JP2004245409A - 軸受ユニットおよびそれを用いた車両用電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軸受に異常などが生じたときでも、その異常な軸受の交換作業などを容易に行うことができる軸受ユニットを提供する。また、電気自動車等の車両の駆動輪に一体的に組み込まれても、タイヤの接地性と乗り心地性を悪化させることがなく、かつ駆動効率の高い車両用電動機を提供する。
【解決手段】 外輪44の外周面に嵌合されるとともに、その外輪44が取付けられるロータ保持部20に対し着脱可能に固定される円環状のハウジング部材41を設ける。外輪44の周面において、その軸方向の一方側をロータ保持部20側に形成された環状の取付面22に対し着脱可能となるように露出するとともに、他方側にハウジング部材41に嵌合する。また、電動機のステータ及びロータを円筒形状とし、軽量なものとする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、軸受ユニットおよびそれを用いた車両用電動機に関する。
電気自動車においては、電動機1台でトランスミッション、デファレンシャルギヤを介してトルクを分配して駆動輪を駆動する方式や、駆動輪に遊星ギヤ等の減速機と電動機を一体的に組み込んだインホイールモータ方式等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−247713号公報(第5頁)
しかし、上記のような電動機1台でデファレンシャルギヤ等を介して駆動輪を駆動する方式では、その動力伝達系による電動機出力の損失が大きいため駆動効率が悪かった。
また、上記インホイールモータ方式では、トランスミッションやデファレンシャルギヤを介することなく駆動輪を駆動するので、駆動効率は大幅に改善される。しかし、当該方式においても、減速機を介して駆動輪を駆動しているので電動機出力の損失は、なお存在していた。
また、このインホイールモータ方式においては、駆動輪に電動機や減速機が一体的に組み込まれているため、車両のサスペンションが路面に応じて上下動した場合、タイヤや車軸と共に、電動機や減速機等も上下動することになる。つまり、サスペンションにおける路面に応じて上下に可動する部分の重量が、電動機や減速機の装着により増加し、いわゆるバネ下重量の増加を招いていた。これにより、サスペンションの路面に対する追従性が低下し、タイヤの接地性と乗り心地性が大幅に悪化するという問題があった。
また、上述のような電動機に使用される軸受ユニットは、通常、電動機内で固定されており、その軸受ユニットの軸受に異常が生じた場合にその交換作業が行い難く、また軸受の点検作業などを実施するのが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、軸受に異常などが生じたときでも、その異常な軸受の交換作業などを容易に行うことができる軸受ユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、電気自動車等の車両の駆動輪に一体的に組み込まれても、タイヤの接地性と乗り心地性を悪化させることがなく、かつ駆動効率の高い車両用電動機を提供することを目的とする。
本発明の軸受ユニットは、内輪と、外輪と、これら内外輪間に転動自在に設けられた複数の転動体とを備えた転がり軸受を有する軸受ユニットであって、
前記内輪の内周面及び前記外輪の外周面の少なくとも一方の軌道輪の周面に嵌合されるとともに、その軌道輪が取付けられる取付部品に対し着脱可能に固定される円環状のハウジング部材を有し、前記軌道輪の周面において、その軸方向の一方側は前記取付部品側に形成された環状の取付面に対し着脱可能となるように露出されるとともに、他方側は前記ハウジング部材に嵌合されていることを特徴としている。
上記のように構成された軸受ユニットによれば、その転がり軸受の上記軌道輪の周面の一方側は上記取付部品側に設けられた取付面に対し着脱可能となるように露出されており、他方側は前記円環状のハウジング部材を介してその取付部品に対して着脱可能に固定されるので、その取付部品を含んだ電動機等の装置に対して当該転がり軸受を着脱可能に取付けることができる。
また、上記軸受ユニットにおいて、前記内輪の内周面に嵌合される内側のハウジング部材と、前記外輪の外周面に嵌合される外側のハウジング部材とを備えるとともに、前記内側及び外側のハウジング部材の間に前記内外輪間の環状開口部をシールするシール手段を設けることが好ましい。
このようにした場合、上記環状開口部を前記シール手段によりシールすることができるので、転がり軸受の耐防塵、耐水性が向上し、軸受寿命の低下を抑制することができる。
また、本発明の車両用電動機は、ステータ及びロータを備え、前記ロータによって車両の駆動輪を回転駆動させる車両用電動機であって、
前記ステータの軸方向両端部及び前記ロータの軸方向両端部に、請求項1または2に記載の軸受ユニットの内輪及び外輪の一方及び他方がそれぞれ取付けられていることを特徴としている。
上記のように構成された車両用電動機は、前記ステータ及び前記ロータの各軸方向端部に前記軸受ユニットの内輪及び外輪の一方及び他方がそれぞれ取付けられているので、転がり軸受のみが破損した場合に、電動機全体を分解しなくても電動機から当該転がり軸受を前記ハウジング部材とともに着脱させることができ、当該転がり軸受を容易に交換することができる。
