JP2005334369A - 穿刺針および穿刺具 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂材料を主成分とする材料で構成しつつも、穿刺時の痛みを低減できる穿刺針および穿刺具を提供すること。
【解決手段】穿刺具2は、ケーシング21と、このケーシング21内に移動可能に収納された穿刺針22とを有している。穿刺針22は、先端に鋭利な針先23を備え、この針先23により生体表面を穿刺する。この穿刺針22は、樹脂材料を主成分とする材料で構成され、針先23は、円錐状または角錐状をなし、その先端の曲率半径が0.05mm以下、かつ、その縦断面において外面同士のなす角度が10〜25°とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、穿刺針および穿刺具に関する。
従来から、薬液等を血中や皮下に投与する際には、シリンジなどの注入装置の先端部に金属製の注射針(針体)を装着し、この針体を血管や皮膚を刺通することが行われる。
しかしながら、廃棄のし易さや、針体の形状選択の自由度等を考慮した場合、針体の構成材料としては、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、樹脂材料を選択するのが好ましい。
ところが、特許文献1に記載の針体では、強度が十分に得られないという問題があり、一方、特許文献2に記載の針体では、寸法精度の高い先端形状を形成し難いという問題がある。
また、樹脂製の針体を用いた場合、金属製の針体を用いる場合より穿刺時の痛みが増大するという問題もある。
このようなことから、樹脂製の針体は、実用化に至っていないというのが現状である。
特開平6−327772号公報 特開平7−303700号公報
本発明の目的は、樹脂材料を主成分とする材料で構成しつつも、穿刺時の痛みの増大を防止できる穿刺針および穿刺具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 先端に鋭利な針先を備え、該針先により生体表面を穿刺する穿刺針であって、
樹脂材料を主成分とする材料で構成され、
前記針先は、円錐状または角錐状をなし、その先端の曲率半径が0.05mm以下、かつ、その縦断面において外面同士のなす角度が10〜25°であることを特徴とする穿刺針。
(2) 曲げ弾性率(ASTMD790に規定)が1500MPa以上の材料で構成されている上記(1)に記載の穿刺針。
(3) 血糖値の測定の際に、血液を採取するのに用いられるものである上記(1)または(2)に記載の穿刺針。
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の穿刺針と、
該穿刺針を内部に移動可能に収納するケーシングとを有することを特徴とする穿刺具。
(5) 前記ケーシングは、その先端に、前記穿刺針の前記針先により前記生体表面を穿刺する際に、前記生体表面を押し当てる当て部を有する上記(4)に記載の穿刺具。
(6) 前記当て部は、前記ケーシングの中心軸に対して、ほぼ垂直となるように設けられている上記(5)に記載の穿刺具。
(7) 穿刺装置に装着して使用され、使用後、該穿刺装置から取り外した際に、前記穿刺針が前記ケーシング内から突出しないように構成されている上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の穿刺具。
(8) 前記穿刺針の先端の前記生体表面への到達時の速度が、3m/秒以上となるようにして使用される上記(7)に記載の穿刺具。
本発明によれば、針先の形状を所定の形状としたことにより、樹脂材料を主成分とする材料で構成しつつも、穿刺時の痛みの増大を防止することができる。
また、構成材料を適宜選択することにより、穿刺時の痛みの増大をより確実に防止することができる。
以下、本発明の穿刺針および穿刺具を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の穿刺具の実施形態を示す部分縦断面図、図4は、本発明の穿刺針の先端部を拡大した縦断面図、図5〜図7は、それぞれ、本発明の穿刺具を穿刺装置に装着して使用する方法を説明するための図(部分縦断面図)、図8は、図5〜図7に示す穿刺装置が備える調節部の構成(側面および両端面)を示す図である。
なお、以下では、図1〜図7の上下方向を「軸方向」、上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
図1〜図3に示す穿刺具2は、図5〜図7に示すような穿刺装置10に装着して使用される。この穿刺装置10は、長尺状のハウジング3と、プランジャ5と、調節部6と、穿刺操作部(操作手段)7と、セット操作部(操作部)8と、プランジャ5を先端方向へ付勢するコイルバネ91と、プランジャ5を基端方向へ付勢するコイルバネ92とを有している。
図1〜図3に示す穿刺具2は、管状のケーシング(穿刺針ホルダー)21と、このケーシング21内に軸方向に移動可能に収納され、鋭利な針先23を備える穿刺針22とを有している。
