JP2011034501A - 加工ヘッド落下防止機能を備えた数値制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変位センサの検出値から算出した加工ヘッドの移動速度、あるいは加速度のいずれか1つの値が予め設定された落下と判断するそれぞれの基準値を超えた時、加工ヘッドの先端側にワークが存在しないと判断し、予め設定された落下マシンロック状態を解除する基準検出値を超えた時、ワークが存在すると判断するワーク検出手段と、ワーク検出手段により加工ヘッドの先端側にワークが存在しないと判断された場合、加工ヘッドの落下方向の移動を禁止する落下方向マシンロック手段と、ワーク検出手段により加工ヘッドの先端側にワークが存在すると判断された場合、落下方向マシンロック手段により落下方向の移動を禁止した状態を解除する落下方向マシンロック解除手段と、を有する。
【選択図】図7
Description
請求項3に係る発明は、予め設定された時間分、加工ヘッドの位置情報を逐次記憶する加工ヘッド位置記憶手段と、該加工ヘッド位置記憶手段に記憶された位置情報の平均値を逐次算出し平常時加工ヘッド位置情報を求める平常時加工ヘッド位置算出手段と、前記ワーク検出手段により前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在しないと判断された場合、前記平常時加工ヘッド位置算出手段により求めた平常時加工ヘッド位置情報に予め設定された微調整量を加算し、前記加工ヘッドを退避させる退避手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の加工ヘッド落下防止機能を備えた数値制御装置である。
図1は、本発明の一実施形態を説明する図であり、符号1は、加工ヘッド落下防止機能を有する数値制御装置(以下、「数値制御装置」という)の要部の機能ブロック図である。なお、加工ヘッド2の制御軸に係る機能ブロックを中心に説明し、ワークWと加工ヘッド2の水平方向の相対的な移動を行う制御軸、各制御軸を制御する位置制御の機能については記載していない。
また、図2(b)は、加工ヘッド2が穴Whole上に達した場合、加工ヘッド2を上方に退避させる場合の1つの例の作用を説明する図である。退避手段が図2(b)に限定されるわけではない。加工ヘッド2が通常の倣い状態にあれば、加工ヘッド2とワークWとの間隙の距離に対応した速度指令値Vを速度制御部に出力し、加工ヘッド2を退避させる場合、退避させる量に対応した位置指令値を位置制御部に出力し、一方、マシンロック状態(速度指令値V=0)となり、位置指令値として与えられた分だけ移動することになる。なお、モータ8に内蔵された位置・速度検出装置からの位置・速度のフィードバックについては図示していない。
加工ヘッド2を上方に退避させる動作を行い、あるいは、スクラップが跳ね上がった場合に加工ヘッド2が上方に追従する場合がありうることから、予め設定した基準検出値Ihcomは、落下基準検出値Ihthより設定される。
変位センサ6からの検出値Ihが、予め数値制御装置1に設定した落下方向マシンロック状態を解除する基準検出値を超えたことで穴Wholeを通過したと判断し、マシンロックを解除する方法だけでは解除できない状況がありうる。この状況を想定し、加工を継続するために、次ブロックの開始時に解除することも条件に加える。
しかし、スクラップが下へ抜け落ちず中途半端に片側だけ落ち、反対側が跳ね上がる場合がある。この場合、加工ヘッド2は倣い制御を継続して跳ね上がりに対応し上昇する。このような状況で加工ヘッドが上昇すると、変位センサ6からの検出値Ihが予め設定した落下方向マシンロック状態を解除する予め設定した基準検出値Ihcomを超えないことがある。この場合、変位センサ6からの検出値Ihの判断だけでは、落下方向マシンロックを解除できない。このような事態を回避するため、次ブロックの開始時を落下方向マシンロックの解除する条件に加え、更に、落下基準検出値Ihthを落下方向マシンロックの解除する条件とした。図6に示される処理は、後述する図10のフローチャートに示されるアルゴリズムの処理で行われる。
●[ステップSS1]変位センサの検出値Ihを読み取る。
●[ステップSS2]速度指令値Vを算出し、数値制御装置内の記憶装置に記憶する。速度指令値Vは、上述した速度指令値Vを算出する演算式を用いることによって求めることができる。