また、上記車両用電動機において、前記ロータ及び前記ステータは円筒状に構成され、
前記ステータは前記ロータに包囲されているとともに、前記駆動輪に連結可能に構成されていることが好ましい。
上記のように構成された車両用電動機は、円筒状のステータとロータとから構成される中空の円筒形状としているので、従来例に示した電動機よりも軽量なものとなる。また、減速機を介さずに前記ロータにより駆動輪を直接的に駆動することができることから、駆動効率が高いものとなる。
また、上記車両用電動機において、前記軸受ユニットは、前記内外輪間に取付けられた第一のシール部材と、前記環状開口部を塞ぐように前記ハウジング部材に取付けられた第二のシール部材とを有し、前記第一及び第二のシール部材間に潤滑剤を充填していることが好ましい。
このようにすることでシール部材を潤滑し、その摩耗を抑制することができ、当該シール部材の寿命が向上する。これにより長期に渡って電動機内部への耐防塵、耐水性を維持することができる。
また、上記車両用電動機において、前記シール部材には、被シール面に摺接する摺接部が設けられているとともに、この摺接部には、前記被シール面に対する接触面積を減少させる凹部が形成されていることが好ましい。
このようにすることで上記摺接部での接触面積が減少するので、高速回転時でも摺接部での動摩擦力が大きくなることを抑制することができ、前記シール部材の寿命を向上させることができる。よって、軸受寿命の向上および電動機内部への耐防塵・耐防水性を維持することができる。
また、上記車両用電動機において、前記シール部材の摺接部には、当該シール部材の主成分よりも比重の大きい微粉末が混入されていることが好ましい。
この場合、シール部材の摺接部に作用する遠心力が高められるので、ロータの回転速度に応じて摺接部を広げさせることができる。よって、ロータの回転速度に応じて摺接部での接触面圧を変化させることができ、高速回転時でも当該摺接部での動摩擦力の増加を抑えることができる。よって、軸受寿命の向上および電動機内部への耐防塵・耐防水性を維持することができる。
また、上記車両用電動機において、前記ロータに取付けられた磁石と、この磁石に対向するように前記ステータに配置されたホールICとを有することが好ましい。
このようにすることで、ロータの回転数および回転位置を検出することができるので、車両用電動機の回転数制御が容易になる。
また、上記車両用電動機において、前記ロータ及び前記ステータの少なくとも一方側に形成され、電動機の内部空間と外部空間とを連通する連通孔と、この連通孔を閉塞し、電動機の内部空間の圧力が所定値以上になると当該連通孔を開放するリリーフ弁とを備えることが好ましい。
このようにすることで電動機の運転に伴う温度上昇によって電動機の内部空間の圧力が高くなった場合に、前記栓部材は、内部空間の空気圧により前記付勢手段の付勢力に抗して弁座から離れるよう押し上げられ、連通孔を開放状態にして当該内部空間の圧力を適度に下げることができる。これにより、電動機の内部の異常な圧力上昇を抑えることができる。
また、上記車両用電動機において、前記ステータの内周面には、冷却水路を備えたウォータージャケットが設けられていることが好ましい。
この場合、高負荷で電動機が運転された場合でも、ウォータージャケットの冷却水路を流れる冷却水によって、電動機の運転に伴う温度上昇を抑え、その温度上昇による電動機の破損等を防止することができる。
以上のように、本発明に係る軸受ユニットは、その転がり軸受が電動機等の装置に対して着脱可能に取付けることができるので、当該転がり軸受に異常などが生じたときでも、その異常な転がり軸受を容易に交換することができる。
また、本発明に係る車両用電動機は、駆動輪と一体に組み込まれた場合にも、バネ下重量の増加を抑制することができるため、タイヤの接地性と乗り心地を悪化させることを抑制できる。また、減速機を介さずに前記ロータにより駆動輪を直接的に駆動することができることから、駆動効率が高いものとなる。
本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、電気自動車の駆動源を構成する電動機に適用した場合を例示して説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る軸受ユニット及びこれを用いた車両用電動機の構成を模式的に示した車軸方向の断面図である。また、図2は、図1中の電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。
図1において、本実施形態の電動機10は、タイヤ60aとホイール60bとからなる駆動輪60の内部に設けられ、ホイール60bに連結されて駆動輪60を駆動するようになっている。
上記電動機10は、図2に示すように、第一の保持部材20aと第二の保持部材20bとを組み合わされてなる円筒状のロータ保持部20と、第一の保持部材30aと第二の保持部材30bとを組み合わされてなる円筒状のステータ保持部30と、ロータ保持部20及びステータ保持部30の各軸方向両端部に組付けられた本発明の軸受ユニット40とを具備している。
