JP2005334809A - 石油系燃焼灰処理方法及びシステム - Google Patents

石油系燃焼灰処理方法及びシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2005334809A
JP2005334809A JP2004159411A JP2004159411A JP2005334809A JP 2005334809 A JP2005334809 A JP 2005334809A JP 2004159411 A JP2004159411 A JP 2004159411A JP 2004159411 A JP2004159411 A JP 2004159411A JP 2005334809 A JP2005334809 A JP 2005334809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion ash
petroleum
mixture
ash mixture
vanadium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004159411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4485257B2 (ja
Inventor
Kenji Tokumasa
賢治 徳政
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2004159411A priority Critical patent/JP4485257B2/ja
Publication of JP2005334809A publication Critical patent/JP2005334809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4485257B2 publication Critical patent/JP4485257B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】石油系燃焼灰からバナジウム・ニッケルを分離する前に、有臭のアンモニアガスの発生原因となるアンモニウムイオンを分解・除去することができる石油系燃焼灰処理方法及びシステムを提供する。
【解決手段】石油系燃焼灰処理方法が、石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する第1の工程と、前記燃焼灰混合物を電気分解処理して、前記燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒する第2の工程と、前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和し、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離する第3の工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、石油系燃焼灰処理方法及びシステムに関する。
火力発電所等においては、重油、石油系ピッチ、石油アスファルト等の石油系燃料が使用されることがある。例えば火力発電所のボイラ等の燃料として石油系燃料を燃焼させると、石油系燃焼灰が廃棄物として排出される。石油系燃焼灰は、以前は廃棄物として埋め立て処理されていたが、近年、石油系燃焼灰の有効利用方法や廃棄前の処理方法が検討されてきた。
例えば、石油系燃焼灰に含まれるバナジウムやニッケルはそれ自体利用価値が高いので、これらを石油系燃焼灰から回収する方法が開発された。それによると、ソーダ灰による溶銑予備精錬で生成したスラグを水で抽出し、抽出液のZ値(=CO/Naモル比)を0.45〜0.51に調整し、調整した液を固液分離してソーダ灰含有スラグ抽出液を得て、このスラグ抽出液にバナジウム含有灰を溶解し、得られた溶解液からソーダ灰を晶析分離して、残った液からバナジウムを分離することができる(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は、バナジウムを回収するのに複雑な手順を要する。
より簡単な方法として、過酸化水素を含む酸性水溶液で石油系燃焼灰を処理し、その酸性溶液のpHを上昇させて、バナジウム・ニッケルを抽出・分離するものが知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特公平6−23042号公報 特許第2723175号公報 特開平10−314693号公報
一方、石油系燃焼灰には多量の硫酸アンモニウムが含まれている。これは、石油系燃料を発電所等で燃焼させる際に発生する二酸化硫黄ガス(SO)や三酸化硫黄ガス(SO)の排出量を減らすために、これらのガスをアンモニアガスと反応させて硫酸アンモニウムの固体粒子とし、この硫酸アンモニウム粒子と燃焼灰とを一緒に捕集するのが一般的だからである。
特許文献2や特許文献3の方法に従って、このように硫酸アンモニウムを含む石油系燃焼灰からバナジウム・ニッケルを回収する場合、石油系燃焼灰を混合した酸性水溶液をpH7付近となるように中和する際に、石油系燃焼灰に含まれる硫酸アンモニウムが、例えば次式のように反応して、有臭のアンモニアガスを発生する可能性がある。
(NHSO+2NaOH → 2NH+NaSO+2H