●[ステップSS3]SS2で算出した速度指令値Vは、加工ヘッドの落下方向の指令であるか否かを判断し、落下方向の指令である場合にはステップSS4へ移行し、落下方向の指令ではない場合にはステップSS11へ移行する。落下方向の指令であるか否かは、ステップSS2で求めた速度指令値Vの符号から判断することができる。
●[ステップSS4]落下方向マシンロック中(落下方向マシンロックフラグF=1)であるか否か判断し、落下方向マシンロック中(F=1)の場合にはステップSS8へ移行し、落下方向マシンロック中でない(F=0)場合にはステップSS5へ移行する。
●[ステップSS6]ステップSS5で算出した加速度値αは落下基準加速度値αthを下回ったか否か判断し、下回った場合にはステップSS7へ移行し、下回っていない場合にはステップSS11へ移行する。
●[ステップSS7]速度指令値V(=0)とし、落下方向マシンロックを開始する(落下方向マシンロックフラグF=1とする。なお、該フラグFは初期状態F=0である)。
●[ステップSS9]落下方向マシンロックを終了する(落下方向マシンロックフラグF=0に戻す)。
●[ステップSS10]速度指令値V(=0)とする(落下方向マシンロック)。補足して説明すると、制御周期毎にステップSS2において速度指令値Vが算出されるが、この算出された値を用いるのではなく、速度指令値Vを“0”とし、落下方向のマシンロックを実行する。
●[ステップSS11]速度指令値Vをモータ制御部に出力する。
●[ステップSS12]加工プログラム終了か否か判断し、終了でない場合にはステップSS1へ戻り処理を継続し、加工プログラム終了の場合には、この処理を終了する。
●[ステップST1]変位センサの検出値Ihを読み取る。
●[ステップST2]速度指令値Vを算出し、数値制御装置内の記憶装置に記憶する。速度指令値Vは、上述した速度指令値Vを算出する演算式を用いることによって求めることができる。
●[ステップST3]ST2で算出した速度指令値Vは、加工ヘッドの落下方向の指令であるか否かを判断し、落下方向の指令である場合にはステップST4へ移行し、落下方向の指令ではない場合にはステップST12へ移行する。落下方向の指令であるか否かは、ステップST2で求めた速度指令値Vの符号から判断することができる。
●[ステップST4]落下方向マシンロック中(落下方向マシンロックフラグF=1)であるか否か判断し、落下方向マシンロック中(F=1)の場合にはステップST9へ移行し、落下方向マシンロック中でない(F=0)場合にはステップST5へ移行する。
●[ステップST6]ステップST5で算出した加速度値αは落下基準加速度値αthを下回ったか否か判断し、下回った場合にはステップST7へ移行し、下回っていない場合にはステップST12へ移行する。
●[ステップST7]速度指令値V(=0)とし、落下方向マシンロックを開始する(落下方向マシンロックフラグF=1とする。なお、該フラグFは初期状態F=0である)。
●[ステップST8]予め設定された距離加工ヘッドを上昇させ、加工ヘッドを退避させる。加工ヘッドの現在位置情報はモータに取り付けられた位置検出装置から数値制御装置1にフィードバックされている。この現在位置情報と予め設定された距離情報に基づき、移動指令を位置制御による指令としてモータ制御部に出力する。
●[ステップST10]落下方向マシンロックを終了する(落下方向マシンロックフラグF=0に戻す)。
●[ステップST11]速度指令値V(=0)とする(落下方向マシンロック)。補足して説明すると、制御周期毎にステップST2において速度指令値Vが算出されるが、この算出された値を用いるのではなく、速度指令値Vを“0”とし、落下方向のマシンロックを実行する。
●[ステップST12]速度指令値Vをモータ制御部に出力する。
●[ステップST13]加工プログラム終了か否か判断し、終了でない場合にはステップST1へ戻り処理を継続し、加工プログラム終了の場合には、この処理を終了する。
●[ステップSU1]変位センサの検出値Ihを読み取る。
●[ステップSU2]速度指令値Vを算出し、数値制御装置内の記憶装置に記憶する。速度指令値Vは、速度指令値Vを算出する演算式を用いることによって求めることができる。