ロータ保持部20の内周面には、ロータマグネット21aが埋め込まれた円筒状のロータ本体21が取付けられており、これらのロータ保持部20とロータ本体21とで円筒状のロータRが構成されている。上記ステータ保持部30は、ロータ保持部20に同心で対向配置されている。また、このステータ保持部30の外周面には、ステータコイル31aとステータコア31bを備えた円筒状のステータ本体31が取付けられており、これらのステータ保持部30とステータ本体31とで円筒状のステータSが構成されている。
上記軸受ユニット40は、円環状のハウジング部材41と玉軸受42とにより構成されている。この軸受ユニット40は、そのハウジング部材41をロータ保持部20に一体的に固定することで電動機10に取付けられており、その玉軸受42は、ロータ本体21の内周面とステータ本体31の外周面とが常に一定の間隔となるように、ステータ保持部30に対してロータ本体21とこれと共に回転するロータ保持部20を回転自在に支持している。
図1に戻って、電動機10では、ステータ保持部30の内周面に突起状のブラケット33が数箇所形成されている。このブラケット33には、円形板である支持板51が取付けられている。支持板51は、その外径がステータ内周面の直径よりやや小さい直径に形成され、電動機10の円筒軸直交面に対して平行に取付けられている。支持板51の中心部には、円断面を有する固定軸である車両側の車軸50を挿通するための円形の孔51aがその外周に対して同心に設けられている。この孔51aは、支持板51がステータ保持部30に取付けられた時に車軸50と接触しない程度の大きさで成形されている。
前記支持板51に対向するように、円形の支持板52が設けられている。この支持板52の中心部には、車軸50を挿通するための円形の孔52aがその外周に対して同心に設けられている。この孔52aは、支持板52が取付けられている位置における車軸50の外径と略同じ直径で成形されている。そして、支持板52は、前記孔52aに前記車軸50を挿通しつつ、車軸50に確実に固定されている。この支持板52の支持板51と対向する側の面の外縁部には、スライド式のフレキシブル継手53が取付けられている。このフレキシブル継手53は、支持板51と支持板52とが対向しているそれぞれの面同士を連結しており、両者の電動機10の円筒軸直方向への多少の位置ずれが許容されている。
このようにして、支持板51と支持板52を連結することで、電動機10は、フレキシブル継手53により車軸50に対して多少の円筒軸直方向への位置ずれを許容した状態で連結されると同時に、車軸方向の所定位置で保持されており、電動機10と駆動輪60との回転軸方向に対する位置関係を一定に維持している。
また、支持板51の上端部には、ダンパー支持部材51bが設けられており、このダンパー支持部材51bと車軸50とを連結するように電動機支持用のダンパー54が取付けられている。このダンパー54は、ケース内に緩衝部材(図示せず)を収納したケース54aと、このケース54a内で緩衝部材に支持された棒状部材54bを備えており、前記棒状部材54bは、ケース54aに対してその軸直方向に移動可能となっている。棒状部材54bの一端部は、ダンパー支持部材51bに取付けられ、他端部は、ケース54a内に収納された緩衝部材により支持されている。ケース54aは、車軸50にダンパー54が垂直になるように取付け、固定されている。また、図中では省略したが、支持板51の下端部にもダンパー支持部材が設けられており、上記同様にダンパー支持部材と車軸50とを連結するように電動機支持用のダンパーが取付けられている。
上記棒状部材54bは、ケース54aに対して、電動機10を上下動のみ可能に支持している。すなわち、ダンパー54は、車両が静止状態である場合には、電動機10の円筒軸が車軸50の軸心と一致する様に電動機10を支持している。車両が走行して車軸が車体に対して上下動した場合、ダンパー54は、その緩衝作用によって車軸50に対する上下動を抑え、車軸50の上下動が電動機10に伝達するのを抑えるように支持している。
このようにして、電動機10は、車軸50の上方側と下方側に取付けられたダンパーによって、車軸50に対して支持されている。
上記車軸50は、円断面である軸状の部材で、その一端には、図示しない軸受装置が設けられており、この軸受装置によりハブ50cが回転可能に取付けられている。ハブ50cには、図示しない路面と接地する駆動輪60が一体回転可能に取付けられている。そして車軸50の他端は、図示しない車体に揺動可能に取付けられている。車軸50の車体側の端部付近には、車体支持用のサスペンション50dが取付けられている。サスペンション50dは、一端が車軸50に他端が車体に取付けられており、駆動輪60や車軸50等が揺動可能に車体を支持することができるように構成されている。
図2中電動機10の左側の上記ハウジング部材41の側面には、円形板状の連結板55がロータ保持部20と同心一体に取付けられている。この連結板55は、ロータ保持部20の外径よりやや小さい直径に設定されている。その中心部には、円形の孔55aがその外周と同心に設けられており、車軸50が挿通されている。この孔55aは、連結板55が、ハウジング部材41に取付けられた時に車軸50と接触しない程度の大きさに設定されている。
