JPH07303700A - 合成樹脂製針 - Google Patents

合成樹脂製針

Info

Publication number
JPH07303700A
JPH07303700A JP7057862A JP5786295A JPH07303700A JP H07303700 A JPH07303700 A JP H07303700A JP 7057862 A JP7057862 A JP 7057862A JP 5786295 A JP5786295 A JP 5786295A JP H07303700 A JPH07303700 A JP H07303700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
fiber
needle
fibers
resin needle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7057862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3560675B2 (ja
Inventor
Makoto Yoshikawa
信 吉川
Koichi Tachikawa
浩一 立川
Masaaki Kasai
正秋 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP05786295A priority Critical patent/JP3560675B2/ja
Publication of JPH07303700A publication Critical patent/JPH07303700A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3560675B2 publication Critical patent/JP3560675B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は高剛性かつ高靭性の合成樹脂製針、特
に注射針、採血針、留置針、混注針、瓶針、穿刺針等の
医療用合成樹脂製針を提供する。 【構成】 繊維強化された合成樹脂製針であって、該繊
維は可燃性を有し、該針の一端から他端に向けて設けら
れていることを特徴とする。繊維は針の長手方向に沿っ
て全長に亘って直線的に、または曲線状をなして設けら
れている。また、繊維は針の円周方向に対し偏在させ、
外部より中空部を観察可能としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高剛性かつ高靭性の合成
樹脂製針に係わり、特に注射針、採血針、留置針、混注
針、瓶針、穿刺針等の医療用合成樹脂製針に関する。
【0002】
【従来の技術】注射針の材質としてはステンレス等の金
属が一般的に使用されている。金属製の注射針は、針の
肉厚を薄くでき、小さな外径であっても大きな流量を確
保できることや、刃先をシャープに研磨できるのでスム
ーズな穿刺が行えることなどのメリットを有するもので
あるが、廃棄時に焼却処分ができず、針としての原形を
留めたままゴミとして回収業者に処分してもらってい
る。そのため、焼却処分が可能な注射針の開発が望ま
れ、その材質として、合成樹脂の使用が検討されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、合成樹脂単独
では剛性、強度不足により刺通時に刃先が変形したり折
れたり曲がったりして刺通が困難であった。また、剛性
を向上させるために充填材を添加した場合、剛性が向上
する反面、靭性が低下し脆くなり、返って刺通時に折れ
てしまう虞れが増加するものであった。従って、注射針
として実用上十分な剛性と靭性とを併せ持つ合成樹脂製
注射針の出現が望まれているが、これを満足するものは
未だ得られていないのが現状である。したがって、本発
明は、実用に耐え得る剛性と靭性とを有し、しかも焼却
処分が可能な注射針を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、以下の(1)〜(5)の対策が講ぜられた。 (1)繊維強化された合成樹脂製針であって、該繊維が
可燃性を有しその長手方向を該針の軸方向に沿うように
(直線的に、または多少曲線状をなしていてもよい)設
けられていること。 (2)該繊維は該針の軸方向全長に亘って設ける。 (3)該繊維は該針に実質的に均一に分散させる。 (4)該繊維は該針の外周近傍に偏在させてもよい。 (5)該針は中空針であり、該繊維は該針の円周方向に
対し不均一に偏在され、外部より中空部を観察可能とし
てもよい。 なお、針は中実、または中空針であってもよい。
【0005】すなわち、本発明の合成樹脂製針は基本的
構成として、繊維強化された合成樹脂製針であって、該
繊維は可燃性を有し、該針の一端から他端に向けて設け
られていることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明による繊維強化合成樹脂製針によれば、
繊維が長手方向に連続しているため(直線状、若しくは
曲線的に)、長手方向に垂直な方向への曲げ荷重に対す
る強度が高く、折れが生じにくい。さらに繊維が可燃性
であるから焼却処理することができる。
【0007】
【実施例】本発明の合成樹脂製針に使用される合成樹脂
