JP2002165881A - 合成樹脂製針 - Google Patents

合成樹脂製針

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JP2002165881A
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cannula
needle
tip
resin needle
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Satoshi Kamimura
聡 上村
Kazuhiko Masuda
和彦 増田
Masaru Suzuki
賢 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体成形により鋭利な刃先を有する合成樹脂
製針を提供する。 【解決手段】 中空の管体であって、先端の軸方向垂直
断面の外縁が角部分を有する形状であるカヌラ2と、該
カヌラ2の最先端に配置される刃面4とが、一体成形さ
れてなることを特徴とする合成樹脂製針1である。ま
た、前記カヌラ2と、前記刃面4と、該カヌラ2の基端
に配置されるハブ5とが一体成形されてなる合成樹脂製
針1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製針に関
し、より詳細には、薬液をシリンジに吸入したり、また
はシリンジ内の薬液を他の容器や人体に導入したり、あ
るいは人体から血液を採取すること等を用途として、容
器の栓や人体の皮膚等に穿刺するために用いられる、刺
通抵抗の低減された合成樹脂製針に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、刺通時に患者の痛みが少なく、か
つ血管の損傷が少ない、刺通抵抗が低減された金属製針
が開発されている。例えば、図6に示すように、先端を
複数回研削して、複数の斜角面(ベベル)からなる刃面
を形成することにより、鋭利な刃先を有する金属製針が
公知である(特開平9−276403号公報、特開平1
0−57490号公報など)。通常、該金属製針の刃先
を形成するためには、まず一定の外径を有する金属製の
筒状体を所定の長さに切断した後、先端を所定角度に研
削してメインベベルを形成する。次いで研削角度を変更
し、かつ筒状体を円周方向に所定角度回転させて、一方
のサイドベベルを研削形成し、再び筒状体を円周方向に
上記角度の2倍量反転させて、他方のサイドベベルを研
削形成することにより、刃先を形成する。また、さらに
研削角度を変更して、4つ目および5つ目のサイドベベ
ルを研削形成して、より刺通抵抗が低減された刃先を形
成することもできる。しかし、前記金属針は、鋭利な先
端を得るためには研削工程が多くなり、かつそれぞれの
工程が複雑である。また、先端を複数回研削することな
く、鋭利な刃先が得られる金属製針も公知である(特開
平8−252312号公報、特開平11−28247号
公報)。該金属針は、一定の外径を有する金属製の筒状
体の先端を、軸方向に対して垂直に力を加えることによ
り、該筒状体の先端を潰して該針の断面の先端の巾を小
さくし、一回の研削で鋭利な刃先を形成することができ
るというものである。しかし、前記金属針は、いったん
形成した筒状体を潰す必要があるため、上記した先端を
複数回研削する金属針に比べて製作過程が多くなるう
え、刺通抵抗も大きくなる。また、針の肉厚が不均一に
なり、肉厚の薄い部分は破損しやすくなる。また、これ
らの金属製針は、一回以上の研削工程を有するため、研
削くずが針に付着し、さらに洗浄工程を必要とする。
【0003】一方、安価でより成形が容易な針として、
射出成形等による成形が可能で、研削工程を経ずに形成
できる合成樹脂製針が提案されている(特開昭48−6
3590号公報、実公平3−42930号公報など)。
該合成樹脂製針は、予め円柱状のカヌラと、一つの斜角
面からなる刃面とを一体成形できるような金型を用いる
ことにより、研削工程を用いることなく作製することが
できる。しかし、前記一体成形は金型の構造に限度があ
るため、複雑な形状の針、例えば図6に示す金属製針の
ように、円周方向に回転させて形成された複数の斜角面
からなる刃面を有する針を形成することは困難である。
つまり、例えば図7に示すように、従来の合成樹脂製針
の刃面は一つの斜角面からなり、その刃先は円弧状であ
って、刺通抵抗が高くなり、使用時には大きな力を要す
る。また、このような針は、人体に使用することはでき
ない。したがって、前記合成樹脂製針は、一体成形によ
り得ることができるにもかかわらず、使用に際しては、
刺通抵抗を下げるために上記した金属針のように先端の
研削を必要とするため、金属製針に比べて成形はより一
層複雑になる。また、前記合成樹脂製針は、上記した金
属製針のように、軟化させて断面を潰して刃先を形成す