ホイール60bの車体側の垂直面には、連結板56がホイール60bと同心一体に取付けられている。この連結板56には、その中心部にハブ50cの外径と略同じ直径であって、円形の孔56aがその外周と同心に設けられており、この孔56aにハブ50cが挿通されている。この連結板56の電動機10側の外縁部には、スライド式のフレキシブル継手57が取付けられている。このフレキシブル継手57は、連結板56と連結板55とが対向しているそれぞれの面同士を連結されており、両者の円筒軸直方向への多少の位置ずれが許容されている。
このようにして、連結板55と連結板56を連結することで、ホイール60bは、フレキシブル継手57によりロータ保持部20に対して多少の円筒軸直方向への位置ずれを許容した状態で連結されている。これにより、ロータ保持部20と駆動輪60は、一体回転可能に連結されている。
上記したように、電動機10は、車軸50に対する上下動をダンパー54を介して許容しつつ、車軸50に取付けられている。また、ロータ保持部20は駆動輪60と一体回転可能に連結されている。従って、電動機10は、車軸50に対して上下動した場合でも、ロータRによって駆動輪60を回転させることができる。
図3は、図1中の軸受ユニットの一部分を示した円筒軸方向断面図である。以下の説明では、図1中、電動機10の右側に取付けられている軸受ユニット40を説明する。
図3において、上記軸受ユニット40は、上述したように、ハウジング部材41と玉軸受42とを備えている。玉軸受42は、転動体としての複数のボール43と、内周面に軌道面を有する回転輪としての外輪44と、外周面に軌道面を有する固定輪としての内輪45を備えている。ハウジング部材41は円筒形状をしており、その内径は外輪44の外周直径と略同じに設定され、また、その外径はロータ保持部20の外径よりやや小さく設定されている。ハウジング部材41には、ハウジング部材41をロータ保持部20に固定するためのボルト46を通す貫通孔41dがハウジング部材41の同心円に等配して形成されている。そして、後述するように、玉軸受42は、ハウジング部材41に圧入されてこれと一体とされている。
ロータ保持部20の端面には、外輪44の外周面が取付けられる環状の軸受取付面22と玉軸受42の軸方向の位置を規制するための軸受規制部23が形成されている。また、ロータ保持部20の端面には、ネジ部24が、貫通孔41dに一致するように形成されている。このネジ部24には、ハウジング部材41をロータ保持部20に固定するためのボルト46が取付けられている。ステータ保持部30の端面には、内輪45の内周面が取付けられる軸受取付面32が形成されている。
また、上記軸受ユニット40では、外輪44の内側端面44aがハウジング部材41の内側端面41aよりもロータ保持部20側へ突出して外輪44の外周面の一方側に露出面44cが形成されるように、ハウジング部材41は当該外周面の他方側に嵌合されている。また、ハウジング部材41には、外輪44、ひいては玉軸受42の軸方向への位置を規制しつつ、玉軸受42の端部を覆うように縁部41cが形成されている。
上記軸受ユニット40を電動機10に装着する場合、露出面44cは軸受取付面22に挿嵌され、軸受取付面32は内輪45の内周面に挿嵌される。このようにしてロータ保持部20とステータ保持部30との端部に玉軸受42が取付けられ、ステータ保持部30は、玉軸受42を介してロータ保持部20を同軸で回転自在に支持することができる。また、このとき、軸受取付面22と露出面44cとは、着脱可能に嵌合(ルーズフィット)されている。同様に内輪45の内周面と軸受取付面32とは着脱可能に嵌合されている。
そして、複数のボルト46によりハウジング部材41は、ロータ保持部20の端面に取付けられ、さらに、円環状の止め板47をボルト48により取付けられている。このとき、外輪44がその両端を軸受規制部23と縁部41cとによりロータ保持部20に対して確実に位置決めされることで、玉軸受42は、電動機に対して位置決めされている。このようにして、軸受ユニット40は電動機10に取付けられている。
なお、内輪45の内側端面45aとステータ保持部30の端面との間及び外側端面45bと止め板47との間には若干の間隙が設けられている。これは、電動機10が運転時のその温度上昇した場合に発生するロータ保持部20とステータ保持部30との熱膨張量の差を許容するためである。
図3中、縁部41cの内輪外側端面45bと対向している部分には、内輪外側端面45bと縁部41cにより形成される開口部を塞ぐように例えば合成ゴムを主成分とする円筒状のシール部材70が取付けられている。
図4は、シール部材の一部を表した模式図である。図3も参照して、このシール部材70は、取付け部70aが、ハウジング部材縁部41cに形成されている溝部41eに取付けられ、摺接部70cが、内輪外側端面45bに接触し、内輪外側端面45bと縁部41cにより形成される開口部を塞いでいる。電動機10の運転時において、シール部材70は、ロータ保持部20と共に回転するので、摺接部70cが内輪外側端面45bに対して摺接しつつ、開口部をシールするように構成されている。
摺接部70cには、摺接部70cの一部を切り欠くことで円周方向に沿って等間隔で連続的に凹部70dが形成されている。そして、シール部材70は、溝部41eに取付けられる際には、屈曲部70bで屈曲させた状態で取付けられる。このとき、摺接部70cは、その先端を外周方向に向けるようにして取付けられる。このようにすることで、シール部材70が伸直状態に戻ろうとする弾性力により、摺接部70cを内輪外側端面45bに押し付けてシール効果を高めている。
