JP2005334915A - 退避機能を備えた加工装置および退避方法 - Google Patents

退避機能を備えた加工装置および退避方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 退避機能の斜め移動を行った際、立ち上がったワークの切り屑に加工ノズルを衝突させてしまうと、芯ずれや加工ヘッドが傾き、加工ノズルにキズがつく等の障害が発生する。さらに加工ノズルの損傷により加工ノズルの交換を行わなければならず、加工ノズル分のコストがかかるという問題点も生じている。
【解決手段】 静電容量によりワークと加工ノズルとの距離を検出する静電センサを有する加工機において、退避動作の斜め移動時に周期的に、加工ノズルと兼用の静電センサデータを取り込み、センサデータの現在値と前回の値から変化量を算出する。静電容量の特性から通常ワークから離れる方向においては静電容量の変化量が正であり、ワークに近づくと静電容量の変化量が負に変化する。そこで、静電センサのバラツキを考慮し、ある規定時間以上、変化量が負の場合、ワークに近づいていると判断し、退避点まで加工ヘッドをZ軸方向へ上昇するように構成した。
【選択図】 図6

Description

本発明は静電容量によりワークと加工ノズルとの距離を検出する静電センサを有する加工機において、倣い斜め退避時に退避軌跡上の切り屑等の障害物へ加工ノズルの衝突を防止する退避機能を備えた加工装置および退避方法に関するものである。
レーザ加工機における基本的な倣いの退避軌跡は、図18(a)のように加工終了後、加工終了点P1から次の加工開始点P2までの移動時にワーク104の切り屑にぶつからないように加工ヘッド4を一度倣い退避位置まで上昇させ、その位置から次の加工ポイントの倣い退避位置へ移動させた後、加工高さまでアプローチ動作を行っていた。そのため、この処理では退避・移動・アプローチの3段階処理を行うこと及び移動距離の問題から移動時間に長く時間がかかっていた。
そのため、従来の技術では、上記動作からの時間短縮を図るために、特許文献1および特許文献2に、X軸、Y軸、Z軸方向に同時に移動を制御する装置が開示されており、また、退避・移動・アプローチの3段階処理のうち退避と移動とを組み合わせ、図18(b)のように加工終了点P1から次の加工点P2の倣い退避位置へ移動させるように倣い退避機能として斜め移動を行っているものもある。
また、特許文献3および特許文献4には、倣い退避時(特許文献中では位置決め指令時もしくは早送り移動時と記載)に倣い装置を動作させ加工ヘッドとワーク表面の近傍を表面と一定距離以上に保ったまま、かつ加工ヘッドが降下しないように制御する技術が開示されている。特許文献3には、位置決め指令時に障害物を倣い装置にて検出した場合、加工ヘッドが上昇する技術も開示されている。
特開平11−114681号公報 特開平4−138886号公報 特開平9−277070号公報 特開平5−212573号公報
特許文献1および2では、センサを有していないか若しくは倣い退避移動中にはセンサが働かないので、倣い退避動作の斜め移動の際、図18(c)のように立ち上がったワーク104の切り屑に加工ノズル4を衝突させてしまう可能性があり、加工ノズル4が損傷する問題がある。特許文献3および4では、静電容量型の非接触式センサが用いられており、切り屑等障害物を検出し回避できるが、ワーク表面の近傍を移動するため頻繁に回避動作が行われる可能性があり、結果的に移動時間が長くなるという問題がある。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1および2で開示されたX軸、Y軸、Z軸方向に同時に移動を制御し倣い退避動作を斜め移動でおこなう技術に、特許文献3で開示された静電容量型の非接触式センサを動作させ障害物を検出し回避するという技術を組み合わせ、斜め移動時にも障害物を回避することも考えられる。しかし、特許文献3で開示されたものはセンサの検出距離に障害物との距離が達した場合に回避動作を行うもので、このような組み合わせでは、以下のような問題が発生する。
加工終了点近傍に立ち上がった切り屑のワークと加工ヘッドとの距離よりも加工終了点にある端材または製品のワークと加工ヘッドとの距離を静電センサのデータとして見なしてしまうため、倣い退避開始時は加工終了点にある端材または製品のワークを誤検知する可能性があり、また、加工終了点にある端材または製品のワークが静電センサ閾値外に出ないと加工終了点近傍に立ち上がった切り屑のワークを検知できない。
また、閾値による検知では、斜め移動軌跡近傍で倣い退避動作中に実際には加工ノズルにあたらない箇所の立ち上がったワークの切り屑も閾値内に入ると検知してしまい、倣い退避動作を遅らせる要因となる。
さらには、静電センサのバラつきやノイズに対して誤検知をする可能性が生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、斜め移動軌跡近傍で倣い退避動作中に実際には加工ノズルにあたらない箇所の立ち上がったワークの切り屑に対して、倣い退避動作を遅らせることが無い加工装置を得ることを第1の目的とするものである。
また、静電センサのバラつきやノイズによる誤検知を防止することを第2の目的とするものである。
本願の第1の発明に係る加工装置は、ワークと加工ヘッドとの距離を検出手段により検出しつつ加工を行うと共に、加工終了後に次の加工開始点もしくは加工ヘッド退避位置に上記加工ヘッドを退避させる退避動作を行う加工装置において、ワークと加工ヘッドとの相対位置を変化させる駆動手段と、前記駆動手段の動作を制御する制御手段と、前記加工ヘッドの退避動作時に退避経路近傍に存在する障害物と前記加工ヘッドとの間の距離を所定のタイミング毎に検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記タイミング毎の距離の変化量を算出する変化量算出手段と、この変化量に基づき、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が変化していないのかもしくは長くなっている場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する斜め上方への倣い退避動作をするように前記加工ヘッドを駆動制御し、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている場合に、前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するように駆動制御する制御手段と、を備えたものである。