材料としては、環状オレフィン系樹脂、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、
ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエ
ステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系
樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルラクト
ン、液晶ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミ
ド、ポリエーテルニトリル、ポリプロピレン等の熱可塑
性樹脂、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これら
の内、取扱の容易さ、生体安全性を考慮すると熱可塑性
樹脂が好ましい。さらに曲げ弾性率が2×104 Kg/
cm2 以上である高弾性熱可塑性樹脂、例えばポリカー
ボネート、環状オレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテル
イミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリエステ
ル樹脂等が望ましい。
【0008】本発明の合成樹脂針に使用される繊維は可
燃性のものである。ここで可燃性とは焼却炉等での焼却
後、その形状を有さないことを言う。具体的には、炭素
繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポ
リビニルアルコール繊維、全芳香族ポリエステル繊維、
ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ヘテロ環高性
能繊維、ポリアミド系繊維、ポリアセタール繊維、ガラ
ス繊維、ポリアリレート繊維等が挙げられる。これらの
内、剛性の面から弾性率が5.0×103Kg/mm2
上である炭素繊維、アラミド繊維、ヘテロ環高性能繊
維、ポリアリレート繊維、ガラス繊維が好ましく、より
好ましくは弾性率が10.0×103Kg/mm2以上で
ある炭素繊維、アラミド繊維、ヘテロ環高性能繊維が好
ましい。また、繊維の繊維径は1〜50μmであるもの
が好ましく、より好ましくは約5〜25μmである。
【0009】本発明の合成樹脂製針を構成する樹脂材料
に対する繊維の添加量は採用する樹脂や繊維の組合わせ
により異なるが合成樹脂製針全体に基づいて概ね10〜
80容量%程度であり、好ましくは30〜80容量%、
より好ましくは40〜70容量%である。繊維が10容
量%以上添加されていれば、長手方向に垂直な方向への
曲げ荷重に対する強度が実用的なレベルにまで上昇す
る。また、添加する繊維が短繊維のみの場合、添加量が
30容量%以上では曲げ弾性率および曲げ強さがかえっ
て弱くなり脆く折れやすくなる傾向にある。しかし、本
発明の合成樹脂製針の場合、繊維を多量に添加してもこ
れらの数値は上昇し続ける。すなわち、短繊維を添加す
る場合に比べて、刺通性能が良好でしかも折れにくい合
成樹脂製針が得られる。また、繊維の形状等にもよるが
80容量%程度までは個々の繊維が合成樹脂製針を構成
する樹脂材料中に分散され、繊維同士が互いに直接触れ
ないと考えられるので繊維が樹脂材料の強度の上昇に充
分寄与することができる。これらの樹脂と繊維を用いて
針を作製するが、樹脂として透明性の高い、ポリカーボ
ネート等を使用し、針管の長手方向に対し垂直方向の断
面において強化長繊維を部分的に集束し、不均一に分散
させるよう合成樹脂製針を形成すると、合成樹脂製針内
を流れる流体を目視することができる合成樹脂製針が得
られる。作成された合成樹脂製針において、その弾性率
は20×104Kg/cm2以上が好ましく、より好まし
くは30×104Kg/cm2以上、さらに好ましくは5
0×104Kg/cm2以上である。
【0010】次に、本発明の合成樹脂製針の製造方法を
中空針を例にとって以下に説明する。押出成型機(図示
せず)に接続された図1に示したクロスヘッド部1の後
端に設けられた繊維挿入部12へ連続した繊維2を挿入
し、挿入部12から押出し部13へ向かって繊維を前進
させる。このとき図示しない押出成型機にて加熱、溶融
した熱可塑性樹脂4を押出成型機接続部3を介してクロ
スヘッド部1内へ挿入し、繊維2に含浸させる。そし
て、樹脂含浸された繊維を樹脂の押出し速度に合わせて
ダイス131、マンドレル132間より引き抜き、押出
された管状体51を冷却、固化することにより中空針用
管状体を製造する。
【0011】このような成型機を使用して、合成樹脂製
針と強化長繊維を用いて円筒状あるいは管状体の成型を
行う。なお、成型品の形状は外径0.5〜5.0mm,内
径0〜4.8mmの寸法にて成型を行う。なお、成型品
は上述した押出し成型のように連続的に成型を行っても
よいし、射出成型のように所定の長さに成型する不連続
的な成型を行っても良い。このように成型された成型品
を目的の長さにカットして刃面づけを行うことにより合
成樹脂製針を得る。刃面づけの方法として、加熱した金
型へ入れる方法、砥石により研磨する方法、レーザー、
ウォータージェット、刃物等によりカットする方法等を
挙げられる。また刃先形状はオープンエンドのランセッ
トタイプでも良く、管状体内腔に連通し外部に開口する
孔のついた円錐形状でもよい。合成樹脂製針は接着剤、