また、このシール部材70において、摺接部70c付近のみに主成分の合成ゴムの中に例えば鉄の微粉末を混入して成形している。これにより、摺接部70c付近のみをシール部材70の他の部分と比較して比重を大きくしている。
また、図3を参照して、内輪45の軌道面端部には、玉軸受42の環状開口部を塞ぐように例えば合成ゴムを主成分とする円環状のシール部材71が取付けられている。このシール部材71は、内輪45の軌道面側に形成される溝部45cに取付けられ、摺接部71cが、外輪44の軌道面側端部44dに接触し、玉軸受42の環状開口部を塞いでいる。電動機10の運転時には、回転しない摺接部71cに対して、回転する外輪軌道面側端部44dとが摺接しつつ、環状開口部をシールするように構成されている。
このシール部材71も上述のシール部材70と同様に摺接部71cには、摺接部71cの一部を切り欠くことで円周方向に沿って等間隔で連続的に凹部が形成されている。シール部材71は、玉軸受42に取付けられる際には、屈曲した状態で取付けられており、シール部材71が伸直状態に戻ろうとする弾性力により、摺接部71cを外輪軌道面側端部44dに押し付けてシール効果を高めている。
シール部材70とシール部材71と玉軸受42とハウジング部材41とにより形成される円環状の空間72には、例えばグリスが充填されており、外部に漏れないように保持されている。
図5は、図1中、本発明の第一の実施形態に係る電動機10の一部分を示した円筒軸方向断面図である。ロータ保持部20の内周側に形成されている円環状の磁石取付部25には、円環状の磁石26が一体に固定されている。この磁石26は、外周は前記磁石取付部25の内径と略同じ直径で形成されており、複数の磁極が連続的に配置されている。ホール素子を含んだホールIC34は、ステータ保持部30に取付けられている取付板35に固定されている。そして、このホールIC34は、ロータ保持部20と一体に回転する前記円環状の磁石25の内周面とホールIC34とが常に一定の間隔をもって対向配置されるように固定されている。
上記のように構成された本実施形態にかかる電動機10は、ロータR及びステータSが円筒状に構成されているので、上記従来例よりも軽量なものとすることができる。従って、本実施例のように、電動機10を車軸50に搭載した場合にも、バネ下重量の増加を抑制することができる。また、この電動機10は、減速機等を介さずロータRにより駆動輪60を直接的に駆動しているので、駆動効率が高いものとなる。
さらに、本実施形態では、電動機10は、ダンパー54とフレキシブル継手53とを介して車軸50に支持され、駆動輪60と前記ロータ保持部20はフレキシブル継手57で連結されている。従って、車両が走行して車軸が上下に振動した場合にも、電動機10は車軸50に対して上下動が可能であるので、車軸軸50の上下動を電動機10に伝達するのを抑え、電動機10ができるだけ車体に対して上下方向に振動するのを抑制することができる。これにより、電動機10が車軸50へ与える影響を少なくすることができるため、駆動輪60の路面に対する追従性が低下するのを抑制し、乗り心地性が悪化することを抑制できる。また、この電動機10において、車両を支えるための負荷荷重は、駆動輪60を支持している車軸50やサスペンション50dにより負担されており、電動機10には、前記負荷荷重は、全く作用しないように搭載されている。これにより、電動機10は、外部から作用する荷重を考慮する必要性が低くなるので、より軽量な構造設計とすることができる。
また、本実施形態では、シール部材70とシール部材71と玉軸受42とハウジング部材41とにより形成される円環状の空間72には、グリスが充填されているので、両シール部材70,71の摺接部70c,71cは、常にグリスにより潤滑される。これによって、摺接部70c,71cは、これらに接触している部材と摺動しても摩耗を抑制することができ、両シール部材70,71の寿命が向上する。これにより長期に渡って電動機内部への耐防塵・耐水性を維持することができる。また、摺接部70c,71cには、その一部を切り欠くことで円周方向に沿って等間隔で連続的に凹部が形成されているので、摺接部70c,71cとこれに接触している部材との接触面積が減少し、高速回転時でも摺接部70c,71cでの動摩擦力が大きくなることを抑制することができ、当該シール部材70,71の寿命を向上させることができる。よって、軸受寿命の向上および電動機内部への耐防塵・耐防水性を維持することができる。
さらに、シール部材70は、摺接部70cを外周方向に向けるように屈曲させて取付けられているので、電動機10の運転時に、シール部材70が高速回転した場合、摺接部70cは、遠心力により外周方向への力を受ける。すなわち、摺接部70cには、内輪外側端面45bから離反するように遠心力が作用する。それに加えて、摺接部70c付近は、主成分の合成ゴムの中に鉄の微粉末を混入して成形されており、摺接部70c付近のみ他の部分と比較して比重を大きくしているので、摺接部70cに作用する遠心力は、より高められ、内輪外側端面45bから離反する方向への力が高められる。これにより、ロータRの回転速度に応じて摺接部70cを広げさせることができる。よって、ロータRの回転速度に応じて摺接部70cでの接触面圧を変化させることができ、高速回転時でも当該摺接部70cでの動摩擦力の増加を抑えることができる。よって、軸受寿命の向上および電動機内部への耐防塵・耐防水性を維持することができる。