ケーシング21の先端は、例えば指先、上腕、腹部、大腿部、耳たぶのような生体表面に当接する部位であり、開口211が形成されている。また、ケーシング21の基端には、開口214が形成されている。
ケーシング21の先端には、開口211を囲むようにしてリング状の当て部216が形成されている。穿刺針22による生体表面の穿刺の際には、この当て部216に生体表面を押し当てた状態で行う。このように、生体表面を当て部216に押し当てた状態で穿刺操作を行うことにより、より正確に生体表面を穿刺針22により穿刺することができる。
また、当て部216は、ケーシング21の中心軸に対して、ほぼ垂直となるように設けられている。これにより、穿刺針22により生体表面をほぼ垂直に穿刺することができるため、穿刺時の痛みをより軽減することができる。
なお、図示の構成では、当て部216の先端は平坦面で構成されているが、湾曲凹面で構成することもできる。
ケーシング21の内径は、区間aでは、一定であるが、区間bでは、先端に向かってわずかに漸減している。
また、ケーシング21の内径は、区間aでは、穿刺針22の最大外径(大径部224の外径)より若干大きく、区間aと区間bの境界よりわずかに先端側の位置cでは、穿刺針22の最大外径と同一である。
従って、大径部224の角部225が位置cに位置すると、穿刺針22は、それより先端へは所定値以上の力を加えないと移動しない。
また、ケーシング21の外周面には、穿刺具2を穿刺装置10に装着したとき、ハウジング3(ハウジング本体30)の先端35に当接するリング状のリブ215が形成されている。
また、ケーシング21の内周面には、大径部224を係止し得る一対の突起213、213が形成されている(図1〜図3中には、それぞれ、一方の突起213のみが記載されている)。図3に示すように、この突起213に大径部224が係止されることにより、ケーシング21の基端側からの穿刺針22の離脱を阻止することができる。
また、図2に示すように、大径部224の端面222がケーシング21の面212に当接することにより、ケーシング2の開口211からの穿刺針22(針先23)の最大突出長さ(最大突出量)が規制される。
穿刺針22は、このケーシング21内を、大径部224の端面222が面212に当接した図2に示す位置と、大径部224の端面223が突起213に当接した図3に示す位置との間を軸方向に移動することができる。
ケーシング21に対する穿刺針22の最大移動距離L1は、5mm以下が好ましい。最大移動距離L1が前記範囲を超えると、穿刺針22の移動ストロークが大きくなりすぎ、穿刺具2が無用に長くなる(大型化する)。
穿刺針22は、その針先23により生体表面を穿刺するものである。針先23の形状は、先端方向に向かって横断面積が漸減するような形状であればよく、例えば、円錐状、四角錐、三角錐のような角錐状等のいかなるものであってもよい。
本発明の穿刺針22は、樹脂材料を主成分とする材料で一体的に形成されたものである。これにより、穿刺具2の廃棄が容易となる。また、従来の穿刺針のように、金属製の針体と樹脂製のハブ(基部)との接合を要しないので、製造コストおよび製造時間の低減を図ることができる。
ところで、このような穿刺針22では、針先が金属製の穿刺針と比較して、ほぼ等しい量の血液(体液)を採取しようとすると、穿刺時の痛みが増大する傾向を示す。
かかる問題点を解決すべく、本発明者が鋭意検討を重ねた。その結果、穿刺針22を樹脂材料を主成分とする材料で構成しつつも、針先23を所定の形状とすることにより、穿刺時の痛みを、従来の金属製の針先を備える穿刺針を用いた場合と同等またはそれ以下に抑制しつつ、ほぼ等しい量の血液を採取し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明では、図4に示すように、針先23の先端の曲率半径(最小曲率半径)Rを0.05mm以下とし、かつ、その縦断面において外面231同士のなす角度θを10〜25°とした。
針先23の先端の曲率半径Rは、0.05mm以下であればよいが、0.03mm以下であるのが好ましい。曲率半径Rが大き過ぎると、生体表面の穿刺が不可能となったり、痛点に接触する頻度が高くなり、穿刺時の痛みの増大を防止するのが困難となるおそれがある。
なお、針先23の先端の曲率半径Rの下限値は、特に限定されないが、0.001mm以上であるのが好ましい。曲率半径Rが小さ過ぎると、穿刺針22の構成材料等によっては、針先23の先端の強度が低下し、生体表面の穿刺時に、針先23の先端が潰れてしまい、穿刺時の痛みが増大したり、生体表面の穿刺が困難となるおそれがある。また、成形時や穿刺具2の組み立て時等に、針先23の先端が潰れてしまい、穿刺が困難となるおそれもある。
また、外面231同士のなす角度θも、10〜25°であればよいが、15〜20°であるのが好ましい。角度θが小さ過ぎると、穿刺針22が生体表面を斜めから穿刺した場合には先端部が折れてしまい、生体表面の穿刺が不可能となったり、また、生体表面の穿刺部位の開口が小さくなり、十分な量の血液(体液)を生体表面に出させることができなかったり等するおそれがある。一方、角度θが大き過ぎると、穿刺時の痛みが増大したり、生体表面の穿刺が困難となるおそれがある。