熱融着、高周波融着等によりシリンジ等への接続部を有
するハブに固定することができる。
【0012】なお、繊維挿入部12およびクロスヘッド
部1内にて繊維2を均一に分散させた状態で成型を行っ
た場合には、繊維2が実質的に均一に分散されている合
成樹脂製針が成型され、また繊維2を円周方向に偏在さ
せた状態で成型を行った場合には、針管の長手方向に対
し垂直方向の断面において繊維2が部分的に収束し、不
均一に偏在されている合成樹脂製針が成型される。
【0013】また、剛性をさらに向上させるため合成樹
脂材料に短繊維を充填させてもよい。短繊維としては、
ウイスカー(ひげ結晶)、無機フィラー(例えばシリ
カ、タルク)、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラ
ミド繊維、等が挙げられる。ウイスカーとしては、酸化
チタン、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、グラ
ファイト、等が挙げられる。それらの充填量は合成樹脂
製針全体積の0〜30容量%が望ましい。短繊維の大き
さは、直径0.01〜50μm、好ましくは0.05〜
10μm、長さ1.0〜100μm、好ましくは3〜5
0μmが望ましい。
【0014】実施例 1 成型品全体の30容量%に相当するように炭素繊維(直
径7μm、東洋レーヨン社製、ベスファイトHTA、弾
性率24×104Kg/mm2)7800本からなる長繊
維束を均一に分散するように押出し成型機に接続された
クロスヘッド部後端の繊維挿入部より連続して挿入し、
挿入部から押出し部へ向かって繊維束を前進させる。こ
のとき、押出し成型機によって加熱、溶融されたポリカ
ーボネート(三菱エンジニアリングプラスチック社製、
レックス7020、弾性率2.3×104Kg/cm2
をクロスヘッド部内に挿入し、炭素繊維をダイス・マン
ドレル間から引き抜き、合成樹脂内に繊維が均一に分散
した状態で押出すことによって中空状に成型した後、冷
却、固化することにより内径1.0mm、外径1.5mm
のパイプ形状の成型品を得た。得られたパイプ形状の成
型品を50mmの長さに切断した後、一端を砥石により
刃面を形成させ、合成樹脂製針を製造した。
【0015】実施例 2 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の45容量%に
相当するように12000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入した
以外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0016】実施例 3 実施例1の炭素繊維の代りに成型品全体の45容量%に
相当するようにアラミド繊維(直径12μm、日本アラ
ミド社製、トワロンHM1056、弾性率13×104
Kg/mm2)3900本からなる長繊維束を均一に分
散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入した以
外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0017】実施例 4 ポリカーボネートとともに短繊維として酸化チタンウイ
スカー(直径1.0μm、長さ5.0μm、石原産業社
製、FTL−200)を成型品全体の9容量%を用い、
これらをクロスヘッド部に導入した以外は実施例2と同
様にして合成樹脂製針を製造した。
【0018】実施例 5 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入した
以外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0019】実施例 6 実施例3と同様のアラミド繊維を成型品全体の60容量
%に相当するように5200本からなる長繊維束を均一
に分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し
た以外は実施例3と同様にして合成樹脂製針を製造し
た。
【0020】実施例 7 実施例1の炭素繊維の代りに成型品全体の60容量%に
相当するようにポリアクリレート繊維(直径23μm、
クラレ社製、ベクトランHT、弾性率8×104Kg/
mm2)1400本からなる長繊維束を均一に分散する
ようにしてクロスヘッド部に連続して挿入した以外は実
施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0021】実施例 8 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、
ポリカーボネートの代りに環状オレフィンコポリマー
(三井石油化学社製、APL6015、弾性率3.2×
104Kg/cm2)を押出し成型機によって加熱、溶融
しクロスヘッド部に導入した以外は実施例1と同様にし
て合成樹脂製針を製造した。
【0022】実施例 9 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、
ポリカーボネートの代りにポリブチレンテレフタレート
(三菱エンジニアリングプラスチック社製、ノバドウル
5050、弾性率2.4×104Kg/cm2)を押出し
成型機によって加熱、溶融しクロスヘッド部に導入した