また、本実施形態では、ステータ保持部30にホールIC34を備え、ロータ保持部20に円環状磁石25を備えているので、電動機10の運転時にロータの回転数および回転位置を検出することができ、電動機10の運転制御が容易なものにできる。
また、本実施形態に係る軸受ユニット40は、その玉軸受42がロータR及びステータSの各軸方向両端部に取付けられている。また、その内輪45の内周面がステータS側の軸受取付面32に対し着脱可能に嵌合されるとともに、外輪44の外周面の一方側に構成された上記露出面44cがロータR側の軸受取付面22に対し着脱可能に嵌合され、かつ外輪外周面の他方側に嵌合されたハウジング部材41がロータR側のロータ保持部20に対し着脱可能に固定されている。これにより、玉軸受42を電動機10に対して着脱可能に取付けることができ、当該玉軸受42の点検時や異常発生時などに、電動機10を分解しなくても電動機10から玉軸受42のみを取付・取外しすることができる。
図6は、本発明の第二の実施形態に係る車両用電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。本実施形態と第一の実施形態との主な相違点は、ロータ保持部20に電動機10の内部空間から外部空間への一方向のみに通気可能に構成されたリリーフ弁27を設けた点である。
このリリーフ弁27は、ロータ保持部20に形成された連通孔27eと、連通孔27e内で上記内部空間側に設けられた弁座27fと、連通孔27e内を移動可能に配置された栓部材としてのボール27cと、連通孔27eの内部に配置された付勢手段としてのスプリング27dと、前記スプリング27dを連通孔27eに留めるための円筒状部材27aとにより構成されている。
連通孔27eは、電動機10の内部空間と外部空間とを連通しており、その内径は、ボール27cが自在に移動可能な径に設定されている。そして、上記弁座27fはボール27cが密接可能なように半球状に形成されており、当該弁座27fにボール27cが密接したときに連通孔27eは閉塞状態とされ、またボール27cが弁座27fから離反したときに連通孔27eは開放状態とされるようになっている。また、このボール27cには、一端側が円筒状部材27aに当接したスプリング27dの他端側が当接されており、ボール27cがスプリング27dによって弁座27f側に付勢されており、スプリング27dの付勢力によってボール27cと弁座27fとの密接状態が維持されて連通孔27eは閉塞状態で保持されている。
このように構成されたリリーフ弁27では、電動機10の運転に伴う当該電動機10の内部の温度上昇によってその内部空間が熱せられ、その内部圧力が上昇した場合、ボール27cには、その内部圧力(空気圧)によってロータ保持部20外側方向へ押し上げられる力が作用する。そして、上記内部圧力がスプリング27dの付勢力以上に達したときには、ボール27cは、その押し上げられる力により弁座27fから離される。これによりリリーフ弁27は作動して、連通孔27eが閉塞状態から開放状態となり、電動機10の内部圧力を下げることができる。このとき、スプリング27dの自由長やバネ定数、連通孔27eや通気孔27bの内径等は、電動機10の内部圧力が最適な値に保持できるように設定されている。
上記のように構成された本実施形態にかかる電動機10は、その運転に伴う温度上昇により電動機内部の圧力が高くなった場合にのみ開口するリリーフ弁27が設けられているので、電動機の外部からの粉塵や水分等の電動機内部への侵入を防ぎながら、電動機内部の異常な圧力上昇を抑えることができる。
また、上記の説明では、ロータ保持部20にリリーフ弁27を設けた構成について説明したが、ステータS側のステータ保持部30にリリーフ弁27を設ける構成でもよい。また、リリーフ弁27には、栓部材としてボール27cと、半球状に形成された弁座27fとを用いたが、三角柱形状の栓部材と、その栓部材に対して密着可能な弁座とを用いてもよい。
図7は、本発明の第三の実施形態に係る電動機10の一部分を示した円筒軸方向断面図である。本実施形態と第一および第二の実施形態との主な相違点は、ステータ保持部30の内周面に電動機10を冷却するためのウォータージャケット37を設けた点である。
このウォータージャケット37は、冷却水路37aが内部に形成されている。このウォータージャケット37は、ステータ保持部30の内周部に形成されたウォータージャケットの取付部38に、ウォータージャケット37の外周面が密着するように圧入されている。このとき、取付部38は、ウォータージャケット37が圧入された時にステータ保持部30内周面には段差が形成されないように形成されている。そして、冷却水路37aには冷却水が流され、ステータ保持部30を冷却するように構成されている。
上記のように構成された本実施形態にかかる電動機10は、高負荷で電動機が運転された場合でも、ウォータージャケット37によって、電動機の運転に伴う温度上昇を抑え、その温度上昇による電動機の破損等を防止することができる。