なお、ここで、針先23の異なる縦断面において、外面231同士のなす角度θが異なる場合には、平均的角度(角度θの平均値)が前記範囲となるように設定される。
針先23の長さL2は、特に限定されないが、0.2〜3mmであるのが好ましく、0.5〜2mmであるのがより好ましい。
また、穿刺針22の構成材料は、曲げ弾性率(ASTMD790に規定)が1500MPa以上であるのが好ましく、2000MPa以上であるのがより好ましい。かかる材料を用いることにより、生体表面の穿刺が確実になされ、穿刺時の痛みの増大をさらに確実に防止することができる。なお、曲げ弾性率が低過ぎると、生体表面の硬さ等によって、穿刺針22が生体表面を斜めから穿刺した場合には先端部が折れてしまい、生体表面の穿刺が不可能となるおそれがある。
穿刺針22の構成材料の主成分である樹脂材料としては、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、液晶ポリマー(LCP)、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、環状ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシヘキサノエート、ポリカプロラクトン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、穿刺針22の構成材料中には、その曲げ弾性率を増加(調整)すること等を目的として、例えば有機または無機フィラー(充填材)等を添加するようにしてもよい。このようなフィラーとしては、例えば、カーボンナノ素材、各種ウィスカ等が挙げられる。
なお、ケーシング21の構成材料には、各種プラスチック材料(樹脂材料)を用いることができる。
図5に示すように、穿刺装置10が備えるハウジング3は、ハウジング本体30と、このハウジング本体30の基端部に設けられたキャップ状部材4とで構成されている。このハウジング3は、穿刺装置10を使用する際の把持部としての機能も有している。
ハウジング3は、先端に開放した中空部31を有しており、この中空部31には、プランジャ5と、プランジャ5を先端方向へ付勢するコイルバネ91と、プランジャ5を基端方向へ付勢するコイルバネ92とを有する穿刺機構が設置されている。
このハウジング3の先端部には、穿刺具2のケーシング21が着脱自在に装着される。すなわち、穿刺具2を穿刺装置10に装着する際は、ハウジング本体30の先端部に、ケーシング21の基端部が嵌入される。
また、ハウジング本体30の図5中左側には、弾性変形可能な板状の穿刺操作部7と、指標33とが、それぞれ設けられている。なお、指標33は、穿刺操作部7の基端側に配置されている。
穿刺操作部7の先端部には、図5中右側に突出した突起711を有する操作ボタン71が形成されている。そして、ハウジング本体30の突起711に対応する位置には、その突起711より大きく、かつ操作ボタン71より小さい開口32が形成されている。
また、ハウジング本体30の指標33の基端側には、その周方向に沿って一対の長孔34、34が形成されている。一方の長孔34は、図5中左側に配置され、他方の長孔34は、図5中右側に配置されている。
プランジャ5は、ハウジング3内に、軸方向に移動し得るように設置されている。
このプランジャ5は、先端部に、穿刺具2の穿刺針22が着脱自在に装着される円筒状の装着部51を有している。すなわち、穿刺具2を穿刺装置10に装着する際は、装着部51の先端部に、穿刺針22の基端部が嵌入される。
また、プランジャ5は、その基端部に、図5中右側に向けて立設された第1の突部56を有している。
また、プランジャ5は、その基端部に、基端側に向けて立設された一対の棒状の突出部52、52を有しており、各突出部52の基端部には、それぞれ、突起521が形成されている。一方の突出部52は、図5中左側に配置され、他方の突出部52は、図5中右側に配置されている。
また、プランジャ5の図5中左側には、弾性変形可能な棒状のロック部材53が設けられている。なお、ロック部材53は、装着部51の基端側に配置されている。
ロック部材53の先端部には、図5中左側に突出した突起532を有する係止部531が形成されている。
後述する穿刺の準備(セット)が完了した状態では、コイルバネ91によりプランジャ5がハウジング3に対し先端方向へ付勢された状態で、この係止部531の突起532がハウジング本体30の開口32に挿入され、これにより係止部53はハウジング3に対し係止される(図6参照)。
また、プランジャ5の外周面には、リング状のフランジ54および55が形成されている。フランジ55は、フランジ54より基端側に配置されている。
プランジャ5が移動する際は、各フランジ54および55は、それぞれ、ハウジング本体30の内周面を摺動し、これによりフランジ55の姿勢が保持される。