本願の第2の発明に係る加工装置は、前記第1の発明において、前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、この静電センサによって測定された測定値を距離に変換するデータ変換手段を備え、前記変化量を算出する手段は、このデータ変換手段にて変換された距離の値に基づいて距離の変化量を算出するものである。
本願の第3の発明に係る加工装置は、前記第1の発明において、前記制御手段は、前記距離の変化を判断する手段が前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっていると判断した場合には、所定の退避高さまで前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するものである。
本願の第4の発明に係る加工装置は、前記第1の発明において、前記制御手段は、前記変化量を判断する手段にて、前記変化量が所定時間以上、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている状態が続いたと判断した場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに上昇するように駆動手段を制御するものである。
本願の第5の発明に係る加工装置は、前記第1の発明において、前記制御装置は、退避動作開始時より前記加工ヘッドを前記ワークに対して斜め上方に移動するように駆動手段を制御するものである。
本願の第6の発明に係る加工装置は、前記第1の発明において、前記制御装置は、退避動作開始時に前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに所定距離上昇させ、所定の距離上昇した後に退避動作の斜め移動を開始するように制御するものである。
本願の第7の発明に係る加工装置は、前記第6の発明において、前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、前記所定の距離は、前記静電センサの検出可能範囲近傍に設定したものである。
本願の第8の発明に係る加工装置は、加工ヘッドに設けられた静電センサと、前記静電センサの出力である電圧値をデジタル値に変換するA/D変換部と、前記A/D変換部により変換された電圧値を距離に変換するノズル高さデータ変換部と、この距離に基づき前記加工ヘッドをワークに対して移動させる指令移動量を作成する指令移動量作成部とを備え、前記指令移動量に基づきサーボモータを駆動し加工ヘッドをワークに対し移動させる加工装置において、前記移動指令量作成部は、メモリに記憶した前回測定ノズル高さデータを読み出し、この前回測定データと前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータとを比較し高さデータの変化量を算出するとともに、前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータをメモリに記憶する変化量算出部と、前記変化量算出部にて算出された変化量が正か0か負かを判断し、負と判断した場合に状態フラグをオンする符号判定部と、前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し斜め上方に移動するように指令移動量を作成する斜め移動指令部と、前記状態フラグがオンの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し所定の退避点高さまで上方のみへ移動するように指令移動量を作成する基本退避移動指令部とを有したものである。
本願の第9の発明に係る加工装置は、前記第8の発明において、前記移動指令量作成部は、前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータが所定の開始高さに到達したかを判断し、到達した場合に状態フラグをオンする開始移動判定部と、前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し上方のみへ移動するように指令移動量を作成するZ軸上昇移動指令部とを備え、前記状態フラグがオンの場合、前記変化量算出部が処理を実施するものである。
本願の第10の発明に係る加工装置は、前記第8の発明において、前記符号判定部がカウンタ機能を有し、前記変化量算出部にて算出された変化量が、負と判断した場合に前記カウンタを増加させ、正か0と判断した場合は前記カウンタをリセットし、前記カウンタの値が所定の値に達した場合に状態フラグをオンするものである。
本願の第11の発明に係る退避方法は、ワークと加工ヘッドとの距離を検出手段により検出しつつ加工を行うと共に、加工終了後に次の加工開始点もしくは加工ヘッド退避位置に上記加工ヘッドを退避させる退避動作を行う退避方法において、前記加工ヘッドを前記ワークに対し斜め上方に移動する工程と、この斜め上方移動時に加工ヘッドに設けられた静電センサの出力を測定する工程と、この測定値の変化量を算出する工程と、この変化量の正負を判断する工程と、この変化量の正負の符号が加工ヘッドと障害物との距離が短くなるような符号と判断された場合、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに変更する工程と、を備えたものである。
本願の第1の発明によれば、タイミング毎の距離の変化量に基づき、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が変化していないのかもしくは長くなっている場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する斜め上方への倣い退避動作をするように前記加工ヘッドを駆動制御し、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている場合に、前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するように駆動制御する制御手段と、を備えたので、倣い退避動作の斜め移動時に、移動軌跡上に立ち上がったワークの切り屑がある場合には、距離の変化量の減少をみることで、その軌跡上に立ち上がったワークの切り屑を検知し、ワークへの衝突をすることなく退避動作を円滑に実施し、次の加工ポイントにて加工を開始できる。