図8は、本発明の第四の実施形態である電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。本実施形態と第一、第二及び第三の実施形態との相違点は、電動機10両端部に取付けられている本発明に係る軸受ユニット80の構成において、内輪の内周側にもハウジング部材を取付けた点である。
図中本実施形態である軸受ユニット80は、第一のハウジング部材81と第二のハウジング部材82と玉軸受83とを備えている。玉軸受83は、転動体としてのボール84と、内周面に軌道面を有する回転輪としての外輪85と、外周面に軌道面を有する固定輪としての内輪86とを備えている。第一のハウジング部材81は円筒形状をしており、その内径は玉軸受83の外輪85の外周直径と略同じに設定され、また、その外径はロータ保持部20の外径よりやや小さく設定されている。第一のハウジング部材81には、第一のハウジング部材81をロータ保持部20に固定するためのボルト87を通す貫通孔81cが第一のハウジング部材81の同心円に等配して形成されている。第二のハウジング部材82も円筒形状をしており、その外径は玉軸受83の内輪86の内周直径と略同じに設定され、また、その内径はステータ保持部30の内径と略同じに設定されている。第二のハウジング部材82には、第二のハウジング部材82をステータ保持部30に固定するためのボルト89を通す貫通孔82cが第二のハウジング部材82の同心円に等配して形成されている。そして、後述するように、第二のハウジング部材82は玉軸受83の内径に圧入され、玉軸受83は第一のハウジング部材81の内径に圧入されて一体とされている。
ロータ保持部20の端面には、外輪85の外周面が取付けられる環状の軸受取付面22と玉軸受83の軸方向の位置を規制するための軸受規制部23が形成されている。また、ロータ保持部20の端面には、ネジ部24が、貫通孔81cに一致するように形成されている。このネジ部24には、第一のハウジング部材81をロータ保持部20に固定するためのボルト87が取付けられている。ステータ保持部30の端面には、内輪45の内周面が取付けられる軸受取付面32が形成されている。また、ステータ保持部30の端面には、ネジ部39が、貫通孔82cに一致するように形成されている。このネジ部39には、第二のハウジング部材82をロータ保持部20に固定するためのボルト89が取付けられている。
また、上記軸受ユニット80では、外輪85の内側端面85aが第一のハウジング部材81の内側端面81aよりもロータ保持部20側へ突出して外輪85の外周面の一方側に露出面85cが形成されるように、第一のハウジング部材81は当該外周面の他方側に嵌合されている。同様に、また、内輪86の内側端面86aが第二のハウジング部材82の内側端面82aよりもステータ保持部30側へ突出して内輪86の内周面の一方側に露出面86cが形成されるように、第二のハウジング部材82は当該内周面の他方側に嵌合されている。
上記軸受ユニット80を電動機10に装着する場合、露出面85cはロータ保持部20の軸受取付面22に挿嵌され、露出面86cは、ステータ保持部30の軸受取付面32に挿嵌される。このようにしてロータ保持部20とステータ保持部30の端部に玉軸受83が取付けられ、ステータ保持部30は、玉軸受83を介してロータ保持部20を同軸で回転自在に支持することができる。また、このとき、軸受取付面22と露出面85cとは、着脱可能に嵌合されている。同様に露出面86cと前記軸受取付面32とは着脱可能に嵌合されている。
そして、第一のハウジング部材81は、複数のボルト87によりロータ保持部20の端面に固定され、また、第二のハウジング部材82は、複数のボルト89によりステータ保持部30の端面に固定されている。
さらに、第一のハウジング部材81と第二のハウジング部材82とにより形成される環状開口部には、玉軸受83を保護するため、円環状のシール部材90が装着される。そして、このシール部材90の脱落を防止するために、円環状の止め板88が、第二のハウジング部材82をステータに固定しているボルト89により共締めされて固定されている。このようにして、軸受ユニット80は電動機10に取付けられている。
上記のように構成された本実施形態の軸受ユニット80は、上記露出面85c及び86cが対応する軸受取付面22及び32に対して着脱可能に嵌合されているので、玉軸受83を電動機10に対して着脱可能に取付けることができる。これにより、上記実施形態と同様に、玉軸受83の点検時や異常発生時などに、電動機10を分解しなくても電動機10から玉軸受42のみを取付・取外しすることができる。また、本実施形態では、玉軸受83の開口部は、軸受ユニット80に取付けられる円環状のシール部材90でシールすることができるので、軸受ユニット40の耐防塵、耐水性が向上し、軸受寿命の低下を抑制することができる。
本実施形態で示した軸受ユニット80では、内輪85の内径には第二のハウジング部材82が圧入されているが、内輪85の内径と第二のハウジング部材82とは、着脱可能に嵌合されていてもよい。第二のハウジング部材82は内輪85に取付けられ、それ自身は回転しないので特に強固に固定する必要がないからである。
上記説明した本実施形態の軸受ユニット40,80では、外輪の外周面のみにハウジング部材41を嵌合した場合と、内外輪の周面にハウジング部材81,82を嵌合した場合とを示したが、内輪の内周面にのみハウジング部材を嵌合した構成でもよい。