ることは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明は一体成形により鋭利な刃先を有する合成樹脂製針を
提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々鋭意検討した結果、先端の軸方向
垂直断面の外縁が角部分を有する形状のカヌラと、該カ
ヌラの最先端に配置される刃面とを形成し得る金型を用
いて一体成形することにより、従来の金属製針よりも容
易にカヌラ最先端の鋭利な刃先を形成することができ、
さらに刺通抵抗も低減された合成樹脂製針を得られるこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は中空の管体であって、
先端の軸方向垂直断面の外縁が角部分を有する形状であ
るカヌラと、該カヌラの最先端に配置される刃面とが、
一体成形されてなることを特徴とする合成樹脂製針であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の合成樹脂製針の
好ましい実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本
発明の合成樹脂製針の一実施例を示す斜視図であり、図
2は図1に示す合成樹脂製針のカヌラ先端の横断面図で
ある。図3は本発明の合成樹脂製針の他の実施例を示す
斜視図であり、図4は図3に示す合成樹脂製針のカヌラ
先端の横断面図である。また、図5は本発明の合成樹脂
製針のカヌラ先端の側面図である。
【0008】本発明の合成樹脂製針1は、カヌラ2と、
該カヌラ2の最先端に配置される刃面4とを有してい
る。ここで、先端とは容器の栓や患者に穿刺する側を指
し、該先端の反対側を基端と呼ぶ。また、最先端とは、
カヌラ先端の最も端の部分で、前記先端よりも狭い範囲
を指す。前記カヌラ2は合成樹脂製の中空の管体であ
る。該中空の管体は、外径1.0〜3.0mm、内径0.8〜2.0m
m、肉厚0.1〜1.1mmを有する。また、該管体の長さはそ
の用途により決定されるが、一般に10〜60mmである。該
カヌラ2を形成する合成樹脂としては、ABS樹脂、環
状オレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、
ポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フ
ッ素系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリ
エーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテル
ラクトン、ポリエーテルテレフタレート、液晶ポリエス
テル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルニ
トリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹
脂が好ましく用いられ、さらに繊維状の充填剤を含むも
のがより好ましく用いられる。該充填剤としては、ガラ
ス繊維や炭素繊維などがあげられる。
【0009】前記カヌラ2の最先端には、刃面4が形成
される。前記刃面4は、カヌラ2の中心軸線と下記の角
度で交わる面で該カヌラ2を切断したときの、該カヌラ
2に形成される切り口(以下、斜角面と呼ぶ)からな
る。該斜角面は、合成樹脂製針1を形成する際にカヌラ
2と一体成形される。前記刃面4は、該斜角面のカヌラ
2の外周方向の回転角度が相違しない限り、図5(a)
に示すように平面である一つの斜角面からなるものや、
図5(b)に示すように曲面である一つの斜角面からな
るものであってもよいし、図5(c)に示すように平面
である二つの斜角面からなるものの他、曲面または平面
を二つ以上組み合わせた斜角面からなるものであっても
よいが、一つの斜角面からなるものが成形が容易で好ま
しい。前記斜角面がカヌラ2の中心軸線となす角度は、
10〜40度が刺通抵抗を低減させるのために好ましく、15
〜25度がより好ましい。前記角度が40度よりも大きいと
刺通抵抗が大きくなり、また10度よりも小さいと最先端
が脆くなるため、好ましくない。
【0010】前記カヌラ2先端の軸方向垂直断面の外縁
は、少なくとも一つの角(かど)部分を有する形状であ
る。前記カヌラ2の先端とは、該カヌラ2の最先端か
ら、少なくともカヌラ2の最先端に配置される刃面4を
包含する部分を指す。また、前記角部分とは、前記カヌ
ラ2先端の軸方向垂直断面の外縁を形成する二線が一点
で出会って、60〜130゜の角度(図2中にRで示す)を
有する先端部分となったもののことを指す。該断面の外
縁の形状としては、この角部分を少なくとも一つ有する
ものであれば、いかなる形状でもよいが、好ましくは、