また、フランジ55の基端側の部分は、コイルバネ91の先端側が当接するバネ座として機能する。ハウジング本体30の基端部であって、キャップ状部材4の先端側には、管状の調節部(調節ダイヤル)6が、ハウジング本体30の周方向に回動自在に設置されている。
図8に示すように、調節部6の内周面には、一対の支持部610、610が形成されている。そして、これらの支持部610には、穿刺の際にプランジャ5の突部56に当接するリング状の穿刺深さ制御板(第2の突部)61が形成されている。一対の支持部610、610は、それぞれ、前述したハウジング本体30の一対の長孔34、34に挿入され、穿刺深さ制御板61は、ハウジング本体30内に位置する。
支持部610、610は、穿刺深さ制御板61の中心を介して対向するように配置されている。また、穿刺深さ制御板61は、調節部6の軸方向のほぼ中間に、ハウジング本体30と同心的に配置されている。
この穿刺深さ制御板61は、プランジャ5の突部56に当接する当接面の軸方向の位置が異なる4つの部分を有しており、これにより、穿刺針23による生体表面への穿刺深さ(=穿刺針22の開口211からの最大突出量)を4段階に調節することができる。
すなわち、穿刺深さ制御板61の基端側の面には、高さ(軸方向の長さ)の異なる3つの凸部(スペーサー)611、612および613が、周方向に沿って形成されている。これらの凸部611、612および613は、30°間隔で、かつ、図8の右側の図中反時計回りの方向に、凸部611、612、613の順序で配置されている。
凸部611〜613の高さは、凸部611が最も高く、凸部612が次に高く、凸部613が最も低い。すなわち、穿刺時にプランジャ5の突部56に当接する穿刺深さ制御板61の当接面の軸方向の位置は、凸部611における当接面の位置が最も基端側、凸部613における当接面の位置が最も先端側、凸部612における当接面の位置が凸部611と凸部613との間である。
従って、凸部611がプランジャ5の突部56に対面しているとき、穿刺針22による生体表面への穿刺深さが最も浅くなり(最小となり)、以下、凸部612、凸部613、凸部の形成されていない部分(突部なしの部分)614の順で、穿刺針22による穿刺深さが深く(大きく)なる。
調節部6とプランジャ5の突部56とで調節機構が構成され、この調整機構により、採血者(被検査者)の個人差や穿刺部位に応じて、穿刺針22の突出量、すなわち生体表面への穿刺深さを調節することができる。
穿刺深さ制御板61の先端側の部分は、コイルバネ91の基端側が当接するバネ座として機能する。この穿刺深さ制御板61と前記フランジ55との間には、コイルバネ91が実質的に無負荷の状態(自然長)で挿入されている。
また、調節部6の外周面には、長さの異なる4つのリブ621、622、623および624が、それぞれ形成されている。
これらのリブ621、622、623および624は、30°間隔(凸部611、612、613と同一の角度間隔)で、かつ、図8の右側の図中反時計回りの方向に、リブ621、622、623、624の順序で配置されている。
具体的には、リブ621は、凸部611から周方向に180°ずれた位置に配置されている。すなわち、リブ621は、凸部611がプランジャ5の突部56に対面しているときに、指標33の位置に位置するように配置されている。
同様に、リブ622、623および624は、それぞれ、凸部612、613および凸部の形成されていない部分614から周方向に180°ずれた位置に配置されている。すなわち、リブ622、623および624は、それぞれ、凸部612、613および凸部の形成されていない部分614がプランジャ5の突部56に対面しているときに、指標33の位置に位置するように配置されている。
リブ621〜624の長さは、リブ624が最も長く、リブ623が2番目に長く、リブ622が3番目に長く、リブ621が最も短い。このリブの長さは、穿刺針22による穿刺深さのレベルを示す。すなわち、リブの長さが長いほど、穿刺針23による生体表面への穿刺深さが深い。
また、調節部6の外周面のリブ621、622、623および624の先端側には、それぞれ、穿刺針23による生体表面への穿刺深さのレベルを示す数字「1」、「2」、「3」および「4」が付されている。
また、調節部6の外周面には、複数の溝63が周方向に沿って並設されている。これらの溝63と、リブ621〜624は、それぞれ、調節部6を回転操作するときの滑り止めとして機能する。
図5に示すように、キャップ状部材4内には、セット操作部8が軸方向に移動し得るように設置されている。
キャップ状部材4の先端には、セット操作部8の先端が当接するリング状のリブ41が形成されている。
また、キャップ状部材4の基端には、頭部(位置規制手段)42が形成されている。セット操作部8の操作の際は、そのセット操作部8の基端がこの頭部42に当接して、セット操作部8の基端方向への移動が阻止される。
また、キャップ状部材4の図5中左側および右側には、それぞれ、長孔43が形成されている。
セット操作部8は、コイルバネ92を収納する円筒状のセット操作部本体80を有している。