また、上記実施形態の軸受ユニット40,80では、外輪にはロータRが取付けられ、内輪にはステータSが取付けられる構成となっていたが、当該軸受ユニットが取付けられる電動機の構成により、外輪にステータが取付けられ、内輪にロータが取付けられる構成でもよい。
尚、上記説明した本発明に係る車両用電動機の実施形態は電気自動車に適用した場合であるが、タイヤ駆動の新交通システム、荷役システムなどへの適用や、タイヤの替わりに鉄輪を用いた軌道上を走行する路面電車、レールバスなどへも適用可能であることはいうまでもない。
また、上記に説明した本発明に係る軸受ユニットの実施形態では、転がり軸受として玉軸受を用いたが、ころ軸受等の玉軸受以外の転がり軸受を用いてもよい。
本発明の車両用電動機および軸受ユニットは、上記各実施形態に限定されるものではなく、電動機の構成や、車両への搭載方法、軸受ユニットの設置数、ハウジング部材の設置数や設置箇所等は、本発明の趣旨に基づいて適宜変更することができる。
本発明の第一の実施形態に係る軸受ユニット及びそれを用いた車両用電動機の構成を模式的に示した車軸方向の断面図である。 図1中の電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。 図1中の軸受ユニットの一部分を示した円筒軸方向断面図である。 シール部材の一部を表した模式図である。 図1中の電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る電動機の一部分を示した円筒軸方向断面図である。
符号の説明
10 電動機
21 ロータ本体
22 軸受取付面
26 磁石
27 リリーフ弁
27e 連通孔
31 ステータ本体
32 軸受取付面
34 ホールIC
37 ウォータージャケット
40,80 軸受ユニット
41,81,82 ハウジング部材
42,83 玉軸受
43,84 ボール(転動体)
44,85 外輪
44c,85c,86c 露出面
45,86 内輪
60 駆動輪
70,71,90 シール部材
70c,71c 摺接部
70d 凹部
R ロータ
S ステータ

Claims (10)

  1. 内輪と、外輪と、これら内外輪間に転動自在に設けられた複数の転動体とを備えた転がり軸受を有する軸受ユニットであって、
    前記内輪の内周面及び前記外輪の外周面の少なくとも一方の軌道輪の周面に嵌合されるとともに、その軌道輪が取付けられる取付部品に対し着脱可能に固定される円環状のハウジング部材を有し、
    前記軌道輪の周面において、その軸方向の一方側は前記取付部品側に形成された環状の取付面に対し着脱可能となるように露出されるとともに、他方側は前記ハウジング部材に嵌合されていることを特徴とする軸受ユニット。
  2. 前記内輪の内周面に嵌合される内側のハウジング部材と、前記外輪の外周面に嵌合される外側のハウジング部材とを備えるとともに、
    前記内側及び外側のハウジング部材の間に前記内外輪間の環状開口部をシールするシール手段を設けた請求項1記載の軸受ユニット。
  3. ステータ及びロータを備え、前記ロータによって車両の駆動輪を回転駆動させる車両用電動機であって、
    前記ステータの軸方向両端部及び前記ロータの軸方向両端部に、請求項1または2に記載の軸受ユニットの内輪及び外輪の一方及び他方がそれぞれ取付けられていることを特徴とする車両用電動機。
  4. 前記ロータ及び前記ステータは円筒状に構成され、
    前記ステータは前記ロータに包囲されているとともに、前記駆動輪に連結可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用電動機。
  5. 前記軸受ユニットは、前記内外輪間に取付けられた第一のシール部材と、前記環状開口部を塞ぐように前記ハウジング部材に取付けられた第二のシール部材とを有し、前記第一及び第二のシール部材間に潤滑剤を充填したことを特徴とする請求項3もしくは4記載の車両用電動機。
  6. 前記シール部材には、被シール面に摺接する摺接部が設けられているとともに、この摺接部には、前記被シール面に対する接触面積を減少させる凹部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の車両用電動機。
  7. 前記シール部材の摺接部には、当該シール部材の主成分よりも比重の大きい微粉末が混入されていることを特徴とする請求項6記載の車両用電動機。
  8. 前記ロータに取付けられた磁石と、この磁石に対向するように前記ステータに配置されたホールICとを有することを特徴とする請求項3〜7のいずれか記載の車両用電動機。
  9. 前記ロータ及び前記ステータの少なくとも一方側に形成され、電動機の内部空間と外部空間とを連通する連通孔と、
    この連通孔を閉塞し、電動機の内部空間の圧力が所定値以上になると当該連通孔を開放するリリーフ弁とを備えることを特徴とする請求項3〜8のいずれか記載の車両用電動機。
  10. 前記ステータの内周面には、冷却水路を備えたウォータージャケットが設けられていることを特徴とする請求項4〜9のいずれか記載の車両用電動機。
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