従って、特許文献2又は3の方法のように、石油系燃焼灰からバナジウム・ニッケルを分離する際に中和反応を含むものにおいては、有臭のアンモニアガスが発生するのを防止する必要がある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、石油系燃焼灰からバナジウム・ニッケルを分離する前に、有臭のアンモニアガスの発生原因となるアンモニウムイオンを分解・除去することができる石油系燃焼灰処理方法及びシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の石油系燃焼灰処理方法は、石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する第1の工程と、前記燃焼灰混合物を電気分解処理して、前記燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒する第2の工程と、前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和し、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離する第3の工程とを備える。
また、本石油系燃焼灰処理方法においては、第1の工程と第2の工程との間に、前記燃焼灰混合物から未溶解カーボンを分離する第4の工程を行うことが好ましい。
また、本石油系燃焼灰処理方法においては、前記第1の工程において前記石油系燃焼灰を前記水と混合する際に、前記燃焼灰混合物から前記未溶解カーボンを分離するための第1の凝集剤を前記水に添加することが好ましい。
また、本石油系燃焼灰処理方法においては、前記第1の凝集剤は、ノニオン系凝集剤であることが好ましい。
また、本石油系燃焼灰処理方法においては、前記第2の工程において前記燃焼灰混合物を電気分解処理する際に、塩化物イオン供給源を添加することが好ましい。
また、本石油系燃焼灰処理方法においては、前記第3の工程において前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和する際に、前記燃焼灰混合物の水素イオン指数を所定値まで上昇させてバナジウムを分離し、次いで前記燃焼灰混合物の水素イオン指数を更に上昇させてニッケルを分離することが好ましい。
また、本石油系燃焼灰処理方法においては、前記第3の工程において前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和する際に、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離するための第2の凝集剤を前記燃焼灰混合物に添加することが好ましい。
また、本石油系燃焼灰処理方法においては、前記第2の凝集剤は、アニオン系凝集剤であることが好ましい。
また、本発明の石油系燃焼灰処理システムは、石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する燃焼灰混合物作成装置と、前記燃焼灰混合物を電気分解処理して、前記燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒させる電気分解装置と、電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和させる中和装置と、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を中和処理後の前記燃焼灰混合物から分離する分離装置とを備える。
本発明によれば、石油系燃焼灰からバナジウム・ニッケルを分離する前に、有臭のアンモニアガスの発生原因となるアンモニウムイオンを分解・除去することができる石油系燃焼灰処理方法及びシステムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載する発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
本発明の石油系燃焼灰処理方法は、石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する第1の工程と、前記燃焼灰混合物を電気分解処理して、前記燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒する第2の工程と、前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和し、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離する第3の工程とを備える。
本発明の石油系燃焼灰処理方法によれば、燃焼灰混合物を中和する前に電気分解処理することにより、燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオン中の窒素原子を窒素ガスとして脱窒することができるので、石油系燃焼灰からバナジウム・ニッケルを分離する前に、有臭のアンモニアガスの発生原因となるアンモニウムイオンを分解・除去することができる。
以上の工程を有する本発明の石油系燃焼灰処理方法は、例えば、次のように実施することができる。
まず、「石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する第1の工程」について説明する。