以外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0023】実施例 10 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、
ポリカーボネートの代りにポリフェニレンサルフィド
(ポリプラスチック(株):フォートロン002A9、
弾性率4.0×104Kg/cm2)を押出し成型機によ
って加熱、溶融しクロスヘッド部に導入した以外は実施
例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0024】実施例 11 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、
ポリカーボネートの代りにポリエーテルエーテルケトン
(住友化学社製、ビクトレックス450G、弾性率3.
8×104Kg/cm2)を押出し成型機によって加熱、
溶融しクロスヘッド部に導入した以外は実施例1と同様
にして合成樹脂製針を製造した。
【0025】実施例 12 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、
ポリカーボネートの代りにポリエーテルイミド(日本G
Eプラスチック社製、Ultem 1000、弾性率3.4×
104Kg/cm2)を押出し成型機によって加熱、溶融
しクロスヘッド部に導入した以外は実施例1と同様にし
て合成樹脂製針を製造した。
【0026】実施例 13 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、
ポリカーボネートの代りに液晶ポリエステル(三菱エン
ジニアリングプラスチック社製、ノバキュレートE31
0、弾性率12.0×104Kg/cm2)を押出し成型
機によって加熱、溶融しクロスヘッド部に導入した以外
は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0027】実施例 14 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の70容量%に
相当するように18000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入した
以外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0028】実施例 15 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の80容量%に
相当するように21500本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入した
以外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0029】実施例 16 実施例1と同様の炭素繊維の本数を7800本とし、長
繊維束が繊維挿入部およびクロスヘッド部内に円周方向
に対して3方向に集束し、偏在させた状態で成型を行っ
た以外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造し
た。
【0030】実施例 17 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の10容量%に
相当するように2600本からなる長繊維束を均一に分
散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、さ
らにポリカーボネートとともに短繊維として酸化チタン
ウイスカー(直径1.0μm、長さ5.0μm、石原産業
社製、FTL−200)を成型品全体の19容量%を用
い、これらを押出し成型機によって加熱、溶融しクロス
ヘッド部に導入した以外は実施例1と同様にして合成樹
脂製針を製造した。
【0031】比較例 1 炭素繊維を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に
合成樹脂製針を製造した。
【0032】比較例 2 炭素繊維を添加せず、炭素短繊維(直径7μm、長さ5
00μm、)を成型品全体の19容量%添加した以外は
実施例1と同様に合成樹脂製針を製造した。
【0033】比較例 3 炭素繊維を添加せず、かつポリカーボネートの代りにポ
リフェニレンサルフィド(ポリプラスチック(製):フ
ォートロン 002A9、弾性率4.0×104Kg/c
2)と充填剤として炭素短繊維(19容量%)を用
い、これらを押出し成型機によって加熱、溶融しクロス
ヘッド部に導入した以外は実施例1と同様にして合成樹
脂製針を製造した。
【0034】比較例 4 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の90容量%に
相当するように23000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入した
以外は実施例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0035】比較例 5 実施例1と同様の炭素繊維を成型品全体の60容量%に
相当するように15000本からなる長繊維束を均一に
分散するようにしてクロスヘッド部に連続して挿入し、
かつポリカーボネートの代りにポリエチレン(三菱化学