図2に示すような円と多角形の組み合わせからなり、角
部分を一つ有する涙滴形や、図4(a)に示すような円
と多角形の組み合わせからなり、鈍角である角部分を三
つ有する形状、または図4(b)に示すような三角形な
どの多角形である。一方、カヌラ2先端の軸方向垂直断
面の内縁の形状は、特に限定されないが好ましくは円形
である。また、前記した断面形状は、少なくとも前記カ
ヌラ2の先端に設けられていればよいが、カヌラ2全体
が前記断面形状を有していてもよい。
【0011】本発明の合成樹脂製針1は、射出成形によ
り、カヌラ2と、該カヌラ2の最先端に配置される刃面
4とを一体成形して製造される。前記刃面4は、図1ま
たは図3(a)、図3(b)に示すように、カヌラ2先
端の軸方向垂直断面の外縁の角部分の一つが、刃面4の
最先端に位置するように配置される。これにより、該カ
ヌラ2の最先端には鋭利な刃先3が形成される。このよ
うなカヌラ2および刃面4を形成する金型は簡単な形状
であるため、上記した成形法によりカヌラ2と刃面4と
を一体成形することが可能である。また、本発明の合成
樹脂製針1は、前記カヌラ2と刃面4とを一体成形して
製造されるため、従来の先端を潰して針の断面の先端の
巾を小さくして成形された金属製針のように、針の肉厚
が不均一になって、肉厚の薄い部分が破損するおそれも
ない。
【0012】本発明の合成樹脂製針1は、注射針、瓶針
や薬液混合用針などとして使用することができる。これ
らの用途に使用されるにあたり、本発明の合成樹脂製針
1はシリンジや輸液セットのチューブ等と接続したり、
あるいはフィルターを配置するなどの目的のために、図
1に示すように、カヌラ2基端にハブ5が配置される。
前記ハブ5は中空の管体であり、通常は接着剤による接
着や、熱による融着などにより、カヌラ2に固着され
る。本発明において、ハブ5は、カヌラ2とは別に成形
された後、該カヌラ2に固着されてもよいし、カヌラ2
と該カヌラ2の最先端に配置される刃面4とともに一体
成形されたものであってもよい。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、先端の軸方向垂直断面
の外縁が角部分を有する形状のカヌラと、該カヌラの最
先端に配置される刃面とを形成し得る金型を用いて一体
成形を行うことにより、従来の金属製針に比べて容易に
成形が可能で、かつ、従来の合成樹脂製針に比べて刃先
が鋭利で、刺通抵抗が低減された合成樹脂製針を得るこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の合成樹脂製針の一実施例を示す斜視
図である。
【図2】 図1に示す合成樹脂製針のカヌラ先端の横断
面図である。
【図3】 本発明の合成樹脂製針の他の実施例を示す斜
視図である。
【図4】 図3に示す合成樹脂製針のカヌラ先端の横断
面図である。
【図5】 本発明の合成樹脂製針のカヌラ先端の側面図
である。
【図6】 従来の金属針のカヌラ先端を示す斜視図であ
る。
【図7】 従来の合成樹脂製針のカヌラ先端を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂製針 2 カヌラ 3 刃先 4 刃面 5 ハブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の管体であって、先端の軸方向垂直
    断面の外縁が角部分を有する形状であるカヌラと、該カ
    ヌラの最先端に配置される刃面とが、一体成形されてな
    ることを特徴とする合成樹脂製針。
  2. 【請求項2】 前記カヌラ先端の軸方向垂直断面は、外
    縁が円と多角形の組み合わせからなる形状である、請求
    項1記載の合成樹脂製採血針。
  3. 【請求項3】 前記カヌラ先端の軸方向垂直断面は、外
    縁が涙滴形である、請求項1または2記載の合成樹脂製
    針。
  4. 【請求項4】 前記カヌラ先端の軸方向垂直断面は、外
    縁が多角形である、請求項1記載の合成樹脂製針。
  5. 【請求項5】 前記カヌラ先端の軸方向垂直断面は、内
    縁が円形である、請求項1〜4のいずれかに記載の合成
    樹脂製針。
  6. 【請求項6】 前記刃面は、一つの斜角面からなること
    を特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹
    脂製針。
  7. 【請求項7】 前記合成樹脂製針は、前記カヌラと、前
    記刃面と、該カヌラの基端に配置されるハブとが一体成
    形されてなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれ
    かに記載の合成樹脂製針。
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