「石油系燃焼灰」とは、上述したように、重油、石油系ピッチ、石油アスファルト等の石油系燃料を例えば火力発電所のボイラ等の燃料として燃焼させることにより排出される燃焼灰のことである。石油系燃焼灰には、未燃カーボンが多く含まれるが、上述のようにバナジウム・ニッケルや硫酸アンモニウムも含まれる。
「水」は、蒸留水、水道水、海水、工業用水、河川水、排水等、どのようなものであってもよい。
「石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する」ための方法には、例えば、混練機により石油系燃焼灰と水とを混練してスラリー状の燃焼灰混合物とする方法等があるが、これに限定されるものではなく、石油系燃焼灰と水とを混ぜ合わせて混合物を作成することができればどのような方法でもよい。
次に、「前記燃焼灰混合物を電気分解処理して、前記燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒する第2の工程」について説明する。
「燃焼灰混合物を電気分解処理する」とは、燃焼灰混合物に直接電流を通ずること、例えば燃焼灰混合物を電解槽に入れ一対の電極を使って電流を通ずること等を意味するが、これに限定されるものではない。燃焼灰混合物を電気分解処理することにより、燃焼灰混合物(つまり石油系燃焼灰)に含まれるアンモニウムイオン(アンモニアの発生源)を除去することができるのであるが、この電気分解反応は次のような反応機構によって起こると考えられる。燃焼灰混合物を例えば電解槽に入れて一対の電極を使って電流を通ずると、燃焼灰混合物に含まれる塩化物イオンがアノード側で酸化され次亜塩素酸が生成される。燃焼灰混合物中のアンモニウムイオンはこの次亜塩素酸と反応し、アンモニウムイオン中の窒素原子が窒素ガスとして脱窒されるのである。従って、燃焼灰混合物を電気分解処理することにより、石油系燃焼灰からバナジウム・ニッケルを分離する前に、有臭のアンモニアの発生源たるアンモニウムイオンを分解・除去することができる。
なお、上記第2の工程において燃焼灰混合物を電気分解処理する際に、例えば海水、塩酸、食塩等の塩化物イオン供給源(つまり水溶液中に塩化物イオンを供給する物質)を添加してもよい。こうすることにより、次亜塩素酸の生成に必要な塩化物イオンを補うことができる。
また、上記第1の工程と第2の工程との間に、燃焼灰混合物から未溶解カーボンを分離する第4の工程を行うことも可能である。石油系燃焼灰を水と混合すると、石油系燃焼灰に含まれる硫酸アンモニウムが水に溶解して水溶液が酸性になる。そのため、この酸性水溶液中には、バナジウムやニッケルは溶解するが、未燃カーボンは不溶性なので溶解せず、未溶解カーボンとして燃焼灰混合物中に固体として残る。そこで、未溶解カーボンを燃焼灰混合物から分離するのである。カーボンはそれ自体有効利用することができるので、未溶解カーボンを燃焼灰混合物から分離・回収することで、カーボンのリサイクルを図ることができる。
ここでいう「燃焼灰混合物から未溶解カーボンを分離する」方法には、例えば、未溶解カーボンを沈殿させて分離する方法、未溶解カーボンを浮上させて分離する方法があるが、これらに限定されるものではない。また、分離する方法としては、遠心分離、濾過等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
特に未溶解カーボンを沈殿させる場合には、上記第1の工程において石油系燃焼灰を水と混合する際に、燃焼灰混合物から未溶解カーボンを分離するための第1の凝集剤を水に添加してもよい。こうすることにより、未溶解カーボンを効果的に凝集・沈殿させることができる。第1の凝集剤としては、例えば、カチオン系凝集剤、アニオン系凝集剤、ノニオン系凝集剤のような高分子凝集剤が挙げられる。石油系燃焼灰を水と混合した際に得られる酸性水溶液は、pH1〜2であることが多いので、このような条件下では、ノニオン系凝集剤を使用するのが好ましい。「ノニオン系凝集剤」とは、水溶液中でイオンに解離せず、主としてOH基とエーテル基からなる多価アルコール誘導体であって、低pH領域での処理に有効とされる凝集剤のことであり、例えばポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ポリアクリルアミド等の合成系凝集剤や、デンプン等の天然系凝集剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一方、未溶解カーボンを浮上させて分離する場合には、燃焼灰混合物をバブリングして未溶解カーボンの浮上を促進させてもよい。こうすることにより、未溶解カーボンを効果的に浮上させて分離することができる。
次に、「電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和し、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離する第3の工程」について説明する。
「燃焼灰混合物を中和する」とは、電気分解処理後の燃焼灰混合物に例えば水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性溶液を加えて撹拌すること等を意味するが、これに限定されるものではない。本発明によれば、この中和反応の段階では、燃焼灰混合物中のアンモニウムイオンが電気分解処理により分解・除去されているので、有臭のアンモニアガスが発生することはない。
