JP2005334915A - 退避機能を備えた加工装置および退避方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 静電容量によりワークと加工ノズルとの距離を検出する静電センサを有する加工機において、退避動作の斜め移動時に周期的に、加工ノズルと兼用の静電センサデータを取り込み、センサデータの現在値と前回の値から変化量を算出する。静電容量の特性から通常ワークから離れる方向においては静電容量の変化量が正であり、ワークに近づくと静電容量の変化量が負に変化する。そこで、静電センサのバラツキを考慮し、ある規定時間以上、変化量が負の場合、ワークに近づいていると判断し、退避点まで加工ヘッドをZ軸方向へ上昇するように構成した。
【選択図】 図6
Description
また、特許文献3および特許文献4には、倣い退避時(特許文献中では位置決め指令時もしくは早送り移動時と記載)に倣い装置を動作させ加工ヘッドとワーク表面の近傍を表面と一定距離以上に保ったまま、かつ加工ヘッドが降下しないように制御する技術が開示されている。特許文献3には、位置決め指令時に障害物を倣い装置にて検出した場合、加工ヘッドが上昇する技術も開示されている。
また、閾値による検知では、斜め移動軌跡近傍で倣い退避動作中に実際には加工ノズルにあたらない箇所の立ち上がったワークの切り屑も閾値内に入ると検知してしまい、倣い退避動作を遅らせる要因となる。
さらには、静電センサのバラつきやノイズに対して誤検知をする可能性が生じる。
また、静電センサのバラつきやノイズによる誤検知を防止することを第2の目的とするものである。
図1は、本発明を実施するための実施の形態1における倣い退避機能を備えたレーザ加工機を示す斜視図である。レーザ加工機は、X軸方向に移動可能な加工テーブル2、レーザビームをワークへ照射する加工ヘッド3、加工ヘッド3の先端に取り付けられ静電センサとしての機能を有する加工ノズル4、加工ヘッド3をZ軸方向に移動させるZ軸ユニット5、Z軸ユニット5をY軸方向に移動させるY軸ユニット6、を備えた加工機本体1と、レーザビームを出射するレーザ発振器8、および加工機本体1およびレーザ発振器8を制御するNC制御部7からなり、加工テーブル2に載置されたワーク104の加工を行うものである。本発明の倣い退避機能は、NC制御部7に実装された倣い制御部により実施される一機能である。
レーザ発振器8から出射されたレーザビームは、図示省略した光学系にて加工ヘッド3に導かれ、加工ヘッド3に設けられた加工ノズル4の先端よりワーク104に照射されるとともに、NC制御部7の指令により、加工テーブル2をワークとともにX軸方向に移動させ、Y軸ユニット6にて加工ヘッド3をY軸方向に移動させることで、ワークに所望の2次元形状を加工することができる。
図6は、倣い退避斜め移動時の指令移動量作成部11の内部処理を示したブロック図である。変化量算出部13にて、ノズル高さデータ変換部10より送られた加工ノズル高さデータの、メモリに記憶されている前回の値に対する差分から、加工ノズル高さの変化量を算出し符号判定部14へ送り、また、加工ノズル高さの現在値を次回で使用する前回値データとしてメモリに保存する。符号判定部14では、変化量が負である場合はワーク切り屑等の障害物との距離が近づいていると判断し基本退避フラグをONとし、変化量が正もしくは0である場合は基本退避フラグを変化させない。倣い退避斜め移動時当初は、基本退避フラグはOFFとなっている。退避移動選定部29aでは、基本退避フラグのON/OFFを確認し、基本退避フラグがOFFの場合は、ワーク切り屑等の障害物との距離が遠ざかっているかもしくは変化していないと判断し、斜め移動指令部16に移動指令作成を指令し、基本退避フラグがONの場合は、基本退避移動指令部18に移動指令作成を指令する。
実施の形態1の図6に示した処理における符号判定部14を、図10に示したように、新たにカウンタを設けたカウンタ付符号判定部19を用い、処理周期に割り当てた所定の回数分、すなわち所定の時間分、距離の変化量が負の状態を継続した場合に、基本退避フラグをONするようにしてもよい。
倣い退避移動開始時では、図11(a)のように加工終了点近傍に立ち上がったワーク104の切り屑が存在する場合、倣い退避斜め移動を開始すると、ワーク104の切り屑と加工ヘッド4との距離は接近し静電センサの出力電圧値は減少するが、一方、加工終了点にあるワーク104の端材またはワーク104と加工ヘッド4との距離は離れていくので静電センサの出力電圧値は増加する。その合成として静電センサの出力電圧値の変化が0もしくは正と見なしてしまう可能性もあり、その結果、加工終了点近傍に立ち上がったワークの切り屑に衝突する可能性がある。