●[ステップSU3]落下方向の指令であるか否かを判断し、落下方向の指令である場合にはステップSU4へ移行し、落下方向の指令ではない場合にはステップSU13へ移行する。落下方向の指令であるか否かは、ステップSU2で求めた速度指令値Vの符号から判断することができる。
●[ステップSU4]落下方向マシンロック中(落下方向マシンロックフラグF=1)であるか否か判断し、落下方向マシンロック中の場合(F=1)にはステップSU10へ移行し、落下方向マシンロック中でない場合(F=0)にはステップSU5へ移行する。
●[ステップSU6]ステップSU5で算出した加速度値αは落下基準加速度値αthを下回ったか否か判断し、下回った場合にはステップSU7へ移行し、下回っていない場合にはステップSU13へ移行する。
●[ステップSU7]速度指令値V(=0)とし、落下方向マシンロックを開始する(落下方向マシンロックフラグF=1とする。なお、該フラグFは初期状態F=0である)。
●[ステップSU8]平常時加工ヘッド位置値を算出する。ステップSU13に記載されるように、加工ヘッド2の位置の値が制御周期毎に記憶されており、記憶された加工ヘッド2の位置の値の平均値を算出し、得られた値を平常時加工ヘッド位置の値とする。
●[ステップSU9]ステップSU8で算出した平常時加工ヘッド位置値に調整量を加算し、加算して得られた位置に加工ヘッド2を退避させる。図8に示される退避処理と同様な位置制御による退避処理である。
●[ステップSU11]落下方向マシンロックを終了する(落下方向マシンロックフラグF=0に戻す)。
●[ステップSU12]速度指令値V(=0)とする(落下方向マシンロック)。補足して説明すると、制御周期毎にステップSU2において速度指令値Vが算出されるが、この算出された値を用いるのではなく、速度指令値Vを“0”とし、落下方向のマシンロックを実行する。
●[ステップSU13]加工ヘッド位置の値を記憶する。加工ヘッド位置の値は、予め設定された時間分、数値制御装置内の記憶装置に記憶される。
●[ステップSU14]速度指令値Vをモータ制御部に出力する。
●[ステップSU15]加工プログラム終了か否か判断し、終了でない場合にはステップSU1へ戻り処理を継続し、加工プログラム終了の場合には、この処理を終了する。
●[ステップSV1]変位センサの検出値Ihを読み取る。
●[ステップSV2]速度指令値Vを算出し、数値制御装置内の記憶装置に記憶する。速度指令値Vは、速度指令値Vを算出する演算式を用いることによって求めることができる。
●[ステップSV3]落下方向の指令であるか否かを判断し、落下方向の指令である場合にはステップSV4へ移行し、落下方向の指令ではない場合にはステップSV15へ移行する。落下方向の指令であるか否かは、ステップSV2で求めた速度指令値Vの符号から判断することができる。
●[ステップSV5]ステップSV2で今回算出した速度指令値Vと前回の制御周期で算出した速度指令値Vとの差分である速度指令値変化量を算出し、該速度指令値変化量を制御周期で除算することによって加速度値αを算出する。なお、速度指令値変化量は、前回の制御周期に限定されず、設定された制御周期前の速度指令値との差分として求めてもよい。
●[ステップSV6]ステップSV5で算出した加速度値αは落下基準加速度値αthを下回ったか否か判断し、下回った場合にはステップSV7へ移行し、下回っていない場合にはステップSV15へ移行する。
●[ステップSV7]落下方向マシンロックを開始する(F=1)。
●[ステップSV8]平常時加工ヘッド位置値を算出する。ステップSV15に記載されるように、加工ヘッド2の位置の値が制御周期毎に記憶されており、記憶された加工ヘッド2の位置の値の平均値を算出し、得られた値を平常時加工ヘッド位置の値とする。
●[ステップSV9]ステップSV8で算出した平常時加工ヘッド位置値に調整量を加算し、加算して得られた位置に加工ヘッド2を退避させる。図8に示される退避処理と同様な位置制御による退避処理である。
●[ステップSV11]次のブロックの開始か否か判断し、開始の場合にはステップSV12へ移行し、開始でない場合にはステップSV14へ移行する。
●[ステップSV12]ステップSV1で読み取った変位センサの検出値Ihは、予め設定した落下基準検出値Ihthより小さいか否か判断し、小さい場合にはステップSV14へ移行し、小さくない場合にはステップSV13へ移行する。