社製、三菱ポリエチ−HD HJ930、弾性率1.0
×104Kg/cm2)を用い、これを押出し成型機によ
って加熱、溶融しクロスヘッド部に導入した以外は実施
例1と同様にして合成樹脂製針を製造した。
【0036】(試験例1)上記実施例1〜17、比較例
1〜5の合成樹脂製針のそれぞれについて、試験方法J
IS K 7203に従って曲げ弾性率、曲げ強さの測
定を行った。また、刺通性能を示す指標として穿刺部が
イソプレンゴム(硬度JISA40、厚さ6mm)からな
る輸液バッグ(テルモ(株)社製、商品名:テルパッ
ク)の栓体にそれぞれ20本ずつ刺通し、その評価を行
った。ここで、刺通性能は次の評価法により行った。
【0037】A: 通常のヒトの力で20本全部、刺通
できた。 B: 刃先のへたりや折れにより15〜19本しか刺通
できなかった。 C: 刃先のへたりや折れにより10〜14本しか刺通
できなかった。 D: 刃先のへたりや折れにより0〜9本しか刺通でき
なかった。 これらの結果を弾性率、曲げ強さの測定結果と合わせて
表1に示す。
【0038】 表 1 曲げ弾性率 曲げ強さ 刺通性能 [104Kg/cm2] [103Kg/cm2] 実施例1 25 3 B 実施例2 35 5 A 実施例3 25 3 B 実施例4 55 8 A 実施例5 54 7 A 実施例6 35 4 B 実施例7 28 3 B 実施例8 52 7 A 実施例9 50 6 A 実施例10 55 8 A 実施例11 55 9 A 実施例12 54 9 A 実施例13 55 6 A 実施例14 55 6 A 実施例15 45 4 B 実施例16 22 3 B 実施例17 20 3 B 比較例1 2 1 D 比較例2 15 2 D 比較例3 20 2 C 比較例4 10 2 D 比較例5 18 2 C
【0039】なお、本発明の上記実施例の合成樹脂製針
を医療用注射針基準(昭和45年12月20日、厚生省
告示第443号)に基づき溶出試験を行った結果、いず
れもこの基準を満たし、問題はなかった。さらに、本発
明の合成樹脂製針は輸液セットの輸液容器に接続するた
めの瓶針、体内から血液を取り出す採血針、体内へ薬液
を注入する注射針、留置針等へ適用できることが確認さ
れた。さらに、ハブ部分への固着は接着剤を使用して
も、また熱融着、高周波融着などを利用しても行えるこ
とが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明による繊維強
化合成樹脂製針によれば、該繊維は可燃性であるので、
焼却処分が可能であり、錆が出ず、靭性の向上とともに
剛性の強化が図られる。また、針を構成する合成樹脂と
接着性のある繊維であると刃面づけを容易におこなえる
等の効果がある。また、短繊維を充填した場合に比べて
繊維が長手方向に連続しているため(直線状、若しくは
曲線的に)、長手方向に垂直な方向への曲げ荷重に対す
る強度が高く、折れが生じにくい。すなわち、長繊維の
場合は添加しても靭性が低下しにくく、脆く折れ易くな
ることがないので、短繊維に比べて剛性、靭性共に向上
が図れるなどの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の合成樹脂針の製造方法を説明
するための成型機の部分断面図である。
【符号の説明】
1…クロスヘッド部、 2…繊維、 3…押出成型機接続部、 4…熱可塑性樹脂、 12…繊維挿入部、 13…押出し部、 51…管状体、 131…ダイス、 132…マンドレル。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化された合成樹脂製針であって、
    該繊維は可燃性を有し、該針の一端から他端に向けて設
    けられていることを特徴とする合成樹脂製針。
  2. 【請求項2】 該繊維が該針の一端から他端に向けて直
    線状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    合成樹脂製針。
  3. 【請求項3】 該繊維が該針の一端から他端に向けて曲
    線をなして設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の合成樹脂製針。
  4. 【請求項4】 該繊維が炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド
    繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、
    全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、ポラミド
    イミド繊維、ヘテロ環高性能繊維、ポリアミド系繊維、
    ポリアセタール繊維、ガラス繊維、ポリアリレート繊維
    から選ばれるものであることを特徴とする請求項1記載
    の合成樹脂製針。
  5. 【請求項5】 該繊維が炭素繊維、アラミド繊維、ヘテ
    ロ環高性能繊維、ポリアリレート繊維、ガラス繊維から
    選ばれるものであることを特徴とする請求項1記載の合
    成樹脂製針。
  6. 【請求項6】 該繊維が炭素繊維、アラミド繊維、ヘテ
    ロ環高性能繊維から選ばれるものであることを特徴とす
    る請求項4記載の合成樹脂製針。
  7. 【請求項7】 該繊維の弾性率が5.0×103Kg/m