セット操作部本体80の先端には、リング状のリブ81が形成されている。このリブ81の基端側の部分は、コイルバネ92の先端側が当接するバネ座として機能する。
また、セット操作部本体80の基端部の図5中左側および右側には、それぞれ、キャップ状部材4の対応する長孔43に挿入された把手部82が形成されている。図5中左側の把手部82は、長孔43から図5中左側(外側)に突出し、図5中右側の把手部82は、長孔43から図5中右側(外側)に突出している。
また、セット操作部8内には、先端側にバネ座を有するリング状のバネ受け部材93が軸方向に移動し得るように設置されている。
このバネ受け部材93とリブ81との間には、コイルバネ92が実質的に無負荷の状態(自然長)で挿入されている。このコイルバネ92は、コイルバネ91より基端側に位置している。また、コイルバネ92のバネ定数は、コイルバネ91のバネ定数より小さい。
このバネ受け部材93は、プランジャ5の一対の突出部52、52が挿入された状態で、一対の突起521、521により係止されている。
コイルバネ91および92のバネ定数や軸方向の長さ等の諸条件は、それぞれ、確実に穿刺を行うことができるように、すなわち、穿刺の際、穿刺針22が確実にケーシング21の開口211から所定量突出し、かつ、その後、穿刺針22が確実にケーシング21内に収納されるように設定される。
次に、穿刺具2を穿刺装置10に装着して、生体表面の穿刺を行う場合の操作手順および各部の動作について説明する。
[1] 図5に示すように、穿刺装置10の先端部に穿刺具2を装着する。すなわち、ハウジング3の先端35にケーシング21のリブ215が当接するまで、そのハウジング3の先端部に、ケーシング21の基端部を嵌入するとともに、プランジャ5の装着部51の先端部に、穿刺針22の基端部を嵌入する。
この際、前述したように、穿刺針22の大径部224の角部225が位置cに位置すると、穿刺針22は、それより先端へは所定値以上の力を加えないと移動せず、また、プランジャ5のフランジ55は、コイルバネ91の先端に当接しているので、穿刺針22の基端部をプランジャ5の装着部51に嵌入することができる。
また、図5に示す状態では、プランジャ5のロック部材53は、その係止部531の突起532がハウジング3の内周面に当接することで、図5中右側に変位(弾性変形)している。すなわち、係止部531は、ロック部材53の弾性力により図5中左側に付勢されている。
[2] 必要に応じて、穿刺針22(針先23)による生体表面への穿刺深さを調節する。すなち、穿刺針22による生体表面への穿刺深さを採血者の個人差や穿刺部位に応じた穿刺深さに設定する。
穿刺深さを設定するに際しての基準としては、例えば、血糖測定に必要な最低限の血液量が得られる穿刺深さとすることができる。これにより、穿刺時の痛みを必要最低限に抑えることができる。
穿刺深さを設定する場合には、調節部6を指で把持し、ハウジング3に対し、その調節部6を周方向に回転させて、リブ621〜624のうちの所定のリブを指標33の位置に位置させる。
この穿刺深さの設定は、一度設定すれば、採血する度に毎回設定し直す必要がないため、操作に手間がかからない。
なお、図5〜図7には、それぞれ、穿刺針22による生体表面への穿刺深さを最も浅くした状態が示されている。
[3] 次に、セット操作部8の把手部82を指で把持し、ハウジング3に対し、そのセット操作部8をコイルバネ91および92の弾性力に抗して基端方向へ移動させる。そして、セット操作部8の基端がハウジング3の頭部42に当接したら、把持していた把手部82から指を離す。
この場合、まず、バネ定数の小さいコイルバネ92が圧縮されていき、次いで、バネ定数の大きいコイルバネ91が圧縮されていき、このコイルバネ91が圧縮した分、プランジャ5が基端方向に移動する。
セット操作部8の基端がハウジング3の頭部42に当接するまで移動すると、プランジャ5のロック部材53における係止部531の突起532がハウジング3の開口32の右側に位置し、弾性変形していたロック部材53がその弾性力により元の形状に戻り、突起532がハウジング3の開口32に挿入され、その突起532が操作ボタン71の突起711に当接(または対面)する。
そして、把持していた把手部82から指を離すと、図6に示すように、係止部531の突起532がハウジング3の開口32に臨む先端側の縁部に当接することにより、係止部531がハウジング3に対して係止(ロック)され、これにより、コイルバネ91の圧縮状態、すなわち、コイルバネ91によりプランジャ5がハウジング3に対し先端方向へ付勢された状態が保持される。
一方、把持していた把手部82から指を離すと、図6に示すように、圧縮されていた(圧縮状態の)コイルバネ92がその弾性力により伸長し、セット操作部8は、そのリブ81がハウジング3のリブ41に当接するまで先端側に移動する。また、コイルバネ92は、自然長に戻り、プランジャ5を先端および基端のいずれの方向へも付勢しない。
この状態で、生体表面への穿刺の準備(セット)が完了する。このように、穿刺装置10では、生体表面への穿刺の準備を容易、迅速かつ確実に行うことができる。