●[ステップSV13]落下方向マシンロックを終了する(落下方向マシンロックフラグF=0に戻す)。
●[ステップSV14]速度指令値V(=0)とする(落下方向マシンロック)。補足して説明すると、制御周期毎にステップSV2において速度指令値Vが算出されるが、この算出された値を用いるのではなく、速度指令値Vを“0”とし、落下方向のマシンロックを実行する。
●[ステップSV15]加工ヘッド位置の値を記憶する。加工ヘッド位置の値は、予め設定された時間分、数値制御装置内の記憶装置に記憶される。
●[ステップSV16]速度指令値Vをモータ制御部に出力する。
●[ステップSV17]加工プログラム終了か否か判断し、終了でない場合にはステップSV1へ戻り処理を継続し、加工プログラム終了の場合には、この処理を終了する。
2 レーザ加工ヘッド
4 ノズル
6 変位センサ
8 Z軸モータ
10 位置検出装置
12 モータ制御部
14 加工ヘッド落下防止制御部
16 数値制御部
W ワーク
Whole 穴
We1 左端部
We2 右端部
F 落下方向マシンロックフラグ
V 速度指令値
α 加速度値
Ih 検出値
Ih0 制御目標値
Ihth 落下基準検出値
Ihcom 予め設定した基準検出値
Vth 落下基準速度値
αth 落下基準加速度値
Claims (4)
- 加工ヘッドに備えられた変位センサを用いて加工ヘッドの先端とワークとの間隔を一定に保ちながら該ワークの切断加工を行う機械を制御する数値制御装置において、
前記変位センサの検出値、または該検出値から算出した前記加工ヘッドの移動速度、あるいは、加速度の少なくともいずれか1つの値が、予め設定された落下と判断するそれぞれの基準値を超えた時、前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在しないと判断し、予め設定された落下マシンロック状態を解除する基準検出値を超えた時、前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在すると判断するワーク検出手段と、
前記ワーク検出手段により前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在しないと判断された場合、前記加工ヘッドの落下方向の移動を禁止する落下方向マシンロック手段と、
前記ワーク検出手段により前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在すると判断された場合、前記落下方向マシンロック手段により落下方向の移動を禁止した状態を解除する落下方向マシンロック解除手段と、
を有することを特徴とする加工ヘッド落下防止機能を備えた数値制御装置。 - 前記ワーク検出手段により前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在しないと判断された場合、前記加工ヘッドを予め設定された距離を上昇させる加工ヘッド退避手段を有することを特徴とする請求項1に記載の加工ヘッド落下防止機能を備えた数値制御装置。
- 予め設定された時間分、加工ヘッドの位置情報を逐次記憶する加工ヘッド位置記憶手段と、
該加工ヘッド位置記憶手段に記憶された位置情報の平均値を逐次算出し平常時加工ヘッド位置情報を求める平常時加工ヘッド位置算出手段と、
前記ワーク検出手段により前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在しないと判断された場合、前記平常時加工ヘッド位置算出手段により求めた平常時加工ヘッド位置情報に予め設定された微調整量を加算し、前記加工ヘッドを退避させる退避手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の加工ヘッド落下防止機能を備えた数値制御装置。 - 前記ワーク検出手段により前記加工ヘッドの先端側に前記ワークが存在するが、落下方向の移動を禁止した状態を解除する基準値に達していない場合、次のブロックの加工開始時に、加工ヘッドの落下方向の移動を禁止した状態の解除を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の加工ヘッド落下防止機能を備えた数値制御装置。
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