    2以上であることを特徴とする請求項1記載の合成樹
    脂製針。
  8. 【請求項8】 該繊維の添加量が合成樹脂製針全体に対
    し10ないし80容量%であることを特徴とする請求項
    1記載の合成樹脂製針。
  9. 【請求項9】 該繊維の繊維径が1〜50μmであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
  10. 【請求項10】 該合成樹脂製針に使用される合成樹脂
    が、環状オレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイ
    ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフ
    タレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタ
    ール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル系樹
    脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系樹脂、ポリ
    スルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホ
    ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルラクトン、液晶
    ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエ
    ーテルニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレンの熱可
    塑性樹脂、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
    樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポ
    リウレタン樹脂の熱硬化性樹脂から選ばれるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
  11. 【請求項11】 該合成樹脂製針に使用される合成樹脂
    が、ポリカーボネート、環状オレフィン系樹脂、ポリブ
    チレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、
    ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、全
    芳香族ポリエステル樹脂から選ばれるものであることを
    特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
  12. 【請求項12】 該合成樹脂製針に使用される合成樹脂
    の曲げ弾性率が2×104Kg/cm2以上であることを
    特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
  13. 【請求項13】 該合成樹脂製針にさらに短繊維が充填
    されていることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製
    針。
  14. 【請求項14】 該短繊維が、ウイスカー(ひげ結
    晶)、無機フィラー(例えばシリカ、タルク)、ガラス
    繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維から選ばれる
    ものであることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製
    針。
  15. 【請求項15】 該短繊維の充填量が、合成樹脂製針全
    体積の0〜30容量%であることを特徴とする請求項1
    記載の合成樹脂製針。
  16. 【請求項16】 該合成樹脂製針が医療用針であること
    を特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
  17. 【請求項17】 該合成樹脂製針の弾性率が20×10
    4Kg/cm2以上であることを特徴とする請求項1記載
    の合成樹脂製針。
  18. 【請求項18】 該繊維が不均一に分散されていること
    を特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
  19. 【請求項19】 該繊維が針の外周近傍に偏在している
    ことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
  20. 【請求項20】 該繊維が針の円周方向に対し不均一に
    偏在され、外部より中空部を観察可能となっていること
    を特徴とする請求項1記載の合成樹脂製針。
JP05786295A 1994-03-17 1995-03-17 合成樹脂製針 Expired - Fee Related JP3560675B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05786295A JP3560675B2 (ja) 1994-03-17 1995-03-17 合成樹脂製針

