部、24,26 ボルト、30 等速ジョイント、31 インナー、32 ボール、40 ブレーキロータ、50 ブレーキキャリパ、50A 開口部、51 ブレーキピストン、52,53 ブレーキパッド、60 ケース、65 モータ、70 インホイールモータ、71 ステータコア、72 ステータコイル、73 ロータ、81 サンギヤ軸、82 サンギヤ、83 ピニオンギヤ、84 プラネタリキャリア、85 リングギヤ、86 プラネタリギヤ、90 オイルポンプ、100 電動輪、160,170 ボールジョイント、180A,180B ナックル、182 プレート、200 車輪支持装置、210 アッパーアーム、220 ロアアーム、250 タイヤ、300 ダイナミックマスダンパ機構、302,304 スプリング、306 中央部、308,326 ブッシュ、310 上部、312 下部、314 アブソーバ、316 シャフト、336 一方端、400,410,420,430 ブーツ、402,404,412,414,424,426,432 固定ベルト、406 アウターレース、408 オイルシール、416,426 取り付け部、430A 軸保護部、430B 空隙保護部、432 クランプ、440 外蓋、442 溝部、444 スナップリング。

Claims (6)

  1. 車輪の駆動力を発生するモータを前記車輪内に有する車輪支持装置であって、
    前記モータの出力軸に接続され、前記モータにより発生された動力を前記車輪に伝達する動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構および前記車輪を回転可能に支持する回転支持部材と、
    前記モータの筐体の一方端の周囲に固定され、前記筐体から前記回転支持部材までの間を覆うようにして設けられる環状の保護部材とを含む、車輪支持装置。
  2. 前記回転支持部材は、
    車体を懸架するサスペンションに接続されるナックルと、
    前記ナックルに設けられ、前記動力伝達機構を回転可能に支持するベアリングとを含み、
    前記保護部材は、前記ベアリングの外周部に固定される、請求項1に記載の車輪支持装置。
  3. 前記回転支持部材は、車体を懸架するサスペンションに接続されるナックルを含み、
    前記保護部材の一方端は、前記ナックルに固定される、請求項1に記載の車輪支持装置。
  4. 車輪の駆動力を発生するモータを前記車輪内に有する車輪支持装置であって、
    前記モータの出力軸に接続され、前記モータにより発生された動力を前記車輪に伝達する動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構および前記車輪を回転可能に支持する回転支持部材と、
    一方端が前記出力軸に固定され、前記出力軸と前記動力伝達機構との接続部に設けられる環状の保護部材とを含み、
    前記保護部材は、
    前記出力軸に沿って、前記出力軸の周囲に形成される軸保護部と、
    前記出力軸の軸方向に対して予め定められた角度を有するように開いて、前記出力軸と前記動力伝達機構との間で形成される空隙を覆うように、前記軸保護部に連続して形成される空隙保護部とを含む、車輪支持装置。
  5. 前記動力伝達機構は、等速ジョイントである、請求項1〜4のいずれかに記載の車輪支持装置。
  6. 前記車輪支持装置は、前記モータに取り付けられ、前記車輪の振動および前記モータの振動を減衰する弾性部材をさらに含み、
    前記弾性部材は、前記回転支持部材に取り付けられる、請求項1〜5のいずれかに記載の車輪支持装置。
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