退避移動選定部29bでは開始移動判定部28からの倣い退避開始処理完了フラグを見て、倣い退避開始時のZ軸方向上昇中か斜め移動時か判断し、完了フラグがOFFの場合には、加工終了点にある端材または製品のワークの影響を受けていると想定され、斜め移動を実施せずにZ軸上昇移動指令部17に移動指令作成を指令する。
Z軸上昇移動指令部17では、図11に示したようにP1点からP6点へのZ軸の移動量を作成し、Z軸を上昇させる。逆に完了フラグがONの場合には、斜め移動指令部16に移動指令作成を指令する。斜め移動指令部16では、次の加工開始ポイントP2上の退避点P5までのX、Y、Z軸の移動量を作成し、各軸を移動させる。これらの処理を所定の周期で繰り返すことで加工ノズル4の倣い退避の制御を行っている。
本実施の形態4は、倣い退避斜め移動時に加工ヘッドと障害物の距離の変化が負になったときに、退避高さまで加工ヘッドを退避させるのではなく、Z軸方向への上昇移動中に静電センサによって検出された距離の変化が正もしくは0になった場合に、Z軸方向への上昇移動を中止し再度斜め移動を実施するように処理を行うことができるレーザ装置である。
図14は、実施の形態4に係る加工機の倣い退避斜め移動時の指令移動量作成部11の内部処理を示したブロック図である。実施の形態1では符号判定部13にて変化量が負の場合に基本退避フラグをONさせZ軸方向へ退避点高さまで上昇させたが、本実施の形態では、符号判定部14で変化量が負である場合はワーク切り屑等の障害物との距離が近づいていると判断し、Z軸上昇移動指令部17に移動指令作成を指令する。また、変化量が正もしくは0である場合はワーク切り屑等の障害物との距離が遠ざかっているかもしくは変化していないと判断し、斜め移動指令部16に移動指令作成を指令する。これらの処理を所定の周期で繰り返すことで加工ノズル4の倣い退避の制御を行っている。
この構成により、処理周期ごとに斜め移動もしくはZ軸上昇移動を選択するので、倣い退避移動距離が基本退避移動よりも少なく、倣い退避移動時間の短縮が可能となる。
本実施の形態5は、実施の形態2にて説明した加工ノズルと障害物との距離の変化量が所定の回数負が続いたときに回避動作を行う処理と、実施の形態3にて説明した倣い退避動作開始時にZ軸方向のみに所定の高さ加工ヘッドを移動させる処理とを、行うことができるレーザ装置である。
4. 加工ノズル
10. ノズル高さデータ変換部
11. 指令移動量作成部
13. 変化量算出部
14. 符号判定部
16. 斜め移動指令部
17. Z軸上昇移動指令部
18. 基本退避移動指令部
19. カウンタ付符号判定部
20. A/D変換部
22. 退避高さデータ
25. 倣い制御部
26. 前回ノズル高さデータ
27. 前回電圧値
28. 開始移動判定部
29. 退避移動選定部
30. 開始高さデータ
104.ワーク
Claims (11)
- ワークと加工ヘッドとの距離を検出手段により検出しつつ加工を行うと共に、加工終了後に次の加工開始点もしくは加工ヘッド退避位置に上記加工ヘッドを退避させる退避動作を行う加工装置において、
ワークと加工ヘッドとの相対位置を変化させる駆動手段と、
前記駆動手段の動作を制御する制御手段と、
前記加工ヘッドの退避動作時に退避経路近傍に存在する障害物と前記加工ヘッドとの間の距離を所定のタイミング毎に検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記タイミング毎の距離の変化量を算出する変化量算出手段と、
この変化量に基づき、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が変化していないのかもしくは長くなっている場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する斜め上方への倣い退避動作をするように前記加工ヘッドを駆動制御し、
前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている場合に、前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するように駆動制御する制御手段と、
を備えたものであることを特徴とする加工装置。 - 前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、
この静電センサによって測定された測定値を距離に変換するデータ変換手段を備え、