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-47448 1994-03-17
JP4744894 1994-03-17
JP05786295A JP3560675B2 (ja) 1994-03-17 1995-03-17 合成樹脂製針

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07303700A true JPH07303700A (ja) 1995-11-21
JP3560675B2 JP3560675B2 (ja) 2004-09-02

Family

ID=26387613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05786295A Expired - Fee Related JP3560675B2 (ja) 1994-03-17 1995-03-17 合成樹脂製針

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3560675B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005334369A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Terumo Corp 穿刺針および穿刺具
WO2007037164A1 (ja) 2005-09-28 2007-04-05 Terumo Kabushiki Kaisha 合成樹脂製針および針用の合成樹脂組成物
JP2007534341A (ja) * 2003-09-11 2007-11-29 セフト ホールディング エスエー プラスチック針および同針を含む装置
EP2357014A1 (en) 2010-03-17 2011-08-17 Solvay Advanced Polymers, L.L.C. Improved needles made of a particular plastic material
WO2011113865A1 (en) 2010-03-17 2011-09-22 Solvay Advanced Polymers, L.L.C. Improved needles made of a particular plastic material
JP2014039720A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Keisei Ika Kogyo Kk 縫合針及びその製造方法
US8742064B2 (en) 2007-10-23 2014-06-03 Solvay Advanced Polymers, L.L.C. Medical tubings made of a polymer material
JP2015009104A (ja) * 2013-07-02 2015-01-19 旭化成メディカル株式会社

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534341A (ja) * 2003-09-11 2007-11-29 セフト ホールディング エスエー プラスチック針および同針を含む装置
JP2005334369A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Terumo Corp 穿刺針および穿刺具
WO2007037164A1 (ja) 2005-09-28 2007-04-05 Terumo Kabushiki Kaisha 合成樹脂製針および針用の合成樹脂組成物
US8038658B2 (en) 2005-09-28 2011-10-18 Terumo Kabushiki Kaisha Synthetic resin needles and synthetic resin composition for needles
JP5094403B2 (ja) * 2005-09-28 2012-12-12 テルモ株式会社 合成樹脂製針および針用の合成樹脂組成物
US8742064B2 (en) 2007-10-23 2014-06-03 Solvay Advanced Polymers, L.L.C. Medical tubings made of a polymer material
EP2357014A1 (en) 2010-03-17 2011-08-17 Solvay Advanced Polymers, L.L.C. Improved needles made of a particular plastic material
WO2011113865A1 (en) 2010-03-17 2011-09-22 Solvay Advanced Polymers, L.L.C. Improved needles made of a particular plastic material
US10532152B2 (en) 2010-03-17 2020-01-14 Solvay Specialty Polymers Usa, L.L.C. Needles made of a particular plastic material
JP2014039720A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Keisei Ika Kogyo Kk 縫合針及びその製造方法
JP2015009104A (ja) * 2013-07-02 2015-01-19 旭化成メディカル株式会社

Also Published As

Publication number Publication date
JP3560675B2 (ja) 2004-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5637399A (en) Synthetic resin needle
JP5094403B2 (ja) 合成樹脂製針および針用の合成樹脂組成物
JP4698838B2 (ja) 引込み針注射器
JPH07303700A (ja) 合成樹脂製針
US3186408A (en) Hypodermic needle mounting
EP2393536B1 (en) Pen needle assembly having biodegradable components
CN1655840A (zh) 导管及其制造方法
KR101856813B1 (ko) 낚싯대
US8608719B2 (en) Disposable partially flexible surgical fluid container
JPH06327772A (ja) プラスチックカヌラおよびその製造方法
US20150105189A1 (en) Ball bats with reinforcing inserts
JP6139388B2 (ja) 釣竿
JP6372049B2 (ja) 人工血管および人工血管の成形方法
JP5995345B2 (ja) 繊維強化材及び繊維強化成形品並びに繊維強化材の製造方法
CN102716531A (zh) 一种一次性医用注射针
JP2016059427A (ja) 中空針、針付器具及び医療器具
JP2002165881A (ja) 合成樹脂製針
JP6030048B2 (ja) 釣竿
US20210321921A1 (en) Furan syringes and blood collection items
JP6030049B2 (ja) 釣竿
JP6212022B2 (ja) 釣竿
JPH0240343B2 (ja)
JPH03295566A (ja) 穿刺針
JPH10118189A (ja) 留置針および留置針組立体
KR920008895Y1 (ko) 주사기 조립체

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040420

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees