JP2005021291A - 穿刺具 - Google Patents

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Tatsuichi Haneda
辰一 羽太
Masashi Takemoto
昌史 竹本
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Abstract

【課題】簡単な操作で安全かつ確実に穿刺を行うことができるとともに、微量、低痛の検体採取を再現性良く行うことができる穿刺具を提供する。
【解決手段】穿刺具1は、穿刺針カートリッジ2と、先端部に穿刺針カートリッジ2が着脱自在に装着される穿刺具本体10とで構成されている。穿刺具本体10は、長尺状のハウジング3と、プランジャ5と、生体表面への穿刺深さを調節する調節部6と、穿刺操作部7と、セット操作部8と、プランジャ5を先端方向へ付勢するコイルバネ91と、プランジャ5を基端方向へ付勢するコイルバネ92とを有している。ハウジング3は、ハウジング本体30と、キャップ状部材4とで構成されている。調節部6により、穿刺針23の針先が開口211から突出する突出長さ(=穿刺深さ)を0.2〜0.35mmの範囲に調節、設定することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば血液や組織間液のような体液の検査に際し、例えば指先、掌、腹部のような生体表面に穿刺針を穿刺し、必要量の体液(血液)を採取するための穿刺具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が推奨されてきている。
【0003】
この血糖測定に先立ち、患者が自分の血液を採取する方法としては、穿刺針や小刀を備えた穿刺具を用いて生体表面を穿刺した後、その穿刺部周辺を指等で圧迫して血液を絞り出すことが行われる。
【0004】
主な穿刺部位である指先は毛細血管が集中しており血液の採取に適している反面、神経も集中しており痛みが伴うことから、患者へ与える苦痛、負担が大きく、また、穿刺することによる恐怖感を伴うことから、自己血糖測定が続けられなくなる患者も多い。
【0005】
そこで、このような課題を解決するための採血用穿刺器具が開発されている(例えば、特許文献1参照)。この穿刺器具は、穿刺針と穿刺針を保持する穿刺針ハブとを有する穿刺針組立体と、該穿刺針組立体を摺動可能に収納する穿刺針ハウジングとからなり、基端側に設けられた押圧部を押圧操作すると、内臓された弾性部の弾性力により穿刺針組立体が先端方向に移動し、穿刺針の針先が穿刺針ハウジングの先端開口から所定長さ突出して皮膚を穿刺するよう構成されたものである。
【0006】
ところで、近年、試験紙や測定器具の精度の向上から、検査に必要な血液(検体)の量の微量化が進んでおり、これに対応すべく、微量、低痛の採血法の開発が望まれている。
【0007】
この場合、前記特許文献1に記載の穿刺器具では、穿刺針による皮膚の穿刺深さ、すなわち、穿刺針の針先が穿刺針ハウジングの先端開口から突出する突出長さは、0.5〜2.2mmとされており、当該突出長さを0.5mm未満に設定することができない(特許文献1の第4頁右下欄第16行〜18行)。そのため、微量、低痛の採血を行うことができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な操作で、安全に穿刺を行うことができるとともに、微量、低痛の検体採取を行うことができる穿刺具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 先端に開口を有するケーシングと、該ケーシング内に移動可能に収納された穿刺針とを備えた穿刺針カートリッジと、
先端部に前記穿刺針カートリッジが着脱自在に装着される長尺状のハウジングと、
前記穿刺針カートリッジの前記穿刺針が着脱自在であり、前記ハウジング内を長手方向に移動し得るプランジャと、
前記プランジャを前記ハウジングの少なくとも先端方向へ付勢する第1付勢手段と、
前記穿刺針による穿刺を行わせる操作手段とを有し、
前記操作手段の操作により、前記プランジャが前記第1付勢手段により付勢されて先端方向へ移動し、これに伴い前記穿刺針が同方向に移動して、前記穿刺針の針先が前記開口から突出するよう構成された穿刺具であって、
前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さを0.2〜0.35mmの範囲に設定可能であることを特徴とする穿刺具。
【0011】
(2) 先端に開口を有するケーシングと、該ケーシング内に移動可能に収納された穿刺針とを備えた穿刺針カートリッジと、
先端部に前記穿刺針カートリッジが着脱自在に装着される長尺状のハウジングと、
前記穿刺針カートリッジの前記穿刺針が着脱自在であり、前記ハウジング内を長手方向に移動し得るプランジャと、
前記プランジャを前記ハウジングの少なくとも先端方向へ付勢する第1付勢手段と、
前記プランジャを前記ハウジングの少なくとも基端方向へ付勢する第2付勢手段と、
前記穿刺針による穿刺を行わせる操作手段とを有し、
前記操作手段の操作により、前記プランジャが前記第1付勢手段により付勢されて先端方向へ移動し、これに伴い前記穿刺針が同方向に移動して、前記穿刺針の針先が前記開口から突出し、その後前記プランジャは、前記第2付勢手段により基端方向へ付勢されて基端方向へ移動するよう構成された穿刺具であって、
前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さを0.2〜0.35mmの範囲に設定可能であることを特徴とする穿刺具。
【0012】
(3) 前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さの設定値をSmm(ただし、Sは0.2〜0.35mmの範囲内)としたとき、当該Sに対する実際の突出長さの誤差が±0.17mm以内である上記(1)または(2)に記載の穿刺具。
【0013】
(4) 前記穿刺針は、その基端部に樹脂製の穿刺針ハブが固着されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の穿刺針。
【0014】
(5) 前記穿刺針ハブは、その基端側に前記プランジャに装着されるプランジャ装着部を有する上記(4)に記載の穿刺針。
【0015】
(6) 前記プランジャ装着部の先端から前記穿刺針の針先の先端までの長さをTとしたとき、その寸法誤差が±0.08mm以内である上記(5)に記載の穿刺針。
【0016】
(7) 前記長さTは、20〜26mmである上記(6)に記載の穿刺針。
【0017】
(8) 前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さを多段階または無段階に調節し得る調節機構を有し、該調節機構により前記突出長さを0.2〜0.35mmの範囲内に設定することができる上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の穿刺具。
【0018】
(9) 前記調節機構は、前記プランジャに設けられた第1の突部と、
前記ハウジングに対し、その周方向に回動可能に設けられた調節部であって、前記周方向に沿って設けられ、穿刺の際に前記第1の突部に当接する第2の突部を有する調節部とを備え、
前記第2の突部は、前記第1の突部に当接する当接面の前記ハウジングの長手方向の位置が異なる複数の部分を有する上記(8)に記載の穿刺具。