前記変化量を算出する手段は、このデータ変換手段にて変換された距離の値に基づいて距離の変化量を算出するものであることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。 - 前記制御手段は、前記距離の変化を判断する手段が前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっていると判断した場合には、所定の退避高さまで前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに上昇するものであることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
- 前記制御手段は、前記変化量を判断する手段にて、前記変化量が所定時間以上、前記障害物と前記加工ヘッドとの間の距離が短くなっている状態が続いたと判断した場合に、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに上昇するように駆動手段を制御するものであることを特徴とする請求の範囲1に記載の加工装置。
- 前記制御装置は、退避動作開始時より前記加工ヘッドを前記ワークに対して斜め上方に移動するように駆動手段を制御するものであることを特徴とする請求の範囲1に記載の加工装置。
- 前記制御装置は、退避動作開始時に前記加工ヘッドを前記ワークに対して上方のみに所定距離上昇させ、所定の距離上昇した後に退避動作の斜め移動を開始するように制御するものであることを特徴とする請求の範囲1に記載の加工装置。
- 前記距離を検出する手段は、前記加工ヘッドに設けられた静電センサであって、
前記所定の距離は、前記静電センサの検出可能範囲近傍に設定したことを特徴とする請求の範囲6に記載の加工装置。 - 加工ヘッドに設けられた静電センサと、
前記静電センサの出力である電圧値をデジタル値に変換するA/D変換部と、
前記A/D変換部により変換された電圧値を距離に変換するノズル高さデータ変換部と、
この距離に基づき前記加工ヘッドをワークに対して移動させる指令移動量を作成する指令移動量作成部とを備え、
前記指令移動量に基づきサーボモータを駆動し加工ヘッドをワークに対し移動させる加工装置において、
前記移動指令量作成部は、
メモリに記憶した前回測定ノズル高さデータを読み出し、この前回測定データと前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータとを比較し高さデータの変化量を算出するとともに、前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータをメモリに記憶する変化量算出部と、
前記変化量算出部にて算出された変化量が正か0か負かを判断し、負と判断した場合に状態フラグをオンする符号判定部と、
前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し斜め上方に移動するように指令移動量を作成する斜め移動指令部と、
前記状態フラグがオンの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し所定の退避点高さまで上方のみへ移動するように指令移動量を作成する基本退避移動指令部とを有したものであることを特徴とする加工装置。 - 前記移動指令量作成部は、
前記ノズル高さデータ変換部にて変換されたノズル高さデータが所定の開始高さに到達したかを判断し、到達した場合に状態フラグをオンする開始移動判定部と、
前記状態フラグがオフの場合、前記加工ヘッドの倣い退避移動をワークに対し上方のみへ移動するように指令移動量を作成するZ軸上昇移動指令部とを備え、
前記状態フラグがオンの場合、前記変化量算出部が処理を実施することを特徴とする請求項8に記載の加工装置。 - 前記符号判定部がカウンタ機能を有し、
前記変化量算出部にて算出された変化量が、負と判断した場合に前記カウンタを増加させ、正か0と判断した場合は前記カウンタをリセットし、前記カウンタの値が所定の値に達した場合に状態フラグをオンするものであることを特徴とする請求項8に記載の加工装置。 - ワークと加工ヘッドとの距離を検出手段により検出しつつ加工を行うと共に、加工終了後に次の加工開始点もしくは加工ヘッド退避位置に上記加工ヘッドを退避させる退避動作を行う退避方法において、
前記加工ヘッドを前記ワークに対し斜め上方に移動する工程と、
この斜め上方移動時に加工ヘッドに設けられた静電センサの出力を測定する工程と、
この測定値の変化量を算出する工程と、
この変化量の正負を判断する工程と、
この変化量の正負の符号が加工ヘッドと障害物との距離が短くなるような符号と判断された場合、前記加工ヘッドの前記ワークに対する移動方向を上方のみに変更する工程と、
を備えたことを特徴とする退避方法。
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