[4] 穿刺具2のケーシング21の先端(当て部216の先端面)を所定の部位、例えば指先のような生体表面に圧着した後、穿刺操作部7の操作ボタン71を押す(図6中右側に押し込む)。
操作ボタン71を押すと、図7に示すように、その突起711が係止部531の突起532を押圧し、これにより、ロック部材53が弾性変形して係止部531が図7中右側に変位し、係止部531の突起532の開口32に臨む縁部に対する係止が外れる(解除される)。
一方、穿刺操作部7は、弾性変形し、操作ボタン71から指を離すと、弾性変形していた穿刺操作部7がその弾性力により元の形状に戻る。
係止部531の係止が解除されると、図7に示すように、圧縮されていたコイルバネ91がその弾性力により伸長し、プランジャ5が先端方向へ移動し、穿刺針22の針先23がケーシング21の開口211より突出し、生体表面を穿刺する。
このとき、前述したように、穿刺針22の針先23の形状を所定の形状としたことにより、穿刺針22により生体表面を確実に穿刺することができるとともに、穿刺時の痛みの増大が確実に防止される。
また、穿刺針22の先端(針先23)の生体表面への到達時の速度は、3m/秒以上となるように設定するのが好ましく、4〜8m/秒に設定するのがより好ましい。この速度が遅過ぎると、穿刺時の痛みが増大したり、生体表面の硬さ等によっては、生体表面の穿刺が行えなかったり等するおそれがある。一方、速度が速過ぎると、穿刺具2を穿刺装置10にセットする際に力を要し、また、穿刺時の衝撃により痛みが増大するおそれがある。
なお、このとき、プランジャ5の突部56が穿刺深さ制御板61の凸部611に当接することによりプランジャ5の先端方向への移動が規制されるため、穿刺針22による生体表面への穿刺深さは、一定(最小値)に調整される。
また、プランジャ5が先端方向へ移動する際、その途中で、コイルバネ91とフランジ55とが離間するとともに、コイルバネ92が圧縮されていき、プランジャ5は、このコイルバネ92によりハウジング3に対し基端方向へ付勢される。
この場合、前述したように、コイルバネ91のバネ定数は、コイルバネ92のバネ定数より大きいので、プランジャ5は、コイルバネ92の弾性力に抗して先端側に移動し、穿刺針22により生体表面を穿刺することができる。
また、コイルバネ91は、フランジ55から離間した後、自然長に戻り、プランジャ5を先端および基端のいずれの方向へも付勢しない。
穿刺針22が生体表面を穿刺した後は、図5に示すように、圧縮されていたコイルバネ92がその弾性力により伸長し、プランジャ5が基端方向へ移動し、生体表面から穿刺針22が抜け、その穿刺針22は、ケーシング21内に収納(格納)される。すなわち、図5に示す状態に戻る。
このように、穿刺針22の針先23は、穿刺時以外はケーシング21の開口211から突出しないようになっており、誤って皮膚等を傷つけることが無く、また、感染も防止することができ、安全性が高い。
また、前述したように、穿刺針22は、最大で、大径部224の端面222がケーシング21の面212に当接した図2に示す位置までしか先端方向に移動することができないので、穿刺の際の安全性が高い。例えば、穿刺の際、仮に穿刺針22がプランジャ5の装着部51から外れたとしても、穿刺針22は、大径部224の端面222がケーシング21の面212に当接することにより係止されるので、穿刺針22(針先23)がケーシング21の開口211から所定量以上突出するのを防止することができる。
[5] 穿刺後、穿刺具1を生体表面から離し、穿刺部位上の血液を採取する。この血液の採取は、例えば、血液を試験紙上に直接供給したり、細管を介して吸引し、試験紙へ供給したりすることができる。
[6] この後(使用後)には、穿刺具2を穿刺装置10から取り外して、廃棄する。
このとき、穿刺針22は、図1に示すように、大径部224の角部225が位置cに位置した状態、または、位置cより基端側に位置した状態となる。
前述したように、穿刺針22は、大径部224の角部225が位置cに位置すると、それより先端へは所定値以上の力を加えないと移動しない。また、穿刺針22は、突起213に大径部224が係止されることにより、ケーシング21の基端側からの離脱が阻止される。
このように、穿刺具2では、使用後においても、穿刺針22の先端および基端のいずれもがケーシング21から突出しないように構成されている。従って、穿刺具2の廃棄に際しても、誤って皮膚等を傷つけることが無く、また、感染も防止することができ、安全性が高い。
なお、本発明の穿刺針22および穿刺具2は、本実施形態のような血液採取への適用に限定されず、例えば組織間液のような体液を採取するためのものに適用することができるが、特に、血糖値の測定の際に、血液を採取するものに適用するのが好適である。糖尿病患者においては、血糖値の測定を一日に複数回繰り返して行わなければならず、その都度、穿刺針22および穿刺具2は廃棄されることから、廃棄が容易なものであるのが好ましく、また、繰り返して血液採取を行うことから、穿刺時の痛みは極力少ない方が好ましいからである。