【0019】
(10) 前記第1の突部の前記当接面に当接する部位から前記プランジャの先端までの長さが50〜90mmである上記(9)に記載の穿刺具。
【0020】
(11) 前記プランジャは、前記第1付勢手段により先端方向へ付勢された状態で前記ハウジングに対し係止する係止部を有し、前記操作手段の操作により前記係止部の係止を解除することにより前記プランジャが先端方向へ移動するよう構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の穿刺具。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の穿刺具を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の穿刺具の実施例を示す断面図、図2、図3および図4は、それぞれ図1に示す穿刺具の穿刺針カートリッジを示す断面図、図5は、図1に示す穿刺具のプランジャを示す断面図、図6は、図1に示す穿刺具の調節部の構成(側面および両端面)を示す図、図7は、図6中のE−E線での断面図、図8は、図6中のA−A線での断面図、図9は、図6中のB−B線での断面図、図10は、図6中のC−C線での断面図、図11は、図6中のD−D線での断面図、図12、図13、図14、図15、図16および図17は、それぞれ図1に示す穿刺具の使用状態を示す断面図である。
【0023】
なお、本明細書では、図1〜図5、図6の側面図、図7〜図17の左右方向(ハウジング3の長手方向)を「軸方向」、右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
【0024】
これらの図に示すように、穿刺具1は、穿刺針カートリッジ2と、先端部に穿刺針カートリッジ2が着脱自在に装着される穿刺具本体10とで構成されている。穿刺具本体10は、長尺状のハウジング3と、プランジャ5と、調節部6と、穿刺操作部(操作手段)7と、セット操作部(操作部)8と、プランジャ5を先端方向へ付勢するコイルバネ(第1付勢手段)91と、プランジャ5を基端方向へ付勢するコイルバネ(第2付勢手段)92とを有している。以下、これらの各構成について説明する。
【0025】
図2に示すように、穿刺針カートリッジ2は、管状のケーシング(穿刺針ホルダー)21と、このケーシング21内に軸方向に移動可能に収納され、穿刺針23を備えたランセット(穿刺針ハブ)22と、前記ケーシング21の先端部に着脱自在に装着されるキャップ24とで構成されている。
【0026】
ケーシング21の先端は、例えば指先、掌、上腕、腹部、大腿部、耳たぶのような生体表面(皮膚、粘膜等)に当接する部位であり、ほぼ円形の開口211が形成されている。また、ケーシング21の基端には、開口214が形成されている。
【0027】
ケーシング21の内径は、区間aでは、一定であるが、区間bでは、先端に向かってわずかに漸減している。
【0028】
また、ケーシング21の内径は、区間aでは、ランセット22の最大外径(大径部224の外径)より若干大きく、区間aと区間bの境界よりわずかに先端側の位置cでは、ランセット22の最大外径と同一である。
【0029】
従って、ランセット22の大径部224の角部225が位置cに位置すると、ランセット22は、それより先端へは所定値以上の力を加えないと移動しない。
【0030】
また、ケーシング21の外周面には、穿刺針カートリッジ2を穿刺具本体10に装着したとき、ハウジング3(ハウジング本体30)の先端35に当接するリング状のリブ215が形成されている。
【0031】
また、ケーシング21の内周面には、ランセット22の大径部224を係止し得る一対の突起213、213が形成されている(図2中には、一方の突起213のみが記載されている)。図4に示すように、この突起213にランセット22の大径部224が係止されることにより、ケーシング21の基端側からのランセット22の離脱を阻止することができる。
【0032】
また、図3に示すように、ランセット22の大径部224の先端面222がケーシング21の面212に当接することにより、ケーシング21の開口211からの穿刺針23の針先231の最大突出長さ(最大突出量)が規制される。
【0033】
ランセット22は、このケーシング21内を、大径部224の先端面222が面212に当接した図3に示す位置と、大径部224の基端面223が突起213に当接した図4に示す位置との間を軸方向に移動することができる。
【0034】
ケーシング21に対するランセット22の最大移動距離L1は、5mm以下が好ましく、2.5〜4.5mmがより好ましい。
【0035】
前記最大移動距離L1が5mmを超えると、ランセット22の移動ストロークが大きすぎ、穿刺針カートリッジ2が無用に長くなる(大型化する)。
【0036】
ランセット22の大径部224より基端側には、プランジャ5の装着部51に嵌入して装着される円柱状(または円筒状)のプランジャ装着部226が設けられている。プランジャ装着部226の先端は、大径部224の基端面223に一致している。
【0037】
キャップ24の内側には、円筒状の押え部材241が形成されている。
押え部材241の軸方向の長さは、キャップ24がケーシング21に装着され、かつランセット22の大径部224の角部225が位置cに位置しているときに、押え部材241がランセット22の先端面221に当接する程度に設定される。
【0038】
図1に示すように、ハウジング3は、ハウジング本体30と、このハウジング本体30の基端部に設けられたキャップ状部材4とで構成されている。このハウジング3は、穿刺具1を使用する際の把持部としての機能も有している。
【0039】
ハウジング3は、先端に開放した中空部31を有しており、この中空部31には、プランジャ5と、プランジャ5を先端方向へ付勢するコイルバネ91と、プランジャ5を基端方向へ付勢するコイルバネ92とを有する穿刺機構が設置されている。
【0040】
このハウジング3の先端部には、穿刺針カートリッジ2のケーシング21が着脱自在に装着される。すなわち、穿刺針カートリッジ2を穿刺具本体10に装着する際は、ハウジング本体30の先端部に、ケーシング21の基端部が嵌入される。
【0041】
また、ハウジング本体30の図1中上側には、弾性変形可能な板状の穿刺操作部7と、指標33とが、それぞれ設けられている。なお、指標33は、穿刺操作部7の基端側に配置されている。
【0042】
前記穿刺操作部7の先端部には、図1中下側に突出した突起711を有する操作ボタン71が形成されている。そして、ハウジング本体30の前記突起711に対応する位置には、その突起711より大きく、かつ操作ボタン71より小さい開口32が形成されている。
【0043】
また、ハウジング本体30の指標33の基端側には、その周方向に沿って一対の長孔34、34が形成されている。一方の長孔34は、図1中上側に配置され、他方の長孔34は、図1中下側に配置されている。
【0044】
前記プランジャ5は、ハウジング3内に、軸方向に移動し得るように設置されている。
【0045】
このプランジャ5は、先端部に、穿刺針カートリッジ2のランセット22が着脱自在に装着(連結)されるほぼ円筒状の装着部51を有している。すなわち、穿刺針カートリッジ2を穿刺具本体10に装着する際は、装着部51の先端部に、ランセット22のプランジャ装着部226が嵌入される。このランセット22のプランジャ装着部226は、プランジャ5の装着部51に対し、着脱自在に嵌入される。
【0046】
図5に示すように、装着部51の先端部には、先端513および側面に開放した一対の切欠き511、511が形成されている(図5中には、一方の切欠き511のみが記載されている)。
【0047】
また、装着部51の先端部の内周面には、図5に示すテーパ面512が形成されている。すなわち、装着部51の先端部の内径は、先端513に向かって漸増している。これにより、穿刺針カートリッジ2を穿刺具本体10に装着する際、円滑かつ確実に、ランセット22のプランジャ装着部226をプランジャ5の装着部51に嵌入(装着)することができる。
【0048】
また、プランジャ5は、その基端部に、図5中下側に向けて立設された第1の突部56を有している。
【0049】
また、プランジャ5は、その基端部に、基端側に向けて立設された一対の棒状の突出部52、52を有しており、各突出部52の基端部には、それぞれ、突起521が形成されている。一方の突出部52は、図5中上側に配置され、他方の突出部52は、図5中下側に配置されている。
【0050】
また、プランジャ5の図5中上側には、弾性変形可能な棒状のロック部材53が設けられている。なお、ロック部材53は、装着部51の基端側に配置されている。
【0051】
前記ロック部材53の先端部には、図5中上側に突出した突起532を有する係止部531が形成されている。
【0052】
後述する穿刺の準備(セット)が完了した状態では、前記コイルバネ91によりプランジャ5がハウジング3に対し先端方向へ付勢された状態で、この係止部531の突起532がハウジング本体30の開口32に挿入され、これにより係止部531はハウジング3に対し係止される(図14参照)。
【0053】
また、プランジャ5の外周面には、リング状のフランジ54および55が形成されている。フランジ55は、フランジ54より基端側に配置されている。
【0054】
プランジャ5が移動する際は、各フランジ54および55は、それぞれ、ハウジング本体30の内周面を摺動し、これによりフランジ55の姿勢が保持される。
【0055】
また、フランジ55の基端側の部分は、コイルバネ91の先端側が当接するバネ座(第1付勢手段当接部)として機能する。
【0056】
ハウジング本体30の基端部であって、前記キャップ状部材4の先端側には、管状の調節部(調節ダイヤル)6が、ハウジング本体30の周方向に回動自在に設置されている。
【0057】
図6〜図11に示すように、調節部6の内周面には、一対の支持部610、610が形成されている。そして、これらの支持部610には、穿刺の際に前記プランジャ5の第1の突部56に当接するリング状の穿刺深さ制御板(第2の突部)61が形成されている。一対の支持部610、610は、それぞれ、前述したハウジング本体30の一対の長孔34、34に挿入され、穿刺深さ制御板61は、ハウジング本体30内に位置する。
【0058】
前記支持部610、610は、穿刺深さ制御板61の中心を介して対向するように配置されている。また、穿刺深さ制御板61は、調節部6の軸方向のほぼ中間に、ハウジング本体30と同心的に配置されている。
【0059】
この穿刺深さ制御板61は、前記プランジャ5の第1の突部56に当接する当接面の軸方向の位置が異なる4つの部分を有しており、これにより、穿刺針23による生体表面への穿刺深さ(=穿刺針23の針先231の開口211からの突出長さ)を4段階に調節することができる。
【0060】
すなわち、穿刺深さ制御板61の基端側の面には、高さ(軸方向の長さ)の異なる3つの凸部(スペーサー)611、612および613が、周方向に沿って形成されている。これらの凸部611、612および613は、30°間隔で、かつ、図6の右側の図中反時計回りの方向に、凸部611、612、613の順序で配置されている。
【0061】
凸部611〜613の高さは、凸部611が最も高く、凸部612が次に高く、凸部613が最も低い。すなわち、穿刺時に前記プランジャ5の第1の突部56に当接する穿刺深さ制御板61の当接面の軸方向の位置は、凸部611における当接面の位置が最も基端側、凸部613における当接面の位置が最も先端側、凸部612における当接面の位置が前記凸部611と凸部613との間である。
【0062】
従って、凸部611がプランジャ5の第1の突部56に対面しているとき、穿刺針23による生体表面への穿刺深さが最も浅くなり(最小となり)、以下、凸部612、凸部613、凸部の形成されていない部分(突部なしの部分)614の順で、穿刺針23による穿刺深さが深く(大きく)なる。
【0063】
前記調節部6とプランジャ5の第1の突部56とで調節機構が構成され、この調整機構により、採血者(被検査者)の個人差や穿刺部位に応じて、穿刺針23の針先231が開口211からの突出する長さ、すなわち生体表面への穿刺深さを調節(多段階に調整)することができる。なお、この調整の段階数は、図示のような4段階に限定されないことは、言うまでもない。
【0064】
前記穿刺深さ制御板61の先端側の部分は、コイルバネ91の基端側が当接するバネ座(第1付勢手段当接部)として機能する。
【0065】
すなわち、この穿刺深さ制御板61と前記フランジ55との間には、コイルバネ91が実質的に無負荷の状態(自然長)で挿入されている。
【0066】
この場合、コイルバネ91の先端と基端のうちの少なくとも一方が、フランジ55や穿刺深さ制御板61から離間し得るように構成されているのが好ましい。すなわち、下記1A〜3Aのうちのいずれかとされるのが好ましい。
【0067】
1A. コイルバネ91の先端がフランジ55から離間可能であり、基端が穿刺深さ制御板61に固定されている。
【0068】
2A. コイルバネ91の先端がフランジ55に固定されており、基端が穿刺深さ制御板61から離間可能である。
【0069】
3A. コイルバネ91の先端および基端が、それぞれ、フランジ55および穿刺深さ制御板61から離間可能である。
【0070】
上記1A〜3Aの場合には、穿刺の際、コイルバネ91は、プランジャ5を実質的に先端方向のみに付勢するので、穿刺(穿刺針23のケーシング21からの突出および収納)をより確実に行うことができる。
【0071】
また、調節部6の外周面には、長さの異なる4つのリブ621、622、623および624が、それぞれ形成されている。
【0072】
これらのリブ621、622、623および624は、30°間隔(凸部611、612、613と同一の角度間隔)で、かつ、図6の右側の図中反時計回りの方向に、リブ621、622、623、624の順序で配置されている。
【0073】
具体的には、リブ621は、凸部611から周方向に180°ずれた位置に配置されている。すなわち、リブ621は、凸部611がプランジャ5の第1の突部56に対面しているときに、指標33の位置に位置するように配置されている。
【0074】
同様に、リブ622、623および624は、それぞれ、凸部612、613および凸部の形成されていない部分614から周方向に180°ずれた位置に配置されている。すなわち、リブ622、623および624は、それぞれ、凸部612、613および凸部の形成されていない部分614がプランジャ5の第1の突部56に対面しているときに、指標33の位置に位置するように配置されている。
【0075】
リブ621〜624の長さは、リブ624が最も長く、リブ623が2番目に長く、リブ622が3番目に長く、リブ621が最も短い。このリブの長さは、穿刺針23による穿刺深さのレベルを示す。すなわち、リブの長さが長いほど、穿刺針23による生体表面への穿刺深さが深い。
【0076】
また、調節部6の外周面のリブ621、622、623および624の先端側には、それぞれ、穿刺針23による生体表面への穿刺深さのレベルを示す数字「1」、「2」、「3」および「4」が付されている。なお、これらの数字に代えて、実際の穿刺深さ、例えば、「0.2mm(0.25mm)」、「0.3mm」、「0.4mm」「0.6mm」が付されていてもよい。
【0077】
また、調節部6の外周面には、複数の溝63が周方向に沿って並設されている。これらの溝63と、前記リブ621〜624は、それぞれ、調節部6を回転操作するときの滑り止めとして機能する。
【0078】
図1に示すように、キャップ状部材4内には、セット操作部8が軸方向に移動し得るように設置されている。
【0079】
キャップ状部材4の先端には、セット操作部8の先端が当接するリング状のリブ41が形成されている。
【0080】
また、キャップ状部材4の基端には、頭部(位置規制手段)42が形成されている。前記セット操作部8の操作の際は、そのセット操作部8の基端がこの頭部42に当接して、セット操作部8の基端方向への移動が阻止される。
【0081】
また、キャップ状部材4の図1中上側および下側には、それぞれ、長孔43が形成されている。
【0082】
前記セット操作部8は、コイルバネ92を収納する円筒状のセット操作部本体80を有している。
【0083】
セット操作部本体80の先端には、リング状のリブ81が形成されている。このリブ81の基端側の部分は、コイルバネ92の先端側が当接するバネ座(第2付勢手段当接部)として機能する。
【0084】
また、セット操作部本体80の基端部の図1中上側および下側には、それぞれ、前記キャップ状部材4の対応する長孔43に挿入された把手部82が形成されている。図1中上側の把手部82は、長孔43から図1中上側(外側)に突出し、図1中下側の把手部82は、長孔43から図1中下側(外側)に突出している。
【0085】
また、セット操作部8内には、先端側にバネ座(第2付勢手段当接部)を有するリング状のバネ受け部材93が軸方向に移動し得るように設置されている。
【0086】
このバネ受け部材93と前記リブ81との間には、コイルバネ92が実質的に無負荷の状態(自然長)で挿入されている。このコイルバネ92は、前記コイルバネ91より基端側に位置している。また、コイルバネ92のバネ定数は、前記コイルバネ91のバネ定数より小さい。
【0087】
このバネ受け部材93は、プランジャ5の一対の突出部52、52が挿入された状態で、一対の突起521、521により係止されている。
【0088】
この場合、コイルバネ92の先端と基端のうちの少なくとも一方が、リブ81やバネ受け部材93から離間し得るように構成されているのが好ましい。すなわち、下記1B〜3Bのうちのいずれかとされるのが好ましい。
【0089】
1B. コイルバネ92の先端がリブ81から離間可能であり、基端がバネ受け部材93に固定されている。
【0090】
2B. コイルバネ91の先端がリブ81に固定されており、基端がバネ受け部材93から離間可能である。
【0091】
3B. コイルバネ91の先端および基端が、それぞれ、リブ81およびバネ受け部材93から離間可能である。
【0092】
上記1B〜3Bの場合には、穿刺の際、コイルバネ92は、プランジャ5を実質的に基端方向のみに付勢するので、穿刺(穿刺針23のケーシング21からの突出および収納)をより確実に行うことができる。
【0093】
前記コイルバネ91および92のバネ定数や軸方向の長さ等の諸条件は、それぞれ、確実に穿刺を行うことができるように、すなわち、穿刺の際、穿刺針23が確実にケーシング21の開口211から所定量突出し、かつ、その後、穿刺針23が確実にケーシング21内に収納されるように設定される。
【0094】
ここで、コイルバネ91のバネ定数をk1、コイルバネ92のバネ定数をk2としたとき、これらの比、k1/k2は、1以上が好ましく、10〜20程度がより好ましい。
【0095】
k1/k2が前記上限より大きいと、穿刺後、穿刺針23がケーシング21内に収納されないことがある。
【0096】
逆に、k1/k2が前記下限より小さいと、穿刺の際、穿刺針23がケーシング21の開口211から突出せず、穿刺を行うことができないことがある。
【0097】
前述した穿刺針23、コイルバネ91および92を除く穿刺具1の各構成部品(構成部材)は、それぞれ、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、各種熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル−ブチル−スチレン共重合体(ABS樹脂)等の射出成形可能な樹脂で成形されている。
【0098】
さて、本発明の穿刺具1は、穿刺動作を行った際、穿刺針23の針先231が開口211から突出する突出長さ(=穿刺深さ)を0.2〜0.35mmの範囲に設定可能であることに特徴を有する。
【0099】
すなわち、本実施形態では、前記の調節機構により、穿刺針23の針先231が開口211から突出する突出長さ(以下単に「突出長さ」と言う)を0.2〜0.35mmの範囲内で、好ましくは0.25〜0.35mmの範囲内で1または2以上の値に設定することができる。例えば、突出長さ(穿刺深さ)を0.2mm(または0.25mm)、0.3mm、0.4mmおよび0.6mmの4段階に設定することができる。
【0100】
このような従来に比べて短い突出長さに設定できるようにしたことで、より微量(例えば0.2〜2μL程度)の出血量での採血が可能となり、また、穿刺に伴う痛みも極めて少ないという効果がある。
【0101】
なお、前記突出長さの範囲を0.2〜0.35mmとしたことの理由は、以下の通りである。突出長さが0.2mm未満であると、穿刺針23の針先231の生体表面に対する穿刺深さが浅すぎて、出血が起こらないかまたは出血量が十分に得られない場合が生じる。また、突出長さが0.35mmを超えると、穿刺の際の痛みを減少する効果が不十分となることがある。
【0102】
本発明では、突出長さをこのような短い長さに設定することができるが、それが故に、複数回穿刺を行う場合、実際の突出長さにバラツキがあると、微量、低痛の出血(検体採取)における再現性が悪くなり、短い突出長さに設定する意味がなくなってしまう。そこで、複数回穿刺を行う場合、それらの実際の突出長さのバラツキをできるだけ抑制する(ある程度の範囲内にする)ことが好ましい。
【0103】
すなわち、本発明では、突出長さの設定値をSmm(ただし、Sは0.2〜0.35mmの範囲内)としたとき(図15参照)、当該Sに対する実際の突出長さの誤差(100回穿刺を行った場合の誤差)が好ましくは±0.17mm以内、より好ましくは±0.13mm以内であるものとする。これにより、微量、低痛の出血(検体採取)を再現性良く行うことができ、前述した突出長さの範囲を0.2〜0.35mmとしたことの実効性が確保される。
【0104】
また、突出長さのバラツキを抑制し、微量、低痛の出血(検体採取)を再現性良く行うためには、穿刺具1の各部の寸法精度、特に穿刺針カートリッジ2の各部の寸法精度を向上することが好ましい。以下、これについて詳述する。
【0105】
本発明では、ランセット22のプランジャ装着部226の先端(=大径部224の基端面223)から穿刺針23の針先231の先端までの長さをTとしたとき(図3参照)、当該Tの寸法誤差(100個製造したときの各々の寸法誤差)が好ましくは±0.08mm以内、より好ましくは±0.06mm以内とされる。
【0106】
この場合、長さTは、特に限定されないが、好ましくは20〜26mm程度、より好ましくは20.5〜25.5mm程度とされる。このような範囲であれば、前記の寸法誤差を達成し易い。
【0107】
なお、ランセット22と穿刺針23との組み立ては、例えばランセット22の先端部中心に設けられた穿刺針嵌合孔に穿刺針23の基端部を嵌入し、それらの隙間に接着剤を注入して接着する方法が挙げられる。
【0108】
この場合、ランセット22および穿刺針23をそれぞれロボットのアームに設けられた把持部により把持し、CCDカメラで撮像し、その画像をモニターしながら、ロボットの自動制御により組み立て行うことができる。このような組立方法では、ロボットの駆動に関する精度やCCDカメラの画像精度を向上することにより、前述したTの寸法誤差等をより小さくし、各部の寸法精度を向上することができる。
【0109】
また、穿刺針23の太さ(外径)は、特に限定されないが、0.25〜0.8mm程度が好ましく、0.3〜0.7mm程度がより好ましい。
【0110】
また、穿刺針23の針先231の長さ(傾斜部の長さ)は、特に限定されないが、0.5〜3mm程度が好ましく、0.8〜2mm程度がより好ましい。
【0111】
また、針先231の先端から0.3mm基端側の位置における針先231の最大幅は、特に限定されないが、0.2〜0.7mm程度が好ましく、0.25〜0.6mm程度がより好ましい。
【0112】
また、開口211の直径は、穿刺針23の直径以上の値とされ、0.6〜3.5mm程度が好ましく、1〜2.5mm程度がより好ましい。開口211の直径が小さすぎると、ケーシング21の先端を生体表面に押し当てたときに、痛みを感じることがあり、また、開口211の直径が大きすぎると、ケーシング21の先端を生体表面に押し当て、開口211が生体表面で塞がれたとき、生体表面が開口211内に盛り上がる部分の高さが高くなり、突出長さの範囲を0.2〜0.35mmに設定した場合に、生体表面への実際の穿刺深さが設定値より深くなり、微量、低痛の出血に影響を及ぼすかまたはその再現性が低下するおそれがある。
【0113】
また、第1の突部56の第2の突部(凸部611〜613)に当接する部位からプランジャ5の先端(穿刺針カートリッジの装着時には、大径部224の基端面223)513までの長さをMとしたとき(図5参照)、当該Mは、50〜90mm程度であるのが好ましく、60〜80mm程度であるのがより好ましい。長さMが長過ぎると、プランジャ5の寸法精度が悪い場合、前記設定値Sに対する実際の突出長さの誤差を±0.17mm以内とすることができなくなるおそれがあり、また、長さMが短か過ぎると、ハウジング3が小さくなり過ぎ、使い勝手が悪くなるおそれがある。
【0114】
次に、穿刺具1の作用、すなわち、穿刺具1を用いて穿刺を行う場合の操作手順および各部の動作について説明する。
【0115】
[1] 図1に示すように、穿刺具本体3の先端部に穿刺針カートリッジ2を装着する。すなわち、ハウジング3の先端35にケーシング21のリブ215が当接するまで、そのハウジング3の先端部に、ケーシング21の基端部を嵌入するとともに、プランジャ5の装着部51の先端部に、ランセット22のプランジャ装着部226を嵌入する。
【0116】
この際、前述したように、ランセット22の大径部224の角部225が位置cに位置すると、ランセット22は、それより先端へは所定値以上の力を加えないと移動せず、また、プランジャ5のフランジ55は、コイルバネ91の先端に当接しているので、ランセット22のプランジャ装着部226をプランジャ5の装着部51に嵌入することができる。
【0117】
また、図1に示す状態では、プランジャ5のロック部材53は、その係止部531の突起532がハウジング3の内周面に当接することで、図1中下側に変位(弾性変形)している。すなわち、係止部531は、ロック部材53の弾性力により図1中上側に付勢されている。
【0118】
前記穿刺針カートリッジ2の装着は、穿刺針カートリッジ2からキャップ24を取り外してから行ってもよいが、キャップ24を装着した状態で行うのが好ましく、キャップ24を基端側に押圧しつつ行うのがより好ましい。
【0119】
穿刺針カートリッジ2の装着を、キャップ24を装着した状態で行うことにより、装着時の安全性が向上する。そして、キャップ24を基端側に押圧することにより、図2に示すように、押え部材241がランセット22の先端面221に当接した状態を確実に保持することができ、これにより、装着時にランセット22が先端方向へ移動してしまうのを確実に阻止することができる。
【0120】
なお、穿刺針カートリッジ2の装着を、キャップ24を装着した状態で行った場合には、穿刺針カートリッジ2の装着後、好ましくは穿刺の直前に、穿刺針カートリッジ2からキャップ24を取り外す。
【0121】
[2] 必要に応じて、穿刺針23による生体表面への穿刺深さ(突出長さ)を調節する。すなち、穿刺針23による生体表面への穿刺深さを採血者の個人差や穿刺部位に応じた穿刺深さに設定する。
【0122】
穿刺深さを設定するに際しての基準としては、例えば、血糖測定に必要な最低限の血液量が得られる穿刺深さとすることができる。これにより、穿刺に伴う痛みを必要最低限に抑えることができる。
【0123】
すなわち、前述したように、穿刺深さ(突出長さ)を0.2〜0.35mmの範囲に設定することができる。具体的には、穿刺深さ(突出長さ)を0.2mm(0.25mm)または0.3mmに設定することができる。
【0124】
穿刺深さを設定する場合には、調節部6を指で把持し、ハウジング3に対し、その調節部6を周方向に回転させて、リブ621〜624のうちの所定のリブを指標33の位置に合わせる。
【0125】
図1、図12〜図15に示すように、リブ621を指標33に合わせると、凸部611がプランジャ5の第1の突部56に対面(当接)するので、穿刺深さ(突出長さ)はS=0.2mm(0.25mm)に設定される。
【0126】
また、リブ622を指標33に合わせれば、凸部612がプランジャ5の第1の突部56に対面(当接)するので、穿刺深さ(突出長さ)はS=0.3mmに設定される。リブ623を指標33に合わせれば、凸部613がプランジャ5の第1の突部56に対面(当接)するので、穿刺深さ(突出長さ)は0.4mmに設定される。リブ624を指標33に合わせれば、凸部の形成されていない部分614がプランジャ5の第1の突部56に対面(当接)するので、穿刺深さ(突出長さ)は0.6mmに設定される。
【0127】
この穿刺深さの設定は、一度設定すれば、採血する度に毎回設定し直す必要がないため、操作に手間がかからない。
【0128】
なお、図1および図12〜図15には、穿刺針23による生体表面への穿刺深さを最も浅くした状態(突出長さ=0.2mm(または0.25mm))が示されている。
【0129】
[3] 図12および図13に示すように、セット操作部8の把手部82を指で把持し、ハウジング3に対し、そのセット操作部8をコイルバネ91および92の弾性力に抗して基端方向へ移動させる。そして、セット操作部8の基端がハウジング3の頭部42に当接したら、把持していた把手部82から指を離す。
【0130】
この場合、まず、図12に示すように、バネ定数の小さいコイルバネ92が圧縮されていき、次いで、図13に示すように、バネ定数の大きいコイルバネ91が圧縮されていき、このコイルバネ91が圧縮した分、プランジャ5が基端方向に移動する。
【0131】
図13に示すように、セット操作部8が、その基端がハウジング3の頭部42に当接するまで移動すると、プランジャ5のロック部材53における係止部531の突起532がハウジング3の開口32の位置に位置し、弾性変形していたロック部材53がその弾性力により元の形状に戻り、突起532がハウジング3の開口32に挿入され、その突起532が操作ボタン71の突起711に当接(または対面)する。
【0132】
そして、把持していた把手部82から指を離すと、図14に示すように、係止部531の突起532がハウジング3の開口32に臨む先端側の縁部に当接することにより、係止部531がハウジング3に対して係止(ロック)され、これにより、コイルバネ91の圧縮状態、すなわち、コイルバネ91によりプランジャ5がハウジング3に対し先端方向へ付勢された状態が保持される。
【0133】
一方、把持していた把手部82から指を離すと、図14に示すように、圧縮されていた(圧縮状態の)コイルバネ92がその弾性力により伸長し、セット操作部8は、そのリブ81がハウジング3のリブ41に当接するまで先端側に移動する。また、コイルバネ92は、自然長に戻り、プランジャ5を先端および基端のいずれの方向へも付勢しない。
【0134】
この状態で、生体表面への穿刺の準備(セット)が完了する。このように、穿刺具1では、生体表面への穿刺の準備を容易、迅速かつ確実に行うことができる。
【0135】
[4] 穿刺針カートリッジ2のケーシング21の先端を所定の部位、例えば指先のような生体表面に圧着し、開口211を生体表面で塞いだ状態とした後、穿刺操作部7の操作ボタン71を押す(図14中下側に押し込む)。
【0136】
操作ボタン71を押すと、図15に示すように、その突起711が係止部531の突起532を押圧し、これにより、ロック部材53が弾性変形して係止部531が図15中下側に変位し、係止部531の突起532の開口32に臨む縁部に対する係止が外れる(解除される)。
【0137】
一方、穿刺操作部7は、弾性変形し、操作ボタン71から指を離すと、弾性変形していた穿刺操作部7がその弾性力により元の形状に戻る。
【0138】
前記係止部531の係止が解除されると、図15に示すように、圧縮されていたコイルバネ91がその弾性力により伸長し、プランジャ5が先端方向へ移動し、穿刺針23がケーシング21の開口211より突出し、生体表面を穿刺する。
【0139】
リブ621が指標33に合わされ、穿刺深さ(突出長さ)が0.2mm(0.25mm)に設定されている場合、プランジャ5の第1の突部56は、穿刺深さ制御板61の凸部611に当接し、プランジャ5の先端方向への移動が規制される。これにより、穿刺針23による生体表面への穿刺深さ(突出長さ)は、最小値である0.2mm(0.25mm)とされる。複数回穿刺を行った場合でも、それぞれの実際の突出長さは、突出長さの設定値S=0.2mm(0.25mm)に極めて近い値、すなわち前述したような誤差範囲となる。
【0140】
また、プランジャ5が先端方向へ移動する際、その途中で、コイルバネ91とフランジ55とが離間するとともに、コイルバネ92が圧縮されていき、プランジャ5は、このコイルバネ92によりハウジング3に対し基端方向へ付勢される。
【0141】
この場合、前述したように、コイルバネ91のバネ定数k1は、コイルバネ92のバネ定数k2より大きいので、プランジャ5は、コイルバネ92の弾性力に抗して先端側に移動し、穿刺針23により生体表面を穿刺することができる。
【0142】
また、コイルバネ91は、フランジ55から離間した後、自然長に戻り、プランジャ5を先端および基端のいずれの方向へも付勢しない。
【0143】
穿刺針23が生体表面を穿刺した後は、図1に示すように、圧縮されていたコイルバネ92がその弾性力により伸長し、プランジャ5が基端方向へ移動し、生体表面から穿刺針23が抜け、その穿刺針23は、ケーシング21内に収納(格納)される。すなわち、図1に示す状態に戻る。
【0144】
このように、穿刺針23の針先231は、穿刺時以外はケーシング21の開口211から突出しないようになっており、誤って皮膚等を傷つけることが無く、また、感染も防止することができ、安全性が高い。
【0145】
また、前述したように、ランセット22は、最大で、大径部224の先端面222がケーシング21の面212に当接した図3に示す位置までしか先端方向に移動することができないので、穿刺の際の安全性が高い。例えば、穿刺の際、仮にランセット22のプランジャ装着部226がプランジャ5の装着部51から外れたとしても、ランセット22は、大径部224の先端面222がケーシング21の面212に当接することにより係止されるので、穿刺針23がケーシング21の開口211から所定量(例えば0.6mm)以上突出するのを防止することができる。
【0146】
[5] 穿刺の後、穿刺具1を生体表面から離し、穿刺部位上の出血を確認する。そして、出血した血液を所定の方法で採取する。前述したように、穿刺深さ(突出長さ)を0.2mm(0.25mm)または0.3mmに設定した場合には、微量、低痛での血液採取が可能となる。
【0147】
このようにして採取された血液は、例えば試験紙上に直接供給したり、細管を介して吸引し、試験紙へ供給したりすることができる。
【0148】
以上は、穿刺針23による生体表面への穿刺深さを最小値0.2mm(ないし0.4mm)に設定した場合の作用を説明したが、次に、穿刺深さを最大値に設定した場合の作用を簡単に説明する。
【0149】
[6] 図16に示すように、ハウジング3に対し、調節部6を周方向に回転させて、リブ624を指標33の位置に合わせる。これにより、穿刺深さ制御板61の凸部の形成されていない部分614がプランジャ5の第1の突部56に対面する。すなわち、穿刺針23による生体表面への穿刺深さが最大値(例えば0.6mm)に設定される。
【0150】
そして、前述したように、生体表面への穿刺の準備完了後、穿刺針カートリッジ2のケーシング21の先端を所定の部位、例えば指先のような生体表面に圧着して開口211を塞いだ後、穿刺操作部7の操作ボタン71を押す。
【0151】
これにより、図17に示すように、係止部531の係止が解除され、圧縮されていたコイルバネ91がその弾性力により伸長し、プランジャ5が先端方向へ移動し、穿刺針23がケーシング21の開口211より突出し、生体表面を穿刺する。
【0152】
このとき、プランジャの第1の突部56が穿刺深さ制御板61の凸部の形成されていない部分614に当接し、プランジャ5の先端方向への移動が規制される。これにより、穿刺針23による生体表面への穿刺深さ(突出長さ)は、最大値である0.6mmとされる。複数回穿刺を行った場合でも、それぞれの実際の突出長さは、突出長さの設定値0.6mmに極めて近い値となる。このときの誤差範囲も、前述した設定値Sが0.2〜0.4mmのときとほぼ同様である。
【0153】
穿刺針23が生体表面を穿刺した後は、図16に示すように、圧縮されていたコイルバネ92がその弾性力により伸長し、プランジャ5が基端方向へ移動し、生体表面から穿刺針23が抜け、その穿刺針23は、ケーシング21内に収納(格納)される。すなわち、図16に示す状態に戻る。
【0154】
以上説明したように、穿刺具1は、穿刺針カートリッジ2を穿刺具本体10の先端部に着脱自在に装着するカートリッジ式の穿刺具であるので、穿刺針の交換を安全、容易かつ迅速に行うことができる。
【0155】
また、穿刺針カートリッジ2は、開口211からの穿刺針23の最大突出長さ(最大突出量)を規制する機能を有しており、ランセット22は、最大で、大径部224の先端面222がケーシング21の面212に当接した図3に示す位置までしか先端方向に移動することができないので、穿刺の際の安全性が高い。
【0156】
そして、この穿刺具1によれば、プランジャ5を先端方向へ付勢するコイルバネ91と基端方向へ付勢するコイルバネ92とを有しているので、穿刺の際、突出長さの設定値通りに(少ない誤差で)、穿刺針23をケーシング21の開口211から突出させ、かつ、その後、確実に穿刺針23をケーシング21内に収納することができる。これにより、安全かつ確実に、生体表面を穿刺することができ、特に、微量、低痛の出血を再現性良く行うことができる。
【0157】
また、穿刺具1では、調節機構により、突出長さ、すなわち穿刺針23による生体表面への穿刺深さを任意に調節することができ、また、採血の度に、諸事情や目的に応じた穿刺深さ(出血量)を実現することができる。そして、浅い穿刺深さでも、再現性良く穿刺することができ。
【0158】
特に、突出長さを0.2〜0.35mmの範囲に設定可能であるため、微量の出血量での採血が可能となり、穿刺に伴う痛みも極めて少ない。
【0159】
そして、突出長さの設定値Smm(0.2〜0.35mmの範囲内)に対する実際の突出長さの誤差が好ましくは±0.17mm以内(より好ましくは±0.13mm以内)であるので、前述のような微量、低痛の出血(検体採取)を再現性良く行うことができ、突出長さの範囲を0.2〜0.35mmとしたことの実効性が確保される。
【0160】
また、調節機構は、回転式の調節部6を有しているので、簡単な操作で、迅速かつ確実に前記穿刺深さを調節(設定)することができる。
【0161】
そして、穿刺具1は、コイルバネ91および92を有しているので、前記調節機構により設定可能なすべての穿刺深さにおいて、確実に穿刺(穿刺針23のケーシング21からの突出および収納)を行うことができる。
【0162】
また、穿刺具1では、セット操作部8を基端方向へ移動させる簡単な操作で、コイルバネ91を圧縮し、係止部531をハウジング3に対して係止させることができる。すなわち、容易かつ迅速に、生体表面への穿刺の準備を行うことができる。このため、定期的に使用する場合にも有利である。
【0163】
また、穿刺具1では、操作ボタン71の押圧方向、すなわちプランジャ5を作動させて穿刺を行わせる操作の方向と、プランジャ5の移動方向(穿刺方向)とが異なる方向(ほぼ直交する方向)である。このため、穿刺の恐怖感が軽減されるとともに、穿刺の際、操作ボタン71の押圧力によりケーシング21の先端の生体表面に対する接触圧が変化せず、よって、設定どおりの穿刺深さが実現される。
【0164】
また、穿刺具1では、頭部42がこの穿刺具1の最も基端側に位置しており(プランジャ5等が基端側に露出していない)、穿刺具1の全長(軸方向の長さ)は、生体表面への穿刺の準備が完了したときと、穿刺後とで等しい(全長が一定である)ので、穿刺具1の操作を容易に行うことができる。
【0165】
以上のことから、この穿刺具1は、患者自身が自己の血糖値等を測定する際に使用するのに適している。
また、穿刺具1は、構成が簡単であり、量産に適する。
【0166】
以上、本発明の穿刺具を、図示の実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
【0167】
例えば、前記実施例では、調節機構は、穿刺針による穿刺深さを段階的に調節するように構成されているが、本発明では、例えば、穿刺針による穿刺深さを無段階(連続的)に調節し得るように構成されていてもよい。さらには、穿刺針による穿刺深さは、一定(調整不可)であってもよい。
【0168】
また、本発明の穿刺具では、第2付勢手段は、存在しなくてもよい。
また、以上では、血液を採取する場合の実施例について述べたが、本発明の穿刺具は、例えば組織間液のような血液以外の体液を採取するためのものでもよく、その用途は特に限定されない。
【0169】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
【0170】
<1>穿刺具
図1〜図17に示す構造の穿刺具を製造した。この穿刺具の各部の条件は、次の1)〜8)の通りである。
1) 調節機構により、突出長さ(穿刺深さ)を0.2mm、0.3mm、0.4mmおよび0.6mmの4段階に設定可。
2) 突出長さの設定値S=0.3mmに対する実際の突出長さの誤差は、±0.13mm以内。
3) ランセット22のプランジャ装着部226の先端(=大径部224の基端面223)から穿刺針23の針先231の先端までの長さTは、23mm。
4) 長さTの寸法誤差は、±0.06mm以内。
5) 穿刺針23の外径は、0.5mm。
6) 穿刺針23の針先231の長さ(傾斜部の長さ)は、1.5mm。
7) 針先231の先端から0.3mm基端側の位置における針先231の最大幅は、0.4mm。
8) 開口211の直径は、1.6mm。
9) 第1の突部56の第2の突部に当接する部位からプランジャ5の先端513までの長さMは、70mm。
【0171】
<2>穿刺および血糖測定試験
次に、前記穿刺具を用いて、92名の成人被験者に対して、以下の試験を行った。
【0172】
突出長さ(穿刺深さ)を0.2mmに設定し、各被験者に対し、順に1回ずつ穿刺操作を行い、測定必要量1.2μLの血糖測定装置による血糖値の測定に成功したか否かを確認した。血糖値の測定に失敗した場合は、順次、突出長さ(穿刺深さ)の設定を0.3mm、0.4mm、0.6mmと上げてゆき、同様の穿刺操作および測定を行った。
【0173】
<3>試験結果
試験結果は、92名中38名が穿刺深さ0.2mmで成功し、30名が穿刺深さ0.3mm成功し、12名が穿刺深さ0.4mmで成功し、12名が穿刺深さ0.6mm用で成功し、血糖値を測定することができた。
【0174】
また、上記試験において、0.3mmの穿刺深さで成功した人(30名)に対し、穿刺深さ0.6mmでの穿刺も実施してもらい、どちらが痛いかを評価した。どちらも痛いとした人が3名(10%)、どちらも痛くないとしたひとが5名(16.7%)、穿刺深さ0.3mmの方が穿刺深さ0.6mmに比べて痛さが少ないとした人が22名(73.3%)であった。
【0175】
以上の結果より、本発明の穿刺具では、穿刺深さが浅い領域(0.2mm〜0.3mm)での血糖値測定の成功率が高く、穿刺の痛さも軽減されることが明らかとなった。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の穿刺具によれば、ハウジングの先端部に穿刺針カートリッジが着脱自在に装着されるので、穿刺針の交換を安全、容易かつ迅速に行うことができる。
【0177】
そして、穿刺針の針先がケーシングの開口から突出する突出長さを0.2〜0.35mmの範囲に設定可能であるため、微量の出血量での検体採取が可能となり、穿刺に伴う痛みも極めて少ない。
【0178】
この場合、突出長さの設定値Smm(0.2〜0.35mmの範囲内)に対する実際の突出長さの誤差が±0.17mm以内であるときは、前述のような微量、低痛の出血(検体採取)を再現性良く行うことができる。
【0179】
また、プランジャを先端方向へ付勢する第1付勢手段と基端方向へ付勢する第2付勢手段とを有する場合には、穿刺の際、確実に穿刺針をケーシングの開口から所定量突出させ、かつ、その後、確実に穿刺針をケーシング内に収納することができる。これにより、安全かつ確実に、生体表面を穿刺することができる。
【0180】
特に、前記第1付勢手段および第2付勢手段をそれぞれバネで構成し、第1付勢手段のバネ定数k1と、第2付勢手段のバネ定数k2との比、k1/k2を前述した好適な値(好ましくは1以上、より好ましくは10〜20程度)に設定した場合には、より確実に、穿刺(穿刺針のケーシングからの突出および収納)を行うことができる。
【0181】
また、本発明の穿刺具では、ケーシングの開口からの穿刺針の突出長さの設定操作や、穿刺のための操作を簡単に行うことができる。そのため、医師や看護士が操作する場合は勿論のこと、年配者、手指が不自由な者、手の力が弱い者等の患者が、自分で採血し、血糖値等を測定するのにも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の穿刺具の実施例を示す断面図である。
【図2】図1に示す穿刺具の穿刺針カートリッジを示す断面図である。
【図3】図1に示す穿刺具の穿刺針カートリッジを示す断面図である。
【図4】図1に示す穿刺具の穿刺針カートリッジを示す断面図である。
【図5】図1に示す穿刺具のプランジャを示す断面図である。
【図6】図1に示す穿刺具の調節部の構成(側面および両端面)を示す図である。
【図7】図6中のE−E線での断面図である。
【図8】図6中のA−A線での断面図である。
【図9】図6中のB−B線での断面図である。
【図10】図6中のC−C線での断面図である。
【図11】図6中のD−D線での断面図である。
【図12】図1に示す穿刺具の使用状態を示す断面図である。
【図13】図1に示す穿刺具の使用状態を示す断面図である。
【図14】図1に示す穿刺具の使用状態を示す断面図である。
【図15】図1に示す穿刺具の使用状態を示す断面図である。
【図16】図1に示す穿刺具の使用状態を示す断面図である。
【図17】図1に示す穿刺具の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 穿刺具
10 穿刺具本体
2 穿刺針カートリッジ
21 ケーシング
211 開口
212 面
213 突起
214 開口
215 リブ
22 ランセット
221 先端面
222 先端面
223 基端面
224 大径部
225 角部
226 プランジャ装着部
23 穿刺針
231 針先
24 キャップ
241 押え部材
3 ハウジング
30 ハウジング本体
31 中空部
32 開口
33 指標
34 長孔
35 先端
4 キャップ状部材
41 リブ
42 頭部
43 長孔
5 プランジャ
51 装着部
511 切欠き
512 テーパ面
513 先端
52 突出部
521 突起
53 ロック部材
531 係止部
532 突起
54、55 フランジ
56 第1の突部
6 調節部
61 穿刺深さ制御板
610 支持部
611〜613 凸部
614 凸部の形成されていない部分
621〜624 リブ
63 溝
7 穿刺操作部
71 操作ボタン
711 突起
8 セット操作部
80 セット操作部本体
81 リブ
82 把手部
91、92 コイルバネ
93 バネ受け部材

Claims (11)

  1. 先端に開口を有するケーシングと、該ケーシング内に移動可能に収納された穿刺針とを備えた穿刺針カートリッジと、
    先端部に前記穿刺針カートリッジが着脱自在に装着される長尺状のハウジングと、
    前記穿刺針カートリッジの前記穿刺針が着脱自在であり、前記ハウジング内を長手方向に移動し得るプランジャと、
    前記プランジャを前記ハウジングの少なくとも先端方向へ付勢する第1付勢手段と、
    前記穿刺針による穿刺を行わせる操作手段とを有し、
    前記操作手段の操作により、前記プランジャが前記第1付勢手段により付勢されて先端方向へ移動し、これに伴い前記穿刺針が同方向に移動して、前記穿刺針の針先が前記開口から突出するよう構成された穿刺具であって、
    前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さを0.2〜0.35mmの範囲に設定可能であることを特徴とする穿刺具。
  2. 先端に開口を有するケーシングと、該ケーシング内に移動可能に収納された穿刺針とを備えた穿刺針カートリッジと、
    先端部に前記穿刺針カートリッジが着脱自在に装着される長尺状のハウジングと、
    前記穿刺針カートリッジの前記穿刺針が着脱自在であり、前記ハウジング内を長手方向に移動し得るプランジャと、
    前記プランジャを前記ハウジングの少なくとも先端方向へ付勢する第1付勢手段と、
    前記プランジャを前記ハウジングの少なくとも基端方向へ付勢する第2付勢手段と、
    前記穿刺針による穿刺を行わせる操作手段とを有し、
    前記操作手段の操作により、前記プランジャが前記第1付勢手段により付勢されて先端方向へ移動し、これに伴い前記穿刺針が同方向に移動して、前記穿刺針の針先が前記開口から突出し、その後前記プランジャは、前記第2付勢手段により基端方向へ付勢されて基端方向へ移動するよう構成された穿刺具であって、
    前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さを0.2〜0.35mmの範囲に設定可能であることを特徴とする穿刺具。
  3. 前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さの設定値をSmm(ただし、Sは0.2〜0.35mmの範囲内)としたとき、当該Sに対する実際の突出長さの誤差が±0.17mm以内である請求項1または2に記載の穿刺具。
  4. 前記穿刺針は、その基端部に樹脂製の穿刺針ハブが固着されている請求項1ないし3のいずれかに記載の穿刺針。
  5. 前記穿刺針ハブは、その基端側に前記プランジャに装着されるプランジャ装着部を有する請求項4に記載の穿刺針。
  6. 前記プランジャ装着部の先端から前記穿刺針の針先の先端までの長さをTとしたとき、その寸法誤差が±0.08mm以内である請求項5に記載の穿刺針。
  7. 前記長さTは、20〜26mmである請求項6に記載の穿刺針。
  8. 前記穿刺針の針先が前記開口から突出する突出長さを多段階または無段階に調節し得る調節機構を有し、該調節機構により前記突出長さを0.2〜0.35mmの範囲内に設定することができる請求項1ないし7のいずれかに記載の穿刺具。
  9. 前記調節機構は、前記プランジャに設けられた第1の突部と、
    前記ハウジングに対し、その周方向に回動可能に設けられた調節部であって、前記周方向に沿って設けられ、穿刺の際に前記第1の突部に当接する第2の突部を有する調節部とを備え、
    前記第2の突部は、前記第1の突部に当接する当接面の前記ハウジングの長手方向の位置が異なる複数の部分を有する請求項8に記載の穿刺具。
  10. 前記第1の突部の前記当接面に当接する部位から前記プランジャの先端までの長さが50〜90mmである請求項9に記載の穿刺具。
  11. 前記プランジャは、前記第1付勢手段により先端方向へ付勢された状態で前記ハウジングに対し係止する係止部を有し、前記操作手段の操作により前記係止部の係止を解除することにより前記プランジャが先端方向へ移動するよう構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の穿刺具。
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