本願の第2の発明によれば、前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、この静電センサによって測定された測定値を距離に変換するデータ変換手段を備えるので、簡易に距離の変化量の測定を行うことができる。
本願の第3の発明によれば、距離の変化を判断する手段が前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっていると判断した場合には、所定の退避高さまで前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するので、切り屑への衝突を確実に防止することができる。
本願の第4の発明によれば、前記変化量が所定時間以上、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている状態が続いたと判断した場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに上昇するので、静電センサのバラつきやノイズに対しての誤検知を防止したり、障害物が衝突せずに静電センサの検出範囲内の近傍を通り過ぎるときの退避移動を防止できる。
本願の第5の発明によれば、退避動作開始時より前記加工ヘッドを前記ワークに対して斜め上方に移動するので、退避移動の時間短縮ができる。
本願の第6の発明によれば、退避動作開始時に前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに所定距離上昇させ、所定の距離上昇した後に退避動作の斜め移動を開始するので、静電センサへのワークからの影響を排除し、退避移動開始点近傍に立ち上がった切り屑のワークへの衝突を防止することができる。
本願の第7の発明によれば、前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、前記所定の距離は、前記静電センサの検出可能範囲近傍に設定したので、ワークの影響を排除するとともに上方への移動を最小に抑えることができる。
本願の第8の発明によれば、メモリに記憶した前回測定ノズル高さデータを読み出し、この前回測定データと前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータとを比較し高さデータの変化量を算出するとともに、前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータをメモリに記憶する変化量算出部と、前記変化量算出部にて算出された変化量が正か0か負かを判断し、負と判断した場合に状態フラグをオンする符号判定部と、前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し斜め上方に移動するように指令移動量を作成する斜め移動指令部と、前記状態フラグがオンの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し所定の退避点高さまで上方のみへ移動するように指令移動量を作成する基本退避移動指令部とを有したので、倣い退避動作の斜め移動時に、移動軌跡上に立ち上がったワークの切り屑がある場合には、距離の変化量の減少をみることで、その軌跡上に立ち上がったワークの切り屑や、距離の閾値では検知しづらかった加工ヘッド側面に衝突するワークを検知し、ワークへの衝突をすることなく退避動作を円滑に実施し、次の加工ポイントにて加工を開始できる。
本願の第9の発明によれば、ノズル高さデータが所定の開始高さに到達したかを判断し、到達した場合に状態フラグをオンする開始移動判定部と、前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し上方のみへ移動するように指令移動量を作成するZ軸上昇移動指令部とを備え、前記状態フラグがオンの場合、前記変化量算出部が処理を実施するので、静電センサへのワークからの影響を排除し、倣い退避移動開始点近傍に立ち上がった切り屑のワークへの衝突を防止することができる。
本願の第10の発明によれば、前記符号判定部がカウンタ機能を有し、前記変化量算出部にて算出された変化量が、負と判断した場合に前記カウンタを増加させ、正か0と判断した場合は前記カウンタをリセットし、前記カウンタの値が所定の値に達した場合に状態フラグをオンするので、静電センサのバラつきやノイズに対しての誤検知を防止したり、障害物が衝突せずに静電センサの検出範囲内の近傍を通り過ぎるときの退避移動を防止できる。
本願の第11の発明によれば、加工ヘッドを前記ワークに対し斜め上方に移動する工程と、この斜め上方移動時に加工ヘッドに設けられた静電センサの出力を測定する工程と、この測定値の変化量を算出する工程と、この変化量の正負を判断する工程と、この変化量の正負の符号が加工ヘッドと障害物との距離が短くなるような符号と判断された場合、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに変更する工程と、を備えたので、倣い退避動作の斜め移動時に、移動軌跡上に立ち上がったワークの切り屑がある場合には、距離の変化量の減少をみることで、その軌跡上に立ち上がったワークの切り屑を検知し、ワークへの衝突をすることなく退避動作を円滑に実施し、次の加工ポイントにて加工を開始できる。
実施の形態1.
図1は、本発明を実施するための実施の形態1における倣い退避機能を備えたレーザ加工機を示す斜視図である。レーザ加工機は、X軸方向に移動可能な加工テーブル2、レーザビームをワークへ照射する加工ヘッド3、加工ヘッド3の先端に取り付けられ静電センサとしての機能を有する加工ノズル4、加工ヘッド3をZ軸方向に移動させるZ軸ユニット5、Z軸ユニット5をY軸方向に移動させるY軸ユニット6、を備えた加工機本体1と、レーザビームを出射するレーザ発振器8、および加工機本体1およびレーザ発振器8を制御するNC制御部7からなり、加工テーブル2に載置されたワーク104の加工を行うものである。本発明の倣い退避機能は、NC制御部7に実装された倣い制御部により実施される一機能である。
レーザ発振器8から出射されたレーザビームは、図示省略した光学系にて加工ヘッド3に導かれ、加工ヘッド3に設けられた加工ノズル4の先端よりワーク104に照射されるとともに、NC制御部7の指令により、加工テーブル2をワークとともにX軸方向に移動させ、Y軸ユニット6にて加工ヘッド3をY軸方向に移動させることで、ワークに所望の2次元形状を加工することができる。
図2は、レーザ加工機の基本的な構成を示すブロック図である。オペレータが操作部110からNC制御部7に入力した加工プログラムにより、レーザ発振器8のON/OFFや加工機本体1に設けられた加工テーブル2や加工ヘッド3を移動させるZ軸ユニット5、Y軸ユニット6等の動作が制御される。
図3は、レーザ加工機の各軸の構成を示す斜視図である。Z軸5はY軸24に接続され、加工ヘッド3はZ軸5の先端に取り付けられている。Z軸受103はサーボモータSM3により加工ヘッド3を矢印Z方向に移動させ、Y軸受102はサーボモータSM2により加工ヘッド3を矢印Y方向に移動させ、X軸受101はサーボモータSM1により加工テーブル2を矢印X方向に移動させる。なお、上記サーボモータSM1〜SM3は、NC制御部7からの駆動信号により駆動され、静電センサによりワーク104と加工ノズル4との距離を一定に保持しながらレーザビームのスポットが加工線105を倣ように制御される。
図4は、静電センサを用いてワークと加工ノズルとの距離を制御するNC制御部7内の倣い制御部25の処理を示したブロック図である。通常の倣い処理は以下のように行われている。加工ヘッド3の先端の加工ノズル4が静電容量のセンサとなっており、加工ノズル4の静電容量を電圧として読み取りA/D変換部20でデジタル値に変換してノズル高さデータ変換部10に送る。そして、ノズル高さデータ変換部10にて、図5の電圧とノズル高さの関係図から現在のノズル高さデータを算出する。算出したノズル高さデータと、プログラムにて指定した加工中の加工ノズル4とワーク間の設定距離である倣い高さデータ21との差分が指令移動量作成部11に入力され、加工ノズル高さが倣い高さデータ21に一致するように、つまりその差が0となるように指令移動量作成部11にて指令移動量を作成する。その指令をサーボアンプ23からモータSM3へと伝え、Z軸方向に移動させる。これら一定の距離となるような制御処理を所定の周期で繰り返すことで加工ノズル4の倣い高さの制御を行っている。
また、図18(b)のように加工が終了し、加工終了ポイントP1から次の加工開始ポイントP2までの倣い退避動作の斜め上方移動は、プログラムにて指令した倣い退避位置の高さである退避高さデータ22が指令移動量作成部11に入力されることで、次の加工開始ポイントP2における加工ノズル4の高さが退避点の高さになるよう指令移動量作成部11にて指令移動量を作成する。その指令をサーボアンプ23からモータSM1〜3へと伝え、X軸、Y軸、Z軸を同時に制御することで加工ヘッド3を斜め上方に移動させる。本実施の形態では、倣い退避斜め移動時にも、静電センサを動作させ所定の周期で距離の測定を行う。
次に、倣い退避斜め移動時にワークの切り屑等の障害物を回避する動作について説明する。
図6は、倣い退避斜め移動時の指令移動量作成部11の内部処理を示したブロック図である。変化量算出部13にて、ノズル高さデータ変換部10より送られた加工ノズル高さデータの、メモリに記憶されている前回の値に対する差分から、加工ノズル高さの変化量を算出し符号判定部14へ送り、また、加工ノズル高さの現在値を次回で使用する前回値データとしてメモリに保存する。符号判定部14では、変化量が負である場合はワーク切り屑等の障害物との距離が近づいていると判断し基本退避フラグをONとし、変化量が正もしくは0である場合は基本退避フラグを変化させない。倣い退避斜め移動時当初は、基本退避フラグはOFFとなっている。退避移動選定部29aでは、基本退避フラグのON/OFFを確認し、基本退避フラグがOFFの場合は、ワーク切り屑等の障害物との距離が遠ざかっているかもしくは変化していないと判断し、斜め移動指令部16に移動指令作成を指令し、基本退避フラグがONの場合は、基本退避移動指令部18に移動指令作成を指令する。
斜め移動指令部16では、退避高さデータ22に基づき次の加工ポイントP2上の退避点P5までのX、Y、Z軸の移動量を作成し、各軸を移動させる。基本退避移動指令部18では、図7に示したように変化量が負と判断した点P3で一旦X、Y軸を停止させ、退避高さデータ22に基づき退避高さまでの移動量を作成し、Z軸のみを上昇させ、退避高さP4に到達後には次の加工ポイントP2上の退避点P5までのX、Y軸の移動量を作成し、X、Y軸を移動させる。倣い動作と同様に、これらの処理を所定の周期で繰り返す。
上記ではノズル高さデータ変換部10において電圧値を高さデータに変換し指令移動量作成部11に入力したが、図8に示すように、A/D変換部20でデジタル値に変換された電圧値を指令移動量作成部11に入力するようにしても良い。この場合、指令移動量作成部11の内部処理ブロック図は図9のようになる。変化量算出部13にて、A/D変換部20より送られた電圧値の現在値の、メモリに記憶されている前回の値に対する差分から、電圧値変化量を算出し符号判定部14へ送り、また、現在値を次回の前回値データとしてメモリに保存する。符号判定部14では、図5の電圧値とワークとの距離の特性から加工ヘッド4がワーク104から離れる方向では電圧値の変化量は正であり、加工ヘッド4がワーク104に近づくと負に変化することを利用し、変化量算出処理部13にて算出した変化量が負の値であれば、ワーク切り屑等の障害物との距離が近づいていると判断し、基本退避フラグをONとする。変化量が正もしくは0である場合は基本退避フラグを変化させない。倣い動作と同様に、これらの処理を所定の周期で繰り返す。これにより、上記ノズル高さデータ変換部10において電圧値を高さ値データに変換し指令移動量作成部11に入力する場合と同様な動作を行うことができる。
この構成により、倣い退避動作の斜め移動時、図18(c)のように移動軌跡上に立ち上がった切り屑のワークがある場合には、閾値ではなく静電センサの変化量の減少をみることで、その軌跡上に立ち上がったワークの切り屑を検知し、Z軸方向に退避点まで移動することでワークへの衝突をすることなく退避動作を円滑に実施し、次の加工ポイントにて加工を開始できる。
上記実施の形態では、X軸方向にワークが移動し、Y軸、Z軸方向に加工ヘッドが移動するレーザ加工機について説明したが、ワークが固定でX軸、Y軸、Z軸方向に加工ヘッドが移動するレーザ加工機や、加工ヘッドが固定でワークがX軸、Y軸、Z軸方向に移動するレーザ加工機に適用しても同様な効果が得られる。また、レーザビームを利用したレーザ加工機に限らず、プラズマ風を利用したプラズマ加工機や水流を利用したウォータジェット加工機等の、加工ヘッドとワークの相対位置を変化させつつワークを加工する加工機に適用しても良い。
実施の形態2.
実施の形態1の図6に示した処理における符号判定部14を、図10に示したように、新たにカウンタを設けたカウンタ付符号判定部19を用い、処理周期に割り当てた所定の回数分、すなわち所定の時間分、距離の変化量が負の状態を継続した場合に、基本退避フラグをONするようにしてもよい。
図10において、カウンタ付符号判定部19は加工ノズル高さの変化量が負と判断した場合、カウンタ値を1増加させるとともに、カウンタ値が所定の回数、例えば3回に達しているか判断し、3回に達していれば基本退避フラグをONする。変化量が正もしくは0の場合は、カウンタ値を0にクリアするとともに、基本退避フラグを変化させない。これにより、処理周期に割り当てた所定の回数分、距離の変化量が負の状態を継続した場合に、基本退避移動指令部18に移動指令作成を指令することができる。
この場合、所定の回数の設定は、処理周期の1周期に加工ヘッドが進む距離と静電センサの検出可能距離とから適宜決定すればよい。加工ヘッドが1周期に進む距離をXとし、静電センサ検出可能距離をYとし、所定の回数をNとすれば、NX<Yを満たすように設定する必要がある。NXがY以上であれば、基本退避フラグがONになる前に加工ヘッドと障害物が衝突する場合がある。よって、例えばNXをYの半分程度に設定しても良い。
このような処理を行うことで、測定信号に重畳したパルスノイズにより距離の変化量を1回でも負と誤判断すると実施の形態1では基本退避移動指令を開始してしまうが、本実施の形態によれば、所定の回数分連続して負の状態が継続しない限りは基本退避移動指令を開始しないので、パルスノイズによる誤動作を防止することができる。
また、加工ヘッドが切り屑等の障害物に衝突せずに静電センサの検出範囲内の近傍を通り過ぎる場合、実施の形態1では障害物が静電センサの検出範囲に入り、距離の変化量が1回でも負と判断すると基本退避移動指令が開始されるが、本実施の形態によれば、所定の回数分連続して負の状態が継続しない限りは基本退避移動指令を開始しないので、所定の回数負が継続する前に障害物と加工ノズルとの距離が遠ざかれば、基本退避移動指令を実施することは無く、不必要な基本退避移動指令を省略することができる。
上記ではノズル高さデータ変換部10において高さ値に変換したデータを指令移動量作成部11に入力したが、実施の形態1と同様に、A/D変換部20でデジタル値に変換された電圧値を指令移動量作成部11に入力するようにしても良い。
実施の形態3.
倣い退避移動開始時では、図11(a)のように加工終了点近傍に立ち上がったワーク104の切り屑が存在する場合、倣い退避斜め移動を開始すると、ワーク104の切り屑と加工ヘッド4との距離は接近し静電センサの出力電圧値は減少するが、一方、加工終了点にあるワーク104の端材またはワーク104と加工ヘッド4との距離は離れていくので静電センサの出力電圧値は増加する。その合成として静電センサの出力電圧値の変化が0もしくは正と見なしてしまう可能性もあり、その結果、加工終了点近傍に立ち上がったワークの切り屑に衝突する可能性がある。
そこで、倣い退避移動開始時には立ち上がった切り屑のワークがあるなしに関わらず、あらかじめ加工ヘッドをZ軸方向にある程度退避させるため、指令移動量作成部11にて指令移動量を作成する。その指令をサーボアンプ23からモータSM3へと伝え、図11(b)に示すように、加工ヘッド3を加工終了点P1の上方の加工終了上昇ポイントP6に移動させる。その後、加工終了上昇ポイントP6から次の加工開始ポイントP2上方の退避点P5までの倣い退避動作の斜め上方移動は、プログラムにて指令した退避高さデータ22が指令移動量作成部11に入力されることで、次の加工ポイントP2における加工ノズル4の高さが退避点の高さになるよう指令移動量作成部11にて指令移動量を作成する。その指令をサーボアンプ23からモータSM1〜3へと伝え、X軸、Y軸、Z軸を同時に制御することで加工ヘッド3を斜め上方に移動させ、加工ノズル4を次の加工ポイントP2上の退避点へ移動させている。
ここで、加工終了上昇ポイントP6の高さは図12の電圧とノズル高さの関係図において、静電センサの出力電圧値が飽和する高さ近傍に設定しておくことが望ましい。これによりワークの影響を排除するとともに上方への移動を最小に抑えることができる。この高さを、開始高さデータとしてプログラムに入力しておく。
図13は、倣い退避開始時にZ軸上昇処理を含んだ倣い退避斜め移動時の指令移動量作成部11の内部処理を示したブロック図である。開始移動判定部28ではノズル高さデータ変換部10より送られた加工ノズル高さデータとプログラムにて指定された開始高さデータ30の大小を判別し、開始高さデータ30以上の場合には加工終了点にある端材または製品のワークの影響を受けないと判断し、退避移動選定部29bに倣い退避開始処理の完了を知らせる完了フラグをONにする。
退避移動選定部29bでは開始移動判定部28からの倣い退避開始処理完了フラグを見て、倣い退避開始時のZ軸方向上昇中か斜め移動時か判断し、完了フラグがOFFの場合には、加工終了点にある端材または製品のワークの影響を受けていると想定され、斜め移動を実施せずにZ軸上昇移動指令部17に移動指令作成を指令する。
Z軸上昇移動指令部17では、図11に示したようにP1点からP6点へのZ軸の移動量を作成し、Z軸を上昇させる。逆に完了フラグがONの場合には、斜め移動指令部16に移動指令作成を指令する。斜め移動指令部16では、次の加工開始ポイントP2上の退避点P5までのX、Y、Z軸の移動量を作成し、各軸を移動させる。これらの処理を所定の周期で繰り返すことで加工ノズル4の倣い退避の制御を行っている。
この構成により、倣い退避移動開始時に、図11のように移動軌跡上に立ち上がった切り屑のワークがある場合には、あらかじめZ軸方向にある程度退避しておくことで、加工ノズルがワークの切り屑へ衝突することなく退避動作を円滑に実施し、次の加工ポイントにて加工を開始できる。
上記ではノズル高さデータ変換部10において高さ値に変換したデータを指令移動量作成部11に入力したが、実施の形態1と同様に、A/D変換部20でデジタル値に変換された電圧値を指令移動量作成部11に入力するようにしても良い。
実施の形態4.
本実施の形態4は、倣い退避斜め移動時に加工ヘッドと障害物の距離の変化が負になったときに、退避高さまで加工ヘッドを退避させるのではなく、Z軸方向への上昇移動中に静電センサによって検出された距離の変化が正もしくは0になった場合に、Z軸方向への上昇移動を中止し再度斜め移動を実施するように処理を行うことができるレーザ装置である。
図14は、実施の形態4に係る加工機の倣い退避斜め移動時の指令移動量作成部11の内部処理を示したブロック図である。実施の形態1では符号判定部13にて変化量が負の場合に基本退避フラグをONさせZ軸方向へ退避点高さまで上昇させたが、本実施の形態では、符号判定部14で変化量が負である場合はワーク切り屑等の障害物との距離が近づいていると判断し、Z軸上昇移動指令部17に移動指令作成を指令する。また、変化量が正もしくは0である場合はワーク切り屑等の障害物との距離が遠ざかっているかもしくは変化していないと判断し、斜め移動指令部16に移動指令作成を指令する。これらの処理を所定の周期で繰り返すことで加工ノズル4の倣い退避の制御を行っている。
このような制御を行うと、倣い退避動作は図15のようになる。加工終了点P1から次の加工開始点P2の上方の退避点P5に向かって、斜め移動を開始する。斜め移動中に障害物と接触する可能性が発生した場合、すなわち加工ノズル4と障害物との距離の変化が負となった場合、Z軸移動指令によりP3からZ軸方向へ加工ヘッドは上昇する。上昇する間に、P7点にて加工ノズル4と障害物との距離が遠ざかり始め、距離の変化が正もしくは0に変化した場合は、再度斜め移動指令によりP5点に向かって斜め移動を開始する。
この構成により、処理周期ごとに斜め移動もしくはZ軸上昇移動を選択するので、倣い退避移動距離が基本退避移動よりも少なく、倣い退避移動時間の短縮が可能となる。
上記ではノズル高さデータ変換部10において高さ値に変換したデータを指令移動量作成部11に入力したが、実施の形態1と同様に、A/D変換部20でデジタル値に変換された電圧値を指令移動量作成部11に入力するようにしても良い。
実施の形態5.
本実施の形態5は、実施の形態2にて説明した加工ノズルと障害物との距離の変化量が所定の回数負が続いたときに回避動作を行う処理と、実施の形態3にて説明した倣い退避動作開始時にZ軸方向のみに所定の高さ加工ヘッドを移動させる処理とを、行うことができるレーザ装置である。
図16は、実施の形態5に係る加工機の倣い退避斜め移動時の指令移動量作成部11の内部処理を示したブロック図である。開始移動判定部28ではノズル高さデータ変換部10より送られた加工ノズル高さデータと開始高さデータ30の大小を判別し、開始高さデータ30以上の場合には加工終了点にある端材または製品のワークの影響を受けないと判断し、第1の退避移動選定部29bに倣い退避開始処理の完了を知らせる完了フラグをオンにする。第1の退避移動選定部29bでは開始移動判定部28からの倣い退避開始処理完了フラグを見て、倣い退避開始時か斜め移動時か判断し、完了フラグがオフの場合には、加工終了点にある端材または製品のワークの影響を受けていると想定され、斜め移動を実施せずにZ軸上昇移動指令部17に移動指令作成を指令する。Z軸上昇移動指令部17では、図17に示したように、P1点からP6点へのZ軸の移動量を作成し、Z軸を上昇させる。逆に完了フラグがオンの場合には、変化量算出部13での処理を実施する。
変化量算出部13にて、ノズル高さデータ変換部10より送られた加工ノズル高さデータの現在値と、メモリに記憶されている前回の値との差分から、加工ノズル高さの変化量を算出し符号判定部14へ送り、また、現在値を次回の前回値データとしてメモリに保存する。カウンタ付符号判定部19は加工ノズル高さの変化量が負と判断した場合、カウンタ値を1増加させるとともに、カウンタ値が所定の回数に達しているか判断し、所定の数値に達していれば基本退避フラグをONする。変化量が正もしくは0の場合は、カウンタ値を0にクリアするとともに、基本退避フラグを変化させない。倣い退避斜め移動時当初は、基本退避フラグはOFFとなっている。第2の退避移動選定部29aでは、基本退避フラグのON/OFFを確認し、基本退避フラグがOFFの場合は、ワーク切り屑等の障害物との距離が遠ざかっているかもしくは変化していないと判断し、斜め移動指令部16に移動指令作成を指令し、基本退避フラグがONの場合は、基本退避移動指令部18に移動指令作成を指令する。これにより、処理周期に割り当てた所定の回数分、距離の変化量が負の状態を継続した場合に、基本退避移動指令部18に移動指令作成を指令することができる。
斜め移動指令部16では、次の加工ポイント上の退避点までのX、Y、Z軸の移動量を作成し、各軸を移動させる。基本退避移動指令部18では、図17に示したように変化量が負と判断した点P3で一旦X、Y軸を停止させ、退避高さデータ22に基づき退避高さまでの移動量を作成し、Z軸のみを上昇させ、退避高さP4に到達後には次の加工ポイントP2上の退避点P5までのX、Y軸の移動量を作成し、X、Y軸を移動させる。
上記ではノズル高さデータ変換部10において高さ値に変換したデータを指令移動量作成部11に入力したが、実施の形態1と同様に、A/D変換部20でデジタル値に変換された電圧値を指令移動量作成部11に入力するようにしても良い。
この構成により、倣い退避動作の斜め移動時、図17のように移動軌跡上に立ち上がった切り屑のワークがある場合には、閾値ではなく静電センサの変化量の減少をみることで、その軌跡上に立ち上がった切り屑のワークや閾値では検知しづらかった加工ヘッド側面に衝突するワークを検知し、Z軸方向に退避点まで移動することでワークへの衝突をすることなく退避動作を円滑に実施し、次の加工ポイントにて加工を開始できる。
また、倣い退避移動開始時、図17のように移動軌跡上に立ち上がった切り屑のワークがある場合には、あらかじめZ軸方向にある程度退避しておくことで、加工ノズルをワークへの衝突をすることなく退避動作を円滑に実施し、次の加工ポイントにて加工を開始できる。
さらに、加工ノズルと障害物との距離の変化量が所定の回数負が続いたときに回避動作を行う処理を行うことで、測定信号に重畳したパルスノイズにより距離の変化量を1回でも負と誤判断すると実施の形態1では基本退避移動指令を開始してしまうが、本実施の形態によれば、所定の回数分連続して負の状態が継続しない限りは基本退避移動指令を開始しないので、パルスノイズによる誤動作を防止することができる。また、加工ヘッドが切り屑等の障害物に衝突せずに静電センサの検出範囲内の近傍を通り過ぎる場合、実施の形態1では障害物が静電センサの検出範囲に入り、距離の変化量が1回でも負と判断すると基本退避移動指令が開始されるが、本実施の形態によれば、所定の回数分連続して負の状態が継続しない限りは基本退避移動指令を開始しないので、所定の回数負が継続する前に障害物と加工ノズルとの距離が遠ざかれば、基本退避移動指令を実施することは無く、不必要な基本退避移動指令を省略することができる。
本発明のレーザ加工機の全体構成図である。 本発明のレーザ加工機の基本構成を示すブロック図である。 本発明のレーザ加工機の加工ヘッドとワークの位置を移動させる各軸の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1による静電センサを用いてワークと加工ノズルとの距離を制御する処理を示したブロック図である。 本発明の静電センサにおける電圧値と加工ノズル高さの関係図である。 本発明の実施の形態1による指令移動量作成部の内部処理を示したブロック図である。 本発明の実施の形態1による倣い退避時の軌跡を示した図である。 本発明の実施の形態1による静電センサを用いてワークと加工ノズルとの距離を制御する処理を示した別のブロック図である。 本発明の実施の形態1による指令移動量作成部の内部処理を示した別のブロック図である。 本発明の実施の形態2による指令移動量作成部の内部処理を示したブロック図である。 本発明の実施の形態2による倣い退避時の軌跡を示した図である。 本発明の静電センサにおける電圧値と加工ノズル高さの関係図における静電センサ飽和距離を説明する図である。 本発明の実施の形態3による指令移動量作成部の内部処理を示したブロック図である。 本発明の実施の形態4による指令移動量作成部の内部処理を示したブロック図である。 本発明の実施の形態4による倣い退避時の軌跡を示した図である。 本発明の実施の形態5による指令移動量作成部の内部処理を示したブロック図である。 本発明の実施の形態5による倣い退避時の軌跡を示した図である。 基本的および従来の退避時の軌跡を描いた図である。
符号の説明
3. 加工ヘッド
4. 加工ノズル
10. ノズル高さデータ変換部
11. 指令移動量作成部
13. 変化量算出部
14. 符号判定部
16. 斜め移動指令部
17. Z軸上昇移動指令部
18. 基本退避移動指令部
19. カウンタ付符号判定部
20. A/D変換部
22. 退避高さデータ
25. 倣い制御部
26. 前回ノズル高さデータ
27. 前回電圧値
28. 開始移動判定部
29. 退避移動選定部
30. 開始高さデータ
104.ワーク

Claims (11)

  1. ワークと加工ヘッドとの距離を検出手段により検出しつつ加工を行うと共に、加工終了後に次の加工開始点もしくは加工ヘッド退避位置に上記加工ヘッドを退避させる退避動作を行う加工装置において、
    ワークと加工ヘッドとの相対位置を変化させる駆動手段と、
    前記駆動手段の動作を制御する制御手段と、
    前記加工ヘッドの退避動作時に退避経路近傍に存在する障害物と前記加工ヘッドとの間の距離を所定のタイミング毎に検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記タイミング毎の距離の変化量を算出する変化量算出手段と、
    この変化量に基づき、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が変化していないのかもしくは長くなっている場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する斜め上方への倣い退避動作をするように前記加工ヘッドを駆動制御し、
    前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている場合に、前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するように駆動制御する制御手段と、
    を備えたものであることを特徴とする加工装置。
  2. 前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、
    この静電センサによって測定された測定値を距離に変換するデータ変換手段を備え、
    前記変化量を算出する手段は、このデータ変換手段にて変換された距離の値に基づいて距離の変化量を算出するものであることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  3. 前記制御手段は、前記距離の変化を判断する手段が前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっていると判断した場合には、所定の退避高さまで前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するものであることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  4. 前記制御手段は、前記変化量を判断する手段にて、前記変化量が所定時間以上、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている状態が続いたと判断した場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに上昇するように駆動手段を制御するものであることを特徴とする請求の範囲1に記載の加工装置。
  5. 前記制御装置は、退避動作開始時より前記加工ヘッドを前記ワークに対して斜め上方に移動するように駆動手段を制御するものであることを特徴とする請求の範囲1に記載の加工装置。
  6. 前記制御装置は、退避動作開始時に前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに所定距離上昇させ、所定の距離上昇した後に退避動作の斜め移動を開始するように制御するものであることを特徴とする請求の範囲1に記載の加工装置。
  7. 前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、
    前記所定の距離は、前記静電センサの検出可能範囲近傍に設定したことを特徴とする請求の範囲6に記載の加工装置。
  8. 加工ヘッドに設けられた静電センサと、
    前記静電センサの出力である電圧値をデジタル値に変換するA/D変換部と、
    前記A/D変換部により変換された電圧値を距離に変換するノズル高さデータ変換部と、
    この距離に基づき前記加工ヘッドをワークに対して移動させる指令移動量を作成する指令移動量作成部とを備え、
    前記指令移動量に基づきサーボモータを駆動し加工ヘッドをワークに対し移動させる加工装置において、
    前記移動指令量作成部は、
    メモリに記憶した前回測定ノズル高さデータを読み出し、この前回測定データと前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータとを比較し高さデータの変化量を算出するとともに、前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータをメモリに記憶する変化量算出部と、
    前記変化量算出部にて算出された変化量が正か0か負かを判断し、負と判断した場合に状態フラグをオンする符号判定部と、
    前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し斜め上方に移動するように指令移動量を作成する斜め移動指令部と、
    前記状態フラグがオンの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し所定の退避点高さまで上方のみへ移動するように指令移動量を作成する基本退避移動指令部とを有したものであることを特徴とする加工装置。
  9. 前記移動指令量作成部は、
    前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータが所定の開始高さに到達したかを判断し、到達した場合に状態フラグをオンする開始移動判定部と、
    前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し上方のみへ移動するように指令移動量を作成するZ軸上昇移動指令部とを備え、
    前記状態フラグがオンの場合、前記変化量算出部が処理を実施することを特徴とする請求項8に記載の加工装置。
  10. 前記符号判定部がカウンタ機能を有し、
    前記変化量算出部にて算出された変化量が、負と判断した場合に前記カウンタを増加させ、正か0と判断した場合は前記カウンタをリセットし、前記カウンタの値が所定の値に達した場合に状態フラグをオンするものであることを特徴とする請求項8に記載の加工装置。
  11. ワークと加工ヘッドとの距離を検出手段により検出しつつ加工を行うと共に、加工終了後に次の加工開始点もしくは加工ヘッド退避位置に上記加工ヘッドを退避させる退避動作を行う退避方法において、
    前記加工ヘッドを前記ワークに対し斜め上方に移動する工程と、
    この斜め上方移動時に加工ヘッドに設けられた静電センサの出力を測定する工程と、
    この測定値の変化量を算出する工程と、
    この変化量の正負を判断する工程と、
    この変化量の正負の符号が加工ヘッドと障害物との距離が短くなるような符号と判断された場合、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに変更する工程と、
    を備えたことを特徴とする退避方法。
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