以上、本発明の穿刺針および穿刺具を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図1等に示す構成の穿刺具A〜穿刺具Cと、ステンレス鋼製の針体を備える穿刺具Zとを作製した。各穿刺具の仕様は、以下に示す通りである。
[穿刺具A]
・穿刺針の構成材料:環状ポリオレフィン(日本ゼオン株式会社製、「ゼオネックス」
、曲げ弾性率:2200MPa)
・針先の形状:変形円錐形状(横断面形状が楕円形)
・針先の先端の曲率半径R:0.03mm
・針先の縦断面における外面同士のなす角度θ(平均値):15°
・針先の長さL2:2mm
・ケーシングの構成材料:ポリプロピレン
[穿刺具B]
針先の先端の曲率半径Rを0.05mmとした以外は、前記穿刺具Aと同様とした。
[穿刺具C]
針先の先端の曲率半径Rを0.07mmとした以外は、前記穿刺具Aと同様とした。
[穿刺具Z]
穿刺針の先端部を切断・除去し、この除去部にステンレス鋼製の針体(テルモ株式会社製、「メディセーフ針(ファインタッチ専用)」に使用されている針体)を接続した以外は、前記穿刺具Aと同様とした。
各穿刺具を、図5等に示す穿刺装置に装着し、被験者の左手人差し指の横を穿刺してもらった。そして、穿刺具A〜穿刺具Cを用いたときの痛さを、以下の4段階の基準に従って評価してもらった。
なお、穿刺装置は、穿刺針の先端の皮膚への到達時の速度が3m/秒となるように設定した。また、穿刺深さは、被験者毎にそれぞれ設定してもらった。
◎:穿刺具Zを用いた場合より痛くない
○:穿刺具Zを用いた場合と同等
△:穿刺具Zを用いた場合より若干痛い
×:穿刺具Zを用いた場合よりかなり痛い
また、穿刺後、指をしごいて血液を出し、試験紙(テルモ株式会社製、「メディセーフチップ」)に血液を採取し、血糖測定装置(テルモ株式会社製、「メディセーフ」)にて血糖値を測定してもらった。
そして、血糖値の測定が可能であった場合を○とし、血糖値の測定が不可能であった場合を×とした。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2005334369
表1から明らかなように、穿刺具Aおよび穿刺具B(本発明)では、いずれも、穿刺時の痛みを抑制しつつ、血糖値の測定に十分な量の血液を採取することができた。
特に、針先の先端の曲率半径Rを0.03mmとした穿刺具Bでは、穿刺時の痛みが低減する傾向を示した。
これに対して、針先の先端の曲率半径Rが0.07mm(0.05mmを上回る)の穿刺具C(比較例)では、血糖値の測定に必要な血液量を採取するには、かなりの痛みをともなうものであった。
(実施例2)
前記実施例1と同様の穿刺具Aおよび穿刺具Zと、図1等に示す構成の穿刺具D〜穿刺具Gとを作製した。各穿刺具の仕様は、以下に示す通りである。
[穿刺具D]
針先の縦断面における外面同士のなす角度θ(平均値)を8°とした以外は、前記穿刺具Aと同様とした。
[穿刺具E]
針先の縦断面における外面同士のなす角度θ(平均値)を10°とした以外は、前記穿刺具Aと同様とした。
[穿刺具F]
針先の縦断面における外面同士のなす角度θ(平均値)を25°とした以外は、前記穿刺具Aと同様とした。
[穿刺具G]
針先の縦断面における外面同士のなす角度θ(平均値)を28°とした以外は、前記穿刺具Aと同様とした。
各穿刺具を、図5等に示す穿刺装置に装着し、前記実施例1と同様にして、穿刺時の痛みの程度および血糖値の測定の可否を評価した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2005334369
表2から明らかなように、穿刺具A、穿刺具Eおよび穿刺具F(本発明)では、いずれも、穿刺時の痛みを抑制しつつ、血糖値の測定に十分な量の血液を採取することができた。
特に、針先の縦断面における外面同士のなす角度θを15°とした穿刺具Aでは、穿刺時の痛みが低減する傾向を示した。
これに対して、針先の縦断面における外面同士のなす角度θが8°(10〜25°の範囲を逸脱する)の穿刺具D(比較例)では、血糖値の測定に必要な血液量を採取するのが困難な被験者が多かった。
また、針先の縦断面における外面同士のなす角度θが28°(10〜25°の範囲を逸脱する)の穿刺具G(比較例)では、血糖値の測定に必要な血液量を採取するには、かなりの痛みをともなうものであった。
(実施例3)
前記実施例1と同様の穿刺具Zと、図1等に示す構成の穿刺具H〜穿刺具Kとを作製した。各穿刺具の仕様は、以下に示す通りである。
[穿刺具H]
・穿刺針の構成材料:ポリプロピレン(曲げ弾性率:1350MPa)
・針先の形状:変形円錐形状(横断面形状が楕円形)
・針先の先端の曲率半径R:0.05mm
・針先の縦断面における外面同士のなす角度θ(平均値):15°
・針先の長さL2:2mm
・ケーシングの構成材料:ポリプロピレン
[穿刺具I]
・穿刺針の構成材料:ポリプロピレン(曲げ弾性率:1700MPa)
・針先の形状:円錐形状(横断面形状が円形)
・針先の先端の曲率半径R:0.05mm
・針先の縦断面における外面同士のなす角度θ:20°
・針先の長さL2:2mm
・ケーシングの構成材料:ポリプロピレン
[穿刺具J]
穿刺針の構成材料をポリスチレン(曲げ弾性率:2200MPa)とした以外は、前記穿刺具Iと同様とした。
[穿刺具K]
穿刺針の構成材料を環状ポリオレフィン(日本ゼオン株式会社製、「ゼオネックス」、曲げ弾性率:3300MPa)とした以外は、前記穿刺具Iと同様とした。
各穿刺具を、図5等に示す穿刺装置に装着し、前記実施例1と同様にして、穿刺時の痛みの程度および血糖値の測定の可否を評価した。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2005334369
表3から明らかなように、穿刺針の構成材料として、曲げ弾性率が高いものを用いるのにしたがって、穿刺時の痛みが低減する傾向を示した。
なお、曲げ弾性率が1350MPa(1500MPa未満)の材料で穿刺針を構成した穿刺具Hでは、出血は確認できたものの、血糖値の測定には血液量が若干不足するようであった。
(実施例4)
前記実施例1と同様の穿刺具Bおよび穿刺具Zを作製した。
各穿刺具を、図5等に示す穿刺装置に装着し、前記実施例1と同様にして、穿刺時の痛みの程度および血糖値の測定の可否を評価した。
なお、穿刺装置は、穿刺針の先端の皮膚への到達時の速度が6m/秒、3m/秒、1m/秒となるように設定して用いた。
これらの結果を表4に示す。
Figure 2005334369
表4から明らかなように、穿刺針の先端の皮膚への到達時の速度を高めると、穿刺時の痛みが低減する傾向を示した。
本発明の穿刺具の実施形態を示す部分縦断面図である。 本発明の穿刺具の実施形態を示す部分縦断面図である。 本発明の穿刺具の実施形態を示す部分縦断面図である。 本発明の穿刺針の先端部を拡大した縦断面図である。 本発明の穿刺具を穿刺装置に装着して使用する方法を説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明の穿刺具を穿刺装置に装着して使用する方法を説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明の穿刺具を穿刺装置に装着して使用する方法を説明するための図(部分縦断面図)である。 図5〜図7に示す穿刺装置が備える調節部の構成(側面および両端面)を示す図である。
符号の説明
10 穿刺装置
2 穿刺具
21 ケーシング
211 開口
212 面
213 突起
214 開口
215 リブ
216 当て部
22 穿刺針
221〜223 端面
224 大径部
225 角部
23 針先
231 外面
3 ハウジング
30 ハウジング本体
31 中空部
32 開口
33 指標
34 長孔
35 先端
4 キャップ状部材
41 リブ
42 頭部
43 長孔
5 プランジャ
51 装着部
513 先端
52 突出部
521 突起
53 ロック部材
531 係止部
532 突起
54、55 フランジ
56 第1の突部
6 調節部
61 穿刺深さ制御板
610 支持部
611〜613 凸部
614 凸部の形成されていない部分
621〜624 リブ
63 溝
7 穿刺操作部
71 操作ボタン
711 突起
8 セット操作部
80 セット操作部本体
81 リブ
82 把手部
91、92 コイルバネ
93 バネ受け部材

Claims (8)

  1. 先端に鋭利な針先を備え、該針先により生体表面を穿刺する穿刺針であって、
    樹脂材料を主成分とする材料で構成され、
    前記針先は、円錐状または角錐状をなし、その先端の曲率半径が0.05mm以下、かつ、その縦断面において外面同士のなす角度が10〜25°であることを特徴とする穿刺針。
  2. 曲げ弾性率(ASTMD790に規定)が1500MPa以上の材料で構成されている請求項1に記載の穿刺針。
  3. 血糖値の測定の際に、血液を採取するのに用いられるものである請求項1または2に記載の穿刺針。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の穿刺針と、
    該穿刺針を内部に移動可能に収納するケーシングとを有することを特徴とする穿刺具。
  5. 前記ケーシングは、その先端に、前記穿刺針の前記針先により前記生体表面を穿刺する際に、前記生体表面を押し当てる当て部を有する請求項4に記載の穿刺具。
  6. 前記当て部は、前記ケーシングの中心軸に対して、ほぼ垂直となるように設けられている請求項5に記載の穿刺具。
  7. 穿刺装置に装着して使用され、使用後、該穿刺装置から取り外した際に、前記穿刺針が前記ケーシング内から突出しないように構成されている請求項4ないし6のいずれかに記載の穿刺具。
  8. 前記穿刺針の先端の前記生体表面への到達時の速度が、3m/秒以上となるようにして使用される請求項7に記載の穿刺具。
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