また、上記第3の工程において電気分解処理後の燃焼灰混合物を中和する際に、燃焼灰混合物の水素イオン指数(pH)を所定値まで上昇させてバナジウムを分離し、次いで燃焼灰混合物の水素イオン指数を更に上昇させてニッケルを分離してもよい。バナジウムはpH4付近から沈殿し始める一方、ニッケルは約pH5以上にならないと沈殿し始めないことが知られている。そこで、まず燃焼灰混合物のpHをpH4付近(所定値)まで上昇させてバナジウムを沈殿させて分離し、その後pHを更に上昇させていきニッケルを沈殿させて分離することにより、バナジウム・ニッケルの両者を別々に分離・回収することが可能となる。
「バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離する」方法には、例えば、バナジウムやニッケルを沈殿させて分離する方法があるが、これに限定されるものではない。また、分離する方法としては、遠心分離、濾過等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
特にバナジウムやニッケルを沈殿させる場合には、上記第3の工程において電気分解処理後の燃焼灰混合物を中和する際に、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を燃焼灰混合物から分離するための第2の凝集剤を燃焼灰混合物に添加してもよい。こうすることにより、バナジウムやニッケルを効果的に凝集・沈殿させることができる。第2の凝集剤としては、例えば、カチオン系凝集剤、アニオン系凝集剤、ノニオン系凝集剤のような高分子凝集剤が挙げられる。なお、バナジウムやニッケルを中性領域付近で沈殿させるには、アニオン系凝集剤を使用するのが好ましい。「アニオン系凝集剤」とは、水に溶けた際に非極性基のついている部分がアニオンになるものであり、中性〜高pH域の凝集処理に有効とされる凝集剤のことであり、例えばキサンタンガム等の天然系凝集剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
===石油系燃焼灰処理システム===
<第1実施形態>
本発明の石油系燃焼灰処理システムの第1実施形態について以下説明する。
図1は、本発明の石油系燃焼灰処理システムの第1実施形態を示す概略構成図である。
本実施形態の石油系燃焼灰処理システム100は、溶解槽110と、カーボン沈殿槽120と、電解槽130と、中和槽140と、沈殿槽150とを備える。
溶解槽110は、例えば火力発電所から排出された石油系燃焼灰を収容可能であり、石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成するための燃焼灰混合物作成装置(不図示)を備える。燃焼灰混合物作成装置は、例えば、スラリー状の燃焼灰混合物を作成するための混練羽根とモータとの組合せであってもよいが、これに限定されるものではなく、石油系燃焼灰と水とを混ぜ合わせて混合物を作成することができればどのような装置でもよい。この溶解槽110内の燃焼灰混合物に、未溶解カーボンを分離するための第1の凝集剤(好ましくはノニオン系凝集剤)を添加して、未溶解カーボンを燃焼灰混合物から沈殿させることとしてもよい。
溶解槽110にて作成した燃焼灰混合物は、沈殿槽120へ移される。ここでは、未溶解カーボンを沈殿させて分離する。なお、上記第1の凝集剤(好ましくはノニオン系凝集剤)は、溶解槽110ではなく、この沈殿槽120に添加してもよい。
未溶解カーボンを除去した後の燃焼灰混合物は、電解槽130へ移される。電解槽130では、燃焼灰混合物を電気分解処理して、燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒させるための電気分解装置(不図示)を備える。電気分解装置は、例えば一対の電極であってもよいが、これに限定されるものではない。電極を用いて燃焼灰混合物に電流を通じることにより、燃焼灰混合物に含まれる塩化物イオンがアノード側で酸化されて次亜塩素酸が生成される。燃焼灰混合物中のアンモニウムイオンはこの次亜塩素酸と反応し、アンモニウムイオン中の窒素原子が窒素ガスとして脱窒される。この電解槽130に、上述したような塩化物イオン供給源(例えば海水、塩酸、食塩等)を添加してもよい。こうすることにより、次亜塩素酸の生成に必要な塩化物イオンを補うことができる。
電気分解処理後の燃焼灰混合物は、中和槽140へ移される。中和槽140では、電気分解処理後の燃焼灰混合物を中和させるための中和装置(不図示)を備える。中和装置は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性溶液を滴下するための滴下手段と、燃焼灰混合物及び塩基性溶液を撹拌するためのスターラとの組合せであってもよいが、これに限定されるものではない。この中和槽140に、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を燃焼灰混合物から分離するための第2の凝集剤(好ましくはアニオン系凝集剤)を添加してもよい。
中和処理後の燃焼灰混合物は、沈殿槽150へ移される。沈殿槽150では、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を中和処理後の燃焼灰混合物から沈殿させて分離するための分離装置(不図示)を備える。分離装置は、例えば、沈殿したバナジウム塩・ニッケル塩を遠心分離するための遠心分離機であってもよいが、これに限定されるものではない。なお、上記第2の凝集剤(好ましくはアニオン系凝集剤)は、中和槽140ではなく、この沈殿槽150に添加してもよい。
バナジウム・ニッケルを分離した後の燃焼灰混合物は、排水としてシステム100外に排出される。
<第2実施形態>
次に、本発明の石油系燃焼灰処理システムの第2実施形態について以下説明する。
図2は、本発明の石油系燃焼灰処理システムの第2実施形態を示す概略構成図である。
本実施形態の石油系燃焼灰処理システム200は、溶解槽210と、カーボン沈殿槽220と、電解槽230と、中和・沈殿槽240とを備える。本実施形態は、燃焼灰混合物の中和と、バナジウム・ニッケルの分離とを単一の中和・沈殿槽240において行っている点で第1実施形態とは異なる。溶解槽210、カーボン沈殿槽220及び電解槽230の構成は、第1実施形態のものと実質的に同じなので説明を省略する。
本実施形態の中和・沈殿槽240は、電気分解処理後の燃焼灰混合物を中和し、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を燃焼灰混合物から分離するという一連の工程を行うために、上記中和装置及び分離装置を備える。このような中和・沈殿槽240を用いれば、中和後の燃焼灰混合物を別の沈殿槽に移す必要がない。従って、例えば、燃焼灰混合物の水素イオン指数をまず所定値まで上昇させてバナジウムを沈殿させて分離し、次いで、燃焼灰混合物の水素イオン指数を更に上昇させてニッケルを沈殿させて分離する、という一連の工程を行うことができる。これにより、バナジウム・ニッケルの両者を別々に分離・回収することが可能となる。
<第3実施形態>
次に、本発明の石油系燃焼灰処理システムの第3実施形態について以下説明する。
図3は、本発明の石油系燃焼灰処理システムの第3実施形態を示す概略構成図である。
本実施形態の石油系燃焼灰処理システム300は、溶解槽310と、浮上・電解槽320と、中和槽330と、沈殿槽340とを備える。本実施形態は、未溶解カーボンの分離と、燃焼灰混合物を電気分解処理とを単一の浮上・電解槽320において行っている点で第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。溶解槽310、中和槽330及び沈殿槽340の構成は、第1実施形態のものと実質的に同じなので説明を省略する。
本実施形態の浮上・電解槽320は、燃焼灰混合物から未溶解カーボンを浮上させて分離する際、あるいは浮上させて分離した後に、燃焼灰混合物を電気分解処理して、燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒させるという一連の工程を行うために、上記電気分解装置及びカーボン分離装置(不図示)を備える。
電気分解の効率を向上させるために、電気分解処理を行う際にバブリングにより燃焼灰混合物に酸素を補給することがあるが、バブリングを行うことは、未溶解カーボンの浮上を促進させることにもつながる。よって、単一の浮上・電解槽320において酸素のバブリングを行った場合、未溶解カーボンの浮上の促進と、燃焼灰混合物の電気分解処理の効率の向上とを両方達成することができる。
<他の実施形態>
本発明の石油系燃焼灰処理システムの他の実施形態としては、例えば、燃焼灰混合物作成装置及びカーボン分離装置を単一の溶解・分離槽に設けたり、電気分解装置及び中和装置を単一の電解・中和槽に設けたり、燃焼灰混合物作成装置、電気分解装置、中和装置及び分離装置とを単一の石油系燃焼灰処理槽に設けたりすることも考えられる。
また、図4に示す石油系燃焼灰処理システム400のように、例えば電解槽430と中和槽440との間から溶解槽410へ戻るフィードバック路450を設けてもよい。フィードバック路450を通じて排水を溶解槽410へ戻すことにより、石油系燃焼灰処理システム400からの排水量を削減できるとともに、使用薬品量を削減することができる。なお、フィードバック路450の設置位置は図示のものに限定されず、例えば中和槽と沈殿槽との間から溶解槽へ戻るフィードバック路を設けてもよい。
本発明の石油系燃焼灰処理システムの第1実施形態を示す概略構成図である。 本発明の石油系燃焼灰処理システムの第2実施形態を示す概略構成図である。 本発明の石油系燃焼灰処理システムの第3実施形態を示す概略構成図である。 本発明の石油系燃焼灰処理システムの他の実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
100 石油系燃焼灰処理システム
110 溶解槽
120 カーボン沈殿槽
130 電解槽
140 中和槽
150 沈殿槽

Claims (9)

  1. 石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する第1の工程と、
    前記燃焼灰混合物を電気分解処理して、前記燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒する第2の工程と、
    前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和し、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離する第3の工程と
    を備えることを特徴とする石油系燃焼灰処理方法。
  2. 第1の工程と第2の工程との間に、前記燃焼灰混合物から未溶解カーボンを分離する第4の工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載の石油系燃焼灰処理方法。
  3. 前記第1の工程において前記石油系燃焼灰を前記水と混合する際に、前記燃焼灰混合物から前記未溶解カーボンを分離するための第1の凝集剤を前記水に添加することを特徴とする、請求項2に記載の石油系燃焼灰処理方法。
  4. 前記第1の凝集剤は、ノニオン系凝集剤であることを特徴とする、請求項3に記載の石油系燃焼灰処理方法。
  5. 前記第2の工程において前記燃焼灰混合物を電気分解処理する際に、塩化物イオン供給源を添加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の石油系燃焼灰処理方法。
  6. 前記第3の工程において前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和する際に、
    前記燃焼灰混合物の水素イオン指数を所定値まで上昇させてバナジウムを分離し、
    次いで前記燃焼灰混合物の水素イオン指数を更に上昇させてニッケルを分離する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の石油系燃焼灰処理方法。
  7. 前記第3の工程において前記電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和する際に、バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を前記燃焼灰混合物から分離するための第2の凝集剤を前記燃焼灰混合物に添加することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の石油系燃焼灰処理方法。
  8. 前記第2の凝集剤は、アニオン系凝集剤であることを特徴とする、請求項7に記載の石油系燃焼灰処理方法。
  9. 石油系燃焼灰を水と混合して燃焼灰混合物を作成する燃焼灰混合物作成装置と、
    前記燃焼灰混合物を電気分解処理して、前記燃焼灰混合物に含まれるアンモニウムイオンを脱窒させる電気分解装置と、
    電気分解処理後の前記燃焼灰混合物を中和させる中和装置と、
    バナジウム又はニッケルのうち少なくともいずれか一方を中和処理後の前記燃焼灰混合物から分離する分離装置と
    を備えることを特徴とする石油系燃焼灰処理システム。

JP2004159411A 2004-05-28 2004-05-28 石油系燃焼灰処理方法及びシステム Expired - Lifetime JP4485257B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004159411A JP4485257B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 石油系燃焼灰処理方法及びシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004159411A JP4485257B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 石油系燃焼灰処理方法及びシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005334809A true JP2005334809A (ja) 2005-12-08
JP4485257B2 JP4485257B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=35488942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004159411A Expired - Lifetime JP4485257B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 石油系燃焼灰処理方法及びシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4485257B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101891334A (zh) * 2010-07-02 2010-11-24 大连理工大学 一种低能耗处理低碳氮比废水的一体化水解-反硝化氨氧化工艺

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5144509A (ja) * 1974-10-15 1976-04-16 Mitsui Mining & Smelting Co
JPS6019086A (ja) * 1983-07-12 1985-01-31 Kashima Kita Kyodo Hatsuden Kk 重油灰の処理方法
JPS6046930A (ja) * 1983-08-20 1985-03-14 Kashima Kita Kyodo Hatsuden Kk 改良された重油灰の処理方法
JPH08112585A (ja) * 1994-08-25 1996-05-07 Shinko Kagaku Kogyo Kk 集塵機灰の処理方法
JPH10174946A (ja) * 1996-12-18 1998-06-30 Chubu Electric Power Co Inc 重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の混合処理方法
JPH10314693A (ja) * 1997-05-14 1998-12-02 Babcock Hitachi Kk 石油系燃焼灰の処理方法
JPH11114516A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Kansai Electric Power Co Inc:The 重質油燃料焚きボイラの集塵灰の処理方法
JP2003082489A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Hitachi Zosen Corp 飛灰からの重金属の電気化学的回収方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5144509A (ja) * 1974-10-15 1976-04-16 Mitsui Mining & Smelting Co
JPS6019086A (ja) * 1983-07-12 1985-01-31 Kashima Kita Kyodo Hatsuden Kk 重油灰の処理方法
JPS6046930A (ja) * 1983-08-20 1985-03-14 Kashima Kita Kyodo Hatsuden Kk 改良された重油灰の処理方法
JPH08112585A (ja) * 1994-08-25 1996-05-07 Shinko Kagaku Kogyo Kk 集塵機灰の処理方法
JPH10174946A (ja) * 1996-12-18 1998-06-30 Chubu Electric Power Co Inc 重質油燃料焚きボイラの集塵灰と排脱排水の混合処理方法
JPH10314693A (ja) * 1997-05-14 1998-12-02 Babcock Hitachi Kk 石油系燃焼灰の処理方法
JPH11114516A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Kansai Electric Power Co Inc:The 重質油燃料焚きボイラの集塵灰の処理方法
JP2003082489A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Hitachi Zosen Corp 飛灰からの重金属の電気化学的回収方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101891334A (zh) * 2010-07-02 2010-11-24 大连理工大学 一种低能耗处理低碳氮比废水的一体化水解-反硝化氨氧化工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP4485257B2 (ja) 2010-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5579414B2 (ja) 還元性セレン含有排水の処理方法
KR101798316B1 (ko) 셀레늄 제거 방법 및 셀레늄 제거 장치
CN106587456B (zh) 一种基于氧分子活化的高级氧化-絮凝水处理方法
CN105645655A (zh) 一种含负二价硫高浓度氨氮废水的综合处理方法
KR101834438B1 (ko) 탈황 폐수의 처리 장치 및 이를 이용한 처리 방법
CN103663793B (zh) 一种高浓度乳化液废水处理方法
JP4667909B2 (ja) 有機性廃棄物の処理方法及び処理設備
JP4458320B2 (ja) 廃棄物処理方法と装置
JP4485257B2 (ja) 石油系燃焼灰処理方法及びシステム
JPH0252558B2 (ja)
JP2018083172A (ja) 排水処理方法、排水処理装置およびそれを備えた石炭ガス化発電設備
CN103086483B (zh) 净化水的方法以及包含该方法的采油工艺
JP4639309B2 (ja) シアン含有廃水の処理方法
JP2000263065A (ja) 工業廃液中のリンの除去方法
JP3788782B2 (ja) 排水を処理して銅を除去回収する方法及びこれに用いる薬剤
JP6623288B2 (ja) 硫化水素を含む廃水の処理方法及びその装置
JP2001286875A (ja) 含ヒ素排水の処理方法
JPH1157788A (ja) 電気分解を用いた重金属汚染底泥からの重金属解離法
JP2003251367A (ja) セレン酸含有排水の処理方法及びこれに用いる処理剤
Shaikieva et al. Electrochemical Sulfur Removal at Controlled and Uncontrolled pHs with an Iron Anode
JP4407236B2 (ja) アンチモン含有排水の処理方法
Zouboulis et al. Cadmium ion removal by electroflotation onto sewage sludge biomass
CN216426955U (zh) 危废焚烧烟气脱酸废水预处理系统
JP2008229434A (ja) アンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法
JP2005177647A (ja) 排水中のセレン除去方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4485257

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250